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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】アキュムレータ
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/02 20060101AFI20240723BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
F25B43/02 E
F25B1/00 387G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022565759
(86)(22)【出願日】2021-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2021080520
(87)【国際公開番号】W WO2022001178
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】202021244993.4
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】李 小林
(72)【発明者】
【氏名】金 海竜
(72)【発明者】
【氏名】韋 騰飛
(72)【発明者】
【氏名】劉 海波
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209371588(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第106642847(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103868294(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 43/02
F25B 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アキュムレータであって、
チャンバ(20)を有するハウジングアセンブリ(10)と、前記ハウジングアセンブリ(10)外に位置する第1入口(31)及び前記ハウジングアセンブリ(10)内に位置する第1出口(32)を有する吸気管(30)と、前記チャンバ(20)に位置する第2入口(41)を有する排気管(40)とを含み、前記吸気管(30)及び前記排気管(40)の一端はそれぞれ前記チャンバ(20)内に位置し、他端はそれぞれ前記ハウジングアセンブリ(10)外まで延在し、
護カバー(50)を更に含み、前記保護カバー(50)は前記第1出口(32)及び/又は前記第2入口(41)に覆設され、前記チャンバ(20)と前記吸気管(30)及び/又は前記排気管(40)とが連通されるように、前記保護カバー(50)の側面には貫通孔(51)が穿設されており、前記排気管(40)にはオイル戻り孔(60)が穿設されており、前記オイル戻り孔(60)の孔口には濾過部材(61)が設けられていて、
前記保護カバー(50)の底部には開口がなく、
前記保護カバー(50)は前記第2入口(41)に覆設され、前記貫通孔(51)の軸方向であり且つ前記排気管(40)から離れた方向に沿って、前記貫通孔(51)の断面積が徐々に増加する、アキュムレータ。
【請求項2】
前記保護カバー(50)は前記第1出口(32)に覆設されており、前記保護カバー(50)の内側底壁は円弧形を呈する、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項3】
前記保護カバー(50)は前記第1出口(32)に覆設されており、前記貫通孔(51)の断面が楕円形を呈する、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項4】
前記保護カバー(50)は前記第1出口(32)に覆設されており、前記貫通孔(51)の軸線と前記排気管(40)の前記チャンバ(20)部分に位置する軸線との夾角αは90°以上である、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項5】
前記貫通孔(51)の流れ面積は前記第1出口(32)及び/又は前記第2入口(41)の流れ面積より大きい、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項6】
前記保護カバー(50)は前記第2入口(41)に覆設されており、前記貫通孔(51)の軸線と前記吸気管(30)の軸線との夾角βは90°以下である、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項7】
前記貫通孔(51)は複数であり、複数の前記貫通孔(51)は前記保護カバー(50)の周方向に沿って均一に分布されている、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項8】
前記第1出口(32)の端面と前記第2入口(41)の端面との間の距離範囲は6mm~10mmである、請求項1に記載のアキュムレータ。
【請求項9】
前記排気管(40)は、互いに接続された直線パイプ(401)と湾曲パイプ(402)とを含み、前記直線パイプ(401)は前記チャンバ(20)に位置し、前記湾曲パイプ(402)は前記直線パイプ(401)から離れた一端は前記ハウジングアセンブリ(10)外部まで延在し、前記第2入口(41)は直線パイプ(401)の前記湾曲パイプ(402)から離れた一端に穿設される、請求項1に記載のアキュムレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月30日付で中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202021244993.4であり、発明の名称が「アキュムレータ」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、アキュムレータに関する。
【背景技術】
【0003】
アキュムレータは、冷却システムにおいて重要な部材の一つであり、通常は蒸発器と圧縮機との間に取り付けられ、冷媒の貯蔵、気液分離、不純物の濾過等の役割を有する。
【0004】
従来のアキュムレータにおいて、気液混合の冷媒は、吸気管から入った後に直接排気管に入り、一部の液状冷媒の液滴が排気管から圧縮機に入って圧縮機の液滴衝撃による損傷を引き起こす。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、上記の技術課題について、本出願は以下の技術態様のアキュムレータを提供する。
【0006】
本出願で提供されるアキュムレータは、チャンバを有するハウジングアセンブリと、ハウジングアセンブリ外に位置する第1入口及びハウジングアセンブリ内に位置する第1出口を有する吸気管と、排気管とを含み、吸気管及び排気管の一端はそれぞれチャンバ内に位置し、他端はそれぞれハウジングアセンブリ外まで延在し、アキュムレータは保護カバーを更に含み、保護カバーは第1出口及び/又は第2入口に覆設され、チャンバと吸気管及び/又は排気管とが連通されるように、保護カバーの側面には貫通孔が穿設されており、排気管にはオイル戻り孔が穿設されており、オイル戻り孔の孔口には濾過部材が設けられている。
【0007】
このように設計すると、気液混合の冷媒が吸気管から流れ込む際に直接排気管に落ちることを回避し、冷媒中の液滴が圧縮機に入ることを防止して、圧縮機に液滴衝撃による損傷が発生することを回避し、濾過部材を冷媒中の不純物を濾過するために使用することにより、不純物がオイル戻り孔から圧縮機に入って圧縮機が止まってしまうことを回避することができる。
【0008】
一実施例において、保護カバーは第1出口に覆設されており、保護カバーの内側底壁は円弧形を呈する。
【0009】
このように設計すると、円弧形の底壁は冷媒の流れに対してガイドの役割を果たして、気液混合の冷媒が吸気管の底壁に衝突した後に圧力損傷を軽減することで、吸気効果を高めることができる。
【0010】
一実施例において、保護カバーは第1出口に覆設されており、貫通孔の断面は楕円形を呈する。
【0011】
このように設計すると、貫通孔の断面積を大きくし、吸気流量を増加させることができる。
【0012】
一実施例において、保護カバーは第1出口に覆設されており、貫通孔の軸線と排気管のチャンバ部分に位置する軸線との夾角αは90°以上である。
【0013】
このように設計すると、貫通孔の孔口が排気管から離れて設けられるようにして、液状冷媒が排気管に流れ込む可能性を低減する。
【0014】
一実施例において、貫通孔の流れ面積は第1出口及び/又は第2入口の流れ面積より大きい。
【0015】
このように設計すると、吸気効率を強化させ、ノイズを低減させることにより、製品の性能を向上させ、流れ面積の過小による排気管に入り込む冷媒の動圧増加、冷媒の流速増加によって冷媒が排気管の内壁を衝突してノイズが発生してしまうことを回避することができる。
【0016】
一実施例において、保護カバーは第2入口に覆設され、貫通孔の軸方向であり且つ排気管から離れた方向に沿って、貫通孔の断面積が徐々に増加する。
【0017】
このように設計すると、液状冷媒が吸気管から流れ込む際に直接排気管に落ちることを回避し、冷媒中の液滴が圧縮機に入って圧縮機に液滴衝撃による損傷が発生することを防止するとともに、貫通孔の内壁がテーパ形又は弧形を呈するように貫通孔の断面積が徐々に増加して、冷媒の流れに対してガイドの役割を果たし、これにより冷媒の圧力損失を減少させる。
【0018】
一実施例において、保護カバーは第2入口に覆設されており、貫通孔の軸線と吸気管の軸線との夾角βは90°以下である。
【0019】
このように設計すると、貫通孔の孔口が吸気管から離れて設けられるようにして、冷媒が保護カバーから流れ出るとき、液状冷媒が排気管に流れ込む可能性を低減する。
【0020】
一実施例において、貫通孔は複数であり、複数の貫通孔は保護カバーの周方向に沿って均一に分布されている。
【0021】
一実施例において、第1出口の端面と第2入口の端面との間の距離範囲は6mm~10mmである。
【0022】
このように設計すると、液状冷媒が排気管に入り込む可能性を更に低減させるが、距離が近すぎるとガス状冷媒が排気管に流れ込むことに影響を与え、距離が遠すぎると液状冷媒が排気管に流れ込む可能性が高まる。
【0023】
一実施例において、排気管は、互いに接続された直線パイプと湾曲パイプとを含み、直線パイプはチャンバに位置し、湾曲パイプは直線パイプから離れた一端はハウジングアセンブリの外部まで延在し、第2入口は直線パイプの湾曲パイプから離れた一端に穿設される。
【0024】
関連技術に比べて、本出願で提供されるアキュムレータは、第1出口及び/又は第2入口に保護カバーを設け、且つ保護カバーの側面に貫通孔を穿設することにより、気液混合の冷媒が吸気管から流れ込む際に直接排気管に落ちることを回避し、冷媒中の液滴が圧縮機に入ることを防止して、圧縮機に液滴衝撃による損傷が発生することを回避する。排気管の第2出口に近接する位置にオイル戻り孔を穿設し、濾過部材をオイル戻り孔の孔口に設けることにより、不純物がオイル戻り孔から圧縮機に入って圧縮機が止まってしまうことを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本出願で提供される実施例1のアキュムレータの構造模式図である。
図2図1のAにおける部分拡大の構造模式図である。
図3図1のBにおける部分拡大の構造模式図である。
図4】本出願で提供される実施例2のアキュムレータの構造模式図である。
図5図4のCにおける部分拡大の構造模式図である。
図6】本出願で提供される実施例3のアキュムレータの構造模式図である。
【0026】
図面において、各符号の意味は以下の通りである。
100 アキュムレータ、10 ハウジングアセンブリ、11 第1蓋体、12 第2筒体、13 第3蓋体、20 チャンバ、30 吸気管、31 第1入口、32 第1出口、40 排気管、401 直線パイプ、402 湾曲パイプ、41 第2入口、42 第2出口、50 保護カバー、51 貫通孔、60 オイル戻り孔、61 濾過部材。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施例における図面を参照して本発明の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は本発明の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。当業者が、本発明における実施例に基づいて、創造的な作業なしに得られた全ての実施例はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0028】
説明すべきことは、アセンブリが他のアセンブリに「装着される」とされる場合、他のアセンブリに直接装着されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0029】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本発明の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本発明の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することを目的とし、本発明を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の/及び全ての組み合わせを含む。
【0030】
図1から図6を参照すると、本出願で提供されるアキュムレータ100は、主に冷却システムに使用され、通常は空調の蒸発器と圧縮機との間に取り付けられる。冷却システムの負荷が比較的小さいとき、冷媒をアキュムレータ100に戻して、システム内の冷媒の循環量を安定化し、冷却システムが正常な運転状態にあるようにすることができる。冷却システムのある部位が故障してメンテナンスを必要とする場合、一定の操作により、冷却システム内の冷媒をアキュムレータ100に集めて、大量の冷媒が外に流れ出て無駄になってしまうことを回避することができる。
【0031】
図1から図3に示されるように、アキュムレータ100は、チャンバ20を有するハウジングアセンブリ10と、ハウジングアセンブリ10外に位置する第1入口31及びハウジングアセンブリ10内に位置する第1出口32を有する吸気管30と、チャンバ20に位置する第2入口41及びハウジングアセンブリ10外に位置する第2出口42を有する排気管40とを含み、吸気管30及び排気管40の一端はそれぞれチャンバ20内に位置し、他端はそれぞれハウジングアセンブリ10外まで延在する。
【0032】
ハウジングアセンブリ10は、第1蓋体11、第2筒体12及び第3蓋体13を含み、第2筒体12の両端はそれぞれ第1蓋体11及び第3蓋体13に接続され、第2筒体12は中空とした筒体であり、第2筒体12と第1蓋体11及び第3蓋体13とによりチャンバ20が形成される。第1蓋体11は吸気管30に固定接続され、排気管40は第3蓋体13に固定接続される。
【0033】
本実施例において、使用者が冷却システムにおける他のパイプラインと溶接しやすいように、吸気管30及び排気管40は銅製であり、別の実施例において、吸気管30及び排気管40はステンレス又は他の材料を採用して製作してもよい。
【0034】
排気管40は、互いに接続された直線パイプ401と湾曲パイプ402とを含み、直線パイプ401はチャンバ20に位置し、湾曲パイプ402の一端は直線パイプ401に接続され、他端はハウジングアセンブリ10の外部まで延在し、第2出口42は湾曲パイプ402に穿設されており、第2入口41は直線パイプ401の湾曲パイプ402から離れた一端に穿設されており、湾曲パイプ402と第3蓋体13とは第2出口42に近接する位置で互いに接続される。
【0035】
好ましくは、吸気管30と第1蓋体11との間、排気管40と第3蓋体13との間、第3蓋体13と湾曲パイプ402との間は溶接固定されて、全体の接続封止性能及び信頼性を向上させることができ、ハウジングアセンブリ10の外表面は専門的な粉末コーティング層を採用して、過酷なレベルの中性塩水噴霧試験に適用することができる。
【0036】
実施例1
図1から図3を参照すると、アキュムレータ100は、第1出口32に覆設された保護カバー50を含み、保護カバー50の底部は封止されており、即ち保護カバー50の底部には開口がなく、チャンバ20と吸気管30とが連通されるように、保護カバー50の側面には貫通孔51が穿設されている。直線パイプ401にはオイル戻り孔60が穿設されており、オイル戻り孔60は湾曲パイプ402に近接して設けられ、即ちアキュムレータ100の底部に近接して設けられ、オイル戻り孔60の孔口には濾過部材61が設けられ、濾過部材61は潤滑油中の不純物を濾過するために使用して、不純物がオイル戻り孔60から圧縮機に入って圧縮機が止まってしまうことを回避する。
【0037】
このように設計すると、気液混合の冷媒が吸気管30から流れ込む際に直接排気管40に落ちることを回避し、冷媒中の液滴が圧縮機に入ることを防止して、圧縮機に液滴衝撃による損傷が発生することを回避することが理解できる。圧縮機は、長い期間の運転につれて、内部のある程度の潤滑油がガス化された冷媒とともに排出され、パイプラインを介してアキュムレータ100のチャンバ20における直線パイプ401の第2出口42に近接するオイル戻り孔60に入り込むことにより、アキュムレータ100の底部に沈殿した潤滑油が圧縮機の吸力作用によって、再びアキュムレータ100の排気管40に戻って冷媒に混合された後に、圧縮機内に再び入って、圧縮機に潤滑保護の役割を果たす。濾過部材61をオイル戻り孔60に設けることで、潤滑油中の不純物によってオイル戻り孔60が詰まるリスク、及び不純物が圧縮機内に入って圧縮機の性能及び使用寿命に影響を与えることを低減させる。
【0038】
具体的には、本実施例において、貫通孔51が4つ穿設されている。当然、別の実施例において、貫通孔51の数は、5つ、6つ、7つ又はそれ以上であってもよく、ここで貫通孔51の数は限定されない。
【0039】
第1出口32の端面と第2入口41の端面との間の距離範囲は6mm~10mmであることにより、液状冷媒が排気管40に入り込む可能性を更に低減させるが、距離が近すぎるとガス状冷媒が排気管40に流れ込むことに影響を与える。アキュムレータ100の底部に液状冷媒を貯蔵しているため、距離が遠すぎると液状冷媒が排気管40に流れ込む可能性が高まる。
【0040】
保護カバー50の内側底壁は円弧形を呈し、円弧形の壁面は冷媒の流れに対してガイドの役割を果たして、気液混合の冷媒が吸気管30の底壁に衝突した後に圧力損傷を軽減し、吸気効果を高めることができる。
【0041】
更に、冷媒が流れる過程における圧力損失を更に低減させるために、保護カバー50の内側底壁の円弧の両端は保護カバー50の底部から保護カバー50の両側の貫通孔51の孔口まで延在する。
【0042】
貫通孔51の断面積を大きくし、吸気流量を増加させるように、貫通孔51の断面は楕円形を呈する。
【0043】
好ましくは、貫通孔51の軸線と直線パイプ401の軸線との夾角aは90°以上である、即ち、貫通孔51は直線パイプ401の軸線に対して斜めに設けられ、貫通孔51の孔口は直線パイプ401から離れて設けられることで、液状冷媒が排気管40に流れ込む可能性を低減させることができる。
【0044】
保護カバー50の側面には複数の貫通孔51が穿設されており、複数の貫通孔51は保護カバー50の周方向に沿って均一に分布されており、且つ、貫通孔51の流れ面積は第1出口32の流れ面積より大きいという設計は、吸気効率を強化し、ノイズを低減させることにより、製品の性能を向上させ、流れ面積の過小による冷媒の動圧増加、冷媒の流速増加によって冷媒が排気管40の内壁を衝突してノイズが発生してしまうことを回避することができる。
【0045】
更に、貫通孔51の吸気管30から離れた軸線方向に沿って、貫通孔51の断面積が徐々に増加することにより、液状冷媒が吸気管から流れ込む際に直接排気管に落ちることを回避し、冷媒中の液滴が圧縮機に入って圧縮機に液滴衝撃による損傷が発生することを防止するとともに、貫通孔51の内壁がテーパ形又は円弧形を呈するように貫通孔51の断面積が徐々に増加して、冷媒の流れに対してガイドの役割を果たし、これにより冷媒の圧力損失を減少させる。
【0046】
本実施例において、濾過部材61は、構造が簡単でコストが低い布フィルタである。濾過部材61は、排気管40の内側壁又は外側壁に固定されてもよい。別の実施例において、濾過部材61は、シートフィルタ等の濾過性質を有する他の濾過部材であってもよい。
【0047】
実施例2
図4及び図5に示されるように、実施例2の構造は、実施例1の構造と基本的に一致し、その共通点は、実施例1における説明を参照することができるので、ここでは省略し、その相違点は、以下の通りである。
【0048】
本実施例において、保護カバー50は第2入口41に覆設されており、保護カバー50の頂部は封止されており、即ち保護カバー50の頂部には開口がなく、チャンバ20と排気管40とが連通されるように、保護カバー50の側面には貫通孔51が穿設されている。
【0049】
好ましくは、貫通孔51の軸線と吸気管30の軸線との夾角βは90°以下であることにより、液状冷媒が排気管40に流れ込む可能性を低減させる。
【0050】
実施例3
図6に示されるように、実施例3の構造は、実施例1及び実施例2の構造と基本的に一致し、その共通点は、実施例1及び実施例2における説明を参照することができるので、ここでは省略し、その相違点は以下の通りである。
【0051】
本実施例において、保護カバー50は第1出口32に覆設されており、且つ保護カバー50は第2入口41に覆設されており、即ち、第1出口32及び第2入口41はいずれも保護カバー50が設けられて、チャンバ20と吸気管30及び排気管40とを連通させる。本実施例において、第1出口32に設けられた保護カバー50の構造は、実施例1のものと同じであり、第2入口41に設けられた保護カバー50の構造は実施例2のものと同じである。
【0052】
このように設計すると、防止気液混合の冷媒中の液滴が排気管に入ることによって、圧縮機が液滴衝撃による損傷を受けてしまうことを一層防止することができる。
【0053】
組み立て過程において、濾過部材61を排気管40に溶接し、排気管40と第3蓋体13とをインターフェアランスフィットにし、第1蓋体11に溶接ワイヤを内嵌し、第2筒体12と第3蓋体13とをインターフェアランスフィットにし、第2筒体12に溶接ワイヤを外嵌してから炉溶接を行い、吸気管30と排気管40とを火炎溶接してから、水中検査を行って梱包するので、プロセス過程が簡単であり、製造コストを低減させ、プロセスフローが簡素化される。
【0054】
作業過程において、気液混合の冷媒が吸気管30から入って、第1出口32に設けられた保護カバー50の側面貫通孔51から流れ出し、重力作用によって、ガス状冷媒と液状冷媒とが分離され、ガス状冷媒が浮上し、液状冷媒がアキュムレータ100の底部に貯留され、ガス状冷媒は圧縮機の吸気作用によって第2入口41に設けられた保護カバー50の貫通孔51から排気管40に流れ込んで、液状冷媒とともにアキュムレータ100の底部に貯留された潤滑油がオイル戻り孔60から排気管40に入って、液状冷媒に混合された後に圧縮機に共に入る。
【0055】
本出願で提供されるアキュムレータ100は、主に吸気管30の第1出口32及び/又は排気管40の第2入口41に保護カバー50を覆設し、保護カバー50の側面に貫通孔51穿設して、冷媒が吸気管30からアキュムレータ100のチャンバ20に入るとき、保護カバー50の底部及び/又は端部の開口が封止されているため、底部及び/又は端部に衝撃した後に逆流が側面の貫通孔51から流れ出すことにより、冷媒中の液滴が圧縮機に入って液滴衝撃による損傷を引き起こす問題を解決する。排気管40に設けられたオイル戻り孔60及び濾過部材61はオイル戻り孔60から圧縮機に入る不純物を濾過することができるので、不純物や異物が圧縮機に入って圧縮機が止まってしまう問題を解決する。
【0056】
以上の実施例の各技術特徴は任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0057】
以上の実施例は本発明のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明は具体的且つ詳細であるが、発明の範囲を制限するものとして理解するべきではない。指摘すべきこととして、当業者にとって、本出願の思想を逸脱しない範囲で、更にいくつかの変形及び改良を行うことができるが、これらはいずれも本出願の保護範囲に属する。従って、本発明の保護範囲は添付された請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6