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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/02 20060101AFI20240724BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B25F5/02
B25B21/00 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020041327
(22)【出願日】2020-03-10
(65)【公開番号】P2021142590
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楠本 貴大
(72)【発明者】
【氏名】安部 健司
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-329537(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126964(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0332287(US,A1)
【文献】特開2019-098427(JP,A)
【文献】特表2005-512824(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/02
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステータと前記ステータに対して前後方向に延びる回転軸を中心に回転可能なロータとを有するモータと、
前記ロータの回転により駆動するギヤと、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記モータ収容部の下部に繋がるグリップ部と、
前記モータ収容部の後部の開口を覆うリヤカバーと、
前記ギヤを収容し前記モータ収容部の前部の開口を覆うギヤケースと、
前記リヤカバーの後方から挿入され、前記リヤカバーと前記モータ収容部とを固定する第1ねじと、
前記第1ねじよりも前方に配置され、前記モータ収容部よりも後方から挿入され、前記モータ収容部と前記ギヤケースとを固定する第2ねじと、を備え、
前記回転軸の周方向及び径方向のそれぞれにおいて、前記第1ねじと前記第2ねじとは、異なる位置に配置され、
前記第1ねじと前記第2ねじとは、上下方向において等しい位置に配置される、
電動工具。
【請求項2】
ステータと前記ステータに対して前後方向に延びる回転軸を中心に回転可能なロータとを有するモータと、
前記ロータの回転により駆動するギヤと、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記モータ収容部の下部に繋がるグリップ部と、
前記モータ収容部の後部の開口を覆うリヤカバーと、
前記ギヤを収容し前記モータ収容部の前部の開口を覆うギヤケースと、
前記リヤカバーの後方から挿入され、前記リヤカバーと前記モータ収容部とを固定する第1ねじと、
前記第1ねじよりも前方に配置され、前記モータ収容部よりも後方から挿入され、前記モータ収容部と前記ギヤケースとを固定する第2ねじと、を備え、
前記回転軸の周方向及び径方向のそれぞれにおいて、前記第1ねじと前記第2ねじとは、異なる位置に配置され、
前記リヤカバーは、前記第1ねじの中間部が配置される第1開口を有し、
前記モータ収容部は、前記第1ねじの先端部が挿入される第1ねじ孔を有し、
前記モータ収容部は、前記第2ねじの中間部が配置される第2開口を有し、
前記ギヤケースは、前記第2ねじの先端部が挿入される第2ねじ孔を有する、
電動工具。
【請求項3】
ステータと前記ステータに対して前後方向に延びる回転軸を中心に回転可能なロータとを有するモータと、
前記ロータの回転により駆動するギヤと、
前記モータを収容するモータ収容部と、
前記モータ収容部の下部に繋がるグリップ部と、
前記モータ収容部の後部の開口を覆うリヤカバーと、
前記ギヤを収容し前記モータ収容部の前部の開口を覆うギヤケースと、
前記リヤカバーと前記モータ収容部とを固定し、後方からネジ止めされる第1ねじと、
前記第1ねじよりも前方に配置され、前記モータ収容部と前記ギヤケースとを固定し、後方からネジ止めされる第2ねじと、を備える、
電動工具。
【請求項4】
前記ステータよりも前方に配置されるファンを備える、
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
電動工具に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような電動工具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-155548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電動工具の外装は、複数のパーツを組み立てることにより形成される。外装の構造によっては、複数のパーツを円滑に組み立てることが困難になる可能性がある。また、外装の構造によっては、電動工具が大型化してしまう可能性がある。
【0005】
本開示は、電動工具の外装を円滑に組み立てることができ、電動工具の大型化を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、ステータと前記ステータに対して回転可能なロータとを有するモータと、前記ロータの回転により駆動するギヤと、前記モータを収容するモータ収容部と、前記モータ収容部の下部に繋がるグリップ部と、前記モータ収容部の後部の開口を覆うリヤカバーと、前記ギヤを収容し前記モータ収容部の前部の開口を覆うギヤケースと、前記リヤカバーと前記モータ収容部とを固定する第1ねじと、前記モータ収容部と前記ギヤケースとを固定する第2ねじと、を備え、前記回転軸と直交する面内において、前記第1ねじと前記第2ねじとは、異なる位置に配置される、電動工具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、電動工具の外装を円滑に組み立てることができ、電動工具の大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電動工具を示す前方からの斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る電動工具を示す後方からの斜視図である。
図3図3は、実施形態に係る電動工具を示す側面図である。
図4図4は、実施形態に係る電動工具を示す後面図である。
図5図5は、実施形態に係るカバー部を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る電動工具を示す縦断面図である。
図7図7は、実施形態に係る電動工具を示す前方からの分解斜視図である。
図8図8は、実施形態に係る電動工具を示す後方からの分解斜視図である。
図9図9は、実施形態に係る第1ねじを示す断面図である。
図10図10は、実施形態に係る第2ねじを示す断面図である。
図11図11は、実施形態に係る電動工具の一部を示す後面図である。
図12図12は、実施形態に係る電動工具の一部を拡大した縦断面図である。
図13図13は、実施形態に係る電動工具の一部を拡大した横断面図である。
図14図14は、実施形態に係るモータを示す前方からの斜視図である。
図15図15は、実施形態に係るモータを示す後方からの斜視図である。
図16図16は、実施形態に係るモータを示す前方からの分解斜視図である。
図17図17は、実施形態に係るモータを示す後方からの分解斜視図である。
図18図18は、実施形態に係るモータを示す側面図である。
図19図19は、実施形態に係るステータを模式的に示す図である。
図20図20は、実施形態に係るコイルの結線状態を模式的に示す図である。
図21図21は、実施形態に係る減速機構及び打撃機構を示す前方からの分解斜視図である。
図22図22は、第1変形例に係るモータを示す前方からの斜視図である。
図23図23は、第1変形例に係るモータを示す後方からの斜視図である。
図24図24は、第1変形例に係るモータを示す前方からの分解斜視図である。
図25図25は、第1変形例に係るモータを示す後方からの分解斜視図である。
図26図26は、第1変形例に係るステータを模式的に示す図である。
図27図27は、第1変形例係るコイルの結線状態を模式的に示す図である。
図28図28は、第1変形例に係るモータと後軸受との関係を示す側面図である。
図29図29は、第2変形例に係るモータを示す前方からの斜視図である。
図30図30は、第2変形例に係るモータを示す後方からの斜視図である。
図31図31は、第2変形例に係るモータを示す前方からの分解斜視図である。
図32図32は、第2変形例に係るモータを示す後方からの分解斜視図である。
図33図33は、第2変形例に係るモータと後軸受との関係を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、及び「下」の用語を用いて各部の位置関係について説明する。これらの用語は、電動工具1の中心を基準とした相対位置又は方向を示す。左右方向と前後方向と上下方向とは直交する。
【0011】
電動工具1は、モータ6を備える。実施形態において、モータ6の回転軸AXと平行な方向を適宜、軸方向、と称し、回転軸AXの周囲を周回する方向を適宜、周方向又は回転方向、と称し、回転軸AXの放射方向を適宜、径方向、と称する。
【0012】
実施形態において、回転軸AXは、前後方向に延伸する。軸方向と前後方向とは一致する。軸方向一方側は、前方であり、軸方向他方側は、後方である。
【0013】
また、径方向において、回転軸AXに近い位置又は接近する方向を適宜、径方向内側、と称し、回転軸AXから遠い位置又は離隔する方向を適宜、径方向外側、と称する。
【0014】
[電動工具の概要]
図1は、実施形態に係る電動工具1を示す前方からの斜視図である。図2は、実施形態に係る電動工具1を示す後方からの斜視図である。図3は、実施形態に係る電動工具1を示す側面図である。図4は、実施形態に係る電動工具1を示す後面図である。図5は、実施形態に係るカバー部200,300,400を示す図である。図6は、実施形態に係る電動工具1を示す縦断面図である。実施形態において、電動工具1は、インパクト工具の一種であるインパクトレンチである。
【0015】
図1図2図3図4図5、及び図6に示すように、電動工具1は、ハウジング2と、リヤカバー3と、ギヤケース4と、バッテリ装着部5と、モータ6と、減速機構7と、スピンドル8と、打撃機構9と、アンビル10と、ファン12と、コントローラ13と、トリガスイッチ14と、正逆切換レバー15と、操作パネル16と、ライト18とを備える。
【0016】
ハウジング2は、合成樹脂製である。ハウジング2を形成する合成樹脂として、ナイロン樹脂が例示される。ハウジング2は、左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとを組み立てることにより形成される。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、一対の半割れハウジングを構成する。右ハウジング2Rは、左ハウジング2Lの右方に配置される。左ハウジング2Lと右ハウジング2Rとは、複数のねじ11により固定される。ねじ11の中心軸は、左右方向に延伸する。
【0017】
ハウジング2の表面の少なくとも一部は、カバー部200で覆われる。カバー部200は、ハウジング2よりも軟らかい弾性体により形成されている。カバー部200を形成する弾性体として、熱可塑性エラストマーが例示される。カバー部200は、ハウジング2と一体成形されている。
【0018】
ハウジング2は、モータ収容部21と、モータ収容部21の下部に繋がるグリップ部22と、グリップ部22の下方に配置されるコントローラ収容部23とを有する。
【0019】
モータ収容部21は、モータ6を収容する。モータ収容部21は、筒状である。モータ収容部21の前部は、ギヤケース4の少なくとも一部を覆うように配置される。
【0020】
グリップ部22は、作業者に握られる。グリップ部22は、モータ収容部21から下方に突出する。
【0021】
コントローラ収容部23は、コントローラ13を収容する。コントローラ収容部23は、グリップ部22の下端部に接続される。前後方向及び左右方向のそれぞれにおいて、コントローラ収容部23の外形の寸法は、グリップ部22の外形の寸法よりも大きい。
【0022】
図2及び図5に示すように、カバー部200は、モータ収容部21を覆う部分において、側方に突出する第1凸部201と第2凸部202とを有する。第1凸部201は、第2凸部202の前方に配置される。また、カバー部200は、コントローラ収容部23を覆う部分において、側方に突出する第3凸部203を有する。電動工具1をテーブルの上面のような設置面に横置きする場合、第1凸部201、第2凸部202、及び第3凸部203のそれぞれが設置面に接触する。第1凸部201、第2凸部202、及び第3凸部203が熱可塑性エラストマーにより形成されている場合、電動工具1が設置面に対して滑ることが抑制される。また、第1凸部201、第2凸部202、及び第3凸部203により、ハウジング2及びギヤケース4と設置面との接触が抑制される。これにより、ハウジング2及びギヤケース4の損傷が抑制される。
【0023】
リヤカバー3は、モータ収容部21の後部に接続される。リヤカバー3は、モータ収容部21の後部の開口を覆うように配置される。リヤカバー3は、合成樹脂製である。リヤカバー3は、第1ねじ110により、モータ収容部21に固定される。第1ねじ110の中心軸CX1は、前後方向に延伸する。
【0024】
リヤカバー3の表面の少なくとも一部は、カバー部300で覆われる。カバー部300は、リヤカバー3よりも軟らかい弾性体により形成されている。カバー部300を形成する弾性体として、熱可塑性エラストマーが例示される。カバー部300は、リヤカバー3と一体成形されている。
【0025】
モータ収容部21は、吸気口19及び排気口20を有する。吸気口19は、排気口20よりも後方に設けられる。ハウジング2の外部空間の空気は、吸気口19からハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、モータ6の少なくとも一部に接触することにより、モータ6を冷却する。モータ6の少なくとも一部に接触した空気は、排気口20からハウジング2の外部空間に流出する。
【0026】
ギヤケース4は、ギヤを含む減速機構7、スピンドル8、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。ギヤケース4は、金属製である。ギヤケース4を形成する金属として、アルミニウムが例示される。ギヤケース4は、モータ収容部21の前部に接続される。ギヤケース4の後部は、モータ収容部21の内側に配置される。ギヤケース4は、モータ収容部21の前部の開口を覆うように配置される。ギヤケース4の少なくとも一部は、モータ収容部21で覆われる。ギヤケース4の少なくとも一部は、モータ収容部21よりも前方に配置される。ギヤケース4は、第2ねじ120により、モータ収容部21に固定される。第2ねじ120の中心軸CX2は、前後方向に延伸する。
【0027】
ギヤケース4は、軸受保持部41とハンマケース部42とを組み立てることにより形成される。ハンマケース部42の表面の少なくとも一部は、カバー部400で覆われる。カバー部400は、ギヤケース4よりも軟らかい弾性体により形成されている。カバー部400を形成する弾性体として、ゴムが例示される。カバー部400は、ギヤケース4とは別に成形された後、ギヤケース4に固定される。
【0028】
軸受保持部41の少なくとも一部は、モータ収容部21よりも前方に配置される。軸受保持部41は、モータ収容部21の前部に接続される。軸受保持部41は、環状である。軸受保持部41は、減速機構7、及びスピンドル8の少なくとも一部を収容する。
【0029】
ハンマケース部42の少なくとも一部は、軸受保持部41よりも前方に配置される。ハンマケース部42は、軸受保持部41の前部に接続される。ハンマケース部42は、筒状である。ハンマケース部42の前部の内径は、ハンマケース部42の後部の内径よりも小さい。ハンマケース部42は、スピンドル8の少なくとも一部、打撃機構9、及びアンビル10の少なくとも一部を収容する。
【0030】
ハウジング2、リヤカバー3、及びギヤケース4は、電動工具1の外装を構成するパーツである。電動工具1の外装は、ハウジング2とリヤカバー3とギヤケース4とを組み立てることにより形成される。リヤカバー3とハウジング2のモータ収容部21とは、第1ねじ110により固定される。ハウジング2のモータ収容部21とギヤケース4とは、第2ねじ120により固定される。
【0031】
バッテリ装着部5は、コントローラ収容部23の下部に設けられる。バッテリパック17は、バッテリ装着部5に装着される。バッテリパック17は、バッテリ装着部5に着脱可能である。バッテリパック17は、二次電池を含む。実施形態において、バッテリパック17は、充電式のリチウムイオン電池を含む。バッテリ装着部5に装着されることにより、バッテリパック17は、電動工具1に電力を供給可能である。モータ6は、バッテリパック17から供給される電力に基づいて駆動する。コントローラ13は、バッテリパック17から供給される電力に基づいて作動する。
【0032】
モータ6は、電動工具1の動力源である。モータ6は、インナロータ型のブラシレスモータである。モータ6は、回転軸AXを中心に回転するロータ61と、ロータ61の周囲に配置されるステータ62とを有する。ロータ61は、ステータ62に対して回転可能である。
【0033】
ロータ61は、前後方向に延伸するロータシャフト611と、ロータシャフト611の周囲に配置されるロータコア612とを有する。ロータシャフト611とロータコア612とは固定される。
【0034】
ステータ62は、ステータコア621と、ステータコア621の前部に設けられる前インシュレータ622と、ステータコア621の後部に設けられる後インシュレータ623と、前インシュレータ622及び後インシュレータ623を介してステータコア621に装着される複数のコイル624とを有する。なお、前インシュレータ622と後インシュレータ623とは、一体でもよい。
【0035】
ロータシャフト611は、前軸受31及び後軸受32のそれぞれに回転可能に支持される。前軸受31は、ロータシャフト611の前部を回転可能に支持する。後軸受32は、ロータシャフト611の後部を回転可能に支持する。前軸受31は、軸受保持部41に保持される。後軸受32は、リヤカバー3に保持される。ロータシャフト611の前端部は、軸受保持部41の開口を介して、ハンマケース部42の内部空間に配置される。
【0036】
ロータシャフト611の前端部にピニオンギヤ70が設けられる。ロータシャフト611は、ピニオンギヤ70を介して、減速機構7に連結される。
【0037】
減速機構7は、ロータシャフト611の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。減速機構7は、モータ6よりも前方に配置される。減速機構7は、複数のギヤを有する遊星歯車機構を含む。減速機構7は、ロータシャフト611とスピンドル8とを連結する。減速機構7は、モータ6が発生した回転力をスピンドル8に伝達する。減速機構7のギヤは、ロータ61の回転により駆動する。
【0038】
スピンドル8は、減速機構7を介してモータ6から伝達された回転力により回転する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、モータ6よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7よりも前方に配置される。スピンドル8は、後軸受83に回転可能に支持される。後軸受83は、軸受保持部41に保持される。後軸受83は、スピンドル8の後端部を支持する。スピンドル8は、フランジ部81と、フランジ部81から前方に突出するロッド部82とを有する。ロッド部82は、前後方向に延伸する。
【0039】
打撃機構9は、スピンドル8の回転に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、スピンドル8に前後方向及び回転方向のそれぞれに移動可能に支持されるハンマ91と、スピンドル8とハンマ91との間に配置されるボール92と、ハンマ91を前方に付勢するばね93とを有する。
【0040】
ハンマ91は、減速機構7よりも前方に配置される。ハンマ91は、回転軸AXを中心に回転する。ハンマ91は、スピンドル8と一緒に回転可能である。ハンマ91は、スピンドル8に対して前後方向及び回転方向のそれぞれに相対移動可能である。
【0041】
アンビル10は、先端工具が装着された状態で回転する。実施形態において、先端工具は、ナット又はボルトの頭部を保持可能なソケットである。アンビル10は、モータ6から伝達された回転力により、回転軸AXを中心に回転する。アンビル10は、ハンマ91により回転方向に打撃される。
【0042】
アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ91よりも前方に配置される。アンビル10は、スピンドル8と一緒に回転可能であり、スピンドル8と相対回転可能である。アンビル10は、ハンマ91と一緒に回転可能であり、ハンマ91と相対回転可能である。アンビル10は、前軸受50に回転可能に支持される。前軸受50は、ギヤケース4に保持される。
【0043】
アンビル10は、ロッド状のアンビルボディ101と、アンビルボディ101の後部に設けられるアンビル突起部102とを有する。アンビル突起部102は、アンビルボディ101の後部から径方向外側に突出する。先端工具は、アンビルボディ101の前端部に装着される。
【0044】
アンビル10は、スピンドル8の前端部が配置される孔103を有する。孔103は、アンビル10の後端部に設けられる。スピンドル8の前端部は、孔103に配置される。スピンドル8の前端部が孔103に配置されることにより、スピンドル8がアンビル10の軸受と機能し、アンビル10がスピンドル8の軸受として機能することができる。
【0045】
ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、モータ6のステータ62よりも前方に配置される。ファン12は、ステータ62よりも前方のロータシャフト611の一部に固定される。ファン12は、ロータコア612と前軸受31との間に配置される。ファン12は、ロータ61の回転により回転する。ロータシャフト611が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト611と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流れることにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流れた空気は、排気口20を介して、ハウジング2の外部空間に流出する。
【0046】
コントローラ13は、モータ6を制御する制御信号を出力する。コントローラ13は、作業者による操作パネル16の操作に基づいて、モータ6の制御モードを切り換える。モータ6の制御モードとは、モータ6の制御方法又は制御パターンをいう。コントローラ13は、複数の電子部品が実装された基板を含む。基板に実装される電子部品として、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)又はストレージのような不揮発性メモリ、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、及び抵抗が例示される。電界効果トランジスタとして、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、及び絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)が例示される。電界効果トランジスタは、例えば6個設けられる。
【0047】
コントローラ13は、コントローラ収容部23に収容される。コントローラ13の少なくとも一部は、コントローラ収容部23の内部空間において、コントローラケース130に配置される。
【0048】
トリガスイッチ14は、モータ6を駆動するために作業者に操作される。モータ6の駆動とは、ステータ62のコイル624が通電されてロータ61が回転することをいう。トリガスイッチ14は、グリップ部22の上部に設けられる。トリガスイッチ14は、トリガ部材141と、スイッチ本体142とを含む。スイッチ本体142は、グリップ部22の内部空間に配置される。トリガ部材141は、グリップ部22の前部の上部から前方に突出する。トリガ部材141は、後方に移動するように作業者に操作される。トリガ部材141が後方に移動するように操作されることにより、モータ6が駆動する。トリガ部材141の操作が解除されることにより、モータ6の駆動が停止する。
【0049】
正逆切換レバー15は、モータ6の回転方向を切り換えるために作業者に操作される。正逆切換レバー15は、モータ収容部21の下端部とグリップ部22の上端部との境界に設けられる。正逆切換レバー15は、左方又は右方に移動するように作業者に操作される。正逆切換レバー15が操作されることにより、モータ6の回転方向が正転方向と逆転方向とに切り換えられる。モータ6の回転方向が切り換えられることにより、アンビル10の回転方向が切り換えられる。
【0050】
操作パネル16は、モータ6の制御モードを切り換えるために作業者に操作される。操作パネル16は、コントローラ収容部23に設けられる。操作パネル16は、合成樹脂製である。操作パネル16は、板状である。コントローラ収容部23は、操作パネル16が配置される開口231を有する。開口231は、グリップ部22よりも前方において、コントローラ収容部23の上面に設けられる。操作パネル16の少なくとも一部は、開口231に配置される。操作パネル16に複数の操作ボタン160が配置される。作業者により操作ボタン160が操作されることにより、コントローラ13の複数の操作スイッチが操作され、モータ6の制御モードが切り換えられる。
【0051】
ライト18は、電動工具1の前方を照明する照明光を射出する。ライト18は、トリガ部材141の上方且つギヤケース4の下方に配置される。ライト18は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を含む。
【0052】
[リヤカバーとモータ収容部とギヤケースとの関係]
図7は、実施形態に係る電動工具1を示す前方からの分解斜視図である。図8は、実施形態に係る電動工具1を示す後方からの分解斜視図である。図9は、実施形態に係る第1ねじ110を示す断面図である。図10は、実施形態に係る第2ねじ120を示す断面図である。図11は、実施形態に係る電動工具1の一部を示す後面図である。
【0053】
リヤカバー3は、円板状のベースプレート部313と、ベースプレート部313の中央部から前方に突出する後側支持部311と、ベースプレート部313の周縁部から前方に突出する周壁部312とを有する。後側支持部311は、筒状である。後側支持部311は、後軸受32の周囲に配置され後軸受32を支持する。周壁部312は、筒状である。周壁部312は、径方向外側に向かって前方に傾斜する。周壁部312は、モータ収容部21の後端部に接触する。
【0054】
電動工具1は、リヤカバー3とモータ収容部21とを固定する第1ねじ110と、モータ収容部21とギヤケース4とを固定する第2ねじ120とを備える。第2ねじ120は、第1ねじ110よりも長い。
【0055】
第1ねじ110は、回転軸AXの周囲に複数配置される。第2ねじ120は、回転軸AXの周囲に複数配置される。実施形態において、第1ねじ110は、回転軸AXの周囲に4本配置される。第2ねじ120は、回転軸AXの周囲に4本配置される。
【0056】
回転軸AXと平行な軸方向において、第1ねじ110と第2ねじ120とは、異なる位置に配置される。第2ねじ120は、第1ねじ110よりも前方に配置される。
【0057】
回転軸AXと直交する面内において、第1ねじ110と第2ねじ120とは、異なる位置に配置される。第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXの周方向及び径方向のそれぞれにおいて、異なる位置に配置される。
【0058】
第1ねじ110は、頭部110Aと、ねじ山が設けられたねじ部110Bとを有する。第2ねじ120は、頭部120Aと、ねじ山が設けられたねじ部120Bとを有する。
【0059】
リヤカバー3は、第1ねじ110の中間部が配置される第1開口111を有する。カバー部300は、第1開口111に重なる開口113を有する。モータ収容部21は、第1ねじ110の前端部が挿入される第1ねじ孔112を有する。第1ねじ110の中間部は、第1ねじ110の中心軸CX1と平行な方向におけるねじ部110Bの中間部である。第1ねじ110の前端部は、第1ねじ110の中心軸CX1と平行な方向におけるねじ部110Bの前端部である。
【0060】
第1開口111は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、第1開口111は、リヤカバー3の周壁部312に4つ設けられる。第1開口111は、リヤカバー3の周壁部312の後面と前面とを結ぶ貫通孔である。開口113は、第1開口111に一致するように、カバー部300の周縁部に形成される。開口113は、カバー部300の後面と前面とを結ぶ貫通孔である。
【0061】
第1ねじ孔112は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、第1ねじ孔112は、モータ収容部21の後面の周縁部に4つ設けられる。第1ねじ孔112の内面に、ねじ部110Bのねじ山と結合されるねじ溝が形成される。第1ねじ110と第1ねじ孔112とは結合可能である。
【0062】
モータ収容部21は、第2ねじ120の中間部が配置される第2開口121を有する。ギヤケース4は、第2ねじ120の前端部が挿入される第2ねじ孔122を有する。第2ねじ120の中間部は、第2ねじ120の中心軸CX2と平行な方向におけるねじ部120Bの中間部である。第2ねじ120の前端部は、第2ねじ120の中心軸CX2と平行な方向におけるねじ部120Bの前端部である。
【0063】
モータ収容部21は、筒状のボディ部210(第1ボディ部)と、ボディ部210の外面から回転軸AXの径方向外側に突出するねじボス部211(第1ねじボス部)と、ボディ部210の外面から回転軸AXの径方向外側に突出する突出部212とを有する。ねじボス部211は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて複数設けられる。実施形態において、ねじボス部211は、ボディ部210の前部の周縁部に4つ設けられる。第2開口121は、4つのねじボス部211のそれぞれに設けられる。第2開口121は、ねじボス部211の後面と前面とを結ぶ貫通孔である。突出部212は、ねじボス部211よりも後方に配置される。突出部212は、ボディ部210の後部の周縁部に設けられる。第1ねじ孔112は、突出部212に設けられる。
【0064】
ギヤケース4は、筒状のボディ部410(第2ボディ部)と、ボディ部410の外面から回転軸AXの径方向外側に突出するねじボス部401(第2ねじボス部)とを有する。ねじボス部401は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて複数設けられる。ねじボス部401は、ボディ部410の後部の周縁部に4つ設けられる。実施形態において、ねじボス部401は、軸受保持部41に設けられたねじボス部4011と、ハンマケース部42の後部に設けられたねじボス部4012とを含む。第2ねじ孔122は、4つのねじボス部401のそれぞれに設けられる。第2ねじ孔122の内面に、ねじ部120Bのねじ山と結合されるねじ溝が形成される。第2ねじ120と第2ねじ孔122とは結合可能である。
【0065】
リヤカバー3の外面に、回転軸AXの径方向内側に凹む第1凹部34が設けられる。第1凹部34は、回転軸AXの軸方向に延伸する溝である。第1凹部34は、リヤカバー3の後端部と前端部とを繋ぐように形成される。第1凹部34は、回転軸AXの周方向に複数設けられる。実施形態において、第1凹部34は、リヤカバー3の周壁部312に4つ設けられる。第2ねじ120は、第1凹部34の内側を前後方向に移動可能である。すなわち、第2ねじ120は、第1凹部34の表面(凹面)に対向した状態で前後方向に移動可能である。
【0066】
モータ収容部21のボディ部210の外面に、回転軸AXの径方向内側に凹む第2凹部214が設けられる。第2凹部214は、回転軸AXの軸方向に延伸する溝である。第2開口121が設けられたねじボス部211は、第2凹部214の前方に配置される。第2凹部214は、ボディ部210の後端部とねじボス部211とを繋ぐように形成される。第2凹部214は、回転軸AXの周方向に複数設けられる。実施形態において、第2凹部214は、ボディ部210の周縁部に4つ設けられる。第2ねじ120は、第2凹部214の内側を前後方向に移動可能である。
【0067】
回転軸AXと直交する面内において、第1凹部34と第2凹部214と第2開口121とは一致する。すなわち、回転軸AXと直交する面内において、第1凹部34と第2凹部214と第2開口121とは重複する。第1凹部34の前端部と第2凹部214の後端部とは繋がる。第2凹部214の前端部と第2開口121とは繋がる。
【0068】
リヤカバー3とモータ収容部21とを第1ねじ110で固定する場合、第1ねじ110のねじ部110Bがリヤカバー3の後方から開口113を介して第1開口111に挿入される。ねじ部110Bの中間部が第1開口111に配置された状態で、ねじ部110Bの前端部が第1ねじ孔112に挿入される。ねじ部110Bの前端部が第1ねじ孔112に挿入された状態で、例えばスクリュードライバにより第1ねじ110が回転されることにより、第1ねじ110のねじ部110Bと第1ねじ孔112と結合される。頭部110Aとモータ収容部21との間にリヤカバー3が配置された状態で、第1ねじ110のねじ部110Bと第1ねじ孔112とが結合されることにより、リヤカバー3とモータ収容部21とが固定される。
【0069】
モータ収容部21とギヤケース4とを第2ねじ120で固定する場合、第2ねじ120のねじ部120Bがねじボス部211の後方から第2開口121に挿入される。ねじ部120Bの中間部が第2開口121に配置された状態で、ねじ部120Bの前端部が第2ねじ孔122に挿入される。ねじ部120Bの前端部が第2ねじ孔122に挿入された状態で、例えばスクリュードライバにより第2ねじ120が回転されることにより、第2ねじ120のねじ部120Bと第2ねじ孔122と結合される。頭部120Aとねじボス部401との間にねじボス部211が配置された状態で、第2ねじ120のねじ部120Bと第2ねじ孔122とが結合されることにより、モータ収容部21とギヤケース4とが固定される。
【0070】
実施形態においては、モータ収容部21の後部の開口が、モータ収容部21とは別の部材であるリヤカバー3により覆われる。リヤカバー3とモータ収容部21とを固定する第1ねじ110は、前後方向に延伸する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0071】
例えばリヤカバーがなく、ハウジングが一対の半割れハウジングで構成される場合、半割れハウジングの後部を固定するために、左右方向に延伸するねじを使用する必要がある。その場合、半割れハウジングの後部にねじボス部を設ける必要がある。その結果、電動工具の前後方向の寸法が大きくなる可能性がある。
【0072】
実施形態においては、リヤカバー3とモータ収容部21とが前後方向に延伸する第1ねじ110で固定される。そのため、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0073】
また、実施形態において、ファン12は、ステータ62よりも前方に配置される。すなわち、ファン12は、リヤカバー3とモータ収容部21との間に配置されない。そのため、リヤカバー3の形状又は寸法についての制約が緩和される。そのため、例えばリヤカバー3の前後方向の寸法を小さくすることができる。したがって、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0074】
回転軸AXと直交する面内において、第1ねじ110と第2ねじ120とは、異なる位置に配置される。すなわち、回転軸AXと直交する面内において、第1開口111及び第1ねじ孔112と、第2開口121及び第2ねじ孔122とは、異なる位置に配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業は円滑に実施される。また、第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXの周方向及び径方向のそれぞれにおいて、異なる位置に配置されるので、電動工具1の大型化が抑制される。
【0075】
実施形態において、第1ねじ110は、リヤカバー3の後方から第1開口111及び第1ねじ孔112に挿入される。第2ねじ120は、モータ収容部21の後方から第2開口121及び第2ねじ孔122に挿入される。これにより、スクリュードライバの向きを変えなくても、第1ねじ110を第1ねじ孔112に結合する作業、及び第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0076】
また、モータ収容部21とギヤケース4とが第2ねじ120で固定され、第2ねじ120のねじ部120Bは、ギヤケース4に結合されるので、電動工具1を用いる作業においてギヤケース4に大きなトルクが作用しても、第2ねじ120でトルクを受け止めることができる。
【0077】
回転軸AXと直交する面内において、第1凹部34と第2凹部214と第2開口121とは一致する。これにより、スクリュードライバを用いて第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を実施する場合、スクリュードライバのシャフトを第1凹部34の内側及び第2凹部214の内側に配置した状態で、第2ねじ120を回転させることができる。したがって、第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0078】
第1ねじ110は、回転軸AXの周囲に複数配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。実施形態において、リヤカバー3とモータ収容部21とは、4本の第1ねじ110により固定される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で強固に固定される。
【0079】
第2ねじ120は、回転軸AXの周囲に複数配置される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。実施形態において、モータ収容部21とギヤケース4とは、4本の第2ねじ120により固定される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で強固に固定される。
【0080】
4本の第1ねじ110は、平行に配置される。4本の第2ねじ120は、平行に配置される。実施形態において、第1ねじ110と第2ねじ120とは、平行に配置される。第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXと平行に配置される。4本の第1ねじ110が平行であるとは、4本の第1ねじ110の中心軸CX1が平行であることをいう。4本の第2ねじ120が平行であるとは、4本の第2ねじ120の中心軸CX2が平行であることをいう。第1ねじ110と第2ねじ120とが平行であるとは、中心軸CX1と中心軸CX2とが平行であることをいう。第1ねじ110と第2ねじ120と回転軸AXとが平行であるとは、中心軸CX1と中心軸CX2と回転軸AXとが平行であることをいう。
【0081】
図11に示すように、回転軸AXの径方向において、複数の第1ねじ110のそれぞれと回転軸AXとの距離R1は、等しい。距離R1は、回転軸AXの径方向における回転軸AXと中心軸CX1との距離である。すなわち、4本の第1ねじ110は、回転軸AXを中心とする1つの仮想円上に配置される。
【0082】
回転軸AXの径方向において、複数の第2ねじ120のそれぞれと回転軸AXとの距離R2は、等しい。距離R2は、回転軸AXの径方向における回転軸AXと中心軸CX2との距離である。すなわち、4本の第2ねじ120は、回転軸AXを中心とする1つの仮想円上に配置される。
【0083】
回転軸AXの径方向において、第2ねじ120と回転軸AXとの距離R2は、第1ねじ110と回転軸AXとの距離R1よりも長い。
【0084】
モータ収容部21は、回転軸AXに対して左方に配置される左側部21Lと、右方に配置される右側部21Rとを有する。左側部21Lは、モータ収容部21の左側面である。右側部21Rは、モータ収容部21の右側面である。回転軸AXの周方向において、第1ねじ110は、左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置される。回転軸AXの周方向において、第2ねじ120は、左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置される。すなわち、第1ねじ110は、モータ収容部21の側面(左側面及び右側面)よりも上方又は下方に配置される。第2ねじ120は、モータ収容部21の側面(左側面及び右側面)よりも上方又は下方に配置される、実施形態において、第1ねじ110は、モータ収容部21の側面よりも上方及び下方のそれぞれに配置される。第2ねじ120は、モータ収容部21の側面よりも上方及び下方のそれぞれに配置される、
【0085】
実施形態において、モータ収容部21の側面とは、グリップ部22がモータ収容部21から下方に突出するように、電動工具1を水平面と平行な設置面に設置した状態において、回転軸AXを含む水平面とモータ収容部21の表面との交差部を基準としたとき、回転軸AXの周方向において上方に規定角度だけ移動した位置と下方に規定角度だけ移動した位置との間の範囲をいう。規定角度は、例えば20°以上60°以下である。実施形態において、側面は、第1凸部201と第2凸部202と第3凸部203との内側の領域を含む。
【0086】
図11に示すように、4本の第1ねじ110のうち、2本の第1ねじ1101が回転軸AXよりも上方に配置される。4本の第1ねじ110のうち、2本の第1ねじ1102が回転軸AXよりも下方に配置される。
【0087】
2本の第1ねじ1101は、回転軸AXよりも上方において、左右方向に配置される。2本の第1ねじ1102は、回転軸AXよりも下方において、左右方向に配置される。実施形態において、回転軸AXよりも上方に配置された2本の第1ねじ1101は、上下方向において等しい位置に配置される。回転軸AXよりも下方に配置された2本の第1ねじ1102は、上下方向において等しい位置に配置される。
【0088】
ハウジング2の左右方向の中心線Mが規定される。2本の第1ねじ1101のうち左側に配置された第1ねじ1101と中心線Mとの距離DL1と、右側に配置された第1ねじ1101と中心線Mとの距離DR1とは、等しい。2本の第1ねじ1102のうち左側に配置された第1ねじ1102と中心線Mとの距離DL2と、右側に配置された第1ねじ1102と中心線Mとの距離DR2とは、等しい。距離DL1及び距離DR1は、距離DL2及び距離DR2よりも大きい。
【0089】
図11に示すように、4本の第2ねじ120のうち、2本の第2ねじ1201が回転軸AXよりも上方に配置される。4本の第2ねじ120のうち、2本の第2ねじ1202が回転軸AXよりも下方に配置される。
【0090】
2本の第2ねじ1201は、回転軸AXよりも上方において、左右方向に配置される。2本の第2ねじ1202は、回転軸AXよりも下方において、左右方向に配置される。実施形態において、回転軸AXよりも上方に配置された2本の第2ねじ1201は、上下方向において等しい位置に配置される。回転軸AXよりも下方に配置された2本の第2ねじ1202は、上下方向において等しい位置に配置される。
【0091】
2本の第2ねじ1201のうち左側に配置された第2ねじ1201と中心線Mとの距離DL3と、右側に配置された第2ねじ1201と中心線Mとの距離DR3とは、等しい。2本の第2ねじ1202のうち左側に配置された第2ねじ1202と中心線Mとの距離DL4と、右側に配置された第2ねじ1202と中心線Mとの距離DR4とは、等しい。距離DL3及び距離DR3と、距離DL4及び距離DR4とは、等しい。
【0092】
実施形態において、回転軸AXよりも上方に配置された第1ねじ1101と第2ねじ1201とは、上下方向において等しい位置に配置される。回転軸AXよりも下方に配置された第1ねじ1102と第2ねじ1202とは、上下方向において等しい位置に配置される。
【0093】
第1ねじ110及び第2ねじ120のそれぞれは、モータ収容部21の上端部21Tよりも下方に配置される。
【0094】
4本の第1ねじ110は、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、4本の第1ねじ110のそれぞれを第1ねじ孔112に結合する作業を円滑に実施することができる。4本の第2ねじ120は、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、4本の第2ねじ120のそれぞれを第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0095】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業を円滑に実施することができる。
【0096】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXと平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業を円滑に実施することができる。
【0097】
実施形態において、第1ねじ110は、モータ収容部21の左側部21L(左側面)及び右側部21R(右側面)には配置されない。これにより、リヤカバー3及びモータ収容部21の左右方向の大型化が抑制される。第2ねじ120は、モータ収容部21の左側部21L及び右側部21Rには配置されない。これにより、モータ収容部21及びギヤケース4の左右方向の大型化が抑制される。また、第1ねじ110及び第2ねじ120がモータ収容部21の左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置されるので、モータ収容部21の左側部21Lの表面及び右側部21Rの表面にロゴタイプ又はラベルを適正に配置することができる。
【0098】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、上下方向において実質的に等しい位置に配置される。これにより、第1ねじ110を第1ねじ孔112に結合する作業、及び第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。なお、第1ねじ110と第2ねじ120とは、上下方向において異なる位置に配置されてもよい。
【0099】
第1ねじ110及び第2ねじ120のそれぞれは、モータ収容部21の上端部21Tよりも下方に配置される。これにより、リヤカバー3、モータ収容部21、及びギヤケース4の上下方向の大型化が抑制される。また、ねじボス部211及びねじボス部401がモータ収容部21の上端部21Tから上方に突出しないので、作業者は、電動工具1を用いる作業を円滑に実施することができる。
【0100】
回転軸AXの径方向において、複数の第1ねじ110のそれぞれと回転軸AXとの距離R1は、等しい。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0101】
回転軸AXの径方向において、複数の第2ねじ120のそれぞれと回転軸AXとの距離R2は、等しい。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0102】
回転軸AXの径方向において、第2ねじ120と回転軸AXとの距離R2は、第1ねじ110と回転軸AXとの距離R1よりも長い。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業は円滑に実施される。リヤカバー3とギヤケース4とを比べると、ギヤケース4により大きい反力が作用する。このため、距離R2を距離R1よりも長くしている。第2ねじ120は、回転軸AXから距離R2の位置に配置されているので、ギヤケース4に作用する反力をより強固に受けることができる。
【0103】
2本の第1ねじ1101が回転軸AXよりも上方に配置され、2本の第1ねじ1102が回転軸AXよりも下方に配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0104】
2本の第2ねじ1201が回転軸AXよりも上方に配置され、2本の第2ねじ1202が回転軸AXよりも下方に配置される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0105】
距離DL1及び距離DR1と、距離DL2及び距離DR2とは、異なる。したがって、例えばリヤカバー3が上下逆さまでモータ収容部21に装着されることが抑制される。
【0106】
距離DL2及び距離DR2は、距離DL1及び距離DR1よりも小さい。したがって、作業者がグリップ部22の上部を握ったときに違和感を覚えることが抑制される。
【0107】
[モータ]
図12は、実施形態に係る電動工具1の一部を拡大した縦断面図である。図13は、実施形態に係る電動工具1の一部を拡大した横断面図である。図14は、実施形態に係るモータ6を示す前方からの斜視図である。図15は、実施形態に係るモータ6を示す後方からの斜視図である。図16は、実施形態に係るモータ6を示す前方からの分解斜視図である。図17は、実施形態に係るモータ6を示す後方からの分解斜視図である。図18は、実施形態に係るモータ6を示す側面図である。図19は、実施形態に係るステータ62を模式的に示す図である。図20は、実施形態に係るコイル624の結線状態を模式的に示す図である。図19において、円の内側に黒丸が配置されている記号は、コイル624を形成するワイヤが後方に向かって巻かれていることを示す。円の内側に十字が配置されている記号は、コイル624を形成するワイヤが前方に向かって巻かれていることを示す。
【0108】
モータ6は、回転軸AXを中心に回転するロータ61と、ロータ61の周囲に配置されるステータ62とを有する。
【0109】
ロータ61は、前後方向に延伸するロータシャフト611と、ロータシャフト611の周囲に配置されるロータコア612と、ロータコア612に固定されるロータ磁石613とを有する。
【0110】
ロータコア612は、ロータシャフト611に固定される。ロータコア612は、円筒状である。ロータコア612は、積層された複数の鋼板を含む。なお、ロータシャフト611とロータコア612とは単一部材でもよい。ロータ磁石613は、永久磁石である。ロータ磁石613は、回転軸AXの周囲に4つ配置される。ロータ磁石613は、第1極性の第1永久磁石と、第2極性の第2永久磁石とを含む。第1永久磁石と第2永久磁石とが周方向に交互に配置される。
【0111】
ロータシャフト611は、前軸受31及び後軸受32のそれぞれに回転可能に支持される。前軸受31は、ロータシャフト611の前部を回転可能に支持する。後軸受32は、ロータシャフト611の後部を回転可能に支持する。ロータシャフト611の前端部は、軸受保持部41の開口を介して、ギヤケース4の内部空間に配置される。
【0112】
ロータシャフト611の前端部にピニオンギヤ70が設けられる。ロータシャフト611は、ピニオンギヤ70を介して、減速機構7に連結される。
【0113】
前軸受31は、ギヤケース4の軸受保持部41に保持される。軸受保持部41は、前軸受31の周囲に配置され、前軸受31を支持する前側支持部411を有する。また、軸受保持部41は、後軸受83の周囲に配置され、後軸受83を支持するスピンドル支持部412を有する。前側支持部411は、筒状である。スピンドル支持部412は、筒状である。スピンドル支持部412の内径は、前側支持部411の内径よりも大きい。スピンドル支持部412は、前側支持部411の前方に配置される。前側支持部411とスピンドル支持部412との間に段差が形成される。
【0114】
後軸受32は、リヤカバー3に保持される。リヤカバー3は、後軸受32の周囲に配置され、後軸受32を支持する後側支持部311を有する。後側支持部311は、筒状である。後軸受32は、後側支持部311の内側に配置される。
【0115】
ステータ62は、ステータコア621と、ステータコア621の前部に設けられる前インシュレータ622と、ステータコア621の後部に設けられる後インシュレータ623と、前インシュレータ622及び後インシュレータ623を介してステータコア621に装着される複数のコイル624とを有する。
【0116】
また、ステータ62は、ロータ61の回転を検出するセンサ基板63と、コイル624に接続される板金部材64とを有する。センサ基板63は、ロータ61の回転を検出するセンサ633を有する。板金部材64は、コイル624に接続される導電部材である。
【0117】
ステータコア621は、積層された複数の鋼板を含む。鋼板は、鉄を主成分とする金属製の板である。ステータコア621は、筒状である。ステータコア621は、コイル624を支持する複数のティース621Tを有する。ティース621Tは、ステータコア621の内面から径方向内側に突出する。実施形態において、コイル624は、6つ設けられる。ティース621Tは、6つ設けられる。
【0118】
前インシュレータ622及び後インシュレータ623のそれぞれは、合成樹脂製の電気絶縁部材である。前インシュレータ622及び後インシュレータ623のそれぞれは、筒状である。
【0119】
前インシュレータ622は、コイル624を支持する複数の突出部622Tを有する。突出部622Tは、前インシュレータ622の内面から径方向内側に突出する。突出部622Tは、6つ設けられる。
【0120】
後インシュレータ623は、コイル624を支持する複数の突出部623Tを有する。突出部623Tは、後インシュレータ623の内面から径方向内側に突出する。突出部623Tは、6つ設けられる。
【0121】
ティース621Tの前端部と突出部622Tの後端部とは繋がれる。ティース621Tの後端部と突出部623Tの前端部とは繋がれる。コイル624は、ティース621Tと突出部622Tと突出部623Tとの周囲に配置される。コイル624とステータコア621とは、前インシュレータ622及び後インシュレータ623により電気的に絶縁される。
【0122】
コイル624は、1本のワイヤを巻くことに形成される。図19及び図20に示すように、ワイヤは、巻き始め部分625Sからティース621Tに巻き始められる。周方向に隣り合うティース621Tのそれぞれにワイヤが順次巻かれることによって、6つのコイル624が形成される。ワイヤは、巻き終り部分625Eにおいて巻き終わる。
【0123】
周方向に隣り合うコイル624は、ワイヤの一部である接続線625により繋がれる。接続線625は、1つのコイル624と他の1つのコイル624との間のワイヤである。接続線625は、後述するヒュージング端子643に支持される。
【0124】
センサ基板63は、後インシュレータ623よりも後方に配置される。センサ基板63は、後インシュレータ623に対向するように配置される。センサ基板63は、リング状のプレート部631と、プレート部631の周縁部から径方向外側に突出するねじボス部632と、プレート部631に支持されるセンサ633と、センサ633の検出信号が出力される信号線634とを備える。
【0125】
プレート部631は、ロータシャフト611の周囲に配置される。プレート部631の内側にスリーブ35が配置される。プレート部631は、スリーブ35に支持される。スリーブ35は、ロータシャフト611の周囲に配置される。プレート部631は、スリーブ35を介してロータシャフト611の周囲に配置される。
【0126】
センサ633は、ロータ磁石613の位置を検出することによって、回転方向におけるロータ61の位置を検出する。センサ633は、ホール素子を含む。センサ633は、3つ設けられる。センサ633の検出信号は、信号線634を介して、コントローラ13に出力される。コントローラ13は、センサ633の検出信号に基づいて、コイル624に駆動電流を供給する。
【0127】
板金部材64の少なくとも一部は、センサ基板63よりも後方に配置される。板金部材64は、接続線625を介してコイル624に接続される。板金部材64は、コイル624とバッテリパック17とを接続する。バッテリパック17は、モータ6の電源部として機能する。バッテリパック17は、モータ6に駆動電流を供給する。コントローラ13は、バッテリパック17からモータ6に供給される駆動電流を制御する。
【0128】
モータ6は、コントローラ13を介してバッテリパック17に接続される電源線642を有する。バッテリパック17からの駆動電流は、電源線642を介して板金部材64に供給される。
【0129】
板金部材64は、コイル624に接続されるヒュージング端子643、及びヒュージング端子643と電源線642とを接続する短絡部材644の少なくとも一方を含む。短絡部材644は、ヒュージング端子643と電源線642とを接続する接続部材として機能する。実施形態において、ヒュージング端子643は、接続線625に接続される。ヒュージング端子643は、接続線625を介してコイル624に接続される。
【0130】
ヒュージング端子643は、回転軸AXの周囲に複数配置される。ヒュージング端子643は、コイル624の数と同じ数だけ設けられる。実施形態において、ヒュージング端子643は、6つ設けられる。
【0131】
図20に示すように、短絡部材644は、一対のヒュージング端子643を接続(短絡)する。短絡部材644は、電源線642と一対のヒュージング端子643とを接続する。回転軸AXに直交する面内において、短絡部材644は、湾曲する。実施形態において、短絡部材644は、3つ設けられる。
【0132】
バッテリパック17から電源線642に供給された駆動電流は、短絡部材644を介してヒュージング端子643に供給される。ヒュージング端子643に供給された駆動電流は、接続線625を介してコイル624に供給される。
【0133】
実施形態において、モータ6は、短絡部材644を支持するリング状の絶縁部材641を有する。絶縁部材641は、合成樹脂製である。絶縁部材641は、ロータシャフト611及び後軸受32の周囲に配置される。絶縁部材641は、電源線642及び短絡部材644を支持する。実施形態において、短絡部材644の少なくとも一部は、絶縁部材641の内部に配置される。短絡部材644は、インサート成形により絶縁部材641に保持(固定)される。ヒュージング端子643は、短絡部材644を介して絶縁部材641に支持される。絶縁部材641は、3つの短絡部材644が導通しないように絶縁する。
【0134】
ヒュージング端子643の少なくとも一部は、短絡部材644及び絶縁部材641よりも前方に配置される。ヒュージング端子643の後部は、短絡部材644に接続される。実施形態において、ヒュージング端子643の後部は、短絡部材644に設けられている開口648の内側に配置される。ヒュージング端子643の中間部は、径方向外側に折り曲げられる。
【0135】
ヒュージング端子643は、後インシュレータ623に支持される。実施形態において、後インシュレータ623は、ヒュージング端子643を支持する支持部626を有する。支持部626は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて6つ設けられる。支持部626は、後インシュレータ623の後面から後方に突出する一対の突出部626Tを有する。突出部626Tは、ヒュージング端子643の一方の表面の周縁部に対向する第1対向面と、ヒュージング端子643の他方の表面の周縁部に対向する第2対向面と、第1対向面と第2対向面とを繋ぐ内側面とを有する。ヒュージング端子643は、一対の突出部626Tの間に配置されることにより、支持部626に支持される。
【0136】
上述のように、ヒュージング端子643は、6つ設けられる。支持部626は、6つ設けられる。6つのヒュージング端子は、後インシュレータ623の周方向に並べられる。
【0137】
接続線625は、支持部626に支持される。接続線625は、突出部626Tの径方向外側の外面に支持される。ヒュージング端子643は、一対の突出部626Tの間に配置された状態で、コイル624から突出する接続線625に接続される。ヒュージング端子643の折り曲げ部分の内側に接続線625が配置される。ヒュージング端子643と接続線625とは溶接される。ヒュージング端子643は、接続線625を介してコイル624に接続される。
【0138】
実施形態において、駆動電流は、U相駆動電流、V相駆動電流、及びW相駆動電流を含む。
【0139】
図17図19、及び図20に示すように、電源線642は、U相駆動電流が供給されるU相電源線642Uと、V相駆動電流が供給されるV相電源線642Vと、W相駆動電流が供給されるW相電源線642Wとを含む。
【0140】
短絡部材644は、U相電源線642Uに接続されるU相短絡部材644Uと、V相電源線642Vに接続されるV相短絡部材644Vと、W相電源線642Wに接続されるW相短絡部材644Wとを含む。
【0141】
ヒュージング端子643は、U相短絡部材644Uに接続される一対のU相ヒュージング端子643Uと、V相短絡部材644Vに接続される一対のV相ヒュージング端子643Vと、W相短絡部材644Wに接続される一対のW相ヒュージング端子643Wとを含む。
【0142】
6つのコイル624は、U(U-V)相、V(V-W)相、W(W-U)相として接続される。U相、V相、W相のそれぞれに一対のコイル624が割り当てられる。
【0143】
6つのコイル624は、U相に割り当てられた一対のU相コイル624Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル624Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル624Wとを含む。
【0144】
一対のU相コイル624Uは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル624Vは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル624Wは、径方向に対向して配置される。図19に示すように、周方向において、U相コイル624U1の一方の隣にV相コイル624V1が配置され、V相コイル624V1の一方の隣にW相コイル624W1が配置され、W相コイル624W1の一方の隣にU相コイル624U2が配置され、U相コイル624U2の一方の隣にV相コイル624V2が配置され、V相コイル624V2の一方の隣にW相コイル624W2が配置される。U相コイル624U1とU相コイル624U2とは、径方向に対向して配置される。V相コイル624V1とV相コイル624V2とは、径方向に対向して配置される。W相コイル624W1とW相コイル624W2とは、径方向に対向して配置される。
【0145】
図19に示すように、一方のU相ヒュージング端子643Uは、周方向に隣り合うU相コイル624U1とV相コイル624V1とを繋ぐ接続線625に接続される。他方のU相ヒュージング端子643Uは、周方向に隣り合うU相コイル624U2とV相コイル624V2とを繋ぐ接続線625に接続される。一方のV相ヒュージング端子643Vは、周方向に隣り合うV相コイル624V1とW相コイル624W1とを繋ぐ接続線625に接続される。他方のV相ヒュージング端子643Vは、周方向に隣り合うV相コイル624V2とW相コイル624W2とを繋ぐ接続線625に接続される。一方のW相ヒュージング端子643Wは、周方向に隣り合うW相コイル624W1とU相コイル624U2とを繋ぐ接続線625に接続される。他方のW相ヒュージング端子643Wは、周方向に隣り合うW相コイル624W2とU相コイル624U1とを繋ぐ接続線625に接続される。
【0146】
U相短絡部材644Uは、U相電源線642Uと一対のU相ヒュージング端子643Uのそれぞれとを接続(短絡)する。U相電源線642Uは、U相短絡部材644Uの一端部に配置される。一方のU相ヒュージング端子643Uは、U相短絡部材644Uの他端部に配置される。他方のU相ヒュージング端子643Uは、U相短絡部材644Uの中間部に配置される。
【0147】
V相短絡部材644Vは、V相電源線642Vと一対のV相ヒュージング端子643Vのそれぞれとを接続(短絡)する。V相電源線642Vは、V相短絡部材644Vの一端部に配置される。一方のV相ヒュージング端子643Vは、V相短絡部材644Vの他端部に配置される。他方のV相ヒュージング端子643Vは、V相短絡部材644Vの中間部に配置される。
【0148】
W相短絡部材644Wは、W相電源線642Wと一対のW相ヒュージング端子643Wのそれぞれとを接続(短絡)する。W相電源線642Wは、W相短絡部材644Wの一端部に配置される。一方のW相ヒュージング端子643Wは、W相短絡部材644Wの他端部に配置される。他方のW相ヒュージング端子643Wは、W相短絡部材644Wの中間部に配置される。
【0149】
図20に示すように、1組のU相コイル624U1とV相コイル624V1とW相コイル624W1とは、デルタ結線される。1組のU相コイル624U2とV相コイル624V2とW相コイル624W2とは、デルタ結線される。一方のデルタ結線と他方のデルタ結線とは、並列に配置される。
【0150】
U相電源線642UにU相駆動電流が入力された場合、U相駆動電流は、U相短絡部材644Uを介して、一対のU相ヒュージング端子643Uのそれぞれに供給される。一対のU相コイル624Uのうち、一方のU相コイル624U1がN極に励磁される場合、他方のU相コイル624U2はS極に励磁される。N極に励磁されたU相コイル624U1の隣のV相コイル624V1はS極に励磁され、S極に励磁されたU相コイル624U2の隣のV相コイル624V2はN極に励磁される。
【0151】
V相電源線642VにV相駆動電流が入力された場合、V相駆動電流は、V相短絡部材644Vを介して、一対のV相ヒュージング端子643Vのそれぞれに供給される。一対のV相コイル624Vのうち、一方のV相コイル624V1がN極に励磁される場合、他方のV相コイル624V2はS極に励磁される。N極に励磁されたV相コイル624V1の隣のW相コイル624W1はS極に励磁され、S極に励磁されたV相コイル624V2の隣のW相コイル624W2はN極に励磁される。
【0152】
W相電源線642WにW相駆動電流が入力された場合、W相駆動電流は、W相短絡部材644Wを介して、一対のW相ヒュージング端子643Wのそれぞれに供給される。一対のW相コイル624Wのうち、一方のW相コイル624W1がN極に励磁される場合、他方のW相コイル624W2はS極に励磁される。N極に励磁されたW相コイル624W1の隣のU相コイル624U1はS極に励磁され、S極に励磁されたW相コイル624W2の隣のU相コイル624U2はN極に励磁される。
【0153】
短絡部材644を支持する絶縁部材641とセンサ基板63と後インシュレータ623とは、4本のねじ65により固定される。
【0154】
絶縁部材641は、リング状のボディ部645と、ボディ部645の周縁部から径方向外側に突出する4つのねじボス部646と、ボディ部645の周縁部から径方向外側に突出する1つの支持部649とを有する。ねじボス部646には、ねじ65の中間部が配置される開口647が設けられる。支持部649は、電源線642を支持する。
【0155】
センサ基板63のねじボス部632には、ねじ65の中間部が配置される開口635が設けられる。後インシュレータ623は、4つのねじ孔627を有する。ねじ孔627は、後インシュレータ623の後面に設けられる。ねじ65の中間部が開口647及び開口635に配置された状態で、ねじ65の先端部は、ねじ孔627に結合可能である。実施形態においては、回転軸AXの周方向において信号線634の位置と電源線642の少なくとも一部の位置とが一致するように、絶縁部材641とセンサ基板63と後インシュレータ623とがねじ65により固定される。
【0156】
ヒュージング端子643及び短絡部材644を含む板金部材64は、後軸受32の周囲に配置される。図12図13、及び図18に示すように、回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、板金部材64と重複する。
【0157】
図13に示したように、ヒュージング端子643は、後軸受32の周囲の少なくとも一部に配置される。6つのヒュージング端子は、後インシュレータ623の周方向に並べられる。短絡部材644は、後軸受32の周囲の少なくとも一部に配置される。後軸受32は、絶縁部材641の内側に配置される。
【0158】
図13に示したように、回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、ヒュージング端子643と重複する。回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、短絡部材644と重複する。回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、絶縁部材641と重複する。
【0159】
後軸受32は、リヤカバー3の後側支持部311に支持される。後側支持部311は、絶縁部材641の内側に配置される。回転軸AXの軸方向において、後側支持部311の少なくとも一部は、ヒュージング端子643と重複する。回転軸AXの軸方向において、後側支持部311の少なくとも一部は、短絡部材644と重複する。後側支持部311の少なくとも一部は、絶縁部材641と重複する。
【0160】
後側支持部311の径方向外側にリヤカバー3の周壁部312が配置される。回転軸AXの軸方向において、周壁部312の少なくとも一部は、ヒュージング端子643と重複する。回転軸AXの軸方向において、周壁部312の少なくとも一部は、短絡部材644と重複する。回転軸AXの軸方向において、周壁部312の少なくとも一部は、絶縁部材641と重複する。
【0161】
実施形態においては、回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、板金部材64と重複する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0162】
板金部材64は、後軸受32の周囲の少なくとも一部に配置される。後軸受32と板金部材64とが同心状に配置されることにより、モータ収容部21の径方向の大型化が抑制される。
【0163】
実施形態においては、短絡部材644の少なくとも一部がリング状の絶縁部材641に支持される。後軸受32は、絶縁部材641の内側に配置される。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0164】
回転軸AXの軸方向において、後側支持部311の少なくとも一部は、短絡部材644及びヒュージング端子643と重複する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を効果的に小さくすることができる。
【0165】
回転軸AXの軸方向において、周壁部312の少なくとも一部は、短絡部材644及びヒュージング端子643と重複する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を効果的に小さくすることができる。
【0166】
[ファン及びギヤケース]
図12図13図14図15図16図17、及び図18に示すように、ファン12は、モータ6のステータ62よりも前方に配置される。ファン12は、ステータ62よりも前方のロータシャフト611の一部に固定される。ファン12は、モータ6を冷却するための気流を生成する。ファン12は、ブッシュ33を介して、ロータシャフト611の前部に固定される。ファン12は、ロータコア612と前軸受31との間に配置される。ファン12は、ロータ61の回転により回転する。ロータシャフト611が回転することにより、ファン12は、ロータシャフト611と一緒に回転する。ファン12が回転することにより、ハウジング2の外部空間の空気が、吸気口19を介してハウジング2の内部空間に流入する。ハウジング2の内部空間に流入した空気は、ハウジング2の内部空間を流れることにより、モータ6を冷却する。ハウジング2の内部空間を流れた空気は、排気口20を介して、ハウジング2の外部空間に流出する。
【0167】
ファン12は、遠心ファンである。ファン12は、ロータシャフト611の周囲に配置される筒部131と、筒部131の周囲に配置されるプレート部132と、プレート部132の後面に配置される複数の羽根部133とを有する。
【0168】
プレート部132の前面は、周縁部134と、周縁部134の径方向内側に配置される凹部135とを有する。凹部135は、後方に凹む。凹部135の内面は、径方向内側に向かって後方に傾斜する。
【0169】
回転軸AXの軸方向において、前軸受31の少なくとも一部は、ファン12と重複する。前軸受31の少なくとも一部は、凹部135の内側に配置される。前軸受31とファン12とは接触しない。
【0170】
軸受保持部41は、前軸受31及び後軸受83のそれぞれを保持する。軸受保持部41は、前軸受31を支持する前側支持部411と、後軸受83を支持するスピンドル支持部412とを有する。前側支持部411は、軸受保持部41に形成された筒状の内面を含む。スピンドル支持部412は、軸受保持部41に形成された筒状の内面を含む。前側支持部411は、前軸受31の周囲に配置され、前軸受31を支持する。スピンドル支持部412は、後軸受83の周囲に配置され、後軸受83を支持する。スピンドル支持部412の内径は、前側支持部411の内径よりも大きい。スピンドル支持部412は、前側支持部411の前方に配置される。前側支持部411とスピンドル支持部412との間に段差が形成される。
【0171】
軸受保持部41は、ギヤケース4の後部に配置される。軸受保持部41の少なくとも一部は、モータ収容部21の内側に配置される。回転軸AXの軸方向において、ギヤケース4の軸受保持部41の少なくとも一部は、ファン12と重複する。回転軸AXの軸方向において、前側支持部411の少なくとも一部は、ファン12と重複する。前側支持部411の少なくとも一部は、ファン12の凹部135の内側に配置される。前側支持部411とファン12とは接触しない。
【0172】
図8図12、及び図13に示すように、ギヤケース4の軸受保持部41は、モータ収容部21の内側に配置される第1外周面413と、モータ収容部21の内側において第1外周面413よりも回転軸AXの径方向外側に配置される第2外周面414と、第1外周面413の前端部と第2外周面414の後端部とを結ぶ接続面415とを有する。第1外周面413は、回転軸AXと平行である。第2外周面414は、回転軸AXと平行である。第2外周面414は、第1外周面413よりも前方に配置される。接続面415は、回転軸AXと直交する。接続面415は、後方を向く。第1外周面413と第2外周面414との間に段差が形成される。
【0173】
図7図12、及び図13に示すように、モータ収容部21は、第1外周面413に接触する第1内周面215と、第2外周面414に接触する第2内周面216と、接続面415に対向する対向面217とを有する。対向面217は、後方を向く。接続面415と対向面217とは接触する。なお、接続面415と対向面217の少なくとも一部とは離れてもよい。
【0174】
実施形態においては、回転軸AXの軸方向において、前軸受31の少なくとも一部は、ファン12と重複する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0175】
ファン12のプレート部132の前面は、後方に凹む凹部135を有する。前軸受31の少なくとも一部は、凹部135の内側に配置される。これにより、回転軸AXの軸方向において、前軸受31の少なくとも一部とファン12とを重複させることができる。
【0176】
回転軸AXの軸方向において、ギヤケース4の少なくとも一部は、ファン12と重複する。実施形態において、ギヤケース4の前側支持部411の少なくとも一部が、ファン12と重複する。これにより、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0177】
ギヤケース4は、第1外周面413と、第2外周面414と、接続面415とを有する。モータ収容部21は、第1外周面413に接触する第1内周面215と、第2外周面414に接触する第2内周面216と、接続面415に対向する対向面217とを有する。第1外周面413と第1内周面215との接触、及び第2外周面414と第2内周面216との接触により、モータ収容部21とギヤケース4とは、回転軸AXの径方向において適正に位置決めされる。また、モータ収容部21は、第1内周面215及び第2内周面216のそれぞれにおいてギヤケース4と接触するので、モータ収容部21の剛性を向上することができる。
【0178】
[減速機構及び打撃機構]
図21は、実施形態に係る減速機構7及び打撃機構9を示す前方からの分解斜視図である。図12図13、及び図21に示すように、減速機構7は、モータ6の前方に配置される。減速機構7は、複数のギヤを有する遊星歯車機構を含む。減速機構7は、ロータシャフト611とスピンドル8とを連結する。減速機構7は、モータ6が発生した回転力をスピンドル8に伝達する。減速機構7のギヤは、ロータ61の回転により駆動する。減速機構7は、ロータシャフト611の回転速度よりも低い回転速度でスピンドル8を回転させる。
【0179】
減速機構7は、ピニオンギヤ70の周囲に配置される複数のプラネタリギヤ71と、複数のプラネタリギヤ71の周囲に配置されるインターナルギヤ72とを有する。実施形態において、プラネタリギヤ71は、3つ配置される。複数のプラネタリギヤ71のそれぞれは、ピニオンギヤ70に噛み合う。プラネタリギヤ71は、ピン73を介してスピンドル8に回転可能に支持される。インターナルギヤ72は、プラネタリギヤ71に噛み合う内歯を有する。インターナルギヤ72は、ギヤケース4の軸受保持部41に固定される。インターナルギヤ72は、ギヤケース4に対して回転しない。
【0180】
モータ6の駆動によりロータシャフト611が回転すると、ピニオンギヤ70が回転し、プラネタリギヤ71がピニオンギヤ70の周囲を公転する。プラネタリギヤ71は、インターナルギヤ72の内歯に噛み合いながら公転する。プラネタリギヤ71の公転により、ピン73を介してプラネタリギヤ71に接続されているスピンドル8は、ロータシャフト611の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0181】
スピンドル8は、モータ6よりも前方に配置される。スピンドル8の少なくとも一部は、減速機構7よりも前方に配置される。スピンドル8は、フランジ部81と、フランジ部81から前方に突出するロッド部82とを有する。ロッド部82は、前後方向に延伸する。プラネタリギヤ71は、ピン73を介してフランジ部81に回転可能に支持される。
【0182】
スピンドル8は、モータ6が発生する回転力により回転する。スピンドル8は、回転軸AXを中心に回転する。スピンドル8は、後軸受83に回転可能に支持される。後軸受83は、軸受保持部41に保持される。後軸受83は、スピンドル8の後端部を支持する。
【0183】
打撃機構9は、スピンドル8の回転に基づいて、アンビル10を回転方向に打撃する。打撃機構9は、スピンドル8に前後方向及び回転方向のそれぞれに移動可能に支持されるハンマ91と、スピンドル8とハンマ91との間に配置されるボール92と、ハンマ91を前方に付勢するばね93と、ボール95を介してハンマ91に支持されるワッシャ94とを有する。
【0184】
ハンマ91は、減速機構7よりも前方に配置される。ハンマ91は、筒状のハンマボディ911と、ハンマボディ911の前部に設けられるハンマ突起部912とを有する。ハンマボディ911は、スピンドル8のロッド部82の周囲に配置される。ハンマボディ911は、スピンドル8のロッド部82が配置される孔913を有する。ハンマ突起部912は、2つ設けられる。ハンマ突起部912は、ハンマボディ911の前部から前方に突出する。
【0185】
ハンマ91は、スピンドル8と一緒に回転可能である。また、ハンマ91は、スピンドル8に対して前後方向及び回転方向のそれぞれに相対移動可能である。ハンマ91は、回転軸AXを中心に回転する。
【0186】
ハンマボディ911は、内筒部914と、外筒部915と、ベース部916とを有する。内筒部914は、ロッド部82の周囲に配置される。内筒部914の内面は、ロッド部82の外面に接触する。外筒部915は、内筒部914よりも径方向外側に配置される。ベース部916は、内筒部914と前端部及び外筒部915の前端部のそれぞれに接続される。ハンマ突起部912は、ベース部916の前面から前方に突出する。
【0187】
内筒部914と外筒部915とベース部916とにより凹部917が規定される。凹部917は、ハンマ91の後端部から前方に窪むように形成される。回転軸AXと直交する面内において、凹部917は、リング状である。
【0188】
ボール92は、スピンドル8のロッド部82とハンマ91との間に配置される。ボール92は、鉄鋼のような金属製である。スピンドル8は、ボール92の少なくとも一部が配置されるスピンドル溝84を有する。スピンドル溝84は、ロッド部82の外面の一部に設けられる。ハンマ91は、ボール92の少なくとも一部が配置されるハンマ溝96を有する。ハンマ溝96は、ハンマ91の内筒部914の内面の一部に設けられる。ボール92は、スピンドル溝84とハンマ溝96との間に配置される。ボール92は、スピンドル溝84の内側及びハンマ溝96の内側のそれぞれを転がることができる。ハンマ91は、ボール92に伴って移動可能である。
【0189】
スピンドル8とハンマ91とは、スピンドル溝84及びハンマ溝96により規定される可動範囲において、前後方向及び回転方向のそれぞれに相対移動することができる。ハンマ91は、スピンドル8に前後方向及び回転方向のそれぞれに移動可能に支持される。
【0190】
ワッシャ94は、ボール95を介してハンマ91に支持される。ワッシャ94は、凹部917の内側に配置される。ワッシャ94は、ハンマ91の内筒部914の周囲に配置される。
【0191】
ボール95は、ワッシャ94の前面とベース部916の後面との間に配置される。ボール95は、回転軸AXの周囲に複数配置される。ベース部916の後面に凹部918が形成される。回転軸AXを含む断面において、凹部918は、半円状である。回転軸AXと直交する面内において、凹部918は、リング状である。ボール95は、回転軸AXを囲むように、凹部918に複数配置される。
【0192】
ばね93は、コイルばねである。ばね93は、スピンドル8の回転軸AXの周囲に配置される。実施形態において、ばね93の少なくとも一部は、ハンマ91の内筒部914の周囲に配置される。ばね93の少なくとも一部は、スピンドル8のロッド部82の周囲に配置される。ばね93は、ハンマ91を常時前方に付勢する。ばね93は、圧縮された状態で、ハンマ91とフランジ部81との間に配置される。
【0193】
ばね93の前部は、凹部917の内側に配置される。ばね93の前端部は、ワッシャ94の後面に接触する。ばね93の後端部は、フランジ部81の前面に接触する。ばね93は、ワッシャ94を介して、ハンマ91を前方に付勢する。
【0194】
アンビル10の少なくとも一部は、ハンマ91よりも前方に配置される。アンビル10は、モータ6から伝達された回転力により、回転軸AXを中心に回転する。アンビル10は、スピンドル8と一緒に回転可能であり、スピンドル8と相対回転可能である。また、アンビル10は、ハンマ91と一緒に回転可能であり、ハンマ91と相対回転可能である。アンビル10は、前軸受50に回転可能に支持される。前軸受50は、スリーブ37を介してギヤケース4に保持される。アンビル10は、ハンマ91により回転方向に打撃される。前軸受50の前方にストップリング38が配置される。
【0195】
アンビル10は、ロッド状のアンビルボディ101と、アンビルボディ101の後部に設けられるアンビル突起部102とを有する。アンビルボディ101は、軸方向に延伸する。先端工具は、アンビルボディ101の前端部に装着される。アンビル突起部102は、2つ設けられる。アンビル突起部102は、アンビルボディ101の後部から径方向外側に突出する。アンビル突起部102の前面と前軸受50との間にブッシュ36が配置される。
【0196】
また、アンビル10は、ロッド部82の前端部が配置される孔103を有する。孔103は、アンビル10の後端部に設けられる。ロッド部82の前端部は、孔103に配置される。ロッド部82の前端部が孔103に配置されることにより、スピンドル8がアンビル10の軸受と機能し、アンビル10がスピンドル8の軸受として機能することができる。
【0197】
[電動工具の動作]
次に、電動工具1の動作について説明する。例えば、作業対象にナットを締め付ける作業を実施するとき、作業に使用される先端工具が、アンビル10の先端部に装着に挿入される。先端工具がアンビル10に装着された後、作業者は、グリップ部22を握ってトリガスイッチ14を操作する。トリガスイッチ14が操作されると、バッテリパック17からコントローラ13を介してモータ6に電力が供給され、モータ6が駆動する。モータ6の駆動により、ロータシャフト611が回転する。ロータシャフト611が回転すると、ロータシャフト611の回転力がピニオンギヤ70を介してプラネタリギヤ71に伝達される。プラネタリギヤ71は、インターナルギヤ72の内歯に噛み合った状態で、自転しながらピニオンギヤ70の周囲を公転する。プラネタリギヤ71は、ピン73を介してスピンドル8に回転可能に支持される。プラネタリギヤ71の公転により、スピンドル8は、ロータシャフト611の回転速度よりも低い回転速度で回転する。
【0198】
スピンドル8が回転すると、アンビル10が回転する。これにより、先端工具を用いて、ナットを締め付けることができる。
【0199】
ナットの締め付け作業において、アンビル10に作用する負荷が高くなると、モータ6が発生する回転力だけではアンビル10を回転させることができなくなる場合がある。モータ6が発生する回転力だけではアンビル10を回転させることができなくなると、アンビル10及びハンマの回転が停止する。ハンマの回転が停止しても、スピンドル8の回転は、モータ6が発生する回転力により継続される。ハンマの回転が停止している状態で、スピンドル8が回転すると、ボール92及びハンマ91が後方に移動する。ばね93は、ハンマ91を前方に移動させる弾性力を発生する。後方に移動したハンマ91は、ハンマ突起部912がアンビル突起部102を乗り越えたときに、ばね93の弾性力により、前方に移動する。ハンマ91は、前方に移動するとき、ボール92から回転方向の力を受けて、回転しながら前方に移動する。ハンマ91が回転しながら前方に移動すると、アンビル10は、ハンマ91により回転方向に打撃される。アンビル10には、モータ6の回転力とハンマ91の慣性力との両方が作用する。したがって、アンビル10は、高いトルクで回転軸AXを中心に回転することができる。これにより、ナットは高いトルクで締め付けられる。
【0200】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、リヤカバー3とモータ収容部21とが第1ねじ110により固定される。モータ収容部21とギヤケース4とが第2ねじ120により固定される。回転軸AXと直交する面内において、第1ねじ110と第2ねじ120とは、異なる位置に配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業は円滑に実施される。また、第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXの周方向及び径方向のそれぞれにおいて、異なる位置に配置されるので、電動工具1の大型化が抑制される。
【0201】
リヤカバー3は、第1ねじ110の中間部が配置される第1開口111を有する。モータ収容部21は、第1ねじ110の前端部が挿入される第1ねじ孔112を有する。モータ収容部21は、第2ねじ120の中間部が配置される第2開口121を有する。ギヤケース4は、第2ねじ120の前端部が挿入される第2ねじ孔122を有する。すなわち、第1ねじ110は、リヤカバー3の後方から第1開口111及び第1ねじ孔112に挿入される。第2ねじ120は、モータ収容部21の後方から第2開口121及び第2ねじ孔122に挿入される。これにより、スクリュードライバの向きを変えなくても、第1ねじ110を第1ねじ孔112に結合する作業、及び第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0202】
また、モータ収容部21とギヤケース4とが第2ねじ120で固定され、第2ねじ120のねじ部120Bは、ギヤケース4に結合されるので、電動工具1を用いる作業においてギヤケース4に大きなトルクが作用しても、第2ねじ120でトルクを受け止めることができる。
【0203】
モータ収容部21は、ボディ部210と、ボディ部210の外面から回転軸AXの径方向外側に突出するねじボス部211とを有する。第2開口121は、ねじボス部211に設けられる。リヤカバー3の外面に、回転軸AXの軸方向に延伸する第1凹部34が設けられる。ボディ部210の外面に、回転軸AXの軸方向に延伸する第2凹部214が設けられる。ねじボス部211は、第2凹部214の前方に配置される。回転軸AXと直交する面内において、第1凹部34と第2凹部214と第2開口121とは一致する。これにより、スクリュードライバを用いて第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を実施する場合、スクリュードライバのシャフトを第1凹部34の内側及び第2凹部214の内側に配置した状態で、第2ねじ120を回転させることができる。したがって、第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0204】
モータ収容部21は、回転軸AXに対して左方に配置される左側部21L(左側面)と、右方に配置される右側部21R(右側面)とを有する。回転軸AXの周方向において、第1ねじ110は、左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置される。同様に、回転軸AXの周方向において、第2ねじ120は、左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置される。すなわち、第1ねじ110及び第2ねじ120のそれぞれは、モータ収容部21の側面(左側面及び右側面)よりも上方及び下方に配置される。これにより、モータ収容部21及びギヤケース4の左右方向の大型化が抑制される。また、第1ねじ110及び第2ねじ120がモータ収容部21の左側部21L及び右側部21Rとは異なる位置に配置されるので、モータ収容部21の左側部21Lの表面及び右側部21Rの表面にロゴタイプ又はラベルを適正に配置することができる。
【0205】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、上下方向において実質的に等しい位置に配置される。これにより、第1ねじ110を第1ねじ孔112に結合する作業、及び第2ねじ120を第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。なお、第1ねじ110と第2ねじ120とは、上下方向において異なる位置に配置されてもよい。
【0206】
第1ねじ110及び第2ねじ120のそれぞれは、モータ収容部21の上端部21Tよりも下方に配置される。これにより、リヤカバー3、モータ収容部21、及びギヤケース4の上下方向の大型化が抑制される。また、ねじボス部211及びねじボス部401がモータ収容部21の上端部21Tから上方に突出しないので、作業者は、電動工具1を用いる作業を円滑に実施することができる。
【0207】
回転軸AXの径方向において、第2ねじ120と回転軸AXとの距離R2は、第1ねじ110と回転軸AXとの距離R1よりも長い。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業は円滑に実施される。また、距離R2が距離R1よりも長いので、リヤカバー3には大きな反力が作用しない。第2ねじ120は、第1ねじ110よりも強い反力を受けることができる。
【0208】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業を円滑に実施することができる。
【0209】
第1ねじ110と第2ねじ120とは、回転軸AXと平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、リヤカバー3とモータ収容部21とを組み立てる作業、及びモータ収容部21とギヤケース4とを組み立てる作業を円滑に実施することができる。
【0210】
第1ねじ110は、回転軸AXの周囲に複数配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。実施形態において、リヤカバー3とモータ収容部21とは、4本の第1ねじ110により固定される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で強固に固定される。
【0211】
4本の第1ねじ110は、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、4本の第1ねじ110のそれぞれを第1ねじ孔112に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0212】
第2ねじ120は、回転軸AXの周囲に複数配置される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。実施形態において、モータ収容部21とギヤケース4とは、4本の第2ねじ120により固定される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で強固に固定される。
【0213】
4本の第2ねじ120は、平行に配置される。これにより、電動工具1の大型化を抑制しつつ、4本の第2ねじ120のそれぞれを第2ねじ孔122に結合する作業を円滑に実施することができる。
【0214】
回転軸AXの径方向において、複数の第1ねじ110のそれぞれと回転軸AXとの距離R1は、等しい。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0215】
回転軸AXの径方向において、複数の第2ねじ120のそれぞれと回転軸AXとの距離R2は、等しい。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0216】
2本の第1ねじ1101が回転軸AXよりも上方に配置され、2本の第1ねじ1102が回転軸AXよりも下方に配置される。これにより、リヤカバー3とモータ収容部21とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0217】
2本の第2ねじ1201が回転軸AXよりも上方に配置され、2本の第2ねじ1202が回転軸AXよりも下方に配置される。これにより、モータ収容部21とギヤケース4とは、良好な作業性で安定して固定される。
【0218】
ファン12は、ステータ62よりも前方に配置される。すなわち、ファン12は、リヤカバー3とモータ収容部21との間に配置されない。そのため、リヤカバー3の形状又は寸法についての制約が緩和される。そのため、例えばリヤカバー3の前後方向の寸法を小さくすることができる。したがって、電動工具1の前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0219】
[第1変形例]
次に、モータの第1変形例について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0220】
図22は、第1変形例に係るモータ6Bを示す前方からの斜視図である。図23は、第1変形例に係るモータ6Bを示す後方からの斜視図である。図24は、第1変形例に係るモータ6Bを示す前方からの分解斜視図である。図25は、第1変形例に係るモータ6Bを示す後方からの分解斜視図である。図26は、第1変形例に係るステータ62Bを模式的に示す図である。図27は、第1変形例に係るコイル624の結線状態を模式的に示す図である。図22図23図24、及び図25は、モータ6Bのステータ62Bを示す。モータ6Bのロータは、上述の実施形態で説明したロータ61と同様であるため、図示を省略する。
【0221】
ステータ62Bは、ティース621Tを有するステータコア621と、突出部622Tを有する前インシュレータ622と、突出部623Tを有する後インシュレータ623と、前インシュレータ622及び後インシュレータ623を介してステータコア621に装着される複数のコイル624とを有する。コイル624は、6つ設けられる。コイル624は、ティース621Tと突出部622Tと突出部623Tとの周囲に配置される。
【0222】
ステータコア621の外周部に溝650が形成される。溝650は、軸方向に延伸する。溝650は、周方向に間隔をあけて6つ形成される。前インシュレータ622は、溝650に嵌まる突起部651を有する。後インシュレータ623は、溝650に嵌まる突起部652を有する。突起部651が溝650に嵌まることにより、前インシュレータ622とステータコア621とが固定される。突起部652が溝650に嵌まることにより、後インシュレータ623とステータコア621とが固定される。
【0223】
また、ステータ62Bは、センサ基板63Bと、板金部材64Bとを有する。板金部材64Bは、ヒュージング端子643を含む。
【0224】
センサ基板63Bは、後インシュレータ623の後方に配置される。センサ基板63Bは、後インシュレータ623に対向するように配置される。センサ基板63Bは、リング状のプレート部631Bと、プレート部631Bの周縁部から径方向外側に突出する突出部632Bと、プレート部631Bに支持される3つのセンサ633Bと、センサ633Bの検出信号が出力される信号線634Bとを有する。
【0225】
突出部632Bは、6つ設けられる。突出部632Bは、開口636を有する突出部632B1と、開口637を有する突出部632B2と、突出部632B3とを含む。突出部632B1は、3つ設けられる。突出部632B2は、2つ設けられる。後インシュレータ623には、3つのねじ孔627が設けられる。後インシュレータ623には、後方に突出する2つのピン部653が設けられる。ねじ65Bは、センサ基板63Bの後方から開口636に挿入される。ねじ65Bの中間部が突出部632B1の開口636に配置された状態で、ねじ65Bの先端部がねじ孔627に挿入される。ピン部653は、突出部632B2の開口637に挿入される。センサ基板63Bと後インシュレータ623とは、3本のねじ65Bにより固定される。
【0226】
ヒュージング端子643は、回転軸AXの周囲に複数配置される。第1変形例において、ヒュージング端子643は、コイル624の数よりも少ない数だけ設けられる。ヒュージング端子643は、3つ設けられる。ヒュージング端子643は、センサ基板63Bよりも前方に配置される。
【0227】
ヒュージング端子643は、コイル624に接続されるヒュージング部6431と、電源線642に接続される接続部6433と、ヒュージング部6431と接続部6433とを繋ぐ連結部6432とを有する。
【0228】
第1変形例において、ヒュージング端子643は、3つ設けられる。すなわち、ヒュージング部6431は、3つ設けられる。図25に示すように、3つのヒュージング部6431は、回転軸AXの周囲において180°以下の範囲に配置される。
【0229】
ヒュージング部6431は、後インシュレータ623に支持される。後インシュレータ623は、ヒュージング部6431を支持する支持部626を有する。支持部626は、回転軸AXの周方向に間隔をあけて3つ設けられる。図25に示すように、支持部626は、後インシュレータ623の後面から後方に突出する一対の突出部626Tを有する。ヒュージング部6431は、一対の突出部626Tの間に配置されることにより、支持部626に支持される。
【0230】
ヒュージング部6431は、一対の突出部626Tの間に配置された状態で、コイル624から突出する接続線625に接続される。ヒュージング端子643は、接続線625を介してコイル624に接続される。
【0231】
図26は、第1変形例に係るステータ62Bを模式的に示す図である。図26の(A)図は、ステータ62Bを後方(後インシュレータ623側)から見た図に相当する。図26の(B)図は、ステータ62Bを前方(前インシュレータ622側)から見た図に相当する。図27は、第1変形例係るコイル624の結線状態を模式的に示す図である。
【0232】
図25図26、及び図27に示すように、電源線642は、U相駆動電流が供給されるU相電源線642Uと、V相駆動電流が供給されるV相電源線642Vと、W相駆動電流が供給されるW相電源線642Wとを含む。
【0233】
ヒュージング端子643は、U相電源線642Uに接続される1つのU相ヒュージング端子643Uと、V相電源線642Vに接続される1つのV相ヒュージング端子643Vと、W相電源線642Wに接続される1つのW相ヒュージング端子643Wとを含む。
【0234】
6つのコイル624は、U(U-V)相、V(V-W)相、W(W-U)相として接続される。U相、V相、W相のそれぞれに一対のコイル624が割り当てられる。
【0235】
6つのコイル624は、U相に割り当てられた一対のU相コイル624Uと、V相に割り当てられた一対のV相コイル624Vと、W相に割り当てられた一対のW相コイル624Wとを含む。
【0236】
一対のU相コイル624U1とU相コイル624U2とは、径方向に対向して配置される。一対のV相コイル624V1とV相コイル624V2とは、径方向に対向して配置される。一対のW相コイル624W1とW相コイル624W2とは、径方向に対向して配置される。周方向において、U相コイル624U1の一方の隣にV相コイル624V1が配置され、V相コイル624V1の一方の隣にW相コイル624W1が配置され、W相コイル624W1の一方の隣にU相コイル624U2が配置され、U相コイル624U2の一方の隣にV相コイル624V2が配置され、V相コイル624V2の一方の隣にW相コイル624W2が配置される。
【0237】
第1変形例において、一対のU相コイル624Uは、渡り線628Uを介して接続される。一対のV相コイル624Vは、渡り線628Vを介して接続される。一対のW相コイル624Wは、渡り線628Wを介して接続される。渡り線628U、渡り線628V、及び渡り線628Wは、前インシュレータ622に支持される。
【0238】
U相ヒュージング端子643Uは、周方向に隣り合うU相コイル624U1とV相コイル624V1とを繋ぐ接続線625に接続される。V相ヒュージング端子643Vは、周方向に隣り合うV相コイル624V1とW相コイル624W1とを繋ぐ接続線625に接続される。W相ヒュージング端子643Wは、周方向に隣り合うW相コイル624W1とU相コイル624U2とを繋ぐ接続線625に接続される。接続線625は、後インシュレータ623に支持される。
【0239】
複数のコイル624は、1本のワイヤを巻くことにより形成される。図26に示すように、ワイヤは、巻き始め部分625Sから第1ティース621T1に巻き始められる。第1ティース621T1にワイヤが巻かれることにより、U相コイル624U1が形成される。
【0240】
第1ティース621T1にU相コイル624U1が形成された後、前インシュレータ622においてワイヤが渡り線628U1として引き回される。渡り線628U1は、第1ティース621T1から第1ティース621T1に対向する第4ティース621T4に向かって引き回される。渡り線628U1が引き回された後、ワイヤが第4ティース621T4に巻かれる。第4ティース621T4にワイヤが巻かれることにより、U相コイル624U2が形成される。
【0241】
第4ティース621T4にU相コイル624U2が形成された後、後インシュレータ623においてワイヤが接続線625として引き回される。接続線625は、第4ティース621T4から第4ティース621T4の隣の第3ティース621T3に向かって引き回される。接続線625が引き回された後、ワイヤが第3ティース621T3に巻かれる。第3ティース621T3にワイヤが巻かれることにより、W相コイル624W1が形成される。
【0242】
第3ティース621T3にW相コイル624W1が形成された後、前インシュレータ622においてワイヤが渡り線628W1として引き回される。渡り線628W1は、第3ティース621T3から第3ティース621T3に対向する第6ティース621T6に向かって引き回される。渡り線628W1が引き回された後、ワイヤが第6ティース621T6に巻かれる。第6ティース621T6にワイヤが巻かれることにより、W相コイル624W2が形成される。
【0243】
第6ティース621T6にW相コイル624W2が形成された後、前インシュレータ622においてワイヤが渡り線628W2として引き回される。渡り線628W2は、第6ティース621T6から第3ティース621T3を介して後インシュレータ623に向かって引き回される。ワイヤは、後インシュレータ623において、接続線625として第3ティース621T3から第3ティース621T3の隣の第2ティース621T2に向かって引き回される。接続線625が引き回された後、ワイヤが第2ティース621T2に巻かれる。第2ティース621T2にワイヤが巻かれることにより、V相コイル624V1が形成される。
【0244】
第2ティース621T2にV相コイル624V1が形成された後、前インシュレータ622においてワイヤが渡り線628V1として引き回される。渡り線628V1は、第2ティース621T2から第2ティース621T2に対向する第5ティース621T5に向かって引き回される。渡り線628V1が引き回された後、ワイヤが第5ティース621T5に巻かれる。第5ティース621T5にワイヤが巻かれることにより、V相コイル624V2が形成される。
【0245】
第5ティース621T5にV相コイル624V2が形成された後、前インシュレータ622においてワイヤが渡り線628V2として引き回される。渡り線628V2は、第5ティース621T5から第2ティース621T2を介して後インシュレータ623に向かって引き回される。ワイヤは、後インシュレータ623において、接続線625として第2ティース621T2から第2ティース621T2の隣の第1ティース621T1に向かって引き回される。第2ティース621T2から第1ティース621T1に向かって引き回されたワイヤが巻き終り部分625Eとなる。
【0246】
図27に示すように、一対のU相コイル624U(624U1,624U2)と一対のV相コイル624V(624V1,624V2)と一対のW相コイル624W(624W1,624W2)とは、デルタ結線される。
【0247】
U相ヒュージング端子643UにU相駆動電流が入力され、一対のU相コイル624Uのうち、一方のU相コイル624U1がN極に励磁された場合、他方のU相コイル624U2はS極に励磁される。V相コイル624V1はS極に励磁され、V相コイル624V2はN極に励磁される。
【0248】
V相ヒュージング端子643VにV相駆動電流が入力され、一対のV相コイル624Vのうち、一方のV相コイル624V1がN極に励磁された場合、他方のV相コイル624V2はS極に励磁される。W相コイル624W2はS極に励磁され、W相コイル624W1はN極に励磁される。
【0249】
W相ヒュージング端子643WにW相駆動電流が入力された場合、一対のW相コイル624Wのうち、一方のW相コイル624W1がN極に励磁された場合、他方のW相コイル624W2はS極に励磁される。U相コイル624U2はS極に励磁され、U相コイル624U1はN極に励磁される。
【0250】
実施形態において、センサ基板63Bは、ヒュージング端子643を含む板金部材64Bよりも後方に配置される。ヒュージング端子643は、センサ基板63と後インシュレータ623との間に配置される。
【0251】
図28は、第1変形例に係るモータ6Bと後軸受32との関係を示す側面図である。図28に示すように、回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、板金部材64Bであるヒュージング端子643と重複するように配置される。図28に示す例において、後軸受32の少なくとも一部は、ヒュージング部6431と重複するように配置される。また、回転軸AXの軸方向において、後軸受32は、センサ基板63Bと重複するように配置される。また、回転軸AXの軸方向において、後軸受32は、センサ633Bと重複するように配置される。後軸受32は、センサ基板63Bの内側に配置される。
【0252】
[第2変形例]
次に、モータの第2変形例について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素には同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0253】
図29は、第2変形例に係るモータ6Cを示す前方からの斜視図である。図30は、第2変形例に係るモータ6Cを示す後方からの斜視図である。図31は、第2変形例に係るモータ6Cを示す前方からの分解斜視図である。図32は、第2変形例に係るモータ6Cを示す後方からの分解斜視図である。図29図30図31、及び図32は、モータ6Cのステータ62Cを示す。モータ6Cのロータは、上述の実施形態で説明したロータ61と同様であるため、図示を省略する。
【0254】
ステータ62Cは、ティース621Tを有するステータコア621と、突出部622Tを有する前インシュレータ622と、突出部623Tを有する後インシュレータ623と、前インシュレータ622及び後インシュレータ623を介してステータコア621に装着される複数のコイル624とを有する。コイル624は、6つ設けられる。コイル624は、ティース621Tと突出部622Tと突出部623Tとの周囲に配置される。
【0255】
ステータコア621の外周部に溝650Cが形成される。溝650Cは、軸方向に延伸する。前インシュレータ622は、溝650Cに嵌まる突起部651Cを有する。後インシュレータ623は、溝650に嵌まる突起部652Cを有する。突起部651Cが溝650Cに嵌まることにより、前インシュレータ622とステータコア621とが固定される。突起部652Cが溝650Cに嵌まることにより、後インシュレータ623とステータコア621とが固定される。
【0256】
また、ステータ62Cは、センサ基板63Cと、板金部材64Cとを有する。板金部材64Cは、ヒュージング端子643を含む。
【0257】
ヒュージング端子643は、回転軸AXの周囲に複数配置される。第2変形例において、ヒュージング端子643は、3つ設けられる。ヒュージング端子643は、センサ基板63Cよりも前方に配置される。
【0258】
センサ基板63Cは、後インシュレータ623の後方に配置される。センサ基板63Cは、後インシュレータ623に対向するように配置される。センサ基板63Cは、リング状のプレート部631Cと、プレート部631Bの周縁部から径方向外側に突出する突出部632Cと、プレート部631Bに支持される3つのセンサ633Cとを有する。
【0259】
第2変形例において、プレート部631Cの中央部に設けられた開口639は、上下方向に長い。図31及び図32に示すように、開口639は、後軸受32が配置される大径部639Aと、大径部639Aよりも上方に配置される小径部639Bと、大径部639Aよりも下方に配置される角孔部639Cとを含む。大径部639Aの内径は、後軸受32の外径よりも大きい。小径部639Bの内径は、後軸受32の外径よりも小さい。角孔部639Cは、矩形状である。
【0260】
突出部632Cは、5つ設けられる。突出部632Cは、開口636を有する突出部632C1と、開口637を有する突出部632C2とを含む。突出部632C1は、3つ設けられる。突出部632C2は、2つ設けられる。後インシュレータ623には、3つのねじ孔627が設けられる。2つのヒュージング端子643のそれぞれに開口638が設けられる。開口638は、ヒュージング端子643の連結部6432に設けられる。後インシュレータ623には、後方に突出する2つのピン部653が設けられる。ねじ65Cは、センサ基板63Cの後方から開口636に挿入される。3つのねじ65Cのうち2つのねじ65Cは、ヒュージング端子643の開口638に挿入される。ねじ65Cの中間部が突出部632C1の開口636に配置された状態で、ねじ65Cの先端部がねじ孔627に挿入される。ピン部653は、突出部632C2の開口637に挿入される。センサ基板63Cと後インシュレータ623とは、3本のねじ65Cにより固定される。
【0261】
ヒュージング端子643のヒュージング部6431は、後インシュレータ623に支持される。後インシュレータ623は、ヒュージング端子643を支持する支持部626を有する。図32に示すように、支持部626は、後インシュレータ623の後面から後方に突出する突出部626Tを有する。ヒュージング部6431は、突出部626Tに支持される。
【0262】
第2変形例において、ヒュージング端子643は、3つ設けられる。すなわち、ヒュージング部6431は、3つ設けられる。図31に示すように、3つのヒュージング部6431は、回転軸AXの周囲において120°の間隔で配置される。
【0263】
接続線625は、支持部626に支持される。接続線625は、突出部626Tの径方向外側の外面に支持される。ヒュージング部6431は、支持部626に支持された状態で、コイル624から突出する接続線625に接続される。ヒュージング端子643は、接続線625を介してコイル624に接続される。
【0264】
上述の第1変形例と同様、6つのコイル624は、一対のU相コイル624Uと、一対のV相コイル624Vと、一対のW相コイル624Wとを含む。図32に示すように、ヒュージング端子643は、隣り合うU相コイル624UとV相コイル624Vとを繋ぐ接続線625に接続される1つのU相ヒュージング端子643Uと、隣り合うV相コイル624VとW相コイル624Wとを繋ぐ接続線625に接続される1つのV相ヒュージング端子643Vと、隣り合うW相コイル624WとU相コイル624Uとを繋ぐ接続線625に接続される1つのV相ヒュージング端子643Vとを含む。接続線625は、後インシュレータ623に支持される。
【0265】
図31に示すように、一対のU相コイル624Uは、渡り線628Uを介して接続される。一対のV相コイル624Vは、渡り線628Vを介して接続される。一対のW相コイル624Wは、渡り線628Wを介して接続される。渡り線628(628U,628V,628W)は、前インシュレータ622に支持される。前インシュレータ622は、渡り線628を支持するガイドリブ629を有する。ガイドリブ629は、前インシュレータ622の前面から前方に突出する。
【0266】
図33は、第2変形例に係るモータ6Cと後軸受32との関係を示す側面図である。図33に示すように、回転軸AXの軸方向において、後軸受32の少なくとも一部は、板金部材64Cであるヒュージング端子643と重複するように配置される。図33に示す例において、後軸受32の少なくとも一部は、ヒュージング部6431と重複するように配置される。また、回転軸AXの軸方向において、後軸受32は、センサ基板63Cと重複するように配置される。
【0267】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、電動工具1は、インパクト工具の一種であるインパクトレンチであることとした。インパクト工具は、インパクトドライバでもよい。インパクトドライバのアンビルは、先端工具が挿入される挿入孔と、先端工具を保持するチャック機構とを有する。
【0268】
上述の実施形態においては、電動工具1の電源としてバッテリ装着部5に装着されるバッテリパック17が使用されることとした。電動工具1の電源として、商用電源(交流電源)が使用されてもよい。
【0269】
上述の実施形態においては、電動工具1がインパクト工具であることとした。電動工具1は、ドライバドリル、震動ドライバドリル、及びハンマドリル等でもよい。
【0270】
上述の実施形態においては、モータがインナロータ型のブラシレスモータであることとした。モータは、アウタロータ型でもよいし、ブラシ付きモータでもよい。ロータの軸受を保持するリヤカバーを有するモータであれば、上述の実施形態で説明した構成要素を適用することができる。
【符号の説明】
【0271】
1…電動工具、2…ハウジング、2L…左ハウジング、2R…右ハウジング、3…リヤカバー、4…ギヤケース、5…バッテリ装着部、6…モータ、6B…モータ、6C…モータ、7…減速機構、8…スピンドル、9…打撃機構、10…アンビル、11…ねじ、12…ファン、13…コントローラ、14…トリガスイッチ、15…正逆切換レバー、16…操作パネル、17…バッテリパック、18…ライト、19…吸気口、20…排気口、21…モータ収容部、21L…左側部、21R…右側部、21T…上端部、22…グリップ部、23…コントローラ収容部、31…前軸受、32…後軸受、33…ブッシュ、34…第1凹部、35…スリーブ、36…ブッシュ、37…スリーブ、38…ストップリング、41…軸受保持部、42…ハンマケース部、50…前軸受、61…ロータ、62…ステータ、62B…ステータ、62C…ステータ、63…センサ基板、63B…センサ基板、63C…センサ基板、64…板金部材、64B…板金部材、64C…板金部材、65…ねじ、65B…ねじ、65C…ねじ、70…ピニオンギヤ、71…プラネタリギヤ、72…インターナルギヤ、73…ピン、81…フランジ部、82…ロッド部、83…後軸受、84…スピンドル溝、91…ハンマ、92…ボール、93…ばね、94…ワッシャ、95…ボール、96…ハンマ溝、101…アンビルボディ、102…アンビル突起部、103…孔、110…第1ねじ、110A…頭部、110B…ねじ部、111…第1開口、112…第1ねじ孔、113…開口、120…第2ねじ、120A…頭部、120B…ねじ部、121…第2開口、122…第2ねじ孔、130…コントローラケース、131…筒部、132…プレート部、133…羽根部、134…周縁部、135…凹部、141…トリガ部材、142…スイッチ本体、160…操作ボタン、200…カバー部、201…第1凸部、202…第2凸部、203…第3凸部、210…ボディ部、211…ねじボス部、212…突出部、214…第2凹部、215…第1内周面、216…第2内周面、217…対向面、231…開口、300…カバー部、311…後側支持部、312…周壁部、313…ベースプレート部、400…カバー部、401…ねじボス部、410…ボディ部、411…前側支持部、412…スピンドル支持部、413…第1外周面、414…第2外周面、415…接続面、611…ロータシャフト、612…ロータコア、613…ロータ磁石、621…ステータコア、621T…ティース、621T1…第1ティース、621T2…第2ティース、621T3…第3ティース、621T4…第4ティース、621T5…第5ティース、621T6…第6ティース、622…前インシュレータ、622T…突出部、623…後インシュレータ、623T…突出部、624…コイル、624U…U相コイル、624U1…U相コイル、624U2…U相コイル、624V…V相コイル、624V1…V相コイル、624V2…V相コイル、624W…W相コイル、624W1…W相コイル、624W2…W相コイル、625…接続線、625E…巻き終り部分、625S…巻き始め部分、626…支持部、626T…突出部、627…ねじ孔、628…渡り線、628U…渡り線、628U1…渡り線、628V…渡り線、628V1…渡り線、628V2…渡り線、628W…渡り線、628W1…渡り線、628W2…渡り線、629…ガイドリブ、631…プレート部、631B…プレート部、631C…プレート部、632…ねじボス部、632B…突出部、632B1…突出部、632B2…突出部、632B3…突出部、632C…突出部、632C1…突出部、632C2…突出部、633…センサ、633B…センサ、633C…センサ、634…信号線、634B…信号線、635…開口、636…開口、637…開口、638…開口、639…開口、639A…大径部、639B…小径部、639C…角孔部、641…絶縁部材、642…電源線、642U…U相電源線、642V…V相電源線、642W…W相電源線、643…ヒュージング端子、643U…U相ヒュージング端子、643V…V相ヒュージング端子、643W…W相ヒュージング端子、644…短絡部材、644U…U相短絡部材、644V…V相短絡部材、644W…W相短絡部材、645…ボディ部、646…ねじボス部、647…開口、648…開口、649…支持部、650…溝、650C…溝、651…突起部、651C…突起部、652…突起部、652C…突起部、653…ピン部、911…ハンマボディ、912…ハンマ突起部、913…孔、914…内筒部、915…外筒部、916…ベース部、917…凹部、918…凹部、1101…第1ねじ、1102…第1ねじ、1201…第2ねじ、1202…第2ねじ、4011…ねじボス部、4012…ねじボス部、6431…ヒュージング部、6432…連結部、6433…接続部、AX…回転軸、CX1…中心軸、CX2…中心軸、DL1…距離、DR1…距離、DL2…距離、DR2…距離、DL3…距離、DR3…距離、DL4…距離、DR4…距離、M…中心線、R1…距離、R2…距離。
図1
図2
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