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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】内部ヒータを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20240723BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20240723BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240723BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240723BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/44
A24F40/46
A24F40/10
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023041317
(22)【出願日】2023-03-15
(62)【分割の表示】P 2021146639の分割
【原出願日】2012-12-05
(65)【公開番号】P2023063504
(43)【公開日】2023-05-09
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】11192696.0
(32)【優先日】2011-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ フラヴィアン
(72)【発明者】
【氏名】コシャン オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ソルンス ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】フリック ジャン-マルク
(72)【発明者】
【氏名】デゴモワ イヴァン
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/091593(WO,A1)
【文献】特開平3-232481(JP,A)
【文献】特表2011-518567(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0300433(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490(US,A1)
【文献】特表2009-537119(JP,A)
【文献】国際公開第2011/079932(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/066374(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/42
A24F 40/44
A24F 40/46
A24F 40/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
エアロゾル形成基体を貯蔵するため、外側ハウジング及び内部通路を有し且つ前記外側ハウジング及び内部通路間に前記エアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する貯蔵部と、
前記貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、前記エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、
前記内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、前記エアロゾル形成基体を前記貯蔵部から前記気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、
を備え、前記エアロゾル発生装置が電気的に作動され、前記エアロゾル発生装置の気化器が、前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒータを含み、前記電気ヒータが、
第1の電気接続部と、
第2の電気接続部と、
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部間にある加熱フィラメントと、
を含み、前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部並びに前記加熱フィラメントの円筒形状が円筒形ボアを定め、前記円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められ、
前記第1の電気接続部が第1の円筒形電気接続部であり、前記第2の電気接続部が第2の円筒形電気接続部であり、前記加熱フィラメントが円筒形加熱要素である、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部が中空管体の形態である、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第1の電気接続部が前記内部通路の第1の端部に位置し、前記第2の電気接続部が前記内部通路の第2の端部に位置し、前記加熱フィラメントが、前記第1の電気接続部に結合された第1の端部と、前記第2の電気接続部に結合された第2の端部とを有する、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記中空管体が導電性材料の中空管体である、請求項2又は請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記加熱フィラメントが前記多孔性接続部と接触状態にある、請求項1~3の何れかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記電気ヒータが、前記第1の電気接続部、前記第2の電気接続部及び前記加熱フィラメントを形成するような形状にされた電気抵抗材料のシートを含む、請求項1~3の何れかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記電気ヒータが円筒形電気的接合部を含み、前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部、前記円筒形電気的接合部、並びに前記加熱フィラメントの前記円筒形状が前記円筒形ボアを定める、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記多孔性接続部が多孔性材料の中空管体を含み、前記中空管体の外側寸法が、前記貯蔵部の前記内部通路の直径と実質的に等しい、請求項1~3の何れかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
少なくとも1つの空気入口及び少なくとも1つの空気出口を更に備え、前記空気入口及び空気出口が、前記空気入口から前記貯蔵部の内部通路を介して前記空気出口までの空気流れ経路を定めるように構成される、請求項1~3の何れかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
カートリッジであって、
エアロゾル形成基体を貯蔵するため、外側ハウジング及び内部通路を有し且つ前記外側ハウジング及び内部通路間に前記エアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する貯蔵部と、
前記貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、前記エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、
前記内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、前記エアロゾル形成基体を前記貯蔵部から前記気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、
を備え、前記気化器が、前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒータを含み、前記電気ヒータが、
第1の電気接続部と、
第2の電気接続部と、
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部間にある加熱フィラメントと、
を含み、前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部並びに前記加熱フィラメントの円筒形状が円筒形ボアを定め、前記円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められ、
前記第1の電気接続部が第1の円筒形電気接続部であり、前記第2の電気接続部が第2の円筒形電気接続部であり、前記加熱フィラメントが円筒形加熱要素である、カートリッジ。
【請求項11】
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部が中空管体の形態である、請求項10に記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第1の電気接続部が前記内部通路の第1の端部に位置し、前記第2の電気接続部が前記内部通路の第2の端部に位置し、前記加熱フィラメントが、前記第1の電気接続部に結合された第1の端部と、前記第2の電気接続部に結合された第2の端部とを有する、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記中空管体が導電性材料の中空管体である、請求項11又は12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
前記加熱フィラメントが前記多孔性接続部と接触状態にある、請求項10~12の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項15】
前記電気ヒータが、前記第1の電気接続部、前記第2の電気接続部及び前記加熱フィラメントを形成するような形状にされた電気抵抗材料のシートを含む、請求項10~12の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項16】
前記電気ヒータが円筒形電気的接合部を含み、前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部、前記電気的接合部、並びに前記加熱フィラメントの前記円筒形状が円筒形ボアを定め、前記円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められる、請求項15に記載のカートリッジ。
【請求項17】
前記多孔性接続部が多孔性材料の中空管体を含み、前記中空管体の外側寸法が、前記貯蔵部の前記内部通路の直径と実質的に等しい、請求項10~12の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項18】
少なくとも1つの空気入口及び少なくとも1つの空気出口を更に備え、前記空気入口及び空気出口が、前記空気入口から前記貯蔵部の内部通路を介して前記空気出口までの空気流れ経路を定めるように構成される、請求項10~12の何れかに記載のカートリッジ。
【請求項19】
カートリッジ及びエアロゾル発生装置を備えたエアロゾル発生システムであって、前記カートリッジ又はエアロゾル発生装置が、
エアロゾル形成基体を貯蔵するため、外側ハウジング及び内部通路を有し且つ前記外側ハウジング及び内部通路間に前記エアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する貯蔵部と、
前記貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、前記エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、
前記内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、前記エアロゾル形成基体を前記貯蔵部から前記気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、
を含み、前記エアロゾル発生装置が電気的に作動され、前記エアロゾル発生装置の気化器が、前記エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒータを含み、前記電気ヒータが、
第1の電気接続部と、
第2の電気接続部と、
前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部間にある加熱フィラメントと、
を含み、前記第1の電気接続部及び前記第2の電気接続部並びに前記加熱フィラメントの円筒形状が円筒形ボアを定め、前記円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められ、
前記第1の電気接続部が第1の円筒形電気接続部であり、前記第2の電気接続部が第2の円筒形電気接続部であり、前記加熱フィラメントが円筒形加熱要素である、エアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル形成基体を加熱するためのエアロゾル発生装置に関する。詳細には、限定ではないが、本発明は、液体エアロゾル形成基体を加熱するための電気作動のエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開特許第2009/132793号には、電気加熱式喫煙装置が開示されている。液体は、液体貯蔵部に貯蔵され、毛細管芯は、液体貯蔵部内に延びて内部の液体と接触する第1の端部と、液体貯蔵部から外に延びた第2の端部とを有する。加熱要素は、毛細管芯の第2の端部を加熱する。加熱要素は、電源と電気的に接続し且つ毛細管芯の第2の端部を囲む螺旋状に巻かれた電気加熱要素の形態である。使用時には、加熱要素は、ユーザが電源のスイッチをオンにすることによって作動させることができる。ユーザがマウスピース(吸口)を吸引することにより、毛細管芯及び加熱要素により電気加熱式喫煙装置及びその後にユーザの口唇に空気を吸い込むようにする。
【0003】
本発明の目的は、エアロゾル発生装置又はシステムにおけるエアロゾルの発生を改善することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開特許第2009/027832号
【発明の概要】
【0005】
本発明の1つの態様によれば、エアロゾル形成基体を貯蔵するため、外側ハウジング及び内部通路を有し且つ外側ハウジング及び内部通路間にエアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する貯蔵部と、貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、エアロゾル形成基体を貯蔵部から気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、を備える、エアロゾル発生装置が提供される。
【0006】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を気化してエアロゾルを形成するよう構成される。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むことができ、又はエアロゾル形成基体を受け取るように適合させることができる。当業者には周知のように、エアロゾルは、空気などの気体中の固体粒子又は液滴の懸濁液である。
【0007】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル形成基体を貯蔵するため、外側ハウジング及び内部通路を有し且つ外側ハウジング及び内部通路間にエアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する貯蔵部と、貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、エアロゾル形成基体を前記貯蔵部から気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、を備える、カートリッジが提供される。
【0008】
エアロゾル発生装置及びカートリッジが協働し、エアロゾル形成基体を加熱するためのエアロゾル発生システムを提供することができる。カートリッジ又はエアロゾル発生装置は、内部通路を有する貯蔵部を備えることができる。気化器及び多孔性接続部は、エアロゾル発生装置に含めることができる。気化器及び多孔性接続部はまた、カートリッジに含めることができる。
【0009】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を加熱するための気化器を備えることができる。代替として、又はこれに加えて、エアロゾル発生装置は、多孔性接続部を備えることができる。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を貯蔵する貯蔵部を備えることができる。
【0010】
カートリッジは、エアロゾル形成基体を加熱するための気化器を備えることができる。代替として、又はこれに加えて、カートリッジは、多孔性接続部を備えることができる。カートリッジは、エアロゾル形成基体を貯蔵する貯蔵部を備えることができる。
【0011】
本発明の別の態様によれば、カートリッジ及びエアロゾル発生装置を備え、該カートリッジ又はエアロゾル発生装置が、内部通路を有してエアロゾル形成基体を貯蔵する貯蔵部と、貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、エアロゾル形成基体を貯蔵部から気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、を含む、エアロゾル発生システムが提供される。
【0012】
本発明の全ての態様において、貯蔵部は液体貯蔵部とすることができる。本発明の全ての態様において、エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体とすることができる。エアロゾル形成基体は、ニコチンを含むことができる。エアロゾル形成基体は、担体又は支持体に吸着、コーティング、含浸、又は充填することができる。
【0013】
或いは、エアロゾル形成基体は、例えば、ガス状基体又はゲル状基体、或いは種々の基体の何らかの組み合わせなど、他の何れかの種類の基体とすることができる。エアロゾル形成基体は、固体気体であってもよい。
【0014】
多孔性接続部は、液体貯蔵部における液体エアロゾル形成基体と接触するように構成することができる。1つの実施形態において、多孔性接続部における液体エアロゾル形成基体は、ヒータにより気化されて過飽和を形成する。過飽和蒸気は空気と混合される。過飽和蒸気は凝縮してエアロゾルを形成し、該エアロゾルは、ユーザの口腔に向けて運ばれる。液体エアロゾル形成基体は、液体を多孔性接続部に通して移送することを可能にする、表面張力及び粘度のような好適な物理的特性を有する。
【0015】
本発明において、気化器は、貯蔵部の内部通路内に少なくとも部分的に延びる。貯蔵部の内部通路内に少なくとも部分的に気化器を有することで、幾つかの利点が見いだせる。第1に、部品設計が簡素化される理由から、エアロゾル発生装置及びカートリッジの製造及び組み立てがより容易により迅速になる。第2に、気化器が、貯蔵部の下流側ではなく、貯蔵部の内部通路内に少なくとも部分的に延びるので、任意選択的に、エアロゾル発生装置及びカートリッジの長さを短縮することができる。第3に、気化器が、貯蔵部の内部通路内に少なくとも部分的に延びるので、損傷、曲げ、又は歪みから気化器を保護することができる。第4に、気化器がヒータを含む場合には、貯蔵部は、エアロゾル発生装置のハウジングの過熱を防ぐことができる断熱体として機能することができる。第5に、多孔性接続部が内部通路を少なくとも部分的に裏打ちするので、重力の助けにより貯蔵部から液体を運ぶことができ、これにより多孔性接続部が完全に乾燥するのが軽減される。最後に、形成後に凝縮されたあらゆるエアロゾルは、多孔性接続部により再度使用され、これにより廃棄及び漏洩を低減することができる。
【0016】
貯蔵部は、エアロゾル形成基体を周囲空気から保護することができる(概して、空気が貯蔵部に入ることができないので)。貯蔵部は、エアロゾル形成基体を光から保護することができ、その結果、エアロゾル形成基体の劣化の危険性が大幅に低減されるようになる。その上、衛生状態を高レベルに維持することができる。貯蔵部は、詰め替え可能ではない場合がある。従って、貯蔵部内のエアロゾル形成基体が使い果たされると、エアロゾル発生装置又はカートリッジを交換する。或いは、貯蔵部は詰め替え可能であってもよい。この場合には、エアロゾル発生装置又はカートリッジは、貯蔵部の何回かの詰め替え後に交換することができる。貯蔵部は、所定数の吸煙の間エアロゾル形成基体を保持するよう構成することができる。従って、貯蔵部の容積は、望ましい吸煙数に基づいて拡張又は縮小することができる。
【0017】
1つの実施形態において、貯蔵部は容器を含むことができる。好ましくは、容器は、長さに沿って一定の断面形状及びサイズを有する。貯蔵部は、好ましくは、貯蔵部の外観を定める外側寸法を有する。外側寸法は、エアロゾル発生装置の寸法と実質的に等しくすることができ、これにより貯蔵部がエアロゾル発生装置と効果的に協働できるようになる。好ましくは、内部通路は、長さに沿って一定の断面形状及びサイズを有する。好ましくは、内部通路は、貯蔵部の長手方向軸線と整列される。換言すると、好ましくは、内部通路は中央通路である。或いは、内部通路は、貯蔵部の長手方向軸線と整列しなくてもよい。換言すると、内部通路は偏心することができる。貯蔵部は、好ましくは、内部通路の寸法を定める内側寸法を有する。
【0018】
好ましい実施形態において、貯蔵部は、環状断面を有するプリズム形容器を含み、環状部の内側半径は、容器の内部通路の半径であり、環状部の外側半径は、容器の外観を定める。
【0019】
好ましくは、使用時に、液体が貯蔵部から多孔性接続部を通って気化器に移送される。気化器の構成により、様々な異なる形状及びサイズの貯蔵部と共に使用可能にすることができる。多孔性接続部の内側は、貯蔵部内の液体と接触することができる。多孔性接続部の外側は、気化器と接触又は隣接することができる。1つの実施形態において、多孔性接続部の外側の液体は、気化されて過飽和蒸気を形成する。液体エアロゾル形成基体は、液体を多孔性接続部に通して移送することを可能にする、表面張力及び粘度を含む好適な物理的特性を有する。
【0020】
多孔性接続部は、エアロゾル形成基体を気化器に向けて運ぶことができるあらゆる好適な材料又は材料の組合せを含むことができる。多孔性接続部は、毛細管材料を含むことができるが、これは必須ではない。多孔性接続部は、繊維又はスポンジ状構造を有することができる。多孔性接続部は、毛細管束を含むことができる。例えば、多孔性接続部は、複数の繊維又はスレッド、或いは、他の微細ボア管を含むことができる。代替として、多孔性接続部は、スポンジ状又は発泡状材料を含むことができる。多孔性接続部の構造は、複数の小さなボア又は管体を形成することができ、毛細管作用により、ここを通ってエアロゾル形成基体を貯蔵部から気化器に向けて移送することができる。特定の好ましい1つ又は複数の多孔性材料は、エアロゾル形成基体の好適な物理的特性に依存することになる。好適な多孔性材料の実施例には、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形のセラミック又は黒鉛系材料、発泡金属又は発泡プラスチック材料、例えば、酢酸セルロース、ポリエステル、又は結合ポリオレフィン、ポリエチレン、テリレン又はポリプロピレン繊維、ナイロン繊維又はセラミックなど、紡績又は押し出し繊維で作られた繊維性材料が挙げられる。この多孔性接続部は、異なる液体と共に使用されるように、あらゆる好適な多孔率を有することができる。液体は、好適な物理特性を有し、以下に限定されるわけではないが、多孔性接続部を通じて液体を移送できるような、粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点及び蒸気圧を含む特定のパラメータを考慮に入れる必要がある。
【0021】
多孔性接続部は、貯蔵部と協働するのに好適な何らかの形状を有することができる。好ましくは、多孔性接続部は、内部通路と同じ形状及び寸法を有し、これにより多孔性接続部が内部通路に緊密に収まることができるようになる。好ましくは、多孔性接続部は、内部通路を完全に裏打ちする。しかしながら、多孔性接続部は、内部通路を部分的にのみ裏打ちしてもよい。
【0022】
好ましい実施形態において、ここでは貯蔵部は、環状断面を有するプリズム形状の容器を含む。好ましくは、多孔性接続部は、多孔性材料の中空管体を含み、中空管体の外側寸法は、貯蔵部の内部通路の直径と実質的に等しい。多孔性材料の管体は、貯蔵部の内部通路の長さ全体又は一部に沿って延びることができる。
【0023】
気化器はヒータとすることができる。ヒータは、熱伝導、対流、及び輻射のうちの1つ又はそれ以上によってエアロゾル形成基体手段を加熱することができる。ヒータは、電力供給源により給電される電気ヒータとすることができる。代替として、ヒータは、可燃性燃料などの非電力供給源によって作動されてもよく、例えば、ヒータは、ガス燃料の燃焼によって加熱される熱伝導要素を含むことができる。ヒータは、熱伝導によりエアロゾル形成基体を加熱することができ、基体又は該基体が堆積された担体と少なくとも部分的に接触することができる。或いは、ヒータからの熱は、中間の熱伝導要素を用いて基体に伝導することができる。代替として、ヒータは、使用中にエアロゾル発生システムを通じて引き込まれる周囲空気に熱を伝達することができ、該空気は、対流によりエアロゾル形成基体を加熱する。
【0024】
好ましい実施形態において、エアロゾル発生装置は電気的に作動し、エアロゾル発生装置の気化器は、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒータを含む。
【0025】
電気ヒータは、単一の加熱要素を含むことができる。或いは、電気ヒータは、1つよりも多い加熱要素、例えば、2つ、又は3つ、又は4つ、又は5つ、又は6つ、又はそれ以上の加熱要素を含むことができる。1つ又は複数の加熱要素は、エアロゾル形成基体を最も効果的に加熱するように適切に構成することができる。
【0026】
少なくとも1つの電気加熱要素は、好ましくは電気抵抗材料を含む。好適な電気抵抗材料には、限定ではないが、ドープセラミックスのような半導体、電気的に「伝導性の」セラミックス(例えば、二ケイ化モリブデンのような)、炭素、黒鉛、金属、金属合金、及びセラミック材料と金属材料で作製された複合材料が挙げられる。このような複合材料は、ドープセラミックス又は非ドープセラミックスを含むことができる。好適なドープセラミックスの実施例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。好適な金属の実施例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、及び白金族の金属が挙げられる。好適な金属合金の実施例としては、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有合金、コバルト含有合金、クロム含有合金、アルミニウム含有合金、チタン含有合金、ジルコニウム含有合金、ハフニウム含有合金、ニオブ含有合金、モリブデン含有合金、タンタル含有合金、タングステン含有合金、スズ含有合金、ガリウム含有合金、マンガン含有合金、及び鉄含有合金、並びにニッケル基超合金、鉄基超合金、コバルト基超合金、ステンレス鋼、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム基合金、及び鉄-マンガン-アルミニウム基合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、コロラド州デンバー市Broadway Suite 4300所在のTitanium Metals Corporationの登録商標である。複合材料では、任意選択的に、電気抵抗材料は、エネルギー伝達の動力学及び要求される外部物理化学特性に応じて、絶縁材料に埋め込まれ、カプセル封入され、又はコーティングすることができ、逆もまた同様である。加熱要素は、不活性材料の2つの層の間で絶縁された金属エッチング箔を含むことができる。この場合、不活性材料は、Kapton(登録商標)、全ポリイミド箔又はマイカ箔を含むことができる。Kapton(登録商標)は、米国デラウェア州 19898 Wilmingtonの1007 Market Streetに所在のE.I. du Pont de Nemours and Companyの登録商標である。
【0027】
或いは、少なくとも1つの電気加熱要素は、赤外線加熱要素、光子源又は誘電加熱要素を含むことができる。
【0028】
少なくとも1つの電気加熱要素は、あらゆる好適な形態とすることができる。例えば、少なくとも1つの電気加熱要素は、加熱ブレード又は加熱ニードルもしくはロッドの形態とすることができる。或いは、少なくとも1つの電気加熱要素は、異なる導電部を有するケーシング又は基体、もしくは電気抵抗性金属管体の形態とすることができる。液体貯蔵部は、使い捨ての加熱要素を組み込むことができる。少なくとも1つの電気加熱要素は、可撓性シート材料を含むことができる。他の代替物は、加熱ワイヤ又はフィラメント、例えば、Ni-Cr(ニッケル-クロム)、白金、タングステン又は合金ワイヤ、又は加熱プレートを含む。任意選択的に、加熱要素は、剛性担体材料内又はその上に堆積させることができる。
【0029】
少なくとも1つの電気加熱要素は、吸熱及び蓄熱して、後で経時的に放熱してエアロゾル形成基体を加熱することができる材料を含む、ヒートシンク又はヒートリザーバを含むことができる。ヒートシンクは、好適な金属又はセラミック材料等のあらゆる好適な材料から形成することができる。好ましくは、材料は、高い熱容量を有する(顕熱蓄熱材料)か、又は吸熱後に高温相変化のような可逆プロセスにより放熱することができる材料である。好適な顕熱蓄熱材料には、シルカゲル、アルミナ、炭素、ガラスマット、ガラス繊維、無機物、及びアルミニウム、銀、もしくは鉛等の金属又は合金、並びにセルロース材料が挙げられる。可逆的相変化により放熱する他の好適な材料には、パラフィン、酢酸ナトリウム、ナフタレン、ワックス、ポリエチレンオキシド、金属、金属塩、共晶塩の混合物、又は合金が挙げられる。
【0030】
ヒートシンクは、多孔性接続部においてエアロゾル形成基体と直接接触して、蓄熱を直接エアロゾル形成基体に伝達できるように構成することができる。或いは、ヒートシンク又はヒートリザーバに貯えられた熱は、金属管体のような熱伝導体を介して多孔性接続部におけるエアロゾル形成基体に伝達することができる。
【0031】
少なくとも1つの加熱要素は、熱伝導によりエアロゾル形成基体を加熱することができる。加熱要素は、エアロゾル形成基体と少なくとも部分的に接触することができる。或いは、加熱要素からの熱は、熱伝導体によりエアロゾル形成基体に伝導することができる。
【0032】
代替として、又はこれに加えて、少なくとも1つの加熱要素は、使用時にエアロゾル発生装置を通じて引き込まれた流入周囲空気に熱を伝達することができ、該空気が、対流によりエアロゾル形成基体を加熱する。周囲空気は、エアロゾル形成基体を通過する前に加熱することができる。或いは、周囲空気は、最初にエアロゾル形成基体を通って引き込まれた後に加熱することもできる。
【0033】
気化器が電気ヒータを含む1つの好ましい実施形態において、電気ヒータは、第1の電気接続部と、第2の電気接続部と、第1の電気接続部及び第2の電気接続部の間にある加熱フィラメントと、を含む。
【0034】
1つの実施形態において、装置がカートリッジと共に使用中であるときには、第1の電気接続部は、内部通路の第1の端部に位置し、第2の電気接続部は内部通路の第2の端部に位置し、加熱フィラメントは、第1の電気接続部に接合された第1の端部と、第2の電気接続部に接合された第2の端部とを有する。この実施形態において、第1の電気接続部、第2の電気接続部、及び加熱フィラメントは、別個に製造されて、例えば、溶接により後で共に接合される。加熱フィラメントは、第1及び第2の電気接続部の間に加熱コイルを含むことができる。加熱フィラメントの他の形状も実施可能である。
【0035】
加熱フィラメントの全ての部分は、同じ断面形状及び断面積を有することができる。或いは、加熱フィラメントの一部分は、フィラメントの他の部分とは異なる断面形状及び断面積を有することができる。
【0036】
代替の実施形態において、電気ヒータは、第1の電気接続部、第2の電気接続部、及び加熱フィラメントを形成するような形状にされた電気抵抗材料のシートを含む。この実施形態において、第1の電気接続部、第2の電気接続部、及び加熱フィラメントは、電気抵抗材料のシートから一体的に形成される。用語「一体的に形成される」とは、第1の電気接続部、第2の電気接続部、及び加熱フィラメントが単一の材料片から単一部品として製造されることを意味する。一体的に形成された電気ヒータを提供することにより、ヒータの製造が簡素化される。
【0037】
電気抵抗材料のシートは、あらゆる好適な形状を有することができる。加熱フィラメント、第1の電気接続部及び第2の電気接続部は、電気抵抗材料のシートから形作ることにより形成することができる。例えば、加熱フィラメントは、レーザによって、或いは、高圧水ジェットによる化学的もしくは電気的プロセッサによって電気抵抗材料のシートから切り出すことができる。或いは、加熱フィラメントは、所望の形状に予形成することができる。
【0038】
電気抵抗材料のシートは、可撓性のシート材料とすることができる。好ましくは、可撓性シート材料は、液体貯蔵部の内部通路を通って延びるように正確な形にされた電気ヒータを形成するよう、折り畳み、ロール、湾曲、又は屈曲される。電気抵抗材料のシートは、あらゆる好適な可撓性を有することができる。
【0039】
加熱フィラメントは、電気接続部間に延びる方形波の形状を有することができる。すなわち、加熱フィラメントは、内部通路の長手方向軸線に実質的に平行に延びる部分と、内部通路の長手方向軸線に実質的に垂直に延びる部分とを含むことができる。内部通路の長手方向軸線に実質的に平行に延びる部分の数及びサイズは変えることができる。内部通路の長手方向軸線に実質的に垂直に延びる部分の数及びサイズは変えることができる。このことは、加熱要素の最終的な可撓性に影響を及ぼすことになる。或いは、加熱フィラメントは、他の何れかの好適な形状を有することができる。
【0040】
加熱フィラメントの全ての部分は、同じ断面形状及び断面積を有することができる。或いは、加熱フィラメントの一部は、加熱フィラメントの他の部分とは異なる断面形状及び断面積を有することができる。
【0041】
1つの好ましい実施形態において、装置がカートリッジと共に使用中であるときには、内部通路の内部に少なくとも部分的にある電気ヒータは、多孔性接続部と接触状態にある。このことにより、電気ヒータから多孔性接続部におけるエアロゾル形成基体への熱伝達が改善される。
【0042】
好ましくは、電気ヒータは弾性がある。電気ヒータは、あらゆる好適な弾性を有することができる。この弾性は、電気ヒータと多孔性接続部との間の接触をもたらすことができる。例えば、電気ヒータが、第1及び第2の電気接触部及び加熱フィラメントを形成するような形状にされた電気抵抗材料のシートを含む場合には、好ましくは、電気抵抗材料のシートの折り畳みにより、電気ヒータの組み付け時にバネ作用が得られるようになる。これのことは、電気ヒータが内部通路内にあるときに多孔性接続部との良好な接触を保証する。これにより再現可能で安定した喫煙が確実になる。加えて、これは、電気ヒータが内部通路から係脱状態になる可能性を低減する。
【0043】
電気ヒータの様々な形状を開示してきたが、当業者であれば、あらゆる好適な形状を用いることができることは理解されるであろう。加えて、加熱フィラメントは、第1及び第2の電気接続部間を完全に延びる同じ形状を有する必要はない。
【0044】
1つの好ましい実施形態において、エアロゾル発生装置は電気的に作動し、気化器が電気ヒータを含み、液体貯蔵部がプリズム形容器を含み、多孔性接続部は、液体貯蔵部内の液体と接触した内面と、該内面の反対側の外面とを有する多孔性材料の中空管体を含み、電気ヒータは、多孔性接続部の外面の付近でエアロゾル形成基体を加熱するように構成される。好ましくは、電気ヒータは、多孔性接続部の外面と接触した加熱フィラメントを含む。この実施形態において、使用時には、液体は、液体貯蔵部から内部通路を裏打ちする多孔性接続部を通って移送される。ヒータが作動すると、多孔性接続部の外面付近の液体は、ヒータによって気化されて過飽和蒸気を形成する。過飽和蒸気は、液体貯蔵部において内部通路を通る空気流と混合されて運ばれる。流れの間、蒸気が凝縮してエアロゾルを形成し、該エアロゾルは、ユーザの口腔に向けて運ばれる。
【0045】
しかしながら、本発明は、電気ヒータ気化器に限定されないが、機械的気化器(例えば、限定ではないが、圧電気化器又は加圧液体を用いた噴霧器)によって蒸気及び結果として生じるエアロゾルが生成されるエアロゾル発生装置及びシステムにおいても用いることができる。
【0046】
貯蔵部及び多孔性接続部、並びに任意選択的に気化器は、単一の構成要素としてエアロゾル発生装置から取り外し可能とすることができる。
【0047】
エアロゾル発生装置又はカートリッジは、少なくとも1つの空気入口を備えることができる。エアロゾル発生装置又はカートリッジは、少なくとも1つの空気出口を備えることができる。好ましい実施形態において、エアロゾル発生装置又はカートリッジは更に、少なくとも1つの空気入口及び少なくとも1つの空気出口を備え、該空気入口及び空気出口は、空気入口から貯蔵部の内部通路を介して空気出口までの空気流れ経路を定めるように構成される。
【0048】
従って、内部通路は更に、エアロゾルの発生を支援又は可能にするためのエアロゾル形成チャンバとしての機能を果たすことができる。1つ又はそれ以上の追加のエアロゾル形成チャンバを設けることができる。エアロゾルは、空気流れ経路において内部通路を通って運ばれ、該エアロゾルを空気出口及びユーザの口腔に送るようにする。加えて、内部通論のサイズは、エアロゾルの制御を支援するのに用いることができる。詳細には、小さな内部通路は、エアロゾル発生装置又はカートリッジを通る大きな空気流量をもたらし、結果としてエアロゾル中の液滴をより小さくすることができる。他方、大きな内部通路は、エアロゾル発生装置又はカートリッジを通る小さな空気流量をもたらし、結果として液滴をより大きくすることができる。エアロゾル中の液滴サイズは、ユーザ経験に影響を及ぼすことができる。好ましくは、空気は、内部通路と同じ直径を有する気化器を通って流れる。好ましくは、内部通路及び気化器のサイズは、エアロゾル形成基体並びに所望のエアロゾル特性に応じて予め設定されている。他方、代替として、内部通路及び気化器のサイズは、ユーザにより可変とすることができる。
【0049】
1つの実施形態において、内部通路に延びるように構成されたノズルが設けられる。ノズルは、流入する空気流を方向付けるのを可能にする。例えば、ノズルは、流入する空気流を気化器上に直接、又は多孔性接続部上に直接、又は気化器の表面にわたって、又は多孔性接続部の表面にわたって、或いは他の何れかの所望の方向に配向可能にすることができる。これは、エアロゾルの形成に影響を及ぼし、結果としてユーザ経験に影響を及ぼすことができる。加えて、ノズルは、空気流速を増大させることになる小さな断面を有する1つ又は複数の空気入口を提供することができる。これはまた、エアロゾル中の液滴サイズを縮小することによりエアロゾル形成に影響を及ぼすことができる。
【0050】
エアロゾル発生装置は、電気的に作動することができ、更に電力供給源を備えることができる。電力供給源は、AC電源又はDC電源とすることができる。好ましくは、電力供給源はバッテリである。エアロゾル発生装置は更に、電気回路を備えることができる。1つの実施形態において、電気回路は、ユーザの吸煙を示す空気流を検出するためセンサを備える。この場合、好ましくは、電気回路は、センサがユーザの吸煙を検知したときに気化器に電流パルスを提供するよう構成される。好ましくは、電流パルスの時間期間は、気化するのに望ましい液体量に応じて予め設定されている。電気回路は、好ましくは、このためにプログラム可能である。或いは、電気回路は、ユーザが吸煙を開始するための手動式スイッチを含むことができる。電流パルスの時間期間は、好ましくは、気化するのに望ましい液体量に応じて予め設定されている。電気回路は、好ましくは、このためにプログラム可能である。
【0051】
エアロゾル形成基体は、好ましくは、エアロゾル発生装置又はカートリッジで使用するのに好適な物理的特性(例えば、沸点及び蒸気圧)を有する。沸点が高すぎる場合には、液体を気化することができないが、沸点が低すぎる場合には、液体を容易に気化することができる。液体は、好ましくは、加熱時に液体から放出される揮発性タバコ香味化合物を含むタバコ含有材料を含む。代替として、又はこれに加えて、液体は、非タバコ材料を含むことができる。液体は、水溶液、エタノールなどの非水溶媒、植物抽出物、ニコチン、天然又は合成香味、或いはこれらの何れかの組み合わせを含むことができる。好ましくは、液体は更に、高濃度で安定したエアロゾルの形成を可能にするエアロゾルフォーマを含む。安定したエアロゾルフォーマの実施例は、グリセリン及びグリコールである。
【0052】
好ましくは、エアロゾル発生装置又はカートリッジは、ハウジングを備える。好ましくは、ハウジングは細長である。好ましくは、ハウジングの長手方向軸線は、貯蔵部の内部通路の長手方向軸線と実質的に整列されている。ハウジングは、シェル及びマウスピースを含むことができる。この場合、全ての構成要素は、シェル又はマウスピースの何れかに収容することができる。1つの実施形態において、ハウジングは、貯蔵部、気化器、及び多孔性接続部を備えた取り外し可能なインサートを含む。当該実施形態において、エアロゾル発生装置のこれらの部品は、単一の構成要素としてハウジングから取り外し可能とすることができる。これは、例えば、貯蔵部を詰め替え又は交換するのに有用とすることができる。
【0053】
ハウジングは、何らかの好適な材料又は材料の組合せを含むことができる。好適な材料の実施例には、金属、合金、プラスチック又はこれらの材料のうちの1つ又はそれ以上を含有する複合材料、もしくは食品又は製薬用途に好適な熱可塑性物質、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリエチレンが挙げられる。材料は、軽量で非脆性であることが好ましい。貯蔵部はまた、何らかの好適な材料又は材料の組合せを含むことができ、ハウジングと同じ又は異なる材料を含むことができる。
【0054】
1つの特定の好ましい実施形態において、カートリッジは、マウスピースと、エアロゾル形成基体を加熱し且つ装置内の電力供給源及び電気回路に接続可能な電気ヒータを有する気化器と、エアロゾル形成基体を貯蔵するための貯蔵部とを備え、電気ヒータ及び多孔性接続部がカートリッジ内に構成される。
【0055】
貯蔵部、並びに任意選択的に多孔性接続部及びヒータは、単一の構成要素としてエアロゾル発生システムから取り外し可能とすることができる。
【0056】
好ましくは、エアロゾル発生装置及びカートリッジは、個別に及び協働して携行可能である。好ましくは、装置は、ユーザが再利用可能である。好ましくは、カートリッジは、例えば、液体貯蔵部内に液体がもはや含まれていない場合にユーザによって処分することができる。装置及びカートリッジは、協働して喫煙システムであるエアロゾル発生システムを形成することができる。装置は、従来のシガー又はシガレットに相当するサイズを有することができる。カートリッジは、従来のシガー又はシガレットに相当するサイズを有することができる。喫煙システムは、約30mmと約150mmとの間の全長を有することができる。喫煙システムは、約5mmと約30mmの間の外側直径を有することができる。
【0057】
好ましくは、エアロゾル発生システムは、電気作動式の喫煙システムである。
【0058】
本発明によれば、内部通路を有するエアロゾル形成基体を貯蔵するための貯蔵部と、貯蔵部の内部通路の少なくとも部分的に内側にあり、液体エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成する気化器と、内部通路を少なくとも部分的に裏打ちして、液体エアロゾル形成基体を貯蔵部から気化器に向けて運ぶ多孔性接続部と、を備えるエアロゾル発生システムもまた提供される。
【0059】
1つの実施形態において、容器は、環状断面を有するプリズム形であり、環状部の内側半径は、容器の内部通路の半径であり、環状部の外側半径は、容器の外観を定める。
【0060】
当該実施形態において、多孔性接続部は、多孔性材料の中空管体を含むことができ、中空管体の外側寸法は、容器の内部通路の直径と実質的に等しい。
【0061】
好ましくは、エアロゾル発生装置は電気的に作動され、気化器は、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒータを備え、電気ヒータは、エアロゾル発生装置における電力供給源に接続可能である。
【0062】
当該実施形態において、電気ヒータは、好ましくは多孔性接続部と接触している。
【0063】
好ましい実施形態において、カートリッジ又はエアロゾル発生装置、或いはカートリッジ及びエアロゾル発生装置の両方は、少なくとも1つの空気入口を備え、カートリッジ又はエアロゾル発生装置、或いはカートリッジ及びエアロゾル発生装置の両方は、少なくとも1つの空気出口を備え、空気入口及び空気出口は、カートリッジがエアロゾル発生装置と共に使用される場合に、空気入口から容器の内部通路を介して空気出口までの空気流れ経路を定めるように構成される。
【0064】
本発明の1つの態様に関して説明した特徴は、本発明の別の態様にも適用可能とすることができる。
【0065】
単に例証として、添付図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明によるエアロゾル発生装置と共に使用するカートリッジの1つの実施形態の斜視図である。
図2図1のカートリッジの分解斜視図である。
図3】本発明によるカートリッジと共に使用する内部ヒータの第1の実施形態の斜視図である。
図4】本発明によるカートリッジと共に使用する内部ヒータの第2の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、本発明によるエアロゾル発生装置と共に使用するためのカートリッジの1つの実施形態の斜視図である。図2は、図1のカートリッジの分解斜視図である。図1及び2において、カートリッジは、電力供給源及び電気回路を有する電気作動式エアロゾル発生装置と共に使用するものである。
【0068】
図1及び2を参照すると、カートリッジ100は、円筒形容器101の形態の貯蔵部を備える。容器101は、第1の端部101a、第2の端部101b、及び外側ハウジング101cを有する。容器101は、内部通路103を定める。容器101は、容器の外側ハウジング101cと内部通路103との間に液体エアロゾル形成基体のためのリザーバを形成する。内部通路103内には、多孔性管体107の形態の多孔性接続部によって囲まれた内部ヒータ105の形態の気化器(図1では見えない)が設けられる。内部ヒータ105の構造は、図3及び4を参照して更に説明する。この実施形態において、多孔性管体107及び容器101間の分離壁109と、閉鎖部品111と、マウスピース部113及び115とが設けられる。
【0069】
カートリッジ101は、電力供給源及び電気回路を含むエアロゾル発生装置(図示せず)内に受けられるよう構成される。エアロゾル発生装置は更に、必須ではないが、吸煙検出装置を含むことができる。電気回路及び吸煙検出装置は、プログラム可能とすることができ、エアロゾル発生装置の作動を管理するのに用いることができる。この実施形態において、容器101の第1の端部101aは、エアロゾル発生装置における電力供給源及び電気回路に最も近接して受けられる。内部ヒータ105は、エアロゾル発生装置における電力供給源及び電気回路に接続される。容器101の第2の端部101bは、エアロゾル発生装置のマウスピースにて受けられる。カートリッジ100又はエアロゾル発生装置(図示せず)、或いはカートリッジ及びエアロゾル発生装置の両方は、空気入口と、マウスピースにある空気出口と、エアロゾル形成チャンバとを含むことができる。
【0070】
使用時における動作は以下の通りである。容器101によって形成された液体エアロゾル形成基体は、多孔性管体107を通って内部ヒータ105に向けて運ばれる。ユーザがエアロゾル発生装置のマウスピース端部にて吸引すると、カートリッジ又はエアロゾル発生装置の何れかの空気入口を通り、容器101における内部通路103を通って周囲空気が吸い込まれる。エアロゾル発生装置が吸煙検出装置を含む場合には、吸煙検出装置が吸煙を検知し、内部ヒータ105を作動させる。或いは、内部ヒータ105は、手動で作動させることもできる。エアロゾル発生装置における電力供給源は、電気エネルギーを内部ヒータ105に供給し、内部ヒータ105に隣接する多孔性管体107内の液体を加熱する。多孔性管体107内の液体は、内部ヒータ105により気化され、内部通路103内に過飽和蒸気を生成する。これと同時に、気化された液体は、リザーバから多孔性管体107を通って移動する別の液体に置き換えられる。生成した過飽和蒸気は、空気入口から内部通路を通る空気流と混合されて運ばれる。この蒸気が凝縮して吸入エアロゾルを形成し、該エアロゾルが空気出口にむけて、またユーザの口腔内に運ばれる。
【0071】
図1及び2は、本発明によるエアロゾル発生装置と共に使用するためのカートリッジの1つの実施例を示している。しかしながら、他の実施例も可能である。カートリッジは、単に、液体エアロゾル形成基体を含むか又は受けて、容器の内部通路内に少なくとも部分的に配置され且つ内部通路を少なくとも部分的に裏打ちする多孔性接続部によって液体から分離された気化器を備えることを必要とする。例えば、気化器は、ヒータを含まない場合があり、この場合には、液体エアロゾル形成基体を気化するための別の装置を含めることができる。例えば、吸煙検出装置を設ける必要はない。代わりに、装置は、手動起動によって作動させることができ、例えば、吸煙を行うときにユーザがスイッチを操作する。例えば、ハウジングの全体の形状及びサイズは変えることができる。
【0072】
好ましくは、カートリッジは、使い捨てであり、再利用可能なエアロゾル発生装置と協働するよう構成される。カートリッジは、液体が使用されたときには詰め替え又は交換することができる。従って、カートリッジ内の液体エアロゾル形成基体が使い果たされたときには、カートリッジは廃棄され、新しいカートリッジと交換することができ、或いは、空になったカートリッジを詰め替えることができる。しかしながら、エアロゾル発生装置は、別体のカートリッジと連動して作動するようには設計されていない場合がある。代わりに、エアロゾル発生装置は、貯蔵部内に液体エアロゾル形成基体を含むか又は受けて、液体貯蔵部の内部通路内に少なくとも部分的に位置し且つ該内部通路を少なくとも部分的に裏打ちした多孔性接続部によって液体から分離された気化器を含むことができる。換言すると、エアロゾル発生装置は、カートリッジに関連して説明された全ての構成要素を備えることができる。加えて、エアロゾル発生装置は、電力供給源及び電気回路を備えることができる。しかしながら、カートリッジと連動して作動するよう構成されたエアロゾル発生装置が提供されるのが好ましい。好ましくは、エアロゾル発生装置は再利用可能であり、カートリッジは、交換可能又は詰め替え可能である。従って、カートリッジ内の液体エアロゾル形成基体が使い果たされたときには、カートリッジは廃棄され、新しいカートリッジと交換することができ、或いは、空になったカートリッジを詰め替えることができる。
【0073】
図1及び図2に示すカートリッジは、比較的簡単な構成を有し、製造が簡素化される。内部ヒータ105は、容器101による損傷から保護され、該内部ヒータ105は、容器101の内部通路103内に収容される(従来技術の装置のように容器の下流側にあるのではなく)ので、カートリッジの全長及びひいてはエアロゾル発生装置を縮小することができる。その上、容器101は断熱体として機能するので、カートリッジの外側及びエアロゾル発生装置を過熱から保護することができる。重力の助けによって、容器101の上部の液体を多孔性接続部を通じて運ぶことができので、多孔性接続部が完全に乾燥するのが軽減される。過飽和蒸気が内部通路103において凝縮してエアロゾルを形成すると、内部通路内に蓄積するあらゆるエアロゾル液滴を多孔性接続部によって吸収することができる。これにより蓄積液滴を再使用することができ、廃棄物が低減される。
【0074】
多孔性管体107は、様々な多孔性材料から作られ、好ましくは公知の予め定められた多孔率を有することができる。この実施例には、スポンジ材料又は発泡材料、繊維又は焼結粉体の形のセラミック又は黒鉛系材料、発泡金属又は発泡プラスチック材料、例えば、酢酸セルロース、ポリエステル、又は結合ポリオレフィン、ポリエチレン、テリレン又はポリプロピレン繊維、ナイロン繊維又はセラミックなど、紡績又は押し出し繊維で作られた繊維性材料が挙げられる。異なる多孔率の多孔性管体を用いて、密度、粘度、表面張力、及び蒸気圧などの好適な物理的特性の様々な液体に対応することができる。多孔性管体は、所要の液体量をヒータに送給できるような好適なものとすることができる。図1及び図2に示す実施形態において、多孔性管体は、内部通路の長さに沿って延びている。しかしながら、これは必須ではなく、多孔性管体は、内部通路の一部のみに沿って延びてもよい。多孔性管体の寸法は、例えば、気化されるのに望ましい液体エアロゾル形成基体の量などのエアロゾル形成基体の所望の動作特性に応じて選択することができる。
【0075】
図3は、図1及び2に示したのと同様のカートリッジと共に用いるための内部ヒータ105の第1の実施形態の斜視図である。内部ヒータ105は、該内部ヒータの第1の端部にある第1の電気接続部301と、内部ヒータの第2の端部にある第2の電気接続部305とを含む。第1の電気接続部301を電力供給源に電気的に接続するための第1の電気接続ブレード303と、第2の電気接続部305を電力供給源に電気的に接続するための第2の電気接続ブレード307とが設けられる。加熱コイル309の形態の加熱フィラメントは、第1の電気接続部301と第2の電気接続部305との間に延びる。
【0076】
図3の実施形態において、第1の電気接続部301及び第2の電気接続部305、並びに加熱コイル309は、別個に製造されて、例えば、溶接によって後で共に接合される。第1及び第2の電気接続部は、導電性材料の中空管体の形態であるが、代替の形状も実施可能である。加熱コイル309は、螺旋状の電気抵抗材料の形態であるが、代替の形状も実施可能である。
【0077】
第1の電気接続部301及び第2の電気接続部305並びに加熱コイル309の円筒形状が円筒形ボアを定める。容器の内部通路において多孔性管体と共にヒータが組み立てられると、内部ヒータにより定められる円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められる。特に、第1の電気接続部301及び第2の電気接続部305の剛性は、内部通路103、及びひいてはエアロゾル発生装置を通る空気流れ経路の形状を維持するのを助ける。
【0078】
好ましくは、内部ヒータは、内部通路103及び多孔性管体107内に滑り嵌めを形成する。これにより、例えば、エアロゾル発生装置が震盪又は反転されたときに内部ヒータ及び多孔性管体が内部通路の外に落ちるのを防ぐことができる。加えて、好ましくは、加熱コイル309は、ヒータ及び多孔性管体が容器の内部通路内に組み立てられたときに多孔性管体と接触状態になる。これにより液体エアロゾル形成基体への良好な熱伝達が確保され、エアロゾルの安定した形成を可能にする。加熱コイル309の長さ及び内部ヒータ105の他の寸法は、所要の加熱量に応じて選ぶことができる。
【0079】
図4は、図1及び2に示したのと同様のカートリッジと共に用いるための内部ヒータ105’の第2の実施形態の斜視図である。内部ヒータ105’は、第1の電気接続部401と、第2の電気接続部405と、電気的接合部409とを含む。電気的接合部409は、内部ヒータの第1の端部にあり、第1の電気接続部401は、内部ヒータの第2の端部にある。第1の電気接続部401は、細長部分411を介して電気的接合部409に接合される。第2の電気接続部405は、第1の電気接続部401に隣接した内部ヒータの第2の端部にあり、加熱フィラメント413を介して電気的接合部409に接続される。加熱フィラメント413は、電気的接合部409と第2の電気接続部405との間に延びる。また、第1の電気接続部401を電力供給源に電気的に接続するための第1の電気接続ブレード403と、第2の電気接続部405を電力供給源に電気的に接続するための第2の電気接続ブレード407とが設けられる。
【0080】
図4の実施形態において、第1の電気接続部401、第2の電気接続部405、電気的接合部409、及び加熱フィラメント413は、電気抵抗材料の単一のシートから共に製造される。電気抵抗材料のシートは、あらゆる好適な形状を有することができる。第1の電気接続部401、第2の電気接続部405、電気的接合部409、及び加熱フィラメント413は、例えば、レーザによって、或いは、高圧水ジェットによる化学的もしくは電気的プロセッサによって電気抵抗材料のシートから切り出すことができる。或いは、電気抵抗材料のシートは、所望の形状に予形成することができる。シートが適切な形状を有すると、シートは、図4に示すように、円筒形管体を形成するように折り畳み、ロール、湾曲、又は屈曲することができる。
【0081】
電気抵抗材料の切断されたシートは、ロールされてヒータを形成し、第1の電気接続部401及び第2の電気接続部405、電気接続部409並びに加熱フィラメント413の円筒形状が円筒形ボアを定める。容器の内部通路において多孔性管体と共にヒータが組み立てられると、内部ヒータにより定められる円筒形ボアを通る空気流れ経路が定められる。内部ヒータの形状は、内部通路103、及びひいてはエアロゾル発生装置を通る空気流れ経路の形状を維持するのを助ける。
【0082】
好ましくは、内部ヒータは、内部通路103及び多孔性管体107内に滑り嵌めを形成する。これにより、例えば、エアロゾル発生装置が震盪又は反転されたときに内部ヒータ及び多孔性管体が内部通路の外に落ちるのを防ぐことができる。加えて、好ましくは、加熱フィラメント413は、ヒータ及び多孔性管体が容器の内部通路内に組み立てられたときに多孔性管体と接触状態になる。これにより液体エアロゾル形成基体への良好な熱伝達が確保され、エアロゾルの安定した形成を可能にする。詳細には、内部ヒータ105’のロールによる構成は、バネ又は弾性作用をもたらし、ヒータ及び多孔性管体が内部通路内に組み立てられたときに加熱フィラメント413と多孔性管体との間の良好な接触が確保される。加熱フィラメント413の長さ及び内部ヒータ105の他の寸法は、所要の加熱量に応じて選ぶことができる。
【0083】
図3及び4の実施形態において、空気流れ経路は、内部ヒータによって定められる円筒形ボアを通る。空気は、内部ヒータの中心を通って流れる。すなわち、内部通路及び内部ヒータのサイズは、空気流れ経路のサイズを定める。従って、内部通路及び内部ヒータによって形成された円筒形ボアは、エアロゾルの発生を支援又は可能にするためのエアロゾル形成チャンバとしての機能を果たすことができる。加えて、内部通路及び内部ヒータのサイズは、エアロゾルの制御を支援するのに用いることができる。小さな内部通路及び内部ヒータは、エアロゾル発生装置を通る大きな空気流量をもたらし、結果としてエアロゾル中の液滴をより小さくすることができる。他方、大きな内部通路及び内部ヒータは、エアロゾル発生装置を通る小さな空気流量をもたらし、結果として液滴をより大きくすることができる。エアロゾル中の液滴サイズは、ユーザ経験に影響を及ぼすことができる。好ましくは、内部通路及び内部ヒータのサイズは、エアロゾル形成基体並びに所望のエアロゾル特性に応じて予め設定されている。他方、代替として、内部通路及び内部ヒータのサイズは、ユーザにより可変とすることができる。
【0084】
1つの実施形態(図示せず)において、カートリッジがエアロゾル発生装置内に受けられたときに容器101の内部通路内に延びるよう構成されたノズルが設けられる。ノズルは、エアロゾル発生装置の一部又はカートリッジの一部を形成することができる。ノズルは、空気入口を内部通路内に提供する。内部ヒータが、空気流れ経路を囲む円筒形ボアを定める場合には、ノズルは、内部ヒータによって定められる円筒形ボア内に延びるよう構成することができる。ノズルは、流入空気流を方向付けるのを可能にすることができる。例えば、ノズルは、流入する空気流を内部ヒータ上に直接、又は多孔性接続部上に直接、又は内部ヒータの表面にわたって、又は多孔性接続部の表面にわたって、或いは他の何れかの所望の方向に配向可能にすることができる。これは、エアロゾルの形成に影響を及ぼし、結果としてユーザ経験に影響を及ぼすことができる。加えて、ノズルは、空気流速を増大させることになる小さな断面を有する1つ又は複数の空気入口を提供することができる。これはまた、エアロゾル中の液滴サイズを縮小することによりエアロゾル形成に影響を及ぼすことができる。
【0085】
従って、本発明によれば、エアロゾル発生装置は、内部通路を有する貯蔵部と、該内部通路内に少なくとも部分的に収容される気化器と、内部通路を少なくとも部分的に裏打ちする多孔性接続部とを含む。これは幾つかの利点を提供する。エアロゾル発生装置の実施形態を図1及び2を参照して説明し、気化器の実施形態は図3及び4を参照して説明した。1つの実施形態に関連して説明した特徴はまた、別の実施形態にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
101 貯蔵部
103 内部通路
105、105’ 気化器
107 多孔性接続部
図1
図2
図3
図4