(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】沈降物洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B09B 3/30 20220101AFI20240724BHJP
B01D 21/24 20060101ALI20240724BHJP
B03B 5/00 20060101ALI20240724BHJP
B03B 5/28 20060101ALI20240724BHJP
B09C 1/02 20060101ALI20240724BHJP
C02F 11/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B09B3/30 ZAB
B01D21/24 T
B01D21/24 Z
B03B5/00 A
B03B5/28 Z
B09C1/02
C02F11/00 A
(21)【出願番号】P 2023043473
(22)【出願日】2023-03-17
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】501098061
【氏名又は名称】株式会社サンエイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大屋 弘一
(72)【発明者】
【氏名】山縣 忠司
(72)【発明者】
【氏名】川村 尚太郎
【審査官】中田 光祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-030860(JP,A)
【文献】特開2016-097396(JP,A)
【文献】特開2000-157974(JP,A)
【文献】特開2001-129426(JP,A)
【文献】特開平09-234464(JP,A)
【文献】登録実用新案第3018158(JP,U)
【文献】特開2001-079594(JP,A)
【文献】特開2014-205119(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09B 1/00- 5/00
B09C 1/00- 1/10
B01D 21/00- 21/34
B03B 1/00- 13/06
C02F 1/20- 1/40;
11/00- 11/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が供給される洗浄槽と、
前記洗浄槽内に配置され、上下方向に延びた揚水管と、
前記揚水管の下部へ気体を供給する気体供給管と、
前記揚水管と前記洗浄槽の側部との間に設けられ、前記洗浄槽の側部に形成された浮遊物排出口に連通し、浮遊物および水が流入する浮遊物流入部と、
前記浮遊物流入部の上部または前記浮遊物流入部と前記揚水管との間から前記揚水管に向かって延びる分離部材と、
を備え、
前記浮遊物流入部は、前記浮遊物排出口に連通した浮遊物流入領域と、前記浮遊物流入領域と前記揚水管が配置された領域とを仕切るトラフとを有し、
前記トラフは、前記浮遊物流入領域の底部を画定するトラフ下部と、前記浮遊物流入領域の側部の少なくとも一部を画定するとともに前記洗浄槽の側部に対向して配置されるトラフ上部とを有し、
前記分離部材は、トラフ取付部材によって前記トラフ上部に取り付けられ、
前記トラフ上部の上端および/または前記トラフ取付部材の上端は、前記洗浄槽の水面下の水面近くに配置され、
前記分離部材は、前記揚水管に向かって水平に延びる部分、または、前記揚水管に近付くにつれて下方に傾斜する方向に延びる部分を有し、
前記分離部材は、前記洗浄槽の水面下の水面近くに配置され、
前記分離部材に複数の孔が形成されている
ことを特徴とする沈降物洗浄装置。
【請求項2】
前記分離部材の水平方向に対する角度を調整可能な角度調整機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の
沈降物洗浄装置。
【請求項3】
前記角度調整機構は、
前記分離部材を、前記浮遊物流入部に対し、回転可能に接続する接続部材と、
前記分離部材を前記浮遊物流入部に対して回転させることが可能な分離部材角度調整装置と
を有することを特徴とする請求項2に記載の
沈降物洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄槽内における前記分離部材の位置を上下方向に調整可能な分離部材上下調整機構を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の
沈降物洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂等の沈降物を洗浄する沈降物洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭や工場で発生した汚水は下水処理場に運ばれ、沈砂池に送られる。沈砂池で、汚水に含まれる砂を沈め、ゴミを除去する。沈砂池に沈んだ砂(沈砂)は廃棄や再利用等される。
【0003】
沈砂には有機物質等が付着や混合している。有機物質等が付着や混合した状態で沈砂を処理すると、処理が煩雑になる。そのため沈砂から有機物質等を取り除いてから、沈砂を処理する。特許文献1には、沈砂に付着や混合した有機物質等を取り除く装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した有機物質等を沈砂から多く取り除くことが望ましい。
【0006】
本発明は、沈降物に付着や混合した有機物質等を多く取り除くことができる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載された沈降物洗浄装置は、水が供給される洗浄槽と、前記洗浄槽内に配置され、上下方向に延びた揚水管と、前記揚水管の下部へ気体を供給する気体供給管と、前記揚水管と前記洗浄槽の側部との間に設けられ、前記洗浄槽の側部に形成された浮遊物排出口に連通し、浮遊物および水が流入する浮遊物流入部と、前記浮遊物流入部の上部または前記浮遊物流入部と前記揚水管との間から前記揚水管に向かって延びる分離部材と、を備え、前記分離部材は、前記揚水管に向かって水平に延びる部分、または、前記揚水管に近付くにつれて下方に傾斜する方向に延びる部分を有し、前記分離部材に複数の孔が形成されている。
【発明の効果】
【0008】
沈降物に付着や混合した有機物質等を多く取り除くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る沈降物洗浄装置の構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る沈降物洗浄装置の蓋が無い状態の平面図である。
【
図3】浮遊物流入部および分離部材の周辺の拡大図である。
【
図4】第2実施形態に係る沈降物洗浄装置の浮遊物流入部および分離部材の周辺の拡大図である。
【
図5】
図4に示すトラフ取付部材およびトラフをVの方向からみた図である。
【
図6】第3実施形態に係る沈降物洗浄装置の浮遊物流入部および分離部材の周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1実施形態〕
沈降物洗浄装置1は、
図1に示すように、洗浄槽2と、洗浄槽2の上端を覆う蓋3と、洗浄槽2内に配置された揚水管4と、気体供給管5と、浮遊物流入領域6と、トラフ7と、分離部材8とを備える。
図2に、蓋3が無い状態の沈降物洗浄装置1の平面図を示している。
【0011】
洗浄槽2は、本体部21と、下部22と、底部23とを有する。本体部21は、
図2に示すように、角筒状である。
図1に示すように、本体部の下方に下部22が形成されている。下部22は、本体部21から離れるにつれて細くなる錘状である。下部22の下方に底部23が形成されている。
【0012】
本体部21に、第1水供給口2A
1および浮遊物排出口2B等が形成されている。第1水供給口2A
1から洗浄槽2に水が供給される。浮遊物排出口2Bから後述する浮遊物流入領域6の浮遊物および水が排出される。本体部21は、
図2に示すように、4つの側壁(第1側壁21S
1、第2側壁21S
2、第3側壁21S
3、第4側壁21S
4)を有する。浮遊物排出口2Bは、第1側壁21S
1に形成されている。
【0013】
図1に示すように、下部22に、水排出口2C等が形成されている。水排出口2Cから洗浄槽2内の水が排出される。
【0014】
底部23に、第2水供給口2A2等が形成されている。第2水供給口2A2から洗浄槽2に水が供給される。
【0015】
洗浄槽2内に揚水管4が配置されている。揚水管4は、上下方向に延びている。揚水管4は、例えば、蓋3に吊り下げられている。
【0016】
気体供給管5は、揚水管4の下部に接続されている。気体供給管5から揚水管4に気体が供給される。
【0017】
本実施形態では、揚水管4内に、複数の浮上用パイプ41が積み重ねられている。浮上用パイプ41は、パイプの中心軸に向かって凸となった突部(41a、41b、41c)を有する(
図2参照)。
図2には、一番上の浮上用パイプ41だけを示している。突部(41a、41b、41c)は等間隔に配置されている。例えば、揚水管4を上方からみたとき、各浮上用パイプ41の突部(41a、41b、41c)が重ならないように、複数の浮上用パイプ41が積み重ねられていてもよい。
【0018】
図1に示すように、洗浄槽2内には、揚水管4と洗浄槽2の第1側壁21S
1との間に、浮遊物流入領域6が設けられている。浮遊物流入領域6は、浮遊物排出口2Bと連通している。浮遊物流入領域6は、トラフ7によって、揚水管4が配置された領域と仕切られている。浮遊物流入領域6とトラフ7により、浮遊物(後述参照)および水が流入する浮遊物流入部が形成されている。
【0019】
図3に、浮遊物流入領域6とトラフ7の周辺の拡大図を示している。トラフ7は、揚水管4と洗浄槽2の第1側壁21S
1との間に配置されている。トラフ7は、トラフ下部71と、トラフ上部72とを有する(
図3参照)。トラフ下部71は、トラフ7の底部と下側部とを構成している。トラフ上部72は、トラフ7の上側部を構成している。トラフ下部71の下端は、浮遊物排出口2Bの下端とほぼ同じ高さまたはそれより低い高さに位置している。トラフ上部72の上端は、洗浄槽2内の水面下の水面近くに位置している。
【0020】
トラフ7は、
図2に示す洗浄槽2の本体部21の第2側壁21S
2から第4側壁21S
4まで配置されている。トラフ7と、第1側壁21S
1と、第2側壁21S
2と、第4側壁21S
4とに囲まれた領域が、浮遊物流入領域6である。
【0021】
図3に示すように、トラフ7のトラフ上部72にトラフ取付部材10が取り付けられている。トラフ取付部材10は、鉛直方向に延びたトラフ取付部10Aと、水平方向に対して傾斜した分離部材取付部10Bとを有する。トラフ取付部10Aと分離部材取付部10Bとのなす角は鋭角である。
【0022】
トラフ取付部10Aは、トラフ上部72に取り付けられている。トラフ取付部10Aをトラフ7の側部に取り付ける方法は特に限定されない。例えば、
図3に示すように、ボルトを用いてトラフ取付部10Aがトラフ上部72に取り付けられてもよく、溶接によって取り付けられていてもよい。トラフ取付部10Aの上端とトラフ7の側部の上端はほぼ同じ高さである。
【0023】
分離部材取付部10Bは、トラフ取付部10Aの上端から揚水管4に向かって延びている。分離部材取付部10Bは、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びている。
【0024】
トラフ取付部10Aは、
図2に示す洗浄槽2の本体部21の第2側壁21S
2から第4側壁21S
4まで配置されている。第2側壁21S
2と第4側壁21S
4との間に、2つの分離部材取付部10Bが間隔を空けて配置されている。
【0025】
2つの分離部材取付部10Bの上に、分離部材8が配置されている。分離部材8は、第2側壁21S2の近くから第4側壁21S4の近くまで配置されている。
【0026】
分離部材8には、複数の貫通した孔8aが形成されている。貫通孔の径は特に限定されない。貫通孔の径は、例えば、砂等の沈降物が通過可能な程度の大きさであることが好ましい。分離部材8は、例えば、多孔板でもよく、ウェッジワイヤースクリーンでもよく、メッシュでもよい。
【0027】
分離部材8は、例えば、金属製でもよく、合成樹脂製でもよい。分離部材8の材質は、例えば、鉄でもよく、ステンレスでもよく、アルミニウム合金でもよく、塩化ビニルでもよい。トラフ7およびトラフ取付部材10も上記材質であってよい。
【0028】
分離部材8は、分離部材取付部10Bに取り付けられている。分離部材8を分離部材取付部10Bに取り付ける方法は特に限定されない。例えば、
図3に示すように、ボルトを用いて分離部材8が分離部材取付部10Bに取り付けられていてもよく、溶接によって取り付けられていてもよい。
【0029】
分離部材8は、トラフ取付部材10を用いて、トラフ7に取り付けられている。分離部材8は、トラフ取付部材10により、トラフ7と連続している。これにより、分離部材8の上方と浮遊物流入領域6とが連続している。
【0030】
分離部材8は、
図3に示すように、揚水管4と、浮遊物流入領域6およびトラフ7によって形成される浮遊物流入部との間に配置されている。分離部材8は、揚水管4と浮遊物流入部の間から、揚水管4に向かって延びている。具体的には、分離部材8は、揚水管4とトラフ7の間から、揚水管4に向かって延びている。また、分離部材8は、揚水管4と浮遊物流入領域6の間から、揚水管4に向かって延びている。分離部材8は、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びている。分離部材8は、沈降物洗浄装置1の運転中、洗浄槽2内の水面下の水面近くに配置される。
【0031】
次に、
図1および
図3を参照しつつ、沈降物洗浄装置1の運転について説明する。
【0032】
沈降物洗浄装置1により沈降物が洗浄される。沈降物洗浄装置1は、例えば、下水処理場の沈砂池に沈んだ砂(沈砂)を洗浄するために用いられる。以下では、沈砂池に沈んだ砂を洗浄する場合について説明する。
【0033】
図1に示す洗浄槽2に沈降物(沈砂池に沈んだ砂)が投入される。砂は洗浄槽2の底に沈む。
【0034】
洗浄槽2に、第1水供給口2A
1から水が供給される。沈降物洗浄装置1の運転中などに、第2水供給口2A
2からも水を供給してよい。沈降物洗浄装置1の運転中または運転終了後、水排出口2Cから水を排出してもよい。気体供給管5から揚水管4に気体が供給されると、ガスリフト効果により、洗浄槽2内の水と沈んだ砂が揚水管4の下端開口から吸い込まれ、揚水管4内を上昇する。揚水管4内で、砂は上昇しながら浮上用パイプ41の突部(41a、41b、41c)に接触する(
図2参照)。これにより砂に付着や混合した有機物質等が砂から離れる。砂から離れた有機物質等は、ガスリフト効果により砂および水とともに上昇する。砂は上昇しながら突部(41a、41b、41c)への接触を繰り返すことにより、砂に付着や混合した有機物質等が砂から離れる。
【0035】
揚水管4の上端開口から水と砂と有機物質等があふれ出る(
図1参照)。砂は下降し、洗浄槽2内に沈む。有機物質等は水に浮いたりゆっくりと下降したりする(以下、水に浮いたり下降したりする有機物質等を「浮遊物」と称することがある)。
【0036】
従来の沈降物洗浄装置には、洗浄槽2内に分離部材8が配置されていない。従来の沈降物洗浄装置では、揚水管4の上端開口からあふれ出た有機物質等のうち水に浮いた有機物質等は、トラフ7の上端部を超えて浮遊物流入領域6へ流れるが、下降する有機物質等は沈み、沈んだ砂(洗浄された砂)とともに洗浄槽2の底部23から排出される。そのため、排出された砂に有機物質等が混合しているおそれがある。
【0037】
本実施形態によると、揚水管4と浮遊物流入領域6およびトラフ7によって形成される浮遊物流入部との間に分離部材8が配置されている。分離部材8の上方を下降する有機物質等は分離部材8によりトラフ7の上端部を超えて浮遊物流入領域6に流れる。また、水に浮いた有機物質等もトラフ7の上端部を超えて浮遊物流入領域6へ流れる。一方、分離部材8に落ちた砂は分離部材8の孔8a(
図2参照)を通って洗浄槽2内の底に沈む。
【0038】
上記より、揚水管4の上端開口から有機物質等があふれ出ると、水に浮いた有機物質等だけでなく、下降した有機物質等も、浮遊物流入領域6へ流入する。また、分離部材8に落ちた砂は孔8aから落ち、洗浄槽2内の底に沈む。これにより、砂と有機物質等が分離される。浮遊物流入領域6へ流入した有機物質等(浮遊物)は浮遊物排出口2Bから排出される。これにより洗浄槽2の底に沈む有機物質等が減る。その結果、洗浄槽2の底部23から排出される砂に有機物質等があまり混合していない。上記により、砂から有機物質等を多く取り除くことができる。
【0039】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る沈降物洗浄装置201について、
図4および
図5を参照しつつ以下に説明する。第2実施形態において第1実施形態と異なる点は、(1)トラフ、トラフ取付部材および分離部材等の構成と、(2)分離部材の傾斜角度を調整する角度調整機構を備える点、および(3)分離部材の上下方向の位置を調整可能な取付位置調整機構を備える点等である。なお、上述した第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。
【0040】
洗浄槽2内には、揚水管4と洗浄槽2の本体部21の第1側壁21S1との間に、浮遊物流入領域206が設けられている。浮遊物流入領域206は、浮遊物排出口2Bと連通している。浮遊物流入領域206は、トラフ207によって、揚水管4が配置された領域と仕切られている。浮遊物流入領域206とトラフ207により、浮遊物および水が流入する浮遊物流入部が形成されている。
【0041】
トラフ207は、揚水管4と洗浄槽2の本体部21の第1側壁21S1との間に配置されている。トラフ207は、トラフ207の底部と側部とを構成している。トラフ207の下端は、浮遊物排出口2Bの下端とほぼ同じ高さまたはそれより低い高さに位置している。
【0042】
トラフ207にトラフ取付部材210が取り付けられている。トラフ取付部材210は、鉛直方向に延びたトラフ取付部210Aと、水平方向に対し傾斜した分離部材取付部210Bとを有する。トラフ取付部210Aと分離部材取付部210Bとのなす角は鋭角である。
【0043】
トラフ取付部210Aは、トラフ207の側部に取り付けられている。トラフ取付部10Aをトラフ207の側部に取り付ける方法は特に限定されない。例えば、
図4に示すように、ボルトを用いてトラフ取付部210Aがトラフ207の側部に取り付けられてもよく、溶接によって取り付けられていてもよい。
【0044】
図5に、
図4に示すトラフ取付部210Aおよびトラフ207をVの方向からみた図を示している。トラフ取付部210Aに、ボルトの軸部を挿入可能な長孔210hが形成されている。長孔210hは上下方向に長い。トラフ取付部210Aを上下方向に移動させても、長孔210hがトラフ207に形成されたボルト挿入孔(図示せず)と貫通する。貫通した部分にボルトを挿入できる。
上記構成により、トラフ取付部210Aの位置を上下方向に調整することができる(分離部材上下調整機構)。
【0045】
図4では、トラフ取付部210Aの上端が、トラフ7の側部の上端より高い位置にある。トラフ取付部210Aの上端は、洗浄槽2内の水面下の水面近くに位置している。
【0046】
図4に示すように、分離部材取付部210Bが、トラフ取付部210Aの上端から揚水管4に向かって延びている。分離部材取付部210Bは、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びている。
【0047】
分離部材取付部210Bの先端の先に分離部材208が配置されている。分離部材208には、第1実施形態における分離部材8と同様に、複数の貫通した孔(図示せず)が形成されている。分離部材208として、第1実施形態における分離部材8で例示した材質や構成と同様な材質や構成の分離部材を用いることができる。
【0048】
分離部材取付部210Bと分離部材208とは、接続部材211によって接続されている。分離部材208は、接続部材211により、分離部材取付部210Bに対して回転可能に接続されている。接続部材211として、例えば、蝶番を用いてもよい。
図4には、分離部材取付部210Bと分離部材208とが同一平面状に存在するときを示している。
図4では、分離部材取付部210Bと分離部材208とが、水平方向に対して傾斜した方向に延びている。
【0049】
分離部材208は、トラフ取付部材210により、トラフ207に取り付けられている。分離部材208は、トラフ取付部材210により、トラフ207と連続している。これにより、分離部材208の上方と、トラフ取付部材210の上方と、浮遊物流入領域206とが連続している。
【0050】
分離部材208の下にサポート部材212が配置されている。分離部材208にサポート部材212が取り付けられている。サポート部材212を分離部材208に取り付ける方法は特に限定されない。例えば、
図4に示すように、ボルトを用いてサポート部材212が分離部材208に取り付けられてもよく、溶接によって取り付けられていてもよい。サポート部材212により、分離部材208の撓みを抑えることができる。サポート部材212は分離部材208とともに、分離部材取付部210Bに対して回転する。サポート部材212の材質は、第1実施形態で例示した分離部材208の材質と同様な材質であってもよい。
【0051】
洗浄槽2の上方に、分離部材角度調整装置200が配置されている。分離部材角度調整装置200は、ワイヤ200xと、ワイヤ200xの長さを調整可能なワイヤ長さ調整部200yとを有する。ワイヤ長さ調整部200yは、ワイヤ200xを巻き取ったり、ワイヤ200xを送り出したりすることが可能である。
【0052】
ワイヤ200xは分離部材208およびサポート部材212に取り付けられている。
図4に示す状態から、ワイヤ長さ調整部200yによりワイヤ200xを送り出すと、分離部材208が接続部材211を中心に回転し、分離部材208と水平方向とのなす角(鋭角)が大きくなる。ワイヤ長さ調整部200yによりワイヤ200xを巻き取ると、分離部材208と水平方向とのなす角(鋭角)が小さくなる。ワイヤ200xをさらに巻き取ると、
図4に示すように、分離部材取付部210Bと分離部材208が同一平面状に存在するようになる。
図4に示す状態では、分離部材208と水平方向とのなす角(鋭角)と、分離部材取付部210Bと水平方向とのなす角(鋭角)が同じである。
【0053】
ワイヤ200xの材質として、例えば、合成繊維(ナイロン系等)が挙げられる。ワイヤ長さ調整部200yは、手動のものでもよく、電動のものでもよい。
【0054】
分離部材208は、トラフ取付部材210および接続部材211により、トラフ207および浮遊物流入領域206を構成する浮遊物流入部に対して回転可能に接続されている。これに加え、分離部材角度調整装置200により、分離部材208は、トラフ207および浮遊物流入領域206を構成する浮遊物流入部に対し回転可能である。
【0055】
分離部材208は、揚水管4と、浮遊物流入領域206およびトラフ207によって形成される浮遊物流入部との間に形成されている。分離部材208は、揚水管4と浮遊物流入部との間から、揚水管4に向かって延びている。具体的には、分離部材208は、揚水管4とトラフ207の間から、揚水管4に向かって延びている。また、分離部材208は、揚水管4と浮遊物流入領域206の間から、揚水管4に向かって延びている。分離部材208は、
図4に示す状態でも、
図4に示す状態からワイヤ200xを送り出すことにより回転しても、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びている。分離部材208は、沈降物洗浄装置1の運転中、洗浄槽2内の水面下の水面近くに配置される。
【0056】
上記より、本実施形態でも、第1実施形態と同様に以下の効果が得られる。
揚水管204の上端開口から砂、水、有機物質等があふれ出る。分離部材208の上方を下降する有機物質等は分離部材208によりトラフ取付部材210の上端部を超えて浮遊物流入領域206に流れる。また、水に浮いた有機物質等もトラフ取付部材210の上端部を超えて浮遊物流入領域206へ流れる。一方、分離部材208に落ちた砂は分離部材208の孔(図示せず)を通って洗浄槽202内の底に沈む。
このように、揚水管204の上端開口から有機物質等があふれ出ると、水に浮いた有機物質等だけでなく、下降した有機物質等も、浮遊物流入領域206へ流入する。また、分離部材208に落ちた砂は孔(図示せず)から落ち、洗浄槽2の底に沈む。これにより、砂と有機物質等が分離される。浮遊物流入領域206へ流入した有機物質等(浮遊物)は浮遊物排出口2Bから排出される。これにより洗浄槽202の底に沈む有機物質等が減る。その結果、洗浄槽2の底部23から排出される砂に有機物質等があまり混合していない。上記により、砂から有機物質などを多く取り除くことができる。
【0057】
また、分離部材角度調整装置200と、分離部材208と分離部材取付部210Bを接続する接続部材211とによって角度調整機構が構成される。角度調整機構により、分離部材208の水平方向に対する角度を変えることができる。角度調整機構により、分離部材208を浮遊物流入部(浮遊物流入領域206およびトラフ207)に対して回転させることができる。
【0058】
上記により、例えば、沈降物(沈砂等)の汚れ具合、沈降物に含まれる浮遊物の種類等を基に分離部材208の傾斜角度を変えることにより、浮遊物流入領域206に流入する浮遊物の量を変えることができる。これにより、沈降物(沈砂等)から浮遊物をより多く取り除くことができる。
【0059】
また、
図5に示すように、トラフ取付部210Aに、上下方向に長い長孔210hが形成されている。トラフ取付部210Aを上下方向に移動させても、長孔210hがトラフ207に形成されたボルト挿入孔(図示せず)と貫通するので、ボルトを挿入できる。これにより、洗浄槽2内におけるトラフ取付部材210およびこれに接続された分離部材208の位置を上下方向に変えることができる(分離部材上下調整機構)。これにより、洗浄槽2内の水面に対する分離部材8の高さを調整することができる。この調整により、分離部材8を洗浄槽2内の水面付近に配置することができる。これにより、下降し始めた浮遊物を多く浮遊物流入領域6に流れるようにすることができる。
【0060】
また、ワイヤ200xに目盛りが記載されていてもよい。目盛りをみることにより、水面からの分離部材208の深さを把握できる。これを基に、分離部材208の傾斜角度および/または分離部材208の高さを調整してもよい。
【0061】
〔変形例〕
次に、第2実施形態の変形例に係る沈降物洗浄装置301について、
図6を参照しつつ以下に説明する。変形例において第2実施形態と異なる点は、トラフ取付部材の構成等である。なお、上述した第2実施形態と同一の構成については同一の符号を用い、その説明を適宜省略する。また、第3実施形態における浮遊物流入領域306、トラフ307、接続部材311、サポート部材312、分離部材角度調整装置300、ワイヤ300xおよびワイヤ長さ調整部300yは、第2実施形態における浮遊物流入領域206、トラフ207、接続部材211、サポート部材212、分離部材角度調整装置200、ワイヤ200xおよびワイヤ長さ調整部200yと同一または同様な構成であるため、その説明を適宜省略する。
【0062】
トラフ取付部材310は、鉛直方向に延びたトラフ取付部310Aと、水平方向に延びた分離部材取付部310Bとを有する。トラフ取付部310Aと分離部材取付部310Bとのなす角は90°である。
【0063】
トラフ取付部310Aは、トラフ307の側部に取り付けられている。トラフ取付部310Aおよびトラフ取付部310Aの取り付けられ方は、第2実施形態におけるトラフ取付部210Aおよびトラフ取付部210Aの取り付けられ方と同様である。トラフ取付部310Aの上端が、トラフ307の側部の上端より高い位置にある。トラフ取付部310Aの上端は、洗浄槽2内の水面下の水面近くに位置している。
【0064】
分離部材取付部310Bが、トラフ取付部310Aの上端から揚水管4に向かって水平な方向に延びている。分離部材取付部210Bの先端の先に分離部材308が配置されている。
【0065】
分離部材308には、第1実施形態における分離部材8と同様に、複数の貫通した孔(図示せず)が形成されている。分離部材308は、第2実施形態における分離部材208と同様な構成である。分離部材308として、第1実施形態における分離部材8で例示した材質や構成と同様な材質や構成の分離部材を用いることができる。
【0066】
分離部材取付部310Bと分離部材308とは、接続部材311によって接続されている。分離部材308は、分離部材取付部310Bに対し回転可能に接続されている。
図6には、分離部材取付部310Bと分離部材308とが同一平面状に存在するときを示している。
【0067】
分離部材308は、トラフ取付部材310により、トラフ307に取り付けられている。分離部材308は、トラフ取付部材310により、トラフ307と連続している。これにより、分離部材308の上方と、トラフ取付部材310の上方と、浮遊物流入領域306とが連続している。
【0068】
分離部材308の下にサポート部材312が配置されている。分離部材308およびサポート部材312に、分離部材角度調整装置300のワイヤ300xが取り付けられている。
【0069】
図6に示す状態から、ワイヤ長さ調整部300yによりワイヤ300xを送り出すと、分離部材308が接続部材311を中心に回転し、分離部材308と水平方向とのなす角(鋭角)が大きくなる。ワイヤ長さ調整部300yによりワイヤ300xを巻き取ると、分離部材308と水平方向とのなす角(鋭角)が小さくなる。ワイヤ300xをさらに巻き取ると、
図6に示すように、分離部材取付部310Bと分離部材308が同一平面状に存在するようになる。
図6に示す状態では、分離部材308および分離部材取付部210Bが水平方向に延びている。
【0070】
分離部材308は、トラフ取付部材310および接続部材311により、トラフ307および浮遊物流入領域306を構成する浮遊物流入部に対して回転可能に接続されている。これに加え、分離部材角度調整装置300により、分離部材308は、トラフ307および浮遊物流入領域306を構成する浮遊物流入部に対し回転可能である。
【0071】
分離部材308は、揚水管4と、浮遊物流入領域306およびトラフ307によって形成される浮遊物流入部との間に形成されている。分離部材308は、揚水管4と浮遊物流入部の間から、揚水管4に向かって延びている。具体的には、分離部材308は、揚水管4とトラフ307の間から、揚水管4に向かって延びている。また、分離部材308は、揚水管4と浮遊物流入領域306の間から、揚水管4に向かって延びている。
図6に示す状態からワイヤ300xを送り出すことにより、分離部材308は、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びる。分離部材308は、沈降物洗浄装置1の運転中、洗浄槽2内の水面下の水面近くに配置される。
【0072】
上記より、本変形例でも、第1実施形態および第2実施形態と同様な効果が得られる。また、本変形例では、
図4に示すように、分離部材308が水平な方向に延びるようにすることが可能であり、分離部材308が揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜した方向に延びるようにすることも可能である。これにより、沈降物(沈砂等)から浮遊物をより多く取り除くことができる。
【0073】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0074】
例えば、上述した第1実施形態では、
図3に示すように、分離部材8は、揚水管4と、浮遊物流入領域6およびトラフ7によって形成される浮遊物流入部との間から、揚水管4に向かって延びている。第2実施形態および変形例でも、分離部材(208、308)は、揚水管4と、浮遊物流入領域(206、306)およびトラフ(207、307)によって形成される浮遊物流入部との間から、揚水管4に向かって延びている(
図4、
図6参照)。しかし、分離部材の一部が浮遊物流入領域およびトラフによって形成される浮遊物流入部の上部に配置され、且つ、分離部材が、浮遊物流入領域およびトラフによって形成される浮遊物流入部の上部から揚水管に向かって延びていてもよい。
【0075】
また、上述した第1実施形態では、
図3に示すように、分離部材8は、トラフ取付部材10により、トラフ7に接続されている。第2実施形態および変形例でも、分離部材(208、308)は、トラフ取付部材(210、310)により、トラフ(207、307)に接続されている。しかし、分離部材はトラフに直接接続されていてもよい。また、トラフ取付部材の形状等は変更可能である。
【0076】
また、上述した第1実施形態では、
図3に示すように、トラフ7の側部およびトラフ取付部材10のトラフ取付部10Aが鉛直方向に延びている。第2実施形態および変形例でも、トラフ(207、307)の側部およびトラフ取付部(210A、310A)が鉛直方向に延びている。しかし、トラフの側部およびトラフ取付部は鉛直方向に対して傾斜する方向に延びた部分を有していてもよい。
【0077】
また、上述した第1実施形態では、
図3に示すように、分離部材8、および、トラフ取付部材10の分離部材取付部10Bが、水平方向に対して傾斜した方向に延びている。しかし、分離部材8、および、トラフ取付部材10の分離部材取付部10Bが、水平方向に延びていてもよい。また、トラフ取付部材10の分離部材取付部10Bが水平方向に延び、且つ、分離部材8が水平方向に延びた部分と、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜する方向に延びた部分とを有していてもよい。
【0078】
また、上述した第2実施形態に係る沈殿物洗浄装置201は、
図4に示すように、分離部材208の水平方向に対する角度(鋭角)を変えることが可能な角度調整機構を備える。角度調整機構は、分離部材角度調整装置200と、分離部材208と分離部材取付部210Bを接続する接続部材211とを有する。しかし、分離部材208の水平方向に対する角度(鋭角)を変えることが可能な角度調整機構は、上記構成に限らず、変更可能である。
第3実施形態についても同様に、分離部材308の水平方向に対する角度(鋭角)を変える角度調整機構は、変更可能である。
【0079】
また、上述した第1実施形態に係る沈降物洗浄装置1は、第2実施形態などで説明した、分離部材(208、308)の位置を上下方向に変えることができる分離部材上下調整機構(
図5に示す長孔210h等)を備えていない。しかし、沈降物洗浄装置1は、分離部材8の位置を上下方向に変えることができる分離部材上下調整機構を備えていてもよい。
【0080】
また、上述した第2実施形態に係る沈降物洗浄装置201は、
図5に示す分離部材208の位置を上下方向に変えることができる分離部材上下調整機構を備えている。しかし、沈降物洗浄装置201は、分離部材上下調整機構を備えていなくてもよい。
変形例についても同様に変更可能である。
【0081】
また、第2実施形態などで説明した、分離部材(208、308)の位置を上下方向に変えることができる分離部材上下調整機構は、
図5に示すような、トラフ取付部210Aに上下方向に長い長孔210hが形成され、ここにボルトが挿入される構成である。しかし、分離部材の位置を上下方向に変えることができる分離部材上下調整機構の構成は上記に限られず、変更可能である。
【0082】
また、上述した第1実施形態では、
図2に示すように、分離部材8の全体に、貫通した孔8aが形成されている。しかし、分離部材の一部に、孔8aが形成されていない領域が存在してもよい。
第2実施形態および変形例においても同様に変更可能である。
【0083】
また、上述した第1実施形態では、
図3に示すように、分離部材8が、揚水管4と、浮遊物流入領域6およびトラフ7によって形成される浮遊物流入部との間の領域に配置されている。しかし、分離部材8は、上記領域に加え、
図2に示す(1)揚水管4と洗浄槽2の本体部21の第2側壁21S
2との間の領域、(2)揚水管4と第3側壁21S
3との間の領域、および、(3)揚水管4と第4側壁21S
4との間の領域の少なくとも1つの領域にも配置されていてもよい。(1)~(3)の少なくとも1つの領域にさらに分離部材8が配置されている場合、隣り合う領域に配置された分離部材同士が、直接または他の部材を用いて接続されていてもよい。
第2実施形態および変形例においても同様に変更可能である。
【0084】
また、上述した第1実施形態では、
図2に示すように、分離部材8は、第2側壁21S
2の近くから第4側壁21S
4の近くまで配置されている。しかし、分離部材8の長さは変更可能である。例えば、分離部材8は、第2側壁21S
2の手前から第4側壁21S
4の手前まで配置されていてもよい。また、分離部材8が、
図2に示す場合より、第2側壁21S
2から離れていてもよい。分離部材8が、
図2に示す場合より、第4側壁21S
4から離れていてもよい。
第2実施形態および変形例においても同様に変更可能である。
【0085】
また、上述した第2実施形態では、
図4に示すように、分離部材208の下にサポート部材212が配置されている。しかし、分離部材208の下にサポート部材212が配置されていなくてもよい。
図6に示す変形例についても同様に変更可能である。
【0086】
また、洗浄槽2の構成は変更可能である。例えば、
図1に示す洗浄槽2では、洗浄槽2の本体部21に浮遊物排出口2Bが形成されている。しかし、洗浄槽2の下部22に浮遊物排出口2Bが形成されていてもよい。また、上述した実施形態では、
図2に示すように、洗浄槽2の本体部21が角筒状であるが、洗浄槽2の本体部21の形状は限定されない。例えば、洗浄槽2の本体部21が円筒状でもよい。
【0087】
また、上述した実施形態および変形例では、
図1および
図2に示すように、揚水管4内に、複数の浮上用パイプ41が積み重ねられている。浮上用パイプ41の構成は、
図1および
図2に示す構成に限られず、変更可能である。
【0088】
また、上述した実施形態および変形例では、
図1および
図2に示すように、揚水管4内に、複数の浮上用パイプ41が積み重ねられている。しかし、揚水管4に浮上用パイプ41が配置されていなくてもよい。砂に付着や混合した有機物等を砂から離すため、別の方法を採用してもよい。例えば、洗浄槽2に公知の洗浄ボールを投入してもよい。ガスリフト効果により、揚水管4内に洗浄ボールが吸い込まれ、揚水管4内で砂が洗浄ボールに接することにより、砂に付着や混合した有機物等が離れる。
【0089】
また、上述した第1実施形態等では、沈降物洗浄装置(1、201、301)が、下水処理場の沈砂池に沈んだ砂(沈砂)を洗浄するために用いられる場合について説明した。しかし、本明細書に記載された沈降物洗浄装置は、これ以外の沈降物の洗浄に用いられてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1、201、301 沈降物洗浄装置
2 洗浄槽
2A1 第1水供給口
2A2 第2水供給口
2B 浮遊物排出口
2C 水排出口
3 蓋
4 揚水管
5 気体供給管
6、206、306 浮遊物流入領域
7、207、307 トラフ
8、208、308 分離部材
10、210、310 トラフ取付部材
10A、210A、310A トラフ取付部
10B、210B、310B 分離部材取付部
21 本体部
21S1 第1側壁
21S2 第2側壁
21S3 第3側壁
21S4 第4側壁
22 下部
23 底部
200、300 分離部材角度調整装置
200x、300x ワイヤ
200y、300y ワイヤ長さ調整部
210h 長孔
212 サポート部材
【要約】
【課題】沈降物から有機物質等を多く取り除く。
【解決手段】沈降物洗浄装置1は、洗浄槽2と、揚水管4と、気体供給管5と、浮遊物流入領域6と、分離部材8とを備える。洗浄槽2には、水が供給される。揚水管4は、洗浄槽2内に配置されている。揚水管4は、上下方向に延びている。気体供給管5は、揚水管4の下部へ気体を供給する。浮遊物流入領域6およびトラフ7は、揚水管4と洗浄槽2の側部との間に設けられている。浮遊物流入領域6は浮遊物排出口2Bに連通している。分離部材8は、浮遊物流入領域6およびトラフ7によって構成される浮遊物流入部の上部、または、揚水管4と浮遊物流入部の間から揚水管4に向かって延びている。分離部材8は、揚水管4に向かって水平に延びる部分、または、揚水管4に近付くにつれて下方に傾斜する方向に延びる部分を有する。分離部材8に、複数の孔が形成されている。
【選択図】
図1