(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】酸素フラットフレームバーナ及びブロックのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F23D 14/32 20060101AFI20240723BHJP
F23C 5/14 20060101ALI20240723BHJP
F23C 99/00 20060101ALI20240723BHJP
F23D 14/22 20060101ALI20240723BHJP
F23L 9/02 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F23D14/32
F23C5/14
F23C99/00 323
F23D14/22 H
F23L9/02
(21)【出願番号】P 2022549065
(86)(22)【出願日】2020-02-12
(86)【国際出願番号】 US2020017854
(87)【国際公開番号】W WO2021162684
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】517105076
【氏名又は名称】シーラス ヒート テクノロジー カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】SELAS HEAT TECHNOLOGY COMPANY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン、スコット シー.
(72)【発明者】
【氏名】フォンテス、デイヴィッド
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-112814(JP,A)
【文献】米国特許第05611682(US,A)
【文献】特表2003-502612(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0418314(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0123874(US,A1)
【文献】米国特許第05545031(US,A)
【文献】特表2012-515323(JP,A)
【文献】特表2012-500962(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0025334(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 14/00 - 14/84
F23C 1/00 - 99/00
F23L 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロック及びバーナのアセンブリであって、前記ブロック及びアセンブリは、
フラットフレームバーナサブアセンブリを備え、前記フラットフレームバーナサブアセンブリは、ガス源と流体連通したフラットフレームバーナ本体を含み、前記フラットフレームバーナ本体は、前記ガス源及びガスノズルと流体連通したガス入口と、燃料ノズルと流体連通した燃料入口と、を含み、前記ガスノズルは前記燃料ノズルを少なくとも部分的に取り囲むように構成されており、
前記燃料ノズルの少なくとも一部分及び前記ガスノズルの少なくとも一部分を受け入れるように構成されたフラットフレームバーナブロックを備え、
前記ガス源と流体連通した多段式インジェクタサブアセンブリを備え、及び、
前記フラットフレームバーナブロックに接続され、前記多段式インジェクタサブアセンブリの少なくとも一部分を受け入れるように構成された多段式インジェクタブロックを備え、
前記フラットフレームバーナブロック及び前記多段式インジェクタブロックは分離可能で
あり、
前記多段式インジェクタブロックは複数のガスチャネルを含み、前記複数のガスチャネルの各々は前記多段式インジェクタブロックの第1の側面から前記多段式インジェクタブロックの第2の側面まで延びており、前記複数のガスチャネルのうちの第1のガスチャネルは、前記複数のガスチャネルのうちの第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている、
ブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項2】
前記多段式インジェクタブロックは前記フラットフレームバーナブロックの上面又は底面に接続されている、請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項3】
前記多段式インジェクタブロックを前記フラットフレームバーナブロックに固定するように構成されたブラケットをさらに含む、請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項4】
前記ガスノズルは、第1の幅及び第1の高さから第2の幅及び第2の高さへ先細りになるように構成されており、前記第1の幅は前記第2の幅よりも小さく、前記第1の高さは前記第2の高さよりも大きい、請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項5】
前記燃料ノズルは、第3の幅及び第3の高さから第4の幅及び第4の高さへ先細りになるように構成されており、前記第3の幅は前記第4の幅よりも小さく、前記第3の高さは
前記第4の高さよりも大きい、請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項6】
前記ガスノズルは前記フラットフレームバーナ本体から第1の方向に第1の距離で突出するように構成されており、前記燃料ノズルは前記フラットフレームバーナ本体から前記第1の方向に第2の距離で突出するように構成されており、前記第1の距離は前記第2の距離に等しいか、又は前記第1の距離は前記第2の距離よりも小さい、請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項7】
前記複数のガスチャネルの前記第1のガスチャネルは、前記多段式インジェクタブロックの前記第1の側面に近接する第1の開口と、前記多段式インジェクタブロックの前記第2の側面に近接する第2の開口とを含み、前記第1の開口は前記フラットフレームバーナブロックから第1の開口距離で配置されており、前記第2の開口は前記フラットフレームバーナブロックから第2の開口距離で配置されており、前記第1の開口距離は前記第2の開口距離よりも大きい、
請求項1に記載のブロック及びバーナのアセンブリ。
【請求項8】
多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリであって、
ガス源と流体連通する多段式インジェクタサブアセンブリと、
前記多段式インジェクタサブアセンブリ及びフラットフレームバーナブロックに取り外し可能に固定される多段式インジェクタブロックと、を備え、
前記多段式インジェクタブロックは、
第1の側面と、第2の側面と、前記第1の側面と前記第2の側面との間に配置された底面と、前記第1の側面と前記第2の側面との間に配置された第1のガスチャネルとを含み、前記第1の側面は
前記多段式インジェクタサブアセンブリの少なくとも一部分を受け入れるように構成され、かつ前記第1のガスチャネルと流体連通した第1の開口を含み、前記第2の側面は前記第1のガスチャネルと流体連通した第2の開口を含み、前記第1の開口は、前記多段式インジェクタブロックの前記底面と接触するフラットフレームバーナブロックから第1の開口距離で配置されており、前記第2の開口は前記フラットフレームバーナブロックから第2の開口距離で配置されており、前記第1の開口距離は前記第2の開口距離よりも大き
く、前記第1のガスチャネルは、前記ガス源からの制御可能な段階ガスの流れを、フラットフレームバーナサブアセンブリによって発生する燃焼に分配するように構成されている、
多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項9】
凹部をさらに含み、前記凹部は前記第1の開口を含む、
請求項8に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項10】
前記多段式インジェクタブロックの前記第1の側面と前記多段式インジェクタブロックの前記第2の側面との間に配置された第2のガスチャネルをさらに含み、前記多段式インジェクタブロックの前記第1の側面は、前記第2のガスチャネルと流体連通し、前記フラットフレームバーナブロックから第3の開口距離で配置された第3の開口を含み、前記第2の側面は、前記第2のガスチャネルと流体連通し、前記フラットフレームバーナブロックから第4の開口距離で配置された第4の開口を含み、前記第3の開口距離は前記第4の開口距離よりも
大きい、
請求項8に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の側面と前記第2の側面との間に配置された第2のガスチャネルをさらに含み、前記第1のガスチャネルは前記第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている、
請求項8に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項12】
前記多段式インジェクタブロックの前記第1の側面と前記多段式インジェクタブロックの前記第2の側面との間に配置された第3のガスチャネルをさらに含み、前記第3のガス
チャネルは前記第1のガスチャネル及び前記第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている、
請求項11に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項13】
前記第1のガスチャネルは、前記多段式インジェクタブロックに固定された多段式インジェクタサブアセンブリのガスノズルからガスを受け取るように構成されている、
請求項8に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項14】
前記多段式インジェクタブロックは、前記フラットフレームバーナブロックの上面又は底面に接触するように配置されている、
請求項8に記載の多段式インジェクタブロック
及び多段式インジェクタアセンブリ。
【請求項15】
多段式インジェクタブロックであって、
第1の側面と、第2の側面と、底面と、前記第1の側面と前記第2の側面との間に配置された
第1のガスチャネル及び第2のガスチャネルとを有する本体であって、前記第1の側面は
1つの多段式インジェクタノズルを受け入れるように構成され、前記第1のガスチャネルと流体連通した第1の開口を含み、前記第2の側面は前記第1のガスチャネルと流体連通した第2の開口を含む、本体を備え、
前記第1のガスチャネルは前記第1の側面から前記第2の側面に配置された中心軸に対して第1の径方向角度で配置
され、
前記多段式インジェクタノズルに供給されるガスが、前記第1のガスチャネル及び前記第2のガスチャネルに流れる、
多段式インジェクタブロック。
【請求項16】
前記第2のガスチャネルは前記中心軸に対して第2の径方向角度で配置され、前記第2の径方向角度は前記第1の径方向角度とは異なる、
請求項15に記載の多段式インジェクタブロック。
【請求項17】
前記第1のガスチャネルは、前記第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている、
請求項15に記載の多段式インジェクタブロック。
【請求項18】
前記第2のガスチャネルは、前記中心軸に対して平行に配置されている、
請求項15に記載の多段式インジェクタブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概してガス燃焼バーナに関し、より詳細にはフラットフレームバーナ及びバーナブロックのアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
酸素燃料燃焼は、空気の代わりに酸素を一次酸化剤として使用して燃料を燃焼させるプロセスである。酸素燃料燃焼の使用は、空気酸化剤の窒素成分が除去されてNOxの排出量が低減されるとともに燃料消費量が低減されるため、環境に有害な排出を低減する。
【0003】
さらに、ガス燃焼バーナアセンブリは、バーナの燃焼によって発生する熱の放射を促すためにバーナブロックと併せて設計されるのが一般的である。例えば、点火後の追加の酸化剤の複数回噴射と共に用いられるよう設計されたガス燃焼バーナアセンブリのような多段式(staged)バーナアセンブリは、発生した燃焼にガスの追加の流れを別途加えることができるブロックと共に機能するよう設計される。逆に、点火後に追加の酸化剤を使用するように設計されていないガス燃焼バーナアセンブリは、通常、追加のステージ(段階分けされた)ガスを燃焼に加えることのできないバーナブロックを用いる。ブロックが多段式バーナシステムを受け入れるように設計されているか否かにかかわらず、バーナブロックは、繰り返しの熱膨張のために亀裂を生じやすい材料から作られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は概して、フラットフレーム(平面炎)を生じるように構成され、多段燃焼又は非多段燃焼を要する用途間で柔軟に適応できるブロック及びバーナのアセンブリに関するものである。ブロック及びバーナのアセンブリは、ガスノズル及び燃料ノズルを有するフラットフレームバーナサブアセンブリを含み、ガスノズルはサブアセンブリの本体から第1の距離で延びるように構成されており、燃料ノズルはサブアセンブリの本体から第2の距離で突出するように構成されており、第1の距離は第2の距離以下である。このノズル構成はバックファイア(逆火)の防止に役立ち、サブアセンブリの動作温度を低下させる。さらに、本明細書に記載されるブロック及びバーナのアセンブリは、用途の異なるバーナブロックの適応した配置と、分離可能なバーナブロックのモジュールの交換及び/又は修理を可能にする。さらに、多段式構成において、ブロック及びバーナのアセンブリは多段式インジェクタブロックに固定された多段式インジェクタサブアセンブリを含み、多段式インジェクタブロックは、多段式インジェクタサブアセンブリからの段階ガスの流れをフラットフレームバーナサブアセンブリによって発生する燃焼へより効果的に分配するよう機能上構成された複数のガスチャネルを含む。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例では、ブロック及びバーナのアセンブリが提供される。このアセンブリはフラットフレームバーナサブアセンブリを含み、フラットフレームバーナサブアセンブリはガス源と流体連通したフラットフレームバーナ本体を含む。フラットフレームバーナ本体は、ガス源及びガスノズルと流体連通したガス入口と、燃料ノズルと流体連通した燃料入口と、を含み、ガスノズルは燃料ノズルを少なくとも部分的に取り囲むように構成されている。さらに、ブロック及びバーナのアセンブリは、燃料ノズルの少なくとも一部分及びガスノズルの少なくとも一部分を受け入れるように構成されたフラットフレームバーナブロックと、ガス源と流体連通した多段式インジェクタサブアセンブリと、フラットフレームバーナブロックに接続され、多段式インジェクタサブアセンブリの少なくとも一部分を受け入れるように構成された多段式インジェクタブロックと、を含み、フラットフレームバーナブロック及び多段式インジェクタブロックは分離可能である。
【0006】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックはフラットフレームバーナブロックの上面又は底面に接続されている。
【0007】
1つの態様において、ブロック及びバーナのアセンブリは、多段式インジェクタブロックをフラットフレームバーナブロックに固定するように構成されたブラケットをさらに含む。
【0008】
1つの態様において、ガスノズルは、第1の幅及び第1の高さから第2の幅及び第2の高さへ先細りになるように構成されており、第1の幅は第2の幅よりも小さく、第1の高さは第2の高さよりも大きい。
【0009】
1つの態様において、燃料ノズルは、第3の幅及び第3の高さから第4の幅及び第4の高さへ先細りになるように構成されており、第3の幅は第4の幅よりも小さく、第3の高さは第4の高さよりも大きい。
【0010】
1つの態様において、ガスノズルはフラットフレームバーナ本体から第1の方向に第1の距離で突出するように構成されており、燃料ノズルはフラットフレームバーナ本体から第1の方向に第2の距離で突出するように構成されており、第1の距離は第2の距離に等しいか、又は第1の距離は第2の距離よりも小さい。
【0011】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは複数のガスチャネルを含み、複数のガスチャネルの各々は多段式インジェクタブロックの第1の側面から多段式インジェクタブロックの第2の側面まで延びており、複数のガスチャネルのうちの第1のガスチャネルは、複数のガスチャネルのうちの第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている。
【0012】
1つの態様において、複数のガスチャネルの第1のガスチャネルは、多段式インジェクタブロックの第1の側面に近接する第1の開口と、多段式インジェクタブロックの第2の側面に近接する第2の開口とを含み、第1の開口はフラットフレームバーナブロックから第1の開口距離で配置されており、第2の開口はフラットフレームバーナブロックから第2の開口距離で配置されており、第1の開口距離は第2の開口距離よりも大きい。
【0013】
別の例では、多段式インジェクタブロックが提供される。多段式インジェクタブロックは、第1の側面と、第2の側面と、底面と、第1の側面と第2の側面との間に配置された第1のガスチャネルとを含み、第1の側面は多段式インジェクタサブアセンブリの少なくとも一部分を受け入れるように構成され、かつ第1のガスチャネルと流体連通した第1の開口を含み、第2の側面は第1のガスチャネルと流体連通した第2の開口を含み、第1の開口は、多段式インジェクタブロックの底面と接触するフラットフレームバーナブロックから第1の開口距離で配置されており、第2の開口はフラットフレームバーナブロックから第2の開口距離で配置されており、第1の開口距離は第2の開口距離よりも大きい。
【0014】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは凹部をさらに含み、凹部は第1の開口を含む。
【0015】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは本体の第1の側面と本体の第2の側面との間に配置された第2のガスチャネルをさらに含み、多段式インジェクタブロックの第1の側面は、第2のガスチャネルと流体連通し、フラットフレームバーナブロックから第3の開口距離で配置された第3の開口を含み、第2の側面は、第2のガスチャネルと流体連通し、フラットバーナブロックから第4の開口距離で配置された第4の開口を含み、第3の開口距離は第4の開口距離よりも小さい。
【0016】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは第1の側面と第2の側面との間に配置された第2のガスチャネルをさらに含み、第1のガスチャネルは第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている。
【0017】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは本体の第1の側面と本体の第2の側面との間に配置された第3のガスチャネルをさらに含み、第3のガスチャネルは第1のガスチャネル及び第2のガスチャネルに対して非平行に配置されている。
【0018】
1つの態様において、第1のガスチャネルは、多段式インジェクタブロックに固定された多段式インジェクタサブアセンブリのガスノズルからガスを受け取るように構成されている。
【0019】
1つの態様において、多段式インジェクタブロックは、フラットフレームバーナブロックの上面又は底面に接触するように配置されている。
【0020】
同様の参照符号が異なる図面を通して同様の部分を指す添付の図面に示されるように、前述の内容は、本開示の例示的な実施形態に関する以下のより詳細な説明から明らかになる。これらの図面は必ずしも縮尺通りではなく、本開示の実施形態を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示によるバーナ及びブロックのアセンブリの側面図である。
【
図2】本開示によるフラットフレームバーナサブアセンブリ及びフラットフレームバーナブロックの平面図である。
【
図3】本開示によるガスノズル及び燃料ノズルの側面図である。
【
図4A】本開示によるガスノズル及び燃料ノズルの正面図である。
【
図4B】本開示によるガスノズル及び燃料ノズルの背面図である。
【
図5】本開示によるバーナ及びブロックのアセンブリの側面図である。
【
図6】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリの正面斜視図である。
【
図7】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリ及び多段式インジェクタブロックの側面図である。
【
図8A】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリ及び多段式インジェクタブロックの背面図である。
【
図8B】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリ及び多段式インジェクタブロックの平面図である。
【
図9A】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリの正面図である。
【
図9B】本開示による多段式インジェクタサブアセンブリの側面図である。
【
図10】本開示による多段式インジェクタブロックの正面斜視図である。
【
図11A】本開示による多段式インジェクタブロックの正面図である。
【
図11B】本開示による多段式インジェクタブロックの背面図である。
【
図12A】本開示による多段式インジェクタブロックの上面断面図である。
【
図12B】本開示による多段式インジェクタブロックの側面部分断面図である。
【
図13A】本開示によるブロック及びバーナのアセンブリの側面図である。
【
図13B】本開示によるブロック及びバーナのアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は概して、フラットフレームを生じるように構成され、多段燃焼又は非多段燃焼を要する用途間で柔軟に適応できるブロック及びバーナのアセンブリに関するものである。ブロック及びバーナのアセンブリは、ガスノズル及び燃料ノズルを有するフラットフレームバーナサブアセンブリを含み、ガスノズルはサブアセンブリの本体から第1の距離で延びるように構成されており、燃料ノズルはサブアセンブリの本体から第2の距離で突出するように構成されており、第1の距離は第2の距離以下である。このノズル構成はバックファイアの防止に役立ち、サブアセンブリの動作温度を低下させる。さらに、本明細書に記載されるブロック及びバーナのアセンブリは、用途の異なるバーナブロックの適応した配置と、分離可能なバーナブロックのモジュールの交換及び/又は修理を可能にする。さらに、多段式構成において、ブロック及びバーナのアセンブリは多段式インジェクタブロックに固定された多段式インジェクタサブアセンブリを含み、多段式インジェクタブロックは、多段式インジェクタサブアセンブリからの段階ガス(staged gas)の流れをフラットフレームバーナサブアセンブリによって発生する燃焼へより効果的に分配するよう機能上構成された複数のガスチャネルを含む。
【0023】
以下、本開示の例示的な実施形態について説明する。図面に示されるブロック及びバーナのアセンブリは上向きに示されているが、図面に示されるアセンブリの説明は特定の向きに限定されることを意図するものではない。
【0024】
ここで図面を参照すると、以下の説明は
図1~
図2に関連して考察されるべきである。
図1は、本開示によるバーナ及びブロックのアセンブリ100の側面図を示している。ブロック及びバーナのアセンブリ100は、フラットフレームバーナサブアセンブリ102及び多段式インジェクタサブアセンブリ104を含む。ブロック及びバーナのアセンブリ100は、フラットフレームバーナサブアセンブリ102の少なくとも一部分を受け入れるように構成されたフラットフレームバーナブロック106と、多段式インジェクタサブアセンブリ104を受け入れるように構成された多段式インジェクタブロック108とをさらに含む。一例では、フラットフレームバーナブロック106は上面TS及び底面BS(
図13A~
図13Bに示す)を含む。フラットフレームバーナブロック106及び多段式インジェクタブロック108を、高断熱材料、例えば耐火性セラミック材料、又は後述する燃焼プロセスで発生する熱を遮断することができる任意の他の材料から作製できることを理解されたい。以下に詳細に説明するように、フラットフレームバーナサブアセンブリ102は、それぞれのガス源(図示せず)及びそれぞれの燃料源(図示せず)からガス120(
図5に示す)及び燃料122(
図5に示す)を受け取り、フラットフレームバーナブロック106内で燃焼を発生するように構成されている。
図1~
図2に示すような少なくとも1つの留め金Cを介して、フラットフレームバーナサブアセンブリ102をフラットフレームバーナブロック106に取り外し可能に固定することができる。また、さらに詳しく後述するように、多段式インジェクタサブアセンブリ104及び多段式インジェクタブロック108は、フラットフレームバーナサブアセンブリ102及びフラットフレームバーナブロック106から分離可能である。
【0025】
フラットフレームバーナサブアセンブリ102はフラットフレームバーナ本体110を含む。フラットフレームバーナ本体110は、ステンレス鋼、例えば303、304又は310グレードのステンレス鋼から作製された単一の構造体であるように意図されて複数の開口を有することができ、これらの開口は、フラットフレームバーナ本体110と係合する後述の種々の構成要素を受け入れるように構成されている。一例では、後述する構成要素は、フラットフレーム本体110と一体であるか、又は摩擦嵌合によってこれらの開口に固定されることが可能である。また、これらの開口は、後述するように、フラットバーナ本体110と係合する種々の構成要素の相補的な雌型又は雄型のねじ切りを受けるように構成された、エンボス加工又は成形された雄ねじ又は雌ねじを有することができる。フラットフレームバーナサブアセンブリ102は、第1のガス入口112、第1の燃料入口114、第1のガスノズル116及び第1の燃料ノズル118(
図2に示す)をさらに含む。また、
図1、
図5及び
図13A~
図13Bに示すように、動作時にフラットフレームバーナサブアセンブリ102の重量を支持するためにフラットフレームバーナブロック106に固定されたフラットフレームバーナサブアセンブリ支持ブラケットSBと係合するようにフラットフレームバーナ本体110を構成することもできる。
【0026】
フラットフレームバーナサブアセンブリ102及びフラットフレームバーナブロック108の平面図を示す
図2に示されるように、第1のガス入口112は、前述の方法の少なくとも1つによってフラットフレームバーナ本体110と係合するように構成され、さらにガス源(図示せず)と流体連通して構成されており、これによってガス120(
図5に示す)をガス源から第1のガス入口112、そしてフラットフレームバーナ本体110に供給することができる。第1のガス入口112は管状部材であるように意図されており、ステンレス鋼、例えば303、304又は310グレードのステンレス鋼から作製することができる。第1のガス入口112は、後述するように、適切な体積のガス120をフラットフレームバーナ本体110内へ、次いで第1のガスノズル116内へ供給するのに十分な任意のサイズ又は形状をとり得ることを理解されたい。ガス120は、酸素であるか、又は酸素の実質的な部分を含むガス状混合物であるように意図される。酸素又は燃焼プロセスを支えるその他のガス状酸化剤を含むガス状混合物など、他のガス状混合物を利用できることを理解されたい。
【0027】
第1の燃料入口114は、前述の方法の少なくとも1つによってフラットフレームバーナ本体110と係合するように構成され、さらに燃料源(図示せず)と流体連通するように構成されており、これによって燃料122(
図5に示す)を燃料源から第1の燃料入口114、そしてフラットフレームバーナ本体110に供給することができる。前述の第1のガス入口112と同様に、第1の燃料入口114は管状部材であるように意図されており、ステンレス鋼、例えば303、304又は310グレードのステンレス鋼から作製することができる。第1の燃料入口114は、後述するように、適切な体積の燃料122をフラットフレームバーナ本体110内へ、続いて後述する第1の燃料ノズル118内へ供給するのに十分な任意のサイズ又は形状をとり得ることを理解されたい。燃料122は、メタン、プロパン、ブタン、水素、天然ガス、一酸化炭素、上記のいずれかの組み合わせ、又は高温で自己点火することができるその他のガス状燃料から選択することができる。
【0028】
図2に示すように、第1のガスノズル116は第1の端部124及び第2の端部126を含む。第1の端部124は、前述の方法のいずれかによってフラットフレームバーナ本体110と係合するように構成されていることを理解されたい。例えば、第1の端部124は、フラットフレームバーナ本体110上に機械加工された相補的なねじ山と係合するように構成された、機械加工されたねじ山を有する外周面を有することができる。これらのねじ山は、種々のねじ山数、すなわち1インチ当たりのねじ山数を有することができ、精度を犠牲にして製造が安価であるという利点を有するねじ山の数が少ないものから、製造コストが高いという欠点を有するねじ山の数が多いものまで様々である。第1のガスノズル116の第2の端部126は、フラットフレームバーナ本体110から第1の方向DR1に測定される、フラットフレームバーナ本体110に対して第1の距離D1で終端する、すなわち終わるように構成されている。さらに、第1のガスノズル116は、第1のガスノズル116の長さに沿って第1の端部124から第2の端部126まで延びるように構成された貫通孔をさらに含む。
【0029】
また、フラットフレームバーナサブアセンブリ102は第1の燃料ノズル118も含んでいる。第1の燃料ノズル118は第1の端部128及び第2の端部130を含む。第1の端部128は、前述の方法のいずれかによってフラットフレームバーナ本体110と係合するように構成されていることを理解されたい。また、図示のように、第1の燃料ノズル118の第1の端部128は、フラットフレームバーナ本体110内に形成された空洞を通って延びるよう構成された第1の燃料入口114に固定されるように構成されている。例えば、第1の端部128は、フラットフレームバーナ本体110又は第1の燃料入口114上に機械加工された相補的なねじ山と係合するように構成された、機械加工されたねじ山を有する外周面を有することができる。これらのねじ山は、種々のねじ山数、すなわち1インチ当たりのねじ山数を有することができ、精度を犠牲にして製造が安価であるという利点を有するねじ山の数が少ないものから、製造コストが高いという欠点を有するねじ山の数が多いものまで様々である。第1の燃料ノズル118の第2の端部130は、フラットフレームバーナ本体110から第1の方向DR1に測定される、フラットフレームバーナ本体110に対して第2の距離D2で終端する、すなわち終わるように構成されており、第2の距離D2は第1の距離D1よりも大きい。図示されていないが、第1のガスノズル116及び第1の燃料ノズル118が、例えば第1の方向DR1において第1の距離D1が第2の距離D2に等しいなどフラットフレームバーナ本体110に対して同じ距離で終端するようにフラットフレームバーナサブアセンブリ102を構成できることも理解されたい。また、第1の燃料ノズル118は貫通孔をさらに含み、この貫通孔は、第1の燃料ノズル118が第1のガスノズル116を周方向に少なくとも部分的に取り囲むように、第1の燃料ノズル118の長さに沿って第1の端部128から第2の端部130まで延びるように構成されている。
【0030】
以下の説明は、
図3~
図4Bを考慮して読まれるべきである。
図3はフラットフレームバーナサブアセンブリ102の側面図を示している。
図4A及び
図4Bは、第1のガスノズル116及び第1の燃料ノズル118の正面図及び背面図をそれぞれ示している。
図3~
図4Bに示すように、第1のガスノズル116は第1の端部124及び第2の端部126を有し、第1の端部124は、フラットフレームバーナサブアセンブリ102内に固定される際にフラットフレームバーナ本体110に近接して配置される。第1のガスノズル116の第1の端部124において、ノズル開口は第1の高さH1及び第1の幅W1を有する。一例では、第1のガスノズル116の第1の端部124に配置された開口は円形であり、75~130mm(約3~5インチ)の第1の高さH1を有し、同様に75~130mm(約3~5インチ)の第1の幅W1を有する。第1のガスノズル116の第1の端部124におけるノズル開口は、適切な体積のガス120(
図5に示す)を本明細書に記載の燃焼プロセスに提供するように、任意の形状をとり、任意のサイズを有することができることを理解されたい。第1のガスノズル116の第2の端部126において、ノズル開口は第2の高さH2及び第2の幅W2を有し、第2の高さH2は第1の高さH1よりも小さく、第2の幅W2は第1の幅W1よりも大きい。一例では、第2の高さH2は約40~65mm(約1.5~2.5インチ)であり、第2の幅W2は約15~175mm(約6~7インチ)である。前述の先細りノズル形状は、ガス120(
図5に示す)が第1のガスノズル116の第2の端部126から出る際にガス120のガス流をじょうご状に狭めて再整形するように機能し、これによってガス120は、後述するように第2の幅W2にわたって均等に供給され、燃料122と混合して燃焼を促進する。
【0031】
さらに、第1の燃料ノズル118は第1の端部128及び第2の端部130を有し、第1の端部128はフラットフレームバーナサブアセンブリ102内に固定される際にフラットフレームバーナ本体110に近接して配置される。第1のガスノズル116の第1の端部128において、ノズル開口は第3の高さH3及び第3の幅W3を有する。一例では、第1の燃料ノズル118の第1の端部128に配置された開口は円形であり、50~75mm(約2~3インチ)の第3の高さH3を有し、同様に50~75mm(約2~3インチ)の第3の幅W3を有する。第1の燃料ノズル118の第1の端部128におけるノズル開口部は、適切な体積の燃料122(
図5に示す)を本明細書に記載の燃焼プロセスに提供するように、任意の形状をとり、任意のサイズを有することができることを理解されたい。第1の燃料ノズル118の第2の端部130において、ノズル開口は第4の高さH4及び第4の幅W4を有し、第4の高さH4は第3の高さH3よりも小さく、第4の幅W4は第3の幅W3よりも大きい。一例では、第4の高さH4は約10~40mm(約0.5~1.5インチ)であり、第4の幅W4は約115~165mm(約4.5~6.5インチ)である。前述の先細りノズル形状は、燃料122(
図5に示す)が第1の燃料ノズル118の第2の端部130から出る際に燃料122の流れをじょうご状に狭めて再整形するように機能し、これによって燃料122は、後述するように第4の幅W4にわたって均等に供給され、ガス120と混合して燃焼を促進する。
【0032】
図5に示すように、動作時、ガス120はガス源(図示せず)からフラットフレームバーナ本体110の第1のガス入口112に流れることが可能になる。ガス120は、フラットフレームバーナ本体110から第1の方向DR1に第1のガスノズル116内を流れるよう強いられる。ガス120は、第1の燃料ノズル118の周方向外側で第1のガスノズル116の第1の端部124から第2の端部126へ流れる。第1のガスノズル116の第1の高さH1及び第1の幅W1から第2の高さH2及び第2の幅W2への先細り状の移行により、ガス120が第1のガスノズル116の第2の側部126を出てフラットフレームバーナブロック106内で燃焼に使用される際にガス120が整形される。同時に、燃料122は燃料源(図示せず)からフラットフレームバーナ本体110の第1の燃料入口114に流れることが可能になる。燃料122は、第1の燃料入口114から第1の方向DR1に、第1の燃料ノズル118内を流れるよう強いられる。燃料122は、第1の端部128から第2の端部130へ第1の燃料ノズル118内を流れる。第1の燃料ノズル118の第3の高さH3及び第3の幅W3から第4の高さH4及び第4の幅W4への先細り状の移行により、ガス燃料122が第1の燃料ノズル118の第2の端部130を出てフラットフレームバーナブロック106内で燃焼に使用される際にガス状燃料122が整形される。第1のガスノズル116及び第1の燃料ノズル118の先細り状の移行により、フラット形状のフレーム、すなわち、ほぼ平らであり、フラットフレームバーナブロック106の貫通孔の幅に及ぶフレームによる燃焼が発生する。フラットなフレーム形状により、バーナシステム全体の燃費効率がさらに高くなる。
【0033】
以下の説明は、
図6~
図9Bを考慮して読まれるべきである。
図6は多段式インジェクタサブアセンブリ104の正面斜視図を示している。
図7は、多段式インジェクタブロック108に固定された多段式インジェクタサブアセンブリ104の側面図である。
図8A及び
図8Bは、多段式インジェクタブロック108に固定された多段式インジェクタサブアセンブリ104の背面図及び平面図をそれぞれ示している。同様に、
図9A及び
図9Bは多段式インジェクタサブアセンブリ104の正面図及び側面図をそれぞれ示している。多段式インジェクタサブアセンブリ104は多段式インジェクタ本体132を含む。多段式インジェクタ本体は、ステンレス鋼、例えば303、304又は310グレードのステンレス鋼から作製された単一の構造体であるように意図されて複数の開口を有することができ、これらの開口は、多段式インジェクタ本体132と係合する後述の種々の構成要素を受け入れるように構成されている。一例では、後述する構成要素は、多段式インジェクタ本体132と一体であるか、又は摩擦嵌合によってこれらの開口に固定されることが可能である。また、これらの開口は、後述するように、多段式インジェクタ本体132と係合する種々の構成要素の相補的な雌型又は雄型のねじ切りを受けるように構成された、エンボス加工又は成形された雌ねじ又は雄ねじを有することができる。
【0034】
多段式インジェクタ本体132は、第2のガス入口134、多段式インジェクタノズル136、フランジ138及び少なくとも1つの半継手(half coupling)140をさらに含む。第2のガス入口134は、ガス源(図示せず)からガス120を受け取るように構成されている。第2のガス入口134は、前述の方法の少なくとも1つによって多段式インジェクタ本体132と係合するように構成され、さらにガス源(図示せず)と流体連通して構成されており、これによってガス120(
図5に示す)をガス源から第2のガス入口134、そして多段式インジェクタ本体132に供給することができる。第2のガス入口134は管状部材であるように意図されており、ステンレス鋼、例えば303、304又は310グレードのステンレス鋼から作製することができる。第2のガス入口134は、後述するように、適切な体積のガス120を多段式インジェクタ本体132内へ、次いで多段式インジェクタノズル136内へ供給するのに十分な任意のサイズ又は形状をとり得ることを理解されたい。多段式インジェクタノズル136は多段式インジェクタ本体132の一端に配置されており、多段式インジェクタ本体132内に供給されるガス120が多段式インジェクタ本体132から多段式インジェクタブロック108の複数のガスチャネル154A~154C(後述する)内へ流れることができるように、多段式インジェクタブロック108の凹部150(後述する)とスライド可能に係合するように構成されている。さらに、多段式インジェクタノズル136が凹部150内で面一に位置するように多段式インジェクタ本体132はフランジ138をさらに含み、このフランジは多段式インジェクタノズル136の少なくとも一部分の周りを周方向に配置されており、ブロック及びバーナのアセンブリ100の動作時に多段式インジェクタブロック108の第1の側面142(後述する)に接触するように構成されている。フランジ138は、固定具(fastener)又はボルトを受けるように構成された貫通孔又は開口を含むことができ、これにより、ボルトはフランジ138を、次いで多段式インジェクタ本体132を多段式インジェクタブロック108に固定することができる。ボルト、ねじ又は上記の
図1~
図2に示した留め金Cなどの留め金が含まれるが、これらに限定されない他の留め金を使用してもよいことを理解されたい。さらに、多段式インジェクタ本体132は、多段式インジェクタ本体132の少なくとも一部分の上に、又はその中を貫通して配置された半継手140を含むこともできる。圧力計、流量計などを含むがこれらに限定されない外部のデバイスに接続するように半継手140を構成できることを理解されたい。
【0035】
前述のように、多段式インジェクタサブアセンブリ104の多段式インジェクタ本体132は、多段式インジェクタブロック108に取り外し可能に固定されるように構成されている。多段式インジェクタブロック108の斜視図、正面図、背面図、上面図及び側面図をそれぞれ示す
図10~
図12Bに示すように、多段式インジェクタブロック108は、第1の側面142、第2の側面144、上面146及び底面148を有する。多段式インジェクタブロック108は、第1の側面142に近接して凹部150及び固定具凹部152を含む。凹部150は長方形のくぼみとして示されているが、凹部150は、多段式インジェクタノズル136の少なくとも一部分が凹部150内に延びるように多段式インジェクタノズル136の形状を補完する任意のサイズ又は任意の形状が可能であることを理解されたい。また、前述のように、多段式インジェクタブロック108は、多段式インジェクタサブアセンブリ104のフランジ138の貫通孔を通してボルト又はねじなどの固定具を受け入れるように構成された1つ又は複数の固定具凹部152をさらに含むことができる。
【0036】
多段式インジェクタブロック108は複数のガスチャンネル154A~154C(これらをまとめて「複数のガスチャンネル」又は「複数のガスチャンネル154」と呼ぶ)をさらに含み、これらのガスチャンネルは多段式インジェクタブロック108内に、かつ多段式インジェクタブロック108を貫通して配置され、多段式インジェクタブロック108の第1側面142から第2側面144に及ぶように配置されている。また、多段式インジェクタブロック108は複数の開口156A~156F(これらをまとめて「複数の開口」又は「複数の開口156」と呼ぶ)をさらに含む。
図11A及び
図11Bに示すように、複数のガスチャネル154の各ガスチャネルは2つの開口を含み、1つは第1の側面142に近接し、1つは第2の側面144に近接している。よって、第1の側面142は複数の開口156のうち3つの開口156A~156Cを含み、第2の側面144は3つの開口156D~156F、すなわちチャネル毎に2つの開口を含む。一例では、ガスチャンネル154Aは、第1の側面142に近接して開口156Aから始まり、第2の側面144に近接して開口156Fで終わる。同様に、ガスチャンネル154Bは第1の側面142に近接して開口156Bから始まり、第2の側面144に近接して開口156Eで終わる。最後に、ガスチャネル154Cは第1の側面142に近接して開口156Cから始まり、第2の側面144に近接して開口156Dで終わる。
【0037】
一例では、
図11A~
図11B及び
図12Bに示すように、複数のガスチャネル154の各ガスチャネルは、各ガスチャネルがフラットフレームバーナブロック106の方向に第1の側面142から第2の側面144へ傾斜するように、下り勾配又は下向き角度で配置されている。言い替えると、第1の側面142に近接して配置された各ガスチャンネルの開口(例えば開口156A~156C)は、多段式インジェクタブロック108の底面148から(すなわち、底面148及びフラットフレームバーナブロックが動作時に互いに接触するよう配置されているためフラットフレームバーナブロック106から)第1の開口距離AD1で配置されている。さらに、第2の側面144に近接して配置された各ガスチャネルの開口(例えば開口156D~156F)は、多段式インジェクタブロック108の底面148から(すなわちフラットフレームバーナブロック106から)第1の開口距離AD1よりも小さい第2の開口距離で配置されている。開口の第1のセットと開口の第2のセットとの間の開口距離の差により、下り勾配のついた、すなわち第1の側面142から第2の側面144へフラットフレームバーナブロック106の方向に傾斜したガスチャネルが生じる。
【0038】
別の例では、複数のガスチャネル154の各ガスチャネルは、互いに対して異なる径方向角度で配置される、すなわち互いに対して非平行に配置される。
図12Aに示すように、ガスチャネル154Bは、多段式インジェクタブロック108の第1の側面142から第2の側面144に配置された仮想中心軸Aとほぼ平行に配置されている。また、
図12Aに示すように、ガスチャネル154Aは仮想中心軸Aに対して第1の径方向角度RA1で配置されており、ガスチャネル154Cは第2の径方向角度RA2で配置されている。一例では、第1の径方向角度RA1及び第2の径方向角度RA2は、中心軸Aに対して1~20度の範囲から、より具体的には5~8度の範囲から選択され、さらにより具体的には6.47度が選択される。一例では、ガスチャネルが第1の側面142から第2の側面144に進むにつれてガスチャネル154A及び154Cが中心軸Aに対して適切な径方向角度で外側にフレア状に広がり、各ガスチャネルを出るガス120が前述のようなフラットフレームバーナサブアセンブリ102によって発生するフラットフレームの幅(例えば、フラットフレームノズル116の第2の幅W2)にほぼ一致する位置で供給されるように、第1の径方向角度RA1及び第2の径方向角度RA2が選択される。フラットフレームバーナサブアセンブリ102による初期燃焼後にこの追加の段階ガス120を利用できることで、ブロック及びバーナのシステム100全体の効率が上がる。さらに、二次ガス流、すなわち、多段式インジェクタサブアセンブリ104を通って多段式インジェクタブロック108に入るガス120の流れを別々に調節する能力により、フラットフレームバーナサブアセンブリ102によって発生するフラットフレームのフレーム制御を強化することができる。一例では、システムによって発生するフレームの長さを増減させるように、及び/又はフラットフレームバーナブロック106の貫通孔内で発生するフレームの幅を増減させるように、多段式インジェクタサブアセンブリ104を通るガス120の割合及び流量を調節することができる。
【0039】
前述のように、ブロック及びバーナのシステム100は多段式又は非多段式の構成で燃焼が可能であることを理解されたい。非多段式構成では、ブロック及びバーナのシステム100は、フラットフレームバーナブロック106に固定されたフラットフレームバーナサブアセンブリ102のみを含む。この非多段式構成では、ガス120と燃料122の比は2:1であり、システム全体の第1の効率をもたらす。多段式構成では、システムは、フラットフレームバーナブロック106に固定されたフラットフレームバーナサブアセンブリ102と、多段式インジェクタブロック108に固定された多段式インジェクタサブアセンブリ104とを含む。重要なことに、多段式構成では、フラットフレームバーナサブアセンブリ104によって発生する燃焼のバーナ効率を高めるために、燃料122に対するガス120の割合を調整及び/又は分離することができる。一例では、フラットフレームバーナサブアセンブリを介して燃焼されるガス120と燃料122の比は1:1である一方で、ガス120の残りの部分が多段式インジェクタサブアセンブリ104によって供給される。前述のように複数のガスチャネル154を介して追加の段階ガスを供給することにより、システムによって生じるフレームの全体的な効率及び制御をより高い精度で制御することができる。
【0040】
さらに、多段式構成において、多段式インジェクタブロック108は、ブロック及びバーナのアセンブリ100の動作時にフラットフレームバーナブロック106の上に(例えば、上面TSと接触して)位置するよう構成されている。多段式インジェクタブロック108を、ブロック及びバーナのアセンブリ100の動作時にフラットフレームバーナブロック106の下に固定されるように(例えば、底面BSと接触するように)構成できることも理解されたい。さらに、
図13A又は
図13Bに示すように、いずれの構成においても、すなわち多段式インジェクタブロック108がフラットフレームバーナブロック106の上又は下に配置される場合、ブラケット158又は他の機構をフラットフレームバーナブロック106と多段式インジェクタブロック108との間に配置してブロックを互いに固定し、ブロックが動作時に相対移動するのを防止できることを理解されたい。図示していないが、例えば、多段式インジェクタブロック108がフラットフレームバーナブロック106の側面に固定されるように構成されている場合など、他の構成が可能であることを理解されたい。
【0041】
前述のブロック及びバーナのシステム、例えばブロック及びバーナのアセンブリ100は、いくつかの顕著な利点を有する。第1に、フラットフレームバーナサブアセンブリ102は前述の燃焼プロセス時にフラットフレームを生じ、このことによって全体的なバーナ効率が高まる。第2に、前述のブロック及びバーナのアセンブリは、多段式インジェクタサブアセンブリ104及び多段式インジェクタブロック108を通る段階ガスの正確な制御を可能にすることにより、フラットフレームバーナサブアセンブリ102に生じるフラットフレームの制御を強化することができる。第3に、ブロック及びバーナのアセンブリ100はその用途に応じて柔軟に対応する。例えば、システムは、多段燃焼用に設計されたフラットフレームバーナサブアセンブリ、すなわち、燃焼プロセス時の初期点火とは異なる時点で追加の段階ガスの供給が必要なバーナサブアセンブリと共に動作することができ、又は、システムは、非多段燃焼用に設計されたフラットフレームバーナサブアセンブリ、すなわち、追加の段階ガスが不要なバーナサブアセンブリと共に動作することができる。さらに、フラットフレームバーナブロック106及び多段式インジェクタブロック108の双方に用いられる材料は一般に脆く、繰り返し燃焼動作時に亀裂を生じやすいため、前述のブロック及びバーナのアセンブリ100はブロックの各部分、すなわちフラットフレームバーナブロック1086又は多段式インジェクタブロック108の交換及び/又は修理を個別に行うことができる。また、前述のように分離可能な2つのブロックを有することで、一方のブロックから始まる亀裂がもう一方のブロックに伝わるのを防止する。最後に、フラットフレームバーナサブアセンブリ102の第1のガスノズル116及び第1の燃料ノズル118は、サブアセンブリの本体から第1の距離D1と、サブアセンブリの本体から第2の距離D2でそれぞれ延びるように構成されており、第1の距離D1は第2の距離D2以下である。このノズル構成により、第1のガスノズル116からのガス120が、フラットフレームバーナサブアセンブリを出る前に第1の燃料ノズル118からの燃料122と混ざることが防止される。ガス120及び燃料122の外部での混合は、バックファイアを防止してサブアセンブリの動作温度を低下させるのに役立つ。
【0042】
いくつかの本発明の実施形態を本明細書に記載し、例示したが、当業者であれば、本明細書に記載された機能を実行し、ならびに/又は本明細書に記載された結果及び/もしくは1つ以上の利点を得るための様々な他の手段及び/又は構造を容易に想定し、このような変形例及び/又は変更例の各々は、本明細書に記載される本発明の実施形態の範囲内にあるとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料及び構成が例示的であることを意図しており、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は構成は本発明の教示が用いられる特定の用途に依存することを容易に認識するであろう。当業者であれば、単なる日常的な実験を用いて、本明細書に記載された具体的な発明の実施形態に対する多くの同等物を認識するか又はこれらを確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示され、本発明の実施形態を、具体的に記載されて請求されたもの以外に、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内で実施できることを理解されたい。本開示の本発明の実施形態は、本明細書に記載の各個別の特徴、システム、物品、材料及び/又は方法を対象とする。さらに、このような特徴、システム、物品、材料及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のこのような特徴、システム、物品、材料及び/又は方法の任意の組み合わせは本開示の発明の範囲内に含まれる。