▶ ウーブン・プラネット・ホールディングス株式会社の特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】車両広告システム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0242 20230101AFI20240723BHJP
G06Q 30/0251 20230101ALI20240723BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240723BHJP
【ＦＩ】
G06Q30/0242
G06Q30/0251
G08G1/00 A
【請求項の数】
14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023025348
(22)【出願日】2023-02-21
(65)【公開番号】P2023147201
(43)【公開日】2023-10-12
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】17/707,871
(32)【優先日】2022-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521042770
【氏名又は名称】ウーブン・バイ・トヨタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】橋本 大輔
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開２０１３－０２０４３２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２１－１０１２６５（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０１４－０５２５１８（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２１－０３６３６６（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２０－０５２０７２（ＪＰ，Ａ）
【文献】特表２０１０－５１９６０４（ＪＰ，Ａ）
【文献】米国特許出願公開第２０１９／０２６８７４３（ＵＳ，Ａ１）
【文献】国際公開第２０１８／２３０７０４（ＷＯ，Ａ１）
【文献】米国特許出願公開第２００２／００６５０４６（ＵＳ，Ａ１）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｇ０６Ｑ １０／００－９９／００
Ｇ０８Ｇ １／００
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動式広告システムであって、命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的なコンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
広告車両を観察している観察車両の乗員の視線データを前記観察車両から受信し、
前記広告車両の場所情報を前記広告車両から受信し、
前記視線データを前記場所情報と相関させて、前記視線データが前記広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別し、
前記視線データと関連する前記観察車両の乗員についての人口統計情報と前記場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新し、
前記ヒストグラムに基づいて前記広告のターゲット層が位置している可能性が高い場所を抽出してその場所を走行するように、前記広告についての広告有効性を高めるための走行計画を生成し、
前記走行計画を前記広告車両に送信する
ための前記命令を実行するように構成される、移動式広告システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記ヒストグラムに基づいて前記広告の視認数を少なくとも判別することにより前記広告の有効性を判別し、
前記視認数に基づいて前記広告の広告主が支払う支払額を決定し、前記広告主に対する支払い命令を生成する
ための前記命令を実行するように更に構成される、請求項１に記載の移動式広告システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記広告車両から前記広告の内容に関する情報を受信する
ための前記命令を実行するように更に構成される、請求項１又は２に記載の移動式広告システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記視線データに基づいて、前記広告車両に取り付けられた複数の広告のどの広告が視認されたかを判別する
ための前記命令を実行するように更に構成される、請求項１又は２に記載の移動式広告システム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記視線データに基づいて、視認された前記広告車両の領域を判別する
ための前記命令を実行するように更に構成される、請求項１又は２に記載の移動式広告システム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記視線データに基づいて、前記広告が視認された持続時間を判別する
ための前記命令を実行するように更に構成される、請求項１又は２に記載の移動式広告システム。
【請求項7】
命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサを用いて実施される移動式広告方法であって、観察車両の乗員についての視線データを前記観察車両から受信することと、
広告車両の場所情報を前記広告車両から受信することと、
前記視線データを前記場所情報と相関させて、前記視線データが前記広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別することと、
前記視線データと関連する前記観察車両の乗員についての人口統計情報と前記場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新することと、
前記ヒストグラムに基づいて前記広告のターゲット層が位置している可能性が高い場所を抽出してその場所を走行するように、前記広告についての広有効性を高めるための走行計画を生成することと、
前記走行計画を前記広告車両に送信することと
を含む、移動式広告方法。
【請求項8】
前記ヒストグラムに基づいて前記広告の視認数を少なくとも判別することにより前記広告の有効性を判別することと、前記視認数に基づいて前記広告の広告主が支払う支払額を決定し、前記広告主に対する支払い命令を生成することと
を更に含む、請求項７に記載の方法。
【請求項9】
前記広告車両から前記広告の内容に関する情報を受信することを更に含む、請求項７又は８に記載の方法。
【請求項10】
前記視線データに基づいて、前記広告車両に取り付けられた複数の広告のどの広告が視認されたかを判別することを更に含む、請求項７又は８に記載の方法。
【請求項11】
前記視線データに基づいて、視認された前記広告車両の領域を判別することを更に含む、請求項７又は８に記載の方法。
【請求項12】
前記視線データに基づいて、前記広告が視認された持続時間を判別することを更に含む、請求項７又は８に記載の方法。
【請求項13】
移動式広告システムであって、広告車両についての場所情報を判別するように構成された広告車両システムと、
観察車両の乗員と関連する視線データを判別するように構成された観察車両システムと、
前記広告車両システム及び前記観察車両システムと通信可能なサーバと
を備え、
前記サーバは、
命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体と、
前記非一時的なコンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
前記視線データを前記観察車両システムから受信し、
前記場所情報を前記広告車両システムから受信し、
前記視線データを前記場所情報と相関させて、前記視線データが前記広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別し、
前記視線データと関連する前記観察車両の乗員についての人口統計情報と前記場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新し、
前記ヒストグラムに基づいて前記広告のターゲット層が位置している可能性が高い場所を抽出してその場所を走行するように、前記広告についての広告有効性を高めるための走行計画を生成し、
前記走行計画を前記広告車両システムに送信する
ための前記命令を実行するように構成される、移動式広告システム。
【請求項14】
前記広告車両システムは、前記走行計画を前記サーバから受信したことに応答して、ナビゲーションシステムを更新するように構成される、請求項１３に記載の移動式広告システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全体として参照により本明細書に取り込まれる、２０２１年１０月８日に出願された米国出願第１７／４９７，８４６号明細書に関する。
【背景技術】
【0002】
広告は、多くの場所で車道周辺の標識に配置される。最近では、広告は、道路及びその他の交通路に沿って移動する車両にも配置される。様々な広告場所の価格は、広告の可視性の想定量に基づいて変化する。広告主の目標は、車両の乗員、例えば、運転者などに広告を視認させ、広告された製品又はサービスを購入させることである。
【0003】
いくつかの事例では、固定式又は車載式の電子標識が定期的に変化して、様々な時間に様々な広告を表示する。その結果、電子標識を用いて複数の広告を同じ場所に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の態様は、添付の図と一緒に読むと、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な機能が一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。実際、説明を明確にするために、様々な特徴の寸法を任意に増減することができる。
【0006】
以下の開示は、提供される主題の様々な機能を実施するための多くの異なる実施形態、又は実施例を提供する。構成要素、数値、動作、材料、配置、又は同種のものの具体例は、本開示を簡略化するために以下に記載される。もちろん、これらは単なる例であり、限定することを意図していない。他の構成要素、数値、動作、材料、配置、又は同種のものが企図されている。例えば、以下の説明における、第２の機能の上に第１の機能を形成することは、第１及び第２の機能が直接接触して形成される実施形態を含んでもよく、また、第１及び第２の機能が直接接触していなくてもよいように、追加の機能が第１及び第２の機能の間に形成されてもよい実施形態を含んでもよい。加えて、本開示は、様々な実施例において参照数字及び／又は文字を繰り返してもよい。この繰り返しは、単純化及び明確化のためであり、それ自体、議論される様々な実施形態及び／又は構成の間の関係を指示するものではない。
【0007】
最近、広告主は移動体、例えば、自動車、トラック、列車、又はさらに飛行機などの一部として広告を含むように広告キャンペーンを拡大しようとしている。車両オペレータは、１つ又は複数の広告を車両に固定することができる。いくつかの実施形態において、広告は、取り外し可能な方法、例えば、磁石、吸引カップ、静的ステッカー、一時的な接着剤、又は他の適切な取り外し可能な取り付けオプションを使用するなどで固定される。いくつかの実施形態において、広告は、取り外し不可能な方法、例えば、永久接着剤、リベット、又は他の適切な永久取り付けオプションを使用するなどで固定される。いくつかの実施形態において、広告は、例えば、電子標識を用いるなどして、広告される製品又はサービスを変更することができる。いくつかの実施形態において、複数の広告が同じ車両に固定される。例えば、いくつかの実施形態において、第１の広告が車両の運転者側にあり、第２の広告が車両のリアウィンドウにある。いくつかの実施形態において、複数の広告の各々は、同じ製品又はサービスに対するものである。いくつかの実施形態において、複数の広告の少なくとも１つは、複数の製品又はサービスのうち別の１つとは異なる製品又はサービスのためのものである。
【0008】
広告主は、多くの人々がいる場所ほど広告を見て、商品又はサービスを購入する可能性が高いと予想するが、現状では、広告主は、どのような人々がどのくらいの頻度でこれらの移動式広告を視認しているかを正確に判別することができない。その結果、広告主は、広告が顧客を引き付けるのにどれほど効果的であるかを判別することができない、また、広告主は、車両と、広告を搭載する車両が航行する走行経路とに広告を掲載する対価が、期待する顧客生成に見合うか否か判別することができない。交通量又は人通りの多い場所を走行する車両に設置される標識は、交通量又は人通りの少ない道路を走行する車両の広告よりも価値が高いと推測されるが、どれだけの潜在顧客が広告を見ているかという確実な基準はまだない。同様に、動きの遅い交通量の走行経路は、動きの速い交通量の走行経路よりも価値があると推定されるが、この場合も、広告が実際に多くの潜在顧客の注意を引き付けているか否かを正確に測定する方法はない。
【0009】
広告が潜在顧客の注意を引き付けているか否かを判別するための信頼性の高い情報、及び潜在顧客の人口統計に関する情報を提供するために、車両乗員視線システムは、マップデータと広告車両に関する情報とを組み合わせて利用され、観察車両（viewing vehicle）の乗員が移動式広告を見ているか否かを判別する。以下の説明は、車両上の移動式広告に関して記載されているが、当業者であれば、車両乗員視線検出システムは、様々な種類の広告材料、例えば、静止した標識、人々が運ぶ標識、店の窓の表示、又は他の斯かる広告などに適用できることを理解するであろう。
【0010】
車両乗員視線検出システムは、車両乗員、例えば、運転者、前席の乗客、後席の乗客などの１つ又は複数の目の画像を捕捉する。車両乗員視線検出システムは、捕捉された画像を、マップデータ、広告車両に関する情報、及び／又は車両に取り付けられた外向き検出器からの画像とともに利用して、もしあれば、どの移動式広告をどれくらいの間、乗員が視認するかを判別する。いくつかの実施形態において、車両乗員視線検出システムは、また、乗員の人口統計を推定するために、乗員に関するデータ、例えば、予測年齢、予測身長、予測体重、髪の長さ、髪の色、衣服などを収集する。この情報に基づいて、車両乗員視線検出システムは、何人のどのような人口統計の人々が、移動式広告を視認しているか、又は広告主が将来の移動広告のために運転者を割り当てる可能性のある走行経路に注意を払っているかに関する履歴情報を生成することができる。この情報は、広告が望ましい影響を与えているか否かを判別するために広告主によって使用可能である。また、この情報は、リース代理店又は車両の運転者によっても使用可能であり、様々な広告及び走行経路についての適切な価格を判別するのに役立つ。
【0011】
図１は、いくつかの実施形態による、移動式広告システム１００のブロック図である。移動式広告システム１００の説明は、運転者によって制御される自動車に焦点を当てている。しかしながら、当業者であれば、他の車両及びオペレータ、例えば、エンジニアによって運転される列車又は他のモバイル車両などが本明細書の範囲内であることを認識するであろう。移動式広告システム１００は観察車両システム１１０を含み、観察車両システム１１０は、観察車両の乗員に関する情報を捕捉し、視線データを生成するように構成される。移動式広告システム１００はサーバ１３０を更に含み、サーバ１３０は、生成された視線データと、広告車両に関する情報とを受信し、どの広告が観察車両の乗員によってどのくらいの時間視認されたかを判別するように構成される。移動式広告システム１００は、広告を担う広告車両システム１５０を更に含む。広告車両システム１５０は、どんな広告が表示されるか、広告車両の場所及び走行経路と関連する情報をサーバ１３０に提供するように構成される。移動式広告システム１００は、広告主がサーバ１３０からの情報に基づいて広告車両の運転者に支払うことを可能にする銀行システム１８０を更に含む。移動式広告システム１００は、広告に対する有効性に関する更新情報、並びに価格及び走行ルートに関する推奨事項を受信する顧客１９０を更に含む。
【0012】
観察車両システム１１０は、乗員監視カメラ１１２、フロントカメラ１１４、全地球測位システム（ＧＰＳ）１１６、及びマップ１１８からデータを受信するように構成される電子制御ユニット（ＥＣＵ）１２０を含む。ＥＣＵ１２０は視線検出器１２２を含み、視線検出器１２２は、乗員監視カメラ１１２からデータを受信し、受信したデータに基づいて視線方向及び／又は視線深度を検出するように構成される。ＥＣＵ１２０は物体検出器１２４を更に含み、物体検出器１２４は、フロントカメラ１１４からデータを受信し、受信したデータに基づいて任意の検出された物体の位置を判別するように構成される。ＥＣＵ１２０は位置特定ユニット１２６を更に含み、位置特定ユニット１２６は、ＧＰＳ１１６、マップ１１８、物体検出器１２４、及び道路認識器（図１には示されていない）からデータを受信し、検出された且つ／又は既知の物体及び／又は道路の位置に対する観察車両の位置並びに観察車両の姿勢及び状態を判別するように構成される。姿勢は基準点、例えば、道路などに対する車両の向きである。いくつかの実施形態において、観察車両の位置は観察車両の位置ベクトルも指す。観察車両の姿勢及び状態は観察車両の速度及び進行方向を指す。いくつかの実施形態において、観察車両の姿勢及び状態は、観察車両の速度ベクトル、加速度ベクトル、及びジャークベクトルも指す。いくつかの実施形態において、位置ベクトル、速度ベクトル、加速度ベクトル、及びジャークベクトルは、角度ベクトルを含む。いくつかの実施形態において、観察車両の状態は、また観察車両のエンジン又はモータが作動しているか否かを指す。ＥＣＵ１２０は視線データ生成器１２８を更に含み、視線データ生成器１２８は、視線検出器１２２、物体検出器１２４、及び位置特定ユニット１２６から情報を受信し、サーバ１３０に送信されるべき視線データを生成するように構成される。
【0013】
乗員監視カメラ１１２は、観察車両の運転者又は他の乗員の画像を捕捉するように構成される。乗員監視カメラ１１２は、観察車両に接続される。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、可視光カメラを含む。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、赤外線（ＩＲ）カメラ又は別の適切なセンサを含む。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、様々な大きさの乗員の少なくとも１つの目の画像を捕捉するために、観察車両に対して移動可能である。乗員の両目の画像を捕捉することが好ましいが、乗員によっては片目しかなく、乗員の頭部が乗員監視カメラ１１２から逸れたいくつかの事例では、乗員の目の片方の目だけが乗員監視カメラ１１２によって捕捉可能である。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、自動的に調整される。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、手動で調整可能である。いくつかの実施形態において、捕捉された画像は、乗員の少なくとも１つの目を含む。いくつかの実施形態において、捕捉された画像は、乗員に関する追加の情報、例えば、おおよその身長、おおよその体重、髪の長さ、髪の色、衣服又は他の適切な情報などを含む。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、乗員の様々な部位の画像を捕捉するための複数の画像捕捉デバイスを含む。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２は、車両内の様々な場所に配置される。例えば、いくつかの実施形態において、第１の乗員監視カメラ１１２は、車両の中央部位においてバックミラーに近接して配置され、第２の乗員監視カメラ１１２は、運転者側ドアに近接して配置される。当業者であれば、車両の運転を妨げない乗員監視カメラ１１２の他の場所が、本開示の範囲内であることを認識するであろう。いくつかの実施形態において、乗員監視カメラ１１２からのデータは、他のデータとの同期を助けるためのタイムスタンプ又は他のメタデータを含む。
【0014】
当業者であれば、いくつかの実施形態において、観察車両システム１１０が、複数の乗員を監視するための追加のカメラを含むことを理解するであろう。追加のカメラの各々は、上述する乗員監視カメラ１１２と同様である。例えば、いくつかの実施形態において、１つ又は複数の監視カメラが、前席の乗客の少なくとも１つの目の画像を捕捉するために車両に配置される。いくつかの実施形態において、１つ又は複数の監視カメラは、後部座席の乗客の少なくとも１つの目の画像を捕捉するために車両に配置される。いくつかの実施形態において、追加のカメラは、車両が対応する前席の乗客又は後席の乗客を検出することに応答してのみ起動される。いくつかの実施形態において、車両のオペレータは、追加のカメラを選択的に非作動にすることができる。追加のカメラを含む実施形態では、捕捉された画像は、依然として視線検出器１２２に送信され、視線検出器１２２は、車両の監視された乗員の各々についての視線結果を生成することができる。
【0015】
フロントカメラ１１４は、観察車両を囲む環境の画像を捕捉するように構成される。いくつかの実施形態において、フロントカメラ１１４は、可視光カメラ及び赤外線カメラを含む。いくつかの実施形態において、フロントカメラ１１４は、光検出及び測距（ＬｉＤＡＲ）センサ、無線検出及び測距（ＲＡＤＡＲ）センサ、音波探知機（ＳＯＮＡＲ）センサ、又は別の適切なセンサと置き換えられ又は更に付随される。いくつかの実施形態において、フロントカメラ１１４は、車両上の他の場所に配置される追加のカメラを含む。例えば、いくつかの実施形態において、追加のカメラが、観察車両の左側及び右側の環境のより大きな部分を検出するために、車両の両側に配置される。観察車両の乗員は、車両のサイドウィンドウから外を見ることができるので、観察車両を囲む環境のより大きな部分を検出するために追加のカメラを使用することは、観察車両の乗員によって視認される物体を判別する精度を高めることに役立つ。例えば、いくつかの実施形態において、観察車両の後方への環境のより大きな部分を検出するために、追加のカメラが観察車両の背面側に配置される。この情報は、運転者以外の観察車両の乗員がリアウィンドウから視認することができる追加の物体を捕捉するのに役立つ。また、フロントカメラ１１４は、広告車両のような物体の場所と観察車両の乗員との間に、中央分離帯又はガードレールのような障害物が存在するか否かを判別するための画像を捕捉することができる。いくつかの実施形態において、フロントカメラ１１４からのデータは、フロントカメラ１１４からのデータと乗員監視カメラ１１２からのデータとの同期を助けるために、タイムスタンプ又は他のメタデータを含む。
【0016】
ＧＰＳ１１６は、観察車両の場所を判別するように構成される。観察車両の場所を知ることは、乗員の注意を引いた物体及び方向を、マップ１１８上の広告車両の判別された場所と関連する物体及び領域と関連付けるのに役立つ。観察車両の進行方向を知ることは、視線データの生成を支援するために、観察車両の乗員がどの方向を見ているかを予測するのに役立つ。観察車両の速度を知ることは、観察車両の乗員が移動式広告を視認する機会をどのくらいの時間持ったかを判別するのに役立つ。例えば、低速走行中の観察車両で２秒間（２ｓ）移動式広告を視認していると判別される乗員は、高速走行中の観察車両で２秒間移動式広告を視認していると判別される乗員よりも広告商品又はサービスに対する関心がより低いと判別される場合がある。関心を判別する際に車両の速度を考慮することにより、誤検出の関心が低減又は回避される。例えば、交通渋滞の中で座っている人は、窓の外を眺めていても、実は広告にあまり関心がないことがある。対照的に、高速で移動している車両の人が時間をかけて広告を視認していると、広告に対する関心が高いことが示唆される。
【0017】
マップ１１８は、車道及び車道に沿った既知の物体と関連する情報を含む。いくつかの実施形態において、マップ１１８は、観察車両の場所及び進行方向を判別するためにＧＰＳ１１６と組み合わせて使用可能である。いくつかの実施形態において、マップ１１８は外部デバイス、例えば、サーバ１３０などから受信される。いくつかの実施形態において、マップ１１８は、フロントカメラ１１４及び／又はＧＰＳ１１６からの情報に基づいて定期的に更新される。いくつかの実施形態において、マップ１１８は、外部デバイスから受信される情報に基づいて定期的に更新される。いくつかの実施形態において、マップ１１８は、同時ローカリゼーション及びマッピング（ＳＬＡＭ）アルゴリズムによってセンサデータから生成される。
【0018】
以下の説明では、簡潔にするために、主に運転者と関連する情報の分析に焦点を当てる。当業者であれば、本説明が、他の乗員、例えば、車両の前席乗客又は後席乗客などにも適用可能であることを理解するであろう。
【0019】
視線検出器１２２は、乗員監視カメラ１１２からデータを受信し、視線検出結果を生成するように構成される。視線検出結果は、運転者の目が見ている方向を含む。いくつかの実施形態において、方向は、方位角及び仰角を含む。方位角及び仰角を含むことは、運転者が水平線に対して平行及び水平線に対して垂直の両方を見ている方向の判別を可能とする。いくつかの実施形態において、視線検出結果は、深度情報を更に含む。深度情報は、運転者の目の視軸が収束する、運転者からの推定距離である。深度情報を含めることにより、運転者と運転者が注視している物体との間の距離を判別することができる。方位角及び仰角とともに深度情報を組み合わせることにより、視線検出結果の精度が高まる。捕捉された画像が運転者の片方の目のみを含むいくつかの実施形態において、深度情報を判別することが困難であるので、方位角及び仰角のみが視線検出器１２２によって判別される。いくつかの実施形態において、視線検出結果は、方位角、仰角、及び深度情報の分散を更に含み、その結果、運転者が注意を払った領域の確率分布を推定することができる。いくつかの実施形態において、視線検出結果の精度は、確率的フィルタ、例えば、カルマンフィルタなどを確率分布の時系列に適用することによって更に高まる。いくつかの実施形態において、視線検出器１２２は、フロントカメラ１１４からデータを受信し、方位角及び仰角に基づいて、検出された視線をフロントカメラ１１４からの画像の画素位置に関連付けるように更に構成される。
【0020】
いくつかの実施形態において、視線検出器１２２は、観察車両に取り付けられていない。いくつかの実施形態において、視線検出器１２２は、観察車両の乗員に取り付けられている。例えば、いくつかの実施形態において、視線検出器１２２は、スマートグラス、別のスマート衣類、又は着用者の視線情報を判別することができる他の斯かるデバイスを含む。スマートグラスを利用するいくつかの実施形態において、歩行者、自転車に乗っている人々、又は車両に乗っていない他の人々から視線データを収集することができる。移動式広告システム１００は、移動式広告の有効性を判別するのに役立つように、この視線データを利用することができる。
【0021】
物体検出器１２４は、フロントカメラ１１４及び観察車両を囲む環境を検出するための任意の追加センサからデータを受信するように構成される。受信されたデータに基づいて、物体検出器１２４は、周囲の環境内で物体を識別する。いくつかの実施形態において、物体検出器１２４は、ＧＰＳ１１６及び／又はマップ１１８からデータを受信して、ＧＰＳ１１６からの観察車両の場所及びマップ１１８からの既知の物体の場所に基づいて物体の識別を助けるように更に構成される。ＧＰＳ１１６及びマップ１１８の情報を使用することは、物体検出器１２４の処理負荷を低減するのに役立つ。いくつかの実施形態において、物体検出器１２４は、物体の種類、例えば、別の車両、歩行者、道路標識、広告標識、広告車両上の広告標識、建物などを識別するように更に構成される。当業者であれば、本開示は、移動式広告例えばトラック又はバス上の移動式広告がもしあれば、車両の乗員が引き付けられるものを判別するためにも、適用可能であることを理解するであろう。移動式広告が存在するか否かを判別するために、いくつかの実施形態において、カメラ画像が分析される。いくつかの実施形態において、移動式広告の場所情報は、乗員が移動式広告を観察していたか否かを判別するために広告車両からのデータと組み合わされる。いくつかの実施形態において、広告標識が取り付けられている広告車両は、広告車両の場所情報をサーバ１３０に定期的に送信し、広告車両の場所情報は、サーバ１３０において視線データにマッピングされる。いくつかの実施形態において、物体検出器１２４は、フロントカメラ１１４からの受信データ及び／又は追加のセンサからの受信データを、視線データ生成器１２８及び／又は位置特定ユニット１２６に出力する。
【0022】
位置特定ユニット１２６は、物体検出器１２４、ＧＰＳ１１６、及びマップ１１８から情報を受信し、世界座標系における観察車両の場所、又はマップ１１８上の物体及び物体検出器１２４によって検出される物体と関連する観察車両の場所を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、位置特定ユニット１２６は、観察車両の進行方向及び速度を判別するために使用可能である。位置特定ユニット１２６は、また、観察車両の状態情報を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の速度を含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の速度ベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の進行方向を含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の加速度ベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両のジャークベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両のエンジン又はモータが作動しているか否かを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両と関連する他の状態情報、例えば、フロントガラスワイパの操作などを含む。
【0023】
視線データ生成器１２８は、視線検出器１２２から検出された視線結果、物体検出器１２４からの物体検出情報、並びに位置特定ユニット１２６からの車両位置及び状態情報を受信するように構成される。視線データ生成器１２８は、運転者の視線が向けられたラインを検出し、これらの検出されたラインに基づいて視線データを生成する。当業者であれば、運転者の視線のラインとは、運転者が見ている運転者の目の点からの方向を示す光線又は半直線を指すと理解するであろう。視線データは、タイムスタンプ情報、観察車両システム１１０の車両情報、観察車両の位置、及び観察車両に対する運転者の視線角度を含む。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、もしあれば、どんな移動式広告が運転者に見えるかを判別するように構成される。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、運転者が移動式広告を見ることを妨げる他の物体によって遮られている任意の既知の物体をマップ１１８から識別するように構成される。これらの遮られた物体は識別され、その結果、これらの物体を、視線データの生成の間、考慮から除外することができる。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、視線データを、物体検出器１２４及び／又は位置特定ユニット１２６のいずれかからの物体の場所と更に結び付ける。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、物体検出器１２４及び位置特定ユニット１２６からの情報に基づいて遮られていると判別された移動式広告と関連する視線データを除外する。いくつかの実施形態において、移動式広告の領域の５０％が遮られていることのような障害閾値が、遮られた移動式広告と関連する視線データを除外するか否かを判別するために視線データ生成器１２８によって使用される。
【0024】
いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、捕捉された画像に基づく運転者の人口統計分析を可能にするために、運転者の少なくとも１つの画像を視線データに含めるように更に構成される。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、運転者の人口統計分析を可能にするために、運転者識別データ、例えば、運転者の識別番号などを視線データと一緒に含めるように構成される。いくつかの実施形態において、運転者識別データは、ＥＣＵ１２０に記憶された所有権又はレンタル情報に基づいて受信される。
【0025】
視線データ生成器１２８は、サーバ１３０に送信されるべき視線データを出力する。いくつかの実施形態において、観察車両システム１１０は、視線データをサーバ１３０に無線で送信する。いくつかの実施形態において、観察車両システム１１０は、視線データを有線接続を介してサーバ１３０に送信する。いくつかの実施形態において、視線データ生成器１２８は、サーバ１３０が視線データを正しい広告車両と正確に関連付けることができるように、ナンバープレート又は他の識別情報のような広告車両識別情報をサーバ１３０に送信するように構成される。
【0026】
サーバ１３０は、マップ１３４を含む。サーバ１３０は、観察車両システム１１０から視線データを受信するように構成される注意領域分析器１３２を更に含む。注意領域分析器１３２は、マップ１３４から情報を受信するように更に構成される。注意領域分析器１３２は、視線データを受信してフォーマットするように構成される。次いで、視線データはマップ１３４からの情報と相関付けられ、観察車両の乗員が見ていたことを視線データが示す場所が判別される。サーバ１３０は、広告車両情報を広告車両システム１５０から受信するように構成された走行経路分析器１３６を更に含む。広告車両情報は、どの広告が広告車両によって表示されているか、広告車両の位置、広告車両の速度、広告車両の姿勢、又は広告車両に関する他の適切な情報のような情報を含む。走行経路分析器は、広告車両情報をマップ１３４と組み合わせるように構成される。サーバ１３０は注意標識分析器１３８を更に含み、注意標識分析器１３８は、注意領域分析器１３２及び走行経路分析器１３６から情報を受信して、観察車両の乗員が広告車両上の広告を見ているか否かを判別し、もし見ているならば、何の広告をどれくらいの時間見ているかを判別するように構成される。サーバ１３０は、観察車両の乗員が広告車両上の広告を視認することに関する情報を受信するように構成される貢献度推定器１４０を更に含む。貢献度推定器１４０は、広告車両の有効性を判別するために、広告車両上の各広告がどの程度の視認時間で視認されていたかを判別するように構成される。サーバ１３０は、貢献度推定器１４０からの情報に基づいて広告車両のオペレータに支払うように構成される支払いシステム１４２を更に含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、サーバ１３０は、視線データとマップ１３４との間の相関関係と、視線データとマップ１３４との間の相関関係に基づいて生成されたヒストグラムとを記憶するように構成されたメモリユニットを更に含む。このヒストグラムは、視線データとマップ１３４との間の相関関係を、追加データ、例えば、日付、時間、人口統計データ、又は他の適切な情報などと関連付ける。サーバ１３０は、情報を注意標識分析器１３８から受信するように構成される広告アドバイザ１４４を更に含む。広告アドバイザ１４４は、注意標識分析器１３８からの情報を分析し、どんな種類の人が、いつ、どのくらいの時間、移動式広告を視認しているかを判別するように構成される。広告アドバイザ１４４は、広告車両に表示される広告の視認を得る際の広告車両の有効性を改善するために、更新され又は新たな走行計画を広告車両に提供するように更に構成される。
【0028】
マップ１３４は、車道及び車道に沿った既知の物体に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、車道以外の追加の情報、例えば、列車の軌道又は他の適切な情報などを含む。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、広告車両システム１５０の停止時間に潜在的に影響を与える、信号機に関する情報、例えば、位置及び照明スケジュールなどを更に含む。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、広告車両システム１５０の停止時間に潜在的に影響を与える、交通標識、例えば、停止標識などの情報を更に含む。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、マップ１１８と同じである。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、マップ１１８よりも高精細である。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、外部デバイスから受信される。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、マップ１１８を更新するために、観察車両システム１１０に定期的に送信される。いくつかの実施形態において、マップ１３４は、サーバ１３０によって受信される更新情報に基づいて定期的に更新される。
【0029】
注意領域分析器１３２は、運転者のどの位置に視線を向けたかを判別するために、受信した視線データをマップ１３４と相関させるように構成される。いくつかの実施形態において、この相関関係は、複数の格子点に基づく視線データとマップ１３４との間の相関関係として記憶される。各格子点は、例えば、Ｘ、Ｙ及びＺ、並びに方位角及び仰角などの位置座標に関する位置情報を含む。各格子点は、位置情報によって定義される領域の範囲に運転者の視線がどのくらいの時間含まれていたかに関する情報を含む。いくつかの実施形態において、視線データとマップ１３４との間の相関関係のための位置情報は、マップ１３４からの既知の物体及び／又は視線データにおいて検出された物体に基づいて判別される。いくつかの実施形態において、閾値を超える視線持続時間を有する格子点のみが、視線データとマップ１３４との間の相関関係に含まれる。いくつかの実施形態において、閾値は、位置特定ユニット１２６からの車両の状態情報に基づいて調整される。例えば、いくつかの実施形態において、車両の速度が増加するにつれて、閾値の視線持続時間は、移動式広告が運転者の潜在的な視野内に入るであろうより少ない時間を考慮して、減少する。視線データとマップ１３４との間の相関関係が生成されると、視線データとマップ１３４との間の相関関係は、メモリユニットに記憶される。いくつかの実施形態において、視線データとマップ１３４との間の相関関係は、広告スポンサー１９２又は広告代理店１９４のようなユーザの要求に応じて個別に表示可能である。いくつかの実施形態において、視線データとマップ１３４との間の相関関係は、広告スポンサー１９２又は広告代理店１９４のような特定のユーザと関連する格子点のみを含むようにカスタマイズ可能である。いくつかの実施形態において、視線データとマップ１３４との間の相関関係は、選択されたユーザの格子点のみを含むようにカスタマイズ可能である。いくつかの実施形態において、選択されたユーザは、広告スポンサー１９２に対する競合会社を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、格子点を使用して、グリッドマップを生成し、受信された視線データとマップ１３４との間の相関関係を視覚化する。いくつかの実施形態において、グリッドマップ５０の点についての状態情報は、マップ１３４からの既知の物体及び／又は視線データにおいて検出された物体に基づいて判別される。グリッドマップ５０が生成されると、グリッドマップ５０はメモリユニットに記憶される。追加の視線データがサーバ１３０によって受信されると、グリッドマップ５０は、新しい格子点を含むように更新され、又は既に存在する格子点と関連する情報を更新することができる。グリッドマップ５０を更新することは、グリッドマップ５０内の少なくとも１つの点に対する状態情報を更新することを含む。例えば、車両が他の物体に対して移動すると、車両と他の物体との間の位置関係が変化する。これにより、グリッドマップ５０の様々な点における状態情報が変化する。
【0031】
追加の視線データがサーバ１３０によって受信されると、視線データとマップ１３４との間の相関関係は、新しい格子点を含むように更新され、又は既に存在する格子点と関連する情報を更新することができる。いくつかの実施形態において、注意領域分析器１３２は、単一の観察車両について視線データとマップ１３４との間の相関関係を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意領域分析器１３２は、複数の観察車両に対して、視線データとマップ１３４との間の相関関係を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意領域分析器１３２は、マップ１３４によって定義される所定の地理的領域に対して、視線データとマップ１３４との間の相関関係を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意領域分析器１３２は、複数の相関関係、例えば、第１の地理的領域に対する第１の相関関係、第２の地理的領域に対する第２の相関関係、及び特定の一組の観察車両に対する第３の相関関係などを生成して管理するように構成される。
【0032】
いくつかの実施形態において、サーバ１３０は、視線データとマップ１３４との間の相関関係及びヒストグラムを記憶するように構成されたメモリユニットを含む。いくつかの実施形態において、メモリユニットは、追加情報、例えば、視線データ及びマップ１３４などを記憶するように更に構成される。いくつかの実施形態において、メモリユニットは、固体メモリデバイスを含む。いくつかの実施形態において、メモリユニットは、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ（ＤＲＡＭ）を含む。いくつかの実施形態において、メモリユニットは、不揮発性メモリデバイスを含む。いくつかの実施形態において、メモリユニットは、クラウドベースのストレージ又は別の適切なストレージ構造を含む。
【0033】
走行経路分析器１３６は、広告車両システム１５０から広告車両の位置及び車両情報を受信するように構成される。走行経路分析器１３６は、様々な時点におけるマップ１３４に対する広告車両の軌跡を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、軌跡は、車両が過去に通過した場所を含む。いくつかの実施形態において、軌跡は、車両が通過しようとしている予測軌跡を含む。いくつかの実施形態において、走行経路分析器１３６は、広告車両の軌跡をリアルタイムで判別するように構成される。いくつかの実施形態において、走行経路分析器１３６は、広告車両が少なくとも部分的に完了した走行経路を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、走行経路分析器１３６は、広告車両と関連する情報を定期的に受信するように構成されるので、広告車両の軌道の決定が定期的に実行される。
【0034】
注意標識分析器１３８は、様々な時点における広告車両の軌跡を、注意領域分析器１３２によって生成される情報、例えば、視線データとマップ１３４との間の相関関係などと相関させるように構成される。相関関係に基づいて、注意標識分析器１３８は、ヒストグラムを生成して移動式広告の有効性を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、時刻、気象条件、標識場所、車両の進行方向に対する標識角度、人口統計情報、又は他の適切な基準に基づいてヒストグラムを生成する。いくつかの実施形態において、人口統計情報は、視線データとマップ１３４との間の相関関係の格子点におけるログエントリに関連付けられた運転者識別情報に基づいている。いくつかの実施形態において、人口統計情報は、視線データとマップ１３４との間の相関関係の格子点におけるログエントリに関連付けられた捕捉画像からの運転者の特徴に基づいて抽出される。例えば、もし運転者の捕捉画像が顔の毛を有する人を示す場合、運転者は、いくつかの事例では、男性であると判別される。他の身体的特徴は、他の人口統計情報を判別するために使用可能である。いくつかの実施形態において、学習済みのニューラルネットワークが、捕捉画像に基づいて人口統計情報を抽出するために使用可能である。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、単一の観察車両に対してヒストグラムを生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、複数の観察車両に対してヒストグラムを生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、所定の地理的領域に対してヒストグラムを生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、複数のヒストグラム、例えば、第１の地理的領域に対する第１のヒストグラム、第２の地理的領域に対する第２のヒストグラム、及び特定の一組の車両に対する第３のヒストグラムなどを生成するように構成される。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、視線データとマップ１３４データとの間の新たな相関関係が利用可能になると、ヒストグラムを更新し続ける。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８は、顧客１９０から受信すされた、要求されたパラメータに基づいて新しいヒストグラムを生成するように構成される。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、広告車両１５０のどの運転者がどれだけの注意を引き付けたかについての情報を含む。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、どの種類の車が最も注意を引き付けたか、及びどれだけの注意を引き付けたかに関する情報を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、広告車両は、車両に取り付けられた２つ以上の広告を含む。どの広告が観察車両の乗員の視線を引き付けたかを判別するために、注意標識分析器１３８は、乗員の視線が広告車両のどの領域に向けられていたかを判別するように構成される。視線データとマップ１３４との間の相関関係は、乗員の視線を引き付けた広告車両の領域を識別するために、広告車両の情報と組み合わされる。次いで、広告車両に関する情報は、どの広告が広告車両の視認領域に位置していたかを判別するために使用される。いくつかの実施形態において、広告車両の視認領域における広告は、観察車両システム１１０から受信される情報、例えば、フロントカメラ１１４からの画像などに基づいて判別される。
【0036】
貢献度推定器１４０は、広告車両に取り付けられた広告ごとの視認の数を判別するために、注意標識分析器１３８によって生成されるヒストグラムを使用する。広告ごとの視認の数に基づいて、貢献度推定器１４０は、広告車両のオペレータに支払われるべき支払額を決定することができる。いくつかの実施形態において、支払額は、純粋に視認の数に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、支払額は、追加的要因、例えば、視認者がターゲット層に属していること、視認の時刻、広告の視認持続時間、広告の視認が検出された場所、又は他の適切な追加的な要因などに基づいて決定される。広告を見るターゲット層の人は、ターゲット層に属していない人よりも顧客となる可能性が高い。したがって、いくつかの実施形態において、ターゲット層の人による検出された視認は、ターゲット層でない人による検出された視認と比較して、より高い支払額を有する。視認の時刻は、購入の確率に影響する可能性がある。例えば、食事時間の近くで視認されるレストランの広告は、食事時間以外の時間に視認されるレストランの広告よりも、レストランの支援をもたらす可能性が高い。したがって、いくつかの実施形態において、検出された視認のタイミングにより、広告車両のオペレータへの支払額が変化する。人が広告を長く視認するほど、購入の見込みも高くなる。したがって、いくつかの実施形態において、広告の視認が検出された時間の長さにより、支払額が増加する。広告されているビジネスに近い場所で視認される広告は、その人が広告されたビジネスを訪問する結果となる可能性が高い。したがって、いくつかの実施形態において、支払額は、広告されたビジネスへの近接性が増加するにつれて、増加する。
【0037】
支払いシステム１４２は、貢献度推定器１４０から支払い額を受信し、支払い額に基づいて広告車両のオペレータの銀行口座に資金を移動させるように構成される。いくつかの実施形態において、支払いシステム１４２は、顧客１９０の１人により、又は第三者仲介者により制御可能な口座にアクセスできる。支払いシステム１４２は、顧客１９０又は第三者の口座から広告車両のオペレータの口座に金を移動させるように構成される。いくつかの実施形態において、オペレータの口座は、広告車両の運転者の口座である。いくつかの実施形態において、オペレータの口座は、運転者が勤務する会社の口座である。いくつかの実施形態において、資金は、無線信号に基づいて転送される。いくつかの実施形態において、資金は、有線接続を介して受信される信号に基づいて転送される。
【0038】
広告アドバイザ１４４は、ヒストグラムを受信し、どの移動式広告が最も多く及び／又は最も長く視認されるかを判別するための情報を抽出するように構成される。車両の乗員が注意を向ける領域に関する情報を取得することは、将来の広告のための場所を識別するのに役立つ。広告アドバイザ１４４は、抽出された情報を顧客１９０に提供するように構成される。いくつかの実施形態において、広告アドバイザ１４４は、顧客１９０からデータ要求を受信し、受信したデータ要求に基づいてヒストグラムから情報を抽出するように構成される。いくつかの実施形態において、データ要求は、特定の標識上の製品又はサービスの種類、最も多くの視認を生成する走行経路、最も頻繁に視認される広告車両の領域、又は他の基準に関する情報を含む。広告アドバイザ１４４は、対応する製品又はサービスに関心を示した人々の人口統計を識別するための情報を抽出する。いくつかの実施形態において、標識上の製品又はサービスは、フロントカメラ１１４によって捕捉されるデータに基づいて抽出される。
【0039】
いくつかの実施形態において、移動式広告は、広告を定期的に変更する電子標識を含む。いくつかの実施形態において、広告アドバイザ１４４は、どの広告が観察車両の乗員の注意を引き付けたかを判別するために、ヒストグラムからのタイムスタンプ情報を、対応するタイムスタンプの間に電子標識に表示された広告と関連付ける。
【0040】
広告アドバイザ１４４は、顧客１９０に送信されるべきヒストグラム情報を出力する。いくつかの実施形態において、サーバ１３０は、ヒストグラム情報を顧客１９０に無線で送信する。いくつかの実施形態において、サーバ１３０は、有線接続を介してヒストグラム情報を顧客１９０に送信する。いくつかの実施形態において、サーバ１３０は、プリンタにヒストグラム情報を印刷するように命令し、印刷された情報が顧客１９０に提供される。
【0041】
広告車両システム１５０は、移動式広告の有効性を高める態様で広告車両を運転するように運転者１７０を促すための情報を運転者１７０に提供するように構成される。広告車両システム１５０は、サーバ１３０の広告アドバイザ１４４から提案された走行計画を受信するように構成された走行計画受信器１５２を含む。広告車両システム１５０は、広告車両情報をサーバ１３０に送信するように構成された状態通知器１５４を更に含む。広告車両システム１５０はナビゲーションシステム１５６を更に含み、ナビゲーションシステム１５６は、走行計画受信器１５２から推奨された走行計画と、全地球測位システム（ＧＰＳ）１６０からのマップ情報及び位置情報とを受信するように構成される。広告車両システム１５０は、運転者１７０に情報を提供し且つ運転者１７０からの入力情報を受信するように構成されたユーザインターフェース（ＵＩ）１５８を更に含む。広告車両システム１５０は、ナビゲーションシステム１５６及び位置特定ユニット１６４にマップ情報及び位置情報を提供するように構成されたＧＰＳを更に含む。広告車両システム１５０は、広告車両の周囲を検出するように構成されたセンサ１６２を更に含む。位置特定ユニット１６４は、ＧＰＳ１６０及びセンサ１６２からの情報に基づいて、広告車両の場所及び姿勢を判別するように構成される。広告車両システム１５０は、広告車両によって表示されている広告１６６に関する情報を更に含む。いくつかの実施形態において、広告１６６についての情報は、メモリに記憶される。いくつかの実施形態において、広告１６６についての情報は、ＵＩ１５８を介して運転者１７０から受信される。広告車両が電子標識又は他の調整可能な広告を含むいくつかの実施形態において、広告１６６についての情報は、例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ＷｉＦｉ（登録商標）、又は他の通信プロトコルを用いて、調整可能な広告との通信に基づいて更新される。
【0042】
走行計画受信器１５２は、広告アドバイザ１４４からの情報に基づいて、広告車両に対して提案された走行経路を受信するように構成される。提案された走行経路は、広告アドバイザ１４４によって推奨されたルートである。提案された走行経路は、広告車両による広告の有効性を最大化するために決定される。運転者が複数の広告にアクセスできる、又は広告が調整可能な広告であるいくつかの実施形態において、提案された走行経路は、広告車両に表示されるべき推奨された広告に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告アドバイザ１４４は、状態通知器１５４を介して広告１６６に関する情報を受信する。
【0043】
状態通知器１５４は、広告車両情報をサーバ１３０に提供するように構成される。いくつかの実施形態において、広告車両情報は、広告車両の場所、車両姿勢、広告１６６に関する情報、広告車両についての識別情報、運転者１７０についての識別情報、又は他の適切な情報を含む。いくつかの実施形態において、状態通知器１５４は、広告車両情報をサーバ１３０に無線で提供するように構成される。いくつかの実施形態において、状態通知器１５４は、広告車両情報を有線接続を介してサーバ１３０に提供するように構成される。
【0044】
ナビゲーションシステム１５６は、走行計画受信器１５２から提案された走行経路と、ＧＰＳ１６０からのマップ情報及び場所情報とを受信し、提案された走行経路を実施するための車道に沿った走行経路を計画するように構成される。ナビゲーションシステム１５６は、ＵＩ１５８に運転者１７０に走行経路を表示する命令をするように構成される。いくつかの実施形態において、ナビゲーションシステム１５６は、ＵＩ１５８を介して運転者１７０から走行経路の承認を受けたことに応答して、運転者１７０に走行経路を実行するように指示するように構成される。広告車両が自動運転機能を有するいくつかの実施形態において、ナビゲーションシステム１５６は、ＵＩ１５８を介して運転者１７０から承認を受けたことに応答して、広告車両内のパワートレインシステム及びステアリングシステムに指示を提供し、又は走行経路を実施するように構成される。いくつかの実施形態において、運転者１７０が広告以外の目的で或る目的地に運転している場合であっても、運転者１７０は、最も効率的な広告のために最も良いルートをナビゲーションシステム１５６に提案させることによって、彼らの日常生活において副次的に広告収入を得ることができる。
【0045】
ＵＩ１５８は、運転者１７０に情報を提供し、運転者１７０から指示を受信するように構成される。いくつかの実施形態において、ＵＩ１５８は、広告車両と一体化したデバイスを含む。いくつかの実施形態において、ＵＩ１５８は、タッチスクリーンを含む。いくつかの実施形態において、ＵＩ１５８は、モバイルデバイス、例えば、広告車両と一体化していないスマートフォンなどを含む。
【0046】
ＧＰＳ１６０は、マップ及び車道に関する情報を記憶するように構成される。ＧＰＳ１６０は、位置情報を受信するように構成される。ＧＰＳ１６０は、マップ情報及び位置情報をナビゲーションシステム１５６と共有するように構成される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳ１６０は、ＵＩ１５８と一体化している。いくつかの実施形態において、ＧＰＳ１６０は、ＵＩ１５８から分離している。
【0047】
センサ１６２は、広告車両を囲む環境の画像を捕捉するように構成される。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、フロントカメラ１１４と同様である。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、フロントカメラ１１４とは異なる。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、広告車両の複数の場所における複数のセンシング素子を含む。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、単一のセンサを含む。
【0048】
位置特定ユニット１６４は、ＧＰＳ１６０及びセンサ１６２から情報を受信し、世界座標系における広告車両の場所、又はＧＰＳ１６０上の物体及びセンサ１６２によって検出された物体に対する観察車両の場所を判別するように構成される。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、位置特定ユニット１２６と同様である。いくつかの実施形態において、センサ１６２は、位置特定ユニット１２６とは異なる。
【0049】
広告１６６に関する情報は、サーバ１３０が、何の広告が広告車両に表示されているかと、広告を表示している車両の領域とを判別するのを助けるために使用可能である。広告車両が複数の広告を表示することができるいくつかの実施形態において、運転者１７０は、ＵＩ１５８を介して広告１６６に関する情報を入力することができる。広告が調整可能な広告であるいくつかの実施形態において、広告１６６に関する情報は、車両に表示される広告のタイミング及び順番に関する情報を提供する。いくつかの実施形態において、広告１６６に関する情報は、例えばＵＩ１５８を介して、運転者１７０によって更新可能である。いくつかの実施形態において、広告１６６に関する情報は、サーバ１３０又は別の外部デバイスから受信される情報に基づいて更新可能である。いくつかの実施形態において、走行計画受信器１５２は、何の広告が調整可能な広告に表示されるべきであるかの指示を含む。
【0050】
銀行システム１８０は、サーバ１３０から受信された指示に基づいて、広告車両のオペレータに対する支払いを受信することができる金融サービスを含む。いくつかの実施形態において、支払いは、通貨、暗号通貨、又は他の電子支払オプションを含む。銀行システム１８０は、広告車両のオペレータによってアクセス可能なオペレータ銀行口座１８２を含む。いくつかの実施形態において、オペレータ銀行口座１８２は、運転者１７０によってアクセス可能である。いくつかの実施形態において、オペレータ銀行口座１８２は、広告車両の所有者によってアクセス可能である。
【0051】
顧客１９０は、広告する製品又はサービスを有する広告スポンサー１９２を含む。顧客１９０は、広告スポンサー１９２が製品又はサービスを市販するのを支援する広告代理店１９４を更に含む。いくつかの実施形態において、広告代理店１９４は、移動式広告を表示するための広告車両との契約をリースする会社を含む。いくつかの実施形態において、顧客１９０は、他の人々、企業又は機関を含む。例えば、いくつかの実施形態において、顧客１９０は政府機関を含み、政府機関は、追加の広告オプションの許可を与え、又は運転者の注意をそらしすぎるというリスクを任意の広告オプションがもたらすか否かを判別するために広告アドバイザ１４４からの情報を使用することができる。いくつかの実施形態において、顧客１９０は、特定の標識、広告スポンサー１９２、又は他の所望するデータに関する情報についてのデータ要求をサーバ１３０に提供する。いくつかの実施形態において、データ要求は、サーバ１３０に無線で送信される。いくつかの実施形態において、データ要求は、有線接続を介してサーバ１３０に送信される。
【0052】
顧客１９０にヒストグラム情報を出力することによって、移動式広告システム１００は、車両の乗員の注意を引きつける点における広告の有効性を判別するために、真の検出データを使用することができる。この有効性情報は、広告スポンサー１９２がより効率的な態様でリソースを割り当てることを支援するために使用可能である。この有効性情報は、また、広告代理店１９４が、車両の乗員によって払われた実際の注意に見合った、様々な移動式広告オプションの価格オプションを設定するために使用可能である。更に、ヒストグラムを定期的に更新することによって、又は新たな視線データが利用可能であるので、広告スポンサー１９２及び広告代理店１９４は、消費者を直接調査することなく、消費者傾向を識別することができる。
【0053】
図２は、いくつかの実施形態による、車両を用いた広告の方法２００のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法２００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法２００は、サーバ１３０（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法２００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。
【0054】
動作２０５において、観察車両の乗員についての視線データが受信される。いくつかの実施形態において、乗員は、観察車両の運転者である。いくつかの実施形態において、乗員は、観察車両の運転者ではない。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両に取り付けられたデバイスからの情報に基づいて受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両から分離可能な情報、例えば、スマートグラスなどに基づいて受信される。視線データがスマートグラスの情報に基づいて受信されるいくつかの実施形態において、乗員は、観察車両内にいるのではなく、歩行者又は自転車乗りである。視線データは、観察車両に対する乗員の視線の角度、及び視線データが収集された時刻に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両を囲む環境において既知の又は検出された物体に関する情報を更に含む。いくつかの実施形態において、視線データは、無線で受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、注意領域分析器１３２（図１）によって受信される。
【0055】
動作２１０において、広告車両の状態が受信される。広告車両の状態は、広告車両の場所及び姿勢に関する情報を含む。広告車両の状態は、広告車両の場所及び姿勢に関する時間情報を更に含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の広告の内容に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の広告の位置に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の複数の広告及び複数の広告の各々の場所に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両のエンジン又はモータが作動しているか否かに関する情報を更に含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、無線で受信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、走行経路分析器１３６（図１）によって受信される。
【0056】
動作２１５において、軌跡データは広告車両の状態に基づいて生成される。軌跡データは、既知の物体に対する広告車両の現実世界における向きを判別するために使用可能である。いくつかの実施形態において、軌跡データは、広告車両の既知の走行計画に基づいて生成される。いくつかの実施形態において、軌跡データは、走行経路分析器１３６（図１）を用いて生成される。
【0057】
動作２２０において、軌跡データを受信された視線データと相関させる。軌跡データを受信された視線データと相関させることは、広告車両に取り付けられた広告を乗員が視認していたことを視線データが示すか否かの判別を可能にする。広告車両が複数の広告を有するいくつかの実施形態において、相関関係は、また、観察車両の乗員によって広告車両のどの部分が視認されたかに関する情報と、広告車両上の広告の場所とに基づいて、乗員によってどの広告が視認されたかを識別する。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８（図１）を用いて、軌跡データを受信された視線データと相関させる。
【0058】
動作２２５において、ヒストグラムが軌跡データと受信された視線データとの間の相関関係に基づいて生成される。ヒストグラムは、視線データとマップデータとの間の相関関係を、追加データ、例えば、日付、時刻、人口統計データ、又は他の適切な情報などと関連付ける。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、時間帯、気象条件、標識の場所、車両の進行方向に対する標識の角度、人口統計情報、又は他の適切な基準に基づいている。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、注意標識分析器１３８（図１）を用いて生成される。
【0059】
動作２３０において、広告車両の走行計画が、ヒストグラムに基づいて更新される。走行計画を更新することによって、広告車両の移動式広告の有効性を向上させる。走行計画は、移動式広告のターゲット層が位置している可能性が高い場所を移動式広告に進ませるように更新される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、即座の実施を意図している。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、さらなる実施を意図しており、いくつかの事例において、更新された走行計画は、広告車両が運転される次回のために使用可能であることを意味する。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、運転を開始する時刻、更新された走行計画の実施中に維持されるべき所望の速度、広告車両上の移動式広告の要求位置、又は他の適切な情報を含む。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、広告車両の運転者又はオペレータによって実施される。広告車両が自動運転可能であるいくつかの実施形態において、更新された走行計画は、自動運転車両が更新された走行計画を実施することを可能にするために、自動運転車両によって実行可能な命令を含む。いくつかの実施形態において、走行計画は、広告アドバイザ１４４（図１）を用いて更新される。
【0060】
動作２３５において、更新が顧客に送信される。いくつかの実施形態において、顧客は顧客１９０（図１）を含む。いくつかの実施形態において、更新は、移動式広告の視認量、移動式広告の視認者の人口統計、移動式広告の視認持続時間、移動式広告が視認された場所、又は他の適切な情報を顧客に通知するために、ヒストグラムに基づく情報を含む。いくつかの実施形態において、更新は無線で送信される。いくつかの実施形態において、更新は有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新は、顧客から受信されるデータ要求に対する応答を含む。いくつかの実施形態において、更新は、広告アドバイザ１４４（図１）から送信される。
【0061】
動作２４０において、移動式広告について提案された料金に関する更新が、顧客に送信される。いくつかの実施形態において、顧客は顧客１９０（図１）を含む。いくつかの実施形態において、更新された料金は、移動式広告の視認の数、移動式広告の視認者の人口統計、移動式広告の視認持続時間、又は他の適切な情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告アドバイザ１４４（図１）によって決定される。いくつかの実施形態において、料金の更新は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、料金の更新は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告アドバイザ１４４（図１）を用いて送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、顧客からの要求に応答して送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告車両の運転者又はオペレータからの要求に応答して送信される。
【0062】
動作２４５において、更新された走行計画が広告車両に送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、広告アドバイザ１４４（図１）によって送信される。
【0063】
当業者であれば、方法２００に対する変更が本明細書の範囲内であることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、追加の動作が方法２００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、方法２００は、支払い命令を銀行システムに転送して、広告車両の運転者又はオペレータに支払うことを含む。いくつかの実施形態において、方法２００の少なくとも１つの動作が省略される。例えば、いくつかの実施形態において、動作２１０は省略され、広告の視認は、視線データとともに受信される画像データに基づいて判別される。いくつかの実施形態において、方法２００の動作の順序が調整される。例えば、いくつかの実施形態において、顧客に対する更新は、更新された走行計画を生成する前に送信される。
【0064】
図３は、いくつかの実施形態による、視線データのデータ構造３００の図である。いくつかの実施形態において、データ構造３００は、観察車両システム１１０からサーバ１３０（図１）へ送信される視線データに対応する。いくつかの実施形態において、データ構造３００は、サーバ１３０（図１）によって使用される視線データに対応して、移動式広告の視認が発生したか否かを判別し、走行計画を生成し、広告車両の運転者又はオペレータに支払い指示を提供し、又は顧客に推奨事項を提供する。
【0065】
視線データのデータ構造３００は、タイムスタンプ情報３０５を含む。タイムスタンプ情報３０５は、視線データが収集された時刻を示す。データ構造３００は、車両情報３１０を更に含む。車両情報３１０は、観察車両の車両の種類、例えば、自動車、オートバイ、歩行者、自転車などを示す。データ構造３００は、車両位置情報３１５を更に含む。車両位置情報３１５は、現実世界における観察車両の場所及び姿勢を示す。いくつかの実施形態において、場所及び姿勢は、マップデータに基づいて、既知の物体の場所に対して判別される。データ構造３００は、車両位置に対する視線角度３２０を更に含む。視線角度３２０は、乗員が観察車両の姿勢に対して見ている方向を示す。データ構造３００は、広告の位置３２５を更に含む。広告の位置３２５は、タイムスタンプ情報３０５に一致する時刻に観察車両のセンサ、例えば、フロントカメラ１１４（図１）などによって検出される移動式広告の場所を示す。データ構造３００は、広告の種類情報３３０を更に含む。広告の種類情報３３０は、移動式広告が広告車両に取り付けられた標識であるか、広告車両の屋根の表示であるか、又は他の適切な情報であるか否かを示す。いくつかの実施形態において、広告の種類情報３３０は、広告車両に対する移動式広告の大きさを示す。いくつかの実施形態において、広告の種類情報３３０は、観察車両のセンサ、例えば、フロントカメラ１１４（図１）などを使用することによって受信されるデータに基づいて判別される。データ構造３００は、引き付けられた注意の領域３３５を更に含む。引き付けられた注意の領域３３５は、視線データのソースである乗員の注意を引き付けた広告車両の領域を示す。いくつかの実施形態において、引き付けられた注意の領域３３５は、観察車両のセンサ、例えば、フロントカメラ１１４（図１）などを使用することによって受信されるデータに基づいて判別される。
【0066】
データ構造３００は単に例示的なものであり、当業者であれば、様々な情報を視線データに含めることが可能であることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、構成要素の少なくとも１つは、データ構造３００から除外される。例えば、いくつかの実施形態において、引き付けられた注意の領域３３５は、データ構造３００から除外される。いくつかの実施形態において、追加の情報がデータ構造３００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、データ構造３００は、視線データのソースである乗員の人口統計情報を更に含む。
【0067】
図４は、いくつかの実施形態による、視線データを生成する方法のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法４００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法４００は、観察車両システム１１０（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法４００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。
【0068】
動作４０５において、乗員に関する情報が、例えば、乗員監視カメラ１１２（図１）などの監視カメラから受信される。いくつかの実施形態において、情報は、単一の画像捕捉デバイスを用いて捕捉される画像を含む。いくつかの実施形態において、情報は、複数の画像捕捉デバイスを用いて捕捉される画像を含む。いくつかの実施形態において、画像捕捉デバイスは、乗員に対して様々な位置に配置される。いくつかの実施形態において、画像捕捉デバイスの少なくとも１つを選択的に非作動にすることができる。
【0069】
動作４１０において、乗員の視線が、受信された情報に基づいて検出される。いくつかの実施形態において、乗員の視線は、乗員の捕捉画像に基づいて検出される乗員の目の方位角及び仰角に基づいて検出される。いくつかの実施形態において、また、乗員の視線は、運転者の捕捉画像から乗員の目の視軸に基づいて判別される深度座標に基づいて検出される。いくつかの実施形態において、乗員の視線は、観察車両の、例えば、フロントカメラ１１４（図１）などのカメラからの情報に基づいて検出され、視線は、カメラによって捕捉される画像の画素位置と関連付けられる。いくつかの実施形態において、動作４１０は、動作４１５で収集されるデータに基づいて実行される。いくつかの実施形態において、乗員の視線は、例えば、視線検出器１２２（図１）などの視線検出器を用いて検出される。
【0070】
動作４１５において、観察車両を囲む環境に関する情報が、フロントカメラから受信される。観察車両を囲む環境に関する情報は、車両に取り付けられた１つ又は複数のセンサを用いて受信される。いくつかの実施形態において、センサは、可視光カメラ、赤外線カメラ、ＬｉＤＡＲセンサ、ＲＡＤＡＲセンサ、ＳＯＮＡＲセンサ、又は別の適切なセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサは、フロントカメラ１１４（図１）を含む。いくつかの実施形態において、動作４１５からの情報は、乗員の視線を動作４１５からの情報と関連付けるために動作４１０において使用される。
【0071】
動作４２０において、物体が、動作４１５で収集されたデータに基づいて検出される。いくつかの実施形態において、物体は、動作４１５からのデータを分析する学習済みのニューラルネットワークによって検出される。いくつかの実施形態において、物体は、例えば、物体検出器１２４（図１）などの物体検出器を用いて検出される。いくつかの実施形態において、物体検出器１２４のニューラルネットワークは、ニューラルネットワークアーキテクチャ、例えば、シングルショット検出器（ＳＳＤ）、ＦａｓｔｅｒＲ－ＣＮＮなどを使用する。いくつかの実施形態において、物体の位置を検出することに加えて、動作４２０は、観察車両に対する物体の角度を検出することを含む。
【0072】
動作４２５において、世界座標系における観察車両の場所、又は動作４２０において検出された物体に対する観察車両の場所が判別される。いくつかの実施形態において、動作４２５は、観察車両についての状態情報を更に判別する。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の速度を含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の速度ベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の進行方向を含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両の加速度ベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両のジャークベクトルを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両のエンジン又はモータが作動しているか否かを含む。いくつかの実施形態において、状態情報は、観察車両に関する他の状態情報、例えば、速度（加速度）の変化、フロントガラスワイパの操作などを含む。いくつかの実施形態において、動作４２５は、例えば、位置特定ユニット１２６（図１）などの位置特定ユニットを用いて実施される。
【0073】
動作４３０において、検出された視線が向けられている物体が識別される。物体は、検出されたケースを検出された物体と相関させることによって識別される。検出された視線を周辺環境にマッピングして、視線と検出された物体との間の交点を識別する。いくつかの実施形態において、動作４３０は、位置特定ユニット１２６（図１）を用いて実施される。
【0074】
動作４３５において、検出された視線が向けられている物体の領域が識別される。領域は、検出されたケースを検出された物体と相関させることによって識別される。検出された視線を周辺環境にマッピングして、視線と検出された物体の一部との間の交点を識別する。いくつかの実施形態において、動作４１５からの情報は、動作４３５を正確に実施するのに充分な解像度を欠いており、動作４３５が省略される。いくつかの実施形態において、動作４３５は、位置特定ユニット１２６（図１）を用いて実施される。
【0075】
動作４４０では、視線データが、動作４１０、動作４２０及び動作４２５からのデータに基づいて生成される。視線データは、例えば、視線データ生成器１２８（図１）などの視線データ生成器を用いて生成される。いくつかの実施形態において、動作４３０及び／又は動作４３５は、視線データを生成するためにも用いられる。いくつかの実施形態において、視線データは、タイムスタンプ情報、車両システムの車両情報、観察車両の位置、及び観察車両に対する乗員の視線角度を含む。いくつかの実施形態において、視線データは、さらに、視線データを、動作４３０及び／又は動作４３５のいずれかからの物体の場所とリンクさせる。いくつかの実施形態において、動作４４０は、もしあれば、何の移動式広告が乗員に見えるかを判別する。いくつかの実施形態において、動作４４０は、乗員が遮られた物体を見ることを妨げる他の物体によって遮られている物体を識別する。いくつかの実施形態において、視線データは、動作４２０及び／又は動作４２５からの情報に基づいて遮られていると判別された物体に関する視線データを除外する。いくつかの実施形態において、視線データは、移動式広告が表示される第２の車両の情報（例えば、位置、ナンバープレートＩＤなど）を含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、視線データは、捕捉画像に基づいて乗員の人口統計分析を可能にするために、乗員の少なくとも１つの画像を更に含む。いくつかの実施形態において、視線データは、乗員の人口統計分析を可能にするために、乗員識別データ、例えば、乗員の識別番号などを含む。いくつかの実施形態において、乗員識別データは、内部メモリ又は外部デバイスからの所有権又はレンタル情報に基づいて受信される。
【0077】
動作４４５において、動作４４０において生成される視線データが、例えば、サーバ１３０（図１）などのサーバに送信される。いくつかの実施形態において、視線データは、無線で送信される。いくつかの実施形態において、視線データは、有線接続を介して送信される。
【0078】
いくつかの実施形態において、追加の動作が方法４００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、方法４００は、運転者の捕捉画像に基づいて運転者の人口統計情報を生成することを含む。いくつかの実施形態において、方法４００の動作の順序が変更される。例えば、いくつかの実施形態において、視線を引き付けた物体の識別は、視線データのサーバへの送信の後に実行される。いくつかの実施形態において、方法４００の少なくとも１つの動作が省略される。例えば、いくつかの実施形態において、動作４３０又は動作４３５が省略され又はサーバによって実行される。
【0079】
図５は、いくつかの実施形態による、広告車両の状態のデータ構造５００の図である。いくつかの実施形態において、データ構造５００は、広告車両システム１５０からサーバ１３０（図１）へ送信される広告車両の状態に対応する。いくつかの実施形態において、データ構造５００は、移動式広告の視認が発生したか否かを判別し、走行計画を生成し、広告車両の運転者又はオペレータに支払い命令を提供し、又は顧客に推奨事項を提供するためにサーバ１３０（図１）によって使用される広告車両データの状態に対応する。
【0080】
データ構造５００は、タイムスタンプ情報５０５を含む。タイムスタンプ情報５０５は、受信された広告車両に関する場所、姿勢、及び他のデータに対応する時刻を示す。データ構造５００は、車両情報５１０を更に含む。車両情報５１０は、広告車両のエンジン又はモータが作動しているか否か、表示された広告の位置、又は他の適切な情報を示す。データ構造５００は、車両位置情報５１５を更に含む。車両位置情報５１５は、広告車両の場所情報及び姿勢情報を含む。データ構造５００は、広告表示情報の種類５２０を更に含む。広告表示情報の種類５２０は、広告車両に取り付けられた移動式広告の内容及び構造を示す。広告が調整可能な広告であるいくつかの実施形態において、広告表示情報の種類５２０は、調整可能な広告によって表示される様々な広告の順序及びタイミングを示す。いくつかの実施形態において、広告車両１５０は複数の運転者によって共有され、データ構造５００は、正しい運転者がクレジットを受信することを確実にするのを助けるために、車両を運転している運転者の識別情報を含む。
【0081】
データ構造５００は単に例示的なものであり、当業者であれば、様々な情報を視線データに含めることができることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、構成要素の少なくとも１つは、データ構造５００から除外される。例えば、いくつかの実施形態において、車両情報３１０は、データ構造５００から除外される。いくつかの実施形態において、追加の情報がデータ構造５００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、データ構造５００は、広告車両の運転者識別情報を更に含む。
【0082】
図６は、いくつかの実施形態による、広告車両の状態を判別する方法６００のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法６００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法６００は、広告車両システム１５０（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法６００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。
【0083】
動作６０５では、ＧＰＳデータが受信される。ＧＰＳデータは、現実世界における他の既知の物体に対する広告車両の位置を判別するために受信される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳデータは、広告車両の外部のデバイスから受信される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳデータは、広告車両内のＧＰＳセンサから受信される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳデータは、ＧＰＳ１６０（図１）から受信される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳデータは、ナビゲーションシステム１５６（図１）によって受信される。いくつかの実施形態において、ＧＰＳデータは、位置特定ユニット１６４（図１）によって受信される。
【0084】
動作６１０では、広告車両の車両位置及び姿勢が、受信されたＧＰＳデータに基づいて判別される。いくつかの実施形態において、車両位置及び姿勢は、例えば、センサ１６２（図１）からのセンサデータに基づいて判別される。いくつかの実施形態において、車両位置及び姿勢は、位置特定ユニット１６４（図１）によって判別される。
【0085】
動作６１５では、広告車両の状態が送信される。広告車両の状態は、車両位置情報及び車両姿勢情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態情報は、追加の情報、例えば、広告車両上の移動式広告の場所、広告車両のエンジン又はモータが作動しているか否か、広告車両に取り付けられた移動式広告の内容、又は他の適切な情報などを含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、状態通知器１５４（図１）によって送信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、有線接続を介して送信される。動作６１５に続いて、方法６００は動作６０５に戻る。
【0086】
当業者であれば、方法６００に対する変更が本明細書の範囲内であることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、追加の動作が方法６００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、方法６００は、広告車両の走行計画を更新することを含む。いくつかの実施形態において、方法６００の少なくとも１つの動作が省略される。例えば、いくつかの実施形態において、広告車両の位置が外部デバイスによって追跡されるので、動作６０５が省略される。
【0087】
図７は、いくつかの実施形態による、車両を使用して広告を評価する方法７００のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法７００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法７００は、サーバ１３０（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法７００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。
【0088】
動作７０５では、観察車両内の乗員についての視線データが受信される。いくつかの実施形態において、乗員は、観察車両の運転者である。いくつかの実施形態において、乗員は、観察車両の運転者ではない。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両に取り付けられたデバイスからの情報に基づいて受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両から分離可能な情報、例えば、スマートグラスなどに基づいて受信される。視線データがスマートグラスの情報に基づいて受信されるいくつかの実施形態において、乗員は、観察車両内にいる代わりに、歩行者又は自転車乗りである。視線データは、観察車両に対する乗員の視線角度と、視線データが収集された時刻と関連する情報を含む。いくつかの実施形態において、視線データは、観察車両を囲む環境において既知の又は検出された物体に関する情報を更に含む。いくつかの実施形態において、視線データは、無線で受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態において、視線データは、注意領域分析器１３２（図１）によって受信される。
【0089】
動作７１０では、広告車両の状態が受信される。広告車両の状態は、広告車両の場所及び姿勢に関する情報を含む。広告車両の状態は、広告車両の場所及び姿勢に関する時間情報を更に含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の広告の内容に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の広告の位置に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両上の複数の広告及び複数の広告の各々の場所に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、広告車両のエンジン又はモータが作動しているか否かに関する情報を更に含む。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、無線で受信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、有線接続を介して受信される。いくつかの実施形態において、広告車両の状態は、走行経路分析器１３６（図１）によって受信される。
【0090】
動作７１５では、軌跡データが広告車両の状態に基づいて生成される。軌跡データは、既知の物体に対する広告車両の現実世界における向きを判別するために使用可能である。いくつかの実施形態において、軌跡データは、広告車両の既知の走行計画に基づいて生成される。いくつかの実施形態において、軌跡データは、注意標識分析器１３８（図１）を用いて生成される。
【0091】
動作７２０では、軌跡データを受信された視線データと相関させる。軌跡データを受信された視線データと相関させることは、広告車両に取り付けられた広告を乗員が視認していたことを視線データが示すか否かの判別を可能にする。広告車両が複数の広告を有するいくつかの実施形態において、相関関係は、また、観察車両の乗員によって広告車両のどの部分が視認されたかに関する情報と、広告車両上の広告の場所とに基づいて、乗員によってどの広告が視認されたかを識別する。いくつかの実施形態において、注意標識分析器１３８（図１）を用いて、軌跡データを受信された視線データと相関させる。
【0092】
動作７２５では、ヒストグラムが軌跡データと受信された視線データとの間の相関関係に基づいて生成される。ヒストグラムは、視線データとマップデータとの間の相関関係を、追加データ、例えば、日付、時刻、人口統計データ、又は他の適切な情報などと関連付ける。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、時間帯、気象条件、標識の場所、車両の進行方向に対する標識の角度、人口統計情報、又は他の適切な基準に基づいている。いくつかの実施形態において、ヒストグラムは、注意標識分析器１３８（図１）を用いて生成される。
【0093】
動作７３０では、更新が顧客に送信される。いくつかの実施形態において、顧客は、顧客１９０（図１）を含む。いくつかの実施形態において、更新は、移動式広告の視認量、移動式広告の視認者の人口統計、移動式広告の視認の持続時間、移動式広告が視認された場所、又は他の適切な情報を顧客に通知するために、ヒストグラムに基づく情報を含む。いくつかの実施形態において、更新は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、更新は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新は、顧客から受信されるデータ要求に対する応答を含む。いくつかの実施形態において、更新は、広告アドバイザ１４４（図１）から送信される。
【0094】
動作７３５では、移動式広告について提案された料金に関する更新が、顧客に送信される。いくつかの実施形態において、顧客は顧客１９０（図１）を含む。いくつかの実施形態において、更新された料金は、移動式広告の視認数、移動式広告の視認者の人口統計、移動式広告の視認の持続時間、又は他の適切な情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告アドバイザ１４４（図１）によって決定される。いくつかの実施形態において、料金の更新は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、料金の更新は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告アドバイザ１４４（図１）を用いて送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、顧客からの要求に応答して送信される。いくつかの実施形態において、更新された料金は、広告車両の運転者又はオペレータからの要求に応答して送信される。
【0095】
動作７４０では、更新された走行計画が広告車両に送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、無線で送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、有線接続を介して送信される。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、広告アドバイザ１４４（図１）によって送信される。
【0096】
当業者であれば、方法７００に対する変更が本明細書の範囲内であることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、追加の動作が方法７００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、方法７００は、銀行システムに支払い命令を転送して、広告車両の運転者又はオペレータに支払うことを含む。いくつかの実施形態において、方法７００の少なくとも１つの動作は省略される。例えば、いくつかの実施形態において、動作７３５が省略される。いくつかの実施形態において、方法７００の動作の順序が調整される。例えば、いくつかの実施形態において、顧客に対する更新は、更新された走行計画を送信する前に送信される。
【0097】
図８は、いくつかの実施形態による、軌跡データのデータ構造８００の図である。いくつかの実施形態において、データ構造８００は、走行経路分析器１３６（図１）によって判別された軌跡データに対応する。いくつかの実施形態において、データ構造８００は、視線データを軌跡データと相関させるために注意標識分析器１３８（図１）によって使用される軌跡データに対応する。
【0098】
データ構造８００は、車両識別情報８０５を含む。車両識別情報８０５は、広告車両についての情報、例えば、ナンバープレート番号、車両識別番号（ＶＩＮ）、例えば、顧客１９０（図１）などの顧客との登録に基づく登録情報、又は他の適切な情報などを識別することを示す。データ構造８００は、様々な時刻に捕捉される複数の軌跡要素８１０を更に含む。軌跡要素８１０の各々は、同様の種類の情報を含み、その結果、広告車両に取り付けられた移動式広告の視認は、広告車両が走行経路に沿って移動している間の様々な時刻に判別することができる。いくつかの実施形態において、軌跡要素８１０を判別する間の時間は、広告車両からの更新された場所情報を受信することに基づいて設定される。いくつかの実施形態において、例えば、広告車両システム１５０（図１）などの広告車両システムは、定期的に場所情報を送信するように構成される。例えば、いくつかの実施形態において、定期的な間隔は、約１秒から約１０秒に及ぶ。定期的な間隔が長すぎる場合には、いくつかの事例では、広告の有効性を判別する精度が低下する。定期的な間隔が短すぎる場合には、いくつかの事例では、例えば、サーバ１３０（図１）などのサーバの処理負荷が精度の顕著な改善なしに増加する。いくつかの実施形態において、広告車両の場所情報は、或る距離を走行すること、所定の場所を通過すること、サーバからの要求に応答することなどのようなトリガーイベントに応答して送信される。
【0099】
軌跡要素８１０は、タイムスタンプ情報８１２を含む。タイムスタンプ情報８１２は、対応する軌跡要素８１０の情報が収集された時刻を示す。軌跡要素８１０は、位置情報８１４を更に含む。位置情報８１４は、広告車両に関する場所情報及び姿勢情報を示す。いくつかの実施形態において、位置情報８１４は、位置特定ユニット１６４（図１）によって判別される。いくつかの実施形態において、軌跡は、車両が過去に通過した場所を含む。いくつかの実施形態において、軌跡は、車両が通過しようとしている予測軌跡を含む。軌跡要素８１０は、表示された広告の種類８１６を更に含む。表示された広告の種類８１６は、移動式広告が広告車両に取り付けられた標識であるか、広告車両の屋根の上の表示であるか、又は他の適切な情報であるか否かを示す。いくつかの実施形態において、表示された広告の種類８１６は、広告車両に対する移動式広告の大きさを示す。いくつかの実施形態において、表示された広告の種類は、例えば、ＵＩ１５８（図１）を介して、広告車両の運転者又はオペレータから受信される情報に基づいて判別される。移動式広告が調整可能な広告であるいくつかの実施形態において、表示された広告の種類８１６は、移動式広告によって、例えば、状態通知器１５４（図１）などの状態通知器に提供される。
【0100】
データ構造８００は単に例示的なものであり、当業者であれば、様々な情報を視線データに含めることができることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、構成要素の少なくとも１つは、データ構造８００から除外される。例えば、いくつかの実施形態において、広告車両が既に単一の種類の広告と関連付けられているとき、表示された広告の種類８１６は、データ構造８００から除外される。いくつかの実施形態において、追加の情報がデータ構造８００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、データ構造８００は、表示された広告の各々の場所を更に含む。
【0101】
図９は、いくつかの実施形態による、車両のユーザインターフェース９００の図である。いくつかの実施形態において、ＵＩ９００は、ＵＩ１５８（図１）に対応する。ＵＩ９００は、ナビゲーションＵＩ９０５を用いた走行経路を広告車両の運転者に通知するために使用可能である。ＵＩ９００は、広告掲載ＵＩ９１０を使用して、要求された広告の種類及び広告車両上の広告表示場所を広告車両の運転者に通知するために更に使用可能である。いくつかの実施形態において、ＵＩ９００は、広告車両の運転者又は広告車両の別の乗員から情報を受信するように構成される。いくつかの実施形態において、ＵＩ９００は、広告車両に一体化される。いくつかの実施形態において、ＵＩ９００は、広告車両から分離可能である。いくつかの実施形態において、ＵＩ９００は、モバイルデバイス、例えば、スマートフォンなどである。
【0102】
ナビゲーションＵＩ９０５は、例えば、ＧＰＳ１６０（図１）からＧＰＳ情報を受信し、広告車両の運転者に見えるマップを表示するように構成される。ナビゲーションＵＩ９０５は、さらに、広告車両が横断することが意図されるマップに沿って走行経路を表示するように構成される。いくつかの実施形態において、ナビゲーションＵＩ９０５は、タッチスクリーンを含む。いくつかの実施形態において、ナビゲーションＵＩ９０５は、外部デバイス、例えば、サーバ１３０（図１）などからマップ及び／又は走行経路の更新を受信するように構成される。
【0103】
広告掲載ＵＩ９１０は、要求された広告種類フィールド９１５及び要求された車両上の広告場所フィールド９２０を含む。要求された広告種類フィールド９１５は、広告車両に表示されるべき要求された広告を広告車両の運転者に通知するように構成される。広告車両の運転者が複数の異なる移動式広告にアクセスできる状況では、要求された広告種類フィールド９１５は、例えば、顧客１９０（図１）などの顧客によって移動式広告のどれが好まれるかを広告車両の運転者に通知するために使用可能である。いくつかの実施形態において、要求された広告種類フィールド９１５は、利用可能な移動式広告の各々と関連する広告車両の運転者又はオペレータに支払うべき料金に関する情報を含む。要求された広告場所フィールド９２０は、広告車両に表示されるべき広告の要求された場所を広告車両の運転者に通知するように構成される。広告車両の運転者が複数の異なる移動式広告にアクセスできる状況では、要求された広告場所フィールド９２０は、例えば、顧客１９０（図１）などの顧客からの情報に基づいて、移動式広告の各々のための好ましい場所を広告車両の運転者に通知するために使用可能である。いくつかの実施形態において、要求された広告場所フィールド９２０は、広告車両上の様々な場所で利用可能な移動式広告の各々と関連する広告車両の運転者又はオペレータに支払うべき料金に関する情報を含む。いくつかの実施形態において、広告掲載ＵＩ９１０は、要求された広告種類又は広告場所を確認又は拒否するための運転者から入力を受信することができる。いくつかの実施形態において、広告掲載ＵＩ９１０は、タッチスクリーンを含む。
【0104】
図９は、広告掲載ＵＩ９１０から分離しているナビゲーションＵＩ８０５を含む。いくつかの実施形態において、広告掲載ＵＩ９１０は、ナビゲーションＵＩ９０５に重ねられる。いくつかの実施形態において、広告掲載ＵＩ９１０は、広告車両が動き出すとすぐに隠される。
【0105】
図１０は、いくつかの実施形態による、広告車両のためのナビゲーションの方法１０００のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法１０００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法１０００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。
【0106】
動作１００５では、要求が広告車両の運転者に提供される。要求は、広告車両を運転するための要求された走行計画を含む。いくつかの実施形態において、要求は、広告車両にどの移動式広告を表示するかについての要求を更に含む。いくつかの実施形態において、要求は、ＵＩ、例えば、ＵＩ１５８（図１）などを用いて運転者に伝達される。要求は、外部デバイスから受信される。いくつかの実施形態において、要求は、広告アドバイザ１４４（図１）から受信される。いくつかの実施形態において、要求は、無線で受信される。いくつかの実施形態において、要求は、有線接続を介して受信される。
【0107】
動作１０１０では、運転者が受信した要求を受け入れるか否かに関する判別が行われる。判別は、運転者から受信された入力に基づいて行われる。いくつかの実施形態において、入力はＵＩ、例えば、ＵＩ１５８（図１）などを用いて受信される。いくつかの実施形態において、入力は、ＵＩとは別のデバイスから受信される。運転者が要求を受け入れないという判別に応答して、方法１０００は、動作１００５に戻り、運転者への新たな要求を待つ。いくつかの実施形態において、運転者は、追加の要求のための推奨事項を入力することができる。運転者が要求を受け入れたという判別に応答して、方法１０００は動作１０１５に進む。
【0108】
動作１０１５では、運転者が、広告車両にどの移動式広告を取り付けるかについての指示を受信する。いくつかの実施形態において、指示は、広告車両上の移動式広告の掲載のための場所も含む。運転者が複数の移動式広告にアクセスできるいくつかの実施形態において、指示は、移動式広告の２つ以上に対する場所の要求を含む。
【0109】
動作１０２０では、目的地が運転者によって設定される。いくつかの実施形態において、目的地は、動作１００５に対する要求を送信した広告主からの要求とは無関係に設定される。いくつかの実施形態において、目的地は、広告主からの要求を考慮して設定される。いくつかの実施形態において、目的地は、例えば、ＵＩ１５８（図１）により運転者から受信される入力に基づいて設定される。いくつかの実施形態において、目的地は、例えば、ナビゲーションシステム１５６（図１）などのナビゲーションシステムによって受信される。設定された目的地は、例えば、サーバ１３０（図１）などのサーバへ送信される。
【0110】
動作１０２５では、設定された目的地に基づく走行計画が広告車両によって受信される。いくつかの実施形態において、走行計画は、走行計画受信器１５２（図１）によって受信される。走行計画は、運転者を設定された目的地に連れて行くように決定され、広告車両に取り付けられた移動式広告の有効性を向上させると予測される経路に沿って設定された目的地へのルートを設定する。いくつかの実施形態において、走行計画は、広告アドバイザ１４４（図１）を用いて決定される。走行計画は、例えば、ナビゲーションシステム１５６（図１）などのナビゲーションシステムに入力され、走行経路に沿って運転者を案内する。
【0111】
動作１０３０では、運転者が、受信した走行計画に基づいて、走行経路に沿って広告車両の運転を開始する。広告車両が自動運転機能を有するいくつかの実施形態において、広告車両は、走行計画によって定められた走行経路に沿って走行するための指示を実行する。
【0112】
動作１０３５では、広告車両が、広告車両の場所及び姿勢に対する更新を提供する。更新は、例えば、サーバ１３０（図１）などのサーバへ送信される。次いで、サーバは、交通情報、更新された広告車両の場所、更新された広告視認情報、又は他の適切な情報を含む更新された情報に基づいて、走行計画を調整するか否かを判別する。
【0113】
動作１０４０において、走行計画を更新する決定に応答して、更新された走行計画が、無線又は有線接続を介して、広告車両に送信される。更新された走行計画は、ナビゲーションシステム、例えば、ナビゲーションシステム１５６（図１）に入力される。いくつかの実施形態において、ナビゲーションシステムは、走行計画の変更を広告車両の運転者に自動的に通知するように構成される。いくつかの実施形態において、運転者は、例えば、ＵＩ１５８（図１）を用いて、更新された走行計画を承認するか、又は更新された走行計画を拒否するオプションを有する。いくつかの実施形態において、更新された走行計画は、任意の既存の走行計画に自動的に置き換わる。
【0114】
動作１０４５では、広告車両が、設定された目的地に到着する。
【0115】
動作１０５０では、走行計画によって決定された走行経路に沿って走行する広告車両に対する支払いが、広告車両の運転者又はオペレータの口座によって受信される。いくつかの実施形態において、支払いは、目的地に到達するために取られた走行経路に単に基づく。いくつかの実施形態において、支払いは、広告車両が駐車する時間、及び広告車両が駐車する場所に部分的に基づく。
【0116】
当業者であれば、方法１０００に対する変更が本明細書の範囲内であることを理解するであろう。いくつかの実施形態において、追加の動作が方法１０００に含まれる。例えば、いくつかの実施形態において、方法１０００は、運転者による選択のために、設定された目的地への複数の走行経路を提示することを含む。いくつかの実施形態において、方法１０００の少なくとも１つの動作が省略される。例えば、いくつかの実施形態において、動作１０４０が省略され、走行経路は、目的地への移動の間、変更されないままである。いくつかの実施形態において、方法１０００の動作の順序が調整される。例えば、いくつかの実施形態において、運転への更新は、目的地の設定の前に開始される。
【0117】
図１１は、いくつかの実施形態による、広告車両のためのナビゲーションの方法１１００のフローチャートである。いくつかの実施形態において、方法１１００は、移動式広告システム１００（図１）を用いて実施される。いくつかの実施形態において、方法１１００は、システム１２００（図１２）を用いて実施される。方法１１００は、方法１０００（図１０）と同様である。同じ参照番号を有する動作は、簡潔さのために詳細には説明されない。
【0118】
方法１０００（図１０）と比較して、方法１１００は、動作１０３５と動作１０４０との間に動作１１１０及び動作１１２０を含む。動作１１１０において、広告車両が、広告内容についての更新された要求を受信する。動作１１２０において、広告車両上の広告内容は、受信された広告内容についての更新要求に応答して更新される。移動式広告が調整可能な広告であるいくつかの実施形態において、調整可能な広告は、広告内容を更新するための受信要求に応答して、自動的に変更される。移動式広告が調整可能な広告ではないいくつかの実施形態において、広告車両の運転者又はオペレータは、広告車両に取り付けられた移動式広告を変更する。動作１１１０及び動作１１２０を含むことは、広告の有効性を向上させるのに役立つ。例えば、広告車両が走行経路に沿って移動するにつれて、広告車両は様々なビジネスに近づくことになる。いくつかの実施形態において、様々なビジネスへの接近が閾値条件を満たすと、様々なビジネスへの移動式広告を変更する要求が受信される。
【0119】
図１２は、いくつかの実施形態による、車両広告システムを実装するためのシステム１２００の図である。システム１２００は、ハードウェアプロセッサ１２０２と、コンピュータプログラムコード１２０６、すなわち一組の実行可能な命令で符号化された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体１２０４、すなわち一組の実行可能な命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体１２０４とを含む。コンピュータ可読記憶媒体１２０４は、また、外部デバイスとインターフェースをとるための命令１２０７で符号化される。プロセッサ１２０２は、バス１２０８を介してコンピュータ可読記憶媒体１２０４に電気的に結合される。プロセッサ１２０２は、また、バス１２０８により入出力（Ｉ／Ｏ）インターフェース１２１０に電気的に結合される。また、ネットワークインターフェース１２１２がバス１２０８を介してプロセッサ１２０２に電気的に接続される。ネットワークインターフェース１２１２がネットワーク１２１４に接続されるので、プロセッサ１２０２及びコンピュータ可読記憶媒体１２０４は、ネットワーク１２１４を介して外部要素に接続することができる。プロセッサ１２０２は、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てを実行するためにシステム１２００を使用可能にすべく、コンピュータ可読記憶媒体１２０４で符号化されたコンピュータプログラムコード１２０６を実行するように構成される。
【0120】
いくつかの実施形態において、プロセッサ１２０２は、中央処理装置（ＣＰＵ）、マルチプロセッサ、分散処理システム、特定用途向け集積回路（ＡＳＩＣ）、及び／又は適切な処理装置である。
【0121】
いくつかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体１２０４は、電子的な、磁気的な、光学的な、電磁気的な、赤外線の、及び／又は半導体のシステム（又は機器若しくはデバイス）を含む。例えば、コンピュータ可読記憶媒体１２０４は、半導体メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダム・アクセス・メモリ（ＲＡＭ）、読み取り専用メモリ（ＲＯＭ）、剛性磁気ディスク、及び／又は光ディスクを含む。光ディスクを使用するいくつかの実施形態において、コンピュータ可読記憶媒体１２０４は、コンパクトディスク読み取り専用メモリ（ＣＤ－ＲＯＭ）、コンパクトディスク読み取り／書き込み（ＣＤ－Ｒ／Ｗ）、及び／又はデジタルビデオディスク（ＤＶＤ）を含む。
【0122】
いくつかの実施形態において、記憶媒体１２０４は、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てをシステム１２００に実行させるように構成されたコンピュータプログラムコード１２０６を記憶する。いくつかの実施形態において、記憶媒体１２０４は、また、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てを実行するために必要な情報と、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てを実行する間に生成される情報、例えば、視線データパラメータ１２１６、物体データパラメータ１２１８、車両位置パラメータ１２２０、広告内容パラメータ１２２２、及び／又は移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てを実行するための一組の実行可能な命令とを記憶する。
【0123】
いくつかの実施形態において、記憶媒体１２０４は、外部デバイスとインターフェースをとるための命令１２０７を記憶する。命令１２０７は、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てを効率的に実施するために、外部デバイスによって読み取り可能な命令をプロセッサ１２０２が生成することを可能にする。
【0124】
システム１２００は、Ｉ／Ｏインターフェース１２１０を含む。Ｉ／Ｏインターフェース１２１０は、外部回路に結合される。いくつかの実施形態において、Ｉ／Ｏインターフェース１２１０は、プロセッサ１２０２に情報及びコマンドを伝達するために、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、トラックパッド、及び／又はカーソル方向キーを含む。
【0125】
システム１２００は、プロセッサ１２０２に結合されたネットワークインターフェース１２１２も含む。ネットワークインターフェース１２１２は、１つ又は複数の他のコンピュータシステムが接続されたネットワーク１２１４とシステム１２００が通信することを可能にする。ネットワークインターフェース１２１２は、ＢＬＵＥＴＯＯＴＨ（登録商標）、ＷＩＦＩ（登録商標）、ＷＩＭＡＸ（登録商標）、ＧＰＲＳ、又はＷＣＤＭＡ（登録商標）のような無線ネットワークインターフェース、又はＥＴＨＥＲＮＥＴ（登録商標）、ＵＳＢ（登録商標）、又はＩＥＥＥ－１３９４のような有線ネットワークインターフェースを含む。いくつかの実施形態において、移動式広告システム１００（図１）、方法２００（図２）、方法４００（図４）、方法７００（図７）、方法１０００（図１０）、又は方法１１００（図１１）において説明されたような動作の一部又は全てが、２つ又は３つ以上のシステム１２００で実施され、情報、例えば、視線データパラメータ１２１６、物体データパラメータ１２１８、車両位置パラメータ１２２０、又は広告内容パラメータ１２２２などがネットワーク１２１４を介して様々なシステム１２００の間で交換される。
【0126】
本明細書の一態様は、移動式広告システムに関する。移動式広告システムは、命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的なコンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサとを含む。プロセッサは、観察車両から視線データを受信するための命令を実行するように構成される。プロセッサは、広告車両から場所情報を受信するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、視線データを場所情報と相関させて、視線データが広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、視線データと場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、広告についての広告有効性を高めるための走行計画を生成するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、走行計画を広告車両に送信するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ヒストグラムに基づいて広告の有効性を判別し、判別された広告の有効性に基づいて支払い命令を生成するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、視線データと関連する観察車両の乗員についての人口統計情報に基づいてヒストグラムを更新するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、広告車両から広告の内容に関する情報を受信するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、視線データに基づいて、広告車両に取り付けられた複数の広告のどの広告が視認されたかを判別するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、視線データに基づいて、視認された広告車両の領域を判別するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、視線データに基づいて、広告が視認された持続時間を判別するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ヒストグラムに基づいて、広告の有効性を高めるための推奨事項を生成するための命令を実行するように更に構成される。
【0127】
本明細書の一態様は、移動式広告方法に関する。方法は、視線データを観察車両から受信することを含む。方法は、場所情報を広告車両から受信することを更に含む。方法は、視線データを場所情報と相関させて、視線データが広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別することを更に含む。方法は、視線データと場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新することを更に含む。方法は、広告についての広告有効性を高めるための走行計画を生成することを更に含む。方法は、走行計画を広告車両に送信することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、ヒストグラムに基づいて広告の有効性を判別することと、判別された広告の有効性に基づいて支払い命令を生成することとを更に含む。いくつかの実施形態において、ヒストグラムを更新することは、視線データと関連する観察車両の乗員についての人口統計情報に基づいてヒストグラムを更新することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、広告車両から広告の内容に関する情報を受信することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、視線データに基づいて、広告車両に取り付けられた複数の広告のどの広告が視認されたかを判別することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、視線データに基づいて、視認された広告車両の領域を判別することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、視線データに基づいて、広告が視認された持続時間を判別することを更に含む。いくつかの実施形態において、方法は、ヒストグラムに基づいて広告の有効性を高めるための推奨事項を生成することを更に含む。
【0128】
本明細書の一態様は、移動式広告システムに関する。移動式広告システムは、広告車両についての場所情報を判別するように構成された広告車両システムを含む。移動式広告システムは、観察車両の乗員と関連する視線データを判別するように構成された観察車両システムを含む。移動式広告システムは、広告車両システム及び観察車両システムと通信可能なサーバを更に含む。サーバは、命令を記憶するように構成された非一時的なコンピュータ可読媒体と、非一時的なコンピュータ可読媒体に接続されたプロセッサとを含む。プロセッサは、視線データを観察車両システムから受信するための命令を実行するように構成される。プロセッサは、場所情報を広告車両システムから受信するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、視線データを場所情報と相関させて、視線データが広告車両に取り付けられた広告の視認を示すか否かを判別するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、視線データと場所情報との間の相関関係に基づいてヒストグラムを更新するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、広告の広告有効性を高めるための走行計画を生成するための命令を実行するように更に構成される。プロセッサは、走行計画を広告車両システムに送信するための命令を実行するように更に構成される。いくつかの実施形態において、広告車両システムは、サーバから走行計画を受信したことに応答して、ナビゲーションシステムを更新するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、ヒストグラムに基づいて広告の内容を更新する要求を生成し、要求を広告車両システムに送信するための命令を実行するように構成される。いくつかの実施形態において、広告車両システムは、広告の内容を更新する要求の受信に応答して、広告の内容を自動的に更新するように構成される。
【0129】
上記は、当業者が本開示の態様をより良く理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説したものである。当業者は、本明細書に導入された実施形態と同じ目的を遂行し且つ／又は同じ利点を達成するために他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解するべきである。また、当業者は、斯かる均等の構造が本開示の思想及び範囲から逸脱しないことと、当業者が、本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換及び改変を実行できることを理解すべきである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
