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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】球技用レッグガード
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/12 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
A63B71/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021021733
(22)【出願日】2021-02-15
(65)【公開番号】P2022124140
(43)【公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-11-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2021 SPRING&SUMMER ゼットベースボール&コンバース内見会、令和2年6月29日~7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108258
【氏名又は名称】ゼット株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390040165
【氏名又は名称】株式会社二子商事
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 龍一
(72)【発明者】
【氏名】西本 充晶
【審査官】原田 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-012038(JP,A)
【文献】特開2008-079694(JP,A)
【文献】特開2003-236029(JP,A)
【文献】実開昭56-113567(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下脚を被覆可能なプロテクタと、前記プロテクタを前記下脚に装着するための装着部とを備えた球技用レッグガードであって、
前記プロテクタは、前記下脚の脚脛を含む高さ領域の前半分に対応する大きさの軟質素材製の脚脛ベース部材と、前記脚脛ベース部材の前側に備えられている硬質素材製の脚脛プロテクタ部材とを備え、
前記脚脛ベース部材は、前記脚脛プロテクタ部材との間に内部空間が形成される状態で前記脚脛プロテクタ部材に連結され、
前記脚脛プロテクタ部材は、前後方向に通気可能で且つ前記内部空間に連通するプロテクタ通気部を備え、
前記脚脛ベース部材は、前記前後方向に通気可能で且つ前記内部空間に連通するベース通気部を備えている球技用レッグガード。
【請求項2】
前記脚脛ベース部材の下端部と前記脚脛プロテクタ部材の下端部との間に、前記内部空間と外部とが上下方向に連通する連通路が形成されている請求項1に記載の球技用レッグガード。
【請求項3】
左右方向における身体中心側を内側とし、前記左右方向における前記内側の反対側を外側として、
前記脚脛ベース部材が、前記脚脛プロテクタ部材における前記内側の端部から突出する内側突出部分と、前記脚脛プロテクタ部材における前記外側の端部から突出する外側突出部分とを備え、
前記内側突出部分は、前記外側突出部分より前記脚脛ベース部材からの突出量が大きい請求項1又は2に記載の球技用レッグガード。
【請求項4】
前記脚脛ベース部材が、前記脚脛プロテクタ部材における左右方向の端部から突出する突出部分を備え、
前記突出部分が、通気可能な突出通気部を備えている請求項1から3のいずれか一項に記載の球技用レッグガード。
【請求項5】
前記装着部が、前記下脚に巻き付ける脚脛バンド部を備え、
前記脚脛バンド部は、上下方向において前記突出部分の幅内において前記脚脛プロテクタ部材に連結されると共に、前記下脚に巻き付けた状態で前記突出通気部に対して積層している請求項4に記載の球技用レッグガード。
【請求項6】
前記プロテクタは、膝を被覆可能な脚膝プロテクタ部材を備え、
前記脚膝プロテクタ部材は、前記脚膝プロテクタ部材の曲率が前記脚脛プロテクタ部材の曲率よりも小さくなる形状に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の球技用レッグガード。
【請求項7】
前記プロテクタは、その下端部に足甲を被覆可能な足甲プロテクタ部材を備え、
前記足甲プロテクタ部材は、身体つま先側となる先端部に向かうに従って被覆幅が広くなる先広がり形状に形成されている請求項1から6のいずれか一項に記載の球技用レッグガード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球技(例えば、野球やソフトボール等)を行う際に下脚に装着して使用される球技用レッグガードで、特に、下脚を被覆可能なプロテクタと、前記プロテクタを前記下脚に装着するための装着部とを備えた球技用レッグガードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の球技用レッグガードは、下脚を被覆可能なプロテクタと、プロテクタを下脚に装着するための装着部(締め付け部材6)とを備えている。そして、プロテクタは、下脚の脚脛を含む高さ領域の前半分に対応する大きさの軟質素材製の脚脛ベース部材(ベース部材4B)と、脚脛ベース部材の前側に備えられている硬質素材製の脚脛プロテクタ部材(脚脛プロテクタ部材4A)とを備えている。
脚脛ベース部材は、脚脛プロテクタ部材に密着させた状態で脚脛プロテクタ部材に連結されており、脚脛プロテクタ部材には、前後方向に通気可能な通気口(12)を備え、脚脛ベース部材には、脚脛プロテクタ部材の通気口を塞ぐ状態でメッシュ生地(13)を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-012038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の球技用レッグガードでは、脚脛プロテクタ部材の通気口と脚脛ベース部材のメッシュ生地とが通気するため、下脚の脚脛とプロテクタとの間における通気口近くの部分においては蒸れが抑えられているものの、それ以外の部分では脚脛プロテクタ部材が脚脛近くに存在しているため、下脚の脚脛とプロテクタとの間における広範囲の蒸れは抑え難いものとなっていた。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、脚脛とプロテクタとの間に生じる蒸れを広範囲に亘って抑えることができる球技用レッグガードを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1特徴構成は、下脚を被覆可能なプロテクタと、前記プロテクタを前記下脚に装着するための装着部とを備えた球技用レッグガードであって、
前記プロテクタは、前記下脚の脚脛を含む高さ領域の前半分に対応する大きさの軟質素材製の脚脛ベース部材と、前記脚脛ベース部材の前側に備えられている硬質素材製の脚脛プロテクタ部材とを備え、前記脚脛ベース部材は、前記脚脛プロテクタ部材との間に内部空間が形成される状態で前記脚脛プロテクタ部材に連結され、前記脚脛プロテクタ部材は、前後方向に通気可能で且つ前記内部空間に連通するプロテクタ通気部を備え、前記脚脛ベース部材は、前記前後方向に通気可能で且つ前記内部空間に連通するベース通気部を備えている点にある。
【0007】
本構成によれば、脚脛ベース部材と脚脛プロテクタ部材との間に内部空間が形成されているため、脚脛ベース部材が脚脛プロテクタ部材に密着されている場合に比べて、脚脛プロテクタ部材に生じた衝撃が脚脛に伝わることを抑制できる。そして、脚脛プロテクタ部材のプロテクタ通気部と脚脛ベース部材のベース通気部とが通気するため、下脚の脚脛とプロテクタとの間における通気部近くでの蒸れを抑えることができる。更に、脚脛ベース部材と脚脛プロテクタ部材との間に内部空間が形成されていることによって、下脚の脛部と脚脛プロテクタとの間において広範囲に亘って蒸れを抑えることができ、プロテクタ通気部とベース通気部とを通気して内部空間の空気の入れ換えが行われることによって広範囲に亘る蒸れを更に抑えることができる。このように、脚脛とプロテクタとの間に生じる蒸れを広範囲に亘って抑えることができる。
【0008】
本発明の第2特徴構成は、前記脚脛ベース部材の下端部と前記脚脛プロテクタ部材の下端部との間に、前記内部空間と外部とが上下方向に連通する連通路が形成されている点にある。
【0009】
本構成によれば、脚脛ベース部材の下端部と脚脛プロテクタ部材の下端部との間において、連通路を通して通気させることができるため、下脚の脛部と脚脛プロテクタとの間における蒸れを更に抑えることができる。また、脚脛プロテクタ部材にプロテクタ通気部が形成されているため、そのプロテクタ通気部から内部空間に砂等の異物が侵入する場合があるが、その異物を自重によって連通路を通して排出することができるので、内部空間に異物がたまり難くなる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、左右方向における身体中心側を内側とし、前記左右方向における前記内側の反対側を外側として、前記脚脛ベース部材が、前記脚脛プロテクタ部材における前記内側の端部から突出する内側突出部分と、前記脚脛プロテクタ部材における前記外側の端部から突出する外側突出部分とを備え、前記内側突出部分は、前記外側突出部分より前記脚脛ベース部材からの突出量が大きい点にある。
【0011】
本構成によれば、脚脛ベース部材の外側突出部分の突出量が比較的小さいため、外側突出部分による蒸れを抑えることができる。また、キャッチャーの捕球姿勢は、足を開いて座る姿勢となっており、脚脛の内側の部分が投手や打者側となる前側を向いているため、ワンバウンド投球やフォールチップ等のボールがキャッチャーの脚脛の内側の部分にあたる場合がある。しかし、キャッチャーが球技用レッグガードを装着することで、脚脛ベース部材の内側突出部分の突出量が比較的大きいために上述のようなボールを内側突出部分によって受け止め易くなり、ボールの衝撃を直接脚脛の内側の部分に伝わることを防止し易くなる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、前記脚脛ベース部材が、前記脚脛プロテクタ部材における左右方向の端部から突出する突出部分を備え、前記突出部分が、通気可能な突出通気部を備えている点にある。
【0013】
本構成によれば、脚脛ベース部材の突出部分において突出通気部に通気させることができるため、突出部分による蒸れを抑えることができる。
【0014】
本発明の第5特徴構成は、前記装着部が、前記下脚に巻き付ける脚脛バンド部を備え、前記脚脛バンド部は、上下方向において前記突出部分の幅内において前記脚脛プロテクタ部材に連結されると共に、前記下脚に巻き付けた状態で前記突出通気部に対して積層している点にある。
【0015】
本構成によれば、突出部分に突出通気部を備えることで突出部分が変形し易くなる場合があるが、下脚に脚脛バンド部を巻き付けることによってその脚脛バンド部が突出通気部に対して積層するため、脚脛バンド部によって突出部分の変形を抑えることができる。
【0016】
本発明の第6特徴構成は、前記プロテクタは、膝を被覆可能な脚膝プロテクタ部材を備え、前記脚膝プロテクタ部材は、前記脚膝プロテクタ部材の曲率が前記脚脛プロテクタ部材の曲率よりも小さくなる形状に形成されている点にある。
【0017】
本構成によれば、脚膝プロテクタ部材の曲率が比較的小さいため、脚膝プロテクタ部材を地面に付けた状態で膝を横滑りさせたときに脚膝プロテクタ部材による抵抗を抑えることができるため、地面上で膝を横滑りさせ易くなる。
【0018】
本発明の第7特徴構成は、前記プロテクタは、その下端部に足甲を被覆可能な足甲プロテクタ部材を備え、前記足甲プロテクタ部材は、身体つま先側となる先端部に向かうに従って被覆幅が広くなる先広がり形状に形成されている点にある。
【0019】
本構成によれば、足甲プロテクタ部材の形状を足甲の形状に沿った形状として足甲プロテクタ部材を足甲にフィットさせることができると共に足甲プロテクタ部材によって幅が広くなる足指近くまで足甲を適切に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】球技用レッグガードの正面図
図2】球技用レッグガードの右側面図
図3】球技用レッグガードの左側面図
図4】球技用レッグガードの脚脛部分の背面図
図5】球技用レッグガードの脚脛部分における上下方向の中央部の横断面図
図6】球技用レッグガードの脚脛部分における下側の端部の横断面図
図7】球技用レッグガードの膝部分の横断面図
図8】球技用レッグガードの脚脛部分の縦断面図
図9】球技用レッグガードを装着した状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、球技用レッグガードTは、下脚を被覆可能なプロテクタ1と、プロテクタ1を下脚に装着するための装着部2とを備えている。図1には、球技用レッグガードTとして、野球やソフトボールで用いられるキャッチャー用のレッグガードを示している。尚、球技用レッグガードTは、左足用と右足用との左右一対あるが、左足用と右足用とは左右対称に構成されているため、本実施形態では左足用について説明し、右足用については説明を省略する。
【0022】
図9に示すように、左足用の球技用レッグガードTのプロテクタ1は、大腿下部から足甲に亘る状態で下脚を被覆する。図1から図3、及び、図9に示すように、プロテクタ1は、大腿下部を被覆する大腿下部プロテクタ部4、大腿下部と脚膝との間を被覆する第1架橋プロテクタ部5、脚膝を被覆する脚膝プロテクタ部6、脚膝と脚脛との間を被覆する第2架橋プロテクタ部7、脚脛を被覆する脚脛プロテクタ部8、及び、足甲を被覆する足甲プロテクタ部9を備えている。プロテクタ1は、大腿下部プロテクタ部4、第1架橋プロテクタ部5、脚膝プロテクタ部6、第2架橋プロテクタ部7、脚脛プロテクタ部8、足甲プロテクタ部9を、隣接するプロテクタ部の間で屈曲自在に一連に連結して構成されている。
【0023】
次に、球技用レッグガードTのプロテクタ1及び装着部2の詳細について説明するが、図1から図3に示すように、装着者が下脚に球技用レッグガードTを装着した状態を想定して方向を定義している。つまり、装着者の下脚が沿う方向を上下方向Zとし、装着者の前後に沿う方向を前後方向Xとし、装着者の左右に沿う方向(上下方向視で前後方向Xに対して直交する方向)を左右方向Yとしている。また、左右方向Yにおいて、装着者の身体中心側(図1における左側)を内側Y1とし、内側Y1の反対側(図1における右側)を外側Y2としている。尚、球技用レッグガードTの足甲プロテクタ部材9Bについては、装着した姿勢ではなく、先端側が下側Z2を向くように上下方向Zに沿った姿勢としている。
【0024】
大腿下部プロテクタ部4、第1架橋プロテクタ部5、脚膝プロテクタ部6、第2架橋プロテクタ部7、脚脛プロテクタ部8、足甲プロテクタ部9の各プロテクタ部は、対応する下脚の部分の高さ領域の前半分に対応する大きさの軟質素材製のベース部材Aと、ベース部材Aの前側X1に備えられている硬質素材製のプロテクタ部材Bとを備えている。例えば、脚脛プロテクタ部8は、脚脛を含む高さ領域の前半分に対応する大きさの脚脛ベース部材8Aと、脚脛ベース部材8Aの前側X1に備えられている脚脛プロテクタ部材8Bとを備えている。脚脛プロテクタ部材8Bは、プラスチックなどの硬質素材によって構成されており、硬質素材製である。脚脛ベース部材8Aは、スポンジ材やシリコン材などの軟質弾性素材によって構成されている軟質緩衝体を、皮、合成皮革、布生地などの軟質素材によって被覆して構成されており、軟質素材製である。そして、脚脛ベース部材8Aは、連結糸等の第1連結部材11によって脚脛プロテクタ部材8Bに連結されている。
【0025】
同様に、大腿下部プロテクタ部4は、大腿下部ベース部材4Aと大腿下部プロテクタ部材4Bとを備えている。第1架橋プロテクタ部5は、第1架橋ベース部材5Aと第1架橋プロテクタ部材5Bとを備えている。脚膝プロテクタ部6は、脚膝ベース部材6Aと脚膝プロテクタ部材6Bとを備えている。第2架橋プロテクタ部7は、第2架橋ベース部材7Aと第2架橋プロテクタ部材7Bとを備えている。足甲プロテクタ部9は、足甲ベース部材9Aと足甲プロテクタ部材9Bとを備えている。
【0026】
そして、隣接するプロテクタ部同士を軟質なベース部材Aで連結することで、隣接するプロテクタ部の間で屈曲自在な構成となっている。脚脛プロテクタ部8と足甲プロテクタ部9との連結を例に説明すると、足甲ベース部材9Aは、足甲プロテクタ部材9Bから上側Z1に突出した足甲上側突出部分30を有しており、この足甲上側突出部分30の上端部が、脚脛プロテクタ部材8Bの下端部にリベット等の第2連結部材12によって連結されている。そして、プロテクタ1は、足甲ベース部材9Aの足甲上側突出部分30が屈曲することで、脚脛プロテクタ部8と足甲プロテクタ部9との間で屈曲するように構成されている。
【0027】
次に、脚脛プロテクタ部8について説明を加える。
図5に示すように、脚脛プロテクタ部8の脚脛ベース部材8Aは、脚脛プロテクタ部材8Bとの間に内部空間Sが形成される状態で脚脛プロテクタ部材8Bに連結されている。
説明を加えると、脚脛プロテクタ部材8Bは、左右方向Yの中央部が前側X1に突出する円弧状に形成されている。脚脛ベース部材8Aは、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの両端部にのみ連結されている。また、脚脛ベース部材8Aにおける前後方向視で脚脛プロテクタ部分と重なる部分の左右方向Yに沿う長さは、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの長さより短くなっており、脚脛ベース部材8Aは、撓まない状態又は撓みが少ない状態で、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの両端部に連結されており、脚脛ベース部材8Aと脚脛プロテクタ部材8Bとの間に内部空間Sが形成されている。そのため、脚脛によって脚脛ベース部材8Aが前側X1に押されたとしても、脚脛ベース部材8Aの左右方向Yの中央部が脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの中央部に密着することがなく、内部空間Sが形成される状態が維持される。
【0028】
図1から図3に示すように、脚脛プロテクタ部材8Bは、前後方向Xに通気可能で且つ内部空間Sに連通するプロテクタ通気部14を備えている。プロテクタ通気部14は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける上下方向Zの中央位置に対して上側Z1と下側Z2との両側に形成されている。また、プロテクタ通気部14は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける左右方向Yの中央位置に対して内側Y1と外側Y2との両側に形成されている。このように、脚脛プロテクタ部材8Bには、広範囲に分散させた状態で複数のプロテクタ通気部14が備えられている。また、図1から図3、及び図5に示すように、脚脛プロテクタ部材8Bには、後側X2に凹入する凹入部15が形成されており、プロテクタ通気部14は、この凹入部15に形成されている。
【0029】
図4及び図5に示すように、脚脛ベース部材8Aは、プロテクタ通気部14に対して前後方向Xに対向する位置に、前後方向Xに通気可能で且つ内部空間Sに連通するベース通気部16を備えている。ベース通気部16は、脚脛ベース部材8Aにおける前後方向Xに貫通する部分によって形成されている。説明を加えると、図5に示すように、脚脛ベース部材8Aは、軟質緩衝体を軟質素材によって被覆したベース本体17に加えて、ベース本体17に対して後側X2に積層させた多孔状のメッシュ生地18を備えている。ベース本体17に、前後方向Xに貫通するベース通気部16が備えられ、メッシュ生地18は、ベース通気部16を含めてベース本体17の後側X2の全体を覆う状態で備えられており、ベース通気部16は、多孔状のメッシュ生地18によって通気可能に塞がれている。また、本実施形態では、脚脛ベース部材8Aは2分割構成となっており、この分割された脚脛ベース部材8A同士の間にもベース通気部16が形成されているが、このベース通気部16はメッシュ生地18によって塞がれていない。
【0030】
図4に示すように、ベース通気部16は、脚脛ベース部材8Aの左右方向Yの中央位置に対して左右方向Yの両側に亘る状態で形成されており、プロテクタ通気部14より広い範囲に形成されている。そして、前後方向視で、ベース通気部16が形成されている範囲内にプロテクタ通気部14の全体が位置するように、ベース通気部16が形成されている。
【0031】
図6及び図8に示すように、脚脛ベース部材8Aの下端部と脚脛プロテクタ部材8Bの下端部との間に、内部空間Sと外部とが上下方向Zに連通する下側連通路19(連通路)が形成されている。説明を加えると、脚脛ベース部材8Aの下端部は、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの両端部にのみ連結されており、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの中間部には連結されていない。このように脚脛ベース部材8Aの下端部の両端部のみを脚脛プロテクタ部材8Bに連結することで、脚脛プロテクタ部8の下端部に下側連通路19が形成されており、この下側連通路19によって、内部空間Sと脚脛プロテクタ部8の下側Z2の外部とが連通されている。
また、図8に示すように、脚脛プロテクタ部8の上端部には、脚脛プロテクタ部8の下端部と同様に上側連通路20が形成されており、この上側連通路20によって、内部空間Sと脚脛プロテクタ部8の上側Z1の外部とが連通されている。
【0032】
次に、脚脛ベース部材8Aについて説明する。図2及び図3に示すように、脚脛ベース部材8Aは、脚脛プロテクタ部材8Bにおける内側Y1の端部から突出する内側突出部分21と、脚脛プロテクタ部材8Bにおける外側Y2の端部から突出する外側突出部分22とを備えている。図3に示すように、内側突出部分21は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける内側Y1の端部から内側Y1及び後側X2に突出している。図2に示すように、外側突出部分22は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける外側Y2の端部から外側Y2及び後側X2に突出している。
【0033】
図2及び図3に示すように、内側突出部分21は、外側突出部分22より突出量が大きくなっている。説明を加えると、脚脛プロテクタ部材8Bから後側X2に突出する内側突出部分21の突出量W1は、脚脛プロテクタ部材8Bから後側X2に突出する外側突出部分22の突出量W2より大きい。そのため、内側突出部分21の前後方向Xの幅は、外側突出部分22の前後方向Xの幅より大きくなっている。また、脚脛プロテクタ部材8Bから下側Z2に突出する内側突出部分21の突出量W3は、脚脛プロテクタ部材8Bから下側Z2に突出する外側突出部分22の突出量W4より大きい。そのため、内側突出部分21の上下方向Zの幅は、外側突出部分22の上下方向Zの幅より大きくなっている。
【0034】
つまり、内側突出部分21や外側突出部分22には、脚脛プロテクタ部材8Bから後側X2に向けて突出して装着者の脹脛を覆う脹脛部23が備えられているが、内側突出部分21の脹脛部23は、外側突出部分22の脹脛部23より前後方向Xに幅広に形成されている。また、内側突出部分21や外側突出部分22には、脚脛プロテクタ部材8Bから後斜め下側Z2に向けて突出して装着者の踝を覆う踝部24が備えられているが、内側突出部分21の踝部24は、外側突出部分22の踝部24より、前後方向X及び上下方向Zに幅広に形成されている。
【0035】
図2及び図3に示すように、脚脛ベース部材8Aの脹脛部23は、上下方向Zの中間部から上側Z1に向かうに従って徐々に後側X2に張り出す形状に形成されると共に、上下方向Zの中間部から下側Z2に向かうに従って徐々に後側X2に張り出す形状に形成されている。図4は、脚脛ベース部材8Aを左右方向Yに展開させた状態を示しているが、脚脛ベース部材8Aは、このように脚脛ベース部材8Aを左右方向Yに展開させた状態で蝶状となるように形成されている。ちなみに、脚脛ベース部材8Aを左右方向Yに展開させた状態では、内側突出部分21は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける内側Y1の端部から内側Y1に突出し、外側突出部分22は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける外側Y2の端部から外側Y2に突出している。
【0036】
内側突出部分21及び外側突出部分22は、通気可能な突出通気部25を備えている。説明を加えると、脚脛ベース部材8Aのベース本体17における内側突出部分21や外側突出部分22に対応する部分に、前後方向Xに貫通する突出通気部25を備えている。そして、突出通気部25は、脚脛ベース部材8Aのメッシュ生地18によって通気可能に塞がれている。突出通気部25は、内側突出部分21の脹脛部23及び外側突出部分22の脹脛部23に備えられている。本実施形態では、内側突出部分21と外側突出部分22との双方が、脚脛プロテクタ部材8Bにおける左右方向Yの端部から突出する突出部分に相当し、これら内側突出部分21及び外側突出部分22に備えられている突出通気部25が、突出部分に備えられた通気可能な突出通気部に相当する。
【0037】
図4に示すように、突出通気部25は、外縁が曲線で形成された長尺状に形成されており、突出通気部25の外縁が直線で形成されている場合より、突出通気部25による内側突出部分21や外側突出部分22の折れ曲がりが生じ難くなっている。本実施形態では、突出通気部25は、三日月状や、三日月状の一端の外縁を円弧状とした形状に形成されている。突出通気部25は、突出通気部25が延在する方向(図4において破線Lが沿う方向)に対して直交する方向の幅である通気幅W5を、野球の硬式ボールの直径以下としている。本実施形態では、図4において、通気幅W5として、突出通気部25が延在する方向に対して直交する方向において最も広くなる幅を示しており、この通気幅W5の長さを、野球の硬式ボールの直径の6割から7割としている。
【0038】
また、内側突出部分21や外側突出部分22には、前後方向Xの中間部に上下方向Zに沿って縫目26が備えられている。この縫目26の存在により、内側突出部分21や外側突出部分22の前後方向Xへの折れ曲がりは比較的行い易くしながら、内側突出部分21や外側突出部分22の上下方向Zへの折れ曲がりが行い難くなっている。また、脚脛ベース部材8Aの外縁部には、脚脛ベース部材8Aの外縁部を保護するための縁取りテープ27が縫い付けられており、この縁取りテープ27によって内側突出部分21及び外側突出部分22の外縁部が補強されている。尚、ベース通気部16及び突出通気部25の外縁部についても縁取りテープ27が縫い付けられて補強されている。
【0039】
次に、足甲プロテクタ部9について説明を加える。
図1から図3に示すように、足甲プロテクタ部9の足甲プロテクタ部材9Bは、下側Z2(装着者の身体つま先側となる先端側)に向かうに従って被覆幅が広くなる先広がり形状に形成されており、プロテクタ1の下端部に備えられて足甲を被覆可能に構成されている。
説明を加えると、足甲プロテクタ部材9Bには、上下方向Zの中央部より下側Z2に最も左右方向Yに幅広に形成されている幅広部29が備えられている。足甲プロテクタ部材9Bは、足甲プロテクタ部材9Bの上端部から幅広部29に向かうに従って左右方向Yの幅が徐々に広くなり、幅広部29から足甲プロテクタ部材9Bの下端部に向かうに従って左右方向Yの幅が徐々に狭くなる形状に形成されている。そして、幅広部29は、足甲プロテクタ部材9Bにおける上下方向Zの中央より下側Z2に位置している。このように、足甲プロテクタ部材9Bは、上端部から上下方向Zの中央部より下側Z2に亘って、下側Z2に向かうに従って左右方向Yの幅が徐々に広くなる形状に形成されている。足甲プロテクタ部材9Bにおける下側Z2ほど幅広に形成されている部分(幅広部29より上側Z1の部分)は、足甲プロテクタ部材9Bの上下方向Zの半分以上の範囲に亘っており、本実施形態では、足甲プロテクタ部材9Bの上下方向Zの3/4~4/5の範囲に亘っている。
また、足甲プロテクタ部材9Bは、上端部から幅広部29に向かうに従って前後方向Xの幅が徐々に広くなり、幅広部29から下端部に向かうに従って前後方向Xの幅が徐々に狭くなる形状に形成されている。
【0040】
このように、足甲プロテクタ部材9Bは、下側Z2に向かうに従って左右方向Yの幅及び前後方向Xの幅が広くなる形状となっており、これらによって足甲プロテクタ部材9Bは下側Z2に向かうに従って周方向に沿う被覆幅が広くなる形状となっている。
また、足甲プロテクタ部材9Bの全体ではないものの、下側Z2に向かうに従って被覆幅が広くなる形状となっている部分が、足甲プロテクタ部材9Bの上端部から中央部よりも下側Z2にまで亘っており、足甲プロテクタ部材9Bの上下方向Zの3/4~4/5の範囲に亘っているため、足甲プロテクタ部材9Bが先広がり形状となっている。
【0041】
また、足甲ベース部材9Aは、足甲プロテクタ部材9Bと同様に、下側Z2(装着者の足先側)ほど幅広に形成されている。足甲ベース部材9Aは、足甲プロテクタ部材9Bより大型に形成されており、足甲プロテクタ部材9Bから全周囲に亘って突出している。そして、足甲ベース部材9Aにおける足甲プロテクタ部材9Bから上側Z1に突出する部分によって、脚脛プロテクタ部材8Bに接続される足甲上側突出部分30が形成されている。
【0042】
次に、脚膝プロテクタ部6について説明を加える。
図7に示すように、脚膝プロテクタ部6の脚膝プロテクタ部材6Bは、左右方向Yの中央部が前側X1に突出する円弧状に形成されている。脚膝プロテクタ部材6Bの左右方向Yの幅は、脚脛プロテクタ部材8Bの左右方向Yの幅より大きく、脚膝プロテクタ部材6Bの前後方向Xの幅は、脚脛プロテクタ部材8Bの前後方向Xの幅より小さくなっている。そして、脚膝プロテクタ部材6Bは、脚膝プロテクタ部材6Bの前面の曲率が脚脛プロテクタ部材8Bの前面の曲率よりも小さくなる形状に形成されている。
【0043】
脚膝プロテクタ部6の脚膝ベース部材6Aは、その左右方向Yの中央部であって上下方向Zの中央部に位置する中央部分が、脚膝ベース部材6Aの他の部分より薄く形成されている。
説明を加えると、脚膝ベース部材6Aは、第1ベース本体31と、第1ベース本体31の後側X2に積層された第2ベース本体32とを備えている。第1ベース本体31は、脚膝プロテクタ部材6Bにおける後側X2を向く面の全面を覆う形状に形成されており、第2ベース本体32は、左右方向Yの中央部であって上下方向Zの中央部に前後方向Xに貫通する貫通部33が形成されている。このように構成された第1ベース本体31と第2ベース本体32とを前後方向Xに積層して脚膝ベース部材6Aを構成することで、脚膝ベース部材6Aの中央部分が前側X1に凹入する形状に形成されている。このように中央部分を薄く形成することで、脚膝ベース部材6Aは、貫通部33が形成されている中央部分が他の部分より前側X1に大きく凹入する形状となっており、装着者の脚膝を脚膝ベース部材6Aに密着させ易くなっている。
【0044】
次に、装着部2について説明する。
装着部2は、大腿下部の後側X2に巻き付ける大腿下部バンド部36と、脚膝の後側X2に巻き付ける脚膝バンド部37と、脚脛の後側X2の後側X2に巻き付ける第1脚脛バンド部38及び第2脚脛バンド部39と、足甲の下側Z2に巻き付ける脚甲バンド部40との複数のバンド部を備えている。これら装着部2が備えている複数のバンド部の夫々は、基端部がプロテクタ部材Bの内側Y1の端部に接続され、先端部がプロテクタ部材Bの外側Y2の端部に接続されており、脚下における対応する部分の後側X2に巻き付けるように構成されている。
【0045】
装着部2が備えている複数のバンド部うちの脚甲バンド部40を除くバンド部は、先端部がプロテクタ部材Bの外側Y2の端部に接続体43を介して着脱可能に接続されている。接続体43は、バンド部の先端部に接続された雄型係合部と、プロテクタ部材Bの外側Y2の端部に接続された雌型係合部とで構成されており、雄型係合部を雌型係合部に係合可能に構成されている。本実施形態では、接続体43は、サイドリリース型のワンタッチバックルによって構成されている。
【0046】
図1から図3に示すように、脚脛プロテクタ部材8Bにおける第1脚脛バンド部38の基端部が接続される第1基端接続部分44は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける第1脚脛バンド部38の先端部が接続される第1先端接続部分45より下側Z2に位置している。そのため、第1脚脛バンド部38は、先端部側ほど下側Z2に位置するように、傾斜した姿勢で脚脛の後側X2に巻き付けられる。
また、脚脛プロテクタ部材8Bにおける第2脚脛バンド部39の基端部が接続される第2基端接続部分46は、脚脛プロテクタ部材8Bにおける第2脚脛バンド部39の先端部が接続されている第2先端接続部分47より上側Z1に位置している。そのため、第2脚脛バンド部39は、先端部側ほど上側Z1に位置するように、傾斜した姿勢で脚脛の後側X2に巻き付けられる。
そして、第1基端接続部分44は、第2先端接続部分47と同じ高さに備えられ、第2基端接続部分46は、第1先端接続部分45と同じ高さに備えられており、第1脚脛バンド部38及び第2脚脛バンド部39は、脚脛の後側X2に巻き付けた状態では、脚脛の後側X2で交差する状態で脚脛の後側X2に巻き付けられる。
【0047】
第1脚脛バンド部38及び第2脚脛バンド部39は、上下方向Zにおいて突出部分(内側突出部分21や外側突出部分22)の幅内において脚脛プロテクタ部材8Bに連結されている。本実施形態では、第1脚脛バンド部38の基端部と先端部、第2脚脛バンド部39の基端部と先端部のいずれもが、上下方向Zにおいて内側突出部分21や外側突出部分22の幅内において脚脛プロテクタ部材8Bに連結されている。尚、これら第1脚脛バンド部38及び第2脚脛バンド部39が、装着部2に備えられて下脚に巻き付ける脚脛バンド部に相当する。
【0048】
上述のように、第1基端接続部分44、第1先端接続部分45、第2基端接続部分46、及び、第2先端接続部分47を配置することで、第1脚脛バンド部38が、内側突出部分21や外側突出部分22に対して積層する状態で脚脛の後側X2に巻き付けられ、第2脚脛バンド部39が、内側突出部分21や外側突出部分22に対して積層する状態で脚脛の後側X2に巻き付けられる。また、第1脚脛バンド部38が、内側突出部分21の突出通気部25や外側突出部分22の突出通気部25に対して積層し、第2脚脛バンド部39が、内側突出部分21の突出通気部25や外側突出部分22の突出通気部25に対して積層する。このように、第1脚脛バンド部38及び第2脚脛バンド部39は、下脚に巻き付けた状態で突出通気部25に対して積層している。
【0049】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0050】
(1)上記した実施形態では、脚脛ベース部材8Aの下端部と脚脛プロテクタ部材8Bの下端部との間に下側連通路19を形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、脚脛プロテクタ部材8Bの下端部に前後方向Xに貫通する連通孔を形成する等によって下側連通路19が必要ない場合は、脚脛ベース部材8Aの下端部と脚脛プロテクタ部材8Bの下端部との間に下側連通路19を形成しない構成としてもよい。
【0051】
(2)上記した実施形態では、前後方向視でベース通気部16の範囲内にプロテクタ通気部14の全てが位置するようにベース通気部16を形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、前後方向視でベース通気部16の範囲内にプロテクタ通気部14の一部のみが位置するようにベース通気部16を形成する構成としてもよい。
また、上記した実施形態では、ベース通気部16を、プロテクタ通気部14に対して前後方向Xに対向する位置に備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、ベース通気部16を、プロテクタ通気部14に対して前後方向Xに対向しないように、つまりは、前後方向視でベース通気部16の範囲内にプロテクタ通気部14が位置しないように備えてもよい。
【0052】
(3)上記した実施形態では、内側突出部分21と外側突出部分22との双方に突出通気部25を形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、内側突出部分21と外側突出部分22とのうちの何れか一方のみに突出通気部25を形成する構成としてもよく、内側突出部分21と外側突出部分22との双方に突出通気部25を形成しない構成としてもよい。
【0053】
(4)上記した実施形態では、内側突出部分21の脚脛プロテクタ部材8Bからの突出量W1,W3を、外側突出部分22の脚脛プロテクタ部材8Bからの突出量W2,W4より大きい構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、内側突出部分21の脚脛プロテクタ部材8Bからの突出量W1,W3を、外側突出部分22の脚脛プロテクタ部材8Bからの突出量W2,W4と同じとしてもよく、外側突出部分22の脚脛プロテクタ部材8Bの突出量W2,W4より小さくしてもよい。
【0054】
(5)上記した実施形態では、脚脛バンド部38,39を突出通気部25に積層する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、脚脛バンド部38,39を突出通気部25に積層しないように、脚脛バンド部38,39を内側突出部分21や外側突出部分22における突出通気部25が形成されていない部分に積層する構成としてもよい。
【0055】
(6)上記した実施形態では、接続体43を、サイドリリース型のワンタッチバックルによって構成する例を説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、接続体43を、サイドリリース型以外のワンタッチバックルによって構成してもよく、面ファスナー等のワンタッチバックル以外のもので構成してもよい。
【0056】
(7)上記した実施形態では、脚膝プロテクタ部材6Bの曲率を脚脛プロテクタ部材8Bの曲率より小さくする構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、脚膝プロテクタ部材6Bの曲率を、脚脛プロテクタ部材8Bの曲率と同じにする構成としてもよく、脚脛プロテクタ部材8Bの曲率より大きくする構成としてもよい。
【0057】
(8)上記した実施形態では、プロテクタ1に、大腿下部プロテクタ部4と第1架橋プロテクタ部5と脚膝プロテクタ部6と第2架橋プロテクタ部7と脚脛プロテクタ部8と足甲プロテクタ部9とを備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。プロテクタ1に、これらのプロテクタ部のうちの少なくとも脚脛プロテクタ部8を備えていればよく、プロテクタ1に、大腿下部プロテクタ部4と第1架橋プロテクタ部5と脚膝プロテクタ部6と第2架橋プロテクタ部7と足甲プロテクタ部9とのうちの何れか1つ又は全部を備えない構成としてもよい。
【0058】
(9)上記した実施形態では、突出通気部25を、外縁が曲線で形成された長尺状に形成する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、突出通気部25を、外縁が直線で形成された形状(例えば、四角形状等の多角形状)としてもよく、外縁が曲線と直線とで形成された形状(例えば、半月形状)としてもよい。また、突出通気部25を、長尺状ではない形状(例えば、正方形状や円形状)としてもよい。
【0059】
(10)上記した実施形態では、ベース通気部16や突出通気部25を塞ぐようにメッシュ生地18を備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、ベース通気部16や突出通気部25を塞ぐように多数の丸穴を備えた布地等のメッシュ生地18以外の通気性のある素材を備える構成してもよく、脚脛ベース部材8Aにメッシュ生地18等の通気性のある素材を備えないようにして、ベース通気部16を塞がないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0060】
1 プロテクタ
2 装着部
6B 脚膝プロテクタ部材
8A 脚脛ベース部材
8B 脚脛プロテクタ部材
14 プロテクタ通気部
16 ベース通気部
19 下側連通路(連通路)
21 内側突出部分(突出部分)
22 外側突出部分(突出部分)
25 突出通気部
38 第1脚脛バンド部(脚脛バンド部)
39 第2脚脛バンド部(脚脛バンド部)
S 内部空間
T 球技用レッグガード
X 前後方向
X1 前側
Y 左右方向
Y1 内側
Y2 外側
Z 上下方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9