(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】半導体遮断装置
(51)【国際特許分類】
H02H 3/093 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
H02H3/093 D
(21)【出願番号】P 2020144959
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】豊田 玄紀
(72)【発明者】
【氏名】高野 知宏
【審査官】山口 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0366936(US,A1)
【文献】特開2017-046564(JP,A)
【文献】特開2003-189459(JP,A)
【文献】特開平05-236633(JP,A)
【文献】特開平08-275373(JP,A)
【文献】特開2004-226185(JP,A)
【文献】特開2020-005424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体スイッチと、
上記半導体スイッチに流れる
第1電流値を検出する電流センサと、
上記
第1電流値に対応する連続通電許容時間を示す
第1種限時特性に基づき、上記半導体スイッチを遮断する制御部と、を備えてい
る半導体遮断装置
であって、
上記半導体遮断装置は、上記半導体スイッチに印加される電圧値を検出する電圧センサをさらに備えており、
上記制御部は、上記電圧値を第2電流値へと変換する電圧電流変換部をさらに備えており、
上記制御部は、上記第2電流値に対応する連続通電許容時間を示す第2種限時特性にさらに基づき、上記半導体スイッチを遮断する、半導体遮断装置。
【請求項2】
上記
第1種限時特性は、反限時特性である、請求項1に記載の半導体遮断装置。
【請求項3】
上記
第1種限時特性には、複数の反限時特性が含まれており、
上記複数の反限時特性のそれぞれは、上記
第1電流値の異なる範囲において規定されている、請求項2に記載の半導体遮断装置。
【請求項4】
上記第2種限時特性は、定限時特性である、請求項
1から3のいずれか1項に記載の半導体遮断装置。
【請求項5】
上記定限時特性における連続通電許容時間の設定値は、10μs以下である、請求項
4に記載の半導体遮断装置。
【請求項6】
上記定限時特性における連続通電許容時間の設定値は、1μs以下である、請求項
5に記載の半導体遮断装置。
【請求項7】
上記定限時特性における電流設定値の下限値は、上記第1種限時特性における電流設定値の下限値の10倍以上である、請求項
4から
6のいずれか1項に記載の半導体遮断装置。
【請求項8】
上記制御部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成されている、請求項1から
7のいずれか1項に記載の半導体遮断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、半導体遮断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体遮断装置(半導体遮断器)について、様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、事故発生時に速やかに電流を遮断するとともに、電力系統が正常に動作している場合にサージ電圧の発生を抑制して電流を遮断することを一目的とした半導体遮断器が開示されている。また、特許文献2には、トランジスタの遮断時に発生する過電圧を一定の設定起電圧以下に抑制しつつ、高速に過電流を遮断することを一目的とした半導体遮断器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6497488号公報
【文献】特開2015-12706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
但し、後述する通り、半導体遮断装置の汎用性を向上させるための工夫点には、なお改善の余地がある。本発明の一態様は、従来よりも汎用性に優れた半導体遮断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る半導体遮断装置は、半導体スイッチと、上記半導体スイッチに流れる電流値を検出する電流センサと、上記電流値に対応する連続通電許容時間を示す限時特性に基づき、上記半導体スイッチを遮断する制御部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、従来よりも汎用性に優れた半導体遮断装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態1の半導体遮断装置の要部の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1のスイッチング制御部に設定されている限時特性を例示するグラフである。
【
図3】比較例としての半導体遮断装置の要部の構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態2の半導体遮断装置の要部の構成を示すブロック図である。
【
図5】実施形態2のスイッチング制御部に設定されている限時特性を例示するグラフである。
【
図6】実施形態3の半導体遮断装置の要部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施形態1〕
実施形態1の半導体遮断装置1について、以下に説明する。説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、以降の各実施形態では、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。なお、簡潔のため、公知技術と同様の事項についても、説明を適宜省略する。また、各図に示されている装置構成は、説明の便宜上のための単なる一例である。従って、各部材の位置関係は、各図の例に限定されない。さらに、明細書中において以下に述べる各数値も、単なる一例であることに留意されたい。また、各グラフは、必ずしもスケール通りに図示されていないことにも留意されたい。
【0009】
(半導体遮断装置1の概要)
図1は、半導体遮断装置1の要部の構成を示すブロック図である。半導体遮断装置1は、第1端子T1と第2端子T2との間に設けられている。半導体遮断装置1は、第1端子T1と第2端子T2との間に流れる電流(例:第1端子T1から第2端子T2へと流れる電流)を選択的に遮断できるように構成されている。一例として、第1端子T1は不図示の電源に接続されており、第2端子T2は不図示の負荷装置に接続されている。
【0010】
実施形態1では、簡単のため、半導体遮断装置1が直流半導体遮断装置である場合を例示する。実施形態1において述べる各電圧および各電流の値は、各電圧および各電流の大きさ(絶対値)である。但し、半導体遮断装置1は、交流半導体遮断装置であってもよい。この場合、実施形態1において述べる各電圧および各電流の値は、各電圧および各電流の実効値と読み替えられてもよい。
【0011】
半導体遮断装置1は、制御回路10(制御部)、半導体スイッチ20、電流センサ30、電圧センサ35、スナバ回路40、および機械式スイッチ50を備えている。制御回路10は、スイッチング制御部110およびV/I変換部120(電圧電流変換部)を備えている。実施形態1では、制御回路10は、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって構成されている。
【0012】
半導体スイッチ20は、第1端子T1と第2端子T2との間に設けられている。半導体スイッチ20のON/OFF(スイッチング状態,導通状態)は、当該半導体スイッチ20に印加されるスイッチング制御信号に応じて制御される。実施形態1の例では、半導体スイッチ20の導通状態は、当該半導体スイッチ20のゲートGに印加されるゲート制御信号に応じて制御される。ゲート制御信号は、本発明の一態様に係るスイッチング制御信号の一例である。後述するように、ゲート制御信号は、制御回路10によって生成される。
【0013】
半導体遮断装置1の通常動作時には、半導体スイッチ20はONされている。なお、「半導体スイッチ20がONされている」いう文言は、「半導体スイッチ20が導通している(閉路されている)」と読み替えることができる。これに対し、「半導体スイッチ20がOFFされている」いう文言は、「半導体スイッチ20が非導通である(開路されている,遮断されている)」と読み替えることができる。半導体スイッチ20のON/OFFについてのこれらの記載は、機械式スイッチ50についても同様に当てはまる。
【0014】
図1では、半導体スイッチ20としてIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor,絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が例示されている。
図1の例では、半導体スイッチ20のエミッタは、節点N3を介して、第2端子T2と接続されている。また、半導体スイッチ20のコレクタは、節点N2および機械式スイッチ50を介して、第1端子T1に接続されている。
【0015】
但し、当然ながら、半導体スイッチ20は、IGBTに限定されない。半導体スイッチ20は、スイッチング制御信号に応じて導通状態が制御可能な任意の半導体素子であればよい。例えば、半導体スイッチ20は、GTO(Gate Turn-Off thyristor)であってもよい。
【0016】
スナバ回路40は、半導体スイッチ20の遮断時に発生する過電圧を抑制するための保護回路の一例である。スナバ回路40は、半導体スイッチ20と並列に接続されている。
図1の例では、スナバ回路40の2つの端子は、節点N1およびN3にそれぞれ接続されている。節点N1は節点N2と同電位の節点であり、節点N4は節点N3と同電位の端子である。
【0017】
機械式スイッチ50は、第1端子T1と第2端子T2との間の電路において、半導体スイッチ20の前段(すなわち、半導体スイッチ20よりも第1端子T1に近い側)に設けられている。
図1に示されるように、半導体遮断装置1の通常動作時には、機械式スイッチ50はONされている。
【0018】
機械式スイッチ50は、半導体スイッチ20によって第1端子T1と第2端子T2との間に流れる電流が遮断された後に、第1端子T1と第2端子T2とをさらに電気的に絶縁するために設けられている。従って、半導体スイッチ20がOFFされた後に、機械式スイッチ50がOFFされる。このように、機械式スイッチ50は、半導体遮断装置1における予備的なスイッチである。機械式スイッチ50の導通状態は、制御回路10によって制御されてよい。
【0019】
なお、
図1では、スナバ回路40および機械式スイッチ50を備えた半導体遮断装置1が例示されているが、スナバ回路40および機械式スイッチ50は、半導体遮断装置1における必須の構成要素ではないことに留意されたい。
【0020】
電流センサ30は、半導体スイッチ20に流れる電流を検出する。
図1の例では、電流センサ30は、第1端子T1と機械式スイッチ50との間に設けられている。なお、スナバ回路40のインピーダンスは十分に大きいため、半導体スイッチ20がONされている場合には、スナバ回路40に流れる電流はほぼ0である(無視できる)。それゆえ、
図1の電流センサ30を通過する電流は、半導体スイッチ20に流れる電流と見なすことができる。
【0021】
また、電流センサ30は、
図1の例とは異なる位置に配置されてもよい。例えば、電流センサ30は、節点N1と節点N2との間に配置されていてもよい。なお、半導体スイッチ20に流れる電流は、負荷装置に流れる電流と読み替えることもできる。
【0022】
本明細書では、電流センサ30によって検出された電流の値(電流値)を、第1電流値とも称する。
図1に示すように、スイッチング制御部110(より詳細には、後述する第1判定部111および第2判定部112)は、電流センサ30から第1電流値を取得する。以下では、第1電流値をI1とも表記する。
【0023】
電圧センサ35は、半導体スイッチ20に印加される電圧を検出する。
図1の例では、電圧センサ35は、節点N2と節点N3との電位差を検出する。すなわち。電圧センサ35は、半導体スイッチ20のコレクタ・エミッタ間の電位差を検出する。
【0024】
本明細書では、便宜上、電圧センサ35によって検出された電圧の値(電圧値)を、第1電圧値とも称する。以下では、第1電圧値をV1とも表記する。V/I変換部120は、電圧センサ35からV1を取得する。そして、V/I変換部120は、公知の演算(変換演算)を実行することにより、V1を電流値へと変換する。本明細書では、V/I変換部120による変換演算によって導出された電流値を、第2電流値とも称する。
図1に示すように、スイッチング制御部110(より詳細には、後述する第3判定部113)は、V/I変換部120から第2電流値を取得する。以下では、第2電流値をI2とも表記する。
【0025】
V/I変換部120における変換演算は、V1と正の相関を有するI2が導出されるように行われる。一例として、V/I変換部120は、V1とI2との間の比例関係を表す所定の比例式を用いて、変換演算を行う。このため、実施形態1におけるI2は、V1の大きさを表す指標の1つであると言える。
【0026】
(スイッチング制御部110)
スイッチング制御部110は、第1判定部111、第2判定部112、第3判定部113、およびOR回路119を備えている。また、スイッチング制御部110は、不図示のタイマを備えている。
【0027】
実施形態1におけるスイッチング制御部110では、(i)第1電流値に対応する限時特性(より詳細には、第1電流値に対応する連続通電許容時間を示す限時特性)と、(ii)第2電流値(より詳細には、第2電流値に対応する連続通電許容時間を示す限時特性)に対応する限時特性と、が予め設定されている。本明細書では、第1電流値に対応する限時特性を、第1種限時特性とも称する。また、第2電流値に対応する限時特性を、第2種限時特性とも称する。
【0028】
図2は、スイッチング制御部110に設定されている限時特性を例示するグラフである。
図2のグラフにおける横軸は、電流値を示す。横軸の単位は、半導体遮断装置1の定格電流値を基準値(100%)とした%値である。
図2のグラフにおける縦軸は、連続通電許容時間(ある電流値の連続的な通電が許容される時間)を示す。
図2の縦軸では、連続通電許容時間は、「時間」と略記されている。縦軸の単位は、秒(s)である。以下、
図2のグラフにおける横軸の値(電流値)をI、縦軸の値(時間)をtと称する。
【0029】
図2のグラフにおける関数OC1および関数OC2は、第1種限時特性を規定する関数である。なお、「OC」という文言は、「Over Current」の略記を意図している。関数OC1および関数OC2はそれぞれ、第1判定部111および第2判定部112において予め設定されている。他方、関数OC3は、第2種限時特性を規定する関数である。関数OC3は、第3判定部113において予め設定されている。以下の説明では、関数OC1~OC3をそれぞれ、単にOC1~OC3とも略記する。なお、
図2に示されるように、0<Ia<Ib<Icであり、かつ、0<tc<tb<taである。
【0030】
図2に示されるように、OC1は、Ia≦I≦Ibの範囲における第1種限時特性を規定する。
図2の例では、Ia=105%、Ib=130%である。
図2の例におけるIaおよびIbの値は、「JIS C 8201-2-1」に記載されている過負荷条件の指示値に準用して設定されている。
【0031】
図2の例におけるOC1は、点A(Ia,ta)と点B(Ib,tb)とを結ぶ直線として設定されている。すなわち、OC1は、以下の式(1)、
t={(tb-ta)/(Ib-Ia)}×(I-Ia)+ta …(1)
の通り設定されている。
図2の例では、ta=10
3s、tb=10
0s=1sである。
図2の例におけるtaおよびtbの値は、機械式スイッチ50の仕様定格に準拠して設定されている。
【0032】
OC2は、Ib≦I≦Icの範囲における第1種限時特性を規定する。
図2の例では、Ic=1500%である。
図2の例におけるIcの値は、半導体スイッチ20に短時間の通電が許容される電流値の上限値として設定されている。
【0033】
図2の例におけるOC2は、点B(Ib,tb)と点C(Ic,tc)とを結ぶ直線として設定されている。すなわち、OC2は、以下の式(2)、
t={(tc-tb)/(Ic-Ib)}×(I-Ib)+tb …(2)
の通り設定されている。
図2の例では、tc=10
ー6s=1μsである。
図2の例におけるtcの値は、例えば負荷装置の短絡故障が生じた場合に、半導体スイッチ20を高速遮断することを意図して設定されている。従って、tcは、taおよびtbに比べて十分に短い時間(例:μsオーダの時間)として設定されている。
【0034】
式(1)および(2)から明らかである通り、OC1およびOC2は、I(電流値)が大きくなるにつれて、t(電流値Iに対応する連続通電許容時間)が小さくなるように設定されている。すなわち、OC1およびOC2は、反限時特性を規定する。このように、第1種限時特性は、反限時特性として設定されている。以上のことから、OC1によって規定される反限時特性は、第1反限時特性(あるいは、第1種限時特性内第1限時特性)と称されてもよい。同様に、OC2によって規定される反限時特性は、第2反限時特性(あるいは、第1種限時特性内第2限時特性)と称されてもよい。
【0035】
以上のことから、Iaは、第1種限時特性における(より詳細には、第1種限時特性内第1限時特性における)電流設定値の下限値と称されてもよい。また、taは、第1種限時特性における連続通電許容時間の設定値の上限値と称されてもよい。
【0036】
Ibは、第1種限時特性内第1限時特性における電流設定値の上限値と称されてもよい。Ibは、第1種限時特性内第2限時特性における電流設定値の下限値でもある。また、tbは、第1種限時特性内第1限時特性における連続通電許容時間の設定値の下限値と称されてもよい。tbは、第1種限時特性内第2限時特性における連続通電許容時間の設定値の上限値でもある。
【0037】
OC3は、I≧Icの範囲において第2種限時特性を規定する。
図2の例におけるOC3は、点Cを通り、かつ、横軸に平行な直線として設定されている。すなわち、OC3は、以下の式(3)、
t=tc …(3)
の通り設定されている。このように、OC3は、Iによらず一定値(tc)を取る関数(定数関数)として設定されている。すなわち、OC3は、定限時特性を規定する。このように、第2種限時特性は、定限時特性として設定されている。
【0038】
以上のことから、tcは、定限時特性における連続通電許容時間の設定値と称されてもよい。tcは、第1種限時特性における(より詳細には、第1種限時特性内第2限時特性における)連続通電許容時間の設定値の下限値でもある。また、Icは、第2種限時特性における電流設定値の下限値と称されてもよい。Icは、第1種限時特性における(より詳細には、第1種限時特性内第2限時特性における)電流設定値の上限値でもある。
【0039】
続いて、第1判定部111~第3判定部113の動作について述べる。第1判定部111は、電流センサ30からI1を取得する。Ia≦I1≦Ibである場合、第1判定部111は、OC1を用いて、I1に対応する連続通電許容時間(以下、t11と称する)を算出する。具体的には、第1判定部111は、I1を式(1)のIに代入することにより、t11を算出する。続いて、第1判定部111は、I1以上の電流値がt11よりも長い時間に亘って持続しているか否かを判定する。以下では、「I1以上の電流値がt11よりも長い時間に亘って持続している」という条件を、第1遮断条件とも称する。
【0040】
第1判定部111は、自身の判定結果を示す信号である第1判定結果信号(以下、X1と称する)を生成し、X1をOR回路119に供給する。実施形態1におけるX1は、2値のデジタル信号である。この点については、後述するX2およびX3についても同様である。実施形態1では、第1判定部111は、第1遮断条件が満たされていると判定した場合に、X1=1としてX1の値(信号値)を設定する。その他の場合、第1判定部111は、X1=0としてX1の値を設定する。
【0041】
第2判定部112は、電流センサ30からI1を取得する。Ib≦I1≦Icである場合、第2判定部112は、OC2を用いて、I1に対応する連続通電許容時間(以下、t12と称する)を算出する。具体的には、第2判定部112は、I2を式(2)のIに代入することにより、t12を算出する。I1以上の電流値がt12よりも長い時間に亘って持続しているか否かを判定する。以下では、「I1以上の電流値がt12よりも長い時間に亘って持続している」という条件を、第2遮断条件とも称する。
【0042】
第2判定部112は、自身の判定結果を示す第2判定結果信号(以下、X2と称する)を生成し、X2をOR回路119に供給する。実施形態1では、第2判定部112は、第2遮断条件が満たされていると判定した場合に、X2=1としてX2の値を設定する。その他の場合、第2判定部112は、X2=0としてX2の値を設定する。
【0043】
第3判定部113は、V/I変換部120からI2を取得する。I2≧Icである場合、第3判定部113は、OC3を用いて、I2に対応する連続通電許容時間(以下、t13と称する)を算出する。実施形態3では、第3判定部113は、I2の大きさによらず、t13=tcとして、t13を設定する(上述の式(3)を参照)。続いて、第3判定部113は、I2以上の電流値がt13よりも長い時間に亘って持続しているか否かを判定する。以下では、「I2以上の電流値がt13よりも長い時間に亘って持続している」という条件を、第3遮断条件とも称する。
【0044】
第3判定部113は、自身の判定結果を示す第3判定結果信号(以下、X3と称する)を生成し、X3をOR回路119に供給する。実施形態1では、第3判定部113は、第3遮断条件が満たされていると判定した場合に、X3=1としてX3の値を設定する。その他の場合、第3判定部113は、X3=0としてX3の値を設定する。
【0045】
実施形態1におけるOR回路119は、3入力1出力の論理ゲートの一例である。OR回路119には、(i)第1判定部111からX1が、(ii)第2判定部112からX2が、(iii)第3判定部113からX3が、それぞれ入力される。OR回路119は、X1とX2とX3との和(論理和)を、出力信号(以下、Yと称する)として生成する。
【0046】
すなわち、OR回路119は、以下の式(4)、
Y=X1+X2+X3 …(4)
の通り、Yを生成する。そして、OR回路119は、YをゲートGに供給する。実施形態1におけるYは、ゲート制御信号の一例である。以上のことから、本発明の一態様に係るスイッチング制御部は、スイッチング制御信号生成部(ゲート制御信号生成部)と称されてもよい。
【0047】
実施形態1では、Y=1がゲートOFF信号に、Y=0がゲートON信号(ゲート)にそれぞれ相当する。上述の式(4)から明らかである通り、X1、X2、およびX3の少なくともいずれか1つの値が1である場合に、Y=1となる。従って、第1遮断条件、第2遮断条件、および第3遮断条件の少なくともいずれか1つが満たされている場合には、ゲートOFF信号としてのYがゲートGに供給されることにより、半導体スイッチ20がOFFされる。
【0048】
他方、X1、X2、およびX3の全ての値が0である場合には、Y=0となる。従って、第1遮断条件、第2遮断条件、および第3遮断条件の全てが満たされていない場合には、ゲートON信号としてのYがゲートGに供給されることにより、半導体スイッチ20がONされる。
【0049】
(比較例)
半導体遮断装置1の効果の説明に先立ち、比較例としての半導体遮断装置1rについて述べる。
図3は、半導体遮断装置1rの要部の構成を示すブロック図である。半導体遮断装置1rは、従来の半導体遮断装置の一例である。半導体遮断装置1rの制御回路を、制御回路10rと称する。制御回路10rでは、制御回路10とは異なり、判定部111rのみによって、スイッチング制御部が構成されている。また、半導体遮断装置1rは、半導体遮断装置1とは異なり、電圧センサ35およびV/I変換部120を有していない。
【0050】
判定部111rは、第1判定部111と対になる判定部である。但し、判定部111rでは、第1判定部111とは異なり、限時特性(第1種限時特性)が設定されていない。以下に述べるように、半導体遮断装置1rでは、I1の持続時間に拘らず、I1の瞬時値のみに基づき、半導体スイッチ20の導通状態が制御される。
【0051】
判定部111rは、電流センサ30からI1を取得する。判定部111rは、I1が所定の閾値Ithを超えているか否かを判定する。以下では、「I1がIthを超えている(I1>Ithである)」という条件を、比較例における遮断条件とも称する。なお、Ithは、比較例における半導体スイッチ20の定格遮断電流と呼称されてもよい。一例として、Ith=200%である。そして、判定部111rは、自身の判定結果を示す信号である判定結果信号(以下、Xrと称する)を生成し、XrをゲートGに供給する。比較例では、Xrがゲート制御信号として用いられる。
【0052】
判定部111rは、比較例における遮断条件が満たされていると判定した場合、Xr=1としてXrの値を設定する。その他の場合、判定部111rは、Xr=0としてXrの値を設定する。比較例では、Xr=1がゲートOFF信号に、Xr=0がゲートON信号にそれぞれ相当する。従って、比較例では、遮断条件が満たされている場合に、ゲートOFF信号としてのXrがゲートGに供給されることにより、半導体スイッチ20がOFFされる。他方、遮断条件が満たされていない場合には、ゲートON信号としてのXrがゲートGに供給されることにより、半導体スイッチ20がONされる。
【0053】
(効果)
比較例の半導体遮断装置1rに示される通り、従来の半導体遮断装置では、I1の持続時間に拘らず、I1の瞬時値のみに基づき、半導体スイッチ20の導通状態が制御されることが一般的であった。
【0054】
これに対し、本願の発明者ら(以下、発明者らと称する)は、「半導体スイッチ20の導通状態を制御するための限時特性を設定する」という、従来とは異なる新たな着想を得た。例えば、上述の特許文献1~2には、当該着想については何ら言及されていない。そして、発明者らは、当該着想に基づき半導体遮断装置1を新たに創作した。
【0055】
負荷装置には、当該負荷装置の事故に起因しない一時的な大電流(以下、非事故時大電流)が流れる場合があることが知られている。非事故時大電流の一例としては、負荷装置の起動時に当該負荷装置に流れる突入電流を挙げることができる。非事故時大電流は、事故電流(負荷装置の事故に起因する大電流)ではないので、当該非事故時大電流を半導体遮断装置によって遮断する必要はない。
【0056】
しかしながら、従来の半導体遮断装置(例:半導体遮断装置1r)では、Ithよりも大きい非事故時大電流(I1)が瞬時的に流れると、半導体スイッチ20がOFFされる。このように、半導体遮断装置1rでは、半導体スイッチ20の不要な遮断が生じうる。
【0057】
これに対し、半導体遮断装置1では、従来の機械的遮断装置と同様に、限時特性が設定されている。具体的には、半導体遮断装置1では、第1種限時特性(反限時特性)が設定されている。それゆえ、半導体遮断装置1では、第1種限時特性に基づき、半導体スイッチ20の導通状態を制御できる(半導体スイッチ20を遮断できる)。
【0058】
このため、半導体遮断装置1では、Ithよりも大きい非事故時大電流(I1)が瞬時的に流れた場合であっても、当該非事故時大電流の通電時間はごく短いため、半導体スイッチ20はONのまま維持される。このように、半導体遮断装置1によれば、半導体遮断装置1rとは異なり、半導体スイッチ20の不要な遮断を防止することが可能となる。以上の通り、半導体遮断装置1によれば、従来よりも汎用性に優れた半導体遮断装置を提供できる。
【0059】
なお、半導体遮断装置1は、従来の機械的遮断装置の取り扱いに慣れたユーザにとっても運用が容易である。上述の通り、半導体遮断装置1では、従来の機械的遮断装置と同様の限時特性が設定されているためである。このため、半導体遮断装置1は、従来の半導体遮断装置の取り扱いに不慣れなユーザに対して、特に有益であると言える。
【0060】
加えて、半導体遮断装置1では、第2種限時特性(定限時特性)がさらに設定されている。それゆえ、半導体遮断装置1では、第2種限時特性にさらに基づき、半導体スイッチ20の導通状態を制御できる(半導体スイッチ20を遮断できる)。
【0061】
第2種限時特性は、従来の機械的遮断装置では設けられていない限時特性である。第2種限時特性を設けることにより、事故電流を高速に遮断できる。事故電流の発生時には、V1が十分に大きくなり、その結果I2も十分に大きくなるためである。なお、事故電流の例としては、負荷装置の短絡電流(負荷装置の短絡故障時に、当該負荷装置に流れる電流)を挙げることができる。
【0062】
このように、半導体遮断装置1では、第2種限時特性を設けることによって、「事故電流の高速遮断」という、従来の半導体遮断装置と同様の効果が実現されている。当該効果は、従来の機械的遮断装置(反限時特性のみを有する遮断装置)では実現しえなかった効果である。以上の通り、半導体遮断装置1によれば、従来の機械的遮断装置と従来の半導体遮断装置との両方の利点を得ることができる。
【0063】
(補足)
従来の半導体遮断装置では、電流値の取得から半導体スイッチの遮断処理までのデータ処理に、少なくとも数10μs~数100μs程度の時間を要していた。このため、従来の半導体遮断装置では、事故電流を高速遮断するための限時特性(例:実施形態1における第2種限時特性)を設けることは、そもそも困難であった。
【0064】
これに対し、実施形態1では、制御回路10(スイッチング制御部110およびV/I変換部120)は、FPGAによって構成されている。FPGAは、高速なデータ処理(高速演算)の実現が可能なハードウェアの一例であることが知られている。FPGAによれば、電流値(第1電流値および第2電流値)の取得から半導体スイッチ20の遮断処理までのデータ処理を、数μs~数10μs程度の短時間で行うことができる。従って、FPGAによれば、数10A/μsという急峻な電流値の立上りに対応できる。
【0065】
以上の通り、FPGAによれば、事故電流を高速遮断するための限時特性(特に第2種限時特性)を容易に設定できる。例えば、事故電流を高速遮断するためには、tcは、10μs(10-5s)以下に設定されることが好ましい。また、事故電流のさらなる高速遮断のためには、tcは、数μs以下に設定されることがより好ましい。一例として、tcは、1μs(10-6s)以下に設定されることがより好ましい。
【0066】
また、半導体遮断装置1では、第1種限時特性と第2種限時特性との使い分けという観点から、IcはIaに比べて十分に大きく設定されることが好ましい。一例として、Icは、Iaの10倍以上に設定されていることが好ましい。
【0067】
〔実施形態2〕
実施形態1では、第1種限時特性内第1限時特性と第1種限時特性内第2限時特性との2つの異なる限時特性が、第1種限時特性に含まれている場合を例示した。但し、第1種限時特性内第2限時特性は、必ずしも設定される必要はない。Ia≦I≦Icの範囲において、1つの(単一の)第1種限時特性が設定されていてもよい。すなわち、第1種限時特性は、第1種限時特性内第1限時特性のみであってもよい。従って、本発明の一態様に係る半導体遮断装置において、第2判定部112は、必須の構成要素ではない。
【0068】
図4は、実施形態2の半導体遮断装置2の要部の構成を示すブロック図である。半導体遮断装置2の制御回路を、制御回路10A(制御部)と称する。また、半導体遮断装置2のスイッチング制御部を、スイッチング制御部110Aと称する。スイッチング制御部110Aは、第1判定部111A、第3判定部113、およびOR回路119Aを備えている。半導体遮断装置2では、半導体遮断装置1とは異なり、第2判定部112が設けられていない。
【0069】
図5は、スイッチング制御部110Aに設定されている限時特性を例示するグラフである。
図5の関数OC1vは、第1判定部111Aにおいて予め設定されている。
図5に示されるように、OC1vは、Ia≦I≦Icの範囲における第1種限時特性(実施形態2における第1種限時特性)を規定する。
図5の例におけるOC1vは、点A(Ia,ta)と点C(Ic,tc)とを結ぶ直線として設定されている。すなわち、OC1vは、以下の式(5)、
t={(tc-ta)/(Ic-Ia)}×(I-Ia)+ta …(5)
の通り設定されている。
【0070】
第1判定部111Aは、電流センサ30からI1を取得する。そして、第1判定部111Aは、OC1vを用いて、I1に対応する連続通電許容時間(以下、t11vと称する)を算出する。具体的には、第1判定部111Aは、I1を式(5)のIに代入することにより、t11vを算出する。続いて、第1判定部111Aは、I1以上の電流値がt11vよりも長い時間に亘って持続しているか否かを判定する。
【0071】
以下、「I1以上の電流値がt11vよりも長い時間に亘って持続している」という条件を、実施形態2における第1遮断条件とも称する。第1判定部111Aは、実施形態2における第1遮断条件が満たされていると判定した場合に、X1=1としてX1の値を設定する。その他の場合、第1判定部111Aは、X1=0としてX1の値を設定する。
【0072】
上述の通り、半導体遮断装置2は、第2判定部112を有していない。このため、半導体遮断装置2では、2入力1出力の論理ゲートとしてのOR回路119Aが設けられている。OR回路119Aは、以下の式(6)、
Y=X1+X3 …(6)
の通り、Yを生成する。そして、OR回路119Aは、YをゲートGに供給する。制御回路10Aによっても、第1種限時特性および第2種限時特性に基づき、半導体スイッチ20を遮断できる。
【0073】
〔実施形態3〕
実施形態2では、第1種限時特性および第2種限時特性の2種類の限時特性が設定されている場合を例示した。但し、本発明の一態様に係る半導体遮断装置では、第1種限時特性のみが設定されていてもよい。それゆえ、本発明の一態様に係る半導体遮断装置において、電圧センサ35、V/I変換部120、第3判定部113も、必須の構成要素ではない。また、OR回路119・119Aも、本発明の一態様に係る半導体遮断装置における必須の構成要素ではない。
【0074】
図6は、実施形態3の半導体遮断装置3の要部の構成を示すブロック図である。半導体遮断装置3の制御回路を、制御回路10B(制御部)と称する。制御回路10Bは、第1判定部111Aを備えている。半導体遮断装置3では、半導体遮断装置2とは異なり、電圧センサ35、V/I変換部120、第3判定部113、およびOR回路119Aが設けられていない。半導体遮断装置3では、第1判定部111Aのみによってスイッチング制御部が構成されている。
【0075】
図6に示されるように、半導体遮断装置3では、第1判定部111Aは、X1をゲートGに供給する。すなわち、半導体遮断装置3では、X1がゲート制御信号として、ゲートGに供給されている。実施形態3では、X=1がゲートOFF信号に、X=0がゲートON信号にそれぞれ相当する。以上の通り、制御回路10Bによっても、第1種限時特性に基づき、半導体スイッチ20を遮断できる。
【0076】
〔変形例〕
(1)上述の各実施形態では、第1種限時特性が反限時特性である場合を例示した。但し、第1種限時特性は、必ずしも反限時特性でなくともよい。例えば、第1種限時特性は、定限時特性であってもよい。但し、「従来の機械的遮断装置と同様の限時特性を設定する」という趣旨からは、第1種限時特性は反限時特性であることが好ましい。
【0077】
(2)上述の各実施形態では、第2種限時特性が定限時特性である場合を例示した。但し、第2種限時特性は、必ずしも定限時特性でなくともよい。例えば、第2種限時特性は、反限時特性であってもよい。但し、「演算の簡略化によるデータ処理の高速化」という趣旨からは、第2種限時特性は、定限時特性であることが好ましい。
【0078】
(3)第1種限時特性には、3つ以上の異なる限時特性が含まれていてもよい。従って、本発明の一態様に係る半導体遮断装置では、m個(mは1以上の整数)の異なる限時特性が、第1種限時特性に含まれていてもよい。以下、第1種限時特性に含まれるi番目の限時特性を、第1種限時特性内第i限時特性と称する。iは、1以上かつm以下の任意の整数である。第1種限時特性内第1限時特性~第1種限時特性内第m限時特性はそれぞれ、I1の異なる範囲において規定されている。
【0079】
また、第2種限時特性には、2つ以上の限時特性が含まれていてもよい。従って、本発明の一態様に係る半導体遮断装置では、n個(nは1以上の整数)の異なる限時特性が、第2種限時特性に含まれていてもよい。以下、第2種限時特性に含まれるj番目の限時特性を、第2種限時特性内第j限時特性と称する。jは、1以上かつn以下の任意の整数である。第2種限時特性内第1限時特性~第2種限時特性内第n限時特性はそれぞれ、I2の異なる範囲において規定されている。
【0080】
mおよびnの少なくともいずれかを増加させることにより、より多様な条件を考慮し、半導体スイッチ20の導通状態を制御できる。それゆえ、例えば、負荷装置のより多様な状態異常に対処することが可能となる。
【0081】
以上のことから、本発明の一態様に係る半導体遮断装置では、OR回路は、(m+n)出力1入力の論理ゲートとして設けられていればよい。実施形態1では、m=2かつn=1であるので、半導体遮断装置1では、3入力1出力のOR回路119が設けられている。また、実施形態2では、m=1かつn=1であるので、半導体遮断装置2では、2入力1出力のOR回路119Aが設けられている。
【0082】
なお、実施形態3に示されている通り、本発明の一態様に係る半導体遮断装置では、n=0であってもよい。実施形態3に示されるように、m=1かつn=0である場合には、OR回路を設けることは不要であることに留意されたい。
【0083】
(4)また、本開示の一態様に係る論理ゲートは、OR回路に限定されない。本開示の一態様に係る論理ゲートは、(m+n)個の入力に対し、ゲート制御として利用可能な1つの出力信号を出力できればよい。例えば、本開示の一態様に係る論理ゲートは、AND回路であってもよい。別の例として、当該論理ゲートは、NOR回路またはNAND回路であってもよい。
【0084】
〔ソフトウェアによる実現例〕
半導体遮断装置1~3の制御ブロック(特に、制御回路10~10Bとして例示されている制御部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0085】
後者の場合、半導体遮断装置1~3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0086】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0087】
1、2、3 半導体遮断装置
10、10A、10B 制御回路(制御部)
20 半導体スイッチ
30 電流センサ
35 電圧センサ
110、110A スイッチング制御部
111、111A 第1判定部
112 第2判定部
113 第3判定部
119、119・119A、119A OR回路
120 V/I変換部(電圧電流変換部)
OC1、OC2 関数(第1種限時特性を規定する関数)
OC1v 関数(第1種限時特性を規定する関数)
OC3 関数(第2種限時特性を規定する関数)
Ia 電流値(第1種限時特性における電流設定値の下限値)
Ic 電流値(定限時特性における電流設定値の下限値)
tc 時間(定限時特性における連続通電許容時間の設定値)