IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レイン・ニューロモーフィックス・インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】リソグラフィックメモリスティブアレイ
(51)【国際特許分類】
   H10B 53/20 20230101AFI20240723BHJP
   G06N 3/063 20230101ALI20240723BHJP
【FI】
H10B53/20
G06N3/063
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022572505
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-19
(86)【国際出願番号】 US2021038502
(87)【国際公開番号】W WO2021262730
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】63/044,104
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/088,325
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520363395
【氏名又は名称】レイン・ニューロモーフィックス・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】RAIN NEUROMORPHICS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クマー・スハス
(72)【発明者】
【氏名】ケンダル・ジャック・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】コンクリン・アレクサンダー・アルメラ
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0161605(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0348465(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0301189(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0207109(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0129498(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0066340(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0311018(US,A1)
【文献】国際公開第2019/195660(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 53/20
G06N 3/063
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている複数の長軸を有する複数のラインセグメントを備え、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
【請求項2】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインは、第1方向に方向付けられている第1長軸を有し、前記第2複数の導電ラインは、第2方向に方向付けられている第2長軸を有し、前記第1方向は、前記第2方向と非ゼロの鋭角をな
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
【請求項3】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の各導電ラインは、非線形の部分を備え、少なくとも1つの不規則なネットワークを形成し、前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
【請求項4】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインは、第1結合性を有し、前記第2複数の導電ラインは、第2結合性を有し、前記メモリスティブデバイスは、前記第1結合性よりも低く前記第2結合性よりも低い第3結合性を有前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
【請求項5】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタと、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに対応する複数の導電層間コネクタと、を備え、
前記複数の導電層間コネクタは、前記第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、前記第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている、メモリスティブデバイス。
【請求項6】
請求項に記載のメモリスティブデバイスであって、さらに、
前記複数の導電層間コネクタの少なくとも一部に結合されている複数の入力ニューロンと、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合されている複数の出力ニューロンと、
を備える、メモリスティブデバイス。
【請求項7】
請求項に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインの前記第3部分および前記第2複数の導電ラインの前記第4部分の少なくとも一方は、複数のクラスタを含む、メモリスティブデバイス。
【請求項8】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方は、電気的に浮遊しており
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記導電部分は、側壁を有する導電ピラーであり、
前記メモリスティブ部分は、前記側壁の少なくとも一部を囲んでいる、メモリスティブデバイス。
【請求項10】
メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在し、前記第1複数の導電ラインの前記第1部分および前記第2複数の導電ラインの前記第2部分の少なくとも一方は各々、導電ブランチ構造によって前記複数のメモリスティブ層間コネクタに結合されている、メモリスティブデバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のメモリスティブデバイスであって、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々の前記メモリスティブ部分は、前記導電ブランチ構造に近接するメモリスティブ層を備える、メモリスティブデバイス。
【請求項12】
ニューラルネットワークであって、
第1複数の導電ラインを備えている第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備えている第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方は、電気的に浮遊しており、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタと、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに結合されている複数のニューロンと、
を備える、ニューラルネットワーク。
【請求項13】
方法であって、
第1層内に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、
第2層内に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第2層は、前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは、前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている複数の長軸を有する複数のラインセグメントを備え、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分と結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分と結合された複数のメモリスティブ層間コネクタを提供することを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、方法。
【請求項14】
方法であって、
第1層内に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定することは、さらに、前記第1複数の導電ラインのために第1方向に方向付けられている第1長軸を規定することを含み、
第2層内に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第2層は、前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは、前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定することは、さらに、第2方向に方向付けられている第2長軸を規定することを含み、
前記第1方向は、前記第2方向と非ゼロの鋭角をな
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分と結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分と結合された複数のメモリスティブ層間コネクタを提供することを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、方法。
【請求項15】
方法であって、
第1層内に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、
第2層内に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第2層は、前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは、前記第1複数の導電ラインから絶縁され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分と結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分と結合された複数のメモリスティブ層間コネクタを提供し、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに対応する複数の導電層間コネクタを提供することを備え、前記複数の導電層間コネクタは、前記第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、前記第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、さらに、
前記複数の導電層間コネクタの少なくとも一部に結合された複数の入力ニューロンを提供し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合された複数の出力ニューロンを提供すること、
を備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、前記第1複数の導電ラインの前記第3部分および前記第2複数の導電ラインの前記第4部分の少なくとも一方は、複数のクラスタを含む、方法。
【請求項18】
方法であって、
第1層内に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、
第2層内に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第2層は、前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは、前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方は、電気的に浮遊しており
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分と結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分と結合された複数のメモリスティブ層間コネクタを提供することを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、方法。
【請求項19】
請求項8に記載のメモリスティブデバイスであって、前記導電部分は、側壁を有する導電ピラーであり、
前記メモリスティブ部分は、前記側壁の少なくとも一部を囲んでいる、メモリスティブデバイス。
【請求項20】
請求項8に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインは、第1方向に方向付けられている第1長軸を有し、前記第2複数の導電ラインは、第2方向に方向付けられている第2長軸を有し、前記第1方向は、前記第2方向と非ゼロの鋭角をなす、メモリスティブデバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
他の出願への相互参照
本願は、2020年6月25日出願の「MEMRISTIVE ARRAY HAVING FLOATING ELECTRODES」と題する米国仮特許出願第63/044,104号および、2020年10月6日出願の「SPARSE NEURAL ARRAY」と題する米国仮特許出願第63/088,325号に基づく優先権を主張し、これらの出願は、すべての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
様々な計算用途で、行列乗算が利用されている。例えば、多層のベクトル行列乗算演算が、多層のクロスバーアレイによって実行されうる。かかる用途では、入力信号が、クロスバーアレイの入力に提供される入力ベクトルを形成する。入力信号は、静止画、動画フレーム、および/または、その他の情報のためのデータでありうる。入力信号は、重みの行列を乗じられる。重みの行列は、入力と出力との間の交差点において抵抗によって提供される。クロスバーアレイにおいて、各入力は、出力すべてに接続されている(すなわち、全結合されている)。出力信号は、入力信号へのベクトル行列乗算演算の結果であり、出力ベクトルを形成する。出力ベクトルは、次のクロスバーアレイへの入力ベクトルとして提供されうる。この一連の動作は、処理が完了するまで継続する。したがって、最後のクロスバーアレイの出力がシステムの出力である。クロスバーアレイによって実行されるかかるベクトル行列乗算は、ニューラルネットワークにおいても実行されうる。かかる場合、クロスバーへの入力は、入力ニューロンであり、クロスバーへの出力は、出力ニューロンでありうる。また、複数のクロスバーアレイが、ニューラルネットワーク用途で用いられうる。かかる場合、第1クロスバーアレイへの入力は入力ニューロンである。最後のクロスバーアレイの出力は、出力ニューロンへの出力である。
【0003】
メモリスタは、クロスバーアレイの入力および出力の間に抵抗(すなわち、重み)を提供できる。メモリスタは、デバイスを通った以前の電流またはデバイスにわたって駆動された電圧に依存しうる抵抗を有する。したがって、メモリスタは、クロスバーアレイにプログラム可能な重みを提供する。例えば、クロスバーアレイは、デバイスの2つの異なる層に、第1セットの並列金属ラインと、第2セットの並列金属ラインと、を備える。第1セット内の金属ラインは、第2セット内の金属ラインと名目上直交している。メモリスタは、ラインが交差している位置において、第1セットの並列ラインと第2セットの並列ラインとの間の接続を提供する。かかるアレイが利用されているが、演算(行列乗算など)を実行するための改良メカニズムが求められている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
以下の詳細な説明および添付の図面において、本発明の様々な実施形態を開示する。
【0005】
図1A】メモリスティブデバイスの実施形態の一部を示す図。
図1B】メモリスティブデバイスの実施形態の一部を示す図。
図1C】メモリスティブデバイスの実施形態の一部を示す図。
図1D】メモリスティブデバイスの実施形態の一部を示す図。
【0006】
図2】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0007】
図3】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0008】
図4】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0009】
図5】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0010】
図6】メモリスティブデバイスを提供するための方法の一実施形態を示すフローチャート。
【0011】
図7A】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7B】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7C】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7D】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7E】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7F】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
図7G】形成中のメモリスティブデバイスの一実施形態を示す図。
【0012】
図8】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0013】
図9A】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9B】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9C】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9D】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9E】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9F】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図9G】形成中のメモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0014】
図10】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0015】
図11】メモリスティブデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0016】
図12】疎結合ニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0017】
図13A】製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図13B】製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図13C】製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図13D】製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
図13E】製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイスの一部の一実施形態を示す図。
【0018】
図14】疎結合ニューラルアレイを利用するための方法の一実施形態を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、処理、装置、システム、物質の組成、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に具現化されたコンピュータプログラム製品、および/または、プロセッサ(プロセッサに接続されたメモリに格納および/またはそのメモリによって提供される命令を実行するよう構成されているプロセッサ)を含め、様々な形態で実施されうる。本明細書では、これらの実施例または本発明が取りうる任意の他の形態が、技術と呼ばれうる。一般に、開示されている処理の工程の順序は、本発明の範囲内で変更されてもよい。特に言及しない限り、タスクを実行するよう構成されるものとして記載されたプロセッサまたはメモリなどの構成要素は、或る時間にタスクを実行するよう一時的に構成された一般的な構成要素として、または、タスクを実行するよう製造された特定の構成要素として実装されてよい。本明細書で用いられている「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するよう構成されている1または複数のデバイス、回路、および/または、処理コアを指す。
【0020】
以下では、本発明の原理を示す図面を参照しつつ、本発明の1または複数の実施形態の詳細な説明を行う。本発明は、かかる実施形態に関連して説明されているが、どの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定されるものであり、本発明は、多くの代替物、変形物、および、等価物を含む。以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細事項が記載されている。これらの詳細事項は、例示を目的としたものであり、本発明は、これらの具体的な詳細事項の一部または全てがなくとも特許請求の範囲に従って実施可能である。明確にするために、本発明に関連する技術分野で周知の技術事項については、本発明が必要以上にわかりにくくならないように、詳細には説明していない。
【0021】
クロスバーアレイは、ベクトル行列乗算など、様々な用途で用いられる。メモリスタは、デバイスにかかった以前の電圧またはデバイスを通った電流に依存しうる抵抗を有しており、クロスバーアレイにおいてプログラム可能な重みを提供するために利用可能である。プログラム可能な重みとして利用される場合、メモリスタが、各結合点にある。また、クロスバーアレイは、典型的には、密結合される。言い換えると、すべての利用可能な結合が、クロスバーアレイの入力および出力の間でなされる。かかる密結合されたネットワークは、本質的に規則的であり、設計し、構築し、動作させるのに高価かつ複雑でありえ、比較的大きい面積を占めえ、スケーリングが困難でありうる。
【0022】
疎結合された導電ラインの複数の層を備えているメモリスティブデバイスが開示されている。例えば、メモリスティブタデバイスは、少なくとも第1層および第2層を有する。第1層は、リソグラフィで規定された第1複数の導電ラインを備える。第2層は、第1層とは異なっており、第2複数の導電ラインを備える。第2複数の導電ラインは、第1複数の導電ラインから絶縁されている。第2複数の導電ラインも、リソグラフィで規定されたものである。メモリスティブ層間コネクタが、第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されると共に、第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている。したがって、メモリスティブ層間コネクタは、第1複数の導電ラインと疎結合されると共に、第2複数の導電ラインと疎結合されている。各メモリスティブ層間コネクタは、導電部分およびメモリスティブ部分を有する。メモリスティブ部分は、導電部分と、第1複数の導電ラインおよび/または第2複数の導電ラインの内の対応するラインとの間にある。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインは浮遊している。
【0023】
このように、メモリスティブデバイスは、疎結合されうる。疎結合ネットワークは、ネットワークの入力および出力の間のすべての可能なまたは利用可能な接続がなされているわけではないネットワークである。したがって、メモリスティブデバイスは、疎結合性の結果として、性能、スケーリング、および/または、圧縮が改善される用途(ニューラルネットワークなど)で利用されてよい。第1層および第2層における導電ラインの幾何形状と、メモリスティブ層間コネクタのレイアウトとを選択することにより、結合の密度が調整されうる。さらに、メモリスティブデバイスの構成要素は、決定論的に(例えば、リソグラフィで)加工されうるが、結合は、本質的に確率論的であってよい。個々の層およびメモリスティブ層間コネクタは、リソグラフィで規定されうるので、(いくぶんランダムに接続された)メモリスティブデバイスも、再現可能に加工されうる。その結果として、かかるメモリスティブデバイスの加工および性能が改善されうる。
【0024】
メモリスティブ層間コネクタの導電部分は、側壁を有する導電ピラーであってよい。いくつかのかかる実施形態において、メモリスティブ部分は、側壁の少なくとも一部を囲んでいる。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインは、導電ブランチ構造によってメモリスティブ層間コネクタに結合されている。いくつかのかかる実施形態において、各メモリスティブ層間コネクタのメモリスティブ部分は、導電ブランチ構造に近接するメモリスティブ層を備える。
【0025】
いくつかの実施形態において、第1複数の導電ラインは、第1方向に方向付けられている第1長軸を有し、第2複数の導電ラインは、第2方向に方向付けられている第2長軸を有する。第1方向は、第2方向と非ゼロの鋭角をなす。メモリスティブ層間コネクタの位置と、第1および第2複数のラインの幾何形状とにより、メモリスティブコネクタは、第1および第2複数の導電ラインに疎結合されている。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインの各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている長軸を有するラインセグメントを備える。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインの各導電ラインは、非線形部分を備える。したがって、導電ラインは、非周期的および/または不規則なネットワークを形成する。
【0026】
いくつかの実施形態において、第1複数の導電ラインは、第1結合性を有し、第2複数の導電ラインは、第2結合性を有する。メモリスティブデバイスは、第1結合性よりも低く第2結合性よりも低い第3結合性を有する。したがって、いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタに疎結合された各層における導電ラインだけではなく、メモリスティブデバイスの結合性は、それの層の内の1層の結合性よりも低い。
【0027】
いくつかの実施形態において、メモリスティブデバイスは、さらに、導電層間コネクタを備える。これらの導電層間コネクタは、メモリスティブ層間コネクタに対応しうる。例えば、メモリスティブ層間コネクタおよび導電層間コネクタは、対になっていてよい。導電層間コネクタは、第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている。したがって、導電層間コネクタも、第1層および/または第2層における導電ラインに疎結合されうる。メモリスティブデバイスは、さらに、入力ニューロンおよび出力ニューロンを備えてよい。入力ニューロンは、導電層間コネクタに接続されていてよく、一方、出力ニューロンは、メモリスティブ層間コネクタに接続されている。いくつかのかかる実施形態において、メモリスティブ層間コネクタおよび導電層間コネクタに接続されている第1層および/または第2層における導電ラインは、クラスタを形成してよい。
【0028】
また、ニューラルネットワークについて説明する。ニューラルネットワークは、第1複数のリソグラフィティで規定された導電ラインを含む第1層と、第2複数のリソグラフィで規定された導電ラインを含む第2層と、メモリスティブ層間コネクタと、メモリスティブ層間コネクタに結合されているニューロンと、を備える。いくつかの実施形態において、第2層は、省略されてもよい。第1層および第2層は、メモリスティブデバイスに関して記載したものと同様である。同様に、メモリスティブ層間コネクタは、メモリスティブデバイスについて記載したものと同様である。したがって、いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインは浮遊している。いくつかの実施形態において、ニューラルネットワークは、導電層間コネクタを備える。これらの導電層間コネクタは、メモリスティブデバイスの文脈で記載したものと類似している。したがって、いくつかの実施形態において、導電ラインとメモリスティブ層間コネクタとの間の個々のメモリスティブ接続は、個別にアドレス可能である。いくつかのかかる実施形態において、メモリスティブ層間コネクタおよび導電層間コネクタに接続されている第1層および/または第2層における導電ラインは、クラスタを形成してよい。
【0029】
メモリスティブデバイスを提供する方法も記載されている。方法は、第1層に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定する工程と、第2層に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定する工程と、を備える。第2層は、第1層とは異なる。第2複数の導電ラインは、第1複数の導電ラインから絶縁されている。方法は、さらに、第1複数の導電ラインの第1部分に結合されると共に第2複数の導電ラインの第2部分に結合されたメモリスティブ層間コネクタを提供する工程を備える。メモリスティブ層間コネクタは、第1複数の導電ラインと疎結合されると共に、第2複数の導電ラインと疎結合される。各メモリスティブ層間コネクタは、導電部分、ならびに、導電部分と、第1および/または第2複数の導電ラインの内の対応するラインとの間にあるメモリスティブ部分、を備える。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインは浮遊している。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定する工程は、さらに、第1複数の導電ラインのために第1方向に方向付けられている第1長軸を規定する工程を含む。かかる実施形態において、第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定する工程は、第2方向に方向付けられている第2長軸を規定する工程を含む。第1方向は、第2方向と非ゼロの鋭角をなす。いくつかの実施形態において、第1および/または第2複数の導電ラインの各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている長軸を有するラインセグメントを備える。
【0031】
いくつかの実施形態において、方法は、複数のメモリスティブ層間コネクタに対応する導電層間コネクタを提供する工程を備える。導電層間コネクタは、第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている。いくつかのかかる実施形態において、方法は、入力ニューロンおよび出力ニューロンを提供する工程を備える。入力ニューロンは、導電層間コネクタの少なくとも一部に結合される。出力ニューロンは、メモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合される。第1および/または第2複数の導電ラインの一部が、クラスタを形成してよい。
【0032】
いくつかのかかる実施形態において、方法は、メモリスティブ層間コネクタの導電部分に電圧を印加することによって、メモリスティブデバイス内の第1導電ラインへアクセスする工程を備える。いくつかのかかる実施形態において、メモリスティブ接続が、メモリスティブ層間コネクタの導電部分と、対応する導電層間コネクタとの間に電圧差を提供することによって、個別にプログラムされてよい。
【0033】
また、ニューラルデバイスについて説明する。ニューラルデバイスは、少なくとも1つの層を備える。層は、リソグラフィで規定されうる導電ラインを備える。ニューラルデバイスは、さらに、メモリスティブ層間コネクタと、メモリスティブ層間コネクタに対応する導電層間コネクタと、を備える。メモリスティブ層間コネクタは、メモリスティブ層間コネクタが複数の導電ラインと疎結合されるように、導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されている。各メモリスティブ層間コネクタは、導電部分、ならびに、導電部分と、導電ラインの第1部分の内の対応するラインとの間にあるメモリスティブ部分、を備える。導電層間コネクタは、複数の導電ラインの第2部分に電気接続されている。ニューラルデバイスは、さらに、入力ニューロンおよび出力ニューロンを備える。入力ニューロンは、導電層間コネクタの少なくとも一部に結合されている。出力ニューロンは、メモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合されている。いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタに結合されている導電ラインの第1部分は、導電ラインのクラスタを含む。したがって、いくつかのかかる実施形態において、導電ライン、導電層間コネクタ、および、メモリスティブ層間コネクタの間の接続は、クラスタを形成する。いくつかの実施形態において、ニューラルデバイスは、導電ラインの複数の層を備える。いくつかのかかる実施形態において、導電ラインの層は、本明細書に記載のメモリスティブデバイスと類似した方法で構成されている。
【0034】
様々な構成が、本明細書に記載されている。構成の特定の組みあわせが示されているが、かかる構成の態様の一部または全部が、別個に、および/または、明示的に論じられていない組みあわせで、提供されてもよい。例えば、特定のメモリスティブデバイスにおける導電ラインのタイプは、層の内の1または複数の層における様々な実施形態(例えば、直線状、曲線状、任意形状、導電ブランチ構造を含むもの、および/または、格子の一部で形成されたもの)からの導電ラインを含んでよい。同様に、特定のデバイスが、層の内の1または複数の層における複数の実施形態(例えば、様々なサイズ、メモリスティブシェル、メモリスティブ層、および/または、メモリスティブタブ)からのメモリスティブ相互接続のタイプを含んでよい。
【0035】
図1A図1Dは、メモリスティブデバイス100および100’の実施形態の一部を示す。図1A図1Bは、メモリスティブデバイス100の層を示す図である。図1Cは、メモリスティブデバイス100の一部を示す断面図である。図1Dは、メモリスティブデバイス100の一実施形態を示している。明確にするために、メモリスティブデバイス100および100’の一部のみが図示されており、図1A図1Dは、正確な縮尺または比率ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。
【0036】
図1A図1Cを参照すると、メモリスティブデバイスは、下層基板101を備えており、下層基板101の中または上に、デバイス106および108が形成されていてよい。例えば、デバイス106および108は、ニューロン(CMOSニューロンなど)であってよい。いくつかの実施形態において、その他および/または追加のデバイスが存在してもよい。基板101の中に示されているが、デバイス106および108は、基板101の中、上、および/または、上方に形成されてよい。絶縁層102が、基板101上に示されている。
【0037】
メモリスティブデバイス100は、層111および121と、メモリスティブ層間コネクタと、を備える。簡単のために、4つのメモリスティブ層間コネクタ140A、140B、140C、および、140D(集合的または一般的に、メモリスティブ層間コネクタ140)のみに、符号が付されている。図1Cに示すように、メモリスティブ層間コネクタ140は、複数の層111および121を貫通して、それらの層を接続している。メモリスティブ層間コネクタは各々、導電部分142およびメモリスティブ部分144を備えてよい。簡単のために、メモリスティブ層間コネクタ140Aのみが、導電部分142およびメモリスティブ部分144に符号を付されている。メモリスティブ部分144は、HfOおよび/またはTiO(ここで、xは様々な化学量を示す)など、メモリスティブ材料であってよい。導電部分142は、Cu、Al、および/または、それらの合金など、金属または金属合金であってよい。図の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ140は、ビアとして構成されている。したがって、メモリスティブ部分144は、導電部分142の側壁の周りにシェルを形成してよい。さらに、導電部分142は、ピラーとして形成されている。しかしながら、他の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ140は、他の構成を有してもよい。例えば、メモリスティブ材料144は、導電ピラー142の側壁の一部のみを覆っていてもよい。図の実施形態において、層間コネクタ140は、層111および121と実質的に垂直である。ただし、その他の角度も可能である。図の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ140は、或る方向のピッチ(図の実施形態における中心間の距離)d1と、垂直方向のピッチd2と、オフセットΔと、を有する。
【0038】
メモリスティブ層間コネクタ140も、リソグラフィで加工される。例えば、メモリスティブ層間コネクタ140の位置と整列された開口部を有するマスクが加工され、露出した構造のエッチングが所望の深さまで実行され、形成されたビアが、メモリスティブ部分144および導電部分142で再充填されてよい。したがって、メモリスティブ層間コネクタ140の位置、サイズ、および、形状は、加工中に決定論的に決定される。
【0039】
層111は、導電ライン110A、110B、110C、110D、および、110E(集合的または一般的に、導電ライン110)を備える。同様に、層121は、導電ライン120A、120B、120C、120D、120E、および、120F(集合的または一般的に、導電ライン120)を備える。導電ライン110および120は、金属ラインであってよい。例えば、導電ライン110および/または120は、Cu、Al、それらの合金、別の金属、および/または、別の金属合金で形成されてよい。導電ライン110は、層111においてピッチp1を有する。導電ライン120は、層121においてピッチp2を有する。層111および121は、さらに、それぞれ、絶縁体112および114を備える。絶縁体112および122は、侮辱的な誘電体であってよい。例えば、二酸化シリコンが、絶縁体112および122に用いられてよい。いくつかの実施形態において、絶縁体112および/または122は、公称で200ナノメートルの厚さの二酸化シリコン層を含む(ただし、厚さは任意に異なってよい)。いくつかの実施形態において、導電ライン110および/または120の一部が、メモリスティブ部分を含まない導電層間コネクタを介して、別の層の導電ラインに接続されている。かかる実施形態において、かかる導電ラインは、より長く、複数の層に伸びていると考えられうる。図の実施形態において、導電ライン120の長軸は、導電ライン110の長軸の方向と非ゼロの鋭角θをなす。図の実施形態において、導電ライン110および120は、浮遊している(別の構造へ直接的に電気接続されていない)。他の実施形態において、導電ライン110および/または120の内の1または複数へ直接的な接触がなされてもよい。このように、導電ライン110および/または120は、浮遊している必要はない。さらに、「ライン」として図示され「ライン」と呼ばれているが、導電ライン110および/または120は、線分、曲線、および/または、ループ(これらに限定されない)を組み込んだ任意の形状を有してよい。
【0040】
導電ライン110および120も、リソグラフィで規定(例えば、加工)される。例えば、導電ライン110の位置と整列された開口部を有するマスクが加工され、金属層が蒸着され、マスクがリフトオフされてよい。あるいは、導電ライン110の位置と整列された開口部を有するマスクが加工され、下層の絶縁層が、絶縁層にトレンチまたは開口部を形成するためにエッチングされ、トレンチ/開口部が金属で充填され、金属がリフトオフされてもよい。他の実施形態において、金属層が蒸着され、導電ライン110に対応する領域を覆うマスクが提供され、露出した金属層がエッチングされてもよい。他の技術が、導電ライン110を加工するために用いられてもよい。導電ライン120は、類似した方法で形成されてよい。したがって、導電ライン110および120の位置、サイズ、および、形状は、加工中に決定論的に決定される。
【0041】
導電ライン110および120は、メモリスティブ層間コネクタ140にメモリスティブに接続されている。言い換えると、導電ライン110および120は、メモリスティブ部分144を通して導電部分142に電気接続されている。メモリスティブ接続のこの領域は、一般に、図1Cのメモリスティブ部分144内に点線によって示されている。導電ライン110または120と金属コア142との間に挟まれたエリアを囲む点線の各ペアが、単一のメモリスタを形成していると見なされてよい。各メモリスティブ層間コネクタ140は、層111または121における0または1本の導電ライン110または120に接続されていることが図示されているが、メモリスティブ層間コネクタ140は、所与の層における2以上の導電ラインに接触していてもよい。導電ライン110および120ならびにメモリスティブ層間コネクタ140は、層110および120ならびにメモリスティブデバイス100が疎結合されるように構成されている。言い換えると、導電ライン110は、メモリスティブ層間コネクタ140にメモリスティブに疎結合され、導電ライン120は、メモリスティブ層間コネクタ140にメモリスティブに疎結合されている。疎結合ネットワークは、ネットワークの入力および出力の間のすべての可能なまたは利用可能な接続がなされているわけではないネットワークである。疎結合ネットワークは、クロスバーアレイの入力および出力の間のすべての利用可能な接続がなされている密結合ネットワーク(例えば、クロスバーアレイ)とは対照的である。例えば、導電ライン110Aは、導電ライン110Aに最も近い3つのメモリスティブ層間コネクタ140の内の2つのみに電気接続されている(図において物理的に接触/接している)。同様に、導電ライン110Bは、1つのみのメモリスティブ層間コネクタ140Bに電気接続されている。いくつかの実施形態において、結合性は、層間コネクタに接続されている層(またはデバイス)内の導電ラインの割合によって示されうる。したがって、導電ライン110が、すべてのメモリスティブ層間コネクタ140に接続されている場合、結合性は、1である。メモリスティブデバイス100は、そのように構成されてよい(すなわち、密結合されてよい)。いくつかの実施形態において、メモリスティブデバイス100の結合性は、その層の内のどの層の結合性よりも低い(すなわち、メモリスティブデバイス100は、層111および層121よりも疎結合されている)。いくつかの実施形態において、メモリスティブデバイス100の結合性が疎であることは、さらなる層に対して維持されうる。例えば、導電ラインの別の疎結合層を導入しても、メモリスティブデバイス100における結合密度を著しく下げえない(および/または上げえない)。
【0042】
メモリスティブ層間コネクタ140との導線110の疎結合は、メモリスティブ層間コネクタ140ならびに導電ライン110および120の位置、サイズ、および、形状に基づいてなされてよい。疎結合を達成するために、導電ライン110の幾何形状は、導電ライン120の幾何形状と異なっている。例えば、導電ライン120は、導電ライン110の電流路(例えば、長軸)と角度θをなす電流路(例えば、長軸)を提供する。層111および121の幾何形状のその他の態様が、異なっていてもよい。例えば、疎結合のために、ピッチp1およびp2が、異なっていてよく(または同じであってよく)、ピッチp2が一定である状態でピッチp1が層111の平面にわたって変化してよく、ピッチp1が一定である状態でピッチp2が層121の平面にわたって変化してよく、ピッチp2が層121にわたって変化するのと異なる方法でピッチp1が層111の平面にわたって変化してよく、相対角度θが変化してよく、導電ライン110および/または120の幅が変化してよく、導電ライン110および/または120の長さが変化してよく、メモリスティブ層間コネクタ140の間の距離(d1および/またはd2)が変化してよく、オフセットΔが、疎結合のために変化しおよび/または選択されてよく、層内の導電ライン110および/または120が平行ではなくてよく、メモリスティブ層間コネクタ140のサイズsが変化しおよび/または調整されてよく、ならびに/もしくは、メモリスティブ層間コネクタ140の形状が異なっていてよい。いくつかの実施形態において、導電ライン110および/または120の形状は、ランダムであってもよい。
【0043】
メモリスティブデバイス110ならびに層111および121が疎結合されていることに加えて、メモリスティブデバイス100の結合性は、さらなる層の追加によってますますランダムになりうる。例えば、図1Dは、メモリスティブデバイス100’の斜視図である。メモリスティブデバイス100’は、メモリスティブデバイス100と類似している。したがって、メモリスティブデバイス100は、導電ライン110および120をそれぞれ有する層111および121と類似している導電ライン110および120をそれぞれ有する層111’および121’を備える。さらに、導電部分142およびメモリスティブ部分144を有するメモリスティブ層間コネクタ140は、メモリスティブデバイス100のものと類似している。メモリスティブデバイス100’は、さらなる層131も備える。したがって、メモリスティブデバイス100’は、層131内に導電ライン130を備える。導電ライン130は、導電ライン110と垂直である。したがって、導電ライン130は、導電ライン120と非ゼロの鋭角(π/2-θ)をなす。導電ライン130も、リソグラフィで形成される。導電ライン130の寸法、位置、ピッチ、厚さ、幅、長さ、形状、用いられている材料、および/または、その他の特徴は、導電ライン110および/または120と類似している。導電ライン130は、メモリスティブ層間コネクタ140と、ひいては、導電ライン110および120と、メモリスティブに疎結合されている。さらに、メモリスティブ層間コネクタ140と導電ライン130との間の結合性は、メモリスティブ層間コネクタ140とライン110および/または120との間の結合性とは異なる。導電ラインのさらなる層(図示せず)が追加されてもよい。いくつかの実施形態において、メモリスティブデバイス100および/または100’の疎性は、層の追加に伴って、上昇、低下、または、実質的にそのままでありうる。いくつかの実施形態において、メモリスティブデバイス100および/または100’のランダム性および/または不規則性は、さらなる層の追加に伴って、上昇、低下、または、同じままでありうる。
【0044】
動作中、層間コネクタ140のメモリスティブ部分144は、所望の重みがメモリスティブ層間コネクタ140のメモリスティブ部分144を通して電流を駆動する(すなわち、電圧を印加する)ようにプログラムされている。導電ライン110および120ならびに/もしくは導電ライン110、120、および、130は、対応するメモリスティブ層間コネクタ140の導電部分142に電圧を印加することによって電気的にアクセスされる。いくつかの実施形態において、導電ライン110、120、および/または、130の一部または全部が浮遊している。かかる浮遊導電ライン110、120、および/または、130は、対応するメモリスティブ層間コネクタ140を通してのみアクセス可能である。いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ140は、制御電極として機能する。他の実施形態において、さらなる導電層間コネクタが、導電ライン110、120、および/または、130にアクセスするために提供および利用されてよい。
【0045】
メモリスティブデバイス100および/または110’は、プログラマブル抵抗が求められる場合に用いられてよい。メモリスティブデバイス100および/または100’は、複雑で、ランダム化され、および/または、疎結合されたネットワークが、リソグラフィで決定論的に形成されることを可能にする。各層111/111’、121/121’、および、131が、リソグラフィで提供されうるので、各層における導電ライン110、120、および、130の経路が既知である。同様に、メモリスティブ層間コネクタ140の位置および幾何形状も所定である。しかしながら、多くの層を備えるメモリスティブデバイスは、層間の差に起因して、本質的によりランダムなネットワークを形成しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層の加工は、簡単かつ再現可能である。(再現可能に加工された)層111、121、131、および、任意の後続の層の幾何形状の差のために、不規則な(例えば、確率論的またはランダムな)ネットワークが形成されうる。同じ不規則なネットワークを有する複数のデバイスが製造されうる。したがって、メモリスティブデバイス100および100’内の疎結合のパターンは、ランダム化されるが、再現可能でありうる。結果的に、メモリスティブデバイス100および/または100’を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0046】
図2は、メモリスティブデバイス200の一実施形態の一部を示す斜視図である。明確にするために、メモリスティブデバイス200の一部のみが図示されており、図2は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス200は、メモリスティブデバイス100および/または100’と類似している。したがって、メモリスティブデバイス200は、メモリスティブ層間コネクタ140、ならびに、層111、121、および/または、131とそれぞれ類似しているメモリスティブ層間コネクタ240、ならびに、層211、221、231を備える。したがって、メモリスティブ層間コネクタ240は、導電部分142およびメモリスティブ部分144とそれぞれ類似している導電部分242およびメモリスティブ部分244を備える。層211は、導電ライン110と類似している導電ライン210を備える。層221は、導電ライン120と類似している導電ライン220を備える。層231は、導電ライン130と類似している導電ライン230を備える。メモリスティブデバイス200は、さらに、層211、221、および/または、231、ならびに、導電ライン210、220、および/または、230と類似している導電ライン250を備えているさらなる層251を備える。したがって、導電ライン210、220、230、および、250は、リソグラフィで規定される。
【0047】
導電ライン210、220、230、および、250は、導電ライン110、120、および、130よりも任意な形状を有する(例えば、直線ではない)。ただし、導電ライン210、220、230、および、250は、それでもフォトリソグラフィで加工されてよい。例えば、異なる方向に伸びる層内の直線状の導電ラインセグメントが交差してよい。交差点において、導電ライン210、220、230、および、250は、コーナー、ノード、曲線、および/または、その他の非線形セクションを有する。かかる導電ラインセグメントは、電気接続されており、より任意な形状を有する。かかる非線形の任意形状の導電ライン210、220、230、および、250は、より容易に、メモリスティブ層間コネクタ240への不規則、無秩序(例えば、ランダム)、および/または、疎な結合性を有しうる。したがって、導電ライン210、220、230、および、250は、密結合または疎結合されてよい。ただし、各層210、220、230、および/または、250の加工は、それでも決定論的かつ再現可能でありうる。さらに、すべての層210、220、230、および、250が、任意形状の導電ライン210、220、230、および、250を有するように図示されているが、いくつかの実施形態において、1または複数の層が、直線状の導電ラインを有してもよい。
【0048】
図3は、メモリスティブデバイス300の一実施形態における層311を示す上面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス300の一部のみが図示されており、図3は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス300は、メモリスティブデバイス100、100’、および/または、200と類似している。したがって、メモリスティブデバイス300は、メモリスティブ層間コネクタ140、ならびに、導電ライン110および/または210と類似している、メモリスティブ層間コネクタ(符号付きのメモリスティブコネクタ340A、340B、340C、および、340D(集合的または一般的に、メモリスティブコネクタ340)など)、ならびに、導電ライン310A、310B、および、310C(集合的または一般的に、導電ライン310)を備える。
【0049】
層311において、導電ライン310の幅と、導電ライン310の間の距離(すなわち、ピッチ)とが変化している。したがって、導電ライン310Aおよび310Bは、距離h1だけ離れており、一方、導電ライン310Bおよび310Cは、異なる距離h2だけ離れている。さらに、導電ライン310Bは、幅w1を有する一方で、導電ライン310Cは、異なる幅w2を有する。メモリスティブ層間コネクタ340の幾何形状も変化している。したがって、様々な距離l1、l2、l3、および、l4が、メモリスティブ層間コネクタ340を隔てている。いくつかの実施形態において、その他の方向における距離が変化していてもよい。また、層311は、疎結合されている。他の実施形態において、層311は、密結合されてもよい。距離が変化しているが、メモリスティブデバイス300は、それでもリソグラフィで形成されるため、その加工時に決定論的かつ再現可能である。しかしながら、層311における変化、および、その他の層(図示せず)における変化が、メモリスティブデバイス300において、より大きい不規則性を可能にしうる。
【0050】
図4は、メモリスティブデバイス400の一実施形態における層411を示す上面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス400の一部のみが図示されており、図4は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス400は、メモリスティブデバイス100、100’、200、および/または、300と類似している。したがって、メモリスティブデバイス400は、メモリスティブ層間コネクタ140、ならびに、導電ライン110および/または210と類似している、メモリスティブ層間コネクタ(符号付きのメモリスティブコネクタ440A、440B、440C、および、440D(集合的または一般的に、メモリスティブコネクタ440)など)、ならびに、導電ライン410A、410B、410C、および、410D(集合的または一般的に、導電ライン410)を備える。
【0051】
層411において、導電ライン410の幅と、導電ライン410の間の距離とが変化している。さらに、導電ライン410は、平行ではなく、異なる距離にわたって伸びている。例えば、導電ライン410Bは、図に示した視野の中で終端している。さらに、導電ライン410Bは、ループを含むよう図示されている。導電ライン410Cは、コーナーで交わり異なる方向に伸びている複数のラインセグメントを有するだけではなく、幅も変化している。メモリスティブ層間コネクタ440の幾何形状も変化している。また、メモリスティブ層間コネクタ440は、異なる直径s1およびs2を有する。また、層411は、疎結合されている。他の実施形態において、層411は、密結合されてもよい。幾何形状が変化しているが、メモリスティブデバイス400は、それでもリソグラフィで提供されるため、その加工時に決定論的かつ再現可能である。層411における変化、および、その他の層(図示せず)における変化が、メモリスティブデバイス400において、より大きい不規則性を可能にしうる。
【0052】
図5は、メモリスティブデバイス500の一実施形態を示す断面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス500の一部のみが図示されており、図5は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス500は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、および/または、400と類似している。したがって、メモリスティブデバイス500は、メモリスティブ層間コネクタ140、ならびに、導電ライン110および/または120と類似している、メモリスティブ層間コネクタ540Aおよび540B(集合的または一般的に、メモリスティブ層間コネクタ540)、ならびに、導電ライン510Aおよび520Aを備える。また、絶縁体102、112、および、122とそれぞれ類似している絶縁体502、512、および、522も示されている。
【0053】
メモリスティブ層間コネクタ540Aおよび540Bは、異なる深さを有する。したがって、メモリスティブ層間コネクタ540Aは、導電ライン510Aを通して伸びている。しかしながら、メモリスティブ層間コネクタ540Bは、基板501の中まで伸びている。したがって、結合性が、メモリスティブ層間コネクタ110が貫通している深さ(例えば、層の数)を用いて制御されてもよい。さらに、メモリスティブ相互接続が、複数のデバイスまで伸ばされてもよい。例えば、メモリスティブ相互接続540Aおよび/または540Bは、メモリスティブデバイス500の上面上に加工された導電性(例えば、金属/はんだ)のバンプを介して別のデバイスに接続されてよい。別のメモリスティブデバイスまたはその他の半導体デバイスが、導電バンプにおいてメモリスティブ相互接続540Aおよび/または540Bに電気接続されてよい。したがって、複数の層における導電ラインがメモリスティブ相互接続を通して結合されてよいだけではなく、複数のデバイスが、メモリスティブ相互接続を介して結合されてもよい。
【0054】
メモリスティブデバイス200、300、400、および/または、500は、メモリスティブデバイス100および/または100’と類似している。したがって、メモリスティブデバイス200、300、400、および/または、500は、メモリスティブデバイス100および/または100’の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス200、300、400、および/または、500は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、ならびに、デバイス200、300、400、および/または、500全体の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス200、300、400、および/または、500を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0055】
図6は、メモリスティブデバイスを提供するための方法580の一実施形態を示すフローチャートである。明確にするために、一部の工程のみが図示されている。その他および/または追加の手順が、いくつかの実施形態において実行されてもよい。フローの文脈で説明されているが、方法580における処理は、並列で実行されてもよく、および/または、インターリーブされてもよい。
【0056】
メモリスティブデバイスの第1層における第1セットの導電ラインが、工程582で、リソグラフィで規定される。言い換えると、リソグラフィ(例えば、フォトリソグラフィ、UVリソグラフィ、および/または、DUVリソグラフィ)が、第1セットの導電ラインを加工する際に用いられる。メモリスティブデバイスの第1層と呼ばれているが、工程582で加工される層は、下層構造上に形成されてよい。例えば、基板、ニューロン、絶縁層、導電ライン、その他の半導体デバイス、電極、および/または、その他の構造が、すでに形成されていてよい。さらに、その他の構造が、メモリスティブデバイスのこの層に形成されてもよい。第1セットの導電ラインは、ダマシン処理(絶縁層に提供されたトレンチ内にラインが形成される)、導電層(例えば、金属層)が蒸着およびパターニングされる処理、および/または、その他の技術を用いて、形成されてよい。
【0057】
第2セットの導電ラインが、工程584で、メモリスティブデバイスの第2層に対してリソグラフィで規定される。第2セットの導電ラインの一部または全部が、第1セットの導電ラインから絶縁される。したがって、工程582または584の一部として、絶縁層が、第1セットの導電ライン上に蒸着されてよい。工程584の一部として、第2セットの導電ラインも、絶縁されてよい。いくつかの実施形態において、工程584は、工程582と類似した方法で実行される。導電ラインの後続の層が、工程586で任意選択的に加工される。いくつかの実施形態において、工程586は、工程582および/または584と類似した方法で実行される。このように、導電ラインの複数の層が形成されうる。
【0058】
メモリスティブ層間コネクタが、工程588で、リソグラフィで提供される。メモリスティブ層間コネクタは、第1層における第1セットの導電ラインの第1部分に結合されると共に、第2層における第2セットの導電ラインの第2部分に結合される。メモリスティブ層間コネクタは、第1複数の導電ラインと疎結合されると共に、第2複数の導電ラインと疎結合されてよい。メモリスティブ層間コネクタは、後続の層における導電ラインの一部にも結合される。例えば、工程588は、メモリスティブ層間コネクタの位置に開口部を有するマスクを提供する工程と、メモリスティブデバイスの露出部分を除去(例えば、エッチング)する工程と、を含んでよい。このように、ビアが形成される。次いで、メモリスティブ材料が、ビアの側面を被覆するように蒸着されてよい。次いで、ビアは、導電(例えば、金属)材料で充填される。他の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタは、別の方法で形成されてもよい。例えば、メモリスティブ層は、上述したビアの形成の前に、蒸着され、任意選択的にパターニングされてよい。ビアは、メモリスティブ層がメモリスティブ層間コネクタの導電部分と導電ラインとの間に挟まれるように、導電材料で充填されてよい。いくつかの実施形態において、工程588の一部が、工程582、584、および/または、586とインターリーブされてもよい。例えば、層の一部が加工された後に、導電ビアが形成されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、さらなる導電層間コネクタが、工程590で加工される。これらの導電層間コネクタは、リソグラフィで形成されてよい。例えば、工程590は、導電層間コネクタの位置に開口部を有するマスクを提供する工程と、メモリスティブデバイスの露出部分を除去(例えば、エッチング)する工程と、を含んでよい。このように、ビアが形成される。次いで、ビアは、導電層間コネクタを提供するために、導電(例えば、金属)材料で充填される。このように、メモリスティブデバイスが形成されてよい。
【0060】
例えば、図7A図7Gは、方法580を用いて形成中のメモリスティブデバイス600の一実施形態を示す。明確にするために、メモリスティブデバイス600の一部のみが図示されており、図7A図7Gは、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。図7A図7Bは、方法580の開始前のメモリスティブデバイス600を示している。したがって、下層の絶縁基板および埋め込みパッド641が示されている。パッド641は、絶縁基板上に形成された金属パッド(例えば、金属0)であってよい。パッド641は、形成されているメモリスティブ層間コネクタの一部であると見なされてもよいし、メモリスティブ層間コネクタが電気接続されうる別個の構成要素であると見なされてもよい。いくつかの実施形態では、その他のデバイス(図示せず)も形成されている。例えば、ニューロンまたはその他のデバイスが、絶縁基板の上または中に提供されていてもよい。図7Bは、絶縁層602(例えば、絶縁体1)が埋め込みパッド641上に形成された後のメモリスティブデバイス600を示している。
【0061】
図7Cは、方法580の工程582で絶縁層102上に形成された第1層611のための導電ライン(例えば、金属1)610を示している。いくつかの実施形態において、導電ライン610は、絶縁層102上に形成されている。かかる実施形態において、導電ライン610は、絶縁誘電体の次の層(図7Cでは図示せず)によって絶縁される。いくつかの実施形態において、ダマシン処理が、工程582で用いられてよい(例えば、絶縁層におけるトレンチの形成後に、トレンチ内に金属ラインを形成する)。ただし、その他の技術が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、導電ライン610は、下層の埋め込みパッド641に電気接続される。導電ライン610、層611、ならびに、絶縁体602は、導電ライン110、層111、ならびに、絶縁体102または112と類似している。
【0062】
図7Dは、工程584で第2層に第2セットの導電ラインを形成した後のメモリスティブデバイス600を示している。さらに、工程584は、工程582と類似した方法で実行されてよい。このように、第2層621における導電ライン620が、絶縁層622に形成されている。絶縁層622は、第2絶縁層(絶縁体2)であってよい。第2セットの導電ライン620は、第2金属層(金属2)であってよい。導電ライン620は、導電ライン610と非ゼロの鋭角をなすように形成されている。したがって、導電ライン620、層621、および、絶縁体622は、導電ライン120、層121、および、絶縁体122と類似している。
【0063】
図7Eは、工程586が実行された後のメモリスティブデバイス600を示している。したがって、メモリスティブデバイス600は、第3絶縁層632(例えば、絶縁層3)と第3セットの導電ライン630(例えば、金属3)とを含む第3層631を備える。図の実施形態において、導電ライン630は、導電ライン610と垂直である。ただし、その他の角度も可能である。導電ライン630、層631、および、絶縁体632は、導電ライン130、層131、および、絶縁体132と類似している。
【0064】
図7Fは、工程588の一部でメモリスティブ層間コネクタ640のメモリスティブ部分を形成したメモリスティブデバイス600を示している。いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ640は、少なくとも層111における導電ライン120(例えば、金属1)に、かつ、いくつかの実施形態において、下層の埋め込みパッド641(例えば、金属0)に、ビアを提供することによって形成される。メモリスティブ材料が、蒸着されている。メモリスティブ材料642は、ビアの側壁の少なくとも一部(または全部)を覆っている。ただし、図7Fに示されているように、各ビアの中央部分は空っぽのままであってよい。他の実施形態において、メモリスティブ材料の一部が除去されてもよい。
【0065】
図7Gは、工程588の一部でメモリスティブ層間コネクタ640の導電部分642(例えば、金属ピラー)を形成した後のメモリスティブデバイス600を示している。このように、導電ピラー642(例えば、コア)が、ビアの各々に提供され、メモリスティブ層間コネクタ640が形成されている。図7F図7Gは、この順序で、ビアが複数の金属層を通して形成され、複数の金属層のためのメモリスティブ材料が形成され、複数の金属層のための導電ピラーが形成されることを示している。他の実施形態において、ビアは、単一の金属層を通して形成されてもよく、後続の金属層が形成される前に形成された金属層のためのメモリスティブ材料および導電ピラー(例えば、金属)が形成される。メモリスティブ層間コネクタのかかる部分は、図に示すメモリスティブ層間コネクタを形成するように、整列およびスタックされてよい。いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタは、いくつかの金属層だけを通して形成されてもよい(例えば、金属1と金属2との間に形成されるが金属2と金属3との間に形成されない、もしくは、金属2と金属3との間のみに形成される)。
【0066】
このように、メモリスティブデバイス(メモリスティブデバイス600など)が、リソグラフィで加工されうる。したがって、メモリスティブデバイス600は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、および/または、500の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス600は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、および、デバイス600自体の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス600を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0067】
図8は、メモリスティブデバイス700の一実施形態の一部を示す平面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス700の一部のみが図示されており、図8は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス700は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、および/または、600と類似している。したがって、メモリスティブデバイス700は、メモリスティブ層711と、メモリスティブ層間コネクタ740A、740B、740C、および、740D(一般的または集合的に、メモリスティブ層間コネクタ740)と、導電ライン710A、710B、および、710C(一般的または集合的に、導電ライン710)と、を備える。層711、メモリスティブ層間コネクタ740、ならびに、導電ライン710は、層111、121、および/または、131、メモリスティブ層間コネクタ140、ならびに、導電ライン110、120、および/または、130とそれぞれ類似している。
【0068】
メモリスティブデバイス700は、さらに、導電ブランチ構造714A、714B、および、714C(一部のみに符号が付されている)(一般的または集合的に、導電ブランチ構造714)を備える。いくつかの実施形態において、導電ブランチ構造714は、短い金属ラインセグメントである。導電ブランチ構造714は、対応するメモリスティブ層間コネクタ740と導電ライン710との間に伸びている。列内のすべてのメモリスティブ層間コネクタ740が、導電ブランチ構造714を通して近くの導電ライン710にメモリスティブに接続されているように示されているが、いくつかの実施形態において、列内のより少ない(ゼロを含む)メモリスティブ層間コネクタ740が、近くの導電ライン710に結合されていてもよい。例えば、特定の層における導電ブランチ構造714の一部が省略されてもよい。(もしあれば)省略される導電ブランチ構造が、層の間で異なってもよい。導電ブランチ構造714は、導電ライン710と類似した方法でリソグラフィでによって加工されてよい。
【0069】
メモリスティブデバイス700は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、および/または、600の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス700は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、および、デバイス700の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス700を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0070】
図9A図9Gは、形成中のメモリスティブデバイス800の一部の一実施形態を示す。明確にするために、メモリスティブデバイス800の一部のみが図示されており、図9A図9Gは、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス800は、メモリスティブデバイス700と類似している。メモリスティブデバイス800は、方法580を用いて形成されてよく、方法580の文脈で説明されている。ただし、その他の技術が、メモリスティブデバイス800の形成に用いられてもよい。図9A図9Bは、方法580の開始前のメモリスティブデバイス800を示している。したがって、下層の絶縁基板および埋め込みパッド841が示されている。パッド841は、絶縁基板上に形成された金属パッド(例えば、金属0)であってよい。パッド841は、形成されているメモリスティブ層間コネクタの一部であると見なされてもよいし、メモリスティブ層間コネクタが電気接続されうる別個の構成要素であると見なされてもよい。いくつかの実施形態では、その他のデバイス(図示せず)も形成されている。例えば、ニューロンまたはその他のデバイスが、絶縁基板の上または中に提供されていてもよい。図8Bは、絶縁層802(例えば、絶縁体1)が埋め込みパッド841上に形成された後のメモリスティブデバイス800を示している。
【0071】
図9Cは、方法580の工程582で絶縁層102上に形成された第1層811のための導電ライン(例えば、金属1)810を示している。いくつかの実施形態において、導電ライン810は、絶縁層802上に形成されている。かかる実施形態において、導電ライン810は、絶縁誘電体の次の層(図9Cでは図示せず)によって絶縁される。いくつかの実施形態において、ダマシン処理が、工程582で用いられてよい(例えば、絶縁層802におけるトレンチの形成後に、トレンチ内に金属ラインを形成する)。ただし、その他の技術が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、導電ライン810は、下層の埋め込みパッド841に電気接続されている。導電ライン810、層811、ならびに、絶縁体802は、導電ライン110、層111、ならびに、絶縁体102または112と類似している。
【0072】
図9Dは、方法580の工程588の一部として、導電ライン810上へのメモリスティブ材料844の層の形成を示している。メモリスティブ材料844は、メモリスティブ層間コネクタで用いられてよい。図の実施形態では、メモリスティブ材料844のシートが蒸着されている。いくつかの実施形態において、メモリスティブ材料844は、メモリスティブタブが、導電ライン810と、形成される導電ブランチ構造(図9Dでは図示せず)とに近い領域のみに存在するように、パターニングされる。
【0073】
図9Eは、導電ライン810のための導電ブランチ構造814の形成を示している。ブランチ構造814は、ブランチ構造714と類似している。ただし、図の実施形態において、ブランチ構造814は、メモリスティブ層によって対応する主な導電ライン810から分離されている。しかしながら、ブランチ構造は、それでも、導電ライン810(ひいては第1金属層)の一部と見なされてよい。したがって、工程582の一部が、導電ブランチ構造814に対して実行されたと見なされてよい。
【0074】
図9Fは、方法580の工程588の一部として導電(例えば、金属)接続842を形成した後のメモリスティブデバイス800を示している。いくつかの実施形態において、導電体842は、下層の金属パッドに電気接続している。したがって、ビアが、層811(金属1)および絶縁層802(絶縁層1)を通して埋め込みパッド841(金属0)へ形成されてよい。ビアは、導電材料842(例えば、金属)で充填される。このように、メモリスティブ材料844および導電体842の一部を含むメモリスティブ層間コネクタ840が形成される。代替実施形態において、ビアは、図1に示したものと類似するメモリスティブシェル/層を備えてもよい。ただし、図の実施形態において、かかる追加のメモリスティブ材料は利用されない。
【0075】
この処理は、工程584、586、および、588で、後続の金属層に対して繰り返される。工程584で形成された第2層821を備えているメモリスティブデバイス800が、図9Gに示されている。図の実施形態において、金属ライン820が、工程84で絶縁層822に形成されている。別のメモリスティブ層844’および別の導電部分842’が形成されている。メモリスティブ層間コネクタが、メモリスティブ部分844および844’と、導電部分842および842’と、を備える。このように、メモリスティブ層間コネクタ840の形成が、方法580の工程588において継続した。したがって、メモリスティブ相互接続840は、まだ、導電ライン810および820とメモリスティブに結合されている。ただし、メモリスティブ相互接続840は、メモリスティブシェルの代わりに、メモリスティブ層844および844’で構成されている。図の実施形態において、導電ライン820は、導電ライン810と垂直である。ただし、後続の層の導電ラインは、異なる方向に伸びてもよい。いくつかの実施形態において、層811および/または821は、任意の形状を有する導電ラインを備えてよい。いくつかの実施形態において、各層は、異なる(例えば、独自の)配線パターンを有する。
【0076】
メモリスティブデバイス800は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、および/または、700の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス800は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、および、デバイス800の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス800を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0077】
図10は、メモリスティブデバイス900の一実施形態の一部を示す斜視図である。明確にするために、メモリスティブデバイス900の一部のみが図示されており、図10は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス900は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、700、および/または、800と類似している。簡単のために、1つの層911のみが図示されている。ただし、メモリスティブデバイス900は、複数の層を備えてよい。メモリスティブデバイス900は、メモリスティブ層間コネクタ140および840、ならびに、導電ライン110および810とそれぞれ類似しているメモリスティブ層間コネクタ940、ならびに、導電ライン910を備える。
【0078】
メモリスティブデバイス900は、さらに、導電ブランチ構造914(1つのみに符号が付されている)を備える。いくつかの実施形態において、導電ブランチ構造914は、短い金属ラインセグメントである。導電ブランチ構造914は、対応するメモリスティブ層間コネクタ940と導電ライン910との間に伸びている。導電ブランチ構造914は、導電ライン910と類似した方法でリソグラフィでによって加工されてよい。
【0079】
図の実施形態において、メモリスティブデバイス900は、導電ブランチ構造914と導電ライン910との間に挟まれたメモリスティブ層タブ944を備える。このように、メモリスティブデバイス900は、メモリスティブデバイス800と類似しているが、メモリスティブデバイス800では、メモリスティブ層844がパターニングされている。
【0080】
メモリスティブデバイス900は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、700、および/または、800の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス900は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、および、デバイス900の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス900を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0081】
図11は、メモリスティブデバイス1000の一実施形態の一部を示す平面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス1000の一部のみが図示されており、図11は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス1000は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、700、800、および/または、900と類似している。1つの層のみが図示されている。ただし、メモリスティブデバイス1000は、複数の層を備えてよい。メモリスティブデバイス1000は、導電ライン110、810、および/または、910、導電ブランチ構造814および/または914、ならびに、メモリスティブ層間コネクタ140、840、および/または、940とそれぞれ類似している導電ライン1010(1つのみに符号が付されている)、導電ブランチ構造1014(1つのみに符号が付されている)、ならびに、メモリスティブ層間コネクタ1040(1つのみに符号が付されている)。メモリスティブ材料が、メモリスティブ層間コネクタ1040の導電ピラーを囲むシェルとして、または、導電ブランチ構造1014と導電ライン1010との間のタブとして、組み込まれてよい。
【0082】
また、導電層間コネクタ1060が示されている。1つの導電層間コネクタ100のみが示されているが、2以上のコネクタがデバイス内に存在してもよい。導電層間コネクタ1060は、(例えば、図5の文脈で説明したのと類似する導電バンプを介して)別の層、複数の他の層、および/または、他のデバイスへの電気接続を提供しうる。あるいは、導電層間コネクタは、単に金属パッドであってもよい。導電層間コネクタ1060は、導電ライン1070と結合されており、導電ライン1070は、メモリスティブ層間コネクタ1040への電気接続を提供する。図11に示すように、導電ライン1010および1070は、交差しているにもかかわらず短絡されていない。導電層間コネクタ1060は、短絡ビアとして機能しうる。例えば、導電層間コネクタ1060は、「破断した」ラインの修理に役立ち、および/または、金属ラインの有効長を伸ばしうる。したがって、より高い密度の結合性が達成されうる。
【0083】
このように、メモリスティブデバイス(メモリスティブデバイス1000など)が、リソグラフィで加工されうる。したがって、メモリスティブデバイス1000は、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、700、800、および/または、900の利点を共有しうる。メモリスティブデバイス1000は、複雑で、ランダム化され、不規則であり、および/または、疎結合されているが、リソグラフィで決定論的に形成されるネットワークを提供しうる。結果的に、疎なネットワークの利点(ニューラルネットワークにおける生体システムのモデリングの改善、性能の改善、および/または、スケーリングの改善、など)が達成されうる。さらに、各デバイスにおける各層、および、デバイス1000自体の加工が、簡単かつ再現可能になる。結果として、メモリスティブデバイス1000を用いるシステムの性能が改善されうる。
【0084】
導電層間コネクタは、いくつかの応用例において、他の目的および/またはさらなる目的に対して利用されてもよい。例えば、図12は、疎結合ニューラルアレイを備えているデバイス1100の一実施形態を示す平面図である。明確にするために、メモリスティブデバイス1100の一部のみが図示されており、図12は、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。図12において、単一の層1111が示されている。メモリスティブデバイス1100は、複数の層を備えてもよい。例えば、層1111(および/または上述のその他の層)と類似したさらなる層が備えられてよい。ただし、かかる層は、層1111とは異なる導電経路(すなわち、様々な構成要素の幾何形状)を有しうる。メモリスティブデバイス1100の構成要素の一部または全部が、メモリスティブデバイス100、100’、200、300、400、500、600、700、800、900、および、1000に関して論じたように、リソグラフィで加工されてよい。
【0085】
デバイス1100において、図に示す層1111の下または上に存在しうるニューロン(図示せず)への接続がなされる。例えば、ニューロンは、図のデバイス1100の一部の下に存在してよい。したがって、下層の断面図は、図1Cのデバイス106および108と類似しているデバイスを含みうる。
【0086】
デバイス1100は、絶縁体1101と、導電層間コネクタ1160(黒丸、一部のみに符号が付されている)と、メモリスティブ層間コネクタ1140(白丸、1つのみに符号が付されている)と、導電ライン1110(黒いラインセグメントから形成されており、一部のみに符号が付されている)と、を備える。導電層間コネクタ1160およびメモリスティブ層間コネクタ1140は、下層の(または上層の)ニューロンへの接続の長方形(例えば、正方形)格子を形成していると見なされてよい。他の実施形態において、異なる格子が用いられてもよい。導電層間コネクタ1160は、導電層間コネクタ1060と類似している。したがって、導電層間コネクタ1160は、メモリスティブシェルまたは類似の構成要素を備えていない。その結果として、導電層間コネクタ1160への直接的な電気接触がなされうる。導電層間コネクタ1160と導電ライン1110との間の電気接触は、導電ブランチセグメント1170(黒い輪郭の白いセグメントであり、一部のみに符号が付されている)を介してなされる。導電ブランチセグメント1170は、導電ブランチ構造1114と類似しているが、導電ライン1110を導電層間コネクタ1160に接続している。いくつかの実施形態において、導電層間コネクタ1160は、層1111の下に存在しうる入力ニューロン(図12では図示せず)へ電気接続されている。
【0087】
メモリスティブ層間コネクタ1140は、メモリスティブ層間コネクタ140、240、340、440、540、640、740、840、940、および/または、1040の内の1または複数と類似している。したがって、メモリスティブ層間コネクタ1140は、導電ライン1110へメモリスティブに結合されている。図の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ1140は、導電ブランチ構造1114(灰色のラインセグメント、一部のみに符号が付されている)によって導電ライン1110へメモリスティブに結合されている。導電ブランチ構造1114は、導電ブランチ構造714、814、914、および/または、1014と類似している。他の実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ1140と導電ライン1110との間の接続は、別の方法でなされてもよい。例えば、導電ライン1110およびメモリスティブ層間コネクタ1140は、図1A図1Dに示したように、直接的な接触を介してメモリスティブに接続されてもよい。いくつかの実施形態において、メモリスティブ層間コネクタ1140は、層1111の下に存在しうる出力ニューロン(図12では図示せず)へ結合されている。
【0088】
導電ライン1110のセグメントは、ノード1118(灰色の円、一部のみに符号が付されている)に接続されまたは終端している。ノード1118は、金属(例えば、Cu)などの導電体で形成されている。かかるセグメントで形成された導電ライン1110は、任意の形状を有してよく、クラスタと見なされてよい。例えば、導電ライン1110(黒いラインセグメント)を含む1つのクラスタ1180が、図11において破線1180で囲まれている。その他のクラスタには、明確にするために符号が付されていない。導電ライン1110は、メモリスティブ層間コネクタ1140および導電層間コネクタ1160と疎結合されている(およびそれらのコネクタを介して疎結合されている)。図の実施形態において、各クラスタ1180は、1つの導電層間コネクタ1160および複数のメモリスティブ層間コネクタ1140と結合されている。したがって、各クラスタ1180は、1つの入力ニューロンと接続され、複数の出力ニューロンとメモリスティブに接続されている。他の実施形態において、その他の結合性も可能である。
【0089】
導電層間コネクタ1160は、絶縁体1101および任意の所望の下層(または上層)を通して入力ニューロンまで伸びている。いくつかの実施形態において、各導電層間コネクタ1160は、1つの入力ニューロンへ電気接続されている。メモリスティブ層間コネクタ1140は、絶縁体1101および任意の所望の下層(または上層)を通して出力ニューロンまで伸びている。いくつかの実施形態において、各メモリスティブ層間コネクタ1140は、1つの出力ニューロンへ接続されている。したがって、コネクタ1140および1160が電気的結合を提供するニューロンは、(導電層間コネクタ1160へ接続された)入力ニューロンおよび(メモリスティブ層間コネクタ1140へ接続された)出力ニューロンに分配されていると見なされうる。いくつかの実施形態において、導電層間コネクタ1160およびメモリスティブ層間コネクタ1140の役割は、入れ換えられてもよい。したがって、かかる実施形態では、メモリスティブ層間コネクタ1140が、入力ニューロンへ電気接続されてよく、一方、層間コネクタ1160が、出力ニューロンへ電気接続される。導電層間コネクタ1160が、メモリスティブ層間コネクタ1140に対応していてもよい。例えば、図の実施形態において、導電層間コネクタ1160およびメモリスティブ層間コネクタ1140は、対になっている。いくつかの実施形態において、導電層間コネクタ1160とメモリスティブ層間コネクタ1140との間に一対一の対応関係がある必要はない。
【0090】
メモリスティブデバイス1100において、個々のメモリスタ(すなわち、出力ニューロンに対する重み)は、個別にアドレスされうる。言い換えると、個々のメモリスタの抵抗(特定の層のためのメモリスティブ相互接続1140の部分)が、個別にプログラムされうる。例えば、符号の付されたクラスタ1180において、対応する導電ライン1110、導電ブランチ構造1114(符号の付されたクラスタ1180内では符号を付されていない)、および、導電層間コネクタ1160は、ノード(すべてが同じ電位にある/短絡されている)と見なされうる。個々の電圧差が、符号の付されたクラスタ1180内の導電層間コネクタ1160と、直接的に接続されているメモリスティブ層間接続1140(符号の付されたクラスタ1180について、1つのみに符号が付されている)のいずれかとの間に確立されうる。例えば、ゼロボルトの電圧が、入力ニューロン(すなわち、符号の付されたクラスタ1180の導電層間コネクタ1160)に接続されてよく、4ボルトの電圧が、クラスタ1180について、符号の付されたメモリスティブ層間コネクタ1140(ひいては、対応する出力ニューロン)に接続されてよい。導電ライン1110とメモリスティブ層間コネクタ1140のメモリスティブ部分とを通る電流が、対応する重みに対してプログラムされる。同様の手順が、符号の付されたクラスタ1180内のその他のメモリスティブ層間コネクタ1140のための重みをプログラムするために実行されてよい。重み(メモリスタの抵抗)は、類似した方法でその他のクラスタ1180に結合されているその他の出力ニューロンに対してプログラムされうる。したがって、メモリスティブデバイス1100において、メモリスティブ層間コネクタ1140を通して形成されたメモリスティブデバイスは、個別にプログラムされうる。
【0091】
さらに、メモリスティブデバイス1100は、入力ニューロンと出力ニューロンとの間に、様々なタイプの疎結合性(例えば、非常に疎な結合性、より密な疎結合性、局所的/短距離の結合性、長距離の結合性)を提供しうる。1つの層1111のみが示されているが、いくつかの実施形態が、異なる構成の格子、導電ライン1110、クラスタ1180、ならびに/もしくは、コネクタ1140および/または1160への接続を有する複数の層を備えてもよい。このように、様々な結合性と、結合パターンにおける高い柔軟性が提供されうる。これは、形成されうる結合パターンにおける高い柔軟性を可能にする。非常に疎な結合性から非常に密な結合性(それでも、おそらくは疎である)までの範囲が、層間および層内で提供されうる。さらに、層1111ひいてはメモリスティブデバイス1100の規則性(もしくは、不規則性およびランダム性)が、制御されうる。メモリスタが、メモリスティブ層間コネクタ1160に対して形成されるので、すべてのメモリスタの個々の制御が、層1111のネットワークにおいて提供されうる。さらに、導電格子クラスタ1180の形成、ひいては、結合性の程度およびタイプが、制御されうる。したがって、デバイス1100の加工と形成の再現性が改善されうる。いくつかの実施形態において、完全並列畳み込みが、可能でありうる。その結果として、ニューロンのかかる疎結合アレイを用いるデバイスの性能が改善されうる。
【0092】
図13A図13Eは、製造中の疎なニューラルアレイを備えているデバイス1200の一部の一実施形態を示す図である。明確にするために、メモリスティブデバイス1200の一部(すなわち、単一の層)のみが図示されており、図13A図13Eは、正確な縮尺ではない。簡単のために、一部の構造のみに符号が付されている。メモリスティブデバイス1200は、メモリスティブデバイス1100と類似している。メモリスティブデバイス1200は、方法580を用いて形成されてよく、方法580の文脈で説明されている。ただし、その他の技術が、メモリスティブデバイス1100の形成に用いられてもよい。
【0093】
図13Aは、方法580の工程590を用いて、絶縁体1201を通して導電層間コネクタ1260(黒丸、1つのみに符号が付されている)を形成した後のデバイス1200を示している。したがって、導電層間コネクタ1260は、リソグラフィで加工されている。導電層間コネクタ1260は、導電層間コネクタ1160と類似している。いくつかの実施形態において、金属ピラーが、すべての介在層を通して垂直に成長され、入力ニューロンに接続している。例えば、導電層間コネクタ1260は、図の層の下にあるCMOS内の入力ニューロンのアクソン(軸索)に接続してよい。
【0094】
図13Bは、方法580の工程588を用いて、絶縁体1201を通してメモリスティブ層間コネクタ1240(白丸、1つのみに符号が付されている)を形成した後のデバイス1200を示している。したがって、メモリスティブ層間コネクタは、リソグラフィによって提供されている。メモリスティブ層間コネクタ1240は、メモリスティブ層間コネクタ1140と類似している。いくつかの実施形態において、工程588は、(絶縁層1201を含む)層を通してビアをエッチングする工程と、すべての介在層を通して垂直にビアを被覆するメモリスティブ層を成長させる工程と、出力ニューロンへ接続するための導電(例えば、金属)ピラーを提供する工程と、を含む。例えば、メモリスティブ層間コネクタ1240は、図の層の下にあるノードCMOS内の出力ニューロンのデンドライト(樹状突起)に接続してよい。したがって、メモリスティブ層間コネクタ1240を通して、他の構成要素が、出力ニューロンにメモリスティブに接続されうる。
【0095】
図13Cは、方法580の工程582において、ニューロン間の結合を提供する導電ライン1210の格子を形成した後のデバイス1200を示している。導電ライン1210は、リソグラフィで形成されてよく、導電ライン1110と類似している。格子は、長方形格子上に形成され、導電格子クラスタ1280(3つのみに符号が付され、破線で囲まれている)を形成する導電ライン1210のセグメント(黒いライン)を備える。セグメントは、図の実施形態において、ノード1218に終端され、および/またはノード1218によって接続されている。いくつかの実施形態において、ノード1218を含む導電ライン1210は、金属である。低いセグメント密度を有する実施形態/領域は、局所的な接続を形成するために利用できる多くのクラスタを生成しうる。高いセグメント密度を有する実施形態/領域は、長距離の接続を形成するために利用できるより少ないクラスタを生成しうる。導電ライン1210のセグメントは、正方格子として形成されるよう図示されているが、その他の格子も可能である。例えば、導電ライン1210のセグメントは、対角線上に形成され、ノード1218によって接続されてもよい。
【0096】
図13Dは、導電ブランチセグメント1270(白い長方形、1つのみに符号が付されている)の形成後のデバイス1200を示している。導電ブランチセグメント1270は、導電ブランチセグメント1170と類似しており、金属ラインであってよく、入力ニューロンに接続されている。したがって、導電ブランチセグメント1270は、入力ラインと見なされてよい。いくつかの実施形態において、導電ブランチセグメント1270の加工は、方法580の工程582を用いて導電ライン1210を形成する一部と見なされてよい。他の実施形態において、導電ブランチセグメント1270の加工は、方法580の工程590を用いて導電層間コネクタ1260を形成する一部と見なされてよい。したがって、いくつかの実施形態において、導電ブランチセグメント1270は、リソグラフィで形成される。導電格子クラスタ1280が、入力導電ブランチセグメント1270を通して導電層間コネクタ120に接続されている。図の実施形態において、1つのみの導電層間コネクタ1260、ひいては、1つのみの入力ニューロンが、各導電格子クラスタ1280に接続されている。
【0097】
図13Eは、導電ブランチ構造1214(灰色のライン、一部のみに符号が付されている)の形成後のデバイス1200を示している。導電ブランチ構造1214は、導電ブランチ構造1114と類似しており、金属ラインであってよく、出力ニューロンに接続されている。したがって、導電ブランチ構造は、出力ラインと見なされてよい。いくつかの実施形態において、導電ブランチ構造1214の加工は、方法580の工程582を用いて導電ライン1210を形成する一部と見なされてよい。他の実施形態において、ブランチ構造1214の加工は、方法580の工程588を用いてメモリスティブ層間コネクタ1240を形成する一部と見なされてよい。したがって、いくつかの実施形態において、ブランチ構造1214は、リソグラフィで形成される。導電格子クラスタ1280が、導電ブランチ構造1214を通してメモリスティブ層間コネクタ1240に接続されている。図の実施形態において、複数のメモリスティブ層間コネクタ1240、ひいては、複数の出力ニューロンが、各導電格子クラスタ1280に接続されている。いくつかの実施形態において、層あたり出力ニューロンあたり4つまでの接続が許容される。したがって、かかる実施形態において、特定のメモリスティブ層間コネクタ1240が、4つ以下の(すなわち、1、2、3、または、4つの)導電格子クラスタ1280に接続されてよい。
【0098】
類似した処理が、方法580の工程584および586を用いて、さらなる層に対して繰り返されてよい。異なる導電格子クラスタ(例えば、異なるセグメントおよび/または異なる構成のセグメント)が、さらなる接続層の各々に対して形成されてよい。層の間に重複がなくてよい。層の間で異なる密度の接続/格子クラスタが、短距離および長距離の接続の両方を形成するために用いられてよい。
【0099】
メモリスティブデバイス1200は、メモリスティブデバイス1100と類似しており、メモリスティブデバイス1100の利点を共有する。したがって、メモリスティブデバイス1200は、個々のメモリスタ(すなわち、出力ニューロンに対する重み)が個別にアドレスされることを可能にする。このように、個々のメモリスタの抵抗(特定の層におけるメモリスティブ相互接続1240の部分)が、個別にプログラムされうる。さらに、メモリスティブデバイス1200は、入力ニューロンと出力ニューロンとの間に、様々なタイプの疎結合性(例えば、非常に疎な結合性、より密な疎結合性、局所的/短距離の結合性、長距離の結合性)を提供しうる。メモリスティブデバイスは、異なる構成の格子、導電ライン1210、クラスタ1280、ならびに/もしくは、コネクタ1240および/または1260への接続を有する複数の層を備えてもよい。このように、様々な結合性と、結合パターンにおける高い柔軟性が提供されうる。さらに、メモリスティブデバイス1200の個々の層は、リソグラフィによって決定論的かつ再現可能に加工される。メモリスティブデバイス1200の規則性(もしくは、不規則性およびランダム性)が、制御されうる。したがって、デバイス1200の加工と形成の再現性が改善されうる。その結果として、メモリスティブデバイス1200を用いるデバイスの性能が改善されうる。
【0100】
図14は、疎結合ニューラルアレイを利用するための方法1400の一実施形態を示すフローチャートである。明確にするために、一部の工程のみが図示されている。その他および/または追加の手順が、いくつかの実施形態において実行されてもよい。フローの文脈で説明されているが、方法1400における処理は、並列で実行されてもよく、および/または、インターリーブされてもよい。
【0101】
メモリスタが、工程1402で個別にプログラムされる。例えば、メモリスティブデバイス内の導電ラインが、工程1402で、メモリスティブ層間コネクタの導電部分に電圧を印加することによってアクセスされる。さらに、工程1402で、電圧が、導電ラインに結合されたノードに印加される。これは、導電ラインに結合された導電層間コネクタに電圧を印加する工程を含んでよい。この手順は、すべての所望のメモリスタが適切な重みに対してプログラムされるまで、繰り返される。次いで、メモリスタを組み込んだニューラルネットワークまたはその他のデバイスは、工程1404で利用されてよい。結果として得られた出力に基づいて、新たな重みが、デバイス内のメモリスタの一部または全部に対して求められてよい。その結果として、メモリスタの一部または全部が、工程1406で再プログラムされる。工程1406のために実行される手順は、工程1402の手順と類似している。工程1404および1406は、所望の出力が達成されるまで繰り返されてよい。
【0102】
例えば、デバイス1100において、工程1402で、符号の付されたクラスタ1180の導電層間コネクタ1160と、符号の付されたクラスタ1180の符号の付されたメモリスティブ層間コネクタ1140とに、異なる電圧が印加されてよい。導電ライン1110とメモリスティブ層間コネクタ1140のメモリスティブ部分とを通る電流が、対応する重みに対してプログラムされる。工程1402で、符号の付されたクラスタ1180内の他のメモリスティブ層間コネクタ1140と、メモリスティブデバイス1100の残り部分との重みをプログラムするために、同様の手順が実行されてよい。したがって、所望の重み(メモリスタの抵抗)が、メモリスティブデバイス1100に対して個別にプログラムされうる。次いで、メモリスティブデバイス1100は、工程1404で利用される。出力に基づいて、メモリスティブ層間コネクタ1140の内の1または複数のためのメモリスタが、工程1406で再プログラムされてよい。したがって、メモリスティブデバイス1100のための所望の重みが、決定され、個別に提供されうる。方法1400を利用すれば、メモリスティブデバイス1100の利点が達成され、メモリスティブデバイス1100を用いるデバイスの性能が改善されうる。
【0103】
上述の実施形態は、理解しやすいようにいくぶん詳しく説明されているが、本発明は、提供されている詳細事項に限定されるものではない。本発明を実施する多くの代替方法が存在する。開示されている実施形態は、例示であり、限定を意図するものではない。
[適用例1]メモリスティブデバイスであって、
第1複数の導電ラインを備える第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備える第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されていると共に前記第2複数の導電ラインの第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタとを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、メモリスティブデバイス。
[適用例2]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインは、第1方向に方向付けられている第1長軸を有し、前記第2複数の導電ラインは、第2方向に方向付けられている第2長軸を有し、前記第1方向は、前記第2方向と非ゼロの鋭角をなす、メモリスティブデバイス。
[適用例3]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの前記少なくとも一方の各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている複数の長軸を有する複数のラインセグメントを備える、メモリスティブデバイス。
[適用例4]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の各導電ラインは、非線形の部分を備え、少なくとも1つの不規則なネットワークを形成している、メモリスティブデバイス。
[適用例5]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインは、第1結合性を有し、前記第2複数の導電ラインは、第2結合性を有し、前記メモリスティブデバイスは、前記第1結合性よりも低く前記第2結合性よりも低い第3結合性を有する、メモリスティブデバイス。
[適用例6]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、さらに、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに対応する複数の導電層間コネクタを備え、
前記複数の導電層間コネクタは、前記第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、前記第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている、メモリスティブデバイス。
[適用例7]適用例6に記載のメモリスティブデバイスであって、さらに、
前記複数の導電層間コネクタの少なくとも一部に結合されている複数の入力ニューロンと、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合されている複数の出力ニューロンと、
を備える、メモリスティブデバイス。
[適用例8]適用例6に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインの前記第3部分および前記第2複数の導電ラインの前記第4部分の少なくとも一方は、複数のクラスタを含む、メモリスティブデバイス。
[適用例9]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方は、電気的に浮遊している、メモリスティブデバイス。
[適用例10]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記導電部分は、側壁を有する導電ピラーであり、
前記メモリスティブ部分は、前記側壁の少なくとも一部を囲んでいる、メモリスティブデバイス。
[適用例11]適用例1に記載のメモリスティブデバイスであって、前記第1複数の導電ラインの前記第1部分および前記第2複数の導電ラインの前記第2部分の少なくとも一方は各々、導電ブランチ構造によって前記複数のメモリスティブ層間コネクタに結合されている、メモリスティブデバイス。
[適用例12]適用例11に記載のメモリスティブデバイスであって、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々の前記メモリスティブ部分は、前記導電ブランチ構造に近接するメモリスティブ層を備える、メモリスティブデバイス。
[適用例13]ニューラルネットワークであって、
第1複数の導電ラインを備えている第1層と、前記第1複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
第2複数の導電ラインを備えている第2層と、前記第2層は前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは前記第1複数の導電ラインから絶縁され、前記第2複数の導電ラインはリソグラフィで規定され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分とメモリスティブに結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分とメモリスティブに結合されている複数のメモリスティブ層間コネクタと、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに結合されている複数のニューロンと、
を備える、ニューラルネットワーク。
[適用例14]方法であって、
第1層内に第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、
第2層内に第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定し、前記第2層は、前記第1層とは異なり、前記第2複数の導電ラインは、前記第1複数の導電ラインから絶縁され、
前記第1複数の導電ラインと疎結合されると共に前記第2複数の導電ラインと疎結合されるように、前記第1複数の導電ラインの第1部分と結合されると共に前記第2複数の導電ライン第2部分と結合された複数のメモリスティブ層間コネクタを提供することを備え、前記複数のメモリスティブ層間コネクタの各々は、導電部分およびメモリスティブ部分を備え、前記メモリスティブ部分は、前記導電部分と、前記第1複数の導電ラインまたは前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の少なくとも1つの対応するラインとの間に存在する、方法。
[適用例15]適用例14に記載の方法であって、
前記第1複数の導電ラインをリソグラフィで規定することは、さらに、前記第1複数の導電ラインのために第1方向に方向付けられている第1長軸を規定することを含み、
前記第2複数の導電ラインをリソグラフィで規定することは、さらに、第2方向に方向付けられている第2長軸を規定することを含み、
前記第1方向は、前記第2方向と非ゼロの鋭角をなす、方法。
[適用例16]適用例14に記載の方法であって、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方の各導電ラインは、複数の方向に方向付けられている複数の長軸を有する複数のラインセグメントを備える、方法。
[適用例17]適用例14に記載の方法であって、さらに、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタに対応する複数の導電層間コネクタを提供することを備え、前記複数の導電層間コネクタは、前記第1複数の導電ラインの第3部分に電気接続され、前記第2複数の導電ラインの第4部分に電気接続されている、方法。
[適用例18]適用例17に記載の方法であって、さらに、
前記複数の導電層間コネクタの少なくとも一部に結合された複数の入力ニューロンを提供し、
前記複数のメモリスティブ層間コネクタの少なくとも一部に結合された複数の出力ニューロンを提供すること、
を備える、方法。
[適用例19]適用例18に記載の方法であって、前記第1複数の導電ラインの前記第3部分および前記第2複数の導電ラインの前記第4部分の少なくとも一方は、複数のクラスタを含む、方法。
[適用例20]適用例14に記載の方法であって、前記第1複数の導電ラインおよび前記第2複数の導電ラインの少なくとも一方は、電気的に浮遊している、方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14