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特許7526005自動切断機において可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】自動切断機において可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/12 20060101AFI20240724BHJP
   B26D 7/08 20060101ALI20240724BHJP
   B24B 3/36 20060101ALI20240724BHJP
   B26D 5/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B26D7/12
B26D7/08 C
B24B3/36 E
B24B3/36 A
B26D5/00 F
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020020119
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2020128002
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-28
(31)【優先権主張番号】P201930107
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】520047624
【氏名又は名称】オープン マインド ベンチャーズ エス.エル.ユー.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】バルセルズ マルカデ アントニ
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-060693(JP,A)
【文献】特表平05-506188(JP,A)
【文献】特開平07-186087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273761(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/12
B26D 7/08
B24B 3/36
B26D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動切断機において可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステムであって、少なくとも1つのシャープニング要素を備え、少なくとも1つの第1のシャープニング要素(3)を含む第1のシャープニングモジュールと、少なくとも1つの第2のシャープニング要素(5)を含む第2のシャープニングモジュールと、
ブレード(1)の周囲に取り付けられた外側ディスク(6)および内側ディスク(7)を備え、
前記外側ディスク(6)は、前記シャープニング要素(3,5)を作動させるために、前記内側ディスク(7)の導電性トラック(9)と相補的な電気接点(8)を備えることを特徴とする、可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項2】
前記第1のシャープニングモジュールは、ブレード(1)の両側に互いに対向して配置された2つの第1のシャープニング要素(3)を備える、請求項1に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項3】
前記第1のシャープニングモジュールは、ブレードに潤滑剤の層を塗布する少なくとも1つの潤滑剤塗布装置(4)も備える、請求項1に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項4】
前記第1のシャープニングモジュールは、ブレード(1)の両側に互いに対向して位置する2つの潤滑剤塗布装置(4)を備える、請求項3に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項5】
前記第1のシャープニング要素(3)は、可動であって、前記ブレード(1)に向かっておよび前記ブレード(1)から離れるように移動する、請求項1または2に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項6】
前記第2のシャープニングモジュールは、ブレード(1)の両側に互いに対向して配置された2つの第2のシャープニング要素(5)を備える、請求項1に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項7】
前記第2のシャープニング要素(5)は、その中心軸の周りで回転する、請求項1または6に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項8】
前記第2のシャープニング要素(5)は、可動であって、前記ブレード(1)に向かっておよび前記ブレード(1)から離れるように移動する、請求項1または6に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項9】
第1および第2のシャープニング要素(3,5)を前方に移動させるための位置制御を備える、請求項5または8に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項10】
前記第1のシャープニング要素(3)および前記第2のシャープニング要素(5)は、摩擦部材、回転ディスク、回転ドラムおよび研磨ベルトの群から選択される、請求項2または6に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項11】
前記内側ディスク(7)は、前記外側ディスク(6)に対して可動である、請求項に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項12】
前記外側ディスクおよび内側ディスク(6,7)は、相補的な封止凸部及び凹部(10,11)を備える、請求項に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項13】
前記内側ディスク(7)は、ブレード(1)と一体である、請求項または11に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【請求項14】
前記電気接点(8)は、少なくとも1つの第1のシャープニング要素(3)のおよび/または少なくとも1つの第2のシャープニング要素(5)のアクチュエータ(12,13,14)に電力を供給する、請求項に記載の可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動切断機において可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステムに関し、それは、下部ガイドプレートに、または切断ヘッドの下部本体の上部に対称的に、交換可能にアクティブシャープニングシステムを組み込むことによって、現在のシャープニングシステムに対する不可欠で簡単な解決策を提供することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
可撓性多層または単層材料を切断するコンピュータ数値制御切断機は、ブレードを、その機能の実行中に頻繁に研磨する必要がある。
【0003】
織物材料、複合材などの切断される可撓性材料は、非常に鋭いブレードを必要とし、そうでないことを考えれば、材料を引きずり、望ましくない結果をもたらす。
【0004】
このため、他のタイプのコンピュータ数値制御切断機とは異なり、切断時の各材料の硬さ、耐摩耗性、柔らかさ、溶融温度などに基づく変化を伴って、このシャープニング機能が、数分間から数秒間までなど、頻繁に実行されるように設計されたシャープニングシステムを組み込む必要がある。このシャープニング時間は変わることがあり、この間、機械は何も切断せず、従ってその生産性が低下する。
【0005】
これらのコンピュータ数値制御切断機は、上部本体および下部本体によって形成された切断ヘッドを備える。前記の切断ヘッドの上部本体は、ブレードの振動モジュール、アクチュエータ等を収容し、前記の切断ヘッドの下部本体は、回転下部ガイドプレート、シャープニングシステム等を(前記の下部本体の下側部分または上側部分に交換可能に)収容する。
【0006】
ブレードの振動モジュールは、垂直移動システムに取り付けられ、それは、ブレードの高さを変化させることが可能であり、切断中、ブレードは、切断される材料の内側のより低い位置に位置し、ブレードを、切断される材料に押しつける下部ガイドプレートに近づけるようになっている。前記の回転下部ガイドプレートは、切断される材料の厚さに応じて高さが可変である。振動モジュールは、切断ヘッドの上部本体に配置されている。
【0007】
下部本体の機能は、ブレードを振動方向に垂直に案内することであり、また、コンピュータ数値制御システムによって順序付けられたプロファイルの方向にブレードを向けるために必要な、0°から360°までの回転でブレードを伴うおよび案内する。
【0008】
前記の下部本体は、垂直方向にも回転方向にも、ブレードを案内するおよび伴うが、前記の動きは、上部(上部は、ブレードの動きを発生させるモータ、ピストン等であり得るアクチュエータの位置)で発生する。
【0009】
この下部は、ブレードの動きとは独立した垂直方向の動きを持つ圧力回転ガイドプレートで構成されている。ブレードは、この回転ガイドプレートを通過し、切断領域に入る。ここには、アタッチメントやガイドがなく、切断される可撓性素材が位置する。
【0010】
回転ガイドプレートは、圧縮されてもされなくてもよい切断される材料に、より大きいまたはより小さい力で置かれる。回転ガイドプレートは、決定的な要素である。それは、ブレードが、切断される材料に入り込む前に、ブレードを伴って固く保ち、切断ヘッドアセンブリと切断される材料との間の真の分離線を形成する、最後の機械的アセンブリであるからである。
【0011】
シャープニング機能の間、ブレードは材料から出なければならず、シャープニング要素がその切断刃に確実に接触して、シャープニングが行われている間、切断機能を中断することを確実にするように、解放される。前記のシャープニング要素は、例えば、可撓性研磨ベルト、能動的または受動的研削ホイールを、異なる設計および研磨材料で、それらの配置にかかわらず、含む。
【0012】
シャープニング要素は、切断ヘッドの所定の固定位置に配置されることが多く、それにより、ブレードは、ブレードの片側または両側でこのシャープニング位置を見つけるために回転する必要がある。
【0013】
他の場合には、シャープニングシステムは回転式および慣性式システムであり、それにより、ブレードは、それが切断材料から出るときに、双方向回転位置に置かれる。これらの場合、研磨要素は吊り下げられたままであり、下部本体全体は、ブレードと共に回転して、慣性運動を可能にし、前記の研磨要素をブレードと接触させる。
【0014】
所定の固定位置を有するのではなく、ブレードと共に回転する他のシャープニングシステムもある。これにより、ブレードが切断領域から出たときに、この目的のためにそれ自体を位置決めする必要なしに、シャープニングされる。
【0015】
これらの設計では、シャープニングシステムは、上部(能動的シャープニングシステム)または下部回転ガイドプレート(受動的シャープニングシステム)のいずれかで、切断ヘッドの下部本体に配置されている。
【0016】
能動的シャープニングシステムでは、研磨要素は動いており、この動きは、これらの研磨要素に動作を伝達するプーリ、ピストン、電磁石などによって作動する外部機構から生じる。能動的シャープニングは、最高の切断品質を提供する。
【0017】
受動的シャープニング機構を提供する、すなわち、研磨材料を含む要素がいかなる外部の動きにもリンクされない、設計も存在する。それらの動きは、モバイル設計の場合、ブレードとこのシャープニング要素との間の摩擦から生じ、このシャープニング要素は、通常、研削ホイールであり、それは、研削ホイールおよびブレードである両方の要素が接触したときに摩擦回転を可能にする配置である。
【0018】
従って、研磨を行うためには、切断機のベクトル運動を停止すること、切断される材料からブレードを取り出すこと、シャープニング要素を切断要素(ブレード)に接触させること、および研磨要素をブレードに整列させたままにする誘導システム、のいくつかの条件が必要となる。
【0019】
これらの要素は、シャープニング機能が頻繁および主要であるので、切断機の生産性および物理的(映画)寸法を決定する。この寸法および重量は、モータの性能、支持要素の強度、保全費、CО2、荷重、製造コスト、輸送コスト、および設置コストなど、製品ライフサイクル全体にわたる装置の総合的な設計に影響を及ぼす。
【0020】
案内システムに一体化された下部回転ガイドプレートに取り付けられるシャープニングシステムは、より短いブレードを必要とするので、有利である。それは、曲げおよび重量が減少し、より良好な切断およびより安価な交換をもたらし、ブレードが切断される材料から出るとすぐに実用的に研磨され、より速い先鋭化をもたらし、従って、より良好な生産性をもたらす。
【0021】
下部回転ガイドプレートに装着されるシステムには、2つの変形がある。すなわち、ブレードのガイドと一体となって回転する回転システムであって、ブレードが出るときに直接研磨にすることを可能にするシステムと、プレートの外側に位置するシステムであって、固定位置を有し、ブレードのガイドと一体となった方法で回転しないシステムであって、それにより、ブレードが、切断材料を出た後にシャープニング要素に向かって回転することを必要とするシステムである。
【0022】
市場には、回転プレートガイドに取り付けることができ、能動的シャープニングを提供する、すなわち研磨要素が移動しながらである、他のシステムは存在しない。従って、鋭いブレードは、より速い切断、より少ない摩擦、従ってより少ない温度を意味するので、それらは、改良されたシャープニングを提供し、他のものと一線を画すシステムである。要するに、より精密でよりクリーンな切断である。
【0023】
また、プレートの外側に取り付けられた能動的シャープニングシステムは、これらは効率的ではないが、存在しない。ブレードの位置(角度)およびガイドプレートの内側に位置する回転ガイドにかかわらず、ブレードが材料から出ることができず、リアルタイムで出て行く間に研磨されることができないからである。この場合、ブレードは、まず切断材料から出て、次に、シャープニングシステムが向いている固定位置まで角度を回転させる必要がある。
【0024】
現在のシャープニングシステムの別の欠点は、それらの設計にかかわらず、ブレードが摩耗し始めるとき、研磨中のブレードに対する研磨要素の正確な位置に対する制御を有していないことである。これらのシステムは、現在、ブレードへの研磨要素の衝撃を活性化または減衰させる役割を果たすピストン、モータ、およびスプリングを備える機構によって作動されている。
【0025】
要するに、それらは、調整することができるが動的ではないシステムである。それらは、それらの位置を、正確な方法でブレードの摩耗に適応させるのではなく、概算的な方法で行うからである。説明したように、研磨要素は、ブレードに衝突するまで、種々の程度の力で接近する。
【0026】
さらに、現在のシステムは、モジュール式ではなく、そのため、それぞれの場合について研磨要素の種類を変更することが不可能であり、また、あらゆる場合に適合された、前記の研磨要素を支持するための特定の設計を有することも不可能である。各材料は、最良の性能と研磨品質を得るために、研磨要素と適切なプロファイルを必要とすることに、注意することが重要である。これは、切断品質に、また生産性と交換コストにも影響を及ぼす。切断周波数、および従って研削ホイールとブレードの耐久性が、異なるからである。
【0027】
これらの要素は、この種類のコンピュータ数値制御切断装置において基本となる効率と切断精度を決定する。
【0028】
従って、本発明の目的は、現在のシャープニングシステムに対する一体的で簡単な解決策としてのシャープニングシステムを提供することであり、それは、回転領域または外側のいずれかにおいて、または切断ヘッドの下部本体の上部において対称的かつ交換可能に、ガイドプレートに能動的シャープニングシステムを組み込むことを可能にし、ならびに、シャープニングシステムが、用途(研磨ドラム(真空シャープニング)、ディスク(平坦シャープニング)、研磨ベルト、摩擦部材など)に基づく研磨要素のためのモジュール構成を有することを可能にし、動的能動的回転ドラムまたはディスクシステムまたは能動的ディスクまたはドラムシステムなどの2つのシステムを、摩擦部材または研磨要素またはシャープニング要素の任意の組み合わせと、交換可能かつ同時に組み合わせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明のシャープニング装置は、上述の欠点を解決し、以下に説明する他の利点を示す。
【0030】
本発明による可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステムは、少なくとも1つの第1のシャープニング要素を含む第1のシャープニングモジュールと、少なくとも1つの第2のシャープニング要素を含む第2のシャープニングモジュールとを備える。
【0031】
好ましい実施形態によれば、前記の第1のシャープニングモジュールは、ブレードの両側に互いに対向して配置された2つの第1のシャープニング要素を備える。
【0032】
さらに、前記の第1のシャープニングモジュールは、好ましくは、ブレードに潤滑剤の層を塗布する少なくとも1つの潤滑剤塗布装置も備える。一実施形態によれば、前記の第1のモジュールは、ブレードの両側に互いに対向して位置する2つの潤滑剤塗布装置を備える。
【0033】
第1のシャープニングモジュールにおいて、前記の第1のシャープニング要素は、可動であり、前記のブレードに向かっておよび前記のブレードから離れるように移動し、前記のシャープニング要素は、交換可能に、摩擦(受動的)要素または電動(能動的)要素である。
【0034】
他方、好ましい実施形態によれば、前記の第2のシャープニングモジュールは、ブレードの両側に互いに対向して配置された2つの第2のシャープニング要素を備え、有利には、前記の第2のシャープニング要素は、その中心軸の周りで回転する。
【0035】
好ましい実施形態によれば、前記の2つのシャープニングモジュールは、ブレードの切断刃上の摩擦によって作動する第1の受動的シャープニングモジュールと、ガイドプレートの領域付近の位置のために非常に正確である第2の電動能動的シャープニングまたは研削モジュールとに特化する。この好ましい実施形態にもかかわらず、2つの能動的研削モジュールを、ドラム、ベルト、ディスクなどを含む異なる形態で使用することもできる。
【0036】
切断ヘッドの内部には、本発明による可撓性材料を切断するカッターブレードのシャープニングシステムが、ヘッドの下部本体(回転ガイドプレート上)の下部に搭載されている。前記の下部プレートは、ブレードの周囲に取り付けられた外側ディスクおよび内側ディスクを備え、内側ディスクは、前記の外側ディスクに対して移動(回転)可能である。
【0037】
好ましくは、前記の外側ディスクは、前記のシャープニング要素を作動させるために、前記の内側ディスクの導電性トラックで補完された電気接点を備え、さらに、外側ディスクおよび内側ディスクは、相補的な封止凸部及び凹部を備え、前記の電気的要素を環境中の塵埃および汚れから防護する。これらの電気接点は、アクチュエータを有し、アクチュエータは、シャープニングの間、それらが導電性トラックに接触するだけであるように、それらを前方および後方に移動させ、これにより、外側ディスクに対する内側ディスクの回転運動の間、そのような電気要素の摩擦によって生じる摩耗を回避することができる。
【0038】
有利には、内側ディスクは、ブレードに一体化され、これらの電気接点は、少なくとも1つのシャープニング要素のおよび/または少なくとも1つの第2のシャープニング要素のアクチュエータに電力を供給し、ブレードが切断される可撓性材料から離されるときに、前記のアクチュエータが自動的に作動して、第1のシャープニングモジュールおよび/または第2のシャープニングモジュールによって、または交互に、ブレードを研磨するようになっている。
【0039】
あるいは、電力および信号の両方を電気的に送信するために、同じ発明者および所有者によるスペイン特許出願第201830482号に記載されているような無線システムを使用することができる。スペイン特許出願第201830482号に記載された前記のシステムは、前記のトラックおよび導電性接点を交換または補完することができる。
【0040】
本発明によるシャープニングシステムは、現在のシャープニングシステムに対して一体的で簡単な解決策を提供し、能動的シャープニングシステムを、コンピュータ数値制御切断機の回転ガイドプレートに、または、交換可能に、切断ヘッドの下部本体の上部に対称的に、組み込むことを可能にする。
【0041】
また、研磨ドラム(真空シャープニング)、ディスク(平坦シャープニング)、研磨ベルト、摩擦部材などの用途に基づいた研磨要素のためのモジュール構成を有することが可能であり、また、切断される各可撓性材料について必要に応じて、組み合わせてまたは代替的な方法で交換可能に研磨する異なるシャープニングシステムを支持することが可能である。
【0042】
研磨要素がブレードと一体的な方法で移動するディスクに取り付けられると、直接研磨要素は作動および移動が容易である。
【0043】
加えて、本発明によるシャープニングシステムは、非常に少ない要素から構成され、空間を解放し、移動および作動を簡単にし、これにより、より少ない空間で、より少ない部品数で、より複雑な機能を有することが可能になる。
【0044】
本発明によるシステムによれば、これらの研磨要素およびシャープニング要素は、ブレードに向かって制御されたスムーズな方法(位置およびアプローチを制御する)で移動することができる。圧力および位置は、ブレードの使用の異なる工程について、従って、摩耗およびシャープニングの種類に応じて、修正することができるからである。
【0045】
上記のより良い理解を助けるために、図面が添付されており、実際の実施形態は、非限定的例としてのみ、概略的に表されている。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明によるシャープニングシステムの第1の斜視図である。
図2】本発明によるシャープニングシステムの第2の斜視図である。
図3】本発明によるシャープニングシステムの斜視図であり、第2のシャープニングモジュールの第2の実施形態を示す。
図4】内側ディスクと外側ディスクとの間の断面図であり、電気接点、導電性トラック、封止凸部および封止凹部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明によるシャープニングシステムは、織物等などの可撓性材料を切断するための切断機のブレードを研ぐのに使用される。
【0048】
前記の切断機は、可撓性材料を切断するブレード1と、切断時に切断される可撓性材料を圧迫するガイドプレート2とを備える。
【0049】
前記のガイドプレート2は、外側ディスク6と内側ディスク7とで構成され、前記の内側ディスク7は、前記の外側ディスク6に対して可動である。内側ディスク7はブレードと一体であり、ブレードと同時に回転し、一方、外側ディスク6は、静的であり、ガイドプレート2と一体である。
【0050】
本発明によるシャープニングシステムは、ブレード1の刃先で摩擦によって作動する第1の受動的シャープニングモジュールと、高精度のモータ駆動能動的先鋭化または研削を行う第2のシャープニングモジュールとの2つの別々のシャープニングモジュールを備える。
【0051】
第1のシャープニングモジュールは、ブレード1の先端の刃先を削り、ブレード1に摩耗を生じさせることなく、高品質の先鋭化を提供する。それは、ブレード1がガイドプレート2および切断材料から出て行くときに行われるので、ほとんど時間を必要としない。
【0052】
この第1のシャープニングモジュールは、少なくとも1つの第1のシャープニング要素3、ブレード1の両側で互いに対向するものを表す実施形態の場合には、2つの第1のシャープニング要素3を備え、ブレード1の刃先と、ブレード1よりも硬いこの受動的シャープニング要素3との摩擦によって作用する。
【0053】
前記のシャープニング要素3は、ブレード1に近づいたり遠ざかったりすることができる。このように、ブレード1が切削材料に出入りする1回の動きで、シャープニング要素はブレード1の刃先を新たにする。
【0054】
さらに、第1のシャープニングモジュールは、潤滑剤塗布装置4を備えることができ、ブレード1に潤滑剤を塗布し、ブレード1に非常に薄い潤滑剤層を含浸させて、切断を増進する。前記の潤滑剤層は、この場合、切断された材料を汚す可能性があるので、厚すぎてはならない。
【0055】
第1のシャープニング要素3および潤滑剤塗布装置4は、図1および図2に示される第1のアクチュエータ12によって作動される。
【0056】
一方、第2のシャープニングモジュールは、少なくとも1つの第2のシャープニング要素5、図2および図3に示される、用途に適するように第2のシャープニング要素5を交換することを可能にする表された実施例の場合に2つの第2のシャープニング要素5を備え、高速モジュラー能動的先鋭化提供する。さらに、それは、第2のアクチュエータ13で構成される、動的的位置制御を有する第2のシャープニング要素5ごとの別個のアプローチシステムを備える。
【0057】
さらに、この第2のシャープニングモジュールは、第3のアクチュエータ14も備え、その中心軸周りの前記の第2のシャープニング要素5の回転を作動させる。
【0058】
図4に示されるように、内側ディスク7は、外側ディスク6上に電気接点8を補完した円形の導電性トラック9を有し、これにより、好ましくは内側ディスク7上に配置されたアクチュエータ12、13、14またはその他のアクチュエータを電気的に作動させて制御することが可能となり、その結果、異なるアクチュエータが作動し、信号が伝達される。また、内側ディスク7上に配置された他のセンサに電力および信号を伝送することも可能になる。
【0059】
加えて、絶縁を確実にするために、外側ディスク6および内側ディスク7は、図4に示すように、相補的な封止凸部および凹部10、11を備える。
【0060】
第1および/または第2のシャープニングモジュールの操作は、切断機の切断ヘッドが切断を停止したときに、すなわち、ブレード1の円形の回転運動が停止したときに、通常はブレードを研磨する目的で行われるが、必ずしもそうである必要はない。前記の第1および第2のシャープニングモジュールは、内側ディスク7上にあるので、それらは、ブレード1の回転運動に一体であり、それらは、切断領域から出ている間、ブレード1の方向に常に位置決めされるようになっている。
【0061】
従って、ブレード1が切断されている材料から出始めると、内側ディスク7の導電性トラック9は、外側ディスク6の電気接点8に接触し、これにより、アクチュエータ12、13、14が自動的に作動し、不必要な動きや非生産的期間を防止する。
【0062】
本発明の特定の実施形態を参照してきたが、記載されたシャープニングシステムは、多くの変形および修正の対象となり、言及された全ての詳細は、本明細書に添付された「特許請求の範囲」によって定義される保護の範囲から逸脱することなく、他の技術的に同等のものによって置き換えることができることは、当業者には明らかである。
図1
図2
図3
図4