(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0211 20230101AFI20240723BHJP
【FI】
G06Q30/0211
(21)【出願番号】P 2023024676
(22)【出願日】2023-02-20
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 康
(72)【発明者】
【氏名】松田 静香
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の利益が提供される前の利用者の行動と、当該利益が提供された
後の利用者の行動
とに関する行動情報を取得
し、記憶部に記憶する取得部と、
前記記憶部を参照し、前記行動情報に基づいて、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを
特定する
特定部と、
前記
特定部による
特定された、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する提供部と
を有
し、
前記取得部は、
前記利用者による所定の決済手段の利用履歴を示す前記行動情報を取得し、
前記特定部は、
前記利益が提供される前の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向とを特定する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記
特定部は、
前記利益が提供される前の前記利用者の前記決済手段による決済金額の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の前記決済手段による決済金額の傾向とを
特定する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記
特定部は、
所定の店舗に対する、前記利益が提供される前の前記利用者の前記決済手段による決済の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の前記決済手段による決済の傾向とを
特定する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記
特定部は、
前記決済手段において用いる口座に対する、前記利益が提供される前の前記利用者の入金の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の入金の傾向とを
特定する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記利用者の購入履歴を示す前記行動情報を取得し、
前記
特定部は、
前記利益が提供される前に前記利用者が購入した取引対象の傾向と、前記利益が提供された後に前記利用者が購入した取引対象の傾向とを
特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の利益が提供される前の利用者の行動と、当該利益が提供された
後の利用者の行動
とに関する行動情報を取得
し、記憶部に記憶する取得工程と、
前記記憶部を参照し、前記行動情報に基づいて、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを
特定する
特定工程と、
前記
特定工程による
特定された、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する提供工程と
を含
み、
前記取得工程は、
前記利用者による所定の決済手段の利用履歴を示す前記行動情報を取得し、
前記特定工程は、
前記利益が提供される前の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向とを特定する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
所定の利益が提供される前の利用者の行動と、当該利益が提供された
後の利用者の行動
とに関する行動情報を取得
し、記憶部に記憶する取得手順と、
前記記憶部を参照し、前記行動情報に基づいて、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを
特定する
特定手順と、
前記
特定手順による
特定された、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する提供手順と
をコンピュータに実行させ
、
前記取得手順は、
前記利用者による所定の決済手段の利用履歴を示す前記行動情報を取得し、
前記特定手順は、
前記利益が提供される前の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の前記決済手段による決済の回数の傾向とを特定する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利益(クーポン等)が提供された利用者に関する情報を管理するための技術が知られている。このような技術の一例として、顧客によるクーポンの実際の利用状況を把握するための技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握できるとは言えない。
【0005】
例えば、上述した技術では、来店状態と推定された顧客が利用可能なクーポンを特定し、特定された利用可能なクーポンが顧客により利用されなかったことを検出しているに過ぎず、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握できるとは言えない。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、所定の利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された行動情報に基づいて、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを推定する推定部と、前記推定部による推定された、前記利益が提供される前の前記利用者の行動の傾向と、前記利益が提供された後の前記利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する提供部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る店舗情報データベース31の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、利用者情報データベース32についての一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の情報処理装置等により実現される情報処理を説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、
図1では、本願に係る情報処理装置の一例である情報処理装置10によって、実施形態に係る情報処理などが実現されるものとする。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10と、利用者端末100と、事業者端末200とを含む。情報処理装置10、利用者端末100及び事業者端末200は、ネットワークN(例えば、
図2参照)を介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、
図1に示した情報処理システム1には、複数台の情報処理装置10、複数台の利用者端末100及び複数台の事業者端末200が含まれていてもよい。
【0013】
図1に示す情報処理装置10は、情報処理を行う情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報処理装置10は、自装置から利用者に提供される各種サービスにおける利用者の行動情報を取得し、取得した行動情報に基づいて、所定の利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、当該利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定し、推定したこれらの傾向を示すコンテンツを、所定の提供先に提供する。
【0014】
なお、情報処理装置10や、他のサーバ装置などが提供するサービスは、例えば、検索サービスや、ショッピングサービス、SNS(Social Networking Service)、路線検索サービス、地図提供サービス、旅行サービス、飲食店紹介サービス、施設予約サービス、天気予報サービス、スケジュール管理サービス、ニュース提供サービス、オークションサービス、動画コンテンツ配信サービス、金融取引(株取引等)サービス、ニュース記事提供サービスなどのサービスであってもよい。
【0015】
また、情報処理装置10は、利用者端末100を用いる電子決済に関する電子決済サービスを提供する。例えば、情報処理装置10は、取引対象の提供者や取引対象が提供される利用者の口座を管理しており、利用者からの決済要求に従って、口座間において電子マネーの移行等を行うことで、各種決済を実現する。なお、電子マネーとは、例えば、各種企業が独自に用いるポイントや通貨等であってもよく、日本円やドル等の国家により提供される貨幣を電子的に取引可能としたものであってもよい。
【0016】
また、情報処理装置10は、電子決済サービスにおいて利用者に付与され、電子決済サービスにおいて利用可能な利益(クーポン等)に関する利益情報(例えば、クーポンの適用対象である取引対象(商品)を識別する識別情報(商品ID)、クーポンにより利用者に付与される利益の内容、利用者にクーポンを提供する提供条件など)を、クーポンの提供者(言い換えると、クーポンの企画、設定等を行い、クーポンの原資を出資(提供)する者(事業者等))から受け付け、自装置の記憶部で管理する。
【0017】
図1に示す利用者端末100は、利用者によって利用される情報処理装置である。例えば、利用者端末100は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者端末100は、情報処理装置10や他のサーバ装置などによって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0018】
なお、
図1に示す例では、利用者端末100がスマートフォンである場合を示す。また、
図1に示す例では、利用者端末100を利用する利用者に応じて、利用者端末100を利用者端末100-1~100-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、利用者端末100-1は、利用者ID「U1」により識別される利用者(利用者U1)により使用される利用者端末100である。また、以下では、利用者端末100-1~100-Nについて、特に区別なく説明する場合には、利用者端末100と記載する。
【0019】
図1に示す事業者端末200は、店舗を管理する事業者によって利用される情報処理装置である。例えば、事業者端末200は、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PCや、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA等により実現される。また、事業者端末200は、情報処理装置10や他のサーバ装置などによって配信される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。
【0020】
なお、
図1に示す例では、事業者端末200がノート型PCである場合を示す。また、
図1に示す例では、事業者端末200を利用する事業者に応じて、事業者端末200を事業者端末200-1~200-N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、事業者端末200-1は、事業者ID「M1」により識別される事業者(事業者M1)により使用される事業者端末200である。また、以下では、事業者端末200-1~200-Nについて、特に区別なく説明する場合には、事業者端末200と記載する。
【0021】
〔1-1.利用者端末100を用いた決済について〕
ここで、情報処理装置10が実行する情報処理に先立ち、利用者端末100を用いた決済(電子決済)の一例について説明する。なお、以下の説明では、情報処理装置10から配信されるアプリケーションであって、利用者端末100を用いる電子決済用のアプリケーション(以下、単に「決済アプリ」と記載する場合がある)が利用者端末100にインストールされているものとする。また、以下の説明では、店舗に配置された2次元コード(QRコード(登録商標))であって、店舗を識別する店舗識別情報を示す2次元コードを用いて、利用者U1が利用者端末100-1を用いた決済を行う例について説明するが、実施形態は、これに限定されるものではない。以下に説明する決済の一例は、任意の利用者が任意の利用者端末100を用いて、任意の店舗にて決済を行う場合においても適用可能である。また、店舗識別情報は、QRコードのみならず、バーコードや所定のマーク、番号等であってもよい。
【0022】
例えば、利用者U1が店舗にて各種の商品やサービスといった決済対象(取引対象)の利用や購入に伴う決済を行う場合、利用者U1は、利用者端末100-1に予めインストールされた決済アプリを起動する。そして、利用者U1は、決済アプリを介して、店舗に設置された店舗識別情報を撮影する。このような場合、利用者端末100-1は、決済対象の価格を入力するための画面を表示し、利用者U1或いは店舗の店員から決済金額の入力を受け付ける。そして、利用者端末100-1は、利用者U1を識別する利用者識別情報と、店舗識別情報(若しくは、店舗識別情報が示す情報、すなわち、店舗を示す情報(例えば、店舗ID))と、決済金額とを示す決済情報を情報処理装置10へと送信する。
【0023】
このような場合、情報処理装置10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗識別情報が示す店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させる。そして、情報処理装置10は、決済が完了した旨の通知を利用者端末100-1へと送信する。このような場合、利用者端末100-1は、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力することで、電子マネーによる決済が行われた旨を通知する。
【0024】
なお、利用者端末100を用いた決済は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた決済は、店舗に設置された店舗端末を用いたものであってもよい。具体的な例を挙げると、利用者端末100-1は、利用者U1を識別するための利用者識別情報を画面上に表示させる。このような場合、店舗に設置された店舗端末は、利用者端末100-1に表示された利用者識別情報を読み取り、利用者識別情報(若しくは、利用者識別情報が示す情報、すなわち、利用者U1を示す情報(例えば、利用者ID))と、決済金額と、店舗を識別する情報とを示す決済情報を情報処理装置10へと送信する。このような場合、情報処理装置10は、利用者識別情報が示す利用者U1の口座から、店舗の口座へと、決済金額が示す額の電子マネーを移行させ、店舗の店舗端末或いは利用者端末100-1に対し、決済が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、決済が行われた旨を通知してもよい。
【0025】
また、利用者端末100を用いた決済は、利用者U1が予め電子マネーをチャージした口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1が予め登録したクレジットカードを用いた決済であってもよい。このような場合、例えば、利用者端末100は、店舗の口座に対して決済金額の電子マネーを移行させるとともに、利用者U1のクレジットカードの運用会社に対し、決済金額を請求してもよい。
【0026】
また、利用者端末100-1を用いた決済は、利用者U1の口座から店舗の口座へと電子マネーを移行させる処理のみならず、例えば、利用者U1の口座から他の利用者の口座へと電子マネーを移行させる決済(すなわち、利用者間での送金)であってもよい。例えば、送金元の利用者U1が利用する利用者端末100-1は、送金先の利用者を識別する利用者識別情報(例えば、送金先の利用者が利用する端末装置に表示される利用者識別情報)を読み取り、利用者U1から送金金額の入力を受け付け、読み取った識別情報と、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを示す情報を情報処理装置10へと送信する。このような場合、情報処理装置10は、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させ、利用者端末100-1或いは送金先の利用者が利用する端末装置に対し、送金が完了した旨の画面や所定の音声を出力させることで、送金が行われた旨を通知してもよい。
【0027】
なお、利用者端末100を用いた送金は、上述した処理に限定されるものではない。例えば、利用者端末100を用いた送金は、送金先の利用者の電話番号や、送金先の利用者を示す情報(例えば、利用者ID)を利用者端末100に入力することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、利用者端末100-1は、送金先の利用者の電話番号或いは利用者IDと、送金金額との入力を利用者U1から受け付け、入力された電話番号或いは利用者IDと、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを情報処理装置10へと送信する。そして、情報処理装置10は、利用者U1の口座から、送信された電話番号或いは利用者IDに紐づけられた利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0028】
ここで、送金先の利用者の電話番号や利用者IDは、当該利用者に関する情報と紐付けて決済アプリに予め登録されていてもよい。この場合、利用者端末100-1は、決済アプリに登録された利用者(送金先)の指定と、当該利用者への送金金額の入力とを利用者U1から受け付け、指定された利用者に紐付けられた電話番号或いは利用者IDと、送金金額と、利用者U1を識別する利用者識別情報とを情報処理装置10へと送信する。
【0029】
また、例えば、利用者端末100を用いた送金は、送金金額を受け取るためのリンク情報を送金先の利用者に提供することにより行われてもよい。具体的な例を挙げると、利用者端末100-1は、利用者U1から送金金額の入力を受け付けて送金金額を受け取るためのリンク情報を生成し、リンク情報を含む電子メールを送信したり、リンク情報を含む投稿情報をSNS(Social Networking Service)に投稿したりすることで、送金先の利用者が利用する端末装置にリンク情報を提供する。そして、送金先の利用者がリンク情報を選択して受け取り操作を行った場合、情報処理装置10は、利用者U1の口座から、送金先の利用者の口座へと、送金金額が示す額の電子マネーを移行させる。
【0030】
〔1-2.実施形態の概要について〕
ここで、利益(クーポン等)が提供された利用者に関する情報を管理するための技術が知られている。このような技術の一例として、顧客によるクーポンの実際の利用状況を把握するための技術が知られている。しかしながら、このような技術では、来店状態と推定された顧客が利用可能なクーポンを特定し、特定された利用可能なクーポンが顧客により利用されなかったことを検出しているに過ぎず、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握できるとは言えない。
【0031】
そこで、情報処理装置10は、実施形態に係る情報処理を実行する。以下、
図1を用いて、情報処理装置10が実行する提供処理について説明する。なお、以下の説明では、利用者端末100を利用者と同一視し、事業者端末200を事業者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者U1を利用者端末100-1、事業者M1-1を事業者端末200-1と読み替えることもできる。
【0032】
また、以下の説明では、情報処理装置10が、各エリアの地図情報や各エリアに所在する店舗等の情報を含むエリア情報を自装置の記憶部で管理しているものとする。例えば、情報処理装置10は、各エリアを識別する識別情報(エリアID)や、各エリアの所在情報(所在地や、範囲など)、各エリア内の地図情報、各エリアに所在する店舗に関する店舗情報(例えば、所在地や、取り扱う取引対象など)などを含むエリア情報を記憶する。なお、エリアは、任意の広さの範囲が適宜設定されてもよい。例えば、エリアは、緯度及び経度を基に同様の大きさの網の目(メッシュ)に分割されたものであってもよい。すなわち、エリアは、地域メッシュで区切られたエリアであってもよい。この場合、エリアIDには、地域メッシュコードが用いられてもよい。なお、上記は、一例であり、エリアは、地域メッシュに限らず種々の情報を基に設定されてもよい。例えば、エリアは、「町」、「区」、「市」、「県」等の行政区画を基に設定されてもよい。また、エリアは、商業施設(ショッピングセンターや、ホームセンター、アウトレットモール、地下街など)等の施設ごとに設定されてもよいし、通りや商店街などを基に設定されてもよい。
【0033】
まず、各利用者は、いずれかの店舗に訪問する(ステップS1)。例えば、各利用者は、いずれかの店舗に訪問し、決済アプリを用いて決済を行う。
【0034】
続いて、情報処理装置10は、利用者に対して、電子決済サービスにおいて利用可能な利益を提供する(ステップS2)。例えば、情報処理装置10は、クーポンの提供者である事業者により設定された提供条件に基づいて、電子決済サービスにおいて利用可能なクーポンを提供する。
【0035】
具体的な例を挙げると、店舗#1-1を管理する事業者M1-1は、同一エリア内の競合店である店舗#1-2の利用者を店舗#1-1へ誘引することを目的として、提供条件を「エリア#1を拠点(例えば、居住地や、勤務先、通学先など)とする利用者」や、「店舗#1-2の常連である利用者(例えば、店舗#1-2に対して決済アプリを用いて決済を行う頻度が所定の閾値以上である利用者)」などと設定した、店舗#1-1に対して利用可能なクーポン#1の提供要求を情報処理装置10に送信する。そして、情報処理装置10は、クーポン#1に設定された提供条件を満たす利用者に対して、クーポン#1を提供する。
【0036】
また、店舗#2-1を管理する事業者M2-1は、店舗#2-1が所在するエリア#2以外を拠点とする利用者を店舗#2-1へ誘引すること(すなわち、遠方からの来客を誘引すること)を目的として、提供条件を「エリア#2以外を拠点とする利用者」と設定した、店舗#2-1に対して利用可能なクーポン#2の提供要求を情報処理装置10に送信する。そして、情報処理装置10は、クーポン#2に設定された提供条件を満たす利用者に対して、クーポン#2を提供する。
【0037】
続いて、利益の提供を受けた各利用者は、いずれかの店舗に訪問する(ステップS3)。例えば、各利用者は、いずれかの店舗に訪問し、提供されたクーポンを利用し、決済アプリを用いて決済を行う。
【0038】
続いて、情報処理装置10は、利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を利用者端末100から取得する(ステップS4)。例えば、情報処理装置10は、利用者の決済アプリの利用履歴や、利用者の位置情報などを示す行動情報を取得する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、決済アプリを用いた決済の決済金額や、決済の頻度、決済先などを示す利用履歴を取得する。また、情報処理装置10は、利用者が訪問したエリアや、店舗の履歴を示す位置情報を取得する。
【0039】
続いて、情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する(ステップS5)。例えば、情報処理装置10は、クーポンが提供される前の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向とを推定する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の決済金額が所定の閾値以上高くなったか否かを推定する。また、情報処理装置10は、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の決済の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0040】
また、情報処理装置10は、クーポンの提供者である事業者が管理する店舗に関する、クーポンが提供される前の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向とを推定する。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に対する決済金額が所定の閾値以上高くなったか否かや、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に対する決済の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、クーポン#2が提供された後の利用者の店舗#2-1に対する決済金額が所定の閾値以上高くなったか否かや、クーポン#2が提供される前よりも、クーポン#2が提供された後の利用者の店舗#2-1に対する決済の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0041】
また、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-2に対する決済の頻度が減り、店舗#1-1に対する決済の頻度が増えたか否か(すなわち、クーポン#1を提供することにより、店舗#1-2を利用する利用者を店舗#1-1へ誘引できたか否か)を推定する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の店舗#2-1に対する決済の頻度が所定の閾値以上増えたか否か(すなわち、クーポン#2を提供することにより、エリア#2以外のエリアを拠点とする利用者を店舗#2-1へ誘引できたか否か)を推定する。
【0042】
また、情報処理装置10は、クーポンが提供される前の利用者の位置情報の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定する。例えば、情報処理装置10は、クーポンの提供者である事業者が管理する店舗に関する、クーポンが提供される前の利用者の位置情報の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、利用者が店舗#1-1に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否かや、クーポン#1が提供される前よりも、クーポンが提供された後で、店舗#1-1に訪問した利用者の移動距離が所定の閾値以上変化したか否か(例えば、店舗#1-1からどの程度離れた位置に居住する利用者が、店舗#1-1に訪問するようになったか)を推定する。また、クーポン#2が提供される前よりも、クーポン#2が提供された後で、利用者が店舗#2-1に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否かや、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後で、店舗#2-1に訪問した利用者の移動距離が所定の閾値以上変化したか否かを推定する。
【0043】
また、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-2への訪問の頻度が減り、店舗#1-1に対する訪問の頻度が増えたか否か(すなわち、クーポン#1を提供することにより、店舗#1-2を利用する利用者を店舗#1-1へ誘引できたか否か)を推定する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、エリア#2以外のエリアを拠点とする利用者が店舗#2-1に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否か(すなわち、クーポン#2を提供することにより、エリア#2以外のエリアを拠点とする利用者を店舗#2-1へ誘引できたか否か)を推定する。
【0044】
続いて、情報処理装置10は、推定した利用者の行動の傾向を示すコンテンツを事業者端末200に提供する(ステップS6)。例えば、情報処理装置10は、事業者M1-1に対して、クーポン#1が提供される前の利用者の行動の傾向と、クーポン#1が提供された後の利用者の行動の傾向と変化したか否かや、変化の度合いなどを示すコンテンツを提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前後での、店舗#1-1に対する決済の頻度や、決済金額、利用者が店舗#1-1に訪問する頻度、利用者の移動距離が所定の閾値以上変化したか否かや、変化の度合いを示すコンテンツを提供する。また、情報処理装置10は、事業者M1-1に対して、クーポン#1を提供することにより、店舗#1-2を利用する利用者を店舗#1-1へ誘引できたか否かを示すコンテンツを提供する。
【0045】
また、例えば、情報処理装置10は、事業者M2-1に対して、クーポン#2が提供される前の利用者の行動の傾向と、クーポン#2が提供された後の利用者の行動の傾向とが変化したか否かや、変化の度合いなどを示すコンテンツを提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前後での、店舗#2-1に対する決済の頻度や、決済金額、利用者が店舗#2-1に訪問する頻度、利用者の移動距離が所定の閾値以上変化したか否かや、変化の度合いなどを示すコンテンツを提供する。また、情報処理装置10は、クーポン#2を提供することにより、エリア#2以外のエリアを拠点とする利用者を店舗#2-1へ誘引できたか否かを示すコンテンツを提供する。
【0046】
なお、情報処理装置10は、推定した利用者の傾向を示すコンテンツを、情報処理装置10の管理者に提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、利用者ごとに、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の決済金額が所定の閾値以上高くなったか否かや、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の決済の頻度が増えたか否か(すなわち、クーポンが提供されることにより、消費行動が活発となるか否か)を示すコンテンツを提供する。また、情報処理装置10は、利用者ごとに、クーポンが提供される前から、クーポンが提供された後で、利用者が店舗に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否かや、クーポンが提供される前から、クーポンが提供された後で、利用者が訪問するエリアが変化したか否か(すなわち、クーポンが提供されることにより、訪問する店舗やエリアが変化するか否か)を示すコンテンツを提供する。
【0047】
以上のように、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供する。これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握することができる。
【0048】
また、実施形態に係る情報処理装置10は、クーポンの提供者に対し、当該クーポンを提供した前後での利用者の行動の変化を示すコンテンツを提供することができるため、提供者がクーポンの効果を把握することができる。また、実施形態に係る情報処理装置10は、情報処理装置10の管理者に対し、各利用者にクーポンが提供された前後でどのように行動を変化するかを示すコンテンツを提供することができるため、いずれの利用者に対してクーポンを提供した際に、どのような行動の変化が起きるかを把握することができる。
【0049】
〔2.その他の処理例〕
なお、上述した処理は一例に過ぎず、情報処理装置10は、様々な情報を用いて様々な処理を行ってもよい。この点について、以下例示を列挙する。
【0050】
〔2-1.口座への入金の傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、決済アプリにおいて利用者が保有する口座に対する、利益が提供される前の利用者の入金の傾向と、利益が提供された後の利用者の入金の傾向とを推定してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポンが提供された後、口座にクーポンを利用するための最低限の金額(例えば、クーポンを利用可能な取引対象を購入するための最低限の金額)を入金するか否かや、一定以上の金額を入金するか否かの傾向を推定する。言い換えると、情報処理装置10は、利用者が、決済アプリを利用する際に際に最低限の金額を入金して決済を行う利用者であるか、若しくは、一度に一定の金額を入金してから使い切る利用者であるかを推定し、推定した結果を示すコンテンツを情報処理装置10の管理者に提供する。
【0051】
なお、情報処理装置10は、クーポンが提供される前後での、口座入金を行うタイミングの変化を推定し、推定した結果を示すコンテンツを提供してもよい。
【0052】
〔2-2.検索クエリの傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利用者の検索履歴を示す行動情報を取得し、利益が提供される前に利用者が入力した検索クエリの傾向と、利益が提供された後に利用者が入力した検索クエリの傾向とを推定してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に関連する検索クエリ(例えば、検索クエリ「店舗#1-1」や、クーポン#1が利用可能な取引対象を示す検索クエリなど)の入力の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M1-1に提供する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の店舗#2-1に関連する検索クエリの入力の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M2-1に提供する。
【0053】
〔2-3.所定のサービスへの投稿の傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、SNS(Social Networking Service)等の所定のサービスに対する利用者の投稿履歴を示す行動情報を取得し、利益が提供される前の利用者によるサービスへの投稿の傾向と、利益が提供された後の利用者によるサービスへの投稿の傾向とを推定してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に関連する投稿(例えば、店舗#1-1を示す画像若しくは文字列を含む投稿や、クーポン#1が利用可能な取引対象を示す画像若しくは文字列を含む投稿など)の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M1-1に提供する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の店舗#2-1に関連する投稿の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M2-1に提供する。
【0054】
〔2-4.取引対象の購入の傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利用者の購入履歴を示す行動情報を取得し、利益が提供される前に利用者が購入した取引対象の傾向と、利益が提供された後に利用者が購入した取引対象の傾向とを推定してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、クーポン#1が利用可能な取引対象の購入の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M1-1に提供する。また、情報処理装置10は、クーポン#2が提供される前よりも、クーポン#2が提供された後で、クーポン#2が利用可能な取引対象の購入の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定し、推定した結果を示すコンテンツを事業者M2-1に提供する。
【0055】
〔2-5.利用者の属性ごとの傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利益が提供される前後での利用者の行動の傾向を、利用者の属性ごとに示すコンテンツを提供してもよい。例えば、情報処理装置10は、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性に基づくカテゴリに利用者を分類し、各カテゴリに属する各利用者群における、利益が提供される前後での利用者の行動の傾向を示すコンテンツを、事業者や、情報処理装置10の管理者などに提供する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、いずれの属性を有する利用者の店舗#1-1への訪問が増えたかを示すコンテンツを事業者M1-1に提供する。
【0056】
〔2-6.モデルを用いた情報の出力について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利益に関する利益情報が入力された場合に、当該利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、当該利益が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を示す情報を出力するようにモデルを学習し、新たな利益に関する利益情報を当該モデルに入力し、当該モデルから出力された情報に基づいて、当該利益の効果を示す情報を出力してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1に関する利益情報を入力した場合に、クーポン#1が提供される前の利用者の行動の傾向と、クーポン#1が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を出力するようにモデルを学習する。具体的な例を挙げると、クーポン#1が提供される前後での、店舗#1-1に対する利用者の決済金額の差分、決済の頻度の差分、訪問する頻度の差分、利用者の移動距離の差分を出力するようにモデルを学習する。そして、情報処理装置10は、事業者から新たなクーポンに関する利益情報を受け付けた場合に、当該利益情報をモデルに入力し、出力された情報に基づいて、新たなクーポンを提供した場合の効果を示す情報を、当該事業者に出力する。
【0057】
なお、情報処理装置10は、エリアごとにモデル(言い換えると、所定の商圏の特徴を学習したモデル)を生成してもよい。例えば、情報処理装置10は、エリア#1に所在する店舗を管理する事業者により提供されるクーポンによる利用者の行動の傾向の変化をモデル#1に学習させる。そして、情報処理装置10は、エリア#1に所在する店舗を管理する事業者により提供される新たなクーポンに関する情報をモデル#1に入力し、出力された情報に基づいて、新たなクーポンを提供した場合の効果を示す情報を、当該事業者に出力する。
【0058】
ここで、モデルの学習には、任意の公知技術が適用可能であり、学習データとして用いられる関連情報に応じて適宜選択された学習手法が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、機械学習に関する種々の従来技術(例えば、SVM(Support Vector Machine)等の教師あり学習の機械学習に関する技術)を用いて行われてもよい。また、モデルの学習には、深層学習(ディープラーニング)の技術が用いられてもよい。例えば、モデルの学習には、RNN(Recurrent Neural Network)やCNN(Convolutional Neural Network)等の種々のディープラーニングの技術が用いられてもよい。
【0059】
〔2-7.店舗の利用日時の傾向について〕
図1の例において、情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の店舗の利用日時の傾向と、利益が提供された後の利用者の店舗の利用日時の傾向とを推定してもよい。例えば、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者が、店舗#1-1へ決済若しくは来店する日時が変化したか否かを推定する。具体的な例を挙げると、情報処理装置10は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、いずれの曜日に店舗#1-1へ決済若しくは来店する利用者が所定の閾値以上増加したか否かや、いずれの時間帯に店舗#1-1へ決済若しくは来店する利用者が所定の閾値以上増加したか否かを推定する。そして、情報処理装置10は、推定した結果を示すコンテンツを事業者M1-1に提供する。
【0060】
ここで、店舗#1-2を管理する事業者M1-2が、ランチタイムに店舗#1-2へ利用者を誘引することを目的として、利用可能な時間帯を「11時~14時」と設定した、店舗#1-2に対して利用可能なクーポン#3の提供要求を情報処理装置10に送信したものとする。このような場合、情報処理装置10は、クーポン#3が提供される前よりも、クーポン#3が提供された後で、「11時~14時」の時間帯に店舗#1-2へ決済若しくは来店する利用者が所定の閾値以上増加したか否かを推定する。そして、情報処理装置10は、推定した結果を示すコンテンツを事業者M1-2に提供する。
【0061】
〔3.情報処理装置の構成〕
次に、
図2を用いて、情報処理装置10の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0062】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100や、事業者端末200等との間で情報の送受信を行う。
【0063】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図2に示すように、記憶部30は、店舗情報データベース31と、利用者情報データベース32と、モデルデータベース33とを有する。
【0064】
(店舗情報データベース31について)
店舗情報データベース31は、店舗に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図3を用いて、店舗情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。
図3は、実施形態に係る店舗情報データベース31の一例を示す図である。
図3の例において、店舗情報データベース31は、「店舗ID」、「所在情報」、「利益情報」といった項目を有する。
【0065】
「店舗ID」は、店舗を識別するための識別情報を示す。「所在情報」は、店舗の所在地(例えば、住所や、属するエリアなど)を示す。「利益情報」は、店舗の管理者である事業者によって設定された利益に関する情報を示す。
【0066】
すなわち、
図3では、店舗ID「SID#1」により識別される店舗の所在情報が「所在情報#1」、利益情報が「利益情報#1」である例を示す。
【0067】
(利用者情報データベース32について)
利用者情報データベース32は、利用者に関する各種の情報を記憶する。ここで、
図4を用いて、利用者情報データベース32が記憶する情報の一例を説明する。
図4は、利用者情報データベース32についての一例を示す図である。
図4の例において、利用者情報データベース32については、「利用者ID」、「属性情報」、「利用履歴」、「位置情報」、「検索履歴」、「投稿履歴」、「購入履歴」などといった項目を有する。
【0068】
「利用者ID」は、利用者を識別するための識別情報を示す。「属性情報」は、利用者の属性を示す。「利用履歴」は、決済アプリの利用履歴を示す。「位置情報」は、利用者の位置情報(例えば、位置の履歴や、その位置に所在した日時など)を示す。「検索履歴」は、情報処理装置10や、他のサーバ装置などが提供するサービスにおける利用者の検索履歴を示す。「投稿履歴」は、情報処理装置10や、他のサーバ装置などが提供するサービスにおける利用者の投稿履歴を示す。「購入履歴」は、決済アプリを用いて購入した取引対象の履歴を示す。
【0069】
すなわち、
図4では、利用者ID「UID#1」により識別される利用者の属性情報が「属性情報#1」、利用履歴が「利用履歴#1」、位置情報が「位置情報#1」、検索履歴が「検索履歴#1」、投稿履歴が「投稿履歴#1」、購入履歴が「購入履歴#1」である例を示す。
【0070】
(モデルデータベース33について)
モデルデータベース33は、利益に関する情報が入力された場合に、当該利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、当該利益が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を示す情報を出力するように学習されたモデルを記憶する。
【0071】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、
図3に示すように、取得部41と、推定部42と、提供部43と、学習部44と、出力部45とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0072】
(取得部41について)
取得部41は、所定の利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得する。例えば、
図1の例において、取得部41は、利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を利用者端末100から取得し、利用者情報データベース32に格納する。
【0073】
また、取得部41は、利用者による所定の決済手段の利用履歴を示す行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者の決済アプリの利用履歴を示す行動情報を利用者端末100から取得する。
【0074】
また、取得部41は、利用者の位置情報を示す行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者の位置情報を示す行動情報を利用者端末100から取得する。
【0075】
また、取得部41は、利用者の検索履歴を示す行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者の検索履歴を示す行動情報を利用者端末100から取得する。
【0076】
また、取得部41は、所定のサービスに対する利用者の投稿履歴を示す行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、SNS等の所定のサービスに対する利用者の投稿履歴を示す行動情報を利用者端末100から取得する。
【0077】
また、取得部41は、利用者の購入履歴を示す行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、利用者の購入履歴を示す行動情報を利用者端末100から取得する。
【0078】
また、取得部41は、所定の店舗に対して利用可能な利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得してもよい。例えば、
図1の例において、取得部41は、店舗#1-1に対して利用可能なクーポン#1や、店舗#2-1に対して利用可能なクーポン#2が提供された利用者の行動に関する行動情報を利用者端末100から取得する。
【0079】
(推定部42について)
推定部42は、取得部41により取得された行動情報に基づいて、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する。例えば、
図1の例において、推定部42は、利用者情報データベース32を参照し、クーポン#1や#2が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する。
【0080】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の利用履歴の傾向と、利益が提供された後の利用者の利用履歴の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポンが提供される前の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向とを推定する。
【0081】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済金額の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済金額の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の決済金額が所定の閾値以上高くなったか否かを推定する。
【0082】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済の回数の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済の回数の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポンが提供される前よりも、クーポンが提供された後の利用者の決済の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0083】
また、推定部42は、所定の店舗に対する、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポンの提供者である事業者が管理する店舗に関する、クーポンが提供される前の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の決済アプリの利用履歴の傾向とを推定する。
【0084】
また、推定部42は、決済手段において用いる口座に対する、利益が提供される前の利用者の入金の傾向と、利益が提供された後の利用者の入金の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、決済アプリにおいて利用者が保有する口座に対する、利益が提供される前の利用者の入金の傾向と、利益が提供された後の利用者の入金の傾向とを推定する。
【0085】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の位置情報の傾向と、利益が提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポンが提供される前の利用者の位置情報の傾向と、クーポンが提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定する。
【0086】
また、推定部42は、利益が提供される前に利用者が訪問した店舗の傾向と、利益が提供された後に利用者が訪問した店舗の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、利用者が店舗#1-1に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否かや、クーポン#1が提供される前よりも、クーポンが提供された後で、店舗#1-1に訪問した利用者の移動距離が所定の閾値以上変化したか否かを推定する。
【0087】
また、推定部42は、所定の店舗に対する、利益が提供される前の利用者の訪問の傾向と、利益が提供された後の利用者の訪問の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-2への訪問の頻度が減り、店舗#1-1に対する訪問の頻度が増えたか否かを推定する。また、推定部42は、クーポン#2が提供される前よりも、エリア#2以外のエリアを拠点とする利用者が店舗#2-1に訪問する頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0088】
また、推定部42は、利益が提供される前に利用者が入力した検索クエリの傾向と、利益が提供された後に利用者が入力した検索クエリの傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に関連する検索クエリの入力の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0089】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者によるサービスへの投稿の傾向と、利益が提供された後の利用者によるサービスへの投稿の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に関連する投稿の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0090】
また、推定部42は、利益が提供される前に利用者が購入した取引対象の傾向と、利益が提供された後に利用者が購入した取引対象の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前よりも、クーポン#1が提供された後で、クーポン#1が利用可能な取引対象の購入の頻度が所定の閾値以上増えたか否かを推定する。
【0091】
また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の店舗に関連する行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の店舗に関連する行動の傾向とを推定してもよい。例えば、
図1の例において、推定部42は、クーポン#1が提供される前の利用者の店舗#1-1に関連する行動の傾向と、クーポン#1が提供された後の利用者の店舗#1-1に関連する行動の傾向とを推定する。
【0092】
(提供部43について)
提供部43は、推定部42による推定された、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する例えば、
図1の例において、提供部43は、推定部42による推定された利用者の行動の傾向を示すコンテンツを事業者端末200に提供する。
【0093】
また、提供部43は、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを、利用者の属性ごとに示すコンテンツを提供してもよい。例えば、
図1の例において、提供部43は、デモグラフィック属性やサイコグラフィック属性に基づくカテゴリに利用者を分類し、各カテゴリに属する各利用者群における、利益が提供される前後での利用者の行動の傾向を示すコンテンツを提供する。
【0094】
(学習部44について)
学習部44は、利益に関する情報が入力された場合に、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を示す情報を出力するようにモデルを学習する。例えば、
図1の例において、学習部44は、クーポン#1に関する利益情報を入力した場合に、クーポン#1が提供される前の利用者の行動の傾向と、クーポン#1が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を出力するようにモデルを学習する。
【0095】
(出力部45について)
出力部45は、新たな利益に関する情報をモデルに入力し、モデルから出力された情報に基づいて、当該利益の効果を示す情報を出力する。例えば、
図1の例において、出力部45は、事業者から新たなクーポンに関する利益情報を受け付けた場合に、当該利益情報をモデルに入力し、出力された情報に基づく情報を、当該事業者に出力する。
【0096】
〔4.情報処理のフロー〕
図5を用いて、実施形態に係る情報処理装置10の情報処理の手順について説明する。
図5は、実施形態に係る情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0097】
図5に示すように、情報処理装置10は、所定の利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得したか否かを判定する(ステップS101)。行動情報を取得していない場合(ステップS101;No)、情報処理装置10は、行動情報を取得されるまで待機する。
【0098】
一方、行動情報を取得された場合(ステップS101;Yes)、情報処理装置10は、行動情報に基づいて、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する(ステップS102)。続いて、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供し(ステップS103)、処理を終了する。
【0099】
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0100】
〔5-1.処理態様について〕
上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、逆に、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文章中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0101】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0102】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0103】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置10は、取得部41と、推定部42と、提供部43と、学習部44と、出力部45とを有する。取得部41は、所定の利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得する。推定部42は、取得部41により取得された行動情報に基づいて、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する。提供部43は、推定部42による推定された、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する。学習部44は、利益に関する情報が入力された場合に、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向との変化を示す情報を出力するようにモデルを学習する。出力部45は、新たな利益に関する情報をモデルに入力し、モデルから出力された情報に基づいて、当該利益の効果を示す情報を出力する。
【0104】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握することができる。
【0105】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、利用者による所定の決済手段の利用履歴を示す行動情報を取得する。推定部42は、利益が提供される前の利用者の利用履歴の傾向と、利益が提供された後の利用者の利用履歴の傾向とを推定してもよい。そして、推定部42は、利益が提供される前の利用者の利用履歴の傾向と、利益が提供された後の利用者の利用履歴の傾向とを推定する。また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済金額の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済金額の傾向とを推定する。また、推定部42は、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済の回数の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済の回数の傾向とを推定する。また、推定部42は、所定の店舗に対する、利益が提供される前の利用者の決済手段による決済の傾向と、利益が提供された後の利用者の決済手段による決済の傾向とを推定する。また、推定部42は、決済手段において用いる口座に対する、利益が提供される前の利用者の入金の傾向と、利益が提供された後の利用者の入金の傾向とを推定する。
【0106】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の所定の決済手段の利用履歴の傾向と、利益が提供された後の利用者の所定の決済手段の利用履歴の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後での所定の決済手段の利用の傾向を把握することができる。
【0107】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、利用者の位置情報を示す行動情報を取得する。そして、推定部42は、利益が提供される前の利用者の位置情報の傾向と、利益が提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定する。また、推定部42は、利益が提供される前に利用者が訪問した店舗の傾向と、利益が提供された後に利用者が訪問した店舗の傾向とを推定する。また、推定部42は、所定の店舗に対する、利益が提供される前の利用者の訪問の傾向と、利益が提供された後の利用者の訪問の傾向とを推定する。
【0108】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前の利用者の位置情報の傾向と、利益が提供された後の利用者の位置情報の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後での位置情報の傾向を把握することができる。
【0109】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、利用者の検索履歴を示す行動情報を取得する。そして、推定部42は、利益が提供される前に利用者が入力した検索クエリの傾向と、利益が提供された後に利用者が入力した検索クエリの傾向とを推定する。
【0110】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前に利用者が入力した検索クエリの傾向と、利益が提供された後に利用者が入力した検索クエリの傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後で入力した検索クエリの傾向を把握することができる。
【0111】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、所定のサービスに対する利用者の投稿履歴を示す行動情報を取得する。そして、推定部42は、利益が提供される前の利用者によるサービスへの投稿の傾向と、利益が提供された後の利用者によるサービスへの投稿の傾向とを推定する。
【0112】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前に利用者の投稿の傾向と、利益が提供された後の利用者の投稿の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後における所定のサービスへの投稿の傾向を把握することができる。
【0113】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、利用者の購入履歴を示す行動情報を取得する。そして、推定部42は、利益が提供される前に利用者が購入した取引対象の傾向と、利益が提供された後に利用者が購入した取引対象の傾向とを推定する。
【0114】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利益が提供される前に利用者が購入した取引対象の傾向と、利益が提供された後に利用者が購入した取引対象の傾向とを推定し、推定した傾向を示すコンテンツを提供することができるため、利用者に利益が提供された前後における取引対象の購入の傾向を把握することができる。
【0115】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、取得部41は、所定の店舗に対して利用可能な利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得する。そして、推定部42は、利益が提供される前の利用者の店舗に関連する行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の店舗に関連する行動の傾向とを推定する。
【0116】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、店舗を管理するクーポンの提供者に対し、当該クーポンを提供した前後での当該店舗に対する利用者の行動の変化を示すコンテンツを提供することができるため、提供者がクーポンの効果を把握することができる。
【0117】
また、実施形態に係る情報処理装置10において、例えば、提供部43は、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを、利用者の属性ごとに示すコンテンツを提供する。
【0118】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10は、利用者の属性ごとに、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供することができるため、利用者の属性ごとに、利益が提供された前後における行動の傾向を把握することができる。
【0119】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報処理装置10は、例えば、
図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報処理装置10を例に挙げて説明する。
図6は、情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0120】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0121】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0122】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0123】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0124】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報処理装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0125】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0126】
また、上述した情報処理装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0127】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、受付部は、受付手段や受付回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0128】
10 情報処理装置
20 通信部
30 記憶部
31 店舗情報データベース
32 利用者情報データベース
33 モデルデータベース
40 制御部
41 取得部
42 推定部
43 提供部
44 学習部
45 出力部
100 利用者端末
200 事業者端末
【要約】
【課題】利用者に利益が提供された前後での行動の傾向を把握する。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、所定の利益が提供された利用者の行動に関する行動情報を取得する取得部と、取得部により取得された行動情報に基づいて、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを推定する推定部と、推定部による推定された、利益が提供される前の利用者の行動の傾向と、利益が提供された後の利用者の行動の傾向とを示すコンテンツを提供する提供部とを有することを特徴とする。
【選択図】
図2