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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】分散型航空機レコーダーシステム
(51)【国際特許分類】
   B64D 47/00 20060101AFI20240724BHJP
   G07C 5/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B64D47/00
G07C5/00 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020524071
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-12
(86)【国際出願番号】 US2018058215
(87)【国際公開番号】W WO2019089597
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-10-20
(31)【優先権主張番号】15/799,245
(32)【優先日】2017-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520103735
【氏名又は名称】エル3 テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッロ,エドゥアルド エム.
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0318616(US,A1)
【文献】国際公開第2017/111875(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200751(US,A1)
【文献】特開平08-021763(JP,A)
【文献】米国特許第09152182(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 47/00
G07C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機に設けられた航空機レコーダーと、
前記航空機に設けられ、前記航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットと、
前記複数のメモリユニットの各々と対応する複数の送受信機と、
前記航空機レコーダー、前記複数のメモリユニットおよび前記複数の送受信機を接続するイーサネット(登録商標)ネットワークとを備え、
前記複数のメモリユニットの各々は、対応するメモリユニットの回収を助けるよう構成されたロケータービーコンを有すると共に、前記イーサネット(登録商標)ネットワークと前記複数の送受信機のうちの対応する送受信機とを介して前記航空機レコーダーから流れる音声データ及びフライトデータの両方を受信するよう構成されているシステム。
【請求項2】
前記イーサネット(登録商標)ネットワークは、銅線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、又はワイヤレスネットワークのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のメモリユニットは、前記航空機レコーダーからの電源によって電力が供給される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数のメモリユニットは、3400G(1G=9.8m/s)未満の衝撃又は1000℃未満の温度のうちの少なくとも1つによって破壊され得る、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のメモリユニットは、互いに対して、及び前記航空機レコーダーに対して、空間的に離して設けられた複数のアンテナを用いて、空間的に離して設置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
更に、前記航空機に設けられた別の航空機レコーダーと、
前記航空機に設けられ、前記別の航空機レコーダーから離して設置された別の複数のメモリユニットとを備え、
前記別のメモリユニットは、前記イーサネット(登録商標)ネットワークを介して前記別の航空機レコーダーからの音声データ及びフライトデータを流すよう構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
航空機に設けられた航空機レコーダーで、前記航空機に対応する音声データ及びフライトデータを取得することと、
前記音声データ及びフライトデータを、前記航空機レコーダーから、イーサネット(登録商標)ネットワークと前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続された複数の送受信機のうちの対応する送受信機とを介して、前記航空機に設けられ、前記航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットに流すことと、を含み、
前記複数のメモリユニットの各々は、対応するメモリユニットの回収を助けるよう構成されたロケータービーコンを有する方法。
【請求項8】
前記イーサネット(登録商標)ネットワークは、銅線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、又はワイヤレスネットワークのうちの少なくとも1つを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
更に、前記航空機レコーダーによって、前記複数のメモリユニットに電力を供給することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のメモリユニットは、3400G(1G=9.8m/s)未満の衝撃又は1000℃未満の温度のうちの少なくとも1つによって破壊され得る、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のメモリユニットは、互いに対して、及び前記航空機レコーダーに対して、空間的に離して設けられた複数のアンテナを用いて、空間的に離して設置される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサと、
コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備えた装置であって、
前記少なくとも1つのメモリと、前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、
航空機に設けられた航空機レコーダーで、前記航空機に対応する音声データ及びフライトデータを取得させ、
前記音声データ及びフライトデータを、前記航空機レコーダーから、イーサネット(登録商標)ネットワークと前記イーサネット(登録商標)ネットワークに接続された複数の送受信機のうちの対応する送受信機とを介して、前記航空機に設けられ、前記航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットに流すよう構成され、
前記複数のメモリユニットの各々は、対応するメモリユニットの回収を助けるよう構成されたロケータービーコンを有する装置。
【請求項13】
前記イーサネット(登録商標)ネットワークは、銅線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、又はワイヤレスネットワークのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのメモリと、前記コンピュータプログラムコードが、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記装置に、少なくとも、前記航空機レコーダーによって前記複数のメモリユニットに電力を供給させるよう構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記複数のメモリユニットは、3400G(1G=9.8m/s)未満の衝撃又は1000℃未満の温度のうちの少なくとも1つによって破壊され得る、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記複数のメモリユニットは、互いに対して、及び前記航空機レコーダーに対して、空間的に離して設けられた複数のアンテナを用いて、空間的に離して設置される、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な航空機システムにおいては、システムの信頼性を高める機能向上が有効である。例えば、特定のアビオニクスシステムにおいては、分散型航空機レコーダーシステムが有効である。
【背景技術】
【0002】
商業航空機は、通常、「ブラックボックス」と称されることもある航空機レコーダーを備え、この航空機レコーダーは、航空機の現在のフライトに関連する様々なデータを記憶する。この航空機レコーダーは、フライトデータレコーダー、コックピットボイスレコーダーであってもよい。或いは、コックピットボイス・データレコーダー等の音声レコーダーとデータレコーダーの組み合わせであってもよい。このデータは、航空機の墜落を解析するために使用される。よって、フライトレコーダーの墜落に対する残存性は、航空機レコーダーの設計における最大の関心事の1つである。
【0003】
航空機用レコーダーの残存性に関わる従来の技術には、航空機レコーダーを搭載している航空機が墜落した際に航空機レコーダーを保護するよう設計された金庫室のような容器の設計が含まれる。墜落は、非常に高速で起こる可能性があるため、結果的に、航空機レコーダーの設計仕様書は、従来非常に厳格なものとなっている。
【0004】
危険物を運搬している航空機の中には、航空機が破壊された際に、航空機レコーダーが破壊的な爆発を受けないように排出可能な航空機レコーダー有すること等、さらなる残存性要件を有するものがある。例えば、代替形態としては、航空機に2つのレコーダーを備えることである。つまり、1つは墜落に対する残存性を有し、もう1つは、事故発生の際に航空機から展開される展開可能なものとすることである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある実施例においては、システムは、航空機に設けられた航空機レコーダーを備える。そのシステムは、航空機に設けられ、航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットも備える。そのメモリユニットは、航空機レコーダーからの音声及びフライトデータを流すよう構成されている。
【0006】
本発明のある実施例においては、方法は、航空機に設けられた航空機レコーダーで、航空機に対応する音声及びフライトデータを取得することを含む。その方法は、音声及びフライトデータを、航空機レコーダーから、航空機に設けられ、航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットに流すことも含む。
【0007】
本発明のある実施例よる装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを有する少なくとも1つのメモリを有する。その少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサによって、装置に、少なくとも、航空機に設けられた航空機レコーダーで、航空機に対応する音声及びフライトデータを取得させるように構成される。その少なくとも1つのメモリとコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサにより、装置に、少なくとも、音声及びフライトデータを、航空機レコーダーから、航空機に設けられ、航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットに流すようにも構成される。
【0008】
本発明のある実施例における装置は、航空機に設けられた航空機レコーダーで、航空機に対応する音声及びフライトデータを取得する手段を含む。その装置は、航空機レコーダーからの音声及びフライトデータを、航空機に設けられ、航空機レコーダーから離して設置された複数のメモリユニットに流すことも含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のある実施例に係る分散型航空機メモリユニットネットワークを示す。
図2図2は、本発明のある実施例に係る分散型航空機レコーダーシステムを示す。
図3図3は、本発明のある実施例に係る方法を示す。
図4図4は、本発明のある実施例に係るシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明を適切に理解できるように添付の図面を参照されたい。
【0011】
本発明のある実施例は、航空機レコーダー及び類似の装置の墜落に対する残存性の向上を提供することができる。例えば、本発明のある実施例は、分散型の航空機レコーディングシステムに関連している。
【0012】
本発明のある実施例においては、分散型航空機レコーディングシステムは、イーサネット(登録商標)ベースの複数の非ED-112メモリユニットを有することができる。この複数の非ED-112メモリユニットは、浮力材で囲われ、レコーダービーコンに類似する、内蔵バッテリでバックアップされたビーコンを備えている。ED-112は、欧州民間航空機の衝撃及び温度に対する耐性の標準である。この標準は、3400G(1G=9.8m/s)までの衝撃及び1000℃までの温度に対する保護を要求するものである。これらの非ED-112ユニットは、それぞれが、これらの衝撃及び温度の標準のいずれか、又は両方に対して保護ができないものであってもよい。
【0013】
これらのメモリユニットは、コックピットボイス・フライトデータレコーダー(CVFDR)等の装置にイーサネット(登録商標)を介して接続可能である。光ファイバー、銅線、ワイヤレス、又は類似のネットワーク等のいかなる形態のネットワークも使用可能である。メモリユニットに対する電力供給は、CVFDR又はローカル電源からパワーオーバーイーサネット(登録商標)(POE)を介して行うことが可能である。メモリユニットは、CVFDRによって流されたデータを受信可能である。
【0014】
メモリユニットは、メモリユニットのうち少なくとも1つの残存性を高めるため、航空機の異なる場所に設置することが可能である。本発明のある実施例は、展開可能なレコーダーの代替例と考えてもよい。なぜなら、本発明のある実施例は、航空機内のレコーダーの純然たる数及び位置によってレコーダーの残存性を保証してもよいからである。更に、本発明のある実施例は、展開可能なレコーダーと比べて、コスト及び重量の面で競争力が高いものであってもよい。
【0015】
図1は、本発明のある実施例に係る分散型航空機メモリユニットネットワークを示す。図1に示すように、2つ以上のフライトレコーダー、CVFDR A110及びCVFDR B120を備えることができる。CVFDR A110は、メモリユニットA130及びメモリユニットB140のような2つ以上のメモリユニットに接続可能である。同様に、CVFDR B120は、メモリユニットC150及びメモリユニットD160のような2つ以上のメモリユニットに接続可能である。上記に述べたように、これらのメモリユニットは、銅線、光ファイバー、ワイヤレスイーサネット(登録商標)、又は他の所望の技術を含む任意の所望の技術によって、対応するフライトレコーダーに接続可能である。メモリユニットは、独立して電力供給が可能であり、所望であれば、イーサネット(登録商標)の電源を用いて電力供給されてもよい。
【0016】
図2は、本発明のある実施例に係る分散型航空機レコーダーシステムを示す図である。図2に示すように、CVFDR210は、メモリユニットA220及びメモリユニットB230等のメモリユニットと通信可能である。CVDR210、メモリユニットA220、及びメモリユニットB230のそれぞれは、対応するワイヤレス送受信機215,225,235を備えていてもよい。各送受信機は、送受信する単一の無線装置で実装されてもよいし、別々の送信機と受信機で実装されてもよい。他の実装でもよい。追加として、又は代替として、これらの装置を接続するネットワークは、無線ネットワークではなく、有線ネットワーク又は光ファイバーネットワークでもよい。
【0017】
メモリユニットは、それぞれ中央演算処理装置(CPU)と称される様々な処理コンポーネントを有することができる。この処理コンポーネントは、ネットワークインターフェースカード(NIC)又は他のイーサネット(登録商標)アダプタ等のネットワーク処理部品を含むことができる。この処理コンポーネントは、SDカードコントローラ及び/又はNANDフラッシュコントローラも有していてもよい。この処理コンポーネントは、対応するマイクロSDカード及びNANDフラッシュモジュールも有していてもよく、これらはデータを記憶するように構成できる。
【0018】
メモリユニットは、それぞれビーコンを有していてもよい。このビーコンは、フライトレコーダーに付随するビーコンに類似するものでもよい。このビーコンは、内蔵バッテリでバックアップされたビーコンであってもよい。
【0019】
各メモリユニットは、非ED-112メモリユニットでもよい。各メモリユニットは、浮力材で囲われていてもよい。データは、レコーダーによって、メモリユニットに流すことができる。このメモリユニットを航空機の異なる位置に配置して、メモリユニットの少なくとも1つの残存性を高めることができる。メモリユニットの位置の例として、翼端、垂直尾翼、及び/又はコックピット窓の周辺等がある。メモリユニットは、パワーオーバーイーサネット(登録商標)(POE)又はローカル電源のいずれかによって、電力供給が可能である。
【0020】
図3は、本発明のある実施例に係る方法を示す。図3に示すように、方法は、310において、航空機に設けられた航空機レコーダーで、その航空機に対応する音声及びフライトデータを取得することを含む。その音声及びフライトデータは、コックピットボイスレコーディング、映像レコーディング、機器データのレコーディング、又はCVFDRによって通常記録される他のデータのいずれであってもよい。
【0021】
当該方法は、320において、音声及びフライトデータを航空機レコーダーから、航空機に設けられ、航空機レコーダーから離して設置されている複数のメモリユニットに流すことを含む。航空機レコーダーとメモリユニットは、例えば、図2に示すように構成することができる。上記流すことには、イーサネット(登録商標)ネットワーク又は他の所望のネットワークを介した流すことを含んでいてもよい。イーサネット(登録商標)ネットワークは、銅線ネットワーク、光ファイバーネットワーク、ワイヤレスネットワーク、若しくは他の所望のネットワークの少なくとも1つであってもよいし、又は、これらの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0022】
上記メモリユニットは、非ED-112メモリユニットであってもよいため、3400G未満の衝撃、又は1000℃未満の温度の少なくとも1つによって破壊され得る。このメモリユニットは、互いに対して、及び航空機レコーダーに対して、空間ダイバーシティを用いて設置可能である。例えば、メモリユニットは、各翼の中、航空機の機首中、及び航空機の尾翼中に設置可能である。一方、航空機レコーダーは、コックピット内、又は、歴史的に見て、墜落した際に水上に浮いた、航空機内の他のいかなる位置に配置してもよい。メモリユニット及び/又は航空機レコーダーを他の位置に配置することもできる。
【0023】
上記方法は、更に、330において、航空機レコーダーによって複数のメモリユニットに電力供給することを含む。例えば、メモリユニットは、パワーオーバーイーサネット(登録商標)を用いた電源を備えることが可能である。代替として、複数のメモリユニットは、独立して電力が供給されてもよいし、又は、航空機レコーダーと同じ電源バスを用いて電力が供給されてもよい。
【0024】
上記方法は、並行して動作している2つ以上の航空機レコーダーから同時に実行することができる。図1の例によって示されているように、各航空機レコーダーは、独自の独立した、メモリユニットのネットワークを有していてもよい。代替として、上記複数の航空機レコーダーはメモリユニットを共有して、複数の航空機レコーダーの各々が同一組のメモリユニットに、又は重複する複数組のメモリユニットに対して流してもよい。
【0025】
本明細書において、流す(streaming)という用語は、データをリアルタイムで、又はリアルタイムに近い形で提供することを意味する。代替として、本発明のある実施例では、所定の時間、例えば、1、2分、又は所望の時間、音声及びフライトデータを航空機レコーダーに記憶して、当該データを定期的にメモリユニットに送信することができる。
【0026】
図4は、本発明のある実施例に係るシステムを示す。なお、図3の各処理ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、1つ以上のプロセッサ及び/又は回路等の様々な手段又はそれらの組み合わせによって実行されてもよい。本発明の一実施例においては、システムは、例えば、航空機レコーダー410、及びメモリユニット420等のいくつかの装置を含んでいてもよい。このシステムは、2つ以上のメモリユニット420と2つ以上の航空機レコーダーを有していてもよいが、例示のためには、各1つしか図示しない。航空機レコーダーは、CVFDR等、本明細書で述べた航空機レコーダーのいずれであってもよい。
【0027】
これらの装置の各々は、それぞれ符号414,424で示されている、少なくとも1つのプロセッサ、又は、制御ユニット若しくはモジュールを備えていてもよい。各装置には、それぞれ符号415,425で示されている少なくとも1つのメモリが設けられていてもよい。メモリは、上記に述べたように、例えば、本発明の実施例を実行するためのコンピュータプログラム命令又はそれに包含されるコンピュータコードを有していてもよい。送受信機416,426は、それぞれ図示されているように設けられていてもよい。各装置は、符号417,427でそれぞれ示されているアンテナも有していてもよい。それぞれについて1つのアンテナしか示されていないが、多数のアンテナ及び複数のアンテナ素子が装置に設けられていてもよい。例えば、装置は他の構成を有していてもよい。例えば、航空機レコーダー410とメモリユニット420は、無線通信に加え、追加的に有線通信用に又は有線通信用にのみ構成されていてもよい。その場合、アンテナ417,427は、アンテナのみに限定されることなく、いかなる形態の通信ハードウェアであってもよい。
【0028】
送受信機416,426は、各々が独立した送信機か受信機、若しくは送信機及び受信機の両方であってもよく、又は、送信及び受信の両方用に構成されているユニット若しくは装置であってもよい。
【0029】
典型的な実施例においては、アビオニクスシステム等の装置は、図1から図4のいずれかに関して本明細書で述べた実施例のいずれかを実行するための手段を含んでいてもよい。
【0030】
プロセッサ414,424は、中央演算処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル強調回路、若しくは、同等の装置、又はそれらの組み合わせ等、いかなる演算処理装置、又はデータ処理装置によって具現化されてもよい。プロセッサは、単一のコントローラ、又は複数のコントローラ若しくは複数のプロセッサとして実装されてもよい。更に、プロセッサは、ローカル構成、クラウド構成、又はその組み合わせにおけるプロセッサのプールとして実装されてもよい。回路という用語は、1つ以上の電気回路又は電子回路を指してもよい。プロセッサという用語は、コンピュータを駆動する命令に応答し、且つこの命令を処理するロジック回路のような回路を指してもよい。
【0031】
ファームウェア又はソフトウェアの場合、その実装には、少なくとも1つのチップセットのモジュール又はユニット(例えば、プロシージャ、関数等)を含んでもよい。メモリ415,425は、独立して、コンピュータで読み取り可能な非一時的媒体等の、任意の適切な記憶装置であってもよい。ハードディスクドライブ(HDD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、又は他の適切なメモリを使用してもよい。メモリは、プロセッサである単一の集積回路上に組み合わせられてもよく、又は単一の集積回路と別体でもよい。更に、メモリに記憶され、プロセッサによって処理されるコンピュータプログラム命令は、任意の適切な形態のコンピュータプログラムコードであってよい。例えば、任意の適切なプログラミング言語で記述された、コンパイル済み又は解釈済みコンピュータプログラムであってよい。メモリ又はデータ記憶エンティティは、通常内部に設けられているが、サービスプロバイダーから追加の記憶容量を得るような場合には、外部に設けられてもよく、又は内部と外部の組み合わせでもよい。メモリは、固定でもよいし、取り外し可能であってもよい。
【0032】
メモリ及びコンピュータプログラム命令は、特定の装置用のプロセッサによって、航空機レコーダー410及び/又はメモリユニット420等のハードウェア装置に上記の処理(例えば、図3を参照)のいずれかを行わせるよう構成されていてもよい。よって、本発明のある実施例においては、コンピュータで読み取り可能な非一時的媒体は、ハードウェアで実行されると、本明細書で述べた1つ以上の処理等のある処理を行うコンピュータ命令又は1つ以上のコンピュータプログラム(追加、若しくは更新されたソフトウェアルーティン、アプレット、又はマクロ等)によってエンコードされてもよい。コンピュータプログラムは、任意のプログラミング言語によってコード化されてもよい。プログラミング言語は、オブジェクティブC,C,C++,C#,Java(登録商標)等の高水準プログラミング言語、又は機械言語若しくはアセンブラ等の低水準プログラミング言語でもよい。代替として、本発明のある実施例は、その全体をハードウェア内において実施されてもよい。
【0033】
各メモリユニット420は、更にビーコン428を有していてもよい。このビーコンを装着して、位置又は他の情報、若しくは信号を送信することで、対応するメモリユニット420の回収を可能にすることができる。
【0034】
更に、図4には、航空機レコーダー410とメモリユニット420を有するシステムを示しているが、本発明の実施例は、他の構成、及び図示され、本明細書で述べた追加要素を含む構成にも適用されてもよい。例えば、上記に述べたように、複数の航空機レコーダーと複数のメモリユニットが存在してもよい。
【0035】
当業者は、上記の発明が、異なる順番のステップ及び/又は開示された構成とは異なる構成のハードウェア要素によって実施されてもよいことを容易に理解するであろう。従って、これらの開示された実施例に基づいて発明を説明したが、当業者は、発明の精神及び範囲を逸脱しない限り、特定の変形、変更及び代替構成が明白であることは明らかであろう。
【符号の説明】
【0036】
110…CVFDR A、120…CVFDR B、130…メモリユニットA、140…メモリユニットB、150…メモリユニットC、160…メモリユニットD、210…CVFDR、215…ワイヤレス送受信機、220…メモリユニットA、225…ワイヤレス送受信機、230…メモリユニットB、235…ワイヤレス送受信機、410…航空機レコーダー、414…プロセッサ、415…メモリ、416…送受信機、417…アンテナ、420…メモリユニット、424…プロセッサ、425…メモリ、426…送受信機、427…アンテナ、428…ビーコン。
図1
図2
図3
図4