(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】高架鉄道式の輸送システム、距離調整のための方法、コンピュータプログラム製品及び制御装置
(51)【国際特許分類】
B61B 3/02 20060101AFI20240723BHJP
E01B 25/10 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
B61B3/02 C
B61B3/02 A
E01B25/10
(21)【出願番号】P 2022564421
(86)(22)【出願日】2021-04-19
(86)【国際出願番号】 DE2021100357
(87)【国際公開番号】W WO2021213589
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】102020205081.3
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ベアント シュトゥーケ
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス イェグレ
(72)【発明者】
【氏名】ガエル ル エン
(72)【発明者】
【氏名】オーラフ オールハーファー
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン ハインリヒ ズィハウ
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-500187(JP,A)
【文献】特開2008-290663(JP,A)
【文献】特開2006-335076(JP,A)
【文献】特開2014-236622(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105398452(CN,A)
【文献】特開平05-039027(JP,A)
【文献】特開平05-069820(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0094298(KR,A)
【文献】特開2007-326442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0241202(US,A1)
【文献】特表2019-525693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61B 3/02
E01B 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高架鉄道式の輸送システム(100)であって、
前記高架鉄道式の輸送システム(100)は、特に、ポータル状の支持要素(14)の領域に固定されているレール状又はケーブル状の懸架要素(11,12)を備えた懸架システム(10)を含み、前記高架鉄道式の輸送システム(100)は、複数の特に自律走行式の車両(1)を備えており、前記車両(1)はそれぞれ、前記懸架要素(11,12)と協働する駆動ユニット(2)と、好ましくは懸架アーム(4)の形態の懸架装置(3)を介して、前記駆動ユニット(2)と接続されている、旅客輸送及び/又は貨物輸送に用いられる搬器(5)とを有しており、
前記車両(1)は、互いに独立して、前記懸架要素(11,12)に沿って移動可能であり、
同一の懸架要素(11,12)上の連続する2つの車両(1)の間に距離(a)が形成されている、高架鉄道式の輸送システム(100)において、
前記自律走行式の車両(1)の重量(G)を少なくとも間接的に検出する重量検出手段(15)が設けられて
おり、
制御装置(25)を用いて、前記車両(1)の、前記重量検出手段(15)によって検出された前記重量(G)に関連して、前記車両(1)間の前記距離(a)、特に連続する2つの車両(1)間の最短距離が調整可能である、
高架鉄道式の輸送システム。
【請求項2】
連続する2つの車両(1)間の前記距離(a)を検出するために、好ましくは前記搬器(5)の領域に距離検出手段(28)が設けられており、
前記車両(1)の前記距離(a)は、前記制御装置(25)に入力量として供給可能である、請求項
1に記載の輸送システム。
【請求項3】
連続する2つの前記車両(1)間の前記距離(a)は、前記車両(1)の重量(G)に加えて、風力、温度、降水量
、法的な要求を含む他の影響量によって調整可能である、請求項
1又は
2に記載の輸送システム。
【請求項4】
前記重量検出手段(15)は、前記車両(1)の領域、特に前記懸架装置(3)の領域において少なくとも1つのセンサを含む、請求項1乃至
3のいずれか一項に記載の輸送システム。
【請求項5】
前記重量検出手段(15)は、支持要素(14)及び/又は懸架要素(11,12)の領域において少なくとも1つのセンサを含む、請求項1乃至
4のいずれか一項に記載の輸送システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのセンサは、ひずみゲージ(16)として構成されている、請求項
4又は
5に記載の輸送システム。
【請求項7】
前記重量検出手段(15)は、前記搬器(5)の領域に存在する有効荷重、特に人間(P)を光学的に検出し、予め設定されている判断基準と、有効荷重を伴わない前記車両(1)の予め設定されている重量とに基づいて、前記車両(1)の前記重量(G)を計算するように構成されている画像検出システム(20)を含む、請求項1乃至
6のいずれか一項に記載の輸送システム。
【請求項8】
前記重量検出手段(15)は、前記駆動ユニット(2)のタイヤ要素(6)内において占める、有効荷重に関連する、タイヤ空気圧を検出する圧力センサ(17)を含む、請求項1乃至
7のいずれか一項に記載の輸送システム。
【請求項9】
請求項
1乃至
8のいずれか一項に記載の高架鉄道式の輸送システム(100)における連続する2つの車両(1)の間の距離調整のための方法であって、
・前記懸架要素(11,12)に沿って連続する少なくとも2つの車両(1)の重量(G)を検出するステップと、
・前記懸架システム(10)における、予め設定されている最大負荷に基づいて、前記連続する2つの車両(1)間の最短距離を定めるステップと、
・少なくとも1つの車両(1)の操作員に情報を出力することによって、及び/又は、前記制御装置(25)によって少なくとも1つの車両(1)の駆動装置を直接的に駆動制御することによって、前記最短距離を少なくとも間接的に保証するステップと、
を含む方法。
【請求項10】
場合によっては前記最短距離を増加させる要因を考慮して、連続する2つの車両(1)の間の前記距離(a)を前記最短距離まで低減させる、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、請求項1乃至
8のいずれか一項に記載の輸送システム(100)の構成部分として構成されており、又は、請求項
9若しくは
10に記載の方法に従った少なくとも1つのステップを実行するためのものである、
コンピュータプログラム。
【請求項12】
少なくとも、重量検出手段(15)からデータを受信するように構成されており、かつ、少なくとも1つの車両(1)の操作員に情報を出力するように構成されており、及び/又は、連続する2つの車両(1)間の最短距離を少なくとも間接的に保証するように、少なくとも1つの車両(1)の駆動装置を駆動制御するように構成されている制御装置(25)
であって、
前記車両(1)は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の高架鉄道式の輸送システム(100)の一部である、制御装置(25)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律走行式の車両に関連して使用されるような高架鉄道式の輸送システムに関する。本願においては、自律走行式の車両とは、固有の駆動装置を有しており、輸送システムの走行路線に沿って相互に独立して移動することができる車両のことである。無人車両も、操作員によって制御される車両も、ここに含まれる。さらに本発明は、高架鉄道式の輸送システムにおける2つの車両の間の距離調整のための方法、輸送システムの構成部分としてのコンピュータプログラム製品、又は、距離調整方法を実施するために適したコンピュータプログラム製品及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
米国特許出願公開第2017/0313328号明細書から、請求項1の上位概念に記載された特徴を有する、高架鉄道式の輸送システムが公知である。この公知の輸送システムは、懸架構造体に沿って互いに個別に移動することができる複数の自律走行式の車両又は搬器を特徴とする。
【0003】
上位概念に記載された種類の他の輸送システムは、後に公開された、本出願人の独国特許出願公開第102019217948号明細書から公知である。最後に挙げた輸送システムは、懸架構造体のレール状の懸架要素を特徴とし、この懸架要素は、ポータル状の支持要素の領域において支承又は支持されている。ここでも、自律走行式の車両に、旅客輸送又は貨物輸送に用いられ得る搬器が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2017/0313328号明細書
【文献】独国特許出願公開第102019217948号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
請求項1の特徴部分に記載されている構成を有する、本発明に係る高架鉄道式の輸送システムは、この輸送システムが懸架システムの平衡状態に対して最適に調整されており、特に、自律走行式の車両の過度に大きい重量力による懸架システムの過負荷を阻止するという利点を有している。これによって、懸架システムの平衡状態と自律走行式の車両の動作との間の最適な調整が可能になる。その結果、車両の安全な動作に際して、最小限の手間、又は、懸架構造体のわずかな所要材料を伴う、最適な懸架構造体を可能にすることができる。
【0006】
上述の利点を得るために、本発明に係る高架鉄道式の輸送システムにおいては、自律走行式の車両の重量を少なくとも間接的に検出する重量検出手段が設けられる。このような重量検出手段は、最も簡単な場合においては、例えば、過負荷警報の出力又は輸送システムに沿った走行動作の調整によって、場合によっては懸架システムの損傷を生じさせる、懸架システムの過負荷を回避するために使用され得る。
【0007】
本発明に係る高架鉄道式の輸送システムの有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0008】
自律走行式の車両の(自律)動作のために輸送システムが構成されることによって、即ち、車両の動作時に典型的に、個々の車両間で異なる距離が生じることによって、懸架システムの特定の部分において、1つの搬器又は1つの自律走行式の車両の重量力だけでなく、同時に、複数の搬器又は自律走行式の車両の重量力が作用することが予想される。典型的には、このような重量力は、個々の車両間の距離が短くなるにつれて大きくなる。これに鑑みて、輸送システムの特に好適な構成においては、重量検出手段によって検出された車両の重量に関連して、車両間の距離、特に、連続する2つの車両間の最短距離を調整するように構成される制御装置が設けられることが提案される。
【0009】
重量検出手段の具体的な構造的な構成に関しては、個々に又は組み合わせて、適用又は構成され得る種々の手法が存在する。
【0010】
重量検出手段の第1の構造的な構成においては、重量検出手段が、車両の領域、特に駆動ユニットを搬器と接続している懸架部(懸架アーム)の領域において少なくとも1つのセンサを含むことが想定される。これは、車両の直接的、非間接的な重量検出の利点を有している。
【0011】
選択的に又は付加的に、重量検出手段が、懸架システムの支持要素及び/又は懸架要素の領域に配置されている少なくとも1つのセンサを含むことが可能である。これは、各車両に対して別個のセンサを使用する必要がないという利点を有している。
【0012】
特に、少なくとも1つのセンサがひずみゲージの形態で構成されることが想定されている。センサのこのような構成は、特にコンパクトであり、比較的少ない投資コストで、車両の重量力の十分に正確な検出を可能にし、又は、車両が原因で検出される、車両の懸架アーム、懸架要素若しくは支持要素の変形の十分に正確な検出を可能にする。
【0013】
しかし、直接的に、(力)センサによって搬器の重量力を求めるのではなく、間接的に、搬器の領域に配置された有効荷重を検出することによって搬器の重量力を求めることも可能である。これによって、車両の正味重量(有効荷重を伴わない)が判明している場合に、別個のセンサを省略することができる。従って、本発明のこのような構成は、重量検出手段が、画像検出システムを含むことを想定しており、画像検出システムは、搬器の領域に存在する有効荷重を光学的に検出して、予め設定されている判断基準と、有効荷重を伴わない車両の予め設定されている重量とに基づいて、車両の重量を計算するように構成される。このような判断基準には、例えば、搬器内に人間がいることが識別されている場合には、例えば、この人間の検出されたサイズにも関連した、人間の典型的な平均重量の推定が含まれるものとしてよい。
【0014】
車両の重量力を検出する、同様に選択的な構成においては、駆動ユニットのタイヤ要素内において占める、有効荷重に関連する、タイヤ空気圧を検出する圧力センサを重量検出手段が含むことが想定されている。このような構成は、搬器又は搬器の懸架アームが、駆動ユニットの、気体、特に空気が充填されている少なくとも1つのタイヤを介して懸架システムに支持されている場合に対象となる。
【0015】
本発明の他の好適な構成においては、2つの車両間の距離を検出するために、距離検出手段が、好ましくは搬器の領域に設けられており、かつ、車両の距離が制御装置に入力量として供給され得る。従って、このような構成は、車両間の所望の距離又は最短距離の維持を保証するための、閉じられた調整ループを可能にする。
【0016】
輸送システムの他の構成においては、連続する2つの車両間の距離が、車両の重量に加えて、風力、温度、降水量、法的な要求等の他の影響量によって調整可能であることが想定されている。このような影響量は、典型的には、懸架システムによって受容可能な、車両の重量力を低減させ、これによって、2つの車両間の所要の最短距離を増加させる。
【0017】
さらに本発明は、本発明の方式により構成される、高架鉄道式の輸送システムにおける2つの車両の間の距離調整のための方法も含み、この方法は、少なくとも以下のステップを含み、懸架要素に沿って連続する少なくとも2つの車両の重量の検出が行われる。さらに、連続する2つの車両間の最短距離が、懸架システムにおける、予め設定されている最大負荷に基づいて定められる。最終的に、車両間の最短距離の少なくとも間接的な保証が、少なくとも1つの車両の操作員に情報を出力することによって、及び/又は、制御装置によって少なくとも1つの車両の駆動装置を直接的に駆動制御することによって、行われる。
【0018】
記載した方法の発展形態においては、連続する2つの車両の間の距離が最短距離まで低減されることが想定されている。ここでは、場合によっては最短距離を増加させる要因が考慮される。このような構成によって、特に、輸送システムの最適な活用又は最大の活用、例えば空走行時の、有効荷重が加えられていない車両の最大の仕事量が実現される。
【0019】
さらに、本発明は、特にデータ担体又はデータプログラムであるコンピュータプログラム製品、及び、制御装置を含み、コンピュータプログラム製品は、本発明に係る輸送システムの構成部分として構成されており、又は、本発明に係る方法に従った少なくとも1つのプログラムステップを実行するためのものである。
【0020】
本発明の他の利点、特徴及び詳細は、本発明の好適な実施形態の以下の説明から、さらには図面に基づいて明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】相互にわずかな距離で、1つの共通の走行路線に沿って走行する、複数の自律走行式の車両における、旅客輸送のために用いられる2つの搬器を有する、高架鉄道式の輸送システムの著しく簡素化された側面図である。
【
図2】2つの搬器によって平行な走行路線を走行する輸送システムの簡素化された側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の実施形態
これらの図面において、同一の要素、又は、同等の機能を有する要素には、同一の参照符号が付されている。
【0023】
これらの図面においては、自律走行式の車両1のための高架鉄道式の輸送システム100が部分的に示されている。自律走行式の車両1は、少なくとも1つの電動機(図示せず)を備えた駆動ユニット2を有しており、駆動ユニット2は、好ましくは懸架アーム4の形態の懸架装置3によって、搬器5と接続されている。搬器5は、これらの図面においては、有効荷重である人間Pを輸送する搬器5として示されている。当然、車両1又は搬器5が、貨物輸送のために用いられるように構成されるものとしてもよい。
【0024】
輸送システム100は、これらの図面においては例示的に相互に平行に配置されている2つの走行路線101、102を伴う路線網を構成している。駆動ユニット2が搬器5内の操作員によって、又は、詳細には図示されていない上述の制御装置によって自律的に駆動制御されることによって、これらの自律走行式の車両1が、走行路線101、102に沿って、可変の速度でかつ互いに独立して動作させられ得る。
【0025】
輸送システム100はさらに、例示的に相互に平行に配置されている懸架要素11、12を伴う懸架システム10を含み、これらの懸架要素11、12は、同様に純粋に例示的に懸架レール13の形態で形成されている。選択的に、懸架要素11、12が懸架ケーブルの形態で形成されているものとしてもよい。車両1は、自身の各駆動ユニット2でもって、懸架要素11、12と作用結合して配置されており、これによって懸架要素11、12に沿って移動することができる。例えば、このために駆動ユニット2は、(空気が充填された)駆動滑車6を有しており、この駆動滑車6が、懸架レール13上を転動する。懸架要素11、12は、横方向トラバースを介して、例えば、ポータル状の支持要素14の領域に固定されており、これらの支持要素14自体は、同様に、図示されていない方式により、敷地の基盤にアンカ固定されている。
【0026】
懸架システム10の平衡状態を、その強度又は懸架能力に関して最適に利用し、特に過剰に負荷しないために、例えば支持要素14の領域に、少なくとも1つのひずみゲージ16の形態の重量検出手段15が配置されている。重量検出手段15又は少なくとも1つのひずみゲージ16は、特に支持要素14の延在方向に対して平行に、これらに作用する重量力Fを検出できるように配置されている。ここでは、重量力Fは、重量検出手段15の上方に配置されている懸架要素11、12の領域と、支持要素14の領域に位置する車両1の重量力Fとから構成されている。相応の較正によって、この場合、特に、1つ又は複数の車両1の重量力F(だけが)が検出される。
【0027】
選択的に又は付加的に、重量検出手段15を、特に同様に好適にはひずみゲージ16の形態で、各懸架要素11、12の領域に又は車両1の懸架装置3の領域に配置することも想定され得る。
【0028】
車両1の駆動ユニット2が、気体又は空気が充填された駆動滑車6を介して懸架要素11、12に支持されている場合、重量検出手段15は、少なくとも1つの圧力センサ17も有するものとしてよく、圧力センサ17は、駆動滑車6内において占める圧力を検出し、これによって、車両1の重量力Fを推定することができる。
【0029】
同様に、選択的に又は付加的に、重量検出手段15が、カメラ22を備えた画像検出システム20を含むことが想定され得る。カメラ22は、評価システム24に基づいて、車両1又は搬器5の領域に存在する有効荷重(例えば、人間P)を光学的に検出し、予め設定されている判断基準及び予め設定されている正味重量に基づいて、車両1の重量G又は車両1の有効荷重を推定するように構成される。
【0030】
重量検出手段15のデータは、入力量として、制御装置25の入力インタフェースに供給可能である。特に、制御装置25は、データプログラムの形態のアルゴリズム26を有しており、このアルゴリズムは、重量検出手段15の入力値に関連して、走行路線101、102に沿って連続して移動する2つの車両1の間の(最短)距離aを求めるように構成される。
【0031】
ここで、懸架システム10の負荷が小さくなるほど、2つの車両1間の距離aが長くなることが考慮されるべきである。このために、制御装置25は付加的に、自律的に(即ち、無人で)動作する車両1の場合に、制御装置25の出力インタフェースを介して、車両1の駆動ユニット2を相応に駆動制御することによって、2つの車両1間の所望の距離aが維持されるように、車両の走行速度Vを調整するように構成される。操作員によって車両1の動作が行われる場合には、光学的、音響的又はその他の方式により、車両1の操作員に、相応の通知を出力することができ、これによって(最短)距離aが維持される。さらに、アルゴリズム26は、場合によって存在する周辺条件、例えば、環境の影響(風、雪の負荷、温度等)を、距離aの計算時に考慮することができる。
【0032】
さらに、一方の走行路線101、102上に存在する2つの車両1間の距離aは、他方の走行路線102、101上に、最初に挙げた車両1の近くに、同時に車両1が存在しているか否かにも関連しており、これによって、距離aが長くなるということを付記しておく。
【0033】
2つの車両1間の距離aを検査するために、又は、制御装置25による距離aの調整を可能にするために、各車両1はさらに、自身の搬器5の領域において、自身の走行方向に又は走行方向とは反対の方向に配置されている距離センサ28を有しており、これらの距離センサ28は、自身に隣接する車両1までの距離aを求め、例えば、制御装置25に入力量として供給するように構成される。
【0034】
ここまで説明してきた輸送システム100を、本発明の考察から逸脱することなく、多岐にわたる方式により変更又は修正することができる。例えば、特に、可能な限り密な動作又は車両1間の可能な限り短い距離aが達成されるべき場合には、走行路線101、102上の車両1の各位置に距離aを動的に適合させること、又は、車両1と支持要素14との間の距離b1、b2に関連して距離aを動的に適合させることも可能である。