(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ハイブリッド発電システム
(51)【国際特許分類】
F03D 9/00 20160101AFI20240724BHJP
H02S 10/12 20140101ALI20240724BHJP
【FI】
F03D9/00
H02S10/12
(21)【出願番号】P 2022506738
(86)(22)【出願日】2020-06-17
(86)【国際出願番号】 KR2020007799
(87)【国際公開番号】W WO2021020728
(87)【国際公開日】2021-02-04
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】10-2019-0093949
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522044102
【氏名又は名称】リ,ユン ウォン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】リ,ユン ウォン
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1577901(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0035289(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1409774(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1916374(KR,B1)
【文献】特開2008-011589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/04
F03D 9/00
F03D 17/00
H02S 10/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン回転軸を中心に回転手段によって回転可能に構成されたベースフレームと、
前記ベースフレームの一端に備えられ、内部に風が流入し、流入する風を増速して吐き出す集風ダクトと、
前記集風ダクトから風が吐き出される後方側に設けられ、発電回転軸を中心にブレードが設けられ、前記集風ダクトから吐き出される風が前記ブレードに提供されて前記発電回転軸を回転させるタービンモジュールと、
前記発電回転軸に連結され、前記発電回転軸の回転力によって電気を発生させる発電機と 、
前記タービンモジュールの回転によって発生する電気エネルギーを充放電するように電気的に連結される一つ以上のバッテリーと、
前記集風ダクトの一側に備えられた風誘導回転モーターに電気エネルギーを供給するように電気的に連結された一つ以上の太陽電池で電気エネルギーを発生する太陽光モジュール集光装置と、
前記集風ダクトに設けられ、風の強度である風速値を測定する風速センサーと、
前記風速センサーから受信した風速値が前記発電機が電気エネルギーを生産することができない程度の既設定の基準風速値以下の場合、エネルギー印加信号を生成して前記太陽光モジュール集光装置に伝送し、前記太陽光モジュール集光装置で生成された電気エネルギーを風誘導回転モーターの風誘導回転軸に連結された風誘導手段に提供するように制御するメイン制御部と、
を含み、
前記集風ダクトの後方には、前記集風ダクトを通して吐き出された風のうち前記タービンモジュールの後方に流出する風を回収して前記タービンモジュールの前端及び前記集風ダクトの前端または中間に再供給する風回収手段をさらに含
み、
それぞれの前記バッテリーは実時間で各バッテリーセルの電圧をモニタリングするバテリー制御部に電気的に連結され、
前記バッテリー制御部はバッテリーセルの残存容量を周期的に受信して前記メイン制御部に伝送し、前記メイン制御部はそれぞれの前記バッテリーから受信したセルの残存容量を分析して既設定の基準容量値以下と判断される場合、基準容量値以下のバッテリーが一定時間の間に充電過程を遂行するうちにエネルギー印加信号を生成して前記太陽光モジュール集光装置に伝送し、前記太陽光モジュール集光装置で生成された電気エネルギーを前記風誘導回転モーターまたは発電機に提供するように制御することを特徴とする、ハイブリッド発電システム。
【請求項2】
メイン回転軸を中心に回転手段によって回転可能に構成されたベースフレームと、
前記ベースフレームの一端に備えられ、内部に風が流入し、流入する風を増速して吐き出す集風ダクトと、
前記集風ダクトから風が吐き出される後方側に設けられ、発電回転軸を中心にブレードが設けられ、前記集風ダクトから吐き出される風が前記ブレードに提供されて前記発電回転軸を回転させるタービンモジュールと、
前記発電回転軸に連結され、前記発電回転軸の回転力によって電気を発生させる発電機と 、
前記タービンモジュールの回転によって発生する電気エネルギーを充放電するように電気的に連結される一つ以上のバッテリーと、
前記集風ダクトの一側に備えられた風誘導回転モーターに電気エネルギーを供給するように電気的に連結された一つ以上の太陽電池で電気エネルギーを発生する太陽光モジュール集光装置と、
前記集風ダクトに設けられ、風の強度である風速値を測定する風速センサーと、
前記風速センサーから受信した風速値が前記発電機が電気エネルギーを生産することができない程度の既設定の基準風速値以下の場合、エネルギー印加信号を生成して前記太陽光モジュール集光装置に伝送し、前記太陽光モジュール集光装置で生成された電気エネルギーを風誘導回転モーターの風誘導回転軸に連結された風誘導手段に提供するように制御するメイン制御部と、
を含み、
前記集風ダクトの後方には、前記集風ダクトを通して吐き出された風のうち前記タービンモジュールの後方に流出する風を回収して前記タービンモジュールの前端及び前記集風ダクトの前端または中間に再供給する風回収手段をさらに含
み、
それぞれの前記バッテリーは、実時間で各バッテリーセルの電圧をモニタリングし、バッテリーセルに直列に電流センシング抵抗を連結してセル両端間の電位差を測定し、測定された電位差を用いてバッテリーセルの電流が流れる方向を把握して充電状態を判断するバッテリー制御部に電気的に連結され、前記バッテリー制御部は、バッテリーセルの電圧を測定して各バッテリーセル間の電圧偏差を算出し、算出された前記バッテリーセル間の電圧偏差が所定の基準値以上の場合、セルバランシングが必要であると判断し、前記太陽光モジュール集光装置と連動して電圧を選択的に受けてセルバランシングを遂行するように制御することを特徴とする、ハイブリッド発電システム。
【請求項3】
それぞれの前記太陽光モジュール集光装置は太陽光制御部に電気的に連結され、
前記太陽光制御部は、太陽光パネルの出力線に連結され、前記太陽光パネルから出力される電気エネルギーの電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧検出部及び電流検出部、前記電圧検出部及び電流検出部で検出された電流及び電圧の大きさを演算し、検出された電流及び電圧の大きさを含むデータを送信するようにRF無線通信部を制御する制御器、及び、前記制御器で生成されたデータを無線送信する前記RF無線通信部を含み、
前記メイン制御部は、演算された電流及び電圧の大きさを既設定の基準電圧及び電流と比較して超える場合、警告信号を生成して無線通信部を介して外部の管理サーバーまたは移動端末に伝送することを特徴とする、請求項1
又は請求項2に記載のハイブリッド発電システム。
【請求項4】
前記発電機周辺の映像を撮影して映像情報を獲得するカメラ部をさらに含み、
前記カメラ部はドローンに装着されて発電機周辺の映像を撮影し、モノのインターネット技術を用いて実時間で火災監視及び発電装置監視を遂行し、
前記メイン制御部は、感知センサー部から火災信号、既設定の温度値以上の温度情報、熱情報、煙情報、及び花火信号のうちの一つ以上の信号を受信する場合、カメラ駆動信号を前記カメラ部に伝送し、生成された映像情報を無線通信部を介して外部の管理サーバーまたは移動端末に伝送することを特徴とする、請求項1
又は請求項2に記載のハイブリッド発電システム。
【請求項5】
前記風回収手段は、
一端部が前記タービンモジュールの後方に配置され、一端部の末端部が集風ダクトに向けて撓うことにより前記タービンモジュールを通過した風を回収するように形成され、他端部が前記タービンモジュールの前方位置に配置され、一端部から他端部までの形状が前記タービンモジュールの一側外郭を覆う曲線形に形成されることにより、回収された風を他端部側に誘導するように形成された風回収部材と、
前記風回収部材から長く延びて前記集
風ダクトの上端または中間の両側に結合する風回収管と、
を含み、
前記風回収管は前記風回収部材と前記集
風ダクトの上端または中間の内部と連通し、前記集
風ダクトから流入した風を回収して再び集
風ダクトの上端または中間に流入させることにより、風が流入する速度を増加させることを特徴とする、請求項1
又は請求項2に記載のハイブリッド発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電装置に関し、より詳しくは風力エネルギーと太陽エネルギーによって発電して電気エネルギーを得るためのハイブリッド発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、発電機を稼働して電気を発生させるためには、石炭やオイルなどの化石燃料を燃消させるか、原子力、太陽光、太陽熱、風力及び水力などを用いて獲得したエネルギーによって電気を得るようになる。
【0003】
この中で、化石燃料を用いた発電機は効率が高くて広く使われて来たが、資源を枯渇させ、環境の汚染をもたらすなどの多くの問題があるので、原子力などを用いた発電機の活用が徐々に拡大されている。
【0004】
しかし、原子力は、漏出などの事故が発生する場合、大きな被害のおそれがある問題があり、設置場所の住民の反発がひどいので、発電機を設置するための場所を選定しにくい。
【0005】
よって、最近には、資源の枯渇や環境汚染のおそれが少ない風力、水力、太陽を用いて発電機の効率を高めようとする試みが盛んに行われている。
【0006】
一方、風力を用いた発電は、自然の風で風車を回して回転力を確保し、その速度を高めて発電機を回す発電方式を言う。
【0007】
このような風力発電は、羽の理論上、風力エネルギーの約60%以下のみが電気エネルギーに変換されることができるが、これも羽の形状による効率、機械的な摩擦、発電機効率などを考慮すれば、実質的に20~45%のみが電気エネルギーとして用いられることができる。
【0008】
しかし、風力発電システムの技術力が徐々に確立されるのに伴い、発電費用が低くなって電力生産費用でも化石燃料との競争が可能であり、また生産されたエネルギーは環境に優しい無公害エネルギーである点を考慮すれば、発電システムの普及が急速に拡がることに展望される。
【0009】
しかし、風力発電システムは、年平均風速が6m/s以上であるときに経済的な発電効率が保障される構造であるので、システムを設置することができる地域に制限が多く、すでに陸上に風力発電機が多く設けられて飽和状態に至っている。
【0010】
また、風力発電システムは一定の風速以下では発電効率が保障されない致命的な欠点があるので、環境に優しい無公害エネルギーであるにもかかわらず、普及が広がっていない問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】韓国特許公開第10-2004-0016913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は垂直軸にブレードを備えることにより、回転の際に騷音及び振動が小さく、集風ダクトを備えてブレードを高速で回転させるための風の速度を増速して風力エネルギーの効率を向上させ、ブレードに風を捕集することができる隔室を備えて風エネルギー利用効率が高くて回転力を増大させることができ、ブレードが逆風と順風を同時に受けてブレードの回転速度を落として発電量を阻害する問題を解決することにより、逆風を受けずに順風のみがブレード隔室に流入するように改善し、システムの上部に太陽光モジュール集光装置を備えることによって発生する電気エネルギーを用いて、風が吹かない場合にも集風ダクトに備えられたモーターを駆動して風誘導手段を回して人為的に高速風を生成して発電量を増大させることができるようにしたハイブリッド発電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本発明の実施例によるハイブリッド発電システムは、メイン回転軸を中心に回転手段によって回転可能に構成されたベースフレームと、前記ベースフレームの一端に備えられ、内部に風が流入し、流入する風を増速して吐き出す集風ダクトと、前記集風ダクトから風が吐き出される後方側に設けられ、発電回転軸を中心にブレードが設けられ、前記集風ダクトから吐き出される風が前記ブレードに提供されて前記発電回転軸を回転させるタービンモジュールと、前記発電回転軸に連結され、前記発電回転軸の回転力によって電気を発生させる発電機と、前記タービンモジュールの回転によって発生する電気エネルギーを充放電するように電気的に連結される一つ以上のバッテリーと、前記集風ダクトの一側に備えられた風誘導回転モーターに電気エネルギーを供給するように電気的に連結された一つ以上の太陽電池で電気エネルギーを発生する太陽光モジュール集光装置と、前記集風ダクトに設けられ、風の強度である風速値を測定する風速センサーと、前記風速センサーから受信した風速値が前記発電機が電気エネルギーを生産することができない程度の既設定の基準風速値以下の場合、エネルギー印加信号を生成して前記太陽光モジュール集光装置に伝送し、前記太陽光モジュール集光装置で生成された電気エネルギーを風誘導回転モーターの風誘導回転軸に連結された風誘導手段に提供するように制御するメイン制御部とを含み、前記集風ダクトの後方には、前記集風ダクトを通して吐き出された風のうち前記タービンモジュールの後方に流出する風を回収して前記タービンモジュールの前端及び前記集風ダクトの前端または中間に再供給する風回収手段をさらに含むことができる。
【0014】
このような解決手段は添付図面に基づく以降の発明を実施するための形態からより明らかになるであろう。
【0015】
本発明の詳細な説明に先立ち、本明細書及び請求範囲に使用された用語や単語は通常的で辞書的な意味に解釈されてはいけなく、発明者が自分の発明を最良の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して本発明の技術的思想に合う意味及び概念に解釈されなければならない。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によれば、システムの上部に太陽光モジュール集光装置を備えることによって生成される電気エネルギーを用いて、風が吹かない場合にも集風ダクトに備えられたモーターを駆動して風を発生させる風誘導手段を回してタービンモジュールを回転させて発電機の発電量を増大させることができる効果がある。
【0017】
また、本発明の実施例によれば、カメラ、火災感知センサー、ドローンなどのモノのインターネット技術(IoT)、人工知能(AI)基盤の技術などを用いて発電装置の危険性を予め感知することができるので、発電装置の故障危険を大きく減らすことができる効果があり、システムを効率的に運用管理することができる効果がある。
【0018】
また、本発明の実施例によれば、集風ダクトの内部に集風される風を集風ダクトを通して増速させ、ブレードの集風隔室に逆風の排除された順風のみが吐出口から流入することにより、ブレードの回転力及び遠心力を増大させてブレードの回転速度を増大させ、これによりブレードの回転トルクが増大して発電エネルギー効率が大きく向上する効果があり、またベースフレームの上端の太陽光モジュール集光装置支持部の両側に設けられる風向舵及び回転手段によって集風ダクトの流入口が風が吹いて来る方向に向けて自動的に回転することにより集風効率を極大化する効果がある。
【0019】
また、本発明の実施例によれば、集風ダクトを通して吐き出される風による入力値によって風向調節回転門が風向調節ガイドレールに沿って自動で回転及び移動することにより、吐出口から吐き出されてブレードに供給される風量を調節するので、風量調節回転門の調節作用によって、タービンモジュールに台風などによる過度な風が供給されることを防止してタービンモジュールの故障を防止するなどの保護効果がある。
【0020】
また、本発明の実施例によれば、風回収部材によって回収された風がタービンモジュールに再供給される経路の一側にタービンモジュールの一部を取り囲む形状に防風壁が設けられ、集風ダクト吐出部がタービンモジュール順風のみを受けることができるように規格化することにより、ブレードの逆回転方向には風を受けなくなるので、ブレードの回転力が低減することを防止し、タービン効率を向上させて発電量を増加させ、タービンモジュールの故障を防止する効果もある。
【0021】
また、本発明の実施例によれば、風が吹かない場合、太陽光モジュール集光装置を用いて電気を生産し、この電力で集風ダクトの内面に設けられた風誘導手段を強制で作動させて風速を一層高めることにより、ブレードを回転させて発電装置を稼動し、これにより電気発電量を一層増大させることができるので、風と太陽を同時に用いて電気を生産することができる効果があり、また太陽光モジュール集光装置より上側に備えられた避雷器を介して落雷を地中に誘導して発電システムを確かに保護するようになり、さらに既存の水平軸発電機のブレードが落雷を誘導する欠点を補う効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明によるハイブリッド発電装置においてタービンモジュールが前後2列に配置された構造を正面から見た形状を示す図である。
【
図2a】
図1の発電装置の要部を拡大して示す図である。
【
図2b】
図1の発電装置の要部を拡大して示す図である。
【
図2c】
図1の発電装置の要部を拡大して示す図である。
【
図3】
図1の発電装置を側面から見た形状を示す図である。
【
図4】
図1の発電装置を上から見た形状を示す図である。
【
図5】本発明によるハイブリッド発電システムにおいてタービンモジュールが1列に配置された構造を側面から見た形状を示す図である。
【
図6】
図5の発電装置を上から見た形状を示す図である。
【
図7】本発明による集風ダクトに設けられた風誘導手段の構成を説明するために集風ダクトの流入口の前方から見た形状を示す図である。
【
図8】本発明による風誘導手段を集風ダクトの前方側から見た形状を示す図である。
【
図9】本発明による風誘導手段を集風ダクトの後方側から見た形状を示す図である。
【
図10】上から見た本発明によるタービンモジュールの構成と前記タービンモジュールによって風量を調節するための構成とを説明するための図である。
【
図11】本発明によるタービンモジュールを成す一部部品の組立前の構成要素を分離して示す図である。
【
図12】本発明によるタービンモジュールにおいて形状の相異なる2種のブレードが3段に結合される状態を示す図である。
【
図13】本発明によるタービンモジュールにおいて形状の同じブレードが3段に結合される前後の状態を示す図である。
【
図14a】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14b】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14c】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14d】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14e】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14f】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14g】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14h】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14i】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図14j】本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【
図15】本発明によるハイブリッド発電装置を正面から見た形状を示す図である。
【
図16】
図15の発電装置を側面から見た形状を示す図である。
【
図17a】
図6とは違う実施例において風回収部材から風回収管を長く延ばして集中ダクトの両側に結合した形態を示す図である。
【
図17b】
図6とは違う実施例において風回収部材から風回収管を長く延ばして集中ダクトの両側に結合した形態を示す図である。
【
図18】本発明の実施例によるハイブリッド発電システムの内部構成を簡略に示すブロック図である。
【
図19】本発明の実施例による太陽光モジュール集光装置の内部及び風誘導回転モーター及び発電機の構成とこれに連結された太陽光制御部を簡略に示すブロック図である。
【
図20】本発明の実施例によるハイブリッド発電システムとドローン装置との連結関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の特異な観点及び特定の技術的特徴は添付図面に基づく以下の具体的な内容と一実施例からより明らかになるであろう。本明細書で、各図の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図に表示されていてもできるだけ同じ符号を付けることに留意しなければならない。また、本発明の一実施例の説明において、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
【0024】
また、本発明の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものであるだけで、その用語によって当該構成要素の本質や順番または手順などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に“連結”、“結合”または“接続”されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結されるかまたは接続されることができるが、各構成要素の間にさらに他の構成要素が“連結”、“結合”または“接続”されることもできると理解しなければならないであろう。
【0025】
以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて具体的に説明すると次のようである。
【0026】
図1は本発明によるハイブリッド発電装置においてタービンモジュールが前後2列に配置された構造を正面から見た形状を示す図、
図2a~2cは
図1の発電装置の要部を拡大して示す図、
図3は
図1の発電装置を側面から見た形状を示す図、
図4は
図1の発電装置を上から見た形状を示す図、
図5は本発明によるハイブリッド発電システムにおいてタービンモジュールが1列に配置された構造を側面から見た形状を示す図、
図6は
図5の発電装置を上から見た形状を示す図、
図7は本発明による集風ダクトに設けられた風誘導手段の構成を説明するために集風ダクトの流入口の前方から見た形状を示す図、
図8は本発明による風誘導手段を集風ダクトの前方側から見た形状を示す図、
図9は本発明による風誘導手段を集風ダクトの後方側から見た形状を示す図、
図10は上から見た本発明によるタービンモジュールの構成と前記タービンモジュールによって風量を調節するための構成とを説明するための図、
図11は本発明によるタービンモジュールを成す一部部品の組立前の構成要素を分離して示す図、
図12は本発明によるタービンモジュールにおいて形状の相異なる2種のブレードが3段に結合される状態を示す図、
図13は本発明によるタービンモジュールにおいて形状の同じブレードが3段に結合される前後の状態を示す図、
図14a~14jは本発明によるタービンモジュールにおいてブレードの形状及び数を互いに異なるように組み合わせて構成した実施例を示す図である。
【0027】
図1~
図14jを参照すると、本発明の実施例によるハイブリッド発電システムは、発電装置及びこれを運用管理するためのシステムを含む。
【0028】
前記発電装置は、メイン回転軸12を中心に回転手段によって回転可能に構成されたベースフレーム10と、前記ベースフレーム10の一端に備えられ、内部に風が流入し、流入する風を増速して吐き出す集風ダクト20と、前記集風ダクト20から風が吐き出される後方側に備えられ、発電回転軸31を中心にブレード32が設けられ、前記集風ダクト20から吐き出される風が前記ブレード32に提供されることにより前記発電回転軸31が回転するタービンモジュール30と、前記発電回転軸31に連結され、前記発電回転軸31の回転力によって電気を発生させる発電機40及び太陽光モジュール集光装置17とを含む。
【0029】
すなわち、集風ダクト20の内部に集風される風が集風ダクト20を通して増速されてブレード32に吐き出されることにより、ブレード32の回転力及び遠心力を増大させてブレード32の回転速度を増大させ、これによりブレード32の回転トルクが増大して発電エネルギー効率が大きく向上する。
【0030】
ここで、前記集風ダクト20の流入口を風が流入してくる正面から見たとき、その形状は四角形、円筒状、丸い四角形などに構成されることができる。大型に構成される場合、運搬を容易にし、作業性を良くするために、例えば左右にまたは上下に分離して構成した後、現場で組立てることができる。
【0031】
また、前記集風ダクト20を構成するそれぞれの板があまり大きい場合、上下左右に分離されて構成されることができ、これにより運搬性及び現場での作業性が一層向上することができる。
【0032】
図3及び
図5を参照すると、本発明のベースフレーム10の他端には、前記ベースフレーム10が風によって回転するように風向舵11が設けられることにより、前記ベースフレーム10の一端が風が吹いて来る方向に向けて自動で回転することができる。
【0033】
すなわち、前記ベースフレーム10の後端両側に、風が吹く方向に向けて風を受ける面が垂直に立てられ、互いに対向する2個の風向舵11が備えられることにより、風が吹く方向に向けて集風ダクト20の流入口20aが自動で回転して配置されるので、集風効率を極大化することができる。
【0034】
図1、
図2a~2c及び
図3を参照すると、本発明において、回転手段は、ベースフレーム10の下端に垂直に備えられたメイン回転軸12、前記ベースフレーム10の下部に支持され、上端に前記メイン回転軸12が回転可能に設けられた支柱13、前記支柱13の上端に固定され、前記メイン回転軸12が貫通して結合された支持板14、前記支持板14に固定され、前記メイン回転軸12と同軸上に備えられた従動ギア15、及び回転する前記ベースフレーム10、好ましくはベースプラットホーム19に結合され、前記従動ギア15と噛み合って回転する駆動ギア16を含んでなることができる。
【0035】
ここで、前記支柱13と支持板14との間には支持フレーム13aが回転できないように固定されることにより、メイン回転軸12が垂直状態で円滑に回転することができるようにし、前記ベースフレーム10及びベースプラットホーム19が強風によって転倒しないようにすることができる。
【0036】
前記支柱13は地面に垂直に立てられた4個の柱または1個の円形柱からなり、鉄骨構造物、円筒形構造物などの形態に地面または構造物の底に固定的に設置されることができる。そして、前記支持フレーム13aの上部に支持板14の下部が固定結合されることができる。
【0037】
すなわち、前記支柱13は鉄塔または円筒形タワーのいずれも可能であり、発電装置を現場で施工するとき、設置工事の容易な組立式鉄骨構造物を使うことができるので、現場施工の際、既存の水平軸風力発電機より設置費が安くて経済的である。
【0038】
また、前記メイン回転軸12を中心として前記ベースフレーム10の下部に付着されている前記ベースプラットホーム19の下部には転倒防止フレーム10aの上端が固定され、前記転倒防止フレーム10aの下端が内側に折り曲げられて前記支持板14の下端にかかることにより、前記ベースフレーム10とこれに連結されて前記ベースプラットホーム19上に装着されるすべての機械設備が転倒することを防止するようになる。
【0039】
特に、前記回転手段には、前記駆動ギア16に回転力を提供する風向回転モーター16aをさらに含んでなることができる。
【0040】
すなわち、前記風向回転モーター16aから提供される回転力によって駆動ギア16が回転すれば、前記駆動ギア16と噛み合っている従動ギア15が支持板14によって支柱13に固定されているので、前記駆動ギア16が従動ギア15に沿って回転し、これにより前記ベースフレーム10が回転することができる。
【0041】
さらに、前記風向回転モーター16aを制御するために、前記風向舵11によるメイン回転軸12の回転角度を測定する角度測定センサー、及び前記角度測定センサーで測定されるメイン回転軸12の回転角度が基準角以上の場合、前記風向回転モーター16aに作動信号を印加する別途の制御部を含んでなることができる。
【0042】
すなわち、前記風向舵11によってベースフレーム10がメイン回転軸12を中心に風向にしたがって左にまたは右に回転し始めれば、前記メイン回転軸12の回転角度を測定し、前記回転角度が基準角以上の場合、風向回転モーター16aを作動させてベースフレーム10を当該回転角度に回転させるようになる。
【0043】
したがって、前記ベースフレーム10に設けられた集風ダクト20の流入口20aが風が吹いてくる方向に向けて前方に安定的に回転することができるので、集風効率を向上させるようになる。
【0044】
ここで、前記風向回転モーター16aの作動信号は所定の電流として所定の時間の間に印加されることにより、ベースフレーム10が過度に回転することを制限することができるようになる。
【0045】
一方、
図3~
図6を参照すると、本発明において、集風ダクト20は流入口20a側から吐出口20b側に向かうほど断面積が徐々に小さくなるように形成されることができる。
【0046】
すなわち、前記集風ダクト20は、ベルヌーイの定理によって、相対的に広い面積の流入口20aを通して外部の空気を吸入して相対的に狭い面積の吐出口20bを通して高速で吐き出すことにより、風の速度及び力が集中して倍加され、これにより前記タービンモジュール30に供給される風エネルギーが大きく増大する。
【0047】
ここで、前記集風ダクト20の断面は、図示の長方形の他に、円形、正方形などの多くの断面形状を有することができる。
【0048】
また、前記集風ダクト20の内側には、前記集風ダクト20の内部に風を流入させ、流入する風の速度を増速させることができるように風誘導手段がさらに設けられることができる。
【0049】
図7~
図9を参照して具体的に説明すると、本発明において、風誘導手段は、集風ダクト20の流入口20aの内側面または吐出口20bの内側面の周縁に沿って設けられた風誘導回転軸21に回転可能に設けられた風誘導回転ブレード22、及び前記風誘導回転軸21に回転力を提供する風誘導回転モーター24を含んでなることができる。
【0050】
すなわち、前記風誘導回転ブレード22は、風誘導回転モーター24の作動によって外部空気を強制で吸入して集風ダクト20の内部に流入させることにより、集風ダクト20に流入する風量及び風速が急激に増大する。
【0051】
したがって、増速及び増大する風がタービンモジュール30のブレード32に力強く流入することにより、ブレード32を備えた発電回転軸31の回転トルク及び回転速度が増大して遠心力とブレードの揚力が増大し、結局発電出力が増大する。
【0052】
また、前記風誘導回転モーター24に作動信号を印加し、各発電回転軸31の平均作動回転数と基準回転数とを比較し、平均作動回転数が基準回転数以下のときは風誘導回転モーター24を作動させ、平均作動回転数が基準回転数超過のときは風誘導回転モーター24の作動を停止させるように、メイン制御部(
図18の60参照)を介して制御するように構成されることができる。
【0053】
ここで、前記風誘導回転モーター24は太陽光モジュール集光装置17によって生産された電力で作動させることができる。
【0054】
すなわち、前記風誘導回転モーター24は、前記発電回転軸31が回転して基準回転数を超えれば、風誘導回転モーター24の作動を停止させて装置の寿命を延ばし、不必要な電力の浪費を防止するようになる。
【0055】
図7及び
図8のように、前記風誘導回転軸21と、これに隣接した集風ダクト20の流入口20aの内側面または吐出口20bの内側面との間で風誘導回転ブレード22を取り囲む形状に形成された防風板23をさらに含むことができる。
【0056】
すなわち、前記風誘導回転軸21の中心線を基点として風誘導回転軸21が回転するとき、誘導回転ブレード22の上面は前記防風板23によって集風ダクト20の流入口20aの内側面の前方または吐出口20bの内側面の前方から流入する風を遮断して風誘導回転ブレード22の回転抵抗を防ぎ、下面は前記防風板23がない開放状態であるので、流入した風が誘導回転ブレード22が回転する順方向に押すことにより、誘導回転ブレード22の集風効率を向上させるようになる。
【0057】
また、前記風誘導回転ブレード22は、前記流入口20aの内側面または吐出口20bの内側面の周縁に全体的にまたは部分的に複数設けられることができる。ここで、前記風誘導回転モーター24は各風誘導回転ブレード22に個別的に取り付けるか、統合的に取り付けることにより、風誘導回転ブレード22に回転力を提供することができる。
【0058】
一方、
図1、
図10及び
図11を参照すると、タービンモジュール30は、発電回転軸31が集風ダクト20から風が吐き出される方向に対して垂直に備えられ、前記ブレード32が前記発電回転軸31を中心に放射状に複数備えられることができる。
【0059】
ここで、前記タービンモジュール30は、ベースフレーム10の中間に水平方向に備えられたフレーム70に固定的に設けられることができる。
【0060】
すなわち、前記発電回転軸31が垂直に備えられ、前記ブレード32が前記発電回転軸31に連結棒33を介して水平に結合されて回転することにより、騷音発生が少なくて周辺環境に悪影響を及ぼすことがないだけでなく、設置及び維持補修が容易である。
【0061】
特に、
図11のように、前記ブレード32の端部に開口が形成されて内部が中空に形成された風捕集室32aが設けられ、前記ブレード32の開口した風捕集室32aの端部が集風ダクト20の吐出口20b側に向かうように配置されることができる。
【0062】
好ましくは、前記タービンモジュール30は集風ダクト20の吐出口20bの後方の左右両側にそれぞれ配置されることができる。そして、前記タービンモジュール30は、
図3のように、前後端に2列に配置されるか、または、
図5のように、前端に1列に配置されることができる。
【0063】
また、前記ブレード32は集風ダクト20の吐出口20bの上下長の範囲内に配置されることができる。
【0064】
すなわち、集風ダクト20から吐き出された風が内部の空いているブレード32の風捕集室32aの内側に捕集され、風を受けるブレード32の面積及び抵抗力が増大することにより、ブレード32の回転の際、発電回転軸31の回転力と、遠心力、つまり揚力とが増大するので、発電エネルギーの効率が大きく向上する。
【0065】
また、
図10のように、前記ブレード32は、発電回転軸31を中心とする円周方向の外面長が内面長より長く形成されることができる。
【0066】
好ましくは、前記ブレード32の外面は流線形の曲面形に形成され、ブレードの内面は直線形に形成されることができる。
【0067】
すなわち、前記ブレード32の円周方向の外面長が内面長より長く形成されることにより、ブレード32の回転の際、外面及び内面の間に速度及び圧力の差が発生して揚力が発生するので、ブレード32の遠心力が一層増大してブレード32の回転力が一層増大する。
【0068】
図11のように、前記ブレード32は発電回転軸31に連結棒33を介して左右対称に結合され、前記連結棒33はブレード32とボルティングで締結されることができる。すなわち、前記ブレード32に形成されたボルティングホール(bolting hole)33aに連結棒33の端部に形成されたボルト形状部が締結されることにより、ブレード32が簡便に結合される。
【0069】
また、
図14a~
図14jのように、タービンモジュール30を構成するブレード32を形状が互いに異なるか同じものを結合して構成することができ、ブレード32の数も発電装置の発電容量などに応じて適宜左右対称に設けることができる。
【0070】
また、
図3及び
図5のように、前記発電回転軸31の上端には振動吸収回転キャップ34が結合されることができる。
【0071】
すなわち、前記発電回転軸31の上端に円盤状の振動吸収回転キャップ34が結合されることにより、ブレード32の力強い回転力及び遠心力によって発生する振動及び騷音を最小化させるので、タービンモジュール30を保護してタービンの故障を防止するだけでなく、発電装置の寿命を伸ばすようになる。
【0072】
一方、
図4及び
図6を参照すると、本発明の集風ダクト20の後方には前記集風ダクト20を通してタービンモジュール30の後方に流出する風を回収してタービンモジュール30の前端に再供給する風回収手段をさらに含んでなることができる。
【0073】
すなわち、ブレード32の風捕集室32aに供給されて後方に通過する風エネルギーを再び捕集してタービンモジュール30に再供給することにより、風エネルギーを最大限効率的に活用することができる。
【0074】
具体的には、前記風回収手段は、一端部が最後方のタービンモジュール30の後方に配置され、一端部の末端部が集風ダクト20に向かって撓うことにより、タービンモジュール30を通過した風を回収するように形成され、他端部がタービンモジュール30の前方に配置され、一端部から他端部までの形状が前記タービンモジュール30の一側外郭を覆う曲線形に形成されることにより、一端部で回収された風を他端部側に誘導するように形成された風回収部材50を含んでなることができる。
【0075】
ここで、前記風回収部材50の他端部は回収された風をタービンモジュール30に再供給するための風回収吐出部52aであり得る。前記タービンモジュール30が前後端2列に配置される場合、
図4のように、風回収部材50の風回収吐出部52aが前後端2列のタービンモジュール30の前端にそれぞれ配置されることができ、また前記タービンモジュール30が1列に配置される場合、
図6のように、風回収部材50の風回収吐出部52aが1列タービンモジュール30の前端に配置されることができる。
【0076】
すなわち、タービンモジュール30に供給されてから残った風が風回収部材50の後端部で回収され、回収された風が風回収部材50の内面に沿って風回収部材50の前端部に誘導されてタービンモジュール30に再供給されることにより、風エネルギーの活用度を極大化させるようになる。
【0077】
そして、前記風回収部材50に向かう一側面に前記タービンモジュール30の一部を取り囲む形状に防風壁51が設けられることにより、前記風回収部材50を通してタービンモジュール30の前端に再供給される風がタービンモジュール30に加わることを防止することができる。
【0078】
すなわち、風回収部材50で回収された風がタービンモジュール30に再供給される経路の一側にタービンモジュール30の一部を取り囲む形状に防風壁51が設けられることにより、前記集風ダクト20の吐出口20bから吐き出される風がブレード32に印加されて回転するときにブレード32の逆回転方向の風を受けなくなるので、ブレード32の回転力が低減することを防止し、タービンモジュール30の回転力を増大し、故障を防止するようになる。
【0079】
また、前記風回収部材50の内側には、前記風回収部材50の他端部に風回収吐出部52aを形成するとともに前記風回収部材50の一端部で回収された風を他端部に案内するための風経路形成部材52がさらに備えられることができる。
【0080】
ここで、前記風経路形成部材52によって形成された経路は経路の入口から出口に向けて断面積が徐々に小さくなるように形成されることにより、前記風回収手段によって再供給される風の風速を増大させるようになる。
【0081】
そして、
図4のように、タービンモジュール30の前後端2列に配置される場合、後端に配置された風経路形成部材52は防風壁51とともに経路を形成することができる。
【0082】
一方、
図10を参照すると、本発明の実施例によるハイブリッド発電システムは、発電回転軸31を中心に上部プラットホーム70の底にタービンモジュール30の円周方向に取り囲む形状に風量調節ガイドレール53が設けられることができる。
【0083】
ここで、前記風量調節ガイドレール53に沿って左右の円周方向に移動することができるように、下端に足車が備えられ、前記タービンモジュール30の前端の一部を取り囲むドアの形状に形成されることにより、集風ダクト20からタービンモジュール30に提供される風量を調節する風向調節回転門54を含んでなることができる。
【0084】
さらに、前記風向調節回転門54を左右に回転移動させるための回転力を提供する風向調節回転門調整モーター(図示せず)、及び前記集風ダクト20の流入口20a及び/または吐出口20bに設けられ、集風ダクト20を通過する風の風速値を測定する風速センサー(
図18の97参照)を含んでなることができる。そして、メイン制御部(
図18の60参照)を介して風向調節回転門調整モーターに作動信号を印加し、前記風速センサー97から入力される入力値によって風向調節回転門54の移動量を調節することができる。
【0085】
ここで、前記風速センサー97は集風ダクト20の上端前面または流入口20aまたは吐出口20bに設けられることができ、前記風速センサー97の他にも晴雨計などの多様なセンサーが備えられることができ、前記センサーを介して入力される入力値と基準値とを比較してメイン制御部60で制御するようになる。
【0086】
すなわち、集風ダクト20を通して吐き出される風による入力値によって風向調節回転門54がメイン制御部60の制御によって風量調節ガイドレール53に沿って自動で回転及び移動することにより、吐出口20bから吐き出されてブレード32に供給される風量が調節される。したがって、発電装置に悪影響を及ぼすほどに過度の強風が集風ダクト20に流入する場合、風向調節回転門54を自動で調節してタービンモジュール30の故障を防止するようになる。
【0087】
例えば、弱い台風が吹いて風速が20m/s以上になれば、左右両側に設けられている風向調節回転門54、すなわち左側に設けられている風向調節回転門54は反時計方向に回転させて左側風向調節回転門移動レール53の終端まで回転移動させ、右側に設けられている風向調節回転門54は時計方向に回転させて右側風向調節回転門移動レール53の終端まで回転移動させるようになる。
【0088】
ここで、図面に示されてはいないが、台風が吹いて風速が20m/s以上になれば、前記風回収部材に備えられている風回収防止門が風回収防止門移動レールに沿って動いて閉まることにより、回収される風が前記風回収部材の内側に流入せずに外部に直接流出するように構成されることができる。
【0089】
そのようになれば、吐出口20bから吐き出された風はブレード32の風捕集隔室32aに流入することができず、終局的にはタービンモジュール30が回転することが止まるようになる。
【0090】
一方、
図1~
図3を参照すると、前記発電回転軸31と発電機40との間に増速ギアボックス35が連結され、発電回転軸31から発電機40に提供される回転の速度を増大させることができる。
【0091】
すなわち、発電回転軸31の回転による回転数を多数の大小ギアを組み合わせてギア比を構成する増速ギアボックス35によって増加させて電気エネルギーを増大させる。
【0092】
そして、本発明において、前記発電回転軸31を制動することができるように設けられた制動装置36及び前記発電回転軸31の回転数が制動基準回転数を超えるとき、制動装置36に制動信号を入力する別途の制御部を含んでなることができる。
【0093】
すなわち、前記発電回転軸31の回転によって発生した回転力があまり大きくて発電装置を損傷させるおそれ及びその他の望まない事故に対処するために、前記発電回転軸31を停止させるために制動装置36を使う。
【0094】
図2a及び
図2bは発電回転軸31に増速ギアボックス35を連結した構成であるのに対し、
図2cは発電機40の上部に結合された回転部材37の軸38に発電回転軸31を一体型に結合したものである。すなわち、本発明で発電機40をギアレス型に構成した場合には、前記増速ギアボックス35は適用されない。
【0095】
また、
図3及び
図5を参照すると、本発明において、支柱13の上端には太陽光モジュール集光装置17が設けられ、前記太陽光モジュール集光装置17は集風ダクト20の流入口20a及び吐出口20bに設けられた風誘導回転モーター24に電力を提供することができる。ここで、太陽光モジュール集光装置17は太陽電池集光パネルであり得る。
【0096】
すなわち、風が吹かない場合、太陽エネルギーを用いて電気を生産し、この電力で集風ダクト20に設けられた風誘導手段を強制で作動させることにより、ブレード32をより速く回転させて発電装置を稼動することができるので、風及び太陽を同時に用いて電気を生産することができるようになる。
【0097】
本発明において、最上端には避雷器18が設けられることができる。すなわち、太陽光モジュール集光装置17より上側に備えられた避雷器18を介して落雷を地中に誘導して発電システムを確かに保護するようになり、また既存の水平軸発電機のブレードが落雷を誘導する欠点を補うようになる。
【0098】
さらに、本発明では、前記太陽光モジュール集光装置17及び発電機40で発生した電気によって各モーターを作動させることができる。
【0099】
図17a及び
図17bは、風回収部材50から長く延びて集中ダクト20の上端両側に結合する風回収管55をさらに含み、集中ダクト20から流入した風を回収して再び集中ダクト20の上端または中間に流入させて風の流入速度を増加させる機能を果たすことにより、発電効率を向上させるようになる。このような風回収管55は風回収部材50と集中ダクト20の上端または中間の内部と連通するようになる。
【0100】
図18は本発明の実施例によるハイブリッド発電システムの内部構成を簡略に示すブロック図、
図19は本発明の実施例による太陽光モジュール集光装置の内部構成を簡略に示すブロック図、
図20は本発明の実施例による発電装置とドローン装置の運営管理システムとの連結関係を示す図である。
【0101】
図18~
図20に示すように、本発明の実施例によるハイブリッド発電システムは、バッテリー80、BMS82、バッテリー制御部84、CCTVカメラ85、赤外線カメラ86、映像処理部87、風速センサー97、発電機40、太陽光モジュール集光装置17及びメイン制御部60を含む。そして、ドローン装置100をさらに含むことができる。
【0102】
CCTVカメラ85と赤外線カメラ86は発電機40の周辺映像を撮影し、昼間及び夜間に選択的に駆動して火災を監視し、移動物体や固定物体を撮影して映像情報を生成する。
【0103】
映像処理部87はCCTVカメラ85及び赤外線カメラ86で生成された映像情報を映像処理して保存し、メイン制御部60の制御信号によってモニタリングした映像情報を無線通信部88を介して外部の管理サーバー89または移動端末89aに伝送することができる。
【0104】
メイン制御部60は、発電装置の一側に設けられた感知センサー部(図示せず)から火災信号、既設定の温度値以上の温度情報、熱情報、煙情報、及び花火信号のうちの一つ以上の信号を受信する場合、カメラ駆動信号を前記CCTVカメラ85及び赤外線カメラ86に伝送し、生成された映像情報を無線通信部88を介して外部の管理サーバー89または移動端末89aに伝送することができる。ここで、感知センサー部は、火災感知センサー、花火感知センサー、熱感知センサー、煙感知センサー、及び温度センサーを含む。
【0105】
風速センサー97は集風ダクト20に設けられ、風の強度である風速値を測定してメイン制御部60に伝送する。
【0106】
発電機40は風力によるタービンモジュール30の回転によって電気エネルギーを充放電する複数のバッテリー(ESS)にそれぞれ電気的に連結されている。
【0107】
発電機40は、一側に複数の太陽光モジュール集光装置17が各モーターに電気エネルギーを供給するようにそれぞれ電気的に連結されている。
【0108】
バッテリー80は発電機で生成された電気エネルギーを保存するシステムであり、必要の際に電気エネルギーを充放電し、それぞれのバッテリー80はそれぞれのBMS82に電気的に連結されている。
【0109】
発電機40は、一側に複数の太陽光モジュール集光装置17が各モーターに電気エネルギーを供給するようにそれぞれ電気的に連結されている。
【0110】
BMS82はバッテリー管理システムであり、バッテリー80の電圧、電流、温度、熱、煙などを感知してバッテリー80を保護し、バッテリー80の充放電量を適正水準に制御するだけでなく、バッテリー80のセルバランシングを遂行し、バッテリー80の残存容量を把握して制御する。
【0111】
また、BMS82は、火災の危険が感知される場合、消火装置(図示せず)の非常動作によってバッテリー80及びハイブリッド発電システムを保護する。本発明では、バッテリー80の管理方法として、バッテリー80の放電の際に発生するエネルギーを二次電池のようなエネルギー貯蔵装置に再充電し、必要によってこれを使うことによって全体エネルギーを管理する。
【0112】
太陽光モジュール集光装置17は、太陽光の照射を受けて電気エネルギーを発生させる太陽電池を備えた太陽光発電部91と、前記太陽光発電部91の出力端に連結され、出力電圧を検出して基準電圧と比較し、定電圧回路、昇圧回路及び定電流回路からなる電圧比較部92と、前記電気エネルギーを蓄電する蓄電部93と、AC/DC出力部95に前記電気エネルギーを出力するように制御する制御モジュール94と、風誘導回転モーター(
図7の24参照)を作動させるための風誘導回転モーター作動部24aとを含む。
【0113】
太陽光発電部91は太陽電池アレイであり得る。太陽電池アレイは複数の太陽電池モジュールを結合したものである。太陽電池モジュールは複数の太陽電池セルを直列にまたは並列に連結して太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して所定の電圧及び電流を発生させる装置である。よって、太陽電池アレイは太陽エネルギーを吸収して電気エネルギーに変換する。
【0114】
それぞれの太陽光モジュール集光装置17は太陽光制御部96に電気的に連結されている。
【0115】
太陽光制御部96は、太陽光発電部91のパネル出力線に連結され、太陽光パネルから出力される電気エネルギーの電圧及び電流をそれぞれ検出する電圧検出部及び電流検出部96aと、電圧検出部及び電流検出部96aで検出された電流及び電圧の大きさを演算し、検出された電流及び電圧の大きさを含むデータを送信するようにRF無線通信部を制御する制御器96bと、前記制御器96bで生成されたデータを無線送信するRF無線通信部96c及び風誘導回転モーター作動部24aを制御するための風誘導回転モーター制御部24bとを含んでなることができる。
【0116】
メイン制御部60は、演算された電流及び電圧の大きさを既設定の基準電圧及び電流と比較して超える場合、警告信号を生成し、無線通信部88を介して外部の管理サーバー89または移動端末89aに伝送することができる。
【0117】
それぞれのバッテリー80は、実時間で各バッテリーセルの電圧をモニタリングするバッテリー制御部84に電気的に連結されている。
【0118】
バッテリー制御部84は、バッテリーセルのそれぞれの電圧を測定し、前記測定された電圧のうちの一つをバランシング基準電圧に設定し、基準電圧による充放電によってバランシングを遂行する。
【0119】
バッテリー制御部84は、バッテリーセルに直列に電流センシング抵抗を連結してセルの両端の電位差を測定し、測定された電位差を用いてバッテリーセルの電流が流れる方向を把握して充電状態を判断する。
【0120】
バッテリー制御部84は、バッテリーセルの電圧を測定して各バッテリーセルの間の電圧偏差を算出し、算出されたバッテリーセルの電圧偏差が所定の基準値以上の場合、セルバランシングが必要であると判断し、太陽光モジュール集光装置17と連動して電圧を選択的に受けてセルバランシングを遂行するように制御する。
【0121】
バッテリー制御部84は、バッテリーセルの残存容量を周期的に受信してメイン制御部60に伝送する。
【0122】
メイン制御部60は、それぞれのバッテリー80から受信されたセルの残存容量を分析して既設定の基準容量値以下と判断する場合、基準容量値以下のバッテリーが一定の時間の間に充電過程を遂行するうちにエネルギー印加信号を生成して太陽光モジュール集光装置17に伝送し、太陽光モジュール集光装置17から電気エネルギーを風誘導回転モーター24または発電機40に提供するように制御する。
【0123】
メイン制御部60は、風速センサー97から受信した風速値が発電機40が電気エネルギーを生産することができない程度の既設定の基準風速値以下の場合、エネルギー印加信号を生成して太陽光モジュール集光装置17に伝送し、太陽光モジュール集光装置17から電気エネルギーを風誘導回転モーター24または発電機40に提供するように制御する。
【0124】
すなわち、本発明のハイブリッド発電システムは、風が吹かなくても風誘導回転モーター24を駆動して風を生成してタービンモジュール30を回して電気エネルギーを生産することができる。
【0125】
メイン制御部60は、外部の管理サーバー89または移動端末89aからドローン駆動信号を受信する場合、無線通信部88を介してドローン駆動信号をドローン本体107のドローン制御部106に伝送する。
【0126】
一方、本発明の実施例のドローン装置100は一定形状のドローン本体107を含むことにより、発電装置のメイン制御部60に対してデータ及び制御信号を送受信する。
【0127】
前記ドローン本体107は方形ボックスなどの形状になって各機器を外圧から保護する役割を果たす。
【0128】
ドローン本体107の上端、中間、下端などの中央または左右側の一側に装着された一つ以上のカメラ部101によって特定の対象物、例えば発電機周辺の映像をモノのインターネット技術、人工知能(AI)基盤の技術などを用いて実時間で撮影して火災及び発電装置を監視するようにする運用管理システムを含むことにより、発電装置の危険性を予め感知することができ、発電装置の故障の危険を減らすことができる役割を果たす。
【0129】
カメラ制御部102は、カメラ部101を上下左右に360度まで回転するように制御し、カメラズームアクチュエーター(図示せず)を駆動してズーム拡大またはズーム縮小させるように制御する。
【0130】
GPSモジュール103はドローン本体107の前端一側に位置し、ドローン本体107の離陸前後及び着陸後まで受信される座標情報を実時間でデータ処理して現在のドローン本体107の位置座標を生成する。
【0131】
センサーモジュール104はドローン本体107の上端一側に位置し、ドローン飛行に必要な姿勢情報をセンサーでセンシングする。
【0132】
回転モーターモジュール105はドローン本体107の内部に位置し、回転羽を同じ回転速度及び同じトルク(Torque)で高速回転させる。
【0133】
ドローン制御部106は、ドローン本体107の全般的な動作を制御し、IoT型ドローン制御アプリケーションモジュールからドローンの飛行制御命令信号を受信して回転モーターモジュール105の回転軸移動、位置制御、速度調節によってドローン本体107を着陸、離陸、飛行、静止飛行させるように制御し、撮影した映像データと飛行応答信号をIoT型ドローン制御アプリケーションモジュールに送信する。
【0134】
メイン制御部60は、発電装置の一側に設けられた感知センサー部(図示せず)から火災信号、既設定の温度値以上の温度情報、熱情報、煙情報、及び花火信号のうちの一つ以上の信号を受信する場合、飛行制御命令信号を生成してドローン制御部106に伝送する。
【0135】
ドローン制御部106は、GPSモジュール103、センサーモジュール104、回転モーターモジュール105、及びカメラ制御部102に駆動信号を伝送して危険が感知された場所の多様な映像情報を獲得し、獲得した映像情報を無線通信部88を介して外部の管理サーバー89または移動端末89aに伝送することができる。
【0136】
以上で本発明を一実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるハイブリッド発電システムはこれに限定されない。そして、以上で記載した“含む”、“構成する”、または“有する”などの用語は、特に反対の記載がない限り、該当構成要素が内在することができることを意味するものであるので、他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことができるものと解釈されなければならなく、技術的または科学的な用語を含むすべての用語は、他に定義しない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0137】
また、以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであり、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能である。したがって、本発明で開示した一実施例は本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、このような一実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は以下の特許請求の範囲によって解釈されなければならなく、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に属するものと解釈されなければならないであろう。