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特許7525653タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック
<図1>
  • 特許-タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック 図1
  • 特許-タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック 図2
  • 特許-タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック 図3
  • 特許-タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック 図4
  • 特許-タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6553 20140101AFI20240723BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240723BHJP
   H01M 10/654 20140101ALI20240723BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20240723BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALI20240723BHJP
   H01M 10/6567 20140101ALI20240723BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/557 20210101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M10/6553
H01M10/613
H01M10/654
H01M10/6554
H01M10/6556
H01M10/6567
H01M50/178
H01M50/533
H01M50/557
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022571776
(86)(22)【出願日】2021-05-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2021093194
(87)【国際公開番号】W WO2022001382
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】202010617233.1
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼文▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼彦初
(72)【発明者】
【氏名】周▲貴▼▲樹▼
(72)【発明者】
【氏名】李瀚文
(72)【発明者】
【氏名】唐俊
【審査官】佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第102237547(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105846011(CN,A)
【文献】特開2001-035548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6553
H01M 10/613
H01M 10/654
H01M 10/6554
H01M 10/6556
H01M 10/6567
H01M 50/178
H01M 50/533
H01M 50/557
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタブシートと、
前記第1のタブシートの厚さ方向の一方側に設置された第2のタブシートであって、前記第2のタブシートと前記第1のタブシートとの間に少なくとも1つの冷却キャビティが画定され、前記冷却キャビティ内に冷却媒体が充填される、第2のタブシートと、
前記第1のタブシートと前記第2のタブシートとの間に設置された第3のタブシートであって、前記第3のタブシートに少なくとも1つの冷却通路が形成され、前記冷却通路と前記第1のタブシート及び/又は前記第2のタブシートとの間に前記冷却キャビティが画定される、第3のタブシートを含むことを特徴とする、タブ。
【請求項2】
前記冷却通路は、前記第3のタブシートの厚さ方向に沿って前記第3のタブシートを貫通し、前記第1のタブシート及び前記第2のタブシートと共に前記冷却キャビティを画定することを特徴とする、請求項に記載のタブ。
【請求項3】
前記第3のタブシートの厚さ方向の一方側の表面は、前記第1のタブシートの前記第3のタブシートに向かう側の表面に接触し、及び/又は、
第3のタブシートの厚さ方向の他方側の表面は、第2のタブシートの第3のタブシートに向かう側の表面に接触することを特徴とする、請求項又はに記載のタブ。
【請求項4】
前記冷却通路は、
一端が前記第3のタブシートの側面を貫通する第1の冷却通路と、
前記第1の冷却通路の長手方向に沿って間隔を隔てて設置され、それぞれの一端が前記第1の冷却通路に連通し、それぞれの他端が前記第1の冷却通路の幅方向に沿って前記第1の冷却通路から離れる方向に向かって延びる複数の第2の冷却通路と、を含むことを特徴とする、請求項のいずれか一項に記載のタブ。
【請求項5】
前記第1の冷却通路は、互いに接続された第1の通路部分及び第2の通路部分を含み、前記第1の通路部分の幅は、前記第2の通路部分の幅より大きく、前記第2の通路部分の前記第1の通路部分から離れた一端は、前記第3のタブシートの側面を貫通し、複数の前記第2の冷却通路の前記一端は、前記第1の通路部分に連通することを特徴とする、請求項に記載のタブ。
【請求項6】
複数の前記第2の冷却通路は、互いに平行であり、いずれも前記第1の冷却通路に垂直であり、前記第1の冷却通路の同じ側に位置することを特徴とする、請求項又はに記載のタブ。
【請求項7】
セル本体と、
前記セル本体に設置された請求項1~のいずれか一項に記載のタブであって、前記タブの前記冷却キャビティの一部が前記セル本体内に位置し、前記タブの前記冷却キャビティの他の一部が前記セル本体外に位置する、タブと、を含むことを特徴とする、セル。
【請求項8】
請求項に記載のセルを含むことを特徴とする、電池モジュール。
【請求項9】
請求項に記載のセルを含むことを特徴とする、電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年6月30日に提出した、出願名称が「タブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パック」である中国特許出願第「202010617233.1」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、電池の技術分野に関し、特にタブ及びそれを有するセル、電池モジュール並びに電池パックに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術では、動力電池パックの動作電流が大きく、発熱量が大きいとともに、動力電池パックが比較的封止された環境にあるため、タブの温度が高いことをもたらす。しかしながら、タブの温度が長期的に高い場合、セルの性能に影響を与え、セルの耐用年数を短縮する。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。このために、本開示の1つの目的は、タブとセルの温度を効果的に低下させることにより、セルの性能がより優れることとなり、セルの耐用年数を延長できるタブを提供することである。
【0005】
本開示の他の目的は、上記タブを有するセルを提供することである。
【0006】
本開示のさらなる目的は、上記セルを有する電池モジュールを提供することである。
【0007】
本開示の別の目的は、上記セルを有する電池パックを提供することである。
【0008】
本開示の第1の態様の実施例に係るタブは、第1のタブシートと、前記第1のタブシートの厚さ方向の一方側に設置された第2のタブシートであって、前記第2のタブシートと前記第1のタブシートとの間に少なくとも1つの冷却キャビティが画定され、前記冷却キャビティ内に冷却媒体が充填される、第2のタブシートと、を含む。
【0009】
本開示の実施例に係るタブによれば、第1のタブシート及び第2のタブシートを設置し、第2のタブシートと第1のタブシートとの間に少なくとも1つの冷却キャビティを画定し、冷却キャビティ内に冷却媒体を充填することにより、高い放熱効果を有し、タブとセルの温度を効果的に低下させることにより、セルの性能がより優れることとなり、セルの耐用年数を延長することができる。
【0010】
本開示のいくつかの実施例では、前記タブは、前記第1のタブシートと前記第2のタブシートとの間に設置された第3のタブシートであって、前記第3のタブシートに少なくとも1つの冷却通路が形成され、前記冷却通路と前記第1のタブシート及び/又は前記第2のタブシートとの間に前記冷却キャビティが画定される、第3のタブシートをさらに含む。
【0011】
本開示のいくつかの実施例では、前記冷却通路は、前記第3のタブシートの厚さ方向に沿って前記第3のタブシートを貫通し、前記第1のタブシート及び前記第2のタブシートと共に前記冷却キャビティを画定する。
【0012】
本開示のいくつかの実施例では、前記第3のタブシートの厚さ方向の一方側の表面は、前記第1のタブシートの前記第3のタブシートに向かう側の表面に接触し、及び/又は、第3のタブシートの厚さ方向の他方側の表面は、第2のタブシートの第3のタブシートに向かう側の表面に接触する。
【0013】
本開示のいくつかの実施例では、前記冷却通路は、一端が前記第3のタブシートの側面を貫通する第1の冷却通路と、前記第1の冷却通路の長手方向に沿って間隔を隔てて設置され、それぞれの一端が前記第1の冷却通路に連通し、それぞれの他端が前記第1の冷却通路の幅方向に沿って前記第1の冷却通路から離れる方向に向かって延びる複数の第2の冷却通路と、を含む。
【0014】
本開示のいくつかの実施例では、前記第1の冷却通路は、互いに接続された第1の通路部分及び第2の通路部分を含み、前記第1の通路部分の幅は、前記第2の通路部分の幅より大きく、前記第2の通路部分の前記第1の通路部分から離れた一端は、前記第3のタブシートの側面を貫通し、複数の前記第2の冷却通路の前記一端は、前記第1の通路部分に連通する。
【0015】
本開示のいくつかの実施例では、複数の前記第2の冷却通路は、互いに平行であり、いずれも前記第1の冷却通路に垂直であり、前記第1の冷却通路の同じ側に位置する。
【0016】
本開示の第2の態様の実施例に係るセルは、セル本体と、前記セル本体に設置された本開示の上記第1の態様の実施例に係るタブであって、前記タブの前記冷却キャビティの一部が前記セル本体内に位置し、他の一部が前記セル本体外に位置する、タブと、を含む。
【0017】
本開示の第3の態様の実施例に係る電池モジュールは、本開示の上記第2の態様の実施例に係るセルを含む。
【0018】
本開示の第4の態様の実施例に係る電池パックは、本開示の上記第2の態様の実施例に係るセルを含む。
【0019】
本開示の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになって理解されやすくなる。
【0021】
図1】本開示の実施例に係るタブの斜視図である。
図2図1に示すタブの分解図である。
図3図1に示すタブの平面図である。
図4図3におけるA-A線に沿う断面図である。
図5図4に丸印で示すB部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、以下、本開示の実施例を詳細に説明する。
【0023】
以下、図1図5を参照して、本開示の第1の態様の実施例に係るタブ100を説明する。タブ100は、セル(図示せず)に適用することができる。本願の以下の説明では、タブ100がセルに適用されることを例として説明する。
【0024】
図1及び図2に示すように、本開示の第1の態様の実施例に係るタブ100は、第1のタブシート1及び第2のタブシート2を含む。第2のタブシート2は、第1のタブシート1の厚さ方向の一方側に設置され、第2のタブシート2と第1のタブシート1との間に少なくとも1つの冷却キャビティ11が画定され、冷却キャビティ11内に冷却媒体が充填される。
【0025】
これにより、セルが動作する場合、セルが発生した熱は、第1のタブシート1、第2のタブシート2のセル内に位置する部分により冷却キャビティ11に伝達されてもよく、冷却キャビティ11内の冷却媒体は、熱を吸収して、熱を第1のタブシート1、第2のタブシート2のセル外に位置する部分に伝達できることにより、セルが発生した熱をセル外に放出し、タブ100の温度を効果的に低下させ、高い放熱効果を実現することができ、セルがより高い充放電電流で優れた性能を有し、セルの耐用年数を延長することができる。
【0026】
本開示の実施例に係るタブ100によれば、第1のタブシート1及び第2のタブシート2を設置し、第2のタブシート2と第1のタブシート1との間に少なくとも1つの冷却キャビティ11を画定し、冷却キャビティ11内に冷却媒体を充填することにより、高い放熱効果を有し、タブ100及びセルの温度を効果的に低下させることにより、セルの性能がより優れることとなり、セルの耐用年数を延長することができる。
【0027】
一実施例では、図1を参照し、タブ100は、タブテープ5を含んでもよく、タブテープ5が第1のタブシート1と第2のタブシート2の互いに離れた表面に設置されることにより、タブ100とアルミニウムプラスチックフィルムとの封止を実現する。これにより、冷却キャビティ11内の冷却媒体は、タブ100の温度を低下させるとともに、タブテープ5の封止寿命を長くすることにより、セルがより高い充放電電流で封止構造の安定性を保証することができる。
【0028】
本開示のいくつかの実施例では、図2を参照し、タブ100は、第1のタブシート1と第2のタブシート2との間に設置された第3のタブシート3であって、第3のタブシート3に少なくとも1つの冷却通路4が形成され、冷却通路4と第1のタブシート1及び/又は第2のタブシート2との間に冷却キャビティ11が画定される、第3のタブシート3をさらに含む。
【0029】
例えば、冷却キャビティ11が1つである場合、冷却キャビティ11は、冷却通路4と第1のタブシート1により画定されてもよく、又は、冷却キャビティ11は、冷却通路4と第2のタブシート2により画定されてもよく、勿論、冷却キャビティ11は、冷却通路4と第1のタブシート1及び第2のタブシート2により画定されてもよい。冷却キャビティ11が複数ある場合、複数の冷却キャビティ11は、いずれも冷却通路4と第1のタブシート1により画定されてもよく、又は、複数の冷却キャビティ11は、いずれも冷却通路4と第2のタブシート2により画定されてもよく、又は、複数の冷却キャビティ11は、いずれも冷却通路4と第1のタブシート1及び第2のタブシート2により画定されてもよく、又は、複数の冷却キャビティ11のうちの一部は、冷却通路4と第1のタブシート1により画定され、複数の冷却キャビティ11のうちの他の一部は、冷却通路4と第2のタブシート2により画定され、勿論、複数の冷却キャビティ11のうちの一部は、冷却通路4と第1のタブシート1又は第2のタブシート2により画定されてもよく、複数の冷却キャビティ11のうちの他の一部は、冷却通路4と第1のタブシート1及び第2のタブシート2により画定されてもよい。
【0030】
これにより、上記第3のタブシート3を設置することにより、冷却キャビティ11を形成して、タブ100の温度を効果的に低下させ、セルの性能を向上させることができることを保証するとともに、第3のタブシート3に冷却通路4を加工して、第1のタブシート1及び第2のタブシート2の構造を簡単にし、第1のタブシート1及び第2のタブシート2の加工を容易にすることができる。
【0031】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、図2及び図5を参照し、冷却通路4は、第3のタブシート3の厚さ方向に沿って第3のタブシート3を貫通し、第1のタブシート1及び第2のタブシート2と共に冷却キャビティ11を画定する。これにより、第3のタブシート3の厚さが一般的に薄いため、このように設置すると、タブ100全体の効果的な放熱を実現するとともに、冷却通路4の加工を容易にし、加工効率を向上させ、作業時間を短縮することができる。
【0032】
勿論、本開示は、これに限定されず、冷却通路4は、第3のタブシート3の第1のタブシート1に向かう側の表面から第2のタブシート2に向かって窪んで形成されてもよく、及び/又は第3のタブシート3の第2のタブシート2に向かう側の表面から第1のタブシート1に向かって窪んで形成されてもよい。このように設置すると、同様にタブ100全体の効果的な放熱を実現し、冷却キャビティ11の封止を実現することに役立ち、冷却媒体の漏れを回避することができる。
【0033】
一実施例では、図5に示すように、第3のタブシート3の厚さ方向の一方側の表面は、第1のタブシート1の第3のタブシート3に向かう側の表面に接触し、及び/又は、第3のタブシート3の厚さ方向の他方側の表面は、第2のタブシート2の第3のタブシート3に向かう側の表面に接触する。すなわち、第3のタブシート3の厚さ方向の一方側の表面のみは、第1のタブシート1に接触してもよく、第3のタブシート3の厚さ方向の他方側の表面のみは、第2のタブシート2に接触してもよく、第3のタブシート3の厚さ方向の両側の表面は、それぞれ第1のタブシート1と第2のタブシート2に接触してもよい。これにより、上記のように設置すると、冷却通路4は、第1のタブシート1及び第2のタブシート2と共に冷却キャビティ11をよりよく画定することができるため、タブ100の放熱を実現するとともに、冷却媒体の漏れを回避する。また、第3のタブシート3を第1のタブシート1及び/又は第2のタブシート2に接触させることにより、熱の伝導に役立ち、第1のタブシート1及び第2のタブシート2上の熱を冷却媒体によりよく伝達することができ、これにより、熱をセル外に放出する。
【0034】
本開示のいくつかの具体的な実施例では、図2を参照し、冷却通路4は、第1の冷却通路41及び複数の第2の冷却通路42を含む。本開示の説明では、「複数」は、2つ又は2つ以上を意味する。
【0035】
一実施例では、第1の冷却通路41の一端は、第3のタブシート3の側面を貫通する。複数の第2の冷却通路42は、第1の冷却通路41の長手方向に沿って間隔を隔てて設置され、各第2の冷却通路42の一端(例えば、図2における左端)は、第1の冷却通路41に連通し、各第2の冷却通路42の他端(例えば、図2における右端)は、第1の冷却通路41の幅方向に沿って第1の冷却通路41から離れる方向に向かって延びる。
【0036】
例えば、図2の例は、7つの第2の冷却通路42を示す。冷却媒体が第3のタブシート3の側面から流入すると、まず第1の冷却通路41に流入し、次に第1の冷却通路41に沿って流れ、7つの第2の冷却通路42に流れることにより、冷却媒体で冷却キャビティ11を充填する。セルが動作する場合、セルの熱を冷却媒体に伝達し、冷却媒体により熱交換を行い、最終的に熱をセル外に放出することができる。
【0037】
例示説明のために、図2は、7つの第2の冷却通路42を示すが、当業者であれば、本願の技術手段を読んだ後、該解決手段を他の数の第2の冷却通路42の技術手段に応用することを理解することができ、これも本開示の保護範囲内に属する。
【0038】
これにより、上記第1の冷却通路41及び間隔を隔てて設置された複数の第2の冷却通路42を設置することにより、一体型の冷却通路4に比べて、冷却媒体が吸収した熱をよりよくセル外に放出できるため、タブ100及びセルの放熱をよりよく実現し、セルが高い充放電電流で安定した封止構造を有することを保証し、セルの性能がより優れることとなる。
【0039】
一実施例では、図2に示すように、第1の冷却通路41は、互いに接続された第1の通路部分411及び第2の通路部分412を含み、第1の通路部分411の幅は、第2の通路部分412の幅より大きく、第2の通路部分412の第1の通路部分411から離れた一端は、第3のタブシート3の側面を貫通し、複数の第2の冷却通路42の上記一端は、第1の通路部分411に連通する。
【0040】
例えば、図2を参照し、第1のタブシート1、第2のタブシート2及び第3のタブシート3の接続が完了した後、第2の通路部分412から冷却媒体を充填することができ、冷却媒体は、第2の通路部分412に沿って第1の通路部分411に流れ、次に第1の通路部分411から複数の第2の冷却通路42に流れることができる。冷却媒体の充填が完了した後、機械的圧力により第2の通路部分412を押圧して封止し、最後にレーザ溶接又は抵抗溶接などの方式により最終的な封止を実現することにより、冷却媒体が第2の通路部分412から流出することを防止することができる。これにより、上記第1の通路部分411及び第2の通路部分412を設置することにより、冷却媒体の充填を容易にし、第2の通路部分412の幅が第1の通路部分411の幅より小さいため、第2の通路部分412の封止を容易にし、第2の通路部分412の幅が大きすぎることによる冷却媒体の漏れを回避することができ、信頼性が高い。
【0041】
本開示のいくつかの好ましい実施例では、図2を参照し、複数の第2の冷却通路42は、互いに平行であり、いずれも第1の冷却通路41に垂直であり、第1の冷却通路41の同じ側に位置する。このように設置すると、第1の冷却通路41から流入した冷却媒体は、複数の第2の冷却通路42に均一に流れることができ、構造が簡単であり、加工しやすく、冷却キャビティ11全体の放熱効率を向上させることにより、セル内の熱を効果的に放出することができる。
【0042】
一実施例では、第1のタブシート1、第2のタブシート2及び第3のタブシート3を溶接接続してもよい。例えば、第3のタブシート3と第1のタブシート1との間及び第3のタブシート3と第2のタブシート2との間は、拡散溶接又はろう付けなどのプロセスにより複合溶接を実現することができる。このように、第3のタブシート3と第1のタブシート1との間及び第3のタブシート3と第2のタブシート2との間の強固な接続を実現することにより、冷却キャビティ11を画定し、タブ100の放熱を実現し、冷却媒体の漏れを回避することができる。また、このように設置すると、構造が簡単であり、コストが低い。
【0043】
一実施例では、冷却媒体は、アセトン、水又はエタノールなどであってもよい。これにより、アセトン、水又はエタノールが高い熱伝達係数を有するため、セルの熱を効果的に吸収して放出し、高い放熱効果を実現することができる。
【0044】
一実施例では、第1のタブシート1及び第2のタブシート2は、いずれも金属シートであってもよい。このように設置すると、タブ100全体が高い導電性能を有することにより、セル内の電気を引き出して、回路を形成することができ、また、金属シートが高い熱伝導性能を有し、第1のタブシート1、第2のタブシート2を金属シートとすることにより、セル内の熱をセル外に伝導することに役立ち、タブ100及びセル全体の放熱を実現する。
【0045】
一実施例では、第1のタブシート1及び第2のタブシート2は、いずれもアルミニウム部材又は銅部材であってもよい。一実施例では、例えば、タブ100が正極タブである場合、第1のタブシート1、第2のタブシート2及び第3のタブシート3は、いずれもアルミニウム部材であってもよく、タブ100が負極タブである場合、第1のタブシート1、第2のタブシート2及び第3のタブシート3は、いずれも銅部材であってもよい。これにより、タブ100が正極タブである場合、アルミニウム部材の導電性が高く、材質が柔らかく、コストが低いとともに、第1のタブシート1及び第2のタブシート2の表面に一層の酸化物保護膜を形成することができる。また、正極の電位が高く、緻密な酸化物保護膜により集電体の酸化を防止することができる。タブ100が負極タブである場合、銅部材の導電率が高く、かつ放熱が高い。
【0046】
本開示の第2の態様の実施例に係るセルは、セル本体及びタブ100を含む。一実施例では、タブ100は、セル本体に設置された本開示の上記第1の態様の実施例に係るタブ100であり、タブ100の冷却キャビティ11の一部は、セル本体内に位置し、他の一部は、セル本体外に位置する。セル本体は、タブ100以外のセルの構造を指し、例えば、正極板、負極板及びセパレータ板で組み立てられてもよい。
【0047】
本開示の実施例に係るセルにおいて、上記タブ100を採用することにより、冷却キャビティ11内の冷却媒体は、セル本体が動作する時に発生した熱を吸収してセル本体外に放出し、高い放熱効果を実現することができ、セルの性能が優れることとなり、より高い充放電電流で封止構造の安定性を保証することができる。
【0048】
本開示の第3の態様の実施例に係る電池モジュール(図示せず)は、本開示の上記第2の態様の実施例に係るセルを含む。
【0049】
例えば、電池モジュールは、接続シート及び複数のセルを含んでもよい。接続シートは、複数のセルの間の接続を実現することができる。各セル内に電極体が設置されてもよく、タブ100の一端は、例えば、溶接により、電極体に接続され、タブ100の他端は、例えば、溶接により、接続シートに接続される。電池モジュールに冷却構造が設置されてもよい。タブ100のセル本体外に位置する部分における、冷却キャビティ11に対応する部分は、冷却構造に接触してもよい。このように、タブ100に大電流が流れる場合、冷却媒体によりセル内部の熱を吸収し、セル外に伝導し、次に冷却構造により放出することにより、タブ100の温度上昇を効果的に回避し、電池モジュール全体の性能を向上させることができる。
【0050】
本開示の実施例に係る電池モジュールにおいて、上記セルを採用することにより、タブ100に大電流が流れる場合、温度が高すぎることを回避することができ、高い放熱効果を有することにより、電池モジュール全体の性能が優れることとなる。
【0051】
本開示の第4の態様の実施例に係る電池パック(図示せず)は、本開示の上記第2の態様の実施例に係るセルを含む。
【0052】
本開示の実施例に係る電池パックにおいて、上記セルを採用することにより、電池パックの温度を効果的に低下させ、電池パックの温度が高すぎることを回避することにより、電池パックが大きな充放電電流で封止構造の安定性を保証し、電池パックの性能が優れることとなることを保証することができる。
【0053】
本開示の実施例に係る電池パックの他の構成及び操作は、当業者にとって既知であるため、ここで詳細に説明しない。
【0054】
なお、本開示の説明では、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本開示を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0055】
本開示の説明では、「第1の特徴」、「第2の特徴」は、1つ以上の該特徴を含んでもよい。
【0056】
本明細書の説明では、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例示的な実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などの用語の説明を参照することは、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例に限定されるものではない。
【0057】
本開示の実施例を例示及び説明したが、当業者が理解できるように、本開示の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【符号の説明】
【0058】
100 タブ
1 第1のタブシート
11 冷却キャビティ
2 第2のタブシート
3 第3のタブシート
4 冷却通路
41 第1の冷却通路
411 第1の通路部分
412 第2の通路部分
42 第2の冷却通路
5 タブテープ
図1
図2
図3
図4
図5