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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240724BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020190496
(22)【出願日】2020-11-16
(65)【公開番号】P2022079347
(43)【公開日】2022-05-26
【審査請求日】2023-09-21
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年11月20~21日 2019年竹中技術研究所公開にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳村 朋子
(72)【発明者】
【氏名】和田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 規敏
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼井 勇志
(72)【発明者】
【氏名】畑中 健
(72)【発明者】
【氏名】吉田 徹
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-178022(JP,A)
【文献】特開2012-128641(JP,A)
【文献】特開2014-106630(JP,A)
【文献】特開2009-150590(JP,A)
【文献】特開2012-248086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出するチェックイン検出部と、
前記執務者の位置を検出する位置検出部と、
前記執務者により前記座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出するチェックアウト検出部と、
前記チェックイン検出部によってチェックインが検出された時点から、前記チェックアウト検出部によってチェックアウトが検出された時点まで、前記位置検出部によって検出された位置を記憶部に記録する記録部と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記座席、及び当該座席から所定距離以内の少なくとも一方に設けられ、前記執務者によって操作可能な操作部を更に備え、
前記チェックイン検出部は、所定期間内において前記執務者により前記操作部が最初に操作されたことを検出することで前記チェックインを検出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記チェックイン検出部は、前記所定期間内において前記執務者により前記操作部が最初に操作されたことを検出し、かつ、前記位置検出部によって検出された当該執務者の位置が当該操作部に対応する座席の位置に位置することを検出することで前記チェックインを検出する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記チェックイン検出部によってチェックインが検出された座席を、当該座席にチェックインした執務者を特定可能な特定情報と共に提示する提示部、
を更に備えた請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記執務室に設けられた座席における環境状態を示す環境情報を更に提示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記チェックイン検出部によって前記執務者によるチェックインが検出された場合に、当該執務者に対してインセンティブを付与する付与部、
を更に備えた請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記インセンティブは、前記座席に着座した状態で前記執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能とするものである、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出し、
前記執務者により前記座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出し、
前記チェックインを検出した時点から、前記チェックアウトを検出した時点まで、前記執務者の位置を記憶部に記録する、
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方改革の推進に伴い、執務者の固定席を決めず、その日の執務内容や個人の好みに合わせて効率的に執務が進められる座席を選んで働くワークスタイルであるフリーアドレスや、ABW(Activity Based Working)等が進展している。
【0003】
従来、このようなフリーアドレスが採用された執務室等において、執務者による執務席の固定化を避けると共に、執務者の要望も考慮した執務席を提示できるようにすることを目的として、次の技術があった。
【0004】
即ち、特許文献1には、執務エリア内に配置された複数の執務席の中から執務席候補を選択して、その執務席候補を利用者に提示する執務席提示システムが開示されている。この執務席提示システムでは、上記執務エリアに設置されたセンサの検出情報を取得して、その検出情報に基づいて、各執務席の在席状況を検知して、その検知結果に基づいて、空席状態の執務席を抽出する。そして、この執務席提示システムでは、作業環境に関する選定条件を指定する利用者の操作に応じて、空席状態の執務席の中から、利用者が指定した前記選定条件に適合した執務席を執務席候補として選定し、当該執務席候補を利用者に提示する執務席提示情報を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-144918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、利用者(執務者)の執務中における位置に関しては何ら考慮されていないため、必ずしも詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができるとは限らない、という問題点があった。
【0007】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、より詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置は、執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出するチェックイン検出部と、前記執務者の位置を検出する位置検出部と、前記執務者により前記座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出するチェックアウト検出部と、前記チェックイン検出部によってチェックインが検出された時点から、前記チェックアウト検出部によってチェックアウトが検出された時点まで、前記位置検出部によって検出された位置を記憶部に記録する記録部と、を備える。
【0009】
請求項1に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出し、かつ、執務者により座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出する一方、チェックインが検出された時点からチェックアウトが検出された時点まで、執務者の位置を検出して記憶部に記録することで、より詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1に記載の情報処理装置であって、前記座席、及び当該座席から所定距離以内の少なくとも一方に設けられ、前記執務者によって操作可能な操作部を更に備え、前記チェックイン検出部は、所定期間内において前記執務者により前記操作部が最初に操作されたことを検出することで前記チェックインを検出するものである。
【0011】
請求項2に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、上記座席、及び当該座席から所定距離以内の少なくとも一方に設けられ、執務者によって操作可能な操作部を更に備え、所定期間内において執務者により操作部が最初に操作されたことを検出することでチェックインを検出することで、より確実、かつ、簡易に、執務者によるチェックインを検出することができる。
【0012】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項2に記載の情報処理装置であって、前記チェックイン検出部は、前記所定期間内において前記執務者により前記操作部が最初に操作されたことを検出し、かつ、前記位置検出部によって検出された当該執務者の位置が当該操作部に対応する座席の位置に位置することを検出することで前記チェックインを検出するものである。
【0013】
請求項3に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、上記所定期間内において執務者により操作部が最初に操作されたことを検出し、かつ、当該執務者の位置が当該操作部に対応する座席の位置に位置することを検出することでチェックインを検出することで、より高精度に、執務者によるチェックインを検出することができる。
【0014】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置であって、前記チェックイン検出部によってチェックインが検出された座席を、当該座席にチェックインした執務者を特定可能な特定情報と共に提示する提示部、を更に備えている。
【0015】
請求項4に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、チェックインが検出された座席を、当該座席にチェックインした執務者を特定可能な特定情報と共に提示することで、より利便性を向上させることができる。
【0016】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項4に記載の情報処理装置であって、前記提示部は、前記執務室に設けられた座席における環境状態を示す環境情報を更に提示するものである。
【0017】
請求項5に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、執務室に設けられた座席における環境状態を示す環境情報を更に提示することで、より的確に執務者の嗜好や執務の内容等に応じた座席を選択することができる。
【0018】
請求項6に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置であって、前記チェックイン検出部によって前記執務者によるチェックインが検出された場合に、当該執務者に対してインセンティブを付与する付与部、を更に備えている。
【0019】
請求項6に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、執務者によるチェックインが検出された場合に、当該執務者に対してインセンティブを付与することで、執務者による執務の効率を向上させることができる。
【0020】
請求項7に記載の本発明に係る情報処理装置は、請求項6に記載の情報処理装置であって、前記インセンティブは、前記座席に着座した状態で前記執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能とするものである。
【0021】
請求項7に記載の本発明に係る情報処理装置によれば、上記インセンティブを、座席に着座した状態で執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能とすることで、より効果的に、執務者による執務の効率を向上させることができる。
【0022】
請求項8に記載の本発明に係る情報処理プログラムは、執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出し、前記執務者により前記座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出し、前記チェックインを検出した時点から、前記チェックアウトを検出した時点まで、前記執務者の位置を記憶部に記録する、処理をコンピュータに実行させる。
【0023】
請求項8に記載の本発明に係る情報処理プログラムによれば、執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出し、かつ、執務者により座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出する一方、チェックインを検出した時点からチェックアウトを検出した時点まで、執務者の位置を検出して記憶部に記録することで、より詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明によれば、より詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る情報処理装置、端末、及び情報蓄積装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係る執務室の構成の一例を示す平面図である。
図4】実施形態に係る執務者位置情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図5】実施形態に係る座席情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図6】実施形態に係る環境状況情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図8】実施形態に係る執務状況表示画面の構成の一例を示す正面図である。
図9】実施形態に係る執務状況表示画面の構成の一例を示す正面図である。
図10】実施形態に係る環境状況表示画面の構成の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、企業に所属する複数の執務者が、当該企業が入居する建物内の執務室に設けられた複数の座席の何れかを自由に選択して執務を行う形態に適用した場合について説明する。
【0027】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る情報処理システム90の構成を説明する。図1に示すように、本実施形態に係る情報処理システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、情報処理装置10と、複数の端末20と、情報蓄積装置30と、表示装置45と、執務室に設けられた複数の座席50と、を含む。なお、情報処理装置10及び情報蓄積装置30の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、端末20の例としては、ノートブック型のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型の端末が挙げられる。
【0028】
本実施形態に係る端末20は、情報処理システム90が対象としている複数の執務者に各々割り当てられた端末である。端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、タッチパネル等の入力部24、液晶ディスプレイ等の表示部25及び媒体読み書き装置(R/W)26を備えている。また、端末20は、無線通信部27、カメラ28及び近距離通信部29を備えている。更に、端末20は、位置特定部40及びスピーカ41を備えている。CPU21、メモリ22、記憶部23、入力部24、表示部25、媒体読み書き装置26、無線通信部27、カメラ28、近距離通信部29、位置特定部40及びスピーカ41はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置26は、記録媒体96に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体96への情報の書き込みを行う。
【0029】
本実施形態では、位置特定部40として、ビーコンを用いた形態を適用しているが、これに限るものではなく、例えば、GPS(Global Positioning Systems)を利用する形態、RFID(Radio Frequency Identification)タグを用いる形態、Wi-Fi(登録商標)を用いる形態、UWB(Ultra Wide Band)を用いる形態、GPS以外の衛星測位システムを適用する形態、複数の測位方式を組み合わせたセンサフュージョン型の形態等としてもよい。
【0030】
また、近距離通信部29は、後述する執務室に配置された複数の座席50に設けられた操作部52との間で、予め定められた距離(本実施形態では、10cm)の範囲内で通信を行う。なお、本実施形態では、近距離通信部29と操作部52との間で行う通信方式としてNFC(Near Field Communication)による通信方式を適用しているが、これに限るものではない。例えば、各座席50にRFIDリーダを設置しておき、執務者が持つRFIDタグと通信を行う形態としてもよいし、Bluetooth(登録商標)による方法、Wi-Fi(登録商標)による方法等の他の方法を適用する形態としてもよい。
【0031】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、各種アプリケーション・プログラムが記憶されている。各種アプリケーション・プログラムは、当該プログラムが書き込まれた記録媒体96が媒体読み書き装置26にセットされ、媒体読み書き装置26が記録媒体96からの当該プログラムの読み出しを行うことで、記憶部23へ記憶される。CPU21は、指定されたアプリケーション・プログラムを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、当該プログラムが有するプロセスを順次実行する。
【0032】
一方、情報処理装置10は、情報処理システム90において中核的な役割を有する装置である。情報処理装置10は、CPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0033】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、情報処理プログラム13Aが記憶されている。情報処理プログラム13Aは、情報処理プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの情報処理プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、情報処理プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、情報処理プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0034】
一方、情報蓄積装置30は、情報処理システム90で取り扱う各種情報を統括的に保管して管理する装置である。情報蓄積装置30は、CPU31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、キーボードとマウス等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35、媒体読み書き装置36及び通信I/F部38を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36及び通信I/F部38はバスB3を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
【0035】
記憶部33はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、執務者位置情報データベース33A、座席情報データベース33B、及び環境状況情報データベース33Cが記憶される。これらの各データベースについては、詳細を後述する。
【0036】
一方、表示装置45は、本実施形態に係る執務室の入退出口の近傍で、かつ、各執務者によって参照可能な位置に設けられており、情報処理装置10により、ネットワーク80を介して制御されるものである。
【0037】
更に、本実施形態に係る執務室に設けられた複数の座席50の各々には、上述したように、端末20の近距離通信部29との間で通信が可能とされた操作部52が設けられている。また、本実施形態に係る座席50の各々には、執務者によって用いられるパーソナルコンピュータ(PC)54、座席50の上面を照明するデスクライト56、及び座席の上面側に送風するデスクファン58が各々設けられている。
【0038】
なお、本実施形態に係る操作部52は、端末20との間で通信が行われた場合に、当該端末20を所持する執務者を特定することのできる情報(以下、「執務者特定情報」という。)を、自身が設けられた座席50を特定可能な情報(以下、「座席特定情報」という。)と共に、ネットワーク80を介して情報処理装置10に送信する。本実施形態では、上記執務者特定情報として、対応する執務者の氏名を適用しているが、これに限るものではない。例えば、執務者特定情報として、対応する執務者に予め個別に割り振られた、後述する執務者ID(Identification)や、当該執務者が所持している端末20のIPアドレス等を適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記座席特定情報として、対応する座席50に予め個別に割り振られた、後述する座席IDを適用しているが、これに限るものではない。例えば、座席特定情報として、対応する座席50の製造番号等を適用する形態としてもよい。
【0039】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置10、端末20、及び情報蓄積装置30の機能的な構成について説明する。図2に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、チェックイン検出部11A、位置検出部11B、チェックアウト検出部11C、記録部11D、提示部11E、及び付与部11Fを含む。情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することで、チェックイン検出部11A、位置検出部11B、チェックアウト検出部11C、記録部11D、提示部11E、及び付与部11Fとして機能する。
【0040】
本実施形態に係るチェックイン検出部11Aは、執務室に設けられた何れかの座席50が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席50にチェックインしたものとして検出する。なお、本実施形態に係るチェックイン検出部11Aでは、所定期間(本実施形態では、各執務対象日)内において何れかの執務者により操作部52が最初に操作された(端末20が接近された)ことを検出し、かつ、後述する位置検出部11Bによって検出された当該執務者の位置が、当該操作部52が設けられた座席50の位置に位置することを検出することで当該執務者によるチェックインを検出する。但し、この形態に限らず、これらの2つの条件のうちの何れか一方の条件が成立したことでチェックインを検出する形態としてもよい。
【0041】
また、本実施形態に係る位置検出部11Bは、執務者の位置を検出する。なお、本実施形態に係る位置検出部11Bでは、各執務者が所持する端末20から当該端末20が有する位置特定部40によって特定された位置を示す情報を受信することで当該執務者の位置を検出する。
【0042】
また、本実施形態に係るチェックアウト検出部11Cは、執務者により座席50の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席50からチェックアウトしたものとして検出する。なお、本実施形態に係るチェックアウト検出部11Cでは、所定期間(本実施形態では、各執務対象日)内において何れかの執務者により操作部52が再び操作された(端末20が接近された)ことを検出し、かつ、位置検出部11Bによって検出された当該執務者の位置が、当該操作部52が設けられた座席50の位置から離脱したことを検出することで当該執務者によるチェックアウトを検出する。但し、この形態に限らず、これらの2つの条件のうちの何れか一方の条件が成立したことでチェックアウトを検出する形態としてもよい。
【0043】
そして、本実施形態に係る記録部11Dは、チェックイン検出部11Aによってチェックインが検出された時点から、チェックアウト検出部11Cによってチェックアウトが検出された時点まで、位置検出部11Bによって検出された位置を記憶部13に記録する。
【0044】
一方、本実施形態に係る提示部11Eは、チェックイン検出部11Aによってチェックインが検出された座席50を、当該座席50にチェックインした執務者を特定可能な特定情報と共に提示する。なお、本実施形態では、上記執務者を特定可能な特定情報として、当該執務者の氏名を適用しているが、これに限るものではない。例えば、上記特定情報として、上述した執務者IDを適用する形態としてもよい。
【0045】
また、本実施形態に係る提示部11Eは、執務室に設けられた座席50における環境状態を示す環境情報を更に提示する。なお、本実施形態では、上記環境情報として、対応する座席50の位置における温度、湿度、騒音レベル、及び照度の4種類の情報を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらの4種類の情報に加えて、空気清浄度、振動レベル、周囲の立て込み具合(人員密度)等の他の環境状態を示す情報を含めた各情報のうちの1つ、又は複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
【0046】
更に、本実施形態に係る付与部11Fは、チェックイン検出部11Aによって執務者によるチェックインが検出された場合に、当該執務者に対してインセンティブを付与する。なお、本実施形態では、上記インセンティブとして、座席50に着座した状態で執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能とすることを適用している。本実施形態では、上記機器として、当該座席50に設けられたパーソナルコンピュータ54、デスクライト56、及びデスクファン58を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらの3種類の機器に加えて、LAN(Local Area Network)回線、各種充電器、空調装置、カメラ、マイク等の他の機器を含めた各機器のうちの1つ、又は複数の組み合わせを上記機器として適用する形態としてもよい。また、商用電力を供給するコンセントを利用可能とすることを、インセンティブの付与の対象として適用する形態としてもよい。
【0047】
一方、本実施形態に係る端末20は、制御部21Aを含む。端末20のCPU21が、近距離通信部29を介した操作部52との通信の制御や、位置特定部40によって特定された執務者の位置を示す位置情報を、無線通信部27を介して情報処理装置10に送信する制御等を行う不図示のプログラムを実行することで、制御部21Aとして機能する。
【0048】
更に、本実施形態に係る情報蓄積装置30は、制御部31Aを含む。情報蓄積装置30のCPU31が、情報処理装置10及び端末20との間で各種情報の授受を行う一方、記憶部33に対するアクセス等を制御する不図示のプログラムを実行することで、制御部31Aとして機能する。
【0049】
ここで、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理システム90が対応する執務室60について説明する。図3は、本実施形態に係る執務室60の構成の一例を示す平面図である。
【0050】
図3に示すように、本実施形態に係る執務室60は、1つの入退出口62が設けられており、執務者は入退出口62を介して執務室60への入室及び執務室60からの退室を行う。なお、執務室60の入退出口62の数は1つに限らず、複数設けられていてもよいことは言うまでもない。
【0051】
本実施形態に係る執務室60は、複数のエリア(図3に示す例では、エリアA~エリアFの6つのエリア)に分かれており、各エリアには複数の座席50が配置されている。本実施形態に係る座席50は、一対の椅子50A及び机50Bを含んで構成されている。図3では図示を省略するが、机50Bの各々の上面に、上述した操作部52、パーソナルコンピュータ54、デスクライト56、及びデスクファン58が設けられている。
【0052】
このように、本実施形態に係る座席50は一対の椅子50A及び机50Bを含んで構成されているが、これに限るものではない。例えば、座席50として机50Bがなく、椅子50Aのみを含む形態としてもよく、逆に、座席50として椅子50Aがなく、机50Bのみを含む形態としてもよい。
【0053】
本実施形態において、各執務者は、以上のように構成された執務室60における何れかの座席50にチェックインし、主に当該座席50に着座した状態で執務を行い、執務が終了すると、当該座席50からチェックアウトする。なお、各執務者は、執務を行っている間に、執務室60の内外を自由に移動することができることは言うまでもない。
【0054】
次に、図4図6を参照して、本実施形態に係る各種データベースについて説明する。まず、図4を参照して、本実施形態に係る執務者位置情報データベース33Aについて説明する。図4に示すように、本実施形態に係る執務者位置情報データベース33Aは、上述した執務者IDと、日時及び位置の各情報とが関連付けられて記憶される。
【0055】
上記日時及び位置の各情報は、対応する執務者の時系列順での位置を示す情報である。図4に示すように、本実施形態では、上記日時を示す情報として所定時間(図4に示す例では、1分)毎の日及び時刻を示す情報を適用している。また、本実施形態では、上記位置を示す情報として、緯度及び経度等の2次元の位置を適用している。但し、この形態に限らず、例えば、上記位置を示す情報として、緯度及び経度等を示す情報に加えて、高度等を示す情報を適用して、3次元の位置を適用する形態としてもよい。
【0056】
次に、図5を参照して、本実施形態に係る座席情報データベース33Bについて説明する。図5に示すように、本実施形態に係る座席情報データベース33Bは、上述した座席IDと、位置、利用日時、及び執務者IDとの各情報が関連付けられて記憶される。
【0057】
上記位置は、対応する座席50の配置位置を示す情報であり、本実施形態では、当該座席50の平面視中央部の位置を示す情報を適用している。なお、当該位置を示す情報は、執務者位置情報データベース33Aにおける位置と同様の情報(本実施形態では、緯度及び経度等の2次元の位置)とされているが、これに限るものではない。この情報も、緯度及び経度等を示す情報に加えて、高度等を示す情報を適用して、3次元の位置を適用する形態としてもよい。
【0058】
また、上記利用日時は、対応する座席50に対して何れかの執務者がチェックインした日時及びチェックアウトした日時を示す情報であり、上記執務者IDは、対応する座席50に、対応する時間帯にチェックインしていた執務者を示す情報である。
【0059】
図5に示す例では、座席IDとして「C001」が割り振られた座席50は(X1,Y1)の位置に配置されており、執務者IDとして「S001」が割り振られた執務者によって2020年4月24日の8時2分から11時45分までチェックインされていたことを表している。
【0060】
次に、図6を参照して、本実施形態に係る環境状況情報データベース33Cについて説明する。図6に示すように、本実施形態に係る環境状況情報データベース33Cは、座席ID、及び環境状況の各情報が関連付けられて記憶される。
【0061】
上記座席IDは、座席情報データベース33Bの座席IDと同様の情報であり、上記環境状況は、上述したように、対応する座席50の位置における温度、湿度、騒音レベル、及び照度の4種類の環境状態を示す情報である。図5に示す例では、座席IDとして「C001」が割り振られた座席50の位置では、温度が20℃で、湿度が40%で、騒音レベルが30dbで、照度が800lxであることを表している。なお、図示は省略するが、本実施形態に係る情報処理システム90では、執務室60に配置された座席50の各々に、上記4種類の環境状態を示す物理量を計測するためのセンサ(以下、「環境センサ」という。)が設けられている。そして、本実施形態に係る情報処理システム90では、情報処理装置10が、上記環境センサから各環境状態を示す物理量を随時取得し、環境状況情報データベース33Cの登録内容を随時更新する。但し、この形態に限るものではなく、日時毎に平均的な物理量を固定的に記憶しておく形態としてもよく、当該固定的な物理量に対して、対応する日時の天気等の気象条件を加味して微調整しつつ適用する形態等としてもよい。
【0062】
次に、図7図10を参照して、本実施形態に係る情報処理システム90の作用として、情報処理を実行する場合の情報処理装置10の作用を説明する。本実施形態に係る情報処理装置10では、執務室60の利用が可能とされた日(本実施形態では、平日)毎における、執務室60が利用可能となる時刻(本実施形態では、午前6時)となった場合に、情報処理装置10のCPU11が情報処理プログラム13Aを実行することにより、図7に示す情報処理が実行される。なお、以下では、執務室60が図3に示されるものである場合について説明する。
【0063】
図7のステップ200で、CPU11は、予め定められた初期処理を実行する。なお、本実施形態では、上記初期処理として、執務室60に配置されている座席50の各々に設けられている、パーソナルコンピュータ54、デスクライト56、及びデスクファン58の各機器を使用できないように設定する処理を適用している。本実施形態では、上記各機器への通電を遮断することで、当該各機器を使用できないように設定しているが、これに限るものではない。また、本実施形態では、上記初期処理として、座席情報データベース33Bから全ての座席50の座席ID、及び位置を示す情報を読み出す処理を適用している。
【0064】
ステップ202で、提示部11Eは、予め定められたフォーマットとされた執務状況表示画面を表示するように表示部15及び表示装置45を制御する。
【0065】
図8に示すように、本実施形態に係る執務状況表示画面では、執務室60の平面図が表示されると共に、この時点の各エリア別のチェックイン数が表示される。本実施形態に係る執務状況表示画面では、チェックインされている座席50の位置にチェックインした執務者を特定可能な特定情報(本実施形態では、氏名)も表示されるが、この時点ではチェックインされている座席50がないため、当該特定情報は表示されない。各執務者は、表示装置45に表示された執務状況表示画面を参照することで、執務室60のチェックイン状況を把握することができる結果、選択可能な座席50を確認することができる。
【0066】
ステップ204で、チェックイン検出部11Aは、何れかの座席50において、操作部52に対する第1操作(本実施形態では、端末20を操作部52に接近させる操作)が行われたか否かを判定する。ここで、チェックイン検出部11Aは、否定判定となった場合はステップ218に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ206に移行する。なお、この際、チェックイン検出部11Aは、上述した執務者特定情報及び座席特定情報を、上記第1操作が行われた操作部52から受信する。
【0067】
そこで、ステップ206で、位置検出部11Bは、受信した執務者特定情報が示す執務者(以下、「対象執務者」という。)が所持する端末20から、位置特定部40によって特定される位置を示す位置情報(以下、「対象位置情報」という。)を受信する。これにより、位置検出部11Bは、対象執務者の位置を検出することができる。また、ステップ206で、記録部11Dは、検出した位置を示す情報を、この時点の日時と共に、対象執務者に関連付けて執務者位置情報データベース33Aに記録する。
【0068】
ステップ208で、チェックイン検出部11Aは、対象位置情報が示す位置が、受信した座席特定情報が示す座席50の位置に対応する位置であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ218に移行する。これに対し、ステップ208において肯定判定となった場合、チェックイン検出部11Aは、座席特定情報が示す座席50に対して、対象執務者がチェックインしたと見なしてステップ210に移行する。なお、本実施形態では、上記対象位置情報が示す位置が座席50の位置に対応する位置であるか否かの判定を、当該対象位置情報が示す位置が当該座席50の位置から所定距離(本実施形態では、30cm)以内であるか否かを判定することにより行っている。但し、この形態に限るものではなく、例えば、上記対象位置情報が示す位置が上記座席50の位置に、位置特定部40により特定される位置の誤差の範囲内で一致するか否かを判定する形態等としてもよい。
【0069】
ステップ210で、提示部11Eは、受信した執務者特定情報及び座席特定情報を用いて、執務状況表示画面を、この時点の状況を示すものに更新するように表示部15及び表示装置45を制御する。
【0070】
図9には、何れかの座席50にチェックインした執務者が複数人(図9に示す例では、7人)である場合における、ステップ210の処理による更新後の執務状況表示画面の一例が示されている。図9に示すように、この執務状況表示画面では、図8に示すものに比較して、チェックインされた座席50に対し、チェックインした執務者の執務者特定情報が表示されている点、及び各エリア別のチェックイン数が更新されている点が異なっている。なお、便宜上、図9に示す例では、執務者特定情報として「S1」、「S2」、・・・と模式的に記載しているが、実際には、対応する執務者の氏名が表示されている。
【0071】
従って、各執務者は、執務状況表示画面を参照することにより、チェックインされていない座席50や、他の執務者がチェックインしている座席50の位置、当該執務者が誰であるのか等を把握することができる。また、情報処理装置10のユーザは、執務状況表示画面を参照することにより、各執務者による座席50の選択の傾向や嗜好性等を分析することができる。
【0072】
ステップ212で、提示部11Eは、環境状況情報データベース33Cから全ての情報を読み出し、当該情報を用いて、対象執務者が所持する端末20の表示部25に対して、予め定められたフォーマットとされた環境状況表示画面の表示を開始させるように制御する。
【0073】
図10には、ステップ212の処理によって対象執務者が所持する端末20により表示される環境状況表示画面の一例が示されている。図10に示すように、この環境状況表示画面では、図9に示す執務状況表示画面に比較して、各エリア別のチェックイン数に代えて、各エリア別の上記4種類の環境状態を示す物理量の計測結果が表示される点が異なっている。なお、本実施形態に係る情報処理システム90では、上記4種類の環境状態を示す物理量が座席50の各々毎に得られるが、本実施形態に係る環境状況表示画面では、各エリア別の環境状態を示す物理量の平均値を適用している。但し、この形態に限らず、当該平均値に加えて、各環境状態を示す物理量の中央値、最小値、最大値等の何れか1つや、複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
【0074】
従って、各執務者は、環境状況表示画面を参照することにより、各エリア別の環境状態を把握することができる結果、自身の嗜好や執務内容に適した座席50を選択することができる。
【0075】
ステップ214で、記録部11Dは、この時点の日時を、座席特定情報が示す座席50に対応する利用日時のチェックインの情報として、座席情報データベース33Bに記録する。また、ステップ214で、記録部11Dは、対象執務者に割り振られた執務者IDを、対応する執務者IDの情報として、座席情報データベース33Bに記録する。
【0076】
ステップ216で、付与部11Fは、座席特定情報が示す座席50に設けられたパーソナルコンピュータ54、デスクライト56、及びデスクファン58の各機器を使用できるように設定することで、対象執務者に対してインセンティブを付与する。本実施形態では、上記各機器への通電を再開することで、当該各機器を使用できるように設定しているが、これに限るものではない。
【0077】
ステップ218で、チェックアウト検出部11Cは、チェックインされている何れかの座席50において、操作部52に対する第2操作(本実施形態では、端末20を操作部52に再び接近させる操作)が行われたか否かを判定する。ここで、チェックアウト検出部11Cは、否定判定となった場合はステップ232に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ220に移行する。なお、この際、チェックアウト検出部11Cは、上述した執務者特定情報及び座席特定情報を、上記第2操作が行われた操作部52から受信する。
【0078】
そこで、ステップ220で、位置検出部11Bは、受信した執務者特定情報が示す執務者(以下、「第2対象執務者」という。)が所持する端末20から、位置特定部40によって特定される位置を示す位置情報(以下、「第2対象位置情報」という。)を受信する。これにより、位置検出部11Bは、第2対象執務者の位置を検出することができる。また、ステップ220で、記録部11Dは、検出した位置を示す情報を、この時点の日時と共に、第2対象執務者に関連付けて執務者位置情報データベース33Aに記録する。
【0079】
ステップ222で、チェックアウト検出部11Cは、第2対象位置情報が示す位置が、受信した座席特定情報が示す座席50の位置から離脱した位置であるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ232に移行する。これに対し、ステップ222において肯定判定となった場合、チェックアウト検出部11Cは、座席特定情報が示す座席50に対して、第2対象執務者がチェックアウトしたと見なしてステップ224に移行する。なお、本実施形態では、上記第2対象位置情報が示す位置が上記座席50の位置から離脱した位置であるか否かの判定を、当該第2対象位置情報が示す位置が当該座席50の位置から所定距離(本実施形態では、1m)以上離れているか否かを判定することにより行っている。但し、この形態に限るものではなく、例えば、上記第2対象位置情報が示す位置が上記座席50の位置から、位置特定部40により特定される位置の誤差の範囲を超えて離れているか否かを判定する形態等としてもよい。
【0080】
ステップ224で、提示部11Eは、受信した執務者特定情報及び座席特定情報を用いて、執務状況表示画面を、この時点の状況を示すものに更新するように表示部15及び表示装置45を制御する。これにより、一例として図9に示す執務状況表示画面において、第2対象執務者がチェックインしていた座席50の表示位置から当該第2対象執務者を示す執務者特定情報が消去されると共に、当該座席50が含まれるエリアの人数が一人分少なくされる。
【0081】
ステップ226で、提示部11Eは、第2対象執務者が所持する端末20の表示部25に対して、ステップ212の処理によって表示を開始させた環境状況表示画面の表示を停止させるように制御する。
【0082】
ステップ228で、記録部11Dは、この時点の日時を、座席特定情報が示す座席50に対応する利用日時のチェックアウトの情報として、座席情報データベース33Bに記録する。
【0083】
ステップ230で、付与部11Fは、座席特定情報が示す座席50に設けられたパーソナルコンピュータ54、デスクライト56、及びデスクファン58の各機器を使用できないように設定することで、第2対象執務者に対して付与していたインセンティブを解除する。本実施形態では、上記各機器への通電を遮断することで、当該各機器を使用できないように設定しているが、これに限るものではない。
【0084】
ステップ232で、CPU11は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ204に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ234に移行する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、執務室60の利用が可能とされた日(本実施形態では、平日)毎における、執務室60が利用できなくなる時刻(本実施形態では、午後9時)となったタイミングを適用している。但し、この形態に限るものではなく、執務室60の座席50にチェックインしていた執務者の全てがチェックアウトしたタイミング、情報処理装置10のユーザによって情報処理の終了を指示する指示情報が入力部14等を介して入力されたタイミング等を上記終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0085】
ステップ234で、提示部11Eは、ステップ202の処理によって表示を開始した執務状況表示画面の表示を停止するように表示部15及び表示装置45を制御し、その後に本情報処理を終了する。
【0086】
以上説明したように、本実施形態によれば、情報処理装置10が、執務室に設けられた座席が執務者により確保されたことを、当該執務者が当該座席にチェックインしたものとして検出するチェックイン検出部11Aと、執務者の位置を検出する位置検出部11Bと、執務者により座席の確保が解消されたことを、当該執務者が当該座席からチェックアウトしたものとして検出するチェックアウト検出部11Cと、チェックイン検出部11Aによってチェックインが検出された時点から、チェックアウト検出部11Cによってチェックアウトが検出された時点まで、位置検出部11Bによって検出された位置を記憶部13に記録する記録部11Dと、を備えている。従って、より詳細に執務室における執務者の執務状況を把握することができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、所定期間内において執務者により操作部52が最初に操作されたことを検出し、かつ、当該執務者の位置が当該操作部52に対応する座席の位置に位置することを検出することでチェックインを検出している。従って、より高精度に、執務者によるチェックインを検出することができる。
【0088】
また、本実施形態によれば、チェックインが検出された座席を、当該座席にチェックインした執務者を特定可能な特定情報と共に提示している。従って、より利便性を向上させることができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、執務室に設けられた座席における環境状態を示す環境情報を更に提示している。従って、より的確に執務者の嗜好や執務の内容等に応じた座席を選択することができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、執務者によるチェックインが検出された場合に、当該執務者に対してインセンティブを付与している。従って、執務者による執務の効率を向上させることができる。
【0091】
更に、本実施形態によれば、上記インセンティブを、座席に着座した状態で執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能としている。従って、より効果的に、執務者による執務の効率を向上させることができる。
【0092】
なお、上記実施形態では、チェックインの検出を、執務者による操作部52に対する操作及び当該執務者の位置に基づいて行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、執務者により端末20を用いて所望の座席50の予約が行われたことを検出することで、チェックインを検出する形態としてもよい。また、QR(Quick Response)コード(登録商標)の読み取りによる方法、顔認証、指紋認証等の生体認証による方法等をチェックインの検出に適用してもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、各執務者が何れかの座席50にチェックインしたタイミングで、当該執務者が所持する端末20に環境状況表示画面の表示を開始する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、各執務者が執務室に入室したタイミングで環境状況表示画面の表示を開始する形態としてもよく、特に表示するタイミングを規定することなく、環境状況表示画面を常時、各執務者の端末20に表示する形態としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、執務室60の環境状況を、環境状況表示画面によって表示することで提示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、端末20のスピーカ41等によって音声により環境状況を提示する形態としてもよい。
【0095】
また、上記実施形態では、執務者に付与するインセンティブとして、執務者にとっての利便性が向上される機器を利用可能とする場合について説明したが、これに限定されない。例えば、執務者にとっての利便性が向上される機器を、端末20等を用いて好みの状態に設定することができるようにすることをインセンティブとする形態としてもよい。この場合の形態例としては、上記機器がデスクライト56である場合は当該デスクライト56の照度を調整可能とする形態、上記機器がデスクファン58である場合は当該デスクファン58の風量を調整可能とする形態等を例示することができる。
【0096】
また、上記実施形態では、環境情報を数値で提示する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、環境情報をグラフィカルに表示する形態としてもよい。この場合の形態例としては、一例として図10に示される環境状況表示画面に対し、執務室60の領域内に温度や湿度等の分布を色別に表示する形態等を例示することができる。
【0097】
また、上記実施形態では、位置検出部11Bによって検出された執務者の位置を、記録すると共に、各執務者のチェックイン及びチェックアウトを検出するために用いる場合について説明したが、これに限定されない。例えば、位置検出部11Bによって検出された執務者の位置を、執務状況表示画面や環境状況表示画面等の各画面上に逐次表示する形態としてもよい。
【0098】
また、上記実施形態では、操作部52を座席50に設けた場合について説明したが、これに限定されない。例えば、操作部52を当該座席50の近傍に設ける形態としてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では、各種データベースを情報処理装置10とは別体構成とされた情報蓄積装置30に記録する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10に各種データベースを記録する形態としてもよい。この場合、情報蓄積装置30は不要となる。
【0100】
また、上記実施形態で適用した各種データベースの構成は一例であり、例示したものに限定されるものでないことは言うまでもない。
【0101】
また、上記実施形態において、例えば、チェックイン検出部11A、位置検出部11B、チェックアウト検出部11C、記録部11D、提示部11E及び付与部11Fの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0102】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0103】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0104】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0105】
10 情報処理装置
11 CPU
11A チェックイン検出部
11B 位置検出部
11C チェックアウト検出部
11D 記録部
11E 提示部
11F 付与部
12 メモリ
13 記憶部
13A 情報処理プログラム
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
20 端末
21 CPU
21A 制御部
22 メモリ
23 記憶部
24 入力部
25 表示部
26 媒体読み書き装置
27 無線通信部
28 カメラ
29 近距離通信部
30 情報蓄積装置
31 CPU
31A 制御部
32 メモリ
33 記憶部
33A 執務者位置情報データベース
33B 座席情報データベース
33C 環境状況情報データベース
34 入力部
35 表示部
36 媒体読み書き装置
37 記録媒体
38 通信I/F部
40 位置特定部
41 スピーカ
45 表示装置
50 座席
50A 椅子
50B 机
52 操作部
54 パーソナルコンピュータ
56 デスクライト
58 デスクファン
80 ネットワーク
90 情報処理システム
96 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10