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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】開閉の省力化の自動構造及び傘
(51)【国際特許分類】
   A45B 25/16 20060101AFI20240724BHJP
   A45B 25/14 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A45B25/16 A
A45B25/14 B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023143932
(22)【出願日】2023-09-05
【審査請求日】2023-09-05
(31)【優先権主張番号】202310573393.4
(32)【優先日】2023-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514311450
【氏名又は名称】太陽城(厦門)戸外用品科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】蔡 雨錦
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3054032(JP,U)
【文献】中国実用新案第218457545(CN,U)
【文献】中国実用新案第203555275(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 25/14 - 25/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉の省力化の自動構造であって、
収容室を内設した本体ベースと、
前記本体ベース内に移動自在に設けられる可動ボタンと、
摺動組立体と、
前記収容室内に設けられ、前記可動ボタンの下に位置するストッパー組立体と、
前記収容室内に回転可能に設けられ、前記収容室内に設けられた回転軸と、前記回転軸に回転可能に連結された2つのレバーアームとを備え、前記回転軸の上方の前記レバーアーム部分はパワーアームで、前記回転軸の下方の前記レバーアーム部分が抵抗アームであり、前記パワーアーム上にパワーアーム突起部が設けられ、2つの前記パワーアーム突起部は前記摺動組立体に移動自在に当接でき、2つの前記抵抗アームが前記ストッパー組立体に当接するH型レバーと
を備え、
前記摺動組立体は、スライダバネと、第2摺動溝と、スライダとを備え、前記可動ボタンには第1摺動溝が設けられ、前記スライダ内には前記第1摺動溝と連通する前記第2摺動溝が設けられ、前記スライダバネの一端は前記スライダに連結され、前記スライダバネの他端は前記第2摺動溝及び前記第1摺動溝を貫通して前記可動ボタンと連結し、前記スライダ上に2つのスライダ突起部が設けられ、2つの前記スライダ突起部は前記パワーアーム突起部に移動可能に当接する構成において、
前記可動ボタンが押されると前記第1摺動溝に沿って移動し、その時に前記スライダバネが圧縮されると共に前記スライダが下方向に移動して前記スライダ突起部は前記パワーアーム突起部を押してH型レバーを回転させ、それに伴って前記ストッパー組立体を動かすことで傘が開閉することを特徴とする、開閉の省力化の自動構造。
【請求項2】
前記ストッパー組立体は、ストッパーと、ストッパーバネとを少なくとも備え、前記ストッパー移動可能に設けられ、前記ストッパーバネを介して前記本体ベースと連結し、前記ストッパーの2つのストップアームは前記抵抗アームに当接することを特徴とする、請求項1に記載の開閉の省力化の自動構造。
【請求項3】
前記本体ベース内に前記収容室の延在方向と直交するボタン溝が設けられ、前記可動ボタンは前記ボタン溝内に設けられ、U字金具と、ボダンバネとを備え、前記U字金具は前記ボダンバネを介して前記本体ベースに移動可能に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の開閉の省力化の自動構造。
【請求項4】
前記可動ボタンは、外側ボタンも備え、前記外側ボタンは前記U字金具に連結され、前記収容室外まで延在し、前記第1摺動溝は前記外側ボタンの上に設けられ、前記スライダバネ内にスライダガイドピンも設けられることを特徴とする、請求項に記載の開閉の省力化の自動構造。
【請求項5】
開閉の省力化の自動傘であって、中棒と、請求項に記載の開閉の省力化の自動構造を有する手元とを備え、前記中棒内に第1バネ及び弾丸状部材が設けられ、前記弾丸状部材の頂端は前記第1バネ内に設けられ、前記弾丸状部材の底端は前記ストッパーと嵌合できることで、前記中棒を縮めることができることを特徴とする、開閉の省力化の自動傘。
【請求項6】
前記中棒は、内管と、中管と、外管とを備え、前記中管は前記内管を外嵌し、前記外管は前記中管を外嵌し、前記外管上に上ロクロが設けられ、前記外管が下ロクロで外嵌され、前記外管上に楔形ブロックが設けられ、前記可動ボタンは前記楔形ブロックと嵌着し、前記外管が前記摺動組立体に当接することを特徴とする、請求項に記載の開閉の省力化の自動傘。
【請求項7】
前記第1バネは、前記内管内に設けられることを特徴とする、請求項に記載の開閉の省力化の自動傘。
【請求項8】
前記上ロクロ内にプーリ組立体が設けられ、前記プーリ組立体は引き紐を備え、前記引き紐の一端は前記上ロクロに連結され、前記引き紐の他端は前記第1バネを通って延び、前記引き紐の他端にフックが設けられ、前記フックは前記ストッパー組立体に係設されることを特徴とする、請求項に記載の開閉の省力化の自動傘。
【請求項9】
上部受骨と、下部受骨とを備えた親骨も備え、前記上部受骨と前記下部受骨との間に第2バネが設けられることを特徴とする、請求項に記載の開閉の省力化の自動傘。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘の技術分野に関し、特に、開閉の省力化の自動構造及び傘に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自動開閉傘は、一般的に中棒の内腔に開傘バネを設けて中棒を伸ばす力を与え、各親骨に引張りバネ等の構造を設けて親骨を閉じる力を与えている。開傘は、開傘バネの弾性力を解放して傘を開き、閉傘は親骨の引張りバネの弾性力を解放して傘を閉じ、中棒を縮めるのは開傘のためにエネルギーを蓄えるためであるが、中棒を傘の尾端から押し込む又は下ロクロを引き下げて中棒を縮めるかを問わず必要な力は比較的大きいため、高齢者、子供、及び力の弱い人にとっては非常に不便である。開傘バネの弾性力が強いため、高齢者、子供、及び力の弱い人が使用する場合、一度に中棒を奥まで縮めることができない場合、逆戻りで人を傷つける恐れがある。そのため、開閉を省力化する傘が市場に出回っている。
【0003】
例えば逆戻り防止の自開閉傘は、閉傘の際に中棒を縮める途中で手を離しても逆戻らない。高齢者、子供が使用しても安全上問題はないが、中棒を縮める際に必要な力は軽減されない。
【0004】
さらに例えば、開傘バネが縮んだ後のスペースを増やすため、以前の1本を2本に変更した。開傘、閉傘時、2本のバネはバネ接続スリーブ上で重なることができることで、開傘の力が強くなり、閉傘がより楽になる。ただし構造が複雑で、組み立てコストが高く、組み立てが難しいという不良な欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の他の特徴及び利点は、以下の明細書で説明され、明細書から部分的に明らかになるか、又は本発明を実施することによって理解される。本発明の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲、及び明細書の他の図面で特別に指摘された構造を通じて実現及び取得することができる。
【0006】
本発明は、上述の問題点の克服を意図しており、従来の自動傘の手元にあるストッパー組立体を下方に移動させることにより、第1バネを手元のより奥まで延ばせることができ、第1バネの長さが長くなり、押し縮める程度が小さくなり、同じ長さのバネを下向きに押し縮めるとき、使用者から出される力は減らし、閉傘の省力化の目的を達成し、ストッパー組立体の位置が下に移動すると同時に、ストッパー組立体と可動ボタンとの間の距離が増加し、両者間の距離の増加に対応するため、上下に移動できる摺動組立体と回転可能なH型レバーを設け、摺動組立体が下に移動すると、H型レバーの回転をトリガーすることで、ストッパー組立体を動かせて、傘の自動開閉を完了する自動構造及び傘を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体ベースと、可動ボタンと、ストッパー組立体と、H型レバーと備えた開閉の省力化の自動構造を提供するものとした。本体ベース内には、収容室が設けられ、可動ボタンは、本体ベース内に移動自在に設けられ、可動ボタン上に摺動組立体が設けられ、ストッパー組立体は、収容室内に設けられ、可動ボタンの下に位置し、H型レバーは、収容室内に回転可能に設けられ、収容室内に設けられた回転軸と、回転軸に回転可能に連結された2つのレバーアームとを備え、回転軸の上方のレバーアーム部分はパワーアームで、回転軸の下方のレバーアーム部分が抵抗アームであり、パワーアーム上にパワーアーム突起部が設けられ、2つのパワーアーム突起部は摺動組立体に移動自在に当接でき、2つの抵抗アームがストッパー組立体に当接する。
【0008】
本発明は、ストッパー組立体の位置を手元の尾部に近づけることにより、第1バネの伸び縮みの長さを大幅に増加することで、押し縮める程度が小さくなり、同じ長さのバネを下向きに押し縮めるとき、使用者から出される力は減らし、閉傘の省力化の目的を達成する。なお、ストッパー組立体の位置が下方に移動するため、ストッパー組立体の上方に位置する摺動組立体とストッパー組立体との距離が長くなり、本発明は摺動組立体とストッパー組立体との間にH型レバーに設けることにより、H型レバーが摺動組立体とストッパー組立体との間に可動連結の役割を果たすことができるようにし、摺動組立体が下に移動すると、H型レバーの回転をトリガーすることで、ストッパー組立体を動かせて、傘の自動開閉を完了する。
【0009】
いくつかの実施形態において、摺動組立体は、スライダバネと、第2摺動溝と、スライダとを備え、可動ボタンには第1摺動溝が設けられ、スライダ内には第1摺動溝と連通する第2摺動溝が設けられ、スライダバネの一端はスライダに連結され、スライダバネの他端は第2摺動溝及び第1摺動溝を貫通して可動ボタンと連結し、スライダ上に2つのスライダ突起部が設けられ、2つのスライダ突起部はパワーアーム突起部に移動可能に当接する。本体ベースは傘の手元に相当し、設けられた収容室は中棒の位置を固定するために用いられ、左右に動く可動ボタンは傘の開閉を制御するために用いられ、傘が閉じた時、下ロクロが摺動組立体に当接し、スライダバネの作用下でスライダを押し下げることができ、スライダの末端にスライダ突起部が設けられ、元の状態でスライダ突起部はH型レバーのパワーアーム上の2つのパワーアーム突起部に当接し、H型レバーにわずかな回転を生じさせ、押し下げプロセスが発生した時、両者の突起部が当接状態から離れ、スライダ突起部が下に移動し、H型レバーが戻る。
【0010】
いくつかの実施形態において、ストッパー組立体は、ストッパーと、ストッパーバネと、U字型ストッパーカバーとを備え、ストッパーはストッパーカバーの底部内に移動可能に設けられ、ストッパーバネを介して本体ベースと連結し、ストッパーカバーの頂部はストップアームで、2つのストップアームは抵抗アームに当接する。ストッパーは、ストッパーバネの作用下で、横方向に移動でき、2つのストップアーム間に自動傘のフックが掛合され、ストップアームの末端は抵抗アームの末端に当接し、抵抗アームが移動すると、ストップアームが押され、ストッパーバネを押し縮め、2つのストップアーム間に固定されていたフックが外され、フックが2つのストップアーム間に再度係入した時、ストッパーバネの設置により、係入過程がスムーズになり、抵抗アームを移動させない。
【0011】
いくつかの実施形態において、本体ベース内に収容室の延在方向と直交するボタン溝が設けられ、可動ボタンはボタン溝内に設けられ、U字金具と、ボダンバネとを備え、U字金具はボダンバネを介して本体ベースに移動可能に連結される。ボダンバネの設置により、U字金具を横向きに移動させ、手動閉傘の時下ロクロの嵌着が完了すると共に可動ボタンの左右移動により、スライダ突起部とパワーアーム突起部との間の当接状態を変更でき、閉傘を実現する。
【0012】
いくつかの実施形態において、可動ボタンは、外側ボタンも備え、外側ボタンはU字金具に連結され、収容室外まで延在し、第1摺動溝は外側ボタンの上に設けられ、スライダバネ内にスライダガイドピンも設けられる。外側ボタンは、使用者に触れるように、収容室外まで延在し、かつ外側ボタンはスライダガイドピンを介して摺動組立体及びU字金具に連結され、外側ボタンを押して傘が自動的に開いた時、U字金具が移動し、下ロクロは嵌着状態から離れて上方に移し、摺動組立体への当接圧力がなくなり、スライダバネの作用下で、スライダ突起部が上方に移動してパワーアーム突起部に再び当接し、H型レバーがわずかに回転する。
【0013】
本発明は、中棒と、開閉の省力化の自動構造を有する手元とを備え、中棒内に第1バネ及び弾丸状部材が設けられ、弾丸状部材の頂端は第1バネ内に設けられ、弾丸状部材の底端はストッパーと嵌合できることで、中棒を縮めることができる開閉の省力化の自動傘も提供するものとした。
【0014】
いくつかの実施形態において、中棒は、内管と、中管と、外管とを備え、中管は内管を外嵌し、外管は中管を外嵌し、外管上に上ロクロが設けられ、外管が下ロクロで外嵌され、外管上に楔形ブロックが設けられ、可動ボタンは楔形ブロックと嵌着し、外管が摺動組立体に当接する。中棒は、従来の手動折り畳み傘の中棒に相当し、従来の折り畳みや縮み機能を完成させるためにいくつかのセクションが設けられている。中管内に設けられた内管は、従来の自動傘の内管よりも長く、第1バネを収容して保護し、安定した動きを維持するために用いられ、かつ内管は手元内のストッパー組立体まで延びており、第1バネ内のフックがストッパー組立体と掛合できるようにし、外管は下ロクロに連結され、下ロクロの下に配置され、閉傘の時、下ロクロが引き下げられ、外管が先に摺動組立体に当接し、摺動組立体が滑り落ち、外管上に設けられた楔形ブロックは摺動組立体上のU字金具と嵌着して、外管と下ロクロの位置を固定する。
【0015】
いくつかの実施形態において、第1バネは、内管内に設けられる。
【0016】
いくつかの実施形態において、上ロクロ内にプーリ組立体が設けられ、プーリ組立体は引き紐を備え、引き紐の一端は上ロクロに連結され、引き紐の他端は第1バネを通って延び、引き紐の他端にフックが設けられ、フックはストッパー組立体に係設される。プーリ組立体の設置は、従来の自動傘における従来の設置であり、プーリ組立体は第1プーリと、第2プーリとを備え、第1プーリは上ロクロ内に設けられ、第2プーリは下ロクロ内に設けられ、第1プーリと第2プーリとの間に引き紐が設けられ、引き紐の一端は上ロクロに固定され、下ロクロ内にある第2プーリを回して通過してから上ロクロ内にある第1プーリを回し、第1プーリを回して通過した後、引き紐は第1バネを通過し、末端のフックにより他端を手元内のストッパー組立体に掛合し、ストッパー組立体からフックを外れ、フックの上下移動により下ロクロの上下移動を同時に実現でき、ストッパー組立体がフックと掛合した時、下ロクロは傘の上部にあり、ストッパー組立体からフックを外れた時、下ロクロは一定の距離まで落下しながら、傘面を閉じさせる。
【0017】
いくつかの実施形態において、上部受骨と、下部受骨とを備えた親骨も備え、上部受骨と下部受骨との間に第2バネが設けられる。従来の自動傘は、親骨の上下部受骨間に閉傘用の第2バネを追加で設けられ、第2バネの数は親骨の数と同じであり、閉傘の時、使用者が下ボダンを押すことで、下ロクロは中棒に沿って一定の距離まで落下し、第2バネの付勢下で、上部受骨が縮められ、傘面全体が折り畳まれ、使用者が下落した下ロクロを手元まで引きずって嵌着させ、閉傘の全過程を完了する。
【発明の効果】
【0018】
上記技術的手段を採用することにより、本発明の有利な効果としては、
本発明は、従来の自動傘の手元にあるストッパー組立体の位置を下に移動させることにより、第1バネを手元のより奥まで延ばせることができ、第1バネの長さが長くなり、押し縮める程度が小さくなり、同じ長さのバネを下向きに押し縮めるとき、使用者から出される力は減らし、閉傘の省力化の目的を達成し、ストッパー組立体の位置が下に移動すると同時に、ストッパー組立体と可動ボタンとの間の距離が増加し、両者間の距離の増加に対応するため、上下に移動できる摺動組立体と回転可能なH型レバーを設け、摺動組立体が下に移動すると、H型レバーの回転をトリガーすることで、ストッパー組立体を動かせて、傘の自動開閉を完了する。
【0019】
上記の一般的な説明及び後記の詳細な説明は、例示的かつ解釈的なものであって、本開示を限定することはできないことを理解されたい。
【0020】
疑いなく、本発明のこのような目的及び他の目的は、以下に様々な図面で描写される好ましい実施例の詳細な説明を通じた後により明らかになるであろう。
【0021】
本発明の上記目的及び他の目的、特徴及び利点をより明白かつ理解しやすくするために、以下に1つ以上の好ましい実施例を挙げて添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0022】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を助けることを意図し、明細書の一部を構成し、本発明の実施形態とともに本発明を解釈するために用いられ、本発明を如何とも限定することは意図しない。
【0023】
添付の図面において、同様の部材に同一符号が付されている。また、図面間の尺度は、説明の都合上、実際のものとは異なっている場合もあるので留意されたい。
【0024】
以下、本発明の実施例又は従来技術内の技術的手段を明確に説明するため、実施例又は従来技術の描写に使用する必要がある添付図面を簡単に説明する。以下に描写する添付図面は、本発明のいくつかの実施例というのみであり、当業者にとって創造性の活動をしない前提で、これら添付属図面に基づいてその他の添付属図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明のいくつかの実施形態における手元内部の構造を概略的に示す立体図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態における手元の構造を概略的に示す断面図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態における開傘時の手元内の概略構造図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態における傘面を閉じた時の手元内部の概略構造図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態における手動閉傘時の手元内部の概略構造図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態における傘が折り畳まれた時の全体構造を示す概略図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態における中棒の概略構造図である。
図8】本発明の実施例2の閉傘の力が加わる程度の試験図である。
図9】本発明の比較例1の閉傘の力が加わる程度の試験図である。
図10】本発明の比較例2の閉傘の力が加わる程度の試験図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本考案の目的、技術的手段及び利点をより明確かつ明白するため、以下、具体的な実施形態と併せて本発明をさらに詳細に説明。ここで描写した具体的な実施形態は、本発明を解釈することだけに使われており、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0027】
なお、本発明の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などが示した方位又は位置関係は、図面に基づいて示した方位又は位置関係であり、単に本発明を簡単に説明しやすくするためであり、示された装置又は部材が必ず特定の方位を有し、又は特定の方位で構成され操作することと指示又は示唆するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0028】
特段の規定及び限定がない限り、本発明に用いられている用語「取り付けられた」、「結合された」、「接続された」は、広義に解釈すべきであり、例えば固結、取り外し可能に接続され、又は一体的に連結され、直接的に結合又は中間要素を介して間接的に結合してもよく、2つの要素内部の連通又は2つの要素の相互作用関係であり得る。ただし、直接的に結合されると明示することは、連結する2つの本体間の連結関係が架け渡し構造を介して確立されるのではなく、連結構造の連結により一体化するだけであることを意味する。当業者にとって、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0029】
本発明において、特に明確に指定及び限定されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」又は「下」にあるということは、第1及び第2の特徴が直接接触していること、又は第1および第2の特徴が中間要素を介して間接的に接触していることを意味し得る。本明細書の記載において、用語「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「実施例」、「具体例」、或いは「いくつかの実施例」という用語は、該実施形態又は実施例に記載される特定の特徴、構造、材料或いは特性は、本発明の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれる。本明細書において、上記用語の模式的表現は、必ずしも同一の実施形態又は実施例を指すものではない。かつ、記載された特定の特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ或いは複数の実施形態若しくは実施例において適切な方法で組み合わせることができる。
【実施例1】
【0030】
本実施例は、開閉の省力化の自動構造を提供する。前記開閉の省力化の自動構造は、本体ベース11と、可動ボタン13と、ストッパー組立体16と、H型レバー15と備えた開閉の省力化の自動構造を提供するものとした。本体ベース11内には、収容室12が設けられ、可動ボタン13は、本体ベース11内に移動自在に設けられ、可動ボタン13上に摺動組立体14が設けられ、ストッパー組立体16は、収容室12内に設けられ、可動ボタン13の下に位置し、H型レバー15は、収容室12内に回転可能に設けられる。
【0031】
H型レバー15は、収容室12内に回転可能に設けられ、収容室12内に設けられた回転軸151と、回転軸151に回転可能に連結された2つのレバーアーム152とを備え、回転軸151の上方のレバーアーム152部分はパワーアームで、回転軸151の下方のレバーアーム152部分が抵抗アームであり、パワーアーム上にパワーアーム突起部153が設けられ、2つのパワーアーム突起部153は摺動組立体14に移動自在に当接でき、2つの抵抗アームがストッパー組立体16に当接し、2つの抵抗アームはストッパー組立体16に当接する。
【0032】
摺動組立体14は、スライダバネ141と、第2摺動溝と、スライダ142とを備え、可動ボタン13には第1摺動溝が設けられ、スライダ142内には第1摺動溝と連通する第2摺動溝が設けられ、スライダバネ141の一端はスライダ142に連結され、スライダバネ141の他端は第2摺動溝及び第1摺動溝を貫通して可動ボタン13と連結し、スライダ142上に2つのスライダ突起部144が設けられ、2つのスライダ突起部144はパワーアーム突起部153に移動可能に当接する。本体ベース11は傘の手元1に相当し、設けられた収容室12は中棒2の位置を固定するために用いられ、左右に動く可動ボタン13は傘の開閉を制御するために用いられ、傘が閉じた時、下ロクロ5が摺動組立体14に当接し、スライダバネ141の作用下でスライダ142を押し下げることができ、スライダ142の末端にスライダ突起部144が設けられ、元の状態でスライダ突起部144はH型レバー15のパワーアーム上の2つのパワーアーム突起部153に当接し、H型レバー15にわずかな回転を生じさせ、押し下げプロセスが発生した時、両者の突起部が当接状態から離れ、スライダ突起部144が下に移動し、H型レバー15が戻る。
【0033】
ストッパー組立体16は、ストッパー161と、ストッパーバネ162と、U字型ストッパーカバーとを備え、ストッパー161はストッパーカバーの底部内に移動可能に設けられ、ストッパーバネ162を介して本体ベース11と連結し、ストッパーカバーの頂部はストップアームで、2つのストップアームは抵抗アームに当接する。ストッパー161は、ストッパーバネ162の作用下で、横方向に移動でき、2つのストップアーム間に自動傘のフック42が掛合され、ストップアームの末端は抵抗アームの末端に当接し、抵抗アームが移動すると、ストップアームが押され、ストッパーバネ162を押し縮め、2つのストップアーム間に固定されていたフック42が外され、フック42が2つのストップアーム間に再度係入した時、ストッパーバネ162の設置により、係入過程がスムーズになり、抵抗アームを移動させない。
【0034】
本体ベース11内に収容室12の延在方向と直交するボタン溝が設けられ、可動ボタン13はボタン溝内に設けられ、U字金具131と、ボダンバネ132とを備え、U字金具131はボダンバネ132を介して本体ベース11に移動可能に連結される。ボダンバネ132の設置により、U字金具131を横向きに移動させ、手動閉傘の時下ロクロ5の嵌着が完了すると共に可動ボタン13の左右移動により、スライダ突起部144とパワーアーム突起部153との間の当接状態を変更でき、閉傘を実現する。可動ボタン13は、外側ボタン133も備え、外側ボタン133はU字金具131に連結され、収容室12外まで延在し、第1摺動溝は外側ボタン133の上に設けられ、スライダバネ141内にスライダガイドピン143も設けられる。外側ボタン133は、使用者に触れるように、収容室12外まで延在し、かつ外側ボタン133はスライダガイドピン143を介して摺動組立体14及びU字金具131に連結され、外側ボタン133を押して傘が自動的に開いた時、U字金具131が移動し、下ロクロ5は嵌着状態から離れて上方に移し、摺動組立体14への当接圧力がなくなり、スライダバネ141の作用下で、スライダ突起部144が上方に移動してパワーアーム突起部153に再び当接し、H型レバー15がわずかに回転する。
【0035】
本実施例は、ストッパー組立体16の位置を手元11の尾部に近づけることにより、第1バネ7の伸び縮みの長さを大幅に増加することで、押し縮める程度が小さくなり、同じ長さのバネを下向きに押し縮めるとき、使用者から出される力は減らし、閉傘の省力化の目的を達成する。なお、ストッパー組立体16の位置が下方に移動するため、ストッパー組立体16の上方に位置する摺動組立体14とストッパー組立体16との距離が長くなり、本発明は摺動組立体14とストッパー組立体16との間にH型レバー15に設けることにより、H型レバー15が摺動組立体14とストッパー組立体16との間に可動連結の役割を果たすことができるようにし、摺動組立体14が下に移動すると、H型レバー15の回転をトリガーすることで、ストッパー組立体16を動かせて、傘の自動開閉を完了する。
【実施例2】
【0036】
本実施例は、開閉の省力化の自動傘を提供する。前記自動傘は、中棒2と、開閉の省力化の自動構造を有する手元1とを備え、中棒2内に第1バネ7及び弾丸状部材が設けられ、弾丸状部材の頂端は第1バネ7内に設けられ、弾丸状部材の底端はストッパー161と嵌合できることで、中棒2を縮めることができる。
【0037】
開閉の省力化の自動構造は、本体ベース11と、可動ボタン13と、ストッパー組立体16と、H型レバー15と備えた開閉の省力化の自動構造を提供するものとした。本体ベース11内には、収容室12が設けられ、可動ボタン13は、本体ベース11内に移動自在に設けられ、可動ボタン13上に摺動組立体14が設けられ、ストッパー組立体16は、収容室12内に設けられ、可動ボタン13の下に位置し、H型レバー15は、収容室12内に回転可能に設けられる。
【0038】
H型レバー15は、収容室12内に回転可能に設けられ、収容室12内に設けられた回転軸151と、回転軸151に回転可能に連結された2つのレバーアーム152とを備え、回転軸151の上方のレバーアーム152部分はパワーアームで、回転軸151の下方のレバーアーム152部分が抵抗アームであり、パワーアーム上にパワーアーム突起部153が設けられ、2つのパワーアーム突起部153は摺動組立体14に移動自在に当接でき、2つの抵抗アームがストッパー組立体16に当接し、2つの抵抗アームはストッパー組立体16に当接する。
【0039】
摺動組立体14は、スライダバネ141と、第2摺動溝と、スライダ142とを備え、可動ボタン13には第1摺動溝が設けられ、スライダ142内には第1摺動溝と連通する第2摺動溝が設けられ、スライダバネ141の一端はスライダ142に連結され、スライダバネ141の他端は第2摺動溝及び第1摺動溝を貫通して可動ボタン13と連結し、スライダ142上に2つのスライダ突起部144が設けられ、2つのスライダ突起部144はパワーアーム突起部153に移動可能に当接する。
【0040】
ストッパー組立体16は、ストッパー161と、ストッパーバネ162と、U字型ストッパーカバーとを備え、ストッパー161はストッパーカバーの底部内に移動可能に設けられ、ストッパーバネ162を介して本体ベース11と連結し、ストッパーカバーの頂部はストップアームで、2つのストップアームは抵抗アームに当接する。
【0041】
本体ベース11内に収容室12の延在方向と直交するボタン溝が設けられ、可動ボタン13はボタン溝内に設けられ、U字金具131と、ボダンバネ132とを備え、U字金具131はボダンバネ132を介して本体ベース11に移動可能に連結される。可動ボタン13は、外側ボタン133も備え、外側ボタン133はU字金具131に連結され、収容室12外まで延在し、第1摺動溝は外側ボタン133の上に設けられ、スライダバネ141内にスライダガイドピン143も設けられる。
【0042】
中棒2は、内管21と、中管22と、外管23とを備え、中管22は内管21を外嵌し、外管23は中管22を外嵌し、外管23上に上ロクロ3が設けられ、外管23が下ロクロ5で外嵌され、外管23上に楔形ブロックが設けられ、可動ボタン13は楔形ブロックと嵌着し、外管23が摺動組立体14に当接する。中棒2は、従来の手動折り畳み傘の中棒2に相当し、従来の折り畳みや縮み機能を完成させるためにいくつかのセクションが設けられている。中管22内に設けられた内管21は、従来の自動傘の内管21よりも長く、第1バネ7を収容して保護し、安定した動きを維持するために用いられ、かつ内管21は手元1内のストッパー組立体16まで延びており、第1バネ7内のフック42がストッパー組立体16と掛合できるようにし、外管23は下ロクロ5に連結され、下ロクロ5の下に配置され、閉傘の時、下ロクロ5が引き下げられ、外管23が先に摺動組立体14に当接し、摺動組立体14が滑り落ち、外管23上に設けられた楔形ブロックは摺動組立体14上のU字金具131と嵌着して、外管23と下ロクロ5の位置を固定する。第1バネ7は、内管21内に設けられる。
【0043】
上ロクロ3内にプーリ組立体4が設けられ、プーリ組立体4は引き紐41を備え、引き紐41の一端は上ロクロ3に連結され、引き紐41の他端は第1バネ7を通って延び、引き紐41の他端にフック42が設けられ、フック42はストッパー組立体16に係設される。プーリ組立体4の設置は、従来の自動傘における従来の設置であり、プーリ組立体4は第1プーリと、第2プーリとを備え、第1プーリは上ロクロ3内に設けられ、第2プーリは下ロクロ5内に設けられ、第1プーリと第2プーリとの間に引き紐41が設けられ、引き紐41の一端は上ロクロ3に固定され、下ロクロ5内にある第2プーリを回して通過してから上ロクロ3内にある第1プーリを回し、第1プーリを回して通過した後、引き紐41は第1バネ7を通過し、末端のフック42により他端を手元1内のストッパー組立体16に掛合し、ストッパー組立体16からフック42を外れ、フック42の上下移動により下ロクロ5の上下移動を同時に実現でき、ストッパー組立体16がフック42と掛合した時、下ロクロ5は傘の上部にあり、ストッパー組立体16からフック42を外れた時、下ロクロ5は一定の距離まで落下しながら、傘面を閉じさせる。
【0044】
親骨6は、上部受骨と、下部受骨とを備え、上部受骨と下部受骨との間に第2バネが設けられる。従来の自動傘は、親骨6の上下部受骨間に閉傘用の第2バネを追加で設けられ、第2バネの数は親骨6の数と同じであり、閉傘の時、使用者が下ボダンを押すことで、下ロクロ5は中棒2に沿って一定の距離まで落下し、第2バネの付勢下で、上部受骨が縮められ、傘面全体が折り畳まれ、使用者が下落した下ロクロ5を手元1まで引きずって嵌着させ、閉傘の全過程を完了する。
【0045】
(比較例1)
この比較例は、逆戻り防止の自開閉傘であり、閉傘の時、いつでも中棒を縮めることができ、縮める途中で手を離しても止めることができる。
【0046】
(比較例2)
この比較例は、2つのバネを有する自動傘であり、開傘、閉傘の時に2つのバネがバネ接続スリーブ上で。重なることができる。
【0047】
(閉傘の力が加わる程度の試験)
卓上電動式万能材料試験機(モデルTH-8201A)を用いて、実施例2、比較例1及び比較例2の閉傘の力が加わる程度をテストした。テストデータを以下の表及び図8図10に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
上記の表から分かるように、実施例2の閉傘の力が加わる程度はわずか4.740kgfであるのに対し、比較例1の閉傘の力が加わる程度は7.685kgf、比較例2の閉傘の力が加わる程度は6.170kgfであった。比較例1、比較例2に比べて閉傘の力が加わる程度がはるかに低く、実施例2の閉傘の力が加わる程度が大幅に低減されており、高い省力化効果を有することが示されている。
【0050】
本発明に開示される実施形態は、本明細書に開示される特定の処理ステップ又は材料に限定されず、関連技術分野の一般的な技術者が理解するこのような特徴の均等な置換まで拡張されるべきであることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明する目的でのみ使用され、限定することを意味するものではないことも理解されたい。
【0051】
本明細書で言及される「実施形態」は、実施形態に関連して説明される特定の特徴又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体の様々な場所に現れる句又は「実施形態」は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すとは限らない。
【0052】
なお、記載された特徴又は特性は、他の任意の適切な方法で1つ以上の実施形態に組み合わせることができる。上記の説明では、本発明の実施例の包括的な理解を提供するため、厚さ、数量などの特定の詳細が提供されている。しかしながら、本発明が上記の1つ以上の特定の詳細を用いずに実施されてもよいし、他の方法、構成要素、材料などを用いて実施されてもよいことは、当業者にとって容易に明らかになるだろう。
【符号の説明】
【0053】
1 手元
11 本体ベース
12 収容室
13 可動ボタン
131 U字金具
132 ボダンバネ
133 外側ボタン
14 摺動組立体
141 スライダバネ
142 スライダ
143 スライダガイドピン
144 スライダ突起部
15 H型レバー
151 回転軸
152 レバーアーム
153 パワーアーム突起部
16 ストッパー組立体
161 ストッパー
162 ストッパーバネ
2 中棒
21 内管
22 中管
23 外管
3 上ロクロ
4 プーリ組立体
41 引き紐
42 フック
5 下ロクロ
6 親骨
7 第1バネ
【要約】
【課題】 開閉の省力化の自動構造及び傘を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明は、傘の技術分野に関し、特に、開閉の省力化の自動構造及び傘に関する。本体ベースと、可動ボタンと、ストッパー組立体と、H型レバーと備えた開閉の省力化の自動構造であって、H型レバーは可動ボタンとストッパー組立体との間に回転可能に設けられる。本発明は、従来の自動傘の手元にあるストッパー組立体を下に移動させることにより、第1バネを手元のより奥まで延ばせ、第1バネの押し縮める程度が小さくなり、同じ長さのバネを下向きに押し縮めるとき、使用者から出される力は減らし、閉傘の省力化の目的を達成し、ストッパー組立体の位置が下に移動すると同時に、元の距離が増加するため、摺動組立体と回転可能なH型レバーを設け、摺動組立体が下に移動すると、H型レバーの回転をトリガーすることで、ストッパー組立体を動かせて、傘の自動開閉を完了する。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10