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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240724BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20240724BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240724BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20240724BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 642J
G09G3/20 650M
G09G3/20 641E
G09G3/20 611E
G02B5/30
G02F1/133 510
G02F1/133 535
G02F1/133 550
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020171987
(22)【出願日】2020-10-12
(65)【公開番号】P2022063630
(43)【公開日】2022-04-22
【審査請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 朋幸
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/106905(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/051889(WO,A1)
【文献】特開2020-038270(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0041642(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 ー 5/42
G02B 5/30
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部からの光を利用して画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルに光を照射する光源と、を備え、
前記光源は、第1原色の光を発する第1光源と、第2原色の光を発する第2光源と、第3原色の光を発する第3光源とを有し、
1つのフレーム画像の表示期間であるフレーム期間は、4つ以上の所定数のサブフレーム期間を含み、前記所定数のサブフレーム期間の各々で出力される色の組み合わせによって前記1つのフレーム画像の色再現が行われ、
各前記サブフレーム期間の色が出力される順序は、色相環における時計回り方向又は反時計回り方向の色の順序であり、
前記表示パネルで時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の色に最も多く含まれる混色成分が白色以外の混色成分から白色に遷移した場合であって遷移前の前記フレーム期間が前記白色以外の混色成分を出力するサブフレーム期間を含むとき、白色を出力するサブフレーム期間を含む遷移後の前記フレーム期間よりも前に、前記白色以外の混色成分を白色寄りにした色成分を出力するサブフレーム期間を含む前記フレーム期間が生じる
表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルで時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の混色成分が第1混色成分から第2混色成分に遷移した場合であって遷移前の前記フレーム期間が前記第1混色成分を出力するサブフレーム期間を含むとき、前記第2混色成分を出力するサブフレーム期間を含む遷移後の前記フレーム期間よりも前に、前記色相環で前記第1混色成分と前記第2混色成分の間にある他の色成分を出力するサブフレーム期間を含む前記フレーム期間が生じる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記他の色成分は、前記色相環における時計回り方向又は反時計回り方向の色の順序において前記第1混色成分と前記第2混色成分との間の色成分である
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1原色は赤色であり、前記第2原色は緑色であり、前記第3原色は青色である
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記フレーム期間は、少なくとも、前記第1原色を出力するサブフレーム期間と前記第2原色を出力するサブフレーム期間と前記第3原色を出力するサブフレーム期間とを含む
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
外部からの光を利用して画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルに光を照射する光源と、を備え、
前記光源は、第1原色の光を発する第1光源と、第2原色の光を発する第2光源と、第3原色の光を発する第3光源とを有し、
1つのフレーム画像の表示期間であるフレーム期間は、4つ以上の所定数のサブフレーム期間を含み、前記所定数のサブフレーム期間の各々で出力される色の組み合わせによって前記1つのフレーム画像の色再現が行われ、
各前記サブフレーム期間の色が出力される順序は、色相環における時計回り方向又は反時計回り方向の色の順序であり、
前記第1原色は赤色であり、前記第2原色は緑色であり、前記第3原色は青色であり、
前記フレーム期間は、少なくとも、前記第1原色を出力するサブフレーム期間と前記第2原色を出力するサブフレーム期間と前記第3原色を出力するサブフレーム期間とを含み、
前記フレーム期間に含まれる他のサブフレーム期間で出力される色は、イエロー、シアン、マゼンタ又は白色であり、
前記他のサブフレーム期間で出力される色は、当該他のサブフレーム期間を含むフレーム期間で表示されるフレーム画像に含まれる混色成分又は白色成分のうち、予め定められた閾値との比較結果に基づいて特定された色成分に対応し、
前記閾値は、色毎に個別に定められ、
イエローの閾値は、シアンの閾値及びマゼンタの閾値より小さく、
白色の閾値は、シアンの閾値及びマゼンタの閾値より小さい
表示装置。
【請求項7】
前記他のサブフレーム期間で出力される色は、当該他のサブフレーム期間を含むフレーム期間で表示されるフレーム画像に含まれる混色成分又は白色成分のうちより多い色成分に対応する
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記フレーム期間は、前記他のサブフレーム期間の数が2以上である場合、当該フレーム期間で表示されるフレーム画像に含まれるイエロー、シアン、マゼンタ及び白色の各々の色成分のうち最も多い色成分を出力するサブフレーム期間と2番目に多い色成分を出力するサブフレーム期間とを含む
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルで時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の色に最も多く含まれる混色成分が白色以外の混色成分から白色に遷移した場合であって遷移前の前記フレーム期間が前記白色以外の混色成分を出力するサブフレーム期間を含むとき、白色を出力するサブフレーム期間を含む遷移後の前記フレーム期間よりも前に、前記白色以外の混色成分を白色寄りにした色成分を出力するサブフレーム期間を含む前記フレーム期間が生じる
請求項からのいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
各サブフレーム期間は、前記表示パネルが備える複数の画素に画素信号が書き込まれる書込期間と、前記書込期間の後の期間であって前記光源が点灯する点灯期間とを含む
請求項1から9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示パネルは、対向する2枚の基板の間に高分子分散型液晶が封入された表示パネルである
請求項1から10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記フレーム期間に含まれる前記他のサブフレーム期間に出力される色がイエローであるとき、前記所定数のフレーム期間の間に前記他のサブフレーム期間に出力される色がイエローから赤色、緑色、または白色に遷移する、
請求項6に記載の表示装置。
【請求項13】
第1フレーム期間における前記所定数のサブフレーム期間のうち所定番目のサブフレーム期間が前記他の色成分を出力するサブフレーム期間であり、前記第1フレーム期間よりも後の第2フレーム期間における前記所定番目のサブフレーム期間が前記他の色成分とは異なる色成分を出力するサブフレーム期間である場合、前記異なる色成分は、前記他の色成分に含まれる色の一部に対応する色成分又は白色の色成分であり、
前記第1フレーム期間は、前記他の色成分を出力するサブフレーム期間を含む前記フレーム期間である、
請求項2又は3に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々の色成分に対応した表示出力期間をフレーム画像の表示期間中に生じさせて画像の色再現を行う時分割のカラー表示出力方式(FSC:Field Sequential Color)方式の表示装置が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-145978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
FSCにおいて、特許文献1のように赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の光の三原色に加えてさらにイエロー、シアン、マゼンタのような当該三原色の混色に対応した表示出力期間をフレーム画像の表示期間中に含ませる場合、適用される表示制御によっては画像のちらつきとして認識される状態が発生しうる。具体的には、各フレームに含まれる複数の色の表示出力期間の色の並びによっては、カラーブレイクが生じて画像のちらつきとして認識される状態が発生することがある。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑みてなされたもので、画像のちらつきをより抑制できる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による表示装置は、外部からの光を利用して画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルに光を照射する光源と、を備え、前記光源は、第1原色の光を発する第1光源と、第2原色の光を発する第2光源と、第3原色の光を発する第3光源とを有し、1つのフレーム画像の表示期間であるフレーム期間は、4つ以上の所定数のサブフレーム期間を含み、前記所定数のサブフレーム期間の各々で出力される色の組み合わせによって前記1つのフレーム画像の色再現が行われ、各前記サブフレーム期間の色が出力される順序は、色相環における時計回り方向又は反時計回り方向の色の順序である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、表示装置の主要構成を示す模式的な回路図である。
図2図2は、液晶表示パネルの概略断面図である。
図3図3は、FSC制御の一例を示すタイムチャートである。
図4図4は、画像信号制御部の主要構成例を示すブロック図である。
図5図5は、ある画素に与えられる画素信号が示す色成分の一例を示すグラフである。
図6図6は、図5の色成分を白色成分と混色成分と原色成分とに分けた例を示すグラフである。
図7図7は、m=4である場合に生じ得るサブフレーム期間の色の組み合わせを示す図である。
図8図8は、時間的に連続する5フレーム期間の各々のサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。
図9図9は、フレーム期間Fnの第1光源、第2光源、第3光源の点灯制御例を示す図である。
図10図10は、フレーム期間F(n+1)の第1光源、第2光源、第3光源の点灯制御例を示す図である。
図11図11は、フレーム期間F(n+2)の第1光源、第2光源、第3光源の点灯制御例を示す図である。
図12図12は、フレーム期間F(n+3)の第1光源、第2光源、第3光源の点灯制御例を示す図である。
図13図13は、フレーム期間F(n+4)の第1光源、第2光源、第3光源の点灯制御例を示す図である。
図14図14は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図15図15は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図16図16は、変形例における各サブフレーム期間の色成分と色相環における色の順序との関係を示す図である。
図17図17は、m=5である場合に生じ得るサブフレーム期間の色の組み合わせを示す図である。
図18図18は、実施形態2においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。
図19図19は、実施形態2においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図20図20は、実施形態2においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図21図21は、実施形態2においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図22図22は、m=6である場合に生じ得るサブフレーム期間の色の組み合わせを示す図である。
図23図23は、実施形態3においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。
図24図24は、実施形態3においてサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間のサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。
図25図25は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の他の例を示す図である。
図26図26は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間の色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本開示の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(実施形態1)
図1は、表示装置100の主要構成を示す模式的な回路図である。表示装置100は、ディスプレイパネルモジュールDPMと、画像信号制御部70とを備える。ディスプレイパネルモジュールDPMは、表示パネルPと、光源装置Lとを備える。
【0010】
表示パネルPは、表示部7と、信号出力回路8と、走査回路9と、VCOM駆動回路10と、タイミングコントローラ13と、電源回路14とを備える。以下、表示部7が面する表示パネルPの一面を表示面とし、他面を背面とする。また、表示装置100の側方と記載した場合、表示装置100を基準として表示面と背面との対向方向に交差(例えば、直交)する方向に位置する。
【0011】
表示部7には、複数の画素Pixがマトリクス状に配置されている。画素Pixは、スイッチング素子1と、2つの電極とを含む。図1及び後述する図2では、2つの電極として、画素電極2と、共通電極6とを図示している。
【0012】
図2は、表示パネルPの概略断面図である。表示パネルPは、対向する2枚の基板と、当該2枚の基板の間に封入された液晶3を有する。以下、当該2枚の基板の一方を第1基板30とし、他方を第2基板20とする。
【0013】
第1基板30は、透光性のガラス基板35と、ガラス基板35の第2基板20側に積層された画素電極2と、画素電極2を覆うように第2基板20側に積層された絶縁層55とを含む。画素電極2は、画素Pix毎に個別に設けられる。第2基板20は、透光性のガラス基板21と、ガラス基板21の第1基板30側に積層された共通電極6と、共通電極6を覆うように第1基板30側に積層された絶縁層56とを含む。共通電極6は、複数の画素Pixで共有される板状又は膜状の形状を有する。
【0014】
実施形態1の液晶3は、高分子分散型液晶である。具体的には、液晶3は、バルク51と、微粒子52とを含む。微粒子52は、バルク51内で画素電極2と共通電極6との電位差に応じて配向が変化する。画素Pix毎に画素電極2の電位が個別に制御されることで、画素Pix毎に少なくとも透光及び分散のいずれかの度合いが制御される。
【0015】
図2を参照して説明した実施形態1では、画素電極2と共通電極6は、液晶3を挟むように対向するが、表示パネルPは、1つの基板に画素電極2と共通電極6が設けられて画素電極2と共通電極6によって発生する電界によって液晶3の配向が制御される構成であってもよい。
【0016】
次に、画素電極2及び共通電極6の電位を制御する仕組みについて説明する。図1に示すようにスイッチング素子1は、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)等、半導体を用いたスイッチング素子である。スイッチング素子1のソース又はドレインの一方は、2つの電極の一方(画素電極2)と接続される。スイッチング素子1のソース又はドレインの他方が信号線4と接続される。スイッチング素子1のゲートは、走査線5と接続される。走査線5は、走査回路9の制御下で、スイッチング素子1のソース-ドレイン間を開閉するための電位を与える。当該電位の制御は、走査回路9が行う。
【0017】
図1に示す例では、複数の信号線4は、画素Pixの並び方向のうち一方(行方向)に沿って並ぶ。信号線4は、画素Pixの並び方向のうち他方(列方向)に沿って延出する。信号線4は、列方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。複数の走査線5は、列方向に沿って並ぶ。走査線5は、行方向に沿って延出する。走査線5は、行方向に並ぶ複数の画素Pixのスイッチング素子1で共有される。
【0018】
実施形態1の説明では、走査線5の延出方向をX方向とし、複数の走査線5が並ぶ方向をY方向とする。また、図1では、複数の走査線5のうちY方向の両端に配置されたものの一方を走査線5aとし、他方を走査線5bとしている。
【0019】
共通電極6は、VCOM駆動回路10と接続される。VCOM駆動回路10は、共通電極6に共通電位として機能する電位を与える。走査回路9が走査線5に対して駆動信号として機能する電位を与えるタイミングで、信号出力回路8が信号線4に対して後述する階調信号を出力することで、画素電極2と共通電極6との間に形成された蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)を充電する。これによって、画素Pixと共通電極6との間の電圧は階調信号に対応した電圧となる。駆動信号が与えられなくなった後、蓄積容量と容量性負荷である液晶(微粒子52)は階調信号を保持する。液晶(微粒子52)の散乱度は、各画素Pixの電圧と共通電極6の電圧に応じて制御される。例えば、液晶3は各画素Pixの電圧と共通電極6との間の電圧が大きくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよいし、各画素Pixの電圧と共通電極6との間の電圧が小さくなるほど散乱度が大きくなるような高分子分散型液晶を用いてもよい。
【0020】
図2に示すように、表示パネルPの側方には、光源装置Lが配置されている。光源装置Lは、光源11と、光源駆動回路12とを備える。光源11は、赤色(R)の光を発する第1光源11Rと、緑色(G)の光を発する第2光源11Gと、青色(B)の光を発する第3光源11Bと、を有する。第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bはそれぞれ、光源駆動回路12の制御下で発光する。実施形態1の第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bは、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)のような発光素子を用いた光源であるが、これに限られるものでなく、発光タイミングを制御可能な光源であればよい。光源駆動回路12は、タイミングコントローラ13の制御下で第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの発光タイミングを制御する。実施形態1において、赤色(R)は第1原色である。実施形態1において、緑色(G)は第2原色である。実施形態1において、青色(B)は第3原色である。
【0021】
光源11から光が照射されると、表示部7は、Y方向の一側面側から照射される光によって照明される。各画素Pixは、Y方向の一側面側から照射される光を透過または散乱させる。散乱の度合いは、階調信号に応じて制御された液晶3の状態による。
【0022】
タイミングコントローラ13は、信号出力回路8、走査回路9、VCOM駆動回路10及び光源駆動回路12の動作タイミングを制御する回路である。実施形態1では、タイミングコントローラ13は、画像信号制御部70を介して入力された信号に基づいて動作する。
【0023】
画像信号制御部70は、表示装置100の外部からの入力信号I(図4参照)に基づいた信号を信号出力回路8及びタイミングコントローラ13に出力する。ある1つの画素Pixに割り当てられるRGBの階調値を示す信号を画素信号とすると、フレーム画像を出力するために画像信号制御部70に入力される入力信号Iは、表示部7に設けられた複数の画素Pixに対する複数の画素信号の集合である。なお、画像信号制御部70は、表示パネルPを構成する基板の1つに設けられてもよいし、表示パネルPから延出する配線等が設けられるフレキシブルプリント基板に実装されてもよいし、表示パネルPの外部に設けられる構成であってもよい。
【0024】
図3は、FSC制御の一例を示すタイムチャートである。図3で例示するように、実施形態1では、フレーム期間Fn,F(n+1)のような各フレーム期間Fに含まれる点灯期間Br中にそれぞれ異なる色の光が照射されるサブフレーム期間SF1,SF2,…,SFmが含まれる時分割のカラー表示出力方式(FSC)が採用されている。以下、フレーム期間Fと記載した場合、フレーム期間Fn,F(n+1),…の各フレーム期間を区別せず包括する。フレーム期間Fn,F(n+1),…は、それぞれ1つのフレーム画像が表示される期間である。フレーム期間F(n+1)は、フレーム期間Fnの次のフレーム期間である。nは自然数である。また、サブフレーム期間SFと記載した場合、サブフレーム期間SF1,SF2,…,SFmの各サブフレーム期間を区別せず包括する。mは4以上の自然数である。
【0025】
具体的には、実施形態1では、フレーム期間Fに含まれる複数のサブフレーム期間SF1,SF2,…,SFmの各々で、点灯期間Brに対応した階調信号が書き込まれる。
【0026】
フレーム期間Fnにおいてある1つの画素Pixに与えられる信号によって再現される色成分が、RGBの階調値で表した場合に(R,G,B)=(r0,g0,b0)であるとする。r0は、RGBの階調値を示す情報を含む入力信号における赤色(R)の階調値であり、表示部7で表示される画像の赤色(R)成分として機能する。g0は、RGBの階調値を示す情報を含む入力信号における緑色(G)の階調値であり、表示部7で表示される画像の緑色(G)成分として機能する。b0は、RGBの階調値を示す情報を含む入力信号における青色(B)の階調値であり、表示部7で表示される画像の青色(B)成分として機能する。
【0027】
ここで、r0は、r0=r1+r2+…+rmのように、m個の成分に分割できる。また、g0は、g0=g1+g2+…+gmのように、m個の成分に分割できる。また、b0は、b0=b1+b2+…+bmのように、m個の成分に分割できる。従って、当該1つの画素Pixに対して、サブフレーム期間SF1に(R,G,B)=(r1,g1,b1)で表せる画素信号を与える。また、当該1つの画素Pixに対して、サブフレーム期間SF(m-k)に(R,G,B)=(r(m-k),g(m-k),b(m-k))で表せる画素信号を与える。kは、m未満の整数である。例えば、m=4である場合、k=3である場合とk=2である場合とk=1である場合とk=0である場合が順次生じる。なお、k=3である場合については、上述のサブフレーム期間SF1がこれに該当する。また、当該1つの画素Pixに対して、サブフレーム期間SFmに(R,G,B)=(rm,gm,bm)で表せる画素信号を与える。これによって、当該1つの画素Pixに対して、フレーム期間Fn中に(R,G,B)=(r0,g0,b0)と同様の色成分に対応した画素信号を与えることができる。
【0028】
ここで、m=4である場合、すなわち、サブフレーム期間の数が4つである場合を例として説明する。m=4の場合、(R,G,B)=(r0,g0,b0)は、サブフレーム期間SF1に与えられる(R,G,B)=(r1,g1,b1)と、サブフレーム期間SF2に与えられる(R,G,B)=(r2,g2,b2)と、サブフレーム期間SF3に与えられる(R,G,B)=(r3,g3,b3)と、サブフレーム期間SF4に与えられる(R,G,B)=(r4,g4,b4)と、に分割できる。
【0029】
一例として、(R,G,B)=(r0,g0,b0)=(35,40,30)であるとする。光は、加法混合によって赤色(R)と緑色(G)と青色(B)とを混合することで白色(W)を再現できる。上述の(R,G,B)=(r0,g0,b0)=(35,40,30)の色成分のうち、白色として抽出可能な色成分は、(R,G,B)=(30,30,30)である。従って、例えば、(R,G,B)=(r2,g2,b2)=(30,30,30)とすることで、当該白色として抽出可能な色成分に対応した画素信号をサブフレーム期間SF2中に与えられる。また、このような画素信号が与えられた画素に対して、サブフレーム期間SF2の点灯期間Br中に白色(W)の光を照射することで、白色(W)の表示出力を行える。具体的には、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bを点灯させることで、光源装置Lは、白色(W)の光を照射できる。
【0030】
上述の(R,G,B)=(r0,g0,b0)=(35,40,30)の色成分から白色として抽出可能な色成分を除いた色成分は、(R,G,B)=(5,10,0)である。そこで、例えば、(R,G,B)=(r1,g1,b1)=(5,0,0)とすることで、赤色(R)の色成分に対応した画素信号をサブフレーム期間SF1中に与えられる。また、このような画素信号が与えられた画素に対して、サブフレーム期間SF1の点灯期間Br中に赤色(R)の光を表示パネルPに照射することで、赤色(R)の表示出力を行える。具体的には、第1光源11Rを点灯させることで、光源装置Lは、赤色(R)の光を照射できる。また、(R,G,B)=(r3,g3,b3)=(0,10,0)とすることで、緑色(G)の色成分に対応した画素信号をサブフレーム期間SF3中に与えられる。また、このような画素信号が与えられた画素に対して、サブフレーム期間SF3の点灯期間Br中に緑色(G)の光を表示パネルPに照射することで、緑色(G)の表示出力を行える。具体的には、第2光源11Gを点灯させることで、光源装置Lは、緑色(G)の光を照射できる。なお、この例では、サブフレーム期間SF1,SF2,SF3の期間に(R,G,B)=(r0,g0,b0)=(35,40,30)の色成分に対応した出力が行われることから、(R,G,B)=(r4,g4,b4)=(0,0,0)となり、この1つの画素Pixに限って言えば必ずしもサブフレーム期間SF4の点灯期間Br中に青色(B)の光を表示パネルPに照射する必要はない。一方、この例は、1つの画素Pixに与えられる信号について説明しているに過ぎず、他の画素Pixで青色(B)に対応した色再現を行う必要がある場合もある。従って、この例では、サブフレーム期間SF4の点灯期間Br中に青色(B)の光の照射が行われる。
【0031】
このように、フレーム期間中に各画素Pixに与えられる信号をm個に分割し、各サブフレーム期間SFの個別に与え、与えられた画素信号に対応した光を光源装置Lから表示パネルPに照射することで、表示パネルPは、入力画像に対応した表示出力を行える。
【0032】
各サブフレーム期間SFの書込期間Wr中には、走査回路9による走査線5への駆動信号の出力によって画素Pixに設けられたTFTをオンさせるとともに信号出力回路8による信号線4への階調信号の出力によって画素Pixに階調信号を書き込む信号制御が行われる。従って、共通の走査線5に接続されて当該走査線5に対する駆動信号に応じて同時にオンされる画素行に含まれる複数のPixに対する階調信号の書き込みタイミングは同時になる。このように共通の走査線5に接続される画素行に書き込まれる画像をライン画像とすると、フレーム画像は、走査線5の並び方向に沿って並ぶ複数のライン画像により構成される。ライン画像は、走査線5の延出方向(信号線4の並び方向)に沿って並ぶ複数の画素Pixによって表示出力される画像である。以下、単に「ライン」と記載した場合、特筆しない限り、ライン画像を出力する画素行をさす。
【0033】
図3及び後述する図9等のタイムチャート等では、例示的に7ライン分の表示領域に対して出力されるライン画像に係る階調信号制御を図示している。例えば、図3では、各サブフレーム期間SFの書込期間Wr中に、Y方向の一端側に位置する走査線5(例えば、図1に示す走査線5a)から他方に位置する走査線5(例えば、図1に示す走査線5b)に向かって走査線5が順次走査されるよう走査回路9から走査線5へ駆動信号が出力される。これによって、図3に示す7ライン分の表示領域に対して、サブフレーム期間SF1の書込期間Wr中にライン画像SL11,SL21,SL31,SL41,SL51,SL61,SL71が順次書き込まれる。また、サブフレーム期間SF2の書込期間Wr中にライン画像SL12,SL22,SL32,SL42,SL52,SL62,SL72が順次書き込まれる。また、サブフレーム期間SFmの書込期間Wr中にライン画像SL1m,SL2m,SL3m,SL4m,SL5m,SL6m,SL7mが順次書き込まれる。なお、明示的には図示しないが、サブフレーム期間SFmの前のサブフレーム期間SF(m-k)の書込期間Wr中にライン画像SL1(m-k),SL2(m-k),SL3(m-k),SL4(m-k),SL5(m-k),SL6(m-k),SL7(m-k)が順次書き込まれる。
【0034】
上述のライン画像と、上述の一連による(R,G,B)=(r0,g0,b0)との関係をm=4の場合について例示すると、(R,G,B)=(r1,g1,b1)の画素信号は、サブフレーム期間SF1中の書込期間Wr中に書き込まれるライン画像SL11,SL21,SL31,SL41,SL51,SL61,SL71のうちいずれかのライン画像に含まれる。また、(R,G,B)=(r2,g2,b2)の画素信号は、サブフレーム期間SF2中の書込期間Wr中に書き込まれるライン画像SL12,SL22,SL32,SL42,SL52,SL62,SL72のうちいずれかのライン画像に含まれる。また、(R,G,B)=(r3,g3,b3)の画素信号は、サブフレーム期間SF3中の書込期間Wr中に書き込まれるライン画像SL13,SL23,SL33,SL43,SL53,SL63,SL73のうちいずれかのライン画像に含まれる。また、(R,G,B)=(r4,g4,b4)の画素信号は、サブフレーム期間SF4中の書込期間Wr中に書き込まれるライン画像SL14,SL24,SL34,SL44,SL54,SL64,SL74のうちいずれかのライン画像に含まれる。
【0035】
図3及び後述する図9等における7ラインの構成及び制御はあくまで説明を分かりやすくするための例示であって、表示部7のライン数を7ラインに制限するものでない。表示部7のライン数は複数であればよく、6以下であってもよいし8以上であってもよい。
【0036】
図4は、画像信号制御部70の主要構成例を示すブロック図である。画像信号制御部70は、サブフレーム点灯色構成確定部71と、サブフレーム表示順序確定部72と、サブフレーム点灯色遷移制御部73と、最新サブフレーム点灯色構成記録部74と、液晶制御信号生成部75と、光源制御信号生成部76とを備える集積回路である。
【0037】
サブフレーム点灯色構成確定部71は、原色成分が出力されるサブフレーム期間SF以外のサブフレーム期間SFで出力される色を決定する。実施形態1のサブフレーム点灯色構成確定部71は、入力されたフレーム画像に対応して各画素に与えられる画素信号が示す色成分を白色成分と混色成分と原色成分に分け、原色成分以外でより多い色成分を特定する。なお、混色成分は、実施形態における原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちいずれか2色以上を混合した色の成分である。
【0038】
白色成分は、白色(W)として出力可能な色成分である。混色成分は、原色の混色として出力可能な色成分である。混色成分は、実施形態における原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうちいずれか2色以上を混合した色の成分である。より具体的には、実施形態における混色成分は、シアン(C)の成分、マゼンタ(M)の成分、イエロー(Y)の成分である。なお、シアン(C)は、赤色(R)の補色である。マゼンタ(M)は、緑色(G)の補色である。イエロー(Y)は、青色(B)の補色である。原色成分は、原色を出力する必要がある色成分である。実施形態1の原色成分は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかの色成分であって白色(W)にも混色にも変換できない色成分である。
【0039】
図5は、ある画素に与えられる画素信号が示す色成分の一例を示すグラフである。図5に示すグラフの縦軸は、階調値の高低を示す。階調値が高いほど、色成分に対応した光の輝度が高くなるよう画素Pixが制御される。図5に示すグラフの横軸に沿って並ぶR,G,Bの棒グラフは、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色成分に対応する。すなわち、これらの棒グラフの高さがそれぞれ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の階調値の高低を示す。
【0040】
図5に示す例では、赤色(R)の階調値が高さP1に対応し、緑色(G)の階調値が高さP1と高さP2と高さP3とを足し合わせた高さに対応し、青色(B)の階調値が高さP1と高さP2とを足し合わせた高さに対応する。また、高さP1と高さP2と高さP3との高低関係を不等号で示した場合、P2>P1>P3が成立している。
【0041】
図6は、図5の色成分を白色成分と混色成分と原色成分とに分けた例を示すグラフである。白色成分は、白色(W)の色成分である。白色成分は、赤色(R)の成分と、緑色(G)の成分と、青色(B)の成分とを等しい階調値ずつ足し合わせることで生じる。図5に示す例の場合、赤色(R)の階調値が高さP1のみであり、緑色(G)や青色(B)の階調値よりも低い。従って、図5に示す色成分のうち白色成分に変換できる部分は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々の色成分のうち高さP1に対応する部分である。
【0042】
図5に示す色成分から白色成分を除いた場合に残るのは、緑色(G)の色成分と青色(B)の色成分である。ここで、緑色(G)の色成分と青色(B)の色成分のうち高さP1に対応する部分は白色成分に変換されている。従って、白色成分に変換されていない緑色(G)の色成分は、高さP2と高さP3とを足し合わせた階調値の高さに対応する。また、白色成分に変換されていない青色(B)の色成分は、高さP2が示す階調値の高さに対応する。
【0043】
高さP2と高さP3とを足し合わせた階調値の高さに対応する緑色(G)の色成分と、高さP2が示す階調値の高さに対応する青色(B)の色成分のうち、混色成分に変換可能なのは、図6に示すように、高さP2が示す階調値の高さに対応するシアン(C)の色成分である。図5に示す色成分から白色成分及び混色成分を除いた色成分は、高さP3が示す階調値の高さに対応する緑色(G)の色成分である。従って、図5及び図6に示す例では、白色成分としての白色(W)の階調値が高さP1であり、混色成分としてのシアン(C)の階調値が高さP2であり、原色成分としての緑色(G)の階調値が高さP3である。
【0044】
実施形態1のサブフレーム点灯色構成確定部71は、図5及び図6を参照して説明した考え方に基づいて、入力信号Iの入力に対応して行われるフレーム画像の表示出力で再現される色成分のうち原色成分以外でより多い色成分を特定する。すなわち、サブフレーム点灯色構成確定部71は、入力信号Iが示す複数の画素Pixの各々に対して与えられる赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の階調値を、白色成分と混色成分と原色成分に分け、原色成分以外でより多い色成分を特定する。
【0045】
実施形態1のサブフレーム点灯色構成確定部71は、各フレーム画像で最も多い原色成分以外の色成分を特定する。例えば、図5及び図6を参照して説明した画素信号が全ての画素Pixに与えられるフレーム画像の場合、P2>P1>P3が成立していることから、シアン(C)成分が最も多い。従って、この場合、実施形態1のサブフレーム点灯色構成確定部71は、シアン(C)を当該フレーム画像で最も多い原色成分以外の色成分として特定する。実施形態1のサブフレーム点灯色構成確定部71は、特定された色を、原色成分が出力されるサブフレーム期間SF以外のサブフレーム期間SFで出力される色として扱う。
【0046】
上述したサブフレーム点灯色構成確定部71は、原色成分が出力されるサブフレーム期間SF以外のサブフレーム期間SFで出力される色を各フレーム画像で最も多い原色成分以外の色成分に対応する色としているが、これはあくまで実施形態のサブフレーム点灯色構成確定部71によるものであり、サブフレーム点灯色構成確定部71の機能をこれに限定するものでない。サブフレーム点灯色構成確定部71は、他の方法によってサブフレーム期間SFで出力される色を決定するようにしてもよい。
【0047】
具体的には、各混色成分の階調値と白色成分の階調値に閾値を設け、階調値と閾値との比較結果に応じて、「各フレーム画像で最も多い原色成分以外の色成分」を特定するようにしてもよい。この場合、他のサブフレーム期間で出力される色は、当該他のサブフレーム期間を含むフレーム期間で表示されるフレーム画像に含まれる混色成分又は白色成分のうち、予め定められた閾値との比較結果に基づいて特定された色成分に対応する。より具体的には、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、白色(W)の各々に個別の閾値が設定される。ここで、イエロー(Y)の閾値は、シアン(C)の閾値及びマゼンタ(M)の閾値よりも小さい。また、白色(W)の閾値は、シアン(C)の閾値及びマゼンタ(M)の閾値よりも小さい。サブフレーム点灯色構成確定部71は、各混色成分(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y))及び白色成分の各々について、各々に個別に定められた閾値との比較を行う。サブフレーム点灯色構成確定部71は、フレーム画像において、各混色成分及び白色成分の各々について、閾値以上の階調値(又は閾値より高い階調値)を示す成分を含む画素数をカウントする。サブフレーム点灯色構成確定部71は、当該フレーム画像において最もカウント数が大きかった成分を、「各フレーム画像で最も多い原色成分以外の色成分」とする。
【0048】
サブフレーム表示順序確定部72は、サブフレーム点灯色構成確定部71が特定した原色成分以外の色成分をサブフレーム期間SFで出力される色の1つとする。実施形態1では、サブフレーム表示順序確定部72は、1つのフレーム期間Fに含まれるm個のサブフレーム期間SFのうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色をそれぞれ、第1原色、第2原色、第3原色とする。具体的には、サブフレーム表示順序確定部72は、1つのフレーム期間Fに含まれるm個のサブフレーム期間SFのうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色をそれぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)とする。
【0049】
以下、m=4である場合を例として説明する。すなわち、この例のサブフレーム表示順序確定部72は、m=4のうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色を赤色(R)、緑色(G)、青色(B)とし、残りの1つのサブフレーム期間SFで出力される色をサブフレーム点灯色構成確定部71が原色成分以外の色成分とする。
【0050】
図7は、m=4である場合に生じ得るサブフレーム期間SFの色の組み合わせを示す図である。図1及び図2を参照して説明した実施形態1のディスプレイパネルモジュールDPMでは、サブフレーム期間SFに出力される画像の色が光源装置Lからの光の色によって決定される。従って、図7等では、サブフレーム期間SFの色、すなわち、サブフレーム期間SFにおける光源装置Lからの光の色をサブフレーム期間点灯色と記載している。
【0051】
実施形態1のように第1原色が赤色(R)であり、第2原色が赤色(G)であり、第3原色が赤色(B)である場合の原色成分以外の色成分は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び白色(W)である。従って、サブフレーム表示順序確定部72によって決定される色の組み合わせは、図7に示すパターン1、パターン2、パターン3又はパターン4である。パターン1は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が緑色(G)、4色目が青色(B)のパターンである。パターン2は、1色目が赤色(R)、2色目が緑色(G)、3色目がシアン(C)、4色目が青色(B)のパターンである。パターン3は、1色目が赤色(R)、2色目が緑色(G)、3色目が青色(B)、4色目がマゼンタ(M)のパターンである。パターン4は、1色目が赤色(R)、2色目が白色(W)、3色目が緑色(G)、4色目が青色(B)のパターンである。
【0052】
サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム表示順序確定部72が決定したサブフレーム期間SFの色の組み合わせに基づいて、各フレーム期間Fにおけるサブフレーム期間SFの色の遷移順序を制御する。
【0053】
まず、サブフレーム期間SFの色の遷移順序の決定に制約条件がない場合について説明する。例えば、表示装置100の動作開始後に最初に表示部7で表示されるフレーム画像の表示出力については、それよりも前に表示されていたフレーム画像との関係に基づいた制約条件が生じない。従って、表示装置100の動作開始後に最初に表示部7で表示されるフレーム画像の表示が行われる場合は、制約条件がない場合に該当する。この他、後述する最新サブフレーム点灯色構成記録部74の記憶内容と関わる制約条件に該当しない場合は、制約条件がない場合に該当する。
【0054】
制約条件がない場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム表示順序確定部72が決定した通りの色の組み合わせをフレーム期間Fにおけるサブフレーム期間SFの色の組み合わせとして採用する。具体的には、制約条件がない場合のサブフレーム点灯色遷移制御部73は、例えば図7に示すパターン1からパターン4のうち、サブフレーム表示順序確定部72が採用したパターンの1色目をサブフレーム期間SF1の色とし、当該パターンの2色目をサブフレーム期間SF2の色とし、当該パターンの3色目をサブフレーム期間SF3の色とし、当該パターンの4色目をサブフレーム期間SF4の色とする。例えば、図5及び図6を参照して説明した例に基づいてサブフレーム表示順序確定部72がサブフレーム期間SFの色の組み合わせとして図7に示すパターン2の採用を決定した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0055】
ここで、サブフレーム点灯色遷移制御部73が採用した各サブフレーム期間SFの色が出力される順序は、色相環200(図16参照)における時計回り方向OD1又は反時計回り方向OD2の色の順序である。色相環200では、赤色(R)を起点とすると、反時計回り方向OD2に赤色(R)、イエロー(Y)、緑色(G)、シアン(C)、青色(B)、マゼンタ(M)の順に色が並んでいる。上述の、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした場合の各サブフレーム期間SFの色が出力される順序は、色相環200(図16参照)における反時計回り方向OD2の色の順序である。このように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、各サブフレーム期間SFの色が出力される順序が、色相環200(図16参照)における時計回り方向OD1又は反時計回り方向OD2の色の順序となるように、フレーム期間F内で各サブフレーム期間SFの色が出力される順序を決定する。
【0056】
以上、サブフレーム表示順序確定部72が決定したサブフレーム期間SFの色がシアン(C)だった場合を例として説明したが、サブフレーム表示順序確定部72が決定したサブフレーム期間SFの色が他の色だった場合も同様の考え方でサブフレーム点灯色遷移制御部73は各サブフレーム期間SFの色が出力される順序を決定する。サブフレーム期間SFの色の遷移順序の決定に制約条件がない場合、サブフレーム表示順序確定部72がパターン1の採用を決定したとき、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。また、サブフレーム表示順序確定部72がパターン3の採用を決定したとき、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色をマゼンタ(M)とする。また、サブフレーム表示順序確定部72がパターン3の採用を決定したとき、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0057】
図8は、時間的に連続する5フレーム期間Fの各々のサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。図8を参照した説明では、一例として、n番目のフレーム期間Fnまでパターン1が採用される状態だった後に(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でパターン2に対応する入力信号Iが入力された場合について説明する。
【0058】
この場合、n番目のフレーム期間Fnに対応する入力信号Iの入力に応じて、サブフレーム点灯色構成確定部71が、原色成分以外でより多い色成分としてイエロー(Y)を特定する。サブフレーム表示順序確定部72は、サブフレーム点灯色構成確定部71が特定したイエロー(Y)をサブフレーム期間SFで出力される色の1つとする。また、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)に対応する入力信号Iの入力に応じて、サブフレーム点灯色構成確定部71が、原色成分以外でより多い色成分としてシアン(C)を特定する。サブフレーム表示順序確定部72は、サブフレーム点灯色構成確定部71が特定したシアン(C)をサブフレーム期間SFで出力される色の1つとする。これによって、n番目のフレーム期間Fnまでパターン1が採用される状態だった後に(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でパターン2が採用されることになる。
【0059】
ここで、n番目のフレーム期間Fnまでパターン1が採用され、パターン1に対応した各サブフレーム期間SFの色が出力される状態だったことについては上述の制約条件がない状態だったとする。仮に、この後すぐに(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でパターン2に対応した各サブフレーム期間SFの色が出力された場合、緑色(G)が出力されるサブフレーム期間SFがn番目のフレーム期間Fnまでサブフレーム期間SF3だったものが(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム期間SF2になる。このようなサブフレーム期間SFの色の変遷は、各フレーム期間Fの出力を視認するユーザにとって画像のちらつきが生じたように認識されることがある。
【0060】
そこで、実施形態1のサブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnと(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)とでサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンが変わった場合、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる。
【0061】
例えば、n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン1を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン2を採用した場合、各フレーム期間Fのサブフレーム期間SF1の色である赤色(R)とサブフレーム期間SF4の色である青色(B)については、採用するパターンの変化の前後で各フレーム期間Fにおける色の出力順序に変化がない。従って、この場合、サブフレーム期間SF1とサブフレーム期間SF1は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFに該当しない。一方、サブフレーム期間SF2の色は、パターン1ではイエロー(Y)だが、パターン2では緑色(G)になる。また、サブフレーム期間SF3の色は、パターン1では緑色だが、パターン2ではシアン(C)になる。従って、この場合、サブフレーム期間SF2とサブフレーム期間SF3は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFに該当する。
【0062】
図8は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。上述の例のようにn番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン1を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン2を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン2に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン1に対応したフレーム期間Fとパターン2に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0063】
具体的には、図8に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン1に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0064】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに緑色が足された色(Y+G)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン1を適用する。
【0065】
ここで、「αにβが足された色」とは、例えば、αの色成分とβの色成分との比率が1:1である色をさすが、これに限られるものでない。「αにβが足された色」は、αとβとの混色であればよく、比率等については適宜変更可能である。αとβは、それぞれ異なる色である。
【0066】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン2を適用する。
【0067】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を「緑色にシアンが足された色(G+C)」とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン3を適用する。
【0068】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とすることで、パターン2が採用された状態とする。
【0069】
つまり、この例では、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン2を採用した場合、実際にパターン2に対応したサブフレーム期間SFの色が表示パネルPの出力に反映されるのは(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)である。
【0070】
フレーム期間Fnのパターン1からフレーム期間F(n+1)の経由パターン1を経てフレーム期間F(n+2)の経由パターン2に至ることで、サブフレーム期間SF2の色が3フレーム期間Fかけてイエロー(Y)から「イエローに緑色が足された色(Y+G)」を経て緑色(G)になめらかに変化する。また、フレーム期間F(n+2)の経由パターン2からフレーム期間F(n+3)の経由パターン3を経てフレーム期間F(n+4)のパターン2に至ることで、サブフレーム期間SF3の色が3フレーム期間Fかけて緑色(G)から「緑色にシアンが足された色(G+C)」を経てシアン(C)になめらかに変化する。このような各フレーム期間F間で生じるサブフレーム期間SFの色のなめらかな変化によって、画像のちらつきが認識されうる状態の発生がより抑制される。
【0071】
このように、実施形態1では、表示パネルPで時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の色に最も多く含まれる混色成分が第1混色成分から第2混色成分に遷移した場合であって遷移前のフレーム期間Fが第1混色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むとき、第2混色成分を出力するサブフレーム期間SFを含む遷移後のフレーム期間Fよりも前に、色相環で第1混色成分と第2混色成分の間にある他の色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fが生じる。図8から図13を参照した説明では、第1混色成分がイエロー(Y)であり、第2混色成分がシアン(C)である場合を例として説明した。すなわち、この例では、遷移前のフレーム期間がフレーム期間Fnであり、遷移後のフレーム期間がフレーム期間F(n+4)である。また、他の色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fが、フレーム期間F(n+1)、フレーム期間F(n+2)及びフレーム期間F(n+3)である。
【0072】
最新サブフレーム点灯色構成記録部74は、過去に採用されたフレーム期間Fの各サブフレーム期間SFの色の順序を示すデータを記憶する。最新サブフレーム点灯色構成記録部74は、例えばSRAM(Static Random Access Memory)等、当該データを記憶するための記憶回路を含む。例えば、上述の例においてサブフレーム表示順序確定部72がフレーム期間F(n+1)でパターン2の採用を決定した場合、既にパターン1が採用されたフレーム期間Fnの出力に係る処理が行われている。従って、この例では、最新サブフレーム点灯色構成記録部74は、パターン1に対応するデータを記憶している。
【0073】
上述の制約条件が発生する場合とは、最新サブフレーム点灯色構成記録部74が記憶しているデータが示す各サブフレーム期間SFの色と、サブフレーム表示順序確定部72が新たに採用したパターンが示す各サブフレーム期間SFの色とが異なる場合である。この場合、上述の例のように、時間的に前後するフレーム期間F同士の間でサブフレーム期間SFの色が異なるものになる状態が発生する。従って、この場合にサブフレーム点灯色遷移制御部73は制約条件が生じたものとして、サブフレーム表示順序確定部72が採用したパターンに直接対応したサブフレーム期間SFの色を含むフレーム期間Fの前に経由パターンが適用されたサブフレーム期間SFの色を含むフレーム期間Fを生じさせてサブフレーム期間SFの色をなめらかに変化させる。
【0074】
液晶制御信号生成部75は、サブフレーム点灯色遷移制御部73の制御下で、各画素Pixに対する画素信号を生成して表示パネルPに出力する。画素信号は、信号出力回路8(図1参照)に出力され、信号出力回路8の制御下で各画素Pixに伝送される。
【0075】
光源制御信号生成部76は、サブフレーム点灯色遷移制御部73の制御下で、各サブフレーム期間SFに光源装置Lから照射される光の色をサブフレーム期間点灯色にするよう光源装置Lの動作を制御する制御信号を生成する。光源制御信号生成部76は、当該制御信号を光源装置Lに出力する。光源装置Lの第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bは、当該制御信号に応じて点灯する。
【0076】
サブフレーム点灯色遷移制御部73の制御下で液晶制御信号生成部75と光源制御信号生成部76によって行われるディスプレイパネルモジュールDPMの制御の例について、図9から図13を参照して説明する。
【0077】
図9は、フレーム期間Fnの第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯制御例を示す図である。図10は、フレーム期間F(n+1)の第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯制御例を示す図である。図11は、フレーム期間F(n+2)の第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯制御例を示す図である。図12は、フレーム期間F(n+3)の第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯制御例を示す図である。図13は、フレーム期間F(n+4)の第1光源11R、第2光源11G、第3光源11Bの点灯制御例を示す図である。図9から図13の例は、図8を参照して説明した、フレーム期間Fnのパターン1からフレーム期間F(n+4)のパターン2に変化するまでに、フレーム期間F(n+1)、フレーム期間F(n+2)、フレーム期間F(n+3)で、経由パターン1、経由パターン2及び、経由パターン3が生じる例に対応する。
【0078】
フレーム期間Fnの時点では、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン1に対応してディスプレイパネルモジュールDPMが動作するよう液晶制御信号生成部75及び光源制御信号生成部76に信号を生成させる。光源制御信号生成部76は、フレーム期間Fnの各サブフレーム期間SFの光の色が図8に示すパターン1のサブフレーム期間点灯色に対応した光の色となるよう制御信号を生成する。
【0079】
具体的には、光源制御信号生成部76は、図9に示すように、フレーム期間Fnのサブフレーム期間SF1に含まれる点灯期間Brに第1光源11Rを点灯させるハイ(H)の信号を出力する。これによって、サブフレーム期間SF1に光源装置Lから照射される光の色が赤色(R)になる。
【0080】
また、光源制御信号生成部76は、図9に示すように、フレーム期間Fnのサブフレーム期間SF2に含まれる点灯期間Brに第1光源11Rと第2光源11Gを点灯させるハイ(H)の信号を出力する。これによって、サブフレーム期間SF2に光源装置Lから照射される光の色がイエロー(Y)になる。
【0081】
また、光源制御信号生成部76は、図9に示すように、フレーム期間Fnのサブフレーム期間SF3に含まれる点灯期間Brに第2光源11Gを点灯させるハイ(H)の信号を出力する。これによって、サブフレーム期間SF3に光源装置Lから照射される光の色が緑色(G)になる。
【0082】
また、光源制御信号生成部76は、図9に示すように、フレーム期間Fnのサブフレーム期間SF4に含まれる点灯期間Brに第2光源11Gを点灯させるハイ(H)の信号を出力する。これによって、サブフレーム期間SF4に光源装置Lから照射される光の色が青色(B)になる。
【0083】
このように、図3を参照して説明した光源装置Lの動作において点灯制御が行われるとされた期間中に第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bの少なくとも1つ以上にハイ(H)の信号が出力されることで、サブフレーム期間点灯色に対応した光の照射が行われる。なお、書込期間Wrには、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bに対してロー(L)の信号が出力されることで、光源装置Lが消灯する。
【0084】
なお、実施形態1では、第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bはハイ(H)の信号が与えられた時に点灯し、ロー(L)の信号が与えられた時に消灯するが、これは信号制御のハイ(H)/ロー(L)の意味づけの一例であってこれに限られるものでなく、ハイ(H)/ロー(L)と点灯/消灯の関係は逆でもよい。その場合、図9から図13に示すハイ(H)/ロー(L)の遷移は逆転する。
【0085】
また、実施形態1では、各サブフレーム期間SFの第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bの発光量は、ハイ(H)の信号が与えられる期間(例えば、期間T1又は期間T2)に対応した発光期間の長短によって制御されるが、これに限られるものでない。各サブフレーム期間SFの第1光源11R、第2光源11G及び第3光源11Bの発光量は、流される電流の大小によって発光強度が制御されることで発光量が制御されてもよいし、発光期間と発光強度との組み合わせで発光量が制御されてもよい。
【0086】
図9を参照して説明したフレーム期間Fnでは、各点灯期間Brでハイ(H)の信号が与えられる期間は期間T1である。
【0087】
液晶制御信号生成部75は、サブフレーム点灯色遷移制御部73が各フレーム期間Fで適用するサブフレーム期間点灯色に基づいて各サブフレーム期間SFで各ラインに与えられるライン画像に含まれる画素信号が示す階調値を決定する。
【0088】
例えば、フレーム期間Fnである画素Pixに与えられる画素信号の階調値が(R,G,B)=(40,30,10)であるとする。この場合、(R,G,B)=(rb,gb,bb)=(30,30,0)をイエロー(Y)として出力できる。また、(R,G,B)=(40,30,10)から(R,G,B)=(rb,gb,bb)=(30,30,0)を除いた赤色(R)の色成分は、(R,G,B)=(ra,ga,ba)=(10,0,0)である。また、(R,G,B)=(40,30,10)から(R,G,B)=(rb,gb,bb)=(30,30,0)を除いた緑色(G)の色成分は、(R,G,B)=(rc,gc,bc)=(0,0,0)である。また、(R,G,B)=(40,30,10)から(R,G,B)=(rb,gb,bb)=(30,30,0)を除いた青色(B)の色成分は、(R,G,B)=(rd,gd,bd)=(0,0,10)である。
【0089】
液晶制御信号生成部75は、当該画素Pixに対して、図9に示すように、サブフレーム期間SF1の書込期間Wrに(ra,ga,ba)が書き込まれるよう画素信号を生成する。従って、この例の場合、図9に示すフレーム期間Fnのサブフレーム期間SF1におけるライン画像SL11,SL21,…,SL71のいずれかには、(ra,ga,ba)に対応する画素信号が含まれる。また、液晶制御信号生成部75は、当該画素Pixに対して、図9に示すように、サブフレーム期間SF2の書込期間Wrに(rb,gb,bb)が書き込まれるようが書き込まれるよう画素信号を生成する。従って、この例の場合、図9に示すフレーム期間Fnのサブフレーム期間SF2におけるライン画像SL12,SL22,…,SL72のいずれかには、(rb,gb,bb)に対応する画素信号が含まれる。同様の考え方で、液晶制御信号生成部75は、当該画素Pixに対して、図9に示すように、サブフレーム期間SF3の書込期間Wrに(rc,gc,bc)が書き込まれるようが書き込まれるよう画素信号を生成する。また、液晶制御信号生成部75は、当該画素Pixに対して、図9に示すように、サブフレーム期間SF4の書込期間Wrに(rd,gd,bd)が書き込まれるようが書き込まれるよう画素信号を生成する。
【0090】
このような液晶制御信号生成部75による画素信号の生成と、光源制御信号生成部76による光源装置Lの点灯制御との組み合わせによって、フレーム期間Fnでは、図9に示すように、サブフレーム期間SF1に赤色(R)が出力され、サブフレーム期間SF2にイエロー(Y)が出力され、サブフレーム期間SF3に緑色(G)が出力され、サブフレーム期間SF4に青色(B)が出力される。
【0091】
以下、図10から図13を参照したフレーム期間F(n+1)からフレーム期間F(n+4)に関する説明では、時間的に前のフレーム期間Fにおける制御との相違点について特筆する。
【0092】
図8に示す経由パターン1が適用されるフレーム期間F(n+1)では、サブフレーム期間SF2の色が「イエローに緑色が足された色(Y+G)」になる点で、フレーム期間Fnと異なる。従って、光源制御信号生成部76は、図10に示すように、フレーム期間F(n+1)のサブフレーム期間SF2に含まれる点灯期間Brに第1光源11Rと第2光源11Gを点灯させるハイ(H)の信号のうち、第1光源11Rの点灯期間を期間T2にする。期間T2は、期間T1の半分の期間である。これによって、サブフレーム期間SF2に光源装置Lから照射される光の色が期間T2の間にイエロー(Y)になり、期間T1から期間T2を除いた間に緑色(G)になる。従って、サブフレーム期間SF2に光源装置Lから照射される光の色が「イエローに緑色が足された色(Y+G)」になる。
【0093】
液晶制御信号生成部75は、前述と同様にサブフレーム点灯色遷移制御部73が各フレーム期間Fで適用するサブフレーム期間点灯色に基づいて各サブフレーム期間SFで各ラインに与えられるライン画像に含まれる画素信号が示す階調値を決定する。ただし、この例のフレーム期間F(n+1)以降は、フレーム期間Fnとは採用されるパターンが変わっていることから、入力信号Iが示す少なくとも1つ以上の画素信号の階調値も変わっている。
【0094】
例えば、フレーム期間F(n+1)である画素Pixに与えられる画素信号の階調値が(R,G,B)=(10,70,30)であるとする。このうち、(R,G,B)=(0,30,30)をシアン(C)として出力できるが、経由パターン1が適用されるフレーム期間F(n+1)で照射される光の色のうち混色はイエロー(Y)である。これを踏まえ、(R,G,B)=(rf,gf,bf)=(10,10,0)をイエロー(Y)として出力できる。また、(R,G,B)=(10,70,30)から(R,G,B)=(rf,gf,bf)=(10,10,0)を除いた赤色(R)の色成分は、(R,G,B)=(re,ge,be)=(0,0,0)である。また、(R,G,B)=(10,70,30)から(R,G,B)=(rf,gf,bf)=(10,10,0)を除いた緑色(G)の色成分は、(R,G,B)=(rg,gg,bg)=(0,60,0)である。また、(R,G,B)=(10,70,30)から(R,G,B)=(rf,gf,bf)=(10,10,0)を除いた青色(B)の色成分は、(R,G,B)=(rh,gh,bh)=(0,0,30)である。
【0095】
液晶制御信号生成部75は、当該画素Pixに対して、図9に示すように、サブフレーム期間SF1の書込期間Wrに(ra,ga,ba)が書き込まれるよう画素信号を生成する。ただし、いずれかの経由パターンが適用されるフレーム期間Fでは、直前のフレームから点灯する光の色が変わるサブフレーム期間SFに照射される光の色に含まれる色成分に対応する階調値について発光量に応じた補正が行われる。液晶制御信号生成部75は、当該補正を行ったうえで画素信号を出力する。
【0096】
図9図10で示す例の場合、サブフレーム期間SF2の光の色が、フレーム期間Fnではイエロー(Y)であったものがフレーム期間F(n+1)では「イエローに緑色が足された色(Y+G)」になっている。ここで、フレーム期間F(n+1)では、フレーム期間Fnに比してサブフレーム期間SF2におけるイエロー(Y)の発光量が半分になっている。また、フレーム期間F(n+1)では、フレーム期間Fnに比して緑色(G)の発光量が、サブフレーム期間SF3の発光量にサブフレーム期間SF2の期間T1から期間T2を除いた間の発光量が足されることで1.5倍になっている。このため、液晶制御信号生成部75は、発光量が半分になったイエロー(Y)で(R,G,B)=(rf,gf,bf)=(10,10,0)に対応した出力を行うため、(rf,gf,bf)を2倍にして(R,G,B)=(ri,gi,bi)=(20,20,0)とする。また、液晶制御信号生成部75は、(R,G,B)=(rg,gg,bg)=(0,60,0)のうち、三分の一にあたる(R,G,B)=(rj,gj,bj)=(0,20,0)をサブフレーム期間SF2に割り当て、残りの三分の二の(R,G,B)=(rk,gk,bk)=(0,40,0)をサブフレーム期間SF3に割り当てるように画素信号を振り分ける。これによって、サブフレーム期間SF2に当該画素Pixに与えられる画素信号の階調値は、(R,G,B)=(ri,gi,bi)=(20,20,0)と(R,G,B)=(rj,gj,bj)=(0,20,0)とを足し合わせた(R,G,B)=(20,40,0)になる。また、サブフレーム期間SF3に当該画素Pixに与えられる画素信号の階調値は、(R,G,B)=(rk,gk,bk)=(0,40,0)になる。
【0097】
なお、点灯期間が期間T1であるサブフレーム期間SF1とサブフレーム期間SF4については、フレーム期間F(n+1)でも、図9を参照して説明したフレーム期間Fnと同様の考え方で画素信号が出力される。従って、図10に示すフレーム期間F(n+1)のサブフレーム期間SF1におけるライン画像SL11,SL21,…,SL71のいずれかには、(re,ge,be)に対応する画素信号が含まれる。また、図10に示すフレーム期間F(n+1)のサブフレーム期間SF4におけるライン画像SL11,SL21,…,SL71のいずれかには、(rh,gh,bh)に対応する画素信号が含まれる。
【0098】
ただし、前のフレームから点灯量が半減する光の色に対応した階調値を2倍した場合に画素Pixに与えられる階調値の上限を超える色が生じた場合、上限を超えた分の階調値はその階調値に対応する色の光が点灯するサブフレーム期間SFに割り振られる。例えば、フレーム期間F(n+1)で(R,G,B)=(130,130,0)のイエロー(Y)の階調値に対応する色成分が与えられる画素Pixがあった場合を想定する。また、この想定では、階調値が8ビットであり、最大値が255であるとする。この場合、当該色成分を2倍すると(R,G,B)=(260,260,0)となり、赤色(R)の階調値と緑色(G)の階調値が最大値を超える。従って、液晶制御信号生成部75は、サブフレーム期間SF2において当該2倍の階調値(R,G,B)=(260,260,0)のうち最大値分(R,G,B)=(255,255,0)を当該画素Pixに与える。また、液晶制御信号生成部75は、当該2倍の階調値(R,G,B)=(260,260,0)から最大値(R,G,B)=(255,255,0)を差し引いた(R,G,B)=(5,5,0)のうち、赤色(R)の色成分に対応する(R,G,B)=(5,0,0)をサブフレーム期間SF1において当該画素Pixに与えられる画素信号の階調値に足す。また、液晶制御信号生成部75は、当該2倍の階調値(R,G,B)=(260,260,0)から最大値(R,G,B)=(255,255,0)を差し引いた(R,G,B)=(5,5,0)のうち、緑色(G)の色成分に対応する(R,G,B)=(5,0,0)をサブフレーム期間SF3において当該画素Pixに与えられる画素信号の階調値に足す。以上、イエロー(Y)の場合を例として説明したが、他の色で階調値を2倍した場合に画素Pixに与えられる階調値の上限を超える色が生じた場合についても同様の考え方が適用される。
【0099】
図8に示す経由パターン2が適用されるフレーム期間F(n+2)では、サブフレーム期間SF2の色が緑色(G)になる点で、フレーム期間F(n+1)と異なる。従って、光源制御信号生成部76は、図11に示すように、フレーム期間F(n+2)のサブフレーム期間SF2に含まれる点灯期間Brに期間T1のハイ(H)の信号が与えられる対象を第2光源11Gとし、フレーム期間F(n+1)で期間T2のハイ(H)の信号が与えられていた第1光源11Rに対する信号をロー(L)にする。これによって、サブフレーム期間SF2に光源装置Lから照射される光の色が緑色(G)になる。
【0100】
液晶制御信号生成部75は、経由パターン2が適用されるフレーム期間F(n+2)でも、上述のように、直前のフレームから点灯する光の色が変わるサブフレーム期間SFに照射される光の色に含まれる色成分に対応する階調値について発光量に応じた補正を行う。
【0101】
図11を参照して説明したフレーム期間F(n+2)では、緑色(G)が期間T1点灯するサブフレーム期間SFがサブフレーム期間SF2とサブフレーム期間SF3の2サブフレーム期間SF存在する。従って、液晶制御信号生成部75は、フレーム期間F(n+2)に各画素Pixに与えられる画素信号に含まれる緑色(G)の色成分の階調値をサブフレーム期間SF2とサブフレーム期間SF3で2分割して与える。例えば、(R,G,B)=(0,20,0)の画素信号が与えられる画素Pixがフレーム期間F(n+2)にある場合、当該画素Pixにはサブフレーム期間SF2に(R,G,B)=(0,10,0)の画素信号が与えられ、サブフレーム期間SF3(R,G,B)=(0,10,0)の画素信号が与えられる。
【0102】
図8に示す経由パターン3が適用されるフレーム期間F(n+3)では、サブフレーム期間SF3の色が「緑色にシアンが足された色(G+C)」になる点で、フレーム期間F(n+2)と異なる。従って、光源制御信号生成部76は、図12に示すように、フレーム期間F(n+3)のサブフレーム期間SF3に含まれる点灯期間Brに第2光源11Gと第3光源11Bを点灯させるハイ(H)の信号を与える。ここで、第2光源11Gの点灯期間を期間T1にし、第3光源11Bの点灯期間を期間T2にする。これによって、サブフレーム期間SF3に光源装置Lから照射される光の色が期間T2の間にシアン(C)になり、期間T1から期間T2を除いた間に緑色(G)になる。従って、サブフレーム期間SF3に光源装置Lから照射される光の色が「緑色にシアンが足された色(G+C)」になる。
【0103】
液晶制御信号生成部75は、経由パターン3が適用されるフレーム期間F(n+3)でも、上述のように、直前のフレームから点灯する光の色が変わるサブフレーム期間SFに照射される光の色に含まれる色成分に対応する階調値について発光量に応じた補正を行う。具体的な考え方は、階調値の補正の対象となる色がシアン(C)と緑色になる点を除いて上述のフレーム期間F(n+1)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0104】
図8に示すパターン2が適用されるフレーム期間F(n+4)では、サブフレーム期間SF3の色がシアン(C)になる点で、フレーム期間F(n+3)と異なる。従って、光源制御信号生成部76は、図13に示すように、フレーム期間F(n+4)のサブフレーム期間SF3に含まれる点灯期間Brに第2光源11Gと第3光源11Bを点灯させるハイ(H)の信号の期間をともに期間T1にする。これによって、サブフレーム期間SF3に光源装置Lから照射される光の色がシアン(C)になる。
【0105】
パターン2が適用されるフレーム期間F(n+4)は、いずれかの経由パターンが適用されるフレーム期間Fには該当しないので、補正は行われず、フレーム期間Fnと同様の考え方で、各サブフレーム期間SFのサブフレーム期間点灯色に対応した階調値の割り当てが光源制御信号生成部76によって行われる。ただし、フレーム期間Fnでは原色成分以外の色成分がイエロー(Y)だったのに対してフレーム期間F(n+4)では原色成分以外の色成分がシアン(C)になっているので、液晶制御信号生成部75は、画素信号が示す階調値からシアン(C)に変換可能な色成分をサブフレーム期間SF3に割り当てるようにする。
【0106】
なお、実施形態1では、図1に示すように、画像信号制御部70からタイミングコントローラ13にも同期制御用の信号が出力されるが当該同期制御用の信号は、液晶制御信号生成部75が画素信号と共に出力してもよいし、専用の回路が出力してもよい。当該同期制御用の信号は、信号出力回路8による画素信号の出力タイミングと走査回路9による駆動信号の出力タイミングとを合わせるための信号である。
【0107】
一般的に、n番目のフレーム期間Fnと(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンが変わる場合、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)でもさらにサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンが変わるようなフレーム画像の色の変化はあまり生じない。このため、フレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンは、一般的に、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)以降でも採用可能な状態が継続している。実施形態1では、このような傾向を鑑み、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で採用されたパターンに対応したサブフレーム期間SFの色の変更をなめらかにして画像のちらつきを抑制することを優先している。なお、サブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンの変更に対応した色の変更制御が完了するフレーム期間F(例えば、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4))より前のタイミングでさらにサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンが再度変わった場合、その再度変わったパターンに対応するための制御をその時点から開始してもよいし、いったんフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72が採用するパターンの適用が完了してから再度変わったパターンに変えるための制御を開始してもよい。後者の方が、より画像のちらつきを抑制できる。
【0108】
以上、パターン1からパターン2への変遷の例について図8から図13を参照して説明したが、他のパターンが関与する変遷の場合も基本的な考え方については同様である。
【0109】
図14は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン3を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン4を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン4に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン3に対応したフレーム期間Fとパターン4に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0110】
具体的には、図14に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン3に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色をマゼンタ(M)とする。
【0111】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色を「マゼンタに赤色が足された色(M+R)」とした経由パターン4を適用する。
【0112】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色を赤色(R)とした経由パターン5を適用する。
【0113】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を「赤色に白色が足された色(R+W)」とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色を赤色(R)とした経由パターン6を適用する。
【0114】
なお、白色(W)が足される場合、足される側の色(例えば、赤色(R))の出力に必要な原色以外の原色(例えば、緑色(G)及び青色(B))に対応する光源装置Lの光源が期間T2点灯される。その他、混色に対応する色と原色に対応する色とが足しあわされる場合、原色に対応する光源装置Lの光源が期間T1点灯され、当該原色との組み合わせで当該混色を再現する色の光源装置Lの光源が期間T2点灯される。
【0115】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を白色Wとし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色を赤色(R)とすることで、パターン4が採用された状態とする。ここで、図14に示すフレーム期間F(n+4)のパターン4は、サブフレーム期間SFの色の順序が白色(W)、緑色(G)、青色(B)、赤色(B)の順序であるが、白色(W)は色相環200で時計回り方向OD1及び反時計回り方向OD2に沿って配置される色でないので、当該サブフレーム期間SFの色の順序は色相環200における反時計回り方向OD2の順序であることと矛盾しない。すなわち、白色(W)については、色相環200における色の順序の定義に関わらない。
【0116】
ただし、実施形態1では、白色(W)は、赤色(R)と緑色(G)の間のサブフレーム期間SFか、緑色(G)の直前のサブフレーム期間SFか、赤色(R)の直後のサブフレーム期間SFのいずれかになるよう順序が制御される。
【0117】
ここで、他の色成分(を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fを「第1フレーム期間」とすると、図14に示す例の場合、第1フレーム期間は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)である。また、第1フレーム期間よりも後のフレーム期間Fを第2フレーム期間とすると、図14に示す例の場合、第2フレーム期間は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)である。また、第1フレーム期間における所定数(m)のサブフレーム期間SFのうち「所定番目のサブフレーム期間」が「他の色成分」を出力するサブフレーム期間SFであるとすると、図14に示す例の場合、「所定番目のサブフレーム期間」は1番目のサブフレーム期間SF1であり、「他の色成分」は「赤色に白色が足された色(R+W)」である。以上に基づくと、図14に示す例の場合、第2フレーム期間における「所定番目のサブフレーム期間」、すなわち、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)のサブフレーム期間SF1は、「他の色成分とは異なる色成分」を出力するサブフレーム期間SFである。ここで、「他の色成分とは異なる色成分」は、図14に示す例の場合、白色(W)の色成分である。
【0118】
図15は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン1を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン4を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン4に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン1に対応したフレーム期間Fとパターン4に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0119】
具体的には、図15に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン1に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0120】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに白色が足された色(Y+W)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン7を適用する。
【0121】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を白色Wとし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF4の色を赤色(R)とすることで、パターン4が採用された状態とする。このように、実施形態1では、サブフレーム表示順序確定部72がn番目のフレーム期間Fnで採用したパターンに含まれる色とサブフレーム表示順序確定部72が(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で採用したパターンに含まれる色とで異なる色との組み合わせがイエロー(Y)と白色(W)の組み合わせである場合、経由パターンの数は1つで済む。
【0122】
なお、図8図14図15等を参照して説明した変化前のパターンと変化後のパターンとが逆転する場合、各々の図で示すフレーム期間Fの順序を逆転した制御が行われる。また、変化前のパターンと変化後のパターンとの組み合わせ図示しないパターン同士の組み合わせであったとしても、制御の考え方については図8から図15を参照して説明したものと同様である。
【0123】
以上、実施形態1によれば、外部からの光を利用して画像を表示する表示パネル(例えば、表示パネルP)と、当該表示パネルに光を照射する光源11とを備える。光源11は、第1原色の光を発する第1光源11Rと、第2原色の光を発する第2光源11Gと、第3原色の光を発する第3光源11Bとを有する。1つのフレーム画像の表示期間であるフレーム期間Fは、4つ以上の所定数(m)のサブフレーム期間SFを含み、所定数のサブフレーム期間SFの各々で出力される色の組み合わせによって1つのフレーム画像の色再現が行われる。各サブフレーム期間SFの色が出力される順序は、色相環200における時計回り方向OD1又は反時計回り方向OD2の色の順序である。これによって、サブフレーム期間SF間の色の変化によるカラーブレイクの発生を抑制できる。従って、画像のちらつきをより抑制できる。
【0124】
また、表示パネル(例えば、表示パネルP)で時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の混色成分が第1混色成分から第2混色成分に遷移した場合であって遷移前のフレーム期間Fが第1混色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むとき、第2混色成分を出力するサブフレーム期間SFを含む遷移後のフレーム期間Fよりも前に、色相環200で第1混色成分と第2混色成分の間にある他の色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fが生じる。これによって、連続するフレーム期間F間でサブフレーム期間SFの色の組み合わせを変える必要がある場合であっても、各フレーム期間F間のサブフレーム期間SFの色のなめらかな変化によって、画像のちらつきをより抑制できる。
【0125】
また、第1原色は赤色(R)であり、第2原色は緑色(G)であり、第3原色は青色(B)である。これによって、より一般的な色の光源を採用したカラー出力を行うことができる。
【0126】
また、フレーム期間Fは、少なくとも第1原色を出力するサブフレーム期間SFと第2原色を出力するサブフレーム期間SFと第3原色を出力するサブフレーム期間SFとを含む。また、フレーム期間Fに含まれる他のサブフレーム期間SFのうち1つのサブフレーム期間SFで出力される色は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)又は白色(W)である。これによって、混色又は白色(W)の光を利用したより多彩な出力を行える。
【0127】
また、他のサブフレーム期間SFで出力される色は、当該他のサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fで表示されるフレーム画像に含まれる混色成分又は白色成分のうちより多い色成分に対応する。このようなサブフレーム期間SFがあることで、カラーブレイクがより低減される。
【0128】
また、表示パネル(例えば、表示パネルP)で時間的に連続して表示される複数のフレーム画像の各々の色に最も多く含まれる混色成分が白色(W)以外の混色成分から白色(W)に遷移した場合であって遷移前のフレーム期間Fが白色(W)以外の混色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むとき、白色(W)を出力するサブフレーム期間SFを含む遷移後のフレーム期間Fよりも前に、白色(W)以外の混色成分を白色(W)寄りにした色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fが生じる。これによって、白色(W)の出力のためのサブフレーム期間SFが含まれる場合であっても、各フレーム期間F間のサブフレーム期間SFの色のなめらかな変化によって、画像のちらつきをより抑制できる。
【0129】
また、各サブフレーム期間SFは、表示パネル(例えば、表示パネルP)が備える複数の画素Pixに画素信号が書き込まれる書込期間Wrと、書込期間Wrの後の期間であって光源11が点灯する点灯期間Brとを含む。これによって、書込期間Wrに書き込まれた画素信号に対応する色の光を点灯期間Brに表示パネルへ照射することで、FSCを実現できる。
【0130】
また、表示パネルPは、対向する2枚の基板(例えば、第2基板20、第1基板30)の間に高分子分散型液晶(例えば、液晶3)が封入された表示パネルである。これによって、高分子分散型液晶を利用したFSC方式の表示装置において画像のちらつきをより抑制できる。
【0131】
なお、上述の実施形態1では、サブフレーム表示順序確定部72が1つのフレーム期間Fに含まれるm個のサブフレーム期間SFのうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色をそれぞれ、第1原色、第2原色、第3原色としていたが、これに限られるものでない。以下、サブフレーム表示順序確定部72が1つのフレーム期間Fに含まれるm個のサブフレーム期間SFのうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色を第1原色、第2原色、第3原色に限定しない変形例について、図16を参照して説明する。変形例の説明では、実施形態1と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0132】
図16は、変形例における各サブフレーム期間SFの色成分と色相環200における色の順序との関係を示す図である。図16では、一例としてのサブフレーム期間SFの色の順序に対応する時間の流れを実線の矢印で示す。また、図16では、別例としてのサブフレーム期間SFの色の順序に対応する時間の流れを破線の矢印で示す。
【0133】
図16に示す一例では、例えば、サブフレーム期間SF1のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP1である。カラーパターンCP1は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうち、青色(B)が最も強く、赤色(R)が最も弱く、緑色(G)がその中間の強さである色成分を含む混色の光である。
【0134】
また、図16に示す一例では、サブフレーム期間SF2のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP2である。カラーパターンCP2は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうち、緑色(G)が最も強く、赤色(R)が最も弱く、青色(B)がその中間の強さである色成分を含む混色の光である。
【0135】
また、図16に示す一例では、サブフレーム期間SF3のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP3である。カラーパターンCP3は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうち、緑色(G)が最も強く、青色(B)が最も弱く、赤色(R)がその中間の強さである色成分を含む混色の光である。
【0136】
また、図16に示す一例では、サブフレーム期間SF4のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP4である。カラーパターンCP3は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のうち、赤色(R)が最も強く、緑色(G)が最も弱く、青色(B)がその中間の強さである色成分を含む混色の光である。
【0137】
カラーパターンCP1は、色相環200において矢印A1が示すように、シアン(C)の青色(B)よりの位置に対応する。カラーパターンCP2は、色相環200において矢印A2が示すように、シアン(C)の緑色(G)よりの位置に対応する。カラーパターンCP3は、色相環200において矢印A3が示すように、イエロー(Y)の緑色(G)よりの位置に対応する。カラーパターンCP4は、色相環200において矢印A4が示すように、マゼンタ(M)の赤色(R)よりの位置に対応する。従って、カラーパターンCP1、カラーパターンCP2、カラーパターンCP3、カラーパターンCP4の順序は、色相環200における時計回り方向OD1の順序である。
【0138】
なお、別例として示すように、カラーパターンCP1、カラーパターンCP2、カラーパターンCP3、カラーパターンCP4の順序は一例と逆でもよい。すなわち、サブフレーム期間SF1のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP4であり、サブフレーム期間SF2のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP3であり、サブフレーム期間SF3のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP2であり、サブフレーム期間SF4のサブフレーム期間点灯色がカラーパターンCP1であってもよい。この場合、カラーパターンCP4、カラーパターンCP3、カラーパターンCP2、カラーパターンCP1の順序は、色相環200における反時計回り方向OD2の順序である。
【0139】
変形例のサブフレーム表示順序確定部72は、上述のカラーパターンCP1、カラーパターンCP2、カラーパターンCP3、カラーパターンCP4のように、原色に限られない色の光を各サブフレーム期間SFの光の色として採用する。サブフレーム点灯色遷移制御部73は、実施形態1と同様、制約条件の有無に応じて各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色を制御する。光源制御信号生成部76は、実施形態1と同様、サブフレーム点灯色遷移制御部73がサブフレーム期間点灯色とした色の光を光源装置Lに照射させるよう制御信号を生成する。液晶制御信号生成部75は、は、実施形態1と同様、各サブフレーム期間SFで照射される光の色に対応した出力が行われるよう階調値を決定する。
【0140】
なお、特筆すると、変形例では各サブフレーム期間SFに照射される光が混色になり得るため、画素信号に含まれる赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の階調値が示す色成分も当該混色が照射される各サブフレーム期間SFに分散される。分散の度合いは、サブフレーム期間SFに照射される光に含まれる各々の原色の強さに対応する。また、変形例では、各サブフレーム期間SFに含まれる原色成分の発光量が期間T1、期間T2のような固定された発光期間で制御されない可変的な発光量である。従って、液晶制御信号生成部75は、必要に応じて、このような可変的な発光量の原色成分の光が照射される条件下で入力信号Iが示す階調値に対応する表示パネルPの出力が行われるよう、画素信号で各画素Pixに与えられる階調値を補正する。具体例を挙げると、液晶制御信号生成部75は、フレーム期間F内における原色成分の発光量が「期間T1に対応する所定の発光量」でない場合、「当該原色成分の発光量と所定の発光量との比」を逆転した値を補正係数として算出する。液晶制御信号生成部75は、当該原色成分の階調値に補正係数として乗算して階調値を補正する。
【0141】
なお、図16を参照して説明したカラーパターンCP1,CP2,CP3,CP4はあくまで変形例でサブフレーム期間SFの色として採用可能な混色の一例を示したに過ぎない。変形例でサブフレーム期間SFの色として採用可能な混色は、カラーパターンCP1,CP2,CP3,CP4に限られるものでなく、あらゆる混色であってよい。また、変形例におけるサブフレーム期間SFの色の一部は、原色、原色の混色又は白色(W)であってもよい。実施形態1及び変形例では、各サブフレーム期間SFの色が出力される順序が色相環200における時計回り方向OD1又は反時計回り方向OD2の色の順序であればよい。
【0142】
以上、変形例によれば、複数のサブフレーム期間SFに原色成分を分散させることで連続する複数フレーム期間F間の色の変化による色成分の極端な変化が発生する可能性をより低減できる。従って、カラーブレイクをより抑制でき、カラーブレイクによる画像のちらつきをより抑制できる。
【0143】
また、m=4に限定されない。m=5又はm=6であってもよい。以下、m=5である場合の実施形態2について、図17から図21を参照して説明する。また、m=6である場合の実施形態3について、図22から図24を参照して説明する。実施形態2及び実施形態3の説明では、実施形態1と同様の事項について同じ符号を付して説明を省略することがある。
【0144】
(実施形態2)
図17は、m=5である場合に生じ得るサブフレーム期間SFの色の組み合わせを示す図である。実施形態2においてサブフレーム表示順序確定部72によって決定される色の組み合わせは、図17に示すパターン11、パターン12、パターン13、パターン14、パターン15又はパターン16である。パターン11は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が緑色(G)、4色目がシアン(C)、5色目が青色(B)のパターンである。パターン12は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が緑色(G)、4色目が青色(B)、5色目がマゼンタ(M)のパターンである。パターン13は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が白色(W)、4色目が緑色(G)、5色目が青色(B)のパターンである。パターン14は、1色目が赤色(R)、2色目が白色(W)、3色目が緑色(G)、4色目がシアン(C)、5色目が青色(B)のパターンである。パターン15は、1色目が赤色(R)、2色目が緑色(G)、3色目がシアン(C)、4色目が青色(B)、5色目がマゼンタ(M)のパターンである。パターン16は、1色目が赤色(R)、2色目が白色(W)、3色目が緑色(G)、4色目が青色(B)、5色目がマゼンタ(M)のパターンである。
【0145】
実施形態2のサブフレーム点灯色遷移制御部73は、実施形態1と同様、サブフレーム表示順序確定部72が決定したサブフレーム期間SFの色の組み合わせに基づいて、各フレーム期間Fにおけるサブフレーム期間SFの色の遷移順序を制御する。以下、上述の制約条件が発生する場合について、実施形態2で行われるサブフレーム期間点灯色の制御の例を図18から図21を参照して説明する。なお、図18から図21を参照して説明するパターン同士の組み合わせ以外であっても、考え方は当該説明と同様である。
【0146】
図18は、実施形態2においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン12を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン14を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン14に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン12に対応したフレーム期間Fとパターン14に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0147】
具体的には、図18に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン12に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF5の色をマゼンタ(M)とする。
【0148】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに緑色が足された色(Y+G)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF5の色をマゼンタ(M)とした経由パターン11を適用する。
【0149】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF5の色をマゼンタ(M)とした経由パターン12を適用する。
【0150】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を「緑色にシアンが足された色(G+C)」とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF5の色をマゼンタ(M)とした経由パターン13を適用する。
【0151】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF5の色をマゼンタ(M)とすることで、パターン14が採用された状態とする。
【0152】
図19は、実施形態2においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。例えば、n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン11を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン14を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン15に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン11に対応したフレーム期間Fとパターン15に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0153】
具体的には、図19に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン11に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とする。
【0154】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに赤色が足された色(Y+R)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン14を適用する。
【0155】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン15を適用する。
【0156】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を「赤色にマゼンタが足された色(R+M)」とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン16を適用する。
【0157】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色をマゼンタ(M)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とすることで、パターン15に対応した各サブフレーム期間対応色が採用された状態とする。なお、図19及び後述する図21に示すパターン15では、各サブフレーム期間SFの色の順序がマゼンタ(M)、赤色(R)、緑色(G)、シアン(C)、青色(B)になっているが、これは、色相環200における反時計回り方向OD2の順序である。
【0158】
ここで、他の色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fを「第1フレーム期間」とすると、図19に示す例の場合、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)は、第1フレーム期間に該当する。また、第1フレーム期間よりも後のフレーム期間Fを第2フレーム期間とすると、図19に示す例の場合(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)は、第2フレーム期間に該当する。また、第1フレーム期間における所定数(m)のサブフレーム期間SFのうち「所定番目のサブフレーム期間」が「他の色成分」を出力するサブフレーム期間SFであるとすると、図19に示す例の場合、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)の「所定番目のサブフレーム期間」は2番目のサブフレーム期間SF2であり、「他の色成分」は「イエローに赤色が足された色(Y+R)」である。以上に基づくと、図19に示す例の場合、第2フレーム期間における「所定番目のサブフレーム期間」、すなわち、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)のサブフレーム期間SF2は、「他の色成分とは異なる色成分」を出力するサブフレーム期間SFである。ここで、「他の色成分とは異なる色成分」は、図19に示す例の場合、赤色(R)、すなわち、「他の色成分に含まれる色の一部に対応する色成分」である。
【0159】
また、他の色成分を出力するサブフレーム期間SFを含むフレーム期間Fを「第1フレーム期間」とすると、図19に示す例の場合、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)は、第1フレーム期間に該当する。また、第1フレーム期間よりも後のフレーム期間Fを第2フレーム期間とすると、図19に示す例の場合(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)は、第2フレーム期間に該当する。また、第1フレーム期間における所定数(m)のサブフレーム期間SFのうち「所定番目のサブフレーム期間」が「他の色成分」を出力するサブフレーム期間SFであるとすると、図19に示す例の場合、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)の「所定番目のサブフレーム期間」は1番目のサブフレーム期間SF1であり、「他の色成分」は「赤色にマゼンタが足された色(R+M)」である。以上に基づくと、図19に示す例の場合、第2フレーム期間における「所定番目のサブフレーム期間」、すなわち、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)のサブフレーム期間SF1は、「他の色成分とは異なる色成分」を出力するサブフレーム期間SFである。ここで、「他の色成分とは異なる色成分」は、図19に示す例の場合、マゼンタ(M)、すなわち、「他の色成分に含まれる色の一部に対応する色成分」である。
【0160】
図20は、実施形態2においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。例えば、n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン13を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン12を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン12に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン13に対応したフレーム期間Fとパターン12に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0161】
具体的には、図20に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン13に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とする。
【0162】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに赤色が足された色(Y+R)」とし、サブフレーム期間SF3の色を「白色にイエローが足された色(W+Y)」とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン17を適用する。
【0163】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を「白色にイエローが足された色(W+Y)」とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン18を適用する。
【0164】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を「赤色にマゼンタが足された色(R+M)」とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を「白色にイエローが足された色(W+Y)」とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン19を適用する。
【0165】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色をマゼンタ(M)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とすることで、パターン12に対応した各サブフレーム期間対応色が採用された状態とする。図20を参照して説明したように、変化前後の経由パターンの数が3であって、かつ、サブフレーム期間SFの変化前後の色の組み合わせにイエロー(Y)と白色(W)の組み合わせがある場合、当該サブフレーム期間SFにおいて「白色にイエローが足された色(W+Y)」がサブフレーム期間点灯色とされる経由パターンが3回連続する。なお、図20に示すパターン12では、各サブフレーム期間SFの色の順序がマゼンタ(M)、赤色(R)、イエロー(Y)、緑色(G)、青色(B)になっているが、これは、色相環200における反時計回り方向OD2の順序である。
【0166】
図21は、実施形態2においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。例えば、n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン13を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン15を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン15に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン13に対応したフレーム期間Fとパターン15に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0167】
具体的には、図21に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン13に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とする。
【0168】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローに赤色が足された色(Y+R)」とし、サブフレーム期間SF3の色を「白色に緑色が足された色(W+G)」とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン20を適用する。
【0169】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン21を適用する。
【0170】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を「赤色にマゼンタが足された色(R+M)」とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を「緑色にシアンが足された色(G+C)」とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とした経由パターン22を適用する。
【0171】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色をマゼンタ(M)とし、サブフレーム期間SF2の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とすることで、パターン15に対応した各サブフレーム期間対応色が採用された状態とする。
【0172】
以上、特筆した点を除いて、実施形態2は実施形態1と同様である。なお、実施形態2においても、液晶制御信号生成部75及び光源制御信号生成部76の具体的な動作の考え方は、実施形態1と同様である。
【0173】
実施形態2によれば、フレーム期間Fは、原色以外の色を出力するサブフレーム期間SFの数が2以上であり、当該フレーム期間Fで表示されるフレーム画像に含まれるイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)及び白色(W)の各々の色成分のうち最も多い色成分を出力するサブフレーム期間SFと2番目に多い色成分を出力するサブフレーム期間SFとを含む。これによって、1色以上の混色を出力するサブフレーム期間SFをフレーム期間Fに含ませることができ、カラーブレイクをより抑制できる。従って、カラーブレイクによる画像のちらつきをより抑制できる。
【0174】
(実施形態3)
図22は、m=6である場合に生じ得るサブフレーム期間SFの色の組み合わせを示す図である。実施形態3においてサブフレーム表示順序確定部72によって決定される色の組み合わせは、図22に示すパターン21、パターン22、パターン23又はパターン24である。パターン21は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が緑色(G)、4色目がシアン(C)、5色目が青色(B)、6色目がマゼンタ(M)のパターンである。パターン22は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が白色(W)、4色目が緑色(G)、5色目がシアン(C)、6色目が青色(B)のパターンである。パターン23は、1色目が赤色(R)、2色目がイエロー(Y)、3色目が白色(W)、4色目が緑色(G)、5色目が青色(B)、6色目がマゼンタ(M)のパターンである。パターン24は、1色目が赤色(R)、2色目が白色(W)、3色目が緑色(G)、4色目がシアン(C)、5色目が青色(B)、6色目がマゼンタ(M)のパターンである。
【0175】
実施形態3のサブフレーム点灯色遷移制御部73は、実施形態1と同様、サブフレーム表示順序確定部72が決定したサブフレーム期間SFの色の組み合わせに基づいて、各フレーム期間Fにおけるサブフレーム期間SFの色の遷移順序を制御する。以下、上述の制約条件が発生する場合について、実施形態3で行われるサブフレーム期間点灯色の制御の例を図23図24を参照して説明する。なお、図23図24を参照して説明するパターン同士の組み合わせ以外であっても、考え方は当該説明と同様である。
【0176】
図23は、実施形態3においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の例を示す図である。n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン21を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン23を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン23に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン21に対応したフレーム期間Fとパターン23に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0177】
具体的には、図23に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン21に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とする。
【0178】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を「シアンに緑色が足された色(C+G)」とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とした経由パターン31を適用する。
【0179】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とした経由パターン32を適用する。
【0180】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を「緑色に白色が足された色(G+W)」とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とした経由パターン33を適用する。
【0181】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とすることで、パターン23が採用された状態とする。
【0182】
図24は、実施形態3においてサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の別の例を示す図である。n番目のフレーム期間Fnでサブフレーム表示順序確定部72がパターン22を採用し、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)でサブフレーム表示順序確定部72がパターン23を採用した場合、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、パターン23に対応したサブフレーム期間SFの色が出力されるフレーム期間Fの前に、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させるための経由パターンが適用されたフレーム期間Fをパターン22に対応したフレーム期間Fとパターン23に対応したフレーム期間Fとの間に生じさせる。
【0183】
具体的には、図24に示すように、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン22に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF6の色を青色(B)とする。
【0184】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を「シアンに青色が足された色(C+B)」とし、サブフレーム期間SF6の色を青色(B)とした経由パターン34を適用する。
【0185】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色を青色(B)とした経由パターン35を適用する。
【0186】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色を「青色にマゼンタが足された色(B+M)」とした経由パターン36を適用する。
【0187】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を白色(W)とし、サブフレーム期間SF4の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF5の色を青色(B)とし、サブフレーム期間SF6の色をマゼンタ(M)とすることで、パターン23が採用された状態とする。
【0188】
以上、特筆した点を除いて、実施形態3は実施形態1と同様である。なお、実施形態2においても、液晶制御信号生成部75及び光源制御信号生成部76の具体的な動作の考え方は、実施形態1と同様である。
【0189】
実施形態3によれば、m=6の場合であっても画像のちらつきを抑制できる。
【0190】
なお、実施形態2及び実施形態3でも、上述の変形例を適用できる。すなわち、実施形態2及び実施形態3でも、サブフレーム表示順序確定部72が1つのフレーム期間Fに含まれるm個のサブフレーム期間SFのうち3つのサブフレーム期間SFで出力される色を第1原色、第2原色、第3原色に限定しないようにしてもよい。
【0191】
また、上述の各実施形態では、第1原色、第2原色、第3原色のいずれにも対応しない色が割り当てられたサブフレーム期間の色が、白色(W)以外の混色から白色(W)以外の他の混色へ変化する場合の経由パターンが3つ(3フレーム期間)である例を示しているが、これに限られるものでない。経由パターンとして生じるフレーム期間は、3フレームより長い期間であってもよいし、3フレームより短い期間であってもよい。
【0192】
図25は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の他の例を示す図である。当該例では、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン1に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0193】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローと緑色との混色のバリエーションの1つ(YG1)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン41を適用する。
【0194】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+2)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を「イエローと緑色との混色のバリエーションの他の1つ(YG2)」とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン42を適用する。
【0195】
ここで、「ΦとΨとの混色のバリエーションの1つ(ΦΨ1)」と、「ΦとΨとの混色のバリエーションの他の1つ(ΦΨ2)」とは、Φの色成分とΨの色成分との比率が異なる。また、「ΦとΨとの混色のバリエーションの1つ(ΦΨ1)」では、色成分の比率がΦ>Ψである。また、「ΦとΨとの混色のバリエーションの他の1つ(ΦΨ2)」では、色成分の比率がΦ<Ψである。
【0196】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+3)番目のフレーム期間F(n+3)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン43を適用する。
【0197】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+4)番目のフレーム期間F(n+4)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を「緑色とシアンとの混色のバリエーションの1つ(GC1)」とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン44を適用する。
【0198】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+5)番目のフレーム期間F(n+5)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を「緑色とシアンとの混色のバリエーションの他の1つ(GC2)」とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン45を適用する。
【0199】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+6)番目のフレーム期間F(n+6)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とすることで、パターン2が採用された状態とする。
【0200】
図26は、変化の前後のパターンで色が変わったサブフレーム期間SFの色を段階的に変化させる場合の各フレーム期間Fのサブフレーム期間点灯色の他の例を示す図である。当該例では、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、n番目のフレーム期間Fnの時点では、パターン1に従い、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色をイエロー(Y)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とする。
【0201】
次に、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+1)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とした経由パターン46を適用する。
【0202】
そして、サブフレーム点灯色遷移制御部73は、(n+2)番目のフレーム期間F(n+1)で、サブフレーム期間SF1の色を赤色(R)とし、サブフレーム期間SF2の色を緑色(G)とし、サブフレーム期間SF3の色をシアン(C)とし、サブフレーム期間SF4の色を青色(B)とすることで、パターン2が採用された状態とする。
【0203】
図25及び図26を参照して説明したように、白色(W)以外の混色から白色(W)以外の他の混色へ変化する場合の経由パターンは3つ(3フレーム期間)に限られない。また、図25及び図26では、実施形態1に対応したm=4の場合を例示しているが、m=4に限らず、m=5又はm=6でも同様に経由パターンの数を適宜変更可能である。
【0204】
また、光源装置Lが備える光源は第1光源11Rと第2光源11Gと第3光源11Bに限定されない。光源装置Lは、さらに、これらの混色やその他の色の光源を備えていてもよい。その場合、フレーム期間Fは、光源装置Lが備える光源のうち少なくとも2つ以上を組み合わせた混色による光が照射されるサブフレーム期間SFを1つ以上含む。
【0205】
また、表示パネルPは、高分子分散型液晶を利用した液晶表示パネルに限定されない。表示パネルは、FSCが適用可能なものであれば駆動制御の具体的な方式を問われない。例えば、透過型、半透過型又は反射型の液晶表示パネルであってもよい。
【0206】
また、上述の各実施形態及び変形例において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本開示によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0207】
3 液晶
11 光源
11R 第1光源
11G 第2光源
11B 第3光源
70 画像信号制御部
71 サブフレーム点灯色構成確定部
72 サブフレーム表示順序確定部
73 サブフレーム点灯色遷移制御部
74 最新サブフレーム点灯色構成記録部
75 液晶制御信号生成部
76 光源制御信号生成部
100 表示装置
DPM ディスプレイパネルモジュール
L 光源装置
P 表示パネル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
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