(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】改良された弾性パネルを含む吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20240723BHJP
A61F 13/493 20060101ALI20240723BHJP
A61F 13/56 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A61F13/49 313A
A61F13/49 323
A61F13/49 311A
A61F13/493
A61F13/56 211
(21)【出願番号】P 2022565711
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(86)【国際出願番号】 US2021030588
(87)【国際公開番号】W WO2021226034
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-10-26
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100208188
【氏名又は名称】榎並 薫
(72)【発明者】
【氏名】サリー、リン、キルバカク
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド、キャロル、ロー
(72)【発明者】
【氏名】ジェロミー、トーマス、レイチェック
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ、シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、デビン、ロング
(72)【発明者】
【氏名】マイケル、ブライアン、クエイド
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン、エドワード、ネイラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー、ロジアク
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ジョゼフ、ラング
(72)【発明者】
【氏名】ウルミッシュ、ポパトラル、ダラル
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー、クラセン
(72)【発明者】
【氏名】トッド、ダグラス、レンザー
【審査官】山尾 宗弘
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0042786(US,A1)
【文献】特開2020-000531(JP,A)
【文献】特開2011-010822(JP,A)
【文献】特表2019-527601(JP,A)
【文献】特開2011-062226(JP,A)
【文献】特表平09-501850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0042785(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0271716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/49
A61F 13/493
A61F 13/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品(100)であって、
第1の腰部領域(116)、第2の腰部領域(118)、及び前記第1の腰部領域と前記第2の腰部領域との間に配置された股部領域(119)と、
トップシート(138)、バックシート(136)、及び前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収性コア(142)を含むシャーシ(102)と、
エラストマー層(407)及び基材(402)を有し、シャーシ取り付け接合部(135)で前記シャーシに接合され、かつ前記第1の腰部領域又は前記第2の腰部領域の一方に配置された超音波接合されたギャザー積層体(405)を含むサイドパネル(104)と、を備え、
前記超音波接合されたギャザー積層体(405)は、耳構造特徴部(196)を含み、
前記耳構造特徴部は、前記基材への表面改質部(195)を含み、かつ、エンボス加工部(302)、切り込み(304)、溶融材料又はコーティング(306)、圧縮材料(308)、前記シャーシ取り付け接合部から離れて配置された二次接合部(316)、塑性変形部(310)、及び折り目(314)のうちの少なくとも1つを含み、
異なる形態の表面改質部を含む前記耳構造特徴部が前記積層体の少なくとも2つの層上に存在し、
前記表面改質部は、前記エラストマー層に存在しない、吸収性物品。
【請求項2】
前記サイドパネルは第1の領域(10)及び第2の領域(12)を含み、前記耳構造特徴部は、前記第1の領域に配置されているが、前記第2の領域には配置されておらず、前記第1の領域は、通気性、剛性、強度、伸張性、厚さ、z方向弾性、柔らかさ、及び引裂き抵抗のうちの少なくとも1つの特性において前記第2の領域と異なる、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記サイドパネルの少なくとも一部が印刷部を含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記耳構造特徴部が、超音波エネルギー、レーザエネルギー、機械的活性化、圧力、液体コーティング、折り畳み、切断、接着剤及び熱のうちの少なくとも1つを前記サイドパネルに適用することによって形成される、請求項1~
3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記エラストマー層がフィルム(408)を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記基材が予備活性化不織布を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項7】
腰部パネル(158)を更に含み、前記腰部パネルは、
不織布に接合された弾性フィルム及び腰部積層体構造特徴部を含む腰部積層体を含み、
前記腰部積層体構造特徴部(196a)は、パターン、特徴タイプ、前記それぞれのパネルの相対表面積、及びそれらの組み合わせからなる群のうちの1つにおいて前記耳構造特徴部に対応する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記耳構造特徴部の少なくとも一部が意匠要素(320)を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記超音波接合された積層体が接合パターン(24)を含み、前記耳構造特徴部及び前記接合パターンが集合的にサイドパネル意匠要素(320a)を構成する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記サイドパネルが伸張方向に伸張可能であり、前記耳構造特徴部が、前記サイドパネルを機械的に活性化して前記伸張方向に垂直な方向に伸張させることによって形成される、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記サイドパネルが前記第2の腰部領域に配置され、前記第2の腰部領域が後側腰部領域を含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の吸収性物品の前記超音波ギャザー積層体を形成する方法であって、
それぞれが横方向の幅を画定する第1の基材(402)及び第2の基材(410)を提供するステップと、
前記第1の基材に形態学的差異を生じさせて改質基材(402M)を形成するステップと、
第1の縁部領域(408a)と、中央領域(408c)によって前記第1の縁部領域から前記横方向に分離された第2の縁部領域(408b)とを含むエラストマーフィルム(408)を提供するステップと、
前記エラストマー材料の前記中央領域を前記横方向に伸ばすステップと、
前記エラストマー材料の伸ばされた中央領域を、前記改質基材と前記第2の基材との間に配置するステップと、
前記改質基材を前記伸ばされた中央領域及び前記第2の基材と共に超音波接合することにより、弾性積層体を形成するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弾性パネルを含む吸収性物品に関し、より具体的には、構造特徴部を有する弾性パネル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品(例えば、おむつ)が、尿及び/又は他の身体排泄物を受け入れて封じ込めるという利点を提供することは、長い間知られている。身体排泄物を効果的に封じ込めるためには、物品は着用者の腰部及び脚部の周りにぴったりとフィットする必要がある。
【0003】
おむつなどの一部の吸収性物品は、例えばサイドパネル(即ち、耳)及びウエストバンドのような弾性部分を含む構成要素を有する。これらの弾性パネルにより、物品の構成要素が着用者に密着して快適に接触することができる。様々な構成では、パネルは、積層体であり、この積層体は、積層体に伸張性を与えるエラストマー層と、あまり伸縮可能ではないが耐久性と望ましい触感特性を与えるのに適した外層とを含む。パネルは、ギャザー積層体の形態であってもよく、弾性層が弛緩すると、外層はしわを形成する。上記ギャザー積層体は、積層時に弾性層材料を外側材料よりも大きな程度で伸張させることによって形成することができる。あるいは、外層材料は波形であってもよく、弾性材料は積層時にその弛緩状態にあってもよい。いずれのシナリオにおいても、積層後に、積層体が弛緩状態にあるとき、外層は集まったり束になったりしてしわを形成する。他の構成では、弾性パネルは、機械的活性化によって形成されてもよい。
【0004】
一部の構成では、異なる性能特性ゾーンを有する弾性パネルを提供すること、及び/又は異なる特性を有する異なる弾性パネルを提供することが望ましい場合がある。実際、同じウェブ上で製造される場合であっても、例えば前側ウエストバンドと後側ウエストバンドとの間で異なる収縮特性が望まれる場合がある。同様に、前駆体ウェブの単なる積層によって提供される特性に対して、積層体に強化された特性を付与することが望ましい場合がある。そのような強化された特性には、通気性、柔らかさ、強度、厚さ、しわの均一性、弾性率、美的向上、引裂き抵抗、前述のいずれかの組み合わせ、及び/又は前述の特徴のいずれかの異なる値を有するゾーンが含まれ得る。また、前駆体ウェブが異なる可能性がある場合でも、弾性パネル間で特性を一致させることが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、強化された特性及び/又は構造改質部を有する弾性パネルを含む吸収性物品を提供することは有益であろう。そのような特性/改質部を、積層プロセスと共にオンラインで、及び/又は吸収性物品の組み立てプロセス中に付与することも有益であろう。そのような特徴部を効率的及び/又は低コストで提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本明細書の独立請求項の特徴を含む。吸収性物品は、第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャーシとを含む。吸収性物品は、超音波接合されたギャザー積層体を含むサイドパネルを更に含む。超音波接合されたギャザー積層体は、エラストマー層及び基材を含む。サイドパネルは、シャーシ取り付け接合部でシャーシに接合され、また第1の腰部領域又は第2の腰部領域の一方に配置されている。超音波接合されたギャザー積層体は、耳構造特徴部を含み、この耳構造特徴部は、基材への表面改質部を含み、かつ、エンボス加工部、切り込み、溶融材料又はコーティング、圧縮材料、シャーシ取り付け接合部から離れて配置された二次接合部、塑性変形部、及び折り目のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
吸収性物品のサイドパネルを形成する方法は、
それぞれが横方向の幅を画定する第1の基材及び第2の基材を提供するステップと、
第1の基材に形態学的差異を生じさせて改質基材を形成するステップと、
第1の縁部領域と、中央領域によって第1の縁部領域から横方向に分離された第2の縁部領域とを含むエラストマー材料を提供するステップと、
エラストマー材料の中央領域を横方向に伸ばすステップと、
エラストマー材料の伸ばされた中央領域を、改質基材と第2の基材との間に配置するステップと、
改質基材を伸ばされた中央領域及び第2の基材と共に超音波接合することにより、弾性積層体を形成するステップと、を含む。
【0008】
吸収性物品のサイドパネルを形成する方法は、
それぞれが横方向の幅を画定する第1の基材及び第2の基材を提供するステップと、
第1の縁部領域と、中央領域によって第1の縁部領域から横方向に分離された第2の縁部領域とを含むエラストマー材料を提供するステップと、
エラストマー材料の中央領域を横方向に伸ばすステップと、
エラストマー材料の伸ばされた中央領域を、第1の基材と第2の基材との間に配置するステップと、
第1の基材を伸ばされた中央領域及び第2の基材と共に超音波接合することにより、弾性積層体を形成するステップと、
積層体の第1の領域に形態学的差異を生じさせるが、積層体の第2の領域には生じさせないステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本開示に従って組み立てられた1つ以上の基材を含むことができるテープ付きおむつの形態の吸収性物品であって、着用者とは反対側のおむつの部分が観察者に向けられている、吸収性物品の部分切取平面図である。
【
図1B】本開示に従って組み立てられた1つ以上の基材を含むことができる
図1Aの吸収性物品であって、着用者の方を向いているおむつの部分が観察者に向けられている、吸収性物品の平面図である。
【
図2A】
図2の例示的なサイドパネルの平面図である。
【
図2B】例示的な表面改質部を概略的に示す、
図2の例示的なサイドパネルの分解斜視図である。
【
図2C】本発明の非限定的な実施形態による例示的な構造特徴部を示す例示的なサイドパネルの平面図である。
【
図4】弛緩収縮状態にある
図3の弾性積層体の断面図である。
【
図5】着用者の方に向いているおむつの部分が観察者に向けられている、第1の腰部パネルの詳細図である。
【
図5A】接合構成を示す、
図5の第1の腰部パネルの詳細図である。
【
図5B】構造特徴部を示す、
図5の第1の腰部パネルの詳細図である。
【
図5C】圧力接合部を有する構造特徴部構成を示す、
図5の第1の腰部パネルの詳細図である。
【
図6】着用者の方に向いているおむつの部分が観察者に向けられている、第2の腰部パネルの詳細図である。
【
図6A】接合構成を示す、
図6の第2の腰部パネルの詳細図である。
【
図6B】構造特徴部を示す、
図6の第2の腰部パネルの詳細図である。
【
図6C】圧力接合部を有する構造構成を示す、
図6の第2の腰部パネルの詳細図である。
【
図7A】弾性積層体を組み立てるために動作する装置の概略側面図である。
【
図7B】変換装置を取り外した状態で線7B-7Bに沿った
図7Aの装置の左側面図である。
【
図7C】変換装置を取り外した状態で線7C-7Cに沿った
図7Aの装置の上面図である。
【
図7D】線7D-7Dに沿った、
図7Bのスプレッダ機構上を前進する弾性材料の詳細図である。
【
図8】線8-8に沿った
図7Aの弾性基材の断面図である。
【
図9】弛緩収縮状態にある
図8の弾性基材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の用語説明は、本開示を理解する上で有用であり得る。
本明細書において「吸収性物品」は、主な機能が汚れ及び排泄物を吸収及び保持することである消費者製品を指すために使用される。例示的な吸収性物品には、おむつ、トレーニングパンツ、プルオンパンツ型おむつ(即ち、米国特許第6,120,487号に示されているような予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有するおむつ)、再締結可能なおむつ又はパンツ型おむつ、失禁用ブリーフ及び下着、おむつホルダ及びライナー、おりものシートなどの婦人用衛生服、再利用可能な外側カバーを有するおむつ用の吸収性挿入物などが含まれる。本明細書では、「使い捨て」という用語は、一般に、洗濯又は他の方法で吸収性物品として再生若しくは再利用することを意図していない吸収性物品を記述するために使用される(例えば、それらは、1回の使用後に廃棄されることを意図しており、また、環境に適合した方法でリサイクル、堆肥化、又は他の方法で廃棄されるように構成されてもよい)。
【0011】
「弾性」、「エラストマー」又は「エラストマー系」とは弾性特性を示す材料を指し、これには、その弛緩した初期長さに力を加えると、その初期長さよりも10%を超える伸張長さに伸張又は伸長することが可能であり、加えられた力を解放すると、ほぼその初期長さに実質的に回復する任意の材料が含まれる。一部の実施形態では、弾性材料は、所与の荷重で破裂又は破損することなく少なくとも50%伸張することができ、荷重を解放すると、弾性材料又は構成要素は、本明細書に記載のヒステリシス試験のように、いずれかの方向で少なくとも70%の回復を示す(即ち、30%未満の変形)。歪み、歪み率、工学歪み、延伸比、又は伸びと呼ばれることもある伸張は、回復及び変形と共に、以下でより詳細に説明するヒステリシス試験に従ってそれぞれ測定することができる。本明細書で使用される場合、積層体の面積の少なくとも20%が本明細書の弾性の定義を満たす場合、積層体は弾性である。この状況では、積層体が完全に伸ばされた状態にあるとき、積層体の面積パーセントが決定される。
【0012】
「伸張可能」とは、本明細書のヒステリシス試験におけるステップ5(a)のように、破裂又は破損することなく、少なくとも50%伸張又は伸長する能力を意味する。
【0013】
「圧密化」、「圧密化する」、及び「圧密化された」とは、材料が、第1の伸張長さから、第1の伸張長さよりも短くかつゼロより大きい第2の伸張長さまで伸びが減少していることを指す。
【0014】
「弛緩状態」は、加えられた力によって伸ばされていないときの材料の長さを定義する。
【0015】
本明細書の文脈において、伸び0%は、弛緩長さLを有する弛緩状態の材料を指し、伸び150%は、材料の弛緩長さLの2.5倍を表す。例えば、100ミリメートルの弛緩長さを有する弾性フィルムは、伸び150%で250ミリメートルの長さを有する。また、100ミリメートルの弛緩長さを有する弾性フィルムは、伸び80%で180mmの長さを有する。
【0016】
本明細書の文脈において、収縮60%は、材料の初期伸張長さLの0.6倍の収縮を表す。例えば、250ミリメートルの初期伸張長さを有する弾性フィルムは、収縮60%で100ミリメートルの収縮長さを有する。また、180ミリメートルの初期伸張長さを有する弾性フィルムは、収縮44%で100mmの長さを有する。
【0017】
本明細書で使用される場合、「接合された」という用語は、ある要素を他の要素に直接取り付けることによってこの要素が別の要素に直接固定される構成、及びある要素を中間部材に取り付け、そしてこの中間部材を他の要素に取り付けることによってこの要素が別の要素に間接的に固定される構成を包含する。
【0018】
本明細書では、「基材」という用語は、主に二次元(即ち、XY平面にある)である材料を記述するために使用され、その厚さ(Z方向)は、その長さ(X方向)及び幅(Y方向)と比較して比較的小さい(即ち、1/10以下)。基材の非限定的な例としては、ウェブ、1つ以上の層又は繊維状材料、不織布、高分子フィルム又は金属箔などのフィルム及び箔が挙げられる。これらの材料は、単独で使用されてもよく、又は一体に積層された2つ以上の層を含んでもよい。したがって、ウェブは基材である。
【0019】
本明細書では、「不織布」という用語は、スパンボンド法、メルトブロー法、カーディングなどのプロセスによって、連続(長)フィラメント(繊維)及び/又は非連続(短)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。一部の構成では、不織布は、ポリオレフィンベースの不織布を含むことができ、これには、ポリプロピレン繊維及び/又はポリエチレン繊維及び/又はポリオレフィンを含む二成分繊維を有する不織布が含まれるが、これらに限定されない。好適な繊維の非限定的な例としては、スパンボンド、スパンレイド、メルトブローン、スパンメルト、溶剤紡糸、電界紡糸、カード式、フィルムフィブリル化、溶融フィルムフィブリル化、エアレイド、ドライレイド、ウェットレイド短繊維、当該技術分野において既知のポリマー繊維の一部又は全体で形成された他の不織布ウェブ材料、及びそれらの加工可能な組み合わせが挙げられる。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有さない。本明細書の方法に従って、様々な坪量を有する不織布を使用できることを理解されたい。例えば、一部の不織布は、少なくとも約8gsm、12gsm、16gsm、20gsm、25gsm、30gsm、40gsm、又は65gsmの坪量を有してもよい。一部の不織布は、約8gsm~約65gsm、又は約10~約22gsmの坪量を有してもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1gsm増分、及びその範囲内に又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。
【0020】
本明細書の方法に従って、様々な坪量を有するフィルムを使用できることを理解されたい。例えば、一部のフィルムは、少なくとも約8gsm、12gsm、16gsm、20gsm、25gsm、30gsm、40gsm、又は60gsmの坪量を有してもよい。一部の不織布は、約5gsm~約150gsm、又は約20~約60gsmの坪量を有してもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1gsm増分、及びその範囲内に又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。
【0021】
本明細書で論じる弾性材料は、様々な材料及び/又は成分を含むことができることを理解されたい。一部のエラストマー組成物は、スチレン系ブロックコポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルアミド、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性エラストマーを含むことができる。好適なスチレン系ブロックコポリマーは、ジブロック、トリブロック、テトラブロック、又は少なくとも1つのスチレンブロックを有する他のマルチブロックコポリマーであってもよい。例示的なスチレン系ブロックコポリマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレン-イソプレン-スチレン、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンなどが挙げられる。市販されているスチレン系ブロックコポリマーとしては、KRATON(スチレン系ブロックコポリマー、Kraton Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)、SEPTON(スチレン系ブロックコポリマー、Kuraray America,Inc.(New York、NY)から入手可能)、VECTOR(スチレン系ブロックコポリマー、TSRC Dexco Chemical Company(Houston、TX)から入手可能)が挙げられ、使用され得る。更なる市販のエラストマーとしては、ESTANE(ポリウレタン、Lubrizol,Inc(Ohio)から入手可能)、PEBAX(ポリエーテル系ブロックアミド、Arkema Chemicals(Philadelphia,PA)から入手可能)、及びHYTREL(ポリエステル、DuPont(Wilmington,DE)から入手可能)が挙げられる。
【0022】
半結晶性又はメタロセンポリオレフィンは、使い捨て吸収性製品に使用することができる。本明細書のポリオレフィンエラストマー材料としては、ポリエチレン及びポリプロピレンなど、ポリオレフィンの任意のポリマー又はコポリマーが挙げることができるが、これらに限定されない。エラストマー系ポリプロピレンの例としては、弾性ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマー、立体不規則性を含むアイソタクチックポリプロピレン、アイソタクチック/アタクチックポリプロピレンブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレン/ランダムポリ(プロピレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、ステレオブロック弾性ポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンブロックポリ(エチレン-co-プロピレン)ブロックシンジオタクチックポリプロピレントリブロックコポリマー、アイソタクチックポリプロピレンブロックレジオイレギュラー(regioirregular)ポリプロピレンブロックアイソタクチックポリプロピレントリブロックコポリマー、ポリエチレンランダム(エチレン/オレフィン)コポリマーブロックコポリマー、リアクタブレンドポリプロピレン、密度が非常に低いポリプロピレン(又は同等の超低密度ポリプロピレン)、メタロセンポリプロピレン、及びそれらのブレンド又は組み合わせが挙げられる。ExxonMobilから入手可能な商標名Vistamaxx(商標)及びDowから入手可能な商標名VERSIFY(商標)で知られている一部のホモポリオレフィン及びランダムコポリマー、並びにそのようなランダムコポリマーのブレンドは、弾性性能を示す傾向がある。一部の実施形態では、2つ以上のエラストマーをブレンドして、所望の弾性性能を達成することができる。例えば、スチレン系ブロックコポリマーをポリオレフィンベースのエラストマーとブレンドすることができ、又はポリプロピレンベースのエラストマーを他のポリオレフィンベースのエラストマーとブレンドすることができる。
【0023】
本明細書に記載される使い捨て吸収性物品(即ち、おむつ、使い捨てパンツ、成人用失禁物品、生理用ナプキン、おりものシートなど)の構成要素は、2007年9月20日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2007/0219521(A1)号、2011年6月16日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2011/0139658(A1)号、2011年6月16日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2011/0139657(A1)号、2011年6月23日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2011/0152812(A1)号、2011年6月16日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2011/0139662(A1)号、及び2011年6月16日に公開されたHirdらの米国特許出願公開第2011/0139659(A1)号に記載されているように、少なくとも部分的に生物由来の内容物を含むことができる。これらの構成要素としては、トップシート不織布、バックシートフィルム、バックシート不織布、サイドパネル不織布、バリアレッグカフ不織布、超吸収体、不織布捕捉層、コアラップ不織布、接着剤、ファスナフック、ファスナランディング領域不織布、及びフィルムベースが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素は、ASTM D6866-10、方法Bを用いて約10%~約100%、別の実施形態では約25%~約75%、更に別の実施形態では、ASTM D6866-10、方法Bを用いて約50%~約60%のバイオベース含有量値を有する。ASTM D6866-10の方法を適用して任意の使い捨て吸収性物品の構成要素のバイオベース含有量を決定するには、使い捨て吸収性物品の構成要素の代表的なサンプルを試験のために入手しなければならない。少なくとも1つの実施形態では、使い捨て吸収性物品の構成要素を、既知の粉砕方法(例えば、Wiley(登録商標)ミル)を用いて、約20メッシュ未満の微粒子に粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的なサンプルを採取することができる。
【0024】
本明細書では、「機械方向」(machine direction、MD)という用語は、プロセスを通る材料の流れの方向を指すために使用される。また、材料の相対的配置及び移動は、プロセスの上流からプロセスの下流へとプロセスを通って機械方向に流れると説明することができる。
【0025】
本明細書では、「横方向」(cross direction、CD)という用語は、機械方向に対してほぼ垂直な方向を指すために使用される。
【0026】
本明細書で使用される「意匠要素」とは、構成要素のサイズ又は向きに関係なく、区別できる別個の構成要素を視覚的に作り出す形状又は形状の組み合わせを意味する。意匠要素は、1つ以上のパターンで存在してもよい。意匠要素は、1つのパターン内に1回以上存在してもよい。非限定的な一例では、同じ意匠要素が1つのパターンに2回存在し、意匠要素の第2のインスタンスは、第1のインスタンスよりも小さい。当業者であれば、別の配置も可能であることを認識するであろう。意匠要素は、しるしを含んでもよい。意匠要素及び/又は意匠要素の組み合わせは、文字、単語、及び/又は花、蝶、ハート、文字表現などのグラフィックを含んでもよい。意匠要素は、1つ以上の接合部の形状を含めて、接合部から形成されてもよい。意匠要素及び/又は意匠要素の組み合わせは、着用者の周りでの物品の配置及び/又はフィット性に関して介護者にガイダンス又は指示を与える指示的表示を含んでもよい。
【0027】
本明細書で使用される「パターン」は、必ずしも反復的又は模倣的ではなく、装飾的又は特徴的な意匠を意味し、これには、クラスター形、幾何学図形、斑点状、旋回状、渦巻き状、配列状、テクスチャ加工、螺旋状、サイクル状、輪郭状、レース状、モザイク模様、星形、葉形、ブロック、プリーツ状、凹状、凸状、網状、テーパ形状、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、パターンは、1つ以上の繰り返し意匠要素を含む。
【0028】
本明細書で使用される「しるし」は、製品の製造業者、小売業者、卸業者、及び/又はブランドを区別、識別、又は表現するために使用することができる物体、文字表現、単語、色、形状、又は他のしるしを意味し、これには、商標、ロゴ、標章、記号、意匠、図形、フォント、文字、紋章又は類似の識別マークが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
「機械的活性化」は、可塑的に伸張可能な材料の機械的変形であり、その結果、伸張可能な材料又は伸張可能な材料の一部が、その材料のX-Y平面における活性化の方向に永久的に伸長する。例えば、ウェブ又はウェブの一部に、可塑化が起こるよりも高い歪みを材料に引き起こす応力がかけられたときに活性化は発生し、これは材料又は材料の一部の完全な機械的破損を含む場合もあれば、含まない場合もある。可塑的に伸張可能な材料に接合された弾性材料を含む積層体の活性化は、通常、プラスチック材料の永久変形をもたらすが、弾性材料は実質的にその元の寸法に戻る。材料は、噛み合う特徴部を有する一対の伸張部材の表面間を張力下で通過させることによって機械的に活性化することができる。活性化の一例はリングローリングである。例示的な方法は、例えば、米国特許出願公開第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号、及び同第5,993,432号に開示されている機械的活性化である。「予備活性化(された)」とは、別の材料に積層する前に活性化された材料を指す。
【0030】
本開示の態様は、構造特徴部を有する弾性パネルを有する吸収性物品、及び/又は弾性パネル及び物品全体の機能性及び所望の特性を向上させるために改質された前駆体材料を組み込んだ吸収性物品に関する。吸収性物品は、様々な実施形態において使い捨てであってもよい。
図1A及び
図1Bは、本開示に従って組み立てることができる吸収性物品100の一例を示す。特に、
図1Aは、テープ付きおむつ100Tとして構成された吸収性物品100の平面図の一例を示しており、着用者とは反対側のおむつの部分が観察者に向けられている。また、
図1Bは、おむつ100の平面図を示しており、着用者の方を向いているおむつの部分が観察者に向けられている。
図1A及び
図1Bに示されるテープ付きおむつ100Tは、吸収性シャーシ102と、第1の後側サイドパネル104及び第2の後側サイドパネル106と、第1の前側サイドパネル108及び第2の前側サイドパネル110とを含む。
【0031】
図1A及び
図1Bに示されるように、吸収性物品100及びシャーシ102はそれぞれ、第1の腰部領域116と、第2の腰部領域118と、第1の腰部領域と第2の腰部領域との中間に配置された股部領域119とを含む。第1の腰部領域116は、前側腰部領域として構成されてもよく、第2の腰部領域118は、後側腰部領域として構成されてもよい。一部の実施形態では、前側腰部領域、後側腰部領域、及び股部領域のそれぞれの長さは、吸収性物品100の長さの1/3であってもよい。吸収性物品100はまた、第1の腰部領域116内に横方向に延びる第1の腰部縁部120を含んでもよく、第1の腰部縁部120は前側腰部縁部として構成されてもよい。更に、吸収性物品100は、第2の腰部領域118内に横方向に延びる第2の腰部縁部122を含んでもよく、第2の腰部縁部122は後側腰部縁部として構成されてもよい。本説明に対する基準枠を提供するために、
図1A及び
図1Bのおむつ100Tは、長手方向軸線124及び横方向軸線126と共に示されている。長手方向軸線124は、前側腰部縁部120の中点を通って、そして後側腰部縁部122の中点を通って延びることができる。また、横方向軸線126は、第1の長手方向又は右側縁部128の中点を通って、そして第2の長手方向又は左側縁部130の中点を通って延びることができる。
【0032】
図1A及び
図1Bに示されるように、吸収性物品100は、着用者に面する内側表面132と、衣服に面する外側表面134とを含む。したがって、以下に説明する吸収性物品の様々な構成要素はそれぞれ、着用者に面する内側表面132と、衣服に面する外側表面134とを含み得ることも理解されたい。シャーシ102は、バックシート136及びトップシート138を含んでもよい。シャーシ102はまた、トップシート138の一部とバックシート136との間に配置された吸収性コア142を含む吸収性組立体140を含んでもよい。
【0033】
図1A及び
図1Bに示されるように、シャーシ102の周囲は、第1の長手方向側縁部128、第2の長手方向側縁部130、第1の腰部領域116内に配置された第1の横方向に延びる端縁部144、及び第2の腰部領域118内に配置された第2の横方向に延びる端縁部146によって画定されてもよい。側縁部128及び130はいずれも、第1の端縁部144と第2の端縁部146との間に長手方向に延びる。
図1Aに示されるように、横方向に延びる端縁部144及び146は、前側腰部領域116内の横方向に延びる前側腰部縁部120の一部、及び後側腰部領域118内の、長手方向に対向しかつ横方向に延びる後側腰部縁部122の一部を形成することができる。第1の横方向端縁部144と第2の横方向端縁部146との間の距離は、シャーシ102のピッチ長さ(pitch length、PL)を画定することができる。吸収性物品100が着用者の下部胴体に着用されると、前側腰部縁部120及び後側腰部縁部122は、着用者の腰部の一部を取り囲むことができる。同時に、側縁部128及び130は、着用者の脚部の少なくとも一部を取り囲むことができる。また、股部領域119は、吸収性コア142が前側腰部領域116から股部領域119を通って後側腰部領域118まで延びる状態で、一般に着用者の脚の間に配置されてもよい。しかし、よりよくフィットさせるために、長手方向縁部112を湾曲させたり、角度をつけたりして、例えば「砂時計」形状の物品を作ることができる。
【0034】
また、吸収性物品100の一部又は全体を横方向に伸張可能にすることもできることを理解されたい。この伸張性は、着用者の運動中に吸収性物品100が着用者の身体に適合できるようにするのに役立つことができる。この伸張性はまた、例えば、伸張前に特定のサイズを有するシャーシ102を含む吸収性物品100の使用者が、吸収性物品100及び/又はシャーシ102の前側腰部領域116、後側腰部領域118、又は両方の腰部領域を伸ばして、異なるサイズの着用者に追加の身体被覆を提供する、即ち、吸収性物品を個々の着用者に合わせて調整するのにも役立つことができる。1つ又は複数の腰部領域のそのような伸張は、股部領域が1つ又は複数の腰部領域よりも比較的小さい程度に伸張する限り、吸収性物品に概ね砂時計形状を与えることができ、また、物品が着用されたとき、ぴったり合わせた外観を物品に付与することができる。
【0035】
前述のように、吸収性物品100は、バックシート136を含むことができる。バックシート136はまた、シャーシ102の外側表面134を画定してもよい。バックシート136は、液体(例えば、経血、尿、及び/又は水様便)に対して不透過性であってもよく、また、薄いプラスチックフィルムから部分的に製造されてもよいが、他の可撓性液体不透過性材料も使用することができる。バックシート136は、吸収性コアに吸収及び閉じ込められた排泄物が、吸収性物品100と接触する物品、例えば、ベッドシーツ、パジャマ、及び下着を濡らすのを防止することができる。バックシート136はまた、織布若しくは不織布材料(例えば、水流交絡不織布材料)、ポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルム、及び/又はフィルム及び不織布材料を含む多層若しくは複合材料(例えば、内側フィルム層及び外側不織布層を有する)を含んでもよい。バックシート136はまた、エラストマーフィルムを含むことができる。例示的なバックシート136は、厚さが約0.012mm(0.5ミル)~約0.051mm(2.0ミル)のポリエチレンフィルムであり得る。バックシート136は、接合パターン、開口部、及び/又は三次元特徴部を含んでもよく、エンボス加工及び/又はつや消し仕上げをして、より布のような外観を提供してもよい。更に、バックシート136は、排泄物がバックシート136を通過するのを依然として防止しながら、蒸気が吸収性コアから逃げることを可能にすることができる(即ち、バックシートは通気性である)。バックシート136のサイズは、吸収性コア142のサイズ及び/又は吸収性物品100の特定の構造又はサイズによって決定されてもよい。
【0036】
また上述したように、吸収性物品100は、トップシート138を含むことができる。トップシート138はまた、シャーシ102の内側表面132のすべて又は一部を画定してもよい。トップシート138は、柔軟で、柔らかな感触であり、着用者の皮膚に刺激を与えないものであってもよい。トップシートは、一方向又は二方向に弾性的に伸縮可能であってもよい。更に、トップシート138は、液体透過性であってもよく、液体(例えば、経血、尿、及び/又は水様便)がその厚さを通って浸透することを可能にする。トップシート138は、織布材料及び不織布材料、有孔又は液圧成形熱可塑性フィルム、有孔不織布、多孔質発泡体、網状発泡体、網状熱可塑性フィルム、及び熱可塑性スクリムなど、広範囲の材料から製造されてもよい。織布又は不織布材料は、木材若しくは綿繊維などの天然繊維、ポリエステル、ポリプロピレン若しくはポリエチレン繊維などの合成繊維、又はそれらの組み合わせを含むことができる。トップシート138が繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド繊維、カード繊維、ウェットレイド繊維、メルトブローン繊維、水流交絡繊維、複合繊維又は当該技術分野において既知の他の方法で処理された繊維であってもよい。トップシートは1つ以上の層を有してもよい。トップシートは、開口されていてもよく、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、及び/又は、複数のエンボス部(例えば、接合パターン)を有してもよい。トップシートは、米国特許第5,628,097号(Bensonら、1997年5月13日発行)及び米国特許出願公開第2016/0136014号(Aroraら)に開示されているように、材料をオーバーボンディングし、次いで、リングロールによってオーバーボンディング部を破裂させることによって、開口することができる。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又はその他の有益な薬剤でコーティングされてもよい。トップシートは、親水性又は疎水性であってもよく、あるいは、親水性及び/又は疎水性の部分又は層を有してもよい。トップシートが疎水性である場合、身体排泄物がトップシートを通過できるように、典型的には開口部が存在する。
【0037】
上述のように、シャーシ102はまた、吸収性組立体140を含んでもよい。
図1A及び
図1Bに示されるように、吸収性組立体140は、前側腰部領域116内に横方向に延びる前側縁部148を有してもよく、後側腰部領域118内に、長手方向に対向しかつ横方向に延びる後側縁部150を有してもよい。吸収性組立体は、長手方向に延びる右側縁部152を有してもよく、また横方向に対向しかつ長手方向に延びる左側縁部154を有してもよく、吸収性組立体の側縁部152及び154は両方とも、前側縁部148と後側縁部150との間に長手方向に延びることができる。吸収性組立体140は、1つ以上の吸収性コア142又は吸収性コア層を更に含んでもよい。吸収性コア142は、トップシート138とバックシート136との間に少なくとも部分的に配置されてもよく、吸収性物品と適合する様々なサイズ及び形状で形成されてもよい。
【0038】
吸収性コアは、様々な液体吸収性材料を含むことができる。好適な吸収性材料の例としては、一般にエアフェルトクレープ加工セルロース詰め物と呼ばれる粉砕木材パルプ、コフォームを含むメルトブローンポリマー、化学的に強化、改質、若しくは架橋されたセルロース繊維、薄紙包装紙及び薄紙積層体を含む薄紙、吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル化材料、又は任意の他の吸収性材料若しくは材料の組み合わせが挙げられる。一部の吸収性コアの実施形態は、低減された量のセルロース系エアフェルト材料を含む流体貯蔵コアを含むことができる。例えば、そのようなコアは、約40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、又は更には約1%未満のセルロース系エアフェルト材料を含んでもよい。そのようなコアは、少なくとも約60%、70%、80%、85%、90%、95%、又は更に約100%の量で吸収性ゲル化材料を主に含んでもよく、その場合、コアの残部はマイクロファイバー接着剤を含む(適用可能な場合)。一部の実施形態では、吸収性コアは、1つ以上のチャネルを含んでもよく、このチャネルは、吸収性材料を実質的に含まない。例示的な吸収性構造は、米国特許第4,610,678号、同第4,673,402号、同第4,834,735号、同第4,888,231号、同第5,137,537号、同第5,147,345号、同第5,342,338号、同第5,260,345号、同第5,387,207号、同第5,397,316号、並びに米国特許出願第13/491,642号及び同第15/232,901号に記載されている。
【0039】
1つ以上のマスキング層又は材料を吸収性物品に設けることができる。マスキング層は、吸収性物品が衣服に面する表面又は着用者に面する表面から触れた場合にクッション感を提供する層であってもよい。マスキング層は、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料によって引き起こされる可能性のあるざらざらした感触を「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、吸収性物品の着用者に面する表面又は衣服に面する表面を見たときに、身体排泄物が見えないように「隠す(mask)」ことができる。マスキング層は、約15gsm~約50gsm又は約15gsm~約40gsmの範囲の坪量を有してもよい。マスキング層は、1つ以上の不織布材料(例えば水流交絡不織布材料)、発泡体、パルプ層、及び/又は他の好適な材料を含んでもよい。マスキング層は、バックシートの外側カバー材料であってもよい。マスキング層は、コアの衣服に面する側又は着用者に面する側を形成する層であってもよい。マスキング層は、コアの衣服に面する表面と液体不透過性バックシートとの中間に位置する別個の材料であってもよい。
【0040】
テープ付きおむつは、着用者に適用される前に、前側腰部領域及び後側腰部領域が包装された際互いに締結、予備締結、又は連結されていない構成で製造され、消費者に提供され得る。例えば、テープ付きおむつ100Tは、腰部領域を互いに締結又は接合することなく、第1の腰部領域116の内側表面132が第2の腰部領域118の内側表面132と面対面接触する状態で、横方向中心線の辺りで折り畳まれてもよい。後側サイドパネル104及び106及び/又は前側サイドパネル108及び110もまた、腰部領域116及び118の内側表面132に向かって横方向内側に折り畳まれてもよい。
【0041】
吸収性物品100はまた、吸収性物品が着用者に配置されると、前側腰部領域116及び後側腰部領域118を互いに締結して、閉じた腰部周囲及び脚部開口部を形成することを可能にする様々な構成の締結要素を含んでもよい。例えば、
図1A及び
図1Bに示されるように、吸収性物品100は、第1の後側サイドパネル104及び第2の後側サイドパネル106にそれぞれ接続された、タブとも呼ばれる第1の締結部材162及び第2の締結部材164を含んでもよい。吸収性物品はまた、第1の前側サイドパネル108及び第2の前側サイドパネル110を含んでもよく、それらは、締結部材を含んでも含まなくてもよい。
【0042】
サイドパネルは、シャーシ102と一体であってもよく、又はサイドパネルの1つ以上の層をシャーシに接合するシャーシ取り付け接合部135でシャーシ102に接合された別個の要素であってもよい。サイドパネルの少なくとも一部は、印刷部を含んでもよく、及び/又は着色基材を含んでもよい。
【0043】
図2を参照すると、サイドパネルは、第1の基材402及びエラストマー層407を有する積層体400を含んでもよい。積層体は第2の基材412を含むことができ、エラストマー層407は第1の基材と第2の基材との間に挟まれてもよい。第1の基材及び/又は第2の基材は、不織布を含むことができる。第1の基材及び第2の基材は、同じであっても異なっていてもよい。積層体400が2つ以上の不織布を含む場合、不織布は、同じ坪量又は異なる坪量を有してもよい。同様に、不織布は、同じ層構成(例えば、SSS)又は異なる層構成(例えば、SMS)を含んでもよい。追加の層が含まれていてもよい(例えば、追加の不織布、非弾性材料、弾性又は伸張性材料など)。積層体は、伸張可能であってもよい。様々な構成では、積層体は弾性である。
【0044】
エラストマー層407は、層407の少なくとも一部に弾性を提供する1つ以上のエラストマー材料を含む。エラストマー性材料の非限定的な例としては、フィルム408(例えば、ポリウレタンフィルム、ゴム及び/又は他のポリマー材料から誘導されたフィルム)、別の基材に塗布されたエラストマーコーティング(例えば、ホットメルトエラストマー、エラストマー接着剤、印刷されたエラストマー、又は別の基材に共押出されたエラストマー)、エラストマー不織布、スクリムなどが挙げられる。
【0045】
図2~
図2Aに示されるように、エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法において積層体自体よりも短くてもよい。例えば、エラストマー層は伸張方向に最大寸法Yを含むことができ、積層体は伸張方向に最大寸法Wを含むことができる。これらの最大寸法は、積層体が弛緩状態にあるときに測定される。非限定的な例では、YはWより少なくとも約10mm小さくてもよい。特定の実施形態では、Yは、Wの少なくとも約20%、又は約25%~約100%、又は約35%~約85%、又は約80%以下であり、各範囲について、その範囲内の5%増分毎に列挙する。様々な施形態では、伸張方向は横方向である。追加的に、又は代替的に、エラストマー層は、積層体の1つ以上の寸法に等しい寸法を有してもよい。例えば、エラストマー層は、積層体の横方向幅全体にわたって積層体の実質的に同じ長手方向長さを含んでもよい。一部の実施形態では、エラストマー層は、約5~約150gsm、又は約10~約100gsm、又は約150gsm未満の坪量を有してもよく、各範囲についてその範囲内の5gsm増分毎に列挙する。
【0046】
図2Aを参照すると、積層体400は、エラストマー材料407の周囲によって画定される一次領域18と、1つ以上の非弾性領域20、22とを含むことができる。一部の構成では、一次領域18は、弾性領域32と、1つ以上の非延伸ゾーン34とを含む。弾性領域では、積層体は、弾性的に伸張可能である。非延伸ゾーンでは、エラストマー層が存在するにもかかわらず、積層体は弾性でない場合がある。一部の実施形態では、一次領域の面積は、積層体の全面積の少なくとも約20%、又は約30%~約100%、又は約80%以下を含み、上記範囲についてその範囲内の5%増分毎に列挙する。
【0047】
前述のように、積層体は、1つ以上の非弾性領域を更に含んでもよい。特定の実施形態では、積層体400は、積層体の第1の積層体縁部9から横方向外側に延び、かつ第1の弾性材料縁部17で一次領域18に隣接する第1の非弾性領域20を含む。耳部は、第2の非弾性領域22を更に含んでもよく、これは、第2の積層体縁部11から横方向内側に延びてもよく、また、第2のエラストマー材料縁部19で一次領域18に隣接してもよい。第1の非弾性領域及び第2の非弾性領域は、同じ材料又は異なる材料で作ることができる。
【0048】
超音波接合部31などの複数の接合部30によって2つ以上の積層体層を接合することができる。超音波接合された積層体は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2018/0042778(A1)号、同第2018/0042787(A1)号、同第2018/0042779(A1)号、及び同第2018/0042780(A1)号に記載されているものを含むがこれらに限定されない任意の適切なプロセスによって形成されてもよい。接合部は、熱接合部、圧力接合部、又はそれらの組み合わせを含むことができる。接合部は任意の適切な形状又はサイズであり得る。接合部は、パターン24内に配置されてもよい。
【0049】
図3及び
図4は、サイドパネルとして機能し得る積層体400の断面図を示しており、積層体は、第1の基材402、第2の基材410、及び第1の基材402と第2の基材410との間に配置された弾性フィルム408を含み、第1の基材402及び/又は第2の基材410は、上述のように不織布として構成されてもよい。積層体はギャザー積層体405として示されており、層の1つ(理想的にはエラストマー層)は、積層中に残りの層よりも伸張方向SD(即ち、最終製品の意図された伸張方向)においてより大きな程度に歪んでいる。このようにして、積層体400が弛緩状態にあるとき、より伸張性の低い層(即ち、基材402、410)はギャザーを形成する。
【0050】
一部の実施形態では、エラストマー層の少なくとも一部は、積層中に基材(例えば、不織布)が弛緩状態にある間に歪む。エラストマー層は、1つ以上の方向に伸ばされてもよい。次に、その後に形成された積層体400が弛緩状態にあるときに、基材層402、410に波形が形成される。様々な構成では、エラストマー層は物品の横方向に対応する方向に伸ばされる。換言すれば、積層体が積層後にシャーシに接合されるとき、積層体は、積層体が物品の横方向に伸縮可能であるように配向される(即ち、積層体は横方向に伸張可能である)。非延伸ゾーン34は、積層中に実質的に弛緩状態にあったエラストマー材料を含む積層体の一部のギャザー積層体に形成される。このような積層の間、通常、装置上の所定位置にエラストマー層を保持するために、エラストマー材料の一部は延ばされない。最終積層体において、これらの非伸張部分は、他の積層体層の重なり部分と共に非延伸ゾーン34を形成する。
【0051】
一部の構成では、弾性フィルム408は、第1の基材402及び/又は 第2の基材410と共に接合されてもよく、第1の基材402は、積層体400のエリアにおいて第2の基材410に直接接合されてもよい。一部の構成では、第1の基材402及び第2の基材410は、弾性フィルム408の開口部を通して互いに直接接合されてもよく、そのような開口部は接合プロセス中に形成されてもよい。一部の構成では、弾性フィルム408は、第1の基材402と第2の基材410との間の接合に関与又は関係することができ、ここで「関与する」とは、弾性フィルム408が、ある程度、第1の基材402と第2の基材410の一方又は両方と密接に接触し、場合によっては部分的に結合することができることを意味することができる。この関与は、接合部位の周囲の実際の溶融接合によるものであるか、又は接合部位の周囲の繊維不織布層間の繊維弾性層の絡み合いなどによる機械的相互作用によるものである可能性がある。これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。
【0052】
図2B~
図2Cに示されるように、積層体は、1つ以上の構造特徴部196を含むことができる。構造特徴部は、層の最初の接合後に積層体又は積層体の層上の表面改質部195を通じて形成され、及び/又は積層前に積層体の1つ以上の個々の層の前駆体材料の1つ以上の表面改質部195(形態学的差異又は形態的特徴部とも呼ばれる)通じて形成される。一部の実施形態では、構造特徴部は一次領域18に配置されてもよい。構造特徴部は、エンボス加工部302、切り込み304(例えば、開口部、穿孔、スリット)、溶融材料又はコーティング306、圧縮材料308、塑性変形部310(例えば、活性化ストライプ312)、折り目314、二次接合部316(例えば、積層体の最初の接合後に適用される接着接合部、圧力接合部、熱接合部、及び/又は超音波接合部)、及びそれらの組み合わせを含み得る。構造特徴部は、積層体の長さ及び/又は幅全体にわたって配置されてもよい。あるいは、構造特徴部は、シャーシ取り付け接合部135から離れて、及び/又はファスナ取り付け接合部137から離れて配置されてもよい。構造特徴部は、例えば、シャーシ取り付け接合部及び/又はファスナ取り付け接合部から約5mm、又は約7mm、又は約2mm~約50mmの最小距離で配置されてもよい。表面改質部は、エンボス加工部302、切り込み304(例えば、開口部、穿孔、スリット)、溶融材料又はコーティング306、圧縮材料308、塑性変形部310(例えば、活性化ストライプ312)、折り目314、形成後接合部316(例えば、基材が形成された後に適用される接着接合部、圧力接合部、熱接合部、及び/又は超音波接合部)、及びそれらの組み合わせを含み得る。表面改質部は、基材自体の初期形成後に形成され、それによって改質基材が形成される。換言すれば、不織布を製造するための熱接合繊維は、表面改質部とは見なされない。不織布が形成された後に不織布に接合部を形成することは、表面改質部と見なされる。
【0053】
特定の基材は、特定の表面改質及び/又は技術に対する感受性について、及び/又は技術を適用すること若しくは所与の基材から特定の改質部を形成することから生成される可能性がより高い特性について、選択され得ることを理解されたい。非限定的な例として、基材及び/又は積層体を機械的に活性化する場合、カード不織布を選択することができる。ポリエチレンベースの材料などの低弾性率の材料は、レーザエネルギーによる改質により適している場合がある。
【0054】
表面改質部195が2つ以上の層上に形成される場合、それらは同じタイプの改質であっても異なるタイプであってもよく、後者は
図2Bに示されている。追加的に又は代替的に、異なる層上の表面改質部195は、共に作用して、以下でより完全に説明する強化された特性を提供することができる。表面改質部及び構造特徴部については、以下でより詳細に説明する。
【0055】
図1A及び
図1Bに戻ると、各サイドパネル104、106及び/又は締結部材162及び164は、前側腰部領域116又は後側腰部領域118のうちの1つにおいて、シャーシ102の一部を形成するか、又は側縁部128及び130から横方向内側に配置されたシャーシ取り付け接合部でシャーシ102に直接又は間接的に永久的に接合、接着又は他の方法で結合されてもよい。あるいは、締結部材162、164は、第1の後側パネル104及び第2の後側パネル106並びに/又は第1の前側サイドパネル108及び第2の前側サイドパネル110の一部を形成するか、又はパネルの遠位端又はそれに隣接して第1の後側パネル104及び第2の後側パネル106に、かつ/又はサイドパネルの遠位端又はそれに隣接して第1の前側サイドパネル108及び第2の前側サイドパネル110に直接又は間接的に永久的に接合、接着又は他の方法で結合されてもよい。一部の実施形態では、締結部材は、ファスナ取り付け接合部137においてサイドパネルに接合される。締結部材は、層の間でサイドパネルに接合されてもよく、又はサイドパネルの外面でサイドパネルに接合されてもよい。1つの非限定的な例では、締結部材162は、サイドパネル又はシャーシに超音波的に接合される。サイドパネルの基材層は、締結取り付け接合部及び/又は締結部材が取り付けられているサイドパネルの側で折り畳まれてもよい。
【0056】
次に
図1Bを参照すると、第1の締結部材162及び/又は第2の締結部材164は、様々な種類の取り外し可能に係合できるファスナを含んでもよい。第1の締結部材162及び/又は第2の締結部材164はまた、様々な種類の再締結可能な締結構造を含んでもよい。例えば、第1の締結部材162及び第2の締結部材164は、フックアンドループファスナ、フックアンドフックファスナ、マクロファスナ、ボタン、スナップ、タブアンドスロットファスナ、テープファスナ、接着ファスナ、粘着ファスナ、磁気ファスナ、雌雄同体ファスナなどの形態の機械的ファスナ166を含んでもよい。締結システム及び/又は締結部材162、164の一部の例は、米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、同第5,221,274号、同第5,242,436号、同第6,251,097号、同第6,669,618号、同第6,432,098号、米国特許出願公開第2007/0078427(A1)号及び同第第2007/0093769(A1)号、並びに米国特許出願第16/685,230号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0057】
上述のように、締結部材162及び164は、様々な材料から構成されてもよく、また積層構造として構成されてもよい。締結部材162及び164はまた、吸収性物品100の別の部分と取り外し可能及び/又は再締結可能に係合又は接続するように適合されてもよい。例えば、
図1Aに示されるように、吸収性物品100は、第1の腰部領域116内に、ランディングゾーンと呼ばれることもある接続ゾーン168を含んでもよい。したがって、テープ付き吸収性物品100が着用者に着用されると、締結部材162及び164は、着用者の腰部の周りに引っ張られ、第1の腰部領域116内の接続ゾーン168に接続されて、閉じた腰部周囲及び一対の横方向両側にある脚部開口部を形成することができる。接続ゾーンは、吸収性物品のシャーシ102に接続された別個の基材から構成されてもよいことを理解されたい。一部の実施形態において、接続ゾーンは、吸収性物品100のバックシート136の一部として一体的に形成されてもよく、又は第1の前側パネル108及び第2の前側パネル110の一部として形成されてもよい。
【0058】
引き続き
図1Bを参照すると、吸収性物品100はまた、脚部ガスケット要素156を含んでもよい。脚部ガスケット要素156は、レッグカフ、レッグバンド、サイドフラップ、バリアカフ、弾性カフ、又はガスケットカフであってもよく、時にはそれらとも呼ばれることを理解されたい。脚部ガスケット要素156は、弾性を有してもよく、また脚部領域での身体排泄物の漏れを減らすのに役立つように様々な方法で構成することができる。例示的な脚部ガスケット要素156としては、米国特許第3,860,003号、同第4,909,803号、同第4,695,278号、同第4,795,454号、同第4,704,115号、同第7,435,243号、同第8,062,279号、同第8,939,957号、及び米国特許出願公開第2009/0312730(A1)号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものが挙げることができる。
【0059】
図1Bに示されるように、吸収性物品100は、長手方向に延び、かつ横方向両側にある脚部ガスケット要素156を含んでもよく、それらは、着用者に向かって内側に面しかつ着用者に接触するシャーシ102の内側表面132上に配置されている。各脚部ガスケット要素156は、第1の側縁部157及び第2の側縁部159を有することができ、第1の側縁部157は、第2の側縁部159の横方向内側に配置されている。脚部ガスケット要素156はまた、吸収性組立体140と重なってもよく、第1の側縁部157は、吸収性組立体140のそれぞれの側縁部152、154の横方向内側に延びている。一部の構成では、脚部ガスケット要素156は、吸収性組立体140と重ならない場合がある。脚部ガスケット要素156は、様々な方法で形成することができ、例えば、シャーシ102の部分を横方向内側に、即ち長手方向軸線124に向かって折り畳むことによって、それぞれの脚部ガスケット要素とシャーシ102の側縁部128及び130の両方を形成することができることを理解されたい。別の例では、脚部ガスケット要素156は、追加の層をシャーシのそれぞれの側縁部で又はそれに隣接して、シャーシ102に取り付けることによって形成することができる。脚部ガスケット要素156のそれぞれは、前側腰部領域116内の脚部ガスケット要素取り付けゾーン及び後側腰部領域118内の脚部ガスケット要素取り付けゾーンで、シャーシ及び/又は吸収性組立体140の内側表面132に接合されてもよい。脚部ガスケット要素156は、吸収性物品100と同じ長手方向範囲まで延びてもよく、あるいは、脚部ガスケット要素156は、吸収性物品100よりも小さい長手方向範囲を有してもよい。一部の構成では、脚部ガスケット要素は、内側カフ、外側カフ、又は内側カフ及び外側カフの両方を画定するように構成することができる。
【0060】
吸収性物品100はまた、
図1Bに示されるように、1つ以上の腰部パネル158を含んでもよい。腰部パネル158は、改善されたフィット性及び封じ込めを提供することができ、また着用者の腰部に動的にフィットするように弾性的に拡張及び収縮することができる吸収性物品100の一部又はゾーンを画定することができる。吸収性物品100はまた、例えば、第1の腰部領域116に配置された第1のパネル158aと、第2の腰部領域118に配置された第2の腰部パネル158bとを有する2つ以上の腰部パネル158を含んでもよいが、単一の腰部パネル158で他の構成を構成することもできる。腰部パネル158は、米国特許第4,515,595号及び同第5,151,092号、並びに米国特許出願第16/864,267号、同第16/864,292号、同第62/855,001号、同第62/930,181号、同第62/930,198号及び同第62/930,808号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものを含めて、多数の異なる構成で構成することができる。
【0061】
本明細書における腰部パネル158は、様々な方法で構成することができ、また、例えば弾性フィルム及び/又はストランドなどの1つ以上の弾性材料を含むことができることを理解されたい。例えば、腰部パネル158は、単層の弾性フィルムとして構成されてもよい。一部の構成では、腰部パネル158は、2つ以上の基材の積層体として構成されてもよい。例えば、腰部パネル158は、2つ以上の不織布基材の間に接合された弾性フィルムとして構成されてもよく、及び/又は1つ以上の不織布基材に接合されてもよい。例えば、腰部パネル158は、弾性フィルムが単一の不織布基材に接合された二重積層体として構成されてもよい。別の例では、腰部パネル158は、2つ以上の基材の間に接合された弾性フィルムとして構成されてもよく、ここで基材は不織布を含んでもよい。腰部パネル158の不織布基材は、同じ又は異なる材料及び/若しくは坪量のものであってもよく、また弾性不織布又は非弾性不織布として構成されてもよいことも理解されたい。一部の構成では、腰部パネル158のもう1つの不織布基材は、トップシート138、バックシート136、サイドパネル104、106及び/又は脚部ガスケット要素156の1つ以上の不織布基材と同じ又は異なる材料及び/若しくは坪量のものであってもよい。
【0062】
本明細における腰部パネル158は、様々な方法で形成することができ、また、様々な方法で互いに接合された、異なる又は同じ接合パターンを有する様々な構成要素を含むことができる。例えば、本明細書における腰部パネル158は、伸張状態で少なくとも1つの不織布と接合された弾性フィルムの積層体を含んでもよい。例えば、腰部パネルは、上記で説明し、例えば
図3に示した積層体400の形態であってもよい。一部の構成では、腰部パネルは、連続的又は非連続的に接合されてもよい。一部の構成では、積層体は、複数の個々の接合部位と接合されてもよく、これらの接合部位は、視覚的に識別可能なパターンを形成してもしなくてもよい。
【0063】
腰部パネル158の構成要素は、例えば、接着接合、超音波接合、圧力接合、熱接合、又はそれらの組み合わせなど、様々な方法で互いに接合されてもよい。一部の構成では、腰部パネル158の構成要素は、例えば、米国特許第4,854,984号、同第6,248,195号、同第8,778,127号、同第9,005,392号、同第9,962,297号及び同第10,052,237号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている機械的接合装置及び方法など、様々な方法で圧力(及び任意選択で熱)を加えることで機械的に(圧力で)接合されてもよい。一部の構成では、腰部パネル158の構成要素は、例えば直線型又は回転型構成、並びに例えば米国特許第3,113,225号、同第3,562,041号、同第3,733,238号、同第5,110,403号、同第6,036,796号、同第6,508,641号、及び同第6,645,330号に開示されているような様々な方法で構成された超音波接合方法を用いて機械的に(圧力で)接合されてもよい。腰部パネル158は、例えば、米国特許第6,572,595号、同第6,830,800号、同第7,087,287号、及び同第7,803,244号、並びに米国特許出願公開第2018/0042778(A1)号、同第2018/0042787(A1)号、同第2018/0042779(A1)号、及び同第2018/0042780(A1)号に開示されているような様々なタイプの接合構成で形成することができる。
【0064】
一部の構成では、腰部パネル158は、伸張状態でシャーシ102に接続され得るゼロ歪み伸張積層体として形成されてもよい。一部の構成では、ゼロ歪み伸張積層体は、少なくとも不織布材料の層及びエラストマー要素を含むことができる。エラストマー要素は、弛緩状態又は実質的に弛緩した状態で不織布材料の層に取り付けることができ、得られる積層体は、積層体に、不織層を永久的に伸長させ、エラストマー要素を一時的に伸長させる活性化プロセスを施すことによって伸縮可能(又は更なる範囲にわたってより伸縮可能)になる。一部の構成では、不織布層は別個の構成要素であってもよく、その場合、エラストマー要素は不織布層に取り付けられて積層体を形成し、この積層体は、次にシャーシ102に接続される。一部の構成では、不織布層は、シャーシ102の少なくとも一部と一体化することができ、その場合、エラストマー要素は不織布層に取り付けることができ、その後、不織布/エラストマー要素積層体が活性化される。一部の構成では、腰部パネルは押出接合積層体であってもよい。腰部パネル158の1つ以上の層が別々に設けられる場合、腰部パネル158は、シャーシ102への取り付けの前又は後のいずれかに活性化されてもよい。ゼロ歪み活性化プロセスの例は、米国特許第5,167,897号及び同第5,156,793号に開示されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。積層体がゼロ歪み活性化積層体である場合、構造特徴部は、活性化ストライプ312、特に積層体の二次的な後続の活性化によって形成される活性化ストライプの形態の塑性変形部を依然として含み得ることを理解されたい。二次活性化は、例えば、初期活性化ストライプとは異なる配向を有する活性化ストライプを作ることができ、及び/又は積層中に付与される方向とは異なる方向に伸張を提供することができる。
【0065】
腰部パネル158は、様々な吸収性物品構成要素の衣服に面する表面132及び着用者に面する表面134に対して様々な位置に配置することができる。腰部パネル158は、トップシート138の着用者に面する表面132及び/又は脚部ガスケット要素156の着用者に面する表面上に配置されてもよい。一部の構成では、腰部パネル158は、トップシート138の着用者に面する表面132上に配置されてもよく、腰部パネル158の横方向に対向する端部領域は、脚部ガスケット要素156とトップシート138との間に配置されてもよい。一部の構成では、腰部パネル158は、トップシート138の衣服に面する表面132とバックシート136の着用者に面する表面132との間に配置されてもよい。また、一部の構成では、腰部パネル158は、バックシート136の衣服に面する表面134上に配置されてもよい。
【0066】
図5及び
図6に示されるように、本明細書における第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bはそれぞれ、第1の横方向縁部170及び第2の横方向縁部172を含んでもよく、ここで第2の横方向縁部172は、第1の横方向縁部170に対して長手方向内側に配置されている。更に、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bは、第1の横方向縁部170に隣接する第1の長手方向端部領域174と、第2の横方向縁部172に隣接する第2の長手方向端部領域176とを含んでもよく、第1の長手方向端部領域174及び第2の長手方向端部領域176は、中央領域178によって隔てられている。第1の横方向縁部170及び第2の横方向縁部172は、第1の長手方向端部180及び第2の長手方向端部182に接続され、それらによって隔てられてもよい。したがって、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bはまた、第1の長手方向縁部180に隣接する第1の横方向端部領域184と、第2の長手方向縁部182に隣接する第2の横方向端部領域186とを含んでもよく、第1の横方向端部領域184及び第2の横方向端部領域186は、中央領域178によって隔てられている。一部の構成では、第1の横方向縁部170、第2の横方向縁部172、第1の長手方向縁部180、及び/又は第2の長手方向縁部182は、折り線によって画定されてもよく、腰部パネル158の1つ以上の層は、組み立て中にそれ自体又は別の層の上に折り畳まれてもよい。一部の構成では、第1の横方向縁部170、第2の横方向縁部172、第1の長手方向縁部180、及び/又は第2の長手方向縁部182は、折り畳まれていない縁部又は切断線によって画定されてもよく、腰部パネル158の1つ以上の層は、組み立て中に切断又はトリミングされてもよい。
【0067】
本明細書における腰部パネル158は、様々な形状及び/又はサイズで構成されてもよい。吸収性物品が複数の腰部パネルを含む場合、パネルは同じ寸法又は異なる寸法を有してもよい。例えば、
図5及び
図6に示されるように、第1の腰部パネル158aは、第1及び第2の長手方向縁部180、182の間に延びる第1の幅PW1を含んでもよく、第2の腰部パネル158bは、第1の長手方向縁部180と第2の長手方向縁部182との間に延びる第2の幅PW2を含んでもよい。第1の幅PW1と第2の幅PW2は、同じであっても異なっていてもよい。一部の構成では、第1の幅PW1及び/又は第2の幅PW2は、約80mm~約250mmであってもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1mm増分、及びその範囲内又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。第1の腰部パネル158aは、第1の横方向縁部170と第2の横方向縁部172との間に延びる第1の長さPL1を含んでもよく、第2の腰部パネル158bは、第1の横方向縁部170と第2の横方向縁部172との間に延びる第2の長さPL2を含んでもよい。第1の長さPL1と第2の長さPL2は、同じであっても異なっていてもよい。一部の構成では、第1の長さPL1及び/又は第2の長さPL2は、約5mm~約80mmであってもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1mm増分、及びその範囲内又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。
【0068】
腰部パネル158は、様々な吸収性物品構成要素に対して様々な横方向及び長手方向の位置に配置することができる。腰部パネル158は、腰部パネル158の第1の長手方向縁部180及び/又は第2の長手方向縁部182が脚部ガスケット要素156の横方向内側に位置するように、脚部ガスケット要素156と重なるように、又は適切な組み合わせで配置されてもよい。一部の構成では、第1の腰部パネル158aは、吸収性物品100の第1の腰部縁部120から長手方向内側に、及び/又は吸収性コア142の第1の横方向縁部148に向かって若しくはそれに重なるように配置されてもよく、第2の腰部パネル158bは、吸収性物品100の第2の腰部縁部122から長手方向内側に、及び/又は吸収性コア142の第2の横方向縁部150に向かって若しくはそれに重なるように配置されてもよい。
【0069】
第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bは、例えば、接着接合部188、超音波接合部、圧力接合部190、熱接合部又はこれらの組み合わせなど、様々な方法でシャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156に接合されてもよい。一部の構成では、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bは、シャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と接着剤で連続的に接合されてもよく、又はパターン化された接着剤で不連続的に接合されてもよい。一部の構成では、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bは、圧力(及び任意選択で熱)を加えることで、シャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と機械的に(圧力で)接合されてもよい。一部の構成では、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bは、超音波接合方法を使用して、シャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と機械的に(圧力で)接合されてもよい。
【0070】
一部の構成では、腰部パネル158の1つ以上の領域(本明細書では接合領域と呼ばれる)は、シャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と接合されてもよく、腰部パネル158の1つ以上の領域(非接合領域192と呼ばれる)は、シャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と接合されていなくてもよく(取り付けられない)、それにより、腰部パネル158とシャーシと102の間にポケット194が形成される。例えば、
図5Aに示されるように、第1の腰部パネル158aは、第1の腰部パネル158aの第1の長手方向端部領域174、第1の横方向端部領域184、及び第2の横方向端部領域186がシャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と接合されている接合領域を含んでもよく、第1の腰部パネル158aは、第2の長手方向端部領域176の一部及び第2の横方向縁部172の少なくとも一部がシャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156に取り付けられていない可能性のある少なくとも1つの非接合領域192a(概して破線枠の長方形で示す)を含んでもよい。第2の腰部パネル158bは、
図6Aに示されるように同様に構成されてもよく、192bとして列挙された第2の非接合領域を有する。非接合領域は、様々な形状及び/又はサイズを含んでもよい。例えば、
図5A及び
図6Aに示されるように、非接合領域192は、約40mm~約200mmであり得る横方向に延びる幅UWを含んでもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1mm増分、及びその範囲内又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。非接合領域は、約10mm~約50mmであり得る長手方向に延びる長さULを更に含んでもよく、具体的には、上記範囲内のすべての1mm増分、及びその範囲内又はその範囲によって形成されるすべての範囲を列挙する。物品が2つの腰部パネルを含み、それぞれの腰部パネルが非接合領域192a、192bを含む限り、非接合領域は、同じ寸法又は異なる寸法を有してもよい。即ち、第1の腰部パネルは、第2の腰部パネルの長さUL2及び幅UW2とそれぞれ同じであっても異なっていてもよい長さUL1及び幅UW1を有してもよい。
【0071】
上述したように、本明細書における腰部パネル158は弾性を有してもよく、また少なくとも1つの伸張方向を含んでもよい。一部の構成では、伸張方向は、第1の長手方向縁部180と第2の長手方向縁部182との間で横方向に向けられてもよい。一部の構成では、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bは、0よりも大きく約3Nまでの力が加えられると、少なくとも約10mm延びるように構成されてもよい。第1の腰部パネル158aは、第2の腰部パネル158bの伸張特性と同じ又は異なる伸張特性を含むことができることも理解されたい。そのような伸張特性は、収縮率又は伸び率を含むことができる。一部の構成では、第1の腰部パネル158aの伸張特性は、第1の横方向縁部170と第2の横方向縁部172との間、及び/又は第1の長手方向縁部180と第2の長手方向縁部182との間で同じであってもよく、又は異なっていてもよい。また、一部の構成では、第2の腰部パネル158bの伸張特性は、第1の横方向縁部170と第2の横方向縁部172との間、及び/又は第1の長手方向縁部180と第2の長手方向縁部182との間で同じであってもよく、又は異なっていてもよい。
【0072】
本明細書における腰部パネル158の所望の伸張特性は、例えば腰部パネル158がシャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と組み合わされる前、その間、又はその後など、様々な方法で腰部パネル158に付与することができる。例えば、構造特徴部196を、腰部パネル158の組立前、組立中、及び/又は組立後に、腰部パネル158の1つ以上の個々の構成要素に付与して、腰部パネル158の所望の伸張特性を提供することができる。一部の構成では、腰部パネル158、シャーシ102、及び/又は組み合わされた腰部パネル158とシャーシ102に構造特徴部を付与して、腰部パネル158の所望の伸張特性を提供することができる。一部の構成では、同じ構造特徴部を第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bに付与して、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bが同様の伸張特性を有することを保証するのに役立つことができる。一部の構成では、異なる構造特徴部を第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bに付与して、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bが異なる伸張特性を有することを保証するのに役立つことができる。構造特徴部に関する更なる詳細については、以下で説明する。
【0073】
構造特徴部
上記のように、サイドパネル及び/又は腰部パネルは、1つ以上の構造特徴部196を含むことができる。構造特徴部196は、積層体自体の改質部によって形成されてもよく、又は積層体の個々の層への改質部195によって形成されてもよい。構造特徴部は、積層体の1つ以上のエリアにおいて、通気性、強度、伸張性、剛性、柔らかさ、z方向弾性、厚さ及び/又は引裂き抵抗を向上させることができる。様々な実施形態では、構造特徴部は、積層体の2つ以上の層上の構造改質部の組み合わせから形成され、したがって、積層体の2つ以上の層に存在する。
【0074】
図2B~
図2Cは、サイドパネル上に配置された構造特徴部(即ち、耳構造特徴部196c、196d)の例を示す。構造特徴部196及び/又は表面改質部195は、エンボス加工部302、切り込み304(例えば、開口部、穿孔、スリット)、溶融材料又はコーティング306、圧縮材料308、塑性変形部310(例えば、活性化ストライプ312)、折り目314(
図8~
図9を参照)、形成後接合部316(例えば、基材が形成された後に適用される接着接合部、圧力接合部、熱接合部、及び/又は超音波接合部)、及びそれらの組み合わせを含んでもよい。構造特徴部又は表面改質部は、意匠要素320の形態であってもよい。積層体層上の1つ以上の表面改質部は、組み合わせて、又は共に作用して、最終積層体に構造特徴部196dを形成することができる。例えば、
図2Bの層上の表面改質部は、組み合わせて
図2Cの構造特徴部196dを形成することができる。更に、異なる積層体層上の表面改質部及び/又は異なる形態の表面改質部は、組み合わせて、又は共に作用して、通気性、強度、伸張性、剛性、柔らかさ、z方向弾性、厚さ及び/又は引裂き抵抗を向上させることができる。
【0075】
追加的に又は代替的に、構造特徴部は、積層体接合パターン24と共に作用して、パネル意匠要素320aを形成することができる。例えば、
図2Cでは、コーティング306は、構造特徴部196cを取り囲む超音波接合パターン24を弱め、それによって、描かれたハートの図形を強調するパネル意匠要素320aを形成するように示されている。
【0076】
構造特徴部は、視覚的に認識可能であり得る(即ち、1メートルの距離にある標準的な100ワットの白熱白色電球の照度と少なくとも同等の照明下で、20/20視力を持つ人間の目で検出できる)。追加的に又は代替的に、構造特徴部は、触覚的に知覚可能であり得る。
【0077】
図5B及び
図6Bは、第1の腰部パネル158aが第1の構造特徴部196aを含み、第2の腰部パネル158bが第2の構造特徴部196bを含む例示的な吸収性物品構成を示す。第1の構造特徴部196a及び第2の構造特徴部196bは、一般的に、パターン化された塗りつぶしを有する長方形として示されている。したがって、第1の腰部パネル158aの第1の構造特徴部196aは、第2の腰部パネル158bの第2の構造特徴部196bとは異なっていてもよいことを理解されたい。同様に、サイドパネル上の耳構造特徴部は、別のサイドパネル上の耳構造特徴部及び/又は腰部パネルの構造特徴部と異なっていてもよい。
【0078】
一部の構成では、1つの弾性パネルにおける構造特徴部は、別のパネルにおける構造特徴部に対応する場合がある。例えば、サイドパネルの構造特徴部は、外観及び/又は感触において腰部パネルの構造特徴部に対応する場合がある。構造特徴部は、パターン、意匠要素、付与された構造特徴部のタイプ、パネルに対する構造特徴部の相対表面積、及びそれらの組み合わせにおいて対応する場合がある。
【0079】
図2Cに戻ると、積層体400(サイドパネル又は腰部パネルの形態であるかにかかわらず)は、第1の領域10及び第2の領域12を含むことができる。構造特徴部は第1の領域に存在してもよく、第2の領域には構造特徴部が欠けている可能性がある。誤解を避けるために、欠ける(void)とは、単に再配置されたものではなく、構造特徴部が存在しないことを意味する(例えば、第1及び第2の領域が単に異なる接合パターンを含む場合、第2の領域には接合の構造特徴部が欠けていないであろう)。積層体の1つの領域に、別の領域に存在する特定の構造特徴部が欠けていることにより、構造特徴部を使用して、積層体の領域に特性の違いを付与することができる。例えば、第1の領域は、通気性、強度、伸張性、剛性、柔らかさ、z方向弾性、厚さ及び引裂き抵抗のうちの少なくとも1つの特性において第2の領域と異なっていてもよい。非限定的な例では、第1の領域10は、少なくとも部分的に又は完全に一次領域18と重なっていてもよい。第1の領域は、少なくとも部分的に又は完全に弾性領域32と重なっていてもよい。追加的に又は代替的に、第2の領域12は、少なくとも部分的に又は完全に非弾性領域20と重なっていてもよい。一部の構成では、第2の領域12は、少なくとも部分的に又は完全に非延伸領域34と重なっていてもよい。任意の実行可能な組み合わせは、本発明の範囲内である。例えば、第1の領域10は少なくとも部分的に又は完全に非延伸ゾーンと重なっていてもよく、第2の領域は少なくとも部分的に又は完全に弾性領域と重なっていてもよい。
【0080】
追加的に又は代替的に、異なる物品構成要素における構造特徴部は異なっていてもよく、それによって構成要素に異なる特性を付与する。例えば、
図5B及び
図6Bでは、第1の構造特徴部196a及び第2の特徴部196bは、第1の腰部パネル158aと第2の腰部パネル158bとの間で異なる伸張特性を提供することができる。別の例では、第1の腰部パネル158aは、第2の腰部パネル158bに含まれない第1の構造特徴部196aを含んでもよく、及び/又は第2の腰部パネル158bは、第1の腰部パネル158aに含まれない第2の構造特徴部196bを含んでもよい。
【0081】
異なる構造特徴部を使用して、異なる前駆体材料又は構成を有するパネル(又は領域)に同様の特性を付与することができることも理解されたい。例えば、非延伸ゾーン34には、そのゾーン内の基材を可塑的に変形させることにより伸張特性を与えることができ、それによって非延伸ゾーンに弾性領域32とより類似した伸張性を与えることができる。別の例として、一方のサイドパネルは超音波接合によって形成されてもよく、その結果、エラストマー層に開口部が形成されることになり、他方のサイドパネルは接着接合によって形成されてもよく、エラストマー層には開口部を欠く。積層後に後者のサイドパネルに開口部の形態の構造特徴部を追加することにより、前者のサイドパネルと同様の通気性を提供することができる。
【0082】
一部の構成では、第1の構造特徴部196a及び/又は第2の構造特徴部196bは、積層体400から別個のピースを切断及び除去することによって形成されてもよい。一部の構成では、第1の構造特徴部196a及び/又は第2の構造特徴部196bは、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bがシャーシ102及び/又は脚部ガスケット要素156と接合されるときに伸ばされる量を含む。例えば、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bは、伸張状態でシャーシ102と接合されてもよく、ここで第1の腰部パネル158aは、シャーシ102と接合されたときに第2の腰部パネル158bよりも小さく又は大きく伸ばされる。一部の構成では、第1の腰部パネル158aと第2の腰部パネル158bとの間に異なる伸張特性を提供するために、補強要素を使用することができる。例えば、補強要素は、第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158b上に配置されてもよい。一部の構成では、補強要素は、例えば別個の不織布パッチなどの基材を含んでもよい。
【0083】
一部の構成では、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bは、異なる伸張特性を与えるために、異なるエリア及び/又は領域に同じ構造特徴部196を含んでもよい。例えば、第1の腰部パネル158aは、第1の横方向縁部170に隣接する第1の構造特徴部196aを含んでもよく、第2の腰部パネル158bは、第1の横方向縁部170に隣接する同じ第1の構造特徴部196aを含んでもよく、第1の構造特徴部196aは、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158b上で異なる長手方向長さ及び/又は横方向幅にわたって延びることができる。
【0084】
図2C及び
図3Cは、例示的な図を示しており、ここで第1の腰部パネル158aは圧力接合部190の形態の構造特徴部196を含み、第2の腰部パネル158bは圧力接合部190の形態の同じ構造特徴部196を含む。圧力接合部190の第1の領域は、第1の腰部パネル158aの第1の横方向縁部170から第1の距離D1だけ長手方向内側に延びることができ、圧力接合部190の第2の領域は、第2の腰部パネル158bの第1の横方向縁部170から第2の距離D2だけ長手方向内側に延びることができる。一部の構成では、第1の距離D1は第2の距離D2よりも大きくても小さくてもよく、したがって、圧力接合部190は、第1の腰部パネル158a及び第2の腰部パネル158bに異なる伸張特性を与えることができる。第1の距離D1及び第2の距離D2は、様々な長さにわたって延びることができることを理解されたい。一部の構成では、第1の距離D1及び/又は第2の距離D2は、それぞれ第1の腰部パネル158a及び/又は第2の腰部パネル158bの全長PL1、PL2にわたって延びることができる。一部の構成では、第1の距離D1は、第1の腰部パネル158aの第1の横方向縁部170の長手方向内側に10mm以下の距離だけ延びることができ、かつ/又は第2の距離D2は、第2の腰部パネル158bの第1の横方向縁部170の長手方向内側に10mm以下の距離だけ延びることができる。
【0085】
構造特徴部及び表面改質部は、例えば、超音波エネルギー、レーザエネルギー、機械的活性化、圧力、熱、接着剤、折り畳み、コーティング、及び/又は切断の適用によってなど、様々な方法で形成することができる。一部の非限定的な例では、構造特徴部は、噛み合う隆起部と谷部、又は、例えば米国特許出願公開第2018/0228668号、同第2018/0228666(A1)号、同第2018/0228669号、同第2013/0082418号、米国特許第5,167,897号及び/又は同第5,993,432号に記載されている他の特徴部を有する一対の伸張部材の表面の間で張力下でそれぞれの基材を通過させることによる機械的活性化によって形成されてもよい。機械的活性化を使用して、例えば、三次元要素(基材の平均高さよりも大きいz方向高さを有する)、活性化ストライプ、圧縮領域、及び/又は開口部の形態であり得る塑性変形部を形成することができる。機械的活性化は、例えば、米国特許出願公開第2017/0296399(A1)号及び米国特許第10,485,713号に開示されているように、基材又はエラストマー層を予備活性化するために使用することができる。米国特許出願公開第2016/0136014号に開示されているように、基材をオーバーボンディングすることができ、オーバーボンディング部を機械的接合によって破裂させて開口部を形成することができる。
【0086】
一部の構成では、積層体を機械的に活性化して、伸張方向以外の方向に伸張を付与するか、又は積層体を変形させることができる。積層体は、例えば、伸張方向に垂直な方向に機械的に活性化されてもよい。例えば、積層中に、エラストマー層は、横方向CDに伸ばされてもよい。積層後、積層体は、機械方向MD活性化を受けることができる。前駆体材料(即ち、基材402、410又はエラストマー材料)は、積層中に付与される伸張方向とは異なる方向に積層前に活性化され得ることも企図される。
【0087】
構成要素の一部を切断/除去する技術、開口技術、及び/又はマーキング技術、又は他の適切な用途用の技術を使用して、レーザエネルギーを用いて、構造特徴部を提供することができる。例示的なレーザエネルギー技術は、米国特許出願公開第2016/0128874号、同第2016/0354254号、同第2017/0266056号、同第2017/0266057号、及びYohnの米国特許第9,561,669号に開示されている。
【0088】
コーティング及び溶融材料を適用して、構造特徴部を形成することができる。オイル、シリコーン、エステル、脂肪酸、界面活性剤などをベースとする化学仕上げ剤を使用することができる。アニオン性、カチオン性、又は非イオン性などの柔軟剤も、ドレープ性及び手触りを改善するために使用することができる。ロールコーティング、スクリーンコーティング、グラビアコーティング、スロットコーティング、スプレーコーティングなど、様々なコーティング技術を使用して仕上げを行うことができる。
【0089】
構造特徴部は、接合部の形態であってもよい。接合部は、圧力を含む機械的手段によって形成されてもよい。好適な接合部は、米国特許第4919738号、同第7056404号、及び米国特許出願公開第2015/0173961号に開示されているように、パターン化された要素とアンビル部材との間の圧力付勢ニップによる動的接合によって形成される。非限定的な例では、上記接合部は、高いライン速度で約20,000psi~約200,000psiのパターン要素負荷圧力下で形成される。追加的に又は代替的に、接合部は、接着剤を使用して形成することができ、接着剤は、スプレーガン、スロットコーティング、又は他の既知のプロセスによって塗布することができる。
【0090】
図7A~
図7Dは、本発明の別個の積層体を切り取ることができる連続弾性基材200aを組み立てるために動作する装置500の様々な概略図を示す。本明細書における連続弾性基材200a及び積層体は、様々な方法で構成することができ、また、例えば弾性フィルム及び/又はストランドなどの1つ以上の弾性材料を含むことができることを理解されたい。例えば、連続弾性基材200aは、単層の弾性フィルムとして構成されてもよい。一部の構成では、連続弾性基材200aは、2つ以上の基材の積層体として構成されてもよい。例えば、連続弾性基材200aは、2つ以上の不織布基材の間に接合された弾性フィルムとして構成されてもよく、及び/又は1つ以上の不織布基材に接合されてもよい。例えば、連続弾性基材200aは、弾性フィルムが単一の不織布基材に接合された二重積層体として構成されてもよい。別の例では、連続弾性基材は、2つ以上の基材の間に接合された弾性フィルムとして構成されてもよく、ここで基材は不織布を含んでもよい。弾性基材の不織布基材は、同じ又は異なる材料及び/又は坪量のものであってもよいことも理解されたい。
【0091】
連続弾性基材200aは、例えば、米国特許第6,572,595号、同第6,830,800号、同第7,087,287号、及び同第7,803,244号、並びに米国特許出願公開第2018/0042778(A1)号、同第2018/0042787(A1)号、同第2018/0042779(A1)号及び同第2018/0042780(A1)号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、様々な方法で組み立てることができることも理解されたい。例えば、
図7A~
図7Dは、別個の積層体を切り取ることができる連続弾性基材200aを組み立てるために動作する装置500の様々な概略図を示す。様々な実施形態では、横方向CDは、組み立てられた物品における積層体の横方向に対応する。
【0092】
図7A~
図7Cに示されるように、第1の基材402は、機械方向MDに回転アンビル502上に前進する。より具体的には、第1の基材402は、第1の表面404及び反対側の第2の表面406を含み、第1の基材402は前進して、回転アンビル502の外周面504上に第1の表面404を巻きつける。組立工程中、スプレッダ機構512は、弾性フィルム408を横方向CDに第1の伸びまで伸ばすことにより、弾性フィルム408を伸ばす。そして、伸ばされた弾性フィルム408は、第1の基材402の第2の表面406と接触するように配置される。次に、弾性基材200aは、第1の基材402及び弾性フィルム408を、アンビル502上の第2の基材410と共に超音波接合することによって形成することができる。より具体的には、第2の基材410は、第1の表面412及び反対側の第2の表面414を含み、第2の基材410は前進して、第1の表面412を、弾性フィルム408及び第1の基材402の第2の表面406と接触するように配置する。
【0093】
引き続き
図7~
図7Cを参照すると、アンビル502が回転すると、第1の基材402、弾性フィルム408、及び第2の基材410は、アンビル502の外周面504と、アンビル502に隣接する1つ以上の超音波装置530との間で前進する。超音波装置530はホーン532を含むことができ、また、超音波エネルギーをアンビル502上の組み合わされた基材及び弾性フィルムに与えるように構成することができることを理解されたい。超音波接合装置530の態様は、例えば直線型又は回転型構成、並びに例えば米国特許第3,113,225号、同第3,562,041号、同第3,733,238号、同第5,110,403号、同第6,036,796号、同第6,508,641号、及び同第6,645,330号に開示されているような様々な方法で構成することができることを理解されたい。一部の構成では、超音波接合装置530は、例えば、Herrmann Ultrasonic,Inc.から入手可能な線形振動型ソノトロードとして構成されてもよい。一部の構成では、ソノトロードは、横方向CDに共に入れ子にされた複数のソノトロードを含んでもよい。次に、超音波ホーン532は、第1の基材404、弾性フィルム408、及び第2の基材410を互いに接合して、弾性基材200aを形成する。
【0094】
次に、
図7Aに示されるように、弾性基材200aは、アンビル502から前進し、例えば、ロール200R上に巻かれるか、又は容器内で花綱にされることによって蓄積することができる。弾性基材200aは、完全に伸ばされた状態、部分的に伸ばされた状態、又は完全に弛緩した状態でロール200Rに巻かれてもよいことを理解されたい。蓄積したエラストマー基材200aは、吸収性物品組立プロセスに組み込むための位置に貯蔵及び/又は移動することができ、ここでエラストマー基材200aは、上述のような吸収性物品構成要素に変換されてもよい。弾性基材200aは、アンビル502から直接吸収性物品組立プロセスに進むことができることも理解されたい。
図9もまた、弛緩状態の弾性基材200aを示しており、弾性フィルム408の中央領域408cは横方向CDに収縮している。装置500は、弾性基材200aを単一レーンの弾性フィルム408と組み立てるように構成することができ、また、弾性基材200aを、横方向に互いに分離された複数レーンの弾性フィルム408と組み立てるように構成することもできることを理解されたい。次に、弾性フィルム408のそのようなレーンの間で弾性基材200aを機械方向MDに沿って切断して、複数の個々の弾性基材200aを形成することができる。
【0095】
超音波接合プロセス中、超音波ホーン532から弾性基材200aに付与された接合部は、アンビル502の外周面504から半径方向外側に延びる複数のパターン要素によって画定されるパターン及び/又は形状に対応し得ることを理解されたい。弾性基材200aは、様々な方法で互いに接合された、異なる又は同じ接合パターンを有する構成要素の様々な部分を含むことができることを理解されたい。例えば、弾性フィルム408は、第1の基材402及び/又は第2の基材410と共に接合されてもよく、第1の基材402は、弾性基材200aのエリアにおいて第2の基材410に直接接合されてもよい。一部の構成では、第1の基材402及び第2の基材410は、弾性フィルムの開口部を通して互いに直接接合されてもよく、そのような開口部は接合プロセス中に形成されてもよい。一部の構成では、弾性フィルム408は、第1の基材402と第2の基材410との間の接合に関与又は関係することができ、ここで「関与する」とは、弾性フィルムが、ある程度、第1の基材402と第2の基材410の一方又は両方と密接に接触し、場合によっては部分的に結合することができることを意味することができる。この関与は、接合部位の周囲の実際の溶融接合によるものであるか、又は接合部位の周囲の繊維不織布層間の繊維弾性層の絡み合いなどによる機械的相互作用によるものでもある可能性がある。装置500は、例えば、米国特許第6,572,595号、同第6,830,800号、同第7,087,287号、及び同第7,803,244号、並びに米国特許出願公開第2018/0042778(A1)号、同第2018/0042787(A1)号、同第2018/0042779(A1)号及び同第2018/0042780(A1)号(これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、様々なタイプの接合構成を形成するように適合され得ることを理解されたい。
【0096】
前述のように、スプレッダ機構512は、弾性フィルム408を横方向CDに第1の伸びE1まで伸ばす。特に
図7A及び
図7Dを参照すると、弾性フィルム408は、第1の縁部416aと、第1の縁部416aから横方向CDに分離された第2の縁部416bとを含む。更に、弾性フィルム408は、第1の縁部416aに隣接する第1の縁部領域408aと、第2の縁部416bに隣接する第2の縁部領域408bとを含む。第1の縁部領域408aは、中央領域408cによって横方向CDにおいて第2の縁部領域408bから分離されている。
図7A及び
図7Bに示されるように、弾性フィルム408は、スプレッダ機構512の上流の第1の縁部416aと第2の縁部416bとの間に横方向CDの初期幅Wiを画定することができる。弾性フィルム408は、第1の位置520で機械方向MDにスプレッダ機構512上に前進する。弾性フィルム408は、スプレッダ機構512上に前進する間、横方向CDの初期幅Wiにあってもよい。弾性フィルム408は、スプレッダ機構512の上流で弛緩状態にあってもよい。
【0097】
図7B及び
図7Dに示されるように、弾性フィルム408の第1の縁部領域408aは、スプレッダ機構512の第1のディスク516の外側リム516b上に前進し、第2の縁部領域408bは、第2のディスク518の外側リム518b上に前進する。更に、第1のディスク516の外側リム516bは、内側縁部516cと外側縁部516dとの間で軸方向に延びることができ、第2のディスク518の外側リム518bは、内側縁部518cと外側縁部518dとの間で軸方向に延びることができる。スプレッダ機構512の第1のディスク516及び第2のディスク518の外側リム516b、518bは、真空圧力源に流体接続されたチャネル524を含んでもよく、また半径方向に突出する突起528を含んでもよい。したがって、
図7Dに示されるように、弾性フィルム408の第1の縁部領域408aは、チャネル524内の真空空気圧及び半径方向に突出する突起528によって、外側リム516b上の所定位置に保持されてもよい。同様に、弾性フィルム408の第2の縁部領域408bは、チャネル524内の真空空気圧及び半径方向に突出する突起528によって、外側リム518b上の所定位置に保持されてもよい。したがって、第1及び第2の縁部領域は、積層体400の非延伸領域34に概ね対応し得る。
【0098】
引き続き
図7B及び
図7Dを参照すると、第1のディスク516及び第2のディスク518は傾斜している。したがって、スプレッダ機構512の第1のディスク516及び第2のディスク518が回転すると、弾性フィルム408は、第1の位置520又は第1の位置520の下流から第2の位置522に向かって前進しながら、横方向CDに伸ばされる。したがって、
図7A、
図7B、及び
図7Dに示されるように、スプレッダ機構512は、横方向CDに弾性フィルム408を初期幅Wi(及び初期伸びEi)から第1の幅W1(及び第1の伸びE1)まで横方向CDに伸ばすことができ、W1はWiよりも大きく、E1はEiよりも大きい。一部の構成では、弾性フィルム408は、第2の幅W2(及び第2の伸びE2)に圧密化されてもよく、ここでW2はW1よりも小さく、E2はE1よりも小さい。弾性フィルム408は、第2の幅W2(及び第2の伸びE2)で伸ばされたままであることを理解されたい。弾性フィルム408は、初期幅Wi(及び初期伸びEi)で弛緩状態にあってもよく、したがって、第2の幅W2は、初期幅Wiよりも大きくてもよく、第2の伸びE2は、初期伸びEiよりも大きくてもよいことも理解されたい。弾性フィルムが圧密化されていない構成では、W2はW1と等しくてもよく、E2はE1と等しくてもよい。
【0099】
一部の構成では、スプレッダ機構が傾斜したディスクを含む場合、弾性フィルム408の第1の縁部領域408及び第2の縁部領域408bは、ディスク516、518の外側リム516b、518b上の所定位置に保持されてもよい。したがって、第1のディスク516及び第2のディスク518が回転するとき、第1の縁部領域408a及び第2の縁部領域408bの一部は、横方向CDに伸ばされないままであり得る。したがって、第1のスプレッダ機構512の第1のディスク516及び第2のディスク518が回転すると、弾性フィルム408の中央領域408cが横方向CDに伸ばされる。
【0100】
図7A~
図7Dに示されるように、弾性フィルム408は、第2の位置522の下流のスプレッダ機構512からアンビル502へと前進し、そしてアンビル502上の第1の基材402の第2の表面406上に前進する。また、アンビル502が回転すると、第2の基材410は、アンビル502上に前進し、第1の表面412を、弾性フィルム408及び第1の基材402の第2の表面406と接触するように配置して弾性基材200aを形成し、第1の基材402、弾性フィルム408、及び第2の基材410が互いに接合される。
【0101】
引き続き
図7A及び
図7Bを参照すると、アンビル502の外周面504は、真空源505と流体接続されてもよく、したがって、真空空気圧をアンビル502上の第1の基材402に加えることができる。例えば、アンビルロール502の外周面504は、真空圧力源と流体接続された複数の開口部を含んでもよい。第1の基材402が不織布などの多孔性基材として構成されている場合、真空空気圧をアンビル502上の弾性フィルム408に加えることもでき、したがって、アンビル502上にある間、弾性フィルム408の伸張状態を維持するのに役立つことができる。一部の構成では、不織布上の接着剤はまた、不織布の気孔率を減少させるのに役立つことができ、これは、真空空気圧の能力を高めて、構成要素を伸張状態に維持するのに役立つことができる。
【0102】
上述したように、弾性基材200a(及び積層体)は、同じ又は異なる材料及び/又は坪量であり得る不織基材を含むことができる。例えば、
図7A~
図9を参照して上述した第1の基材402及び第2の基材410は、不織布基材として構成することができる。したがって、弾性基材200a及び別個の積層体400の第1の基材402及び第2の基材410は、同じ又は異なる種類の不織布であってもよく、及び/又は同じ又は異なる坪量を有してもよい。更に、キャリア基材202は、1つ以上の不織布基材を含むことができる。したがって、弾性基材200a及び別個の積層体400の第1の基材402及び/又は第2の基材410は、同じ又は異なる種類の不織布であってもよく、及び/又はキャリア基材202の不織布基材と同じ又は異なる坪量を有してもよい。更に、弾性基材200a及び積層体400の不織布基材、例えば第1の基材402及び/又は第2の基材410などは、他の物品構成要素(例えば、トップシート、バックシート)における不織布基材と同じ又は異なる繊維配向を有する不織布基材を含んでもよい。
【0103】
前述のように、弾性積層体を組み立てる、及び/又は積層体を他の吸収性物品構成要素と接合するための装置及び方法は、吸収性物品100をサイドパネル及び/又は腰部パネルと組み立てるように適合されてもよく、サイドパネル及び/又は腰部パネルは、パネルの位置に強化された特性又は特性の違いを付与する構造特徴部又は形態学的特徴部を含み、そのような特性には、例えば、通気性、柔らかさ、強度、伸張性、柔らかさ、及び引裂き抵抗が含まれる。
【0104】
別の例では、
図7Aを参照すると、装置500は、第1の基材402、第2の基材410、弾性層(例えば、フィルム408)、及び/又は組み立てられた弾性基材200aを改質するように適合され得る1つ以上の変換装置600を含むことができる。変換装置600は、
図7Aにおいて概して破線の長方形として表されている。上述したように、変換装置600は、エンボス加工部、開口部、スリット、溶融材料、圧縮材料、塑性変形部、折り目、接着接合部、及び/又は圧力接合部などの様々なタイプの形態的特徴部を、様々な方法で、例えば、超音波エネルギー、機械的活性化、レーザエネルギー、圧力、熱、接着剤、折り目、及び/又は切断の適用によって形成するように適合されてもよい。
図7Aに示されるように、装置500は、第1の基材402がアンビルロール502上に前進する会合位置521の上流に変換装置600aを含むことができ、この変換装置は、形態学的特徴部を第1の基材に付与するように適合されてもよく、それによって改質基材402M(予備活性化基材、開口基材、エンボス加工された基材など)を形成する。追加的に又は代替的に、装置500は、スプレッダ機構512の上流に変換装置600bを含むことができ、この変換装置は、形態学的特徴部を弾性フィルム408に付与するように適合されてもよく、それによって改質フィルム408M(開口フィルム、予備活性化フィルム、エンボス加工されたフィルムなど)を形成する。一部の構成では、変換装置は、スプレッダ機構512の下流にあってもよく、伸ばされた弾性フィルム408に形態学的特徴部を付与するように適合されてもよい。引き続き
図7Aを参照すると、装置500は、第2の基材及びアンビルの会合位置523の上流に変換装置600cを含むことができ、この変換装置は、形態学的特徴部を第2の基材410に付与するように適合されてもよく、それによって改質された第2の基材410Mを形成する。アンビル502及び/又はホーン530はまた、(基材の実際の接合以外の)接合操作中に弾性フィルム408、第1の基材406、及び/又は第2の基材410に形態学的特徴部を付与するように適合され得る変換装置600dとして構成されてもよい。変換装置600eは、ホーン530の下流に配置されてもよく、弾性積層体200aに形態的特徴部を付与するように適合されてもよい。非限定的な例では、変換装置600eは、最終積層体の厚さ全体に広がる形態学的特徴部を付与し、それによって形態学的特徴部が各積層体層に存在する。しかしながら、変換装置600eによって積層体に付与された1つ以上の形態的特徴部が、すべての積層体層よりも少ない数の積層体層を通って延びている、及び/又はその特徴部が存在する積層体の最大厚さよりも小さいz方向寸法にわたって延在することも企図される。
【0105】
変換装置600は、形態的特徴部を、それぞれの基材、エラストマー層、又は積層体の1つの領域に付与し、別の領域には付与しないことがある。適切な位置合わせ及び/又はプログラミング技術を使用して、形態学的特徴部を所望の位置に付与することができる。更に、
図7Aは、各積層体層に影響を与える変換装置を示しているが、ある層に表面改質部を適用し、別の層は表面改質部を欠いていることも企図される。追加的に又は代替的に、ある層上の表面改質部は、別の層に到達しないか、又は影響を及ぼさない場合がある。非限定的な例として、第1の基材の第1の表面にコーティングされた材料は、エラストマー層又は第2の基材と接触していなくてもよい。
【0106】
同様に、変換装置600は、吸収性物品組立装置の一部として含まれてもよく、また。弾性基材200a、積層体400、シャーシの一部(又は前駆体シャーシ材料)、及び/又は積層体400とシャーシ/シャーシ前駆体材料との複合体を改質して、形態学的差異を作り出すように適合されてもよく、この形態学的差異は、第1のサイドパネル104と第2のサイドパネル106の間及び/又は第1の腰部パネル158aと第2の腰部パネル158bとの間に形態学的差異を生じさせる。
【0107】
変換装置600は、エンボス加工部、開口部、スリット、溶融材料、圧縮材料、塑性変形部、折り目、接着接合部、及び/又は圧力接合部などの様々なタイプの形態学的特徴部及び/又は表面特徴部を、様々な方法で、例えば、超音波エネルギー、レーザエネルギー、圧力、熱、接着剤、折り目、及び/又は切断の適用によって形成するように適合されてもよい。形態学的特徴部はまた、例えば、異なる機械方向(MD)長さなど、別個の積層体400間のサイズ差を含み得ることを理解されたい。変換装置を有する組立装置の適切な構成は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第63/020,043号に開示されている。
【0108】
吸収性物品100は、様々な方法で、本明細書に記載の腰部パネル158を含む様々な構成要素と組み立てることができることを理解されたい。吸収性物品を腰部パネルと組み立てるための適切な方法は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第63/020,043号に開示されている。
【0109】
組み合わせ
A.吸収性物品であって、
第1の腰部領域、第2の腰部領域、及び第1の腰部領域と第2の腰部領域との間に配置された股部領域と、
トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収性コアを含むシャーシと、
エラストマー層及び基材を有し、第1の腰部領域又は第2の腰部領域の一方においてシャーシに接合されている弾性パネルとを備え、
弾性パネルは、エンボス加工部、開口部、穿孔、スリット、溶融材料又はコーティング、圧縮材料、二次接合部、塑性変形部、及び折り目のうちの少なくとも1つを含む構造特徴部を含む、吸収性物品。
B.弾性パネルがサイドパネルを含む、項Aに記載の吸収性物品。
C.構造特徴部が、シャーシ取り付け接合部から離れて配置された二次接合部を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
D.弾性パネルが、超音波接合されたギャザー積層体を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
E.弾性パネルは第1の領域及び第2の領域を含み、構造特徴部は、第1の領域に配置されているが、第2の領域には配置されておらず、第1の領域は、通気性、剛性、強度、伸張性、厚さ、z方向弾性、柔らかさ、及び引裂き抵抗のうちの少なくとも1つの特性において第2の領域と異なる、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
F.サイドパネルの少なくとも一部が印刷部を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
G.構造特徴部が、超音波エネルギー、レーザエネルギー、機械的活性化、圧力、液体コーティング、折り畳み、切断、接着剤及び熱のうちの少なくとも1つを弾性パネルに適用することによって形成される、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
H.構造特徴部が、基材に付与された1つ以上の表面改質部及び/又はエラストマー層に付与された1つ以上の表面改質部を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
I.1つ以上の表面改質部が基材に付与され、エラストマー層には表面改質部が存在しない、項Hに記載の吸収性物品。
J.1つ以上の表面改質部のうちの少なくとも1つが、開口部、スリット又は穿孔を含む、項Iに記載の吸収性物品。
K.1つ以上の表面改質部のうちの少なくとも一部が、活性化ストライプを含む、項I又はJに記載の吸収性物品。
L.構造特徴部が、積層体の厚さを通して、及び/又は積層体のすべての層を通して延びている、項A~Hのいずれか一項に記載の吸収性物品。
M.エラストマー層がフィルムを含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
N.基材が不織布を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
O.不織布が予備活性化不織布を含む、項Nに記載の吸収性物品。
P.第2の弾性パネルを更に含み、第2の弾性パネルは、不織布に接合された弾性フィルムと、第2の構造特徴部とを有し、第2の構造特徴部は、パターン、特徴タイプ、それぞれのパネルの相対表面積、及びそれらの組み合わせからなる群のうちの1つにおいて構造特徴部に対応する、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
Q.第2の弾性パネルが第1の腰部領域又は第2の腰部領域の一方に配置されている、項Pに記載の吸収性物品。
R.第2の弾性パネルが超音波接合部を含む、項P又はQに記載の吸収性物品。
S.弾性パネル及び/又は第2の弾性パネルが腰部パネルを含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
T.腰部パネルが、
内側横方向縁部、外側横方向縁部、及び2つの長手方向縁部を含み、
外側横方向縁部及び長手方向縁部に隣接する腰部パネルの領域は、シャーシに接合され、第1の腰部パネルの内側横方向縁部の少なくとも一部がシャーシに取り付けられていない、項Sに記載の吸収性物品。
U.構造特徴部が意匠要素を含む、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
V.基材及びエラストマー層が、接合パターンに配置された接合部により接合され、接合パターン及び構造特徴部が集合的にパネル意匠要素を構成する、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
W.弾性パネルが伸張方向に伸張可能であり、構造特徴部が、弾性パネルを機械的に活性化して伸張方向に垂直な方向に伸張させることによって形成される、前述の項のいずれか一項に記載の吸収性物品。
X.吸収性物品のサイドパネルを形成する方法であって、
それぞれが横方向の幅を画定する第1の基材及び第2の基材を提供するステップと、
第1の基材に形態学的差異を生じさせて改質基材を形成するステップと、
第1の縁部領域と、中央領域によって第1の縁部領域から横方向に分離された第2の縁部領域とを含むエラストマー材料を提供するステップと、
エラストマー材料の中央領域を横方向に伸ばすステップと、
エラストマー材料の伸ばされた中央領域を、改質基材と第2の基材との間に配置するステップと、
改質基材を伸ばされた中央領域及び第2の基材と共に超音波接合することにより、弾性積層体を形成するステップと、を含む、方法。
Y.形態学的差異を生じさせるステップが、接着接合、圧力接合、熱接合、超音波接合、エンボス加工、スリット加工、開口加工、コーティング、塑性変形、折り畳み、及び穿孔の群から選択される、項Xに記載の方法。
Z.形態学的差異を生じさせるステップが、第1の基材を機械的に活性化するステップを更に含む、項X又はYに記載の方法。
AA.形態学的差異を生じさせるステップが、超音波エネルギー、圧力、接着剤、及び/又は熱を使用して、第1の基材に接合部及び/又は圧縮材料を形成するステップを更に含む、項X~Zのいずれか一項に記載の方法。
BB.形態学的差異を生じさせるステップが、レーザエネルギーを使用して第1の基材を切断するステップを更に含む、項X~AAのいずれか一項に記載の方法。
CC.吸収性物品のサイドパネルを形成する方法であって、
それぞれが横方向の幅を画定する第1の基材及び第2の基材を提供するステップと、
第1の縁部領域と、中央領域によって第1の縁部領域から横方向に分離された第2の縁部領域とを含むエラストマー材料を提供するステップと、
エラストマー材料の中央領域を横方向に伸ばすステップと、
エラストマー材料の伸ばされた中央領域を、第1の基材と第2の基材との間に配置するステップと、
第1の基材を伸ばされた中央領域及び第2の基材と共に超音波接合することにより、弾性積層体を形成するステップと、
積層体の第1の領域に形態学的差異を生じさせるが、積層体の第2の領域には生じさせないステップと、を含む、方法。
DD.サイドパネルを吸収性物品に接合するステップを更に含み、形態学的差異を生じさせるステップが、サイドパネルを吸収性物品に接合するステップの後に実行される、項CCに記載の方法。
EE.形態学的差異を生じさせるステップが、積層体層を接合する前に、フィルムに形態学的差異を生じさせるステップを更に含み、形態学的差異が、接着接合部、圧力接合部、熱接合部、超音波接合部、エンボス加工部、コーティング、折り畳み、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、項CC又はDDに記載の方法。
FF.形態学的差異を生じさせるステップが、積層体を接合する前に、第1の基材に形態学的差異を生じさせるステップを更に含む、項CC~EEのいずれか一項に記載の方法。
GG.形態学的差異を生じさせるステップが、接着接合、圧力接合、熱接合、超音波接合、エンボス加工、スリット加工、開口加工、コーティング、塑性変形、折り畳み、及び穿孔の群から選択される、項CC~FFのいずれか一項に記載の方法。
HH.形態学的差異を生じさせるステップが、弾性積層体を機械的に活性化することを更に含む、項CC~GGのいずれか一項に記載の方法。
II.形態学的差異を生じさせるステップが、弾性積層体を機械方向に機械的に活性化することを更に含む、項HHに記載の方法。
JJ.第1の領域が弾性積層体の非延伸領域と少なくとも部分的に重なる関係にあり、第2の領域が伸ばされた中央領域と少なくとも部分的に重なる関係にある、項CC~HHのいずれか一項に記載の方法。
【0110】
ヒステリシス試験法
ヒステリシス試験は、指定された様々な歪み値に使用することができる。ヒステリシス試験は、コンピュータと接続された市販の引張試験機(例えば、Instron Engineering Corp.(Canton、MA)製、SINTECH-MTS Systems Corporation(Eden Prairie,MN)製又は同等のもの)を利用する。コンピュータは、試験速度及び他の試験パラメータを制御し、データを収集、計算及び報告するために使用される。試験は、23℃±2℃及び相対湿度50%±2%の実験室条件下で行われる。試験前に試料を24時間コンディショニングする。
【0111】
試料を、積層体の意図された伸張方向に10mmの寸法で、積層体の意図された伸張方向に垂直な方向に25.4mmだけ切断する。グリップの間に保持された試料の部分は、比較的均一な伸張特性を有する必要がある(即ち、把持された部分に非弾性領域と弾性領域の両方が含まれてはならない)。
【0112】
試験プロトコル
1.適切なグリップ及びロードセルを選択する。グリップは、平面を有していなければならず、その全幅に沿って試料を把持するのに十分広くなければならない。また、グリップは、試料が試験中に滑らないようにするのに十分な力及び好適な表面を提供する必要がある。ロードセルは、試験される試料からの引張応答が使用されるロードセルの容量の25%~75%になるように選択される。
2.製造者の使用説明書に従って試験機を較正する。
3.グリップ間の距離(ゲージ長)を7mmに設定する。
4.均一な幅がゲージ長さの方向に対して垂直な方向に沿うように、グリップの平面に試料を置く。試料を上部グリップに固定し、試料をたるませてから、次に下部グリップを閉じる。たるみプリロードを、5重量グラムに設定する。これは、たるみが5重量グラムの力で取り除かれた(13mm/分の一定クロスヘッド速度で)ときに、データ収集が開始されることを意味する。歪みは、調整されたゲージ長(lini)に基づいて計算され、調整されたゲージ長は5重量グラムの力での引張試験機のグリップの間の試料の長さである。この調整されたゲージ長を初期試料長さとし、これは歪み0%に対応する。試験の任意の点における歪み率は、調整されたゲージ長に対する長さの変化を調整されたゲージ長で割った値に100を掛けた値として定義される。
5(a)第1のサイクル負荷:70mm/分の一定クロスヘッド速度で50%歪みまで試料を引っ張る。グリップ間の伸張した試料長さをlmaxとして報告する。
5(b)第1のサイクル除荷:試料を50%歪みで30秒間保持し、次に、70mm/分の一定クロスヘッド速度で、クロスヘッドをその開始位置(0%歪み又は初期サンプル長さlini)に戻す。試料を1分間緩んだ状態で保持する。
5(c)第2のサイクル負荷:70mm/分の一定クロスヘッド速度で50%歪みまで試料を引っ張る。
5(d)第2のサイクル除荷:次に、試料を50%歪みで30秒間保持し、次に、70mm/分の一定クロスヘッド速度でクロスヘッドをその開始位置(即ち、0%歪み)に戻す。
【0113】
コンピュータデータシステムは、試験中にサンプルに加えられた力を、加えられた歪みの関数として記録する。得られたデータから、以下の量が報告される。
【0114】
i.0.001mm単位の、5重量グラム(lini)のたるみプリロードでのグリップ間の試料の長さ。
ii.0.001mm単位の、50%歪み(lmax)での第1のサイクルにおけるグリップ間の試料の長さ。
iii.0.001mm単位の、7重量グラム(lext)の第2のサイクル負荷力におけるグリップ間の試料の長さ。
iv.0.01%単位の、(lext-lini)/(lmax-lini)×100%と定義される永久歪%。
6つの別個のサンプルで試験を繰り返し、平均値及び標準偏差を報告する。
【0115】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0116】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用されるすべての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0117】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。