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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】贈り主にギフトを贈呈させる方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240724BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023081152
(22)【出願日】2023-05-17
【審査請求日】2023-05-29
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520185650
【氏名又は名称】geeva株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097548
【弁理士】
【氏名又は名称】保立 浩一
(72)【発明者】
【氏名】小川 博文
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特許第6741320(JP,B1)
【文献】特開2011-141769(JP,A)
【文献】特開2018-190147(JP,A)
【文献】特許第7239211(JP,B1)
【文献】特許第7152082(JP,B1)
【文献】特開2010-250622(JP,A)
【文献】特開2014-115872(JP,A)
【文献】特開2008-186277(JP,A)
【文献】特開2006-113942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品又はサービスとの交換が可能なギフト資産であって贈り主が被贈呈者に贈呈したギフト資産について、ネットワーク上のサーバーによって提供されるギフトサイトに被贈呈者被贈呈者端末を操作させてアクセスさせ商品又はサービスとの交換をさせることで贈り主にギフトを贈呈させる方法であって、
ギフト資産についての交換は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスであるか、又はギフトサイトにおいて設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択した商品もしくはサービスとの交換であり、
印刷用イメージファイル作成工程と、
シール印刷工程と
を有しており、
印刷用イメージファイル作成工程は、ギフトサイトへのアクセス情報をシンボル化したコードシンボルを含む印刷用イメージファイルをコンピュータが作成プログラムを実行することで作成する工程であり、
シール印刷工程は、未印刷のシールに対して印刷用イメージファイルを印刷機が印刷することで、台紙に貼られたシールに前記コードシンボルを含むイメージが印刷された状態として、台紙と台紙に貼られたシールとから成るギフト資産商品を製造する工程であり、
前記シンボル化されたアクセス情報は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスと交換するため又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択して交換するために被贈呈者端末がギフトサイトにログインする際のログインプログラムにおいて利用される認証情報を含んでおり、
前記コードシンボルを含むイメージが印刷されたシールは、台紙から剥がして別の対象物に貼り直すことが可能な粘着性を有しており、台紙に貼られたシールが提供された贈り主が当該シールを別の対象物に貼り直して当該別の対象物を被贈呈者に渡し、貼り直された当該シールにおける前記コードシンボルを被贈呈者に被贈呈者端末を操作して読み取っらせて前記サーバー上の前記ギフトサイトにアクセスさせて前記一の商品もしくはサービスとギフト資産を交換させるか又は前記複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択した商品もしくはサービスとギフト資産を交換させるという形で贈り主にギフト贈呈させることを特徴とする、贈り主にギフト贈呈させる方法。
【請求項2】
前記交換には交換期限日が設定されており、前記シールには、前記コードシンボルに加え交換期限日が印刷されていることを特徴とする請求項1記載の、贈り主にギフト贈呈させる方法。
【請求項3】
一の贈り主が複数の被贈呈者にそれぞれ贈呈するギフト資産を商品化したギフト資産商品であって、前記台紙には、被贈呈者の数分の前記シールが貼られており、各シールに印刷された前記コードシンボルは、前記認証情報において各ギフト資産を識別する資産IDを含んでいることを特徴とする請求項1記載の、贈り主にギフト贈呈させる方法。
【請求項4】
前記各シールには、被贈呈者の名前が印刷されていることを特徴とする請求項3記載の、贈呈者にギフト贈呈させる方法。
【請求項5】
前記コードシンボルは、二次元コードシンボルであることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の、贈り主にギフト贈呈させる方法。
【請求項6】
前記別の対象物は、結婚披露宴における御席札であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の、贈り主にギフトを贈呈させる方法。
【請求項7】
前記別の対象物は、販売促進のために顧客又は潜在顧客に渡される物であることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の、贈り主にギフトを贈呈させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、ギフト贈呈の際に利用される商品やシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
冠婚葬祭や各種お祝い等において、また御礼やご挨拶等の目的で、各種の贈答品が贈り主によって購入され、相手先(被贈呈者)に贈呈されている。贈答品は、有形の商品の場合もあるが、何らかのサービス(無形商品)の場合もある。最近では、これらの贈答品の注文(購入)もウェブサイトで行われることが多くなってきており、贈答品のみを扱った専門のウェブサイトも存在している。
【0003】
このような贈答品の贈呈において、贈答品自体を贈呈するのではなく、商品又はサービスと交換できる権利(債権)を贈呈する場合がある。この代表的なものは、いわゆるカタログギフトである。このような贈り物に関して、ITの利用も進んできており、カタログ式ギフトをウェブサイトで提供するサービスも登場している。また、被交換品との交換をウェブサイトで行うため、ウェブサイトへのアクセス情報や交換のためのIDを記載したカード式のカタログギフトも知られている(特許文献1)。以下の説明において、商品又はサービスと交換できる権利であってギフトして贈呈されるものをギフト資産と呼び、それが商品として販売されるものをギフト資産商品と呼ぶ。また、ギフト資産について、交換され得る商品又はサービスを被交換品と呼ぶ。
【0004】
カタログギフトは、被交換品を紹介した冊子(カタログ)に交換のための申請書(料金別納葉書)が添付されてセットになったものである。カタログギフトでは、幾つかのコースが選定されている。コースとは、どの程度の金額の商品又はサービスから選択するかというコースであり、例えば3000円コース、5000円コース、7000円コースという具合である。3000円コースであれば、3000円に相当する商品又はサービスから選択できるということである。この金額は、端的にはカタログギフトの販売価格であるが、手数料が含まれるので、実際に交換される商品又はサービスの価額はそれより少し安くなる。
【0005】
他方、カタログギフトではないが、カジュアルギフトと呼ばれる形態のギフト資産商品も販売されている。この一例が非特許文献1に示されている。この種のギフト資産商品は、ウェブサイトにおいてクレジットカード決済等で購入でき、購入したギフト資産商品をSNSやメール等で相手方の端末(スマホ等)に送ることができる。ここでのギフト資産は、贈り主が選んだ特定の商品又はサービスと交換できる権利(債権)であり、相手方に送るのは、交換のためのコードである。コードは、バーコードのようなコードシンボルであり、コードシンボルのイメージがSNS等で送られる。コードシンボルを受け取った相手方(被贈呈者)は、店舗においてコードシンボルを端末に表示して店員に提示し、店員がリーダーでコードシンボルを読み取って権利を確認し、ギフトの対象となっている商品又はサービスを被贈呈者に提供する。
【0006】
さらに、BtoCのギフトもしばしば贈呈されている。この種のギフトは、販売促進用や購入に対する謝礼としてのギフトである。商品の問い合わせをしたりショールームを訪れたりしてくれた顧客に対し、謝礼としてノベルティ商品等を贈呈することが行われている。
以下、一つの特定の商品又はサービスと交換できるギフト資産を単一型ギフト資産と呼び、カタログギフトのように複数の商品又はサービスの中から選択して交換するギフト資産を選択型ギフト資産と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6741320号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】https://giftee.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このような各種タイプのギフト資産商品について、何らかの有形物に添付する形で贈呈したいというニーズが存在する。何らかのお返し(謝礼)としてギフトを贈呈する場合、ギフトにお礼の手紙を添えることがしばしば行われるが、これは、お礼の手紙にギフトが添付されているともいえる(お礼を伝えるのがメインの目的であるので。)
このような場合、上述したカタログギフトをお礼として贈ろうとすると、お礼の手紙とカタログギフト(カタログ冊子)とを同梱して相手方(被贈呈者)に宅配便等で送ることになるが、かさばるし、面倒である。カード型カタログギフトではかさばる問題はないが、カードを入れ忘れてしまうと、肝心のギフトが届かないことになってしまうし、かえって失礼になってしまう。
【0010】
スマホ間でやり取りされるカジュアルギフトの場合、上記のような問題はないが、直筆の手紙でメッセージを伝えたいとか、何らかの有形物とともに贈りたいとかいった要請には応えることができない。
また、BtoCのギフトの場合でも、例えばショールームの来場者にカタログを持って帰ってもらうことがあるが、それに加えてノベルティ商品を持って帰ってもらうようにすると、かさばってしまうので、顧客が嫌がる場合もあり得る。
【0011】
上記課題を解決するため、この明細書において、贈り主にギフト贈呈させる方法及びギフト資産商品販売システムの各発明が開示される。開示された、贈り主にギフト贈呈させる方法は、ネットワーク上のサーバーによって提供されるギフトサイトに被贈呈者が被贈呈者端末を操作してアクセスすることで商品又はサービスとの交換が可能なギフト資産を商品化したギフト資産を贈り主に贈呈させる方法である
ギフト資産についての交換は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスであるか、又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択した商品もしくはサービスとの交換となっている。
開示された発明に係る方法は、
印刷用イメージファイル作成工程と、
シール印刷工程と
を有している。
印刷用イメージファイル作成工程は、ギフトサイトへのアクセス情報をシンボル化したコードシンボルを含む印刷用イメージファイルをプログラムが作成する工程である。
シール印刷工程は、未印刷のシールに対して印刷用イメージファイルを印刷機が印刷することで、台紙に貼られたシールに前記コードシンボルを含むイメージが印刷された状態として、台紙と台紙に貼られたシールとから成るギフト資産商品を製造する工程である。
シンボル化されたアクセス情報は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスと交換するための又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択して交換するためのプログラムにおいて利用される認証情報を含んでいる。
この方法において、コードシンボルを含むイメージが印刷されたシールは、台紙から剥がして別の対象物に貼り直すことが可能な粘着性を有しており、台紙に貼られたシールが提供された贈り主が当該シールを別の対象物に貼り直して当該別の対象物を被贈呈者に渡すという形で贈り主にギフト贈呈させる。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフト贈呈させる方法は、交換には交換期限日が設定されており、シールには、コードシンボルに加え交換期限日が印刷されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフト贈呈させる方法は、一の贈り主が複数の被贈呈者にそれぞれ贈呈するギフト資産を商品化したギフト資産商品であって、台紙には、被贈呈者の数分の前記シールが貼られており、各シールに印刷された前記コードシンボルは、前記認証情報において各ギフト資産を識別する資産IDを含んでいるという構成を持ち得る。
また、上記構成を有する、贈り主にギフト贈呈させる方法において、各シールには、被贈呈者の名前が印刷され得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフト贈呈させる方法において、コードシンボルは、二次元コードシンボルであり得る。
また、上記課題を解決するため、この明細書において、ギフト贈呈システムの発明が開示される。開示された発明に係るギフト贈呈システムは、開示された発明に係る、贈り主にギフト贈呈させる方法におけるシールに印刷されたコードシンボルに含まれるアクセス情報によりアクセスがされるサーバーを備えたシステムである。
このギフト贈呈システムは、被贈呈者が操作する被贈呈者端末においてコードシンボルが読み取られてプログラムが実行され、当該被贈呈者端末から商品又はサービスとの交換の申請が送信された際、当該申請を受信して被贈呈者が前記商品又はサービスを取得できるようにする交換申請受付プログラムがサーバーに実装されている構成を有する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、この明細書において、贈り主にギフトを贈呈させる方法及びギフト資産商品販売システムの各発明が開示される。開示された、贈り主にギフトを贈呈させる方法は、商品又はサービスとの交換が可能なギフト資産であって贈り主が被贈呈者に贈呈したギフト資産について、ネットワーク上のサーバーによって提供されるギフトサイトに被贈呈者被贈呈者端末を操作させてアクセスさせ商品又はサービスとの交換をさせることで贈り主にギフトを贈呈させる方法である。
ギフト資産についての交換は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスであるか、又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択した商品もしくはサービスとの交換となっている。
開示された発明に係る方法は、
印刷用イメージファイル作成工程と、
シール印刷工程と
を有している。
印刷用イメージファイル作成工程は、ギフトサイトへのアクセス情報をシンボル化したコードシンボルを含む印刷用イメージファイルをコンピュータが作成プログラムを実行することで作成する工程である。
シール印刷工程は、未印刷のシールに対して印刷用イメージファイルを印刷機が印刷することで、台紙に貼られたシールに前記コードシンボルを含むイメージが印刷された状態として、台紙と台紙に貼られたシールとから成るギフト資産商品を製造する工程である。
シンボル化されたアクセス情報は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスと交換するため又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択して交換するために被贈呈者端末がギフトサイトにログインする際のログインプログラムにおいて利用される認証情報を含んでいる。
この方法において、コードシンボルを含むイメージが印刷されたシールは、台紙から剥がして別の対象物に貼り直すことが可能な粘着性を有しており、台紙に貼られたシールが提供された贈り主が当該シールを別の対象物に貼り直して当該別の対象物を被贈呈者に渡し、貼り直された当該シールにおける前記コードシンボルを被贈呈者に被贈呈者端末を操作して読み取っらせて前記サーバー上の前記ギフトサイトにアクセスさせて前記一の商品もしくはサービスとギフト資産を交換させるか又は前記複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択した商品もしくはサービスとギフト資産を交換させるという形で贈り主にギフト贈呈させる。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフトを贈呈させる方法は、交換には交換期限日が設定されており、シールには、コードシンボルに加え交換期限日が印刷されているという構成を持ち得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフトを贈呈させる方法は、一の贈り主が複数の被贈呈者にそれぞれ贈呈するギフト資産を商品化したギフト資産商品であって、台紙には、被贈呈者の数分の前記シールが貼られており、各シールに印刷された前記コードシンボルは、前記認証情報において各ギフト資産を識別する資産IDを含んでいるという構成を持ち得る。
また、上記構成を有する、贈り主にギフトを贈呈させる方法において、各シールには、被贈呈者の名前が印刷され得る。
また、上記課題を解決するため、開示された発明に係る、贈り主にギフトを贈呈させる方法において、コードシンボルは、二次元コードシンボルであり得る。
また、上記課題を解決するため、この明細書において、ギフト贈呈システムの発明が開示される。開示された発明に係るギフト贈呈システムは、開示された発明に係る、贈り主にギフトを贈呈させる方法におけるシールに印刷されたコードシンボルに含まれるアクセス情報によりアクセスがされるサーバーを備えたシステムである。
このギフト贈呈システムは、被贈呈者が操作する被贈呈者端末においてコードシンボルが読み取られてプログラムが実行され、当該被贈呈者端末から商品又はサービスとの交換の申請が送信された際、当該申請を受信して被贈呈者が前記商品又はサービスを取得できるようにする交換申請受付プログラムがサーバーに実装されている構成を有する。
【発明の効果】
【0013】
以下に説明する通り、開示されたギフト資産商品又はギフト贈呈システムによれば、何らかの対象物にシールを貼って被贈呈者に渡すだけでギフト資産を被贈呈者に贈呈することができ、贈り主においてギフト品を用意する必要がない。このため、極めて簡便にギフトが贈呈できる。
また、ギフトサイトで設定されている商品又はサービスを被贈呈者が選択して取得する構成の場合、贈り主はどのようなギフト品を用意しようか考える必要もない。このため、さらに簡便にギフト贈呈が行える。
また、交換には期限が設定されている場合に、シールに交換期限日が印刷されている構成によれば、被贈呈者において期限を徒過してしまうことが防止される。
また、台紙に被贈呈者の数分のシールが貼られていて、各シールに印刷されたコードシンボルが各ギフト資産を識別する資産IDを含んでいる構成によれば、同時に複数の被贈呈者に被交換品を贈呈するのに好適となる。
上記構成において、各シールに被贈呈者の名前が印刷されている構成によれば、被贈呈者に間違いなくギフト資産を贈呈するのに効果的な上、ある被贈呈者とある被贈呈者において異なるギフト資産を贈呈する場合に特に好適な構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態の係るギフト資産商品の概略図である。
図2】実施形態に係るギフト贈呈システムの概略図である。
図3】ギフトサーバーで提供されるギフトサイトのトップページの一例を示した概略図である。
図4】シールタイプギフト資産商品の紹介ページの一例を示した概略図である。
図5】購入ページの一例を示した概略図である。
図6】販売情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図7】資産情報ファイルの構造の一例を示した概略図である。
図8】テンプレートファイルの内容について示した概略図である。
図9図1に示すシールタイプギフト資産商品のシールに印刷された二次元コードシンボルが被贈呈者端末で実行された状態を示す概略図である。
図10】被交換品紹介ページの一例を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本願発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。以下の説明は、贈り主にギフト贈呈させる方法の発明の実施形態の説明に加え、ギフト資産商品の発明の実施形態の説明も含んでいる図1は、実施形態の係るギフト資産商品の概略図である。
実施形態のギフト資産商品は、贈り主から被贈呈者に贈呈された後、ネットワーク上のサーバーによって提供されるギフトサイトに被贈呈者が被贈呈者端末を操作してアクセスすることで商品又はサービスとの交換が可能なギフト資産を商品化したものである。サーバーは、ギフト資産商品の販売や被交換品との交換のためのアクセスを受け付けるためのものであり、以下、ギフトサーバーと呼ぶ。尚、ネットワークとしてはインターンゲットが想定されている。
【0016】
図1に示すように、このギフト資産商品は、台紙1と、台紙1に貼られたシール2とを有している。以下、台紙1と台紙1に貼られたシール2とから成るシートをギフトシート10と呼ぶ。ギフト資産商品は、ギフトシート10が包装袋11に入れられた形態となっている。包装袋11には、不図示の説明書が同封される場合もある。
ギフトシート10におけるシール2には、ギフトサーバーへのアクセス情報をシンボル化したコードシンボル3が印刷されている。この実施形態では、コードシンボル3は、QRコード(株式会社デンソーウェーブの登録商標)のような二次元コードシンボルとなっている。
【0017】
シール2に印刷されたコードシンボル3の構成を、図1において吹き出しで示す。コードシンボル3は、被交換品との交換のためのプログラムにおいて利用される認証情報を含んでいる。図1に示されたように、この例のコードシンボル3においてシンボル化されたアクセス情報には、ギフトサーバーに与えられたコンピューター名やドメイン名から成るURL31と、ギフトサーバー上のプログラムの実行コード32とを含んでいる。実行コード32には、プログラム名に加え、引数としてのIDやパスワードを含んでいる。この実施形態では、コードシンボル3は二種類のIDを含んでおり、一つは販売IDであり、もう一つは資産IDである。これらIDやパスワードが、この例における認証情報に該当している。各IDについては後述する。
【0018】
この実施形態では、シール2は、一枚の台紙1に複数貼り付けられている。各シール2におけるコードシンボル3は、実行コード32に含まれる引数を除いて同じである(共通している)。引数としてのIDのうち、販売IDは各シール2において同じであるが、資産IDとパスワードは各シール2において相互に異なっている。
コードシンボル3に含まれる実行コード32は、ギフトサーバーにログインするとともに被交換品との交換申請のためのトップページ(以下、交換トップページという。)を表示するプログラムの実行コードとなっている。
【0019】
また、図1に示すように、各シール2は、ギフト資産に関する文字情報を印刷した部分(以下、文字情報印刷部)を有している。この例では、文字情報印刷部は、交換期限日を印刷した期限日印刷部21となっている。この実施形態では、被交換品との交換は期限のあるものとなっており、期限経過後は交換ができない。期限日印刷部21はこの交換期限日を印刷した部位である。
尚、台紙1には、このギフト資産商品の説明や販売会社(ギフト業者)についての情報が印刷されている。ギフト資産商品の説明には、シール2の使い方や被交換品との交換等が含まれる。情報量が多い場合には、台紙1の裏面(シール2が貼られた面とは逆の面)に印刷がされる。
【0020】
次に、ギフト贈呈システムの実施形態について説明する。図2は、実施形態に係るギフト贈呈システムの概略図である。
ギフト贈呈システムの発明は、上述したギフト資産商品のギフト資産商品の販売や被交換品との交換の際に利用されるシステムである。したがって、ギフト贈呈システムは、ギフト資産商品の販売のためのシステムとして構成され得るし、ギフト資産商品について被交換品との交換のためのシステムとしても構成され得る。以下に説明するギフト贈呈システムの実施形態は、この両者の機能を兼ね備えたものとなっている。但し、ギフト贈呈システムの発明は、いずれか一方のみの機能を備えたシステムであっても良い。尚、ギフト資産販売システムの発明は、ギフト資産商品を製造するシステムとして把握され得るものである。
【0021】
図2に示すように、ギフト贈呈システムは、ギフトサーバー4と、記憶部40とを備えている。ギフトサーバー4は、ギフト資産商品の販売や被交換品との交換の申請の受付をインターネット9上で行うサーバーであり、ウェブサーバーとなっている。ギフトサーバー4は、ギフト資産商品の販売や被交換品との交換を含むギフトサービス事業を営む事業者(以下、ギフト事業者という。)によって運営されている。尚、ギフトサーバー4は単体のサーバーである必要はなく、複数のサーバーコンピューターによってギフトサーバー4が構成されている場合もある。
記憶部40は、ギフトサーバー4に設けられたハードディスク等のストレージであるが、ストレージサーバーのようにギフトサーバー4とは別のサーバーに設けられている場合もある。記憶部40についても、1個のみである必要はなく、複数のストレージが記憶部40として使用されることもあり、それらは異なる場所に設けられている場合もある。
【0022】
まず、ギフト資産商品の販売のためのギフトサーバー4の機能について説明する。
ギフト事業者は、ギフトとして贈呈される各種商品(ギフト商品)を販売しており、その中に実施形態のギフト資産商品が含まれる。ギフト事業者は、各種ギフト商品の販売のためのウェブサイトをギフトサーバー4上で提供している。図2に示すように、ギフトサーバー4は、ギフト商品を購入しようとしている贈り主が操作する贈り主端末5によってアクセスされることが想定されている。したがって、ギフトサイトの各ページは、贈り主端末5のブラウザによって贈り主端末5に表示される。
尚、冊子タイプのカタログギフトやカードタイプのカタログギフトも、被交換品との交換する資産としてのギフト商品であるため、ギフト資産商品である。ギフト事業者は、これらのギフト資産商品も販売しているので、区別のため、実施形態のギフト資産商品を、以下、シールタイプギフト資産商品と呼ぶ。
【0023】
図3は、ギフトサーバー4で提供されるギフトサイトのトップページの一例を示した概略図である。図3は、PC版のページとなっているが、スマホ版のページであっても良いことは勿論である。図3に示すように、トップページには、各種ギフト商品を紹介するページへのリンクボタンが設けられている。これらのうちの幾つかが、シールタイプギフト資産商品の紹介ページへのリンクボタン(以下、シールタイプ商品ボタン)51,52となっている。このギフトサイトでは、カタログギフトについてシールタイプとしたシールタイプギフト資産商品のシールタイプ商品ボタン51と、カタログギフトではなく贈り主が被交換品を選んで贈るシールタイプギフト資産商品のシールタイプ商品ボタン52とが設けられている。以下の説明では、一例として、カタログギフトについてシールタイプとしたシールタイプギフト資産商品について説明する。
【0024】
図4は、シールタイプギフト資産商品の紹介ページ(以下、シールタイプ商品ページ)の一例を示した概略図である。図3に示すシールタイプ商品ボタン51をクリック又はタップすると、図4に示すシールタイプ商品ページが贈り主端末5に表示される。図4に示すように、シールタイプ商品ページには、シールタイプギフト資産商品を説明するテキストや各シールタイプギフト資産商品の価格、実際の写真(シールの見本)等が掲載されている。
図4の例では、幾つかの価格の異なるシールタイプギフト資産商品が掲載されている。この他、価格は同じであるが被交換品のラインアップ(交換可能な商品又はサービスの群)が異なるシールタイプギフト資産商品がギフトサイトで販売される場合もある。各シールタイプギフト資産商品の価格を表示した横には、「被交換商を見る」と題された被交換品閲覧ボタン53が設けられている。被交換品閲覧ボタン53は、被交換品閲覧ページがリンクしている。
【0025】
被交換品閲覧ページは、選択されたシールタイプギフト資産商品により被贈呈者が入手できる商品やサービスを紹介するページである。被交換品閲覧ページは、交換可能な各商品・サービスを紹介したフレームをリスト表示するようになっており、各リストには商品やサービスの写真が含まれる。サービスの場合には、サービスを行っている写真又はサービスを受けるためのチケットの写真等が表示される。被交換品閲覧ページは、ジャンルを選択する欄を有し、選択されたジャンル毎に被交換品を紹介するよう実装される場合もある。
【0026】
尚、記憶部40には、各シールタイプギフト資産商品について、交換可能な被交換品の情報を記録した被交換品情報ファイル(不図示)が記憶されている。したがって、この実施形態では、記憶部40に記憶されたファイルに記録されていることが、「ギフトサイトで設定されている」に該当している。この他、ギフトサーバー4上の何らかのプログラムによって一群の被交換品が選定されるようになっており、その選定の条件が設定されている場合もある。その条件は当該プログラムにおける定数(予め与えられた条件)である場合の他、贈り主が贈り主端末5において入力して選定した条件の場合もある。
【0027】
各被交換品閲覧ボタン53の横には、「選択する」と表記された選択ボタン54が設けられている。選択ボタン54には、選択したシールタイプギフト資産商品の購入ページのリンクボタンとなっている。いずれかの選択ボタン54を押すと、選択されたシールタイプギフト資産商品の商品IDが変数に格納され、購入ページが贈り主端末5に表示される。
図5は、購入ページの一例を示した概略図である。図5に示すように、購入ページには、選択されたシールタイプギフト資産商品の価格を表示した欄に加え、被贈呈者数入力欄555と、購入ボタン56が設けられている。購入ボタン56には、決済ページがリンクしている。また、図5に示すように、購入ページにも被交換閲覧ボタン53が設けられている。
【0028】
被贈呈者数入力欄55は、購入したシールタイプギフト資産商品について何人の被贈呈者が被交換品を取得できるようにするかの情報を入力する欄である。言い換えると、一回のシールタイプギフト資産商品の購入が何個のギフト資産を含むようにするかという情報が入力される欄である。
尚、表示されるシールタイプギフト資産商品の価格は、そのシールタイプギフト資産消費品における被贈呈者一人についての価格である。言い換えると、そのシールタイプギフト資産商品におけるギフト資産一個の価格(単価)である。したがって、贈り主が実際に支払う金額は、表示されている価格(単価)×被贈呈者数入力欄55で入力された数である。尚、ギフト資産一個の価格には、ギフト事業者の手数料(いわゆるシステム手数料)が含まれ得る。但し、システム手数料は、一回の販売に対して一個のシステム手数料とされる場合もある。
【0029】
記憶部40には、このようなトップページ、シールタイプ商品ページ、購入ページ等を贈り主端末5に提供するためのHTMLファイル(不図示)が記憶されている。ギフトサーバー4は、贈り主端末5から要求に従い、各ページを贈り主端末5に送信して表示させる。
購入ボタン56にリンクした決済ページには、氏名や住所(送り先)等の贈り主の個人情報を入力する欄や決済方法(クレジットカード払い、代金引き換え、コンビニ払い等)を選択する欄、購入を確定させる決済ボタン等が設けられている。決済ボタンは、決済プログラム(不図示)の実行ボタンとなっている。これらの構成は、通常のネットショッピングサイト(ECサイト)と同様に構成できるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
ギフトサーバー4には、決済プログラムから呼び出されるプログラムとして、販売情報登録プログラム41が実装されている。また、記憶部40には、シールタイプギフト資産商品の販売情報を記録した販売情報ファイル401が記憶されている。
図6は、販売情報ファイル401の構造の一例を示した概略図である。図6に示すように、販売情報ファイル401は、「販売ID」、「商品ID」、「被贈呈者数」、「販売日」、「会員ID」、「氏名」、「住所」、「シール印刷完了有無」等のフィールドから成るデータベースファイルとなっている。但し、これらの情報が記録できれば、データベースファイルでなくとも良い。
【0031】
「販売ID」は、シールタイプギフト資産商品の各販売を識別するIDが記録されるフィールドである。シールタイプギフト資産商品の一回の販売につき、一個の販売IDが発行されて記録される。
ギフトサイトでは、価格や被交換品のラインアップが異なる幾つかのシールタイプギフト資産商品が販売されており、「商品ID」は、それらを識別するIDが記録されるフィールドである。尚、記憶部40には、各シールタイプギフト資産商品の情報を記録したシールタイプギフト資産商品情報ファイル402が記憶されている。シールタイプギフト資産商品情報ファイル402は、商品IDで一意に識別される各レコードから成るデータベースファイルであり、ここでの商品IDと販売情報ファイル401での商品IDは共通していて関連付けられている。
尚、シールタイプギフト資産商品情報ファイル402には、「価格」のフィールドが設けられている。ここに記録されている価格は、購入ページ等で表示される価格であり、一人の被贈呈者あたりの価格である。
【0032】
この実施形態におけるギフトサイトは、贈り主や被贈呈者に対して会員登録を募っている。会員登録をしなくても各ギフト商品の購入ができ、被交換品との交換はできるものの、会員登録をすると各種特典が与えられるようにし、会員登録を募っている。記憶部40には、会員登録の情報を記録した会員情報ファイル403が記憶されている。会員情報ファイル403は、図示は省略するが、会員ID、氏名、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報を記録したデータベースファイルである。販売情報ファイル401における「会員ID」は、会員情報ファイルにおけるものと共通していて関連付けられている。
【0033】
決済プログラムは、決済が正常に完了すると、販売情報登録プログラム41を呼び出して実行する。販売情報登録プログラム41は、販売IDを新たに生成するとともに販売情報ファイル401に新規レコードを追加し、生成した販売ID、選択されたシールタイプギフト資産商品の商品ID、入力された被贈呈者数をそれぞれのフィールドに記録する。また、ギフトサイトにログインされた状態で決済が行われた場合、ログインの際に保持された会員IDを「会員ID」に記録する。ログインされていない場合には、決済ページで入力された氏名、住所等をそれぞれのフィールドに記録する。また、プログラムの実行日を「販売日」に記録する。
尚、「シール印刷完了有無」のフィールドは、ギフト資産商品の製造のためのシール印刷が完了したか否かが記録されるフィールドであり、デフォルト値は偽値である。後述するように、シール印刷は、管理用端末が印刷機を使用して行うが、これが完了すると、「シール印刷完了有無」に真値が記録される。
【0034】
販売情報登録プログラム41は、販売情報ファイル401への各情報の記録の後、資産情報ファイル404を新たに作成して記憶部40に記憶する処理を行うようプログラミングされている。図7は、資産情報ファイル404の構造の一例を示した概略図である。
資産情報ファイル404は、一個の販売IDに対応して一つ作成されるファイルであり、販売IDによって特定可能なファイル名とされる。例えば、販売IDと識別子から成るファイル名とされる。
図7に示すように、資産情報ファイル404は、「資産ID」、「パスワード」、「交換期限日」、「交換日」等のフィールドから成るデータベースファイルとなっている。「資産ID」は、資産情報ファイル404の各レコードを識別するIDが記録されるフィールドである。
【0035】
「パスワード」は、資産IDに対応する暗号鍵としての情報が記録されるフィールドであり、不正なアクセスを防止するために予め生成された情報が記録される。
資産情報ファイル404のレコード数は、対応する販売IDが付与された販売における被贈呈者数に一致した数とされる。資産IDは、例えば販売IDに枝番を付与することで生成されるIDとされる。枝番が1から始まる場合、最後の枝番の数は被贈呈者数に一致する。
「交換期限日」は、当該ギフト資産についての被交換品との交換期限の日が記録されるフィールドである。交換期限日は、例えば販売日から6ヶ月というように一律の期限日が設定される。
「交換日」は、当該ギフト資産について被贈呈者から交換申請がされて被交換品の発送が完了した日が記録されるフィールドである。交換日が記録されているレコード(ギフト資産)は、債権が行使されたことになるので、資産価値はゼロということになる。
【0036】
販売情報登録プログラム41は、資産情報ファイル404を新たに作成した後、被贈呈者数の数のレコードを追加し、資産IDを順次生成して各レコードの「資産ID」に記録する。また、各資産IDに対応してパスワードを順次生成し、「パスワード」に記録する。そして、販売日から一定の期限の日付を各レコードの「交換期限日」に記録する。その上で、ファイルをファイルを更新して記憶部40に記憶し、プログラムを終了する。
【0037】
このようなギフトサーバー4及び記憶部40を備えたギフト販売システムは、記憶部40に記憶された販売情報ファイル401と協働する要素として、シール印刷手段を備えている。シール印刷手段は、シール印刷を行う印刷機61と、印刷機61に印刷指令を出力する印刷指令出力部とから成っている。
【0038】
印刷指令出力部の構成としては、幾つかの構成が考えられるが、この実施形態では、記憶部40に対してアクセス可能なコンピュータが印刷指令出力部となっている。より具体的には、この実施形態では、ギフトサーバー4及び記憶部40に対して特別のアクセス権限を有する管理用端末62が設けられている。
管理用端末62は、ギフト事業者における担当者が操作する端末である。印刷機61は、管理用端末62に対して接続されており、管理用端末62に対する周辺装置となっているか又はギフト事業者における社内ネットワークを介して接続されている。
【0039】
管理用端末62には、販売情報ファイル401及び対応する資産情報ファイル404に従ってシール印刷用のイメージファイルを作成して印刷を行うシール印刷プログラム63が実装されている。シール印刷プログラム63は、販売IDを引数にして実行されるプログラムであり、印刷用イメージファイルを作成するコードと、作成したイメージファイルの印刷を印刷機61に出力するコードとを含む。
例えば、管理用端末62には、販売情報ファイル401の閲覧用のアプリケーションプログラム(不図示)が実装される。このアプリケーションプログラムは、「シール印刷完了有無」が偽値であるレコードの販売IDを引数にしてシール印刷プログラム63を実行する実行ボタンが閲覧画面に含まれるようにプログラミングされる。
【0040】
そして、管理用端末62の記憶部には、印刷用イメージファイルの元になるテンプレートファイル64が記憶されている。図8は、テンプレートファイルの内容について示した概略図である。
テンプレートファイル64は、図1に示すギフト資産商品における各シール2への印刷情報以外の印刷情報(ギフト資産商品の説明やギフト業者の情報等)が予め組み込まれたファイルである。以下、説明の都合上、印刷機61に投入される未印刷のシートをシート素材と呼ぶ。シート素材は、台紙1と台紙1に貼られた所定数の未印刷シールとから成っている。
【0041】
テンプレートファイル64には、図1に示すギフト資産商品における台紙1のサイズと、各未印刷シールの貼り付け位置と、未印刷シールのサイズとが設定されている。図8に、貼り付け位置を×で示し、未印刷シールのサイズを破線の○で示す。この例では、横に三つの貼り付け位置が設定され、縦に四つの貼り付け位置が設定されている。したがって、この例では、合計12個の未印刷シールが貼られたシート素材を使用することを前提にしている。
【0042】
シール印刷プログラム63は、起動すると、まずテンプレートファイル64を開く。次に、ギフトサーバー4にアクセスし、引数の販売IDに対応した資産情報ファイル404を開く。そして、最初のレコードの資産ID、パスワード及び交換期限日を取得した上で、コードシンボル3のイメージを生成する。シール印刷プログラム63には、ギフトサーバー4のURLが定数として与えられている。シール印刷プログラム63は、販売IDと資産情報ファイル404の最初のレコードから取得した資産ID及びパスワードに対して定数を組み合わせてアクセス情報を作成し、これを二次元イメージコード化してコードシンボル3のイメージ(以下、シンボルイメージ)を作成する。シンボルイメージは、一時的に変数に格納される。
【0043】
次に、シール印刷プログラム63は、文字情報印刷部用の印刷データを調製する。この実施形態では、文字情報印刷部は期限日印刷部21なので、変数としての交換期限日とテキスト(定数)としての「交換期限日」とを組み合わせてイメージデータ化し、期限日印刷部21用のイメージを作成する。そして、これらを組み込んで一枚のシール2に印刷するイメージファイル(以下、シール単位イメージファイル)を作成する。そして、作成したシール単位イメージファイルをテンプレートファイル64の最初の貼り付け位置に組み込む。即ち、テンプレートファイル64に設定されている台紙1のサイズに従い、一番上の行の左端の貼り付け位置の座標にシール単位イメージファイルを組み込む。
【0044】
次に、シール印刷プログラム63は、資産情報ファイル404の次のレコードから資産IDとパスワードを取得し、同様に販売IDと定数を組み合わせてアクセス情報を生成する。そして、これをコードシンボル化してシンボルイメージを作成し、期限日印刷部21用のイメージとともに組み込んでシール単位イメージファイルを作成する。期限日印刷部21用のイメージは、当該レコードから交換期限日を取得して作成する場合もあるが、最初の資産IDの場合と同一なので、変数に格納しておいてそこから読み出して組み込む場合もあり得る。シール印刷プログラム63は、作成したシール単位イメージファイルを、次の貼り付け位置に組み込む。例えば、最初の貼り付け位置の右隣りの位置に組み込む。
【0045】
このようにして、シール印刷プログラム63は、資産情報ファイル404の各レコードから資産ID及びパスワードを取得して販売IDと定数とを組み合わせてアクセス情報を生成してコードシンボル化し、そのイメージを期限日印刷部21用のイメージと組み合わせて作成したシール単位イメージファイルを各貼り付け位置に組み込む。資産情報ファイル404の全てのレコードについて処理を終了すると、一つの販売IDについてのコードシンボル3のイメージの組み込みが完了したことになり、印刷用イメージファイルが完成したことになる。シール印刷プログラム63は、印刷用イメージファイルをテンプレートファイル64とは別のファイル名にしていったん保存した後、印刷用イメージファイルを印刷機61に出力して印刷を指示する。この結果、図1に示すようにシール印刷がされた状態となる。
【0046】
尚、この例では、1枚の台紙1に12枚の未印刷シールが貼られたシート素材が使用されるので、資産情報ファイル404のレコード数(被贈呈者数)が12未満であれば、未印刷のままのシール(未印刷シール)が出てくることになる。また、レコード数が12を超える場合、13個め以降は、2枚目の台紙1に貼られた未印刷シールに印刷をするようシール印刷プログラム63がプログラミングされる。即ち、13個め以降のレコードについては、新たにテンプレートファイル64を開き、1枚目とは別のファイル名としながら同様に資産ID及びパスワードを定数と組み合わせてコードシンボル化し、イメージファイルを各貼り付け位置に組み込む。そして、資産情報ファイル404の最後のレコードについて処理を行った後、出来上がった印刷用イメージファイルをいったん保存した後、印刷機61に出力して印刷させる。レコード数が24を超えて3枚目以降の印刷素材が必要な場合はさらにこれを繰り返す。
【0047】
シール印刷プログラム63は、このようにして1個の販売IDに対する処理(1個のシールタイプギフト資産商品の製造)を行った後、販売情報ファイル401の当該レコードの「シール印刷完了有無」の値を真値に変更する。そして、次のレコードの「シール印刷完了有無」のフィールドの値を確認し、偽値であれば、販売IDを取得し、対応する資産情報ファイル404を開いて同様の処理を繰り返す。販売情報ファイル401の最後のレコードまでこの処理を行うと、シール印刷プログラム63は終了である。
【0048】
印刷指令出力部の構成としては、上記のように記憶部40にアクセス権限を有する管理用端末62を設ける構成の他、ギフトサーバー4がその構成を担う場合もあり得る。具体的には、印刷機61は、ギフト事業者の社内に設けられているものの、ネットワーク機能を有していてギフトサーバー4に対してインターネット9を介して接続されており、ギフトサーバー4からの制御を受け付ける状態とされる。ギフトサーバー4には、販売情報登録プログラム41から呼び出されるか管理用端末62からの指令により実行されるプログラムとして、シール印刷プログラム63が実装される。この場合、記憶部40にテンプレートファイル64が予め記憶される。
【0049】
例えば、販売情報登録プログラム41は、上記のように販売情報ファイル401に各情報を記録し、資産情報ファイル404の作成して被贈呈者数分のレコードに各情報を記録した後、シール印刷プログラム63を実行する。シール印刷プログラム63は、同様にテンプレートファイル64を開き、資産情報ファイル404の各レコードについて資産ID及びパスワードを読み出してコードシンボル3を作成し、各コードシンボル3のファイルを組み込んで印刷用イメージファイルを作成する。そして、印刷用イメージファイルを印刷指令とともに印刷機61に送信して印刷をさせる。
【0050】
また、別の構成して、印刷機61がギフト事業者の社内にない場合もある。例えば、シール印刷が別の業者(印刷業者)に依頼される形になっている場合もある。この場合、同様に印刷機61がギフトサーバー4からの制御を受け付ける構成になっている場合の他、印刷業者の社内に印刷指令出力部が設けられる場合もあり得る。即ち、印刷業者には、印刷機61の制御用のコンピュータが設けられており、そこに印刷用イメージファイルが投入される場合があり得る。この場合には、印刷用イメージファイルは、ギフト事業者の管理用端末62で上記のように作成されて印刷業者にメール送信やクラウド共有等の形で提供される。もしくは、印刷機61の制御用のコンピュータ上の記憶部にテンプレートファイル64や印刷用イメージファイルの作成プログラムが記憶され、印刷機61の制御用のコンピュータ上で印刷用イメージファイルが作成される場合もある。この場合は、印刷機61の制御用のコンピュータは、記憶部40上の販売情報ファイル401や資産情報ファイル404に対するアクセス権限が付与される。
【0051】
このようにしてシート素材にシール印刷がされて出来上がった商品シート10は、適宜包装袋11に入れられてシールタイプギフト資産商品が出来上がる。例えば、透明な包装袋10に商品シート11を入れ、説明書等を必要に応じて添付して封をすることでシールタイプギフト資産商品が出来上がる。出来上がったシールタイプギフト資産商品は、宅配便や郵送等により、贈り主に届けられる。
【0052】
次に、このようなシールタイプギフト資産商品におけるギフト資産についての被交換品との交換のための構成について説明する。
図9は、図1に示すシールタイプギフト資産商品のシール2に印刷されたコードシンボル3が被贈呈者端末で実行された状態を示す概略図である。図9の例は、被贈呈者端末7がスマートフォンであり、コードシンボル3がスマートフォンで読み込まれて実行された状態を示しているが、デスクトップPCやノートPC上のカメラで読み込まれて実行される場合も勿論あり得る。
【0053】
前述したように、ギフトサイトにはギフト資産について被交換品との交換のためのエリアが含まれており、ギフトサーバー4は、このエリアの各ページをホストするサーバーともなっている。コードシンボル3は、被交換品との交換のためのエリアのトップページ(以下、交換トップと略す。)をログインした状態で表示するコードがシンボル化されたものとなっている。即ち、前述したように、コードシンボル3は、販売ID、資産ID及びパスワードを引数にしたログインプログラムの実行コード32を含んでいる。ログインプログラムは、販売IDで販売情報ファイル401を検索して当該販売IDが記録されたレコードがあることを確認した後、当該販売IDに対応した資産情報ファイル404を開いて資産IDで検索し、該当するレコードの「パスワード」の値が引数のパスワードに一致するかどうか判断する。一致すれば、ログインを許可し、販売IDと資産IDをセッション変数に格納した後、被交換トップのHTMLファイルを被贈呈者端末7に送って表示させるようプログラミングされている。
【0054】
図9に示すように、交換トップでは、販売ID、贈り主、交換期限日が確認のため表示されるようになっている。交換トップのHTMLファイルに含まれるスクリプトは、ログインの際に保持された販売IDで販売情報ファイル401を検索し、該当レコードから贈り主の名前を取得するとともに、資産情報ファイル404の該当レコードから交換期限日を取得してそれぞれ表示するようコーディングされている。交換期限日は、一時的に変数に格納される。
そして、交換トップには、「交換可能な商品を見る」と表記された被交換品紹介ボタン71が設けられている。記憶部40には、被交換品紹介ページのHTMLファイルが記憶されている。被交換品紹介ボタン71は、被交換品紹介ページにリンクしている。図10は、被交換品紹介ページの一例を示した概略図である。
【0055】
図10に示すように、被交換品紹介ページでは、各被交換品を紹介する欄(フレーム)内に各交換品の写真や名称等のテキストが組み込まれている。各欄は、ハイパーリンクとなっており、被交換品IDが埋め込まれているとともに送付先入力ページにリンクしている。いずれかの欄がタップ又はクリックされると、埋め込まれている被交換品IDが変数に保持された状態で送付先入力ページが被贈呈者端末7に送信されて表示される。送付先入力ページは、被交換品の送付先として氏名や住所を入力する欄を有しており、OKボタンが設けられている。OKボタンは、確認ページにリンクしている。確認ページは、選択された被交換品を確認のために表示するとともに、入力された送付先を確認のため表示するページである(不図示)。ギフトサーバー4には、交換申請受付プログラム12が実装されている。確認ページには、交換申請を確定する送信ボタンが設けられており、送信ボタンは、交換申請受付プログラム12の実行ボタンとなっている。
【0056】
交換申請受付プログラム12は、販売ID、資産ID、被交換品IDに加え、送付先入力ページで入力された各情報を引数にして実行されるプログラムである。交換申請受付プログラム12は、変数から交換期限日を取得し、プログラムの実行日が交換期限日を過ぎていないかどうか確認する。過ぎていれば、期限日を過ぎているので交換できない旨のメッセージを被贈呈者端末7に送信して表示させ、プログラムを終了する。過ぎていなければ、交換申請受付プログラム12は、資産情報ファイル404を資産IDで検索して該当レコードの「交換日」に値(日付)が記録されているかどうか判断する。記録されていれば、既に交換がされているのでさらなる交換申請はできない旨のメッセージを被贈呈者端末7に送信して表示させ、プログラムを終了する。
交換期限日を過ぎておらず、交換日が記録されていなければ、交換申請受付プログラム12は、被交換品を出荷するための情報を出力する配送情報出力モジュールを実行した上で、当該レコードの「交換日」にプログラムの実行日を記録し、プログラムを終了する。
【0057】
記憶部40には、各被交換品の配送のための配送情報ファイル405が記憶されている。配送情報ファイル405は、交換申請ページで選択された被交換品の被交換品ID、送付先入力ページで入力された送付先の情報(氏名、住所等)が記録されるデータベースファイルであり、配送情報出力モジュールによって各情報が記録される。配送情報ファイル405に従って、ギフト事業者から被交換品の配送が行われる。ギフト事業者は、別の業者から被交換品を仕入れている(サービスの場合にはサービスの利用券等を仕入れている)が、別の業者から被贈呈者に直送される場合もある。
【0058】
このような構成に係る実施形態のシールタイプギフト資産商品の使用方法やギフト贈呈システムの動作について、以下にまとめて説明する。以下の説明は、シールタイプギフト資産商品の製造方法の発明の実施形態の説明を含む。
贈り主は、被贈呈者にギフトを贈呈しようと思い、贈り主端末5でギフトサイトを閲覧する。そして、シールタイプギフト資産商品があるのを発見し、シールを貼るという簡便な方法でギフト資産を贈呈できるのでこれが良いと思い、シールタイプ商品ボタン51を押し、シールタイプ商品ページを贈り主端末5に表示する。贈り主は、被交換品閲覧ボタン53を押して被交換品のラインナップ等を確認した後、そして、価格(予算)を考慮して一つのシールタイプギフト資産商品を選択し、選択ボタン54を押して購入ページを表示する。
【0059】
贈り主は、被贈呈者数入力欄55で被贈呈者の数(ギフト資産の数)を入力し、購入ボタン56を押す。そして、決済ページに表示される決済金額を確認し、氏名や住所(送り先)、メールアドレス等の個人情報を入力し、決済方法を選択した後、決済ボタンを押して決済を行う。尚、贈り主がギフトサイトで会員登録している場合、氏名や住所は会員登録情報が自動的に表示されるので、変更がない限り入力は不要である。決済が完了すると、その旨のメッセージが表示されるとともに確認のためにメールで送信される。
【0060】
一方、決済が完了すると、決済プログラムから呼び出されてギフトサーバー4上の販売情報登録プログラム41が実行される。販売情報登録プログラム41は、記憶部40上の販売情報ファイル401を開いて新規レコードを追加し、販売IDを生成して記録する。また、決済ページで入力された個人情報や購入ページを表示した際に保持された商品ID、購入ページで入力された被贈呈者数等を各フィールドに記録する。また、プログラムの実行日を販売日に記録する。
【0061】
そして、販売情報登録プログラム41は、販売IDで特定可能なファイル名で資産情報ファイル404を新規に作成し、被贈呈者数の分の新規レコードを追加する。そして、被贈呈者数の分の資産IDとパスワードとをそれぞれ生成し、各レコードに記録する。また、各レコードの「交換期限日」にプログラムの実行日から一定期間後の日付(例えば6ヶ月後)を記録する。
【0062】
このようにして贈り主は、シールタイプギフト資産商品の購入手続きを贈り主端末5を使用してギフトサーバー4に対して行う。ギフトサーバー4は、複数の贈り主からの購入手続きを受け付け、販売情報ファイル401には、各贈り主についての販売情報が記録され、各販売に対して資産情報ファイル404が作成されて各販売における各ギフト資産の情報が記録される。
【0063】
一方、ギフト事業者における担当者は、管理用端末62を操作して定期的に(例えば一営業日に一回)記憶部40にアクセスし、販売情報ファイル401の内容を確認する。そして、予め印刷機61にシート素材をセットした後、「シール印刷完了有無」のフィールドの値を確認し、その値が偽値であることを確認した販売IDについて管理用端末62上のシール印刷プログラム63を実行する。例えば、販売情報ファイル401の閲覧画面で「シール印刷完了有無」が偽値であることを確認した上でシール印刷プログラム63の実行ボタンを押す。これにより、当該レコードの販売IDを引数にしてシール印刷プログラム63が実行される。
【0064】
シール印刷プログラム63は、テンプレートファイル64を開いた後、引数として渡された販売IDに対応する資産情報ファイル404を開き、各レコードについてコードシンボル3のイメージファイルと、文字情報印刷部のイメージとを生成し、それらを組み合わせてシール単位イメージファイルを作成する。各シール単位イメージファイルは、テンプレートファイル64に設定されている貼り付け位置に組み込まれ、印刷用イメージファイルが作成される。その上で、シール印刷プログラム63は、印刷用イメージファイルを印刷機61に印刷指令とともに送って印刷を行わせる。これにより、コードシンボル3や文字情報印刷部が各シール2に印刷されたギフトシート10が得られる。被贈呈者数に応じて2枚め以降のシート素材に対する印刷が行われ、複数枚のギフトシート10が得られる。
【0065】
担当者は、一又は複数枚のギフトシート10を包装袋11に入れ、必要に応じて説明書を同封してシールタイプギフト資産商品を完成させる。そして、完成したシールタイプギフト商品を、販売情報ファイル401(又は会員情報ファイル)に記録されている氏名、住所宛に宅配便又は郵送で発送する。
シールタイプギフト資産商品が届いた贈り主は、台紙1からシール2を剥がし、任意の対象物にシール2を貼り付け、その対象物を被贈呈者に渡すことでギフト資産を被贈呈者に贈呈する。
【0066】
被贈呈者は、被贈呈者端末7を操作してシール2のコードシンボル3を読み取り、ギフトサイトにアクセスする。そして、被贈呈者端末7に表示される交換トップにおいて被交換品紹介ボタン71を押し、被交換品紹介ページを表示する。そして、被贈呈者は、任意の被交換品を選択し、送付先入力ページを表示する。送付先入力ページで氏名や住所等を入力してOKボタンを押し、確認ページで送信ボタンを押す。これにより、交換申請受付プログラム12が実行され、配送情報出力モジュールが実行されるとともに、資産情報ファイル404の当該レコードの「交換日」にプログラムの実行日が記録される。ギフト事業者における担当者は、配送情報出力モジュールで出力された配送情報に従い、被交換品を梱包して被贈呈者宛に宅配便又は郵送にて被交換品を発送し、被贈呈者が被交換品を受け取る。これにより、シールタイプギフト資産商品を利用したギフト(被交換品)の贈呈が完結する。
【0067】
より具体的なギフト贈呈のシチュエーションについて説明すると、何かを貰ってそのお返しとしてお礼状に沿えてギフト資産が贈呈される。お礼状を書いた後にそのお礼状にシール2を貼って郵送する。お礼状には、コードシンボル3をスマホで読み込むことでお礼の品をギフトサイトで取得できる旨が記載される。
実施形態のシールタイプギフト資産商品によれば、お礼の品を用意する手間は不要で、また被贈呈者がギフトサイトで任意に選んで取得するので、贈り主はどのような品を用意しようか考える必要もない。このため、極めて簡便に返礼品を贈呈することができる。
【0068】
また、実施形態のシールタイプギフト資産商品は、複数の被贈呈者に一度にギフトを贈呈するのに極めて好適な構成となっている。即ち、コードシンボル3が印刷されたシール2が被贈呈者の数の分だけ印刷されており、各シール3を対象物に貼って各被贈呈者に渡すだけでギフト贈呈ができる。被贈呈者数の分のギフト品を購入して用意しておく必要はなく、ギフトサイトでシールタイプギフト資産商品の一回の購入を行うだけで良い。このため、被贈呈者の数が多いギフト贈呈を簡便に行うことができる。
【0069】
また、実施形態のシールタイプギフト資産商品は、冠婚葬祭で好適に利用される。例えば、結婚披露宴における出席者への引出物贈呈の用途に好適に利用される。この場合、各出席者に渡される例えば御席札にシール2が貼られる。各出席者は、披露宴終業後に被贈呈者端末7を操作してコードシンボル3を読み取り、ギフトサイトにアクセスして被交換品(引出物)を受け取る。お葬式や法事のような弔事の場合、会葬お礼状にシール2を貼り、お礼の品とする。
【0070】
尚、結婚披露宴の場合、披露宴会場の提供事業者(ホテルや結婚式場業者)によらずに新郎新婦が自分で用意した品物を披露宴会場で引出物として各出席者に贈呈しようとすると、持ち込み料が請求されることがある。しかしながら、実施形態のシールタイプギフト資産商品によれば、御席札にシール2を貼っているだけであり、品物を持ち込んでいる訳ではないので、持ち込み料が取られる可能性は低い。この点で、新郎新婦にとって好適なギフト贈呈方法となる。
【0071】
感謝のしるしの品や儀礼のための品をギフトとして贈る場合、手紙や目録、感謝状などとは別に食品や家電を贈ったり、カタログギフトのようなギフト資産商品その他のギフト品を副賞として贈ったりする場合がある。また、結婚式などでは列席したゲストに席札を一人一人用意し、一般的には席札の裏に感謝のメッセージを添えることがある。実施形態の構成は、手紙や目録や感謝状などのそれ自体は資産性はないものにギフト交換ができるコードシンボルを貼り付けることで、それ自体をギフトとして価値があるものにするという発想に立っている。これにより副賞などを別途用意することなく被贈呈者において自由に被交換品を選べるという利便性が発生する。また、結婚式の席札の裏にシールギフトを貼ると席札がカタログ式のギフトになり、そのまま持ち帰ることができる上、席札など名前がはっきりしているものに独自のコードシンボルがあることで渡し間違いなどを未然に防ぐことができる。
【0072】
実施形態のシールタイプギフト資産商品は、業務用としても使用され、販売促進の目的で顧客(又は潜在顧客)に対してギフトを贈呈する用途に使用される。例えば、新車販売を行っているカーディーラーがショールームに来場した潜在顧客に対し、来場御礼として実施形態のシールタイプギフト資産商品を贈呈することがあり得る。例えば、新車のカタログを渡す際にカタログにシール2を貼り付けて贈呈し、来場御礼とする。潜在顧客は、同様にスマホ等の被贈呈者端末7でシール2のコードシンボル3を読み取り、ギフトサイトにアクセスして販促品としての被交換品を受け取る。
【0073】
従来、来場御礼のギフトをショールームに予め用意し、来場者にカタログ等とともに渡していたが、発注の手間がかかる上、在庫のためのスペースが必要になり、煩わしいものであった。実施形態のシールタイプギフト資産商品を利用すれば、シート状のものを保管しておき、来場者があった時にカタログ等に貼り付けて贈呈すれば良いだけなので、極めて簡便で、保管のためのスペースも必要ない。来場者にとってみると、従来は、あまり必要でないものでも無料なので受け取ってしまうことがあり、有効利用されずに廃棄してしまうこともある。実施形態のシールタイプギフト資産商品の場合、来場者は、ギフトサイトで被交換品を選ぶことができるので、必要性の高いものを販促品として受け取ることができ、無駄になってしまうことがない。このため、販促ツールとしても優れたものとなる。
【0074】
また、実施形態のシールタイプギフト資産商品は、シール2が期限日印刷部21を有していて交換期限日が印刷されているので、被贈呈者において期限を徒過してしまうことが防止される。交換期限日は、例えば台紙1に印刷しておくことで贈り主において判るようにしておくことができる。贈り主は、シール2を貼って被贈呈者に渡す際、交換期限日を口頭で知らせたり、メモ書きして知らせたりすることができるが、知らせるのを忘れてしまうと、被贈呈者において交換期限日を徒過してしまい易い。このようなことがない点で、実施形態のシールタイプギフト資産商品は好適である。
【0075】
上記説明は、贈り主が選択型ギフト資産であるシールタイプギフト資産商品を購入する場合を例にしたが、単一型のギフト資産であっても同様に実施可能である。上記実施形態の場合、図3に示すトップページにおいて、「商品指定シールギフト」と表記されたシールタイプ商品ボタン52を押し、リンクしているシールタイプ商品ページを贈り主端末5に表示する。このページでは、贈り主がいずれかの被交換品を任意に選ぶページとなっており、被交換品の価格を決済ページで決済して購入を行う。決済プログラムから読み出される販売情報登録プログラム41は、選択された被交換品のIDを商品IDとして販売情報ファイル401に記録する。被贈呈者がシール2のコードシンボル3を被贈呈者端末7で読み取ってログインすると、当該被交換品の紹介ページが被贈呈者端末7に表示され、そこで氏名や住所等を入力して交換申請する。
【0076】
上記単一型ギフト資産であるシールタイプギフト資産商品の場合も、贈り主において予め購入して用意しておき、お礼状等と一緒に梱包して送るという手間はなく、簡便にギフト贈呈が行えるという効果は得られる。また、業務用においても、ギフト品を予め購入して在庫として保管しておくという手間や保管のスペースが不要であるという効果は得られる。
【0077】
上記のように、実施形態のシールタイプギフト資産商品では、上記一枚の台紙1に複数のシール2が貼られていて各シール2にコードシンボル3が印刷されているが、この構成において、各シール2のコードシンボル3に資産IDが含まれている構成は、特に意義を有する。コードシンボル3が印刷されたシール2が被贈呈者数の分だけ貼られている構成において、各コードシンボル3に共通の販売IDが含まれているだけの構成であっても(資産IDが含まれていなくても)、本願発明は実施可能である。但し、この場合、あるシール2が貼られた対象物を入手した被贈呈者は、コードシンボル3を被贈呈者端末7で読み取って被交換品の交換申請を一度行った後、もう一度コードシンボル3を読み取って交換申請を行うと、交換申請ができてしまう。交換申請の回数は被贈呈者数に限定されるように交換申請受付プログラム12をプログラミングするようにしても良いが、この場合も、同一人が複数回の交換申請を行うことで他の被贈呈者において交換申請ができなくなってしまう。
一方、実施形態のシールタイプギフト資産商品では、各シール2のコードシンボル3に資産IDが含まれており、ある資産IDについて交換申請が行われた場合には交換日が資産情報ファイル404に記録され、以降は交換申請ができない。このため、上記のような問題はない。交換日の記録ではなく、交換済みを意味する情報の記録であっても良い。
【0078】
複数の被贈呈者に同時にギフト資産を贈呈する構成において、各シール2における文字情報印刷部として、被贈呈者の名前が印刷されている構成であると好適である。被贈呈者の名前が印刷されていると、各被贈呈者に渡す対象物について失念することなく確実にシールを貼るようにすることができるからである。
被贈呈者名をシール2に印刷するには、被贈呈者名を記録したファイルが記憶部40に記憶されており、シール印刷プログラム63は、このファイルを参照してシール単位イメージファイルを作成するようプログラミングされる。例えば、資産情報ファイル404には「被贈呈者名」のフィールドが設けられ、シールタイプギフト資産商品を購入画面に被贈呈者名入力欄が設けられる。販売情報登録プログラム41は、被贈呈者名入力欄で入力された名前を資産情報ファイル404の「被贈呈者名」に記録するようプログラミングされる。被贈呈者数が複数である場合には、人数分の名前を入力する欄が設けられ、それぞれ入力された名前が当該レコードの「被贈呈者名」に記録される。シール印刷プログラム63は、文字情報印刷部として、被贈呈者名を資産情報ファイル404から取得し、それに対して定数としての「様」の文字を組み合わせて文字情報印刷部としてイメージ化するようプログラミングされる。
【0079】
被贈呈者名を印刷する構成に関連して、複数の被贈呈者にギフト資産を贈呈する構成において、各ギフト資産は異なる資産とされ得る。上記説明では、各ギフト資産は、単価が同一の選択型ギフト資産であったが、単価が異なる選択型ギフト資産ものであっても良い。また、単一型ギフト資産の場合でも、ある被贈呈者とある被贈呈者において被交換品の価格が異なるギフト資産が贈呈される場合もある。
【0080】
被贈呈者ごとに異なるギフト資産を贈呈する構成の場合、ギフトサイトの贈り主用ページには、各被贈呈者の名前を入力する被贈呈者名入力欄に対応して、当該被贈呈者に贈呈するギフト資産の選択欄(以下、商品選択欄)が設けられる。商品選択欄は、ある価格のある選択型ギフト資産か、ある被交換品についての単一型ギフト資産かを選択する欄とされる。各選択型ギフト資産の紹介ページや各被交換品の紹介ページへのリンクボタンが商品選択欄の付近に設けられ、リンク先のページで選択されたギフト資産の名称が商品選択欄に表示されるとともに当該ギフト資産を特定する商品IDが変数に格納される。そして、選択されたギフト資産の商品IDは、被贈呈者名とともに資産情報ファイル404の同一レコードに記録される。
【0081】
このように、資産情報ファイル404に記録されている各資産IDに対して異なる商品IDが記録されていて異なるギフト資産が贈呈される構成の場合、シール2の貼り間違いがないようにすることが重要である。例えば、葬儀出席者への返礼品として選択型ギフト資産を贈呈する構成の場合、出席者が支払った香典の額に応じて価格の異なる選択型ギフト資産を贈呈する場合がある。この場合に、間違ってシール2を貼ってしまうと、高額の香典をもらった人に低額の返礼品が届いてしまったり、低額の香典をもらった人に高額の返礼品が届いてしまったりすることになる。このような場合、シール2に被贈呈者名が印刷されていれば、その被贈呈者に送るお礼の手紙の宛名と照らし合わせながらシール2を貼ることができるので、貼り間違いが防止できる。
【0082】
尚、上記実施形態の構成において、シール2が貼られた有形物を贈呈された被贈呈者が期限内に交換申請をしているかどうかを贈り主が確認(閲覧)できるようにすると好適である。このための構成としては、販売IDに対応してパスワードを発行し、販売IDとパスワードを贈り主に通知して贈り主としてギフトサーバー4にログインできるようにする。ギフトサーバー4には、販売IDに対応して作成されて記憶部40に記憶されている資産情報ファイル404の内容を贈り主に閲覧させるページが実装され、このページを表示するHTMLファイルには、各被贈呈者の氏名や交換申請日を表示するプログラム(スクリプト)が埋め込まれる。このような構成により、交換期限日が近づいているのにも関わらず交換申請がされていない被贈呈者について贈り主が連絡をし(メール、電話等)、交換を促すことができる。これにより、交換申請をせずに交換期限日が過ぎてしまってギフト資産が無価値になってしまうことが防止される。交換状況の閲覧のための構成については、特許6741320号公報にも開示されており、参照することができる。
【0083】
尚、文字情報印刷部としては、交換期限日と被贈呈者名の双方を有する場合もあり得るし、さらに贈り主の名前を文字情報印刷部が含む場合もあり得る。この場合には、シール印刷プログラム63は、販売情報ファイル401から贈り主名を取得し、定数としての文字「贈り主:」と取得した贈り主名とを組み合わせてイメージ化する。
【0084】
上記実施形態では、シールタイプギフト資産商品における各シール2は円形であったが、シール2の形状としては楕円形や方形であっても良い。また、台紙1に複数のシール2が貼られている必要はない。被贈呈者が一人のみの場合、台紙1にシール2が一枚のみ貼られているシールタイプギフト資産商品もあり得る。また、シール2が台紙1の縦横に並んで貼り付けられている場合の他、シール2が一列のみ貼り付けられている場合もある。この場合には、帯状の台紙が使用されることもある。
【0085】
また、上記実施形態では、コードシンボル3は、ギフトサーバー4上のプログラムの実行コード32を含んでおり、実行コード32において認証情報を含む構成であったが、他の構成もあり得る。例えば、ギフトサーバー4に認証情報を送信するプログラムがアプリとして被贈呈者端末7にインストールされていても良く、コードシンボル3はこのアプリを起動させる実行コードを含んでいても良い。アプリが起動すると、読み取った認証情報がギフトサーバー4にされる。
【0086】
また、コードシンボル3は、プログラムの実行コードではなく、単に認証情報を含むだけの構成の場合もあり得る。例えば、被贈呈者端末7上のアプリは、コードシンボル3を読み取るモジュールを実装しており、コードシンボル3の読取りページを表示するようプログラミングされる。被贈呈者は被贈呈者端末7にこのページを表示し、被贈呈者端末7のカメラでコードシンボル3を読み取ると、アプリが認証情報としての販売ID、資産ID及びパスワードを取得し、アプリ上のプログラムによってギフトサーバー4に送信されてログインが行われ、交換トップページが被贈呈者端末7に表示される構成とされる場合もある。
【0087】
また、コードシンボルとしては、二次元コードシンボルの他、バーコードのような一次元のコードシンボルであっても良い。但し、広く普及している二次元コードシンボルを採用すると、被贈呈者端末7がそのようなコードシンボルの読み取り機能を備えている場合が多く、被贈呈者端末に特に追加の機能を実装する必要がないので好適である。
【0088】
本願発明のシールタイプギフト資産商品は、上記のようにギフトサーバー4が提供するギフトサイトで販売される形態の他、コンビニ等の店頭で販売される場合もあり得る。この場合には、各コードシンボルに含まれる販売IDや資産IDは、当該シールタイプギフト資産商品の販売時点で有効化される。シールタイプギフト資産商品がギフト事業者から出荷された時点で販売情報ファイル401への記録や資産情報ファイル402の作成及び情報記録は行われるが、この時点では仮登録の状態であり、まだ有効化はされていない。つまり、販売情報ファイルの当該レコードの「販売日」は記録されていない。また、資産情報ファイルには、「状態」のフィールドが設けられ、出荷段階では無効を意味する値が記録される。店頭でシールタイプギフト資産商品が販売されると、販売情報ファイルの「販売日」に当該販売の日付が記録され、対応する資産情報ファイルの各レコードの「状態」に有効を意味する値が記録される。被贈呈者端末からアクセスされた際、「状態」の値が無効を意味する値であった場合には交換申請受付プログラムはエラーメッセージを出力して終了し、有効を意味する値の場合のみ、交換申請を受け付ける。この場合、コンビニ等の店頭に設けられた販売用の端末には、有効化をギフトサーバー1に申請する権限が与えられる。店員は、代金受領を確認した後、端末を操作してギフトサーバー1に対して有効化のための送信をする。有効化処理のためのコードシンボルが、台紙1等に設けられる場合もある。
【0089】
交換申請についても、コンビニの店内端末のように被贈呈者端末7以外の端末を利用して行われる場合もあり得る。例えば、コンビニのレジにある端末によりコードシンボル3を読み取り、当該端末がギフトサーバー1にログインして被交換品の交換申請を受け付ける場合もある。この構成の好適な例としては、単一型ギフト資産のシールタイプギフト資産商品の場合で、贈り主が選択した被交換品がコンビニでの販売商品でもある場合である。例えば被交換品が清涼飲料水である場合、被贈呈者は、シール2が貼られた対象物をコンビニのレジで店員に提示することでギフト品としての清涼飲料水の贈呈をその場で簡便に受け取ることができる。
【符号の説明】
【0090】
1 台紙
10 商品シート
2 シール
3 コードシンボル
32 実行コード
4 ギフトサーバー
40 記憶部
401 販売情報ファイル
404 資産情報ファイル
41 販売情報登録プログラム
42 交換申請受付プログラム
5 贈り主端末
61 印刷機61
62 管理用端末
63 シール印刷プログラム
64 テンプレートファイル
7 被贈呈者端末
9 インターネット
【要約】
【課題】 何らかの有形物に添付する形で贈呈することができ、被贈呈者においてかさばることがなく簡便に贈呈することができるようにしたギフト資産商品を提供すること。
【解決手段】 インターネット1上のサーバー4によって提供されるギフトサイトに被贈呈者が被贈呈者端末7を操作してアクセスすることで商品又はサービスとの交換が可能なギフト資産を商品化したギフト資産商品は、台紙1と、台紙1に貼られたシール2とを備えており、シール2には、ギフトサイトへのアクセス情報をシンボル化したコードシンボル3が印刷されている。シンボル化されたアクセス情報は、贈り主がギフトサイトで選択した一の商品もしくはサービスと交換するための又はギフトサイトで設定されている複数の商品もしくはサービスの中から被贈呈者が選択して交換するためのプログラムにおいて利用される認証情報を含んでいる。
【選択図】 図1
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