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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20240724BHJP
【FI】
A61M25/10 550
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021018881
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022121902
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杖田 昌人
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6702802(US,B1)
【文献】米国特許第6648854(US,B1)
【文献】特表平02-501712(JP,A)
【文献】特開2016-209187(JP,A)
【文献】特開平09-164195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸方向に遠位端と近位端を有するシャフトと、
前記シャフトの遠位部に配されているバルーンと、を備え、
前記シャフトは、前記長手軸方向に延在している内腔を有するアウターシャフトと、前記アウターシャフトの前記内腔に配置されているインナーシャフトと、を有し、
前記アウターシャフトはその遠位部に、前記アウターシャフトの前記長手軸方向の中央位置での内径よりも内径が小さい第1区間を有し、
前記インナーシャフトは、第1筒と、前記第1筒よりも近位側に位置する第2筒とを有し、前記第1筒と前記第2筒が接続部で互いに接続されており、前記接続部が前記第1区間に位置しているカテーテル。
【請求項2】
前記接続部が前記第1区間の近位部に位置している請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記接続部が前記第1区間の遠位部に位置している請求項1または2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記接続部において、前記第1筒の内腔に前記第2筒が挿入されている請求項1~3のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第1区間において前記アウターシャフトの内径が一定である請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記アウターシャフトは、前記第1区間において前記アウターシャフトの内径が前記遠位端側に向かって小さくなっている減径部を有している請求項1~4のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記アウターシャフトは、前記第1区間よりも近位側に隣接して配され前記第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、
前記アウターシャフトは前記第1区間と前記第2区間の境界に段差を有している請求項1~6のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記インナーシャフトは前記アウターシャフトの遠位端から延出しており、
前記バルーンの遠位端部が前記インナーシャフトに固定され、
前記バルーンの近位端部が前記アウターシャフトの前記第1区間に固定されている請求項1~7のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記長手軸方向において前記第1区間の長さが前記バルーンの長さよりも長い請求項1~8のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記バルーンの拡張時の外径は、前記シャフトの最大外径よりも小さい請求項1~9のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記アウターシャフトは、前記第1区間よりも近位側に隣接して配され前記第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、
前記バルーンの拡張時の外径は、前記第2区間での前記アウターシャフトの最大外径よりも小さい請求項1~10のいずれか一項に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記アウターシャフトは、前記第1区間よりも近位側に隣接して配され前記第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、
前記インナーシャフトの最大外径が、前記第1区間での前記アウターシャフトの最大内径の80%以上であり、
前記第2区間での前記インナーシャフトの最大外径が、前記第2区間での前記アウターシャフトの最大内径の70%以下である請求項1~11のいずれか一項に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカテーテル、特にバルーンカテーテルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
体内で血液が循環するための流路である血管に狭窄が生じ、血液の循環が滞ることにより、様々な疾患が発生することが知られている。特に心臓に血液を供給する冠状動脈に狭窄が生じると、狭心症、心筋梗塞等の重篤な疾病をもたらすおそれがある。このような血管の狭窄部を治療する方法の一つとして、バルーンカテーテルを用いて狭窄部を拡張させる血管形成術(PTA、PTCA等)がある。血管形成術は、バイパス手術のような開胸術を必要としない低侵襲療法であることから広く行われている。特許文献1にはバルーンカテーテルの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2009/156998号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでバルーンを拡張するための流体の流れを効率よく制御することができるカテーテルを提供することは手技の多様化の観点で有益である。そこで、本発明は、バルーンの内部へ供給される流体の流れを制御しやすいカテーテルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成し得た本発明のカテーテルの一実施態様は、長手軸方向に遠位端と近位端を有するシャフトと、シャフトの遠位部に配されているバルーンと、を備え、シャフトは、長手軸方向に延在している内腔を有するアウターシャフトと、アウターシャフトの内腔に配置されているインナーシャフトと、を有し、アウターシャフトはその遠位部に、アウターシャフトの長手軸方向の中央位置での内径よりも内径が小さい第1区間を有し、インナーシャフトは、第1筒と、第1筒よりも近位側に位置する第2筒と、を有し、第1筒と第2筒が接続部で互いに接続されており、接続部が第1区間に位置している点に要旨を有する。上記カテーテルによれば、アウターシャフトの第1区間に、インナーシャフトの第1筒と第2筒の接続部が位置しているため、第1区間のうち接続部が配されている部分においてアウターシャフトとインナーシャフトの間の空間の断面積を小さくすることができる。接続部が配されている部分では流速を低くすることが可能となるため、接続部を用いて、バルーンの内部へ供給される流体の流れを制御しやすくなる。
【0006】
接続部は第1区間の近位部に位置していてもよく、第1区間の遠位部に位置していてもよい。接続部において、第1筒の内腔に第2筒が挿入されていてもよい。
【0007】
第1区間においてアウターシャフトの内径が一定であってもよい。アウターシャフトは、第1区間においてアウターシャフトの内径が遠位端側に向かって小さくなっている減径部を有していてもよい。
【0008】
アウターシャフトは、第1区間よりも近位側に隣接して配され第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、アウターシャフトは第1区間と第2区間の境界に段差を有していてもよい。
【0009】
インナーシャフトはアウターシャフトの遠位端から延出しており、バルーンの遠位端部がインナーシャフトに固定され、バルーンの近位端部がアウターシャフトの第1区間に固定されていてもよい。
【0010】
長手軸方向において第1区間の長さがバルーンの長さよりも長くてもよい。バルーンの拡張時の外径は、シャフトの最大外径よりも小さくてもよい。
【0011】
アウターシャフトは、第1区間よりも近位側に隣接して配され第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、バルーンの拡張時の外径は、第2区間でのアウターシャフトの最大外径よりも小さくてもよい。
【0012】
アウターシャフトは、第1区間よりも近位側に隣接して配され第1区間よりも内径が大きい第2区間を有し、インナーシャフトの最大外径が、第1区間でのアウターシャフトの最大内径の80%以上であり、第2区間でのインナーシャフトの最大外径が、第2区間でのアウターシャフトの最大内径の70%以下であってもよい。
【発明の効果】
【0013】
上記カテーテルによれば、アウターシャフトの第1区間に、インナーシャフトの第1筒と第2筒の接続部が位置しているため、第1区間のうち接続部が配されている部分においてアウターシャフトとインナーシャフトの間の空間の断面積を小さくすることができる。接続部が配されている部分では流速を低くすることが可能となるため、接続部を用いて、バルーンの内部へ供給される流体の流れを制御しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るカテーテルの側面図である。
図2図1に示したカテーテルの遠位側を拡大した断面図である。
図3図2に示したカテーテルの変形例を示す断面図である。
図4図2に示したカテーテルの他の変形例を示す断面図である。
図5図2に示したカテーテルのさらに他の変形例を示す断面図である。
図6図1に示したカテーテルの変形例を示す側面図である。
図7図2に示したカテーテルのさらに他の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、ハッチングや部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0016】
本発明のカテーテルの一実施態様は、長手軸方向に遠位端と近位端を有するシャフトと、シャフトの遠位部に配されているバルーンと、を備え、シャフトは、長手軸方向に延在している内腔を有するアウターシャフトと、アウターシャフトの内腔に配置されているインナーシャフトと、を有し、アウターシャフトはその遠位部に、アウターシャフトの長手軸方向の中央位置での内径よりも内径が小さい第1区間を有し、インナーシャフトは、第1筒と、第1筒よりも近位側に位置する第2筒と、を有し、第1筒と第2筒が接続部で互いに接続されており、接続部が第1区間に位置している点に要旨を有する。上記カテーテルによれば、アウターシャフトの第1区間に、インナーシャフトの第1筒と第2筒の接続部が位置しているため、第1区間のうち接続部が配されている部分においてアウターシャフトとインナーシャフトの間の空間の断面積を小さくすることができる。接続部が配されている部分では流速を低くすることが可能となるため、接続部を用いて、バルーンの内部へ供給される流体の流れを制御しやすくなる。
【0017】
図1図7を参照しながらカテーテルの構成について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るカテーテルの側面図である。図2図1に示したカテーテルの遠位側を拡大した断面図である。図3図5図7図2に示したカテーテルの変形例を示す断面図である。図6図1に示したカテーテルの変形例を示す側面図である。図1にはシャフトの遠位側から近位側に至る途中までガイドワイヤを挿通可能なラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルの構成例を示している。カテーテル1の構成は、シャフト2の遠位側から近位側にわたってガイドワイヤを挿通可能なオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルにも適用することができる。カテーテル1は、シャフト2と、シャフト2の遠位部に配されているバルーン30と、を備え、シャフト2は、長手軸方向xに延在している内腔10cを有するアウターシャフト10と、アウターシャフト10の内腔10cに配置されているインナーシャフト20と、を有している。
【0018】
カテーテル1の遠位側とは、シャフト2の長手軸方向xの遠位端10a側であって処置対象側を指す。装置の近位側とは、シャフト2の長手軸方向xの近位端側であって使用者の手元側を指す。各部材をその長手軸方向で二等分割したときの近位側を近位部、遠位側を遠位部と称することがある。
【0019】
シャフト2は長手軸方向xを有している長尺な部材である。シャフト2は、長手軸方向xに遠位端10aと近位端を有している。シャフト2はその内部に、流体の流路と、シャフト2の進行をガイドするガイドワイヤの挿通路を有している。アウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間が流体の流路として機能する。アウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間は、アウターシャフト10の内腔10c内に位置している。インナーシャフト20の内腔20cがガイドワイヤの挿通路として機能する。カテーテル1は、シャフト2の長手軸方向xに延在しているガイドワイヤを含んでいてもよい。
【0020】
バルーン30の遠位端部30aと近位端部30bはそれぞれシャフト2に接合されている。図2では、インナーシャフト20はアウターシャフト10の遠位端10aから延出しており、バルーン30の遠位端部30aがインナーシャフト20の外面に固定され、バルーン30の近位端部30bがアウターシャフト10の外面に固定されている。
【0021】
シャフト2の近位部にはハブ40が配されている。カテーテル1は、ハブ40からシャフト2を通じてバルーン30の内部に流体が供給されるように構成されている。バルーン30の内部に流体を供給することにより、バルーン30が拡張する。バルーン30の内部から流体を除去することにより、バルーン30が収縮する。
【0022】
ハブ40は、流体の流路と連通した流体注入部を有していてもよい。カテーテル1がオーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルの場合、ハブ40はガイドワイヤポートを有していてもよい。なお、図1のようなラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルの場合、ガイドワイヤポート41がシャフト2の途中に配される。ハブ40は、薬剤等の注入口、生体体腔内の流体等の吸引口の少なくともいずれかを有していてもよい。
【0023】
シャフト2、バルーン30、ハブ40の接合は、接着剤による接着や熱溶着などの方法を用いて行うことができる。
【0024】
バルーン30は、樹脂を成形することにより製造することができる。バルーン30を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0025】
硬化した狭窄病変に対しての拡張性能や拡張圧に対する寸法安定性を高めるために、バルーン30に補強材が配されていてもよい。補強材としては、例えば繊維材料を用いることができ、具体的にはポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維等が好適に用いられる。これらの繊維材料は、モノフィラメントであっても、マルチフィラメントであってもよい。
【0026】
バルーン30は、所定の拡張圧以上では、拡張圧を上げてもバルーン30の外径が殆ど増加しない、いわゆるノンコンプライアント型であってもよく、拡張圧に応じて外径が変化するいわゆるコンプライアント型であってもよい。
【0027】
一般的なバルーンの形状としては、図1に示されるような、近位側テーパ部と遠位側テーパ部が円錐台状で、近位側テーパ部と遠位側テーパ部の間の直管部が円筒状である場合が多いが、この形状に限定されるものではない。例えば、直管部は、近位側テーパ部と遠位側テーパ部よりも小さい傾斜角であれば、病変の形状に応じて若干傾斜していてもよい。
【0028】
アウターシャフト10は、その遠位部に、アウターシャフト10の長手軸方向xの中央位置での内径よりも内径が小さい第1区間11を有している。インナーシャフト20は、第1筒21と、第1筒21よりも近位側に位置する第2筒22とを有し、第1筒21と第2筒22が接続部23で互いに接続されており、接続部23が第1区間11に位置している。カテーテル1によれば、アウターシャフト10の第1区間11に、インナーシャフト20の接続部23が位置しているため、接続部23が配されている部分においてアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を小さくすることができる。接続部23が配されている部分では流速を低くすることが可能となるため、接続部23を用いて、バルーン30の内部へ供給される流体の流れを制御しやすくなる。また、接続部23が配されている部分においてアウターシャフト10とインナーシャフト20の隙間が小さくなっているため、カテーテル1を病変部に通過させる際に第1区間11でインナーシャフト20が撓みにくくなる。その結果、使用者がカテーテル1を押す力がカテーテル1の遠位端部に伝わりやすくなる。なお、アウターシャフト10の長手軸方向xの中央位置は、カテーテル1において、アウターシャフト10が露出している部分のうち、長手軸方向xの中央の位置である。
【0029】
アウターシャフト10またはインナーシャフト20としては、一または複数の線材を所定のパターンで配することで形成された中空体;上記中空体の内面または外面の少なくともいずれか一方に樹脂をコーティングしたもの;樹脂チューブ;またはこれらを組み合わせたもの、例えばこれらを長手軸方向に接続したものが挙げられる。線材が所定のパターンで配された中空体としては、線材が単に交差される、または編み込まれることによって網目構造を有する筒状体や、線材が巻回されたコイルが示される。線材は、一または複数の単線であってもよく、一または複数の撚線であってもよい。樹脂チューブは、例えば押出成形によって製造することができる。樹脂チューブは、単層または複数層から構成することができる。樹脂チューブの長手軸方向または周方向の一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。アウターシャフト10とインナーシャフト20はいずれも樹脂チューブであることが好ましい。
【0030】
アウターシャフト10またはインナーシャフト20は、例えば、ポリオレフィン樹脂(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン)、ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン)、ポリエステル樹脂(例えば、PET)、芳香族ポリエーテルケトン樹脂(例えば、PEEK)、ポリエーテルポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(例えば、PTFE、PFA、ETFE)等の合成樹脂や、ステンレス鋼、炭素鋼、ニッケルチタン合金等の金属から構成することができる。これらは一種のみを単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
第1区間11は、長手軸方向xに延在している。第1区間11の遠位端11aは、アウターシャフト10の遠位端10aと一致していることが好ましいが、遠位端10aよりも近位側に位置していてもよい。
【0032】
図2に示すように、インナーシャフト20はアウターシャフト10の遠位端10aから延出しており、バルーン30の遠位端部30aがインナーシャフト20に固定され、バルーン30の近位端部30bがアウターシャフト10の第1区間11に固定されていることが好ましい。バルーン30の近位端部30bを第1区間11に固定することで、拡張時のバルーン30の外径を適切に設定することができる。
【0033】
図2に示すように長手軸方向xにおいて第1区間11の長さがバルーン30の長さよりも長いことが好ましい。この構成により、第1区間11で流体の流れを制御しやすくなる。長手軸方向xにおいて第1区間11の長さは、バルーン30の長さの1.2倍以上、1.5倍以上、2倍以上であってもよく、7倍以下、6.5倍以下、6倍以下であってもよい。
【0034】
図1に示すようにバルーン30の拡張時の外径は、シャフト2の最大外径よりも小さいことが好ましい。このようにバルーン30とシャフト2の外径を設定することで、極細の体腔管内でカテーテル1を使用しやすくなる。バルーン30の拡張時の外径は、アウターシャフト10の第1区間11の最大外径よりも大きいことが好ましい。また、バルーン30の折りたたみ時の外径は、アウターシャフト10の第1区間11の最大外径より大きくてもよい。
【0035】
バルーン30の拡張時の外径は、バルーン30の折りたたみ時の外径の1.1倍以上、1.15倍以上、1.2倍以上であってもよく、2倍以下、1.7倍以下、1.5倍以下であってもよい。
【0036】
第1区間11ではアウターシャフト10の肉厚は一定であってもよい。また、第1区間11の外径が一定の場合、第1区間11ではアウターシャフト10の肉厚がアウターシャフト10の遠位端10a側に向かって小さく、または大きくなっていてもよい。第1区間11の空間の断面積の大きさを変化させることにより、バルーン30へ供給される流体の流速を制御することができる。
【0037】
図2に示すように、第1区間11においてアウターシャフト10の内径が一定であってもよい。この構成により、接続部23の形状または外径を変更することで接続部23においてアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を制御することができる。同様の趣旨から、第1区間11においてアウターシャフト10の外径が一定であってもよい。ここで、アウターシャフト10の内径または外径が一定であるとは、内径または外径が±5%の範囲内で変動する態様を含むものとする。以降の説明でも同様である。
【0038】
図3に示すように、アウターシャフト10は、第1区間11においてアウターシャフト10の内径が遠位端10a側に向かって小さくなっている減径部14を有していてもよい。減径部14の存在により、接続部23においてアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積の大きさを長手軸方向xで変えやすくなる。
【0039】
減径部14は第1区間11の一部のみに配されていてもよく、第1区間11の全体に亘って配されていてもよい。
【0040】
減径部14では、アウターシャフト10の内径は、アウターシャフト10の遠位端10a側に向かってテーパ状に小さくなっていてもよい。また減径部14では、アウターシャフト10の内径は、アウターシャフト10の遠位端10a側に向かって段階的に小さくなっていてもよい。
【0041】
減径部14では、アウターシャフト10の外径が、アウターシャフト10の遠位端10a側に向かってテーパ状に小さくなっていてもよい。また減径部14では、アウターシャフト10の外径が、アウターシャフト10の遠位端10a側に向かって段階的に小さくなっていてもよい。減径部14では、アウターシャフト10の肉厚が一定であってもよく、変化していてもよい。
【0042】
インナーシャフト20は、第1筒21と第2筒22を長手軸方向xに接続することによって形成されている。第2筒22の少なくとも一部が第1筒21よりも近位側に位置していればよく、第2筒22の全体が第1筒21よりも近位側に位置している必要はない。
【0043】
第1筒21と第2筒22はそれぞれ樹脂チューブであることが好ましい。樹脂チューブは、単層または複数層から構成することができる。各樹脂チューブは、その長手軸方向と周方向のいずれかの一部が単層から構成されており、他部が複数層から構成されていてもよい。
【0044】
接続部23での第1筒21と第2筒22の接続方法は特に限定されないが、例えば、第1筒21と第2筒22のいずれか一方の内腔にいずれか他方を挿入する(嵌合)、第1筒21と近位端部と第2筒22の遠位端部を接着または溶着する、第1筒21と近位端部と第2筒22の遠位端部を締付リングで一緒にかしめる、またはこれらの方法を組み合わせることで接続することができる。締付リングは放射線不透過マーカーであってもよい。
【0045】
図2に示すように、接続部23において、第1筒21の内腔21cに第2筒22が挿入されていることが好ましい。詳細には第1筒21の近位端部の内腔21cに第2筒22の遠位端部が挿入されていることが好ましい。この構成により、インナーシャフト20の内腔20cに挿入されるガイドワイヤを遠位側へ送り込むときにガイドワイヤが接続部23を通過しやすくなる。
【0046】
接続部23において、第2筒22の内腔22cに第1筒21が挿入されていてもよい。また、第1筒21の近位端と第2筒22の遠位端を覆う、第1筒21および第2筒22とは別の筒によって接続部23が形成されていてもよい。この場合、第1筒21の近位端と第2筒22の遠位端は突き当たっていてもよく、離れていてもよい。接続部23では第1筒21と第2筒22が密着していることが好ましい。
【0047】
長手軸方向xで第1筒21と第2筒22が重なり合う区間が存在する態様では、その重なり合う区間を接続部23とみなす。例えば第1筒21と第2筒22のいずれか一方の内腔にいずれか他方が挿入されている態様が該当する。長手軸方向xで第1筒21と第2筒22が重なり合う区間が存在しない態様、例えば第1筒21と第2筒22が突き当て接合され、接合部の外側から締付リングで第1筒21と第2筒22をかしめる態様では、締付リングが配されている区間を接続部23とみなす。図2に示すように、第1筒21と第2筒22は第1区間11においてそれぞれ接続部23以外の非接続部21a、22aを有している。第1筒21は接続部23よりも遠位側に非接続部21aを有し、第2筒22は接続部23よりも近位側に非接続部22aを有している。
【0048】
インナーシャフト20はアウターシャフト10に対して長手軸方向xの位置がずれないように固定されている。このため接続部23もアウターシャフト10に対する長手軸方向xの位置がずれないように配されている。
【0049】
接続部23の最大外径は、第1筒21の非接続部21aの最大外径よりも大きいことが好ましい。また接続部23の最大外径は、第2筒22の非接続部22aの最大外径よりも大きいことが好ましい。接続部23において、アウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を小さくしやすくなる。
【0050】
接続部23の最大外径は、第1筒21の非接続部21aの最大外径の1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上の大きさであってもよく、2倍以下、1.7倍以下、1.5倍以下の大きさであってもよい。接続部23の最大外径は、第2筒22の非接続部22aの最大外径の1.02倍以上、1.05倍以上、1.07倍以上の大きさであってもよく、1.7倍以下、1.5倍以下、1.3倍以下の大きさであってもよい。
【0051】
第2筒22の非接続部22aの最大外径は、第1筒21の非接続部21aの最大外径よりも大きいことが好ましい。第1区間11の近位側から遠位側に向かってアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を小さくすることができ、第1区間11全体で流体の流れを制御しやすくなる。
【0052】
第2筒22の非接続部22aの最大外径は、第1筒21の非接続部21aの最大外径の1.05倍以上、1.08倍以上、1.1倍以上の大きさであってもよく、1.5倍以下、1.4倍以下、1.3倍以下の大きさであってもよい。
【0053】
長手軸方向xにおいて接続部23の長さは、第1区間11の長さよりも短いことが好ましい。このように接続部23の長さを設定することで、第1区間11の長手軸方向xの一部でのみアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を小さくすることができるため、バルーン30の拡張に要する時間を適切に設定することができる。なお、長手軸方向xにおいて接続部23の長さは、第1区間11の長さの4%以上、7%以上、10%以上の大きさであってもよく、20%以下、18%以下、15%以下の大きさであってもよい。
【0054】
接続部23の最大外径は、第1区間11でのアウターシャフト10の最小内径の80%以上、82%以上、85%以上の大きさであってもよく、98%以下、95%以下、90%以下の大きさであってもよい。
【0055】
図2では長手軸方向xにおいて接続部23の全体が第1区間11内に配されている。このように接続部23の遠位端23aが、第1区間11の遠位端11aよりも近位に位置していることが好ましい。また接続部23の近位端23bが、第1区間11の近位端11bよりも遠位に位置していることが好ましい。接続部23は、第1区間11の長手軸方向xの中央位置11cと重なるように配されていてもよい。
【0056】
図示していないが長手軸方向xにおいて接続部23が第1区間11より近位または遠位の位置まで存在していてもよい。接続部23の遠位端23aが第1区間11よりも遠位に位置していてもよく、接続部23の近位端23bが第1区間11よりも近位に位置していてもよい。
【0057】
図3では長手軸方向xにおいて接続部23の全体が減径部14に覆われているが、接続部23の一部のみが減径部14に覆われていてもよい。また、減径部14の遠位端14aよりも遠位側に接続部23の近位端23bが位置していてもよく、減径部14の近位端14bよりも近位側に接続部23の遠位端23aが位置していてもよい。この構成により、接続部23と減径部14を用いて、アウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積の大きさを制御することができる。
【0058】
接続部23の外径は、長手軸方向xにおいて一定であってもよく、長手軸方向xの位置によって変化していてもよい。例えば、接続部23は、その外径が接続部23の遠位端23a側に向かって小さくなっている部分を有していてもよい。
【0059】
第1区間11においてインナーシャフト20の最大外径となる部分が接続部23に位置していることが好ましい。この構成により、接続部23において流体の流れを制御する効果を高めることができる。
【0060】
接続部23の最大外径は、第1区間11でのアウターシャフト10の最小内径よりも小さいことが好ましい。この構成により、アウターシャフト10の内腔10cでは、非接続部21a側から非接続部22a側へ、または非接続部22a側から非接続部21a側へ流体が通過可能となる。すなわち、接続部23が存在していてもアウターシャフト10の内腔10cは塞がれていない。
【0061】
接続部23が、第1区間11でのアウターシャフト10の最小内径となる部分に位置していてもよい。この構成により、接続部23において流体の流れを制御する効果を高めることができる。
【0062】
非接続部21a、接続部23、非接続部22aの間で流体が通過可能である限り、接続部23の外面がアウターシャフト10の内面に接していてもよい。例えば、接続部23の一部がアウターシャフト10の内面に固定されていてもよい。これによりアウターシャフト10に対してインナーシャフト20が動かないように固定することができる。
【0063】
バルーン30は、接続部23よりも遠位側に位置している。バルーン30が接続部23よりも遠位側に位置するとは、バルーン30の拡張部の近位端が、接続部23より遠位側に位置していることをいう。バルーン30の拡張部とは、バルーン30が流体によって拡張する部分をいい、シャフト2に取り付けられる部分を除いた部分である。拡張部は、例えばバルーン30の近位側テーパ部、遠位側テーパ部および直管部を有している。これにより、接続部23を用いて、バルーン30の内部へ供給される流体の流れを制御しやすくなる。
【0064】
図4に示すように、接続部23が第1区間11の近位部11eに位置していることが好ましい。すなわち、接続部23の遠位端23aが、第1区間11の長手軸方向xの中央位置11cよりも近位側に位置していてもよい。この構成により、バルーン30への流体供給の早い段階で流れを制御しやすくなる。
【0065】
図5に示すように、接続部23が第1区間11の遠位部11dに位置していてもよい。すなわち、接続部23の近位端23bが、第1区間11の長手軸方向xの中央位置11cよりも遠位側に位置していてもよい。この構成により、接続部23が第1区間11の近位部11eに位置している態様と比べて、バルーン30への流体供給経路の終盤で流れを制御しやすくなる。
【0066】
図6に示すように、アウターシャフト10は、第1区間11よりも近位側に隣接して配され第1区間11よりも内径が大きい第2区間12を有していることが好ましい。詳細にはアウターシャフト10において第2区間12の最小内径は、第1区間11の最大内径より大きいことが好ましく、第2区間12の内径の平均値が、第1区間11の内径の平均値よりも大きいことがより好ましく、第2区間12の長手軸方向全体で、第2区間12の内径が第1区間11の最大内径よりも大きいことがさらに好ましい。この構成により、第2区間12では、第1区間11に比べてアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を大きくすることができる。その結果、第1区間11での流体の流れの制御が行いやすくなる。アウターシャフト10の長手軸方向xの中央位置は、第2区間12にあってもよい。
【0067】
アウターシャフト10において第2区間12の外径は、第1区間11の外径と異なっていてもよく、図7に示すように、同じであってもよい。アウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を制御するために、アウターシャフト10において第2区間12の外径は、第1区間11の外径よりも大きいことが好ましい。第2区間12の外径は、一定でなくてもよい。第2区間12を、例えば、近位側から遠位側へ向かって、先細りのテーパ形状としてもよい。
【0068】
アウターシャフト10において、第2区間12の肉厚は、第1区間11の肉厚と異なっていてもよい。例えば図7に示すように、アウターシャフト10の第1区間11の肉厚を、第2区間12の肉厚よりも大きくしてもよい。これにより、第1区間11での内径を、第2区間12よりも小さくすることができる。
【0069】
図示していないが、アウターシャフト10が、筒状のシャフト本体と、シャフト本体の遠位側かつ内側に配されている内筒部材と、を有していてもよい。その場合、内筒部材が配されている部分を第1区間11とすることができる。内筒部材は、樹脂または金属から構成されてもよい。また、アウターシャフト10が、筒状のシャフト本体を有し、シャフト本体の内面に樹脂層または金属層が配されていてもよい。この場合、樹脂層または金属層が配されている部分を第1区間11とすることができる。このような構成によっても、アウターシャフト10の第1区間11の内径を第2区間12の内径よりも小さくすることができる。
【0070】
接続部23は第2区間12には配されていないことが好ましい。この構成により、第1区間11での流体の流れの制御を効率よく行うことができる。なお、接続部23はバルーン30の拡張部の内部まで延びていてもよい。バルーン30の拡張に必要な流量を少なくすることができる。
【0071】
バルーン30の拡張時の外径は、第2区間12でのアウターシャフト10の最大外径よりも小さいことが好ましい。また、第1区間11と第2区間12の外径が異なる場合は、バルーン30の拡張時の外径は、第2区間12でのアウターシャフト10の遠位端の外径よりも小さくてもよい。このようにバルーン30とアウターシャフト10の外径を設定することで、極細の体腔管内でカテーテル1を使用しやすくなる。
【0072】
長手軸方向xにおいて第1区間11の長さは、第2区間12の長さよりも短いことが好ましい。このように第1区間11の長さを設定することで、第1区間11の長手軸方向xの一部でのみアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を小さくすることができるため、バルーン30の拡張に要する時間を適切に設定することができる。
【0073】
図6に示すように、アウターシャフト10が、第1区間11よりも近位側に隣接して配され第1区間11よりも内径が大きい第2区間12を有している場合、アウターシャフト10は第1区間11と第2区間12の境界に段差15を有していることが好ましい。段差15によってアウターシャフト10とインナーシャフト20の間の空間の断面積を急激に変化させることができるため、第1区間11での流体の流れの制御が行いやすくなる。
【0074】
第2区間12の遠位端でのアウターシャフト10の内径は、第1区間11の近位端11bでのアウターシャフト10の内径の1.02倍以上、1.05倍以上、1.1倍以上であってもよく、1.5倍以下、1.4倍以下、1.3倍以下であってもよい。
【0075】
図6に示すようにラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルでは、インナーシャフト20の近位端20bは、第2区間12の近位端12bと一致していることが好ましい。このように第2区間12よりも近位側ではインナーシャフト20が存在していなくてもよい。アウターシャフト10を遠位側筒材と近位側筒材から構成し、遠位側筒材内にインナーシャフト20を配置し、インナーシャフト20の近位端部をアウターシャフト10の近位側筒材の遠位端部に接合し、アウターシャフト10の側部を開口させることで、ガイドワイヤポート41を形成することができる。オーバーザワイヤ型のバルーンカテーテルでは、インナーシャフト20は、ハブ40が有するガイドワイヤポートまで延在していてもよい。
【0076】
第2区間12ではアウターシャフト10の内径は一定であってもよい。第2区間12ではアウターシャフト10の内径が遠位端10a側に向かって小さくなっている部分、または大きくなっている部分を有していてもよい。
【0077】
第2区間12ではインナーシャフト20の外径が一定であってもよい。第2区間12ではインナーシャフト20の外径が遠位端10a側に向かって小さくなっている部分、または大きくなっている部分を有していてもよい。
【0078】
図6に示すようにアウターシャフト10が、第1区間11よりも近位側に隣接して配され第1区間11よりも内径が大きい第2区間12を有している場合、インナーシャフト20の最大外径が、第1区間11でのアウターシャフト10の最大内径の80%以上であり、第2区間12でのインナーシャフト20の最大外径が、第2区間12でのアウターシャフト10の最大内径の70%以下であることが好ましい。この構成により、第1区間11では流体の流れが適度に規制され、第2区間12ではスムーズに流体が流れやすくなる。
【0079】
インナーシャフト20の最大外径は、第1区間11でのアウターシャフト10の最大内径の82%以上、85%以上であってもよく、98%以下、95%以下、90%以下とすることも許容される。
【0080】
第2区間12でのインナーシャフト20の最大外径は、第2区間12でのアウターシャフト10の最大内径の40%以上、45%以上、50%以上であってもよく、65%以下、60%以下であってもよい。
【0081】
図6に示すように、アウターシャフト10は、第2区間12よりも近位側にインナーシャフト20が存在しない第3区間13を有していてもよい。第3区間13は第2区間12に隣接して配されていてもよい。例えばラピッドエクスチェンジ型のバルーンカテーテルは第3区間13を有していてもよい。アウターシャフト10の長手軸方向xの中央位置は、第3区間13にあってもよい。
【0082】
第3区間13においてアウターシャフト10の外径は一定であってもよい。アウターシャフト10は、第3区間13においてアウターシャフト10の外径が遠位端10a側に向かって小さくなっている部分を有していてもよい。アウターシャフト10は、第3区間13において複数のチューブが長手軸方向xに接続されて形成されていてもよい。第3区間13の最大外径は、第2区間12の最大外径と同じまたはこれより大きくてもよい。第3区間13の近位部がハブ40に接続されていてもよい。
【0083】
図6に示すように、インナーシャフト20の遠位端部には保護チップ42が配されていてもよい。保護チップ42は、インナーシャフト20の遠位端部を覆っていることが好ましい。保護チップ42は筒形状を有していてもよい。保護チップ42の遠位端は、遠位側のガイドワイヤポートであることが好ましい。
【0084】
シャフト2のうちバルーン30が位置する部分には、バルーン30の位置をX線透視下で確認することを可能にするために放射線不透過マーカーが配されていてもよい。図6ではインナーシャフト20の外側に放射線不透過マーカー43が取り付けられている。保護チップ42が放射線不透過マーカーであってもよい。放射線不透過マーカーは、第1区間11よりも遠位側に配されていることが好ましい。カテーテル1に対して一または複数のマーカーを配することができる。
【符号の説明】
【0085】
1:カテーテル
2:シャフト
10:アウターシャフト
11:第1区間
11d:遠位部
11e:近位部
12:第2区間
14:減径部
15:段差
20:インナーシャフト
21:第1筒
22:第2筒
23:接続部
30:バルーン
x:長手軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7