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特許7525721バッテリーモジュールのハウジング溶接部に対する疲労破損検証装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】バッテリーモジュールのハウジング溶接部に対する疲労破損検証装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/289 20210101AFI20240723BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240723BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240723BHJP
【FI】
H01M50/289
H01M50/209
H01M50/204 401D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023502839
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 KR2021016282
(87)【国際公開番号】W WO2022103132
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】10-2020-0149662
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ドン-ウク・キム
(72)【発明者】
【氏名】ヨン-イル・キム
(72)【発明者】
【氏名】ス-ハン・イ
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-106930(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0136192(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0308186(US,A1)
【文献】特開2012-114030(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0142513(KR,A)
【文献】特開2018-116914(JP,A)
【文献】特開2015-161514(JP,A)
【文献】特開2012-064508(JP,A)
【文献】中国実用新案第201653812(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
G01N3/00-3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接部を備えるモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングに収容される複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、を備えるバッテリーモジュールにおける前記溶接部の疲労破損を検証する疲労破損検証装置であって、
セル積層体の積層方向の中心部に介在される少なくとも一つのメインフレキシブルチューブと、
前記メインフレキシブルチューブを収容し、前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルと対面するように両側に形成された一対の開口部を備えるメインフレキシブルチューブフレームと、
充放電を行わずとも実際のバッテリーモジュールにおけるスウェリング発生環境に類似する環境を提供するように、前記メインフレキシブルチューブに流体を供給して前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルに加える圧力を調節するポンプと、を含む、疲労破損検証装置。
【請求項2】
溶接部を備えるモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングに収容される複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、を備えるバッテリーモジュールにおける前記溶接部の疲労破損を検証する疲労破損検証装置であって、
セル積層体の積層方向の中心部に介在される少なくとも一つのメインフレキシブルチューブと、
前記メインフレキシブルチューブを収容し、前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルと対面するように両側に形成された一対の開口部を備えるメインフレキシブルチューブフレームと、
前記メインフレキシブルチューブに流体を供給して前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルに加える圧力を調節するポンプと、
前記モジュールハウジングの上部プレートとセル積層体との間及び前記モジュールハウジングの上部プレートとメインフレキシブルチューブフレームとの間と、前記モジュールハウジングの下部プレートとセル積層体との間及び前記モジュールハウジングの下部プレートとメインフレキシブルチューブフレームとの間に各々介在される一対のサブフレキシブルチューブと、を含む、疲労破損検証装置。
【請求項3】
前記ポンプは、
前記メインフレキシブルチューブ及びサブフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールすることを特徴とする、請求項2に記載の疲労破損検証装置。
【請求項4】
溶接部を備えるモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングに収容される複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、を備えるバッテリーモジュールにおける前記溶接部の疲労破損を検証する疲労破損検証装置であって、
セル積層体の積層方向の中心部に介在される少なくとも一つのメインフレキシブルチューブと、
前記メインフレキシブルチューブを収容し、前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルと対面するように両側に形成された一対の開口部を備えるメインフレキシブルチューブフレームと、
前記メインフレキシブルチューブに流体を供給して前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルに加える圧力を調節するポンプと、を含み、
前記疲労破損検証装置が、一対の支持壁の間に配置され、
前記疲労破損検証装置が、前記モジュールハウジングの長手方向の一側と支持壁との間、及び前記モジュールハウジングの長手方向の他側と支持壁との間に各々介在される複数の変位センサーをさらに含む、疲労破損検証装置。
【請求項5】
前記疲労破損検証装置が、
前記セル積層体の積層方向における両側の最外郭に各々備えられる一対の緩衝パッドをさらに含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の疲労破損検証装置。
【請求項6】
前記メインフレキシブルチューブは複数個が備えられ、
複数の前記メインフレキシブルチューブが、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの幅方向に沿って積層されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の疲労破損検証装置。
【請求項7】
前記メインフレキシブルチューブは、複数個が備えられ、
複数の前記メインフレキシブルチューブが、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの長手方向に沿って積層されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の疲労破損検証装置。
【請求項8】
前記メインフレキシブルチューブは、複数個が備えられ、
複数の前記メインフレキシブルチューブが、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの幅方向及び長手方向に沿って積層されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の疲労破損検証装置。
【請求項9】
前記ポンプが、複数の前記メインフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールすることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の疲労破損検証装置。
【請求項10】
溶接部を備えるモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングに収容される複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、を備えるバッテリーモジュールにおける前記溶接部の疲労破損を検証する疲労破損検証装置であって、
セル積層体の積層方向の中心部に介在される複数個のメインフレキシブルチューブと、
前記メインフレキシブルチューブを収容し、前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルと対面するように両側に形成された一対の開口部を備えるメインフレキシブルチューブフレームと、
前記メインフレキシブルチューブに流体を供給して前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルに加える圧力を調節するポンプと、
前記モジュールハウジングの上部プレート及び下部プレートと前記セル積層体との間と、前記モジュールハウジングの上部プレート及び下部プレートと前記メインフレキシブルチューブフレームとの間に各々介在される一対のサブフレキシブルチューブを含み、
前記ポンプは、
複数の前記メインフレキシブルチューブ及び前記一対のサブフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールする、疲労破損検証装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーモジュールのハウジング溶接部に対する疲労破損検証装置に関し、より詳しくは、バッテリーモジュールにおいてハウジングの内部に収容されるバッテリーセルのスウェリングによってハウジングに反復的に疲労が累積する現象を可能な限り実際に近く具現するように構成された疲労破損検証装置に関する。
【0002】
本出願は、2020年11月10日出願の韓国特許出願第10-2020-0149662号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
バッテリーモジュールに対する充放電が反復されることによってバッテリーセルのスウェリング現象によるバッテリーセルの膨張及び収縮が反復的に発生し、これによってバッテリーセルを収容するハウジングの溶接部には疲労累積が発生して結局はハウジングの破損が発生し得る。このような溶接部の破損を防止するために、ハウジングを構成するプレート間の溶接部の材質、厚さ、溶接深さなどに対する設計がバッテリーセルのスウェリングを考慮して行われるべきであるが、充放電による疲労試験は非常に長い時間を要するので、実際と類似の条件が提供可能な検証装置の開発が求められる。
【0004】
図1を参照すると、従来の溶接部疲労破損検証装置が示されている。このような従来の溶接部疲労破損検証装置は、ハウジング1の内部にバッテリーセル2及び緩衝パッド3を配置し、バッテリーセル積層体の中心部には小型油圧機器を配置した構造を有する。
【0005】
このような構造を有する溶接部疲労破損検証装置は、バッテリーセル2の面方向の膨張及び収縮の反復による疲労累積を具現することで、溶接部1aの破損有無に対するシミュレーションを通じてハウジング溶接部の設計に一部助けになることはある。
【0006】
しかし、このような構造を有する溶接部疲労破損検証装置は、バッテリーセルの全体面積に対して均一な力を加えにくい構造であり、特に、バッテリーモジュールの大きさが小さい場合、非常に小さいサイズの油圧機器のみが設置可能であるため、十分な力を加えにくいという不具合も存在する。
【0007】
そこで、従来の溶接部疲労破損検証装置と比較して、実際のバッテリーモジュールにおけるスウェリング発生環境により類似な環境が提供可能な溶接部疲労破損検証装置の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、実際のバッテリーモジュールにおけるスウェリング発生環境に類似な環境を提供することでモジュールハウジングの溶接部に対する設計が適切に行われるようにすることを目的とする。
【0009】
但し、本発明が解決しようとする技術的課題は、前述の課題に制限されず、言及していないさらに他の課題は、下記する発明の説明から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を達成するための本発明の一実施例による疲労破損検証装置は、溶接部を備えるモジュールハウジングと、前記モジュールハウジングに収容される複数のバッテリーセルを含むセル積層体と、セル積層体の積層方向の中心部に介在される少なくとも一つのメインフレキシブルチューブと、前記メインフレキシブルチューブを収容し、前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルと対面するように両側に形成された一対の開口部を備えるメインフレキシブルチューブフレームと、前記メインフレキシブルチューブに流体を供給して前記メインフレキシブルチューブが前記バッテリーセルに加える圧力を調節するポンプと、を含む。
【0011】
前記疲労破損検証装置は、前記モジュールハウジングの上部プレートとセル積層体との間及び前記モジュールハウジングの上部プレートとメインフレキシブルチューブフレームとの間と、前記モジュールハウジングの下部プレートとセル積層体との間及び前記モジュールハウジングの下部プレートとメインフレキシブルチューブフレームとの間に各々介在される一対のサブフレキシブルチューブをさらに含み得る。
【0012】
前記ポンプは、前記メインフレキシブルチューブ及びサブフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールし得る。
【0013】
前記疲労破損検証装置は、一対の支持壁の間に配置され、前記疲労破損検証装置は、前記モジュールハウジングの長手方向の一側と支持壁との間、及び前記モジュールハウジングの長手方向の他側と支持壁との間に各々介在される複数の変位センサーをさらに含み得る。
【0014】
前記疲労破損検証装置は、前記セル積層体の積層方向における両側の最外郭に各々備えられる一対の緩衝パッドをさらに含み得る。
【0015】
前記メインフレキシブルチューブは複数個が備えられ、複数の前記メインフレキシブルチューブは、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの幅方向に沿って積層され得る。
【0016】
前記メインフレキシブルチューブは、複数個が備えられ、複数の前記メインフレキシブルチューブが、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの長手方向に沿って積層され得る。
【0017】
前記メインフレキシブルチューブは、複数個が備えられ、複数の前記メインフレキシブルチューブは、前記メインフレキシブルチューブフレーム内で前記バッテリーセルの幅方向及び長手方向に沿って積層され得る。
【0018】
前記ポンプは、複数の前記メインフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールし得る。
【0019】
前記疲労破損検証装置は、前記モジュールハウジングの上部プレート及び下部プレートと前記セル積層体との間と、前記モジュールハウジングの上部プレート及び下部プレートと前記メインフレキシブルチューブフレームとの間に各々介在される一対のサブフレキシブルチューブをさらに含み、前記ポンプは、複数の前記メインフレキシブルチューブ及び前記一対のサブフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールし得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一面によれば、実際のバッテリーモジュールにおけるスウェリング発生環境と類似の環境を提供することでモジュールハウジングの溶接部に対する設計が適切に行われるようにすることができる。
【0021】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の溶接部疲労破損検証装置を示す図である。
図2】本発明の第1実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図3】本発明の第1実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図4】本発明の第1実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図5】本発明の第2実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図6】本発明の第2実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図7】本発明の第3実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図8】本発明の第3実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図9】本発明の第4実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
図10】本発明の第4実施例による疲労破損検証装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0024】
図2図4を参照すると、本発明の第1実施例による疲労破損検証装置は、モジュールハウジング10と、複数のバッテリーセル20を含むセル積層体と、メインフレキシブルチューブ31と、ポンプ35と、メインフレキシブルチューブフレーム40と、を含む。前記疲労破損検証装置は、上述した構成要素の他に、一対のサブフレキシブルチューブ50及び/または一対の緩衝パッド60及び/または複数の変位センサー70をさらに含み得る。
【0025】
前記モジュールハウジング10は、複数のプレートが互いに溶接されて形成され、これによってその一部に形成された溶接部10aを備える。
【0026】
前記セル積層体は、モジュールハウジング10内に収容される。前記セル積層体をなすバッテリーセル20は、例えば、パウチ型のバッテリーセルであり得る。前記バッテリーセル20は、モジュールハウジング10内でモジュールハウジング10の幅方向(Y軸に平行な方向)に沿って延びた形態を有する。
【0027】
即ち、本明細書において、バッテリーセル20の長手方向(Y軸に平行な方向)とモジュールハウジング10の幅方向(Y軸に平行な方向)は、互いに同じ方向を意味する。前記バッテリーセル20は、その長さ方向(Y軸に平行な方向)に沿って互いに同じ方向または互いに反対方向へ引き出される一対の電極リード21を備える。
【0028】
前記メインフレキシブルチューブ31は、セル積層体の積層方向(X軸に平行な方向)の中心部に介在される。即ち、前記メインフレキシブルチューブ31は、セル積層体をなす複数のバッテリーセル20のうち中心部に位置する一対のバッテリーセル20の間に介在される。前記メインフレキシブルチューブ31は、ポンプ35から供給される流体によって膨脹し、これによってメインフレキシブルチューブ31の両側に位置するバッテリーセル20をモジュールハウジング10の側壁に向かう方向へ加圧する。図2図4に示した本発明の第1実施例による疲労破損検証装置は、一つのメインフレキシブルチューブ31を備える。
【0029】
前記ポンプ35は、モジュールハウジング10の外側に備えられ、メインフレキシブルチューブ30に流体を供給してメインフレキシブルチューブ31が対面するバッテリーセル20に加える圧力を調節する。
【0030】
一方、後述するように、本発明による疲労破損検証装置は、メインフレキシブルチューブ31の他に一対のサブフレキシブルチューブ50をさらに含み得る。この場合、前記ポンプ35は、メインフレキシブルチューブ31とサブフレキシブルチューブ50に供給される流体の量を各々個別的に調節し得る。
【0031】
また、後述すように、本発明による疲労破損検証装置は、メインフレキシブルチューブ32、33、34を複数個備え得る。この場合、前記ポンプ35は、複数のメインフレキシブルチューブ32、33、34に供給される流体の量を各々個別的に調節し得る。本発明による疲労破損検証装置がメインフレキシブルチューブ32、33、34を複数個含み、これに加えて一対のサブフレキシブルチューブ50をさらに備える場合、ポンプ35は、複数のメインフレキシブルチューブ32、33、34と一対のサブフレキシブルチューブ50に供給される流体の量を各々個別的に調節し得る。
【0032】
前記ポンプ35は、上述したように複数のフレキシブルチューブに供給される流体の量を個別的にコントロールするために、互いに物理的に分離した複数のユニットポンプを含み得る。
【0033】
前記メインフレキシブルチューブフレーム40は、モジュールハウジング10内にメインフレキシブルチューブ31を収容する。前記メインフレキシブルチューブフレーム40は、メインフレキシブルチューブ31がバッテリーセル20と対面するように両側に形成された一対の開口部を備える。
【0034】
前記メインフレキシブルチューブフレーム40は、開口部が形成された方向、即ち、セル積層体の積層方向(X軸に平行な方向)を除いた残りの方向へはフレキシブルチューブフレーム40が膨脹できないようにフレキシブルチューブフレーム40の体積膨張方向を制限する。前記フレキシブルチューブフレーム40を適用することで、メインフレキシブルチューブ31は、対面するバッテリーセル20をセル積層体の積層方向(X軸に平行な方向)のみへ加圧する。即ち、前記メインフレキシブルチューブ31は、バッテリーセル20のスウェリング時に発生するバッテリーセル20の厚さ方向(X軸に平行な方向)への膨張による加圧力を発生させるための構成要素である。
【0035】
前記サブフレキシブルチューブフレーム50は、メインフレキシブルチューブ31とは異なり、バッテリーセル20のスウェリング時に発生するバッテリーセル20の幅方向(Z軸に平行な方向)への膨張による加圧力を発生させるための構成要素である。パウチ型のバッテリーセルを含むセル積層体において、スウェリングによる体積膨張はほとんど積層方向に沿って発生するが、バッテリーセル20の幅方向(Z軸に平行な方向)に沿って発生する体積膨張も一部存在する。このようなことを勘案し、本発明による疲労破損検証装置は、サブフレキシブルチューブフレーム50を含み得る。
【0036】
前記サブフレキシブルチューブフレーム50は、一対が備えられ得る。一対のサブフレキシブルチューブフレーム50のうち一つは、モジュールハウジング10の上部プレートとセル積層体との間及びモジュールハウジング10の上部プレートとメインフレキシブルチューブフレーム40との間に介在される。一対のサブフレキシブルチューブフレーム50のうち残りの一つは、モジュールハウジング10の下部プレートとセル積層体との間及びモジュールハウジング10の下部プレートとメインフレキシブルチューブフレーム40との間に介在される。
【0037】
前記一対の緩衝パッド60は、セル積層体の積層方向(X軸に平行な方向) 両側の最外郭に各々備えられる。
【0038】
前記変位センサー70は、モジュールハウジング10の長手方向の一側及び他側に各々複数個が備えられ得る。前記疲労破損検証装置は、一対の支持壁Wの間に配置され得る。この場合、複数の変位センサー70は、各々モジュールハウジング10の長手方向の一側と支持壁Wとの間及びモジュールハウジング10の長手方向の他側と支持壁Wとの間に介在される。
【0039】
前記変位センサー70は、メインフレキシブルチューブフレーム40が膨張による加圧力によってモジュールハウジング10の長手方向(X軸に平行な方向)の両側に位置する一対の側壁が変形される場合、その変形量を測定する。
【0040】
図5及び図6に示した本発明の第2実施例による疲労破損検証装置、図7 及び図8に示した本発明の第3実施例による疲労破損検証装置、図9及び図10に示した本発明の第4実施例による疲労破損検証装置は、上述した実施例と比較して、メインフレキシブルチューブ32、33、34の具備個数及びメインフレキシブルチューブフレーム40内における配置形態が相違するだけであり、残りの構成要素は実質的に同一であり、それによる作用効果も実質的に非常に類似である。
【0041】
したがって、本発明の第2~4実施例による疲労破損検証装置を説明するに際し、メインフレキシブルチューブ32、33、34の具備個数及び配置形態を中心にして説明し、第1実施例と重複する説明は省略する。
【0042】
先ず、図5及び図6を参照すると、本発明の第2実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ32を含み、複数のメインフレキシブルチューブ32は、メインフレキシブルチューブフレーム40内でバッテリーセル20の幅方向(Z軸に平行な方向)に沿って積層される。この場合、前記ポンプ35は、各々のメインフレキシブルチューブ32に供給される流体の量を個別的にコントロールできる。これによって、前記複数のメインフレキシブルチューブ32は、バッテリーセル20の幅方向に沿って位置毎に異なる力で加圧可能である。実際にバッテリーセル20のスウェリング発生時にバッテリーセル20の幅方向に沿って位置毎にスウェリングによる体積膨張の程度が相違に示されることがあり、本発明の第2実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ32が相異なる力でバッテリーセル20を加圧できるので、実際のスウェリング発生時と類似の環境を作ることができるのである。
【0043】
次に、図7及び図8を参照すると、本発明の第3実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ33を含み、複数のメインフレキシブルチューブ33は、メインフレキシブルチューブフレーム40内でバッテリーセル20の長手方向(Y軸に平行な方向)に沿って積層される。この場合、前記ポンプ35は、各々のメインフレキシブルチューブ33に供給される流体の量を個別的にコントロールできる。これによって、前記複数のメインフレキシブルチューブ33は、バッテリーセル20の長手方向に沿って位置毎に異なる力で加圧可能である。実際にバッテリーセル20のスウェリング発生時にバッテリーセル20の長手方向に沿って位置毎にスウェリングによる体積膨張の程度が相違に示されることがあり、本発明の第3実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ33が相異なる力でバッテリーセル20を加圧可能できるので、実際のスウェリング発生時と類似の環境を作ることができる。
【0044】
次に、図9及び図10を参照すると、本発明の第4実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ34を含み、複数のメインフレキシブルチューブ34は、メインフレキシブルチューブフレーム40内でバッテリーセル20の長手方向及び幅方向に沿って積層される。この場合、前記ポンプ35は、各々のメインフレキシブルチューブ34に供給される流体の量を個別的にコントロールできる。これによって、前記複数のメインフレキシブルチューブ34は、バッテリーセル20の長手方向及び幅方向に沿って位置毎に異なる力で加圧可能である。実際にバッテリーセル20のスウェリング発生時にバッテリーセル20の長手方向及び幅方向に沿って位置毎にスウェリングによる体積膨張の程度が相違に示されることがあり、本発明の第4実施例による疲労破損検証装置は、複数のメインフレキシブルチューブ34が相異なる力でバッテリーセル20を加圧できるので、実際のスウェリング時と類似の環境を作ることができる。
【0045】
以上、本発明を限定された実施例と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野におけり通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0046】
10 モジュールハウジング
10a 溶接部
20 バッテリーセル
21 電極リード
30~34 メインフレキシブルチューブ
35 ポンプ
40 メインフレキシブルチューブフレーム
50 サブフレキシブルチューブ
60 緩衝パッド
70 変位センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10