(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】ロボットシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 15/08 20060101AFI20240723BHJP
B25J 15/04 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B25J15/08 M
B25J15/04 C
(21)【出願番号】P 2022545737
(86)(22)【出願日】2021-08-27
(86)【国際出願番号】 JP2021031557
(87)【国際公開番号】W WO2022045300
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2020146075
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】掃部 雅幸
(72)【発明者】
【氏名】岡 朋暉
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第4518187(US,A)
【文献】特開昭60-39089(JP,A)
【文献】特開2018-144213(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016111893(DE,A1)
【文献】特開平1-317989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 15/08
B25J 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の指部材と、前記一対の指部材の一方の指部材の先端部から他方の指部材の先端部へ向かう方向である第1方向において前記一対の指部材を近接又は離間するように動作させるアクチュエータと、それぞれが前記一対の指部材のうちの対応する指部材に対して着脱可能に構成されている一対の爪部材と、を備え、
前記一対の爪部材のそれぞれが基端部と先端部とを備え、
それぞれの前記基端部が互いに近接する方向に移動すると、それぞれの前記先端部の先端が互いに離間して、ワークを内側から保持するように構成されており、
前記一対の爪部材のそれぞれにおいて、前記先端部が、前記基端部から延びる第一部と、前記第一部に対して傾斜して延びる第二部とを備え、
一方の爪部材の前記第一部と他方の爪部材の前記第一部とが平行に延び、
一方の爪部材の前記第二部と他方の爪部材の前記第二部とがクロスしており、
一方の爪部材の前記第二部が厚み方向の中央に切り込みを有しており、
他方の爪部材の前記第二部が前記切り込みを貫通
しており、
それぞれの先端部がワークと当接する当接面を備え、前記一対の爪部材のうち、前記他方の爪部材の前記当接面と前記基端部とが、前記一方の爪部材を挟んで反対側に位置する、ロボットシステム。
【請求項2】
前記一対の指部材の先端部の移動方向が前記第1方向と平行である、請求項1に記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記当接面が、前記第1方向に垂直である、請求項1
又は2に記載のロボットシステム。
【請求項4】
制御装置をさらに備え、
前記爪部材の前記基端部が係合部を備えており、
前記一対の指部材のそれぞれの先端部が、前記第1方向に延びる凹状の被係合部を備えており、
前記制御装置は、前記一対の指部材の間に前記一対の爪部材が位置するように前記一対の指部材を動作させ、その後、前記一対の指部材が近接するように動作させて前記被係合部と前記係合部とを係合させる、請求項1から
3のいずれかに記載のロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
筒状のワークを内周面側から保持するチャックが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているチャックは、ロボットハンドに用いられ、シリンダロッドの先端にクサビ部材が装着されていて、当該クサビ部材の進退により、揺動する複数のチャック爪を有している。
【0003】
特許文献1に開示されているチャックでは、シリンダにより、ロッドが進行すると、2つのチャック爪の先端が互いに離間するように揺動することで、筒状のワークを内周面側から保持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、上記特許文献1に開示されているチャックとは異なる、新たな構造を有し、筒状のワークを内周面側から保持することができる、ロボットシステムを想到した。本開示は、新規な構造を備えるロボットシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記従来の課題を解決するために、本開示に係るロボットシステムは、一対の指部材と、一方の前記指部材の先端部から他方の前記指部材の先端部へ向かう方向である第1方向において前記一対の指部材を近接又は離間するように動作させるアクチュエータと、それぞれが対応する前記指部材に対して着脱可能に構成されている一対の爪部材と、を備え、前記一対の爪部材のそれぞれが基端部と先端部とを備え、それぞれの前記基端部が互いに近接する方向に移動すると、前記爪部材のそれぞれの前記先端部の先端が互いに離間するように構成されている。
【0007】
これにより、筒状のワークを内周面側から保持することができる。
【0008】
本開示の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施形態の詳細な説明から明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
本ロボットシステムによれば、筒状のワークを内周面側から保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本実施の形態1に係るロボットシステムの概略構成を示す模式図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すロボットシステムの支持部材及び爪部材の概略構成を示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図1に示すロボットシステムの、ハンド及び爪部材の概略構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、
図5の爪部材を異なる方向から見た模式図である。
【
図7】
図7A及びBは、
図5のハンド及び爪部材がワークを保持する様子が示された模式図である。
【
図8】
図8は、
図3に示すロボットシステムの指部材の先端部及び爪部材の概略構成を示す模式図である。
【
図9】
図9A及びBは、
図4に示す爪部材を指部材に装着させる様子が示された模式図である。
【
図10】
図10は、
図8の爪部材が装着されたハンドの概略構成を示す模式図である。
【
図11】
図11は、他の爪部材が装着されたハンドの概略構成を示す模式図である。
【
図12】
図12は、さらに他の爪部材が装着されたハンドの概略構成を示す模式図である。
【
図13】
図13は、さらに他の爪部材が装着されたハンドの概略構成を示す模式図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態1に係るロボットシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、本実施の形態1における変形例1のロボットシステムの、ハンド及び爪部材の概略構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、本実施の形態2に係るロボットシステムの、指部材及び爪部材の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、全ての図面において、本開示を説明するための構成要素を抜粋して図示しており、その他の構成要素については図示を省略している場合がある。さらに、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1に係るロボットシステムの一例について、
図1~
図14を参照しながら説明する。
【0013】
[ロボットシステムの構成]
図1~
図3は、本実施の形態1に係るロボットシステム100の概略構成を示す模式図である。
図1は、指部材に爪部材が装着された状態を示し、
図2は、指部材から爪部材が取り外された状態を示す。また、
図3は、
図1とは異なる方向から見た状態を示し、
図1に示す爪部材とは異なる爪部材が装着された状態を示している。
【0014】
なお、
図1~3においては、ロボットシステムにおける前後方向、上下方向、及び左右方向を、図における前後方向、上下方向、及び左右方向で表わしている。
【0015】
図1~
図3に示すように、本実施の形態1に係るロボットシステム100は、ロボット101、ハンド20、制御装置50、及び支持部材200を備えている。ロボット101は、移動体60上に載置されている。移動体60は、左右方向に延びるレール部材301A、301B上に配置されていて、適宜なアクチュエータにより、左右方向に移動するように構成されている。
【0016】
なお、ロボットシステム100は、撮影装置(例えば、カメラ)をさらに備えていて、当該撮影装置が撮影した画像情報/映像情報が制御装置50に入力されてもよい。また、制御装置50は、取得した画像情報/映像情報を基に、ワークの形状を把握して、ワークの形状に適応する爪部材を選択するように構成されていてもよい。
【0017】
ロボット101の前方には、支持部材200が配置されている。支持部材200には、複数の種類の一対の爪部材41~45が収納されている。ここで、支持部材200の構成について、
図1及び
図4を参照しながら、説明する。なお、爪部材41~45の構成については、後述する。
【0018】
図4は、
図3に示すロボットシステム100の支持部材200及び爪部材42の概略構成を示す断面図である。なお、
図4においては、ロボットシステム100における上下方向及び左右方向を、図における上下方向及び左右方向で表わしている。
【0019】
図1及び
図4に示すように、支持部材200は、左右方向に延びる第1支持部材201と第2支持部材202を備えていて、第1支持部材201と第2支持部材202の間の空間が、凹部203を構成する。凹部203は、爪部材41~45の先端部71が、それぞれ、挿通されるように構成されている。具体的には、爪部材41~45の延伸方向が鉛直方向に向いた状態で、爪部材41~45の先端部71が、それぞれ、凹部203に挿通される。
【0020】
なお、支持部材200は、本実施の形態1においては、2つの部材で構成されている形態を採用したが、これに限定されず、1つの部材で構成されていてもよい。この場合、1つの箱状の部材の上面に凹部203が形成されていればよい。
【0021】
また、
図1に示すように、支持部材200の前方には、各種ワークW1~W5が配置されている。ロボットシステム100は、各種ワークW1~W5の形状に適応する各種の爪部材41~45を選択して、指部材30に装着させる。
【0022】
ロボット101は、複数のリンク(ここでは、第1リンク11a~第6リンク11f)の連接体と、複数の関節(ここでは、第1関節JT1~第6関節JT6)と、これらを支持する基台15と、を備える、垂直多関節ロボットアームである。なお、本実施の形態1においては、ロボット101として、垂直多関節型ロボットを採用したが、これに限定されず、水平多関節型ロボットを採用してもよい。
【0023】
第1関節JT1では、基台15と、第1リンク11aの基端部とが、鉛直方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第2関節JT2では、第1リンク11aの先端部と、第2リンク11bの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第3関節JT3では、第2リンク11bの先端部と、第3リンク11cの基端部とが、水平方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。
【0024】
また、第4関節JT4では、第3リンク11cの先端部と、第4リンク11dの基端部とが、第4リンク11dの長手方向に延びる軸回りに回転可能に連結されている。第5関節JT5では、第4リンク11dの先端部と、第5リンク11eの基端部とが、第4リンク11dの長手方向と直交する軸回りに回転可能に連結されている。第6関節JT6では、第5リンク11eの先端部と第6リンク11fの基端部とが、捻れ回転可能に連結されている。
【0025】
そして、第6リンク11fの先端部には、メカニカルインターフェース12が設けられている。このメカニカルインターフェース12には、ハンド20が着脱可能に装着される。なお、ハンド20の構成については、後述する。
【0026】
また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、各関節が連結する2つの部材を相対的に回転させるアクチュエータの一例としての駆動モータが設けられている(図示せず)。駆動モータは、例えば、制御装置50によってサーボ制御されるサーボモータであってもよい。また、第1関節JT1~第6関節JT6には、それぞれ、駆動モータの回転位置を検出する回転センサと、駆動モータの回転を制御する電流を検出する電流センサと、が設けられている(それぞれ、図示せず)。回転センサは、例えば、エンコーダであってもよい。
【0027】
制御装置50は、マイクロプロセッサ、CPU等の演算処理器と、ROM、RAM等の記憶器と、を備えている(いずれも図示せず)。記憶器には、基本プログラム、各種固定データ等の情報が記憶されている。演算処理器は、記憶器に記憶された基本プログラム等のソフトウェアを読み出して実行することにより、ロボットシステム100の各種の動作を実行するように構成されている。
【0028】
なお、制御装置50は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。また、制御装置50は、マイクロコンピュータで構成されていてもよく、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等によって構成されていてもよい。
【0029】
次に、
図1~
図13を参照しながら、ハンド20、指部材30、及び各種爪部材41~45の構成について説明する。
【0030】
図5は、
図1に示すロボットシステム100の、ハンド20及び爪部材41の概略構成を示す模式図である。
【0031】
図1及び
図5に示すように、ハンド20は、一対の指部材30A、30B、本体21、及びアクチュエータ22を有している。アクチュエータ22は、本体21の後部に配置されていて、一対の指部材30A、30Bを近接/離間するように動作させるように構成されている。アクチュエータ22は、サーボ-モータで構成されていてもよい。また、ハンド20は、一対の指部材30A、30Bを近接/離間させるための各種の部材(例えば、歯車、カム機構等)を有していてもよい。
【0032】
一方の指部材30Aの先端部から、他方の指部材30Bの先端部に向かう方向は、第1方向と称される。
図5、
図7A及び7Bにおいて、矢印Xで示される方向が、第1方向である。以下においては、第1方向は左右方向として説明する。このとき、指部材30A、30Bの延伸方向は、鉛直方向(上下方向)である。
【0033】
一対の指部材30A、30Bには、それぞれ、爪部材41A、41Bが接続されている。また、一対の指部材30A、30bは、本実施の形態1においては、それぞれ、4本のリンク部材3A~3Dと接続部材3Eを有している。
【0034】
なお、一対の指部材30A、30Bを区別しない場合には、指部材30と称する場合がある。同様に、爪部材41A、41Bを区別しない場合には、爪部材41と称する場合がある。
【0035】
また、本実施の形態1においては、指部材30は、4本のリンク部材3A~3Dを有する形態を採用したが、これに限定されない。指部材30は、1本のリンク部材を有する形態を採用してもよく、2本のリンク部材を有する形態を採用してもよい。
【0036】
リンク部材3A、3Bの基端部は、それぞれ、本体21と回動自在に接続されている。また、リンク部材3Aの先端部は、リンク部材3Cの基端部と回動自在に接続されている。同様に、リンク部材3Bの先端部は、リンク部材3Dの基端部と回動自在に接続されている。リンク部材3C、3Dの先端部は、それぞれ、接続部材3Eと回動自在に接続されている。
【0037】
指部材30の先端部に設けられた接続部材3Eには、爪部材41の基端部72が接続されている。ここで、
図8を参照しながら、指部材30の接続部材3Eと爪部材42の基端部72の構成について説明する。
【0038】
なお、
図8では、爪部材42が記載されているが、爪部材41の基端部72と爪部材42の基端部72は、同様に構成されているため、以下においては、爪部材42の基端部72について、説明する。
【0039】
図8は、
図3に示すロボットシステム100の指部材30の先端部分及び爪部材41の概略構成を示す模式図である。なお、
図8においては、ロボットシステム100における前後方向、上下方向、及び左右方向を、図における前後方向、上下方向、及び左右方向で表わしている。
【0040】
図8に示すように、指部材30の接続部材3Eは、直方体状に形成されている。接続部材3Eにおける前面の下端部と後面の下端部には、それぞれ、左右方向に延びるフランジ状の被係合部61、61が形成されている。
【0041】
被係合部61は、テーパー状に形成されている。具体的には、指部材30A側の被係合部61は、左面よりも右面の方が、面積が小さくなるように、テーパー状に形成されている。また、指部材30B側の被係合部61は、右面よりも左面の方が、面積が小さくなるように、テーパー状に形成されている。
【0042】
また、指部材30A側の接続部材3Eの右面(内面;被係合部61の先端部62)には、第1ロック機構80が設けられている。同様に、指部材30B側の接続部材3Eの左面(内面;被係合部61の先端部62)には、第1ロック機構80が設けられている。また、後述する爪部材42の第1ストッパ部91には、第1ロック機構90が設けられている。
【0043】
第1ロック機構80、90は、被係合部61の先端部が、下方に向いたときに、爪部材42が自重で落下しないように、爪部材42を係止することができれば、どのような態様であってもよい。第1ロック機構80、90としては、例えば、磁石で構成されていてもよく、ボールプランジャで構成されていてもよい。
【0044】
爪部材42は、前後方向から見て、逆L字状に形成されていて、左右方向に延びる基端部72と、上下方向に延びる先端部71と、を有する。爪部材42Aの基端部72には、左面側が開口している、左右方向(第1方向)に延びる凹状の係合部81が形成されている。同様に、爪部材42Bの基端部72には、右面側が開口している、左右方向に延びる凹状の係合部81が形成されている。
【0045】
係合部81は、被係合部61と係合することで、指部材30に爪部材42が装着される。なお、係合部81は、被係合部61と嵌合するように、内周面がテーパー状に形成されていてもよい。
【0046】
また、係合部81を構成する凹部の底面が、第1ストッパ部91を構成する。第1ストッパ部91は、被係合部61の先端部62が当接することで、指部材30の移動が制限される。これにより、指部材30と爪部材42の位置決めを容易にすることができる。
【0047】
また、第1ストッパ部91には、第1ロック機構90が設けられている。第1ロック機構90は、第1ロック機構80と共同して、爪部材42を指部材30に固定することができる。
【0048】
図9A及び9Bには、支持部材200に格納された爪部材42を、指部材30に装着する様子が示されている。まず、制御装置50がロボット101を動作させて、一対の指部材30A、30Bの間に一対の爪部材42が位置するように、指部材30A、30Bを移動させる(
図9A)。次に制御装置50が、アクチュエータ22を動作させて、一対の指部材30A、30Bを近接させる。これにより、それぞれの係合部81が、対応する被係合部61と係合する(
図9B)。これにより、それぞれの爪部材42が、対応する指部材30に装着される。
【0049】
次に、
図5~7及び
図10~
図13を参照しながら、各種爪部材41~45の構成について説明する。
図5~7には、爪部材41が装着されたハンド20が示されている。
図10~
図13は、他の爪部材が装着されたハンド20の概略構成を示す模式図である。なお、爪部材42~45において、一対の爪部材のそれぞれを区別する場合には、爪部材42A、42B~45A、45Bと称する。また、以下においては、爪部材41及び爪部材43~45の基端部72は、前述の爪部材42の基端部72と同様に構成されているので、その詳細な説明は省略する。
【0050】
図5には、爪部材41が装着されたハンド20が、示されている。
図6は、爪部材41を、
図5とは異なった方向から見た図である。
図5及び
図6に示されるように、爪部材41の先端部71のそれぞれは、基端部72から繋がる第一部85と、第一部85に対して傾斜して延びる第二部86とを備えている。一方の爪部材41Aの第一部85Aと他方の爪部材41Bの第一部85Bとは、平行に延びている。一方の爪部材41Aの第二部86Aと他方の爪部材41Bの第二部86Bとはクロスしている。
図6に示されるように、一方の爪部材41Aの第二部86Aは、厚み方向(一対の先端部71の、互い対向している面の、幅方向)の中央に、先端から根元側に向けて延びる切り込み88を有している。他方の爪部材41Bの第二部86Bが、この切り込み88を貫通することで、一方の爪部材41Aの第二部86Aと他方の爪部材41Bの第二部86Bとがクロスしている。それぞれの先端部71は、第1方向Xに垂直な当接面87を備えている。
【0051】
図7A及び7Bには、このロボットシステム100が、円筒状のワークW1を保持する様子が示されている。円筒状のワークW1を保持する際には、まず、制御装置50がロボット101を動作させて、それぞれの爪部材41の先端部71を、円筒状のワークW1の内側に挿入する。
図7Aは、先端部71がワークW1の内側に挿入された状態を示している。
【0052】
次に制御装置50は、アクチュエータ22を動作させて、第1方向Xにおいて一対の指部材30の先端部が近接するように、指部材30を動作させる。
図7Aにおいて、矢印Y1及び矢印Y2は、それぞれ指部材30の先端部の移動方向を表す。方向Y1及びY2は、それぞれの爪部材41の基端部72の移動方向でもある。この実施形態では、指部材30の先端部の移動方向Y1、Y2は、第1方向Xに平行である。指部材30の先端部の移動方向は、第1方向X以外の成分を含まない。指部材30の移動方向は、上下方向の成分を含まない。リンク部材3A、3B、3C及び3Dの傾斜角度を調整することで、それぞれの指部材30の先端部は、上下動することなく、第1方向Xに平行に移動する。
【0053】
図7Aにおいて、矢印Z1及び矢印Z2は、それぞれ爪部材41の先端部71の先端の移動方向を表す。上記のとおり、一方の爪部材41Aの第二部86Aと他方の爪部材41Bの第二部86Bとがクロスしているため、爪部材41の基端部72が互いに近接する方向に移動すると、爪部材41の先端部71の先端は互いに離間する方向に移動する。爪部材41の先端部71の先端は、第1方向Xに平行に移動する。これにより、それぞれの先端部71の当接面87が、ワークW1の内周面に当接する。
図7Bには、当接面87がワークW1の内周面に当接した状態が示されている。これにより、このロボットシステム100は、円筒状のワークW1を、内周面側から保持する。同様にして、このロボットシステム100は、円環状のワークW2を、内周面側から保持することができる。
【0054】
このロボットシステム100が、円筒状のワークW1を放す際には、制御装置50は、アクチュエータ22を動作させて、第1方向Xにおいて一対の指部材30の先端部が離間するように、指部材30を動作させる。爪部材41の先端部71の先端は、互いに近接する方向に移動する。それぞれの先端部71の当接面87が、ワークW1の内周面から離れる。これにより、円筒状のワークW1は、ロボットシステム100から放される。
【0055】
爪部材42は、
図10に示すように、先端部71の内面71Bには、上下方向に延びるように凹部73が形成されている。凹部73には、複数の溝74が形成されている。これにより、外周面が多角形状に形成されている、環状のワークW2を凹部73により滑ることなく、容易に保持することができる(
図1、
図2参照)。
【0056】
爪部材43は、
図11に示すように、先端部71の内面71Bには、V字状(又はU字状)の切り欠き75が形成されている。これにより、スパナ等の棒状のワークW3を切り欠き75で当接することで、容易に保持することができる(
図1、
図2参照)。
【0057】
爪部材44は、
図12に示すように、先端部71が逆L字状に形成されている。これにより、段ボール箱等の箱状のワークW4を容易に保持することができる(
図1、
図2参照)。
【0058】
爪部材45Aは、
図13に示すように、先端部71がU字状に形成されている。具体的には、爪部材45Aの先端部71は、一対の足部76A、76Bを有している。下方に位置している足部76Bは、上面が複数段階(ここでは、2段階)に傾斜していて、先端部分77の傾斜角度が、基端部分78の傾斜角度よりも大きくなるように構成されている。爪部材45Bは、先端部71が逆L字状に形成されている。これにより、ノート等の板状のワークW5を容易に保持することができる(
図1、
図2参照)。特に、爪部材45Aの足部76Bの先端部分77の傾斜角度が、基端部分78の傾斜角度よりも大きいため、先端部分77が、ワークW5の下面と床面との間に容易に入り込むことができる。また、保持しているワークW5を床面等に載置するときに、先端部分77の傾斜角度が大きいため、ワークW5を真下側に落下させることができ、ワークW5を正確に載置させることができる。
【0059】
[ロボットシステムの動作及び作用効果]
次に、本実施の形態1に係るロボットシステム100の動作及び作用効果について、
図1~
図14を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下の動作は、制御装置50の演算処理器が、記憶器に格納されているプログラムを読み出すことにより実行される。
【0060】
図14は、本実施の形態1に係るロボットシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0061】
まず、
図2に示すように、一対の指部材30A、30Bに各種爪部材41~45が装着されていないとする。また、ロボットシステム100は、ワークW4を搬送して、その後、ワークW4内に配置されている、ワークW1~W3、W5をワークW4外に搬送させる動作を行う搬送作業を実行するように構成されている。さらに、ロボットシステム100は、ワークW4外に配置されているワークW1~W3、W5をワークW4内に搬送させて、ワークW4を搬送させる動作を行う搬送作業を実行するように構成されている。
【0062】
そして、作業者(操作者)が、図示されない操作器を操作することで、ワークW1~W5を搬送する搬送作業を実行する指示信号が制御装置50に入力されたとする。なお、作業者が、操作器により、どのワークを保持して搬送するかについて、制御装置50に指示してもよい。また、制御装置50が、図示されない撮影装置から取得した画像情報/映像情報を基に、ワークの形状を把握して、ワークの形状に適応する(最適な)爪部材を選択してもよい。
【0063】
すると、
図14に示すように、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bが、爪部材41の上方に位置するように、ロボット101を動作させる(ステップS101)。ついで、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bが、離間するように、アクチュエータ22を動作させる(ステップS102)。
【0064】
次に、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bの間に爪部材41が位置するように、ロボット101を動作させる(ステップS103)。より詳細には、制御装置50は、指部材30の被係合部61の先端部62が、爪部材41の係合部81の開口と対向するように、ロボット101を動作させる。このときの指部材30及び爪部材41の状態は、爪部材42を使用して説明された、前述の
図9Aの状態に対応する。
【0065】
次に、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bが、近接するように、アクチュエータ22を動作させる(ステップS104)。これにより、指部材30の被係合部61と、爪部材41の係合部81と、が係合して、指部材30に爪部材41が装着される。このときの指部材30及び爪部材41の状態は、爪部材42を使用して説明された、前述の
図9Bの状態に対応する。
【0066】
このとき、被係合部61の先端部62が、第1ストッパ部91と当接することで、指部材30の移動が制限される。これにより、指部材30と爪部材41の位置決めを容易にすることができる。また、第1ロック機構90と第1ロック機構80が当接することにより、爪部材41を指部材30に固定される。
【0067】
次に、制御装置50は、ワーク(例えば、ワークW1)を保持して搬送するように、アクチュエータ22及び/又はロボット101を動作させる(ステップS105)。ついで、制御装置50は、ワークW1とは異なるワーク(例えば、ワークW2)を保持して、搬送できるように、爪部材42を脱離させる動作をロボットシステム100に実行させる。具体的には、制御装置50は、一対の爪部材41A、41Bが、支持部材200の上方に位置するように、ロボット101を動作させる(ステップS106)。
【0068】
次に、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bが、近接するように、アクチュエータ22を動作させる(ステップS107)。これにより、一対の爪部材41A、41Bが、近接して、爪部材41の先端部71が、支持部材200の凹部203に開口内に位置させることができる。
【0069】
次に、制御装置50は、爪部材41の先端部71が、支持部材200の凹部203内に位置するように、ロボット101を動作させる(ステップS108)。具体的には、制御装置50は、爪部材41を下方に移動させて、凹部203内に挿入させるように、ロボット101を動作させる。
【0070】
次に、制御装置50は、一対の指部材30A、30Bが、離間するように、アクチュエータ22を動作させ(ステップS109)、本プログラムを終了する。
【0071】
これにより、一対の爪部材41A、41Bは、一対の指部材30A、30Bに従って、離間するように移動するが、爪部材41A、41Bの先端部71の外側の側面79が、それぞれ、第1支持部材201の内面204、又は第2支持部材202の内面204と当接することで、一対の爪部材41A、41Bは、離間する方向へ移動することができなくなる。このため、一対の指部材30A、30Bは、それぞれ、爪部材41を離脱することができ、爪部材41は、支持部材200に収納される。
【0072】
なお、制御装置50は、ワークW1とは異なるワーク(例えば、ワークW2)を保持して、搬送する場合には、再び、ステップS101~ステップS109の処理を実行する。
【0073】
このように構成された、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、爪部材41~45の基端部72に、左右方向(第1方向)に延びる凹状の係合部81が形成されている。また、指部材30の先端部には、左右方向(第1方向)に延びるフランジ状の被係合部61が形成されている。
【0074】
これにより、制御装置50が、一対の指部材30A、30Bの間に、爪部材41が位置するように、ロボット101を動作させ、その後、一対の指部材30A、30Bが、近接するように、アクチュエータ22を動作させることで、容易に指部材30に爪部材41を装着することができる。
【0075】
また、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、係合部81を構成する凹部の底面が、第1ストッパ部91を構成している。これにより、指部材30に爪部材41~45のいずれかの爪部材を装着するときに、第1ストッパ部91が、被係合部61の先端部62が当接することで、指部材30の移動が制限される。これにより、指部材30と爪部材の位置決めを容易にすることができる。
【0076】
また、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、爪部材(例えば爪部材41)41の第1ストッパ部91には、第1ロック機構90が設けられていて、指部材30の被係合部61の先端部62には、第1ロック機構80が設けられている。
【0077】
これにより、第1ロック機構90と第1ロック機構80が共同して、爪部材41を指部材30に固定することができる。
【0078】
また、ロボットシステム100が動作して、一対の指部材30A、30Bが、鉛直方向に並ぶようにハンド20の向きを変更した場合であっても、第1ロック機構80と第1ロック機構90により、爪部材41が指部材30から抜け落ちることが防止される。
【0079】
さらに、第1ロック機構80と第1ロック機構90による固定が外れた場合であっても、以下の理由により、爪部材41が指部材30から抜け落ちることが防止される。
【0080】
一対の指部材30A、30Bが、鉛直方向に並ぶようにハンド20の向きを変更すると、上下に並ぶように、一対の爪部材41A、41Bが位置する。このため、上方に位置する、一方の爪部材41Aが、その自重により、下側に移動したとしても、下方に位置する、他方の爪部材41Bと当接することになる。したがって、一方の爪部材41Aの下側への移動を抑制することができ、爪部材41Aが指部材30Aから抜け落ちることが防止される。
【0081】
さらに、本実施の形態1に係るロボットシステム100では、一対の指部材30A、30Bの先端部が近接するように、第1方向に平行に移動すると、それぞれの爪部材41の先端部71、71の先端が、互いに離間するように構成されている。具体的には、爪部材41Aの先端部71と、爪部材41Bの先端部71と、が、途中でクロスするように構成されている。
【0082】
これにより、円筒状、円環状のワークW1の内周面側から保持することができる。
【0083】
本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100では、アクチュエータ22が、一対の指部材30のうち、少なくとも一方の指部材30を動作させるように構成されている。
【0084】
また、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100では、一対の指部材30のうち、他方の指部材30が、ハンド20の本体21に固定されていてもよい。
【0085】
本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100の運転方法では、アクチュエータ22が、一対の指部材30のうち、少なくとも一方の指部材30を動作させるように構成されている。
【0086】
また、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100の運転方法では、一対の指部材30のうち、他方の指部材30が、ハンド20の本体21に固定されていてもよい。
【0087】
以下、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100の一例について、
図15を参照しながら説明する。
【0088】
図15は、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100の、ハンド20及び爪部材41の概略構成を示す模式図である。
【0089】
図15に示すように、本実施の形態1における変形例1のロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、一対の指部材30A、30Bのうち、少なくとも一方の指部材30が動作する点が異なる。
【0090】
具体的には、アクチュエータ22が、一対の指部材30A、30Bのうち、少なくとも一方の指部材30を動作させるように構成されている。例えば、アクチュエータ22は、指部材30Aのみを動作させるように構成されていてもよい。この場合、指部材30Bは、ハンド20の本体21に固定されていてもよい。また、アクチュエータ22は、指部材30Bのみを動作させるように構成されていてもよい。この場合、指部材30Aは、ハンド20の本体21に固定されていてもよい。さらに、アクチュエータ22は、一対の指部材30A、30Bの両方を動作させるように構成されていてもよい。
【0091】
このように構成されている、本変形例1のロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0092】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係るロボットシステムは、実施の形態1に係るロボットシステム100において、爪部材は、基端部に係合部が形成されていて、指部材の先端部には、第1方向に沿って延びる、凹状の被係合部が形成されていて、ロボットシステムは、制御装置をさらに備え、制御装置は、一対の指部材の間に爪部材が位置するように、ロボットを動作させ、その後、一対の指部材が近接するように動作させて、被係合部と係合部を係合させる。
【0093】
また、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、係合部は、テーパー状に形成されていてもよい。
【0094】
また、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、指部材には、爪部材の係合部の先端と対向するように第2ストッパ部が設けられていてもよい。
【0095】
また、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、指部材の第2ストッパ部と爪部材の係合部の先端部には、それぞれ、第2ロック機構が設けられていてもよい。
【0096】
また、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、爪部材の延伸方向が、鉛直方向に向いた状態で、爪部材を支持する支持部材をさらに備え、支持部材には、凹部が設けられていて、一対の爪部材は、それぞれの先端部が凹部に挿通するように、支持部材に収納されていてもよい。
【0097】
さらに、本実施の形態2に係るロボットシステムでは、複数の種類の一対の爪部材が並ぶように、支持部材に収納されていてもよい。
【0098】
以下、本実施の形態2に係るロボットシステムの一例について、
図16を参照しながら説明する。
【0099】
[ロボットシステムの構成]
図16は、本実施の形態2に係るロボットシステム100の要部の概略構成を示す模式図である。
【0100】
図16に示すように、本実施の形態2に係るロボットシステム100は、実施の形態1に係るロボットシステム100と基本的構成は同じであるが、指部材30の先端部(接続部材3E)に、第1方向に沿って延びる、凹状の被係合部181が形成されている点と、爪部材42の基端部72に係合部161が形成されている点と、が異なる。
【0101】
具体的には、爪部材42の基端部72は、直方体状に形成されている。基端部72における前面の上端部と後面の上端部には、それぞれ、左右方向に延びるフランジ状の係合部161、161が形成されている。
【0102】
係合部161は、テーパー状に形成されている。具体的には、爪部材42A側の係合部161は、右面よりも左面の方が、面積が小さくなるように、テーパー状に形成されている。また、爪部材42B側の係合部161は、左面よりも右面の方が、面積が小さくなるように、テーパー状に形成されている。
【0103】
また、爪部材42A側の基端部72の左面(外面;係合部161の先端部162)には、第1ロック機構180が設けられている。同様に、爪部材42B側の基端部72の右面(外面;係合部161の先端部162)には、第1ロック機構180が設けられている。また、後述するように、指部材30の第1ストッパ部191には、第1ロック機構190が設けられている。
【0104】
第1ロック機構180、190は、被係合部161の先端部162が、下方に向いたときに、爪部材42が自重で落下しないように、爪部材42を係止することができれば、どのような態様であってもよい。第1ロック機構180、190としては、例えば、磁石で構成されていてもよく、ボールプランジャで構成されていてもよい。
【0105】
指部材30の接続部材3Eは、左右方向から見て、逆T字状に形成されていて、下端部31を有する。指部材30Aの下端部31には、右面側が開口している、左右方向(第1方向)に延びる凹状の被係合部181が形成されている。同様に、指部材30Bの下端部31には、左面側が開口している、左右方向に延びる凹状の被係合部181が形成されている。
【0106】
被係合部181は、係合部161と係合することで、指部材30に爪部材42が装着される。なお、被係合部181は、係合部161と嵌合するように、内周面がテーパー状に形成されていてもよい。
【0107】
また、被係合部181を構成する凹部の底面が、第1ストッパ部191を構成する。第1ストッパ部191は、係合部161の先端部162が当接することで、指部材30の移動が制限される。これにより、指部材30と爪部材42の位置決めを容易にすることができる。
【0108】
また、第1ストッパ部91には、第1ロック機構90が設けられている。第1ロック機構190は、第1ロック機構180と共同して、爪部材42を指部材30に固定することができる。
【0109】
このように構成されている、本実施の形態2に係るロボットシステム100であっても、実施の形態1に係るロボットシステム100と同様の作用効果を奏する。
【0110】
上記説明から、当業者にとっては、本開示の多くの改良又は他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本開示を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本開示を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
[開示項目]
以下は、好ましい実施形態の開示である。
[項目1]
一対の指部材と、一方の前記指部材の先端部から他方の前記指部材の先端部へ向かう方向である第1方向において前記一対の指部材を近接又は離間するように動作させるアクチュエータと、それぞれが対応する前記指部材に対して着脱可能に構成されている一対の爪部材と、を備え、前記一対の爪部材のそれぞれが基端部と先端部とを備え、それぞれの前記基端部が互いに近接する方向に移動すると、前記爪部材のそれぞれの前記先端部の先端が互いに離間するように構成されている、ロボットシステム。
[項目2]
前記一対の爪部材は、途中でクロスしており、
前記一対の指部材は、前記第1方向に平行に移動するように構成されている、項目1に記載のロボットシステム。
[項目3]
前記爪部材のそれぞれにおいて、前記先端部が、前記基端部から延びる第一部と、前記第一部に対して傾斜して延びる第二部とを備え、一方の爪部材の前記第一部と他方の爪部材の前記第一部とが平行に延び、一方の爪部材の前記第二部と他方の爪部材の前記第二部とがクロスしている、項目2に記載のロボットシステム。
[項目4]
一方の爪部材の前記第二部が、厚み方向の中央に、先端から根元側に向けて延びる切り込み有しており、他方の爪部材の前記第二部が、前記切り込みを貫通することで、一方の前記第二部と他方の前記第二部とがクロスしている、項目3に記載のロボットシステム。
[項目5]
それぞれ先端部が、前記第1方向に垂直な当接面を備える、項目1から4に記載のロボットシステム。
[項目6]
制御装置をさらに備え、前記爪部材の前記基端部に係合部が形成されていて、前記指部材の先端部に前記第1方向に延びる凹状の被係合部が形成されていて、前記制御装置は、一対の前記指部材の間に前記爪部材が位置するように前記指部材を動作させ、その後、前記一対の指部材が近接するように動作させて前記被係合部と前記係合部とを係合させる、項目1から5のいずれかに記載のロボットシステム。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示のロボットシステムによれば、筒状のワークを内周面側から保持することができるため、ロボットの分野において有用である。
【符号の説明】
【0112】
3A リンク部材
3B リンク部材
3C リンク部材
3D リンク部材
3E 接続部材
11a 第1リンク
11b 第2リンク
11c 第3リンク
11d 第4リンク
11e 第5リンク
11f 第6リンク
12 メカニカルインターフェース
15 基台
20 ハンド
21 本体
22 アクチュエータ
30 指部材
30A 指部材
30B 指部材
31 下端部
41 爪部材
41A 爪部材
41B 爪部材
42 爪部材
42A 爪部材
42B 爪部材
43 爪部材
43A 爪部材
43B 爪部材
44 爪部材
44A 爪部材
44B 爪部材
45 爪部材
45A 爪部材
45B 爪部材
50 制御装置
60 移動体
61 被係合部
62 先端部
71 先端部
72 基端部
73 凹部
74 溝
75 切り欠き
76A 足部
76B 足部
77 先端部分
78 基端部分
79 側面
80 第1ロック機構
81 係合部
85 第一部
86 第二部
87 当接面
88 切り込み
90 第1ロック機構
91 第1ストッパ部
100 ロボット
101 ロボット本体
161 係合部
162 先端部
180 第1ロック機構
181 被係合部
190 第1ロック機構
191 第1ストッパ部
200 支持部材
201 第1支持部材
202 第2支持部材
203 凹部
204 内面
301A レール部材
301B レール部材
JT1 第1関節
JT2 第2関節
JT3 第3関節
JT4 第4関節
JT5 第5関節
JT6 第6関節
W1 ワーク
W2 ワーク
W3 ワーク
W4 ワーク
W5 ワーク