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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】光トランシーバー
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/427 20060101AFI20240723BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240723BHJP
   F28D 15/02 20060101ALI20240723BHJP
   H01L 23/36 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H01L23/46 B
H05K7/20 B
F28D15/02 M
H01L23/36 D
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022573927
(86)(22)【出願日】2021-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2021039431
(87)【国際公開番号】W WO2022149337
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】P 2021000705
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】アハメド モハマド シャヘッド
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 祐士
(72)【発明者】
【氏名】高宮 明弘
(72)【発明者】
【氏名】小川 剛
【審査官】豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-245356(JP,A)
【文献】特開2008-118357(JP,A)
【文献】特開2011-119564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D15/00 -15/06
H01L23/29
H01L23/34 -23/36
H01L23/373-23/427
H01L23/44
H01L23/467-23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒートシンクが設けられたケースと、
前記ケースに収容された発熱体と、
前記ケースの内壁面から突出し、前記発熱体と熱的に接触する熱伝導部と、
前記熱伝導部が前記発熱体から受けた熱を前記ヒートシンクに伝えるヒートパイプと、を備え、
前記ヒートパイプは、前記ケースに形成された溝に収容され、
前記ヒートパイプは、
前記ケースの内壁面に形成された前記溝に収容された収容部分と、
前記ケースの内壁面に形成された前記溝から突出し、前記熱伝導部を形成する突出部分と、を有する、光トランシーバー。
【請求項2】
前記突出部分は、前記収容部分に対して鈍角で曲がっている、請求項に記載の光トランシーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバーに関する。
本願は、2021年1月6日に日本に出願された特願2021-000705号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放熱手段として、TOSA(発光素子サブアセンブリ、Transmitter Optical Sub-Assembly)および筐体に接触したシート状のヒートパイプを用い、前記ヒートパイプとTOSAとは圧入部品の押圧力により接触が保持され、前記ヒートパイプと筐体とは押さえバネの押圧力によって接触が保持されることによって、それぞれ熱的に接続される光トランシーバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2008-118357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年の光トランシーバーの伝送速度の高速化に伴い、TOSAだけでなく、受信回路や送信回路などのケースに収容された発熱体の発熱量が増加しており、その冷却が課題となっている。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、受信回路や送信回路などのケースに収容された発熱体を効率よく冷却できる光トランシーバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る光トランシーバーは、ヒートシンクが設けられたケースと、前記ケースに収容された発熱体と、前記ケースの内壁面から突出し、前記発熱体と熱的に接触する熱伝導部と、前記熱伝導部が前記発熱体から受けた熱を前記ヒートシンクに伝えるヒートパイプと、を備える。
この構成によれば、ケースに収容された発熱体に対し、ケースの内壁面から突出した熱伝導部が熱的に接触するため、発熱体の熱は熱伝導部に伝わる。ヒートパイプは、熱伝導部が発熱体から受けた熱をヒートシンクに効率よく伝え、発熱体の放熱を促進させる。このため、受信回路や送信回路などのケースに収容された発熱体を効率よく冷却できる。
【0007】
上記光トランシーバーにおいて、前記ヒートパイプは、前記ケースに形成された溝に収容されていてもよい。
【0008】
上記光トランシーバーにおいて、前記ヒートパイプは、前記ケースの外壁面に形成された前記溝に収容されて、前記ケースの外壁面の表面以下に配置され、前記ヒートシンクは、前記ヒートパイプが収容された前記溝を閉塞するように、前記ケースの外壁面の表面に取り付けられていてもよい。
【0009】
上記光トランシーバーにおいて、前記発熱体を含む複数の発熱体が設けられ、前記熱伝導部を含む複数の熱伝導部が複数の前記発熱体ごとに設けられ、前記ヒートパイプは、複数の前記熱伝導部を通過するように配置されていてもよい。
【0010】
上記光トランシーバーにおいて、前記ヒートパイプは、前記ケースの内壁面に形成された前記溝に収容された収容部分と、前記ケースの内壁面に形成された前記溝から突出し、前記熱伝導部を形成する突出部分と、を有してもよい。
【0011】
上記光トランシーバーにおいて、前記突出部分は、前記収容部分に対して鈍角で曲がっていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明の一態様によれば、受信回路や送信回路などのケースに収容された発熱体を効率よく冷却できる光トランシーバーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る光トランシーバーの平面図である。
図2図1に示す矢視II-II断面図である。
図3】第1実施形態に係る発熱体に対するヒートパイプの配置を示すアッパーケースの平面図である。
図4】第1実施形態に係るヒートパイプ有りの光トランシーバーと、ヒートパイプ無しの従来の光トランシーバーの性能を比較した図である。
図5】第2実施形態に係る光トランシーバーの断面図である。
図6】第2実施形態に係る発熱体に対するヒートパイプの配置を示すアッパーケースの平面図である。
図7】第3実施形態に係る光トランシーバーの断面図である。
図8】第3実施形態に係る発熱体に対するヒートパイプの配置を示すアッパーケースの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光トランシーバー1の平面図である。
光トランシーバー1は、電気信号と光信号を相互に変換するためのデバイスである。光トランシーバー1は、データセンターなどの機器間を繋ぐデータネットワークで用いられ、近年の増加する帯域幅に伴い、高速化が進んでいる。
【0016】
光トランシーバー1は、ケース10と、ケース10に収容された回路基板20及び光モジュール21,22と、を備えている。ケース10は、平面視長方形の箱状に形成され、その長手方向の第1端部10Aに光ファイバーの挿入口10aが形成されている。なお、ケース10の長手方向の第2端部10Bには、外部装置と回路基板20とを接続可能とする外部端子(不図示)がケース10外に突出して設けられている。ケース10には、ヒートシンク13が設けられている。
【0017】
<方向定義>
ここで、本実施形態ではXYZ直交座標系を設定して各構成の位置関係を説明する。X方向は、ケース10の延びる長手方向である。Y方向は、ケース10およびヒートシンク13が積層された厚さ方向である。X方向およびY方向の双方に直交する方向をZ方向とする。以下、X方向を長手方向といい、Y方向を厚さ方向といい、Z方向を幅方向という。
【0018】
ケース10には、内部空間を仕切る仕切壁10bが設けられている。仕切壁10bには、光モジュール21,22が保持されている。光モジュール21,22のいずれか一方は、挿入口10aから挿入された受信側の光ファイバーを接続可能な受信レセプタクルを備えている。光モジュール21,22の他方は、挿入口10aから挿入された送信側の光ファイバーを接続可能な送信レセプタクルを備えている。
【0019】
ケース10の内部空間における、仕切壁10bより第2端部10B側には内部空間Sが形成されている。内部空間Sには回路基板20が収容されている。
回路基板20は、光モジュール21,22と接続されると共に、複数の発熱体23A,23B,23Cを備えている。発熱体23A,23B,23Cは、回路基板20の実装部品で比較的発熱量の多い受信回路または送信回路を含む。また、発熱体23A,23B,23Cの一つには、CPUや、クロックデータリカバリーチップ(CDRチップ)、トランスインピーダンスアンプチップ(TIAチップ)が含まれていてもよい。
【0020】
図2は、図1に示す矢視II-II断面図である。
ケース10は、図2に示すように、アッパーケース11と、ロアケース12を組み合わせて構成されている。ロアケース12は、上部が開口し、回路基板20を収容する箱状に形成されている。アッパーケース11は、ロアケース12の上部開口を閉塞する蓋状に形成されている。アッパーケース11は、内部空間Sを向く内壁面11aと、内壁面11aとは反対側を向く外壁面11bと、を有する。
【0021】
アッパーケース11の外壁面11b(上面)には、ヒートシンク13が取り付けられている。ヒートシンク13は、回路基板20の直上に配置されている。厚さ方向から見て、ヒートシンク13は回路基板20を覆うように配置されていてもよい。また、厚さ方向から見て、ヒートシンク13は、複数の発熱体23A,23B,23Cと重なるように配置されていてもよい。
ヒートシンク13は、平板状のベースプレート13aと、ベースプレート13aに立設する複数のフィン13bと、を備えている。ヒートシンク13は、放熱性の高い素材で構成されることが好ましく、例えば銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材で構成されていることが好ましい。
【0022】
アッパーケース11の内壁面11a(下面)には、熱伝導部30が設けられている。熱伝導部30は、アッパーケース11の内壁面11aに設けられた凸部である。熱伝導部30は、ケース10の内壁面11aから突出し、発熱体23Aの上面と熱的に接触している。熱伝導部30は、放熱シート31などのTIM(Thermal Interface Material)を介して発熱体23Aと熱的に接触している。熱伝導部30(アッパーケース11)は、熱伝導性の高い素材で構成されることが好ましく、例えば銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材で構成されていることが好ましい。
【0023】
アッパーケース11には、熱伝導部30が発熱体23Aから受けた熱をヒートシンク13に伝えるヒートパイプ40が設けられている。ヒートパイプ40は、作動流体の潜熱を利用する熱輸送素子である。このヒートパイプ40は、作動流体が内部に封入された扁平状のコンテナと、コンテナの内部に設けられた図示しないウイックと、を備えている。作動流体は、周知の相変化物質からなる熱輸送媒体であって、コンテナ内で液相と気相とに相変化する。例えば、作動流体として、水(純水)やアルコールやアンモニア等を採用できる。
【0024】
ヒートパイプ40は、ケース10に形成された溝11b1に収容されている。第1実施形態のヒートパイプ40は、ケース10の外壁面11bに形成された溝11b1に収容されて、ケース10の外壁面11bの表面以下に配置されている。すなわち、ヒートパイプ40が外壁面11bから突出しないよう、溝11b1の深さはヒートパイプ40の厚さと同等以上となっている。ヒートシンク13は、ヒートパイプ40が収容された溝11b1を閉塞するように、ケース10の外壁面11bに取り付けられる。
ヒートシンク13は、ヒートシンク13が収容された溝11b1を閉塞するように、ケース10の外壁面11bに放熱シート41などのTIMを介して取り付けられている。すなわち、ヒートシンク13の一部が溝11b1に収容されていてもよい。
ヒートシンク13とヒートパイプ40とは、放熱シート41などのTIMを介して熱的に接触するように配置されていてもよい。
【0025】
図3は、第1実施形態に係る発熱体23Aに対するヒートパイプ40の配置を示すアッパーケース11の平面図である。
図3に示すように、ヒートパイプ40は、発熱体23Aの直上を通るように直線状に延びている。ヒートパイプ40の全長は、図2に示すように、ヒートシンク13の全長以下でヒートシンク13の長手方向に延び、ベースプレート13aから飛び出さない程度の長さとなっている。ヒートパイプ40の幅は、発熱体23Aの幅よりも小さくてもよい。図3の例では、ヒートパイプ40の第1端部40a側に発熱体23Aは配置されており、第2端部40b側には発熱体は配置されていない。
【0026】
上記構成の光トランシーバー1によれば、図2に示すように、ケース10に収容された発熱体23Aに対し、ケース10の内壁面11aから突出した熱伝導部30が熱的に接触するため、発熱体23Aの熱は熱伝導部30に伝わる。ヒートパイプ40は、熱伝導部30が発熱体23Aから受けた熱をヒートシンク13に効率よく伝え、発熱体23Aの放熱を促進させる。特に、ヒートパイプ40において、発熱体23Aの熱が第2端部40b側へ輸送され、長手方向に沿って輸送された熱もヒートシンク13により放熱される。すなわち、ヒートパイプを有さない構成と比較し、本実施形態の光トランシーバー1は、ヒートパイプ40により熱がより広い面積にわたって輸送されるため、効率よく放熱させることができる。このため、受信回路や送信回路などのケース10に収容された発熱体23Aを効率よく冷却できる。
【0027】
図4は、第1実施形態に係るヒートパイプ40有りの光トランシーバー1と、ヒートパイプ40無しの従来の光トランシーバーの性能を比較した図である。図4のグラフの横軸は発熱体23Aにおける消費電力であり、縦軸は発熱体23Aの温度である。
図4に示すように、ヒートパイプ40有りの光トランシーバー1は、ヒートパイプ40無しの従来の光トランシーバーに比べて、発熱体23Aの温度を効果的に下げることができる。例えば、発熱体23Aの消費電力が12Wの場合は、13℃以上温度を下げることができる。
【0028】
このように、上述した第1実施形態によれば、光トランシーバー1は、ヒートシンク13が設けられたケース10と、ケース10に収容された発熱体23Aと、ケース10の内壁面11aから突出し、発熱体23Aと熱的に接触する熱伝導部30と、熱伝導部30が発熱体23Aから受けた熱をヒートシンク13に伝えるヒートパイプ40と、を備える。この構成を採用することによって、受信回路や送信回路などのケース10に収容された発熱体23Aを効率よく放熱できる光トランシーバー1を提供できる。
【0029】
また、本実施形態の光トランシーバー1では、ヒートパイプ40は、ケース10に形成された溝11b1に収容されている。この構成によれば、ヒートパイプ40とケース10との接触面積が大きくなり、熱伝導部30が得た熱を、ケース10を介してヒートパイプ40に効率よく伝えることができる。
【0030】
また、本実施形態の光トランシーバー1では、ヒートパイプ40は、ケース10の外壁面11bに形成された溝11b1に収容されて、ケース10の外壁面11bの表面以下に配置され、ヒートシンク13は、ヒートパイプ40が収容された溝11b1を閉塞するように、ケース10の外壁面11bの表面に取り付けられている。この構成によれば、ヒートパイプ40がケース10の外壁面11bから突出しないため、ヒートシンク13がケース10の外壁面11bに密着し易くなり、放熱性が高まる。
【0031】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0032】
図5は、第2実施形態に係る光トランシーバー1の断面図である。図6は、第2実施形態に係る発熱体23A,23Bに対するヒートパイプ40の配置を示すアッパーケース11の平面図である。
図5に示すように、第2実施形態の光トランシーバー1は、複数の発熱体23A,23Bに対して熱的に接触する複数の熱伝導部30A,30Bを備えている。つまり、アッパーケース11の内壁面11aには、発熱体23A,23Bにそれぞれ接触する複数の凸部が形成されている。
【0033】
図6に示すように、ヒートパイプ40は、平面視において角度θで曲がっており、発熱体23A,23Bの直上を通るように配置されている。つまり、ヒートパイプ40は、複数の熱伝導部30A,30Bを通過し、それぞれの熱伝導部30A,30Bから熱を受けることができるようになっている。なお、角度θは、ヒートパイプ40の内部空間を潰さないように鈍角であることが好ましい。なお、発熱体23Aの直上に配置されたヒートパイプ40の第1端部40aと反対側の第2端部40bは、作動流体の凝縮部となるため、発熱体23A,23Bから熱を受けないようにするとよい。
【0034】
上記構成の第2実施形態の光トランシーバー1によれば、発熱体23A,23Bごとに熱伝導部30A,30Bが設けられ、ヒートパイプ40は、複数の熱伝導部30A,30Bを通過するように配置されているため、発熱体23A,23Bのそれぞれの熱をヒートシンク13に効率よく伝え、発熱体23A,23Bの放熱を促進させることができる。このため、ケース10に収容された発熱体23A,23B(例えば受信回路及び送信回路の両方)を効率よく冷却できる。
【0035】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0036】
図7は、第3実施形態に係る光トランシーバー1の断面図である。図8は、第3実施形態に係る発熱体23Aに対するヒートパイプ40の配置を示すアッパーケース11の底面図である。
図7に示すように、第3実施形態の光トランシーバー1では、ヒートパイプ40が、ケース10の内壁面11aに形成された溝11a1に収容されている。
【0037】
ヒートパイプ40は、ケース10の内壁面11aに形成された溝11a1に収容された収容部分40Aと、ケース10の内壁面11aに形成された溝11a1から突出し、熱伝導部30を形成する突出部分40Bと、を有している。突出部分40Bは、収容部分40Aに対して鈍角θ1で曲がっている。また、突出部分40Bの先端部は、さらに鈍角θ2で曲がって、金属プレート42に接合されている。金属プレート42は、発熱体23Aの上面と放熱シート31などのTIMを介して熱的に接触している。
【0038】
上記構成の第3実施形態の光トランシーバー1によれば、ヒートパイプ40は、ケース10の内壁面11aに形成された溝11a1に収容された収容部分40Aと、ケース10の内壁面11aに形成された溝11a1から突出し、熱伝導部30を形成する突出部分40Bと、を有するため、ヒートパイプ40は、発熱体23Aから直接熱を受けることができる。このため、ヒートシンク13に効率よく熱を伝え、発熱体23Aの放熱を促進させることができる。
【0039】
また、第3実施形態の光トランシーバー1では、突出部分40Bは、収容部分40Aに対して鈍角θ1で曲がっているため、ヒートパイプ40の内部空間を潰さないように突出部分40Bを形成できる。なお、突出部分40Bの先端部も鈍角θ2で曲がっている理由は、同じである。
【0040】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0041】
例えば、図8に示すように、平面視において、ヒートパイプ40は曲がりながら長手方向に延びていてもよい。この際の曲がり角度は、鈍角としてもよい。また、ヒートパイプ40の第2端部40b側は、幅方向においてヒートシンク13の中央部分を延びるように配置されていてもよい。
【0042】
また、第1および第3実施形態において、1つの熱伝導部30がケース10に形成されている例を説明したが、この例に限定されない。例えば、複数の発熱体を効率よく冷却するために、発熱体の数に応じて複数の熱伝導部30や複数のヒートパイプ40が配置されていてもよい。
【0043】
上述した第3実施形態に係る光トランシーバー1の一部又は全部は、以下のように付記することができる。
【0044】
(付記)
ヒートシンクが設けられたケースと、
前記ケースに収容され、受信回路及び送信回路の少なくともいずれか一方を含む発熱体と、
一部が前記ケースの内壁面から突出し、前記発熱体と熱的に接触すると共に、前記発熱体から受けた熱を前記ヒートシンクに伝えるヒートパイプと、を備える、光トランシーバー。
【0045】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…光トランシーバー、10…ケース、11a…内壁面、11a1…溝、11b…外壁面、11b1…溝、13…ヒートシンク、23A…発熱体、30…熱伝導部、40…ヒートパイプ、40A…収容部分、40B…突出部分、θ1…鈍角
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8