特許 7525952 通風口用グリル

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B1)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-07-23

(45)【発行日】2024-07-31

(54)【発明の名称】通風口用グリル

(51)【国際特許分類】

   F24F 7/04 20060101AFI20240724BHJP

   F24F 13/06 20060101ALI20240724BHJP

   F24F 13/08 20060101ALI20240724BHJP

【ＦＩ】

F24F7/04 B

F24F13/06 A

F24F13/08 A

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2023197158

(22)【出願日】2023-11-21

【審査請求日】2023-11-21

【早期審査対象出願】

(73)【特許権者】

【識別番号】501041894

【氏名又は名称】チームラボ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100116850

【弁理士】

【氏名又は名称】廣瀬 隆行

(74)【代理人】

【識別番号】100165847

【弁理士】

【氏名又は名称】関 大祐

(72)【発明者】

【氏名】森 崇

【審査官】杉山 健一

(56)【参考文献】

【文献】特開２０２２－１５５８０８（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００３－３２２３７８（ＪＰ，Ａ）

【文献】実公昭４８－０４１６４５（ＪＰ，Ｙ１）

【文献】実開昭５９－１８５５２４（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開平０８－２１９５３６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開平１１－３１１０７１（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｆ２４Ｆ ７／０４

Ｆ２４Ｆ １３／０６

Ｆ２４Ｆ １３／０８

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

通風口に取付可能なグリル（１）であって、
複数の四角形状の第１開口部（１１）を有する第１面材（１０）と、
前記第１面材の背面側に間隙を設けて前記第１面材と平行に配置された、複数の四角形状の第２開口部（２１）を有する第２面材（２０）を備え、
前記第１面材は、４つの前記第１開口部により周囲を囲われた四角形状の第１閉口部（１２）を複数有し、
前記第２面材は、４つの前記第２開口部により周囲を囲われた四角形状の第２閉口部（２２）を複数有しており、
前記第１面材と前記第２面材は、正面視において、前記第１開口部と前記第２開口部が重ならず、かつ、前記第１開口部と前記第２閉口部とが重なるように配置されている
グリル。

【請求項2】

前記第１閉口部の面積は前記第１開口部よりも大きく、
前記第２閉口部の面積は前記第２開口部よりも大きい
請求項１に記載のグリル。

【請求項3】

前記第１開口部は、正方形又は長方形であって、市松模様状に前記第１面材に形成されており、
前記第２開口部は、正方形又は長方形であって、市松模様状に前記第２面材に形成されている
請求項１又は請求項２に記載のグリル。

【請求項4】

前記第１面材と前記第２面材を支持するための外装材（３０）をさらに備える
請求項１又は請求項２に記載のグリル。

【請求項5】

前記第１面材と前記第２面材の少なくとも正面側は鏡面により形成されている
請求項１又は請求項２に記載のグリル。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、吸込口や吹出口などの通風口に取付可能な化粧グリルに関する。

【背景技術】

【0002】

壁面や天井面に形成された通風口には、一般的に化粧用のグリルが取り付けられる。このグリルは、主に通風口を覆って壁面や天井面との意匠的な調和を図ったり、通風口内に異物が入り込んだりしないようにする目的で用いられる。

【0003】

グリルには様々な形状があり、開口部がスリット状や円環状に形成されたものが知られている（特許文献１～３）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【文献】特開平７－３３２７５１号公報

【文献】特開２００８－８２６８１号公報

【文献】特開２００９－１６８３４７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

ところで、従来のグリルは空気の流量を維持しながら通風口を覆うことを主眼として設計されたものであり、その役割は果たしているものの、壁面や天井面に取り付けたときに通風口やグリルそれ自体が目立ってしまうという課題がある。特にグリルの開口部を比較的大きくした場合、その開口部を通じて通風口内の暗い影が外部から視認されることになるため、そこに通風口があることが明らかにわかってしまう。一方で、グリルを目立たなくさせるためにグリルの開口部を比較的小さくすることも検討される。しかしながら、その場合には、グリルによる空気の吸込量や吹出量が低下するため、グリル本来の機能性が損なわれることになる。

【0006】

そこで、本発明は、空気の流量を維持しながら通風口を目立ちにくくすることができるグリルを提供することを主な目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

本発明の発明者は、従来発明の課題を解決する手段について鋭意検討した結果、複数の開口部を有する面材を間隙をあけて２枚重ねてグリルを構成することで、空気の流量を維持しながら、正面視において通風口を目立ちにくくすることができるという知見を得た。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来発明の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成を有する。

【0008】

本発明は、通風口に取付可能な化粧グリル１に関する。グリル１は、主に第１面材１０と第２面材２０を備える。第１面材１０と第２面材２０は、それぞれ面状の部材であり、これらは平坦な面状であることが好ましいが、曲面であってもよい。第１面材１０は、複数の第１開口部１１を有する。また、第２面材２０は、複数の第２開口部２１を有する。この第２面材２０は、第１面材１０の背面側に間隙を設けて配置されている。つまり、第１面材１０と第２面材２０の間には空気を通すための間隙が設けられており、この間隙と第１開口部１１と第２開口部２１とを介して空気がグリル１内を流通するようになっている。そして、第１面材１０と第２面材２０は、正面視において、第１開口部１１と第２開口部２１とが重ならないように配置されている。すなわち、正面視においては、第１開口部１１を通じて第２開口部２１が視認されないこととなる。これにより、グリル１と正対した位置からは、通風口が直接視認されなくなるため、このグリル１を取り付ければ通風口を目立たなくさせることができる。また、２つの面材１０，２０を間隙をあけて配置することで、空気の十分な流量を確保することができる。

【0009】

本発明に係るグリル１において、第１面材１０は、第１開口部１１により周囲を囲われた第１閉口部１２（非開口部）を有していることが好ましい。また、第２面材２０も、第２開口部２１により周囲を囲われた第２閉口部２２（非開口部）を有していることが好ましい。この場合、正面視において、第１開口部１１と第２閉口部２２とが重なっていることとなる。これにより、第１開口部１１の背面側には第２閉口部２２が存在することになるため、第１開口部１１を介して通風口の内部が視認されなくなる。

【0010】

本発明に係るグリル１において、第１面材１０と第２面材２０は互いに平行に配置されていることが好ましい。第１面材１０と第２面材２０が平行である場合、第１面材１０の第１開口部１１を通じて第２面材２０（特に第２閉口部２２）が平面的に見えることになるため、第１面材１０の第１開口部１１も正面視において目立たなくさせることができる。

【0011】

本発明に係るグリル１において、第１開口部１１と第２開口部２１は四角形状であることが好ましい。四角形状には、正方形、長方形、ひし形、平行四辺形、台形、その他四角形が含まれる。なお、第１開口部１１と第２開口部２１は、共に同一の形状であることが好ましい。このように、第１開口部１１と第２開口部２１をそれぞれ単純な形状とすることで、グリル１自体を目立たないものとすることができる。

【0012】

本発明に係るグリル１において、第１開口部１１は、正方形又は長方形であって、市松模様状に第１面材１０に形成されていることが好ましい。第２開口部２１も同様に、正方形又は長方形であって、市松模様状に第２面材２０に形成されていることが好ましい。なお、この場合も、第１開口部１１と第２開口部２１は、共に同一の形状であることが好ましい。このように第１開口部１１と第２開口部２１を共に市松模様状とすることで、空気の流量を十分に確保しながら、グリル１自体を目立たないものとすることができる。

【0013】

本発明に係るグリル１は、外装材３０をさらに備えることが好ましい。外装材３０は、第１面材１０と第２面材２０を支持するための部材である。この外装材３０によって、第１面材１０と第２面材２０の間の間隙を維持することができる。

【0014】

本発明に係るグリル１において、第１面材１０と第２面材２０の少なくとも正面側は鏡面により形成されていることが好ましい。鏡面とは、可視光を反射する面を意味する。このように、第１面材１０と第２面材２０の正面側を鏡面とすることで、グリル１自体をさらに目立たないものとすることができる。特に、グリル１を設置する壁面や天井も、このグリル１と同様に鏡面とすると良い。

【発明の効果】

【0015】

本発明に係るグリル１によれば、空気の流量を維持しながら通風口を目立ちにくくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】図１は、一実施形態に係るグリルを正面側の斜視図（キャビネット投影図）を示している。

【図2】図２は、一実施形態に係るグリルの正面側の斜視図（等角投影図）を示している。

【図3】図３は、一実施形態に係るグリルの背面側の斜視図（等角投影図）を示している。

【図4】図４は、図２に示したIV－IV線における断面図である。ただし、各部材の厚みを強調して示している。

【図5】図５は、第１面材と第２面材の例を示している。

【図6】図６は、第１面材と第２面材を重ねた状態の例を示している。

【図7】図７は、グリルの使用例を示した模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。

【0018】

図１から図６は、本発明の一実施形態に係る化粧グリル１を示している。本実施形態に係るグリル１は、主に、第１面材１０、第２面材２０、及び外装材３０を備える。第１面材１０と第２面材２０は、それぞれ平坦な板状の部材であり、これらの２つの面材１０，２０は正面視において重ねられている。第１面材１０は相対的にグリル１の正面側（図１，図２参照）に配置され、第２面材２０はグリル１の背面側（図３参照）に配置される。第１面材１０と第２面材２０の間には空気が十分に流通する間隙が設けられる。外装材３０は、これらの第１面材１０と第２面材２０の間の間隙を維持しつつ、これら２つの面材１０，２０を支持する。

【0019】

図１から図６の各図に示されるように、第１面材１０には複数の第１開口部１１が形成されている。同様に、第２面材２０にも複数の第２開口部２１が形成されている。本実施形態において、第１開口部１１と第２開口部２１は共に正方形であり、両開口部１１，２１は合同となっている。より具体的には、全ての第１開口部１１と全ての第２開口部２１が合同の正方形である。これらの開口部１１，２１の面積は特に制限されないが、例えば１～１００ｃｍ^２とすればよい。

【0020】

また、図５に示されるように、第１面材１０と第２面材２０は、それぞれ第１開口部１１と第２開口部２１とが市松模様状に形成されている。すなわち、正方形をなす各開口部１１，１２が行方向及び列方向にほぼ等間隔で並べらており、隣接する列と隣接する行において、各開口部１１，２１が互い違いになるようにオフセットされている。このため、第１面材１０には、第１開口部１１によって四方の周囲を囲まれた第１閉口部１２が形成される。同様に、第２面材２０にも、第２開口部２１によって四方の周囲を囲まれた第２閉口部２２が形成される。なお、これらの閉口部１２，２２は、各面材１０，２０のうち開口部１１，１２が形成されていない領域（非開口部）である。

【0021】

図１～図３に示されるように、第１面材１０と第２面材２０は正面視において重ねて配置されるが、この場合に、これらの面材１０，２０は、第１開口部１１と第２開口部２１が重ならないように配置される。具体的には、図１に示したように、グリル１を正対位置から視認すると、第１面材１０の第１開口部１１を通じて第２面材２０の第２閉口部２２は視認できるが、第２面材２０の第２開口部２１は視認できないこととなる。つまり、第２面材２０の第２開口部２１は、第１面材１０の第１閉口部１２の裏側に隠れており、図１に示したような位置からはこの第２開口部２１を直接視認することができない。その結果、このグリル１を通風口に配置したときには、グリル１の各開口部１１，２１を通じて通風口は直接視認されにくくなるため、通風口の存在を目立たなくさせることができる。

【0022】

一方で、図２及び図３に示されるように、グリル１を斜め方向から見ると、第１面材１０と第２面材２０の間に間隙が設けられていることから、第１面材１０の第１開口部１１を通じて第２面材２０の第２開口部２１が見える。ただし、このような斜め方向からグリル１を視認する頻度は少なく、また第１開口部１１を通じて見える第２開口部２１の範囲も限られていることから、例えば通常のスリット状のグリルと比較すると、本発明のグリル１の方が通風口は目立たないものとなる。

【0023】

第１面材１０と第２面材２０の間に間隙の大きさ（すなわち第１面材１０の裏面から第２面材２０の表面までの距離）は、例えば５～５０ｍｍであることが好ましい。間隙の大きさが５ｍｍ未満であると第１面材１０と第２面材２０の間を空気が流通しにくくなり、グリル１の機能性が損なわれる恐れがある。一方で、間隙の大きさが５０ｍｍを超える場合、図２などのようにグリル１を斜め方向から見たときに、第１開口部１１を通じて見える第２開口部２１の範囲が大きくなり、通風口が目立ちやすくなる。従って、間隙の大きさは５～５０ｍｍであることが好ましく、１０～３０ｍｍ程度であることが特に好ましい。

【0024】

外装材３０は、第１面材１０と第２面材２０の間の間隙を維持して、これら２つの面材１０，２０を支持するように構成されている。図１～図４に示されるように、外装材３０は、主に、主面部材３１、枠部材３２、及びスペーサ３３を含む。

【0025】

主面部材３１は、四角形状（特に正方形状）であり、その中央に円形（特に正円形）の窓部３１ａが形成されている。この窓部３１ａは貫通した開口部であるため、この窓部３１ａを通じて、前述した第１面材１０と、そこに形成された複数の第１開口部１１が視認される。また、枠部材３２は、主面部材３１の四辺に沿って設けられた断面四角柱（又は断面四角筒状）の部材であり、主面部材３１の裏面に固定されている。図４の断面図に示されるように、第１面材１０は、枠部材３２によって画定された四角形の枠領域内に配置される。具体的には、第１面材１０の外縁も略四角形状であることから、第１面材１０はこの枠部材３２に内接するように配置されている。この第１面材１０は、枠部材３２内に配置された状態で、主面部材３１の裏面に固定されている。また、図４に示されるように、枠部材３２に内接するように、断面四角柱（又は四角筒状）のスペーサ３３が設けられている。このスペーサ３３は、枠部材３２と同様に、枠部材３２内の四辺に沿って設けられていることが好ましいが、枠部材３２内の対向する二辺（例えば横方向に延びる二辺）に沿ってのみ設けることもできる。このスペーサ３３は、第１面材１０の裏面側に固定されている。さらに、このスペーサ３３の裏面側には、前述した第２面材２０が固定されている。すなわち、第１面材１０と第２面材２０との間にスペーサ３３が介在することとなる。これにより、外装材３０によって、第１面材１０と第２面材２０との間の間隙が維持される。外装材３０に第１面材１０と第２面材２０を固定する際には、前述した通り、正面視において第１開口部１１と第２開口部２１が重ならないように、２つの面材１０，２０の配置が調整される。

【0026】

図６は、第１面材１０と第２面材２０とを重ねた状態の例を示している。図６において、第１面材１０は実線で示し、第２面材２０は破線で示している。また、図６では、第２面材２０の一部の第２閉口部２２に薄墨を施して示している。図６に示されるように、第１面材１０の第１開口部１１と第２面材２０の第２開口部２１は、共に正方形状であって合同形をなしている。また、第１面材１０に複数の第１開口部１１を形成する市松模様状のパターン（ピッチや間隔）と、第２面材２０に複数の第２開口部２１を形成する市松模様状のパターンも基本的には同じである。このため、正面視において、第１面材１０の第１開口部１１は、第２面材２０の第２閉口部２２と完全に重なる。同様に、第２面材２０の第２開口部２１も、第１面材１０の第１閉口部１２と完全に重なることとなる。

【0027】

より具体的に説明すると、図６では、一つの第１開口部１１（実線）と、当該第１開口部１１と重なる第２閉口部２２（薄墨部分）と、当該第２閉口部２２の周囲に設けられた４つの第２開口部２１（破線）とを抜粋して拡大して示している。なお、本実施形態において、第１面材１０と第２面材２０は、各開口部１１，２１と各閉口部１２，２２の形状や大きさは同じである。図６では、例えば、正方形状である第１開口部１１の一辺の長さを符号Ｌ１で示し、正方形状である第２閉口部２２の一辺の長さを符号Ｌ２で示している。なお、第２閉口部２２の一辺の長さは、第２開口部２１の間の間隔（ピッチ）に相当する。図６に示されるように、第１開口部１１の一辺の長さＬ１よりも、第２閉口部２２の一辺の長さＬ２の方が長くなっている（Ｌ１＜Ｌ２）。例えば、長さＬ１を１００％とした場合に、長さＬ２は１０５～１５０％であることが好ましく、１１０～１４０％又は１１５～１３５％であることが特に好ましい。その結果、第２閉口部２２の面積は、第１開口部１１よりも大きいものとなる。第２閉口部２２の面積は、第１開口部１１の面積に対して、１．１～３倍であることが好ましく、１．２～２．５倍又は１．３～２倍であることが特に好ましい。

【0028】

さらに、図６では、第１面材１０と第２面材２０とを重ねた状態で、正面視において、第１面材１０の第１開口部１１と第２面材２０の第２開口部２１の間のクリアンスの長さを符号αで示している。第１開口部１１が四角形状である場合、ある第１開口部１１の周囲には４つの第２開口部２１が存在することになるが、このクリアランスαは、ある第１開口部１１とその周囲の４つの第２開口部２１との間に設けられ、基本的にはいずれの長さも等しく設計されている。クリアランスαは、少なくとも１ｍｍ以上であればよく、５～３０ｍｍであることが好ましく、１０～２０ｍｍであることが特に好ましい。

【0029】

上記のように、第２閉口部２２の面積を第１開口部１１よりも大きくし、かつ、ある第１開口部１１とその周囲の第２開口部２１との間に正面視において所定のクリアランスを設けることで、グリル１を正面視したときに第１開口部１１を通じて第２開口部２１が視認されなくなり、さらにグリル１を斜めから見た場合でも、第１開口部１１を通じて第２開口部２１が視認されにくくなる。その結果、このグリル１を通風口に設置することで、通風口を目立ちにくくすることができる。

【0030】

なお、ここでは、主に第１開口部１１に関して、第２開口部２１や第２閉口部２２との関係性について説明を行ったが、第２開口部２１に関して、第１開口部１１や第１閉口部１２との関係性についても同様のことがいえる。

【0031】

また、グリル１を構成する第１面材１０や、第２面材２０、外装材３０は、少なくとも正面側を、光（具体的には可視光）を反射する鏡面材料で形成することが好ましい。鏡面材料としては、ステンレス等の金属の表面を鏡面研磨した研磨式のものや、ガラスやアクリル板等の透明板の片面に銀やアルミなどの反射率の高い金属を蒸着した蒸着式のものなど、公知の材料を適宜採用することができる。また、鏡面材料としては、光の反射率が８０～１００％の一般的な鏡の他、光の反射率が８０％未満で光の透過率が１０～５０％のハーフミラーを用いることもできる。なお、入射光を１００％とした場合に、反射率、透過率、吸収率の和が１００％となる。一般的なハーフミラーは、反射率２０～４０％、透過率２０～４０％程度であり、残りが吸収率となる。このように、グリル１の少なくとも正面側を鏡面材料で形成することで、グリル１を目立ちにくくすることができる。特に、グリル１を設置する壁面や天井を同じく鏡張りとした場合に有効である。

【0032】

図７は、グリル１の使用例を模試的に示している。図７に示した例では、鏡張りの壁面２に通風口３（グリル１によって覆われているため不図示）が設けられている。この通風口３は、公知のファンなどを備える吸引装置４に接続されており、この吸引装置４のファン４が駆動すると、通風口３内に空気が吸い込まれる。本発明に係るグリル１は、この通風口３に取り付けられている。図７に示されるように、正面視においては、グリル１がその背面側にある通風口３をほぼ完全に覆うため、この通風口３を目立ちにくいものとすることができる。

【0033】

また、図７の使用例では、室内などの閉鎖空間内に、例えば球形の浮遊物５が多数存在していることを想定している。浮遊物５は、例えば空気やそれよりも軽い気体（ヘリウムや窒素）が充填されており、ファン４の駆動によって通風口３へ向かう気流が発生すると、それに伴って浮遊物５が室内で浮遊する。このとき、通風口３内に浮遊物５が入り込まないようにするためにも、この通風口３にはグリル１を取り付けておく必要がある。また、鏡張りの壁面２にグリル１を取り付ける場合は、このグリル１の正面側も鏡張りとしておくことが好ましい。これにより、グリル１によって通風口３が目立ちにくくなるとともに、このグリル１自体も視覚的に目立ちにくいものとなる。なお、浮遊物５の外面も鏡張りとすることができる。

【0034】

なお、図７に示した例では、空気を吸い込むするための通風口にグリル１を取り付けているが、これとは異なり、空気を吹き出すための通風口にグリル１を取り付けることも可能である。

【0035】

以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。

【符号の説明】

【0036】

１…グリル ２…壁面
３…吸込口 ４…吸引装置
５…浮遊物 １０…第１面材
１１…第１開口部 １２…第１閉口部
２０…第２面材 ２１…第２開口部
２２…第２閉口部 ３０…外装材
３１…主面部材 ３１ａ…窓部
３２…枠部材 ３３…スペーサ

【要約】

【課題】空気の流量を維持しながら通風口を目立ちにくくことのできるグリルを提供する。
【解決手段】通風口に取付可能なグリル１であって、複数の第１開口部１１を有する第１面材１０と、第１面材１０の背面側に間隙を設けて配置された複数の第２開口部１２を有する第２面材２０を備える。第１面材１０と第２面材２０は、正面視において、第１開口部１１と第２開口部１２が重ならないように配置されている。
【選択図】図１

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】