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特許7526102改良されたプロテオミクスマルチプレックスアッセイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】改良されたプロテオミクスマルチプレックスアッセイ
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/53 20060101AFI20240724BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240724BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20240724BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALI20240724BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20240724BHJP
   C12N 15/115 20100101ALN20240724BHJP
【FI】
G01N33/53 D
G01N33/53 V
G01N33/53 M
G01N27/62 V
C12Q1/68 100Z
C12Q1/686 Z
C12Q1/6869 Z
C12N15/115 Z
【請求項の数】 33
(21)【出願番号】P 2020571469
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019038022
(87)【国際公開番号】W WO2019246289
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2022-06-15
(31)【優先権主張番号】62/688,770
(32)【優先日】2018-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510016254
【氏名又は名称】ソマロジック・オペレイティング・カンパニー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・クレーマー
(72)【発明者】
【氏名】エヴァルダス・カティリウス
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・ジチ
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-533872(JP,A)
【文献】特表2013-532295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48-33/98
G01N 27/62
C12Q 1/68
C12Q 1/686
C12Q 1/6869
C12N 15/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって:
a)第1希釈試料を第1アプタマーと接触させることであり、第1アプタマー親和性複合体が、前記第1アプタマーとその標的分子との相互作用によって、前記標的分子が前記第1希釈試料中に存在する場合に形成される、前記接触させること;
b)第2希釈試料を第2アプタマーと接触させることであり、第2アプタマー親和性複合体が、前記第2アプタマーとその標的分子との相互作用によって、前記標的分子が前記第2希釈試料中に存在する場合に形成される、前記接触させること;
c)第3希釈試料を第3アプタマーと接触させることであり、第3アプタマー親和性複合体が、前記第3アプタマーとその標的分子との相互作用によって、前記標的分子が前記第3希釈試料中に存在する場合に形成される、前記接触させること;
d)アプタマー親和性複合体の形成を可能にするために、前記第1および前記第2希釈試料を別々にインキュベートすること;
e)アプタマー親和性複合体の形成を可能にするために、前記第1および前記第2希釈試料とは別々に、前記第3希釈試料をインキュベートして、前記第1アプタマー親和性複合体、前記第2アプタマー親和性複合体および第3アプタマー親和性複合体の各々が別々の固体支持体上に固定化すること;
f)前記第1アプタマー親和性複合体が遊離して、第2の固体支持体上に捕捉されること;
g)ステップf)の後、前記第2アプタマー親和性複合体が遊離して、前記第2の固体支持体上に捕捉されること;
h)前記第3アプタマー親和性複合体が遊離して、前記第2の固体支持体上に捕捉されること;
i)前記第1、前記第2、および前記第3アプタマー親和性複合体の前記第1、前記第2、および前記第3アプタマーの存在を検出すること、もしくはそのレベルを決定すること、または前記第1、前記第2、および前記第3アプタマー親和性複合体の存在もしくは量を検出すること;
を含み、
前記第1希釈試料および前記第2希釈試料が、同じ試験試料の異なる希釈率のものであ
る、
前記方法。
【請求項2】
前記第1および第2アプタマー-標的分子親和性複合体が、非共有結合複合体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
方法であって:
a)第1アプタマーを試験試料の第1希釈液と接触させて第1混合物を形成し、第2アプタマーを前記試験試料の第2希釈液と接触させて第2混合物を形成することであり、前記第1および前記第2アプタマーの各々が、それぞれ固体支持体上に固定化され、前記第1および前記第2アプタマーの各々が、異なる標的分子に対して親和性を有する、前記形成すること;
b)前記第1および前記第2混合物を別々にインキュベートすることであり、前記第1アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第1混合物中に存在する場合、第1アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第1混合物中に形成され、前記第2アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第2混合物中に存在する場合、第2アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第2混合物中に形成される、前記インキュベートすること;
c)第3アプタマーを第3希釈液と接触させて第3混合物を形成することであり、前記第3アプタマーが固体支持体上に固定化され、前記第3アプタマーが、前記第1および前記第2アプタマーとは異なる標的分子に対して親和性を有する、前記形成すること;
d)(i)前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、および(ii)前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、から選択される順序で、前記第1および前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体を順に遊離させて組み合わせること;
e)前記第1および前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体の前記標的分子に第1タグを付けること;
f)タグ付き前記第1および前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に接触させて、前記タグが前記第1および前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体を前記1つ以上の固体支持体に固定化させるようにすること;
g)前記アプタマーを前記アプタマー-標的分子親和性複合体から解離させること;
h)前記解離したアプタマーの存在を検出すること、またはそのレベルを決定すること;を含み、
前記第1および前記第2希釈液が、前記試験試料の異なる希釈率のものである、
前記方法。
【請求項4】
前記第1および前記第2アプタマー-標的タンパク質親和性複合体が、非共有結合複合体である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および前記第2混合物とは別に前記第3混合物をインキュベートすることをさらに含み、前記第3アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第3混合物中に存在する場合、第3アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第3混合物中に形成される、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
(i)前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体;(ii)前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体;(iii)前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体;(iv)前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマ
ー-標的分子親和性複合体;(v)前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体;および(vi)前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体;から選択される順序で順に遊離させて、前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体を前記第1および前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体と組み合わせることをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
方法であって:
a)第1アプタマーを試験試料の第1希釈液と接触させて第1混合物を形成し、第2アプタマーを前記試験試料の第2希釈液と接触させて第2混合物を形成し、第3アプタマーを前記試験試料の第3希釈液と接触させて第3希釈混合物を形成することであり、前記第1、前記第2および前記第3アプタマーの各々が、それぞれ固体支持体上に固定化され、前記第1、前記第2および前記第3アプタマーの各々が、異なる標的分子に対して親和性を有する、前記形成すること;
b)前記第1、前記第2および前記第3混合物を別々にインキュベートすることであり、前記第1アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第1混合物中に存在する場合、第1アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第1混合物中に形成され、前記第2アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第2混合物中に存在する場合、第2アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第2混合物中に形成され、前記第3アプタマーが親和性を有する前記標的分子が前記第3混合物中に存在する場合、第3アプタマー-標的分子親和性複合体が前記第3混合物中に形成される、前記インキュベートすること;
c)(i)前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体;(ii)前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体;(iii)前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体;(iv)前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体;(v)前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体;および(vi)前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第2アプタマー-標的分子親和性複合体、続いて前記第1アプタマー-標的分子親和性複合体;から選択される順序で、前記親和性複合体を順に遊離させて組み合わせること;
d)前記第1、前記第2および前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体の前記標的分子に第1タグを付けること;
e)タグ付き前記第1、前記第2および前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に接触させて、前記タグが前記第1、前記第2、および前記第3アプタマー-標的分子親和性複合体を前記1つ以上の固体支持体に固定化させるようにすること;
f)前記アプタマーを前記アプタマー-標的分子親和性複合体から解離させること;
g)前記解離したアプタマーの存在を検出すること、またはそのレベルを決定すること;を含み、
前記第1、前記第2および前記第3希釈液が、試験試料の異なる希釈率のものである、前記方法。
【請求項8】
前記第1、前記第2および前記第3アプタマー-標的タンパク質親和性複合体が、非共有結合複合体である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記試験試料が、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、
痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物および脳脊髄液から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記標的分子が、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞および組織から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
解離した第1および第2アプタマーの存在を検出すること、またはそのレベルを決定することが、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各アプタマーが、独立して、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの5位修飾ピリミジンが、前記ピリミジンの前記5位にリンカーと、前記リンカーに結合した部分とを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記リンカーが、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカーおよびスルホンリンカーから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記部分が疎水部分である、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記部分が、以下の部分:
【化1】
(ここで、R”及びR''''は、独立して、ハロゲン(-F,-Cl,-Br,-I);ニトリル(-CN);-NH 2 ;-OH;分岐低級アルキル(C1-C20);直鎖低級アルキル(C1-C20);一級アミド;二級アミド;三級アミド;アルコキシ基、から選択される)
から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記部分が、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分およびベンゾフラニル部分から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記5位修飾ピリミジンの前記ピリミジンが、ウリジン、シチジンまたはチミジンである、請求項12~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記第3アプタマー親和性複合体の前記第3アプタマーの存在を検出すること、もしくはそのレベルを決定すること、または前記第3アプタマー親和性複合体の存在もしくは量を検出することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項20】
前記第3希釈液が、同じ試験試料の前記第1および前記第2希釈液とは異なる希釈液である、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記第1希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記第1希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記第1希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記第1希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記第1希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第2希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記第3希釈液が:
5%~39%または5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%、15%~30%、15%~25%、約20%;
0.01%~1%または0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%、0.1%~0.8%、0.2%~0.75%、約0.5%;および
0.001%~0.009%もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%、または0.002%~0.008%、0.003%~0.007%、約0.005%;
から選択される前記試験試料の希釈液である、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%
、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第3希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液である;
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記第1希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第3希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液である;
請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第3希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液である、
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%
、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第3希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液である;
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記第1希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希釈液であり、
前記第3希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液である;
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記第1希釈液が、5%~39%のもしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%の、または15%~30%の、または15%~25%の、または約20%の、前記試験試料の希釈液であり;
前記第2希釈液が、0.001%~0.009%のもしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%の、または0.002%~0.008%の、または0.003%~0.007%の、または約0.005%の、前記試験試料の希釈液であり;および
前記第3希釈液が、0.01%~1%のもしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%の、または0.1%~0.8%の、または0.2%~0.75%の、または約0.5%の、前記試験試料の希
釈液である;
請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にプロテオミクスアッセイの分野、ならびにアッセイの性能を改善するように設計された方法、デバイス、試薬及びキットに関する。そのような方法は、研究開発、診断及び治療のためのプロテオミクス用途において幅広い有用性を有する。特に、マルチプレックスアッセイ形式においてバックグラウンドシグナルを減少または排除し、タンパク質結合試薬の特異性を改善する材料及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
生体試料及び他の試料タイプにおける生理学的に重要な分子の検出及び定量化を対象とするアッセイは、科学研究及びヘルスケア分野の重要なツールである。例えば、マルチプレックスアレイアッセイは、表面結合プローブを用いて試料中の標的分子を検出する。表面結合プローブは、オリゴヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、アフィボディ、アプタマーまたは試料の標的分子と結合できる他の分子(総称してバイオポリマー)である場合がある。これらの結合相互作用は、様々な異なる分野、例えば、ゲノミクス、トランスクリプトミクス及びプロテオミクスに使用される多くの方法及びデバイスの基礎である。
【0003】
アッセイは、アッセイ混合物の特定の成分を除去するように設計された溶液ベースの標的相互作用及び分離ステップを提供する。しかしながら、多くのアッセイ形式の感度及び特異性は、アッセイ中の非特異的会合に起因して生じるシグナルから真のシグナルを分解する検出方法の能力によって制限され、これらは誤って検出されるシグナルをもたらす。このことは、使用される捕捉試薬(例えば、抗体またはアプタマー)に関係なく、多重化アッセイに特に当てはまる。非特異的結合の主な原因の1つは、標的分子との予期しない非特異的捕捉試薬相互作用または非特異的結合相互作用である。本開示は、標的/捕捉試薬の特異的相互作用を維持しながら、多重化に基づくプロテオミクスアッセイで観察されるバックグラウンドシグナルを排除または減少させる方法について記載する。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1希釈試料を第1アプタマーと接触させることであり、標的分子が第1希釈試料中に存在する場合、第1アプタマー親和性複合体が、第1アプタマーとその標的分子との相互作用によって形成されること、b)第2希釈試料を第2アプタマーと接触させることであり、標的分子が第2希釈試料中に存在する場合、第2アプタマー親和性複合体が、第2アプタマーとその標的分子との相互作用によって形成されること、c)アプタマー親和性複合体の形成を可能にするために、第1及び第2希釈試料を別々にインキュベートすること、d)第1アプタマー親和性複合体を含む第1希釈試料を第1混合物に移すことであり、第1アプタマー親和性複合体が、第1混合物中の固体支持体上に捕捉されること、e)ステップd)の後、第2希釈試料を第1混合物に移して第2混合物を形成することであり、第2希釈液の第2アプタマー親和性複合体が、第2混合物中の固体支持体上に捕捉されること、f)第1及び第2アプタマー親和性複合体の第1アプタマー及び第2アプタマーの存在を検出すること、もしくはそのレベルを決定することであり、または1つ以上の第1及び第2アプタマー親和性複合体の存在もしくは量を検出することであり、第1希釈液及び第2希釈液が、同じ試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0005】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0006】
別の態様では、第1及び第2アプタマー-標的分子親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0007】
別の態様では、標的分子は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞及び組織から選択される。
【0008】
別の態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0009】
別の態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)の試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0010】
別の態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0011】
別の態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0012】
別の態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0013】
別の態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0014】
別の態様では、解離した第1及び第2捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することは、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0015】
別の態様では、第1アプタマー及び/または第2アプタマーは、独立して、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0016】
別の態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0017】
別の態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0018】
別の態様では、その部分は疎水部分である。
【0019】
別の態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0020】
別の態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0021】
別の態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0022】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第3希釈試料を第3アプタマーと接触させることをさらに含み、標的分子が第3希釈試料中に存在する場合、第3アプタマー親和性複合体が、第3アプタマーとその標的分子との相互作用によって形成される。
【0023】
別の態様では、第3希釈試料は、第1及び第2希釈試料とは別にインキュベートされ、第3アプタマーとその標的分子とのアプタマー親和性複合体の形成を可能にする。
【0024】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第3希釈試料を第2混合物に移して第3混合物を形成することをさらに含み、第3希釈液の第3アプタマー親和性複合体は、第3混合物中の固体支持体上に捕捉される。
【0025】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第3アプタマー親和性複合体の第3アプタマーの存在を検出すること、もしくはそのレベルを決定すること、または第3アプタマー親和性複合体の存在もしくは量を検出することをさらに含む。
【0026】
別の態様では、第3希釈液は、同じ試験試料の第1希釈液及び第2希釈液とは異なる希釈液である。
【0027】
別の態様では、第3希釈液は、5%~39%(または5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)、15%~30%、15%~25%、約20%、0.01%~1%(または0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%)、0.1%~0.8%、0.2%~0.75%、約0.5%、及び0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)、または0.002%~0.008%、0.003%~0.007%、約0.005%から選択される試験試料の希釈液である。
【0028】
別の態様では、第3アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0029】
別の態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0030】
別の態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0031】
別の態様では、その部分は疎水部分である。
【0032】
別の態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0033】
別の態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0034】
別の態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0035】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬を第1希釈液と接触させて第1混合物を形成し、第2捕捉試薬を第2希釈液と接触させて第2混合物を形成することであり、第1及び第2捕捉試薬の各々が、それぞれ固体支持体上に固定化され、第1及び第2捕捉試薬の各々が、異なる標的分子に対して親和性を有すること、b)第1混合物及び第2混合物を別々にインキュベートすることであり、第1捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第1混合物中に存在する場合、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第1混合物中に形成され、第2捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第2混合物中に存在する場合、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第2混合物中に形成されること、c)(i)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び(ii)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体から選択される順序で、親和性複合体を順に遊離させて第4混合物中において組み合わせること、d)第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の標的分子に第1タグを付けること、e)タグが第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に固定化させるように、タグ付き第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に接触させること、f)捕捉試薬を捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、g)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1希釈液及び第2希釈液が、試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0036】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0037】
一態様では、第1及び第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0038】
一態様では、第1捕捉試薬及び第2捕捉試薬は、独立して、アプタマーまたは抗体から選択される。
【0039】
一態様では、標的分子は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞及び組織から選択される。
【0040】
一態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0041】
一態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)の試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0042】
一態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0043】
一態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0044】
一態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0045】
一態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0046】
一態様では、解離した第1及び第2捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することは、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0047】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第3捕捉試薬を第3希釈液と接触させて第3混合物を形成することをさらに含み、第3捕捉試薬が固体支持体上に固定化され、第3捕捉試薬が、第1及び第2捕捉試薬の標的分子とは異なる標的分子に対して親和性を有する。
【0048】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第1混合物及び第2混合物とは別に第3混合物をインキュベートすることをさらに含み、第3捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第3混合物中に存在する場合、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第3混合物中に形成される。
【0049】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、(i)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(ii)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(iii)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(iv)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(v)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体、及び(vi)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体から選択される順序で順に遊離させて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体と第4混合物中に組み合わせることをさらに含む。
【0050】
一態様では、第3希釈液は、同じ試験試料の第1希釈液及び第2希釈液とは異なる希釈液である。
【0051】
一態様では、第3希釈液は、5%~39%(または5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)、15%~30%、15%~25%、約20%、0.01%~1%(または0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%)、0.1%~0.8%、0.2%~0.75%、約0.5%、及び0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)、または0.002%~0.008%、0.003%~0.007%、約0.005%から選択される試験試料の希釈液である。
【0052】
別の態様では、本明細書に開示される方法は、第3アプタマー親和性複合体の第3アプタマーの存在を検出すること、もしくはそのレベルを決定すること、または第3アプタマー親和性複合体の存在もしくは量を検出することをさらに含む。
【0053】
一態様では、アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0054】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0055】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0056】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0057】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0058】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0059】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0060】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬を第1希釈液と接触させて第1混合物を形成し、第2捕捉試薬を第2希釈液と接触させて第2混合物を形成し、第3捕捉試薬を第3希釈液と接触させて第3希釈混合物を形成することであり、第1、第2、及び第3捕捉試薬の各々が、それぞれ固体支持体上に固定化され、第1、第2及び第3捕捉試薬の各々が、異なる標的分子に対して親和性を有すること、b)第1混合物、第2混合物及び第3混合物を別々にインキュベートすることであり、第1捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第1混合物中に存在する場合、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第1混合物中に形成され、第2捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第2混合物中に存在する場合、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第2混合物中に形成され、第3捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第3混合物中に存在する場合、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第3混合物中に形成されること、c)(i)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(ii)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(iii)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(iv)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体、(v)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体、及び(vi)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体に続いて、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体から選択される順序で、親和性複合体を順に遊離させて第4混合物中において組み合わせること、d)第1、第2、及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の標的分子に第1タグを付けること、e)タグが第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に固定化させるように、タグ付き第1、第2、及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の固体支持体に接触させること、f)捕捉試薬を捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、g)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1希釈液、第2希釈液、及び第3希釈液が、試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0061】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0062】
一態様では、第1、第2及び第3捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0063】
一態様では、第1捕捉試薬、第2捕捉試薬及び第3捕捉試薬は、独立して、アプタマーまたは抗体から選択される。
【0064】
一態様では、標的分子は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞及び組織から選択される。
【0065】
一態様では、解離した第1及び第2捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することは、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0066】
一態様では、アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0067】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0068】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0069】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0070】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0071】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0072】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0073】
一態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第3希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0074】
一態様では、第1希釈液は、0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)の試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第3希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0075】
一態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第3希釈液は、0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)の試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0076】
一態様では、第1希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第3希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%である。
【0077】
一態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%であり、第3希釈液は、0.001%~0.009%(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%)の試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%である。
【0078】
一態様では、第1希釈液は、5%~39%の(もしくは5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)試験試料の希釈液であり、または15%~30%であり、または15%~25%であり、または約20%であり、第2希釈液は、0.001%~0.009%の(もしくは0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)試験試料の希釈液であり、または0.002%~0.008%であり、または0.003%~0.007%であり、または約0.005%であり、第3希釈液は、0.01%~1%の(もしくは0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)試験試料の希釈液であり、または0.1%~0.8%であり、または0.2%~0.75%であり、または約0.5%である。
【0079】
本発明の前述の及び他の目的、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明からさらに明らかとなり、これは添付の図面に関連している。
【図面の簡単な説明】
【0080】
図1-1】アプタマー中に組み込まれてよい、ある特定の例示的な5位修飾ウリジン及びシチジン。
図1-2】図1-1の続き。
図1-3】図1-2の続き。
図1-4】図1-3の続き。
図1-5】図1-4の続き。
図2-1】ウリジンの5位に存在してよい、ある特定の例示的な修飾。C-5修飾の化学構造は、修飾をウリジンの5位に連結する例示的なアミド結合を含む。示される5位部分としては、ベンジル部分(例えば、Bn、PE及びPP)、ナフチル部分(例えば、Nap、2Nap、NE)、ブチル部分(例えば、iBu)、フルオロベンジル部分(例えば、FBn)、チロシル部分(例えば、Tyr)、3,4-メチレンジオキシベンジル(例えば、MBn)、モルホリノ部分(例えば、MOE)、ベンゾフラニル部分(例えば、BF)、インドール部分(例えば、Trp)ならびにヒドロキシプロピル部分(例えば、Thr)が挙げられる。
図2-2】図2-1の続き。
図2-3】図2-2の続き。
図3-1】シチジンの5位に存在してよい、ある特定の例示的な修飾。C-5修飾の化学構造は、修飾をシチジンの5位に連結する例示的なアミド結合を含む。示される5位部分としては、ベンジル部分(例えば、Bn、PE及びPP)、ナフチル部分(例えば、Nap、2Nap、NE、及び2NE)ならびにチロシル部分(例えば、Tyr)が挙げられる。
図3-2】図3-1の続き。
図4】生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。2つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL4及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはXよりも大きい(またはZは、X希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3及びDIL4にはA1)を有する。2つの異なる希釈セットを、アッセイのキャッチ-1ステップからアッセイのキャッチ-2ステップへと共に移した。
図5】生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。3つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL3、生体試料のY%希釈液またはDIL2及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはYよりも大きく、YはXよりも大きい(またはZはY希釈液よりも高い希釈液であり、Y希釈液はX希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3、DIL2にはA2及びDIL3にはA1)を有する。
図6】0.005%希釈液(DIL1)、0.5%希釈液(DIL2)及び20%希釈液(DIL3)として作製した、血漿の3つの異なる希釈群の概要を提供し、それぞれ相対的に高い、中程度の及び低い存在量のタンパク質を測定した。さらに、DIL1、DIL2及びDIL3の各々についてのアプタマーセットは、それぞれA1、A2及びA3であった。合計で5,272個の異なるアプタマーについて、アプタマーのA3群は、4,271個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約81%)を有し、A2群は、828個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約16%)を有し、A1群は、173個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約3%)を有する。3つの異なる希釈セットを、アッセイのキャッチ-1ステップからアッセイのキャッチ-2ステップへと共に移した。
図7】生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに逐次的な2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。3つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL3、生体試料のY%希釈液またはDIL2及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはYよりも大きく、YはXよりも大きい(またはZはY希釈液よりも高い希釈液であり、Y希釈液はX希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3、DIL2にはA2及びDIL3にはA1)を有する。
図8】0.005%希釈液(DIL1)、0.5%希釈液(DIL2)及び20%希釈液(DIL3)として作製した、血漿の3つの異なる希釈群の概要を提供し、それぞれ相対的に高い、中程度の及び低い存在量のタンパク質を測定した。さらに、DIL1、DIL2及びDIL3の各々についてのアプタマーセットは、それぞれA1、A2及びA3であった。合計で5,272個の異なるアプタマーについて、アプタマーのA3群は、4,271個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約81%)を有し、A2群は、828個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約16%)を有し、A1群は、173個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約3%)を有する。3つの異なる希釈セットを、アッセイのキャッチ-1ステップからアッセイのキャッチ-2ステップへと順に移した。
図9】生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。2つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL4及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはXよりも大きい(またはZは、X希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3及びDIL4にはA1)を有する。2つの異なる希釈セットを、アッセイのキャッチ-1ステップからアッセイのキャッチ-2ステップへと順に移した。
図10】条件1(すなわち、3つの希釈群DIL1、DIL2及びDIL3全て)のアプタマーシグナルと、条件2、3及び4(表2、希釈群のうち1つのみがブランクと共に存在していた場合)の各々についてのアプタマーシグナルとの比に関する累積分布関数(CDF)を、3つ全ての希釈セットをアッセイのキャッチ-1パートからアッセイのキャッチ-2パートへと共に移した場合に実施した通りに、アッセイについてプロットした。アプタマーシグナルの比は、ハイブリダイゼーションアレイから得られた相対蛍光単位(RFU)で表される。
図11】条件1(すなわち、3つの希釈群DIL1、DIL2及びDIL3全て)のアプタマーシグナルと、条件2、3及び4(希釈群のうち1つのみがブランクと共に存在していた場合)の各々についてのアプタマーシグナルとの比に関する累積分布関数(CDF)を、3つの希釈セットをアッセイのキャッチ-1パートからアッセイのキャッチ-2パートへと順に移した場合に実施した通りに、アッセイについてプロットした。アプタマーシグナルの比は、ハイブリダイゼーションアレイから得られた相対蛍光単位(RFU)で表される。
図12】40%、20%、10%及び5%の希釈液(X軸)の各々について、中央値S/B(Y軸、左側)と共に線形範囲内における分析物の数(Y軸、右側)のグラフ表示。生体試料の20%希釈液では、最大の中央値S/Bを有する線形範囲内における分析物の最大数が観察される(2本の線が交差する箇所)。
【発明を実施するための形態】
【0081】
別段の注記がない限り、専門用語は従来の使用法に従って使用される。分子生物学における一般的な用語の定義は、Benjamin Lewin,Genes V,Oxford University Pressにより出版,1994(ISBN 0-19-854287-9)、Kendrew et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,Blackwell Science Ltd.により出版,1994(ISBN 0-632-02182-9)、及びRobert A.Meyers(ed.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers,Inc.により出版,1995(ISBN 1-56081-569-8)に見出されてよい。
【0082】
別段の説明がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。「AまたはBを含む」とは、A、またはB、またはA及びBを含むことを意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられる、全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、及び全ての分子量または分子質量の値は概算であり、説明のために提供されることがさらに理解されるべきである。
【0083】
さらに、本明細書で提供される範囲は、その範囲内の全ての値の簡略表記であると理解される。例えば、1~50の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50からなる群からの任意の数、数の組合せ、または部分範囲(加えて、その内容に別段の明確な指示がない限り、その分数)を含むと理解される。いずれの濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲、または整数範囲も、別段の指示がない限り、列挙される範囲内の任意の整数、ならびに適切な場合、その分数(整数の10分の1及び100分の1など)の値も含むと理解されるべきである。また、任意の物理的特徴、例えば、ポリマーサブユニット、サイズまたは厚さなどに関する、本明細書で列挙される数値範囲のいずれも、別段の指示がない限り、列挙される範囲内のいずれの整数も含むと理解されるべきである。本明細書で使用される場合、「約」または「から本質的になる」とは、別段の指示がない限り、示される範囲、値、または構造の±20%を意味する。本明細書で使用される場合、「含む(include)」及び「含む(comprise)」という用語はオープンエンド形式であり、同義語として使用される。
【0084】
本明細書に記載されるものと類似または同等の方法及び材料が本開示の実施または試験に使用され得るが、好適な方法及び材料が以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、それら全体が参照によって組み込まれる。矛盾する場合には、用語の説明を含む本明細書が優先されることになる。加えて、材料、方法、及び実施例は例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0085】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチド、またはそれらの修飾形態に加えて、それらの類似体を指す。ヌクレオチドとしては、プリン(例えば、アデニン、ヒポキサンチン、グアニン、ならびにそれらの誘導体及び類似体)に加えて、ピリミジン(例えば、シトシン、ウラシル、チミン、ならびにそれらの誘導体及び類似体)を含む種が挙げられる。本明細書で使用される場合、「シチジン」という用語は、別段の具体的な指示がない限り、シトシン塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチドを指すために一般的に使用される。「シチジン」という用語は、2’-修飾シチジン、例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシなどを含む。同様に、「修飾シチジン」という用語または特定の修飾シチジンはまた、別段の具体的な指示がない限り、修飾シトシン塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチド(2’-フルオロ、2’-メトキシなど)を指す。「ウリジン」という用語は、別段の具体的な指示がない限り、ウラシル塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチドを指すために一般的に使用される。「ウリジン」という用語は、2’-修飾ウリジン、例えば、2’-フルオロ、2’-メトキシなどを含む。同様に、「修飾ウリジン」という用語または特定の修飾ウリジンはまた、別段の具体的な指示がない限り、修飾ウラシル塩基を含むリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、または修飾リボヌクレオチド(2’-フルオロ、2’-メトキシなど)を指す。
【0086】
本明細書で使用される場合、「C-5修飾カルボキサミドシチジン」または「シチジン-5-カルボキサミド」または「5位修飾シチジン」または「C-5修飾シチジン」という用語は、シチジンのC-5位にカルボキシアミド(-C(O)NH-)修飾、例えば、本明細書に図示されるそれらの部分(RX1)を含むが、これに限定されない修飾を有するシチジンを指す。例示的なC-5修飾カルボキサミドシチジンとしては、5-(N-ベンジルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「BndC」と称され、図3に示される)、5-(N-2-フェニルエチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「PEdC」と称され、図3に示される)、5-(N-3-フェニルプロピルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「PPdC」と称され、図3に示される)、5-(N-1-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「NapdC」と称され、図3に示される)、5-(N-2-ナフチルメチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「2NapdC」と称され、図3に示される)、5-(N-1-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「NEdC」と称され、図3に示される)、5-(N-2-ナフチル-2-エチルカルボキサミド)-2’-デオキシシチジン(「2NEdC」と称され、図3に示される)、及び5-(N-チロシルカルボキシアミド)-2’-デオキシシチジン(TyrdCと称され、図3に示される)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、C5修飾シチジンは、例えば、それらの三リン酸形態で、ポリメラーゼ(例えば、KOD DNAポリメラーゼ)によってオリゴヌクレオチド中に組み込むことができる。
【0087】
本明細書に記載されるC-5修飾シチジンの化学修飾はまた、単独でまたは任意の組合せで、2’位の糖修飾、環外アミンでの修飾、及び4-チオシチジンの置換などと組み合わされ得る。
【0088】
本明細書で使用される場合、「C-5修飾カルボキサミドシトシン」または「シトシン-5-カルボキサミド」または「5位修飾シトシン」または「C-5修飾シトシン」という用語は、シトシンのC-5位にカルボキシアミド(-C(O)NH-)修飾、例えば、本明細書に図示されるそれらの部分(RX1)を含むが、これに限定されない修飾を有するシトシン塩基を指す。例示的なC-5修飾カルボキサミドシトシンとしては、図3に示される修飾シチジンが挙げられるが、これに限定されない。
【0089】
本明細書で使用される場合、「C-5修飾ウリジン」または「5位修飾ウリジン」という用語は、例えば、図1に示されるような、ウリジンのC-5位にカルボキシアミド(-C(O)NH-)修飾を有するウリジン(典型的にはデオキシウリジン)を指す。いくつかの実施形態では、C5修飾ウリジンは、例えば、それらの三リン酸形態で、ポリメラーゼ(例えば、KOD DNAポリメラーゼ)によってオリゴヌクレオチド中に組み込むことができる。非限定的で例示的な5位修飾ウリジンとしては、以下が挙げられる:
5-(N-ベンジルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(BndU)、
5-(N-ベンジルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-ベンジルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-フェネチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(PEdU)、
5-(N-チオフェニルメチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(ThdU)、
5-(N-イソブチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(iBudU)、
5-(N-チロシルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(TyrdU)、
5-(N-3,4-メチレンジオキシベンジルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(MBndU)、
5-(N-4-フルオロベンジルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(FBndU)、
5-(N-3-フェニルプロピルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(PPdU)、
5-(N-イミジゾリルエチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(ImdU)、
5-(N-イソブチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-イソブチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-トリプタミノカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(TrpdU)、
5-(N-R-スレオニニルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(ThrdU)、
5-(N-トリプタミノカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-トリプタミノカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-[1-(3-トリメチルアンモニウム)プロピル]カルボキシアミド)-2’-デオキシウリジンクロリド、
5-(N-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(NapdU)、
5-(N-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-[1-(2,3-ジヒドロキシプロピル)]カルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン)、
5-(N-2-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(2NapdU)、
5-(N-2-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-2-ナフチルメチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-1-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(NEdU)、
5-(N-1-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-1-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-2-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(2NEdU)、
5-(N-2-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-2-ナフチルエチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(BFdU)、
5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、
5-(N-3-ベンゾフラニルエチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン、
5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)-2’-デオキシウリジン(BTdU)、
5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)-2’-O-メチルウリジン、及び
5-(N-3-ベンゾチオフェニルエチルカルボキシアミド)-2’-フルオロウリジン。
【0090】
本明細書で使用される場合、「修飾する」、「修飾された」、「修飾」という用語、及びその任意の変化形は、オリゴヌクレオチドに関連して使用される場合、オリゴヌクレオチドの4つの構成ヌクレオチド塩基(すなわち、A、G、T/U、及びC)のうち少なくとも1つが、天然に存在するヌクレオチドの類似体またはエステルであることを意味する。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドにヌクレアーゼ耐性を付与する。追加の修飾としては、骨格修飾、メチル化、稀な塩基対合の組合せ、例えば、イソ塩基のイソシチジン及びイソグアニジンなどが挙げられ得る。修飾としては、キャッピングなどの3’及び5’修飾も挙げられ得る。他の修飾としては、天然に存在するヌクレオチドのうち1つ以上と類似体との置換、ヌクレオチド間修飾、例えば、非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホアミデート、カルバメートなど)による修飾及び荷電結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)による修飾、インターカレーター(例えば、アクリジン、ソラレンなど)による修飾、キレート剤(例えば、金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有する修飾、アルキル化剤を含有する修飾、ならびに修飾結合(例えば、アルファアノマー核酸など)による修飾などが挙げられ得る。さらに、通常はヌクレオチドの糖上に存在するヒドロキシル基のいずれかが、ホスホネート基もしくはリン酸基で置き換えられてよいか、標準的な保護基によって保護されてよいか、または追加のヌクレオチドへの、もしくは固体支持体への追加の結合を調製するために活性化されてよい。5’末端及び3’末端のOH基がリン酸化され得るか、あるいはアミン、約1~約20個の炭素原子の有機キャッピング基部分、一実施形態では、約10~約80kDaの範囲のポリエチレングリコール(PEG)ポリマー、別の実施形態では、約20~約60kDaの範囲のPEGポリマー、または他の親水性もしくは疎水性生体ポリマーもしくは合成ポリマーで置換され得る。
【0091】
本明細書で使用される場合、「核酸」、「オリゴヌクレオチド」、及び「ポリヌクレオチド」は、交換可能に使用されてヌクレオチドのポリマーを指し、これらとしてはDNA、RNA、DNA/RNAハイブリッドならびにこれらの種類の核酸、オリゴヌクレオチド及びポリヌクレオチドの修飾物が挙げられ、様々な実体または部分が任意の位置でヌクレオチド単位に結合することが含まれる。「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」、及び「核酸」という用語は、二本鎖または一本鎖分子に加えて三重らせん分子を含む。核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドは、アプタマーという用語の上位語であり、したがって、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用語は、アプタマーであるヌクレオチドのポリマーを含むが、核酸、オリゴヌクレオチド、及びポリヌクレオチドという用語は、アプタマーに限定されない。
【0092】
ポリヌクレオチドはまた、一般に当該技術分野において既知のリボースまたはデオキシリボース糖の類似形態も含有し、例えば、2’-O-メチル、2’-O-アリル、2’-O-エチル、2’-O-プロピル、2’-O-CH2CH2OCH3、2’-フルオロ、2’-NH2または2’-アジド、炭素環式糖類似体、α-アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロースまたはリキソースなど、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドなどを含み得る。本明細書で述べられるように、1つ以上のホスホジエステル結合が、代替連結基で置き換えられてよい。これらの代替連結基としては、リン酸がP(O)S(「チオエート」)、P(S)S(「ジチオエート」)、(O)NRX 2(「アミデート」)、P(O)RX、P(O)ORX’、COまたはCH2(「ホルムアセタール」)で置き換えられ、式中、各RXまたはRX’は独立してHである、またはエーテル(-O-)結合を場合により含有する置換もしくは非置換アルキル(C1~C20)、アリール、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニルもしくはアラルジルである実施形態が挙げられる。ポリヌクレオチド中の全ての結合が同一である必要はない。糖、プリン、及びピリミジンの類似形態の置換は、例えば、ポリアミド骨格のような代替骨格構造が有利であり得るのと同様に、最終生成物の設計に有利であり得る。
【0093】
ポリヌクレオチドはまた、炭素環式糖類似体、α-アノマー糖、エピマー糖、例えば、アラビノース、キシロースまたはリキソースなど、ピラノース糖、フラノース糖、セドヘプツロース、非環式類似体及び脱塩基ヌクレオシド類似体、例えば、メチルリボシドなどの類似形態も含有し得る。
【0094】
存在する場合、ヌクレオチド構造への修飾は、ポリマーの組立て前または後に付与され得る。ヌクレオチドの配列は、非ヌクレオチド成分によって割り込まれ得る。ポリヌクレオチドは、重合後、例えば、標識化成分との複合化などによってさらに修飾され得る。
【0095】
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのヌクレオチド」という用語は、核酸の修飾を指す場合、核酸中の1つの、いくつかの、または全てのヌクレオチドを指し、これは核酸中のA、C、T、GまたはUのいずれかまたは全ての、いずれかまたは全ての存在が修飾されてもよいか、または修飾されなくともよいことを示している。
【0096】
本明細書で使用される場合、「核酸リガンド」、「アプタマー」、「SOMAmer」、「修飾アプタマー」、及び「クローン」は交換可能に使用され、標的分子に対して望ましい作用を有する天然に存在しない核酸を指す。望ましい作用としては、標的の結合、標的を触媒的に変化させること、標的または標的の機能活性を改変または変化させる方法で標的と反応すること、標的への共有結合(自殺阻害剤におけるような)、及び標的と別の分子間の反応を促進させることが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、作用は標的分子に対する特異的結合親和性であり、そのような標的分子は、ワトソン/クリック塩基対合または三重らせん形成に依存しない機構によってアプタマーに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、アプタマーは、標的分子が結合している既知の生理機能を有する核酸ではない。所与の標的に対するアプタマーは、核酸の候補混合物から同定される核酸を含み、アプタマーは、以下を含む方法による、標的のリガンドである:(a)候補混合物を標的と接触させることであり、候補混合物中の他の核酸と比較して標的に対して高い親和性を有する核酸が、候補混合物の残部から分割され得ること、(b)候補混合物の残部から高い親和性の核酸を分割すること、及び(c)高い親和性の核酸を増幅して核酸のリガンド濃縮混合物を生成し、それによって標的分子のアプタマーが同定されること。親和性相互作用は、程度の問題であることが認識されるが、これに関連して、その標的に対するアプタマーの「特異的結合親和性」は、アプタマーが混合物または試料中の他の非標的成分に結合するよりも、一般にはるかに高い度合いの親和性でアプタマーがその標的に結合することを意味する。「アプタマー」、「SOMAmer」、または「核酸リガンド」は、特定のヌクレオチド配列を有する核酸分子の1つの種類または種のコピーのセットである。アプタマーは、任意の好適な数のヌクレオチドを含み得る。「アプタマー」は、そのような分子の2つ以上のセットを指す。異なるアプタマーは、同数または異なる数のいずれかのヌクレオチドを有し得る。アプタマーはDNAまたはRNAであってよく、一本鎖、二本鎖であってよいか、または二本鎖もしくは三本鎖領域を含有してよい。いくつかの実施形態では、アプタマーは、本明細書に記載されるような、または当該技術分野において既知のSELEXプロセスを使用して調製される。
【0097】
本明細書で使用される場合、「SOMAmer」または遅いオフレート修飾アプタマーは、改善されたオフレート特性を有するアプタマーを指す。SOMAmerは、「Method for Generating Aptamers with Improved Off-Rates」と題した米国特許第7,947,447号に記載されている改良されたSELEX法を使用して生成され得る。
【0098】
本明細書で使用される場合、2つの異なる種類の5位修飾ピリミジンまたはC-5修飾ピリミジンを含むアプタマーは、「二重修飾アプタマー」、「2つの修飾塩基」を有するアプタマー、「2塩基修飾」を有する、または「2塩基修飾されている」アプタマー、「二重修飾塩基」を有するアプタマーと称されてよく、それら全てが交換可能に使用されてよい。アプタマーのライブラリーまたはアプタマーライブラリーも、同じ専門用語を使用してよい。したがって、いくつかの実施形態では、アプタマーは2つの異なる5位修飾ピリミジンを含み、2つの異なる5位修飾ピリミジンは、NapdC及びNapdU、NapdC及びPPdU、NapdC及びMOEdU、NapdC及びTyrdU、NapdC及びThrdU、PPdC及びPPdU、PPdC及びNapdU、PPdC及びMOEdU、PPdC及びTyrdU、PPdC及びThrdU、NapdC及び2NapdU、NapdC及びTrpdU、2NapdC及びNapdU、ならびに2NapdC及び2NapdU、2NapdC及びPPdU、2NapdC及びTrpdU、2NapdC及びTyrdU、PPdC及び2NapdU、PPdC及びTrpdU、PPdC及びTyrdU、TyrdC及びTyrdU、TrydC及び2NapdU、TyrdC及びPPdU、TyrdC及びTrpdU、TyrdC及びTyrdU、ならびにTyrdC及びTyrdUから選択される。いくつかの実施形態では、アプタマーは、少なくとも1つの修飾ウリジン及び/またはチミジンならびに少なくとも1つの修飾シチジンを含み、少なくとも1つの修飾ウリジン及び/またはチミジンは、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される部分によって5位で修飾され、少なくとも1つの修飾シチジンは、ナフチル部分、チロシル部分、及びベンジル部分から選択される部分によって5位で修飾される。ある特定の実施形態では、部分は、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される基を含むリンカーを介して塩基の5位に共有結合される。部分をピリミジンの5位に共有結合させるために使用されてよい例示的なリンカーのさらなる例については、図1を参照のこと。
【0099】
本明細書で使用される場合、「疎水基」及び「疎水部分」は、本明細書では交換可能に使用され、非荷電である任意の基または部分を指し、基または部分の原子の大部分は水素及び炭素であり、基もしくは部分が小さな双極子を有する、及び/または基もしくは部分が水からはじかれる傾向がある。これらの基または部分は、芳香族炭化水素または平面芳香族炭化水素を含んでよい。疎水性または分子(もしくは基もしくは部分)が疎水性であるかどうかを決定する方法は、当該技術分野において周知であり、経験的に得られた方法に加えて、算出方法を含む。例示的な方法が、Zhu Chongqin et al.(2016)Characterizing hydrophobicity of amino acid side chains in a protein environment via measuring contact angle of a water nanodroplet on planar peptide network.Proc.Natl.Acad.Sci.,113(46)pgs.12946-12951に記載されている。本明細書に開示されるように、例示的な疎水部分としては、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIが挙げられるが、これらに限定されない。さらに例示的な疎水部分としては、図3のもの(例えば、Bn、Nap、PE、PP、iBu、2Nap、Try、NE、MBn、BF、BT、Trp)が挙げられる。
【0100】
本明細書で使用される場合、単一種類の5位修飾ピリミジンまたはC-5修飾ピリミジンを含むアプタマーは、「単一修飾アプタマー」、「単一修飾塩基」を有するアプタマー、「単一塩基修飾」を有する、または「単一塩基修飾されている」アプタマーと称されてよく、それら全てが交換可能に使用されてよい。アプタマーのライブラリーまたはアプタマーライブラリーも、同じ専門用語を使用してよい。本明細書で使用される場合、「タンパク質」は、「ペプチド」、「ポリペプチド」、または「ペプチド断片」と同義的に使用される。「精製された」ポリペプチド、タンパク質、ペプチド、またはペプチド断片は、アミノ酸配列が得られる細胞、組織、もしくは無細胞源からの細胞材料もしくは他の夾雑タンパク質を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合に化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。
【0101】
ある特定の実施形態では、アプタマーは、第1の5位修飾ピリミジン及び第2の5位修飾ピリミジンを含み、第1の5位修飾ピリミジンは、第1の5位修飾ピリミジンの5位にチロシル部分を含み、第2の5位修飾ピリミジンは、第2の5位修飾ピリミジンの5位にナフチル部分またはベンジル部分を含む。関連実施形態では、第1の5位修飾ピリミジンはウラシルである。関連実施形態では、第2の5位修飾ピリミジンはシトシンである。関連実施形態では、アプタマーのウラシルの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が5位で修飾される。関連実施形態では、アプタマーのシトシンの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%が5位で修飾される。
【0102】
核酸ハイブリダイゼーションの当業者は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを与える、または制御するために一般的に使用される因子としては、ホルムアミド濃度(または他の化学的変性試薬)、塩濃度(すなわち、イオン強度)、ハイブリダイゼーション温度、界面活性剤濃度、pH及びカオトロープの有無が挙げられると認識することになる。プローブ/標的配列の組合せの最適なストリンジェンシーは、上述したストリンジェンシー因子のいくつかを固定し、次いで単一のストリンジェンシー因子を変化させる場合の効果を決定するという周知の技術によって多くの場合に見出される。PNAのハイブリダイゼーションがイオン強度に全く依存しないことを除いて、同じストリンジェンシー因子を調節し、それによってPNAの核酸に対するハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを制御することができる。アッセイの最適なストリンジェンシーは、所望の程度の識別が達成されるまで、各ストリンジェンシー因子の検査によって実験的に決定されてよい。
【0103】
本明細書で使用される場合、「ハイブリダイゼーション」、「ハイブリダイズすること」、「結合」及び同様の用語は、ヌクレオチド配列の文脈において、本明細書では交換可能に使用され得る。2つのヌクレオチド配列が互いにハイブリダイズする能力は、2つの配列の相補性の程度に基づいていて、同様に適合した相補的ヌクレオチド対の割合に基づいている。別の配列に相補的である所与の配列中のヌクレオチドが多いほど、ハイブリダイゼーションの条件はよりストリンジェントになり得、2つの配列の結合はより特異的になる。高いストリンジェンシーは、温度の上昇、共溶媒の比の増加、塩濃度の低下などによって達成される。マイクロアレイ上のプローブ及び標的材料の相補的ワトソン/クリック塩基対のハイブリダイゼーションが一般的には好ましいが、ハイブリダイゼーション中の非ワトソン/クリック塩基対合も生じ得る。
【0104】
従来のハイブリダイゼーション溶液及びハイブリダイゼーションのプロセスは、J.Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(上記)に記載され、参照によって本明細書に組み込まれる。ハイブリダイゼーションの条件としては通常、(1)高イオン強度溶液、(2)制御された温度で、ならびに(3)担体DNA及び界面活性剤及び二価カチオンのキレート剤の存在下であることが挙げられ、その全てが当該技術分野において既知である。
【0105】
本明細書で使用される場合、「バイオポリマー」は、1種以上の反復単位のポリマーである。バイオポリマーは通常、生体系に見られ、特に多糖(炭水化物など)、ならびにペプチド(この用語は、多糖に結合しているか否かを問わず、ポリペプチド、及びタンパク質を含むために使用される)ならびにポリヌクレオチドに加えて、それらの類似体、例えば、アミノ酸類似体もしくは非アミノ酸基、またはヌクレオチド類似体もしくは非ヌクレオチド基で構成される、またはそれらを含有するそれらの化合物などを含む。そのため、本用語は、従来の骨格が天然に存在しない、または合成骨格で置き換えられているポリヌクレオチド、及び従来の塩基のうち1つ以上が、ワトソン・クリック型水素結合相互作用に関与できる基(天然または合成)で置き換えられている核酸(または合成もしくは天然に存在する類似体)を含む。ポリヌクレオチドは、一本鎖または多重鎖構成を含み、1本以上の鎖が別の鎖と完全にアラインメントされる、またはアラインメントされない場合がある。特に、「バイオポリマー」は、供給源にかかわらず、デオキシリボ核酸またはDNA(cDNAを含む)、リボ核酸またはRNA及びオリゴヌクレオチドを含む。
【0106】
本明細書で使用される場合、「アレイ」は、アドレス可能な領域と関連する特定の1つ以上の化学部分(例えば、ペプチド核酸分子、ペプチドまたはポリヌクレオチド配列などのバイオポリマー)を持つその領域の任意の一次元、二次元または三次元配置を含み、1つ以上の化学部分は、その領域の表面上に固定化される。「固定化される」とは、1つ以上の部分がアレイを使用する条件下、例えば、ハイブリダイゼーション及び洗浄及びストリッピング条件下で領域から分離しないように、1つ以上の部分が領域内の基板表面と安定して会合することを意味する。当該技術分野において既知の通り、1つ以上の部分は、その領域の表面に共有結合または非共有結合する場合がある。例えば、各領域は、基板が多孔性である場合には三次元に拡張する場合もあるが、基板が非多孔性である場合には実質的な三次元測定値(厚さ)を一切有することはない。アレイは、20cm未満あるいは10cm未満の領域に、10超、100超、1000超、1万超のフィーチャー、あるいは10万超のフィーチャーを含有する場合がある。例えば、フィーチャーは、約10μm~約1.0cmの範囲内に幅(すなわち、円形スポットでは直径)を有する場合がある。他の実施形態では、各フィーチャーは、約1.0μm~約1.0mm、例えば、約5.0μm~約500μmなど、及び約10μm~約200μmを含む範囲内に幅を有する場合がある。非円形フィーチャーは、前述の幅(直径)範囲を有する円形フィーチャーの範囲と同等の領域範囲を有する場合がある。所与のフィーチャーは、所与のフィーチャーが特定の標的に対応するように、標的分子(例えば、標的核酸またはアプタマー)に結合する(例えば、ハイブリダイズする)化学部分、例えば、ペプチド核酸分子、ペプチド、核酸で構成される。
【0107】
アレイの場合、「標的」は、様々な領域で基板に結合しているプローブ(「標的プローブ」)によって検出される、移動相(通常は流体)の部分として参照されることになる。しかしながら、「標的」または「標的プローブ」のいずれかが、他方によって検出されることになるものであってもよい。いくつかの実施形態では、標的は、オリゴヌクレオチドまたはアプタマーである。いくつかの実施形態では、プローブは、ペプチド核酸分子、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチドまたはアプタマーである。
【0108】
「生体試料」、「試料」、及び「試験試料」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、個体、及び環境、動物、または食品試料から得られる、またはさもなければそれらに由来する任意の材料、生体液、組織、または細胞を指す。これとしては、血液(全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、血漿、及び血清を含む)、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、呼気、尿、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液(例えば、気管支肺胞洗浄液)、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、ならびに脳脊髄液が挙げられる。これとしては、前述の全ての実験的に分離された画分も挙げられる。例えば、血液試料は、血清、血漿に、または特定の種類の血球、例えば、赤血球もしくは白血球(white blood cell)(白血球(leukocyte))などを含有する画分に分画され得る。いくつかの実施形態では、試料は、個体からの試料の組合せ、例えば、組織及び液体試料の組合せなどであり得る。「生体試料」という用語は、例えば、糞便試料、組織試料、または組織生検などからのホモジナイズされた固体材料を含有する材料も含む。「生体試料」という用語は、組織培養または細胞培養に由来する材料も含む。生体試料を得るための任意の好適な方法が用いられ得、例示的な方法としては、例えば、静脈切開、スワブ(例えば、頬スワブ)、及び穿刺吸引細胞診手順が挙げられる。穿刺吸引が可能な例示的な組織としては、リンパ節、肺、肺洗浄液、BAL(気管支肺胞洗浄液)、甲状腺、乳房、膵臓、及び肝臓が挙げられる。試料はまた、例えば、マイクロダイセクション(例えば、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)もしくはレーザーマイクロダイセクション(LMD))、膀胱洗浄、塗抹(例えば、PAP塗抹)、または管洗浄によって収集され得る。個体から得られる、または個体に由来する「生体試料」としては、個体から得られた後に任意の好適な方法で処理されている任意のそのような試料が挙げられる。
【0109】
「固体支持体の表面に結合したオリゴヌクレオチド」または「固体支持体に結合したプローブ」または「固体支持体に結合した標的」という語句は、固体基板の表面上に固定化されたペプチド核酸分子、オリゴヌクレオチド、アプタマー、例えば、PNA(ペプチド核酸)、LNA(ロックド核酸)またはUNA(アンロックド核酸)分子を指し、基板は様々な構成、例えば、シート、ビーズ、粒子、スライド、ウエハ、ウェブ、ファイバー、チューブ、キャピラリー、マイクロ流体チャネルもしくはリザーバ、または他の構造を有し得る。ある特定の実施形態では、本明細書で用いられるオリゴヌクレオチドまたは標的要素の収集物は、例えば、アレイの形態で、同じ平面支持体の表面上に存在する。「プローブ」及び「標的」という用語は相対的な用語であり、ある特定のアッセイでプローブと見なされる分子が、他のアッセイでは標的として機能する可能性があると理解されるべきである。基板または表面上へのオリゴヌクレオチドの固定化は、文献中で一般的に利用可能な周知の技術によって達成され得る。例えば、A.C.Pease,et al.,Proc.Nat.Acad.Sci,USA,91:5022-5026(1994)、Z.Guo,et al.,Nucleic Acids Res,22,5456-65(1994)、及びM.Schena,et al.,Science,270,467-70(1995)を参照し、各々が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0110】
ポリヌクレオチドの合成の前述した化学は、例えば、Caruthers,Science 230:281-285,1985、Itakura et al.,Ann.Rev.Biochem.53:323-356、Hunkapillar et al.,Nature 310:105-110,1984、及び“Synthesis of Oligonucleotide Derivatives in Design and Targeted Reaction of Oligonucleotide Derivatives”,CRC Press,Boca Raton,Fla.,pages 100以下参照、米国特許第4,458,066号、同第4,500,707号、同第5,153,319号、同第5,869,643号、EP0294196、及び他の箇所で詳細に記載されている。ホスホラミダイト及び亜リン酸トリエステルアプローチが最も広く使用されているが、他のアプローチとしては、ホスホジエステルアプローチ、ホスホトリエステルアプローチ及びH-ホスホネートアプローチが挙げられる。基板は通常、最初に堆積したモノマーに結合するように機能化される。そのような結合部分を含む基板を機能化するための好適な技術は、例えば、Southern,E.M.,Maskos,U.and Elder,J.K.,Genomics,13,1007-1017,1992に記載されている。アレイ製作の場合、異なるモノマー及び活性剤は、完成したアレイの異なるフィーチャーが、異なる所望のバイオポリマー配列を有することになるように、任意の1サイクル中に基板上の異なるアドレスに堆積される場合がある。ポリヌクレオチドアレイのin situ製作の場合、1つ以上のさらなる中間ステップ、例えば、従来の酸化、キャッピング及び洗浄ステップなどが、各サイクルで必要となる場合がある(ここでも、これらのステップはフラッディング手順で実行されてよい)。
【0111】
マルチプレックスアッセイ
溶液ベースの標的相互作用及び分離ステップにおける多重化アプタマーアッセイは、例えば、米国特許第7,855,054号及び同第7,964,356号ならびにPCT出願PCT/US2013/044792に記載されている。一実施形態では、マルチプレックスアッセイは、本明細書の実施例1に記載されている。
【0112】
複数の標的タンパク質が複数の捕捉試薬によって測定されるマルチプレックスアッセイ形式では、異なる標的タンパク質の存在量の自然な変動によって、ある特定の標的タンパク質を測定するある特定の捕捉試薬の能力が制限され得る(例えば、高存在量の標的タンパク質がアッセイを飽和させ、低存在量の標的タンパク質を測定するアッセイの能力を妨害または低減させる可能性がある)。生体試料のこの変動に対処するために、アプタマー試薬は、生体試料中におけるそれらの各々のタンパク質標的の存在量に基づいて、少なくとも2つの異なる群(DIL1の捕捉試薬及びDIL2の捕捉試薬)、好ましくは3つの異なる群(A3-DIL1の捕捉試薬、A2-DIL2の捕捉試薬及びA1-DIL3の捕捉試薬)に分割されてよい。捕捉試薬群のA1、A2及びA3の各々は、それぞれ異なるアプタマーのセットを有し、アプタマーは標的タンパク質に対して特異的親和性を有している。生体試料は、タンパク質標的の捕捉試薬によって検出されるそれらの相対濃度に基づいて、2つ(希釈液1またはDIL1及び希釈液2またはDIL2)、好ましくは3つの異なる希釈群(希釈液1またはDIL1、希釈液2またはDIL2及び希釈液3またはDIL3)に希釈され、個別の試験試料を作製する。したがって、生体試料は、高、中及び低存在量の標的タンパク質希釈群に希釈され、最も存在量の少ないタンパク質標的が最小希釈群で測定され、最も存在量の多いタンパク質標的が最大希釈群で測定される。捕捉試薬の各々の希釈群に対する捕捉試薬は、一緒にインキュベートされる(例えば、アプタマーのA3セットは、希釈液1またはDIL1の試験試料とインキュベートされ、アプタマーのA2セットは、希釈液2またはDIL2の試験試料とインキュベートされ、アプタマーのA1セットは、希釈液3またはDIL3の試験試料とインキュベートされる)。A1、A2及びA3のアプタマーの総数は、4,000個、4,500個、5,000個以上のアプタマーであってよい。
【0113】
図5は、生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。3つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL3、生体試料のY%希釈液またはDIL2及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはYよりも大きく、YはXよりも大きい(またはZはY希釈液よりも高い希釈液であり、Y希釈液はX希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3、DIL2にはA2及びDIL3にはA1)を有する。
【0114】
図4は、生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。2つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL4及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはXよりも大きい(またはZは、X希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3及びDIL4にはA1)を有する。
【0115】
図7は、生体試料の希釈セットの概要例、捕捉試薬の各々の希釈液に対応する捕捉試薬セット、ならびに逐次的な2つのキャッチシステム(キャッチ-1及びキャッチ-2)の全体概要を提供する。3つの異なる希釈群を、生体試料のZ%希釈液またはDIL3、生体試料のY%希釈液またはDIL2及び生体試料のX%希釈液またはDIL1を含む生体試料から作製してよく、ZはYよりも大きく、YはXよりも大きい(またはZはY希釈液よりも高い希釈液であり、Y希釈液はX希釈液よりも高い希釈液である)。各希釈液は、特定のタンパク質セットに結合する対応する捕捉試薬のその特有のセット(DIL1にはA3、DIL2にはA2及びDIL3にはA1)を有する。
【0116】
本開示は、試験試料中に存在する可能性がある1つ以上の標的分子(複数可)の定量化を目的としたアプタマー及び光アプタマーベースの多重化アッセイを実施する方法の改良について記載し、本明細書に記載される材料及び方法が、全体的なアッセイ性能を改善するために使用され得る限り、任意の好適な核酸検出方法を使用する最終検出を目的として、アプタマー(または光アプタマー)は、アプタマー-標的親和性複合体(または光アプタマー-標的共有結合複合体)から分離され得る。光アプタマーは、アプタマーがそれらの標的分子と共有結合または「光架橋」することを可能にする光反応性官能基を含むアプタマーである。
【0117】
本明細書に記載される改良されたアプタマー及び光アプタマーベースの多重化アッセイは、アプタマー及び光アプタマー、例えば、表1に列挙される刊行物に記載されるそれらのアプタマー及び光アプタマーを含むが、これらに限定されないものを用いて実施され得る。
【表1】
【表2】
【0118】
歴史的に、多重化プロテオミクスアプタマー親和性アッセイを含む、シングルプレックス及びマルチプレックスアプタマーベースのアッセイの実施から、2つの予期しない制限が生じた。最初に、アプタマー/アプタマー相互作用が、アッセイバックグラウンドの主な原因及びマルチプレックス能力に対する制限の可能性として同定された。第2に、試料マトリックス(主に血清及び血漿)が、ストレプトアビジン置換マトリックス上へのビオチン化アプタマーの固定化を阻害することが見出された。
【0119】
アッセイの改良は、Gold et al.(PLoS One(2010)5(12):el5005)に記載されている通り、媒体の誘電率を低下させるために、キャッチ-2ステップの洗浄緩衝液の一部に有機溶媒の使用を含んだ。これらの洗浄緩衝液の添加によって、アプタマーの隣接するホスホジエステル骨格の同電荷反発が効果的に強調され、それゆえバックグラウンドを引き起こす相互作用するアプタマーの解離を促進させた。
【0120】
プロセスの別の改良は、アッセイのキャッチ-2ステップで使用される洗浄緩衝液の一部に有機溶媒を添加することを含み、これもアプタマーが相互作用する傾向に逆らうため、バックグラウンドを減少させてマルチプレックス能力を高める。しかしながら、その主な利点は、ストレプトアビジンマトリックスへのビオチン化アプタマー吸着のマトリックス依存的阻害を抑制することである。そのような阻害は、5%v/vの血漿または血清でも容易に検出可能であり、有効なアッセイ濃度を5~10%の血漿または血清濃度に制限する。この制限により、同様にアッセイ感度が制限される。
【0121】
多重化アッセイのさらに別の改良は、試験溶液とのインキュベーション(「キャッチ-0」と称される)前に、固体支持体マトリックス上にタグ付きアプタマーをあらかじめ固定化することを含む。次いで、試験溶液とのインキュベーションは、処理容器それ自体の中で、結合したアプタマーを用いて実施される。例示のみを目的として本明細書に記載されるように、ビオチン化アプタマーをストレプトアビジンビーズマトリックス上にあらかじめ固定化し、試験溶液とのインキュベーションを、ビーズ結合アプタマーを用いて実施した。このあらかじめ固定化するステップによって、アプタマーが相互作用する傾向を減少させる条件下での固定化が可能となり、さらにインキュベーション前の非常にストリンジェントな洗浄(塩基による、及びカオトロピック塩による)が可能となり、相互作用するアプタマーを破壊し、非常に強力なビオチン-ストレプトアビジン相互作用によって結合していない全てのアプタマーを除去する。これによって、アッセイを妨害するアプタマー「凝集塊」の数が減少し、この凝集塊は、ある検出可能な頻度でビオチン部分を保持しているか、またはアッセイ中でビオチン化される。照射によって、全てではないが大半の光切断可能なビオチン部分がアプタマーから切断される一方で、一部のアプタマーは、タンパク質の「タグ付け」を目的としたNHS-ビオチン処理によってビオチン化されることは注目に値する。キャッチ-2ステップで捕捉されたビオチン化アプタマーは、大量の光切断されたアプタマーと相互作用することによってバックグラウンドを作成し、次いで溶出時に遊離される。アプタマーパネルが別々に固定化され、次いでビーズ結合形態で組み合わされることで、アプタマーが相互作用して凝集する可能性がある条件を回避できる可能性があるため、あらかじめ固定化された形式は非常に高いマルチプレックス能力を支持する可能性があるという点にも留意すべきである。
【0122】
したがって、あらかじめ固定化することによって、分析物溶液の存在下におけるアプタマー吸着の必要性が回避され、それゆえ、分析物溶液の阻害濃度をアッセイする場合であっても、定量的固定化を確実に行う。これによって、これまでに記載されているような(Gold et al.(Dec.2010)PLoS One 5(12):el5005)、プロセスの10%最高濃度またはプロセスのより最近の版で使用される5%最高濃度ではなく、最大かつ少なくとも40%v/vの血漿または血清を含む、はるかに高い濃度の使用が可能となり、それによって感度がおよそ4~8倍に増加することに加えて、アッセイの全体的な頑健性を向上させる。
【0123】
プロセス全体の別の改良は、以下で詳細に記載されるように、キャッチ-2ステップ中の溶出のためにほぼ中性pHでカオトロピック塩を使用することを含む。以前の方法は、高pH(10)で塩化ナトリウムを使用することを含んでいて、これはDNAハイブリダイゼーション及びアプタマー/アプタマー相互作用に加えて、タンパク質/アプタマー相互作用を妨害する。上述の通り、DNAハイブリダイゼーション及びアプタマー/アプタマー相互作用は、アッセイバックグラウンドの一因となる。カオトロピック塩、例えば、中性pHの過塩素酸ナトリウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム及び塩化マグネシウムを含むが、これらに限定されないものが、アプタマー/タンパク質相互作用を妨害しながら、DNAハイブリダイゼーション及びアプタマー/アプタマー相互作用を支持する。最終的な結果は、バックグラウンドの大幅な減少(約10倍)と、それに伴うアッセイ感度の上昇である。
【0124】
本明細書で使用される場合、「キャッチ-1」は、アプタマー-標的親和性複合体またはアプタマー-標的共有結合複合体の分割を指す。キャッチ-1の目的は、アプタマーと会合しない、試験試料中における成分の実質的に全てを除去することである。そのような成分の大部分を除去すると、一般にキャッチ-2捕捉に使用される標的タグ付けステップから非標的分子を除去することによって、標的タグ付け効率が向上することになり、アッセイバックグラウンドの低下につながる可能性がある。一実施形態では、タグは、アッセイ前、アッセイの準備中、またはアッセイ中のいずれかでタグをアプタマーに付加することによってアプタマーに結合される。一実施形態では、タグは遊離可能なタグである。一実施形態では、遊離可能なタグは、切断可能なリンカー及びタグを含む。上記の通り、タグ付きアプタマーは、固体支持体上に捕捉され得、固体支持体はタグに適した捕捉要素を含む。次いで、固体支持体は、試験試料と平衡化する前に本明細書に記載されるように洗浄され、不必要な物質を全て除去し得る(キャッチ-0)。
【0125】
本明細書で使用される場合、「キャッチ-2」は、標的分子の捕捉に基づく、アプタマー-標的親和性複合体またはアプタマー-標的共有結合複合体の分割を指す。キャッチ-2ステップの目的は、検出及び任意の定量化前に、試験試料から遊離、または非複合化アプタマーを除去することである。試料から遊離アプタマーを除去すると、任意の好適な核酸検出技術によるアプタマー-標的親和性またはアプタマー-標的共有結合複合体の検出が可能となる。検出及び任意の定量化にQ-PCRを使用する場合、標的分子の正確な検出及び定量化のために遊離アプタマーの除去が必要である。
【0126】
一実施形態では、標的分子はタンパク質またはペプチドであり、遊離アプタマーは、タンパク質(及びペプチド)に組み込まれ得る試薬ならびにタンパク質(またはペプチド)を含む複合体、例えば、アプタマー-標的親和性(または共有結合)複合体などを使用して、アプタマー-標的親和性(または共有結合)複合体(及び試験試料の残部)から分割される。タグ付きタンパク質(またはペプチド)及びアプタマー-標的親和性(または共有結合)複合体は、固体支持体上に固定化されて、遊離アプタマーからのタンパク質(またはペプチド)及びアプタマー-標的親和性(または共有結合)複合体の分割を可能にし得る。そのようなタグ付けとしては、例えば、タンパク質またはペプチドに組み込まれ得るビオチン部分が挙げられ得る。
【0127】
一実施形態では、キャッチ-2タグは、アッセイ前、アッセイの準備中、またはアッセイ中のいずれかでタグを標的に化学的に結合させることによって、タンパク質(またはペプチド)に結合される。一実施形態では、キャッチ-2タグは遊離可能なタグである。一実施形態では、遊離可能なタグは、切断可能なリンカー及びタグを含む。しかしながら、一般にキャッチ-2固体支持体からタンパク質(またはペプチド)を遊離させる必要はない。上記の通り、タグ付き標的は、第2固体支持体上に捕捉され得、固体支持体は標的タグに適した捕捉要素を含む。次いで、固体支持体は、有機溶媒を含む緩衝溶液ならびに塩及び/または塩を含有する界面活性剤及び/または界面活性剤を含む緩衝溶液を含む、様々な緩衝溶液で洗浄される。
【0128】
第2固体支持体を洗浄した後、次いで、アプタマー-標的親和性複合体は、複合体が破壊されて遊離アプタマーを生成する解離ステップに供される一方で、標的分子は一般に、捕捉要素と標的捕捉タグとの結合相互作用によって固体支持体に結合したままである。アプタマーは、アプタマーまたは標的のいずれかの構造を破壊する任意の方法によって、アプタマー-標的親和性複合体から遊離され得る。これは、非共有結合アプタマー-標的複合体を解離させる高塩緩衝液中で、支持体結合アプタマー-標的親和性複合体を洗浄することによって達成される可能性がある。溶出した遊離アプタマーは収集かつ検出される。別の実施形態では、高または低pHがアプタマー-標的親和性複合体を破壊するために使用される。別の実施形態では、高温がアプタマー-標的親和性複合体を解離させるために使用される。別の実施形態では、上記方法のいずれかの組合せが使用されてよい。別の実施形態では、アプタマー-標的親和性複合体のタンパク質部分のタンパク質分解消化が、アプタマー成分を遊離させるために使用される。
【0129】
アプタマー-標的共有結合複合体の場合、後続の定量化を目的としたアプタマーの遊離は、アプタマー構築物中の切断可能なリンカーを使用して達成される。別の実施形態では、標的タグ中の切断可能なリンカーは、アプタマー-標的共有結合複合体の遊離をもたらすことになる。
【0130】
例として、プロテオミクス親和性アッセイ(マルチプレックスアッセイ)は、以下の通りに実施されてよい:
【0131】
キャッチ-0:1倍SB17、Tw(40mM HEPES、102mM NaCl、1mM EDTA、5mM MgCl2、5mM KCl、0.05%Tween-20)中の133の7.5%ストレプトアビジン-アガローススラリーを、フィルタープレート(0.45μm Millipore HVプレート(Duraporeカタログ番号MAHVN4550))のウェルに添加した。適切な1.1倍アプタマー混合物(全てのアプタマーが、5’末端にCy3フルオロフォア及び光切断可能なビオチン部分を含有する)を解凍し、続いてボルテックスした。次いで、1.1倍アプタマー混合物を10分間煮沸し、30秒間ボルテックスして水浴中で20分間、20℃に冷却させた。次いで、ストレプトアビジンアガローススラリーを含有するフィルタープレート中の液体を、遠心分離(1000×gで1分間)によって除去した。100μLのアプタマー混合物を、フィルタープレートのウェルに(ロボット制御で)添加した。混合物を、遮光して850rpmに設定したシェーカー上で、25℃で20分間インキュベートした。
【0132】
キャッチ-0洗浄:20分のインキュベーション後、溶液を真空濾過によって除去した。190の1倍CAPSアプタマー予洗緩衝液(50mM CAPS、1mM EDTA、0.05%Tw-20、pH11.0)を添加し、混合物を振盪しながら1分間インキュベートした。次いで、CAPS洗浄液を真空濾過によって除去した。次いで、CAPS洗浄を1回繰り返した。190μLの1倍SX17-Tweenを添加し、混合物を振盪しながら1分間インキュベートした。次いで、1倍SB17-Tweenを真空濾過によって除去した。さらに190μLの1倍SX17-Twを添加し、混合物を振盪しながら1分間インキュベートした。次いで、1倍SB17-Twを遠心分離(1000×gで1分)によって除去した。1倍SB17、Twの除去後、150μLのキャッチ-0保存緩衝液(150mM NaCl、40mM HEPES、1mM EDTA、0.02%アジ化ナトリウム、0.05%Tween-20)を添加し、フィルタープレートをプレートの外周部のみで慎重に密封し、使用するまで暗所において4℃で保存した。
【0133】
試料調製:75マイクロリットルの40%試料希釈剤を、40%試料プレートに入れた(最終40%試料は、20μM Z-ブロック、1mMベンズアミジン、1mM EGTA、40mM HEPES、5mM MgCl2、5mM KCl、1%Tween-20を含有する)。195マイクロリットルの1倍SB17-Twを1%試料プレートに入れた。90マイクロリットルの1倍SB17-Twを1:10希釈プレートに入れた。133マイクロリットルの1倍SB17-Twを0.005%試料プレートに入れた。試料を、25℃のインキュベーター内のRack Thawing Station上で10分間解凍し、次いでボルテックスして1000×gで1分間回転させた。キャップをチューブから取り外した。試料を混合し(50μLで5回)、50μLの100%試料を、試料希釈剤を含有する40%試料プレートに移した。次いで、40%試料を、ピペットで吸引及び吐出すること(110μL、10回)によって試料プレート上で混合した。次いで、5μLの40%試料を、1倍SB17-Twを含有する1%試料プレートに移した。この試料を、ピペットで吸引及び吐出すること(120μL、10回)によって再び混合した。混合した後、10μLの1%試料を、1倍SB17-Twを含有する1:10希釈プレートに移し、これをピペットで吸引及び吐出すること(75μL、10回)によって混合した。1:10希釈プレートからの7マイクロリットルの0.1%試料を、1倍SB17-Twを含有する0.005%試料プレートに移し、ピペットで吸引及び吐出すること(110μL、10回)によって混合した。
【0134】
インキュベーション前のプレート調製:キャッチ-0保存溶液を、真空濾過によってフィルタープレートから除去した。次いで、190マイクロリットルの1倍SB17-Twを添加し、続いて真空濾過によってフィルタープレートから除去した。次いで、さらに190μLの1倍SB17-Twをフィルタープレートに添加した。
【0135】
インキュベーション:1倍SB17-Tw緩衝液を、遠心分離(1000×gで1分間)によってフィルタープレートから除去した。100マイクロリットルの適切な試料希釈液をフィルタープレート(3つのフィルタープレート、すなわち、40%もしくは20%、1%、または0.005%の各試料希釈液に1つ)に添加した。フィルタープレートをプレートの外周部のみで慎重に密封し、ウェルへの加圧を回避した。圧力は、インキュベーション中に漏出を引き起こすことになる。次いで、プレートを、遮光して850rpmに設定したサーモシェーカー上で、28℃で3.5時間インキュベートした。
【0136】
フィルタープレートの処理:インキュベーション後、フィルタープレートを真空マニホールド上に置き、試料を真空濾過によって除去した。190マイクロリットルのビオチン洗浄液(1倍SB17-Tw中100μMのビオチン)を添加し、液体を真空濾過によって除去した。次いで、試料を190μLの1倍SB17-Twで5回洗浄した(真空濾過)。1倍SB17-Tw中の100マイクロリットルの1mM NHS-ビオチン(新たに調製した)を添加し、フィルタープレートを吸収パッド上で吸着させ、混合物を振盪しながら5分間インキュベートした。液体を真空濾過によって除去した。1倍SB17-Tw中の125マイクロリットルの20mMグリシンを添加し、液体を真空濾過によって除去した。再度、1倍SB17-Tw中の125μLの20mMグリシンを添加し、液体を真空濾過によって除去した。
【0137】
続いて、試料を190μLの1倍SB17-Twで6回洗浄し、液体を真空濾過によって除去した。次いで、85マイクロリットルの光切断緩衝液(1倍SB17-Tw中2μMのZ-ブロック)をフィルタープレートの各々に添加した。
【0138】
光切断:フィルタープレートを吸収パッド上で吸着させ、振盪しながら(800rpm、25℃)BlackRay UVランプで6分間照射した。プレートを180度回転させ、BlackRay光源下でさらに6分間照射した。40%フィルタープレートを、空の96ウェルプレート上に置いた。1%フィルタープレートを40%フィルタープレートの上に重ねて、0.005%フィルタープレートを1%フィルタープレートの上に重ねた。プレートのアセンブリを1000×gで1分間回転させた。溶出した試料を含む96ウェルプレートを、ロボットデッキ上に置いた。37℃のインキュベーターから、1倍SB17-Tw中の60パーセントグリセロールをロボットデッキ上に置いた。
【0139】
キャッチ-2:アッセイの設定中、50μLの10mg/mL MyOne SAビーズ(500μg)を、キャッチ-2のためにABgene Omniチューブの96ウェルプレートに添加し、Cytomat内に置いた。キャッチ-2の96ウェルビーズプレートを90秒間懸濁させて磁石ブロック上に60秒間置き、上清を除去した。同時に、または順に、各希釈群からのキャッチ-1溶出液をキャッチ-2ビーズプレートに移し、ペルチェサーモシェーカー上でインキュベートした(1350rpm、5分、25℃)。プレートを25℃の磁石に2分間移し、上清を除去した。次に、75μLの1倍SB17-Twを添加し、試料をペルチェシェーカー上において1350rpm、37℃で1分間インキュベートした。次いで、1倍SB17-Tw中の75μLの60%グリセロール(37℃に加熱)を添加し、試料を再度、ペルチェシェーカー上において1350rpm、37℃で1分間インキュベートした。プレートを37℃に加熱した磁石に移して2分間インキュベートし、続いて上清を除去した。この37℃の1倍SB17-Tw及びグリセロール洗浄サイクルを、さらに2回繰り返した。次いで、試料を、ペルチェシェーカー上(1350rpm、1分、25℃)で150μLの1倍SB17-Twを用いて残ったグリセロールを除去するために洗浄し、続いて1分間25℃の磁気ブロック上に置いた。上清を除去し、0.5M NaClで置換した150μLの1倍SB17-Twを添加し、1350rpmで1分間インキュベートして(25℃)、続いて1分間25℃の磁気ブロック上に置いた。上清を除去し、75μLの過塩素酸塩溶出緩衝液(1.8M NaClC-4、40mM PIPES、1mM EDTA、0.05%Triton X-100、1倍ハイブリダイゼーション対照、pH=6.8)を添加し、続いてペルチェシェーカー上で10分間インキュベートした(25℃、1350rpm)。その後、プレートを磁気分離機に移し、90秒間インキュベートして上清を回収した。
【0140】
ハイブリダイゼーション:20マイクロリットルの溶出した試料を、空の96ウェルプレートにロボット制御で添加した。ハイブリダイゼーション対照の第2セットを含有する5マイクロリットルの10倍Agilentブロッキング緩衝液を、溶出した試料にロボット制御で添加した。次いで、25μLの2倍Agilent HiRPMハイブリダイゼーション緩衝液を、手作業でウェルに添加した。40マイクロリットルのハイブリダイゼーション混合物を、Agilentガスケットスライド上に載せた。Agilentの8×15kアレイをガスケットスライド上に添加し、サンドイッチしたものをクランプで締め付けた。次いで、サンドイッチしたものを回転させながら(20rpm)55℃で19時間インキュベートした。
【0141】
ハイブリダイゼーション後の洗浄:ハイブリダイゼーション後のスライド処理を、Little Dipper Processor(SciGene、カタログ番号1080-40-1)上で実施した。およそ750mLの洗浄緩衝液1(Oligo aCGH/ChlP-on-chip Wash Buffer 1、Agilent Technologies)を1つのガラス製染色皿に入れた。およそ750mLの洗浄緩衝液1(Oligo aCGH/ChlP-on-chip Wash Buffer 1、Agilent Technologies)を、Little Dipper Processorの槽1に入れた。37℃に加熱したおよそ750mLの洗浄緩衝液2(Oligo aCGH/ChlP-on-chip Wash Buffer 1、Agilent Technologies)を、Little Dipper Processorの槽2に入れた。両方の槽の磁気攪拌速度を5に設定した。槽1の温度調節器は作動させなかったが、槽2の温度調節器を37℃に設定した。最大12個のスライド/ガスケットアセンブリを、洗浄緩衝液1を含有する第1染色皿内で順に分解し、依然として洗浄緩衝液1に浸漬した状態のスライドをスライドラック内に入れた。全てのスライド/ガスケットアセンブリを分解したら、スライドラックをLittle Dipper Processorの槽1に迅速に移して、自動洗浄プロトコールを開始した。Little Dipper Processorによって、槽1内でスライドが250の速度で300秒間インキュベートされ、続いてAgilent Wash 2(Oligo aCGH/ChlP-on-chip Wash Buffer 2、Agilent Technologies)を含有する37℃の槽2に移し、速度100で300秒間インキュベートした。その後、Little Dipper Processorは、内蔵の遠心分離機にスライドラックを移し、スライドを速度690で300秒間回転させた。
【0142】
マイクロアレイイメージング:マイクロアレイスライドを、5μm解像度、100%PMT設定でCy3チャネルにおいてマイクロアレイスキャナー(Agilent G2565CA Microarray Scanner System、Agilent Technologies)を用いてイメージングし、XRDオプションを0.05で有効にした。得られたtiff画像を、GE1_107_Sep09プロトコールを用いたAgilent特徴抽出ソフトウェアバージョン10.7.3.1を使用して処理した。
【0143】
本明細書で使用される場合、「遊離可能な」または「切断可能な」要素、部分、またはリンカーは、破壊されて2つの別個の成分を生成し得る分子構造を指す。遊離可能な(もしくは切断可能な)要素は、化学結合が切断され得る単一分子を含んでよいか(本明細書では「インライン切断可能なリンカー」と称される)、またはその要素は、非共有結合性相互作用が切断もしくは破壊され得る2つ以上の分子を含んでよい(本明細書では「ハイブリダイゼーションリンカー」と称される)。
【0144】
いくつかの実施形態では、個々の官能基との干渉を防ぐために、ある特定の官能基を他の官能基から空間的に分離する必要がある。例えば、光切断可能な基に最も近い標識の存在は、ある特定の光の波長を吸収し、光切断の効率を妨げ得る。したがって、そのような基を、例えば、光切断の完全な活性を回復させるのに十分な空間的分離を提供する非干渉部分を用いて分離させることが望ましい。いくつかの実施形態では、「スペーシングリンカー」が、標識及び光切断機能の両方を有するアプタマーに導入されている。
【0145】
「固体支持体」は、分子が共有結合または非共有結合のいずれかによって、直接的または間接的に結合される可能性がある表面を有する任意の基板を指す。固体支持体は、表面に結合されている捕捉要素またはプローブに物理的支持を提供できる任意の基板材料を含んでよい。材料は、一般に捕捉要素またはプローブの表面への結合及びアッセイの実施中に直面する任意の後続の処置、取扱い、または処理に関連する条件に耐えることができる。材料は、天然に存在するもの、合成のもの、または天然に存在する材料を改変したものであってよい。好適な固体支持材料としては、シリコン、シリコンウエハチップ、グラファイト、鏡面、積層体、膜、セラミック、プラスチック(ポリマー、例えば、ポリ(塩化ビニル)、シクロ-オレフィンコポリマー、アガロースゲルまたはビーズ、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(4-メチルブテン)、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはTeflon(登録商標))、ナイロン、ポリ(酪酸ビニル)などを含む)、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、金、銀、Langmuir Blodgettフィルム、フロースルーチップなどが挙げられ、単独で、または他の材料と組み合わせるかのいずれかで使用されてよい。追加の硬質材料、例えば、ガラスなどが考慮されてよく、これはシリカを含み、さらに例えば、バイオガラスとして入手可能なガラスを含む。用いられてもよい他の材料としては、例えば、コントロールドポアガラスビーズ、架橋ビーズSepharose(登録商標)もしくはアガロース樹脂、または架橋ビス-アクリルアミドとアザラクトンとのコポリマーなどの多孔質材料が挙げられる。他のビーズとしては、ナノ粒子、ポリマービーズ、固体コアビーズ、常磁性ビーズ、またはマイクロビーズが挙げられる。例えば、材料の表面上に組み込まれた1つ以上の官能基、例えば、アミノ、カルボキシル、チオール、またはヒドロキシル官能基のいずれかなどを有することができる当該技術分野において既知の任意の他の材料も企図される。
【0146】
固体支持体に使用される材料は、単純なものから複雑なものにまでわたる様々な構成のいずれかを取る場合がある。固体支持体は、ストリップ、プレート、ディスク、ロッド、粒子、ビーズ、チューブ、ウェル(マイクロタイター)などを含む、多数の形状のうちのいずれか1つを有し得る。固体支持体は、多孔質または非多孔質、磁性、常磁性、または非磁性、多分散または単分散、親水性または疎水性であってよい。固体支持体はまた、密に充填された(カラムマトリックスにおけるような)または緩やかに充填された粒子のゲルまたはスラリーの形態であってもよい。
【0147】
一実施形態では、捕捉要素が結合している固体支持体が、試験混合物からタグ付きアプタマー-標的親和性複合体またはアプタマー-標的共有結合複合体を捕捉するために使用される。1つの特定の例では、タグがビオチン部分である場合、固体支持体は、ストレプトアビジンコーティングビーズまたは樹脂、例えば、Dynabeads M-280ストレプトアビジン、Dynabeads MyOneストレプトアビジン、Dynabeads M-270ストレプトアビジン(Invitrogen)、ストレプトアビジンアガロース樹脂(Pierce)、ストレプトアビジンUltralink樹脂、MagnaBindストレプトアビジンビーズ(ThermoFisher Scientific)、BioMagストレプトアビジン、ProMagストレプトアビジン、シリカストレプトアビジン(Bangs Laboratories)、ストレプトアビジンセファロースHigh Performance(GE Healthcare)、
【0148】
ストレプトアビジンポリスチレンミクロスフェア(Microspheres-Nanospheres)、ストレプトアビジンコーティングポリスチレン粒子(Spherotech)、またはビオチンタグ付き分子を捕捉するために当業者が一般的に使用する任意の他のストレプトアビジンコーティングビーズもしくは樹脂などであり得る。
【0149】
上記に記載されている通り、本発明の1つの目的は、タンパク質シグナルをアプタマーシグナルに変換することである。結果として、収集/検出されるアプタマーの量は、結合した標的分子の量及び試料中の標的分子の量を示し、かつそれらに正比例する可能性がある。多数の検出スキームが、キャッチ-2分割後に第2固体支持体からアプタマー-標的親和性またはアプタマー-標的共有結合複合体を溶出させることなく、用いられ得る。以下の検出方法の実施形態に加えて、他の検出方法が当業者に既知となる。
【0150】
多くの検出方法は、検出前にアプタマー中に組み込まれる明示的な標識を必要とする。これらの実施形態では、標識、例えば、蛍光色素または化学発光色素などが、核酸合成のための標準的な技術を使用して、合成中または合成後のいずれかでアプタマー中に組み込まれ得る。放射性標識は、適切な試薬との標準的な酵素反応を使用して、合成中または合成後のいずれかで組み込まれ得る。標識化はまた、好適な酵素技術を使用することによって、キャッチ-2分割及び溶出後に行われ得る。例えば、上述した標識を有するプライマーを使用し、PCRによって、溶出したアプタマーの増幅産物中に標識が組み込まれることになる。定量化のためにゲル技術を使用する場合、異なるサイズの質量標識が同様にPCRを使用して組み込まれ得る。これらの質量標識はまた、さらなるマルチプレックス能力のために、異なる蛍光色素または化学発光色素も組み込み得る。標識は、合成中または合成後のいずれかにアプタマー中に組み込まれる特異的タグを使用し、次いでタグと会合し、かつ標識を保持するプローブを付加することによって、間接的にアプタマーに付加されてよい。標識は、上記に記載されるものに加えて、例えば、比色分析読取りのための標準的アッセイに使用される酵素を含む。これらの酵素は、酵素基質と組み合わされて作用し、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)及びアルカリホスファターゼ(AP)などの酵素を含む。標識は、電気化学的検出のための電気化学的官能基である物質または化合物も含んでよい。
【0151】
例えば、アプタマーは、試験試料を接触させる前に、上記の通りに32Pなどの放射性同位体で標識されてよい。4つの基本的アッセイ、及び上述したようなその変更形態のうちいずれか1つを用いて、アプタマー検出は、アッセイの終了時に第2固体支持体上の放射能を定量化することによって容易に達成されてよい。放射能の数値は、元の試験試料中における標的の量に正比例することになる。同様に、試験試料を接触させる前に、上記の通りに蛍光色素を有するアプタマーを標識化することによって、第2固体支持体上での直接の簡単な蛍光読取りが可能となる。同様に、化学発光標識または量子ドットが、アプタマーの溶出を必要とすることなく、第2固体支持体からの直接的な読取りに用いられ得る。
【0152】
第2固体支持体からアプタマーを溶出させること、または光アプタマー-標的共有結合複合体を遊離させることによって、追加の検出スキームが、上記に記載されるものに加えて用いられ得る。例えば、遊離したアプタマー、光アプタマーまたは光アプタマー-標的共有結合複合体を、PAGEゲル上で泳動させて検出し、場合により、SYBR Goldなどの核酸染料によって定量化し得る。あるいは、遊離したアプタマー、光アプタマーまたは光アプタマー共有結合複合体は、上記の通りにアプタマーに組み込まれた蛍光標識を使用するキャピラリーゲル電気泳動(CGE)を使用して検出かつ定量化され得る。別の検出スキームは定量PCRを用いて、例えば、SYBR Greenを使用し、溶出したアプタマーを検出かつ定量化する。あるいは、Invader(登録商標)DNAアッセイが、溶出したアプタマーを検出かつ定量化するために用いられてよい。別の代替の検出スキームは、次世代シーケンシングを用いる。
【0153】
別の実施形態では、アプタマー-標的親和性複合体(またはアプタマー-標的共有結合複合体)の量または濃度は、複製プロセス中に「分子ビーコン」を使用して決定される(例えば、Tyagi et ah,Nat.Biotech.J_6:49 53,1998、米国特許第5,925,517号を参照のこと)。分子ビーコンとは、折り畳まれてヘアピンループとなり、ヘアピンが形成される時にフルオロフォアによってシグナルがほとんどまたは全く生成されないように、ヘアピン構造の一方の端にフルオロフォア及び他方の端にクエンチャーを含有する特異的核酸プローブである。ループ配列は、標的ポリヌクレオチド配列に特異的であり、アプタマー配列にハイブリダイズすると、ヘアピンの折り畳み構造がほどけ、それによって蛍光シグナルを生成する。
【0154】
第2固体支持体に依然として結合している少数のアプタマーの多重化検出のために、異なる励起/発光スペクトルを有する蛍光色素が、2個、または3個、または5個、または最大で10個の個々のアプタマーを検出かつ定量化するために用いられ得る。
【0155】
同様に、異なるサイズの量子ドットが、多重化読取りのために用いられ得る。量子ドットは、第2固体支持体から遊離アプタマーを分割した後で導入され得る。特有の量子ドットに結合したアプタマー特異的ハイブリダイゼーション配列を使用することによって、2個、3個、5個、及び最大で10個のアプタマーの多重化読取りが実施され得る。個々に検出され得る異なる放射性同位体、例えば、32P、3H、113JC、及び3J5JSなどを有する異なるアプタマーの標識化も、限定的なマルチプレックス読取りに使用され得る。
【0156】
キャッチ-2の第2固体支持体から遊離されるアプタマーの多重化検出のために、上記の通りに各アプタマー中に組み込まれる単一の蛍光色素が、アプタマーレベルの定量化と共にアプタマー配列の同定を可能にする定量化方法と合わせて使用され得る。方法としては、DNAチップハイブリダイゼーション、マイクロビーズハイブリダイゼーション、次世代シーケンシング及びCGE分析が挙げられるが、これらに限定されない。
【0157】
一実施形態では、標準的なDNAハイブリダイゼーションアレイ、またはチップが、スライドまたはチップ、例えば、Agilentアレイ、Illumina BeadChipアレイ、NimbleGenアレイまたはカスタムプリントしたアレイなどに固定化された特有のプローブまたは一連の特有のプローブに各アプタマーまたは光アプタマーをハイブリダイズさせるために使用される。特有の各プローブは、アプタマー上の配列に相補的である。相補配列は、アプタマー、またはアプタマー配列の一部、または全アプタマー配列中に組み込まれる特有のハイブリダイゼーションタグであってよい。キャッチ-2の固体支持体から遊離されたアプタマーは、適切なハイブリダイゼーション緩衝液に添加され、標準的なハイブリダイゼーション法を使用して処理される。例えば、アプタマー溶液をDNAハイブリダイゼーションアレイと共に約60℃で12時間インキュベートし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを確保する。アレイを洗浄し、次いで蛍光スライドスキャナーで走査して、アレイの各フィーチャーについてアプタマーハイブリダイゼーション強度の画像を生成する。画像のセグメント化及び定量化は、ArrayVisionなどの画像処理ソフトウェアを使用して達成される。一実施形態では、多重化アプタマーアッセイは、最大25個のアプタマー、最大50個のアプタマー、最大100個のアプタマー、最大200個のアプタマー、最大500個のアプタマー、最大1000個のアプタマー、及び最大10,000個のアプタマーを使用して検出され得る。
【0158】
一実施形態では、上記のようなアプタマーに相補的な特有のDNAプローブを有するアドレス可能なマイクロビーズが、ハイブリダイゼーションに使用される。マイクロビーズは、Luminexビーズ技術などの特有の蛍光色素を用いてアドレス可能であってよいか、またはIllumina VeraCode技術におけるようなバーコード標識、もしくはレーザー出力トランスポンダーを使用してよい。一実施形態では、キャッチ-2の固体支持体から遊離されたアプタマーは、適切なハイブリダイゼーション緩衝液に添加され、標準的なマイクロビーズハイブリダイゼーション法を使用して処理される。例えば、アプタマー溶液をマイクロビーズのセットと共に約60℃で2時間インキュベートし、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを確保する。次いで、溶液を、個々のビーズタイプを計数し、アプタマー蛍光シグナルを定量化するLuminex機器上で処理する。別の実施形態では、VeraCodeビーズをアプタマー溶液と接触させて約60℃で2時間ハイブリダイズし、次いでグリッド入りの表面上に堆積させて、同定及び蛍光定量化のためにスライドスキャナーを使用して走査する。別の実施形態では、トランスポンダーマイクロビーズをアプタマー試料と共に約60℃でインキュベートし、次いでトランスポンダーマイクロビーズに適切なデバイスを使用して定量化する。一実施形態では、マルチプレックスアプタマーアッセイは、最大25個のアプタマー、最大50個のアプタマー、最大100個のアプタマー、最大200個のアプタマー、及び最大500個のアプタマーを使用して、マイクロビーズへのハイブリダイゼーションによって検出され得る。
【0159】
溶出したアプタマーを含有する試料を、上記のような蛍光標識と共に特有の質量タグを組み込むように処理できる。次いで、質量標識アプタマーを、本質的にはDNAシーケンサーであるCGE機器に注入し、アプタマーをそれらの特有の質量によって同定して、標識反応中に組み込まれた色素からの蛍光を使用して定量化する。この技術の1つの例示的な例は、Althea Technologiesによって開発されている。
【0160】
上記に記載される方法の多くでは、アプタマーの溶液は増幅され、場合により定量化前にタグ付けされ得る。標準的なPCR増幅が、キャッチ-2の固体支持体から溶出したアプタマーの溶液と共に使用され得る。そのような増幅は、DNAアレイハイブリダイゼーション、マイクロビーズハイブリダイゼーション、及びCGE読取りの前に使用され得る。
【0161】
別の実施形態では、アプタマー-標的親和性複合体(またはアプタマー-標的共有結合複合体)は、Q-PCRを使用して検出及び/または定量化される。本明細書で使用される場合、「Q-PCR」は、アッセイの結果が定量的である、すなわち、アッセイが、試験試料中に存在するアプタマーの量または濃度を定量化できるような方法で、かつそのような制御条件下で実施されるPCR反応を指す。
【0162】
一実施形態では、試験試料中のアプタマー-標的親和性複合体(またはアプタマー-標的共有結合複合体)の量または濃度は、TaqMan(登録商標)PCRを使用して決定される。この技術は一般に、標的配列からシグナルを生成させるために、オリゴヌクレオチド複製酵素の5’-3’エキソヌクレアーゼ活性に依存する。TaqManプローブは、定量化されるアプタマーの配列に基づいて選択され、5’末端フルオロフォア、例えば、6-カルボキシフルオレセインなど、及び3’末端クエンチャー、例えば、6-カルボキシテトラメチルフルオレセインなどを一般に含み、アプタマー配列がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して増幅される場合にシグナルを生成する。ポリメラーゼがアプタマー配列をコピーする場合、PCRプライマーの下流にアニーリングされたプローブからエキソヌクレアーゼ活性によってフルオロフォアが遊離され、それによってシグナルを生成する。シグナルは、複製産物が生成されると増加する。PCR産物の量は、実施される複製サイクルの回数に加えて、アプタマーの開始濃度の両方に依存する。
【0163】
別の実施形態では、アプタマー-標的親和性複合体(またはアプタマー-標的共有結合複合体)の量または濃度は、複製プロセス中にインターカレート蛍光色素を使用して決定される。例えば、SYBR(登録商標)グリーンなどのインターカレート色素は、一本鎖DNAの存在下で生成される蛍光シグナルと比較した場合、二本鎖DNAの存在下で多数の蛍光シグナルを生成する。二本鎖DNA産物がPCR中に形成される場合、色素によって生成されるシグナルが増加する。生成されるシグナルの大きさは、PCRサイクル回数及びアプタマーの開始濃度の両方に依存する。
【0164】
別の実施形態では、アプタマー-標的親和性複合体(またはアプタマー-標的共有結合複合体)は、質量分析を使用して検出及び/または定量化される。特有の質量タグは、上記に記載される酵素技術を使用して導入され得る。質量分析読取りのために、検出標識は全く必要なく、むしろ質量自体が同定のために使用され、当業者によって一般的に使用される技術を使用し、質量分析法による分析中に生成される質量ピークの位置及びその下面積に基づいた定量化の両方が行われる。質量分析を使用する例は、Sequenomによって開発されたMassARRAY(登録商標)システムである。
【0165】
コンピュータプログラムが、本明細書に開示される方法のいずれかのうち1つ以上のステップを実施するために利用されてよい。本開示の別の態様は、コンピュータプログラムが格納されたコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であり、コンピュータに読み込まれると、本明細書に開示される方法のいずれかを実行するか、またはその実行を補助する。
【0166】
本開示の一態様は、本明細書に開示される方法のいずれかの産物、すなわち、アッセイ結果であり、これは試験場所で評価されてよいか、または所望により、評価及び遠隔地の関係者に対する連絡のために別の場所に送られてもよい。本明細書で使用される場合、「遠隔地」は、結果が得られる場所とは物理的に異なる場所を指す。したがって、結果は、異なる部屋、異なる建物、都市の異なる地域、異なる都市などに送られてよい。データは、任意の好適な手段、例えば、ファクシミリ、郵便、翌日配達、eメール、ftp、ボイスメールなどによって伝達されてよい。
【0167】
情報を「通信する」とは、好適な通信チャネル(例えば、プライベートまたはパブリックネットワーク)を介した電気信号としてその情報を表すデータの伝達を指す。項目を「転送する」とは、その項目を物理的に輸送することによって、または別の手段によって(それが可能である場合)、その項目をある場所から次の場所に移動させる任意の手段を指し、少なくともデータの場合、データを保持する媒体またはデータを通信する媒体を物理的に輸送することを含む。
【0168】
修飾ヌクレオチド
ある特定の実施形態では、本開示は、アプタマーなどのオリゴヌクレオチドを提供し、これは異なる2種類の塩基修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、異なる2種類の5位修飾ピリミジンを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのC5修飾シチジン及び少なくとも1つのC5修飾ウリジンを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、2つの異なるC5修飾シチジンを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、2つの異なるC5修飾ウリジンを含む。非限定的で例示的なC5修飾ウリジン及びシチジンは、例えば、図1に示されている。ある特定の非限定的で例示的なC5修飾ウリジンは図2に示され、ある特定の非限定的で例示的なC5修飾シチジンは、図3に示されている。
【0169】
オリゴヌクレオチドの調製
オリゴデオキシヌクレオシドの自動合成は、多くの実験室で日常的に実施されている(例えば、Matteucci,M.D.and Caruthers,M.H.,(1990)J.Am.Chem.Soc.,103:3185-3191を参照し、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる)。オリゴリボヌクレオシドの合成も周知である(例えば、Scaringe,S.A.,et al.,(1990)Nucleic Acids Res.18:5433-5441を参照し、その内容全体が参照によって本明細書に組み込まれる)。本明細書で述べられる通り、ホスホラミダイトは、化学合成によるオリゴヌクレオチドへの修飾ヌクレオシドの組込みに有用であり、三リン酸は、酵素合成によるオリゴヌクレオチドへの修飾ヌクレオシドの組込みに有用である。例えば、Vaught,J.D.et al.(2004)J.Am.Chem.Soc.,126:11231-11237、Vaught,J.V.,et al.(2010)J.Am.Chem.Soc.132,4141-4151、Gait,M.J.“Oligonucleotide Synthesis a practical approach”(1984)IRL Press(Oxford,UK)、Herdewijn,P.“Oligonucleotide Synthesis”(2005)Humana Press,Totowa,N.J.を参照のこと(その各々の全体が参照によって本明細書に組み込まれる)。
【0170】
「標的」または「標的分子」または「標的」は、本明細書では、核酸が所望の、または目的の方法で作用し得る任意の化合物を指す。標的分子は、タンパク質、ペプチド、核酸、炭水化物、脂質、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、病原体、有害物質、基質、代謝産物、遷移状態類似体、補因子、阻害剤、薬物、色素、栄養素、成長因子、細胞、組織、前述したいずれかの任意の部分または断片などであり得るが、これらに限定されない。実質的に、あらゆる化学的または生物学的エフェクターが好適な標的であってよい。任意のサイズの分子が標的として機能し得る。標的はまた、標的と核酸との間における相互作用の可能性または強度を高めるために、ある特定の方法で改変され得る。標的はまた、特定の化合物または分子の任意のわずかな変化、例えば、タンパク質の場合、アミノ酸配列のわずかな変化、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、または任意の他の操作もしくは修飾、例えば、分子の同一性を実質的に変化させない標識化成分との複合化などを含み得る。「標的分子」または「標的」は、アプタマーに結合できる分子または多分子構造の1種類または1種のコピーセットである。「標的分子」または「標的」は、そのような分子の2つ以上のセットを指す。標的がペプチドであるSELEXプロセスの実施形態は、「Modified SELEX Processes Without Purified Protein」と題した米国特許第6,376,190号に記載されている。いくつかの実施形態では、標的はタンパク質である。
【0171】
本明細書で使用される場合、「競合分子」及び「競合物」は交換可能に使用され、非標的分子と非特異的複合体を形成し得る任意の分子を指す。この文脈において、非標的分子は遊離アプタマーを含み、例えば、アプタマーが別の非標的分子に非特異的に結合(再結合)するのを阻害するために競合物が使用され得る。「競合分子」または「競合物」は、分子の1種類または1種のコピーセットである。「競合分子」または「競合物」は、そのような分子の2つ以上のセットを指す。競合分子としては、オリゴヌクレオチド、ポリアニオン(例えば、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、tRNA、デキストラン硫酸、ポリデキストラン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、及びピロリン酸塩)が挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態では、1つ以上の競合物の組合せが使用され得る。
【0172】
本明細書で使用される場合、「非特異的複合体」は、アプタマー及びその標的分子以外の2つ以上の分子間における非共有会合を指す。非特異的複合体は、分子のクラス間の相互作用を表す。非特異的複合体は、アプタマーと非標的分子、競合物と非標的分子、競合物と標的分子、及び標的分子と非標的分子との間で形成される複合体を含む。
【0173】
別の実施形態では、ポリアニオン競合物(例えば、デキストラン硫酸または別のポリアニオン材料)が、ポリアニオンの存在に難分解性であるアプタマーの同定を容易にするために、遅いオフレート濃縮プロセスで使用される。この文脈において、「ポリアニオン難分解性アプタマー」は、非ポリアニオン難分解性アプタマーを含むアプタマー/標的複合体よりも、ポリアニオン難分解性材料も含有する溶液中で解離する可能性が低いアプタマー/標的複合体を形成できるアプタマーである。このようにして、ポリアニオン難分解性アプタマーは、試料中における標的の存在または量または濃度を検出するための分析方法の実施に使用され得、その検出方法は、アプタマーが難分解性であるポリアニオン材料(例えば、デキストラン硫酸)の使用を含む。
【0174】
したがって、一実施形態では、ポリアニオン難分解性アプタマーを作製する方法が提供される。本実施形態では、核酸の候補混合物を標的と接触させた後、候補混合物中の標的及び核酸を平衡状態にさせる。ポリアニオン競合物を導入し、候補混合物中の高速オフレートアプタマーのほとんどが標的分子から確実に解離するのに十分な時間で、溶液中においてインキュベートさせる。また、ポリアニオン競合物の存在下で解離する可能性のある候補混合物中のアプタマーは、標的分子から遊離されることになる。混合物を分割して、標的分子と会合したままである高親和性の遅いオフレートアプタマーを単離し、溶液から非複合化材料を全て除去する。次いで、アプタマーを標的分子から遊離させて単離することができる。単離したアプタマーの増幅も行い、選択の追加ラウンドを適用して、選択したアプタマーの全体的な性能を高めることもできる。このプロセスは、遅いオフレートアプタマーの選択が特定の用途に必要でない場合、最小限のインキュベーション時間で使用されてもよい。
【0175】

化合物の対応する塩、例えば、薬学的に許容される塩を調製、精製、及び/または取り扱うことが便利である、または望ましい場合がある。薬学的に許容される塩の例は、Berge et al.(1977)“Pharmaceutically Acceptable Salts”J.Pharm.Sci.66:1-19で述べられている。
【0176】
例えば、化合物がアニオン性であるか、またはアニオン性の可能性がある官能基を有する(例えば、-COOHが-COO-の可能性がある)場合、塩は好適なカチオンで形成される場合がある。好適な無機カチオンの例としては、Na+及びK+などのアルカリ金属イオン、Ca2+及びMg2+などのアルカリ土類カチオン、ならびにAl3+などの他のカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。好適な有機カチオンの例としては、アンモニウムイオン(すなわち、NH4 +)及び置換アンモニウムイオン(例えば、NH3X+、NH2X 2 +、NHRX 3 +、NRX 4 +)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの好適な置換アンモニウムイオンの例は、エチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペリジン、ベンジルアミン、フェニルベンジルアミン、コリン、メグルミン、及びトロメタミンに加えて、アミノ酸、例えば、リジン及びアルギニンなどから得られるものである。一般的な第四級アンモニウムイオンの例は、N(CH34 +である。
【0177】
化合物がカチオン性であるか、またはカチオン性の可能性がある官能基を有する(例えば、-NH2が-NH3 +の可能性がある)場合、塩は好適なアニオンで形成される場合がある。好適な無機アニオンの例としては、以下の無機酸から得られるものが挙げられるが、これらに限定されない:塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜硝酸、リン酸、及び亜リン酸。
【0178】
好適な有機アニオンの例としては、以下の有機酸から得られるものが挙げられるが、これらに限定されない:2-アセトキシ安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、ケイ皮酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、粘液酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモン酸、パントテン酸、フェニル酢酸、フェニルスルホン酸、プロピオン酸、ピルビン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、酒石酸、トルエンスルホン酸、及び吉草酸。好適なポリマー有機アニオンの例としては、以下のポリマー酸から得られるものが挙げられるが、これらに限定されない:タンニン酸、カルボキシメチルセルロース。
【0179】
別段の指定がない限り、特定の化合物への言及は、その塩の形態も含む。
【0180】
他の実施形態
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1試験試料をアプタマーの第1セットと接触させて第1混合物を形成することであり、第1試験試料が生体試料のZ%希釈液であり、Zが生体試料の5%~39%(または5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38もしくは39)の希釈液であり、アプタマーの第1セット中に少なくともA3の異なるアプタマーが存在すること、b)第2試験試料をアプタマーの第2セットと接触させて第2混合物を形成することであり、第2試験試料が生体試料のY%希釈液であり、YはZ未満であり、アプタマーの第2セット中に少なくともA2の異なるアプタマーが存在すること、c)第3試験試料をアプタマーの第3セットと接触させて第3混合物を形成することであり、第3試験試料が生体試料のX%希釈液であり、XはY未満であり、アプタマーの第3セット中に少なくともA1の異なるアプタマーが存在すること、d)第1、第2及び第3混合物をインキュベートしてアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にし、アプタマー-タンパク質複合体を形成しなかったアプタマーの大部分を除去すること、e)アプタマー-タンパク質複合体を解離させることによって、アプタマー-タンパク質複合体からアプタマーを収集すること、f)収集したアプタマーを検出または定量化することであり、アプタマーの第1セット、アプタマーの第2セット及びアプタマーの第3セットにおけるアプタマーの大部分が各々、試験試料中の異なる標的タンパク質に対して親和性を有し、その標的タンパク質とのアプタマー-タンパク質複合体を形成することが可能であり、A3はA2よりも大きく、A2はA1よりも大きく、A1、A2及びA3の合計が少なくとも4,000であることを含む。
【0181】
一態様では、Zは10%~30%、または15%~25%、または約20%である。
【0182】
一態様では、Yは、0.01%~1%(もしくは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1)または0.1%~0.8%または0.2%~0.75%または約0.5%である。
【0183】
一態様では、Xは、0.001%~0.009%(もしくは0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008もしくは0.009)または0.002%~0.008%または0.003%~0.007%または約0.005%である。
【0184】
一態様では、A1、A2及びA3の合計は、少なくとも4,500または5000である。
【0185】
一態様では、A3は、A1、A2及びA3の合計の50%~90%(もしくは50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%もしくは90%)、またはA1、A2及びA3の合計の60%~85%、またはA1、A2及びA3の合計の約80%もしくは81%である。
【0186】
一態様では、A2は、A1、A2及びA3の合計の10%~49%(もしくは10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%もしくは49%)、またはA1、A2及びA3の合計の12%~35%、またはA1、A2及びA3の合計の15%~30%、またはA1、A2及びA3の合計の約15%もしくは16%である。
【0187】
一態様では、A1は、A1、A2及びA3の合計の1%~9%(もしくは1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%もしくは9%)、またはA1、A2及びA3の合計の2%~7%、またはA1、A2及びA3の合計の3%~6%、またはA1、A2及びA3の合計の約3%もしくは4%である。
【0188】
一態様では、A3は、少なくとも400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4200、4270、4500、5000である(または900~16,500もしくは2000~15,000もしくは3,000~12,000もしくは4,000~10,000である)。
【0189】
一態様では、A2は、少なくとも200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、820、900である(または500~3500もしくは700~2500、もしくは800~2000である)。
【0190】
一態様では、A1は、少なくとも100、110、120、130、140、150、160、170、173である(または100~700もしくは100~650である)。
【0191】
一態様では、第1混合物、第2混合物及び第3混合物は、互いに別々にインキュベートされる。
【0192】
一態様では、本明細書における方法は、混合物がアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にするためにインキュベートされた後、第1混合物、第2混合物及び第3混合物を互いに組み合わせることをさらに含む。
【0193】
一態様では、本明細書における方法は、混合物がアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にするためにインキュベートされた後、第1混合物、第2及び第3混合物を互いに順に組み合わせることをさらに含む。
【0194】
一態様では、逐次的な組合せは、i)第1混合物、続いて第2混合物、続いて第3混合物、ii)第1混合物、続いて第3混合物、続いて第2混合物、iii)第2混合物、続いて第1混合物、続いて第3混合物、iv)第2混合物、続いて第3混合物、続いて第1混合物、v)第3混合物、続いて第2混合物、続いて第1混合物、及びvi)第3混合物、続いて第1混合物、続いて第2混合物から選択される順序で実施される。
【0195】
一態様では、試験試料は、血液、血漿、血清、痰、呼気、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、滑液、関節吸引液、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0196】
一態様では、検出または定量化は、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0197】
一態様では、少なくともA3の異なるアプタマーは、少なくとも1つのヌクレオチドの違い及び/または少なくとも1つのヌクレオチド修飾によって互いに異なる。
【0198】
一態様では、少なくともA2の異なるアプタマーは、少なくとも1つのヌクレオチドの違い及び/または少なくとも1つのヌクレオチド修飾によって互いに異なる。
【0199】
一態様では、少なくともA1の異なるアプタマーは、少なくとも1つのヌクレオチドの違い及び/または少なくとも1つのヌクレオチド修飾によって互いに異なる。
【0200】
一態様では、少なくともA3の異なるアプタマー、少なくともA2の異なるアプタマー及び少なくともA1の異なるアプタマーは、少なくとも1つのヌクレオチドの違い及び/または少なくとも1つのヌクレオチド修飾によって互いに異なる。
【0201】
以下に続く段落のいずれか1つの方法であって、アプタマーの第1セット、第2セット及び第3セットの1つ以上のアプタマーが、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む、方法。
【0202】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0203】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0204】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0205】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0206】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0207】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0208】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1試験試料を少なくとも1個の第1アプタマーと接触させて第1混合物を形成することであり、第1試験試料が試験試料の少なくともX%希釈液であること、b)第2試験試料を少なくとも1個の第2アプタマーと接触させて第2混合物を形成することであり、第2試験試料が試験試料のY%希釈液であり、XがY未満であること、c)第3試験試料を少なくとも1個の第3アプタマーと接触させて第3混合物を形成することであり、第3試験試料が試験試料のZ%希釈液であり、YがZ未満であること、d)第1、第2及び第3混合物をインキュベートしてアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にし、アプタマー-タンパク質複合体を形成しなかったアプタマーの大部分を除去すること、e)アプタマー-タンパク質複合体を解離させることによって、アプタマー-タンパク質複合体からアプタマーを収集すること、f)収集したアプタマーを検出または定量化することであり、少なくとも1個の第1アプタマー、少なくとも1個の第2アプタマー及び少なくとも1個の第3アプタマーが各々、異なるタンパク質に対して親和性を有し、タンパク質が各々の試験試料中に存在する場合にアプタマー-タンパク質複合体を形成することが可能であり、第1、第2及び第3試験試料が、同じ試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0209】
一態様では、Z%は、5%~39%(もしくは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38もしくは39%)または10%~30%または15%~25%または約20%である。
【0210】
一態様では、Y%は、0.01%~1%(もしくは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1%)または0.1%~0.8%または0.2%~0.7%または約0.5%である。
【0211】
一態様では、X%は、0.001%~0.009%(もしくは0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008もしくは0.009)または0.002%~0.008%または0.003%~0.007%または約0.005%である。
【0212】
一態様では、第1混合物は、複数のアプタマーを含む。
【0213】
一態様では、第1混合物は、少なくとも100、110、120、130、140、150、160、170、173個の(または100~700個もしくは100~650個である)異なるアプタマーを含む。
【0214】
一態様では、第2混合物は、複数のアプタマーを含む。
【0215】
一態様では、第2混合物は、少なくとも200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、820、900個の(または500~3500個もしくは700~2500個、もしくは800~2000個である)異なるアプタマーを含む。
【0216】
一態様では、第3混合物は、複数のアプタマーを含む。
【0217】
一態様では、第3混合物は、少なくとも400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4200、4270、4500、5000個の(または900~16,500個もしくは2000~15,000個もしくは3,000~12,000個もしくは4,000~10,000個である)異なるアプタマーを含む。
【0218】
一態様では、第1混合物、第2混合物及び第3混合物は、互いに別々にインキュベートされる。
【0219】
一態様では、本明細書に開示される方法は、混合物がアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にするためにインキュベートされた後、第1混合物、第2混合物及び第3混合物を互いに組み合わせることをさらに含む。
【0220】
一態様では、本明細書に開示される方法は、混合物がアプタマー-タンパク質複合体の形成を可能にするためにインキュベートされた後、第1混合物、第2及び第3混合物を互いに順に組み合わせることをさらに含む。
【0221】
一態様では、逐次的な組合せは、i)第1混合物、続いて第2混合物、続いて第3混合物、ii)第1混合物、続いて第3混合物、続いて第2混合物、iii)第2混合物、続いて第1混合物、続いて第3混合物、iv)第2混合物、続いて第3混合物、続いて第1混合物、v)第3混合物、続いて第2混合物、続いて第1混合物、及びvi)第3混合物、続いて第1混合物、続いて第2混合物から選択される順序で実施される。
【0222】
一態様では、試験試料は、血液、血漿、血清、痰、呼気、尿、精液、唾液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、滑液、関節吸引液、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0223】
一態様では、検出または定量化は、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0224】
以下に続く段落のいずれか1つの方法であって、少なくとも1個の第1アプタマー、少なくとも1個の第2アプタマー、少なくとも1個の第3アプタマー、及び複数のアプタマーが、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む、方法。
【0225】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0226】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0227】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0228】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0229】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0230】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0231】
以下に続く段落のいずれか1つの方法であって、アプタマーが少なくとも1つのヌクレオチドの違い及び/または少なくとも1つのヌクレオチド修飾によって互いに異なる、方法。
【0232】
いくつかの実施形態では、開示されるシステムは、a)第1試験試料をアプタマーの第1セットと共に含む第1混合物を有する第1容器であって、第1試験試料が試験試料のZ%希釈液であり、アプタマーの第1セット中に少なくともA3の異なるアプタマーが存在すること、b)第2試験試料をアプタマーの第2セットと共に含む第2混合物を有する第2容器であって、第2試験試料が試験試料のY%希釈液であり、YはZ未満であり、アプタマーの第2セット中に少なくともA2の異なるアプタマーが存在すること、c)第3試験試料をアプタマーの第3セットと共に含む第3混合物を有する第3容器であって、第3試験試料が試験試料のX%希釈液であり、XはY未満であり、アプタマーの第3セット中に少なくともA1の異なるアプタマーが存在し、アプタマーの第1セット、アプタマーの第2セット及びアプタマーの第3セットにおけるアプタマーの大部分が、試験試料中のタンパク質に対して親和性を有し、アプタマー-タンパク質複合体を形成することが可能であり、A3はA2よりも大きく、A2はA1よりも大きく、A1、A2及びA3の合計が少なくとも4,000であり、システムは試験試料中でタンパク質を検出するために使用され、第1、第2及び第3試験試料が、同じ試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0233】
一態様では、Z%は、5%~39%(もしくは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38もしくは39%)または10%~30%または15%~25%または約20%である。
【0234】
一態様では、Y%は、0.01%~1%(もしくは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1%)または0.1%~0.8%または0.2%~0.7%または約0.5%である。
【0235】
一態様では、X%は、0.001~0.009%(もしくは0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008もしくは0.009%)または0.002%~0.008%または0.003%~0.007%または約0.005%である。
【0236】
いくつかの実施形態では、開示されるシステムは、a)第1試験試料を少なくとも1個の第1アプタマーと共に含む第1混合物を有する第1容器であって、第1試験試料が試験試料のZ%希釈液であること、b)第2試験試料を少なくとも1個の第2アプタマーと共に含む第2混合物を有する第2容器であって、第2試験試料が試験試料のY%希釈液であり、YがZ未満であること、c)第3試験試料を少なくとも1個の第3アプタマーと共に含む第3混合物を有する第3容器であって、第3試験試料が試験試料のX%希釈液であり、XはY未満であり、少なくとも1個の第1アプタマー、少なくとも1個の第2アプタマー及び少なくとも1個の第3アプタマーが各々、異なるタンパク質に対して親和性を有し、タンパク質が生体試料中に存在する場合にアプタマー-タンパク質複合体を形成することが可能であり、システムは試験試料中でタンパク質を検出するために使用され、第1、第2及び第3試験試料が、同じ試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0237】
一態様では、Z%は、5%~39%(もしくは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38もしくは39%)または10%~30%または15%~25%または約20%である。
【0238】
一態様では、Y%は、0.01%~1%(もしくは0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9もしくは1%)または0.1%~0.8%または0.2%~0.7%または約0.5%である。
【0239】
一態様では、X%は、0.001~0.009%(もしくは0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008もしくは0.009%)または0.002%~0.008%または0.003%~0.007%または約0.005%である。
【0240】
いくつかの実施形態では、開示される製剤は、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を含み、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約0.005%希釈液中で形成され、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約0.5%希釈液中で形成され、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約20%希釈液中で形成される。
【0241】
一態様では、独立して、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体の第1捕捉試薬、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の第2捕捉試薬、及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の第3捕捉試薬は、アプタマーまたは抗体から選択される。
【0242】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0243】
一態様では、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の各々の標的分子は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞及び組織から選択される。
【0244】
一態様では、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0245】
一態様では、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の各々は、製剤中で組み合わされる前に試験試料のそれらの各々の希釈液中で形成される。
【0246】
一態様では、アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0247】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0248】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0249】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0250】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0251】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0252】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0253】
いくつかの実施形態では、開示される製剤は、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を含み、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約0.005%希釈液中で形成され、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約0.5%希釈液中で形成され、複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、試験試料の約20%希釈液中で形成される。
【0254】
一態様では、独立して、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第1捕捉試薬、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第2捕捉試薬、及び複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第3捕捉試薬は、アプタマーまたは抗体から選択される。
【0255】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0256】
一態様では、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の各々の標的分子は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、多糖、糖タンパク質、ホルモン、受容体、抗原、抗体、ウイルス、細菌、代謝産物、補因子、阻害剤、薬物、染料、栄養素、成長因子、細胞及び組織から選択される。
【0257】
一態様では、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0258】
一態様では、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の各々は、製剤中で組み合わされる前に試験試料のそれらの各々の希釈液中で形成される。
【0259】
一態様では、アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0260】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0261】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0262】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0263】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0264】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0265】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0266】
一態様では、複数の第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第1捕捉試薬は、約100、110、120、130、140、150、160、170もしくは173であるか、または100~700、または100~650の捕捉試薬である。
【0267】
一態様では、複数の第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第2捕捉試薬は、約200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、820もしくは900であるか、または500~3500であるか、または約700~2500であるか、または800~2000、または約828の捕捉試薬である。
【0268】
一態様では、複数の第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の複数の第3捕捉試薬は、約400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4200、4270、4500もしくは5000であるか、または約900~16,500、または約2000~15,000、または約3,000~12,000、または約4,000~10,000、または約4271の捕捉試薬である。
【0269】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1希釈群を第2希釈群と順に組み合わせることであって、第1希釈群が試験試料のX%希釈液であり、第1捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を形成する第1標的タンパク質に結合した第1捕捉試薬を含み、第2希釈群が試験試料のY%希釈液であり、第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を形成する第2標的タンパク質に結合した第2捕捉試薬を含み、第1及び第2標的タンパク質が異なるタンパク質であり、XがY未満であること、b)捕捉試薬をそれらの各々の捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体から解離させること、ならびにc)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することを含む。
【0270】
本明細書に開示される方法のいくつかの態様では、本方法は、第3希釈群を第1及び第2希釈群と順に組み合わせることをさらに含み、第3希釈群が試験試料のZ%希釈液であり、第3捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を形成する第3標的タンパク質に結合した第3捕捉試薬を含み、第3標的タンパク質は第1及び第2標的タンパク質とは異なり、YがZ未満である。
【0271】
一態様では、第1捕捉試薬及び第2捕捉試薬は、アプタマーまたは抗体である。
【0272】
一態様では、第1希釈群及び第2希釈群は、同じ試験試料の希釈液である。
【0273】
一態様では、試験試料は、血漿、血清、尿、全血、白血球、末梢血単核細胞、バフィーコート、痰、涙、粘液、鼻洗浄液、鼻吸引液、精液、唾液、腹腔洗浄液、腹水、嚢胞液、髄膜液、羊水、腺液、リンパ液、乳頭吸引液、気管支吸引液、気管支擦過液、滑液、関節吸引液、臓器分泌物、細胞、細胞抽出物、及び脳脊髄液から選択される。
【0274】
一態様では、第3希釈群は、同じ試験試料の異なる希釈液であり、及び/または第3捕捉試薬は、アプタマーもしくは抗体である。
【0275】
一態様では、第1及び第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体は、非共有結合複合体である。
【0276】
一態様では、第1希釈群は、0.001%~0.009%の試験試料の希釈液であり(もしくはX%は、0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%もしくは0.009%である)、またはX%は0.002%~0.008%であり、またはX%は0.003%~0.007%であり、またはX%は約0.005%である。
【0277】
一態様では、第2希釈群は、0.01%~1%の試験試料の希釈液であり(もしくはY%は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.15%、0.2%、0.25%、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%もしくは1%である)、またはY%は0.1%~0.8%であり、またはY%は0.2%~0.75%であり、またはY%は約0.5%である。
【0278】
一態様では、第3希釈群は、5%~39%の試験試料の希釈液であり(もしくはZ%は、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%もしくは39%である)、またはZ%は15%~30%であり、またはZ%は15%~25%であり、またはZ%は約20%である。
【0279】
一態様では、第1希釈群は、複数の第1捕捉試薬をさらに含む。
【0280】
一態様では、第2希釈群は、複数の第2捕捉試薬をさらに含む。
【0281】
一態様では、第3希釈群は、複数の第3捕捉試薬をさらに含む。
【0282】
一態様では、第1希釈群は、複数の第1捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体をさらに含む。
【0283】
一態様では、第2希釈群は、複数の第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体をさらに含む。
【0284】
一態様では、第3希釈群は、複数の第3捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体をさらに含む。
【0285】
一態様では、第1希釈群を第2希釈群と順に組み合わせることは、第1及び第2希釈群を組み合わせた後に洗浄ステップをさらに含む。
【0286】
一態様では、第3希釈群を第1及び第2希釈群と順に組み合わせることは、第1、第2及び第3希釈群を組み合わせた後に洗浄ステップをさらに含む。
【0287】
一態様では、複数の第1捕捉試薬は、約100、110、120、130、140、150、160、170もしくは173であるか、または100~700、または100~650の捕捉試薬である。
【0288】
一態様では、複数の第2捕捉試薬は、約200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、820もしくは900であるか、または500~3500であるか、または約700~2500であるか、または800~2000、または約828の捕捉試薬である。
【0289】
一態様では、複数の第3捕捉試薬は、約400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4200、4270、4500もしくは5000であるか、または約900~16,500、または約2000~15,000、または約3,000~12,000、または約4,000~10,000、または約4271の捕捉試薬である。
【0290】
一態様では、第1及び第2希釈群を順に組み合わせる前に、第1希釈群の第1捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体及び第2希釈群の第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体は各々、それらの各々の希釈群中における第1固体支持体上に固定化され、順に組み合わせるために第1固体支持体から遊離される。
【0291】
一態様では、第3希釈群を第1及び第2希釈群と順に組み合わせる前に、第3希釈群の第3捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体は、その各々の希釈群中における第1固体支持体上に固定化され、順に組み合わせるために第1固体支持体から遊離される。
【0292】
一態様では、第1捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を、捕捉試薬と固体支持体との会合によって、その第1固体支持体上に固定化した。
【0293】
一態様では、第2捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を、捕捉試薬と固体支持体との会合によって、その第1固体支持体上に固定化した。
【0294】
一態様では、第3捕捉試薬-標的タンパク質親和性複合体を、捕捉試薬と固体支持体との会合によって、その第1固体支持体上に固定化した。
【0295】
一態様では、解離した第1及び第2捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することは、PCR、質量分析、核酸シーケンシング、次世代シーケンシング(NGS)またはハイブリダイゼーションによって実施される。
【0296】
一態様では、アプタマーは、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンを含む。
【0297】
一態様では、少なくとも1つの5位修飾ピリミジンは、ピリミジンの5位にリンカーと、リンカーに結合した部分を含む。
【0298】
一態様では、リンカーは、アミドリンカー、カルボニルリンカー、プロピニルリンカー、アルキンリンカー、エステルリンカー、尿素リンカー、カルバメートリンカー、グアニジンリンカー、アミジンリンカー、スルホキシドリンカー、及びスルホンリンカーから選択される。
【0299】
一態様では、その部分は疎水部分である。
【0300】
一態様では、その部分は、図1の群I、II、III、IV、V、VII、VIII、IX、XI、XII、XIII、XV及びXVIの部分から選択される。
【0301】
一態様では、その部分は、ナフチル部分、ベンジル部分、フルオロベンジル部分、チロシル部分、インドール部分、モルホリノ部分、イソブチル部分、3,4-メチレンジオキシベンジル部分、ベンゾチオフェニル部分、及びベンゾフラニル部分から選択される。
【0302】
一態様では、5位修飾ピリミジンのピリミジンは、ウリジン、シチジンまたはチミジンである。
【0303】
一態様では、アプタマーは、35~100ヌクレオチド長である。
【0304】
一態様では、アプタマーは、コンセンサスタンパク質結合ドメインを含む。
【0305】
一態様では、アプタマーは、3~20の番号を付けた5位修飾ピリミジンを含む。
【0306】
一態様では、希釈群を順に組み合わせる順序は、第1希釈群を第2希釈群と、続いて第3希釈群と組み合わせること、第1希釈群を第3希釈群と、続いて第2希釈群と組み合わせること、第2希釈群を第3希釈群と、続いて第1希釈群と組み合わせること、第2希釈群を第1希釈群と、続いて第3希釈群と組み合わせること、第3希釈群を第1希釈群と、続いて第2希釈群と組み合わせること、及び第3希釈群を第2希釈群と、続いて第1希釈群と組み合わせることから選択される。
【0307】
一態様では、希釈群を順に組み合わせる順序は、第1希釈群を第2希釈群と組み合わせること及び第2希釈群を第1希釈群と組み合わせることから選択される。
【0308】
一態様では、解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することは、標的タンパク質の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することの代用である。
【0309】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1固体支持体から遊離させ、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すこと、b)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第2固体支持体から遊離させ、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物中で組み合わせること、c)第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の標的分子に第1タグを付けること、d)タグが第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の第3固体支持体(複数可)に固定化させるように、タグ付き第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の第3固体支持体(複数可)に接触させること、e)捕捉試薬を第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、ならびにf)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体が各々、同じ試験試料の異なる希釈液中で形成されたことを含む。
【0310】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1固体支持体上に固定化した第1捕捉試薬を第1希釈液と接触させて第1混合物を形成し、第2固体支持体上に固定化した第2捕捉試薬を第2希釈液と接触させて第2混合物を形成することであり、第1及び第2捕捉試薬の各々が標的分子に結合できること、b)第1混合物及び第2混合物を別々にインキュベートすることであり、第1捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第1混合物中に存在する場合、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第1混合物中に形成され、第2捕捉試薬が親和性を有する標的分子が第2混合物中に存在する場合、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体が第2混合物中に形成されること、c)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1固体支持体から遊離させ、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3混合物に移すこと、d)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第2固体支持体から遊離させること、e)ステップc)後、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3混合物に移すことにより、第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3混合物中で組み合わせること、f)第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体の標的分子に第1タグを付けること、g)タグが第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3固体支持体に固定化させるように、タグ付き第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3固体支持体に接触させること、h)捕捉試薬をそれらの各々の捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、ならびにi)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1希釈液及び第2希釈液が、試験試料の異なる希釈液であることを含む。
【0311】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1固体支持体から遊離させ、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すこと、b)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第2固体支持体から遊離させ、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を組み合わせること、c)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3固体支持体から遊離させ、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を組み合わせること、d)第1、第2、及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体の標的分子に第1タグを付けること、e)タグが第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の第4固体支持体(複数可)に固定化させるように、タグ付き第1、第2、及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を1つ以上の第4固体支持体(複数可)に接触させること、f)捕捉試薬を第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、ならびにg)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体が各々、同じ試験試料の異なる希釈液中で形成されたことを含む。
【0312】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1固体支持体から遊離させ、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すこと、b)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第2固体支持体から遊離させ、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物中で組み合わせること、c)捕捉試薬を第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、ならびにf)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体が各々、同じ試験試料の異なる希釈液中で形成されたことを含む。
【0313】
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、a)第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1固体支持体から遊離させ、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すこと、b)第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第2固体支持体から遊離させ、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1及び第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物中で組み合わせること、c)第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第3固体支持体から遊離させ、第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物に移すことにより、第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体を第1混合物中で組み合わせること、e)捕捉試薬を第1、第2及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体から解離させること、ならびにf)解離した捕捉試薬の存在を検出すること、またはそのレベルを決定することであり、第1捕捉試薬-標的分子親和性複合体、第2捕捉試薬-標的分子親和性複合体及び第3捕捉試薬-標的分子親和性複合体が各々、同じ試験試料の異なる希釈液中で形成されたことを含む。
【0314】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つでは、方法、製剤及び/またはシステムは、競合分子をさらに含む。
【0315】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つ、方法、製剤及び/またはシステムでは、競合分子は、約10μM~約120μM(もしくは10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115もしくは120μM)、または約15μM~約80μM、または約20μM、または約30μMまたは約60μMの濃度である。
【0316】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つ、方法、製剤及び/またはシステムでは、競合分子は、オリゴヌクレオチド、ポリアニオン、ヘパリン、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、tRNA、デキストラン硫酸、ポリデキストラン、脱塩基ホスホジエステルポリマー、dNTP、及びピロリン酸塩から選択される。
【0317】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つ、方法、製剤及び/またはシステムでは、競合分子は、(A-C-BndU-BndU)7ACのヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドである。
【0318】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つ、方法、製剤及び/またはシステムでは、競合分子は、試験試料に対して約30μMの濃度であり、試験試料は血漿である。
【0319】
本明細書に記載される方法、製剤及びシステムのいずれか1つ、方法、製剤及び/またはシステムでは、競合分子は、試験試料に対して約60μMの濃度であり、試験試料は血清である。
【実施例
【0320】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態をより完全に例証するために提示される。しかしながら、それらは、本発明の広範な範囲を限定するものとして解釈されるべきでは決してない。当業者は、本発明の趣旨から逸脱することなく、本発見の基礎となる原理を容易に採用し、様々な化合物を設計することができる。
【0321】
実施例1.試料の多重化アプタマー分析
本実施例は、試料及び対照物の分析に使用されるマルチプレックスアプタマーアッセイについて記載する。
【0322】
マルチプレックスアプタマーアッセイ法
マルチプレックスアプタマーアッセイの全てのステップを、別段の指示がない限り、室温で実施した。
【0323】
アプタマーマスターミックス溶液の調製。
5272個のアプタマーを、3つの独自の混合物であるDil1、Dil2及びDil3にグループ分けし、それぞれ20%、0.5%及び0.005%の血漿または血清試料希釈液に対応した。混合物へのアプタマーの割当てを、血漿及び血清試料を各アプタマーと適合させた希釈系列をアッセイし、シグナルの最大線形範囲を示した試料希釈液を同定することによって経験的に決定した。アプタマーの分離及び血漿または血清試料の異なる希釈液(20%、0.5%または0.005%)との混合によって、アッセイがタンパク質濃度の107倍範囲に及ぶことが可能となる。アプタマーマスターミックスのストック溶液を、HE-Tween緩衝液(10mM Hepes、pH7.5、1mM EDTA、0.05%Tween20)中において4nMの各アプタマーで調製し、-20℃で凍結保存した。4271個のアプタマーをDil1混合物に、828個のアプタマーをDil2に、及び173個のアプタマーをDil3混合物に混合した。使用前に、ストック溶液をHE-Tween緩衝液で希釈して各アプタマーの作用濃度を0.55nMにし、個々の使用アリコートに分取した。キャッチ-0プレートの調製にアプタマーマスターミックスを使用する前に、標準溶液を、使用前に95℃で10分間、次いで25℃で少なくとも30分間インキュベートすることによって、加熱・冷却してアプタマーをリフォールディングさせた。
【0324】
キャッチ0プレートの調製。
60μLのストレプトアビジンマグセファロース10%スラリー(GE Healthcare、28-9857)を、100μLの加熱・冷却したアプタマーマスターミックスと組み合わせた。混合物を175μLのアッセイ緩衝液(40mM HEPES、pH7.5、100mM NaCl、5mM KCl、5mM MgCl2、1mM EDTA、0.05%Tween-20)で1回洗浄し、次いで96ウェルプレート(Thermo Scientific、AB-0769)の各ウェルに分注した。プレートを、ThermoMixer Cシェーカー(Eppendorf)上において850rpmで振盪しながら、25℃で30分間インキュベートした。30分間のインキュベーション後、6μLのMBブロック緩衝液(50mM Tris-HCl中の50mM D-ビオチン、pH8、0.01%Tween)をプレートの各ウェルに添加し、プレートをさらに2分間、振盪しながらインキュベートした。次いで、プレートを175μLのアッセイ緩衝液で洗浄し、ThermoMixer C上において850rpmで振盪する1分間の洗浄サイクルを行い、続いて磁石上で30秒間分離させた。洗浄液を除去した後、ビーズを175μLのアッセイ緩衝液中に再懸濁させ、使用するまで-20℃で保存した。
【0325】
キャッチ-2ビーズの調製。
アッセイのロボット処理を開始する前に、マルチプレックスアプタマーアッセイのキャッチ-2ステップに使用したMyOneストレプトアビジンC1ビーズ(Dynabeads、製品番号35002D、Thermo Scientific)の10mg/mLのビーズスラリーを、MB Prep緩衝液(10mM Tris-HCl、pH8、1mM EDTA、0.4%SDS)で5分間、まとめて1回洗浄し、続いてアッセイ緩衝液で2回洗浄した。最後の洗浄後、ビーズを10mg/mLの濃度で再懸濁させ、75μLのビーズスラリーをキャッチ-2プレートの各ウェルに分注した。アッセイの開始時に、キャッチ-2プレートをアルミニウムアダプター内に置き、Fluentデッキ上の適切な位置に置いた。
【0326】
試料の解凍及び希釈。
マトリックスチューブ内に-80℃で保存した100%血漿または血清試料の65μLのアリコートを、室温で10分間インキュベートすることによって解凍した。解凍を容易にするために、チューブを、マトリックスチューブラックを通して空気を循環させるファンユニットの上部に置いた。解凍後、試料を1000×gで1分間遠心分離し、試料を希釈するためにFluentロボットデッキ上に置いた。20%試料溶液を、35μLの解凍した試料を140μLの適切な試料希釈剤を含有する96ウェルプレートに移すことによって調製した。血漿の試料希釈剤は、50mM Hepes、pH7.5、100mM NaCl、8mM MgCl2、5mM KCl、1.25mM EGTA、1.2mMのベンズアミジン、37.5μMのZ-ブロック及び1.2%Tween-20であった。血清試料希釈剤は、75μMのZ-ブロックを含有し、他の成分は血漿試料希釈剤と同じ濃度であった。その後、0.5%及び0.005%に希釈した試料を作製するために、Fluentロボット上で段階希釈を使用してアッセイ緩衝液で希釈した。0.5%試料希釈液を作製するために、20%試料から4%への中間希釈液を、45μLの20%試料を180μLのアッセイ緩衝液と混合することによって作製し、次いで0.5%試料を、25μLの4%希釈試料を175μLのアッセイ緩衝液と混合することによって作製した。0.005%試料を作製するために、0.05%中間希釈液を、20μLの0.5%試料を180μLのアッセイ緩衝液と混合することによって作製し、次いで0.005%試料を、20μLの0.05%試料を180μLのアッセイ緩衝液と混合することによって作製した。
【0327】
試料結合ステップ。
キャッチ-0プレートを、上記の通りにストレプトアビジン磁気セファロースビーズ上にアプタマーミックスを固定化することによって調製した。凍結プレートを25℃で30分間解凍し、175μLのアッセイ緩衝液で1回洗浄した。100μLの各試料希釈液(20%、0.5%及び0.005%)を、3つの異なるアプタマーマスターミックス(それぞれDil1、Dil2及びDil3)を含むビーズを含有するプレートに添加した。次いで、キャッチ-0プレートをアルミホイルシール(Microseal‘F’Foil、Bio-Rad)で密封し、850rpm、28℃に設定した4プレート回転シェーカー(PHMP-4、Grant Bio)内に置いた。試料結合ステップを3.5時間実施した。
【0328】
Fluentロボット上でのマルチプレックスアプタマーアッセイ処理。
試料結合ステップが完了した後、キャッチ-0プレートをアルミニウムプレートアダプター内に置き、ロボットデッキ上に置いた。磁気ビーズ洗浄ステップを、温度制御プレートを使用して実施した。全てのロボット処理ステップでは、以下に記載したようなキャッチ-2洗浄を除いて、プレートを25℃の温度に設定した。プレートを175μLのアッセイ緩衝液で4回洗浄し、各洗浄サイクルをプログラムして、プレートを1000rpmで少なくとも1分間振盪し、続いて磁気ビーズを少なくとも30秒間分離させてから緩衝液を吸引した。最後の洗浄サイクル中に、タグ試薬を、100倍タグ試薬(EZ-Link NHS-PEG4-ビオチン、製品番号21363、Thermo、無水DMSO中で調製した100mM溶液)をアッセイ緩衝液で1:100に希釈することによって調製し、ロボットデッキ上の溝槽中に注いだ。100μLのタグ試薬をプレートのウェルの各々に添加し、1200rpmで5分間振盪しながらインキュベートして、ビーズ表面上で捕捉したタンパク質をビオチン化した。ビオチン化反応を、175μLのクエンチ緩衝液(アッセイ緩衝液中の20mMグリシン)を各ウェルに添加することによってクエンチした。プレートを静置して3分間インキュベートし、次いで175μLのアッセイ緩衝液で4回洗浄して、上記に記載したものと同じ条件下で洗浄を実施した。
【0329】
光切断及び動的課題。
プレートを最後に洗浄した後、90μLの光切断緩衝液(アッセイ緩衝液中の2μMのオリゴヌクレオチド競合物、競合物は5’-(AC-Bn-Bn)7-AC-3’のヌクレオチド配列を有し、式中Bnは、5位ベンジル置換デオキシウリジン残基を示す)を、プレートの各ウェルに添加した。プレートをFluentデッキ上の光切断サブステーションに移動させた。サブステーションは、BlackRay光源(UVP XXシリーズベンチランプ、365nm)及び3つのBioshake 3000-Tシェーカー(Q Instruments)からなる。プレートを1000rpmで振盪しながら20分間照射した。
【0330】
キャッチ-2ビーズ捕捉。
光切断プロセスの最後に、緩衝液を磁気分離によってキャッチ-2プレートから除去し、プレートを100μLのアッセイ緩衝液で1回洗浄した。アプタマー-タンパク質複合体を含有する光切断した溶出液を、希釈液3プレートから開始して各キャッチ-0プレートから除去した。90μLの溶液を全て、シェーカー上に配置したキャッチ-1溶出液プレートに最初に移し、磁石を上げて、吸引される可能性がある全てのストレプトアビジン磁気セファロースビーズを捕捉した。その後、溶液をキャッチ-2プレートに移し、プレートを1400rpm、25℃で振盪しながら3分間インキュベートした。3分間のインキュベーション後、磁気ビーズを90秒間分離させて溶液をプレートから除去し、光切断したDil2プレート溶液をプレートに添加した。同一プロセス後、Dil1プレートからの溶液を添加し、3分間インキュベートした。3分間のインキュベーションの最後に、6μLのMBブロック緩衝液を磁気ビーズ懸濁液に添加し、ビーズを1200rpm、25℃で振盪しながら2分間インキュベートした。このインキュベーション後、プレートを38℃の温度にプリセットした別のシェーカーに移した。磁気ビーズを2分間分離させてから溶液を除去した。次いで、キャッチ-2プレートを175μLのMB洗浄緩衝液(アッセイ緩衝液中の20%グリセロール)で4回洗浄し、各洗浄サイクルをプログラムして、ビーズを1200rpmで1分間振盪してビーズを3.5分間、磁石の上で分割させた。最後のビーズ分離ステップ中に、シェーカー温度を25℃に設定した。次いで、ビーズを175μLのアッセイ緩衝液で1回洗浄した。この洗浄ステップでは、ビーズを1200rpmで1分間振盪し、次いで磁石上で2分間分離させた。洗浄ステップ後、アプタマーを、溶出緩衝液(1.8M NaClO4、40mM PIPES、pH6.8、1mM EDTA、0.05%Triton X-100)を使用して、精製したアプタマー-タンパク質複合体から溶出した。溶出を、75μLの溶出緩衝液を使用して25℃で10分間、ビーズを1250rpmで振盪しながら行った。70μLの溶出液をアーカイブプレートに移し、磁石上で分離させて、吸引される可能性のある全ての磁気ビーズを分割した。10μLの溶出物質を黒色ハーフエリアプレートに移し、アッセイ緩衝液で1:5に希釈して、内部アッセイQCとしてモニターするシアニン3蛍光シグナルの測定に使用した。20μLの溶出物質を、5μLのハイブリダイゼーションブロッキング溶液(Oligo aCGH/ChIP-on-chip Hybridization Kit、大容量、Agilent Technologies 5188-5380、Agilentアレイ上のコーナーマーカープローブに相補的なシアニン3標識DNA配列のスパイクを含有する)を含有するプレートに移した。このプレートをロボットデッキから取り外し、ハイブリダイゼーションのためにさらに処理した(以下を参照のこと)。溶出液が残ったままのアーカイブプレートを、アルミホイルを使用して熱密封し、-20℃で保存した。
【0331】
ハイブリダイゼーション。
25μLの2倍Agilentハイブリダイゼーション緩衝液(Oligo aCGH/ChIP-on-chip Hybridization Kit、Agilent Technologies、製品番号5188-5380)を、溶出試料及びブロッキング緩衝液を含有するプレートの各ウェルに手作業でピペット分注した。40μLのこの溶液を、ハイブリダイゼーションガスケットスライド(ハイブリダイゼーションガスケットスライド-スライド形式あたり8マイクロアレイ、Agilent Technologies)の各「ウェル」に手作業でピペット分注した。各アプタマーに相補的な、アレイあたり10個のプローブを含有するカスタムSurePrint G3 8×60k Agilentマイクロアレイスライドを、製造業者のプロトコールに従ってガスケットスライド上に置いた。各アセンブリ(Hybridization Chamber Kit-SureHyb対応、Agilent Technologies)をしっかりと固定し、ハイブリダイゼーションオーブンに載せて55℃で19時間、20rpmで回転させた。
【0332】
ハイブリダイゼーション後の洗浄。
スライド洗浄を、Little Dipper Processor(モデル650C、Scigene)を使用して実施した。およそ700mLの洗浄緩衝液1(Oligo aCGH/ChIP-on-chip Wash Buffer 1、Agilent Technologies)を大きなガラス製染色皿に注ぎ、ガスケットスライドからのマイクロアレイスライドの分離に使用した。分解させたらすぐに、スライドを、Little Dipper上の洗浄緩衝液1を含有する槽内のスライドラックに迅速に移した。スライドを、マグネチックスターバーによって混合しながら、洗浄緩衝液1で5分間洗浄した。次いで、スライドラックを37℃の洗浄緩衝液2(Oligo aCGH/ChIP-onchip Wash Buffer 2、Agilent Technologies)を入れた槽に移し、攪拌しながら5分間インキュベートした。スライドラックを第2槽からゆっくりと取り出し、次いでアセトニトリルを含有する槽に移して、攪拌しながら5分間インキュベートした。
【0333】
マイクロアレイイメージング。
マイクロアレイスライドを、3μm解像度、100%PMT設定でシアニン3チャネルにおいてマイクロアレイスキャナー(Agilent G4900DA Microarray Scanner System、Agilent Technologies)を用いてイメージングし、20ビットオプションを有効にした。得られたtiff画像を、GE1_1200_Jun14プロトコールを用いたAgilent特徴抽出ソフトウェア(バージョン10.7.3.1以上)を使用して処理した。
【0334】
実施例2:マルチプレックスアッセイでの非特異的標的分子の捕捉
本実施例は、マルチキャッチマルチプレックスアッセイにおける非特異的標的分子の捕捉及びキャリーオーバーに関する記載を提供する。
【0335】
一般に、多くのアッセイ形式の感度及び特異性は、アッセイ中の非特異的会合に起因して生じるシグナルから真のシグナルを分解する検出方法の能力に影響を受け、これは望ましくない検出可能なシグナル(偽陽性またはアッセイ「ノイズ」)をもたらす。これは、多重化アッセイに特に当てはまる。非特異的結合の主な原因の1つは、予期しない捕捉試薬-標的分子相互作用の機能であることが観察されている。本実施例は、非特異的捕捉試薬-標的分子相互作用によって、アッセイ中で不必要なシグナルまたは「ノイズ」がどのように生成される場合があるかについて記載する。
【0336】
本実施例では、2つのキャッチシステム及び試験試料の複数の希釈液を用いたアプタマーベースのマルチプレックスアッセイを使用して、予期しないアプタマー-標的分子相互作用に起因する非特異的標的分子(例えば、タンパク質)の捕捉及びキャリーオーバーをモデル化したが、これらはアッセイのダイナミックレンジ外となるアッセイシグナルをもたらし、アッセイの感度及び特異性を低下させる。
【0337】
簡潔に述べると、アプタマーベースのアッセイを、第1固体支持体(例えば、試薬上のビオチンを使用するストレプトアビジンビーズ)に固定化したアプタマー試薬を生体試料(例えば、血清または血漿)と共にインキュベートし、生体試料中のタンパク質がそれらの同族アプタマーに結合するのを可能にすることによって実施した(「キャッチ-1」と称される)。次いで、タグをタンパク質に結合し、次いでアプタマー-タンパク質標的複合体を第1固体支持体から遊離させて第2固体支持体に曝露することにより、アプタマー-標的タンパク質複合体を、タンパク質上のタグを介して固定化させた(「キャッチ-2」と称される)。次いで、複合体を洗浄し、キャッチ-2から非結合アプタマー及びタンパク質を全て除去した。洗浄後、アプタマーを第2固体支持体上のアプタマー-標的タンパク質複合体から遊離させ、検出目的で捕捉した(例えば、ハイブリダイゼーションアレイ)。アプタマーの定量化を、生体試料中のタンパク質量の代用として使用した。アプタマーベースのアッセイを、単一のアプタマー試薬または複数のアプタマー試薬(もしくはマルチプレックス形式)と共に使用してよい。
【0338】
本実施例では、血漿試料の3つの異なる希釈群を作製した(血清も同じ「タンパク質キャリーオーバー試験に供し、結果は血清の結果と同等である、データは示さず)。図6は、0.005%希釈液(DIL1)、0.5%希釈液(DIL2)及び20%希釈液(DIL3)として作製した、血漿の3つの異なる希釈群の概要を提供し、それぞれ相対的に高い、中程度の及び低い存在量のタンパク質を測定した。さらに、DIL1、DIL2及びDIL3の各々についてのアプタマーセットは、それぞれA1、A2及びA3であった。合計で5,272個の異なるアプタマーについて、アプタマーのA3群は、4,271個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約81%)を有し、A2群は、828個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約16%)を有し、A1群は、173個の異なるアプタマー(またはアプタマーの総数の約3%)を有する。
【0339】
5つの異なる条件を試験し、マルチプレックスアッセイにおいてタンパク質キャリーオーバー効果が存在するかどうかを決定した。これらの条件を以下の表2に示す。
【表3】
【0340】
各条件を、上記に記載したような2つのキャッチシステムを用いたアプタマーベースのマルチプレックスアッセイに供した。条件は、生体試料(例えば、血漿)が存在するか否か、またはブランク、すなわち、生体試料を全く含まないために、タンパク質を全く含まないアッセイ緩衝液であったのか否かという点で異なる。各希釈群を、希釈した生体試料が存在するのか、またはブランクであるかに関係なく、その各々のアプタマー群と共に(A1はDIL1またはブランク1と、A2はDIL2またはブランク2と、及びA3はDIL3またはブランク3と共に)インキュベートした。いずれの場合も、各アプタマー群からのアプタマーを、それらの各々の希釈液またはブランクと共にインキュベートする前に、第1固体支持体上にあらかじめ固定化した(キャッチ-1)。インキュベーション後、次いでタグをタンパク質(存在する場合)に結合し、次いでアプタマー-タンパク質標的複合体(存在する場合)を、3つの別個の希釈液及び/またはブランク中で第1固体支持体から遊離させ、それらを同時に組み合わせて単一の混合物とし、次いで第2固体支持に曝露することにより、アプタマー-標的タンパク質複合体(存在する場合)を、タンパク質上のタグを介して固定化させた(「キャッチ-2」と称される)。次いで、複合体を洗浄し、キャッチ-2から非結合アプタマー及びタンパク質を全て除去した。洗浄後、アプタマーを第2固体支持体上のアプタマー-標的タンパク質複合体から遊離させ、検出目的でハイブリダイゼーションアレイによって捕捉した。相対蛍光単位(RFU)によるアプタマーの定量化を、生体試料中のタンパク質量の代用として使用した。
【0341】
条件1は、血漿を3つの希釈群に希釈したもの(0.005%希釈のDIL1、0.5%希釈のDIL2及び20%希釈のDIL3)であって、それらの各々のアプタマー群(A1、A2及びA3)と共にインキュベートした。条件2は、DIL1血漿希釈液(0.005%)と、それぞれDIL2及びDIL3の代わりに、ブランク1及びブランク2を有し、それらの各々のアプタマー群(A1、A2及びA3)と共にインキュベートした。条件3は、DIL2血漿希釈液(0.5%)と、それぞれDIL1及びDIL3の代わりに、ブランク1及びブランク3を有し、それらの各々のアプタマー群(A1、A2及びA3)と共にインキュベートした。条件4は、DIL3血漿希釈液(20%)と、それぞれDIL1及びDIL2の代わりに、ブランク1及びブランク2を有し、それらの各々のアプタマー群(A1、A2及びA3)と共にインキュベートした。最後に、条件5は血漿希釈液を一切含まず、全てのブランク(ブランク1、ブランク2及びブランク3)を有し、それらの各々のアプタマー群(A1、A2及びA3)と共にインキュベートした。各条件を、実施例1に記載したキャッチ-1及びキャッチ-2アッセイに供することにより、希釈液及び/またはブランクを、キャッチ-1から遊離させた後に全てを一緒に組み合わせ、アッセイのキャッチ-2パートに移した。
【0342】
全てのタンパク質キャリーオーバーを定量化するために、条件1(すなわち、3つの希釈群DIL1、DIL2及びDIL3全て)のアプタマーシグナルと、条件2、3及び4(希釈群のうち1つのみがブランクと共に存在していた場合)の各々についてのアプタマーシグナルとの比に関する累積分布関数(CDF)をプロットした(図10を参照のこと)。アプタマーシグナルの比を、ハイブリダイゼーションアレイから得られた相対蛍光単位(RFU)で表す。図10は、血漿試料の20%希釈液(DIL3)のみが存在する条件4の場合、条件1のアプタマーと条件4の同じアプタマーとのRFU値の比が約1であることを示している。対照的に、血漿試料の0.5%希釈液(DIL2)のみが存在する条件3の場合、条件1のアプタマーと条件3の同じアプタマーとを比較したRFU値の比は約1~6であり、条件1のアプタマーの約45%以上が、条件3の同じアプタマーよりも約2~6倍高くシグナルを発している。条件1と比較して、条件3下における単一アプタマー(例えば、タンパク質ASM3Aと結合するアプタマーが、DIL2希釈液と共にインキュベートされるA2群のアプタマーの一部である)のシグナル伝達を見ると、ASM3Aアプタマーは、条件3と比較して条件1では5倍高い。血漿試料の0.005%希釈液(DIL1)のみが存在する条件2の場合、条件1のアプタマーと条件2の同じアプタマーとを比較したRFU値の比も約1~6倍であり、条件1のアプタマーの約20%以上が、条件2の同じアプタマーよりも約2~6倍高くシグナルを発している。A1アプタマー群の一部であり、DIL1希釈液と共にインキュベートされる、ApoEタンパク質に結合するアプタマーを比較すると、このアプタマーは、条件2と比較して条件1では200倍高いRFU値を有し、条件4と比較して条件1では80倍高いRFU値を有し、条件3と比較して条件1では600倍高いRFU値を有した。
【0343】
これらのデータは、3つの希釈試料全てをアッセイのキャッチ-2フェーズで同時に組み合わせる場合に、アッセイで検出される0.5%血漿希釈試料(DIL2)及び0.005%血漿希釈試料(DIL1)のシグナルが、20%血漿希釈試料(DIL3)のタンパク質キャリーオーバーに起因したことを示している。このタンパク質キャリーオーバーは、A3アプタマー群のアプタマーに非特異的に結合する20%血漿希釈試料(DIL3)中のタンパク質に起因すると思われ、これらをアッセイのキャッチ-1フェーズ中に、例えば、第1固体支持体からの光切断によって溶液から遊離し(キャッチ-1)、3つの希釈群全てとアプタマー群を同時に組み合わせるアッセイのキャッチ-2フェーズに移す。アッセイのこのフェーズで、競合物を添加して非特異的アプタマー-タンパク質相互作用を予防する場合、20%血漿希釈液から非特異的にキャリーオーバーしたタンパク質を、A2アプタマー群及びA1アプタマー群の非結合アプタマーと相互作用させ、続いてそれらの同族アプタマーに遭遇して安定した複合体を形成させる。次いで、これらのタンパク質キャリーオーバー:アプタマー複合体を破壊して、アプタマーをハイブリダイゼーションアレイ上で陽性シグナルとして検出し、これが技術的には偽陽性シグナルまたは「ノイズ」である。これらの同じデータを、生体試料としての血清で観察した(データは示さず)。
【0344】
これらのデータは、タンパク質キャリーオーバー軽減戦略が、マルチプレックスアッセイがアッセイのダイナミックレンジ内に留まり、アッセイの感度及び特異性を最大化させることを保証するのに必要であることを示している。
【0345】
実施例3:マルチプレックスアッセイにおいて非特異的標的分子の捕捉を減少させる軽減戦略
本実施例は、マルチキャッチマルチプレックスアッセイにおける非特異的標的分子の捕捉及びキャリーオーバーを減少させる例示的な軽減戦略に関する記載を提供する。
【0346】
実施例は、マルチキャッチマルチプレックスアッセイの陽性シグナルが、アッセイに
おける非特異的標的分子の捕捉及びキャリーオーバーからどのように誘導される可能性があるのか、ならびにその起源に関する記載を提供した。このマルチキャッチマルチプレッ クスアッセイにおいて不必要なタンパク質キャリーオーバーを軽減するために、生体試料 の希釈試料の逐次的な遊離及び捕捉を、各々のアプタマー群と共に、アッセイのキャッチ-1フェーズからアッセイのキャッチ-2フェーズへの移行の過程で実施した。2つの逐次的な希釈キャッチ形式及び3つの逐次的な希釈キャッチ形式の全体概要を、それぞれ図9及び7に示す。
【0347】
本実施例では、血漿の同じ3つの異なる希釈群(DIL3、DIL2及びDIL1)を、実施例1に記載したものと同じアプタマー群(A1、A2及びA3)と共に作製した(図8を参照のこと)。さらに、実施例1の表2に記載したものと同じ条件を使用した。実施例1に従って、アッセイのキャッチ-1フェーズについて記載したものと同じアプローチに従ったが、本実施例では、異なる希釈群またはブランクを別個に遊離させ、実施例1のように同時にではなく、アッセイのキャッチ-2フェーズに順に移した(図8を参照のこと)。より具体的に条件1では、アプタマー群A1とインキュベートしたDIL1群(DIL1-A1群)をキャッチ-1から遊離させ、第2固体支持体(キャッチ-2)上に固定化して洗浄した。次に、アプタマー群A2とインキュベートしたDIL2群をキャッチ-1から遊離させ、キャッチ-2上にすでに固定化したDIL1-A1群と組み合わせ、次いで第2固体支持(キャッチ-2)上に固定化した。そして、アプタマー群A3とインキュベートしたDIL3群をキャッチ-1から遊離させ、第2固体支持(キャッチ-2)に固定化して洗浄した。表2で概説したように、希釈した生体試料の代わりにブランク(ブランク1、2及び/または3)を含んだ残りの条件(条件2、3、4及び5)を、同じ逐次的キャッチアプローチに供した。
【0348】
全てのタンパク質キャリーオーバーを定量化するために、条件1(すなわち、3つの希釈群DIL1、DIL2及びDIL3全て)のアプタマーシグナルと、条件2、3及び4(希釈群のうち1つのみがブランクと共に存在していた場合)の各々についてのアプタマーシグナルとの比に関する累積分布関数(CDF)をプロットした(図11を参照のこと)。アプタマーシグナルの比を、ハイブリダイゼーションアレイから得られた相対蛍光単位(RFU)で表す。マルチプレックスアッセイの非逐次的なバージョンと同様に、図11は、血漿試料の20%希釈液(DIL3)のみが存在する条件4の場合、条件1のアプタマーと条件4の同じアプタマーとのRFU値の比が約1であることを示している。血漿試料の0.5%希釈液(DIL2)のみが存在する条件3の場合、条件1のアプタマーと条件3の同じアプタマーとを比較したRFU値の比は約1~6であるが、条件1のアプタマーの約5%未満のみが、条件3の同じアプタマーよりも約2~6倍高くシグナルを発している(アッセイの非逐次的なキャッチ-2バージョンの45%に対して)。さらに、血漿試料の0.005%希釈液(DIL1)のみが存在する条件2の場合、条件1のアプタマーと条件2の同じアプタマーとを比較したRFU値の比も約1~6倍であるが、条件1のアプタマーの約10%未満のみが、条件2の同じアプタマーよりも約2~6倍高くシグナルを発している(アッセイの非逐次的なキャッチ-2バージョンの20%に対して)。これらの同じデータを、生体試料としての血清で観察した(データは示さず)。
【0349】
これらのデータは、2つ以上の希釈した生体試料セットをその各々のインキュベートした捕捉試薬と共に、アッセイの第1キャッチフェーズからアッセイの第2キャッチフェーズへと順に移すことによって、タンパク質キャリーオーバーが、2つ以上の試料希釈セットを有する2つのキャッチマルチプレックスアッセイで軽減される可能性があることを示している。この逐次的な移行アプローチによって、マルチプレックスアッセイがアッセイのダイナミックレンジ内に留まり、アッセイの感度及び特異性を最大化してアッセイ中の存在し得る偽陽性シグナルまたは「ノイズ」を減少させることが保証される。
【0350】
実施例4:マルチプレックスアッセイにおいて中央値シグナル対バックグラウンド比が最も高い、線形範囲内の分析物数を最大化するための生体試料の希釈液選択
本実施例は、マルチプレックスアッセイにおいて最大の中央値シグナル対バックグラウンドシグナル比を依然として維持しながら、線形範囲内の分析物数を最大化させる生体試料の希釈レベルを選択することに関する記載を提供する。
【0351】
複数の標的タンパク質が複数の捕捉試薬によって測定されるマルチプレックスアッセイ形式では、異なる標的タンパク質の存在量の自然な変動によって、ある特定の標的タンパク質を測定するある特定の捕捉試薬の能力が制限され得る(例えば、高存在量の標的タンパク質がアッセイを飽和させ、低存在量の標的タンパク質を測定するアッセイの能力を妨害または低減させる可能性がある)。生体試料中におけるこの変動に対処するために、アプタマー試薬を、生体試料中のそれらの各々のタンパク質標的量に基づいて、少なくとも2つの異なる群、好ましくは3つの異なる群に分ける。生体試料を少なくとも2つ、好ましくは3つの異なる希釈群に希釈し、タンパク質標的の捕捉試薬によって検出されるそれらの相対濃度に基づいて別個の試験試料を作製する。したがって、生体試料を高、中及び低存在量の標的タンパク質希釈群に希釈し、最も存在量の少ないタンパク質標的を最小希釈群で測定し、最も存在量の多いタンパク質標的を最大希釈群で測定する。アプタマーベースのマルチキャッチマルチプレックスアッセイでは歴史的に、生体試料の3つの希釈群は、40%希釈液、1%希釈液及び0.005%希釈液であった。
【0352】
本実施例では、40%希釈群を再考し、異なる希釈液がマルチキャッチマルチプレックスアッセイにより大きな利益をもたらす(例えば、アッセイの線形範囲内で分析物数を最大化させる、及び/または中央値シグナル対バックグラウンドシグナル比を改善する)ことになるのかどうかを決定した。この希釈群は、緩衝液のみと比較して、若干の非特異的結合、シグナルの非線形性及び陰性対照からのより高いシグナルを示す。
【0353】
簡潔に述べると、いくつかの希釈群を、3人の異なる対象の血漿から作製した(40%、20%、10%及び5%希釈群)。903個のアプタマーのプールを、3人の対象全ての異なる希釈群と共にインキュベートし、本明細書に記載した2つのキャッチマルチプレックスアッセイに使用した。
【0354】
ハイブリダイゼーションアレイのアプタマーによって測定されるような、希釈液(40%、20%、10%及び5%)の各々の線形範囲内にある分析物数を決定した。40%希釈液の場合、246個の分析物が線形範囲内にあり、20%希釈液の場合は388個の分析物が線形範囲内にあり、10%希釈液の場合は517個の分析物が線形範囲内にあり、5%希釈液の場合は585個の分析物が線形範囲内にあった。903個のうち残りの259個は、線形範囲を有しなかった。したがって、これらのデータは、試料の希釈度が増加すると、線形範囲内の分析物数が増加することを示している(すなわち、試料が希釈されるほど、線形範囲内の分析物数が増加する)。
【0355】
各希釈液(40%、20%、10%及び5%)は、異なる中央値シグナル対バックグラウンドシグナル比(または中央値S/B)を示した。40%希釈液の場合、中央値S/Bは10であり、20%希釈液の場合、中央値S/Bは7.8であり、10%希釈液の場合、中央値S/Bは5.4であり、5%希釈液の場合、中央値S/Bは3.7であった。したがって、これらのデータは、試料をさらに希釈すると中央値S/Bが低下することを示している。
【0356】
上記データは、試料の希釈度に関連して線形範囲内の分析物数と中央値S/Bとの間に緊張関係があることを示している。希釈度が低いとより高くなる中央値S/Bと共に、希釈度が高い線形範囲内の分析物数で観察した改善のバランスを取るように、「中間」を、2つのキャッチマルチプレックスアプタマーアッセイの生体試料の「最適な」希釈液として選択した。図12は、40%、20%、10%及び5%の希釈液の各々について、中央値S/Bと共に線形範囲内における分析物の数のグラフ表示である。図12によると、生体試料の20%希釈液では、最大の中央値S/Bを有する線形範囲内の分析物の最大数を観察する(2本の線が交差する箇所)。したがって、マルチキャッチマルチプレックスアプタマーアッセイで使用した3つの希釈液のうち、「低存在量」のタンパク質を標的とするアプタマーが、40%希釈液ではなく、生体試料の20%希釈液と共にインキュベートするのにより適している。
【0357】
要約すると、本明細書の実施例セクションに記載したマルチプレックスアッセイは、20%、0.5%及び0.005%の試料希釈液形式を使用する。さらに、血清中のより高い競合分子濃度は、同じ個体からの血清及び血漿中の測定値間に良好な相関をもたらした(データは示さず)。加えて、競合分子の濃度が高く(20μMと比較して30μMまたは60μM)、試料濃度が低い(例えば、40%~20%)と、スパイク及び回収率の増加、線形範囲内の分析物数の増加及び非特異的結合の低下をもたらした。試料希釈剤中の競合分子(Z-ブロック、配列((A-C-BndU-BndU)7AC)を有するオリゴヌクレオチド)の濃度は、血清試料で60μM及び血漿試料で30μMであった。これまでのアッセイ形式では、血清及び血漿に20μMのZ-ブロックを使用していた。血清中のより高い競合分子濃度は、同じ個体からの血清及び血漿中の測定値間に良好な相関をもたらした(データは示さず)。非特異的結合の低下によって、光切断後の複合体形成に利用可能なタンパク質の量がより少なくなるはずである。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図1-4】
図1-5】
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12