(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】調整可能爪切り
(51)【国際特許分類】
A45D 29/02 20060101AFI20240723BHJP
A01K 13/00 20060101ALI20240723BHJP
B26B 13/00 20060101ALI20240723BHJP
B26B 13/06 20060101ALI20240723BHJP
B26B 13/22 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
A45D29/02 G
A01K13/00 G
A45D29/02 L
B26B13/00 Z
B26B13/06
B26B13/22
(21)【出願番号】P 2022567527
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2021070779
(87)【国際公開番号】W WO2022006581
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-12-19
(32)【優先日】2020-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517253883
【氏名又は名称】フォー ポーズ プロダクツ,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アクセルロッド,グレン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ガジリア,アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】エチェベリ,ダイアナ エム.
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03838507(US,A)
【文献】米国特許第04228585(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0137041(US,A1)
【文献】特開2015-221029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 29/02
A01K 13/00
B26B 13/00 - 13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物の1つ以上のかぎ爪を切るためのトリミングはさみであって、
第1のハンドルを規定する本体と、
前記本体に対して枢動可能に結合され、ハンドル面内で前記第1のハンドルに対して枢動する第2のハンドルと、
前記本体から延出し、前記動物の前記1つ以上のかぎ爪の各々を受容するための開口を規定するガイドと、
刃面内に延出し、前記第1のハンドルに対する前記第2のハンドルの枢動運動に応じて切断前位置と切断位置との間で刃経路に沿って前記刃面内で付勢されるように構成された刃であって、前記刃面は前記ハンドル面に対して横方向に延出する、刃と、
指示部であって、前記開口内の前記各かぎ爪の最大挿入距離が少なくとも部分的に前記刃の前記切断前位置によって規定されるように、
前記指示部の対応する動きで前記刃を動かすことにより、前記開口に対する前記刃の前記切断前位置を調整するよう構成された
、指示部と、
を備える、トリミングはさみ。
【請求項2】
前記刃は、弓形形状を有する刃先を規定する、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項3】
前記開口は、円形である、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項4】
前記刃面は、前記ハンドル面に対して垂直である、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項5】
前記指示部は、前記開口の有効開口面積の指示を与えるように構成されたインジケータを含む、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項6】
前記指示部の回転によって前記刃の対応する直線運動を引き起こし、前記刃の前記切断前位置を調整する、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項7】
前記指示部は、少なくとも4つの異なる所定の切断前位置の間で前記刃を調整するように構成されている、請求項1に記載のトリミングはさみ。
【請求項8】
動物の1つ以上のかぎ爪を切るためのトリミングはさみであって、
第1のハンドルを規定する本体と、
前記本体に対して枢動可能に結合され、ハンドル面内で前記第1のハンドルに対して枢動する第2のハンドルと、
前記本体から延出し、前記動物の前記1つ以上のかぎ爪の各々を受容するための円形形状を有する開口を規定するガイドと、
刃面内に延出し、弓形形状を有する刃先を規定し、前記第1のハンドルに対する前記第2のハンドルの枢動運動に応じて切断前位置と切断位置との間で刃経路に沿って前記刃面内で付勢されるように構成された刃であって、前記刃面は前記ハンドル面に対して垂直に延出する、刃と、
指示部であって、前記開口内の前記各かぎ爪の最大挿入距離が少なくとも部分的に前記刃の前記切断前位置によって規定されるように、
前記指示部の対応する動きで前記刃を動かすことにより、前記開口に対する前記刃の前記切断前位置を調整するよう構成され
、前記開口の有効開口面積の指示を与えるように構成されたインジケータを含む、指示部と、
を備える、トリミングはさみ。
【請求項9】
前記指示部の回転によって前記刃の対応する直線運動を引き起こし、前記刃の前記切断前位置を調整する、請求項8に記載のトリミングはさみ。
【請求項10】
前記指示部は、少なくとも4つの異なる所定の切断前位置の間で前記刃を調整するように構成されている、請求項8に記載のトリミングはさみ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、一般に、動物用のグルーミングツールを対象とし、より具体的には、1つ以上のかぎ爪を有する動物用の爪切りに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 1つ以上のかぎ爪を有する家畜は、かぎ爪を快適な長さに維持することが難しい場合がある。このため、家畜の所有者は、動物が自然にかぎ爪を維持するために使用できる道具(device)を動物に与えることがある。例えば猫科の動物では、所有者が爪とぎ棒を与え、動物はこの爪とぎ棒を用いてかぎ爪の長さを快適な長さまで自然にすり減らすことができる。
【0003】
[0003] 他の例では、所有者が家畜のかぎ爪の長さを維持することに積極的にかかわる場合がある。例えば、所有者はトリミングはさみを用いてかぎ爪を切ることができる。所有者は、トリミングはさみを用いてかぎ爪を切っている間、適切な処置を行わない場合、誤って動物を傷つけてしまう恐れがある。例えば、かぎ爪を短く切り過ぎると、家畜に肉体的な痛みを与え、結果として出血する可能性がある(深爪とも呼ばれる)。
【0004】
[0004] このため、一部のはさみは、所有者が家畜の深爪を引き起こさないように、安全な切断長を検出及び指示することができる。しかしながら、家畜はかぎ爪のトリミングプロセス中に逃げようともがく場合があるので、所有者はやはり誤ってかぎ爪を短く切り過ぎることがある。このため、いくつかのはさみは、かぎ爪を短く切り過ぎるのを防止する物理的な止め具を含み得る。しかしながら、家畜のかぎ爪の多様性及び/又はかぎ爪を切る頻度を考慮すると、物理的な止め具は全ての家畜にとって等しく効果的ではない可能性がある(例えば、ユーザは依然として誤って家畜の深爪を引き起こす恐れがある)。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 動物の1つ以上のかぎ爪を切るためのトリミングはさみの一例は、第1のハンドルを規定する本体と、第2のハンドルと、ガイドと、刃と、指示部(indexer)と、を含み得る。第2のハンドルは本体に対して枢動可能に結合することができ、第2のハンドルはハンドル面内で第1のハンドルに対して枢動する。ガイドは本体から延出し、動物の1つ以上のかぎ爪の各々を受容するための開口を規定することができる。刃は、刃面内に延出し、第1のハンドルに対する第2のハンドルの枢動運動に応じて切断前位置と切断位置との間で刃経路に沿って刃面内で付勢される(urge)ように構成され得る。刃面は、ハンドル面に対して横方向に延出する。指示部は、開口内の各かぎ爪の最大挿入距離が少なくとも部分的に刃の切断前位置によって規定されるように、開口に対する刃の切断前位置を調整するよう構成され得る。
【0006】
[0006] 動物の1つ以上のかぎ爪を切るためのトリミングはさみの別の例は、第1のハンドルを規定する本体と、第2のハンドルと、ガイドと、刃と、指示部と、を含み得る。第2のハンドルは本体に対して枢動可能に結合することができ、第2のハンドルはハンドル面内で第1のハンドルに対して枢動する。ガイドは本体から延出し、動物の1つ以上のかぎ爪の各々を受容するための円形形状を有する開口を規定することができる。刃は、刃面内に延出し、弓形形状を有する刃先を規定し、第1のハンドルに対する第2のハンドルの枢動運動に応じて切断前位置と切断位置との間で刃経路に沿って刃面内で付勢されるように構成され得る。刃面は、ハンドル面に対して垂直に延出する。指示部は、開口内の各かぎ爪の最大挿入距離が少なくとも部分的に刃の切断前位置によって規定されるように、開口に対する刃の切断前位置を調整するよう構成され得る。指示部は、開口の有効開口面積の指示を与えるように構成されたインジケータを含む。
【0007】
[0007] 動物の1つ以上のかぎ爪を切るためのトリミングはさみの別の例は、第1の本体と、第2の本体と、ガイドと、を含み得る。第1の本体は、第1のハンドル部及び第1の切断部を有し得る。第2の本体は、第2のハンドル部及び第2の切断部を有し得る。第1及び第2の切断部の間に切断領域を規定することができる。第1のハンドル部、第1の切断部、第2のハンドル部及び第2の切断部が共通面内で枢動するように、第2の本体は第1の本体に枢動可能に結合することができる。ガイドは、第1の本体に対して摺動可能に結合することができ、共通面に対して実質的に平行に延出する摺動軸に沿って直線状に摺動するよう構成され得る。ガイドは、共通面に対して実質的に平行である受容面と、受容面の反対側であり、共通面に対して実質的に平行である刃対向面と、複数の開口と、を含み得る。複数の開口は、受容面から刃対向面まで貫通し得る。複数の開口は、1つ以上のかぎ爪の各々を受容するように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
[0008] これら及び他の特徴及び利点は、添付図面と関連付けて以下の詳細な説明を読むことで、より良く理解されよう。
【0009】
【
図1A】[0009] 本開示の実施形態に従った、切断前位置にある家畜のかぎ爪を切るためのトリミングはさみの一例の概略側面図を示す。
【
図1B】[0010] 本開示の実施形態に従った、
図1Aのトリミングはさみの概略上面図を示す。
【
図2A】[0011] 本開示の実施形態に従った、別の切断前位置にある
図1Aのトリミングはさみの概略側面図を示す。
【
図2B】[0012] 本開示の実施形態に従った、
図2Aのトリミングはさみの概略上面図を示す。
【
図3A】[0013] 本開示の実施形態に従った、切断位置にある
図1Aのトリミングはさみの概略側面図を示す。
【
図3B】[0014] 本開示の実施形態に従った、
図3Aのトリミングはさみの概略上面図を示す。
【
図4A】[0015] 本開示の実施形態に従った、第1の切断前位置にある
図1Aのトリミングはさみの切断刃の一例を示す。
【
図4B】[0016] 本開示の実施形態に従った、第2の切断前位置にある
図1Aのトリミングはさみの切断刃の一例を示す。
【
図4C】[0017] 本開示の実施形態に従った、第3の切断前位置にある
図1Aのトリミングはさみの切断刃の一例を示す。
【
図4D】[0018] 本開示の実施形態に従った、第4の切断前位置にある
図1Aのトリミングはさみの切断刃の一例を示す。
【
図5】[0019] 本開示の実施形態に従った、ガイドが収納位置にある家畜のかぎ爪を切るためのトリミングはさみの一例の概略上面図を示す。
【
図6】[0020] 本開示の実施形態に従った、ガイドが使用位置にある
図5のトリミングはさみの別の概略上面図を示す。
【
図7】[0021] 本開示の実施形態に従った、ガイドが少なくとも1つの非円形開口を含む
図5のトリミングはさみの一例の概略上面図を示す。
【
図8】[0022] 本開示の実施形態に従った、切断位置にある例示的なトリミングはさみの上面図を示す。
【
図9】[0023] 本開示の実施形態に従った、切断前位置にある
図8のトリミングはさみの上面図を示す。
【
図10】[0024] 本開示の実施形態に従った、切断前位置にある
図8のトリミングはさみの下面図を示す。
【
図11】[0025] 本開示の実施形態に従った、切断前位置にある
図8のトリミングはさみの分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0026] 本開示は、一般に、家畜のかぎ爪を切る(又はトリミングする)ためのトリミングはさみを対象とする。トリミングはさみは、第1のハンドルと、第2のハンドルと、少なくとも1つの刃と、を含む。第2のハンドルに対する第1のハンドルの枢動運動によって、切断前位置と切断位置との間で刃が付勢される。切断前位置から切断位置への移行が、刃経路に位置決めされたかぎ爪を切るように構成されている。トリミングはさみは更に、各かぎ爪を受容し、かぎ爪を刃経路内に位置決めするよう誘導するためのガイドを含み得る。一例において、ガイドは単一の開口を含むことができ、この開口の有効開口面積は各かぎ爪を収容するように調整可能である。別の例において、ガイドは複数の開口を含むことができ、各開口は各かぎ爪サイズを受容するための大きさに設定される。このため、ガイドは一般に、かぎ爪を切る場合に誤って深爪を引き起こすリスクを低減するものとして記載され得る。
【0011】
[0027]
図1から
図3は、トリミングはさみ100の概略的な例を示す。トリミングはさみ100は、第1のハンドル104を規定する本体102と、本体102に枢動可能に結合された第2のハンドル106と、刃108と、本体102から延出しているガイド110と、を含む。ガイド110は、動物のかぎ爪の少なくとも一部を受容するための開口114を規定する。第1のハンドル104に対する第2のハンドル106の枢動運動によって、切断前位置(例えば
図1及び
図2に示されている)と切断位置(例えば
図3に示されている)との間で刃経路112に沿って刃108が付勢される。刃経路112は刃面113内に延出して、刃108が刃面113内で直線状に、かつガイド110の上面111に対して平行に移動するようになっている。刃面113は、ハンドル面115に対して横方向に(例えば垂直に)延出している。ハンドル面115は第1及び第2のハンドル104及び106を通って延出し、第1及び/又は第2のハンドル104及び106の枢動運動がハンドル面115内で生じるようになっている。
【0012】
[0028] 切断前位置にある場合、刃108はガイド110に沿って位置決めされて、開口114内に受容されたかぎ爪が刃108と切断接触しないようになっている(例えば、刃108はかぎ爪と接触し得るが、かぎ爪内まで入り込まない)。いくつかの例では、刃108が切断前位置にある場合、刃108は部分的に開口114を覆うことがある(例えば
図2に示されている)。このため、刃108が切断前位置にある場合、開口114内のかぎ爪の最大挿入距離は、少なくとも部分的に刃108の切断前位置によって規定され得る。言い換えると、開口114の有効開口面積(例えば、かぎ爪を受容することができる開口114の開口面積)は、開口114に対する刃108の切断前位置の調整によって調整され得る。
【0013】
[0029] トリミングはさみ100は、開口114に対する刃108の切断前位置を調整するよう構成された指示部116を含み得る。例えば指示部116は、刃108が切断前位置にある場合に開口114を部分的に覆うように、刃108の切断前位置を調整するよう構成することができる。このため、指示部116は一般に、開口114内のかぎ爪の最大挿入距離を調整するものとして記載できる。言い換えると、開口114内のかぎ爪の最大挿入距離は、少なくとも部分的に刃108の切断前位置によって規定される。場合によっては、指示部116は、各切断前位置について最大挿入距離の指示を与えるように構成されたインジケータ117を含み得る。例えばインジケータ117は、刃108の各切断前位置について開口114の有効開口面積の指示を与えるように構成され得る。言い換えると、インジケータ117は、(例えば数値目盛を用いて)各切断前位置における刃108と開口114との間の重複量の指示を与えることができる。場合によっては、指示部116は、2つ以上の所定の切断前位置の間で刃108を調整するように構成され得る。例えば指示部116は、少なくとも4つの所定の切断前位置の間で刃108を調整するように構成することができる(例えば、ガイド110に沿った4つの異なる所定の切断前位置の間で刃108を調整する例を示す
図4Aから
図4Dを参照のこと)。あるいは、指示部116は、刃108の切断前位置が無限に調整可能なものとして概ね記載できるように構成され得る。
【0014】
[0030] 場合によっては、指示部116はユーザによって回転させるよう構成することができる。指示部116の回転によって、刃108を刃経路112に沿ってガイド110に対して移動させて、切断前位置の調整を可能とする。言い換えると、指示部116の回転によって刃108の対応する直線運動が生じ、刃108の切断前位置を調整することができる。例えば、指示部116は、刃108に結合されているか又は刃108によって規定されている対応するラックと係合するよう構成された歯車を含むので、指示部116の回転によって刃108の対応する直線運動を引き起こすことができる。別の例として、指示部116は、刃108の一部と(直接に又は間接的に)係合するよう構成されたカムを含むので、指示部116の回転によって刃108の対応する直線運動を引き起こすことができる。追加的に又は代替的に、切断前位置は、第1のハンドル104に対する第2のハンドル106の枢動運動によって調整され得る。例えば、枢動運動後に刃108が所望の切断前位置にある場合、指示部116を作動させて、切断前位置を刃108の現在の位置に調整することができる。この例では、指示部116を押し下げて刃のロックを作動させるように構成することができる。刃のロックの作動によって、切断前位置を刃108の現在の位置に調整する。
【0015】
[0031] 図示のように、刃108は、弓形形状(例えば半円形又は半楕円形の形状)を有する刃先118を規定する。弓形形状は、かぎ爪の形状に概ね対応し得る。このため、刃108の切断前位置が調整された場合、開口114の露出エリアは概ね弓形形状(例えば円形又は楕円形の形状)を有する。これにより、刃先118が直線状の形状を有する構成に比べて、各かぎ爪の最大挿入距離の調整を改善することが可能となる。
【0016】
[0032] 図示のように、開口114は円形形状を有し得る。円形形状は、(例えば開口114が楕円形形状を有する例と比べると)刃108の切断前位置が調整可能である場合に開口114内に受容できるかぎ爪サイズの大きなばらつきを許容できる。しかしながら、開口114は、例えば楕円形形状を含む任意の形状を有し得る。
【0017】
[0033]
図5及び
図6は、トリミングはさみ500の概略的な例を示す。トリミングはさみ500は、第1の本体502及び第2の本体504を含む。第1の本体502は、第1のハンドル部506及び第1の切断部508を含む。第2の本体504は、第2のハンドル部510及び第2の切断部512を含む。第1の本体502は第2の本体504に枢動可能に結合されて、第1及び第2のハンドル部506及び510が相互に対して枢動した場合に第1及び第2の切断部508及び512が相互に枢動するようになっている。図示のように、ハンドル部506及び510並びに切断部508及び512は共通面511内で枢動する。第1及び第2の切断部508及び512はそれぞれ、対応する刃先514及び516を規定する。刃先514及び/又は516のうち1つ以上は弓形形状を有し得る。第1及び第2の刃先514及び516は、それらの間に切断領域518を規定する。言い換えると、切断領域518は概ね、第1及び第2の切断部508及び512の間に規定されるものとして記載できる。切断領域518は、かぎ爪を受容し、刃先514及び516が切断前位置から切断位置へ移行した場合に切断領域内に位置決めされたかぎ爪を切るよう構成されている。
【0018】
[0034] トリミングはさみ500はガイド520を含む。ガイド520は、受容(又は上)面529と、受容面529の反対側の刃対向(又は下)面と、受容面529から刃対向面まで貫通している複数の開口522と、を有する。刃対向面と受容面529は、共通面511に対して実質的に平行である(例えば、平行の5度、4度、3度、2度、又は1度以内である)。
【0019】
[0035] 開口522は、動物のかぎ爪を受容するよう構成されている。例えば、ガイド520は少なくとも4つの開口522を含み得る。ガイド520は、収納位置(例えば
図5に示されている)と使用位置(例えば
図6に示されている)との間で移行するように構成され得る。使用位置にある場合、ガイド520の少なくとも一部は切断領域518の上に延出して、少なくとも1つの開口522を切断領域518と位置合わせ(例えば中央で位置合わせ)できるように構成されている。開口522の各々は異なるサイズを有し、各サイズは、挿入されるかぎ爪の最大挿入距離を限定するように構成されている。このため、開口522のサイズは、様々な動物及び/又は異なるサイズの動物のかぎ爪サイズに基づくことができる。例えば図示のように、ガイド520は、最大から最小までのサイズに従って配置された4つの開口522を含み得る。いくつかの例では、図示のように、開口522の各々は円形形状を有し得る。他の例では、開口522の少なくとも1つは非円形形状を有し得る。例えば
図7で示されているように、少なくとも1つの開口522は楕円形形状を有し得る。開口522は、開口522の各々の少なくとも一部の中央断面が円錐台形であるように、開口522の外周に延出しているテーパ領域を含み得る。このような構成によって、かぎ爪をいっそう容易に挿入することが可能となり得る。
【0020】
[0036] ガイド520は、第1又は第2の本体502又は504のうち1つに対して摺動可能に結合されて、切断領域518に対するガイド520の位置を調整できるようになっている。例えば、トリミングされる動物のかぎ爪に対応したサイズを有する開口522を切断領域518と位置合わせするように、ガイド520を第1又は第2の本体502又は504に沿って摺動させることができる。図示のように、ガイド520は摺動軸524に対して平行に摺動するよう構成されている。摺動軸524は、共通面511に対して実質的に平行に延出し得る。例えばガイド520は、摺動軸524に沿って、かつ、第1又は第2の本体502又は504の各々の上面521又は523に沿って(例えばそれらに対して実質的に平行に)摺動するよう構成され得る。第1及び第2の本体502及び504の上面521及び523は、概して、開口522内にかぎ爪を挿入する場合に動物と対向する第1及び第2の本体502及び504の表面として説明され得る。摺動軸524は、第1及び第2のハンドル部506及び510の間に延出し、第1及び第2の本体502及び504の枢動点525を通り、更に第1及び第2の切断部508及び512の間に延出している。
【0021】
[0037] ガイド520は、摺動軸524に沿って直線状に摺動するよう構成されている。例えば、第1の本体502は、ガイド520を摺動可能に受容するよう構成された複数のレール526を含み得る。言い換えると、ガイド520は、レール526を用いて第1の本体502に対して摺動可能に結合されている。ガイド520は、レール526と締まりばめを形成し、レール526内でガイド520を移動させるには所定量の力を加える必要があるように構成され得る。追加的に又は代替的に、トリミングはさみ500は、第1の本体502又は第2の本体504に結合され、ガイド520の一部と解放可能に結合するよう構成された指示部528を含み得る。指示部528は、ガイド520を所定の位置に保持するよう構成されている。例えば指示部528は、ガイド520を所望の位置に保持するようガイド520にクランプ力を加えるように構成されたカムを含み得る。別の例として、指示部528は、ガイド520を所望の位置に保持するようガイド520の対応するくぼみと係合するよう構成された1つ以上の歯を含み得る。いくつかの例では、指示部528は、ガイド520に結合されているか又はガイド520によって規定されている対応するラックと係合するよう構成された歯車を含むので、この歯車の回転運動によってガイド520の対応する直線運動を引き起こすことができる。
【0022】
[0038] いくつかの例では、ガイド520はレール526から着脱可能とすることができる。レール526からガイド520を取り外すと、ガイド520を逆の向きでレール526内に挿入することが可能となる。例えば、サイズの順に配置された4つの開口522を有するガイド520では、第1の向きで小さい方の2つの開口522を切断領域518と位置合わせすることができ、向きを逆にして第2の向きにした場合、大きい方の2つの開口522を切断領域518と位置合わせすることができる。このような構成によって、ガイド520の長手方向の最大長を短縮することが可能となる。
【0023】
[0039]
図8は、切断位置にある例示的なトリミングはさみ800の上面図を示し、
図9は、切断前位置にあるトリミングはさみ800の上面図を示し、
図10は、切断前位置にあるトリミングはさみ800の下面図を示す。トリミングはさみ800は、第1の本体802及び第2の本体804を含む。第1の本体802は、第1のハンドル部806及び第1の切断部808を含む。第2の本体804は、第2のハンドル部810及び第2の切断部812を含む。第1の本体802は第2の本体804に枢動可能に結合されて、第1のハンドル部806が第2のハンドル部810に対して枢動した場合に第1の切断部808が第2の切断部812に対して枢動するようになっている。言い換えると、第1及び第2の本体802及び804は、枢動運動に応じて切断位置と切断前位置との間で移行する。第1及び第2の本体802及び804の間に、第1及び第2の本体802及び804を切断前位置へ付勢するようにバイアス機構813(例えばばね)を配置することができる。
【0024】
[0040] 図示のように、第1のハンドル部806、第1の切断部808、第2のハンドル部810及び第2の切断部812は、共通面811内で枢動する。第1及び第2の切断部808及び812の各々は、対応する刃先814及び816を規定する。刃先814及び816は弓形形状を有し得る。第1及び第2の刃先814及び816の間に、切断領域818が規定されている。言い換えると、切断領域818は概ね、第1及び第2の切断部808及び812の間に規定されるものとして記載できる。切断領域818は、かぎ爪を受容するように構成されている。切断領域818内にかぎ爪が受容された場合、刃先814及び816は、第1及び第2のハンドル部806及び810の枢動運動に応じてかぎ爪を切るよう構成されている。言い換えると、切断領域818内に位置決めされたかぎ爪は、トリミングはさみ800が切断前位置から切断位置へ移行することに応じて切断される。
【0025】
[0041] トリミングはさみ800は、第1の本体802又は第2の本体804に対して摺動可能に結合されたガイド820を含む。ガイド820は、受容(又は上)面821と、受容面821の反対側の刃対向(又は下)面823と、受容面821から刃対向面823まで貫通している複数の開口822と、を有する。刃対向面823及び受容面821は、共通面811に対して実質的に平行である(例えば、平行の5度、4度、3度、2度、又は1度以内である)。
【0026】
[0042] 開口822は、動物のかぎ爪を受容するように構成されている。例えば、ガイド820は少なくとも4つの開口822を含むことができ、各開口822は異なる開口サイズ(例えば直径)を有する。いくつかの例では、開口822は開口サイズに従って(例えば最小のものから最大のものへ)配置することができる。各開口サイズは、受容されるかぎ爪の最大挿入距離に対応し得る。例えば、開口822の各々の直径は0.5ミリメートル(mm)から6.5mmの範囲内であり得る。別の例として、第1の開口822は2mmの直径を有し、第2の開口822は2.5mmの直径を有し、第3の開口822は3mmの直径を有し、第4の開口822は3.5mmの直径を有し得る。更に別の例として、第1の開口822は4mmの直径を有し、第2の開口822は4.5mmの直径を有し、第3の開口822は5mmの直径を有し、第4の開口822は5.5mmの直径を有し得る。更に別の例として、第1の開口822は1.5mmの直径を有し、第2の開口822は2mmの直径を有し、第3の開口822は2.5mmの直径を有し、第4の開口822は3mmの直径を有し得る。
【0027】
[0043] いくつかの例では、隣接する開口822の直径の差は少なくとも0.5mmとすることができる。例えば、第1の開口822は1.5mmの直径を有し、隣接する第2の開口822は2mmの直径を有し得る。ガイド820は4つの開口822を有するものとして図示されているが、ガイド820は任意の数の開口822を有し得る。例えばガイド820は、少なくとも2つの開口822、少なくとも3つの開口822、又は他の任意の数の開口822を有し得る。
【0028】
[0044] ガイド820は、各開口822を切断領域818と位置合わせ(例えば中央で位置合わせ)できるように、切断領域818に対して摺動可能に構成されている。例えばガイド820は、共通面811に対して実質的に平行に延出する摺動軸825に沿って直線状に摺動するよう構成され得る。
【0029】
[0045] いくつかの例では、ガイド820は、第1の本体802の第1のハンドル部806に対して摺動可能に結合することができる。例えばガイド820は、第1のハンドル部806内に摺動可能に受容され得る。図示のように、第1のハンドル部806に沿って延出するスロット826からアクチュエータ824が延出している。スロット826に対してアクチュエータ824を移動させると、切断領域818に対するガイド820の対応する移動が生じる。
【0030】
[0046]
図11は、切断前位置にあるトリミングはさみ800の分解図を示す。図示のように、スロット826は、第1のハンドル部806に規定されたトラック1102の上に延出するプレート1100に規定されている。言い換えると、第1のハンドル部806に結合された場合、プレート1100は少なくとも部分的にトラック1102を取り囲んで、スロット826からアクチュエータ824が延出するようになっている。トラック1102は、ガイド820を摺動可能に受容するように構成され、スロット826内でのアクチュエータ824の移動に応じてトラック1102内でガイド820が摺動するようになっている。第1の本体802に指示部1104を結合することができる。例えば指示部1104は、指示部1104の少なくとも一部がトラック1102内に延出するように、第1のハンドル部806に結合できる。指示部1104は、切断領域818に対してガイド820を1つ以上の所定の位置に保持するよう構成されている。1つ以上の所定の位置のうち少なくとも1つは、開口822の各々を切断領域818と位置合わせする位置に対応する。
【0031】
[0047] 図示のように、指示部1104は、ガイド820に規定された複数のくぼみ1106の各々と係合するように構成されている。指示部1104は、保持位置と調整位置との間で移動するよう構成されたばねアーム1108を含む。このため、いくつかの例では、指示部1104は、ばね(例えば、ねじりばね)とすることができる。保持位置にある場合、ばねアーム1108の少なくとも一部は、ガイド820内に規定された各くぼみ1106内に受容される。アクチュエータ824がガイド820をトラック1102内で摺動するよう付勢したことに応じて、ばねアーム1108は調整位置へ付勢される。調整位置にある場合、ばねアーム1108は各くぼみ1106との係合が解除され、各くぼみ1106から延出している(例えば隣接するくぼみ1106間に延出している)ガイド820の移行面1110と摺動可能に係合する。
【0032】
[0048] ばねアーム1108は、くぼみ1106内に受容されるよう構成された係合領域1112を含むことができる。係合領域は、概ねくぼみ1106の形状に対応する形状を有し得る。係合領域1112及びくぼみ1106の形状は、トラック1102に概ね沿って延出する軸に沿った所定の力がアクチュエータ824に加えられることに応じてばねアーム1108を保持位置から調整位置へ移行させるように協働するよう構成することができる。例えば係合領域1112及びくぼみ1106は、三角形形状、弓形形状、及び/又は、トラック1102に概ね沿って延出する軸に沿った所定の力がアクチュエータ824に加えられることに応じてばねアーム1108を保持位置から調整位置へ移行させるように構成された他の任意の形状を有し得る。
【0033】
[0049] 図示のように、ガイド820は少なくとも4つのくぼみ1106及び少なくとも4つの開口822を含む。各くぼみ1106は各開口822に対応し、係合領域1112が対応するくぼみ1106内に受容された場合に各開口822が切断領域818と位置合わせされるようになっている。ガイド820は4つのくぼみ1106を有するものとして図示されているが、ガイド820は任意の数のくぼみ1106を有し得る。例えばガイド820は、少なくとも2つのくぼみ1106、少なくとも3つのくぼみ1106、又は任意の数のくぼみ1106を有し得る。
【0034】
[0050] 本開示の特定の実施形態を図示し記載したが、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び変形を実施可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本開示の範囲内である全てのそのような変更及び変形を添付の特許請求の範囲に包含することが意図される。