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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】表示方法、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/37 20060101AFI20240724BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20240724BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20240724BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G09G5/37 100
G09G5/02 B
G09G5/10 B
H04N5/66 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020195695
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2021184081
(43)【公開日】2021-12-02
【審査請求日】2020-11-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】202010440335.0
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ユァン
(72)【発明者】
【氏名】ヂョン グイリン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハイニン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイ ドン
【合議体】
【審判長】岡田 吉美
【審判官】濱本 禎広
【審判官】小島 寛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162153(JP,A)
【文献】特開2017-182497(JP,A)
【文献】特開2016-118756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0285477(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0293528(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示方法であって、
表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、前記方法は、
前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを決定することと、
決定された前記背景における背景画素の階調を差別化することと、
階調を差別化した後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示することと、を含み、
前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させることを含み、かつ、前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化することを含み、
前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを決定することは、
前記表示内容から前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを分割することによって、前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを決定することを含むことを特徴とする
表示方法。
【請求項2】
所定範囲内のランダム値に基づいて前記背景の各背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記所定範囲から設定個数のランダム値を決定することと、
すべての前記パッチの前記背景画素の階調の変化を完了するまで、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させることと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得することと、
前記ランダム値に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させることと、を含むことを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項4】
設定個数の前記ランダム値の和値が0であることを特徴とする
請求項に記載の方法。
【請求項5】
表示装置であって、
表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、前記装置は、
前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを決定し、決定された前記背景における背景画素の階調を差別化するように構成される差別化処理モジュールであって、前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトは、前記表示内容から前記表示内容における前記背景と前記閲読オブジェクトを分割することによって得られるものである、差別化処理モジュールと、
差別化後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示するように構成される表示モジュールと、を備え、
前記差別化処理モジュールは、更に、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させるように構成され、前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化するように構成されることを特徴とする
表示装置。
【請求項6】
前記差別化処理モジュールは、更に、
前記所定範囲から設定個数のランダム値を決定し、
すべての前記パッチの前記背景画素の階調の変化を完了するまで、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させるように構成されることを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記差別化処理モジュールは、更に、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得し、
前記ランダム値に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させるように構成されることを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項8】
設定個数の前記ランダム値の和値が0であることを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項9】
表示装置であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記プロセッサは実行時に上記請求項1~のいずれか1項に記載の表示方法におけるステップを実現するように構成されることを特徴とする、前記表示装置。
【請求項10】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、
前記記憶媒体における命令が表示装置のプロセッサにより実行される場合、前記装置が上記請求項1~のいずれか1項に記載の表示方法におけるステップを実行できるようにする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2020年5月22日に提出した中国特許出願第2020104403350号の優先権を主張し、ここで、該中国特許出願の全内容が本願の一部として援用される。
【0002】
本開示はコンピュータ通信分野に関し、特に表示方法、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の急速な発展に伴い、各種類の電子機器は人々の生活に利便性を提供し、マンマシンインタラクションを行うために、現在、多くの電子機器にいずれも各種類のマルチメディア情報を表示するための表示モジュールが設置される。例えば、電子機器の表示モジュールによりピクチャ、文字等の情報を表示することができる。
【0004】
電子機器が携帯電話である場合を例とし、携帯電話が閲読シーンにある場合、携帯電話に含まれるディスプレイにより背景及び背景上の閲読オブジェクトを表示することができる。しかしながら、ユーザーがディスプレイにより閲読オブジェクトを見るとき、視覚効果が悪いだけでなく、ディスプレイを長期間見ると、ユーザーに視覚疲労が発生し、ひいては視力が低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は表示方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の第1態様に係る表示方法であって、表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、前記方法は、
前記背景における背景画素の階調を差別化することと、
階調を差別化した後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示することと、を含む。
【0007】
選択肢として、前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させることを含む。
【0008】
選択肢として、前記背景画素の階調を差別化することは、
前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を1つ又は複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化することを含む。
【0009】
選択肢として、所定範囲内のランダム値に基づいて前記背景の各背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記所定範囲から設定個数のランダム値を決定することと、
すべての前記パッチの前記背景画素の階調の変化を完了するまで、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させることと、を含む。
【0010】
選択肢として、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得することと、
前記ランダム値に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させることと、を含む。
【0011】
選択肢として、設定個数の前記ランダム値の和値が0である。
【0012】
選択肢として、前記方法は、更に、
前記表示内容に含まれる各画素の位置する階調分布区間を決定することと、
前記階調分布区間の個数が個数閾値より小さい場合、前記電子機器が閲読シーンにあると決定することと、を含み、
前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記背景における背景画素の階調を差別化することを含む。
【0013】
選択肢として、前記方法は、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記表示内容における最も多い画素に対応する前記階調分布区間を前記表示内容における背景画素の位置する階調分布区間として決定することを含む。
【0014】
選択肢として、前記方法は、更に、
前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整することを含む。
【0015】
選択肢として、前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整することは、
差別化後の背景画素に基づいて前記閲読画素のRGB値を調整することにより、前記背景と前記閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整することを含む。
【0016】
選択肢として、前記方法は、更に、
前記表示モジュールの位置する環境の光線パラメータを取得し、前記光線パラメータが少なくとも色温度及び輝度値を含むことと、
前記光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して前記表示モジュールの表示する内容を色順応変換することと、を含む。
【0017】
本開示の実施例の第2態様に係る表示装置であって、表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、前記装置は、
前記背景における背景画素の階調を差別化するように構成される差別化処理モジュールと、
差別化後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示するように構成される表示モジュールと、を備える。
【0018】
選択肢として、前記差別化処理モジュールは、更に、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させるように構成される。
【0019】
選択肢として、前記差別化処理モジュールは、更に、
前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を1つ又は複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化するように構成される。
【0020】
選択肢として、前記差別化処理モジュールは、更に、
前記所定範囲から設定個数のランダム値を決定し、
すべての前記パッチの前記背景画素の階調の変化を完了するまで、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させるように構成される。
【0021】
選択肢として、前記差別化処理モジュールは、更に、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得し、
前記ランダム値に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させるように構成される。
【0022】
選択肢として、設定個数の前記ランダム値の和値が0である。
【0023】
選択肢として、前記装置は、更に、
前記表示内容に含まれる各画素の位置する階調分布区間を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記階調分布区間の個数が個数閾値より小さい場合、前記電子機器が閲読シーンにあると決定するように構成される第2決定モジュールと、を備え、
前記差別化処理モジュールは、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記背景における背景画素の階調を差別化するように構成される。
【0024】
選択肢として、前記装置は、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記表示内容における最も多い画素に対応する前記階調分布区間を前記表示内容における背景画素の位置する階調分布区間として決定するように構成される第3決定モジュールを備える。
【0025】
選択肢として、前記装置は、更に、
前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整するように構成される調整モジュールを備える。
【0026】
選択肢として、前記調整モジュールは、更に、
差別化後の背景画素に基づいて前記閲読画素のRGB値を調整することにより、前記背景と前記閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整するように構成される。
【0027】
選択肢として、前記装置は、更に、
前記表示モジュールの位置する環境の光線パラメータを取得するように構成され、前記光線パラメータが少なくとも色温度及び輝度値を含む取得モジュールと、
前記光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して前記表示モジュールの表示する内容を色順応変換するように構成される変換モジュールと、を備える。
【0028】
本開示の実施例の第3態様に係る表示装置であって、
プロセッサと、
プロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記プロセッサは実行時に上記第1態様のいずれか1つの表示方法におけるステップを実現するように構成される。
【0029】
本開示の実施例の第4態様に係る非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体における命令が表示装置のプロセッサにより実行される場合、前記装置が上記第1態様のいずれか1つの表示方法におけるステップを実行できるようにする。
【発明の効果】
【0030】
本開示の実施例に係る技術案は以下の有益な効果を有してもよい。
【0031】
上記実施例によれば、本開示の電子機器が閲読シーンにある場合、背景における背景画素の階調を差別化し、次に、差別化後の背景画素に基づいて該背景を表示し、背景上の閲読オブジェクトを表示することができる。本開示は各背景画素の階調を相違にすることにより、紙の本の拡散反射効果を模擬し、電子機器の表示モジュールにより紙の本と類似の感覚を模擬することができ、差別化された階調によって、正反射による視覚疲労及び視力低下の問題を減少させることができ、更に閲読体験を向上させる。
【0032】
理解されるべきように、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的且つ解釈的なものであって、本開示を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は例示的な実施例に係る表示方法のフローチャートである。
図2図2は例示的な実施例に係る目標RGB値を差別化する計算模式図である。
図3図3は例示的な実施例に係る目標RGB値を差別化した後の背景のカラー模式図である。
図4図4は例示的な実施例に係る表示インターフェースの模式図である。
図5図5は例示的な実施例に係る閲読オブジェクトの表示効果の模式図である。
図6A図6Aは例示的な実施例に係る第1シーンの表示インターフェースの模式図である。
図6B図6Bは例示的な実施例に係る第2シーンの表示インターフェースの模式図である。
図6C図6Cは例示的な実施例に係る第3シーンの表示インターフェースの模式図である。
図6D図6Dは例示的な実施例に係る第4シーンの表示インターフェースの模式図である。
図7図7は例示的な実施例に係る表示インターフェースの比較模式図である。
図8A図8Aは例示的な実施例に係る第1表示インターフェースの模式図である。
図8B図8Bは例示的な実施例に係る第2表示インターフェースの模式図である。
図8C図8Cは例示的な実施例に係る第3表示インターフェースの模式図である。
図9図9は例示的な実施例に係る表示装置のブロック図である。
図10図10は例示的な実施例に係る表示装置のハードウェアのブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここの図面は明細書に取り込まれて本明細書の一部となり、本開示に合致する実施例を示し、明細書とともに本開示の原理を解釈することに用いられる。
【0035】
ここで例示的な実施例を詳しく説明し、その例を図面に示す。以下の説明は図面に関わる場合、特に示さない限り、異なる図面における同じ数字が同様又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に説明される実施形態は本開示に合致するすべての実施形態を代表しない。逆に、それらは添付の特許請求の範囲に詳しく説明された、本開示のいくつかの態様に合致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0036】
図1は例示的な実施例に係る表示方法のフローチャートであり、図1に示すように、該方法は表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、主に、
前記背景における背景画素の階調を差別化するステップ101と、
差別化後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示するステップ102と、を含む。
【0037】
本開示の実施例の表示方法は表示モジュールを備える電子機器に適用されてもよく、電子機器はモバイル端末及び固定端末を含む。ここで、モバイル端末は携帯電話、ノートパソコン、タブレットコンピュータ、ウェアラブル電子機器、スマートスピーカー等を含み、固定端末はパーソナルコンピュータ、テレビ等を含む。表示モジュールは電子機器のディスプレイを含む。
【0038】
本開示の実施例では、電子機器の表示モジュールにより設定画面を表示することができ、例えば、電子機器の表示モジュールにより閲読オブジェクトを表示することができ、閲読オブジェクトがピクチャ及び/又はテキストを含む。表示モジュールに閲読オブジェクトを表示しているとき、電子機器が閲読シーンにあると決定できる。
【0039】
他の選択可能な実施例では、深層学習ネットワークモデルを用いて表示モジュールの表示する画面を分析して、それぞれ背景及び閲読オブジェクトを決定することができ、深層学習ネットワークモデルがニューラルネットワークモデル等を含む。閲読オブジェクトがテキストであると決定した場合、光学文字認識モデル(OCR:Optical Character Recognition)により閲読オブジェクトを認識して、表示モジュールの表示する画面から背景及び閲読オブジェクトを分割することができる。
【0040】
電子機器が閲読シーンにあると決定した場合、表示モジュールの現在表示している画面に基づき、背景及び背景上に位置する閲読オブジェクトを決定することができ、本開示の実施例では、背景における背景画素の階調を差別化することができる。1つの選択可能な実施例では、背景画素のRGB値に基づいて背景画素のグレイレベル(階調)を取得することができ、RGB値は背景における背景画素がデジタル化される際に電子機器のプロセッサが与えた値であり、RGB値が背景における背景画素の平均輝度情報、又は該背景画素の平均反射(透過)密度情報を示す。例えば、8ビットで1つの画素を示す場合、該画素が合計して256個のグレイレベル(階調が0~255である)があり、12ビットで1つの画素を示す場合、該画素が合計して4096個のグレイレベルに分けられ、16ビットで1つの画素を示す場合、該画素が合計して65536個のグレイレベルに分けられ、ここで、ビットがいくらあるかは、ビットマップにおいて各画素点の色を示すためのバイナリビットがいくらあるかを示す。本開示の実施例では、8ビットで1つの画素を示してもよい。
【0041】
他の選択可能な実施例では、背景画素の現在の階調に基づいて背景の拡散反射表示効果を決定することができる。例えば、背景における各背景画素の現在の階調が同じである場合、背景に現在拡散反射表示効果がないと決定し、背景画素のうちの各背景画素の現在の階調間の差値が設定差値より小さい場合、背景における現在の表示効果が弱拡散反射表示効果であると決定し、背景画素のうちの各背景画素の現在の階調間の差値が設定差値以上である場合、背景における現在の表示効果が強拡散反射表示効果であると決定する。
【0042】
一実施例では、背景に現在拡散反射表示効果がない場合、階調を差別化するとき、各階調間の差値を第1設定階調閾値としてもよい。
【0043】
他の実施例では、背景における現在の表示効果が弱拡散反射表示効果である場合、階調を差別化するとき、各階調間の差値を第2設定階調閾値としてもよく、第2設定階調閾値が第1設定階調閾値より小さい。
【0044】
他の実施例では、背景における現在の表示効果が強拡散反射効果である場合、各階調間の差値を第3設定階調閾値としてもよく、第3設定階調閾値が第2設定階調閾値より小さい。
【0045】
階調を差別化した後、差別化後の背景画素に基づいて該背景を表示し、該背景上に位置する閲読オブジェクトを表示してもよい。例えば、背景に現在拡散反射表示効果がない場合、背景画素の階調を差別化することにより拡散反射表示効果を模擬することができ、背景における現在の拡散反射表示効果がより低い場合、背景画素の階調を差別化することにより現在の拡散反射表示効果を強化することができる。
【0046】
本開示の実施例では、電子機器が閲読シーンにある場合、背景における背景画素の階調を差別化し、次に差別化後の背景画素に基づいて該背景を表示し、背景上の閲読オブジェクトを表示することができる。本開示は各背景画素の階調を相違にすることにより、紙の本の拡散反射効果を模擬し、電子機器の表示モジュールにより紙の本と類似の感覚を模擬することができ、差別化された階調によって、正反射による視覚疲労及び視力低下の問題を減少させることができ、更に閲読体験を向上させる。
【0047】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、前記背景における背景画素の階調及び前記背景上に位置する閲読オブジェクトの閲読画素の階調を同時に差別化することを含む。
【0048】
他の選択可能な実施例では、前記背景画素の階調を差別化してから前記閲読画素の階調を差別化してもよいし、前記閲読画素の階調を差別化してから前記背景画素の階調を差別化してもよく、背景と閲読オブジェクトとが拡散反射表示効果を呈することを可能にすればよく、具体的に実行するステップを制限しない。
【0049】
他の選択可能な実施例では、前記閲読画素の階調を差別化することは、同じ階調を有する閲読画素をランダムに処理して、差別化後の階調を取得することを含む。本開示の実施例では、背景及び閲読オブジェクトを同時に差別化処理することができ、背景と閲読オブジェクトとからなる画面が拡散反射効果を呈するようにすることができ、背景又は閲読オブジェクトのみを差別化処理する場合に比べて、最終的に形成された画面をより真実に近く自然にすることができ、且つ、それぞれ背景及び閲読オブジェクトを処理する場合に比べて、背景及び閲読オブジェクトを同時に差別化処理することは処理効率を向上させる。
【0050】
他の選択可能な実施例では、前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
同じ階調を有する背景画素をランダムに処理して、差別化後の背景画素を取得することを含む。
【0051】
ここで、同じ階調を有する背景画素をランダムに処理する前に、前記方法は、更に、同じ階調を有する背景画素の数を決定することと、同じ階調を有する背景画素の数が設定数閾値以上であるかどうかを決定することと、同じ階調を有する背景画素の数が設定数閾値以上である場合、同じ階調を有する背景画素をランダムに処理して、差別化後の背景画素を取得することと、を含む。
【0052】
単一の白色を背景画素の色とし、又は単一の黒色を背景画素の色とする場合を例とし、直接表示すれば、表示している背景の色が単一であると出現し、更に正反射と類似の視覚効果が出現する。ところが、視力を保護することに有利である視覚効果が、異なる程度の白色背景又は異なる程度の黒色背景である。本願の実施例では、背景画素のランダムな差別化処理によって、差別化後の階調を取得し、背景画素の階調を相違にすることができ、それにより拡散反射表示効果を実現する。
【0053】
他の選択可能な実施例では、同じ階調を有する背景画素の数が設定数閾値より小さい場合、背景における背景画素の階調が変化しないように維持する。同じ階調を有する背景画素の数がより少ない場合、拡散反射表示効果に明らかな影響を与えることがない。例えば、同じ階調を有する背景画素が2つある場合、基本的に拡散反射表示効果に影響を与えることがなく、このとき、この2つの背景画素をランダムに処理する必要がない。
【0054】
本開示の実施例では、同じ階調を有する背景画素を差別化処理するとき、ランダムに差別化処理し、一定の方式で差別化処理する場合に比べて、発生した拡散反射表示効果をより真実の表示効果に近くすることができ、閲読体験が優れている。
【0055】
他の実施例では、階調を差別化することにより拡散反射効果を実現し、異なる照明環境下の拡散反射効果を模擬する拡散反射モデルを予め決定し、該拡散反射モデル、例えば天井ランプで照明する拡散反射モデル、テーブルランプで照明する拡散反射モデル及び日光下の拡散反射モデルに基づいて背景画素の階調を調整することができ、それにより差別化後の背景画素を取得する。電子機器はランダムに差別化処理せずに、現在の照明環境に応じて適切な拡散反射モデルを選択して、異なるシーンにおける本当の紙のページと類似の拡散反射効果を実現し、閲読体験を向上させて、ユーザーの視力を保護する。
【0056】
他の選択可能な実施例では、前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させることを含む。
【0057】
本開示の実施例では、所定範囲内に1つのランダム値をランダムに選択して、該ランダム値に基づいて各背景画素の階調を増加又は減少させて、差別化後の背景画素を取得することができる。
【0058】
ここで、所定範囲内のランダム値を複数設定して、複数のランダム値に基づいて所定のランダムシーケンスを形成することができる。本開示の実施例では、所定範囲が第2設定閾値以上第1設定閾値以下の範囲であってもよく、階調を差別化するとき、ランダム値が第1設定閾値より大きく又は第2設定閾値より小さければ、発生した拡散反射効果がいずれも不自然になり、従って、ランダム値を所定範囲内に設定する必要があり、第1設定閾値が6であってもよく、第2設定閾値が-6であってもよい。他の選択可能な実施例では、第1設定閾値と第2設定閾値とが必要に応じて設定されてもよく、例えば、第1設定閾値が13であってもよく、第2設定閾値が0等であってもよく、ここで具体的に制限しない。
【0059】
他の選択可能な実施例では、所定範囲が(-a,a)であり、aが6以上13以下の正数であってもよく、本開示の実施例では、ランダム値が該所定範囲内にある場合、より良い拡散反射効果を実現することができる。
【0060】
背景におけるある背景画素の階調を差別化処理するとき、所定のランダムシーケンスから1つのランダム値をランダムに選択して該階調を処理して、更に差別化処理後の階調を取得することができる。実現過程において、階調とランダムに決定されたランダム値との和を計算することにより、差別化後の階調を取得することができる。例えば、背景にM個の背景画素がある場合、それぞれM個の背景画素のM個の階調とランダムに決定されたM個のランダム値との和を計算して、M個の差別化後の階調を取得することができ、Mが正の整数である。
【0061】
例えば、背景に第1背景画素、第2背景画素…第M背景画素がある場合、第1背景画素の第1階調が206であり、第2背景画素の第2階調が188であり、…、第M画素の第M階調が160であるが、第1背景画素に対してランダムに決定した第1ランダム値が-1であり、第2背景画素に対してランダムに決定した第2ランダム値が-2であり、…、第M背景画素に対してランダムに決定した第Mランダム値が1である。階調を差別化するとき、それぞれ第1階調と第1ランダム値との第1和値が205であり、第2階調と第2ランダム値との第2和値が186であり、…、第M階調と第Mランダム値との第M和値が161であると決定できるが、決定された第1和値、第2和値…第M和値が差別化後の階調である。
【0062】
本開示の実施例では、ランダム値を所定の数値範囲内に設定することにより、差別化後の階調間の差が大きすぎるため拡散反射効果が不自然になる可能性を減少させることができ、更に発生した拡散反射表示効果をより真実の表示効果に近くし、閲読体験が優れている。
【0063】
他の選択可能な実施例では、前記背景画素の階調を差別化することは、
前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を1つ又は複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化することを含む。
【0064】
例えば、背景を1つ又は複数の64×64サイズのパッチに分割することができ、各パッチを取得した後、前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、各パッチの背景画素の階調を差別化することができる。ここで、各パッチを差別化処理するとき、順に各画素を走査して、各画素が背景画素であるかどうかを決定することができ、該画素が背景画素である場合、該画素の階調を差別化し、該画素が背景画素ではない場合、該画素の階調が変化しないように維持する。
【0065】
1つの選択可能な実施例では、該画素が背景画素ではない場合、該画素が閲読オブジェクトの閲読画素であるかどうかを決定することができ、該画素が閲読画素である場合、該画素の色値を調整することができ、該画素が背景画素ではなく閲読画素でもない場合、該画素の階調及び色値が変化しないように維持する。
【0066】
他の選択可能な実施例では、所定範囲内のランダム値に基づいて前記背景の各背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記所定範囲から設定個数のランダム値を決定することと、
すべての前記パッチの前記背景画素の階調の変化を完了するまで、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させることと、を含む。
【0067】
ここで、各背景画素に対して1つのランダム値を設定してもよく、例えば、背景に第1背景画素、第2背景画素…第M背景画素がある場合、第1背景画素に対してランダムに決定した第1ランダム値が-1であり、第2背景画素に対してランダムに決定した第2ランダム値が-2であり、…、第M背景画素に対してランダムに決定した第Mランダム値が1である。このように、各背景画素に1つのランダム値が対応し、これにより、すべての背景画素の階調の変化を完了するまで、各ランダム値に基づいて現在パッチの各背景画素の階調を変化させることができる。本開示の実施例では、画面全体におけるすべての背景画素を同時に処理する場合に比べて、背景を1つ又は複数の所定寸法のパッチに分割して、それぞれ各パッチにおける各背景画素の階調を差別化処理することにより、同時に処理すべきデータ量を減少させ、更にシステム負荷を軽減することができる。
【0068】
他の選択可能な実施例では、前記ランダム値に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を増加又は減少させることは、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得することと、
前記ランダム値に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させることと、を含む。
【0069】
他の選択可能な実施例では、前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得することは、前記背景における背景画素の現在RGB値が閲読シーンの所定RGB値に対応するかどうかを決定することと、背景における背景画素の現在RGB値が閲読シーンの所定RGB値に対応しない場合、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得することと、を含む。例えば、取得された目標RGB値が現在RGB値より小さくてもよいし、現在RGB値より大きくてもよい。ここで、RGB値は異なる色の成分値を含んでもよい。つまり、現在RGB値に複数の現在成分値が含まれており、目標RGB値に複数の目標成分値が含まれており、所定RGB値に複数の所定成分値が含まれている。
【0070】
ここで、閲読シーンに対応する所定RGB値を予め設定してもよい。例えば、背景における各背景画素に3つの色の現在成分値が含まれる場合、それぞれ各現在成分値が所定成分値に対応するかどうかを決定することができ、各現在成分値が所定成分値に対応しない場合、各目標成分値を取得することができる。
【0071】
例えば、取得された第1色の目標成分値が第1色の現在成分値より小さく、取得された第2色の目標成分値が第1色の目標成分値より小さく、取得された第3色の目標成分値が第2色の目標成分値より小さい。第1色が赤色、第2色が緑色、第3色が青色である場合、本開示の実施例の解決手段を用いることにより、青色光の成分を減少させて、背景の色を黄色に近づけることができ、このように、現在の背景を閲読シーンに対応させる。
【0072】
更に、例えば、背景における各背景画素の現在RGB値がいずれも(255,255,255)であり、つまり背景画素の第1色の現在成分値、第2色の現在成分値及び第3色の現在成分値がいずれも255である場合、背景が純白色であり、純白色が閲読シーンに対応しないため、所定のマッピング関係に応じて各背景画素の目標RGB値を取得する。例えば、取得された目標RGB値が(206,200,190)であり、つまり第1色の目標成分値が206、第2色の目標成分値が200、第3色の目標成分値が190であってもよい。
【0073】
他の選択可能な実施例では、背景画素は第1色成分値、第2色成分値及び第3色成分値を含むだけでなく、更に第4色成分値を含んでもよく、第1色が赤色、第2色が緑色、第3色が青色、第4色が白色であってもよい。背景画素に4つの色の成分値がある場合、それぞれ第1色の目標成分値、第2色の目標成分値、第3色の目標成分値及び第4色の目標成分値を取得することができる。
【0074】
閲読シーンに対応する目標RGB値を取得した後、目標RGB値を差別化処理して、背景に現在の閲読シーンに対応する拡散反射効果を発生させてもよい。本開示の実施例では、背景画素の階調を差別化する前に、目標RGB値を取得し、このように、拡散反射効果が発生する上に、閲読体験を最適化することができる。
【0075】
ここで、閲読シーンに対応する目標RGB値を取得した後、ランダム値に基づいて目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させてもよく、同じ背景画素の各成分値に対応するランダム値が同じである。
【0076】
ここで、単一の背景画素に含まれる異なる色の目標成分値がそれぞれ第1色の目標成分値、第2色の目標成分値及び第3色の目標成分値である場合を例とし、背景画素の階調を差別化するとき、それぞれ第1色の目標成分値、第2色の目標成分値及び第3色の目標成分値をランダムに処理して、差別化後の目標成分値を取得することができる。
【0077】
依然として背景における第1背景画素を例とし、第1背景画素に第1色チャネル、第2色チャネル及び第3色チャネルが含まれる場合、それぞれ第1色の第1目標成分値、第2色の第2目標成分値、第3色の第3目標成分値を決定することができる。次に、所定範囲内に1つの第1背景画素に対する第1ランダム値をランダムに選択し、第1ランダム値を決定した後、第1目標成分値と第1ランダム値との第1サブ和値、第2目標成分値と第1ランダム値との第2サブ和値、第3目標成分値と第1ランダム値との第3サブ和値を計算し、それによって、第1サブ和値、第2サブ和値、第3サブ和値を決定し、差別化後の目標RGB値を取得することができる。例えば、第1色の第1目標成分値が206、第2色の第2目標成分値が200、第3色の第3目標成分値が190である場合、第1ランダム値が-1であれば、差別化後の第1目標成分値が205、第2目標成分値が199、第3目標成分値が189、差別化後の目標RGB値が(205,199,189)である。
【0078】
本開示の実施例では、背景画素を差別化処理するとき、各背景画素の目標RGB値の目標成分値を決定して、各目標成分値をランダムに処理して、差別化後の目標RGB値を取得することができ、差別化過程をRGB値に細分化することにより、発生した拡散反射表示効果をよりこまやかであり、閲読体験を最適化することができる。
【0079】
他の選択可能な実施例では、設定個数の前記ランダム値の和値が0である。ここで、各ランダム数により変化できる背景画素の個数が同じであり、取得された目標RGB値を現在パッチにおける各背景画素の差別化処理後のRGB値の平均値に等しくするために、決定された設定個数の前記ランダム値の和値を0とする。
【0080】
ここで、各ランダム数により1つの背景画素を変化させる場合を例とする。依然として第1背景画素、目標RGB値が(206,200,190)である場合を例とし、第1ランダム値が-1である場合、差別化処理後の第1差別化RBG値が(205,199,189)であり、第2ランダム値が1である場合、差別化処理後の第2差別化RBG値が(207,201,191)であり、第1ランダム値と第2ランダム値との和値が0であり、第1差別化RBG値と第2差別化RBG値との平均値が目標RGB値に等しい。
【0081】
ここで、各ランダム数によりN個の背景画素を変化させる場合を例とすれば、各ランダム数によりN個の目標RGB値を同時に変化させてもよく、Nが正の整数である。依然として第1背景画素、目標RGB値が(206,200,190)である場合を例とし、第1ランダム値が-1である場合、第1ランダム値にN個の差別化処理後の第1差別化RBG値が対応し、該N個の第1差別化RBG値がいずれも(205,199,189)であり、第2ランダム値が1である場合、第2ランダム値にN個の差別化処理後の第2差別化RBG値が対応し、該N個の第2差別化RBG値がいずれも(207,201,191)であり、第1ランダム値と第2ランダム値との和値が0であり、N個の第1差別化RBG値とN個の第2差別化RBG値との平均値が目標RGB値に等しい。
【0082】
本開示の実施例では、設定個数のランダム値の和値を0にすることにより、取得された目標RGB値を現在パッチにおける各背景画素の差別化処理後のRGB値の平均値に等しくすることができ、発生した拡散反射表示効果をよりこまやかであり、閲読体験を最適化することができる。
【0083】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、
前記表示内容に含まれる各画素の位置する階調分布区間を決定することと、
前記階調分布区間の個数が個数閾値より小さい場合、前記電子機器が閲読シーンにあると決定することと、を含み、
前記背景における背景画素の階調を差別化することは、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記背景における背景画素の階調を差別化することを含む。
【0084】
ここで、異なるシーンにおいて、表示内容に含まれる各画素の位置する階調分布区間も異なり、例えば、表示内容にピクチャ、文字及び様々なタイプの情報ボックスが同時に含まれる場合、表示内容における各部分の画素の階調が相対的に単純ではなく、対応する階調分布区間も複数ある。1つの選択可能な実施例では、個数閾値が4であってもよく、つまり階調分布区間の個数が4より小さい場合、電子機器が閲読シーンにあると決定する。
【0085】
例えば、表示内容に含まれる各画素の階調を決定することができ、且つ各画素の階調をパーティションして、各画素の階調の位置する階調分布区間を決定し、更に異なる階調分布区間を得ることができる。つまり、階調分布区間の個数が少なければ少ないほど、各画素の階調分布が集中すると示され、表示内容に含まれる内容の種類が少なければ少ないほど、閲読シーンに接近し、階調分布区間の個数が多ければ多いほど、各画素の階調分布が分散すると示され、表示内容に含まれる内容の種類が多ければ多いほど、閲読シーンとの相違が大きくなる。
【0086】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記表示内容における最も多い画素に対応する前記階調分布区間を前記表示内容における背景画素の位置する階調分布区間として決定することを含む。
【0087】
ここで、電子機器が閲読シーンにあると決定した後、背景画素を決定する必要があり、閲読シーンにある場合、背景における背景画素の占有する面積がより大きいため、このとき、表示内容における最も多い画素に対応する階調分布区間を背景画素の位置する階調分布区間として決定することができる。他の選択可能な実施例では、表示内容における2番目多い画素に対応する階調分布区間を表示内容における閲読画素の位置する階調分布区間として決定することができる。本開示の実施例では、階調分布区間の個数によって現在のシーンが閲読シーンであるかどうかを決定し、且つ表示内容から背景画素を決定し、クラスタリング分析方式に基づいて、シーン及び表示内容の認識を行い、背景画素処理のスマート性を向上させる。
【0088】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、
前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整することを含む。
【0089】
ここで、閲読オブジェクトがピクチャ及び/又はテキストを含む。閲読オブジェクトがテキストである場合を例とし、背景画素を差別化するとき、背景の階調が変化したため、このとき、調整後のRGB値を差別化後の背景画素に対応するよう、背景に表示している閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整する必要もある。例えば、背景画素を差別化する前に、閲読オブジェクトのRGB値が(80,75,70)であり、背景画素を差別化した後、閲読オブジェクトのRGB値を(80,75,70)からランダム値(58,64,64)にすることができる。
【0090】
本開示の実施例では、背景画素を差別化した後、閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を適応的に調整して、閲読オブジェクトの色を差別化処理後の背景にマッチングすることができ、電子機器の表示画面全体をより真実に近く自然にすることができ、更にユーザーの閲読体験を向上させる。
【0091】
他の選択可能な実施例では、閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整した後、調整後のRGB値と背景における背景画素の階調とを同様に差別化処理して、差別化処理後の背景及び閲読オブジェクトを取得する。このように、閲読オブジェクトの色をより紙のページの墨色に近くすることができるだけでなく、背景と閲読オブジェクトとがいずれも拡散反射表示効果を呈するようにすることもできる。
【0092】
他の選択可能な実施例では、前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整することは、前記背景における背景画素の階調及び前記背景上に位置する閲読オブジェクトの閲読画素の階調を同時に差別化することと、差別化後の閲読画素の色値を調整することと、を含む。本開示の実施例では、それぞれ背景を差別化処理してから閲読オブジェクトに対して色調整及び差別化処理を行う場合に比べて、背景と閲読オブジェクトとを一括して差別化処理した後、閲読オブジェクトの色値を調整することは、画素処理ステップを減少させることができ、更に処理効率を向上させる。
【0093】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、
差別化後の背景画素に基づいて前記閲読画素のRGB値を調整し、前記背景と前記閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整することを含む。
【0094】
本開示の実施例では、背景を差別化処理した後、背景が拡散反射表示効果を呈することができる。本開示の実施例では、拡散反射表示効果が発生した後、閲読画素のRGB値を調整することにより、背景と閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整することができる。ここで、背景と閲読オブジェクトとの間のコントラストが差別化後の階調と閲読オブジェクトの階調との比に基づいて計算して取得されてもよい。例えば、差別化後の背景画素の階調が160、閲読オブジェクトの階調が64である場合、差別化後の背景と閲読オブジェクトとの間のコントラストが5:1である。他の選択可能な実施例では、背景と閲読オブジェクトとを同時に差別化処理した場合、前記方法は、更に、差別化後の閲読画素の階調及び/又は差別化後の背景画素の階調を調整することにより、前記背景と前記閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整することを含む。
【0095】
本開示の実施例では、背景を差別化して拡散反射効果を発生させた後、更に閲読画素のRGB値を調整することにより、差別化後の背景と閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整することができ、背景と閲読オブジェクトとの間の色輝度をより協調させることができる。
【0096】
他の選択可能な実施例では、前記方法は、更に、
前記表示モジュールの位置する環境の光線パラメータを取得し、前記光線パラメータが少なくとも色温度及び輝度値を含むことと、
前記光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して前記背景及び前記閲読オブジェクトの色を色順応変換することと、を含む。
【0097】
ここで、色変換メカニズムはvonKries変換モデル、線形Bradford変換モデルを含む。色変換がvonKries変換モデルである場合を例とし、実現過程において、現在の環境下の背景及び閲読オブジェクトの三刺激値を取得し、所定の変換マトリックスに基づいて背景及び閲読オブジェクトの三刺激値を錐体応答の三刺激値に変換し、光線パラメータに基づいて錐体応答の三刺激値を調整し、調整後の錐体応答の三刺激値を目標環境下の背景及び閲読オブジェクトの三刺激値に変換することができ、更に背景及び前記閲読オブジェクトの色順応変換を実現する。色マッチングにおいて、任意の色を生成するように色を混合するための3種類の色が三原色と呼ばれるが、検出対象の色にマッチングするために必要な三原色の数が三刺激値と称される。
【0098】
本開示の実施例では、異なる環境光(主に色温度及び輝度)において、光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して背景及び閲読オブジェクトの色を色順応変換することにより、最終的に表示する背景及び閲読オブジェクトをより自然にすることができる。
【0099】
関連技術において、電子機器の表示モジュールに表示している背景の色が統一色であり、つまり背景における異なる位置の背景画素のRGB値が同じであり、このように、表示モジュールに正反射の感覚が発生し、閲読体験がより悪い。本開示の実施例では、背景を差別化処理して、背景における各背景画素をほぼ同じに見えることができるが、少し紙の淡黄色に近づき、且つ隣接する背景画素のRGB値に相違があるようにして、拡散反射効果を模倣する。
【0100】
実現過程において、まず、閲読シーンに対応する目標RGB値を取得してもよく、目標RGB値が所定範囲内のランダム値であってもよい。例えば、背景における各背景画素の現在RGB値がいずれも(255,255,255)であり、つまり背景画素の第1色の現在成分値、第2色の現在成分値及び第3色の現在成分値がいずれも255である場合、背景が純白色であり、純白色が閲読シーンに対応しないため、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得し、例えば、取得された目標RGB値が(206,200,190)であってもよい。
【0101】
閲読シーンに対応する目標RGB値を取得した後、目標RGB値を差別化処理して、背景に現在の閲読シーンに対応する拡散反射効果を発生させてもよい。例えば、所定範囲から1つのランダム値をランダムに選択し、目標RGB値とランダムに決定されたランダム値との和を計算することにより、差別化された目標RGB値を取得してもよく、所定範囲が-6以上6以下のデータ範囲であってもよい。他の選択可能な実施例では、同じ背景画素の各成分値に対応するランダム値が同じである。
【0102】
他の選択可能な実施例では、より快適な色範囲を実現するよう、異なる表示コンポーネントによって異なる色の混合比を選択してもよく、異なる色が赤色、緑色及び青色を含む。例えば、背景画素のRGB値が(206,200,190)である場合、該背景画素を色温度7300ケルビン(K)のディスプレイに表示するとき、表示している色温度が6500K程度であり、人間の目に快適な白点視覚範囲である。
【0103】
他の選択可能な実施例では、所定範囲内のランダム値を複数設定して、複数のランダム値に基づいて所定のランダムシーケンスを形成してもよく、ランダム値の数が必要に応じて設定されてもよい。例えば、画面背景のサイズが64×64であり、つまり4096個の背景画素が対応する場合、この64×64の背景における前の22個の背景画素を例とし、元の各背景画素の現在RGB値がいずれも(255,255,255)であり、このとき、目標RGB値(206,200,190)を取得してからランダム値に基づいて目標RGB値を調整してもよい。
【0104】
図2は例示的な実施例に係る目標RGB値を差別化する計算模式図であり、図2に示すように、目標RGB値が(206,200,190)であり、第1列において、ランダム値-1に基づいて調整した後の目標RGB値が(205,199,189)であり、第3列及び第4列のランダム値が0であり、目標RGB値が変化しないように維持し、…、第22列において、ランダム値4に基づいて調整した後の目標RGB値が(210,204,194)である。図3は例示的な実施例に係る目標RGB値を差別化した後の背景のカラー模式図である。
【0105】
他の選択可能な実施例では、ディザアルゴリズム(ditherアルゴリズム)に基づいて目標RGB値を差別化し、ditherアルゴリズムに基づいて目標RGB値を差別化するとき、まず、表示モジュールに表示している画面を64×64サイズのパッチに分割し、各パッチにおいて、順に各画素を走査し、各画素が背景画素であるかどうかを決定し、該画素が背景画素である場合、該画素の目標RGB値をditherアルゴリズムに基づいて計算して取得したRGB値に差別化し、該画素が背景画素ではない場合、該画素が閲読画素であるかどうかを決定し、該画素が閲読画素である場合、該画素の色値を調整し、該画素が背景画素ではなく閲読画素でもない場合、該画素のRGB値及び色値が変化しないように維持する。
【0106】
例えば、該64×64のブロックにおける各背景画素のRGB値がいずれも(255,255,255)である場合、閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値が(0,0,0)であり、座標(45,40)から(64,64)までの範囲内に赤色の画素がある。そうすると、差別化処理過程において、背景画素のRGB値をditherアルゴリズムに基づいて計算して取得したRGB値に差別化して、閲読オブジェクトの閲読画素の色値を調整してもよいが、赤色部分が変化しないように維持する。実現過程において、閲読オブジェクトをインク色に調整してもよい。ditherアルゴリズムに基づいてRGB値を差別化する場合に比べて、ランダム値によってRGB値を差別化する方式がより簡単である。図4は例示的な実施例に係る表示インターフェースの模式図であり、図4に示すように、背景画素を差別化する前の表示インターフェース401に比べて、背景画素を差別化した後の表示インターフェース402は、赤色部分403が変化しないように維持する。
【0107】
背景画素を差別化するとき、背景の目標RGB値が変化したため、このとき、調整後の色値を差別化後の背景画素に対応するよう、背景上に表示している閲読オブジェクトの閲読画素の色値を調整する必要もある。例えば、カラー印刷物の場合、印刷過程において、CMYKカラーシステムを使用するため、インクの色が純黒色ではなく、より黒褐色に近づき、CMYKがそれぞれ青(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、黄(Yellow)、黒(Black)を示す。電子機器の表示モジュール上の閲読画素を処理するとき、フォントの色値を調整してもよく、例えば、閲読オブジェクトのRGB値を(80,75,70)から(58,64,64)に調整してもよく、このように、よりインクの感じがある。図5は例示的な実施例に係る閲読オブジェクトの表示効果の模式図であり、図5に示すように、図5における左側の色が黒褐色であり、右側の色が純黒色であり、黒褐色がよりインクの感じに近い。
【0108】
他の選択可能な実施例では、電子機器に現在表示しているアプリケーションインターフェースに対応するアプリケーションプログラムの原理に基づき、プロセッサのsurfaceflinger層を利用してアプリケーションインターフェースから背景を認識して、背景を差別化処理し、更に差別化処理後の背景及び閲読オブジェクトに対して後続のレイヤ合成を行うことができる。
【0109】
他の実施例では、閲読シーンにおいて、背景の色が相対的に単一であるため、このとき、出現回数が最も多い階調に対応する画素を背景における背景画素として決定し、出現回数が2番目多い階調に対応する画素を閲読画素として決定してもよい。ここで、現在の表示内容の背景及び閲読オブジェクトの階調を取得して、更に閲読シーンを認識するよう、電子機器のプロセッサ及び表示画面の集積回路に基づいて表示内容を分析してもよい。
【0110】
図6Aは例示的な実施例に係る第1シーンの表示インターフェースの模式図であり、図6Bは例示的な実施例に係る第2シーンの表示インターフェースの模式図であり、図6Cは例示的な実施例に係る第3シーンの表示インターフェースの模式図であり、図6Dは例示的な実施例に係る第4シーンの表示インターフェースの模式図である。図6A図6Dに示すように、第1乃至第4の4つのシーンにおいて、各表示インターフェースの下方にいずれも電子機器のプロセッサの取得した各表示インターフェースの階調分布ヒストグラム(すなわち、各階調の出現した回数の統計表)があり、第1表示インターフェース601及び第3表示インターフェース603の階調が比較的に単一であり、第1表示インターフェース601と第3表示インターフェース603とが代表的な閲読シーンであると判断できる。第2表示インターフェース602と第4表示インターフェース604とがこのような特徴を有しなく、第2表示インターフェース602と第4表示インターフェース604とが閲読シーンではないと判断できる。
【0111】
実際の応用では、人間の目が反射光で本を読むため、見える色が環境光の変化に応じて変化している。色彩学において、色の見えは、2つの色のCIE三刺激値が同じである場合、人間の目の網膜が視覚的にこの2つの色が同じであると感知したと定義される。しかしながら、2つの同じ色は周囲条件、背景、サンプルの寸法、サンプルの形状、表面特性及び照明条件がいずれも同じである観察条件のみで、視覚感知が同様である。サンプルの色相、輝度及び彩度がいずれも照明条件等の環境要素の相違に応じて変化する。
【0112】
従って、異なる環境光(主に色温度及び輝度)において、更に表示している色を色の見えとマッチングし、つまり色順応変化する必要がある。図7は例示的な実施例に係る表示インターフェースの比較模式図であり、図7に示すように、表示インターフェース701においてディスプレイの色温度のみを変化させたが、他の色の色順応変化を行ったピクチャがない。表示インターフェース702は色順応変化を行ったピクチャであり、表示インターフェース701より自然であり、環境光が暖かい色合いになる場合、印刷物が光を反射する視覚効果に合致する。本開示の実施例では、異なる環境光(例えば、異なる色温度及び/又は輝度)において、光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して背景及び閲読オブジェクトの色を色順応変換し、最終的に表示している背景及び閲読オブジェクトをより自然にすることができる。
【0113】
図8Aは例示的な実施例に係る第1表示インターフェースの模式図であり、図8Bは例示的な実施例に係る第2表示インターフェースの模式図であり、図8Cは例示的な実施例に係る第3表示インターフェースの模式図である。図8A図8Cに示すように、関連技術における目に優しいモードにおける表示インターフェース802は原図の表示インターフェース801の背景表示色より暗いが、背景が正反射効果を呈し、本開示の技術案に係る差別化処理後の表示インターフェース803における背景表示色より自然であり、且つ拡散反射表示効果を実現することができる。本開示の実施例では、背景を差別化処理して、背景における各背景画素がほぼ同じであるように見えるようにすることができるが、少し紙の淡黄色に近づき、且つ隣接する背景画素のRGB値に少し相違があるようにして、拡散反射効果を模倣する。
【0114】
図9は例示的な実施例に係る表示装置のブロック図である。図9に示すように、前記装置は表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、該表示装置900は、主に、
前記背景における背景画素の階調を差別化するように構成される差別化処理モジュール901と、
差別化後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示するように構成される表示モジュール902と、を備える。
【0115】
他の選択可能な実施例では、前記差別化処理モジュール901は、更に、
所定範囲内のランダム値に基づいて各前記背景画素の階調を増加又は減少させるように構成される。
【0116】
他の選択可能な実施例では、前記差別化処理モジュール901は、更に、
前記背景におけるすべての前記背景画素の階調の差別化を完了するまで、前記背景を1つ又は複数の所定寸法のパッチに分割して、各前記パッチの前記背景画素の階調を差別化するように構成される。
【0117】
他の選択可能な実施例では、前記差別化処理モジュール901は、更に、
前記所定範囲から設定個数のランダム数を決定し、
すべての前記パッチにおける前記背景画素の階調値の変化を完了するまで、前記ランダム数に基づいて現在パッチの前記背景画素の階調を変化させるように構成される。
【0118】
他の選択可能な実施例では、前記差別化処理モジュール901は、更に、
前記現在パッチにおける背景画素の現在RGB値に基づき、設定されたマッピング関係に応じて閲読シーンに対応する目標RGB値を取得し、
前記ランダム数に基づいて前記目標RGB値に含まれる各成分の数値を変化させるように構成される。
【0119】
他の選択可能な実施例では、設定個数の前記ランダム数の和値が0である。
【0120】
他の選択可能な実施例では、前記装置900は、更に、
前記表示内容に含まれる各画素の位置する階調分布区間を決定するように構成される第1決定モジュールと、
前記階調分布区間の個数が個数閾値より小さい場合、前記電子機器が閲読シーンにあると決定するように構成される第2決定モジュールと、を備え、
前記差別化処理モジュール901は、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記背景における背景画素の階調を差別化するように構成される。
【0121】
他の選択可能な実施例では、前記装置900は、更に、
前記電子機器が前記閲読シーンにある場合、前記表示内容における最も多い画素に対応する前記階調分布区間を前記表示内容における背景画素の位置する階調分布区間として決定するように構成される第3決定モジュールを備える。
【0122】
他の選択可能な実施例では、前記装置900は、更に、
前記閲読オブジェクトの閲読画素のRGB値を調整するように構成される調整モジュールを備える。
【0123】
他の選択可能な実施例では、前記調整モジュールは、更に、
差別化後の背景画素に基づいて前記閲読画素のRGB値を調整することにより、前記背景と前記閲読オブジェクトとの間のコントラストを調整するように構成される。
【0124】
他の選択可能な実施例では、前記装置900は、更に、
前記表示モジュールの位置する環境の光線パラメータを取得するように構成され、前記光線パラメータが少なくとも色温度及び輝度値を含む取得モジュールと、
前記光線パラメータに基づき、色変換メカニズムを利用して前記表示モジュールの表示する内容を色順応変換するように構成される変換モジュールと、を備える。
【0125】
上記実施例の装置については、各モジュールが操作を実行する具体的な方式は、既に該方法に関連する実施例において詳しく説明されたため、ここで詳細な説明は省略する。
【0126】
図10は例示的な実施例に係る表示装置のハードウェアのブロック構成図である。例えば、装置500は携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信装置、ゲームコンソール、タブレット装置、医療装置、フィットネス装置、パーソナルデジタルアシスタント等であってもよい。
【0127】
図10に示すように、装置500は処理コンポーネント502、メモリ504、電力コンポーネント506、マルチメディアコンポーネント508、オーディオコンポーネント510、入力/出力(I/O)インターフェース512、センサコンポーネント514及び通信コンポーネント516のうちの1つ又は複数を備えてもよい。
【0128】
処理コンポーネント502は一般的に装置500の全体操作、例えば表示、電話コール、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作を制御する。処理コンポーネント502は、命令を実行することにより、上記方法の全部又は一部のステップを完了する1つ又は複数のプロセッサ520を備えてもよい。また、処理コンポーネント502は、処理コンポーネント502と他のコンポーネントとの相互作用に役立つ1つ又は複数のモジュールを備えてもよい。例えば、処理コンポーネント502は、マルチメディアコンポーネント508と処理コンポーネント502とのインタラクションに役立つマルチメディアモジュールを備えてもよい。
【0129】
メモリ504は、様々なタイプのデータを記憶することにより、装置500における操作をサポートするように構成される。これらのデータの例は、装置500において操作するためのいかなるアプリケーションプログラム又は方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、ピクチャ、ビデオ等を含む。メモリ504はいかなるタイプの揮発性記憶装置又は不揮発性記憶装置、例えばスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク又は光ディスク、又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。
【0130】
電力コンポーネント506は装置500の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント506は電源管理システム、1つ又は複数の電源、並びに装置500への電力の生成、管理及び分配に関連する他のコンポーネントを備えてもよい。
【0131】
マルチメディアコンポーネント508は、前記装置500とユーザーと間に1つの出力インターフェースを提供するスクリーンを備える。いくつかの実施例では、スクリーンは液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含む場合、ユーザーからの入力信号を受信するよう、スクリーンはタッチスクリーンとして実現されてもよい。タッチ、スワイプ及びタッチパネルにおけるジェスチャーを検知するよう、タッチパネルは1つ又は複数のタッチセンサを備える。前記タッチセンサはタッチ又はスワイプ動作の境界を検知するだけでなく、更に前記タッチ又はスワイプ操作に関連する持続時間及び圧力を検出することができる。いくつかの実施例では、マルチメディアコンポーネント508は1つの前置カメラ及び/又は後置カメラを備える。装置500が操作モード、例えば撮影モード又はビデオモードにある場合、前置カメラ及び/又は後置カメラは外部のマルチメディアデータを受信することができる。各前置カメラ及び/又は後置カメラは1つの固定の光学レンズシステムであり、又は集束及び光学ズーム能力を有してもよい。
【0132】
オーディオコンポーネント510は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント510は1つのマイクロフォン(MIC)を備え、装置500が操作モード、例えばコールモード、記録モード及び音声識別モードにある場合、マイクロフォンは外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は更にメモリ504に記憶され、又は通信コンポーネント516により送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオコンポーネント510は更にオーディオ信号を出力するための1つの拡声器を備える。
【0133】
I/Oインターフェース512は処理コンポーネント502と周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供し、上記周辺インターフェースモジュールはキーボード、クリックホイール、ボタン等であってもよい。これらのボタンはホームページボタン、音量ボタン、スタートボタン及びロックボタンを含んでもよいが、それらに限らない。
【0134】
センサコンポーネント514は、装置500に各態様の状態評価を提供するための1つ又は複数のセンサを備える。例えば、センサコンポーネント514は装置500のオン/オフ状態、コンポーネントの相対位置決めを検出することができ、例えば前記コンポーネントは装置500のディスプレイ及びキーパッドであり、センサコンポーネント514は、更に装置500又は装置500の1つのコンポーネントの位置変化、ユーザーが装置500に接触しているかどうか、装置500の方位又は加速/減速及び装置500の温度変化を検出することができる。センサコンポーネント514は、物理的に接触しない際に近傍物体があるかどうかを検出するように構成される接近センサを備えてもよい。センサコンポーネント514は、更にイメージングアプリケーションに使用されるための光センサ、例えばCMOS又はCCD画像センサを備えてもよい。いくつかの実施例では、該センサコンポーネント514は更に加速度センサ、ジャイロスコープセンサ、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサを含んでもよい。
【0135】
通信コンポーネント516は、装置500と他の装置との有線又は無線方式の通信に役立つように構成される。装置500は通信規格に基づく無線ネットワーク、例えばWI-FI、2G又は6G、又はそれらの組み合わせにアクセスすることができる。1つの例示的な実施例では、通信コンポーネント516は、放送チャネルを介して外部放送管理システムからのブロードキャスト信号又はブロードキャスト関連情報を受信する。1つの例示的な実施例では、近距離通信を促進するよう、前記通信コンポーネント516は更に近距離無線通信(NFC)モジュールを備える。例えば、NFCモジュールは無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術及び他の技術により実現されてもよい。
【0136】
例示的な実施例では、上記方法を実行するために、装置500は1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又は他の電子素子により実現されてもよい。
【0137】
例示的な実施例では、更に命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体、例えば命令を含むメモリ504を提供し、上記方法を完了するために、上記命令が装置500のプロセッサ520により実行されてもよい。例えば、前記非一時的コンピュータ可読記憶媒体はROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク及び光データ記憶装置等であってもよい。
【0138】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体における命令が表示装置のプロセッサにより実行される場合、表示装置が表示方法を実行できるようにし、前記方法は表示モジュールを備える電子機器に適用され、前記表示モジュールの表示内容が背景と、前記背景上に位置する閲読オブジェクトとを含み、前記方法は、
前記背景における背景画素の階調を差別化することと、
階調を差別化した後の前記背景画素に基づいて前記背景を表示し、前記閲読オブジェクトを表示することと、を含む。
【0139】
当業者が明細書を考慮し、ここに開示される発明を実践した後、本開示の他の実施形態に容易に想到し得る。本開示は本開示のいかなる変形、用途や適応変化を含むように意図されるものであり、これらの変形、用途や適応変化は本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない本技術分野の公知常識又は慣用技術手段を含む。明細書及び実施例は単に例示的なものであると見なされ、本開示の真の範囲及び精神は以下の特許請求の範囲に指摘される。
【0140】
理解されるべきように、本開示は以上に説明されて図面に示される正確な構造に限らず、その範囲を逸脱せずに種々の修正や変化を行うことができる。本開示の範囲は添付の特許請求の範囲により限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10