(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置用加熱構造及びエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240723BHJP
【FI】
A24F40/465
(21)【出願番号】P 2023503242
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 CN2022119112
(87)【国際公開番号】W WO2023016577
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】202110908975.4
(32)【優先日】2021-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517223060
【氏名又は名称】深▲セン▼市基克納科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Geekvape Technology Co., LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リユ カイユー
(72)【発明者】
【氏名】モー ヘーチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン シィジェン
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/228803(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第111264911(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112806620(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル形成基質を収容する加熱キャビティを有し、エアロゾル形成基質の側面を加熱するように構成される加熱管と、
前記加熱管の端部に取り付けられ、前記加熱キャビティに連通する第1の吸気孔を有し、電磁加熱によりエアロゾル形成基質に
入る空気を加熱するように構成される電磁加熱器と、を含
み、
前記加熱管内には加熱体が設けられ、前記加熱体は、エアロゾル形成基質と接触して、エアロゾル形成基質の側面を加熱するように構成される、
ことを特徴とするエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項2】
前記加熱管内には上部取付筒及び下部取付筒が設けられ、前記加熱体は筒状構造であり、前記加熱体は前記上部取付筒と下部取付筒との間に位置し、前記加熱キャビティは前記加熱体内に位置し、
前記電磁加熱器は、電磁誘導コイル及び電磁誘導発熱コアを含み、前記電磁誘導コイルは前記下部取付筒の外側に位置し、前記電磁誘導発熱コアは前記下部取付筒の内側に位置し、前記電磁誘導発熱コアは前記第1の吸気孔を有し、前記電磁誘導コイルは電磁誘導により電磁誘導発熱コアを加熱するように構成される、
ことを特徴とする請求項
1に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項3】
前記電磁誘導発熱コアは筒状構造であり、前記第1の吸気孔は前記電磁誘導発熱コアの円周上に分布している、
ことを特徴とする請求項
2に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項4】
前記加熱体と前記下部取付筒との間には、前記加熱体、前記電磁誘導コイル、及び前記電磁誘導発熱コアを固定するための固定部材が設けられ、前記固定部材は、前記加熱キャビティと前記第1の吸気孔とを連通する貫通孔を更に有する、
ことを特徴とする請求項
2に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項5】
前記下部取付筒の前記固定部材から離れた一端には、ストッパが設けられ、前記ストッパと前記固定部材は、前記電磁誘導コイルと電磁誘導発熱コアとが径方向に揃うように、前記電磁誘導コイルを前記下部取付筒上に位置規制する、
ことを特徴とする請求項
4に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項6】
前記固定部材は、係止接続により前記上部取付筒及び前記下部取付筒にそれぞれ接続される、
ことを特徴とする請求項
4に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項7】
前記上部取付筒の前記下部取付筒から離れた一端には、上部接続キャップを有し、前記上部接続キャップは前記加熱管の上端を覆って取り付けられ、前記上部接続キャップは前記加熱キャビティに連通する貫通孔を有し、
前記下部取付筒の前記上部取付筒から離れた一端には、下部接続キャップを有し、前記下部接続キャップは前記加熱管の下端を覆って取り付けられ、前記下部接続キャップは前記加熱管の下端を密封する、
ことを特徴とする請求項
2に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項8】
前記下部取付筒と前記加熱管は、揃えている第2の吸気孔を有する、
ことを特徴とする請求項
2に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造。
【請求項9】
請求項1乃至請求項
8のいずれか1項に記載のエアロゾル発生装置用加熱構造を含む、
ことを特徴とするエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置の技術分野に関し、具体的には、エアロゾル発生装置用加熱構造及びエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非燃焼加熱タバコは、重要な新型の烟草製品であり、タバコを直接燃焼するのではなく、外部の熱源で烟草材料を加熱して煙を発生させて、喫煙者に生理的に満足できる喫煙効果を達成するものである。従来の紙巻きタバコと比較すると、非燃焼加熱タバコは、燃焼過程がなく、タール、一酸化炭素等の有害物質を発生せず、喫煙による消費者及び周囲の人々に対する危害を大幅に減少した。
【0003】
非燃焼加熱タバコのコエアロゾル形成基質は、エアロゾル発生装置によって加熱して喫煙する必要があり、発熱不燃焼タバコ内には、熱エネルギーを発生させてタバコを加熱するための加熱体が設けられる。しかしながら、現在の非燃焼加熱タバコは、加熱体がタバコの側面から加熱するだけで、タバコの底部と内部が均一且つ徹底的にベークされ難く、喫煙効果が理想的ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、主に非燃焼加熱エアロゾル形成基質のベークが不均一且つ不徹底である問題を解決するための、エアロゾル発生装置用加熱構造及びエアロゾル発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によると、一実施例において、エアロゾル形成基質を収容する加熱キャビティを有し、エアロゾル形成基質の側面を加熱するように構成される加熱管と、前記加熱管の端部に取り付けられ、前記加熱キャビティに連通する第1の吸気孔を有し、電磁加熱によりエアロゾル形成基質に入った空気を加熱するように構成される電磁加熱器と、を含むエアロゾル発生装置用加熱構造を提供する。
【0006】
一実施例において、前記加熱管内の一端には、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するための加熱体が設けられ、前記加熱管内の他端には、前記電磁加熱器が設けられる。
【0007】
一実施例において、前記加熱管内には上部取付筒及び下部取付筒が設けられ、前記加熱体は筒状構造であり、前記加熱体は前記上部取付筒と下部取付筒との間に位置し、前記加熱キャビティは前記加熱体内に位置し、前記電磁加熱器は、電磁誘導コイル及び電磁誘導発熱コアを含み、前記電磁誘導コイルは前記下部取付筒の外側に位置し、前記電磁誘導発熱コアは前記下部取付筒の内側に位置し、前記電磁誘導発熱コアは前記第1の吸気孔を有し、前記電磁誘導コイルは電磁誘導により電磁誘導発熱コアを加熱するように構成される。
【0008】
一実施例において、前記電磁誘導発熱コアは筒状構造であり、前記第1の吸気孔は前記電磁誘導発熱コアの円周上に分布している。
【0009】
一実施例において、前記加熱体と前記下部取付筒との間には、前記加熱体、前記電磁誘導コイル、及び前記電磁誘導発熱コアを固定するための固定部材が設けられ、前記固定部材は、前記加熱キャビティと前記第1の吸気孔とを連通する貫通孔を更に有する。
【0010】
一実施例において、前記下部取付筒の前記固定部材から離れた一端には、ストッパが設けられ、前記ストッパと前記固定部材は、前記電磁誘導コイルと電磁誘導発熱コアとが径方向に揃うように、前記電磁誘導コイルを前記下部取付筒上に位置規制する。
【0011】
一実施例において、前記固定部材は、係止接続により前記上部取付筒及び前記下部取付筒にそれぞれ接続される。
【0012】
一実施例において、前記上部取付筒の前記下部取付筒から離れた一端には、上部接続キャップを有し、前記上部接続キャップは前記加熱管の上端を覆って取り付けられ、前記上部接続キャップは前記加熱キャビティに連通する貫通孔を有し、前記下部取付筒の前記上部取付筒から離れた一端には、下部接続キャップを有し、前記下部接続キャップは前記加熱管の下端を覆って取り付けられ、前記下部接続キャップは前記加熱管の下端を密封する。
【0013】
一実施例において、前記下部取付筒と前記加熱管は、揃えている第2の吸気孔を有する。
【0014】
第2の態様によると、一実施例において、上記のエアロゾル発生装置用加熱構造を含むエアロゾル発生装置を提供する。
【0015】
上記実施例のエアロゾル発生装置用加熱構造及びエアロゾル発生装置によれば、加熱構造は、エアロゾル形成基質の側面(周方向)を加熱するための加熱管と、エアロゾル形成基質に入った空気を加熱するための電磁加熱器とを備えるため、加熱構造によってエアロゾル形成基質の側面を加熱することができ、更にエアロゾル形成基質に入った空気を加熱することができ、エアロゾル形成基質に対する均一且つ徹底的なベークを実現し、より良好な喫煙効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施例における加熱構造の構造模式図である。
【
図2】一実施例における加熱構造の軸方向の分解模式図である。
【
図3】一実施例における加熱構造の軸方向の分解模式図である。
【
図4】一実施例における加熱構造の軸方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、具体的な実施形態により図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。各実施形態における類似した要素には、関連する類似した符号を標記する。以下の実施形態において、本発明をより良好に理解できるようにするために、多くの詳細を説明する。しかしながら、当業者であれば、その中の一部の特徴を場合によって省略してもよいし、他の要素や材料、方法に置き換えてもよいことを容易に理解できる。いくつかの場合では、本発明に関連するいくつかの操作は、明細書に示すか説明しておらず、これは本発明の肝心な部分が過度の説明に埋もれることを回避するためである。当業者であれば、これらの関連操作の詳細な説明は必要ではなく、明細書の説明及び当該技術分野の一般的な技術的知識に基づいて関連操作を理解することができる。
【0018】
また、明細書に説明された特点、動作、又は特徴は、任意の適切な方法で組み合わせて様々な実施形態を形成することができる。なお、方法の説明における各ステップ又は動作は、当業者には明らかである方式で、順序を入れ替えたり、調整したりすることができる。したがって、明細書及び図面における各順序は、単に特定の実施例を明確に説明するためのものであり、特に断らない限り、必要な順序でないことを意味するものではない。
【0019】
本明細書における「第1」、「第2」等の部品番号自体は、説明される対象を区別するために使用され、順序又は技術的な意味を持たない。本発明に言及される「接続」、「連結」とは、特に断らない限り、直接的及び間接的な接続(連結)を含むものとする。本明細書における上下位置の説明は、図面における上下位置の関係であり、実際の製品には上下の違いはない。
【0020】
実施例1:
本実施例は、エアロゾル発生装置用加熱構造を提供する。本実施例における加熱体は、非燃焼加熱エアロゾル形成基質を加熱してベークするための熱源であり、エアロゾル形成基質は、非燃焼加熱タバコである。本実施例の加熱体は、非燃焼加熱エアロゾル形成基質の側面及びエアロゾル形成基質内に入った空気を、同時に又は順次に加熱することができ、エアロゾル形成基質を均一且つ徹底的にベークすることができ、より良好な喫煙効果を有する。
【0021】
図1乃至
図4を参照すると、本実施例のエアロゾル発生装置用加熱構造は、主に、加熱管1と、加熱体2と、電磁加熱器3とを備える。
【0022】
加熱管1は中空の筒状構造であり、加熱管1内には上部取付筒4及び下部取付筒5が取り付けられ、上部取付筒4及び下部取付筒5は、加熱管1内の上端及び下端にそれぞれ取り付けられ、上部取付筒4内には加熱キャビティが形成される。加熱体2は筒状構造であり、加熱体2は上部取付筒4と下部取付筒5との間に取り付けられ、加熱体2内のキャビティは加熱キャビティであり、加熱体は従来の既知の加熱材料を採用することができる。例えば、加熱体2は、接触抵抗加熱を採用し、電気エネルギーを熱エネルギーに変換するために用いられる。加熱体2は、エアロゾル形成基質7(タバコ)と直接接触して、非燃焼加熱エアロゾル形成基質の周方向を加熱するように構成される。
【0023】
加熱管1、上部取付筒4及び下部取付筒5は、いずれもPEEK材質であり、加熱管1と上部取付筒4、又は、加熱管1と下部取付筒5は、一体構造であり、上部取付筒4と下部取付筒5の一方を着脱することにより、加熱体2と電磁加熱器3の取り付けを実現することができる。
【0024】
他の実施例において、上部取付筒4と加熱体2は一体構造であり、加熱体2は上部取付筒4の内部に設けられることにより、周方向の加熱の役割も果たすことができる。
【0025】
本実施例において、上部取付筒4の上端には上部接続キャップ41を有し、上部接続キャップ41は加熱キャビティに連通する貫通孔を有し、上部接続キャップ41は加熱管1の上端に適合し、上部接続キャップ41は加熱管1の上端を覆って取り付けられ、上部接続キャップ41は、上部取付筒4を加熱管1の上端に固定させる。同様に、下部取付筒5の下端には下部接続キャップ51が設けられ、下部接続キャップ51は加熱管1の下端に適合し、下部接続キャップ51は加熱管1の下端を覆って取り付けられ、下部接続キャップ51は、下部取付筒5を加熱管1の下端に固定させ、下部接続キャップ51は貫通孔を有さず、下部接続キャップ51は、加熱管1の下端を密封するために用いられる。
【0026】
他の実施例において、加熱管1の上下の両端には突起した接続構造がそれぞれ設けられることにより、上部取付筒4及び下部取付筒5を加熱管1の上下の両端にそれぞれ固定させることもできる。
【0027】
本実施例において、電磁加熱器3は電磁誘導コイル31及び電磁誘導発熱コア32を含み、電磁誘導コイル31の内径は、下部取付筒5の外径よりも大きく、電磁誘導コイル31は、下部取付筒5の外側に装着される。電磁誘導発熱コア32は筒状構造であり、一端が閉塞構造であり、電磁誘導発熱コア32の外径は、下部取付筒5の内径よりも小さく、電磁誘導発熱コア32は、下部取付筒5内に取り付けられる。電磁誘導発熱コア32は金属材質であり、電磁誘導コイル31に通電すると、電磁誘導コイル31は、電磁誘導の原理により電磁誘導発熱コア32を加熱する。電磁誘導発熱コア32の周方向には、均一に分布した複数の第1の吸気孔321が設けられ、第1の吸気孔321は、加熱キャビティに連通し、電磁誘導発熱コア32は、第1の吸気孔321内の空気を加熱することができ、更にエアロゾル形成基質7に入った空気によってその内部の加熱を実現する。
【0028】
下部取付筒5の下端及び加熱管1の下端には、揃えている第2の吸気孔11が設けられ、第2の吸気孔11は、空気を第1の吸気孔321に導入して加熱し、気流の導通を実現するように構成される。第2の吸気孔11は、下部接続キャップ51の端面に直接設けられてもよく、気流の導通の役割を果たすこともできる。
【0029】
本実施例において、加熱管1内の中央部には固定部材6が更に設けられ、固定部材6は環状構造であり、固定部材6は加熱体2と下部取付筒5との間に設けられる。固定部材6は複数の役割を有しており、その一つの役割は、加熱体2と下部取付筒5との位置を規制することであり、もう一つの役割は、電磁誘導コイル31と電磁誘導発熱コア32との位置を規制することである。
【0030】
具体的には、上部取付筒4の外径は下部取付筒5の外径よりも大きく、上部取付筒4の内径は加熱体2の内径と同一であり、上部取付筒4と加熱体2は直列に接続して、エアロゾル形成基質7を挿入するために用いられる。固定部材6は、大環状構造と小環状構造とが軸方向に並んで形成され、大環状構造と小環状構造との間には、上向きの段差部が形成され、固定部材6の大環状構造の内径は、加熱体2の外径と同等かそれよりやや大きく、加熱体2の下端は、固定部材6上端の段差部に挿入して接続される。固定部材6の小環状構造の外径は、下部取付筒5の内径と同等かやや小さく、固定部材6の小環状構造は、下部取付筒5内に係入され、固定部材6は加熱体2と下部取付筒5との間に接続されて、加熱体2と下部取付筒5との間の相互の位置規制を実現する。
【0031】
固定部材6の小環状構造は下部取付筒5の内側段部内に係入されることにより、更に電磁誘導発熱コア32を下部取付筒5内に固定させることもでき、固定部材6の小環状構造内には係止溝を有し、電磁誘導発熱コア32の上端には径方向に突起した係止部を有し、係止部は係止溝に接続されることによって、電磁誘導発熱コア32が固定部材6に固定され、且つ、電磁誘導発熱コア32の熱がすべて固定部材6を介して加熱体2に伝達されるように、電磁誘導発熱コア32は下部取付筒5内に浮遊している。電磁誘導発熱コア32と固定部材6は、ねじ接続等によりエアロゾル形成基質7又は加熱体2との接続固定を実現することができる。固定部材6の大環状構造の外径は、下部取付筒5の外径よりも大きくすることにより、固定部材6が電磁誘導コイル31の位置を規制できる。下部取付筒5の下端には、更にストッパ52が設けられ、ストッパ52は位置規制リングであり、ストッパ52は、径方向に突起したいくつかの位置規制ブロックであってもよい。ストッパ52と固定部材6の大環状構造は、電磁誘導コイル31を下部取付筒5上に位置規制して固定させることによって、電磁誘導コイル31と電磁誘導発熱コア32とが径方向に揃うようにし、加熱効率を向上させる。
【0032】
本実施例において、固定部材6は、シリカゲル材質であり、更に電磁誘導発熱コア32の熱エネルギーをエアロゾル形成基質7の端部に伝達するために用いられ、均一な熱のベークの役割を果たすことができる。
【0033】
他の実施例において、固定部材6は、ねじ接続等により上部取付筒4及び下部取付筒5に接続されてもよい。
【0034】
他の実施例において、加熱管1の長さは上部取付筒4に適合し、下部取付筒5は加熱筒1の外側に当接し、下部取付筒5の外側に防護層を更に設けることで、エアロゾル形成基質7の周方向への加熱及び入った空気への加熱を実現することもできる。
【0035】
本実施例において、エアロゾル発生装置用加熱構造の加熱方法及び加熱原理は、以下のとおりである。
【0036】
第1の段階:予熱段階では、加熱体2を使用してエアロゾル形成基質7の周方向を加熱して、迅速な煙発生を保証する。なお、この部分の接触抵抗加熱(周方向の発熱体による加熱)は、必要な過程ではない。
【0037】
第2の段階:エアロゾル形成基質7が1~2回吸い込まれた後、又は予熱が完了してから一定時間が経過した後、エアロゾル形成基質7の底部の電磁加熱器3を起動し、迅速に昇温させて、迅速に加熱する。
【0038】
第3の段階:非接触空気エネルギー加熱では、電磁加熱器3により加熱して、電磁誘導発熱コア32の外表層を迅速に昇温させ、発熱コアが昇温した後、電磁誘導発熱コア32の周方向に分布した第1の吸気孔321内のの空気を十分に加熱する。
【0039】
第4の段階:電磁誘導は表皮効果を有するため、電磁誘導発熱コア32の金属表層の温度がより高く、金属表層が昇温した後、熱が更に第1の吸気孔321内の空気に放射して伝導し、熱い空気が熱伝導及び対流等によりエアロゾル形成基質7を加熱する。
【0040】
本実施例のエアロゾル発生装置用加熱構造によれば、加熱構造は、エアロゾル形成基質の側面(周方向)を加熱するための加熱管1と、エアロゾル形成基質に入った空気を加熱するための電磁加熱器3とを備えるため、加熱構造によってエアロゾル形成基質の側面を加熱することができ、更にエアロゾル形成基質に入った空気を加熱することができ、エアロゾル形成基質に対する均一且つ徹底的なベークを実現し、より良好な喫煙効果を有する。
【0041】
実施例2:
本実施例は、エアロゾル発生装置を提供する。エアロゾル発生装置は非燃焼加熱装置であり、エアロゾル発生装置は、ケースと上記の実施例の加熱構造とを含み、加熱構造はケース内に取り付けられる。ケース内には、電源と電線とを更に有し、電源は電線を介して加熱構造に接続されて、加熱構造に電力を供給し、加熱構造は電気エネルギーを熱エネルギーに変換してエアロゾル形成基質を加熱してベークする。
【0042】
本実施例のエアロゾル発生装置は、上記実施例の加熱構造を採用することによって、エアロゾル形成基質の側面及び底部を加熱することができ、更にエアロゾル形成基質に入った空気を加熱することができるため、エアロゾル形成基質に対する均一且つ徹底的なベークを実現し、より良好な喫煙効果を有する。
【0043】
上記では、具体的な例を用いて本発明を説明したが、これは本発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の思想に基づいて、いくつかの簡単な派生や変形、置換を行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 加熱管;11 第2の吸気孔;2 加熱体;3 電磁加熱器;31 電磁誘導コイル;32 電磁誘導発熱コア;321 第1の吸気孔;4 上部取付筒;41 上部接続キャップ;5 下部取付筒;51 下部接続キャップ;52 ストッパ;6 固定部材;7 エアロゾル形成基質。