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特許7525713情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240723BHJP
   G06Q 20/36 20120101ALI20240723BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G06Q20/36 310
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023169256
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-12-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 高志
(72)【発明者】
【氏名】竹内 創
(72)【発明者】
【氏名】梶岡 ゆき
(72)【発明者】
【氏名】武 恒宏
(72)【発明者】
【氏名】西分 嗣美
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-016436(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0114416(KR,A)
【文献】国際公開第2014/192419(WO,A1)
【文献】特開2022-156505(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得する取得部と、
前記トランザクションにおいて、前記トークンの発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ前記トークンが移転された履歴があることを条件として前記トークンの利用を許可する判定部と、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行する便益付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記トークンは、前記トークンが利用された場合において前記トークンの保有者に付与される便益を示す情報をさらに含み、
前記便益付与部は、前記判定部が前記トークンの利用を許可した場合に、前記トークンの保有者に付与される便益を、前記トークンの保有者に付与するための処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて前記トークンが移転された履歴が無い場合、前記トークンの利用を許可せず、
前記情報処理装置は、前記判定部が前記トークンの利用を許可しない場合、前記トークンの移転が必要である旨を示すメッセージを前記トークンの保有者に通知する通知部をさらに有する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記利用要求を受け付けた時点における前記トークンの保有者が、前記トークンが発行された時点における保有者と一致することを前記トランザクションが示す場合、前記トークンの利用を許可しない、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記トークンについてのトランザクションに基づいて、前記トークンの利用可否を、前記トークンの保有者に通知する通知部をさらに有する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知部は、前記トークンが移転されていないことを前記トランザクションが示す場合、前記トークンを利用するためには前記トークンを移転することが必要であることを前記トークンの保有者にさらに通知する、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記トークンの移転取引を要求する移転要求を受け付け、
前記取得部は、前記移転要求が示す前記トークンについての前記トランザクションを前記ブロックチェーンから取得し、
前記便益付与部は、
(1)前記移転要求が示す前記トークンが移転された履歴が無く、かつ、
(2)前記移転要求に基づいて前記トークンが移転されたことを条件として、
前記トークンの移転前の保有者に前記便益を付与するための処理を実行する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて、前記トークンが前記店舗により発行された履歴があることをさらに条件として前記トークンの利用を許可する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて、前記トークンが前記店舗における取引履歴に基づいて発行された履歴があることをさらに条件として前記トークンの利用を許可する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの保有者に付与される便益を示す情報と、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報と、を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得する取得部と、
前記トランザクションが示す前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転された回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定する特定部と、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行する便益付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項11】
前記特定部は、前記トークンの移転の回数が多いほど、前記トークンの保有者に付与される便益が大きくなるよう、前記トークンの保有者に付与される便益を特定する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、
前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させる移転処理部と、
前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転を条件に前記トークンを有効化させる有効化処理部と、
前記受付部が前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可する判定部と、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行する便益付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項13】
前記判定部は、前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されていない場合、前記トークンの利用を許可しない、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
コンピュータが実行する、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、
前記トランザクションにおいて、前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転された履歴がある場合、前記トークンの利用を許可するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの保有者に付与される便益を示す情報と、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報と、を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、
前記トランザクションが示す前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転された回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項16】
コンピュータが実行する、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させるステップと、
前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件に前記トークンを有効化させるステップと、
前記受け付けるステップにおいて前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、
前記トランザクションにおいて、前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転された履歴がある場合、前記トークンの利用を許可するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの保有者に付与される便益を示す情報と、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報と、を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、
前記トランザクションが示す前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転された回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
ブロックチェーンに記録されたトークンであって、前記トークンの移転前の保有者に付与される便益を示す情報を含む前記トークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、
前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させるステップと、
前記トークンが移転前の保有者であるユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件に前記トークンを有効化させるステップと、
前記受け付けるステップにおいて前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可するステップと、
前記トークンが発行を受けたユーザから該ユーザと異なるユーザへ移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に便益を付与するための処理を実行するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
サービスを利用したユーザに特典を付与し、リピートを促すことが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2023-105512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術においてはもっぱらサービスを利用したユーザに対して再利用を促すものであり、サービスとの接点が少ない新たな顧客の獲得につながりにくいという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置においては、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得する取得部と、前記トランザクションにおいて、前記トークンが移転された履歴があることを条件として前記トークンの利用を許可する判定部と、を有する。
【0007】
前記トークンは、前記トークンが利用された場合において前記トークンの保有者に付与される便益を示す情報を含み、前記情報処理装置は、前記判定部が前記トークンの利用を許可した場合に、前記トークンが示す前記便益を、前記トークンの保有者に付与するための処理を実行する便益付与部をさらに有してもよい。
【0008】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて前記トークンが移転された履歴が無い場合、前記トークンの利用を許可せず、前記情報処理装置は、前記判定部が前記トークンの利用を許可しない場合、前記トークンの移転が必要である旨を示すメッセージを前記トークンの保有者に通知する通知部をさらに有してもよい。
【0009】
前記判定部は、前記利用要求を受け付けた時点における前記トークンの保有者が、前記トークンが発行された時点における保有者と一致することを前記トランザクションが示す場合、前記トークンの利用を許可しないよう構成されてもよい。
【0010】
前記トークンについてのトランザクションに基づいて、前記トークンの利用可否を、前記トークンの保有者に通知する通知部をさらに有してもよい。
【0011】
前記通知部は、前記トークンが移転されていないことを前記トランザクションが示す場合、前記トークンを利用するためには前記トークンを移転することが必要であることを前記トークンの保有者にさらに通知してもよい。
【0012】
前記受付部は、前記トークンの移転取引を要求する移転要求を受け付け、前記取得部は、前記移転要求が示す前記トークンについての前記トランザクションを前記ブロックチェーンから取得し、前記情報処理装置は、(1)前記移転要求が示す前記トークンが移転された履歴が無く、かつ、(2)前記移転要求に基づいて前記トークンが移転されたことを条件として、前記トークンの移転前の保有者に前記便益を付与する便益付与部をさらに有してもよい。
【0013】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて、前記トークンが前記店舗により発行された履歴があることをさらに条件として前記トークンの利用を許可してもよい。
【0014】
前記判定部は、前記トランザクションにおいて、前記トークンが前記店舗における取引履歴に基づいて発行された履歴があることをさらに条件として前記トークンの利用を許可してもよい。
【0015】
本発明の第2の態様の情報処理装置においては、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得する取得部と、前記トランザクションが示す前記トークンの移転の回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定する特定部と、を有してもよい。
【0016】
前記特定部は、前記トークンの移転の回数が多いほど、前記トークンの保有者に付与される便益が大きくなるよう、前記トークンの保有者に付与される便益を特定してもよい。
【0017】
本発明の第3の態様の情報処理装置においては、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付ける受付部と、前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させる移転処理部と、前記トークンの移転を条件に前記トークンを有効化させる有効化処理部と、前記受付部が前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可する判定部と、を有する。
【0018】
前記判定部は、前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されていない場合、前記トークンの利用を許可しないよう構成されてもよい。
【0019】
本発明の第4の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、前記トランザクションにおいて、前記トークンが移転された履歴がある場合、前記トークンの利用を許可するステップと、を有する。
【0020】
本発明の第5の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、前記トランザクションが示す前記トークンの移転の回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定するステップと、を有する。
【0021】
本発明の第6の態様の情報処理方法においては、コンピュータが実行する、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させるステップと、前記トークンの移転を条件に前記トークンを有効化させるステップと、前記受け付けるステップにおいて前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可するステップと、を有する。
【0022】
本発明の第7の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、前記トランザクションにおいて、前記トークンが移転された履歴がある場合、前記トークンの利用を許可するステップと、を実行させる。
【0023】
本発明の第8の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記トークンについての取引の履歴を示すトランザクションを前記ブロックチェーンから取得するステップと、前記トランザクションが示す前記トークンの移転の回数に基づいて、前記トークンの保有者に付与される便益を特定するステップと、を実行させる。
【0024】
本発明の第9の態様のプログラムにおいては、コンピュータに、ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示す前記トークンを、前記トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付け、前記トークンの利用要求を受け付けるステップと、前記移転要求が示すトークンを前記移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させるステップと、前記トークンの移転を条件に前記トークンを有効化させるステップと、前記受け付けるステップにおいて前記トークンの利用要求を受け付けた場合であって、前記トークンが有効化されている場合、前記トークンの利用を許可するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明するための図である。
図2】情報処理装置1の構成を示すブロック図である。
図3】ブロックチェーンに記録されたトランザクションの一例を示す図である。
図4】情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。
図5】変形例にかかる情報処理装置1Aの構成を示すブロック図である。
図6】発行されるトークンの一例を示す図である。
図7】変形例にかかる情報処理装置1Bの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1の実施形態>
[情報処理システムSの概要]
図1は、実施形態にかかる情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、所定の条件に基づいてユーザに便益を提供するためのシステムである。具体的には、情報処理装置1は、所定の条件を満たしたユーザに値引き、ポイントの進呈、ノベルティの贈呈等の便益を提供する。なお、情報処理システムSは決済サービスを提供するためのシステムであってもよい。この場合、情報処理システムSは、決済サービスにおける決済金額や決済回数が所定の条件を満たした場合にユーザに所定の便益を提供する。情報処理システムSは、情報処理装置1、ユーザ端末2及び店舗端末3を有する。
【0028】
情報処理装置1は、ユーザに所定の便益を提供するための装置である。情報処理装置1は、トークンを発行するための所定の条件を満たしたユーザにトークンを発行する。トークンはブロックチェーンに記録されることで発行される。トークンを発行するための所定の条件は、例えばユーザが特定の商品の購入することや、ユーザが所定の回数又は所定の金額以上所定の店舗において決済を行うことである。トークンは、提示したユーザが所定の便益の付与を受ける権利を有することを示す情報である。所定の便益は、例えば店舗における購入金額からの値引き、ポイントサービスにおけるポイントの付与、ノベルティの贈呈等である。
【0029】
情報処理装置1は、所定の決済サービスを提供する装置であってもよい。この場合、トークンを発行するための所定の条件は、例えばユーザが所定の決済サービスを利用して特定の商品を購入することや、ユーザが所定の回数又は所定の金額以上決済サービスを利用して決済を行うことである。所定の決済サービスは、一例としてQR(Quick Response)コード(登録商標)決済による決済サービスであるがこれに限られない。所定の決済サービスは、例えば、電子マネーによる決済サービスであってもよいし、クレジットカード決済、又は仮想通貨による決済サービスであってもよい。
【0030】
情報処理装置1は、ユーザが店舗において提示したトークンが所定の条件を満たしている場合に、トークンを提示したユーザに所定の便益を付与する。ユーザに便益を付与するための所定の条件は一例として、トークンが発行されたユーザから異なるユーザに移転されていることである。トークンの利用にこのような制限を課すことにより、トークンの移転を促すことができ、サービスとの接点が少ない新たな顧客に店舗がアプローチするための負担を軽減することができる。
【0031】
ユーザ端末2は、情報処理システムSにおいて提供されるサービスを利用するユーザUが使用する情報端末である。ユーザUは、ブロックチェーンBに記録されたトークンの保有者を識別するための情報であるアドレスを保有している。ユーザ端末2は、ユーザUの操作に応じてユーザUが保有するトークンを画面に表示させる。以下では、トークンを移転する前に保有していたユーザをユーザUA、トークンの移転先のユーザをユーザUBと言い、ユーザUA及びユーザUBが使用するユーザ端末2をそれぞれ、ユーザ端末2A及びユーザ端末2Bと言う場合がある。
【0032】
店舗端末3は、店舗において使用される端末である。店舗端末3は、ユーザから提示されたトークンを読み取り、店舗端末3は、例えばPOS(Point Of Sale)レジである。店舗端末3は、ブロックチェーンにアクセスし、ユーザに提示されたトークンを認証する。店舗端末3は、情報処理装置1と連携して提示されたトークンを認証してもよい。
【0033】
情報処理システムSにおける処理について説明する。情報処理装置1は、ユーザUAにトークンを発行する(図1における(1))。一例として、情報処理装置1は、ユーザUAが所定の商品を購入したことを条件としてユーザUAにトークンを発行する。トークンは、トークンが利用された場合においてトークンの保有者に付与される便益を示す情報を含む。
【0034】
ユーザ端末2Aは、発行されたトークンをユーザUBに移転することを示す移転要求を情報処理装置1に送信する(図1における(2))。移転要求は、移転対象のトークンを示すトークンID(Identification)、移転元ユーザ及び移転先ユーザのアドレスを含む。情報処理装置1は、移転要求に基づいてトークンを移転先のユーザUBに移転させることをブロックチェーンに記録させる(図1における(3))。トークンの移転が記録されることで、トークンがユーザUAからユーザUBに移転される(図1における(a))。
【0035】
ユーザUBは、移転されたトークンを店舗において提示する(図1における(4))。ユーザUBは、ユーザ端末2Bを操作し、トークンをユーザ端末2に表示させる。店舗端末3は、提示されたトークンを読み取る。店舗端末3は、読み取ったトークンを認証してもよい。例えば、店舗端末3は、ブロックチェーンにアクセスし、読み取ったトークンが真正なトークンであるかを検証し、トークンを提示したユーザがトークンの保有者としてブロックチェーンに記録されているかを検証する。
【0036】
店舗端末3は、読み取ったトークンの利用可否を判定することを要求するための利用要求を情報処理装置1に送信する(図1における(5))。利用要求においては一例として判定対象のトークンのトークンIDを含む。情報処理装置1は、店舗において提示されたトークンの利用可否を判定する(図1における(6))。より具体的には、情報処理装置1は、店舗において提示されたトークンの移転がブロックチェーンに記録されているか否かを判定する。情報処理装置1は、店舗において提示されたトークンの移転がブロックチェーンに記録されている場合、トークンの利用を許可することを判定する。
【0037】
情報処理装置1は、トークンの利用が許可された場合、トークンの保有者に便益を付与する(図1における(7))。情報処理装置1は、例えば所定の値引きやキャッシュバックを受けることができることをトークンの保有者の識別情報と関連付けて記憶してもよいしい、店舗端末3にトークンの利用を許可することを示す情報を店舗端末3に送信してもよい。トークンの利用を許可することを示す情報においては、例えば値引額等のユーザUBに付与される特典の内容が含まれていてもよい。
【0038】
このように構成されることで、情報処理システムSにおいては、サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減することができる。
【0039】
[情報処理装置1の構成]
図2は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。制御部13は、受付部131、取得部132、判定部133、便益付与部134、発行部135、通知部136及び移転処理部137を有する。
【0040】
通信部11は、ネットワークを介して他の装置とデータの送受信をするための通信インターフェースである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部12は、制御部13が実行するプログラムを予め記憶している。
【0041】
制御部13は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサである。制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、受付部131、取得部132、判定部133、便益付与部134、発行部135、通知部136及び移転処理部137として機能する。
【0042】
受付部131は、トークンの利用要求を受け付ける。受付部131は、ユーザ端末2から提示されたトークンを読み取った店舗端末3から提示されたトークンについての利用要求を取得する。
【0043】
取得部132は、トークンについての取引の履歴を示すトランザクションをブロックチェーンから取得する。取得部132は、利用要求に含まれるトークンIDにブロックチェーンにおいて関連付けられたトランザクションを取得する。図3は、ブロックチェーンに記録されたトランザクションの一例を示す。トランザクションにおいては、一例として、トークンが発行されたこと、トークンにより付与される便益の内容が変更されたこと、トークンの保有者が変更されたこと、トークンが無効となったこと又はトークンが使用されたこと等が記録されている。トランザクションにおいては、店舗がトークンを発行したこと又は店舗における決済実績に基づいてトークンが発行されたことが記録されていてもよい。
【0044】
判定部133は、トランザクションにおいて、トークンが移転された履歴があることを条件としてトークンの利用を許可する。判定部133は、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンが、取得されたトランザクションにおいて移転された履歴があるか否かを判定する。図3に示すトランザクションの例においてトークンAは、ユーザUAからユーザUBに移転された履歴があるためこの条件を満たす。判定部133は、取得したトランザクションにおいて移転要求に含まれるトークンIDが示すトークンの移転の履歴がある場合、該トークンの利用を許可する。判定部133は、さらに取得したトランザクションにおいて提示されたトークンが使用された履歴がないことを条件として該トークンの利用を許可してもよい。
【0045】
便益付与部134は、判定部133がトークンの利用を許可した場合に、トークンが示す便益を、トークンの保有者に付与するための処理を実行する。便益付与部134は、一例として、所定の金額又は割合の値引き若しくはキャッシュバックを受けることができることをトークンの保有者の識別情報と関連付けて記憶させる。便益付与部134は、トークンの利用を許可すること又はトークンを提示したユーザに付与される便益の内容を示す情報を店舗端末3に送信してもよい。
【0046】
なお、制御部13は、トークンを発行する発行部135をさらに有してもよい。発行部135は、商品の購入や決済の受付等によりトークンを発行する条件を満たした場合に当該条件を満たしたユーザにトークンを発行する。また、発行部135は、受付部131が店舗端末3より発行要求を受け付けた場合に、トークンを発行してもよい。発行要求は、発行元の事業者、発行先のユーザ及び付与される便益の内容を含む。
【0047】
トークンは所定の決済サービスを提供する決済事業者が発行してもよい。一例として、記憶部12は、トークンを発行する条件及びユーザの決済実績を記憶している。トークンを発行する条件は一例としてユーザの決済回数や決済頻度が予め設定された閾値を超える場合である。発行部135は、ユーザの決済金額、決済回数又は決済頻度が、記憶部12が記憶する条件を満たした場合、当該ユーザにトークンを発行する。
【0048】
受付部131が決済を要求することを示す決済要求を受け付けてもよい。この場合、受付部131が決済要求を受け付けたことを契機として発行部135は、ユーザの決済実績が、記憶部12が記憶する条件を満たすかを判定する。記憶部12が記憶する条件をユーザの決済実績が満たす場合、発行部135は、当該ユーザにトークンを発行する。発行部135は、決済実績に基づいてトークンを発行したことをブロックチェーンに記録してもよい。
【0049】
情報処理装置1がこのように構成されることでサービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減するという効果を奏する。
【0050】
判定部133は、取得したトランザクションにおいて移転要求に含まれるトークンIDが示すトークンの移転の履歴が無い場合、該トークンの利用を許可しない。トークンの利用を許可しない場合、一例として、通知部136は、トークンの移転が必要である旨を示すメッセージをトークンの保有者に通知する。通知部136は、トークンの利用が許可されないことを示すメッセージを店舗端末3に送信してもよい。
【0051】
通知部136は、トークンが移転されていないことをトランザクションが示す場合、トークンを利用するためにはトークンを移転することが必要であることをトークンの保有者にさらに通知してもよい。すなわち、判定部133がトークンの利用を許可しない場合、通知部136は、トークンを利用するためにはトークンが移転される必要があることを示すメッセージをトークンの保有者が使用するユーザ端末2に通知する。
【0052】
トークンの利用可否をトークンの保有者に通知するよう情報処理装置1が構成されてもよい。通知部136は、トークンについてのトランザクションに基づいて、トークンの利用可否を、トークンの保有者に通知する。例えば、受付部131がユーザ端末2からトークンの内容を表示することを要求するメッセージを受付けたことを契機として、通知部136は、トークンの利用可否をトークンの保有者のユーザ端末2に通知する。トークンが利用可能であると判定部133が判定する場合、通知部136は、トークンが利用可能であることを通知する。通知部136は、この場合において付与される特典の内容やトークンを利用可能な店舗をさらに通知してもよい。
【0053】
また、トークンが利用可能ではないと判定部133が判定する場合、通知部136は、トークンが利用できないことを、トークンを保有するユーザが使用するユーザ端末2に通知する。また、通知部136は、トークンを利用するためはトークンを移転する必要があることをさらに通知してもよい。
【0054】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンの保有者はトークンの利用可否を認識することができ、トークンの利用のために必要な行動を認識することができる。
【0055】
ブロックチェーンにトークンの移転の履歴が記録されている場合であっても、トークンの発行を受けたユーザとトークンを提示したユーザとが一致するような場合は、トークンの利用を許可しないように情報処理装置1が構成されてもよい。
【0056】
判定部133は、利用要求を受け付けた時点におけるトークンの保有者が、トークンが発行された時点における保有者と一致することをトランザクションが示す場合、トークンの利用を許可しない。判定部133は、利用要求を受け付けた場合、下記の2つの条件を満たすか否かを判定する。1つ目の条件は、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンが、取得部132が取得したトランザクションにおいて移転された履歴があることである。2つめの条件は、利用要求の対象となるトークンの発行を受けたユーザと、トークンの利用を受付けた時点におけるトークンの保有者が同一のユーザではないことである。判定部133は、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンの発行を受けたユーザを取得部132が取得したトランザクションに基づいて特定し、特定した発行を受けたユーザと、利用要求を受付けた時点におけるトークンの保有者と、が同一のユーザか否かを判定する。判定部133は、上記の2つの条件を満たす場合、トークンの利用を許可することを判定する。判定部133は、上記の2つの条件のいずれかを満たさない場合、トークンの利用を許可しないと判定する。
【0057】
情報処理装置1がこのように構成されることで、形式的なトークンの移転が記録されているものの実質的には移転されていない場合のような、トークンの発行者が意図しないトークンの利用を防止することができる。
【0058】
トークンが事業者によって発行されたことをさらに条件として判定するよう情報処理装置1が構成されてもよい。
【0059】
判定部133は、トランザクションにおいて、トークンが店舗により発行された履歴があることをさらに条件としてトークンの利用を許可する。判定部133は、トランザクションにおいて利用要求を送信した店舗端末3を利用する事業者が発行した履歴が記録されているか否かを判定する。判定部133は、当該事業者が発行した履歴が記録されている場合、トークンの利用を許可する。
【0060】
情報処理装置1がこのように構成されることで、店舗を利用することによりトークンが発行されることから、集客効果を向上させることができる。
【0061】
一定の取引履歴に基づいて発行されたことを条件としてトークンの利用を許可するよう情報処理装置が構成されてもよい。
【0062】
判定部133は、トランザクションにおいて、トークンが店舗における取引履歴に基づいて発行された履歴があることをさらに条件としてトークンの利用を許可する。取引履歴は一例として、ユーザの店舗における決済実績である。判定部133は、トランザクションにおいて、利用要求を送信した店舗端末3を利用する事業者が決済実績に基づいて、利用要求が示すトークンを発行した履歴が記録されているか否かを判定する。判定部133は、当該事業者が決済実績に基づいて発行した履歴が記録されている場合、トークンの利用を許可する。
【0063】
情報処理装置1がこのように構成されることで、店舗にリピートすることを促すことができる。
【0064】
トークンを移転された場合にトークンの移転元の保有者に便益を付与するよう情報処理装置1が構成されることにより、トークンを移転する動機付けをユーザに与えることができる。
【0065】
受付部131は、トークンの保有者から移転先のユーザへ移転させる要求である移転要求を受け付ける。移転要求においては、移転対象のトークンID及び移転先のユーザのアドレスを含む。受付部131は、一例として、移転元のユーザUが使用するユーザ端末2から移転要求を受け付ける。
【0066】
移転処理部137は、移転要求が示すトークンを移転要求に含まれる移転先のユーザへ移転させる。移転処理部137は、取得した移転要求に含まれるトークンIDが示すトークンを移転元のユーザから移転要求に含まれる移転先のアドレスが示すユーザに移転されたことをブロックチェーンに記録させる。取得部132は、移転要求が示すトークンについてのトランザクションをブロックチェーンから取得する。
【0067】
便益付与部134は、トークンを移転させた場合にトークンの移転前の保有者にトークンが示す便益を付与する。移転処理部137がトークンを移転した場合、便益付与部134は、移転前の保有者に便益を付与するための処理をする。
【0068】
なお、便益付与部134は、トークンが初めて移転される場合にのみトークンを付与するよう構成されてもよい。すなわち、便益付与部134は、以下の2つの条件を満たす場合にトークンの移転前の保有者であるユーザに便益を付与する。1つ目の条件は、移転要求が示すトークンが、受付けた移転要求に基づく移転の以前に移転された履歴が無いことである。判定部133は、取得部132が取得したトランザクションにおいて、受付部131が受付けた移転要求に基づく移転が記録される以前に移転対象のトークンに移転の履歴があるか否かを判定する。取得したトランザクションにおいて移転対象のトークンに移転の履歴が無い場合この条件を満たす。2つ目の条件は、移転要求に基づいてトークンが移転されたことである。すなわち、移転要求に基づいてトークンの移転がブロックチェーンに記録された場合、この条件を満たす。便益付与部134は、移転前のトークンの保有者に便益を付与するための処理をする。
【0069】
情報処理装置1がこのように構成されることで、ユーザにトークンを移転するインセンティブを与え、サービスとの接点が少ない新たな顧客にトークンを移転させることを促すことができる。
【0070】
[情報処理装置1の処理における処理の流れ]
図4は、情報処理装置1における処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すフローチャートは、受付部131が利用要求を受け付ける時点から開始している。
【0071】
受付部131は、利用要求を受付ける(S01)。取得部132は、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンのトランザクションをブロックチェーンから取得する(S02)。
【0072】
判定部133は、トークンの利用可否を判定する(S03)。具体的には、判定部133は、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンが、取得したトランザクションにおいて移転された履歴があるか否かに基づいてトークンの利用可否を判定する。トークンが利用可能であると判定部133が判定する場合(S03におけるYES)、便益付与部134は、トークンの保有者に便益を付与するための処理をし(S04)、情報処理装置1は処理を終了する。
【0073】
トークンが利用可能でないと判定部133が判定する場合(S03におけるNO)、通知部136は、トークンが利用できないことをトークンの保有者に通知し(S05)、情報処理装置1は、処理を終了する。
【0074】
情報処理装置1がこのように構成されることで、サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減することができる。
【0075】
<変形例1>
上記の説明においては、トークンが移転されたことを条件としてトークンの利用を許可する例を説明したが、トークンが移転された回数に基づいてトークンの利用者に付与する便益の内容が決定されてもよい。変形例にかかる情報処理装置1Aの構成を図5に示す。変形例にかかる情報処理装置1Aは、特定部138をさらに有する。
【0076】
特定部138は、トランザクションが示すトークンの移転の回数に基づいて、トークンの保有者に付与される便益を特定する。一例として、特定部138は、トークンの移転の回数が多いほど、トークンの保有者に付与される便益が大きくなるよう、トークンの保有者に付与される便益を特定する。
【0077】
この場合、発行されたトークンにおいては、トークンの移転回数と、移転回数に応じて付与される便益の内容とがさらに含まれている。なお、トークンにおいては、トークンの移転回数と、移転回数に応じて付与される便益の内容に変えて、それらの情報にアクセスするためのURI(Universal Resource Identifier)が含まれていてもよい。
【0078】
図6は、この場合に発行されるトークンの一例を示す図である。トークンにおいては、「トークンID」、「発行者」、「保有者」、「発行日時」、及び「便益」を含む。「トークンID」は、発行されたトークンのトークンIDを示す。「発行者」は、当該トークンを発行した発行者を示す。「発行者」は、ユーザに付与される便益の原資を提供する事業者であってもよい。「保有者」は、トークンの発行を受けたユーザを示す。「発行日時」は、当該トークンが発行された日時を示す。「便益」は、トークンの移転回数と移転回数に応じて付与される便益の内容を含む。一例として、図6に示すトークンにおいては、「移転回数が1~2回である場合、1%のポイントでのキャッシュバック」、「移転回数が3~4回である場合、2%のポイントでのキャッシュバック」、「移転回数が5回以上である場合、3%のポイントでのキャッシュバック」の便益が付与されることが含まれている。
【0079】
特定部138は、受付部131が利用要求を受け付けた場合、取得部132が取得したトランザクションに基づいて提示されたトークンが移転された回数を特定する。特定部138は、特定した移転回数にトークンに含まれる付与される便益を示す情報において対応する便益の内容を特定する。便益付与部134は、特定部138が特定した便益をユーザに付与するための処理をする。
【0080】
なお、特定部138は、同一のユーザに再度移転された場合には、同一のユーザへの再度の移転を移転回数に含めないように移転回数を特定してもよい。すなわち、特定部138は、トランザクションに含まれる移転先のユーザが、トークンの発行を受けたユーザ又はそれ以前の移転処理において移転先となったユーザと同一のユーザである場合、当該移転処理を移転回数としてカウントしない。
【0081】
情報処理装置1Aがこのように構成されることで、ユーザに移転をする動機付けをより強く与えることができ、サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減することができる。
【0082】
<変形例2>
上記の説明においては、トークンが移転されたことを条件としてトークンの利用を許可する例を説明したが、トークンが移転された場合にトークンが有効化されるよう構成されてもよい。図7は、この変形例にかかる情報処理装置1Bの構成を示すブロック図である。
【0083】
情報処理装置1Bは、有効化処理部139をさらに有する。有効化処理部139は、トークンの移転を条件にトークンを有効化させる。有効化処理部139は、移転処理部137がトークンの移転を記録したことを契機として、当該トークンが有効化されたことをブロックチェーンBに記録させる。
【0084】
判定部133は、受付部131がトークンの利用要求を受け付けた場合であって、トークンが有効化されている場合、トークンの利用を許可する。判定部133は、取得部132が取得したトランザクションにおいて、利用要求に含まれるトークンIDが示すトークンが有効化されたことがブロックチェーンに記録されているかを判定する。トークンが有効化されたことがブロックチェーンに記録されている場合、判定部133は、当該トークンの利用を許可することを判定する。判定部133は、トークンの利用要求を受け付けた場合であって、トークンが有効化されていない場合、トークンの利用を許可しないことを判定する。
【0085】
情報処理装置1がこのように構成されることで、トークンの利用可否をより簡易な処理で判定することができる。
【0086】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0087】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0088】
1 情報処理装置
2 ユーザ端末
3 店舗端末
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 受付部
132 取得部
133 判定部
134 便益付与部
136 通知部
137 移転処理部
138 特定部
139 有効化処理部
【要約】
【課題】サービスとの接点が少ない新たな顧客にアプローチする負担を軽減する。
【解決手段】ブロックチェーンに記録されたトークンであって、店舗において所定の便益を受ける権利を示すトークンの利用要求を受け付ける受付部131と、トークンについての取引の履歴を示すトランザクションをブロックチェーンから取得する取得部132と、トランザクションにおいて、トークンが移転された履歴があることを条件としてトークンの利用を許可する判定部133と、を有する情報処理装置1である。
【選択図】図2

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7