(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】計数充填装置
(51)【国際特許分類】
B65B 1/30 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
B65B1/30 A
(21)【出願番号】P 2020153790
(22)【出願日】2020-09-14
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】592242660
【氏名又は名称】株式会社東陽機械製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新原 正彦
(72)【発明者】
【氏名】奥田 洋丈
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-046536(JP,U)
【文献】特開平05-170201(JP,A)
【文献】特表2017-533867(JP,A)
【文献】特開2013-163552(JP,A)
【文献】特開2012-176779(JP,A)
【文献】特開2016-026963(JP,A)
【文献】特開2018-202051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被充填物を、予め定められた充填数となるように計数した上で、所定の容器に充填する計数充填装置であって、
各々が、内部に上流側から下流側へ前記被充填物を自重により移動させる通路を含む長手状の複数の筒体と、
複数の前記筒体の各通路にそれぞれ前記被充填物を供給する供給装置と、
前記各通路の下流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の下流側を開放する開放状態となる下流側シャッターと、
前記各通路の上流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の上流側を開放する開放状態となる上流側シャッターと、
前記各通路で複数の前記被充填物が一列に積み上げられてなる充填列が、それぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉塞状態とすると共に前記上流側シャッターを開放状態とする第1処理、前記各通路における前記充填列の長さが、それぞれ、予め定められた基準数の前記被充填物が前記通路内で積み上げられてなる基準充填列の長さを超えた後、前記各通路で前記下流側シャッターと前記上流側シャッターとの間に、前記基準充填列がそれぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉状態とすると共に前記上流側シャッターを閉状態とする第2処理、及び前記各通路に前記基準充填列がそれぞれ形成された後、複数の前記筒体からそれぞれ前記基準数の前記被充填物のみが排出されるように、前記下流側シャッターを開放状態とすると共に前記上流側シャッターを閉塞状態とする第3処理を実行する制御装置と、
複数の前記筒体における下流側の各端部を保持する保持具と、前記各端部からそれぞれ排出された前記基準数の前記被充填物が1つに集約されるように、前記被充填物を下流側へ通過させる貫通孔部を内部に含む筒状本体部とを有する集約器とを備え
、
前記集約器は、前記貫通孔部を取り囲む前記筒状本体部の内周面に、前記被充填物の詰まりを規制するための規制部を有し、
前記規制部は、前記筒状本体部の内周面から突出するとともに、上流側から下流側に向かって延びた板状をなしている計数充填装置。
【請求項2】
前記規制部は、複数の前記筒体における下流側の端部に対して、上下方向に重ならない位置に配されている請求項1に記載の計数充填装置。
【請求項3】
被充填物を、予め定められた充填数となるように計数した上で、所定の容器に充填する計数充填装置であって、
各々が、内部に上流側から下流側へ前記被充填物を自重により移動させる通路を含む長手状の複数の筒体と、
複数の前記筒体の各通路にそれぞれ前記被充填物を供給する供給装置と、
前記各通路の下流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の下流側を開放する開放状態となる下流側シャッターと、
前記各通路の上流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の上流側を開放する開放状態となる上流側シャッターと、
前記各通路で複数の前記被充填物が一列に積み上げられてなる充填列が、それぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉塞状態とすると共に前記上流側シャッターを開放状態とする第1処理、前記各通路における前記充填列の長さが、それぞれ、予め定められた基準数の前記被充填物が前記通路内で積み上げられてなる基準充填列の長さを超えた後、前記各通路で前記下流側シャッターと前記上流側シャッターとの間に、前記基準充填列がそれぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉状態とすると共に前記上流側シャッターを閉状態とする第2処理、及び前記各通路に前記基準充填列がそれぞれ形成された後、複数の前記筒体からそれぞれ前記基準数の前記被充填物のみが排出されるように、前記下流側シャッターを開放状態とすると共に前記上流側シャッターを閉塞状態とする第3処理を実行する制御装置と、
複数の前記筒体における下流側の各端部を保持する保持具と、前記各端部からそれぞれ排出された前記基準数の前記被充填物が1つに集約されるように、前記被充填物を下流側へ通過させる貫通孔部を内部に含む筒状本体部とを有する集約器とを備え、
前記保持具は、
複数の前記筒体を前記筒状本体部の軸線を中心とする一円周上に保持するとともに、複数の前記筒体における下流側の各端部の高さ位置が互いに異なるように保持す
る計数充填装置。
【請求項4】
前記下流側シャッターは、前記各通路の下流側をまとめて閉塞又は開放できるように共通化された板状の下流側シャッター部を有し、
前記上流側シャッターは、前記各通路の上流側をまとめて閉塞又は開放できるように共通化された板状の上流側シャッター部を有する請求項1
~請求項3の何れか一項に記載の計数充填装置。
【請求項5】
前記供給装置は、内部に前記被充填物が貯留されるホッパと、複数の前記筒体における各通路の上流側と接続すると共に、前記ホッパに貯留された前記被充填物を外部へ供給するための供給口と、前記ホッパに貯留された前記被充填物に振動を与えると共に、前記被充填物が前記ホッパの中から前記供給口を通って前記各通路に移動するように促す振動装置とを備える請求項1
~請求項4の何れか一項に記載の計数充填装置。
【請求項6】
前記被充填物は、シームレスカプセル錠からなる請求項1~請求項5の何れか一項に記載の計数充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計数充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤やカプセル剤等の被充填物を、予め定められた数(充填数)となるように計数した上で、所定の容器に充填する計量充填装置が知られている。この種の計数充填装置としては、例えば、特許文献1に示されるように、供給装置から供給された複数の被充填物を、回転駆動するローラの外周面上に列状に吸着させた状態で回転搬送すると共に、その回転搬送時に、計数センサを利用して被充填物を予め定められた数となるように計数する装置が知られている。なお、計数後の被充填物は、所定の容器に充填される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の計数充填装置において、被充填物は、ローラの外周面に設けられた多数の供給孔に充満させた状態で搬送されている。被充填物を、供給孔に確実に充満させるためには、ローラの回転速度を、ある程度、低く抑える必要がある。そのため、従来の計数充填装置では、被充填物を高速で所定の個数毎に分けることが難しかった。
【0005】
本発明の目的は、予め定められた数の被充填物を所定の容器内へ充填するために、その数毎に被充填物を高速で充填することが可能な計数充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 被充填物を、予め定められた充填数となるように計数した上で、所定の容器に充填する計数充填装置であって、各々が、内部に上流側から下流側へ前記被充填物を自重により移動させる通路を含む長手状の複数の筒体と、複数の前記筒体の各通路にそれぞれ前記被充填物を供給する供給装置と、前記各通路の下流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の下流側を開放する開放状態となる下流側シャッターと、前記各通路の上流側を閉塞する閉塞状態又は前記各通路の上流側を開放する開放状態となる上流側シャッターと、前記各通路で複数の前記被充填物が一列に積み上げられてなる充填列が、それぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉塞状態とすると共に前記上流側シャッターを開放状態とする第1処理、前記各通路における前記充填列の長さが、それぞれ、予め定められた基準数の前記被充填物が前記通路内で積み上げられてなる基準充填列の長さを超えた後、前記各通路で前記下流側シャッターと前記上流側シャッターとの間に、前記基準充填列がそれぞれ形成されるように、前記下流側シャッターを閉状態とすると共に前記上流側シャッターを閉状態とする第2処理、及び前記各通路に前記基準充填列がそれぞれ形成された後、複数の前記筒体からそれぞれ前記基準数の前記被充填物のみが排出されるように、前記下流側シャッターを開放状態とすると共に前記上流側シャッターを閉塞状態とする第3処理を実行する制御装置と、複数の前記筒体における下流側の各端部を保持する保持具と、前記各端部からそれぞれ排出された前記基準数の前記被充填物が1つに集約されるように、前記被充填物を下流側へ通過させる貫通孔部を内部に含む筒状本体部とを有する集約器とを備える計数充填装置。
【0007】
<2> 前記下流側シャッターは、前記各通路の下流側をまとめて閉塞又は開放できるように共通化された板状の下流側シャッター部を有し、前記上流側シャッターは、前記各通路の上流側をまとめて閉塞又は開放できるように共通化された板状の上流側シャッター部を有する前記<1>に記載の計数充填装置。
【0008】
<3> 前記供給装置は、内部に前記被充填物が貯留されるホッパと、複数の前記筒体における各通路の上流側と接続すると共に、前記ホッパに貯留された前記被充填物を外部へ供給するための供給口と、前記ホッパに貯留された前記被充填物に振動を与えると共に、前記被充填物が前記ホッパの中から前記供給口を通って前記各通路に移動するように促す振動装置とを備える前記<1>又は<2>に記載の計数充填装置。
【0009】
<4> 前記集約器は、前記貫通孔部を取り囲む前記筒状本体部の内周面に、前記被充填物の詰まりを規制するための規制部を有する前記<1>~<3>の何れか1つに記載の計数充填装置。
【0010】
<5> 前記保持具は、複数の前記筒体における下流側の各端部の高さ位置が互いに異なるように保持する前記<1>~<4>の何れか1つに記載の計数充填装置。
【0011】
<6> 前記被充填物は、シームレスカプセル錠からなる前記<1>~<5>の何れか1つに記載の計数充填装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、予め定められた数の被充填物を所定の容器内へ充填するために、その数毎に被充填物を高速で充填することが可能な計数充填装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態1の計数充填装置を備える多列包装充填機の構成を模式的に表した説明図
【
図2】実施形態1の計数充填装置の構成を模式的に表した説明図
【
図3】計数充填装置が備える複数の筒体を、計数充填装置の左側面側から見た状態を模式的に表した説明図
【
図5】第1処理が実行された状態の筒体(中間筒体)を模式的に表した説明図
【
図6】第2処理が実行された状態の筒体(中間筒体)を模式的に表した説明図
【
図7】第3処理が実行された状態の筒体(中間筒体)を模式的に表した説明図
【
図8】集約器に、4本の筒体の下端部が保持された状態を模式的に表した平面図
【
図10】集約器に、4本の筒体の下端部が保持された状態を模式的に表した斜視断面図
【
図11】実施形態2の計数充填装置で使用される集約器を模式的に表した斜視断面図
【
図12】実施形態3の計数充填装置で使用される集約器を模式的に表した断面図
【
図13】実施形態4の計数充填装置で使用される集約器を模式的に表した平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を、
図1~
図10を参照しつつ説明する。本実施形態では、多列包装充填機1に使用される計数充填装置2について説明する。ここで、先ず、多列包装充填機1について簡単に説明する。
【0015】
図1は、実施形態1の計数充填装置2を備える多列包装充填機1の構成を模式的に表した説明図である。説明の便宜上、
図1の紙面手前側を、多列包装充填機1の正面側とし、紙面奥側を、多列包装充填機1の背面側とする。また、
図1の左側を、多列包装充填機1の左側面側とし、
図1の右側を、多列包装充填機1の右側面側とする。
【0016】
多列包装充填機1は、予め定められた数のシームレスカプセル剤(被充填物の一例)Sが充填された筒形の包装袋を、4列に亘って連続的に製造する装置である。本明細書において、包装袋にシームレスカプセル剤Sが充填される予め定められた数を、「充填数」と称する。
【0017】
シームレスカプセル剤Sは、医薬品や食品等の分野で使用される、継ぎ目のないソフトカプセルの一種である。シームレスカプセル剤Sは、略球形であり、シームレスカプセル剤S同士の直径は、略同一(均一)の大きさに揃えられている。このようなシームレスカプセル剤Sの直径は、本発明の目的を損なわない限り特に制限はないが、例えば、4mm~6mmに設定されてもよい。
【0018】
多列包装充填機1は、主として、フィルム供給部10、スリッタ12、製袋・充填装置13、縦シール装置14、横シール装置15、計数充填装置2、及びカッター装置16を備えている。
【0019】
フィルム供給部10は、ロール状の包材ロール11から原反フィルムf1を供給する装置である。スリッタ12は、原反フィルムf1をその長さ方向に平行に切断して、4列の分断フィルムf2を形成する装置である。製袋・充填装置13は、各分断フィルムf2をそれぞれ筒形に成形しつつ、筒形に成形された分断フィルムf2内にシームレスカプセル剤Sを充填する装置である。製袋・充填装置13は、各分断フィルムf2に1つずつ割り当てられる4つのフォーマ131と、4つの充填シュート75とを備えている(
図1参照)。フォーマ131は、1つ分の包装袋を形成するために分断フィルムf6の側縁同士が互いに重なり合う形で、分断フィルムf2を筒状に成形する縦長の部材であり、各々が上下方向(鉛直方向)に沿いつつ、互いに平行に並んだ状態で配置されている。充填シュート75は、シームレスカプセル剤Sの充填経路として使用され、かつフォーマ131の中央部を、長手方向に沿って貫くパイプ状(筒状)の部材である。
【0020】
縦シール装置14は、筒形に成形された分断フィルムf2の長さ方向の合わせ目をシール(熱圧着)して筒状フィルムf3を形成する装置である。
【0021】
横シール装置15は、筒状フィルムf3を幅方向(横幅方向)にシールして、シールされた領域の上流側に一方向に開放した半包装袋f4を形成する装置である。横シール装置15は、一対のヒータブロックを備えており、それらの間で筒状フィルムを幅方向にシールする。また、横シール装置15は、サーボモータを駆動源として上下方向に昇降可能(往復移動可能)に構成されている。横シール装置15は、ヒータブロックの間で、筒状フィルムf3を熱圧着しながら下流側へ下降しつつ、1つの包装袋の長さ分だけ下降したタイミングで、熱圧着後の筒状フィルム3を離し、そして、再び、当初の位置まで上昇する動作を繰り返す。このように横シール装置15は、各分断フィルムf2(筒状フィルムf3)を上流側から下流側へ引っ張って移動させる機能も備えている。
【0022】
なお、横シール装置15が筒状フィルムf3を幅方向にシールすることで、上記のように上流側に一方向に開放した半包装袋f4が形成されると共に、その半包装袋f4の下流側に、シームレスカプセル剤Sが密封された包装袋f5が繋がった状態で形成される。
【0023】
計数充填装置2は、シームレスカプセル剤S(被充填物の一例)を、予め定められた数(充填数)となるように計数した上で、所定の容器である半包装袋f4に充填する装置である。この計数充填装置2により、シームレスカプセル剤Sが、予め定められた数毎に分けられると共に、その分けられたシームレスカプセル剤Sが、フォーマ131内を貫通するパイプ状の充填シュート75を介して、半包装袋f4内に充填される。パイプ状の充填シュート75の下端部は、半包装袋f4内に配置されている。充填シュート75の上端部は、後述するように、集約器70の貫通孔部72に取り付けられる。計数充填装置2の詳細については、後述する。
【0024】
カッター装置16は、長さ方向に繋がった包装袋f5同士の境界部分を切断して、包装袋f5を1つずつに切り分ける装置である。このように切り分けられて最終的に得られた各包装袋f5の中には、予め定められた数(充填数)のシームレスカプセル剤Sが充填されている。
【0025】
次いで、
図2~
図10を参照しつつ、計数充填装置2について詳細に説明する。
図2は、実施形態1の計数充填装置2の構成を模式的に表した説明図である。
図2には、計数充填装置2の正面側が示されている。計数充填装置2は、主として、複数の筒体21と、供給装置30と、下流側シャッター40と、上流側シャッター50と、制御装置60と、集約器70とを備えている。
【0026】
供給装置30は、シームレスカプセル剤Sを貯留するホッパ31と、ホッパ31の底を構成すると共に、ホッパ31内で上下方向に移動可能な可動底32と、可動底32を上下方向に移動させる移動装置33とを備えている。
【0027】
ホッパ31は、全体的には、筒形をなしており、上方にシームレスカプセル剤Sの投入口として使用される開口部31aを備えている。ホッパ31は、上方の開口部31a側から下方の開口部31b側に向かって徐々に内径が小さくなるように設定されている。ホッパ31の下方に配される開口部31bは、概ね上下方向に延びた筒状(角筒状)をなしており、その内部に、可動底32が収容されている。
【0028】
可動底32は、ホッパ31内で、シームレスカプセル剤Sを受け支えるような板状をなしており、その板状部分の両端は反り上がっている。このような可動底32は、移動装置33のアーム部33aに支持された状態で、筒状の開口部31b内を上下方向に移動することができる。また、可動底32には、シームレスカプセル剤Sが1個ずつ排出されるような大きさの孔部32aが複数設けられている。
【0029】
移動装置33は、アーム部33aで可動底32を支えると共に、アーム部33aを介して可動底32を、所定の振幅及び速さで上下方向に移動させる装置である。このように移動装置33によって可動底32が上下方向に移動すると、可動底32で支えられたホッパ31内のシームレスカプセル剤Sに振動が加えられる。なお、可動底32を上下方向に移動させる機構としては、公知のものを採用できる。
【0030】
上下方向に移動する可動底32により、ホッパ31内のシームレスカプセル剤Sに振動が加えられると、シームレスカプセル剤Sがホッパ31内で上下方向に動かされて可動底32の孔部32aから外部へ排出され易くなる。このように供給装置30は、移動装置33を利用して、各孔部32aに接続された各筒体21に対して、シームレスカプセル剤Sを供給することができる。なお、可動底32の移動速度等を、適宜、設定することにより、供給装置30からシームレスカプセル剤Sが供給される速度(量)を調節することができる。
【0031】
図3は、計数充填装置2が備える複数の筒体21を、計数充填装置2の左側面側から見た状態を模式的に表した説明図である。筒体21は、内部に貫通孔状の通路22を含む長手状の部材である。本実施形態の場合、筒体21は、主として、上下方向(鉛直方向)に沿うように配置されている。筒体21は、4本で1組となるように構成されている。本明細書において、4本1組の筒体21の集まりを、「筒体群23」と称する。本実施形態の計数充填装置2には、4つの筒体群23が設けられている。多列包装充填機1では、包装袋f5が4列に分けて製造されており、そのような各列に対して、筒体群23が1つずつ割り当てられている。つまり、包装袋f5を製造する各列において、1つの半包装袋f4に対するシームレスカプセル剤Sの充填に、4本の筒体21が使用される。
【0032】
筒体21内の通路22は、シームレスカプセル剤Sを上流側から下流側へ1つずつ通過させることができるように、内径等が設定されている。筒体21内の通路22において、シームレスカプセル剤Sは、その自重(重力)により、上流側から下流側へ移動することができる。
【0033】
また、
図3には、各通路22の下流側を閉塞する閉塞状態又は各通路22の下流側を開放する開放状態となる下流側シャッター40と、各通路22の上流側を閉塞する閉塞状態又は各通路22の上流側を開放する開放状態となる上流側シャッター50が示されている。
【0034】
ここで、筒体群23を構成する筒体21について詳細に説明する。
図4は、筒体21の構成を模式的に表した説明図である。長手状の筒体21は、主に3つの部分によって構成されている。具体的には、筒体21は、シームレスカプセル剤Sの計数(つまり、シームレスカプセル剤Sを予め定められた数だけ確保するため)に利用される中間筒体21aと、中間筒体21aの上流側の開口端21a1と、可動底32の孔部32aとの間を繋ぐ上流側筒体21bと、中間筒体21aの下流側の開口端(不図示)と、集約器70とを繋ぐ下流側筒体21c(
図9参照)とを備えている。
【0035】
中間筒体21aは、例えば、真っ直ぐに延びた剛直な金属製のパイプからなる。中間筒体21aの内径(つまり、通路22の大きさ)は、後述するように下流側シャッター40が閉塞状態となった場合に、シームレスカプセル剤Sが一列に積み上げられるような大きさに設定されている。
【0036】
上流側筒体21bは、例えば、可撓性を有する合成樹脂製のチューブからなる。
図4に示されるように、可動底32が上下方向に移動すると、上流側筒体21bは、中間筒体21aと可動底32との間で、湾曲しつつ揺れ動く形となる。このように上流側筒体21bが揺れ動くことで、可動底32の孔部32aから上流側筒体21b内へ供給されたシームレスカプセル剤Sが、更に下流側へ移動するように促される。
【0037】
なお、上流側筒体21bの内径も、中間筒体21aの内径と同程度に設定され、通路22内でシームレスカプセル剤Sが一列に積み上げられるような大きさとなっている。また、下流側筒体21cについても、上流側筒体21bと同様、可撓性を有する合成樹脂製のチューブからなり、またその内径も、中間筒体21aの内径と同程度に設定される。下流側筒体21cの詳細は、後述する。
【0038】
本実施形態の計数充填装置2では、4本の筒体21からなる筒体群23と、下流側シャッター40と、上流側シャッター50とを利用して、シームレスカプセル剤Sを、予め定められた数(充填数)毎に分ける工程(以下、計数工程)が、繰り返し行われる。このような計数工程は、4つの筒体群23について、同時並行(同時進行)で行われる。
【0039】
計数工程は、具体的には、下流側シャッター40及び上流側シャッター50が、制御装置60からの指令に基づいて、適宜、作動することで行われる。制御装置60は、計数工程のために、後述する第1処理、第2処理、及び第3処理を、この順で繰り返し実行する。ここでは、説明の便宜上、1つの筒体群23を構成する1本の筒体21と、下流側シャッター40と、上流側シャッター50とを利用して、予め定められた数(基準数)のシームレスカプセル剤Sが得られる場合を説明する。
【0040】
なお、下流側シャッター40は、計数充填装置2の左側面側において、筒体21(中間筒体21a)と対向するように配設されている(
図2参照)。そして、下流側シャッター40の下流側シャッター部40aは、下流側挿入部24に挿入される位置と、下流側挿入部24の外で退避する位置との間を、往復移動できるように構成されている。また、上流側シャッター50は、計数充填装置2の左側面側において、下流側シャッター40よりも上流側(上側)であり、かつ筒体21(中間筒体21a)と対向するように配設されている(
図2)。そして、上流側シャッター50の上流側シャッター部50aは、上流側挿入部25に挿入される位置と、上流側挿入部25の外で退避する位置との間を、往復移動できるように構成されている。
【0041】
図5は、第1処理が実行された状態の筒体21(中間筒体21a)を模式的に表した説明図である。第1処理は、各通路22で複数のシームレスカプセル剤Sが一列に積み上げられてなる充填列Tが、それぞれ形成されるように、下流側シャッター40を閉塞状態とすると共に上流側シャッター50を開放状態とする処理である。
図5には、筒体21の通路22内で、シームレスカプセル剤Sが一列に積み上げられた状態が模式的に示されている。筒体21の中間筒体21aは、鉛直方向に沿って起立した状態となっている。
図5の上側が、筒体21の上流側に対応し、
図5の下側が、筒体21の下流側に対応する。
【0042】
中間筒体21aの下流側には、下流側シャッター40が備える板状の下流側シャッター部40aが挿入可能な切れ込み状の下流側挿入部24が形成されている。また、中間筒体21aの上流側(下流側挿入部24の上流側)には、上流側シャッター50が備える板状の上流側シャッター部50aが挿入可能な切れ込み状の上流側挿入部25が形成されている。
【0043】
なお、下流側シャッター部40aは、筒体21(中間筒体21a)の長手方向に対して垂直に交わる方向に延びた板状をなしている。なお、下流側シャッター部40aは、1つの筒体群23を構成する4本の筒体21に対して共通化されており、各筒体21に対して、同時に閉塞状態又は開放状態となるように作動する。特に、本実施形態の場合、
図3に示されるように、4つの筒体群23を構成する各筒体21(合計、16本)に対して共通化されており、各筒体21に対して、同時に閉塞状態又は開放状態となるように作動する。
【0044】
また、上流側シャッター部50aは、下流側シャッター部40aと同様、筒体21(中間筒体21a)の長手方向に対して垂直に交わる方向に延びた板状をなしている。そして、上流側シャッター部50aも、下流側シャッター部40aと同様、1つの筒体群23を構成する4本の筒体21に対して共通化されており、ひいては、4つの筒体群23を構成する各筒体21(合計、16本)に対して共通化されており、各筒体21に対して、同時に閉塞状態又は開放状態となるように作動する。
【0045】
上述したように、第1処理が実行されると、下流側挿入部24に、下流側シャッター40の下流側シャッター部40aが挿入され、下流側挿入部24付近における中間筒体21aの内部(通路22)が、下流側シャッター部40aによって閉塞される。そのため、供給装置30から筒体21に供給されたシームレスカプセル剤Sのうち、下流側シャッター部40aよりも上流側にあるシームレスカプセル剤Sは、下流側シャッター部40aによって堰き止められた状態となる。
【0046】
また、第1処理が実行されると、上流側挿入部25に上流側シャッター部50aは挿入されないため、上流側挿入部25付近における中間筒体21aの内部(通路22)は、開放された状態となる。そのため、上流側挿入部25から下流側シャッター部40a(下流側挿入部24)までのシームレスカプセル剤Sの移動は制限されない。つまり、シームレスカプセル剤Sは、上流側挿入部25を通過するように、上流側から下流側へ中間筒体21aの内部(通路22)を移動することができる。
【0047】
なお、シームレスカプセル剤Sは、上述したように、第1処理が実行されると、下流側シャッター部40aによって堰き止められるため、複数のシームレスカプセル剤Sは、中間筒体21a(筒体21)の通路22内で、下流側から上流側に向かって一列に積み上げられた状態となる。本明細書において、下流側シャッター部40a上に、一列に積み上げられる複数のシームレスカプセル剤Sからなる列を、「充填列T」と称する。
【0048】
中間筒体21a(筒体21)において、上流側挿入部25が設けられる位置は、下流側挿入部24に下流側シャッター部40aが挿入された状態で、その下流側シャッター部40aと、上流側挿入部25との間に、予め定められた数(基準数)のシームレスカプセル剤Sが一列に積み上がった状態で収まるように設定されている。例えば、
図5には、下流側挿入部24に挿入された下流側シャッター部40aと、上流側挿入部25との間に、10個(予め定められた基準数の一例)のシームレスカプセル剤Sが一列に積み上がった状態で収まっている様子が示されている。なお、本明細書において、1本の筒体21で確保する予め定められたシームレスカプセル剤Sの数を、「基準数」と称する。
【0049】
図5では、下流側シャッター部40a上に、1個のシームレスカプセル剤S1が載せられ、かつそのシームレスカプセル剤S1に対して、更に他のシームレスカプセル剤S2~S10が、順に1個ずつ載せられた状態が示されている。
【0050】
本明細書において、予め定められた数(基準数)のシームレスカプセル剤Sが通路22内で一列に積み上がったものを、「基準充填列T
0」と称する。
図5には、基準充填列T
0の上流側に、更に他のシームレスカプセル剤S11,S12等が積み上がって、基準充填列T
0よりも長い充填列Tが形成されている様子が示されている。
【0051】
説明の便宜上、本明細書では、通路22内に形成されている基準充填列T0の長さは、下流側挿入部24に挿入された下流側シャッター部40aと、上流側挿入部25との間の距離L0と等しいものとする。
【0052】
また、本明細書において、下流側シャッター部40aが下流側挿入部24に挿入されて、下流側挿入部24付近における筒体21の通路22を閉塞している状態を、下流側シャッター40の「閉塞状態」と称し、下流側シャッター部40aが下流側挿入部24に挿入されず、下流側挿入部24付近における筒体21の通路22を開放している状態を、下流側シャッター40の「開放状態」と称する。
【0053】
また、上流側シャッター部50aが上流側挿入部25に挿入されて、上流側挿入部25付近における筒体21の通路を閉塞している状態を、上流側シャッター50の「閉塞状態」と称し、上流側シャッター部50aが上流側挿入部25に挿入されて、上流側挿入部25付近における筒体21の通路22を開放している状態を、上流側シャッター50の「開放状態」と称する。
【0054】
図6は、第2処理が実行された状態の筒体21(中間筒体21a)を模式的に表した説明図である。第2処理は、各通路22における充填列Tの長さが、それぞれ、予め定められた基準数(10個)のシームレスカプセル剤Sが通路22内で積み上げられてなる基準充填列T
0の長さL
0を超えた後、各通路22で下流側シャッター40(下流側シャッター部40a)と上流側シャッター50(上流側シャッター部50a)との間に、基準充填列T
0がそれぞれ形成されるように、下流側シャッター40を閉状態とすると共に上流側シャッター50を閉状態とする処理である。
【0055】
図6に示されるように、筒体21(中間筒体21a)の通路22内で、下流側シャッター40の下流側シャッター部40aと上流側シャッター50の上流側シャッター部50aとの間に、基準充填列T
0が形成されている。上流側シャッター部50aは、筒体21の通路22内において、充填列Tの長さが、基準充填列T
0の長さL
0を超えた後、上流側挿入部25に挿入される。
【0056】
第2処理において、上流側挿入部25に上流側シャッター部50aが挿入されると、通路22内において、基準充填列T0を構成するシームレスカプセル剤Sのうち、最も上流側(上側)に配されるシームレスカプセル剤S10と、そのシームレスカプセル剤S10の上流側(上側)に隣接する他のシームレスカプセル剤S11とが、上流側シャッター部50aによって隔てられる。つまり、通路22内において、充填列Tの長さが基準充填列T0の長さL0を超えた後に、上流側シャッター部50aが上流側挿入部25に挿入されることで、充填列Tの長さが上流側シャッター部50aによって短く調節される。その結果、閉塞状態の下流側シャッター40(下流側シャッター部40a)と、閉塞状態の上流側シャッター50(上流側シャッター部50a)との間に、基準充填列T0が形成される。
【0057】
基準充填列T0が形成されると、下流側シャッター部40aと上流側シャッター部50aとの間に、基準数(10個)のシームレスカプセル剤S(S1~S10)だけが確保される。このように本実施形態では、1本の筒体21(中間筒体21a)によって、基準数(10個)のシームレスカプセル剤Sを、過不足なく確保することができる。本実施形態の場合、1つの筒体群23を構成する各筒体21は、それぞれ同じ基準数のシームレスカプセル剤Sを確保するように構成されている。そのため、4本の筒体21によって、4つの基準数のシームレスカプセル剤Sが得られる。各筒体21に設定される基準数は、予め定められたシームレスカプセル剤Sの充填数を、1つの筒体群23を構成する筒体21の数で割った値として求められる。
【0058】
図7は、第3処理が実行された状態の筒体21(中間筒体21a)を模式的に表した説明図である。第3処理は、各通路22に基準充填列T
0がそれぞれ形成された後、複数の筒体21からそれぞれ基準数のシームレスカプセル剤Sのみが排出されるように、下流側シャッター40を開放状態とすると共に上流側シャッター50を閉塞状態とする処理である。
【0059】
上述したように、第2処理において、閉塞状態の下流側シャッター40と、閉塞状態の上流側シャッター50との間に、基準充填列T0が形成されると、その後、第3処理が実行されて、下流側シャッター40が閉塞状態から開放状態に切り替えられることで、上流側シャッター部50aよりも下流側(下側)にある、基準数(10個)のシームレスカプセル剤Sが、自重により筒体21の通路22内を通って下流側へ移動することができる。なお、上流側シャッター部50aよりも上流側(上側)にあるシームレスカプセル剤S11、S12等は、上流側シャッター部50aによって堰き止められ、次回の計数工程において、基準充填列T0を形成するために待機した状態となっている。
【0060】
第3処理が実行されて、筒体21(中間筒体21a)の下流側へ移動した基準数(10個)のシームレスカプセル剤Sは、筒体21の下流側の部分を構成する下流側筒体21cに到達し、その後、下流側筒体21cから集約器70内へ排出される。
図8は、集約器70に、4本の筒体21の下端部が保持された状態を模式的に表した平面図(上面図)であり、
図9のA-A線断面図であり、
図10は、集約器70に、4本の筒体21の下端部が保持された状態を模式的に表した斜視断面図である。
【0061】
集約器70は、1つの筒体群23を構成する複数(4本)の筒体21から排出される各基準数(10個)のシームレスカプセル剤Sを、予め定められた充填数(ここでは、40個)となるように1つに集約する器具である。集約器70は、内部に一方向(上下方向)に貫通する貫通孔部72を含む筒状本体部71と、各筒体21(下流側筒体21c)の各下端部21c1を保持すると共に、貫通孔部72の上流側(上側)の開口端72aに装着される保持具73とを備えている。
【0062】
集約器70の筒状本体部71や保持具73は、例えば、金属材料が所定形状に加工されたものからなる。他の実施形態においては、集約器70が合成樹脂の成形品等から構成されてもよい。集約器70は、
図2に示されるように、筒体21の下方側において、筒状本体部71の内側にある貫通孔部72が上下方向に沿うように配置されている。集約器70は、そのような所定の高さ位置で静止するように、図示されない固定具で固定されている。
【0063】
図8~
図10に示されるように、4本の筒体21(下流側筒体21c)の下端部21c1は、保持具73に形成された貫通孔状の保持孔部73aに挿し込まれる形で、保持具73に保持されている。保持具73は、上下方向に延びた貫通孔状の4個の保持孔部73aを備えており、各保持孔部73aに、筒体21(下流側筒体21c)の各下端部21c1が取り付けられている。本実施形態の場合、筒体21(下流側筒体21c)の各下端部21c1の高さ位置は、互いに同じになるように設定されている。
【0064】
筒体21の下流側筒体21cは、上述したように可撓性を有する合成樹脂製のチューブからなり、複数(4本)の筒体21を、保持具73を用いて互いに近付けて1つの束のような形にすることができる。また、保持具73の外周面には、貫通孔部72を取り囲む筒状本体部71の内周面との間で、上下方向に貫通した孔部を形成する通気口73bが複数設けられている。また、保持具73の中央部にも、上下方向に貫通する形の通気口73cが設けられている。
【0065】
また、保持具73には、外側(上下方向に垂直な方向)に向かって突出した係止部73dが複数設けられている。保持具73は、筒状本体部17の貫通孔部72に装着される際、それら係止部73dが、貫通孔部72の開口端72aに設けられた凹部状の複数の被係止部74に載せられて(係止されて)、保持具73が筒状本体部17の貫通孔部72内で位置決めされる。なお、保持具73は、筒状本体部17に対して着脱可能な状態で取り付けられる。
【0066】
貫通孔部72の下流側(下側)の開口端72bには、パイプ状の充填シュート75の上端部が挿し込まれる形で取り付けられている。筒状本体部71に設けられた貫通孔部72のうち、保持具73が装着された部分と、充填シュート75の上端部が装着された部分との間に、上流側から下流側に向かって徐々に内径が小さくなるように設定されたテーパー状の集約通路72cが形成されている。各筒体21から排出されたシームレスカプセル剤Sは、集約通路72cで受け止められ、その後、下流側へ更に移動する。
【0067】
保持具73で保持された各筒体21の各下端部21c1から排出されたシームレスカプセル剤Sは、テーパー状の集約通路72cで合流し、更にパイプ状の充填シュート75内を通過して下流側へ移動しながら1つに集約される。つまり、このような集約器70を通過したシームレスカプセル剤Sは、予め定められた充填数(40個)となるように集約される。
【0068】
集約器70を通過して集約された充填数(40個)のシームレスカプセル剤Sは、パイプ状の充填シュート75を通過して、最終的に、上述した半包装袋f4へ充填される。
【0069】
以上のように、本実施形態の計数充填装置2は、予め定められた充填数のシームレスカプセル剤Sを所定の包装袋(容器)内へ充填するために、その充填数毎にシームレスカプセル剤Sを高速で充填することができる。例えば、1つの筒体群23を構成する筒体21の本数を増やすことにより、一度に多くの基準数のシームレスカプセル剤Sを確保することができる。
【0070】
<実施形態2>
次いで、実施形態2の計数充填装置を、
図11を参照しつつ説明する。
図11は、実施形態2の計数充填装置で使用される集約器70Aを模式的に表した斜視断面図である。本実施形態の計数充填装置は、集約器70Aのみが実施形態1の計数充填装置2と異なっており、集約器70A以外の構成は、実施形態1と同様である。
【0071】
図11に示されるように、本実施形態の集約器70Aは、貫通孔部72Aを取り囲む筒状本体部71Aの内周面に、シームレスカプセル剤Sの詰まりを規制するための規制部76が設けられている。筒体21(下流側筒体21c)の各下端部21c1から排出されたシームレスカプセル剤Sが、集約器70Aの集約通路72Acで受けられた際に、筒状本体部71Aの内周方向に回転する等して、充填シュート75側へ移動するのに時間がかかると、予め定められた充填数が多い場合等によっては、集約通路72Acでシームレスカプセル剤Sが詰まってしまう虞がある。そのため、本実施形態では、集約通路72Acにおいて、各筒体21から排出されたシームレスカプセル剤Sがスムーズに下流側へ移動できるように、規制部76が設けられている。規制部76は、筒状本体部71Aの内周面から突出すると共に、上流側から下流側に向かって延びた板状をなしている。このような規制部76が設けられることにより、各筒体21から排出されたシームレスカプセル剤Sが、筒状本体部71Aの内周方向に移動することが抑制され、かつ下流側へより確実に導かれる。
【0072】
なお、
図11には、説明の便宜上、各筒体21の各下端部21c1を保持する保持具が省略されているものの、本実施形態においても、実施形態1と同様、貫通孔部72Aの上流側の開口端72Aaに、保持具が装着される。また、貫通孔部72Aの下流側の開口端72Abには、実施形態1と同様、充填シュート75が取り付けられている。
【0073】
本実施形態の場合、規制部76は、集約通路72Acを取り囲む筒状本体部71Aの内周面において、互いに対向する位置(つまり、集約通路72Acを上下方向から見た際、互いに180°離れた位置)に設けられている。そして、それらの規制部76により、4つの筒体21の各下端部21c1が、貫通孔部72Aにおいて2つずつに分けられている。
【0074】
以上のように、集約器70Aとして、シームレスカプセル剤Sの詰まり、及びシームレスカプセル剤Sが内周方向に回転しながら下流側へ移動することによる滞留等を抑制するための規制部76を備えたものを用いてもよい。
【0075】
<実施形態3>
次いで、実施形態3の計数充填装置を、
図12を参照しつつ説明する。
図12は、実施形態3の計数充填装置で使用される集約器70Bを模式的に表した断面図である。本実施形態の計数充填装置は、集約器70Bのみが実施形態1の計数充填装置2と異なっており、集約器70B以外の構成は、実施形態1と同様である。
【0076】
本実施形態の集約器70Bは、各筒体21(下流側筒体21c)の各下端部21c1の高さ位置が、互いに異なるように保持する保持具73Bを備えている。保持具73Bには、貫通孔状の保持孔部73Baが設けられているものの、各保持孔部73Baに挿し込まれた下端部21c1の位置(高さ位置)が、互いに異なるように、下端部21c1と係止する係止部73Beが設けられている。このように、各筒体21の各下端部21c1の高さ位置が異なるように設定されると、各筒体21から集約器70B(集約通路72Bc)内に排出されるタイミングがずれ、一度に多くのシームレスカプセル剤Sが集約器70B(集約通路72Bc)内に留まることが抑制される。一度に多くのシームレスカプセル剤Sが集約器70B内に排出されると、条件によっては、集約器70Bが目詰まりを起こす可能性がある。そのため、本実施形態のように、各筒体21の各下端部21c1の高さ位置を、互いに異なる位置で保持することが好ましい。
【0077】
<実施形態4>
次いで、実施形態4の計数充填装置を、
図13を参照しつつ説明する。
図13は、実施形態4の計数充填装置で使用される集約器70Cを模式的に表した平面図(上面図)である。本実施形態の計数充填装置は、1つの筒体群が5本の筒体によって構成されている。そして、各筒体が備える各下流側筒体21Ccの各下端部21Cc1は、集約器70Cが備える73Cにより保持されている。保持具73Cには、5つの保持孔部73Caが設けられており、それらに1つずつ各下流側筒体21Ccの各下端部21Cc1が挿し込まれる形で取り付けられている。また、保持具73Cの外周側には、5つの通気口73Cbが設けられている。なお、本実施形態の集約器70Cは、平面視で、略筒状をなしている。本実施形態のように、1つの筒体群を構成する筒体の本数に対応させて、集約器70Cの保持具73Cに、各筒体の各下端部21Cc1を保持するための保持孔部73Caが形成される。
【0078】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0079】
(1)上記各実施形態では、包装袋に、被充填物であるシームレスカプセル剤を充填したが、本発明はこれに限られず、他の実施形態においては、瓶等の容器に、被充填物を充填する計数充填装置としてもよい。
【0080】
(2)上記実施形態においては、予め定められた充填数の被充填物(シームレスカプセル剤)を、1回の計数工程において確保していたが、本発明はこれに限られず、例えば、上述したような計数工程を、複数回(例えば、2回)繰り返すことによって、目的とする充填数となるように、設定されてもよい。ただし、高速充填等の観点より、1回の計数工程で、必要な充填数が確保されるように、計数充填装置を構成することが好ましい。
【0081】
(3)上記実施形態において、供給装置から各筒体に供給される被充填物の量(単位時間当たりに供給される量)等を、適宜、調節することによって、計数工程(第1処理、第2処理及び第3処理)を素早く繰り返すことが可能となり、特に、被充填物の高速充填が可能となる。
【0082】
(4)上記実施形態において、被充填物(シームレスカプセル剤等)が一列に積み上げられてなる充填列の長さや、1つの筒体群を構成する筒体の本数等の各種条件は、求められる充填能力(例えば、充填スピード等)や、包装袋のサイズ等に応じて異なる1つの包装袋に要求される充填数等に基づいて、任意に設定することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
1…多列包装充填機、2…計数充填装置、21…筒体、21a…中間通体、21b…上流側筒体、21c…下流側筒体、21c1…筒体の下端部、30…供給装置、31…ホッパ、32…可動底、32a…孔部、33…移動装置、40…下流側シャッター、40a…下流側シャッター部、50…上流側シャッター、50a…上流側シャッター部、60…制御装置、70…集約器、S…シームレスカプセル剤(被充填物)