(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-22
(45)【発行日】2024-07-30
(54)【発明の名称】フェイスプレートおよび電子装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20240723BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240723BHJP
【FI】
H05K7/14
H05K7/20 H
(21)【出願番号】P 2023514226
(86)(22)【出願日】2021-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2021015335
(87)【国際公開番号】W WO2022219721
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2023-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】三浦 大介
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186373(JP,A)
【文献】特開平6-105080(JP,A)
【文献】特開2003-198162(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0168341(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板(20)が取り付けられるものであり、前記回路基板が電子装置(10)のスロット(24)に挿入されたときに前記スロットの開口(24a)を覆うフェイスプレート(22)であって、
前記スロットの開口を覆う本体プレート(36)と、
前記本体プレートに形成され、前記回路基板に設けられたコネクタ(34)の接続面側(34a)が挿入されることで前記コネクタの接続面側を露出させる開口部(38)と、
前記開口部と前記コネクタとの隙間(g)における空気の流れを抑制する抑制部材(44、44A~44C)と、
を備える、フェイスプレート。
【請求項2】
請求項1に記載のフェイスプレートであって、
前記抑制部材は、
前記回路基板の前記スロットへの挿入方向に沿って前記本体プレートから前記電子装置の内側に向かって延在する延在部(46)と、
前記延在部から前記コネクタの方に向かって突出する突出部(48)と、
を有する、フェイスプレート。
【請求項3】
請求項1に記載のフェイスプレートであって、
前記抑制部材は、前記開口部の縁(38e)から前記コネクタの方に向かって延在するように設けられている、フェイスプレート。
【請求項4】
請求項3に記載のフェイスプレートであって、
前記抑制部材は、前記本体プレートから前記電子装置の内側に向かって延在しつつ、その中間部分(44Ba)が前記コネクタの方に向かって突出するように湾曲した形状を有する、フェイスプレート。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のフェイスプレートであって、
前記抑制部材は弾性を有し、前記コネクタの前記開口部への挿入時に前記コネクタと干渉するように設けられている、フェイスプレート。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のフェイスプレートであって、
前記抑制部材は塑性を有し、前記コネクタの前記開口部への挿入時に前記コネクタと干渉するように設けられている、フェイスプレート。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のフェイスプレートであって、
前記開口部の形状は四角形状であり、
前記抑制部材は、前記開口部の4つの辺(38a~38d)の各々に対して設けられている、フェイスプレート。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載のフェイスプレートであって、
前記開口部の形状は円環形状であり、
前記抑制部材は、前記開口部を囲むように設けられている、フェイスプレート。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のフェイスプレートであって、
前記回路基板の前記スロットへの挿入方向とは反対側の取出方向の端部側が前記フェイスプレートに取り付けられている、フェイスプレート。
【請求項10】
冷却風(A)を取り込む吸気口(26)、前記冷却風により冷却される回路基板(20)を挿入するためのスロット(24)、および前記回路基板を冷却した前記冷却風が排気される排気口(28)が設けられた筐体(16)と、
前記回路基板が取り付けられたフェイスプレート(22)と、
を備え、
前記フェイスプレートは、
前記スロットの開口(24a)を覆う本体プレート(36)と、
前記本体プレートに形成され、前記回路基板に設けられたコネクタ(34)の接続面側(34a)が挿入されることで前記コネクタの接続面側を露出させる開口部(38)と、
前記開口部と前記コネクタとの隙間(g)における空気の流れを抑制する抑制部材(44)と、
を備える、電子装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を収容するスロットに取り付けられるフェイスプレートと、そのフェイスプレートを備える電子装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットと、そのスロットに収容される回路基板と、回路基板を空冷するためのファンユニットとを備える電子装置が知られている(特開2019-186373号公報)。
【発明の概要】
【0003】
回路基板を冷却する冷却風は、ファンユニットによって電子装置の吸気口から取り込まれ、電子装置の筐体内で回路基板を冷却した後、排気口から排気される。このとき、筐体に生じている隙間から冷却風以外の空気が入り込むと、回路基板の冷却効率に悪影響を与えるおそれがある。
【0004】
隙間の具体例として、特開2019-186373号公報のフェイスプレートに設けられたコネクタ露出用の開口部に関するものが挙げられる。特開2019-186373号公報に開示されるような電子装置においては、フェイスプレートの開口部とコネクタとの間に隙間が生じる。この隙間を通じて、冷却風以外の空気が電子装置に入り込むおそれがある。
【0005】
本発明は、隙間から電子装置内に出入りする空気の流れを抑制するフェイスプレートと、そのフェイスプレートが設けられた電子装置とを提供することを目的とする。
【0006】
本発明の第1の態様は、回路基板が取り付けられるものであり、前記回路基板が電子装置のスロットに挿入されたときに前記スロットの開口を覆うフェイスプレートであって、前記スロットの開口を覆う本体プレートと、前記本体プレートに形成され、前記回路基板に設けられたコネクタの接続面側が挿入されることで前記コネクタの接続面側を露出させる開口部と、前記開口部と前記コネクタとの隙間における空気の流れを抑制する抑制部材と、を備える。
【0007】
本発明の第2の態様は、冷却風を取り込む吸気口、前記冷却風により冷却される回路基板を挿入するためのスロット、および前記回路基板を冷却した前記冷却風が排気される排気口が設けられた筐体と、前記回路基板が取り付けられたフェイスプレートと、を備え、前記フェイスプレートは、前記スロットの開口を覆う本体プレートと、前記本体プレートに形成され、前記回路基板に設けられたコネクタの接続面側が挿入されることで前記コネクタの接続面側を露出させる開口部と、前記開口部と前記コネクタとの隙間における空気の流れを抑制する抑制部材と、を備える。
【0008】
本発明によれば、隙間から電子装置内に出入りする空気の流れを抑制するフェイスプレートと、そのフェイスプレートが設けられた電子装置とが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る電子装置の後方斜視図である。
【
図2】実施の形態に係るフェイスプレートを表す斜視図である。
【
図3】
図3Aは、
図2のIIIA-IIIA線断面矢視図である。
図3Bは、
図3Aにおいてフェイスプレートを回路基板に取り付けた状態を示す図である。
【
図4】変形例1に係るフェイスプレートを表す斜視図である。
【
図6】
図5Aの抑制部材のさらなる変形例を表す図である。
【
図7】変形例2に係るフェイスプレートを表す斜視図である。
【
図8】
図8Aは、
図7のVIIIA-VIIIA線断面矢視図である。
図8Bは、
図8Aにおいて開口部に第2コネクタを挿入した状態を表す図である。
【
図9】変形例3に係るフェイスプレートを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のフェイスプレートおよび電子装置について、好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0011】
[実施の形態]
図1は、実施の形態に係る電子装置10の後方斜視図である。
【0012】
図1には、説明に用いる各方向(前・後・左・右・上・下)を矢印で示しておいた。前後方向と、左右方向と、上下方向とは互いに直交している。なお、他の図面においても方向を矢印で示しているが、これらは
図1に示した方向に準じている。
【0013】
電子装置10は例えば数値制御装置であり、工作機械、ロボット等の産業機械を制御するためにオペレータに提供されるものである。
図1の電子装置10は、表示器12と、表示器12の後方に設けられる制御ユニット14とを備える。
【0014】
表示器12は、図示は割愛するが前方向側に液晶の表示画面を有しており、該表示画面に情報を表示する。表示器12は制御ユニット14に接続されている。なお、表示画面の材料は液晶に限定されず、適宜変更してよい。
【0015】
制御ユニット14は、筐体16と、ファンユニット18と、筐体16に収容される複数の回路基板20と、複数の回路基板20の各々に取り付けられるフェイスプレート22とを備える。
図1では例示のために回路基板20を1つのみ図示した。
【0016】
筐体16には、複数の回路基板20が収容される複数のスロット24と、筐体16内に冷却風Aを取り込むための吸気口26と、吸気口26から取り込んだ冷却風Aを排気するための排気口28とが設けられる。
【0017】
スロット24は、筐体16内を仕切りによって仕切ることで形成される。
図1には、開口24aがある下方から上方に向かって延在する複数のスロット24を例示した。複数のスロット24の各々には、回路基板20を奥側に案内するガイドレール24bを設けることができる。各スロット24の最奥にはバックボード30が設けられる。なお、
図1の例で「奥側」とは上方向側のことをいう。複数のスロット24の各々には、開口24aからスロット24の奥側に向かって回路基板20が挿入される。
【0018】
吸気口26は、特に限定されるものではないが、
図1の例では筐体16の右側に設けた。一方、排気口28は、これも限定されるものではないが、
図1の例では筐体16の左側に設けた。吸気口26および排気口28には、冷却風Aの風量を調整するための調節部材(例えばダンパ)が適宜設けられてもよい。
【0019】
ファンユニット18は、回転するファン18aを備える。冷却風Aは、ファン18aの回転によって吸気口26から筐体16内に取り込まれ、排気口28から排気される。冷却風Aは、吸気口26から排気口28までの間において、複数のスロット24に挿入された複数の回路基板20を空冷する。
【0020】
複数のスロット24に収容される複数の回路基板20の各々には、所定の電気回路が適宜形成される。この電気回路は、例えば前述した表示器12を制御するものであり、また例えば産業機械を制御するものである。
【0021】
複数の回路基板20の各々について、回路基板20の挿入方向(
図1の上方向)側には、バックボード30と電気接続するための第1コネクタ32が設けられる。これに関連し、バックボード30には、第1コネクタ32と接続するためのボード側コネクタ30aが設けられる。複数の回路基板20は、第1コネクタ32とボード側コネクタ30aとの接続により、バックボード30を通じて、互いに通信可能に接続される。また、バックボード30は表示器12にも接続されており、複数の回路基板20は、バックボード30を通じて表示器12と通信可能に接続される。
【0022】
また、複数の回路基板20の各々について、回路基板20のうち挿入方向とは反対側、すなわちスロット24からの取出方向(
図1の下方向)側には、第2コネクタ34が設けられていると共に、前述したフェイスプレート22が取り付けられている。
【0023】
第2コネクタ34は、筐体16外の外部インターフェースと接続されることで、該外部インターフェースと回路基板20延いてはバックボード30とを通信可能に接続するコネクタである。外部インターフェースは第2コネクタ34のうちの取出方向側に接続される。このことから、以下、第2コネクタ34のうちの取出方向側を「接続面側34a」とも呼ぶ。
【0024】
フェイスプレート22は、回路基板20を収容したスロット24の開口24aを塞ぎつつ、第2コネクタ34を筐体16内から筐体16外へと露出させる部材である。フェイスプレート22は、理由は後述するが、フェイスプレート22に変形可能な性質を付与する材料を含んで構成されるとよい。本実施の形態のフェイスプレート22は例示のため、弾性の樹脂材料を含んで構成されているものとする。
【0025】
図2は、実施の形態に係るフェイスプレート22を表す斜視図である。
【0026】
図2に示すように、フェイスプレート22は、略平板状の本体プレート36と、第2コネクタ34が挿入される開口部38と、本体プレート36のうち回路基板20が取り付けられる側(上方向側)に設けられたツメ40a、40bと、その反対側(下方向側)に設けられたツマミ42とを備える。
【0027】
本体プレート36は、スロット24の開口24a(
図1参照)を覆うプレート状部材である。開口部38は、第2コネクタ34の接続面側34aを露出させるために本体プレート36に形成される。開口部38の形状は特に限定されないが、
図2では例示のために四角形状とした。したがって、
図2の開口部38は、4つの辺(38a、38b、38c、38d)により縁取られている。
【0028】
ツメ40aは、フェイスプレート22を筐体16に取り付けるためのものである。これに対応して、筐体16内にはツメ40aを引っ掛けて係止する係止部を適宜設けておくとよい。
【0029】
ツメ40bは、フェイスプレート22を回路基板20に取り付けるためのものである。これに対応して、回路基板20には、ツメ40bを係止する係止部を適宜設けておくとよい。
【0030】
ツマミ42は、回路基板20を筐体16から取り出す際にオペレータが摘むものである。オペレータは、ツマミ42を摘んで取出方向に引っ張ることで、スロット24から回路基板20を容易に取り出すことができる。
【0031】
図3Aは、
図2のIIIA-IIIA線断面矢視図である。
図3Bは、
図3Aにおいてフェイスプレート22を回路基板20に取り付けた状態を示す図である。
【0032】
本実施の形態のフェイスプレート22は、抑制部材44をさらに備える。抑制部材44は、回路基板20の挿入方向(上方向)に沿って本体プレート36から電子装置10の内側に向かって延在する延在部46と、延在部46から第2コネクタ34の方(開口部38の内側の方)に向かって突出する突出部48とを有する。
【0033】
フェイスプレート22の回路基板20への取り付けは前述したツメ40bで回路基板20を係止することにより行うが、この際、
図3Bに示すように、回路基板20に設けた第2コネクタ34をフェイスプレート22の開口部38に挿入する。突出部48は、第2コネクタ34の開口部38への挿入時において、第2コネクタ34に干渉するように設けられている。したがって、延在部46は、第2コネクタ34が開口部38に挿入されると、それに合わせて弾性変形する。この弾性変形により、上記干渉によって第2コネクタ34の開口部38への挿入が大きく阻害されるおそれが低減される。
【0034】
抑制部材44によれば、電子装置10の冷却効率が悪化することを抑制することができる。つまり、
図3Bに示すように、開口部38に第2コネクタ34を挿入すると、開口部38と第2コネクタ34との間に隙間gが生じる。仮に、この隙間gを通じて冷却風Aではない空気(例えば暖風)がスロット24内に入り込んでしまうと、冷却風Aによる回路基板20の空冷効率が悪化するおそれがある。これに関し、本実施の形態では開口部38の周りに設けられた抑制部材44によって、開口部38と第2コネクタ34との隙間gから筐体16内に通じる空気の通り道が制限される。これにより、隙間gにおける空気の流れが抑制されて、電子装置10の冷却効率が悪化することが抑制される。
【0035】
本実施の形態では、第2コネクタ34の開口部38への挿入後は、延在部46に弾性復元力が働く。これにより、突出部48が第2コネクタ34に密着する。その結果、突出部48は、隙間gを通じて入ってくる空気の挿入方向に沿った流れを好適に阻害する。
【0036】
抑制部材44は、本実施の形態のように開口部38が四角形状を有する場合、その四角形状を縁取る4つの辺(38a、38b、38c、38d)の各々に対して設けられるとよい(
図2参照)。これにより、好適に空気の通り道を制限することができる。
【0037】
なお、延在部46は、本実施の形態の例示では開口部38の縁38eを基端として設けられているが、本体プレート36から電子装置10の内側に向かって延在する限りにおいて、延在部46の基端は縁38eに限定されない。また、突出部48は、本実施の形態の例示においては延在部46の先端46aから突出しているが、延在部46の途中(中間部分46b)から突出してもよい。
【0038】
本実施の形態によれば、隙間gを生じさせつつも、その隙間gにおける空気の流れを抑制することができる。すなわち、隙間gを通じた筐体16への空気の出入りを阻止したいのであれば、単純に考えれば、隙間g自体をなくせばよい。しかしながら、実際の製造において隙間gを完全に消失させる(第2コネクタ34およびフェイスプレート22の公差を常にゼロにする)ことは、現実的ではない。また、仮に隙間gが全くないとすると、第2コネクタ34の大きさに対して開口部38の大きさに一切の余裕がないため、開口部38に第2コネクタ34を挿入し難くなる。したがって、製造時の作業性を考慮すると、隙間gが全くないというのは、かえって好ましくない。
【0039】
そこで本実施の形態では上記の通り、開口部38と第2コネクタ34との間に小さな隙間gが生じること自体は許容しつつ、フェイスプレート22に設けたシンプルな構成の抑制部材44によって、該隙間gにおける空気の流れを抑制することとしている。これにより、本実施の形態では、ユーザ(オペレータ)が電子装置10を使用する際における電子装置10の冷却効率を良好にしつつも、フェイスプレート22の製造における作業性をも確保することが可能になっている。
【0040】
[変形例]
以上、本発明の一例として実施の形態が説明された。上記実施の形態には、多様な変更または改良を加えることが可能である。また、その様な変更または改良を加えた形態が本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、請求の範囲の記載から明らかである。
【0041】
以下、実施の形態に係る変形例について、具体例をいくつか挙げて説明する。ただし、実施の形態で既に説明した構成要素については、実施の形態と同一の符号を付す。また、以下では実施の形態との相違点を主に説明することとし、重複する説明はできるだけ割愛する。
【0042】
(変形例1)
図4は、変形例1に係るフェイスプレート22を表す斜視図である。
図5Aは、
図4のVA-VA線断面矢視図である。
図5Bは、
図5Aにおいて開口部38に第2コネクタ34を挿入した状態を表す図である。
【0043】
フェイスプレート22には、開口部38の縁38eから開口部38の内側の方に向かって延在する抑制部材44(44A)が設けられてもよい。抑制部材44Aは、開口部38に挿入された第2コネクタ34に干渉することで、第2コネクタ34の挿入方向側に反れるように変形する(
図5B参照)。これにより、本変形例においても、製造時においては第2コネクタ34の開口部38への挿入作業を抑制部材44Aによって阻害することなく、電子装置10の使用時においては隙間gにおける空気の流れを抑制することができる。
【0044】
図6は、
図5Aの抑制部材44Aのさらなる変形例を表す図である。
【0045】
本変形例の抑制部材44Aは、開口部38の縁38eから第2コネクタ34の方に向かって延在するように設けられていればよい。換言すると、
図6に例示するように、縁38eから第2コネクタ34の方に向かって延在してさえいれば、抑制部材44Aを開口部38内に設ける必要はない。
【0046】
(変形例2)
図7は、変形例2に係るフェイスプレート22を表す斜視図である。
図8Aは、
図7のVIIIA-VIIIA線断面矢視図である。
図8Bは、
図8Aにおいて開口部38に第2コネクタ34を挿入した状態を表す図である。
【0047】
変形例1では開口部38の内側の方に向かって延在する抑制部材44Aを説明したが、フェイスプレート22には、
図7に示すような抑制部材44(44B)が設けられてもよい。抑制部材44Bは、本体プレート36から電子装置10の内側に向かって延在しつつ、その中間部分44Baがコネクタの方に向かって突出するように湾曲した形状を有する。
【0048】
抑制部材44Bの先端44Bbは、第2コネクタ34とは反対方向を向く。これにより、抑制部材44Bは、開口部38に第2コネクタ34を挿入する際のガイドとして機能する。
【0049】
(変形例3)
フェイスプレート22(抑制部材44)は塑性材料から構成されてもよい。つまり、実施の形態では抑制部材44が弾性変形することを説明したが、抑制部材44は塑性変形してもよい。以下、これについて説明する。
【0050】
図9は、変形例3に係るフェイスプレート22を説明するための図である。
【0051】
図9の抑制部材44Cは、塑性を有する抑制部材44の例示である。抑制部材44Cは第2コネクタ34が開口部38に挿入されたときに、第2コネクタ34との干渉により塑性変形することができる。したがって、抑制部材44Cは、ここまで説明してきた他の抑制部材44と同様に、開口部38への第2コネクタ34の挿入を阻害しない。また、抑制部材44Cは隙間gにおける空気の流れを抑制するので、ここまで説明してきた他の抑制部材44と同様に、電子装置10の冷却効率が悪化することを抑制することができる。抑制部材44Cは隙間gにおける空気の流れを抑制すればよいので、例えば変形後の抑制部材44Cと第2コネクタ34とは互いに非接触であっても構わない。
【0052】
なお、
図9に例示した抑制部材44Cの元の形状は変形例1の抑制部材44A(
図5A参照)と同様である。ただし、抑制部材44を塑性とする場合の形状がこれに限定されるわけではなく、例えば他の図面で例示した形状を適宜適用してもよい。
【0053】
(変形例4)
実施の形態ではフェイスプレート22の開口部38の形状について四角形状であると説明したが、開口部38の形状は四角形状に限定されない。例えば開口部38は円環形状であってもよい。この場合には、開口部38を囲むように抑制部材44を設けるとよい。
【0054】
[実施の形態から得られる発明]
上記実施の形態および変形例から把握しうる発明について、以下に記載する。
【0055】
<第1の発明>
回路基板(20)が取り付けられるものであり、前記回路基板(20)が電子装置(10)のスロット(24)に挿入されたときに前記スロット(24)の開口(24a)を覆うフェイスプレート(22)であって、前記スロット(24)の開口(24a)を覆う本体プレート(36)と、前記本体プレート(36)に形成され、前記回路基板(20)に設けられたコネクタ(34)の接続面側(34a)が挿入されることで前記コネクタ(34)の接続面側(34a)を露出させる開口部(38)と、前記開口部(38)と前記コネクタ(34)との隙間(g)における空気の流れを抑制する抑制部材(44、44A~44C)と、を備える。
【0056】
これにより、隙間(g)から電子装置(10)内に出入りする空気の流れを抑制するフェイスプレート(22)が提供される。
【0057】
前記抑制部材(44)は、前記回路基板(20)の前記スロット(24)への挿入方向に沿って前記本体プレート(36)から前記電子装置(10)の内側に向かって延在する延在部(46)と、前記延在部(46)から前記コネクタ(34)の方に向かって突出する突出部(48)と、を有してもよい。これにより、隙間(g)を通じて電子装置(10)に入ってくる空気の通り道を制限することができる。
【0058】
前記抑制部材(44A)は、前記開口部(38)の縁(38e)から前記コネクタ(34)の方に向かって延在するように設けられていてもよい。これにより、隙間(g)を通じて電子装置(10)に入ってくる空気の通り道を制限することができる。
【0059】
前記抑制部材(44B)は、前記本体プレート(36)から前記電子装置(10)の内側に向かって延在しつつ、その中間部分(44Ba)が前記コネクタ(34)の方に向かって突出するように湾曲した形状を有してもよい。これにより、抑制部材(44B)は、隙間(g)を通じて電子装置(10)に入ってくる空気の通り道を制限しつつ、開口部(38)へのコネクタ(34)の挿入作業の邪魔にはなりにくくなる。
【0060】
前記抑制部材(44)は弾性を有し、前記コネクタ(34)の前記開口部(38)への挿入時に前記コネクタ(34)と干渉するように設けられていてもよい。これにより、抑制部材(44)は、隙間(g)を通じて電子装置(10)に入ってくる空気の通り道を制限しつつ、自身の変形により開口部(38)へのコネクタ(34)の挿入作業の邪魔にはなりにくくなる。
【0061】
前記抑制部材(44C)は塑性を有し、前記コネクタ(34)の前記開口部(38)への挿入時に前記コネクタ(34)と干渉するように設けられていてもよい。これにより、抑制部材(44C)は、隙間(g)を通じて電子装置(10)に入ってくる空気の通り道を制限しつつ、自身の変形により開口部(38)へのコネクタ(34)の挿入作業の邪魔にはなりにくくなる。
【0062】
前記開口部(38)の形状は四角形状であり、前記抑制部材(44)は、前記開口部(38)の4つの辺(38a~38d)の各々に対して設けられていてもよい。これにより、抑制部材(44)は、四角形状の開口部(38)とコネクタ(34)との隙間(g)における空気の流れを好適に抑制することができる。
【0063】
前記開口部(38)の形状は円環形状であり、前記抑制部材(44)は、前記開口部(38)を囲むように設けられていてもよい。これにより、抑制部材(44)は、円環形状の開口部(38)とコネクタ(34)との隙間(g)における空気の流れを好適に抑制することができる。
【0064】
前記回路基板(20)の前記スロット(24)への挿入方向とは反対側の取出方向の端部側が前記フェイスプレート(22)に取り付けられていてもよい。これにより、スロット(24)に回路基板(20)を挿入した際に、フェイスプレート(22)が自然とスロット(24)の開口(24a)を塞ぐ。
【0065】
<第2の発明>
電子装置(10)であって、冷却風(A)を取り込む吸気口(26)、前記冷却風(A)により冷却される回路基板(20)を挿入するためのスロット(24)、および前記回路基板(20)を冷却した前記冷却風(A)が排気される排気口(28)が設けられた筐体(16)と、前記回路基板(20)が取り付けられたフェイスプレート(22)と、を備え、前記フェイスプレート(22)は、前記スロット(24)の開口(24a)を覆う本体プレート(36)と、前記本体プレート(36)に形成され、前記回路基板(20)に設けられたコネクタ(34)の接続面側(34a)が挿入されることで前記コネクタ(34)の接続面側(34a)を露出させる開口部(38)と、前記開口部(38)と前記コネクタ(34)との隙間(g)における空気の流れを抑制する抑制部材(44)と、を備える。
【0066】
これにより、隙間(g)から電子装置(10)内に出入りする空気の流れを抑制するフェイスプレート(22)が設けられた電子装置(10)が提供される。
【符号の説明】
【0067】
10…電子装置 16…筐体
20…回路基板 22…フェイスプレート
24…スロット 24a…開口
26…吸気口 28…排気口
30…バックボード 34…第2コネクタ(コネクタ)
36…本体プレート 38…開口部
38a~38d…辺 38e…縁
44、44A~44C…抑制部材 44Ba…中間部分
46…延在部 48…突出部