(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】オブジェクトビルド方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/236 20170101AFI20240723BHJP
B29C 64/205 20170101ALI20240723BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20240723BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240723BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20240723BHJP
【FI】
B29C64/236
B29C64/205
B29C64/393
B33Y10/00
B29C64/165
(21)【出願番号】P 2023077466
(22)【出願日】2023-05-09
(62)【分割の表示】P 2021567071の分割
【原出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-05-09
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボニージャ、カルロス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ステルレ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブロンバーグ、ヴァディム
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス、タイラー アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】フルトン、ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ルーシェン、ピーター ダグラス
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/151832(WO,A1)
【文献】特開2014-065179(JP,A)
【文献】特開2015-193184(JP,A)
【文献】特開2013-176893(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のレールの下側に設けられているリコートヘッドアクチュエータに接続されたリコートヘッドでビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配し、
前記リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含むことで、第1リコート方向における前記リコート動作軸に沿った前記リコートヘッドアクチュエータの動作が、前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を前記リコートヘッドに分配させ、
前記単一のレールの上側に設けられているプリントヘッドアクチュエータに接続されたプリントヘッドで前記ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積し、
前記プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含むことで、前記第1リコート方向とは反対の第1プリント方向において、前記プリント動作軸に沿って前記プリントヘッドアクチュエータを動作させることによって、前記プリントヘッドで前記バインダ材料を堆積させ、
前記リコート動作軸と前記プリント動作軸とは相互に平行であり、垂直方向において相互に離間されている、
付加製造によるオブジェクトビルド方法。
【請求項2】
前記リコートヘッドおよび前記リコートヘッドアクチュエータは、前記ビルド材料の新しい層が前記ビルドプラットフォーム上に分配されるリコートサイクル時間を含み、
前記プリントヘッドおよび前記プリントヘッドアクチュエータは、前記バインダ材料が前記ビルド材料の新しい層上に堆積されるプリントサイクル時間を含み、
前記プリントサイクル時間は、前記リコートサイクル時間と重複する、
請求項1に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項3】
前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は、同一垂直面内にある、
請求項1または請求項2に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項4】
前記リコートヘッドは、リコート進み速度で、前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドアクチュエータによって作動され、
前記プリントヘッドはプリント進み速度で、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動され、
前記プリント進み速度はリコート進み速度よりも大きい、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項5】
前記リコート進み速度は、
初期リコート進み速度と、
分配進み速度と、
を含み、
前記初期リコート進み速度は前記分配進み速度より大きい、
請求項4に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項6】
前記プリント進み速度は、
初期プリント進み速度と、
堆積進み速度と、
を含み、
前記初期プリント進み速度は前記堆積進み速度より大きい、
請求項4または請求項5に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項7】
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配した後、前記リコートヘッドは、リコート戻り速度で前記第1リコート方向と反対の第2リコート方向に前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドアクチュエータによって作動される、
請求項4~請求項6のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項8】
前記リコート戻り速度は前記リコート進み速度より大きい、
請求項7に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項9】
前記第2リコート方向に、前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドが前記リコートヘッドアクチュエータによって作動されると、前記プリントヘッドは、前記第1プリント方向に、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動される、
請求項7または請求項8に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項10】
前記バインダ材料を前記ビルド材料の新しい層上に堆積させた後、前記プリントヘッドは、プリント戻り速度で、前記第1プリント方向と反対の第2プリント方向に、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動される、
請求項4に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項11】
前記プリント戻り速度は前記プリント進み速度より大きい、
請求項10に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項12】
前記プリントヘッドが前記プリントヘッドアクチュエータによって前記第2プリント方向に前記プリント動作軸に沿って作動されると、前記プリントヘッドは、前記ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積させる、
請求項10または請求項11に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項13】
前記プリント戻り速度は、
堆積戻り速度と、
プリント完了戻り速度と、
を含み、
前記プリント完了戻り速度は前記堆積戻り速度より大きい、
請求項10~請求項12のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項14】
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することは、供給プラットフォームから前記ビルドプラットフォームに、前記リコートヘッドに接続されているローラ、ブレード、およびワイパの少なくとも1つで、ビルド材料を広げることを含む、
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項15】
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することが、
前記リコートヘッドに接続された第1ローラでビルド材料を供給プラットフォームから前記ビルドプラットフォームに広げ、
前記リコートヘッドに接続された第2ローラで前記ビルドプラットフォーム上のビルド材料を圧縮する、
ことを含み、
前記第1ローラと前記第2ローラとが反対方向に回転する、
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項16】
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することは、前記リコートヘッドに接続されたエネルギー源で前記ビルド材料の新しい層を加熱することをさらに含む、
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項17】
前記ビルド材料の新しい層は、前記ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料の以前の層上に分配され、
前記ビルド材料の新しい層を分配する前に、前記ビルド材料の以前の層上に堆積されたバインダ材料を硬化させることをさらに含む、
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
【請求項18】
前記ビルド材料の以前の層上に堆積された前記バインダ材料は、前記リコートヘッドに接続されたエネルギー源で硬化される、
請求項17に記載のオブジェクトビルド方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は一般に、付加製造装置に関し、詳細には、付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリおよびその使用方法に関し、より詳細には、オブジェクトビルド方法に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造装置を利用して、有機粉末または無機粉末などのビルド材料からオブジェクトを層状に「ビルド」することができる。3次元オブジェクトを試作するために、付加製造装置の初期のバージョンが使用された。しかしながら、付加製造技術が改善されるにつれて、オブジェクトの大規模商業生産のために付加製造装置を利用することへの関心が高まっている。付加製造装置を商業生産にスケーリングする1つの課題は、商業的要求を満たすために付加製造装置のスループットを改善することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、製造スループットを改善する代替の付加製造装置およびその構成要素が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様A1は、ビルド材料を分配しバインダ材料を堆積するアクチュエータアセンブリである。アクチュエータアセンブリは、上部支持体と、垂直方向に上部支持体から離間された下部支持体と、を含み、上部支持体および下部支持体は水平方向に延在している。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、バインダ材料を堆積するプリントヘッドと、リコートヘッドと、上部支持体および下部支持体の一方に接続されたリコートヘッドアクチュエータと、を含む。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含み、リコートヘッドアクチュエータは、リコート動作軸に沿って双方向に動作可能であることで、リコートヘッドの双方向移動を可能とする。アクチュエータアセンブリは、プリントヘッドと、上部支持体および下部支持体の他方に接続されたプリントヘッドアクチュエータを含む。プリントヘッドアクチュエータは、プリント動作軸を含み、プリント動作軸に沿って双方向に動作可能であることで、プリントヘッドの双方向移動を可能とする。リコート動作軸およびプリント動作軸は相互に平行であり、垂直方向に相互に離間している。
【0005】
第2態様A2は第1態様A1のアクチュエータアセンブリを含み、上部支持体および下部支持体は、支持レールの反対側に配置される。
【0006】
第3態様A3は、リコート動作軸およびプリント動作軸が同じ垂直面内にある、態様A1~A2のいずれかのアクチュエータアセンブリを含む。
【0007】
第4態様A4は態様A1~A3のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、アクチュエータアセンブリは上部支持体と下部支持体との間に配置される中間支持体であって、水平方向に延在する中間支持体と、プロセスアクセサリと、プロセスアクセサリと中間支持体とに結合されたアクセサリアクチュエータとをさらに含み、アクセサリアクチュエータはアクセサリ動作軸を含み、アクセサリアクチュエータはアクセサリ動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによって、プロセスアクセサリの双方向の移動を行う。リコート動作軸、プリント動作軸、およびアクセサリ動作軸は、互いに平行であって、互いに垂直方向に離間している。
【0008】
第5態様A5は態様A1~A4のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プロセスアクセサリは、センサ、エネルギー源、エンドエフェクタ、またはそれらの組合せを含む。
【0009】
第6態様A6は態様A1~A5のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、センサは、イメージセンサ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、および超音波検出器のうちの少なくとも1つを含む。
【0010】
第7態様A7は、センサが、赤外線ヒータ、紫外線ランプ、およびレーザ光源のうちの少なくとも1つである態様A1~A6のいずれかのアクチュエータアセンブリを含む。
【0011】
第8態様A8は、態様A1~A7のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコートヘッドはリコートホームポジションを含み、プリントヘッドはリコートホームポジションから水平方向に離間したプリントホームポジションを含み、制御システムはリコートヘッドアクチュエータとプリントヘッドアクチュエータとに通信可能に連結され、制御システムはプロセッサと、プロセッサによって実行されると、リコートヘッドアクチュエータにリコートヘッドをリコートホームポジションからプリントホームポジションに向けてリコート進み速度で前進させ、リコートヘッドアクチュエータにリコート戻り速度でリコートホームポジションにリコートヘッドを戻させ、プリントヘッドアクチュエータにプリントヘッドのプリントホームポジションからリコートホームポジションに向けてプリント進み速度でプリントヘッドを前進させ、プリントヘッドアクチュエータにプリントヘッドをプリントホームポジションにプリント戻り速度で戻させる、コンピュータ可読実行可能命令を記憶する非一時的メモリと、を含む。
【0012】
第9態様A9は態様A1~A8のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコート戻り速度は、リコート進み速度よりも大きい。
【0013】
第10態様A10は態様A1~A9のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリント戻り速度は、プリント進み速度以上である。
【0014】
第11態様A11は態様A1~A10のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリント戻り速度は、プリント進み速度以下である。
【0015】
第12態様A12は態様A1~A11のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコート進み速度は初期リコート進み速度と、分配進み速度とを含み、初期リコート進み速度は、分配進み速度よりも大きい。
【0016】
第13態様A13は態様A1~A12のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリント進み速度は初期プリント進み速度と、堆積進み速度とを含み、初期プリント進み速度は、堆積進み速度よりも大きい。
【0017】
第14態様A14は態様A1~A13のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリント戻り速度は堆積戻り速度と、プリント完了戻り速度とを含み、プリント完了戻り速度は、堆積戻り速度よりも大きい。
【0018】
第15態様A15は前述の態様A1~A14のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリントヘッドはリコートヘッドがリコートホームポジションに戻る間に、プリントホームポジションからリコートホームポジションに向かって前進する。
【0019】
第16態様A16は態様A1~A15のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、
リコートヘッドは、リコートホームポジションからプリントヘッドのプリントホームポジションにプリントヘッドが戻る間、プリントホームポジションに向かって前進する。
【0020】
第17態様A17は態様A1~A16のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコートヘッドは、ビルド材料を分配するためのワイパおよびローラのうちの少なくとも1つを含む。
【0021】
第18態様A18は態様A1~A17のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコートヘッドは、ビルド材料を分配する先導ローラおよび後続ローラを含む。
【0022】
第19態様A19は態様A1~A18のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、先導ローラは第1方向に回転し、後続ローラは第1方向と反対の第2方向に回転する。
【0023】
第20態様A20は態様A1~A19のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、リコートヘッドおよび/またはプリントヘッドは、少なくとも1つのエネルギー源を含む。
【0024】
第21態様A21は、プリントヘッドがサーマルプリントヘッドまたはピエゾプリントヘッドである、態様A1~A20のいずれかのアクチュエータアセンブリを含む。
【0025】
第22態様A22は、プリントヘッドがプリント動作軸に直交する方向に固定されている、態様A1~A21のいずれかのアクチュエータアセンブリを含む。
【0026】
第23態様A23は、付加製造装置である。付加製造装置は、クリーニングステーションサイクル時間を含むクリーニングステーションと、ビルドプラットフォームと、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、を含む。リコートヘッドは、リコート動作軸を含むリコートヘッドアクチュエータに接続され、リコートヘッドおよびリコートヘッドアクチュエータはリコートサイクル時間を含む。付加製造装置は、バインダ材料を堆積するプリントヘッドを含む。プリントヘッドは、プリント動作軸を含むプリントヘッドアクチュエータに接続され、プリントヘッドおよびプリントヘッドアクチュエータはプリントサイクル時間を含む。リコート動作軸およびプリント動作軸は互いに平行であり、互いに垂直方向に離間されており、付加製造装置はクリーニングステーションサイクル時間、リコートサイクル時間、およびプリントサイクル時間の合計よりも小さい総合ビルドサイクル時間を含む。
【0027】
第24態様A24は第23態様A23のいずれかの装置を含み、クリーニングステーションサイクル時間はプリントサイクル時間およびリコートサイクル時間TRHの両方と重なり、総合ビルドサイクル時間は、リコートサイクル時間およびプリントサイクル時間の合計よりも小さい。
【0028】
第25態様A25は態様A23~A24のいずれかの装置を含み、リコートヘッドアクチュエータは上部支持体および下部支持体のうちの一方に結合され、プリントヘッドアクチュエータは上部支持体および下部支持体のうちの他方に結合され、上部支持体および下部支持体はビルドプラットフォームの上方に配置され、水平方向に延在する。
【0029】
第26態様A26は、リコート動作軸およびプリント動作軸が同一垂直面内に位置する、態様A23~A25のいずれかの装置を含む。
【0030】
第27態様A27は、A23~A26のいずれかの装置を含む。リコートヘッドはリコートホームポジションを含み、プリントヘッドはリコートホームポジションから水平方向
に離間されたプリントホームポジションを含む。装置は、リコートヘッドアクチュエータおよびプリントヘッドアクチュエータに通信可能に結合された制御システムをさらに含む。制御システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、リコートアクチュエータにリコートヘッドをリコートホームポジションからプリントホームポジションに向かってリコート進み速度で前進させ、リコートアクチュエータにリコート戻り速度でリコートヘッドをリコートホームポジションに戻させ、プリントヘッドアクチュエータにプリント進み速度でプリントヘッドをプリントヘッドのプリントホームポジションからリコートホームポジションに向かって前進させ、プリントヘッドアクチュエータにプリント戻り速度でプリントヘッドをプリントホームポジションに戻させるコンピュータ可読実行可能命令を記憶した非一時的メモリと、を含む。リコート戻り速度はリコート進み速度より大きく、プリント戻り速度はプリント進み速度よりも大きい。
【0031】
第28態様A28は態様A23~A27のいずれかの装置を含み、リコート進み速度は初期リコート進み速度と、分配進み速度とを含み、初期リコート進み速度は、分配進み速度よりも大きい。
【0032】
第29態様A29は態様A23~A28のいずれかの装置を含み、プリント進み速度は初期プリント進み速度と、堆積進み速度とを含み、初期プリント進み速度は、堆積進み速度よりも大きい。
【0033】
第30態様A30は態様A23~A29のいずれかの装置を含み、プリント戻り速度は堆積戻り速度と、プリント完了戻り速度とを含み、プリント完了戻り速度は、堆積戻り速度よりも大きい。
【0034】
第31態様A31は態様A23~A30のいずれかの装置を含み、プリントヘッドがプリントホームポジションからリコートホームポジションに向かって前進する間、リコートヘッドはリコートホームポジションに戻る。
【0035】
第32態様A32は態様A23~A31のいずれかの装置を含み、プリントヘッドがプリントヘッドのプリントホームポジションに戻る間に、リコートヘッドは、リコートホームポジションからプリントホームポジションに向かって前進する。
【0036】
第33態様A33は態様A23~A32のいずれかの装置を含む。装置は、垂直軸に沿って双方向に作動可能な供給プラットフォームをさらに含み、ビルドプラットフォームはクリーニングステーションと供給プラットフォームとの間に配置される。
【0037】
第34態様A34は、リコートヘッドに結合されたビルド材料ホッパをさらに含む、態様A23~A33のいずれかの装置を含む。
【0038】
第35の態様A35は、ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料ホッパをさらに含む、態様A23~A34のいずれかの装置を含む。
【0039】
第36態様A36は付加製造によってオブジェクトをビルドする方法を含む。方法は、リコートヘッドアクチュエータに結合されたリコートヘッドでビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配する。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含むことで、第1リコート方向におけるリコート動作軸に沿ったリコートヘッドアクチュエータの作動によって、リコートヘッドがビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配させる。プリントヘッドアクチュエータに結合されたプリントヘッドで、ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積させる。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含むことで、プリントヘッドアクチュエータが第1リコート方向とは反対の
第1のプリント方向に、プリント動作軸に沿ってプリントヘッドアクチュエータを作動させることによって、プリントヘッドでバインダ材料が堆積される。リコート動作軸およびプリント動作軸は互いに平行であり、垂直方向において互いに離間されている。
【0040】
第37態様A37は第36態様A36記載の方法を含み、リコートヘッドおよびリコートアクチュエータはビルド材料の新しい層がビルドプラットフォーム上に分配されるリコートサイクル時間を含み、プリントヘッドおよびプリントヘッドアクチュエータはバインダ材料が新しいビルド材料の層上に堆積されるプリントサイクル時間を含み、プリントサイクル時間は、リコートサイクル時間と重複する。
【0041】
第38態様A38は態様A36~A37のいずれかの方法を含み、リコート動作軸およびプリント動作軸は、同じ垂直平面内にある。
【0042】
第39態様A39は態様A36~A38のいずれかの方法を含み、リコートヘッドはリコート進み速度で、リコート動作軸に沿って、リコート動作アクチュエータによって作動され、プリントヘッドはプリント進み速度で、プリント動作軸に沿って、プリントヘッドアクチュエータによって作動され、プリント進み速度はリコート進み速度よりも大きい。
【0043】
第40態様A40は態様A36~A39のいずれかの方法を含み、リコート進み速度は初期リコート進み速度と、分配進み速度とを含み、初期リコート進み速度は、分配進み速度よりも大きい。
【0044】
第41態様A41は態様A36~A40のいずれかの方法を含み、プリント進み速度は初期プリント進み速度と、堆積進み速度とを含み、初期プリント進み速度は、堆積進み速度よりも大きい。
【0045】
第42態様A42は、ビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配した後、リコートヘッドは、リコート戻り速度で第1リコート方向と反対の第2リコート方向に、リコート動作軸に沿って、リコートヘッドアクチュエータによって作動される、態様A36~A41のうちのいずれかの方法を含む。
【0046】
第43態様A43は態様A36~A42のいずれかの方法を含み、リコート戻り速度は、リコート進み速度よりも大きい。
【0047】
第44態様A44は、リコートヘッドが第2リコート方向に、リコート動作軸に沿って、リコートヘッドアクチュエータによって作動されると、プリントヘッドが第1のプリント方向におけるプリント動作軸に沿って、プリントヘッドアクチュエータによって作動される、態様A36~A43のいずれかの方法を含む。
【0048】
第45態様A45はバインダ材料をビルド材料の新しい層上に堆積した後、プリントヘッドはプリント戻り速度で、第1プリント方向と反対の第2プリント方向に、プリント動作軸に沿って、プリントヘッドアクチュエータによって作動される、態様A36~A44のいずれかの方法を含む。
【0049】
第46態様A46は態様A36~A45のいずれかの方法を含み、プリント戻り速度は、プリント進み速度よりも大きい。
【0050】
第47態様A47は、プリントヘッドが第2のプリント方向に、プリント動作軸に沿って、プリントヘッドアクチュエータによって作動されると、プリントヘッドが新しいビルド材料層上にバインダ材料を堆積する、態様A36~A46のいずれかの方法を含む。
【0051】
第48態様A48は態様A36~A47のいずれかの方法を含み、プリント戻り速度は堆積戻り速度と、プリント完了戻り速度とを含み、プリント完了戻り速度は、堆積戻り速度よりも大きい。
【0052】
第49態様A49は態様A36~A48のいずれかの方法を含み、ビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配することは、リコートヘッドに結合されたワイパまたはローラのうちの少なくとも1つを用いて、ビルド材料を供給プラットフォームからビルドプラットフォームに拡散することを含む。
【0053】
第50態様A50は、ビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配することがリコートヘッドに結合された第1ローラで供給プラットフォームからビルドプラットフォームにビルド材料を広げることと、リコートヘッドに結合された第2ローラでビルドプラットフォーム上にビルド材料を圧縮することと、を含み、第1ローラおよび第2ローラが反対方向に回転される、A36~A49のいずれかの方法を含む。
【0054】
第51態様A51は態様A36~A50のいずれかの方法を含み、ビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配することは、リコートヘッドに結合されたエネルギー源を用いてビルド材料の新しい層を加熱することをさらに含む。
【0055】
第52態様A52は態様A36~A51のいずれかの方法を含み、ビルド材料の新しい層は、ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料の以前の層の上に分配され、方法は、ビルド材料の新しい層を分配する前に、ビルド材料の以前の層上に堆積されたバインダ材料を硬化させることをさらに含む。
【0056】
第53態様A53は態様A36~A52のいずれかの方法を含み、ビルド材料の以前の層上に堆積されたバインダ材料は、リコートヘッドに結合されたエネルギー源で硬化される。
【0057】
第54態様A54は、付加製造装置において、ビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積するアクチュエータアセンブリを含む。アセンブリは、水平方向に延びる支持体と、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、バインダ材料を堆積させるプリントヘッドと、リコートヘッドと支持体とに連結されたリコートアクチュエータと、を含む。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含むことで、リコート動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってリコートヘッドの双方向移動を可能にする。アセンブリは、プリントヘッドと支持体とに連結されたプリントヘッドアクチュエータを含む。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含むことで、プリント動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってプリントヘッドの双方向移動を可能にする。リコート動作軸とプリント動作軸とは同一直線上にあり、プリント動作軸上でのプリントヘッドアクチュエータの双方向作動と、リコート動作軸上でのリコートヘッドアクチュエータの双方向作動は互いに独立している。
【0058】
第55態様A55は第54態様A54のアクチュエータアセンブリを含み、支持体は第1垂直面内に配置され、リコート動作軸およびプリント動作軸は第1垂直面に平行な第2垂直面内に配置される。
【0059】
第56態様A56は態様A54~A55のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリントヘッドは支持体から片持ち支持され、リコートヘッドは支持体から片持ち支持される。
【0060】
第57態様A57は付加製造装置において、ビルド材料を分配しバインダ材料を堆積するアクチュエータアセンブリを含む。アセンブリは、上部支持体と、上部支持体から垂直方向に離間された下部支持体と、上部支持体と下部支持体との間に配置され、上部支持体及び下部支持体と垂直方向に離間している中間支持体と、を含む。上部支持体、下部支持体、および中間支持体は水平方向に延在している。アセンブリは、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、バインダ材料を堆積させるプリントヘッドと、プロセスアクセサリと、リコートヘッドと上部支持体、下部支持体、中間支持体の1つに接続されたリコートヘッドアクチュエータと、を含む。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含む。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってリコートヘッドの双方向移動を可能とする。アセンブリは、プリントヘッドと、上部支持体、下部支持体、および中間支持体の別の1つと接続されているプリントヘッドアクチュエータを含む。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含む。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってプリントヘッドの双方向移動を可能とする。アセンブリは、プロセスアクセサリと、上部支持体と、下部支持体および、中間支持体のさらに別の1つとに接続されたアクセサリアクチュエータを含む。アクセサリアクチュエータは、アクセサリ動作軸を含む。アクセサリアクチュエータはアクセサリ動作軸に沿って双方向作動可能であり、それによってプロセスアクセサリの双方向移動を可能とする。リコート動作軸、プリント動作軸、およびアクセサリ動作軸は互いに平行であり、互いに垂直方向に離間している。
【0061】
第58態様A58は第57のA57のアクチュエータアセンブリを含み、プロセスアクセサリは、センサ、エネルギー源、エンドエフェクタ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0062】
第59態様A59は態様A57~A58のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、センサは、イメージセンサ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、および超音波検出器のうちの少なくとも1つである。
【0063】
第60態様A60は態様A57~A59のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、エネルギー源は、赤外線ヒータ、紫外線ランプ、およびレーザ光源のうちの少なくとも1つである。
【0064】
第61態様A61は、アクチュエータアセンブリ、付加製造装置、および前述の態様のいずれかの方法と併せて使用することができる、付加製造装置のビルド容器を含む。ビルド容器は、ビルドチャンバを少なくとも部分的に取り囲む側壁と、ビルドチャンバ内に配置されたビルドプラットフォームとを備えるハウジングを備えることができる。ビルドプラットフォームの位置は、下方位置から複数の上側の位置の1つまで、および複数の上側の位置の1つから下方位置まで、垂直方向にビルドチャンバ内で摺動可能に調節可能である。ビルド容器は、ビルドチャンバの周りに配置された複数の加熱エレメントをさらに備える。
【0065】
第62態様A62は態様A61のビルド容器を含み、ビルドプラットフォームと側壁の内面との間にシールが配置される。
【0066】
第63態様A63は態様A62のビルド容器を含み、シールは、コア部分およびエンベロープ部分を備える。エンベロープ部分はコア部分を少なくとも部分的に包囲し、コア部分はポリテトラフルオロエチレンを含み、エンベロープ部分は繊維材料を含む。
【0067】
第64態様A64は態様A61~A63のいずれかのビルド容器を含み、エンベロープ部分はフェルトを含む。
【0068】
第65態様A65は態様A61~A64のいずれかのビルド容器を含み、コア部分は、編組ポリテトラフルオロエチレンパッキングシールを含む。
【0069】
第66態様A66は態様A61~A65のいずれかのビルド容器を含み、ビルドプラットフォームはビルドプラットフォームの縁部にシールシートを含み、シールはビルドプラットフォームと側壁の内面との間に配置されるように、シールシート内に配置される。
【0070】
第67態様A67は態様A61~A66のいずれかのビルド容器を含み、シールシートの少なくとも一部を囲むシールフレームをさらに備える。
【0071】
第68態様A68は態様A61~A67のいずれかのビルド容器を含み、ハウジングは、側壁から側壁の底部に近接するビルドチャンバ内に延在する複数の保持タブをさらに備える。
【0072】
第69態様A69は態様A61~A68のいずれかのビルド容器を含み、ビルドプラットフォームは、ビルドプラットフォームが下方位置にあるときに保持タブ上に着座する。
【0073】
第70態様A70は態様A61~A69のいずれかのビルド容器を含み、ハウジングは、側壁の頂部に近接する側壁から延在するフランジを含む。
【0074】
第71態様A71は態様A61~A70のいずれかのビルド容器を含み、ビルド容器の昇降を容易にする、フランジ、側壁、またはその両方に位置する複数のリフト点をさらに備える。
【0075】
第72態様A72は態様A61~A71のいずれかのビルド容器を含み、複数のリフト点の各リフト点は、フランジ、側壁、またはその両方から延びるハンドルを備える。
【0076】
第73態様A73は、複数のリフト点のそれぞれのリフト点が側壁から延在するリフトフランジを備える、態様A61~A72のいずれかのビルド容器を含む。
【0077】
第74態様A74は態様A61~A73のいずれかのビルド容器を含み、複数の加熱エレメントは、側壁の外面上に配置される。
【0078】
第75態様A75は態様A61~A74のいずれかのビルド容器を含み、複数の加熱エレメントは、側壁内に配置される。
【0079】
第76態様A76は態様A61~A75のいずれかのビルド容器を含み、複数の加熱エレメントは加熱ゾーンに配置され、各加熱ゾーンは独立して作動可能である。
【0080】
第77態様A77は態様A61~A76のいずれかのビルド容器を含み、各加熱ゾーンは、垂直方向に隣接する加熱ゾーンから離間している。
【0081】
第78態様A78は態様A61~A77のビルド容器を含み、各加熱ゾーンは、水平バンドに配置された少なくとも1つの加熱エレメントを含む。
【0082】
第79態様A79は複数の加熱エレメントがカバーと側壁の外面との間に配置されるように、側壁の外面に固定された少なくとも1つのカバーをさらに備える、態様A61~A78のいずれかのビルド容器を含む。
【0083】
第80態様A80は、少なくとも1つのカバーと複数の加熱エレメントとの間に配置される絶縁体をさらに含む、態様A61~A79のいずれかのビルド容器を含む。
【0084】
第81態様A81は態様A61~A80のいずれかのビルド容器を含み、側壁の外面は溝を含み、複数の加熱エレメントは、該溝内に配置される。
【0085】
第82態様A82は、ビルドチャンバの周囲に配置された複数の温度センサをさらに備える、態様A61~A81のいずれかのビルド容器を含む。
【0086】
第83態様A83は態様A61~A82のいずれかのビルド容器を含み、ビルドチャンバの周りに配置された複数の温度センサをさらに備える。
【0087】
第84態様A84は、温度センサが側壁内に配置される、態様A61~A83のいずれかのビルド容器を含む。
【0088】
第85態様A85は態様A61~A84のいずれかのビルド容器を含み、温度センサは、複数の加熱エレメントの個々に結合された抵抗温度検出器である。
【0089】
第86態様A86は態様A61~A85のいずれかのビルド容器を含み、2つの抵抗温度検出器が、複数の加熱エレメントのうちの個々の加熱エレメントに結合される。
【0090】
第87態様A87は態様A81~A86のいずれかのビルド容器を含み、2つの抵抗温度検出器は、複数の加熱エレメントの個々の加熱エレメントに結合される。
【0091】
第88態様A88はA61~A87のいずれかのビルド容器を含み、電気コネクタは複数の加熱エレメントに電力を供給し、ビルド容器の側壁の温度を示す電気信号を前記ビルド容器から送信する。
【0092】
第89態様A89は態様A81~A88のいずれかのビルド容器を含み、ビルドチャンバを少なくとも部分的に取り囲む蓋をさらに備える。
【0093】
第90態様A90は、ビルドプラットフォームの底面がビルドプラットフォームを下位置から複数の上位置の1つに、また複数の上位置の1つから下位置に作動させるためのリフトシステムに結合するためのコネクタをさらに含む、態様A61~A89のいずれかのビルド容器を含む。
【0094】
第91態様A91は態様A61~A90のいずれかのビルド容器を含み、ビルドプラットフォームの上面の下に配置された第2の複数の加熱エレメントをさらに備える。
【0095】
第92態様A92は態様A61~A91のいずれかのビルド容器を含み、第2の複数の加熱エレメントは、ビルドプラットフォームの底面の下に配置される。
【0096】
第93態様A93は、前述の態様のいずれかの装置、アセンブリ、および方法と併せて使用することができる、ビルド容器およびリフトシステムを備える付加製造装置を含む。ビルド容器は、ビルドチャンバを少なくとも部分的に取り囲む側壁を備えるハウジングと、ビルドチャンバ内に配置されたビルドプラットフォームとを備える。ビルドプラットフォームの位置は、下方位置から複数の上側の位置の1つまで、および複数の上側の位置の1つから下方位置まで、垂直方向にビルドチャンバ内で摺動可能に調節可能である。リフトシステムでは、ビルドプラットフォームの位置が、ビルドチャンバ内で、下方位置から複数の上側の位置の1つまで、および複数の上側の位置の1つから下方位置まで、垂直方
向に摺動可能に調節可能である。
【0097】
第94態様A94は態様A93の付加製造装置を含み、ビルドプラットフォームアクチュエータは、モータに連結されたボールねじを含む。
【0098】
第95態様A95は態様A93~A94のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドプラットフォームアクチュエータはボールねじがモータの電機子に回転可能に結合されるように、ボールねじをモータの電機子に接続する駆動リンケージをさらに含む。
【0099】
第96態様A96は態様A93~A95のいずれかの付加製造装置を含み、リフトシステムがビルドプラットフォームに結合されると、ビルドプラットフォームの底面が加熱プラテンの上面と接触する。
【0100】
第97態様A97は態様A93~A96のいずれかの付加製造装置を含み、リフトシステムは、加熱プラテンに結合された複数の垂直ガイドをさらに備える。
【0101】
第98態様A98は態様A93~A97のいずれかの付加製造装置を含み、リフトシステムは、加熱プラテンの垂直位置を検出するための加熱プラテン位置センサをさらに備える。
【0102】
第99態様A99は前述の態様A93~A98のいずれかの付加製造装置を含み、加熱プラテン位置センサは、リフトシステムの下端に近接して配置され、リミットスイッチを備える。
【0103】
第100態様A100は態様A93~A99のいずれかの付加製造装置を含み、リフトシステムは、ビルドプラットフォームの垂直位置を検出するためのビルドプラットフォーム位置センサをさらに備える。
【0104】
第101態様A101は態様A93~A100のいずれかの付加製造装置を含み、リフトシステムは、ビルドプラットフォームの垂直位置を検出するためのビルドプラットフォーム位置センサをさらに備える。
【0105】
第102態様A102は態様A93~A101のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドプラットフォームの底面はリフトシステムに結合するためのコネクタをさらに含み、加熱プラテンの上面は、ビルドプラットフォームの底面に結合するための対応するコネクタを含む。
【0106】
第103態様A103は態様A93~A102のいずれかの付加製造装置を含み、ハウジングは、側壁の頂部に近接して側壁から延在するフランジを備える。
【0107】
第104態様A104はA93~A103のいずれかに記載の付加製造装置を含み、シールは、ビルドプラットフォームと側壁の内面との間に配置される。
【0108】
第105態様A105は態様A93~A104のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドプラットフォームはビルドプラットフォームの縁部にシールシートを含み、シールは、シールがビルドプラットフォームと側壁の内面との間に配置されるように、シールシート内に配置される。
【0109】
第106の態様A106は前述の態様A93~A105のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドプラットフォームはビルドプラットフォームの縁部にシールシートを含み、シ
ールは、シールがビルドプラットフォームと側壁の内面との間に配置されるようにシールシート内に配置される。
【0110】
第107態様A107は態様A93~A106のいずれかの付加製造装置を含み、このビルドプラットフォームはビルドプラットフォームが下側の位置にあるとき、保持タブ上に位置している。
【0111】
第108態様A108は、側壁の外面上に配置された第2の複数の加熱エレメントをさらに備える、態様A93~A107のいずれかの付加製造装置を含む。
【0112】
第109態様A109は、複数の加熱エレメント全体に配置された複数のセンサをさらに備える、態様A93~A108のいずれかの付加製造装置を含む。
【0113】
第110態様A110は態様A93~A109のいずれかの付加製造装置を含み、複数の加熱エレメントは、側壁の外面上に配置された少なくとも1つの電気コネクタに通信可能に結合される。
【0114】
第111態様A111は、電気コネクタが加熱エレメントに電力を供給し、ビルド容器の側壁の温度を示す電気信号をビルド容器から送信する、態様A93~A110のいずれかの付加製造装置を含む。
【0115】
第112態様A112は、上記態様のいずれかの方法、装置、又はアセンブリと併せて使用することができる、付加製造によるオブジェクトビルド方法を含んでいる。この方法は、ビルドチャンバの堆積領域を予熱温度に予熱し、ビルドチャンバ内に配置されたビルドプラットフォーム上にビルド材料の層を分配し、ビルド材料の層上にバインダ材料の層を堆積し、ビルド材料およびバインダの一部がビルドチャンバの硬化領域内にあるようにビルドプラットフォームの位置を調整する。ビルドチャンバの硬化領域は、ビルドチャンバの堆積領域の下にある。本方法はビルドチャンバの硬化領域を硬化温度まで加熱することをさらに含み、硬化温度は予熱温度よりも高い。この方法は、ビルドチャンバの下部内のバインダの部分を硬化させ、ビルドプラットフォーム上のビルド材料およびバインダの部分の上にビルド材料の新しい層を分配することをさらに含む。
【0116】
第113態様A113は態様A112の方法を含み、加熱および予熱は、ビルドチャンバの周囲に位置決めされた複数の加熱エレメントによって達成される。
【0117】
第114態様A114は態様A112~A113のいずれかに記載の方法を含み、加熱および予備加熱は、ビルドチャンバの周囲に配置された複数の加熱エレメントによって達成される。
【0118】
第115態様A115は、予熱温度が25℃~130℃である態様A112~A114のいずれかの方法を含む。
【0119】
第116の態様A116は、予熱温度が70℃以下である態様A112~A115のいずれかの方法を含む。
【0120】
第117態様A117は、硬化温度が100℃~250℃である態様A112~A116のいずれかの方法を含む。
【0121】
第118態様A118は、硬化温度が100℃~250℃である態様A112~A117のいずれかの方法を含む。
【0122】
第119態様A119は態様A112~A118のいずれかの方法を含み、さらに、硬化領域の温度を検出し、検出された硬化領域の温度に基づいて硬化温度を調整することを含む。
【0123】
第120態様A120は、前述の装置、アセンブリ、および方法のいずれかと併せて使用され得る付加製造装置を含む。付加製造装置はプリントベイと、ビルドベイと、リコートベイとを備え、各ベイが上部コンパートメントおよび下部コンパートメントを備える支持シャーシと、プリントベイ、ビルドベイ、およびリコートベイの各々を上部コンパートメントおよび下部コンパートメントに分離する作業面とを備え、ビルドベイはプリントベイとリコートベイとの間に配置され、ビルドベイの下部コンパートメントは、ビルドベイの下部コンパートメントをプリントベイの下部コンパートメントおよびリコートベイの下部コンパートメントからシールする隔壁を備える。
【0124】
第121の態様A121は高電圧電気供給キャビネットと、低電圧電気供給キャビネットとをさらに含み、高電圧電気供給キャビネットは支持シャーシの第1端部に位置し、低電圧供給キャビネットは、第1端部に対向する支持シャーシの第2端部に位置する、態様A120の付加製造装置を含む。
【0125】
第122態様A122は態様A120~A121のいずれかの付加製造装置を含み、支持シャーシは前面および背面を含み、低電圧供給ラインは支持シャーシの前面または背面にあるケーブルトレイを通って導かれ、高電圧供給ラインは支持シャーシの前面および背面の他方にあるケーブルトレイを通って導かれる。
【0126】
第123態様A123は態様A120~A122のいずれかの付加製造装置を含み、低電圧供給ラインを含むケーブルトレイは、少なくとも1つの空気ライン、バキュームライン、および液体ラインをさらに含む。
【0127】
第124態様A124は態様A120~A123のいずれかの付加製造装置を含み、ケーブルトレイは、支持シャーシの頂部、支持シャーシの底部、または支持シャーシの頂部および底部の両方に近接して配置される。
【0128】
第125態様A125は態様A120~A124のいずれかの付加製造装置を含み、ケーブルトレイ、低電圧供給ライン、および高電圧供給ラインはビルドベイの下部コンパートメントを通って延在し、シールグランドでビルドベイの隔壁にシールされる。
【0129】
第126態様A126は態様A120~A125のいずれかの付加製造装置を含み、プリントベイはクリーニングステーションを備え、クリーニング溶液供給タンクはプリントベイの下部コンパートメントに配置され、クリーニングステーションに流体結合され、クリーニング溶液回収タンクはプリントベイの下部コンパートメントに配置され、クリーニングステーションに流体結合される。
【0130】
第127態様A127は態様A120~A126のいずれかに記載の付加製造装置を含み、さらに、プリントベイの下部コンパートメント内に配置されたバインダ供給タンクを含み、バインダ供給タンクは、付加製造装置のプリントヘッドに流体結合される。
【0131】
第128態様A128は態様A120~A127のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドベイ内の作業面はビルド容器を取り外し可能に受け入れるための開口部を含み、リフトシステムは、ビルドベイの下部コンパートメント内に配置され、ビルド容器がビルドベイの作業面の開口部内に配置されると、ビルド容器のビルドプラットフォームを昇降させ
るためのリフトシステムである。
【0132】
第129態様A129は態様A120~A128のいずれかの付加製造装置を含み、さらに、ビルドベイ内に配置され、ビルド容器がビルドベイの作業面の開口内に配置されたときに、ビルド容器のビルドプラットフォームの表面の温度を検出するように配向されたビルド温度センサを含む。
【0133】
第130態様A130はビルドベイの下部コンパートメントに配置されたビルドベイ温度センサをさらに含み、ビルドベイの下部コンパートメントの温度を検出するように構成されたビルド容器温度センサを含む、態様A120~A129のいずれかに記載の付加製造装置を含む。
【0134】
第131態様A131はビルド容器がビルドベイの作業面の開口内に配置された場合に、ビルド容器のビルドプラットフォームの表面の画像を捕捉するように向けられたカメラシステムをさらに含む、態様A120~A130のいずれかの付加製造装置を含む。
【0135】
第132態様A132はビルドベイ、リコートベイ、またはプリントベイ内に配置された環境センサをさらに含み、環境センサは、支持シャーシ内の空気温度および支持シャーシ内の湿度のうちの少なくとも1つを検出するように構成される、態様A120~A131のいずれかの付加製造装置を含む。
【0136】
第133態様A133は態様A120~A132のいずれかに記載の付加製造装置を含み、リコートベイ内の作業面は供給容器を取り外し可能に受容するための開口部を備え、リフトシステムはリコートベイの下部コンパートメント内に配置され、リフトシステムは供給容器がリコートベイの作業面の開口部に配置されたときに、供給容器の供給プラットフォームを昇降させる。
【0137】
第134態様A134は態様A120~A133のいずれかに記載の付加製造装置を含み、プリントベイ、ビルドベイ、およびリコートベイは、それぞれ、下部コンパートメントに連結された少なくとも1つのアクセスパネルと、上部コンパートメントに連結された少なくとも1つのアクセスパネルとを含む。
【0138】
第135態様A135はビルドベイの下部コンパートメント内の空気入口と、ビルドベイの下部コンパートメントに結合された下部排気システムとをさらに含み、空気は、空気入口を通してビルドベイの下部コンパートメント内に引き込まれ、下部排気システムでビルドベイから排出される、態様A120~A134のいずれかの付加製造装置を含む。
【0139】
第136態様A136は態様A120~A135のいずれかの付加製造装置を含み、空気入口はビルドベイの下部コンパートメントの頂部に近接して配置され、下部排気システムはビルドベイの下部コンパートメントの底部に近接してビルドベイの下部コンパートメントに結合される。
【0140】
第137態様A137は、下部排気システムがビルドベイのフロアパネルに結合される、態様A120~A136のいずれかの付加製造装置を含む。
【0141】
第138態様A138は、下部排気システムがフィルタを備える、態様A120~A137のいずれかの付加製造装置を含む。
【0142】
第139態様A139は態様A120~A138のいずれかの付加製造装置を含み、支持シャーシは、支持シャーシの上部を囲む上面パネルを備え、上部排気システムは上面パ
ネルに結合される。
【0143】
第140態様A140は、上部排気システムがフィルタを備える、態様A120~A139のいずれかの付加製造装置を含む。
【0144】
第141態様A141は態様A120~A140のいずれかの付加製造装置を含み、ビルドベイの作業面を通して伸びる粉体回収スロットと、粉体回収スロットに連結された回収漏斗と、回収漏斗と粉体回収スロットに負の圧力を適用するバキュームシステムをさらに含む。
【0145】
第142態様A142は態様A120~A141のいずれかの付加製造装置を含み、粉体回収スロットの横壁は、縦軸に関して60度以下の円錐角を含む。
【0146】
第143態様A143はA120~A142のいずれかの付加製造装置を含み、バキュームシステムは、粉体回収スロットおよび回収漏斗をふるいシステムに結合する。
【0147】
第144態様A144は態様A120~A143のいずれかの付加製造装置を含み、付加製造装置は、格納ハウジングを含むリコートヘッドと、格納ハウジングに結合されたバキュームシステムと、を含み、バキュームシステムは格納ハウジングに負の圧力を加える。
【0148】
第145態様A145は態様A120~A144のいずれかに記載の付加製造装置を含み、バキュームシステムは、格納ハウジングをふるいシステムに結合する。
【0149】
第146態様A146はさらに、プリントヘッドを含むアクチュエータアセンブリを含み、プリントヘッドはプリントヘッドハウジングと、プリントヘッドハウジングに接続されたエアポンプと、を含み、エアポンプはプリントヘッドハウジングに過圧を提供する、態様A120~A145のいずれかの付加製造装置を含む。
【0150】
第147態様A147によれば、付加製造装置において、ビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積させるアクチュエータアセンブリは、上部支持体と、上部支持体から垂直方向に離間された下部支持体と、を含み、上部支持体および下部支持体は水平方向に延在する。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、バインダ材料を堆積するプリントヘッドと、リコートヘッドおよび、上部支持体および下部支持体の一方に接続されたリコートヘッドアクチュエータと、を含む。リコートヘッドアクチュエータは、リコート動作軸を含み、リコート動作軸に沿って双方向作動可能であることで、リコートヘッドの双方向移動を可能とする。アクチュエータアセンブリは、プリントヘッドおよび、上部支持体及び下部支持体の一方に接続されたプリントヘッドアクチュエータを含む。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含み、プリントヘッドアクチュエータは、プリント動作軸に沿って双方向作動可能であることで、プリントヘッドの双方向移動を可能とする。リコート動作軸とプリント動作軸とは、相互に平行であり、相互に垂直方向に離間されている。アクチュエータアセンブリは、リコートヘッドアクチュエータおよびプリントヘッドアクチュエータに通信可能に接続された制御システムを含み、制御システムは、プロセッサおよびコンピュータ可読実行可能命令を含む非一時的メモリを含み、コンピュータ可読実行可能命令は、プロセッサにより実行されると、リコートヘッドアクチュエータおよびプリントヘッドアクチュエータに、ビルドサイクルの間、リコートヘッドおよびプリントヘッドを動作軸に沿って独立に移動させ、ビルドサイクルの間、リコートヘッドおよびプリントヘッドは動作軸上の重複する位置を占有し、プロセッサがプリントヘッドとリコートヘッドとが最小分離距離未満離間していると判断した場合、プロセッサにビルドサイクルを中止させる。
【0151】
第148態様A148は、アクチュエータアセンブリを含んでおり、態様A148は、ビルドサイクル中のプリントヘッドおよびリコートヘッドの最大速度に基づいて最小分離距離を決定する。
【0152】
第149態様A149は態様A147~A148のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プロセッサは、ビルドサイクル中のプリントヘッドおよびリコートヘッドの速度に基づいてビルドサイクル中の最小分離距離を算出する。
【0153】
第150態様A150は態様A147~A149のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、プリントヘッドアクチュエータは第1リニアエンコーダを含み、リコートヘッドアクチュエータは第2リニアエンコーダを含み、プロセッサは、第1および第2リニアエンコーダによる測定に基づいて、プリントヘッドとリコートヘッドとが、最小分離距離未満離間していると判断する。
【0154】
第151態様A151は、プリントヘッドおよびリコートヘッドの一方に配置された近接センサをさらに含み、プロセッサは、近接センサによって生成された信号に基づいて、プリントヘッドおよびリコートヘッドが最小分離距離未満離間していると判断する、態様A147~A150のいずれかのアクチュエータアセンブリを含む。
【0155】
第152態様A152は、クリーニングステーションサイクル時間を含むクリーニングステーションと、ビルドプラットフォームと、ビルド材料を分配するリコートヘッドと、を含む付加製造装置を含む。リコートヘッドはリコート動作軸を含むリコートヘッドアクチュエータに接続され、リコートヘッドおよびリコートヘッドアクチュエータはリコートサイクル時間を含む。付加製造装置はバインダ材料を堆積するプリントヘッドを含み、プリントヘッドはプリント動作軸を含むプリントヘッドアクチュエータに接続され、プリントヘッドおよびプリントヘッドアクチュエータはプリントサイクル時間を含む。付加製造装置は、リコートヘッドアクチュエータおよびプリントヘッドアクチュエータに通信可能に接続された制御システムを含む。制御システムは、ビルドサイクルの間、プリントヘッドとリコートヘッドとを独立に移動させるように構成されている。ビルドサイクル時間は、クリーニングステーションサイクル時間、リコートサイクル時間、およびプリントサイクル時間の合計よりも小さい総合ビルドサイクル時間を有する。制御システムは、プリントヘッドとリコートヘッドとが最小分離距離未満離間していると判断した場合、ビルドサイクルを中止するように構成されている。
【0156】
第153態様A153は態様A152のアクチュエータアセンブリを含み、最小分離距離は、ビルドサイクル中のプリントヘッドおよびリコートヘッドの最大速度に基づいて決定される。
【0157】
第154態様A154は態様A152~A153のいずれかのアクチュエータアセンブリを含み、制御システムは、プリントヘッドおよびリコートヘッドの速度に基づいて、ビルドサイクル中の最小分離距離を算出する。
【0158】
第155態様A155は、付加製造によるオブジェクトビルド方法を含み、該方法は、リコートヘッドアクチュエータに接続されたリコートヘッドでビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配することを含む。リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含むことで、第1リコート方向におけるリコート動作軸に沿ったリコートヘッドアクチュエータの作動によって、ビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層をリコートヘッドに分配させる。該方法は、プリントヘッドアクチュエータに接続されたプリントヘッドでビルド材料の新しい層の上にバインダ材料を堆積することを含む。プリン
トヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含むことで、第1リコート方向と反対の第1プリント方向において、プリント動作軸に沿ったプリントヘッドアクチュエータの作動によって、バインダ材料がプリントヘッドによって堆積される。プリントヘッドアクチュエータがプリント動作軸に沿って第1プリント方向に作動するタイミングは、プリントコートヘッドとリコートヘッドとの間の最小分離に基づいて決定される。
【0159】
第156態様A156はさらに、プリントヘッドとリコートヘッドとが最小分離距離未満離間していることを決定し、決定に応答して、プリントヘッドをプリントホームポジションに戻し、リコートヘッドをリコートホームポジションに戻す、A155の方法を含む。
【0160】
第157態様A157は、態様A155~A156のいずれかの方法を含み、プリントヘッドとリコートヘッドとが、最小分離距離未満離間していることを決定することが、プリントヘッドアクチュエータおよびリコートヘッドアクチュエータのリニアエンコーダを各々使用して、プリント動作軸に沿ったプリントヘッドの位置およびリコート動作軸に沿ったリコートヘッドの位置を決定することを含む。
【0161】
第158態様A158は、態様A155~A158のいずれかの方法を含み、プリントヘッドとリコーヘッドとが最小分離距離未満離間していると決定することは、プリントヘッドまたはリコーヘッドに配置された近接センサを介して、プリントヘッドとリコートヘッドとの近接を測定することを含む。
【0162】
第159態様A159は、態様A155~A158のいずれかの方法を含み、さらに、プリントヘッドとリコートヘッドとがビルド材料の新しい層の分配およびバインダ材料の堆積の間に互いに向かって移動する最大相対速度を決定することにより、バインダ材料の新しい層の分配またはバインダ材料の堆積の前に最小分離距離を算出することを含む。
【0163】
第160態様A160は、態様A155~A159のいずれかの方法を含み、さらに、プリントヘッドおよびリコートヘッドが作動する速度に基づいて、ビルド材料の新しい層の分配およびバインダ材料の堆積の間の最小分離距離を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【
図1】従来の付加製造装置を模式的に示す図である。
【
図2】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置の構成要素を概略的に示す。
【
図3】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリの実施形態を概略的に示す。
【
図4A】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリの実施形態を概略的に示す。
【
図4B】プリントヘッドアクチュエータの支持ブラケット内に入れ子にされたプロセスアクセサリアクチュエータの支持ブラケットおよびプロセスアクセサリを有する
図4Aのアクチュエータアセンブリを概略的に示す図である。
【
図5A】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのリコートヘッドを概略的に示す。
【
図5B】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのリコートヘッドを概略的に示す。
【
図5C】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのリコートヘッドを概略的に示す。
【
図6】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による付加製造装置のための制御システムの一部を概略的に示す。
【
図7A】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による、使用中の
図3のアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図7B】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による、使用中の
図3のアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図7C】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による、使用中の
図3のアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図7D】本明細書に示され、記載された1つ以上の実施形態による、使用中の
図3のアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図7E】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、
図3のアクチュエータアセンブリのサイクル時間および動作プロファイルを決定する方法の流れ図を示す。
【
図7F】本明細書で説明する1つまたは複数の実施形態による、
図3のアクチュエータアセンブリの衝突防止障害を設定する流れ図を示す。
【
図8】
図3のアクチュエータアセンブリを含み、さらに、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、リコートヘッドに連結されたビルド材料ホッパを含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図9】
図3のアクチュエータアセンブリを含み、本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、固定位置にビルド材料ホッパをさらに含む付加製造装置を概略的に示す。
【
図10A】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリの別の実施形態を概略的に示す。
【
図11】
図2の付加製造装置の上面図を概略的に示す。
【
図12】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、
図8の付加製造装置の上面図を概略的に示す。
【
図13】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、
図10A~10Cのアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置の上面図を概略的に示す。
【
図14】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、
図10A~10Cによるアクチュエータアセンブリの代替構成を備える付加製造装置の上面図を概略的に示す。
【
図15】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、複数のビルド容器および供給容器を有する付加製造装置の上面図を概略的に示す。
【
図16】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置と共に使用するためのビルド容器の断面を概略的に示す。
【
図17】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置と共に使用するためのビルド容器の斜視図を概略的に示す。
【
図18】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、ビルド容器に結合された加熱エレメントを概略的に示す。
【
図19】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態によるビルド容器の底面図を概略的に示す。
【
図20】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、ビルド容器のための制御ユニットを概略的に示す。
【
図21A】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、使用中の
図16のビルド容器を概略的に示す。
【
図21B】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、使用中の
図16のビルド容器を概略的に示す。
【
図21C】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、使用中の
図16のビルド容器を概略的に示す;
【
図22】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態によるシールを概略的に示す。
【
図23A】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態によるコネクタを概略的に示す。
【
図23B】本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態によるコネクタを概略的に示す。
【
図24A】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による付加製造装置と共に使用するためのビルド容器の斜視図を概略的に示す。
【
図24B】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、付加製造装置と共に使用するためのビルド容器の斜視図を概略的に示す。
【
図24C】本明細書中に示され、記載される1つ以上の実施形態による、付加製造装置と共に使用するためのビルド容器の斜視図を概略的に示す。
【
図25】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による支持シャーシを備える付加製造装置を概略的に示す。
【
図26】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、
図25の付加製造装置の垂直断面を概略的に示す。
【
図27】本明細書に示され、記載される1つ以上の実施形態による、支持シャーシに連結されるアクセスパネルをさらに備える、
図25の付加製造装置を概略的に示す。
【
図28】本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、ふるいシステムおよび空気ポンプに対する付加製造装置の様々な構成要素およびアクセサリの相互接続性を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0165】
本明細書に記載される付加製造装置、その構成要素、およびそれらを使用する方法の追加の特徴および利点は以下の詳細な説明に記載され、一部はその説明から当業者に容易に明らかになり、または以下の詳細な説明、特許請求の範囲、ならびに添付の図面を含む、本明細書に記載される実施形態を実施することによって認識される。
【0166】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が様々な実施形態を説明し、特許請求される主題の性質および特徴を理解するための概観またはフレームワークを提供することを意図していることを理解されたい。添付の図面は、様々な実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構成する。図面は本明細書で説明される様々な実施形態を示し、説明とともに、特許請求される主題の原理および運用を説明する役割を果たす。
【0167】
以下、添付図面に例示された付加製造装置およびその構成要素の実施形態を詳細に参照する。可能な限り、同じ参照符号は同じまたは類似の部分を参照するために、図面全体にわたって使用される。付加製造装置内にビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積させるためのアクチュエータアセンブリ102を含む付加製造装置100の一実施形態が、
図2に概略的に示されている。アクチュエータアセンブリは一般に、上部支持体と、上部支持体から垂直方向に離間された下部支持体とを含んでもよい。上部支持体および下部支持体は、水平方向に延びることができる。アクチュエータアセンブリは、ビルド材料を分配するためのリコートヘッドと、バインダ材料を堆積するためのプリントヘッドとをさらに含むことができる。リコートヘッドアクチュエータは、リコートヘッドおよび上部支持体および下部支持体の一方に連結されていてもよい。リコートヘッドアクチュエータは、リコート動作軸を含んでもよく、ここで、リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによって、リコートヘッドの双方向動作を行う。プリントヘッドアクチュエータは、プリントヘッドと、上部支持体および下部支持体の他方とに連結することができる。プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を備えることができ、プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸に沿って双方向に作動可能であり、それによってプリントヘッドの双方向の動作を行う。リコート動作軸および出力動
作軸は、互いに平行であってもよく、互いに垂直方向に離間されていてもよい。付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリ、アクチュエータアセンブリを含む付加製造装置、およびそれらを使用するための方法の様々な実施形態が、添付の図面を詳細に参照して本明細書でさらに詳細に説明される。
【0168】
本明細書では、範囲を、「約」が付加したある特定の値から、および/または「約」が付加した別の特定の値まで、と表現することができる。このような範囲が表現される場合、別の実施形態は1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」を使用することによって、特定の値が別の実施形態を形成することが理解されるのであろう。範囲の始点および終点はそれぞれ他方の点(終点および始点)との関連において重要な意味を持ち、且つ、当該他方の点とは独立した意味を有している。
【0169】
本明細書の方向用語(例えば、上、下、右、左、前、後、頂部、底部、上方、下方)は図面を参照してのみ使用され、特に明記しない限り、絶対的な向きを暗示することを意図しない。
【0170】
特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法は、そのステップが特定の順序で実行されることを必要とするものとして解釈されることも、任意の装置の特定の向きを必要とするものとして解釈されることも、決して意図されていない。したがって、方法クレームがそのステップが従うべき順序を実際に列挙していない場合、または任意の装置クレームが個々の構成要素に対する順序または向きを実際に列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されるべきであること、または装置の構成要素に対する特定の順序または向きが列挙されていないことは、いかなる点においても、順序または向きが推論されることは決して意図されていない。これは、ステップの配置、動作フロー、構成要素の順序、または構成要素の向きに関する論理の事項、文法編成または句読点から導出される平易な意味、および本明細書に記載される実施形態の数またはタイプを含む、解釈のための任意の可能な非明示的な基礎に当てはまる。
【0171】
本明細書で使用されるように、単数形「1つの」、および「その」などは文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含み、したがって、例えば、「1つの」構成要素への言及は文脈が別途明確に指示しない限り、2つ以上のそのような構成要素を有する態様を含む。
【0172】
図1を参照すると、従来の付加製造装置10が概略的に示されている。従来の付加製造装置10は、供給プラットフォーム30と、ビルドプラットフォーム20と、クリーニングステーション11と、ビルドヘッド15とを含む。供給プラットフォーム30は、供給プラットフォームアクチュエータ32に結合される。供給プラットフォームアクチュエータ32は供給プラットフォーム30が上昇または下降され得るように、垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向)に作動可能である。ビルドプラットフォーム20は供給プラットフォーム30に隣接して配置され、供給プラットフォーム30と同様に、アクチュエータ、具体的にはビルドプラットフォームアクチュエータ22に結合される。ビルドプラットフォームアクチュエータ22はビルドプラットフォーム20を上昇または下降させることができるように、垂直方向に作動可能である。クリーニングステーション11は、供給プラットフォーム30に隣接して、ビルドプラットフォーム20の反対側に配置されている。すなわち、供給プラットフォーム30は従来の付加製造装置10の動作軸(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-X軸に平行に延びる軸)に沿って、クリーニングステーション11とビルドプラットフォーム20との間に位置する。ビルドヘッド15は従来の付加製造装置10の動作軸に沿って、アクチュエータ(図示せず)で横断してもよく、その結果、ビルドヘッド15はクリーニングステーション11と同じ位置にあ
るホームポジション12から、供給プラットフォーム30の上を通り、ビルドプラットフォーム20の上を通り、再び、最終的にホームポジション12に戻る。この動作を容易にするために、従来の付加製造装置10のビルドヘッド15は水平面(すなわち、
図1に示される座標軸のXY平面に平行な平面)において、水平方向に離間(すなわち、
図1に示される座標軸の+/-Y方向に離間)され、ビルドプラットフォーム20および供給プラットフォーム30に、
図1に示される座標軸の+/-Y方向に横方向に隣接する一対のレール(図示せず)に乗り上げるガントリ(図示せず)上に取り付けられる。レールは破線で示すように、ビルド平面16に、またはその近傍に配置することができる。
【0173】
動作中、有機または無機粉末などのビルド材料31は、供給プラットフォーム30上に配置される。供給プラットフォーム30は、ビルドヘッド15の経路内にビルド材料31の層を提示するように作動される。次いで、ビルドヘッド15はホームポジション12からビルドプラットフォーム20に向かって、矢印40で示す方向に、従来の付加製造装置10の動作軸に沿って作動される。ビルドヘッド15が供給プラットフォーム30上をビルドプラットフォーム20に向かって動作軸を横切るとき、ビルドヘッド15は、ビルド材料31の層を、供給プラットフォーム30からビルドプラットフォーム20へのビルドヘッド15の経路内に分配する。その後、ビルドヘッド15がビルドプラットフォーム20上で動作軸に沿って継続すると、ビルドヘッド15はビルドプラットフォーム20上に分配されたビルド材料31の層上に、バインダ材料50の層を所定のパターンで堆積させる。任意選択で、バインダ材料50が堆積された後、ビルドヘッド15内のエネルギー源を利用して、堆積されたバインダ材料50を硬化させる。次に、ビルドヘッド15は、ビルドヘッド15の少なくとも一部がクリーニングステーション11上に位置決めされるホームポジション12に戻る。ビルドヘッド15がホームポジション12にある間、ビルドヘッド15はクリーニングステーション11と連動して作動し、エレメントが汚れたり、さもなければ詰まったりしないようにバインダ材料50を堆積させるビルドヘッド15のエレメント上にクリーニングおよびメンテナンス動作を提供する。これは、ビルドヘッドがその後の堆積路の間に所望のパターンでバインダ材料50を堆積することができることを確実にする。このメンテナンス間隔の間、供給プラットフォーム30は矢印43で示すように、上向きの垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+Z方向)に作動され、ビルドヘッド15の経路内に新しい層のビルド材料31を提示する。ビルドプラットフォーム20は矢印42で示すように、下向きの垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に作動して、ビルドプラットフォーム20を準備し、供給プラットフォーム30から新しい層のビルド材料31を受け入れる。次に、ビルドヘッド15を従来の付加製造装置10の動作軸に沿って再び作動させて、ビルドプラットフォーム20にビルド材料31およびバインダ材料50の別の層を追加する。この一連のステップが複数回繰り返されて、ビルドプラットフォーム20上にオブジェクトが層ごとにビルドされる。
【0174】
上述したように、従来の付加製造装置10の動作は一連のステップ(例えば、分配-堆積-硬化-クリーニング-繰り返し)で実行される。しかしながら、ビルドヘッド15の構成を考えると、個々のステップのサイクル時間を切り離すことは不可能である。したがって、付加製造装置10の全体的なサイクル時間(すなわち、ビルドプラットフォーム20上にオブジェクトの単一層を「ビルド」するのにかかる時間)は、従来の付加製造装置10のアーキテクチャによって制限され得る。
【0175】
本明細書に記載される実施形態は、付加製造装置のスループットを改善するために実施され得る付加製造装置および付加製造装置のための構成要素を対象とする。いくつかの実施形態では、付加製造装置が付加製造プロセスの全体のサイクル時間を、付加製造プロセスの各個々のステップのサイクル時間の合計よりも短くすることができる。実施形態では、付加製造装置が付加製造プロセスのスループットを向上させるために、付加製造プロセス中にバインダ材料を硬化させることを容易にすることができる。
【0176】
ここで
図2を参照すると、付加製造装置100の実施形態が概略的に示されている。装置100は、クリーニングステーション110などのメンテナンスステーションと、ビルドプラットフォーム120と、アクチュエータアセンブリ102とを含む。装置100は、任意選択で供給プラットフォーム130を含むことができる。アクチュエータアセンブリ102は、他のエレメントの中でもとりわけ、ビルド材料400を分配するためのリコートヘッド140と、バインダ材料500を堆積するためのプリントヘッド150とを備える。実施形態では、リコートヘッド140および/またはプリントヘッド150が本明細書でさらに詳細に説明するように、バインダ材料500を硬化させるためのエネルギー源をさらに備えることができる。アクチュエータアセンブリ102は、装置100の動作軸116に沿ったリコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した制御を容易にするように構成することができる。これにより、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は装置100の動作軸116を同じ方向および/または反対方向に横断することができ、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は、装置100の動作軸を異なる速度および/または同じ速度で横断することができる。次に、リコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した作動および制御は付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全体のサイクル時間を、各個々のステップのサイクル時間の合計未満に低減する。本明細書に記載される装置100の実施形態では、装置100の動作軸116が図に描かれる座標軸の+/-X軸に平行である。動作軸116を横切る付加製造装置100の構成要素、例えば、リコートヘッド140、プリントヘッド150等は、動作軸116を中心とする必要はないことを理解されたい。しかしながら、本明細書に記載される実施形態では、付加製造装置100の構成要素のうちの少なくとも2つは構成要素が動作軸を横切るときに、構成要素が適切に制御されない場合に、動作軸に沿って同じまたは重なり合う体積を占めることができるように、動作軸116に対して配置される。
【0177】
以下の説明における特定の実施形態はプリントヘッドによる「バインダ」の堆積またはプリント、およびその後の硬化を利用してビルド材料の固結を容易にする付加製造装置に関するが、本明細書に記載される様々な付加製造装置のアーキテクチャ(例えば、クリーニングステーション、ビルドプラットフォーム、供給プラットフォームなどの位置決めおよびレイアウト、ならびに/またはプリントヘッドおよびリコートヘッドに関連するアクチュエータアセンブリ)を、他の付加製造様式に利用することができることが明確に企図される。例えば、本明細書に記載されるアクチュエータアセンブリに関連するプリントヘッドは例えば、付加製造装置および付加製造プロセスにおいてビルド材料を統合するために一般的に使用される、レーザ源または電子ビーム源などの1つまたは複数のエネルギービーム源の代わりに使用されてもよい。これらの実施形態ではプリントヘッドでバインダをプリントし、バインダを硬化させてビルド材料を固結するステップは固結を容易にするためにエネルギービーム源のエネルギービームを方向付けることによってビルド材料を固結するステップに置き換えられる。エネルギービーム源はプリントヘッドの実施形態と同様に、本明細書に記載されるアクチュエータアセンブリによって横断され、操縦されてもよい。したがって、本明細書で説明される実施形態の「プリントヘッド」は「圧密ヘッド」と呼ぶことができ、圧密ヘッドはプリントヘッドまたはエネルギービーム源とすることができる。さらに、付加製造プロセスが、オブジェクトを形成するためにビルドの離散的な連結された層を「プリントする」と説明されることがあるように、連結ヘッドがエネルギービーム源である場合など、修飾語としての「プリント」という用語の様々な用途(例えば、プリントホームポジション、プリントヘッドアクチュエータ、プリント戻り速度など)は、修飾語としての「連結」に置き換えられてもよい(例えば、連結ホームポジション、連結ヘッドアクチュエータ、連結戻り速度など)。
【0178】
さらに、本明細書に記載されるメンテナンスステーションに関して、本明細書に記載さ
れるプリントヘッドの代わりにエネルギービーム源が使用される場合、メンテナンスステーションは本明細書に記載されるクリーニングステーションと同様の様式で、エネルギービーム源のクリーニングを容易にするために、煤粒子、溶融スパッタなどを除去するために使用され得ることが企図される。クリーニングに加えて、またはクリーニングの代わりに、メンテナンスステーションは、エネルギービーム源の較正(または再較正)を可能にする較正ステーションまたは較正フィーチャを含むこともできる。これらの実施形態のいくつかでは、付加製造装置がメンテナンスステーションなしでエネルギービーム源を利用する実施形態のように、メンテナンスステーションを使用しなくてもよい。そのような実施形態では、本明細書に記載される「プリントホーム」ポジションが関連する圧密ヘッドをパーキングするためのホーミングポジションとして機能する。
【0179】
再び
図2を参照すると、図示の実施形態では、装置100がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、供給プラットフォーム130、およびアクチュエータアセンブリ102を含む。しかしながら、他の実施形態では装置100が例えば、限定するものではないが、ビルド材料ホッパを用いてビルド材料がビルドプラットフォーム120に供給される実施形態のように、供給プラットフォーム130を含まないことを理解されたい。
図2に描かれた実施形態ではクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および供給プラットフォーム130は動作軸116の端部に近接して-X方向に位置するプリントヘッド150のプリントホームポジション158と、動作軸116の端部に近接して+X方向に位置するリコートヘッド140のリコートホームポジション148との間で、装置100の動作軸116に沿って直列に位置決めされる。すなわち、プリントホーム158およびリコートホーム148は、図面に描かれた座標軸の+/-X軸に平行な水平方向に互いに離間され、クリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および供給プラットフォーム130がその間に位置決めされる。本明細書に記載の実施形態では、ビルドプラットフォーム120が装置100の動作軸116に沿ってクリーニングステーション110と供給プラットフォーム130との間に配置される。
【0180】
クリーニングステーション110は、装置100の動作軸116の一端に近接して配置され、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料400の層上にバインダ材料500を堆積する前および後に配置または「パーキング」されるプリントホームポジション158と同じ位置に配置される。クリーニングステーション110は堆積運用の間のプリントヘッド150のクリーニングを容易にするために、1つ以上のクリーニングセクション(図示せず)を含んでもよい。クリーニングセクションは例えば、プリントヘッド150上の過剰なバインダ材料を溶解するためのクリーニング溶液を含む浸漬ステーション、プリントヘッド150から過剰なバインダ材料および過剰なビルド材料を除去するための拭き取りステーション、プリントヘッド150からバインダ材料およびクリーニング溶液をパージするための噴射ステーション、プリントヘッド150のノズル内の水分を維持するためのパークステーション、またはそれらの様々な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。プリントヘッド150は、アクチュエータアセンブリ102によってクリーニングセクションの間で遷移されてもよい。
【0181】
ビルドプラットフォーム120はビルドプラットフォームアクチュエータ122を備えるリフトシステム800に連結され、装置100の動作軸116に対して垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向に平行な方向)にビルドプラットフォーム120を昇降させることを容易にする。ビルドプラットフォームアクチュエータ122は例えば、限定するものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または垂直方向にビルドプラットフォーム120に直線動作を付与するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエ
ータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータ等を含んでもよい。ビルドプラットフォーム120およびビルドプラットフォームアクチュエータ122は装置100の動作軸116の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に位置するビルド容器124内に位置決めされる。装置100の動作中、ビルドプラットフォーム120は、バインダ材料500の各層がビルドプラットフォーム120上に位置するビルド材料400上に堆積された後、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の作用によってビルド容器124内に引き込まれる。
【0182】
供給プラットフォーム130は供給プラットフォームアクチュエータ132を備えるリフトシステム800に結合され、装置100の動作軸116に対して垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向に平行な方向)に供給プラットフォーム130を昇降させることを容易にする。供給プラットフォームアクチュエータ132は例えば、これに限定されないが、供給プラットフォーム130に垂直方向の直線動作を付与するのに適した、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータ等を含んでもよい。供給プラットフォーム130および供給プラットフォームアクチュエータ132は装置100の動作軸116の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に位置する供給容器134内に位置決めされる。装置100の動作中、供給プラットフォーム130は本明細書でさらに詳細に説明されるように、供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120にビルド材料400の層が分配された後、供給プラットフォームアクチュエータ132の作用によって、供給容器134に対して上昇され、装置100の動作軸116に向かって上昇される。
【0183】
図2および
図3を参照すると、
図3は、
図2の付加製造装置100のアクチュエータアセンブリ102を概略的に示している。アクチュエータアセンブリ102は一般に、リコートヘッド140、プリントヘッド150、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、上部支持体182、および下部支持体184を備える。本明細書に記載の実施形態では、上部支持体182および下部支持体184が装置100の動作軸116(
図2)に平行な水平方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-X方向に平行な方向)に延在し、互いに垂直方向に離間している。アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2に描かれているような供給プラットフォーム130の上に組み立てられると、上部支持体182および下部支持体184は、少なくともクリーニングステーション110から供給プラットフォーム130を越えて水平方向に延在する。
【0184】
図2に示すアクチュエータアセンブリ102の実施形態のような一実施形態では、上部支持体182および下部支持体184が水平方向に延びるレール180の反対側であり、上部支持体182が下部支持体184の上方に配置され、離間して配置されるように配向される。例えば、一実施形態ではレール180が垂直断面(すなわち、図に描かれた座標軸のY-Z平面における断面)において、長方形または正方形であってもよく、長方形または正方形の上面および下面はそれぞれ、上部支持体182および下部支持体184を形成する。別の実施例(図示せず)ではレール180が垂直断面(すなわち、図に描かれた座標軸のY-Z平面内の断面)における「I」構成を有してもよく、「I」の上部フランジおよび下部フランジはそれぞれ、上部支持体182および下部支持体184を形成する。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、これに限定されないが、上部支持体182および下部支持体184は
図4に示されるアクチュエータアセンブリの代替実施形態に描かれるように、水平方向に延在し、垂直方向に互いに離間された、別個のレールのような別個の構造であってもよい。
【0185】
本明細書に記載される実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144が上部支持体182の一方に結合され、下部支持体184およびプリントヘッドアクチュエータ154はリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が「積み重ねられた」構成で配置されるように、上部支持体182および下部支持体184の他方に結合される。例えば、
図2および
図3に描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144は下部支持体184に結合され、プリントヘッドアクチュエータ154は上部支持体182に結合される。しかしながら、他の実施形態(図示せず)ではリコートヘッドアクチュエータ144が上部支持体182に結合されてもよく、プリントヘッドアクチュエータ154は下部支持体184に結合されてもよいことを理解されたい。
【0186】
本明細書に記載される実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144がリコート動作軸146に沿って双方向作動可能であり、プリントヘッドアクチュエータ154はプリント動作軸156に沿って双方向作動可能である。すなわち、リコート動作軸146およびプリント動作軸156は、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がそれぞれ作動可能である軸を規定する。リコート動作軸146およびプリント動作軸156は水平方向に延在し、装置100の動作軸116(
図2)と平行である。本明細書に記載する実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156がリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154の積み重ね構成のために、互いに平行であり、互いに垂直方向に離間している。
図2に描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態のようないくつかの実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が別々の垂直面(すなわち、図に描かれた座標軸のX-Z平面に平行な面)に位置している。しかしながら、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が同じ垂直面内に位置する実施形態のような、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0187】
本明細書に記載される実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、例えば、これに限定されないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または直線動作を提供するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどを含んでもよい。1つの特定の実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154はPRO225LM機械軸受、リニアモータステージなど、ペンシルベニア州ピッツバーグのAerotech(商標) Inc.によって製造されたリニアアクチュエータである。
【0188】
実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は例えば、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、PRO225LM機械軸受、リニアモータステージである場合など、レール180に固着される凝集性サブシステムであってもよい。しかしながら、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、それぞれリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を形成するためにレール180上に個々に組み立てられる複数の構成要素を含む実施形態のような、他の実施形態も考えられ且つ可能であることが理解されるべきである。
【0189】
さらに
図2および
図3を参照すると、リコートヘッド140はリコートヘッド140が上部支持体182および下部支持体184の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に位置するように、リコートヘッドアクチュエータ144に結合されている。アク
チュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2に描かれているような供給プラットフォーム130の上に組み立てられると、リコートヘッド140は、装置100の動作軸116(
図2)上に位置する。従って、リコート動作軸146に沿ったリコートヘッドアクチュエータ144の双方向作動は、装置100の動作軸116上のリコートヘッド140の双方向動作に影響を及ぼす。
図2および
図3に描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、リコートヘッド140がリコートヘッドアクチュエータ144が動作軸116の上方に配置されている間に、リコートヘッド140が装置100の動作軸116(
図2)上に配置されるように、支持ブラケット176でリコートヘッドアクチュエータ144に結合される。装置100の動作軸116の上方にリコートヘッドアクチュエータ144を配置することにより、ビルドプラットフォーム120または供給プラットフォーム130のいずれかからの粉体によるリコートヘッドアクチュエータ144の汚れを低減する。これは、リコートヘッドアクチュエータのためのメンテナンス間隔を増加させ、リコートヘッドアクチュエータの耐用年数を増加させ、機械のダウンタイムを減少させ、リコートヘッドアクチュエータ144の汚れによるビルドエラーを減少させる。さらに、装置100の動作軸116の上方にリコートヘッドアクチュエータ144を位置決めすることにより、ビルドプラットフォーム120および供給プラットフォーム130への改善された視覚的および物理的アクセスが可能になり、メンテナンスの容易性が向上し、付加製造プロセスの(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良い目視観察が可能になる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リコートヘッド140がリコート動作軸146および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/Z軸に沿って固定され、および/または+/Y軸に沿って固定されてもよい)。
【0190】
同様に、プリントヘッド150はプリントヘッド150が上部支持体182および下部支持体184の下方(すなわち、図面に描かれた座標軸の-Z方向)に配置されるように、プリントヘッドアクチュエータ154に結合されている。アクチュエータアセンブリ102がクリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および
図2に描かれているような供給プラットフォーム130の上に組み立てられると、プリントヘッド150は、装置100の動作軸116(
図2)上に位置する。したがって、出力動作軸156に沿った出力ヘッドアクチュエータ154の双方向作動は、装置100の動作軸116上の出力ヘッド150の双方向動作に影響を及ぼす。
図2および
図3に描かれたアクチュエータアセンブリ102の実施形態では、プリントヘッド150が装置100の動作軸116(
図2)上に位置決めされ、プリントヘッドアクチュエータ154が動作軸116の上に位置決めされるように、支持ブラケット174でプリントヘッドアクチュエータ154に結合されている。プリントヘッドアクチュエータ154を装置100の動作軸116の上方に配置することにより、ビルドプラットフォーム120または供給プラットフォーム130のいずれかからの粉体によるプリントヘッドアクチュエータ154の汚れを低減する。これは、プリントヘッドアクチュエータ154のためのメンテナンス間隔を増加させ、プリントヘッドアクチュエータ154の耐用年数を増加させ、機械のダウンタイムを減少させ、プリントヘッドアクチュエータ154の汚れによるビルドエラーを減少させる。さらに、プリントヘッドアクチュエータ154を装置100の動作軸116の上方に位置決めすることにより、ビルドプラットフォーム120および供給プラットフォーム130への改善された視覚的および物理的アクセスが可能になり、メンテナンスの容易さが改善され、付加製造プロセスの(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良好な目視観察が可能になる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、プリントヘッド150がプリント動作軸156および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、かつ/または+/-Y軸に沿って固定されてもよい)。すなわち、実施形態ではプリントヘッド全体がプリント動作軸156に直交する方向に固定されているが、しかしながら、プリントヘッドのサブコンポーネント、例えばノズル等の個々のアレイはプリント動作軸156に平行でない方向、例えばプリント動作
軸に直交する方向に平行でない方向に平行移動可能であってもよい。
【0191】
実施形態において、
図2に示されるように、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は、ビルド容器124の上に重なる。そのように、リコートヘッドアクチュエータ144(および取り付けられたリコートヘッド140)およびプリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の動作範囲も、ビルド容器124の上に重なる。実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ(および取り付けられたリコートヘッド140)の動作範囲は、プリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の動作範囲よりも大きい。これは、例えば、装置100がビルド容器124と再配置ホームポジション148との間に配置された供給容器134を含む場合に当てはまる。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、実施形態(図示せず)では、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が装置100の動作軸116の全長に沿って重複してもよい。これらの実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144(および取り付けられたリコートヘッド140)およびプリントヘッドアクチュエータ154(および取り付けられたプリントヘッド150)の可動範囲が装置100の動作軸116にわたって同一の広がりを有する。
【0192】
上述したように、本明細書に記載の実施形態では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は共に、装置100の動作軸116上に配置される。そのように、動作軸116上のリコートヘッド140およびプリントヘッド150の動きは、同じ軸に沿って生じ、従って、同一直線上にある。この構成では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が単一のビルドサイクル中の異なる時間に、装置100の動作軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)を占有することができる。しかしながら、リコートヘッドアクチュエータ144のリコート動作軸146およびプリントヘッドアクチュエータ154のプリント動作軸156はアクチュエータ144、154が積み重ねられた構成のために、互いに垂直方向に離間している。リコート動作軸146とプリント動作軸156との間隔はプリントヘッド140とプリントヘッド150とが、装置100の動作軸116に沿って、調整された様式で、同じ方向および/または反対方向に、同じ速度または異なる速度で同時に移動されることを可能にする。これにより、分配ステップ(本明細書ではリコーティングステップとも呼ばれる)、堆積ステップ(本明細書ではプリントステップとも呼ばれる)、硬化(または加熱)ステップ、および/またはクリーニングステップなどの付加製造プロセスの個々のステップを、重複するサイクル時間で実行することが可能になる。例えば、分配段階はクリーニング段階が完了している間に開始されてもよく、堆積段階は分配段階が完了している間に開始されてもよく、および/またはクリーニング段階は分配段階が完了している間に開始されてもよい。これは、付加製造装置100の全体的なサイクル時間を、分配サイクル時間(本明細書ではリコートサイクル時間とも呼ばれる)、堆積サイクル時間(本明細書ではプリントサイクル時間とも呼ばれる)、および/またはクリーニングサイクル時間の合計よりも短くすることができる。
【0193】
図2および
図3はそれぞれ、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が取り付けられた上部支持体182および下部支持体184を備えるアクチュエータアセンブリ102の実施形態を概略的に示すが、3つ以上の支持体および3つ以上のアクチュエータを備える実施形態など、他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。
【0194】
例えば、
図4Aおよび4Bは、アクチュエータアセンブリ103の別の実施形態を概略的に示す。この実施形態では、アクチュエータアセンブリ103が
図3に関して上述したように、上部支持体182、下部支持体184、リコートヘッド140、リコートヘッドアクチュエータ144、およびプリントヘッドアクチュエータ154を備える。しかしな
がら、この実施形態では、アクチュエータアセンブリ103が上部支持体182と下部支持体184との間に配置された中間支持体183を更に含む。上部支持体182、中間支持体183、および下部支持体184のそれぞれは、装置100の動作軸116(
図2)に平行な水平方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-X方向に平行な方向)に延在し、互いに垂直方向に離間している。
【0195】
図4Aおよび
図4Bに描かれた実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144が下部支持体184に結合され、プリントヘッドアクチュエータ154は上部支持体182に結合され、プロセスアクセサリアクチュエータ194はリコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194が「積み重ねられた」構成で配置されるように、中間支持体183に結合される。他の実施形態(図示せず)ではリコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194は上部支持体182、中間支持体183、および下部支持体184の異なるものに結合されてもよいことが理解されるべきである。
【0196】
リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は
図2および
図3に関して本明細書に記載されるように、双方向作動可能であってもよい。同様に、プロセスアクセサリアクチュエータ194は、アクセサリ動作軸196に沿って双方向作動可能であってもよい。すなわち、アクセサリ動作軸196は、プロセスアクセサリアクチュエータ194がそれに沿って作動可能である軸を規定する。リコート動作軸146およびプリント動作軸156と同様に、アクセサリ動作軸196は水平方向に延在し、装置100の動作軸116(
図2)と平行である。
図4Aおよび4Bに描かれた実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194の積み重ね構成のために、リコート動作軸146、プリント動作軸156、およびアクセサリ動作軸196は互いに平行であり、互いに垂直方向に離間している。いくつかの実施形態では、リコート動作軸146、プリント動作軸156、およびアクセサリ動作軸196は異なる垂直面(すなわち、図に描かれた座標軸のX-Z平面に平行な面)に位置している。しかし、リコート動作軸146、プリント動作軸156、およびアクセサリ動作軸196が同じ垂直面に位置する実施形態など、他の実施形態も企図され、可能であることを理解されたい。
【0197】
リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154と同様に、プロセスアクセサリアクチュエータ194は例えば、これに限定されるものではないが、機械アクチュエータ、電気機械アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、又は直線動作を提供するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータ等を含んでもよい。1つの特定の実施形態では、プロセスアクセサリアクチュエータ194はPRO225LMメカニカルベアリング、リニアモータステージなど、ペンシルベニア州ピッツバーグのAerotech(商標) Inc.によって製造されたリニアアクチュエータである。
【0198】
さらに
図4Aおよび
図4Bを参照すると、プロセスアクセサリ190はプロセスアクセサリ190が上部支持体182、中間支持体183、および下部支持体184の下方(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)に配置されるように、プロセスアクセサリアクチュエータ194に結合される。アクチュエータアセンブリ103が
図2に示すアクチュエータアセンブリ102と同様に、クリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、および供給プラットフォーム130の上に組み立てられると、プロセスアクセサリ190は装置100の動作軸116(
図2)上に、または動作軸116の上方(
すなわち、図に示す座標軸の+Z方向)に位置することができる。従って、アクセサリ動作軸196に沿ったプロセスアクセサリアクチュエータ194の双方向作動は、動作軸116上の、または装置100の動作軸116に平行なプロセスアクセサリ190の双方向動作に影響を及ぼす。
図4Aおよび
図4Bに描かれたアクチュエータアセンブリ103の実施形態では、プロセスアクセサリ190が動作軸116(
図2)の上方に配置されるように、支持ブラケット178とともにプロセスアクセサリアクチュエータ194に結合される。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、プロセスアクセサリ190がアクセサリ動作軸196および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、かつ/または+/-Y軸に沿って固定されてもよい)。上述したように、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190は、装置100の動作軸116上に配置することができる。そのように、動作軸116上のリコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190の動作は、同じ軸に沿って生じ、従って、同一直線上にある。この構成では、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190は単一のビルドサイクル中の異なる時間に、装置100の動作軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)を占有することができる。しかしながら、リコートヘッドアクチュエータ144のリコート動作軸146、プリントヘッドアクチュエータ154のプリント動作軸156、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194のアクセサリ動作軸196はアクチュエータ144、154、194が積み重ねられた構成のために、互いに垂直方向に離間している。リコート動作軸146、プリント動作軸156、およびアクセサリ動作軸196の間隔は、プリントヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190が装置100の動作軸116に沿って、調整された様式で、同じ方向および/または反対方向に、同じ速度または異なる速度で同時に移動されることを可能にする。これは、次に、分配ステップ(本明細書ではリコーティングステップとも呼ばれる)、堆積ステップ(本明細書ではプリントステップとも呼ばれる)、硬化(または加熱)ステップ、クリーニングステップ、および/または追加のステップ(検知ステップ、硬化ステップなど)などの、付加製造プロセスの個々のステップが重複するサイクル時間で実行されることを可能にする。例えば、分配ステップはクリーニングステップが完了している間に開始されてもよく、堆積ステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよく、および/またはクリーニングステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよい。これは、付加製造装置100の全体的なサイクル時間を、分配サイクル時間(本明細書ではリコートサイクル時間とも呼ばれる)、堆積サイクル時間(本明細書ではプリントサイクル時間とも呼ばれる)、および/またはクリーニングサイクル時間の合計よりも短くすることができる。
【0199】
実施形態において、支持ブラケット174、176、178は
図4Bに描かれているように、プロセスアクセサリアクチュエータ194に取り付けられた支持ブラケット178およびプロセスアクセサリアクチュエータ190が、プリントヘッドアクチュエータ154に取り付けられた支持ブラケット174内に入れ子になることを可能にするような大きさおよび形状とされてもよい。支持ブラケット174内にプロセスアクセサリ190を入れ子にすることにより、プリントヘッド150および/またはリコートヘッド140は、妨害されずに装置100の動作軸116(
図2)を横切ることができる。
【0200】
図4Aおよび
図4Bは上部支持体182に結合されたプリントヘッドアクチュエータ154、下部支持体184に結合されたリコートヘッドアクチュエータ144、および中間サポートに結合されたプロセスアクセサリアクチュエータ194を概略的に描写したが、他の実施形態も考えられ且つ可能であることを理解すべきである。例えば、これに限定されるものではないが、プリントヘッドアクチュエータ154は下部支持体184に連結されてもよく、リコートヘッドアクチュエータ144は上部支持体182に連結されてもよい。したがって、プリントヘッドアクチュエータ154(およびプリントヘッド150)
は上部支持体182、下部支持体184および中間支持体183のいずれか1つに結合されてもよく、リコートヘッドアクチュエータ144(およびリコートヘッド140)は上部支持体182、下部支持体184および中間支持体183の別のものに結合されてもよく、プロセスアクセサリアクチュエータ194(およびプロセスアクセサリ190)は上部支持体182、下部支持体184および中間支持体183の残りの1つに結合されてもよいことを理解されたい。
【0201】
さらに
図4Aおよび
図4Bを参照すると、プロセスアクセサリ190は、付加製造プロセス中に利用される1つまたは複数のアクセサリを含むことができる。例えば、限定はしないが、プロセスアクセサリ190はビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400および/またはビルドプラットフォーム120上に堆積されたバインダ材料500の特性を検出するためのセンサであってもよい。センサの例としてはカメラ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、超音波検出器などの画像センサが挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態では、センサからの信号が付加製造装置の1つ以上の機能のフィードバック制御を容易にするために、付加製造装置の制御システム(本明細書でさらに詳細に説明される)にフィードバックされてもよい。代替的に又は追加的に、プロセスアクセサリ190はビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400を加熱し、および/又はビルドプラットフォーム120上に堆積されたバインダ材料500を硬化させるためのエネルギー源を含むことができる。エネルギー源の例としては赤外線ヒータ、紫外線ランプ、レーザ光源などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、エネルギー源がビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400上に堆積されたバインダ材料500の硬化(または少なくとも硬化の開始)に適した電磁放射の波長または波長範囲を放出することができる。エネルギー源が赤外線ヒータである場合には、エネルギー源が供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配されるときにビルド材料400を予熱することもでき、その後堆積されるバインダ材料500の硬化を促進するのを助けることができる。代替的又は付加的に、プロセスアクセサリ190は、DLPプロジェクタ等のようなビルドプラットフォーム上に光パターンを投影するためのプロジェクタを含んでもよい。光パターンは例えば、ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料上に堆積されたバインダ材料のパターンに対応するパターン、ビルドプラットフォーム上にビルドされるオブジェクトの層の画像などであってもよい。代替的に又は追加的に、プロセスアクセサリ190は付加製造装置の動作軸116に沿って構成要素(例えば、材料ビルドホッパ、ビルド容器の蓋など)を位置決めするために使用することができる、機械的グリッパなどのエンドエフェクタとすることができる。代替的に又は追加的に、プロセスアクセサリ190は例えば、本明細書に記載されるようなプリントヘッドのようなプリントヘッドであってもよい。上記に基づいて、中間支持体183およびプロセスアクセサリアクチュエータ194は本明細書に記載されるプロセスアクセサリを含むが、これらに限定されない、付加製造プロセスと併せて使用される様々な異なるプロセスアクセサリを支持するために使用されてもよいことを理解されたい。
【0202】
ここで
図2~
図4Bを参照すると、本明細書に記載の実施形態では、プリントヘッド150がプリントヘッド150の下側(すなわち、ビルドプラットフォーム120に面するプリントヘッド150の表面)に配置されたノズル172のアレイを通してビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400の層上にバインダ材料500を堆積させることができる。実施形態において、ノズル172のアレイは、図に描かれた座標軸のXY平面内に空間的に分布される。いくつかの実施形態では、プリントヘッドはまた、ビルドされる部品の幾何学的形状を画定してもよい。実施形態において、ノズル172は圧電プリントノズルであってよく、例えば、プリントヘッド150は、圧電プリントヘッドである。代替の実施形態ではノズル172がサーマルプリントノズルであってもよく、例えば、プリントヘッド150はサーマルプリントヘッドである。代替の実施形態では、ノ
ズル172が噴霧ノズルであってもよい。このような実施形態では、プリントヘッド150およびノズル172がビルドプラットフォーム上にビルドされているオブジェクトの層の幾何学的形状を規定する画像を投影するプロジェクタと連動して作動することができる。そのような実施形態では、プロジェクタが本明細書で上述したように、アクセサリアクチュエータに結合することができる。例えば、プリントヘッド150はビルド材料上にバインダ材料をブランケット堆積させることができ、プロジェクタはバインダ材料を選択的に硬化させるために、バインダ材料上にエネルギーの硬化パターンを投影する。あるいは、プリントヘッド150がバインダ材料をパターンで選択的に堆積させてもよく、プロジェクタはビルドプラットフォーム全体にエネルギーを投射し、それによってバインダ材料を硬化させる。別の実施形態では、プリントヘッド150がバインダ材料を所定のパターンで堆積させることができ、プロジェクタは堆積されたバインダ材料を選択的に硬化させる(または部分的に硬化させる)ために、強度の空間的変動を伴う所定のパターンのエネルギーを投影する。
【0203】
ノズル172に加えて、いくつかの実施形態では、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400および/またはビルドプラットフォーム120上に堆積されたバインダ材料500の特性を検出するための1つまたは複数のセンサ(図示せず)をさらに備えることができる。センサの例としてはカメラ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、超音波検出器などの画像センサが挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態では、センサからの信号が付加製造装置の1つ以上の機能のフィードバック制御を容易にするために、付加製造装置の制御システム(本明細書でさらに詳細に説明される)にフィードバックされてもよい。
【0204】
代替的に又は追加的に、プリントヘッド150は、少なくとも1つのエネルギー源(図示せず)を含むことができる。エネルギー源は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400上に堆積されたバインダ材料500を硬化させる(または少なくとも硬化を開始させる)のに適した電磁放射線の波長または波長範囲を放出することができる。例えば、エネルギー源は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400の層上に予め堆積されたバインダ材料500を硬化させるのに適した赤外線または紫外線電磁放射線の波長を放出する赤外線ヒータまたは紫外線ランプを含むことができる。エネルギー源が赤外線ヒータである場合には、エネルギー源が供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配されるときにビルド材料400を予熱することもでき、その後堆積されるバインダ材料500の硬化を促進するのを助けることができる。
【0205】
ここで
図2~
図4Bおよび
図5A~
図5Cを参照すると、
図5A~
図5Cは、リコートヘッド140a、140b、140cの異なる実施形態を示す。本明細書に記載されるように、リコートヘッド140は付加製造装置100において、ビルド材料400を分配するために、より具体的には、ビルド材料400を供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配するために使用される。すなわち、リコートヘッド140は、ビルドプラットフォーム120をビルド材料400で「リコート」するために使用される。リコートヘッド140は供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120へのビルド材料400の分配を容易にするために、ローラ、ブレード、またはワイパのうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0206】
例えば、
図5Aは、一対のローラ162、164を含むリコートヘッド140aの一実施形態を概略的に示す。一実施形態ではローラ162、164は同じ方向に回転させることができる。別の実施形態では、ローラ162、164を反対方向に回転させることができる。例えば、先導ローラ162(すなわち、リコートヘッド140aがリコートホームポジション148からプリントホームポジション158に向かって横断されたときにビル
ド材料400に接触するための第1のローラ)は矢印350で示すようにリコートヘッド140aの進行方向(すなわち、
図5Aでは時計回り)に反転されてもよく、一方、後続ローラ164は矢印152で示すように、リコートヘッド140aの同じ進行方向(すなわち、
図5Aでは反時計回り)に回転されてもよい。この実施形態では先導ローラ162がビルド材料400をロフトし、これは供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120にビルド材料400を分配するのを助けるが、後続ローラ164は分配されたビルド材料をコンパクト化する。
【0207】
図5Bは、リコートヘッド140bの別の実施形態を示す。この実施形態では、リコートヘッド140bが単一のローラ162を含む。ローラ162はリコートヘッド140がリコートホームポジション148からプリントホームポジション158に向かって横断されるときに、進行方向に向かって回転させることができる。これにより、ローラ162はプリントホームポジション158に向かって前進し、ビルド材料400がリコートホームポジション148に向かって戻るときに、ビルド材料400を最初にロフトさせて分配することができる。
【0208】
図5Cを参照すると、別の実施形態では、リコートヘッド140cがリコートヘッド140cの下側(すなわち、供給プラットフォーム130に対向するリコートヘッド140cの表面)から延在するブレードまたはワイパ166(例えば、ドクターブレード)を含んでもよい。別の実施形態(図示せず)では、リコートヘッドが1つまたは複数のワイパおよび1つまたは複数のローラを含むことができる。リコートヘッド140cがリコートホームポジション148からプリントホームポジション158に向かって横断されると、ワイパ166はビルド材料を供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配する。
【0209】
ローラ162およびワイパ166の少なくとも1つに加えて、リコートヘッド140は、少なくとも1つのエネルギー源を更に含むことができる。例として再び
図5Aを参照すると、リコートヘッド140aは、先導エネルギー源168および後続エネルギー源170を含む。これらの実施形態では、エネルギー源がビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400上に堆積されたバインダ材料500を硬化させる(または少なくとも硬化を開始させる)のに適した電磁放射線の波長または波長範囲を放出することができる。例えば、先導エネルギー源168および/または後続エネルギー源170は赤外線ヒータまたは紫外線ランプを備え得、これらはビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400の層上に予め堆積されたバインダ材料500を硬化させるために適切な、赤外線または紫外線電磁放射線の波長をそれぞれ放出する。エネルギー源168、170が赤外線ヒータである場合、エネルギー源は供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配されるときにビルド材料400を予熱することもでき、その後堆積されるバインダ材料500の硬化を促進するのを助けることができる。
【0210】
図5Aはリコートヘッド140aを2つのエネルギー源168、170を含むものとして示しているが、リコートヘッド140aは先行エネルギー源168または後続エネルギー源170のいずれかのような単一のエネルギー源を含むことができることを理解されたい。さらに、エネルギー源は
図5Aのリコートヘッド140aの実施形態に関連してのみ示されているが、エネルギー源はリコートヘッドの任意の実施形態に関連して使用されてもよいことを理解されたい。
【0211】
いくつかの実施形態ではローラ162およびワイパ166のうちの少なくとも1つに加えて、リコートヘッド140は少なくとも1つのセンサ171をさらに備えることができる。再び
図5Aを例として参照すると、リコートヘッド140aは、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400および/またはビルドプラットフォーム12
0上に堆積されたバインダ材料500の特性を検出するための少なくとも1つのセンサ171をさらに備えることができる。センサの例としてはカメラ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、超音波検出器などの画像センサが挙げられるが、これらに限定されない。これらの実施形態では、センサからの信号が付加製造装置の1つ以上の機能のフィードバック制御を容易にするために、付加製造装置の制御システム(本明細書でさらに詳細に説明される)にフィードバックされてもよい。
【0212】
図5Aは少なくとも1つのセンサ171を備えるものとしてリコートヘッド140aを示すが、少なくとも1つのセンサが本明細書に記載されるリコートヘッドの任意の実施形態と併せて使用されてもよいことを理解されたい。
【0213】
再び
図2を参照すると、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)のうちの少なくとも1つは、付加製造装置100の動作軸116に沿ったリコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)のうちの別のものの相対位置を検出するために、容量性近接センサ、光電センサ、誘導性近接センサなどの動作軸近接センサ(図示せず)を含むことができる。動作軸近接センサは、付加製造装置100の制御システム200(本明細書でさらに詳細に説明する)に通信可能に結合することができる。動作軸近接センサからの信号は、制御システム200にフィードバックされてもよく、制御システムは付加製造装置100の動作軸116に沿って個々に横断されるときに、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)の間の潜在的な衝突を検出するために信号を利用する。
【0214】
より具体的にはリコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)の動きは制御システム200のメモリに格納されたコンピュータ可読かつ実行可能な命令に従って、制御システム200によって制御され得る。コンピュータ可読かつ実行可能な命令は、単一のビルドサイクル中に同時に装置100の動作軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)にリコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)を共に配置することを回避するように定式化されると仮定される。しかしながら、制御システム200は、(含まれる場合には)リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190が単一のビルドサイクル中に同時に装置100の動作軸116に沿って同じ空間(又は同じ空間の一部)を占有しないことを保証するために、動作軸近接センサからの信号を利用することができる。衝突の可能性が、動作軸近接センサから受信された信号に基づいて決定される場合、制御システム200は衝突を回避するために、動作軸116に沿って、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)のうちの1つまたは複数の速度を変更することができる。あるいは衝突の可能性が動作軸近接センサから受信された信号に基づいて決定される場合、制御システム200は付加製造プロセスを停止して、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)のうちの1つまたは複数への損傷を防止することができる。
【0215】
他のいくつかの実施形態では、構成要素間の衝突が動作軸に沿った構成要素の位置を知り、制御システムで構成要素の位置決めを制御して、構成要素が同時に同じ空間を占有しないようにすることによって回避されてもよい。例えば、リニアエンコーダは、プリントヘッドアクチュエータおよびリコートヘッドアクチュエータ(およびプリントヘッドおよびリコートヘッドの寸法の知識)と共に使用されて、プリントヘッドおよびリコートヘッドの動作軸に沿った位置を決定することができる。この情報により、制御システムは、リニアエンコーダによって決定される位置に基づいて、プリントヘッドとリコートヘッドとの間の衝突を回避するようにプログラムすることができる。
【0216】
代替的に又は追加的に、付加製造装置(特に制御システム)は、プリントヘッドとリコートヘッドとの間の衝突を回避するようにプログラムされてもよい。例えば、ビルドプラットフォームおよび供給プラットフォームに関する再設定ヘッド開始位置、ビルドプラットフォームおよび供給プラットフォームに関する再設定ヘッド終了位置、ビルドプラットフォーム上の再設定ヘッドの速度、供給プラットフォーム上の再設定ヘッドの速度、再設定ヘッドの加速度、再設定ヘッドの開始位置、プリントヘッド終了位置、プリントプラットフォーム上のプリントヘッドの速度、およびビルドプラットフォーム上のプリントヘッドの加速度を使用して、プリントヘッドおよび再設定ヘッドの動きを同期させ、衝突を回避するように振り分けすることができる。
【0217】
ここで
図2および
図6を参照すると、
図6は、
図3または
図4のいずれかに示されるようなアクチュエータアセンブリを有する
図2の付加製造装置100を制御するための制御システム200の一部を概略的に示す。制御システム200は、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、供給プラットフォームアクチュエータ132、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194(含まれる場合)に通信可能に結合される。制御システム200はまた、プリントヘッド150、リコートヘッド140、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)に通信可能に結合されてもよい。プリントヘッド150、リコートヘッド140、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)のうちの1つまたは複数が動作軸近接センサ(図示せず)を備える実施形態では、制御システム200はまた、動作軸近接センサ(1つまたは複数)に通信可能に結合されてもよい。本明細書で説明する実施形態では、制御システム200がメモリ204に通信可能に結合されたプロセッサ202を備える。プロセッサ202は、例えばメモリ204に記憶されたコンピュータ読取可能および実行可能命令を受信し実行するように構成された中央処理装置等の任意の処理構成要素を含んでもよい。本明細書に記載される実施形態では、制御システム200のプロセッサ202がリコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、供給プラットフォームアクチュエータ132、およびプロセスアクセサリアクチュエータ194(含まれる場合)に制御信号を提供する(およびそれによって作動する)ように構成される。プロセッサ202はまた、プリントヘッド150、リコートヘッド140、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)に制御信号を提供する(それによって作動させる)ように構成されてもよい。制御システム200はプロセスアクセサリ190および/またはリコートヘッド140の1つまたは複数のセンサから信号を受信し、これらの信号に基づいて、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、供給プラットフォームアクチュエータ132、プロセスアクセサリアクチュエータ194、プリントヘッド150、リコートヘッド140、および/またはプロセスアクセサリ190のうちの1つまたは複数を作動させるように構成することもできる。
【0218】
本明細書に記載される実施形態では、付加製造装置100を制御するためのコンピュータ可読かつ実行可能な命令が制御システム200のメモリ204に記憶される。メモリ204は、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリである。メモリ204は例えば、限定されるものではないが、揮発性および/または不揮発性メモリとして構成することができ、そのようなものとして、ランダムアクセスメモリ(SRAM、DRAM、および/または他のタイプのランダムアクセスメモリを含む)、フラッシュメモリ、レジスタ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、および/または他のタイプの記憶構成要素を含むことができる。
【0219】
次に、付加製造装置100の動作を、特に
図2、
図6、および
図7A~
図7Cを参照し
てさらに詳細に説明する。
【0220】
図2を参照すると、付加製造装置100は、ビルドサイクルの開始時に概略的に示されている。本明細書で使用される「ビルドサイクル」という語句はビルドプラットフォーム120上にオブジェクトの単一層をビルドするプロセスを指し、本明細書で説明される実施形態では、「ビルドサイクル」が供給プラットフォーム130を上昇させること、ビルドプラットフォーム120を下降させること、ビルド材料400の新しい層を供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配すること、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400の新しい層上にバインダ材料500を堆積させること、および任意選択でプリントヘッド150のクリーニングの各繰り返しを1回含むことができる。付加製造機器100は、単一のビルドサイクル中の経過時間である総合ビルドサイクル時間TBCを含む。
【0221】
付加製造装置100の動作を説明する際に、材料400およびバインダ材料500をビルドすることについて、本明細書では具体的に言及する。ビルド材料は一般に、展延性または流動性である粉末材料を含む。適切な粉末材料のカテゴリーは限定されるものではないが、乾燥粉末材料および湿潤粉末材料(例えば、スラリー中に含まれた粉末材料)を含む。実施形態では、ビルド材料がバインダ材料と一緒に結合することができる。実施形態では、ビルド材料が焼結などによって、一緒に融合させることもできる。実施形態ではビルド材料が、例えば、限定されるものではないが、セラミック粉末、金属粉末、ガラス粉末、炭素粉末、砂、セメント、リン酸カルシウム粉末、およびそれらの様々な組み合わせを含む無機粉末材料であってもよい。実施形態ではビルド材料が例えば、限定されるものではないが、プラスチック粉末、ポリマー粉末、石鹸、食品から形成された粉末(すなわち、食用粉末)、およびそれらの様々な組み合わせを含む有機粉末材料を含み得る。いくつかの実施形態では、ビルド材料が医薬であるか、または医薬を含有する場合など、医薬活性成分であってもよい(または含んでもよい)。実施形態では、ビルド材料が無機粉末材料と有機粉末材料との組み合わせであってもよい。
【0222】
ビルド材料は、サイズが均一であっても、サイズが不均一であってもよい。実施形態ではビルド材料が例えば、限定するものではないが、バイモーダルまたはトリモーダル粉末サイズ分布などの粉末サイズ分布を有することができる。実施形態では、ビルド材料がナノ粒子であってもよく、またはナノ粒子を含んでもよい。
【0223】
ビルド材料は、規則的なまたは不規則な形状であってもよく、異なるアスペクト比または同じアスペクト比を有する可能性がある。例えば、ビルド材料は、小さな球体または顆粒の形態をとってもよく、または小さなロッドまたは繊維のように成形されてもよい。
【0224】
実施形態では、ビルド材料を第2の材料でコーティングすることができる。例えば、限定するものではないが、ビルド材料はワックス、ポリマー、又はビルド材料を(バインダと共に)一緒に結合するのを助ける別の材料でコーティングすることができる。あるいは、またはさらに、ビルド材料はビルド材料の融合を促進するために、焼結剤および/または合金化剤でコーティングされてもよい。
【0225】
バインダ材料は放射エネルギー硬化性であり、バインダ材料が硬化状態にあるときにビルド材料を一緒に接着または結合することができる材料を含むことができる。本明細書で使用される「放射エネルギー硬化性」という用語は、特定の波長およびエネルギーの放射エネルギーの印加に応答して固化する任意の材料を指す。例えば、バインダ材料は重合反応をトリガーし、樹脂を液体状態から固体状態に変化させるように機能する光開始剤化合物を含有する公知のフォトポリマー樹脂を含むことができる。あるいは、バインダ材料が放射エネルギーの適用によって蒸発され得る溶媒を含有する材料を含み得る。未硬化バイ
ンダ材料は固体(例えば、顆粒)形態、ペーストまたはスラリーを含む液体形態、またはプリントヘッドに適合する低粘度溶液で提供され得る。バインダ材料は、ビルド材料の焼結中のような、さらなる処理中にガスを放出するか、または焼失する能力を有するように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、バインダ材料が「Reversible Binders For Use in Binder Jetting Additive Manufacturing Techniques」と題され、General
Electric Corporation、Schenectady、NYに譲渡された米国特許公開第2018/0071820号に記載されているものとすることができる。しかしながら、種々のバインダ材料の組み合わせを含む他のバインダ材料も考えられ、可能であることを理解すべきである。
【0226】
最初に
図2を参照すると、ビルドサイクルの開始時に、制御システム200は矢印316で示されるように、供給プラットフォームアクチュエータ132を上向き垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+Z方向)に作動させ、それによって、供給プラットフォーム130、およびその上に配置されたビルド材料400を、装置100の動作軸116に向かって上向き垂直方向に移動させる、供給プラットフォームアクチュエータ132に制御信号を送る。供給プラットフォーム130は装置100の動作軸116上を横切るときに、リコートヘッド140の経路内に所定量のビルド材料400を配置するのに十分な量だけ上向き垂直方向に移動される。供給プラットフォームアクチュエータ132の作動は、供給プラットフォームサイクルタイムTSPにわたって生じる。
図2はバインダ材料500がビルド材料400の層上(例えば、ビルド材料400の以前に分配された層上)に既に存在するビルドサイクルの開始を概略的に示すが、ビルドサイクルの開始はビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料400またはバインダ材料500なしに生じ得ることが理解されるべきである。
【0227】
ここで
図2および
図7Aを参照すると、供給プラットフォーム130が上昇すると(すなわち、プラットフォームサイクルタイムTSP中に)、制御システム200はまた、制御信号をリコートヘッドアクチュエータ144に送り、リコートヘッドアクチュエータ144に、リコートヘッド140をリコートホームポジション148からプリントホームポジション158に向かって動作軸116に沿って第1のリコート方向に、矢印302によって示されるように、リコート進み速度で前進させる。これは、図に描かれている座標軸の-X方向のリコート動作軸146に沿って、リコートヘッドアクチュエータ144を作動させることによって達成される。プリントヘッド140の前進は所定量のビルド材料400が、プリントヘッド140が供給プラットフォーム130上を横切る前に、プリントヘッド140の経路内に配置されるように、供給プラットフォーム130の上向き垂直動作と調整される。リコートヘッド140が供給プラットフォーム130上をビルドプラットフォーム120に向かって横断すると、リコートヘッド140は
図7Aに示すように、ビルド材料400を供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に移動(すなわち、分配)し、それによってビルド材料400の新しい層をビルドプラットフォーム120上に分配する。
【0228】
実施形態において、リコート進み速度は、リコートヘッド140が装置100の動作軸116上を矢印302で示す方向に横断するにつれて変化し得る。例えば、リコート進み速度は、リコートホームポジション148から供給プラットフォーム130上を横切る前の初期リコート進み速度と、リコートヘッド140が供給プラットフォーム130およびビルドプラットフォーム120上を横切るときの分配進み速度とを含むことができる。いくつかの実施形態では、リコート進み速度が供給プラットフォーム130とビルドプラットフォーム120との間で異なっていてもよい(例えば、より速くてもよい)。いくつかの実施形態では、分配進み速度が初期リコート進み速度よりも小さくてもよい。これは、供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材
料400の層の均一性を促進し、オブジェクト内の欠陥を低減することができる。
【0229】
リコートヘッド140が
図5A~
図5Cに関して本明細書に記載されるようなエネルギー源を含む実施形態では、制御システム200が、リコートヘッド140がビルド材料400を供給プラットフォーム130からビルドプラットフォーム120に分配する際に、エネルギー源を作動させてもよい。エネルギー源は例えば、ビルドプラットフォーム120上に分配されるときにビルド材料400を加熱し、および/またはビルドプラットフォーム120上に分配されるビルド材料400の層上に予め堆積されたバインダ材料500(
図2)の硬化を開始または補足することができる。
【0230】
リコートヘッド140が
図5A~5Cに関して本明細書で説明されるような少なくとも1つのセンサを備える実施形態では、制御システム200がビルドプラットフォーム120上に堆積されたビルド材料400および/またはバインダ材料500の特性を示す信号を少なくとも1つのセンサから受信し、その信号に基づいて付加製造装置100の動作を調整することができる。例えば、少なくとも1つのセンサは、バインダ材料500の温度を検出する高温計を含むことができる。バインダ材料500の温度に基づいて、制御システム200はリコートヘッド140に関連するエネルギー源を作動させて、バインダ材料500に多かれ少なかれエネルギーを提供し、それによってバインダ材料500の硬化速度を調節することができる。
【0231】
図7A~7Cを参照すると、ビルド材料400の新しい層がビルドプラットフォーム120上に分配された後、制御システム200は、リコートヘッドアクチュエータ144がリコートヘッド140を動作軸116(
図2)に沿って、矢印308で示される第1のリコート方向と反対の第2のリコート方向で、リコート戻り速度で、リコートホームポジション148に戻す制御信号を、リコートヘッドアクチュエータ144に送る。実施形態では、リコート戻り速度がリコート進み速度以上であってもよい。実施形態では、リコート戻り速度がリコート進み速度よりも小さくてもよい。本明細書で説明するように、リコート進み速度が初期リコート進み速度および分配進み速度を含む実施形態では、リコート戻り速度が分配進み速度よりも大きく、初期リコート進み速度以上であってもよい。リコートヘッド140の戻りは、図に描かれた座標軸の+X方向のリコート動作軸146に沿ってリコートヘッドアクチュエータ144を作動させることによって達成される。
【0232】
本明細書で説明する実施形態では、リコートヘッド140およびリコートヘッドアクチュエータ144が、リコートヘッド140がリコートホームポジション148を離れてからリコートヘッド140がリコートホームポジション148に戻るまでの経過時間であるリコートサイクルタイムTRHを有する。本明細書に記載する実施形態では、プラットフォームサイクルタイムTSPがリコートサイクルタイムTRH内で発生する。
【0233】
さらに
図7A~
図7Cを参照すると、リコートヘッド140がリコートホームポジション148に戻されると(すなわち、リコートサイクルタイムTRH中)、制御システム200はプリントヘッドアクチュエータ154に制御信号を送り、プリントヘッドアクチュエータ154はプリントヘッド150を、
図7Bの矢印306によって示されるように、プリント進み速度で、第1のリコート方向とは反対の第1のプリント方向に、動作軸116(
図2)に沿って、プリントホームポジション158からリコートホームポジション148に向かって前進させる。これは、プリントヘッドアクチュエータ154を図に描かれた座標軸の+X方向にプリント動作軸156に沿って作動させることによって達成される。
図7Bに示すように、リコートヘッド140およびプリントヘッド150の両方は装置100の動作軸116(
図2)に沿って動作しており、これは、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が本明細書に記載されるように積み重ね構成で配置されることによって容易にされる。リコートヘッド140およびプリ
ントヘッド150は
図7Bに示すように同じ方向に、または
図7Cに示すように反対方向に、装置100の動作軸116(
図2)に沿って同時に移動することができる。さらに、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は、装置100の動作軸116(
図2)に沿って、異なる速度または同じ速度で同時に移動することができる。
【0234】
いくつかの実施形態では、プリントヘッド150が矢印306によって示される方向に装置100の動作軸116上を横切るにつれて、プリント進み速度を変化させることができる。例えば、プリント進み速度は、プリントホームポジション158からビルドプラットフォーム120上を横断する前の初期プリント進み速度と、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上を横断するときの堆積進み速度とを含むことができる。実施形態では、堆積進み速度が初期プリント進み速度未満であってもよい。これにより、ビルドプラットフォーム120上へのバインダ材料500の堆積の精度が向上する。
【0235】
プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上を矢印306で示す方向に横切ると、制御システム200はプリントヘッド150に信号を送り、
図7Bに示すように、プリントヘッド150に、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料400の層上にバインダ材料500の層を所定のパターンで堆積させる。所定のパターンは一般に、ビルドプラットフォーム120上にビルドされるオブジェクトの水平断面に対応する。いくつかの実施形態では、プリントヘッド150が、
図7Bの矢印306によって示される方向にビルドプラットフォーム120上を横切るときに、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料400の層上に、所定のパターンの第1の部分に対応するパターンでバインダ材料500を堆積させる。これらの実施形態では、プリントヘッド150がプリントホームポジション158に戻るときに、プリントヘッド150が
図7Cの矢印307によって示される方向にビルドプラットフォーム120上を横切るときに、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料400の層上の所定のパターンの第2の部分に対応するパターンでバインダ材料500を堆積させる。プリントヘッド150が所定のパターンの第2の部分に対応するパターンでバインダ材料500を堆積させると、プリントヘッド150は、堆積戻り速度で矢印307によって示される方向に装置100の動作軸116(
図2)に沿って前進することができる。実施形態では、堆積戻り速度が堆積進み速度に等しくてもよい。
図7Cに示されるように、プリントヘッド150およびリコートヘッド140は矢印307および308によって示されるように、装置100の動作軸116(
図2)に沿って反対方向に同時に移動することができる。実施形態では、所定のパターンの第2の部分が所定のパターンの第1の部分と重なり合ってもよく、または少なくとも部分的に重なり合ってもよい。バインダ材料500を2つの別個の部分でビルド材料400の層上に堆積させることにより、バインダ材料500が堆積ステップの間にビルド材料400の層により完全に浸透することを可能にし、ビルド材料400に対するバインダ材料500の結合作用を改善することができる。加えて、または代替として、2つの別個の部分でビルド材料400の層上にバインダ材料500を堆積させることは、プリントサイクルの端部にビルド材料400上に同じ量のバインダ材料500の堆積を依然として達成しながら、プリント動作ごとに堆積され得るバインダ材料500がより少なくなるので、重なり合う部分におけるビルド材料400の変位を防止し得る。ビルド材料400の層上へのバインダ材料500の堆積は本明細書では2つの別個の部分で行われるものとして説明したが、他の実施形態ではビルド材料400の層上へのバインダ材料500の堆積が、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120上で複数回走査される場合など、3つ以上の別個の部分で行われてもよいことを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、バインダ材料500の同じパターンを、制御された速度で複数回、ビルド材料400上に噴射して、バインダ材料500の漸進的なビルドアップを促進して、粉末湿潤速度を考慮することができる。これはまた、ビルドプラットフォームの異なる領域に沿った堆積とその後の硬化との間の時間をより均一に制御するために使用されてもよい。
【0236】
バインダ材料500は少なくとも部分的に重なり合う2つの部分に堆積されるものとして説明したが、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、バインダ材料500はプリントヘッド150が
図7Bの矢印306によって示される方向または
図7Cの矢印307によって示される方向に装置100の動作軸116(
図2)を横切るときに、バインダ材料500がビルド材料400の層上に堆積されるときなど、単一経路でプリントヘッド150によって堆積されてもよい。
【0237】
次に、
図7Dを参照すると、バインダ材料500の層がビルドプラットフォーム120上に位置決めされたビルド材料400の層上に堆積された後、制御システム200は制御信号をプリントヘッドアクチュエータ154に送り、プリントヘッドアクチュエータ154が矢印310で示すように、第1のプリント方向と反対の第2のプリント方向に、プリントヘッド150を、動作軸116(
図2)に沿って、プリント戻り速度でプリントホームポジション158に戻すようにする。これは、プリントヘッドアクチュエータ154を図に描かれた座標軸の-X方向にプリント動作軸156に沿って作動させることによって達成される。実施形態では、プリント戻り速度が堆積戻り速度よりも大きい。実施形態では、プリント戻り速度がプリント進み速度よりも大きくてもよい。実施形態では、プリント戻り速度がプリント進み速度以下であってもよい。
【0238】
本明細書で説明する実施形態では、プリントヘッド150およびプリントヘッドアクチュエータ154が、プリントヘッド150がプリントホームポジション158を離れてからプリントヘッド150がプリントホームポジション158に戻るまでの経過時間であるプリントサイクルタイムTPHを有する。
【0239】
さらに
図7Dを参照すると、プリントヘッド150がビルドプラットフォーム120から離れるように(すなわち、プリントサイクルタイムTPH中に)、制御システム200は矢印314によって示されるように、ビルドプラットフォームアクチュエータ122を下方垂直方向(すなわち、
図2に示される座標軸の-Z方向)に作動させるビルドプラットフォームアクチュエータ122に制御シグナルを送り、それによってビルドプラットフォーム120を機器100の動作軸116から離れるように下方垂直方向に移動させる。ビルドプラットフォーム120は、供給プラットフォーム130から新しい層のビルド材料400を受け入れるのに十分な量だけ下向きの垂直方向に移動される。ビルドプラットフォームアクチュエータ122の作動は、ビルドプラットフォームサイクルタイムTBPにわたって生じる。したがって、ビルドプラットフォームサイクルタイムTBPは、少なくとも部分的にプリントサイクルタイムTPHと重複する。実施形態では、ビルドプラットフォームサイクルタイムTBPがプリントサイクルタイムTPHと完全に重なる。
【0240】
さらに
図7Dを参照すると、プリントホームポジション158は本明細書に記載されるように、一般にクリーニングステーション110と同じ場所に配置される。従って、プリントヘッド150がプリントホームポジション158に戻ると、プリントヘッド150のクリーニングおよびメンテナンス動作が開始される。クリーニングとメンテナンスは、クリーニングステーションのサイクルタイムTCSにわたって実行される。実施形態では、クリーニングステーションサイクルタイムTCSが少なくとも部分的にプリントサイクルタイムTPHと重複する。例えば、クリーニングステーションサイクルタイムTCSは、プリントヘッド150の一部がクリーニングステーション110上に配置されるとすぐに開始されてもよい。あるいは、クリーニングステーションサイクルタイムTCSが、プリントヘッド150がプリントホームポジション158に到達する前にクリーニングステーション110の構成要素が所定の位置に作動されるときなど、プリントヘッド150の一部がクリーニングステーション110上に位置決めされる前に開始されてもよい。いくつかの実施形態では、クリーニングステーションサイクルタイムTCS中に、制御装置20
0はプリントヘッドアクチュエータ154に制御シグナルを送り、プリントヘッドアクチュエータ154に、クリーニングステーション110の個々のセクション(図示せず)上で、図に示される座標軸の+/-X方向にプリントヘッド150を横断させて、クリーニングステーション110のクリーニングおよびメンテナンス作業に影響を及ぼすことができる。
【0241】
図7Dに示すように、プリントヘッド150がプリントホームポジション158に向かって横断しているとき(すなわち、プリントサイクルタイムTPH中)、制御装置200は次回のビルドサイクルを開始する。具体的には、制御システム200が供給プラットフォームアクチュエータ132に制御信号を送信することによって、供給プラットフォームアクチュエータ132を上方垂直方向に作動させ、
図2および
図7Aに関して上述したように、リコートヘッドアクチュエータ144に制御信号を送ることによって、リコートヘッドアクチュエータ144に、リコートホームポジション148からプリントホームポジション158に向かって、リコートヘッド140を、動作軸116に沿って前進させることによって、次のビルドサイクルを開始する。したがって、少なくともプリントサイクル時間TPHの終わりは、少なくともリコートサイクル時間TRHの始まりと重複してもよい。さらに、少なくともプリントサイクル時間TPHの終わりは、少なくとも供給プラットフォームサイクル時間TSPの始まりと重複してもよい。さらに、プリントヘッド150がプリントホームポジション158に戻っている間に次のビルドサイクルが開始され、クリーニングステーションサイクルタイムTCSが少なくとも部分的にプリントサイクルタイムTPHと重なるため、クリーニングステーションサイクルタイムTCSは少なくとも部分的にリコートサイクルタイムTRHと重なる。実施形態では、クリーニングステーションサイクル時間TCSがプリントサイクル時間TPHおよびリコートサイクル時間TRHの両方と重複する。実施形態では、クリーニングステーションサイクル時間TCS全体がプリントサイクル時間TPHおよびリコートサイクル時間TRHの少なくとも1つと重複する。例えば、いくつかの実施形態ではクリーニングステーションサイクル時間TCSの少なくとも一部がプリントサイクル時間TPHと重複し、クリーニングステーションサイクル時間TCS全体はリコートサイクル時間TRHと重複する。
【0242】
ビルドプラットフォームサイクルタイムTBPおよび供給プラットフォームサイクルタイムTSPはプリントサイクルタイムTPHおよび/またはリコートサイクルタイムTRHと完全に重複する可能性があり、たとえば、ビルドプラットフォームサイクルタイムTBPおよび供給プラットフォームサイクルタイムTSPは、総合ビルドサイクルタイムTBCには寄与しない。また、クリーニングステーションサイクル時間TCS、プリントサイクル時間TPH、およびリコートサイクル時間TRHの少なくとも一部が互いに重複するため、クリーニングステーションサイクル時間TCS、プリントサイクル時間TPH、およびリコートサイクル時間TRHの合計よりも総合ビルドサイクル時間TBCが小さくなる。実施形態では、総合ビルドサイクル時間TBCがプリントサイクル時間TPHとリコートサイクル時間TRHとの合計よりも小さく、例えば、クリーニングステーションサイクル時間の少なくとも一部TCSがプリントサイクル時間TPHと重複し、クリーニングステーションサイクル時間全体TCSとリコートサイクル時間TRHとが重複する場合などである。
【0243】
個々のプリント、リコート、およびクリーニングサイクル時間の合計より短い総合ビルドサイクル時間TBCの持続時間の短縮はアクチュエータ144、154の積み重ね構成によって容易になり、これにより、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が同時に付加製造機100の動作軸116上を移動することが可能になる。
【0244】
図7A~7Dに関して説明したように、ビルドサイクル中の動作軸116に沿ったプリントヘッド150およびリコートヘッド140の移動により、プリントヘッド150およ
びリコートヘッド140は(例えば、ビルドプラットフォーム120上で)ビルドサイクル内の異なる時間点で同じ空間位置を占有する。プリントヘッド150とリコートヘッド140との間の潜在的な重なりのこれらの時間点の少なくともいくつかにおいて、プリントヘッド150とリコートヘッド140とは、互いに向かって移動している。例えば、リコートヘッド140がビルドプラットフォーム120上にビルド材料400を分配すると、リコートヘッド140は、プリントヘッド150がプリントホームポジション158にあるときにプリントヘッド150に向かって移動する。いくつかの実施形態では、リコートヘッド140がプリント材料をビルドプラットフォーム120上に分配した後、リコートヘッド140はプリントホームポジション158に比較的近接し、依然としてプリントヘッド150に向かって移動することができる。プリントヘッド150がプリントホームポジション158から前進する(例えば、
図7Bの矢印306で示される方向に移動する)タイミングに応じて、プリントヘッド150とリコートヘッド140との間に衝突が生じる可能性がある。換言すれば、プリントヘッド150がプリントホームポジション158から前進するタイミングが早すぎると、プリントヘッド150がリコートヘッド140に衝突する可能性がある。
【0245】
従って、制御システム200はビルドサイクルの経過にわたって最小の分離距離を維持するために、リコートヘッド140、プリントヘッド150、およびプロセスアクセサリ190(含まれる場合)の動作を生成および制御することができる。一般に、プリントヘッド150とリコートヘッド140との間の衝突がビルドサイクルの経過にわたって回避されることを依然として確保しつつ、最小分離距離をできるだけ小さくすることは有益である。このようにして、プリントヘッド150とリコートヘッド140の同時作動の効率的利益が完全に実現される。
【0246】
次に、
図7Eを参照すると、ビルドサイクル中にプリントヘッド150およびリコートヘッド140についてのサイクルタイミングおよび動作プロファイルを決定する方法700のフロー図が示されている。実施形態では、方法700が制御システム200を介して実行されて、プリントヘッド150とリコートヘッド140とのコロケーション(同時存在)を避けるために、ビルドサイクル中にプリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144を制御するために制御システム200によって使用される実行可能命令を生成することができる。実施形態において、方法700は、アクチュエータアセンブリ102の較正プロセスの間に実行されてもよい。アクチュエータアセンブリ102の較正プロセスは特定のプリントジョブ(例えば、特定のオブジェクトのビルドのための)用であってもよい。いくつかの実施形態では、方法700がビルドサイクルの実行中に実行されて、ビルドサイクル中のプリントヘッド150とリコートヘッド140との間の衝突を回避することができる。
【0247】
ステップ702では、プリントヘッド150とリコートヘッド140との間の最小分離距離が決定される。実施形態では、最小分離距離が衝突距離と速度に基づく成分との2つの別個の構成要素を有する。衝突距離はプリントヘッド150がリコートヘッド140に接触したときのプリントヘッド150およびリコートヘッド140(例えば、それぞれプリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144に関連するリニアエンコーダを介して測定される)の位置測定値に対応することができる。例えば、ビルドサイクルの前に、プリントヘッド150をリコートヘッド140に接触させることができ、プリントヘッドアクチュエータ154のリニアエンコーダを介して行われる位置測定と、リコートヘッドアクチュエータ144を使用して、プリントヘッド150をリコートヘッド140に接触させて衝突距離を決定するときに、プリントヘッド位置とリコートヘッド位置との差を決定することができる。
【0248】
実施形態において、最小分離距離の速度に基づく成分は、プリントヘッド150および
リコートヘッド140がビルドサイクル中に移動する速度に基づいて計算される単一の値である。例えば、実施形態において、速度ベースの構成要素は、ビルドサイクル中のプリントヘッド150およびリコートヘッド140の最大プロセス速度を説明する。プリントヘッド150とリコートヘッド140の最大プロセス速度はプリントヘッド150とリコートヘッド140が互いに向かって動いている状況を説明するために、最大相対速度を得るために、互いに付加されてもよい。最大相対速度が決定されると、最小分離距離の速度ベース成分は、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144の減速能力に基づいて決定され得る。例えば、プリントヘッドアクチュエータ154が第1の減速速度が可能であり、かつリコートヘッドアクチュエータ144が第2の減速速度が可能である場合、第1の減速速度および第2の減速速度のうち小さい方を使用して、最小分離距離の速度に基づく成分を計算することができる。次に、速度ベースの成分を衝突距離に追加して、最小分離距離を決定することができる。このようなアプローチは、最小限の計算を必要とする一方で、プリントヘッド150とリコートヘッド140との間の衝突を有益に回避する。
【0249】
実施形態では、ビルドサイクル全体を通して複数の最小分離距離が使用される。例えば、実施形態において、制御システム200はプリントヘッド150およびリコートヘッド140が進行している速度(例えば、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144のリニアエンコーダの位置測定を介して決定される)に基づいて、ビルドサイクル中のリアルタイム最小分離距離を計算する。このようなアプローチは、制御システム200が(例えば、予想外に高い速度および加速度に関連する)プリントヘッド150およびリコートヘッド140の動きの欠陥を検出することを有益に可能にする。加えて、プリントヘッド150およびリコートヘッド140の実際の速度を考慮に入れることによって、リアルタイム最小分離距離は本明細書に記載される最大速度ベースのアプローチよりも小さな最小分離距離を提供し、より効率的なビルドサイクルをもたらし得る。
【0250】
ステップ704では、制御システム200が最小分離距離に基づいて、ビルドサイクル中のプリントヘッド150およびリコートヘッド140のサイクルタイミングおよび動作プロファイルを決定する。実施形態では、ステップ702で決定された最小分離距離に加えて、制御システム200はプリントヘッド150およびリコートヘッド140の動作プロファイルおよびサイクルタイミングを予め計算するために、以下のパラメータの任意の組み合わせに依存する:リコートホーム位置148、供給プラットフォーム130の端部におけるリコートヘッド140の位置、ビルドプラットフォーム120の端部におけるリコートヘッド140の位置、供給プラットフォーム130上におけるリコートヘッド140の速度、ビルドプラットフォーム120上におけるリコートヘッド140の速度、リコートヘッド140の加速度、プリントホーム位置158、ビルドプラットフォーム120上を通過した後のプリントヘッド150の位置、ビルドプラットフォーム120上におけるプリントヘッド150の速度、およびプリントヘッド150の加速度。例えば、制御システム200はプリントヘッド150および/又はリコートヘッド140が種々の位置にあるビルドサイクル中に、プリントヘッド150およびリコートヘッド140がビルドサイクルの種々の部分の間に進行する速度に基づいて最小分離距離を維持するタイミングを決定することができる。言い換えれば、衝突回避を確実にするために、プリントヘッド150が最小分離距離よりもリコートヘッド140に決して近くならないように、プリントヘッド150およびリコートヘッド140のそれぞれの動作プロファイルが計算される。
【0251】
次に、
図7Fを参照すると、衝突回避方法706のフロー図が描かれる。実施形態において、制御システム200はビルドサイクル中に衝突回避方法706を実行して、プリントヘッド150およびリコートヘッド140が動作軸116に沿って移動するときに、プリントヘッド150がリコートヘッド140に衝突しないようにすることができる。衝突
回避方法706はアクチュエータアセンブリ102の種々の構成要素を介して実行されるものとして説明されるが、他の任意のアクチュエータアセンブリは本開示と一致する衝突回避方法700と同様の方法を使用してもよいことを理解されたい。
【0252】
ステップ708において、プリントヘッド150はプリント動作軸156上でホーミングされ、リコートヘッド140はリコート動作軸146上でホーミングされる。例えば、付加製造装置100の電源が投入され、ビルドジョブが開始された後、制御システム200は、プリントヘッドアクチュエータ154とリコートヘッドアクチュエータ144にホーミング制御信号を供給して、プリントヘッド150をプリントホーム158まで移動させ、リコートヘッド140をリコートホーム148まで移動させることができる。実施形態において、いったんプリントヘッド150およびリコートヘッド140がホーミングされると、制御システム200はプリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144のリニアエンコーダによって行われる位置測定値を正規化して、プリントヘッド150およびリコートヘッド140のための動作プロファイル(例えば、本明細書に記載される方法700の間に制御システム200を介して決定される動作プロファイル)を設定する。エンコーダ測定値が正規化された後、制御システム200はビルドサイクルを開始することができる。
【0253】
ステップ710において、プリントサイクル中(例えば、プリントヘッド150およびリコートヘッド140の移動中)、制御システム200は、プリントヘッド150およびリコートヘッド140の位置を連続的に監視する。例えば、実施形態において、制御システム200は、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144のリニアエンコーダを介して、プリントヘッド150およびリコートヘッド140の位置を監視する。実施形態において、アクチュエータアセンブリ102は制御システム200がプリントヘッド150およびリコートヘッド140の位置を監視する追加の位置検出器(例えば、近接センサ)を含んでもよい。ステップ712の間に、プリントヘッド150およびリコートヘッド140のリアルタイム位置決めを使用して、制御システム200は、プリントヘッド150およびリコートヘッド140が互いに向かって移動して衝突の危険性を生じているかどうかを判定する。プリントヘッド150とリコートヘッド140とが互いに向かって進んでいる場合、ステップ714において、制御システム200はプリントヘッド150とリコートヘッド140とが最小分離距離(例えば、本明細書に記載される方法700の性能を介して計算される最小分離距離)よりも近いかどうかを判断する。プリントヘッド150およびリコートヘッド140が最小分離距離よりも近い場合、ステップ716において、制御システム200は衝突防止障害を設定し、ビルドサイクルを中止する。例えば、プリントヘッド150およびリコートヘッド140が最小分離距離よりも近い場合、制御システム200は、アボート信号をプリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144に与えて、プリントヘッド150およびリコートヘッド160をそれぞれプリントホームポジション158およびリコートホームポジション148に戻させることができる。
【0254】
実施形態では、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144のリニアエンコーダを介してビルドサイクル中にプリントヘッド150およびリコートヘッド140の位置を連続的にモニタリングすることに加えて、プリントヘッド150およびリコートヘッド140の相対位置も、動作軸近接センサ(図示せず)を介してモニタリングすることができる。例えば、種々の実施形態は、プリントヘッド150およびリコートヘッド140のうちの少なくとも1つに結合された容量性近接センサ、光電センサ、誘導性近接センサ等を組み込むことができる。実施形態において、動作軸近接センサは(例えば、プリントヘッドアクチュエータ154およびリコートヘッドアクチュエータ144のリニアエンコーダを介して決定されるリアルタイム位置に加えて)最終衝突防止チェックとして使用される。例えば、動作軸近接センサが、プリントヘッド150と
リコートヘッドとが最小分離距離よりも小さく離れていることを示す信号を制御システム200に提供する場合、制御システム200は衝突防止故障を設定することができる。したがって、動作軸近接センサは、衝突を回避するための最終的なシステムチェックとしての役割を果たすことができる。
【0255】
上記に基づいて、本明細書に記載される付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリは付加製造装置の総合ビルドサイクル時間を低減し、それによって付加製造装置の製造スループットを改善するように実施されてもよいことを理解されたい。特に、アクチュエータアセンブリは個々のアクチュエータ、例えばプリントヘッドアクチュエータおよびリコートヘッドアクチュエータを含み、これらは積み重ね構成で配置される。これにより、各アクチュエータに動作可能に関連するプリントヘッドおよびリコートヘッドが同一または異なる速度で、同時に付加製造装置の動作軸に沿って移動することが可能になり、これにより、プリントヘッドおよびリコートヘッドの各々に関連する個々のサイクル時間がプリント品質を維持しながら重複することが可能になり、それにより付加製造装置の全体的なビルドサイクル時間が個々のサイクル時間の合計よりも小さくなる。
【0256】
図2および7A~7Dはビルド材料400をビルド容器124のビルドプラットフォーム120に供給するために、アクチュエータアセンブリ102のリコートヘッド140と併せて使用される供給容器134を備える付加製造装置100を示すが、他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。
【0257】
例として
図8を参照すると、付加製造装置101の代替実施形態が概略的に示されている。この実施形態では、付加製造装置101が
図2に関して本明細書で説明するように、クリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、およびアクチュエータアセンブリ102を備える。しかし、この実施形態では、装置101が供給容器を含まない。代わりに、装置101はビルド材料ホッパ360を備え、このホッパはビルド材料400をビルド容器124のビルドプラットフォーム120に供給するために使用される。この実施形態では、ビルド材料ホッパ360がリコートヘッド140とともに装置101の動作軸116を横断するように、リコートヘッドアクチュエータ144に結合される。
図8に描かれた実施形態では、ビルド材料ホッパ360が例えばブラケット361と共に支持ブラケット176に結合される。しかしながら、ビルド材料ホッパ360は、中間ブラケットなしで支持ブラケット176に直接連結されてもよいことが理解されるべきである。あるいは、ビルド材料ホッパ360が直接または中間ブラケットのいずれかでリコートヘッド140に結合されてもよい。
図8はビルド材料ホッパ360をリコートヘッド140の外部にあるものとして概略的に示しているが、リコートヘッドがリコートヘッド140の内部にある実施形態など、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0258】
ビルド材料ホッパ360はビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム120上を横断するときにビルド材料400をビルドプラットフォーム120上に解放するために、電気的に作動するバルブ(図示せず)を含んでもよい。実施形態では、バルブがビルドプラットフォーム120に対するビルド材料ホッパ360の位置に基づいてバルブを開閉するためのコンピュータ可読かつ実行可能な命令を実行する制御システム200(
図6)に通信可能に結合されてもよい。ビルドプラットフォーム120上に解放されたビルド材料400は次に、リコートヘッド140がビルドプラットフォーム120上を横切るときに、リコートヘッド140と共にビルドプラットフォーム120上に分配される。
【0259】
図8に示される付加製造装置101の実施形態は、
図2および7A~7Dに関して本明細書に記載されるのと同様の方法で、ビルドプラットフォーム120上にオブジェクトをビルドするために利用されてもよい。しかしながら、付加製造装置101のこの実施形態
では、ビルド材料400が供給プラットフォームの作動による代わりに、本明細書に記載されるように、ビルド材料ホッパ360を用いてビルドプラットフォーム120に送達される。
【0260】
付加製造装置105の別の代替実施形態を
図9に概略的に示す。この実施形態では、付加製造装置105が
図2に関して本明細書で説明するように、クリーニングステーション110、ビルドプラットフォーム120、およびアクチュエータアセンブリ102を備える。しかし、この実施形態では、装置105が供給容器を含まない。代わりに、装置105はビルド材料ホッパ360を備え、このホッパはビルド材料400をビルド容器124のビルドプラットフォーム120に供給するために使用される。この実施形態では、ビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム120上にビルド材料400を解放できるように、ビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム120上に固定される。例えば、ビルド材料ホッパ360は、直接、またはブラケット(図示せず)でアクチュエータアセンブリ102のレール180に結合されてもよい。しかしながら、ビルド材料ホッパ360はビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム120にビルド材料400を送達するように方向付けられ配列されている限り、別の構造部材または支持体に固定的に結合されてもよいことを理解されたい。
【0261】
この実施形態では、ビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム120上にビルド材料400を解放するために、電気的に作動するバルブ(図示せず)を含んでもよい。実施形態では、バルブがコンピュータ可読で実行可能な命令を実行して、所望の時間にバルブを開閉する制御システム200(
図6)に通信可能に連結されてもよい。実施形態において、ビルド材料ホッパ360のバルブの開閉は、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の作動および/またはリコートヘッドアクチュエータ144の作動と同期されてもよい。ビルドプラットフォーム120上に放出されたビルド材料400はリコートヘッド140がビルドプラットフォーム120上を横切るときに、リコートヘッド140と共にビルドプラットフォーム120上に分配される。
【0262】
図9はビルド材料ホッパ360を固定位置にあるものとして示しているが、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、ビルド材料ホッパ360は+/-X、+/-Y、および/または+/-Z方向のうちの1つ以上でビルド材料ホッパを移動させるのを容易にするために、アクチュエータに結合されてもよい。実施形態において、アクチュエータは例えば、
図4Aに示されるプロセス付属アクチュエータであってもよい。これにより、ビルド材料ホッパ360が独立した速度制御を有することが可能になる(例えば、リコートヘッドおよび/又はプリントヘッドとは別に)。ビルド材料ホッパ360がアクチュエータに結合されている実施形態では、ビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム上に配置されていないホームポジションをビルド材料が有する可能性がある。これらの実施形態では、ビルド材料ホッパ360がビルドプラットフォーム上にビルド材料を分配しやすくするために、ビルドプラットフォーム上で作動させてもよい。
【0263】
図8に示される付加製造装置105の実施形態は、
図2および7A~7Dに関して本明細書に記載されるのと同様の方法で、ビルドプラットフォーム120上にオブジェクトをビルドするために利用されてもよい。しかしながら、付加製造装置105のこの実施形態では、ビルド材料400が供給プラットフォームの作動による代わりに、本明細書に記載されるように、ビルド材料ホッパ360を用いてビルドプラットフォーム120に送達される。
【0264】
図2および
図7A~
図7Dは
図2~
図4Bに示されるようなアクチュエータアセンブリを含む付加製造装置100を描写するが、アクチュエータアセンブリの他の構成も考えられ、可能であることを理解すべきである。
【0265】
例として
図10A~10Cを参照すると、
図10Aはアクチュエータアセンブリ402の代替実施形態を概略的に描写し、
図10Bは線10Aに沿った
図10Aのアクチュエータアセンブリ402の断面を描写し、
図10Cは、線10Bに沿ったアクチュエータアセンブリ402の断面を描写する。アクチュエータアセンブリ402は一般に、
図3に描かれたアクチュエータアセンブリ102に関して上述されたように、リコートヘッド140およびプリントヘッド150を備える。リコートヘッド140およびプリントヘッド150は、
図2~
図3および
図5A~
図5Cに関して本明細書で説明されるものとすることができる。また、アクチュエータアセンブリ402は、リコートヘッドアクチュエータ406およびプリントヘッドアクチュエータ408を備える。アクチュエータアセンブリ402は例えば、
図2、8、および9に示される付加製造装置100、101などの付加製造装置の動作軸116(
図2)に平行な水平方向(すなわち、図に示される座標軸の+/-X方向に平行な方向)に延在する支持体404をさらに備える。一実施形態では、支持体404が水平方向に延びるレール180の側面である。例えば、一実施形態では、レール180が垂直断面(すなわち、図に示される座標軸のY-Z平面における断面)が長方形または正方形であってもよく、長方形または正方形の側面が支持体404を形成する。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。例えば、これに限定されないが、レール180は八角形などの他の断面形状を有してもよく、支持体404はレール180のファセットの一方の表面である。実施形態において、支持体404は垂直平面(例えば、図に描かれた座標軸のX-Z平面に平行な平面)に位置決めされる。しかしながら、他の実施形態では、支持体404が垂直平面以外の平面内に配置されることを理解されたい。
【0266】
本明細書に記載される実施形態では、リコートヘッドアクチュエータ406およびプリントヘッドアクチュエータ408が支持体404に結合される。リコートヘッドアクチュエータ144はリコート動作軸146に沿って双方向作動可能であり、プリントヘッドアクチュエータ154は、プリント動作軸156に沿って双方向作動可能である。すなわち、リコート動作軸146およびプリント動作軸156は、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がそれぞれ作動可能である軸を規定する。実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は、互いに独立して双方向作動可能である。リコート動作軸146およびプリント動作軸156は水平方向に延在し、装置100の動作軸116(
図2)と平行である。本明細書に記載される実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が同一直線上にある。この構成ではリコート動作軸146およびプリント動作軸156が同じ線に沿って位置するので、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は装置100の動作軸116に沿って異なる時間に同じ空間(または同じ空間の一部)を占有することができる。
図10A~10Cに描かれたアクチュエータアセンブリ402の実施形態では、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が同じ垂直面内に位置している。支持体404が垂直面内に位置決めされる実施形態では
図10A~10Cに描かれているように、リコート動作軸146およびプリント動作軸156は支持体404の垂直面に平行な垂直面に位置している。しかしながら、リコート動作軸146およびプリント動作軸156が支持体404の平面と平行でない垂直平面内に配置される実施形態のような、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0267】
本明細書に記載される実施形態ではリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が例えば、これに限定されないが、機械的アクチュエータ、電気機械的アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、または直線動作を提供するのに適した任意の他のアクチュエータであってもよい。適切なアクチュエータはこれに限定されないが、ウォーム駆動アクチュエータ、ボールねじアクチュエータ、空気圧ピストン、油圧ピストン、電気機械式リニアアクチュエータなどを含んでもよい。実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154は、ペンシルベニア州ピッツバーグ所在のAerotech(商標) Inc.製のPRO225LM Mechanical Bearing、Linear Motor Stageに類似したリニアアクチュエータである。あるいは、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がヤマハMF75Dリニアモータ単軸ロボットなどのリニアアクチュエータであってもよい。
【0268】
例えば、アクチュエータアセンブリ402は、レール180の支持体404に取り付けられたガイド410を備えてもよい。リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154はリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154がガイド410の長さを独立に横断できるように、レール180に移動可能に結合されてもよい。実施形態において、リコーヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を横切る原動力は、例えばブラシレスサーボモータのような直接駆動リニアモータによって供給される。
【0269】
実施形態において、リコートヘッドアクチュエータ144、プリントヘッドアクチュエータ154、およびガイド410は例えば、ガイド410、リコートヘッドアクチュエータ144、およびプリントヘッドアクチュエータ154が例えば、PRO225LM機械軸受、リニアモータステージまたはヤマハMF75Dリニアモータ単軸ロボットに類似している場合など、レール180に固着される粘着性サブシステムであってもよい。しかしながら、リコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154が、それぞれリコートヘッドアクチュエータ144およびプリントヘッドアクチュエータ154を形成するためにレール180上に個々に組み立てられる複数の構成要素を含む実施形態のような、他の実施形態も考えられ且つ可能であることが理解されるべきである。
【0270】
さらに
図10A~10Cを参照すると、リコートヘッド140はリコートヘッド140が付加製造装置100の動作軸116(
図2)に近接して位置するように、リコートヘッドアクチュエータ144に結合される。従って、リコート動作軸146に沿ったリコートヘッドアクチュエータ144の双方向作動は、付加製造装置100の動作軸116上のリコートヘッド140の双方向動作に影響を及ぼす。
図10A~
図10Cに描かれたアクチュエータアセンブリ402の実施形態では、リコートヘッド140が支持体404から片持ち支持され、付加製造装置100の動作軸116(
図2)上に位置決めされるように、ストラット412でリコートヘッドアクチュエータ144に結合される。支持体404からリコートヘッド140を片持ち支持することによって、リコートヘッドアクチュエータ144およびガイド410を、例えば、付加製造装置100のビルドプラットフォーム120から離間させることができ、それによって、リコートヘッドアクチュエータ144、ガイド410、および関連する電気部品がビルド材料400で汚れたり、さもなければ汚染されたりする可能性が低減される。これは、リコートヘッドアクチュエータのためのメンテナンス間隔を増加させ、リコートヘッドアクチュエータの耐用年数を増加させ、機械のダウンタイムを減少させ、リコートヘッドアクチュエータ144の汚れによるビルドエラーを減少させる。加えて、装置100のビルドプラットフォーム120から離れたリコートヘッドアクチュエータ144の間隔はビルドプラットフォーム120および供給プラットフォーム130への改善された視覚的および物理的アクセスを可能にし、メンテナンスの容易さを改善し、付加製造プロセスの(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良好な目視観察を可能にする。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、リコートヘッド140がリコート動作軸146および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、および/または+/-Y軸に沿って固定されてもよい)。リコートヘッド140が支持体404から片持ち支持される実施形態では、
図10Cに描かれているように、リコートヘッド140の少なくとも一部を垂直方
向に垂直に支持するスライド式リンケージ472を備えたオーバーヘッド支持レール470に、リコートヘッド140を任意に連結することができる。スライド式リンケージ472は、オーバーヘッド支持レール470に沿って、図に描かれた座標軸の+/-X方向にスライド可能に変位させて、同じ方向のリコートヘッド140の動作に対応させることができる。
【0271】
実施形態において、リコートヘッド140は、リコートヘッドアクチュエータ144に回動自在に連結されてもよい。例えば、これに限定されないが、
図10A~10Cに描かれたアクチュエータアセンブリ402の実施形態では支柱412がリコートヘッド140に結合され、旋回点414でリコートヘッドアクチュエータ406に旋回可能に結合される。これにより、装置100の動作軸116(
図2)から離れるようにリコートヘッド140をリコートヘッドアクチュエータ406に対して旋回させることができ、例えば、リコートヘッド140の下方に位置する装置の構成要素(例えば、ビルド容器、供給容器等)の保守または取り外しを容易にする。実施形態において、旋回点414はモータ等のようなアクチュエータを含み、リコートヘッド140の自動旋回を容易にすることができる。実施形態において、別個のアクチュエータ(図示せず)を、リコートヘッド140とリコートヘッドアクチュエータ144との間に設けて、リコートヘッド140の自動旋回を容易にすることができる。
図10Cは支柱412とリコートヘッドアクチュエータ406との間に位置する旋回点414を示すが、旋回点414が支柱412とリコートヘッド140との間に位置する実施形態など、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0272】
さらに
図10A~10Cを参照すると、プリントヘッド150はプリントヘッド150が付加製造装置100の動作軸116(
図2)に近接して位置するように、プリントヘッドアクチュエータ154に結合されている。したがって、プリント動作軸156に沿ったプリントヘッドアクチュエータ154の双方向作動は、付加製造装置100の動作軸116上のプリントヘッド150の双方向動作に影響を及ぼす。
図10A~
図10Cに描かれたアクチュエータアセンブリ402の実施形態では、プリントヘッド150が支持体404から片持ち支持され、付加製造装置100の動作軸116(
図2)上に位置決めされるように、支柱416を備えたプリントヘッドアクチュエータ154に結合される。支持体404からプリントヘッド150を片持ち支持することによって、例えば、付加製造装置100のビルドプラットフォーム120からプリントヘッドアクチュエータ154およびガイド410を離間させることができ、それによって、プリントヘッドアクチュエータ154、ガイド410、および関連する電気部品がビルド材料400で汚れたり、さもなければ汚染されたりする可能性が低減される。これは、プリントヘッドアクチュエータのためのメンテナンス間隔を増加させ、プリントヘッドアクチュエータの耐用年数を増加させ、機械のダウンタイムを減少させ、プリントヘッドアクチュエータ154の汚れによるビルドエラーを減少させる。さらに、装置100のビルドプラットフォーム120からプリントヘッドアクチュエータ154を離間させることにより、ビルドプラットフォーム120および供給プラットフォーム130への改善された視覚的および物理的アクセスが可能になり、メンテナンスの容易性が向上し、付加製造プロセスの(人間の観察、カメラシステムなどからの)より良い目視観察が可能になる。本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、プリントヘッド150がリコート動作軸146および動作軸116に直交する方向に固定されてもよい(すなわち、+/-Z軸に沿って固定され、および/または+/-Y軸に沿って固定されてもよい)。プリントヘッド150が支持体404から片持ち支持されている実施形態では、プリントヘッド150が
図10Bに描かれているように、プリントヘッド150の少なくとも一部を垂直方向に垂直に支持するスライド式リンケージ474を備えたオーバーヘッド支持レール470に随意的に結合されてもよい。スライド式リンケージ474は、オーバーヘッド支持レール470に沿って、図面に描かれた座標軸の+/-X方向にスライド可能に変位させて、プリントヘッド150の同一方向の動作
に対応させることができる。
【0273】
実施形態において、プリントヘッド150は、プリントヘッドアクチュエータ154に回動自在に連結されてもよい。例えば、これに限定されないが、
図10A~10Cに描かれたアクチュエータアセンブリ402の実施形態では支柱416がプリントヘッド150に結合され、旋回点418でプリントヘッドアクチュエータ408に回動自在に結合される。これにより、プリントヘッド150を装置100の動作軸116(
図2)から離れるようにプリントヘッドアクチュエータ408に対して枢動させることができ、例えば、プリントヘッド150の下方に配置された装置の構成要素(例えば、ビルド容器、供給容器等)の保守又は取り外しを容易にすることができる。実施形態では、旋回点418がプリントヘッド150の自動旋回動作を容易にするために、モータなどのアクチュエータを含むことができる。実施形態において、プリントヘッド150の自動旋回を容易にするために、別個のアクチュエータ(図示せず)をプリントヘッド150とプリントヘッドアクチュエータ154との間に設けてもよい。
図10Bは支柱416とプリントヘッドアクチュエータ408との間に配置された旋回点418を示すが、旋回点418が支柱416とプリントヘッド150との間に配置された実施形態など、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0274】
上述したように、本明細書に記載の実施形態では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150は共に、装置100の動作軸116上に配置される。そのように、動作軸116上のリコートヘッド140およびプリントヘッド150の動きは、同じ軸に沿って生じ、従って、同一直線上にある。この構成では、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が単一のビルドサイクル中の異なる時間に、装置100の動作軸116に沿って同じ空間(または同じ空間の一部)を占有することができる。リコートヘッド140およびプリントヘッド150は装置100の動作軸116に沿って、調整された様式で、同じ方向および/または反対方向に、同じ速度または異なる速度で同時に移動されてもよい。これにより、分配ステップ(本明細書ではリコーティングステップとも呼ばれる)、堆積ステップ(本明細書ではプリントステップとも呼ばれる)、硬化(または加熱)ステップ、および/またはクリーニングステップなどの付加製造プロセスの個々のステップを、重複するサイクル時間で実行することが可能になる。例えば、分配ステップはクリーニングステップが完了している間に開始されてもよく、堆積ステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよく、および/またはクリーニングステップは分配ステップが完了している間に開始されてもよい。これは、付加製造装置100の全体的なサイクル時間を、分配サイクル時間(本明細書ではリコートサイクル時間とも呼ばれる)、堆積サイクル時間(本明細書ではプリントサイクル時間とも呼ばれる)、および/またはクリーニングサイクル時間の合計よりも短くすることができる。
【0275】
図10A~
図10Cは単一の支持体404に結合されたリコートヘッド140、プリントヘッド150、および関連するアクチュエータ406、408を概略的に示すが、他の実施形態も企図され、可能であることを理解されたい。例えば、リコートヘッド140および関連するリコートヘッドアクチュエータ406は第1の支持体に結合することができ、一方、プリントヘッド150およびプリントヘッドアクチュエータ408は、第1の支持体に平行に配向された第2の別個の支持体に結合することができる。
【0276】
図10A~
図10Cに示されるアクチュエータアセンブリ402の実施形態は例えば、アクチュエータアセンブリ102の代替として、
図2、
図8、および
図9に示される付加製造装置100、101の実施形態において実施されてもよい。そのように、
図10A~10Cに描かれるアクチュエータアセンブリ402の実施形態は、
図2および7A~7Dに関して本明細書に記載されるのと同様の方法で、ビルドプラットフォーム120上にオブジェクトをビルドするために利用されてもよいことを理解されたい。
【0277】
アクチュエータアセンブリを有する付加製造装置の様々な構成を、特に
図11~
図15を参照して以下に説明する。
【0278】
次に
図11を参照すると、
図2の付加製造装置100の上面図が概略的に示されている。
図11に示すように、付加製造装置は、クリーニングステーション110、ビルド容器124、供給容器134、およびアクチュエータアセンブリ102を含む。アクチュエータアセンブリ102は、他の要素の中でもとりわけ、ビルド材料を分配するためのリコートヘッド140と、バインダ材料を堆積させるためのプリントヘッド150とを備える。クリーニングステーション110、ビルド容器124、および供給容器134はクリーニングステーション110と供給容器134との間に配置されたビルド容器124と共に、装置100の動作軸116に沿って配置される。アクチュエータアセンブリ102は、装置100の動作軸116に沿ったリコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した制御を容易にするように構成される。例えば、アクチュエータアセンブリ102はクリーニングステーション110と同じ場所に配置されたプリントホームポジション158からビルド容器124の上を通り、再び戻るように、動作軸116に沿ってプリントヘッド150を横断するのを容易にする。また、アクチュエータアセンブリはリコートヘッド140を動作軸116に沿って、リコートホームポジション148から、供給容器134を越えて、ビルド容器124を越えて再び戻るまで横断することを容易にする。本明細書で言及されるように、アクチュエータアセンブリは、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が装置100の動作軸116を同じ方向および/または反対方向に独立して横断することを可能にし、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が装置100の動作軸を異なる速度および/または同じ速度で横断することを可能にする。次に、リコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した作動および制御は付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全体のサイクル時間を、各個々のステップのサイクル時間の合計未満に低減する。
【0279】
次に
図12を参照すると、
図8の付加製造装置101の上面図が概略的に示されている。
図12に示すように、付加製造装置は、クリーニングステーション110、ビルド容器124、およびアクチュエータアセンブリ102を備える。アクチュエータアセンブリ102は、他の要素の中でも、ビルド材料を送達するためのビルド材料ホッパ360と、ビルド材料を分配するためのリコートヘッド140と、バインダ材料を堆積するためのプリントヘッド150とを備える。クリーニングステーション110およびビルド容器124は、プリントヘッド150のプリントホームポジション158とリコートヘッド140のリコートホームポジション148との間で、装置100の動作軸116に沿って配置されている。アクチュエータアセンブリ102は、装置101の動作軸116に沿ったリコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した制御を容易にするように構成される。例えば、アクチュエータアセンブリ102はクリーニングステーション110と同じ場所に配置されたプリントホームポジション158からビルド容器124の上を通り、再び戻るように、動作軸116に沿ってプリントヘッド150を横断するのを容易にする。また、アクチュエータアセンブリはリコートヘッド140およびビルド材料ホッパ360を、リコートホームポジション148からビルド容器124の上を通り、再び戻るように、動作軸116に沿って横断することを容易にする。アクチュエータアセンブリ102は、プリントヘッド150およびリコートヘッド140(取り付けられたビルド材料ホッパ360を有する)が装置101の動作軸116を同じ方向および/又は反対方向に独立して横断することを可能にし、プリントヘッド150およびリコートヘッド140(取り付けられたビルド材料ホッパ360を有する)が異なる速度および/又は同じ速度で装置101の動作軸116を横断することを可能にする。(取り付けられたビルド材料ホッパ360を有する)リコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した作動および
制御は次に、付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全体的なサイクル時間を、各個々のステップについてのサイクル時間の合計未満に低減する。
【0280】
次に、
図13を参照すると、
図10A~10Cのアクチュエータアセンブリ402を備える付加製造装置502のトップダウン図が概略的に描かれている。
図13に示すように、付加製造装置502は、クリーニングステーション110と、ビルド容器124と、供給容器134と、アクチュエータアセンブリ402とを備えている。アクチュエータアセンブリ402は、他の要素の中でもとりわけ、ビルド材料を分配するためのリコートヘッド140と、バインダ材料を堆積させるためのプリントヘッド150とを備える。クリーニングステーション110、ビルド容器124、および供給容器134はクリーニングステーション110と供給容器134との間に配置されたビルド容器124と共に、装置100の動作軸116に沿って配置される。アクチュエータアセンブリ402は
図10A~10Cに関して上述したように、アクチュエータアセンブリ402の電気部品の汚れを低減するビルド容器124から横方向に離間している。さらに、アクチュエータアセンブリ402は、装置502の動作軸116に沿ったリコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した制御を容易にするように構成される。例えば、アクチュエータアセンブリ402はクリーニングステーション110と同じ場所に配置されたプリントホームポジション158からビルド容器24の上を通って再び戻るように、動作軸116に沿ってプリントヘッド150を横断するのを容易にする。また、アクチュエータアセンブリ402はリコートヘッド140を動作軸116に沿って、リコートホームポジション148から、供給容器134を越えて、ビルド容器124を越えて、再び戻るまで横断することを容易にする。本明細書で言及されるように、アクチュエータアセンブリ402は、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が装置502の動作軸116を同じ方向および/または反対方向に独立して横断することを可能にし、リコートヘッド140およびプリントヘッド150が装置502の動作軸を異なる速度および/または同じ速度で横断することを可能にする。次に、リコートヘッド140およびプリントヘッド150の独立した作動および制御は付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全体のサイクル時間を、各個々のステップのサイクル時間の合計未満に低減する。
【0281】
図14は、付加製造装置503の別の実施形態を概略的に示す。この実施形態では、付加製造装置503がクリーニングステーション110、ビルド容器124、供給容器134、および
図13に関して本明細書に記載されるように配置されたアクチュエータアセンブリ402Aを備える。アクチュエータアセンブリ402Aは
図10A~
図10Cおよび
図13に関して本明細書で説明するように、リコートヘッド140およびプリントヘッド150をさらに備える。しかしながら、この実施形態では、付加製造装置503が第2のクリーニングステーション110A、第2のビルド容器124A、および第2の供給容器134Aをさらに備える。第2のクリーニングステーション110A、第2のビルド容器124A、および第2の供給容器134Aはクリーニングステーション110、ビルド容器124、および供給容器134から、アクチュエータアセンブリ402Aの反対側に配置され、クリーニングステーション110、ビルド容器124、および供給容器134の配置を反映している。この実施形態では、アクチュエータアセンブリ402Aがリコートヘッド140およびプリントヘッド150からアクチュエータアセンブリ402Aのレール180の反対側に配置された第2のリコートヘッド140Aおよび第2のプリントヘッド150Aをさらに備える。第2のリコートヘッド140Aおよび第2のプリントヘッド150Aはレール180の反対側にあるにもかかわらず、リコートヘッド140およびプリントヘッド150と同じように(すなわち、
図10A~
図10Cおよび
図13に関して本明細書で説明するように)配置され、構成される。この実施形態では、アクチュエータアセンブリ402Aが装置503の動作軸116に沿ったリコートヘッド140およびプ
リントヘッド150の独立した制御を容易にし、装置503の第2の動作軸116Aに沿った第2のリコートヘッド140Aおよび第2のプリントヘッド150Aの独立した制御を容易にするように構成される。また、アクチュエータアセンブリ402Aは、第2のリコートヘッド140Aおよび第2のプリントヘッド150Aから独立したリコートヘッド140およびプリントヘッド150の制御を容易にするように構成される。この実施形態は、単一のアクチュエータアセンブリ402Aを使用して、ビルド容器124および第2のビルド容器124A内にオブジェクトを独立して個別にビルドすることを可能にする。
【0282】
ここで
図15を参照すると、付加製造装置504の別の実施形態の上面図が概略的に示されている。
図15に示すように、付加製造装置504は、クリーニングステーション110と、ビルド容器124と、供給容器134と、アクチュエータアセンブリ102Aとを備えている。付加製造装置504は、第2のビルド容器124Aおよび第2の供給容器134Aをさらに備える。アクチュエータアセンブリ102Aは
図2および
図3に関して上述したアクチュエータアセンブリ102と同様であり、他の要素の中でも特に、ビルド材料を分配するためのリコートヘッド140と、バインダ材料を堆積させるためのプリントヘッド150とを備える。しかしながら、この実施形態では、アクチュエータアセンブリがプリントヘッド150がリコートヘッド140と第2のリコートヘッド140Aとの間に配置されるように、アクチュエータアセンブリ102Aのレール180に結合された第2のリコートヘッド140Aをさらに備える。この実施形態では、第2のリコートヘッド140Aがリコートヘッド140と同様に配置および構成されてもよい。
【0283】
この実施形態では、クリーニングステーション110、ビルド容器124、および供給容器134はクリーニングステーション110と供給容器134との間に配置されたビルド容器124とともに、装置504の動作軸116に沿って配置される。第2のビルド容器124Aおよび第2の供給容器134Aはクリーニングステーション110と第2の供給容器134Aとの間に配置された第2のビルド容器124Aと共に、装置504の動作軸116に沿って配置される。ビルド容器124および供給容器134は、第2のビルド容器124Aおよび第2の供給容器134Aに対向するクリーニングステーション110の側面に配置される。
【0284】
アクチュエータアセンブリ102Aは、装置504の動作軸116に沿って、リコートヘッド140、リコートヘッド140A、プリントヘッド150、および第2プリントヘッド150Aの独立した制御を容易にするように構成される。例えば、アクチュエータアセンブリ102Aはクリーニングステーション110と同じ場所に配置されたプリントホームポジション158からビルド容器124の上を通り、再び戻るように、動作軸116に沿ってプリントヘッド150を横断することを容易にする。また、アクチュエータアセンブリ102Aはリコートヘッド140を動作軸116に沿って、リコートホームポジション148から、供給容器134の上を通り、ビルド容器124の上を通り、再び戻ることを容易にする。また、アクチュエータアセンブリ102Aはクリーニングステーション110と同じ場所に配置されたプリントホームポジション158から、第2のビルド容器124Aの上を通り、再び戻るように、動作軸116に沿ってプリントヘッド150を横断することを容易にする。また、アクチュエータアセンブリ102Aは動作軸116に沿って第2のリコートヘッド140Aを、ホームポジション148Aの第2のリコートから、第2の供給容器134Aにわたって、第2のビルド容器124Aにわたって、再び戻って横断することを容易にする。
【0285】
本実施形態のアクチュエータアセンブリ102Aは、リコートヘッド140、第2のリコートヘッド140A、およびプリントヘッド150が装置504の動作軸116を同じ方向および/または反対方向に独立して横断することを可能にし、かつ、リコートヘッド140、第2のリコートヘッド140A、およびプリントヘッド150が装置504の動
作軸を異なる速度および/または同じ速度で横断することを可能にする。リコートヘッド140、第2のリコートヘッド140A、およびプリントヘッド150の独立した作動および制御は次に、付加製造プロセスの少なくともいくつかのステップが同時に実行されることを可能にし、それによって、付加製造プロセスの全体的なサイクル時間を、各個々のステップについてのサイクル時間の合計未満に低減する。
【0286】
さらに、第2のビルド容器124Aおよび第2の供給容器134Aと共に、アクチュエータアセンブリ上に第2のリコートヘッド140Aを含むことによって、プリントヘッド150の作業時間をさらに最大化することができ、それによって製造スループットを増加させることができる。具体的には、リコートヘッド140が供給容器134からビルド容器124にビルド材料を分配している間に、プリントヘッド150を利用して、第2のビルド容器124A内のビルド材料上にバインダ材料を堆積させることができる。同様に、第2のリコートヘッド140Aが第2の供給容器134Aから第2のビルド容器124Aにビルド材料を分配している間に、プリントヘッド150を利用してビルド容器124内のビルド材料上にバインダ材料を堆積させることができる。
【0287】
図2および7A~7Dはビルド容器124の一実施形態およびビルド容器124を使用する付加製造操作を示すが、ビルド容器の他の実施形態が企図され、可能であることを理解されたい。例えば、本明細書に記載される付加製造プロセスによってオブジェクトをビルドする時間は、バインダ材料の層を硬化させる一方で、その後のバインダ材料の層がビルド材料上に堆積されることによって、さらに短縮されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では
図2に示される付加製造装置100が堆積されたバインダ材料500の層を硬化させることを容易にするビルド容器124を備えることができ、一方、バインダ材料の後続の層はビルド容器124のビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400上に堆積される。
【0288】
ここで
図16を参照すると、付加製造装置100と共に使用するためのビルド容器124Aの代替実施形態が概略的に示されている。ビルド容器124Aは他の要素の中でも特に、ビルドチャンバ914を少なくとも部分的に囲む側壁912と、ビルドチャンバ914内に位置決めされたビルドプラットフォーム120と、ビルドチャンバ914の周囲に配置された複数の加熱要素920とを含むハウジング910を含む。ビルドプラットフォーム120は、付加製造装置100のリフトシステム800に結合するように構成される。ビルド容器124Aの加熱要素920は本明細書でさらに詳細に説明されるように、堆積されたバインダ材料の層を硬化させるために利用されてもよく、一方、バインダ材料の後続の層は、ビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料上に堆積される。
【0289】
さらに
図16を参照すると、ビルドプラットフォーム120の位置はビルドチャンバ914の底部970に近接する下方位置からビルドチャンバ914の底部970から上向き垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向)に、および複数の上方位置の1つから下方位置まで、垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+Z方向)にビルドチャンバ914内で摺動可能に調節可能である。
【0290】
本明細書に記載されるように、ハウジング910は、ビルドチャンバ914を少なくとも部分的に取り囲む側壁912を備える。本明細書で使用される「少なくとも部分的に取り囲む」という記載は、側壁912が少なくとも一方の側でビルドチャンバ914を境界付けることを意味する。例えば、側壁912は
図16に描かれる実施形態において、ビルドチャンバ914の少なくとも垂直側面(すなわち、図に描かれる座標軸の+/-Z方向に延在するビルドチャンバの側面)を境界付ける。この実施形態では、側壁912が例えば、ビルドチャンバ914を囲む水平断面(すなわち、図に描かれた座標軸のXY平面に平行な平面における断面)において正方形であってもよい。実施形態では、側壁912は
水平断面が長方形、円形、または卵形、あるいは任意の他の適切な断面形状であってもよい。
【0291】
ビルド容器124Aのハウジング910および側壁912は例えば、限定するものではないが、金属または金属合金から構成されてもよい。非限定的な例として、金属または金属合金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鋼、銅または銅合金、ニッケルまたはニッケル合金、青銅、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0292】
ここで
図16および
図18を参照すると、ビルド容器124Aは本明細書に記載されるように、複数の加熱要素920を含み得る。複数の加熱要素920はビルドチャンバ914内のビルドプラットフォーム120上に分配されたビルド材料400上に堆積されたバインダ材料500の硬化を促進するために、ビルドチャンバ914に熱を供給するのを助けることができる。従来のバインダジェット付加製造プロセスでは、ビルドされたオブジェクトが、バインダ材料が完全に硬化される前にビルドチャンバから取り出され、オーブンなどの別個のエンクロージャ内に配置されて、硬化を容易にするか、または完全にする。付加製造装置からオブジェクトを取り出し、それを別個の装置に再配置することは、生産プロセスにおいて追加のステップを構成し、ダウンタイムを増加させ、効率および生産性を低下させる。さらに、装置から未硬化のオブジェクトを除去することは、特にバインダ材料が未硬化であるか、または完全に硬化されていないことを考慮すると、取扱い中にオブジェクトに危害を及ぼす可能性がある。本明細書に記載される実施形態では、このような懸念に対処するために、複数の加熱要素920がビルド容器124Aに含まれ、その結果、ビルドされたオブジェクトに組み込まれたバインダ材料が付加製造プロセス中にビルド容器124A内で硬化され得る。
【0293】
実施形態では、複数の加熱要素920が
図18に示され、本明細書でさらに詳細に説明されるように、側壁912の外面913上に配置されてもよい。別の実施例として、複数の加熱要素920は
図16に描かれているように、側壁912内に配置されてもよい。さらに他の実施形態(図示せず)では、複数の発熱体920が側壁912の外面913上および側壁912内の両方に配置されてもよい。複数の加熱要素920はオブジェクトが層状にビルドされる際に、前述のように、バインダ材料の硬化を容易にするように配置されてもよい。実施形態では、複数の加熱要素920がビルドチャンバ914の底部970からビルドチャンバ914の頂部978まで温度勾配を生成するように独立して制御されてもよい。
【0294】
実施形態において、ビルドプラットフォーム120は、熱および/または補助加熱をビルドチャンバ914に供給するようにビルドされてもよい。例えば、実施形態では、ビルドプラットフォーム120がビルドプラットフォーム120の厚さのチャネル又はボアを含むことができ、加熱要素920は
図16に示すように、チャネル又はボア内に配置することができる。いくつかの実施形態(図示せず)では、複数の加熱要素920が任意選択で、ビルドプラットフォーム120の上面に配置され、かつ/または上面974に固定されてもよい。実施形態(図示せず)では、複数の加熱要素920が任意選択で、ビルドプラットフォーム120の底面976内に配置および/または固定されてもよい。加えて、または代替的に、ビルドプラットフォーム120はビルドプラットフォーム120の上面974および/またはビルドプラットフォーム120の底面976内のチャネル(図示せず)を含んでもよく、加熱要素はチャネル内に配置されてもよい。
【0295】
付加製造実施形態では、複数の加熱要素920が任意選択で、リフトシステム800の加熱プラテン810の上面814上に配置されてもよく、
図16に示すように加熱プラテン810の厚さ内に配置されてもよく、加熱プラテン810の上面814内に配置されてもよく、またはそれらの任意の組合せであってもよい。これらの実施形態では、ビルド容
器124がリフトシステム800のビルド加熱プラテン810上に配置される場合、加熱プラテン810に関連する加熱要素920からの熱はビルド容器124に伝導され、ビルドチャンバ914内に伝導されてもよい。
【0296】
本明細書に記載される実施形態では、加熱要素920が1つ以上のフォームファクタを有する可能性がある。例えば、限定するものではないが、複数の加熱素子920は抵抗ヒータ、カートリッジヒータ、加熱ケーブル、加熱テープ、またはこれらの様々な組み合わせであってもよい。
【0297】
さらに
図16および
図18を参照すると、実施形態において、複数の加熱要素920は、ビルドチャンバ914の周囲の加熱ゾーン926に配置されてもよい。各加熱ゾーン926は前述のように、1つ以上の加熱要素920を備えてもよい。加熱ゾーン926は、側壁912上に位置決めされた加熱要素920、ビルドプラットフォーム120上または中に位置決めされた加熱要素920、および/または加熱プラテン810上または中に位置決めされた加熱要素920を含んでもよい。実施形態において、各加熱ゾーン926は
図18に描かれているように、垂直方向において、隣接する加熱ゾーン926から離間して配置されてもよい。加熱ゾーン926を形成する加熱要素920は、(
図18に描かれているように)ビルド容器124Aのビルドチャンバ914の周囲に水平バンドで配置されてもよい。実施形態において、側壁912上または内に配置された加熱要素920は別個の加熱ゾーン926を形成することができ、ビルドプラットフォーム120上または内に配置された加熱要素920は別個の加熱ゾーン926を形成することができ、加熱プラテン810上または内に配置された加熱要素920は、さらに別個の加熱ゾーン926を形成することができる。代替的または追加的に、側壁912上または中に配置された加熱要素920は複数の別個の加熱ゾーン926を形成してもよく、ビルドプラットフォーム120上または中に配置された加熱要素920は別の別個の加熱ゾーン926を形成してもよく、加熱プラテン810上または中に配置された加熱要素920はさらに別の別個の加熱ゾーン926を形成してもよい。代替的に又は追加的に、実施形態では、ビルドプラットフォーム120上又はその中に配置された加熱要素920が複数の別個の加熱ゾーン926を形成することができる。
【0298】
実施形態において、ビルド容器124Aは、ビルドチャンバ914の周りに配置された複数の温度センサ922をさらに備えてもよい。実施形態において、温度センサ922は、側壁912の外面913上に配置されてもよい。あるいは、温度センサ922が側壁912内に配置されてもよい。ビルド容器124Aがビルドプラットフォーム120上または中に配置された加熱要素920を備える実施形態では、ビルド容器124Aがビルドプラットフォーム120上または中に温度センサ922をさらに備えることができる。ビルド容器124Aが加熱プラテン810上または中に配置された加熱要素920を備える実施形態では、ビルド容器124Aが加熱プラテン810上または中に温度センサ922をさらに備えてもよい。
【0299】
実施形態において、温度センサ922は、複数の発熱体920の個々のものに結合されてもよい。実施形態において、2つの温度センサ922は、複数の発熱体920の個々のものに結合されてもよい。そのような実施形態では、温度センサがビルドチャンバ914の直径(または幅)が温度センサ922の間に配置されるように配置されてもよい。
【0300】
非限定的な実施例として、複数の温度センサ922は、抵抗温度検出器を含んでもよい。実施形態において、温度センサ922は、複数の加熱素子920の熱出力を検出してもよく、ビルドチャンバ914の温度を検出してもよく、またはその両方を検出してもよい。
【0301】
ここで
図16および22を参照すると、いくつかの実施形態では、ビルド容器124Aがビルドプラットフォーム120と側壁912の内面915との間に配置されたシール930を備える。シール930は前述のように、ビルド材料および/またはバインダ材料がビルドプラットフォーム120と側壁912との間を通過するのを防止することができる。シール930はビルドプラットフォーム120が前述のように垂直方向にビルドチャンバ914内で作動され得るように、側壁912に対して摺動可能であってもよい。さらに、シール930はビルド容器124Aおよび/またはビルドプラットフォーム120が依然として密封されたままである間に、温度変動に伴って膨張および収縮することを可能にするように、圧縮可能および回復可能であり得る。
【0302】
実施形態では、シール930がコア部分932およびエンベロープ部分934を含むことができる。実施形態では、エンベロープ部分934がコア部分932を少なくとも部分的に包囲する。実施形態ではコア部分932がポリテトラフルオロエチレンを含むことができ、エンベロープ部分934は繊維材料を含むことができる。例えば、実施形態では、コア部分932が編組ポリテトラフルオロエチレンパッキングシールを含むことができる。しかしながら、限定するものではないが、Viton(登録商標)シールなどを含む他の材料をコア部分932に使用してもよいことを理解されたい。実施形態では、エンベロープ部分934の繊維材料がウールフェルトシールであってもよい。しかしながら、限定するものではないが、他の繊維材料等で構成されたフェルトシールを含む他の材料をエンベロープ部分934に使用することができることを理解されたい。
【0303】
実施形態では、ビルドプラットフォーム120がビルドプラットフォーム120の縁部に形成されたシールシート936を含むことができる。シール930はシール930がビルドプラットフォーム120と側壁912の内面915との間に配置されるように、シールシート936内に配置されてもよい。実施形態では、装置100がシールシート936の少なくとも一部を囲むシールフレーム938をさらに含む。実施形態において、シールフレーム938はシールフレーム938がビルドプラットフォーム120の上面の一部を形成するように、(
図16に描写されるように)ビルドプラットフォーム120の上面974で窪んでもよい。シールフレーム938およびビルドプラットフォーム120のこの構成は、ビルド容器124Aからビルドプラットフォーム120を取り外すことなく、シール930をサービスおよび/または交換することを可能にする。ビルドプラットフォーム120がシールフレーム938を備える実施形態では、シールフレーム938が金属または金属合金から構成されてもよい。非限定的な例として、金属または金属合金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鋼、銅または銅合金、ニッケルまたはニッケル合金、青銅、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0304】
別の実施例(図示せず)では、ビルドプラットフォーム120が上面974とビルドプラットフォーム120の底面976との間のビルドプラットフォーム120の周囲の溝を含んでもよい。この実施形態では、シール930がビルドプラットフォーム120とビルド容器124Aの側壁912の内面915との間に配置されるように、溝内に配置されてもよい。
【0305】
次に、
図16および23A~23Bを参照すると、ビルドプラットフォーム120の底面976は、ビルドプラットフォーム120をリフトシステム800の加熱プラテン810に結合するためのコネクタ990をさらに備えてもよい。コネクタは、干渉嵌合コネクタ、空圧コネクタ、電磁結合、平行溝型コネクタ、またはこれらの組合せから構成され得る。コネクタ990が空気圧コネクタである実施形態では、コネクタ990が
図23Aに示すように、オスコネクタ991およびメスコネクタ992のような嵌合コネクタを備えることができる。このような実施形態では、加圧空気がオスコネクタ991内のピン993を矢印996で示すように押し上げて、ボールベアリング994の内側部分998に接
触させてもよい。次いで、矢印997によって示されるように、ボールベアリング994が水平方向に延長され、一方、オスコネクタ991は矢印999によって示されるように、メスコネクタ992内に押し込まれる。次いで、ボールベアリング994は
図23Bに示されるように、メスコネクタ992内の戻り止め995の上方に載置される。実施形態において、ビルドプラットフォーム120の底面976はオスコネクタ991またはメスコネクタ992のいずれかを含んでもよく、リフトシステム800はオスコネクタ991およびメスコネクタ992が互いに対応する、対応コネクタを含んでもよい。
【0306】
再び
図16を参照すると、実施形態において、ビルド容器124Aのハウジング910は、側壁912の頂部972に近接する側壁912から延在するフランジ940を含んでもよい。フランジ940は、付加製造装置100内のビルド容器124Aを支持することができる。例えば、ビルド容器124Aは、フランジ940によって装置100内に垂れ下がってもよい。
【0307】
図17および
図24A~
図24Cを参照すると、実施形態において、ビルド容器124Aは、フランジ940上、側壁912上、またはその両方に位置する複数のリフト点942をさらに含んでもよい。リフト点942は、ビルド容器124Aの持ち上げおよび下げを容易にすることができる。実施形態において、ビルド容器124Aは
図24A~24Cに描かれているように、ビルド容器124Aを第2の位置Bに移動させるために、第1の位置Aから持ち上げることができる。非限定的な実施例として、ビルド容器124Aは、フォークリフト、リフティングボックス、パレットジャック、ウインチ、またはこれらの組み合わせによって持ち上げることができる。ビルド容器124Aがフォークリフトによって持ち上げられるとき、
図24A~24Bに描かれているように、フォークリフトのフォーク944を利用して、リフト点942とともにビルド容器124Aを持ち上げ、下げることができる。次いで、フォークリフトは
図24Cに示すように、ビルド容器124Aを位置Bに移送することができる。位置AおよびBは、非限定的な例として、装置100、硬化ステーション、又は脱粉末ステーション1150(
図28)を含むことができる。硬化ステーションは装置100とは別個のエンクロージャであってもよく、ビルド容器124Aはビルド容器124A内のオブジェクトを硬化温度で硬化させるために配置されてもよい。例えば、ビルド容器124Aは、加熱要素920、および任意選択で温度センサ922に結合された電気コネクタ(本明細書でさらに詳細に説明する)を備えることができる。加熱素子920および温度センサ922はビルド動作中に電気コネクタと共に、付加製造装置100の制御システム200(
図6)および電源に結合されてもよい。ビルド動作が完了した後、電気コネクタは、制御システム200および付加製造装置100の電源から切り離され、硬化ステーションに移動され、硬化ステーションの制御システムおよび/または電源に再結合され、硬化を完了する。脱粉末ステーション1150はビルド容器124Aから余分なビルド材料を除去するため、および/またはビルド容器124A内のオブジェクトを硬化するために、ビルド容器124Aを配置することができる、装置100とは別の場所であってもよい。ビルド動作が完了した後、電気コネクタは、付加製造装置100の制御システム200および電源から切り離され、脱粉末ステーションに移動され、脱粉末ステーションの制御システムおよび/または電源に再結合され、完全な硬化および脱粉末が行われる。
【0308】
実施形態において、複数のリフト点942の各リフト点は、フランジ940、側壁912、またはその両方から延びるハンドルを備えることができる。例えば、これに限定されないが、ハンドルはフランジ940に取り付けられた逆U字型部材、またはフランジ940に取り付けられた逆L字型部材であってもよい。あるいは、ハンドルが側壁912に取り付けられたC字型部材であってもよい。あるいは、複数のリフト点942の各リフト点が側壁912から延びるリフトフランジを備える。例えば、限定するものではないが、リフトフランジは側壁912から垂直に延在するロッドを備えることができる。あるいは、
リフトフランジが側壁912に取り付けられたL字型部材を備えてもよい。
【0309】
再び
図16および
図17を参照すると、ビルド容器124Aは、蓋950をさらに備えることができる。実施形態では、蓋950がビルドチャンバ914を少なくとも部分的に囲む。蓋950は、側壁912の頂部972に近接して配置することができる。実施形態において、蓋950は、側壁912の頂部972に近接する側壁912から延在するフランジ940と同一平面上にあってもよい。蓋950は前述のように、ビルド容器124Aが脱粉末のために付加製造装置100から取り外されるときなど、ビルド動作の完了後にビルド材料がビルドチャンバ914から出ることを防止することができる。いくつかの実施形態では、蓋950が装置100、硬化ステーション、および/または脱粉末ステーションの間のビルド容器124Aの移動中にビルド材料がビルドチャンバ914から出るのを防止することができる。代替的に又は追加的に、蓋950は硬化中にビルドチャンバ914を断熱するのを助けることができ、および/又は蓋950は、ビルドチャンバ914から熱が漏れるのを防止することができる。その点に関し、蓋950は、絶縁体を含んでもよい。実施形態において、蓋はビルド容器124Aのビルドチャンバ914への容易なアクセスを容易にするために、ハンドル952を備えてもよい。実施形態では、ハンドル952が蓋950に取り付けられた逆U字形部材であってもよい。蓋950は、金属又は合金を含むことができる。非限定的な例として、金属または金属合金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鋼、銅または銅合金、ニッケルまたはニッケル合金、青銅、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0310】
次に、
図18を参照すると、実施形態において、ビルド容器124Aの側壁912の外面913は、溝916を含んでもよい。これらの実施形態では、複数の加熱要素920を溝916内に配置することができる。実施態様において、溝916は、機械加工などによって、側壁912の外面913に形成されてもよい。代替的に又は追加的に、溝916は、材料のストリップを側壁912の外面913に取り付けることによって形成されてもよい。溝916は例えば、側壁912の外面913上に加熱要素920を整列および/または取り付けるのを助けることができる。溝916はまた、例えば、隣接する加熱要素920を互いに熱的に隔離するのを助け、それによって、ビルドチャンバ914に対して温度勾配を確立し、維持する能力を改善することができる。
【0311】
図18は溝916を含むものとしてビルド容器124Aの側壁912の外面913を描いているが、溝は任意であり、いくつかの実施態様ではビルド容器124Aがビルド容器124Aの側壁912に溝916がない状態でビルドされることを理解されたい。実施形態では、各溝916が溝916内に1組の加熱要素920を含むことができる。さらに、実施形態では、各溝916内の各組の加熱要素920が別個の加熱ゾーン926を形成することができる。
【0312】
さらに
図18を参照すると、いくつかの実施態様では、ビルド容器124Aが複数の発熱体920がカバー960と側壁912の外面913との間に配置されるように、側壁912の外面913に貼り付けられた少なくとも1つのカバー960(
図18に描かれたもの)をさらに含んでもよい。カバー960は、金属または金属合金を含んでもよい。非限定的な例として、金属または金属合金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鋼、銅または銅合金、ニッケルまたはニッケル合金、青銅、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。ビルド容器124Aは、カバー960と複数の加熱要素920との間に配置された絶縁962をさらに備えることができる。断熱材962は例えば、アルミナ板またはアルミナ繊維、ガラス繊維、ミネラルウール、セルロース、天然繊維、ポリスチレン、ポリイソシアヌレート、ポリウレタン、尿素-ホルムアルデヒド発泡体、フェノール発泡体、セメント発泡体、またはこれらの組み合わせなどの耐火セラミック材料を含むことができるが、これらに制約されない。セメント発泡体の場合、セメント発泡体は、ケイ酸マグネ
シウム、酸化マグネシウム、またはその両方を含むことができる。理論に束縛されることを意図するものではないが、カバー960(断熱あり又はなし)はビルドチャンバ914内の熱を維持するのを助けることができ、ビルド容器124Aの取扱い中のような損傷から複数の加熱要素920を保護することができる。
【0313】
ビルド容器124Aのハウジング910は
図19に示されるように、複数の保持タブ980をさらに含み得る。複数の保持タブ980は、ビルド容器124Aの側壁912から側壁912の底部に近接するビルドチャンバ914内に延在してもよい。ビルドプラットフォーム120はビルドプラットフォーム120が前述のように下方位置にあるときに、複数の保持タブ980上に着座することができる。複数の保持タブ980は、ビルドプラットフォーム120がビルドチャンバ914の底部970の下に降下するのを防止することができる。
【0314】
図16~18を参照すると、複数の加熱要素920は本明細書に記載されるように、少なくとも1つの電気コネクタ924に通信可能に結合されてもよい。少なくとも1つの電気コネクタ924は、側壁912の外面913上に配置されてもよい。いくつかの実施態様において、少なくとも1つの電気コネクタ924は、複数の発熱体920に電力を供給する。実施形態において、少なくとも1つの電気コネクタ924は、ビルド容器124Aの側壁912の温度を示す電気信号をビルド容器124Aから送信してもよい。具体的には実施形態において、温度センサ922は側壁912の外面913に配置された少なくとも1つの電気コネクタ924に通信可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、電気コネクタ924が温度センサ922に電力を供給し、ビルド容器124Aから電気信号を送信する。
【0315】
実施形態では、電気コネクタ924はまた、ビルド容器124Aの可搬性を容易にすることができる。例えば、電気コネクタ924は、ビルド容器124Aが装置100内にあるか否かにかかわらず、電源に接続されてもよい。実施形態において、電気コネクタ924は、ビルド容器124Aが装置100内にある場合、ビルド容器124Aが前述のように硬化ステーションにある場合、またはビルド容器124Aが前述のように脱電力ステーションにある場合、電源に接続されてもよい。
【0316】
図16を参照すると、本明細書に記載される実施形態では、付加製造装置100がビルド容器124Aが付加製造装置100内に配置されるときに、ビルドプラットフォーム120の垂直方向の移動を容易にするために、ビルドプラットフォーム120に取り外し可能に連結されるリフトシステム800をさらに備えてもよい。実施形態では、リフトシステム800が本明細書で説明するように、加熱プラテン810および複数の加熱要素920を含むことができる。加熱プラテン810は、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の上端に結合されてもよい。
【0317】
加熱プラテン810は、リフトシステム800が前述のコネクタ990(
図23A~23B)と共にビルドプラットフォーム120に結合される場合、近接結合などによってビルドプラットフォーム120に熱的に結合される。具体的にはリフトシステム800がビルドプラットフォーム120に結合されるとき、ビルドプラットフォーム120の底面は加熱プラテン810の上面と接触してもよい。加熱プラテン810は本明細書に記載されるように、加熱プラテン810と動作可能に関連する加熱要素920と共に、ビルドプラットフォーム120に熱および/または補助加熱を供給してもよい。加熱プラテン810は例えば、限定するものではないが、金属又は金属合金から構成することができる。非限定的な例として、金属または金属合金は、アルミニウムまたはアルミニウム合金、鋼、銅または銅合金、ニッケルまたはニッケル合金、青銅、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0318】
図16に示される実施形態では、ビルドプラットフォームアクチュエータ122がモータ804に結合されたボールねじ802を備える。ビルドプラットフォームアクチュエータ122はボールねじ802がモータ804の電機子に回転可能に結合されるように、ボールねじ802をモータ804の電機子に接続する駆動リンケージ806をさらに備えてもよい。駆動リンケージ806は例えば、ベルト、チェーン等であってもよいが、これらに限定されない。実施形態において、モータの電機子は回転し、それによって駆動リンケージ806を駆動する。駆動リンケージ806は次に、ボールねじ802を回転させ、それによってビルドプラットフォームアクチュエータ122を前進させてもよい。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0319】
図16は駆動リンケージ806を有するモータ804に結合されたボールねじ802を備えるビルドプラットフォームアクチュエータ122を備えるリフトシステム800の実施形態を描いているが、
図2に示すビルドプラットフォームアクチュエータ122を参照して先に説明したものなど、ビルドプラットフォームアクチュエータ122の他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。
【0320】
本明細書に記載される実施形態では、リフトシステム800が加熱プラテン810に連結された複数の垂直ガイド820をさらに備えてもよい。複数の垂直ガイド820は垂直方向(すなわち、図において座標軸の+/-Z方向に平行な方向)に延在し、水平方向(すなわち、図において描かれた座標軸の+/-X方向に平行な方向)に互いに離間している。リフトシステム800は
図16に示すように、単一の垂直ガイド(図示せず)、または複数の垂直ガイド820を含んでもよい。垂直ガイド820は水平断面(すなわち、図に示される座標軸のY-X平面における断面)が円形または卵形であってもよい。しかし、他の実施形態も考えられ、可能であることを理解されたい。垂直ガイド820はビルドプラットフォーム120がビルドプラットフォームアクチュエータ122によって下位置と複数の上位置との間のビルド容器124A内で作動されるときに、ビルドプラットフォーム120の向きを維持することができる。
【0321】
実施形態において、リフトシステム800は、加熱プラテン810、ビルドプラットフォーム120、またはその両方の位置を決定するためのセンサを含んでもよい。例えば、リフトシステム800は、加熱プラテン810の垂直位置を検出するための加熱プラテン位置センサ840を含んでもよい。加熱プラテン位置センサ840はリフトシステム800の下端860に近接して配置されてもよく、いくつかの実施形態ではリミットスイッチを含む。実施形態において、リミットスイッチは、容量性リミットスイッチ、誘導性リミットスイッチ、光電リミットスイッチ、機械的リミットスイッチ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。加熱プラテン位置センサ840は制御システム200が加熱プラテン810の位置を示す電気信号を受信するように、制御システム200に通信可能に結合されてもよい。制御システム200は、これらの信号を利用して、ビルド容器124A内の加熱プラテン810(したがって、加熱プラテン810に取り付けられたビルドプラットフォーム120)の位置決めを制御することができる。
【0322】
リフトシステム800は、ビルドプラットフォーム120の垂直位置を検出するためのビルドプラットフォーム位置センサ850をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、ビルドプラットフォーム位置センサ850が誘導リミットスイッチを含んでもよい。実施形態において、リミットスイッチは、容量性リミットスイッチ、誘導性リミットスイッチ、光電リミットスイッチ、機械的リミットスイッチ、またはこれらの組み合わせを含んでもよい。ビルドプラットフォーム位置センサ850は制御システム200がビルドプラットフォーム120の位置を示す電気信号を受信するように、制御システム200に通信可能に結合されてもよい。制御システム200はビルド容器124A内のビルドプラッ
トフォーム120の位置決めを制御するために、これらの信号を利用することができる。
【0323】
リフトシステム800は本明細書ではビルド容器124Aの文脈で説明されているが、付加製造装置100は供給容器134(
図2)に取り外し可能に結合された同様のリフトシステム800を含むことができることを理解されたい。
【0324】
図16および
図20を参照すると、
図6の付加製造装置100を制御するための制御システム200の別の部分が概略的に示されている。制御システム200は、ビルドプラットフォームアクチュエータ122、複数の加熱要素920、温度センサ922、加熱プラテン位置センサ840、およびビルドプラットフォーム位置センサ850に通信可能に結合されてもよい。
【0325】
本明細書に記載される実施形態では、制御システム200のプロセッサ202がビルドプラットフォームアクチュエータ122、複数の加熱素子920、および温度センサ922に制御信号を提供する(およびそれによって作動させる)ように構成される。また、制御システム200は複数の加熱素子920、温度センサ922、加熱プラテン位置センサ840、およびビルドプラットフォーム位置センサ850から信号を受信し、これらの信号に基づいて、ビルドプラットフォームアクチュエータ122および/または複数の加熱素子920のいずれかを作動させるように構成されてもよい。
【0326】
実施形態において、加熱プラテン位置センサ840は本明細書に記載されるように、制御システム200に通信可能に結合されてもよい。加熱プラテン位置センサ840はリフトシステム800の作動を停止するために、フィードバック信号を制御システム200に提供してもよい。加熱プラテン位置センサ840は加熱プラテン810の位置を検出して、装置100の損傷を回避するために、加熱プラテン810およびビルドプラットフォーム120が、リフトシステム800の下端860の下方で作動されないことを確実にしてもよい。
【0327】
実施形態において、ビルドプラットフォーム位置センサ850は本明細書に記載されるように、制御システム200に通信可能に結合されてもよい。ビルドプラットフォーム位置センサ850はリフトシステム800の作動を停止するために、フィードバック信号を制御システム200に提供してもよい。ビルドプラットフォーム位置センサ850はビルドプラットフォーム120の位置を検出して、装置100の損傷を回避するために、ビルドプラットフォーム120および加熱プラテン810が、リフトシステム800の下端860に近接する下限未満で作動されないことを確実にしてもよい。
【0328】
図18および
図20を参照すると、前述したように、複数の加熱素子920は、加熱ゾーン926内に配置することができる。実施形態では、加熱要素920の各加熱ゾーン926が制御システム200によって独立して作動可能である。独立して作動可能な加熱ゾーン926は、制御装置200が他の加熱ゾーン926とは独立して、加熱要素920の加熱ゾーン926の各々を所定の温度に加熱することができることを意味する。例えば、制限されるものではないが、各加熱ゾーン926が隣接する加熱ゾーン926から垂直方向に離間され、各加熱ゾーン926が(
図18に描かれるように)側壁912上の水平バンドに配置されるとき、加熱ゾーン926はビルドチャンバ914内に温度勾配を確立するように作動されてもよい。さらに、ビルドプラットフォーム120および加熱プラテン810上に位置決めされた加熱要素920によって形成された加熱ゾーン926は、温度勾配を確立するか、または温度勾配に寄与するために制御システム200によって作動されてもよい。
【0329】
実施形態において、ビルドチャンバ914の周囲に配置された複数の加熱要素920は
2つの別個の加熱ゾーン926、具体的には加熱ゾーン926Aおよび加熱ゾーン926B(
図18に描かれているように)を形成してもよい。そのような実施形態では、2つの別個の加熱ゾーン926Aおよび926Bが制御システム600によって独立して作動されてもよい。実施形態では、2つの別個の加熱ゾーン926Aおよび926Bが互いに垂直方向に離間して配置されてもよく、(
図18に示されるように)加熱要素920の水平バンドを備えてもよい。代替的または付加的に、ビルド容器124Aは互いから水平方向に離間し、加熱要素920の垂直バンド(図示せず)を備える、2つの別個の加熱ゾーン926Aおよび926Bを含んでもよい。実施形態において、2つの別個の加熱ゾーン926Aおよび926Bは、垂直方向に交互の加熱ゾーン926Aおよび926Bを繰り返して形成するか、または水平方向に交互の加熱ゾーン926Aおよび926Bを形成してもよい。
【0330】
実施形態では、2つの別個の加熱ゾーン926(926Aおよび926B)に関して前述したロジックに従い、ビルド容器124A上に配置された複数の加熱要素920が3つ以上の別個の加熱ゾーン926(926A、926B、926Cなど)を形成し得ることが企図される。これらの別個の加熱ゾーンは、ブロックされたグループ又は交互のグループを形成することができる。
【0331】
ここで、特に
図16、
図20、および
図21A~
図21Cを参照して、ビルド容器124Aの動作をさらに詳細に説明する。先に参照したように、付加製造装置100の動作を説明する際に、材料400およびバインダ材料500をビルドするために、本明細書において特定の参照がなされる。ビルド容器124Aの以下の動作は、
図2および
図7A~
図7Dに関して上述した付加製造装置100を動作させる方法と併せて使用されてもよいことを理解されたい。
【0332】
最初に
図21Aを参照すると、ビルド容器124Aは、熱硬化プロセスの開始時に描かれている。熱硬化プロセスは(図示されるように)ビルドプラットフォーム120上に堆積されたビルド材料400およびバインダ材料500から開始することができ、または、非限定的な例として、本明細書に記載されるように、リコートヘッドがエネルギー源を備える実施形態のように、ビルド材料400およびバインダ材料500の堆積中に開始することができる。
【0333】
図21Aでは、ビルド材料400およびバインダ材料500が前述のようにビルドプラットフォーム120上に堆積される。ビルド材料400およびバインダ材料500は、装置100の動作軸116(
図2)と平行である軸dの上方に垂直に離間されたビルドチャンバ914の堆積領域917内のビルドプラットフォーム120上に堆積される。軸dは、ビルドチャンバ914の堆積領域917からビルドチャンバ914の硬化領域918への遷移を表す。ビルドチャンバ914の堆積領域917はビルドチャンバ914の硬化領域918の垂直上方(すなわち、図に描かれた座標軸の+Z方向)に位置する。軸dは本明細書では硬化領域918から堆積領域917の輪郭を描くものとして記載されているが、バインダ材料500のいくらかの硬化はバインダ材料500が例えば、限定されるものではないが、リコートヘッドに結合されたエネルギー源に曝される場合など、堆積領域917で起こり得ることを理解されたい。
【0334】
ビルドチャンバ914の堆積領域917は堆積前に、および/またはビルド材料400およびバインダ材料500の堆積中に、予熱温度に予熱されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ビルドチャンバ914の堆積領域917がビルド材料400およびバインダ材料500の堆積前に予熱温度に予熱されてもよい。ビルドチャンバ914の堆積領域917は、前述の複数の加熱要素920のいずれかを使用して予熱されてもよい。いくつかの実施形態では、予熱が複数の加熱要素920がビルドチャンバ914の周囲および
/またはビルドプラットフォーム120の下に配置されることによって達成される。
【0335】
前述のように、複数の加熱素子920は、各加熱ゾーンが制御システム200(
図20に示す)によって独立して作動可能である加熱ゾーンに配置することができる。実施形態において、軸dの上方に垂直に配置される複数の加熱要素920の個々の加熱要素は、軸dの下方に垂直に配置される複数の加熱要素920の個々の加熱要素とは異なる加熱ゾーンの一部であってもよい。したがって、軸dの上方に垂直に配置される複数の加熱エレメント920の個々の加熱エレメントはビルドチャンバ914の堆積領域917を予熱温度まで予熱するように作動されてもよく、軸dの下方に垂直に配置される複数の加熱エレメント920の個々の加熱エレメントは作動されなくてもよく、または軸dの上方に垂直に配置される加熱エレメントとは異なる温度まで作動されてもよい。
【0336】
予熱温度が低すぎると、バインダ材料が粉末材料に染み込み、拡散する傾向がある。また、予熱温度が高すぎると、バインダ材料が乾燥しすぎてしまい、ひいては部品が弱くなってしまうことがある。したがって、本明細書に記載の実施形態では、予熱温度は、100℃以下、90℃以下、80℃以下、75℃以下、70℃以下、65℃以下、60℃以下、55℃以下、50℃以下、40℃以下、さらには30℃以下であってもよい。いくつかの実施形態では、予熱温度は、25℃から130℃、30℃から100℃、40℃から100℃、50℃から100℃、55℃から100℃、60℃から100℃、65℃から100℃、70℃から100℃、75℃から100℃、80℃から100℃、90℃から100℃、30℃から90℃、40℃から90℃、50℃から90℃、55℃から90℃、60℃から90℃、65℃から90℃、70℃から90℃、75℃から90℃、80℃から90℃、30℃から80℃、40℃から80℃、50℃から80℃、55℃から80℃、60℃から80℃、65℃から80℃、70℃から80℃、75℃から80℃、30℃から75℃、40℃から75℃、50℃から75℃、55℃から75℃、60℃から75℃、65℃から75℃、70℃から75℃、30℃から70℃、40℃から70℃、50℃から70℃、55℃から70℃、60℃から70℃、65℃から70℃、30℃から65℃、40℃から65℃、50℃から65℃、55℃から65℃、60℃から65℃、30℃から60℃、40℃から60℃、50℃から60℃、55℃から60℃、30℃から55℃、40℃から55℃、または50℃から55℃の範囲であってよい。
【0337】
前述の予熱温度は例えば、バインダ材料が水性バインダ材料である場合に使用することができる。したがって、異なるバインダ材料(非水系バインダ材料など)については、異なる予熱温度を使用することができることを理解されたい。
【0338】
ビルドチャンバ914内に配置されたビルドプラットフォーム120上にビルド材料400の層を分配し、次いで、前述のようにビルド材料400の層上にバインダ材料500の層を堆積させた後、ビルドプラットフォーム120の位置は
図21Bに示されるように、下方垂直方向に調整され得る。ビルドプラットフォーム120の位置は、ビルドプラットフォーム120内に先に堆積されたビルド材料400およびバインダ材料500の一部がビルドチャンバ914の硬化領域918内にあるように調整されてもよい。具体的には、ビルドプラットフォーム120がビルドチャンバ914の硬化領域918内にビルド材料400およびバインダ材料500の一部を位置決めするために、矢印42で示すようにビルドプラットフォームアクチュエータ122で下向きの垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の-Z方向)にビルドプラットフォーム120を作動させることによって調節されてもよい。
【0339】
ビルドチャンバ914の硬化領域918はビルドチャンバ914の硬化領域918内のビルド材料400およびバインダ材料500の部分を硬化させるために、硬化温度まで加熱されてもよい。実施形態において、硬化温度は、予熱温度よりも高くてもよい。ビルド
チャンバ914の硬化領域918は、前述の複数の加熱要素920のいずれかを使用して加熱されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の加熱要素920がビルドチャンバ914の周囲および/またはビルドプラットフォーム120の下に配置されることによって加熱が達成される。
【0340】
前述のように、実施形態では、軸dの上方に垂直に配置される複数の加熱要素920の個々の加熱要素が軸dの下方に垂直に配置される複数の加熱要素920の個々の加熱要素とは異なる加熱ゾーンの一部であってもよい。したがって、軸dの垂直下に配置された複数の加熱素子920の個々の加熱素子はビルドチャンバ914の硬化領域918を硬化温度に加熱するように作動されてもよく、一方、軸dの垂直上に配置された複数の加熱素子920の個々の加熱素子は作動されなくてもよく、またはビルドチャンバ914の堆積領域917を予熱温度に予熱するように作動されてもよい。
【0341】
硬化温度(即ち、ビルドチャンバ914の918の硬化領域が加熱される温度)は、40℃から300℃、50℃から300℃、70℃から300℃、100℃から300℃、130℃から300℃、150℃から300℃、175℃から300℃、200℃から300℃、225℃から300℃、250℃から300℃、40℃から250℃、50℃から250℃、70℃から250℃、100℃から250℃、130℃から250℃、150℃から250℃、175℃から250℃、200℃から250℃、225℃から250℃、40℃から225℃、50℃から225℃、70℃から225℃、100℃から225℃、130℃から225℃、150℃から225℃、175℃から225℃、200℃から225℃、40℃から200℃、50℃から200℃、70℃から200℃、100℃から200℃、130℃から200℃、150℃から200℃、175℃から200℃、40℃から175℃、50℃から175℃、70℃から175℃、100℃から175℃。130℃から175℃、150℃から175℃、40℃から150℃、50℃から150℃、70℃から150℃、100℃から150℃、130℃から150℃、40℃から130℃、50℃から130℃、70℃から130℃、100℃から130℃、40℃から100℃、50℃から100℃、または70℃から100℃の範囲であってよい。
【0342】
図18および21A~21Cを参照すると、前述のように、加熱要素920は、独立して作動可能な加熱ゾーン926内に配置されてもよい。実施形態では、加熱ゾーン926がビルドチャンバ914内に温度勾配を形成するように配置されてもよく、ビルドチャンバ914の上部978は予熱温度まで加熱され、ビルドチャンバ914の底部970は硬化温度まで加熱される。実施形態において、加熱ゾーン926はビルドチャンバ914内に温度勾配を形成するように配置されてもよく、ここで、軸dより上のビルドチャンバ914は予熱温度まで加熱され、軸dより下のビルドチャンバ914は硬化温度まで加熱される。例えば、限定するものではないが、軸dの上方に配置された加熱要素920は別個の加熱ゾーンを形成してもよく、予熱温度よりも高く加熱されなくてもよい。追加的に又は代替的に、軸dの下に配置された加熱要素920は別個の加熱ゾーンを形成することができ、予熱温度よりも高く加熱することができる。実施形態では、軸dの下の加熱要素920がバインダ材料500の硬化を促進するために硬化温度まで加熱されてもよい。実施形態において、軸dの下方に位置する加熱要素920は、軸dからビルドチャンバ914の底部970までの温度勾配を増大させるように動作されてもよい。
【0343】
ここで
図21Cを参照すると、ビルドサイクルは、ビルドプラットフォーム120上および硬化領域の上方の堆積領域917内に分配された、ビルド材料400の新しい層およびバインダ材料500の新しい層から再び開始することができる。
【0344】
実施形態では、硬化領域918の温度が熱硬化プロセス中に検出することができる。前述のように、制御システムは、温度センサを使用することによって、ビルドチャンバ91
4の硬化領域918の温度を検出することができる。いくつかの実施形態では、ビルドチャンバ914の硬化領域918の硬化温度が硬化領域918の検出温度に基づいて調整されてもよい。理論によって束縛されることなく、ビルドチャンバ914の硬化領域918の硬化温度は、ビルドプラットフォーム120の熱伝導率、ハウジング910の側壁912の熱伝導率、および/または加熱プラテン810の熱伝導率に応じて調整されてもよい。
【0345】
さらに、いくつかの実施形態では、硬化領域918内の温度は、ビルド動作が進行するにつれて調整されてもよい。 例えば、軸dとビルドチャンバ914の底部970との間の温度勾配は、ビルドチャンバ914内の温度がビルドチャンバ970の底部970で軸dと同じになるように、ビルド動作が進むにつれて低減されてもよい。
【0346】
本明細書で言及されるように、ビルド容器124Aおよびビルド容器124Aを使用するための方法は、
図7A~7Dに関して本明細書で説明されるような付加製造装置を動作させる方法を含む、本明細書で説明される付加製造装置の実施形態のうちの1つまたは複数と併せて使用されてもよい。
【0347】
以上の説明は、付加製造装置の構成要素の様々な実施形態およびそれを使用するための方法を含む。これらの構成要素の様々な組み合わせが、付加的な製造装置に含まれ、支持シャーシ内に配置される(または支持シャーシに結合される)ことができることを理解されたい。
【0348】
例として
図25および
図26を参照すると、支持シャーシ1002を備える付加製造装置100が概略的に示されている。本明細書では付加製造装置100の構成要素として支持シャーシを具体的に参照しているが、支持シャーシ1002は本明細書で説明する付加製造装置の任意の実施形態と併せて使用することができることを理解されたい。支持シャーシ1002は一般に、一対の下部水平支持部材1003a、1003bと、一対の上部水平支持部材1004a、1004bと、複数対の垂直支持部材1006a、1006b(
図26に描かれた一対)とを備える。下部水平支持部材1003aは水平面内で左右方向に下部水平支持部材1003bから離間している(すなわち、下部水平支持部材1003aは、図に描かれた座標軸のY-Z平面に平行な平面内で+/-Y方向に下部水平支持部材1003bから離間している)。同様に、上側の水平支持部材1004aは水平面内で左右方向に上側の水平支持部材1004bから離間している(すなわち、上側の水平支持部材1004aは、図に描かれた座標軸のY-Z平面に平行な平面内で+/ーY方向に上側の水平支持部材1004bから離間している)。一対の上部水平支持部材1004a、1004bは一対の下部水平支持部材1003a、1003bから垂直方向(すなわち、図に描かれた座標軸の+/-Z方向)に離間している。上面パネル1001(
図26)は、一対の上部水平支持部材1004a、1004bの間に延在する。同様に、床パネル1005(
図26)は、一対の下部水平支持部材1003a、1003bの間に延在する。
【0349】
垂直支持部材1006a、1006bの対は
図25および
図26に描かれているように、一対の下部水平支持部材1003a、1003bと一対の上部水平支持部材1004a、1004bとの間に延びており、それらに結合されている。垂直支持部材1006a、1006bの対は支持シャーシ1002によって囲まれた容積を、複数のベイ、具体的にはビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050に分割する。本明細書に記載の実施形態では、ビルドベイ1020が付加製造装置100の動作軸116(
図2)に沿って、リコートベイ1040とプリントベイ1050との間に配置される。ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれについて、本明細書でさらに詳細に説明する。
【0350】
さらに
図25および
図26を参照すると、支持シャーシ1002は、支持シャーシ1002によって規定される容積内で、垂直支持部材1006a、1006bの対によって支持される作業面1010をさらに備える。作業面1010はほぼ水平であり(すなわち、図に示す座標軸のX-Y平面に平行であり)、ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれを通って延びる。作業面1010は、ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれを、上部区画1022、1042、1052および下部区画1024、1044、1054に分割する。本明細書に記載される実施形態では、アクチュエータアセンブリ(
図25および26には描かれていない)が作動面1010の上方に配置され、動作軸116(
図2)に沿って、アクチュエータアセンブリに関連するプリントヘッドおよびリコートヘッドが付加製造装置100の作動面1010の一部分の上を横切ることができるように、プリントベイ1050の上部区画1052から、ビルドベイ1020の上部区画1022を通って、リコートベイ1040の上部区画1042内に延びる。
【0351】
本明細書に記載の実施形態ではプリントベイ1050とビルドベイ1020との間に配置された一対の垂直支持部材1006a、1006bと、プリントベイ1050とビルドベイ1020との間に配置された一対の垂直支持部材1006a、1006bとはそれぞれ、隔壁1007を備える。例として
図26を参照すると、
図25のライン26-26を通る付加製造装置100の断面が概略的に示されている。
図26に描かれるように、隔壁1007は作業面1010から床パネル1005まで、垂直方向(すなわち、図に描かれる座標軸の+/-Z方向)に、および垂直支持部材1006aから垂直支持部材1006bまで、横方向(すなわち、図に描かれる座標軸の+/-Y方向)に延在する。隔壁1007は、接着剤、メカニカルシール、溶接、またはそれらの組み合わせなどによって、作業面1010、床パネル1005、および垂直支持部材1006a、1006bにシールされる。別の隔壁は同様に、ビルドベイ1020とプリントベイ1050とを分離する垂直支持部材1006a、1006bの間に配置される。隔壁1007は作業面1010、床パネル1005、およびビルド容器124(ビルドベイ1020内に設置されたとき)と共に、ビルドベイ1020の下部区画1024を付加製造装置100の隣接する区画から隔離し、これは、ビルド容器124内に配置された緩いビルド材料の封じ込めを助ける。
【0352】
次に
図25を参照すると、実施形態において、付加製造装置100の支持シャーシ1002は、高電圧供給キャビネット1016および低電圧供給キャビネット1018をさらに含んでもよい。実施形態において、高電圧供給キャビネット1016は支持シャーシ1002の第1の端部1012上に配置され、低電圧供給キャビネット1018は第1の端部1012に対向する支持シャーシ1002の第2の端部1014上に配置される。高電圧供給キャビネット1016は120ボルト以上の電圧で動作する電源および関連する電子機器、例えば、付加製造装置100のモータ、ヒータ、ファン等に電力を供給する電源および関連する電子機器を収容する。低電圧供給キャビネット1018は120ボルト未満の電圧で動作する電源および関連する電子機器、例えば、付加製造装置100の制御システム、ポンプ、センサなどに電力を供給する電源および関連する電子機器を収容する。高電圧供給キャビネット1016を低電圧供給キャビネット1018から分離することは、高電圧で動作する電源および関連する電子機器によって生成される磁界により、より低い電圧で動作する敏感な電子部品(制御ユニット、センサ、ポンプなど)との電磁干渉(および、潜在的損傷)を回避する。
【0353】
再び
図25および26を参照すると、実施形態において、高電圧供給キャビネット1016内に結合された高電圧供給ラインと、低電圧供給キャビネット1018内に結合された低電圧供給ラインとは、電磁干渉を回避するために、物理的に分離されてもよい。例え
ば、実施形態において、支持シャーシ1002は、図に描かれた座標軸の+/-X方向に支持シャーシ1002の長さ(または長さの少なくとも一部)に沿って延在するケーブルトレイ1008a、1008b、1008c、1008dをさらに備えることができる。例えば、支持シャーシ1002は、前部1011および後部1013を含むことができる。ケーブルトレイ1008a、1008cは支持シャーシ1002の前部1011(すなわち、支持シャーシ1002の背部1013から遠位側)に近接して配置されてもよく、ケーブルトレイ1008b、1008dは、支持シャーシ1002の背部1013に近接して配置されてもよい。実施形態では、ケーブルトレイ1008a、1008b、1008c、1008dは支持シャーシ1002の頂部に近接して(すなわち、頂部パネル1001に近接し、床パネル1005から遠位に)、および/または支持シャーシ1002の底部に近接して(すなわち、床パネル1005に近接し、頂部パネル1001から遠位に)配置されてもよい。例えば、
図26に描かれた実施形態ではケーブルトレイ1008a、1008bは支持シャーシ1002の頂部に近接して配置され、一方、ケーブルトレイ1008c、1008dは支持シャーシ1002の底部に近接して配置される。
【0354】
実施形態において、低電圧供給ライン1026は、支持シャーシ1002のフロントエンド1011においてケーブルトレイ1008a、1008cを通って方向付けられ、高電圧供給ライン1028は
図26に描かれているように、支持シャーシ1002の背部1013においてケーブルトレイ1008b、1008dを通って方向付けられる。別の実施例(図示せず)では低電圧供給ライン1026が支持シャーシ1002の背面1013にあるケーブルトレイ1008b、1008dを通って方向付けられてもよく、高電圧供給ライン1028は支持シャーシ1002の前面1011にあるケーブルトレイ1008a、1008cを通って方向付けられてもよい。別の代替として、低電圧供給ライン1026は支持シャーシ1002の底部のケーブルトレイ1008c、1008dを通って方向付けられてもよく、高電圧供給ライン1028は支持シャーシ1002の上部のケーブルトレイ1008a、1008bを通って方向付けられてもよい。さらに別の代替案では高電圧供給ライン1028が支持シャーシ1002の底部のケーブルトレイ1008c、1008dを通って方向付けられてもよく、低電圧供給ライン1026は支持シャーシ1002の上部のケーブルトレイ1008a、1008bを通って方向付けられてもよい。本明細書に記載されるように、高電圧供給ライン1028を低電圧供給ライン1026から物理的に分離することによって、供給ライン間の電磁干渉および繊細な電子コンポーネントへの潜在的損傷を回避する。
【0355】
実施形態では、ケーブルトレイ1008c、1008dは、ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれの下部コンパートメント1024、1044、1054を通って延びている。これらの実施形態では、ケーブルトレイ1008c、1008dは、ビルドベイ1020とリコートベイ1040との間の隔壁1007を通過してもよく、ビルドベイ1020とプリントベイ1050との間の隔壁1007を通過してもよい。 隔壁1007を通過するケーブルトレイ1008c、1008dの部分をシールすることを容易にするために、ケーブルトレイ1008c、1008dは、ケーブルトレイ1008c、1008dと、隔壁1007と、ケーブルトレイ1008c、1008d内の隔壁1007を通過する任意のライン(または他の導管)との間にシールを形成するシールグランド1030をさらに含んでもよい。
【0356】
さらに
図25および26を参照すると、低電圧供給ライン1026および高電圧供給ライン1028に加えて、ケーブルトレイ1008a、1008b、1008c、1008dは、他のラインまたは導管をも含んでもよい。例えば、低電圧供給ライン1026および高電圧供給ライン1028に加えて、ケーブルトレイ1008a、1008b、1008c、1008dはまた、付加製造装置100の様々な構成要素に空気を供給するための空気ライン、付加製造装置100の様々な構成要素に真空を供給するためのバキュームラ
イン、および/または付加製造装置100の様々な構成要素に液体(例えば、バインダ、クリーニング溶液、冷却流体など)を供給するための液体ラインを含んでもよい。
【0357】
再び
図25を参照すると、本明細書で説明する実施形態では、プリントベイ1050がプリントベイ1050内の作業面1010に配置されたクリーニングステーション110を備える。クリーニングステーション110は例えば、本明細書で説明するように、付加製造装置100のプリントヘッド(図示せず)をクリーニングするために使用することができる。いくつかの実施形態では、プリントベイ1050の下部区画1054がクリーニングステーション110に新しいクリーニング流体を供給するためにクリーニングステーション110に流体結合されたクリーニング溶液供給タンク1056を含むことができる。クリーニング液供給タンク1056は、供給ライン1055と共にクリーニングステーション110に流体的に連結されてもよい。実施形態では、プリントベイ1050の下部区画1054がクリーニングステーション110から使用済みクリーニング流体を収集するために、クリーニングステーション110に流体結合されたクリーニング溶液回収タンク1058をさらに備えることができる。クリーニング液回収タンク1058は、供給ライン1057と共にクリーニングステーション110に流体的に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、プリントベイ1050の下部区画1054がプリントヘッド(図示せず)に流体結合されたバインダ供給タンク1061をさらに含むことができる。バインダ供給タンク1061は、供給ライン1059を有するプリントヘッドに流体的に結合されてもよい。
【0358】
実施形態では、ビルドベイ1020の下部コンパートメント1024がビルド容器124を備える。これらの実施形態では、支持シャーシ1002の作業面1010が、ビルド容器124がビルドベイ1020の作業面1010および下部区画1024内に取り外し可能に配置されるように、ビルド容器124を受け入れるための開口部を備える。これにより、ビルド作業が完了し、空のビルド容器124がビルドベイ1020の作業面1010および下部区画1024に設置された後に、ビルド容器124(およびその内容物)を付加製造装置100から取り外すことができる。ビルドベイ1020の下部コンパートメントは本明細書で説明するように、ビルド容器124のビルドプラットフォーム120を昇降させるためのリフトシステム800をさらに備えることができる。
【0359】
実施形態では、ビルドベイ1020の下部区画1024がビルドベイ1020の下部区画の温度を検出するためのビルドベイ温度センサ1032をさらに備えることができる。ビルドベイ温度センサ1032は例えば、これに限定されないが、熱電対または同様の温度センサであってもよい。ビルドベイ温度センサ1032は、制御システム200に結合されてもよく、ビルドベイ1020の下部区画1024の温度を示す信号を制御システム200に提供する。制御システム200はこの信号を使用して、ビルドベイ1020の下部コンパートメント1024の温度を監視し、高温(例えば、過熱状態)状態が存在する場合に警告信号を提供してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム200が温度を低下させるためにビルドベイ1020の下部区画1024を通る空気流を増加させることなどによって、過温度状態を補正するための是正措置を講じることができる。
【0360】
実施形態では、ビルドベイ1020がビルドベイ1020の上部区画1022内に配置されたビルド温度センサ1034をさらに備えることができる。ビルド温度センサ1034は、ビルドプラットフォーム120上に位置するビルド材料の温度を検出するように向いている。ビルド温度センサ1034は例えば、赤外線カメラ、高温計、または同様の温度センサなどの赤外線温度センサとすることができるが、これらに限定されない。ビルド温度センサ1034は(本明細書でさらに詳細に説明するように)制御システム200に結合することができ、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料(およびバインダ材料)の温度を示す信号を制御システム200に提供する。制御システム200
は本明細書に記載されるように、この信号を使用して、ビルド材料の温度を監視し、リコートヘッド140のエネルギー源および/またはビルド容器124の加熱要素920を用いてビルド容器124内のビルド材料(およびバインダ材料)の加熱を調整することができる。
【0361】
実施形態では、ビルドベイ1020がビルドベイ1020の上部区画1022内に配置されたカメラシステム1036をさらに備えることができる。カメラシステム1036は、ビルドプラットフォーム120上に位置するビルド材料の画像を収集するように方向付けられる。カメラシステム1036は(本明細書でさらに詳細に説明するように)制御システム200に結合することができ、ビルドプラットフォーム120上に配置されたビルド材料(およびバインダ材料)の表面の画像を示す信号を制御システム200に提供する。制御システム200はビルドプラットフォーム120上のビルド材料の堆積を監視し、ビルド容器124のビルドプラットフォーム120の動作、供給容器134の供給プラットフォーム130の動作および/またはリコートヘッド140の動作を調整して、所望の特性(例えば、表面均一性、厚さなど)を有するビルド材料の層を得るために、この信号を使用してもよい。代替的に又は追加的に、制御システム200はこの信号を使用して、ビルドプラットフォーム120上のバインダ材料の堆積を監視し、所望の特性(例えば、表面均一性、パターン均一性、パターン一貫性など)を有するバインダ材料の堆積を達成するようにプリントヘッドの動作を調整することができる。
【0362】
上記に加えて、実施形態ではビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のうちの少なくとも1つは支持シャーシ1002内の空気温度または湿度を検出するための環境センサ1038をさらに備えることができる。環境センサ1038は例えば、限定するものではないが、湿度計および/又は温度センサを含むことができる。環境センサ1038は、(本明細書にさらに詳細に記載されるように)制御システム200に結合されてもよく、支持シャーシ1002内の温度および湿度を示す信号を制御システム200に提供する。制御システム200はこの信号を使用して、支持シャーシ1002内の温度および/または湿度を監視し、支持シャーシ1002内の温度および/または湿度のいずれかが所定の範囲外である場合に、警告信号を提供してもよい。いくつかの実施形態では、制御システム200が支持シャーシ1002を通る空気流を調整することなどによって、温度および/または湿度を補正するための改善措置を講じることができる。
【0363】
いくつかの実施形態では、リコートベイ1040の下部コンパートメント1044が供給容器134を備える。これらの実施形態では、支持シャーシ1002の作業面1010が、供給容器134が作業面1010およびリコートベイ1040の下部コンパートメント1044に取り外し可能に配置されるように、供給容器134を受け入れるための開口部を備える。いくつかの実施形態では、これにより、組立作業が完了し、完全な組立容器124がリコートベイ1040の作業面1010および下部区画1044に取り付けられた後に、空の供給容器134を付加製造装置100から取り出すことができる。ビルドベイ1020の下部区画1044は本明細書に記載されるように、供給容器134の供給プラットフォーム130を昇降させるためのリフトシステム800をさらに備えてもよい。
【0364】
図25は供給容器134およびリフトシステム800を備えるものとしてリコートベイ1040を示すが、供給容器134およびリフトシステム800は任意選択であり、付加製造装置100が供給容器ではなくビルド材料を分配するためのホッパを備える実施形態など、いくつかの実施形態では省略されてもよいことを理解されたい。
【0365】
ここで
図25および
図27を参照すると、付加製造装置100はさらに、ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれの下部コンパー
トメント1024、1044、1054に結合された少なくとも1つのアクセスパネルと、ビルドベイ1020、リコートベイ1040、およびプリントベイ1050のそれぞれの上部コンパートメント1022、1042、1052に結合された少なくとも1つのアクセスパネルとを含むことができる。
【0366】
例えば、ビルドベイ1020の上部区画1022は、付加製造装置100のフロントエンド1011で上部水平支持部材1004aに蝶番式に連結された上部アクセスパネル1064を備える。上部アクセスパネル1064は、上部アクセスパネル1064を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えることができる。実施形態では、シール(図示せず)が、上部アクセスパネル1064が閉鎖位置にあるときに上部アクセスパネル1064を支持シャーシ1002にシールすることを容易にするために、上部アクセスパネル1064と上部水平支持部材1004a、垂直支持部材1006a、および作業面1010との間に配置されてもよい。
【0367】
さらに、ビルドベイ1020の下部コンパートメント1024は付加製造装置100の前部1011において、ビルドベイ1020とリコートベイ1040との間に、またはビルドベイ1020とプリントベイ1050との間に、垂直支持部材1006aにヒンジ結合された下部アクセスパネル1068を備える。下部アクセスパネル1068は、下部アクセスパネル1068を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えてもよい。実施形態において、シール(図示せず)は下部アクセスパネル1068が閉鎖位置にあるときに下部アクセスパネル1068を支持シャーシ1002にシールするのを容易にするために、下部アクセスパネル1068と下部水平支持部材1003a、垂直支持部材1006a、および作業面1010との間に配置されてもよい。実施形態では、ビルドベイ1020の下部コンパートメント1024がコンパートメントの上部に近接する(すなわち、作業面1010に近接するが下部にある)空気入口1074を備えることができる。実施形態では、空気入口1074がビルドベイ1020の下部アクセスパネル1068を通って延びる。
【0368】
さらに
図25および
図27を参照すると、リコートベイ1040の上部区画1042は、付加製造装置100の前部1011で上部水平支持部材1004aに蝶番式に連結された上部アクセスパネル1070を備える。上部アクセスパネル1070は、上部アクセスパネル1070を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えてもよい。実施形態において、シール(図示せず)は上部アクセスパネル1070が閉鎖位置にあるときに、上部アクセスパネル1070を支持シャーシ1002にシールするのを容易にするために、上部アクセスパネル1070と上部水平支持部材1004a、垂直支持部材1006a、および作業面1010との間に配置されてもよい。
【0369】
さらに、リコートベイ1040の下部コンパートメント1044は、付加製造装置100の前部1011で支持シャーシ1002の第1の端部1012で垂直支持部材1006aにヒンジ結合された下部アクセスパネル1072を備える。下部アクセスパネル1072は、下部アクセスパネル1072を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えてもよい。実施形態において、シール(図示せず)は下部アクセスパネル1072と下部水平支持部材1003aと、垂直支持部材1006aと、作業面1010との間に配置されて、下部アクセスパネル1072が閉鎖位置にあるときに、下部アクセスパネル1072を支持シャーシ1002にシールすることを容易にしてもよい。
【0370】
プリントベイ1050の上部区画1052は、付加製造装置100の前部1011で上部水平支持部材1004aにヒンジ結合された上部アクセスパネル1060を備える。上
部アクセスパネル1060は、上部アクセスパネル1060を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えることができる。実施形態では、シール(図示せず)が、上部アクセスパネル1060が閉鎖位置にあるときに上部アクセスパネル1060を支持シャーシ1002にシールすることを容易にするために、上部アクセスパネル1060と上部水平支持部材1004a、垂直支持部材1006a、および作業面1010との間に配置されてもよい。
【0371】
さらに、プリントベイ1050の下部区画1054は、付加製造装置100の前部1011で支持シャーシ1002の第2の端部1014で垂直支持部材1006aにヒンジ結合された下部アクセスパネル1062を備える。下部アクセスパネル1062は、下部アクセスパネル1062を作業面1010または垂直支持部材1006aにラッチするためのラッチ1066を備えることができる。実施形態において、シール(図示せず)は下部アクセスパネル1062が閉鎖位置にあるときに下部アクセスパネル1062を支持シャーシ1002にシールするのを容易にするために、下部アクセスパネル1062と下部水平支持部材1003a、垂直支持部材1006a、および作業面1010との間に配置されてもよい。
【0372】
図27は付加製造装置100のフロントエンド1011上に配置された上部アクセスパネルおよび下部アクセスパネルを概略的に示すが、付加製造装置100の背面1013は同様のアクセスパネルを含んでもよいことを理解されたい。
【0373】
図27に示される実施形態では、上部アクセスパネル1060、1064、1070は付加製造装置100のビルドプロセスが視覚的に監視されることを可能にするために、プラスチックまたはガラスなどの透明材料でビルドされてもよい。任意選択で、下部アクセスパネル1062、1069、1072は、プラスチックまたはガラスなどの透明材料で構成されてもよい。
【0374】
さらに
図25および27を参照すると、実施形態では、付加製造装置が下部区画1024の底部に近接したビルドベイ1020の下部区画1024に連結された下部排気システム1090をさらに備える。
図25に示す実施形態では、下部排気システム1090がビルドベイ1020のフロアパネルに結合されている。しかしながら、下部排気システム1090は例えば、ビルドベイ1020の下部アクセスパネル1068に連結されてもよいことを理解されたい。下部排気システム1090は一般に、排気ファン1092と、任意選択で、HEPAフィルタなどのフィルタ1093とを備える。排気ファン1092は、ファンの速度、すなわち、単位時間当たりにファンを通して吸引される空気の量を制御する制御システム200に通信可能に結合される。制御システム200はまた、空気がビルドベイ1020の下部区画1024に引き込まれるか、またはビルドベイ1020の下部区画1024から放出されるように、ファンの回転方向を制御してもよい。
【0375】
実施形態では、下部排気システム1090がビルドベイ1020の下部区画1024からなど、ビルドベイ1020から空気を引き出すように動作する。これらの実施形態では、新鮮な空気が空気注入口1074を通って下部コンパートメント1024に吸い込まれ、下部排気システム1090を通って下部コンパートメント1024から排気される。排気された空気は、フィルタ1093を通過して、ビルド材料の微粒子などの微粒子を空気から除去する。下部コンパートメント1024を通って循環する空気は、ビルド容器124の周囲の下部コンパートメント1024における熱の蓄積を防止するのを補助する。さらに、下側排気システム1090を通して空気を排気することは、下側区画1024内の空気中のビルド材料の微粒子を低減するのに役立ち、それによって、付加製造装置100の構成要素を汚す可能性を低減することができる。上述のように、制御システム200は、ビルドベイ温度センサ1032を利用して、下部コンパートメント1024の温度を決
定してもよく、温度に基づいて、下部排気システム1090の排気ファン1092を作動させて、下部コンパートメント1024の温度を所定の範囲内に維持してもよい。
【0376】
実施形態では、付加製造装置が支持シャーシ1002のトップパネル1001に結合された上部排気システム1091をさらに備える。上部排気システム1091は一般に、排気ファン1092と、任意選択で、HEPAフィルタなどのフィルタ1093とを備える。排気ファン1092は、ファンの回転速度、したがって、単位時間当たりにファンを通して吸引される空気の量を制御する制御システム200に通信可能に結合される。また、制御システム200は、ファンの回転方向を制御して、空気を支持シャーシ1002内に吸い込むか、または支持シャーシ1002から排出することができるようにしてもよい。
【0377】
実施形態において、上部排気システム1091は、支持シャーシ1002によって囲まれた容積から空気を引き出すように動作される。排気された空気は、フィルタ1093を通過して、ビルド材料の微粒子などの微粒子を空気から除去する。上部排気システム1091を通して空気を排気することは、ビルドプラットフォーム120の周囲の温度および/または湿度を調整するのを助けることができる。さらに、上部排気システム1091を通して空気を排気することは、支持シャーシ1002の体積内の空気中のビルド材料の粒子を減少させるのに役立ち、それによって、付加製造装置100の構成要素を汚す可能性を減少させることができる。上述のように、制御システム200は環境センサ1038を利用して、支持シャーシ1002内の温度および/又は湿度を決定し、温度および/又は湿度に基づいて、上部排気システム1091の排気ファン1092を作動させて、温度および/又は湿度を所定の範囲内に維持することができる。
【0378】
ここで
図25および
図28を参照すると、付加製造装置100は、ビルドベイ1020内の作業面1010を通って延びる粉末回収スロット1080をさらに備えることができる。粉末回収スロット1080はビルド材料がリコートヘッド(図示せず)を用いてビルドプラットフォーム120上に分配されるときに、ビルド容器124からの過剰なビルド材料が粉末回収スロット1080内に押し込まれるように、ビルド容器124とクリーニングステーション110との間の作業面1010内に配置することができる。実施形態では、粉末回収スロット1080が作業面1010の下に配置された回収漏斗1082に連結される。回収漏斗1082はビルド材料などの粒子状物質が回収漏斗1082の側壁に付着することなく回収漏斗1082を通って流れることを確実にするために、垂直に対して60度以下の円錐角θを有する可能性がある。
【0379】
実施形態では、回収漏斗1082がバキュームシステム1102に流体結合される。バキュームシステム1102は回収漏斗1082および粉体回収スロット1080に負圧を印加し、これは、粉体回収スロット1080および回収漏斗1082を通してビルド材料を引き出す助けとなる。バキュームシステム1102はバキュームシステム1102が回収されたビルド材料をふるいシステム1110に向けるように、ふるいシステム1110に連結される。ふるいシステム1110は回収されたビルド材料をふるいにかけ、凝集したビルド材料、凝集したバインダ材料などを除去し、その結果、回収されたビルド材料を付加製造装置100で再使用することができる。
【0380】
さらに
図28を参照すると、実施形態では、アクチュエータアセンブリ102のリコートヘッド140がリコート動作中に、浮上したビルド材料を収集するための格納ハウジング1112を備える。格納ハウジング1112は、バキュームシステム1102に流体的に結合される。バキュームシステム1102はビルド材料が格納ハウジング1112内に引き込まれるように、格納ハウジング1112に負圧を印加する。バキュームシステム1102は、バキュームシステム1102が回収されたビルド材料を格納ハウジング1112からふるいシステム1110に導くように、ふるいシステム1110に連結される。ふるいシステム1110は回収されたビルド材料をふるいにかけ、凝集したビルド材料、凝集したバインダ材料などを除去し、その結果、回収されたビルド材料を付加製造装置100で再使用することができる。
【0381】
ふるいシステム1110はまた、脱粉末ステーション1150に連結されてもよい。本明細書に記載されるように、脱粉末ステーション1150は、脱粉末操作中にビルド容器124のビルドプラットフォーム120を上昇させることを容易にするためのリフトシステム800を備える。実施形態において、脱粉末ステーション1150はまた、ビルド容器が
図16~18に関して本明細書に記載されるような場合などに、ビルド容器の加熱要素に電力を供給するための電気接続を有する可能性がある。バキュームシステム1111に流体的に結合された脱粉末ステーション。ビルド容器124からの緩いビルド材料は、バキュームシステム1111を用いてビルド容器124から引き出され得る。バキュームシステム1111はバキュームシステム1111が回収されたビルド材料を脱粉末ステーション1150からふるいシステム1110に向けるように、ふるいシステム1110に連結される。ふるいシステム1110は回収されたビルド材料をふるいにかけ、凝集したビルド材料、凝集したバインダ材料などを除去し、その結果、回収されたビルド材料を付加製造装置100で再使用することができる。
【0382】
さらに
図28を参照すると、実施形態において、アクチュエータアセンブリ102のプリントヘッド150は、空気ポンプ1115に連結されている。具体的にはプリントヘッド150がハウジング151を備え、空気ポンプ1115はハウジング151に流体的に連結され、ハウジング151に過圧を与える。ハウジング151内の過剰圧力はプリントヘッド150内へのビルド材料の侵入を防止し、それによってプリントヘッド150の構成要素を汚す可能性を低減する。
【0383】
当業者には、特許請求される主題の思想および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される実施形態に対して様々な修正および変形を行うことができることが明らかであろう。したがって、本明細書はそのような修正および変形が添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入る限り、本明細書に記載される様々な実施形態の修正および変形を包含することが意図される。
【0384】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は2019年5月23日に出願された「付加製造装置のためのアクチュエータアセンブリおよびその使用方法(Actuator Assemblies for Additive Manufacturing Apparatuses and Methods for Using Same)」という名称の米国仮特許出願第62/851,907号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
〔付記〕
[付記1]
付加製造装置においてビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積させるアクチュエータアセンブリであって、
上部支持体と、
前記上部支持体から垂直方向に離間した下部支持体であって、前記上部支持体および前記下部支持体は水平方向に延在する、下部支持体と、
前記ビルド材料を分配するリコートヘッドと、
前記バインダ材料を堆積させるプリントヘッドと、
前記リコートヘッドおよび、前記上部支持体および前記下部支持体の一方に接続され、リコート動作軸を含み、前記リコート動作軸に沿って双方向動作可能であることで、前記リコートヘッドの双方向移動を可能にする、リコートヘッドアクチュエータと、
前記プリントヘッドおよび、前記上部支持体および前記下部支持体の他方に接続され、プリント動作軸を含み、前記プリント動作軸に沿って双方向に動作可能であることで、前記プリントヘッドの双方向移動を可能とし、前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は相互に平行であり、垂直方向に相互に離間している、プリントヘッドアクチュエータと、
を含むアクチュエータアセンブリ。
[付記2]
前記上部支持体および前記下部支持体は、支持レールの反対側に配置される、
付記1に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記3]
前記リコート動作軸と前記プリント動作軸とが同じ垂直面内に存在する、
付記1または付記2に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記4]
前記上部支持体と前記下部支持体との間に位置し、水平方向に延びる中間支持体と、
プロセスアクセサリと、
前記プロセスアクセサリおよび前記中間支持体に接続され、アクセサリ動作軸を含み、前記アクセサリ動作軸に沿って双方向に動作可能であることで、前記プロセスアクセサリの双方向移動を可能とし、前記リコート動作軸、前記プリント動作軸、前記アクセサリ動作軸は相互に平行であり、垂直方向に相互に離間している、アクセサリアクチュエータと、
を、さらに含む、付記1~付記4のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記5]
前記プロセスアクセサリが、センサ、エネルギー源、およびエンドエフェクタの少なくとも1つを含む、付記4に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記6]
前記センサは、イメージセンサ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、および超音波検出器の少なくとも1つである、付記5に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記7]
前記センサは、赤外線ヒータ、紫外線ランプ、およびレーザ光源の少なくとも1つである、付記5に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記8]
前記リコートヘッドは、リコートホームポジションを含み、
前記プリントヘッドは、前記リコートホームポジションから水平方向に離間したプリントホームポジションを含み、
制御システムは、前記リコートヘッドアクチュエータおよび前記プリントヘッドアクチュエータに通信可能に接続され、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
前記リコートヘッドアクチュエータに、前記リコートヘッドを前記リコートホームポジションから前記プリントホームポジションに向かって、リコート進み速度で前進させ、
前記リコートヘッドアクチュエータに、前記リコートヘッドを前記リコートホームポジションに向かって、リコート戻り速度で戻させ、
前記プリントヘッドアクチュエータに、前記プリントヘッドを前記プリントヘッドの前記プリントホームポジションから前記リコートホームポジションに向かってプリント進み速度で前進させ、
前記プリントヘッドアクチュエータに、前記プリントヘッドを前記プリントホームポジションに向かって、プリント戻り速度で戻させる、
コンピュータ可読であり実行可能な命令を記憶した非一時的メモリと、
を含む、
付記1~付記7のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記9]
前記リコート戻り速度は前記リコート進み速度よりも大きい、
付記8に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記10]
前記プリント戻り速度は、前記プリント進み速度以上である、
付記8または付記9に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記11]
前記プリント戻り速度は、前記プリント進み速度以下である、
付記8または付記9に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記12]
前記リコート進み速度は、
初期リコート進み速度と、
分配進み速度と、
を含み、
前記初期リコート進み速度は前記分配進み速度より大きい、
付記8~付記11のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記13]
前記プリント進み速度は、
初期プリント進み速度と、
堆積進み速度と、
を含み、
前記初期プリント進み速度は前記堆積進み速度より大きい、
付記8~付記12のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記14]
前記プリント戻り速度は、
堆積戻り速度と、
プリント完了戻り速度と、
を含み、
前記プリント完了戻り速度は前記堆積戻り速度より大きい、
付記8~付記13のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記15]
前記プリントヘッドは前記プリントホームポジションから前記リコートホームポジションに向かって進められ、前記リコートヘッドは前記リコートホームポジションに戻される、
付記8~付記14のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記16]
前記リコートヘッドが前記リコートホームポジションから前記プリントホームポジションに向かって進められ、前記プリントヘッドが前記プリントヘッドの前記プリントホームポジションに戻される、
付記8~付記15のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記17]
前記リコートヘッドが、前記ビルド材料を分配するためのワイパ、ブレード、またはローラの少なくとも1つを含む、付記1~付記16のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記18]
前記リコートヘッドが、前記ビルド材料を分配するための先導ローラおよび後続ローラを含む、
付記1~付記17のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記19]
前記先導ローラが第1方向に回転し、前記後続ローラが前記第1方向と反対の第2方向に回転する、
付記18に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記20]
前記リコートヘッドは、少なくとも1つのエネルギー源を備える、
付記1~付記19のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記21]
前記プリントヘッドがサーマルプリントヘッドまたはピエゾプリントヘッドである、
付記1~付記20のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記22]
前記プリントヘッドは、少なくとも1つのエネルギー源を含む、付記1~付記21のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記23]
前記プリントヘッドは、前記プリント動作軸に直交する方向に固定されている、
付記1~付記22のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記24]
クリーニングステーションサイクル時間を含むクリーニングステーションと、
ビルドプラットフォームと、
ビルド材料を分配し、リコート動作軸を含むリコートヘッドアクチュエータに接続されたリコートヘッドであって、前記リコートヘッドおよび前記リコートヘッドアクチュエータはリコートサイクル時間を含む、リコートヘッドと、
バインダ材料を堆積し、プリント動作軸を含むプリントヘッドアクチュエータに結合されたプリントヘッドであって、前記プリントヘッドおよび前記プリントヘッドアクチュエータはプリントサイクル時間を含む、プリントヘッドと、
を含み、
前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は相互に平行であり、垂直方向に相互に離間し、
クリーニングステーションサイクル時間、前記リコートサイクル時間、および前記プリントサイクル時間の合計よりも小さい総合ビルドサイクル時間を含む、
付加製造装置。
[付記25]
前記クリーニングステーションサイクル時間は前記プリントサイクル時間および前記リコートサイクル時間TRHの両方と重複し、
前記総合ビルドサイクル時間は前記リコートサイクル時間および前記プリントサイクル時間の合計よりも小さい、
付記24に記載の付加製造装置。
[付記26]
前記リコートヘッドアクチュエータは上部支持体および下部支持体の一方に接続され、
前記プリントヘッドアクチュエータは前記上部支持体および前記下部支持体の他方に接続され、
前記上部支持体および前記下部支持体はビルドプラットフォームの上方に位置し、水平方向に延びる、
付記24または付記25に記載の付加製造装置。
[付記27]
前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は、同一垂直面内に位置する、
付記24~付記26のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記28]
前記リコートヘッドは、リコートホームポジションを含み、
前記プリントヘッドは、前記リコートホームポジションから水平方向に離間されたプリントホームポジションを含み、
前記リコートヘッドアクチュエータおよび前記プリントヘッドアクチュエータに通信可能に接続された制御システムをさらに含み、
前記制御システムは、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
前記リコートヘッドアクチュエータに、前記リコートヘッドを前記リコートホームポジションから前記プリントホームポジションに向かって、リコート進み速度で前進させ、
前記リコートヘッドアクチュエータに、前記リコートヘッドを前記リコートホームポジションに向かって、リコート戻り速度で戻させ、
前記プリントヘッドアクチュエータに、前記プリントヘッドを前記プリントヘッドの前記プリントホームポジションから前記リコートホームポジションに向かってプリント進み速度で前進させ、
前記プリントヘッドアクチュエータに、前記プリントヘッドを前記プリントホームポジションに向かって、プリント戻り速度で戻させる、
コンピュータ可読であり実行可能な命令を記憶した非一時的メモリと、
を含み、
前記リコート戻り速度は前記リコート進み速度より大きく、
前記プリント戻り速度は前記プリント進み速度より大きい、
付記24~付記27のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記29]
前記リコート進み速度は、
初期リコート進み速度と、
分配進み速度と、
を含み、
前記初期リコート進み速度は前記分配進み速度より大きい、
付記28に記載の付加製造装置。
[付記30]
前記プリント進み速度は、
初期プリント進み速度と、
分配進み速度と、
を含み、
前記初期プリント進み速度は前記分配進み速度より大きい、
付記28または付記29に記載の付加製造装置。
[付記31]
前記プリント戻り速度は、
堆積戻り速度と、
プリント完了戻り速度と、
を含み、前記プリント完了戻り速度が前記堆積戻り速度より大きい、
付記28~付記30のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記32]
前記プリントヘッドは前記プリントホームポジションから前記リコートホームポジションに向かって前進させられ、前記リコートヘッドは前記リコートホームポジションに戻される、
付記28~付記31のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記33]
前記リコートヘッドが、前記リコートホームポジションから前記プリントホームポジションに向かって前進させられ、前記プリントヘッドが前記プリントヘッドの前記プリントホームポジションに戻される、
付記28~付記32のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記34]
垂直軸に沿って双方向に動作可能な供給プラットフォームをさらに含み、
前記ビルドプラットフォームが前記クリーニングステーションと前記供給プラットフォームとの間に配置されている、
付記24~付記33のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記35]
前記リコートヘッドに接続されたビルド材料ホッパをさらに含む、
付記24~付記34のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記36]
前記ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料ホッパをさらに含む、付記24~付記35のいずれか1項に記載の付加製造装置。
[付記37]
リコートヘッドアクチュエータに接続されたリコートヘッドでビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配し、
前記リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含むことで、第1リコート方向における前記リコート動作軸に沿った前記リコートヘッドアクチュエータの動作が、前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を前記リコートヘッドに分配させ、
プリントヘッドアクチュエータに接続されたプリントヘッドで前記ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積し、
前記プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含むことで、前記第1リコート方向とは反対の第1プリント方向において、前記プリント動作軸に沿って前記プリントヘッドアクチュエータを動作させることによって、前記プリントヘッドで前記バインダ材料を堆積させ、
前記リコート動作軸と前記プリント動作軸とは相互に平行であり、垂直方向において相互に離間されている、
付加製造によるオブジェクトビルド方法。
[付記38]
前記リコートヘッドおよび前記リコートヘッドアクチュエータは、前記ビルド材料の新しい層が前記ビルドプラットフォーム上に分配されるリコートサイクル時間を含み、
前記プリントヘッドおよび前記プリントヘッドアクチュエータは、前記バインダ材料が前記ビルド材料の新しい層上に堆積されるプリントサイクル時間を含み、
前記プリントサイクル時間は、前記リコートサイクル時間と重複する、
付記37に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記39]
前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は、同一垂直面内にある、
付記37または付記38に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記40]
前記リコートヘッドは、リコート進み速度で、前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドアクチュエータによって作動され、
前記プリントヘッドはプリント進み速度で、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動され、
前記プリント進み速度はリコート進み速度よりも大きい、
付記37~付記39のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記41]
前記リコート進み速度は、
初期リコート進み速度と、
分配進み速度と、
を含み、
前記初期リコート進み速度は前記分配進み速度より大きい、
付記40に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記42]
前記プリント進み速度は、
初期プリント進み速度と、
堆積進み速度と、
を含み、
前記初期プリント進み速度は前記堆積進み速度より大きい、
付記40または付記41に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記43]
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配した後、前記リコートヘッドは、リコート戻り速度で前記第1リコート方向と反対の第2リコート方向に前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドアクチュエータによって作動される、
付記40~付記42のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記44]
前記リコート戻り速度は前記リコート進み速度より大きい、
付記43に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記45]
前記プリントヘッドは、前記第2リコート方向に、前記リコート動作軸に沿って、前記リコートヘッドが前記リコートヘッドアクチュエータによって作動されると、前記第1プリント方向に、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動される、
付記43または付記44に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記46]
前記バインダ材料を前記ビルド材料の新しい層上に堆積させた後、前記プリントヘッドは、プリント戻り速度で、前記第1プリント方向と反対の第2プリント方向に、前記プリント動作軸に沿って、前記プリントヘッドアクチュエータによって作動される、
付記40に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記47]
前記プリント戻り速度は前記プリント進み速度より大きい、
付記46に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記48]
前記プリントヘッドが前記プリントヘッドアクチュエータによって前記第2のプリント方向に前記プリント動作軸に沿って作動されると、前記プリントヘッドは、前記ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積させる、
付記46または付記47に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記49]
前記プリント戻り速度は、
堆積戻り速度と、
プリント完了戻り速度と、
を含み、
前記プリント完了戻り速度は前記堆積戻り速度より大きい、
付記46~付記48のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記50]
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することは、供給プラットフォームから前記ビルドプラットフォームに、前記リコートヘッドに接続されているワイパ、ブレード、およびローラの少なくとも1つで、ビルド材料を広げることを含む、
付記37~付記49のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記51]
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することが、
前記リコートヘッドに接続された第1ローラでビルド材料を供給プラットフォームから前記ビルドプラットフォームに広げ、
前記リコートヘッドに接続された第2ローラで前記ビルドプラットフォーム上のビルド材料を圧縮する、
ことを含み、
前記第1ローラと前記第2ローラとが反対方向に回転する、
付記37~付記49のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記52]
前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配することは、前記リコートヘッドに接続されたエネルギー源で前記ビルド材料の新しい層を加熱することをさらに含む、
付記37~付記49のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記53]
前記ビルド材料の新しい層は、前記ビルドプラットフォーム上に配置されたビルド材料の以前の層上に分配され、
前記ビルド材料の新しい層を分配する前に、前記ビルド材料の以前の層上に堆積されたバインダ材料を硬化させることをさらに含む、
付記37~付記49のいずれか1項に記載の方法。
[付記54]
前記ビルド材料の以前の層上に堆積された前記バインダ材料は、前記リコートヘッドに接続されたエネルギー源で硬化される、
付記53に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記55]
水平方向に延在する支持体と、
ビルド材料を分配するリコートヘッドと、
バインダ材料を堆積するプリントヘッドと、
前記リコートヘッドおよび前記支持体に接続され、リコート動作軸を含み、前記リコート動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記リコートヘッドの双方向の移動を可能とする、リコートヘッドアクチュエータと、
前記プリントヘッドおよび前記支持体に接続され、プリント動作軸を含み、前記プリント動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記プリントヘッドの双方向の移動を可能とするプリントヘッドアクチュエータと、
を含み、
前記リコート動作軸と前記プリント動作軸が同一直線上にあり、前記プリント動作軸における前記プリントヘッドアクチュエータの双方向の作動と、前記リコート動作軸における前記リコートヘッドアクチュエータの双方向の作動が相互に独立している、
付加製造装置においてビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積するアクチュエータア
センブリ。
[付記56]
前記支持体は第1垂直面内に配置され、
前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は前記第1の垂直面に平行な第2垂直面内に配置される、
付記55に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記57]
前記プリントヘッドは前記支持体から片持ち支持され、
前記リコートヘッドは前記支持体から片持ち支持される、
付記55または付記56に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記58]
上部支持体と、
前記上部支持体から垂直方向に離間された下部支持体と、
前記上部支持体と前記下部支持体との間に位置し、前記上部支持体および前記下部支持体から垂直方向に離間された中間支持体であって、前記上部支持体、前記下部支持体、および前記中間支持体は水平方向に延在する、中間支持体と、
ビルド材料を分配するリコートヘッドと、
バインダ材料を堆積するプリントヘッドと、
プロセスアクセサリと、
前記リコートヘッドおよび、前記上部支持体、前記下部支持体、および前記中間支持体の1つに接続され、リコート動作軸を含み、前記リコート動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記リコートヘッドの双方向の移動を可能とする、リコートヘッドアクチュエータと、
前記プリントヘッドおよび、前記上部支持体、前記下部支持体、および前記中間支持体の別の1つに接続され、プリント動作軸を含み、前記プリント動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記プリントヘッドの双方向の移動を可能とする、プリントヘッドアクチュエータと、
プロセスアクセサリおよび、前記上部支持体、前記下部支持体、および中間支持体のさらに別の1つに接続され、アクセサリ動作軸を含み、前記アクセサリ動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、プロセスアクセサリの双方向の移動を可能とする、アクセサリアクチュエータと、
を含み、
前記リコート動作軸、前記プリント動作軸、および前記アクセサリ動作軸は相互に平行であり、相互に垂直方向に離間している、
付加製造装置においてビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積させるためのアクチュエータアセンブリ。
[付記59]
前記プロセスアクセサリは、センサ、エネルギー源、およびエンドエフェクタの少なくとも1つを含む、
付記58に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記60]
前記センサは、イメージセンサ、熱検出器、高温計、プロフィロメータ、および超音波検出器の少なくとも1つである、
付記59に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記61]
前記エネルギー源は、赤外線ヒータ、紫外線ランプ、およびレーザ光源の少なくとも1つである、
付記59または付記60のアクチュエータアセンブリ。
[付記62]
上部支持体と、
前記上部支持体から垂直方向に離間した下部支持体であって、前記上部支持体および前記下部支持体は水平方向に延在する、下部支持体と、
ビルド材料を分配するリコートヘッドと、
バインダ材料を堆積するプリントヘッドと、
前記リコートヘッドおよび、前記上部支持体および前記下部支持体の一方に接続され、リコート動作軸を含み、前記リコート動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記リコートヘッドの双方向移動を可能とする、リコートヘッドアクチュエータと、
前記プリントヘッドおよび、前記上部支持体および前記下部支持体の他方に接続され、プリント動作軸を含み、前記プリント動作軸に沿って双方向に作動可能であることで、前記プリントヘッドの双方向移動を可能とし、前記リコート動作軸および前記プリント動作軸は相互に平行であり、相互に垂直方向に離間している、プリントヘッドアクチュエータと、
前記リコートヘッドアクチュエータおよび前記プリントヘッドアクチュエータに通信可能に接続された制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行されると、
前記リコートヘッドアクチュエータおよび前記プリントヘッドアクチュエータに、ビルドサイクルの間、前記リコートヘッドおよび前記プリントヘッドを動作軸に沿って独立して移動させ、前記ビルドサイクルの間、前記リコートヘッドおよび前記プリントヘッドは前記動作軸上の重複した位置を占め、
前記プロセッサが前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが最小分離距離未満離間していると判断したことに応答して、前記プロセッサに、前記ビルドサイクルを中止させる、
コンピュータ可読かつ実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を含む、
付加製造装置においてビルド材料を分配し、バインダ材料を堆積するアクチュエータアセンブリ。
[付記63]
前記最小分離距離は、前記ビルドサイクルの間の前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドの最大速度に基づいて決定される、
付記62に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記64]
前記プロセッサは、前記ビルドサイクルの間の前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドの速度に基づいて、前記ビルドサイクルの間の前記最小分離距離を算出する、
付記62または付記63に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記65]
前記プリントヘッドアクチュエータが第1リニアエンコーダを含み、
前記リコートヘッドアクチュエータが第2リニアエンコーダを含み、
前記プロセッサは、前記第1リニアエンコーダおよび前記第2リニアエンコーダによる測定に基づいて、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが、前記最小分離距離未満離間していると判断する、
付記62~付記64のいずれか1項に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記66]
前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドの一方に配置された近接センサをさらに含み、
前記プロセッサは、前記近接センサによって生成された信号に基づいて、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが前記最小分離距離未満離間していると判断する、
付記64に記載のアクチュエータアセンブリ。
[付記67]
クリーニングステーションサイクル時間を含むクリーニングステーションと、
ビルドプラットフォームと、
ビルド材料を分配するリコートヘッドであって、リコート動作軸を含むリコートヘッドアクチュエータに接続され、前記リコートヘッドおよび前記リコートヘッドアクチュエータはリコートサイクル時間を含む、リコートヘッドと、
バインダ材料を堆積するプリントヘッドであって、プリント動作軸を含むプリントヘッドアクチュエータに接続され、前記プリントヘッドおよび前記プリントヘッドアクチュエータはプリントサイクル時間を含む、プリントヘッドと、
前記リコートヘッドアクチュエータと前記プリントヘッドアクチュエータとに通信可能に接続された制御システムと、
を含み、
前記制御システムは、ビルドサイクルの間、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとを独立して動作させるように構成され、
前記ビルドサイクルは、クリーニングステーションサイクル時間、前記リコートサイクル時間、および前記プリントサイクル時間の合計よりも小さい総合ビルドサイクル時間を有し、
前記制御システムは、前記ビルドサイクル時間の間、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが、最小分離距離未満離間されていると判断することに応答して、前記ビルドサイクルを中止するように構成されている、
付加製造装置。
[付記68]
前記最小分離距離は、前記ビルドサイクルの間の前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドの最大速度に基づいて決定される、
付記67に記載の付加製造装置。
[付記69]
前記制御システムは、前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドの速度に基づいて、前記ビルドサイクルの間、前記最小分離距離を算出する、
付記67または付記68に記載の付加製造装置。
[付記70]
リコートヘッドアクチュエータに接続されたリコートヘッドでビルドプラットフォーム上にビルド材料の新しい層を分配し、
前記リコートヘッドアクチュエータはリコート動作軸を含み、
第1リコート方向に、前記リコート動作軸に沿って前記リコートヘッドアクチュエータを作動することで、前記リコートヘッドに、前記ビルドプラットフォーム上に前記ビルド材料の新しい層を分配させ、
プリントヘッドアクチュエータに接続されたプリントヘッドで前記ビルド材料の新しい層上にバインダ材料を堆積し、
前記プリントヘッドアクチュエータはプリント動作軸を含み、
前記バインダ材料は、前記プリントヘッドアクチュエータを前記第1リコート方向と反対の第1プリント方向に前記プリント動作軸に沿って作動することによって、前記プリントヘッドで堆積され、
前記第1プリント方向に前記プリント動作軸に沿ってプリントヘッドアクチュエータを作動させるタイミングは、前記プリントコートヘッドと前記リコートヘッドとの間の最小分離に基づいて決定される、
付加製造によるオブジェクトビルド方法。
[付記71]
前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが前記最小分離距離未満離間されていることを決定し、
当該決定に応答して、前記プリントヘッドをプリントホームポジションに戻し、前記リ
コートヘッドをリコートホームポジションに戻す、
付記70に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記72]
前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが前記最小分離距離未満離間されていることを決定することは、前記プリントヘッドアクチュエータと前記リコートヘッドアクチュエータとの各々のリニアエンコーダを用いて、前記プリント動作軸に沿った前記プリントヘッドの位置と、前記リコート動作軸に沿った前記リコートヘッドの位置とを決定することを含む、
付記71に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記73]
前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとが、前記最小分離距離未満離間されていることを決定することは、前記プリントヘッドまたは前記リコートヘッド上に配置された近接センサを介して、前記プリントヘッドと前記リコートヘッドとの近接を測定することを含む、
付記71に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記74]
前記ビルド材料の新しい層の分配および前記バインダ材料の堆積の間に、前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドが互いに向かって移動する最大相対速度を決定することによって、前記ビルド材料の新しい層の分配または前記バインダ材料の堆積の前に前記最小分離距離を算出することをさらに含む、
付記70~付記73のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。
[付記75]
前記プリントヘッドおよび前記リコートヘッドが作動される速度に基づいて、前記ビルド材料の新しい層の分配および前記バインダ材料の堆積の間の前記最小分離距離を算出することをさらに含む、
付記70~付記74のいずれか1項に記載のオブジェクトビルド方法。