(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 9/04 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
A47L9/04 A
(21)【出願番号】P 2021058586
(22)【出願日】2021-03-30
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒川 琢雄
(72)【発明者】
【氏名】森本 健太
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-147759(JP,A)
【文献】実公昭48-029431(JP,Y1)
【文献】特開2013-027558(JP,A)
【文献】特開2000-354569(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0290086(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃装置であって、
左右方向に延びる第1ブラシシャフトと、前記第1ブラシシャフトに保持された第1ブラシ体を備える第1ブラシと、
左右方向に延びる第2ブラシシャフトと、前記第2ブラシシャフトに保持された第2ブラシ体を備える第2ブラシと、
前記第1ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第1形状を有する第1ブラシ取付部材と、
前記第2ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第2形状を有する第2ブラシ取付部材を備えており、
前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部が、前記第1形状に対応する第1対応形状を有しており、
前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部が、前記第2形状に対応する第2対応形状を有しており、
前記第1ブラシシャフトの他方の端部が、前記第2対応形状を有して
おり、
前記第1形状および前記第1対応形状の一方が、第1凸形状を備えており、
前記第1形状および前記第1対応形状の他方が、前記第1凸形状が嵌合する第1凹形状を備えており、
前記第2形状および前記第2対応形状の一方が、第2凸形状を備えており、
前記第2形状および前記第2対応形状の他方が、前記第2凸形状が嵌合する第2凹形状を備えており、
前記第1凸形状が、径方向に沿って延びる直線状の第1リブ形状を有しており、
前記第2凸形状が、それぞれ径方向に沿って延びており、互いに傾斜した複数の直線状の第2リブ形状を有しており、
前記第1リブ形状のリブ幅が、前記第2リブ形状のリブ幅よりも大きい、清掃装置。
【請求項2】
前記第1形状が、前記第1凸形状を備えており、
前記第1対応形状が、前記第1凹形状を備えており、
前記第2形状が、前記第2凸形状を備えており、
前記第2対応形状が、前記第2凹形状を備えている、請求項
1の清掃装置。
【請求項3】
前記第1ブラシが、前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部を覆う第1ブラシキャップをさらに備えている、請求項1
または2の清掃装置。
【請求項4】
前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能な第1プランジャと、
前記第2ブラシシャフトの他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能な第2プランジャをさらに備える、請求項1から
3の何れか一項の清掃装置。
【請求項5】
前記第1ブラシ体が、前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部から中央に向かって第1方向に回転する螺旋状に前記第1ブラシシャフトの表面に植毛されており、前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部から中央に向かって前記第1方向とは反対方向である第2方向に回転する螺旋状に前記第1ブラシシャフトの表面に植毛された第1ブラシ毛を備えており、
前記第2ブラシ体が、前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部から中央に向かって前記第2方向に回転する螺旋状に前記第2ブラシシャフトの表面に植毛されており、前記第2ブラシシャフトの前記他方の端部から中央に向かって前記第1方向に回転する螺旋状に前記第2ブラシシャフトの表面に植毛された第2ブラシ毛を備えている、請求項1から
4の何れか一項の清掃装置。
【請求項6】
駆動シャフトと、
前記駆動シャフトの回転を前記第1ブラシ取付部材に伝達する第1回転伝達機構と、
前記駆動シャフトの回転を前記第2ブラシ取付部材に伝達する第2回転伝達機構を備えており、
前記駆動シャフトが回転した時に、前記第1ブラシ取付部材と前記第2ブラシ取付部材が互いに反対方向に回転する、請求項1から
5の何れか一項の清掃装置。
【請求項7】
車輪と、
前記車輪に支持された車台をさらに備えている。請求項1から
6の何れか一項の清掃装置。
【請求項8】
前記車台から後方上方に延びており、ユーザが把持可能なハンドルをさらに備えている、請求項
7の清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された清掃装置は、左右方向に延びる第1ブラシシャフトと、前記第1ブラシシャフトに保持された第1ブラシ体を備える第1ブラシと、左右方向に延びる第2ブラシシャフトと、前記第2ブラシシャフトに保持された第2ブラシ体を備える第2ブラシと、前記第1ブラシの一方の端部が取り付けられており、第1形状を有する第1ブラシ取付部材と、前記第2ブラシの一方の端部が取り付けられており、第2形状を有する第2ブラシ取付部材を備えている。前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部は、前記第1形状に対応する第1対応形状を有している。前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部は、前記第2形状に対応する第2対応形状を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような清掃装置において、第1ブラシとしても使用可能であり、第2ブラシとしても使用可能なブラシを用いることができれば、第1ブラシと第2ブラシの部品を共通化することができ、製造コストを低減することができる。本明細書では、第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する清掃装置は、左右方向に延びる第1ブラシシャフトと、前記第1ブラシシャフトに保持された第1ブラシ体を備える第1ブラシと、左右方向に延びる第2ブラシシャフトと、前記第2ブラシシャフトに保持された第2ブラシ体を備える第2ブラシと、前記第1ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第1形状を有する第1ブラシ取付部材と、前記第2ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第2形状を有する第2ブラシ取付部材を備えていてもよい。前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部は、前記第1形状に対応する第1対応形状を有していてもよい。前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部が、前記第2形状に対応する第2対応形状を有していてもよい。前記第1ブラシシャフトの他方の端部は、前記第2対応形状を有していてもよい。
【0006】
上記の構成によれば、第1ブラシは、第1ブラシシャフトの一方の端部を第1ブラシ取付部材に取り付けて使用することができるとともに、左右方向を反転させて、第1ブラシシャフトの他方の端部を第2ブラシ取付部材に取り付けて、第2ブラシとして使用することもできる。第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施例に係る清掃装置2を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図2】実施例に係る清掃装置2を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図3】実施例に係る清掃装置2の左右方向の中央近傍での縦断面図である。
【
図4】実施例に係る清掃装置2の前方メインブラシ20および後方メインブラシ22を前方右方上方から見た分解斜視図である。
【
図5】実施例に係る清掃装置2の前方メインブラシ20および後方メインブラシ22を前方左方上方から見た分解斜視図である。
【
図6】実施例に係る清掃装置2の右前ブラシ取付部32および右後ブラシ取付部36の近傍を前方左方下方から見た斜視図である。
【
図7】実施例に係る清掃装置2の左前ブラシ取付部34および左後ブラシ取付部38の近傍を前方右方下方から見た斜視図である。
【
図8】実施例に係る清掃装置2の左前ブラシ取付部34の近傍の縦断面図である。
【
図9】実施例に係る清掃装置2のメインブラシユニット23およびサイドブラシユニット152を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図10】実施例に係る清掃装置2において、後方メインブラシ22を上方に移動させた状態での、前輪8、右後輪10、メインブラシユニット23およびサイドブラシユニット152を右方から見た側面図である。
【
図11】実施例に係る清掃装置2において、後方メインブラシ22を下方に移動させた状態での、前輪8、右後輪10、メインブラシユニット23およびサイドブラシユニット152を右方から見た側面図である。
【
図12】実施例に係る清掃装置2のメインブラシ昇降レバー94の近傍の縦断面図である。
【
図13】実施例に係る清掃装置2のメインブラシ昇降レバー94の近傍を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図14】実施例に係る清掃装置2のダストコンテナ13を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図15】実施例に係る清掃装置2のダストコンテナ13を取り外した状態を、後方右方下方から見た斜視図である。
【
図16】実施例に係る清掃装置2のフィルタユニット120およびファンユニット122の近傍の横断面図である。
【
図17】実施例に係る清掃装置2のフィルタユニット120を後方右方上方から見た分解斜視図である。
【
図18】実施例に係る清掃装置2のフィルタユニット120のモータカバー138を取り外した状態を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図19】実施例に係る清掃装置2のファンユニット122の近傍の縦断面図である。
【
図20】実施例に係る清掃装置2のサイドブラシ150を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図21】実施例に係る清掃装置2のサイドブラシ150を前方右方下方から見た斜視図である。
【
図22】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ150が取り外された状態での、サイドブラシユニット152の近傍を前方左方下方から見た斜視図である。
【
図23】実施例に係る清掃装置2のブラシホルダ154を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図24】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ150が取り付けられた状態での、サイドブラシユニット152の近傍を前方左方下方から見た斜視図である。
【
図25】実施例に係る清掃装置2のブラシプーリ156を前方右方上方から見た斜視断面図である。
【
図26】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ150を上方に移動させた状態での、サイドブラシユニット152の近傍の縦断面図である。
【
図27】実施例に係る清掃装置2のブラシベース160の前方の部分を前方左方下方から見た斜視図である。
【
図28】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ150を下方に移動させた状態での、サイドブラシユニット152の近傍の縦断面図である。
【
図29】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ昇降レバー184を引き起こした状態での、サイドブラシ操作部180の近傍の縦断面図である。
【
図30】実施例に係る清掃装置2のブラシ操作ケーブル178、サイドブラシ昇降レバー184、ロックオフスイッチ186およびケーブルホルダ188を後方左方下方から見た斜視図である。
【
図31】実施例に係る清掃装置2の、サイドブラシ昇降レバー184を押し倒した状態での、サイドブラシ操作部180の近傍の縦断面図である。
【
図32】実施例に係る清掃装置2のスイッチ操作部212の近傍を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図33】実施例に係る清掃装置2の、ボディカバー108を取り外した状態での、右ハンドル取付部238および左ハンドル取付部240の近傍を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図34】実施例に係る清掃装置2の右ハンドル取付部238の近傍の縦断面図である。
【
図35】実施例に係る清掃装置2の左ハンドル取付部240の近傍の縦断面図である。
【
図36】実施例に係る清掃装置2の、バッテリカバー264を開いた状態での、バッテリボックス198の近傍を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図37】実施例に係る清掃装置2のハンドルユニット6を本体ユニット4に対して折りたたんだ状態を前方右方上方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して以下に詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、開示された追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された清掃装置を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0009】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、以下の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、特許請求の範囲に記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0010】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又は特許請求の範囲に記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびに特許請求の範囲に記載された特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0011】
1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置は、左右方向に延びる第1ブラシシャフトと、前記第1ブラシシャフトに保持された第1ブラシ体を備える第1ブラシと、左右方向に延びる第2ブラシシャフトと、前記第2ブラシシャフトに保持された第2ブラシ体を備える第2ブラシと、前記第1ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第1形状を有する第1ブラシ取付部材と、前記第2ブラシシャフトの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第2形状を有する第2ブラシ取付部材を備えていてもよい。前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部は、前記第1形状に対応する第1対応形状を有していてもよい。前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部が、前記第2形状に対応する第2対応形状を有していてもよい。前記第1ブラシシャフトの他方の端部は、前記第2対応形状を有していてもよい。
【0012】
上記の構成によれば、第1ブラシは、第1ブラシシャフトの一方の端部を第1ブラシ取付部材に取り付けて使用することができるとともに、左右方向を反転させて、第1ブラシシャフトの他方の端部を第2ブラシ取付部材に取り付けて、第2ブラシとして使用することもできる。第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用可能とすることができる。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1形状および前記第1対応形状の一方は、第1凸形状を備えていてもよい。前記第1形状および前記第1対応形状の他方は、前記第1凸形状が嵌合する第1凹形状を備えていてもよい。前記第2形状および前記第2対応形状の一方は、第2凸形状を備えていてもよい。前記第2形状および前記第2対応形状の他方は、前記第2凸形状が嵌合する第2凹形状を備えていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、第1凸形状が第1凹形状に嵌合することで、第1ブラシ取付部材と第1ブラシの間でトルクを伝達することができる。また、第2凸形状が第2凹形状に嵌合することで、第2ブラシ取付部材と第2ブラシの間でトルクを伝達することができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1形状は、前記第1凸形状を備えていてもよい。前記第1対応形状は、前記第1凹形状を備えていてもよい。前記第2形状は、前記第2凸形状を備えていてもよい。前記第2対応形状は、前記第2凹形状を備えていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、第1ブラシ取付部材への第1ブラシの位置合わせを容易に行うことができるとともに、第2ブラシ取付部材への第2ブラシの位置合わせを容易に行うことができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1凸形状は、径方向に沿って延びる直線状の第1リブ形状を有していてもよい。前記第2凸形状は、それぞれ径方向に沿って延びており、互いに傾斜した複数の直線状の第2リブ形状を有していてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、第1凸形状と第2凸形状を実現することができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1リブ形状のリブ幅が、前記第2リブ形状のリブ幅よりも大きくてもよい。
【0020】
仮に、第1リブ形状のリブ幅が、第2リブ形状のリブ幅よりも小さい場合、第2リブ形状が嵌合する第2凹形状に、第1リブ形状も嵌合可能となってしまう。この場合、第1ブラシ取付部材に、誤って第2ブラシシャフトの一方の端部が取り付けられてしまうおそれがある。上記の構成によれば、第1リブ形状のリブ幅が、第2リブ形状のリブ幅よりも大きいので、第2リブ形状が嵌合する第2凹形状に、第1リブ形状が嵌合することができない。このような構成とすることによって、第1ブラシ取付部材に、誤って第2ブラシシャフトの一方の端部が取り付けられてしまうことを抑制することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ブラシは、前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部を覆う第1ブラシキャップをさらに備えていてもよい。
【0022】
上記の構成によれば、第1ブラシシャフトの他方の端部の第2対応形状が、第1ブラシキャップによって覆われる。第1ブラシキャップを、第1ブラシの他方の端部の取付箇所の形状に対応した形状とすることで、第1ブラシを安定して取り付けることができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記清掃装置は、前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能な第1プランジャと、前記第2ブラシシャフトの他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能な第2プランジャをさらに備えていてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、第1ブラシおよび第2ブラシの着脱作業を、より容易なものとすることができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記第1ブラシ体は、前記第1ブラシシャフトの前記一方の端部から中央に向かって第1方向に回転する螺旋状に前記第1ブラシシャフトの表面に植毛されており、前記第1ブラシシャフトの前記他方の端部から中央に向かって前記第1方向とは反対方向である第2方向に回転する螺旋状に前記第1ブラシシャフトの表面に植毛された第1ブラシ毛を備えていてもよい。前記第2ブラシ体は、前記第2ブラシシャフトの前記一方の端部から中央に向かって前記第2方向に回転する螺旋状に前記第2ブラシシャフトの表面に植毛されており、前記第2ブラシシャフトの前記他方の端部から中央に向かって前記第1方向に回転する螺旋状に前記第2ブラシシャフトの表面に植毛された第2ブラシ毛を備えていてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、第1ブラシと第2ブラシが、それぞれ、いわゆるV字型の植毛パターンを有する場合であっても、第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用することができる。
【0027】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記清掃装置は、駆動シャフトと、前記駆動シャフトの回転を前記第1ブラシ取付部材に伝達する第1回転伝達機構と、前記駆動シャフトの回転を前記第2ブラシ取付部材に伝達する第2回転伝達機構を備えていてもよい。前記駆動シャフトが回転した時に、前記第1ブラシ取付部材と前記第2ブラシ取付部材は互いに反対方向に回転してもよい。
【0028】
上記の構成によれば、第1ブラシと第2ブラシが反対方向に回転するので、作業面のごみやほこりを効果的に掃き上げることができる。
【0029】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記清掃装置は、車輪と、前記車輪に支持された車台をさらに備えていてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、作業面上を車輪で移動しながら清掃を行う清掃装置において、第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用可能とすることができる。
【0031】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記清掃装置は、前記車台から後方上方に延びており、ユーザが把持可能なハンドルをさらに備えていてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、ユーザがハンドルを把持して操作する清掃装置において、第1ブラシおよび第2ブラシに共通のブラシを使用可能とすることができる。
【0033】
(実施例)
図1に示すように、清掃装置2は、本体ユニット4と、ハンドルユニット6を備えている。本体ユニット4は、前方の左右方向中央で作業面に接地する前輪8と、後方右方で作業面に接地する右後輪10と、後方左方で作業面に接地する左後輪12(
図2参照)を備えている。
図2に示すように、本体ユニット4の後方にはダストコンテナ13が着脱可能に取り付けられている。ハンドルユニット6は、本体ユニット4の後方上部に接続されている。ユーザが清掃装置2の後方に立ち、ハンドルユニット6の上部を両手で把持して前方へ押し出すことで、前輪8と、右後輪10と、左後輪12が回転して、本体ユニット4が作業面に沿って前方へ向けて移動する。
図1に示すように、本体ユニット4の前端には、本体ユニット4の前方を照らす前照灯9が設けられている。
【0034】
図3に示すように、本体ユニット4は、前輪8と、右後輪10と、左後輪12を支持する車台14を備えている。前輪8は、いわゆる回転キャスタであって、車輪8aが支持具8bに左右方向に延びる回転軸周りに回転可能に支持されているとともに、支持具8bが車台14に上下方向に延びる回動軸周りに回動可能に支持されている。右後輪10は、車台14に固定された右後輪プレート16(
図6参照)に左右方向に延びる回転軸周りに回転可能に支持されている。左後輪12は、車台14に固定された左後輪プレート18に左右方向に延びる回転軸周りに回転可能に支持されている。右後輪10の回転軸と左後輪12の回転軸は同軸上に配置されている。
【0035】
(前方メインブラシ20および後方メインブラシ22)
車台14の下方には、前方メインブラシ20と、後方メインブラシ22が、前後に並んで配置されている。清掃装置2では、前方メインブラシ20が、下端が後方に向かう方向に回転し、後方メインブラシ22が、下端が前方に向かう方向に回転することで、作業面上のごみを掻き上げる。前方メインブラシ20と後方メインブラシ22は、本体ユニット4に設けられたメインブラシユニット23(
図9参照)に取り付けられる。
【0036】
図4に示すように、前方メインブラシ20は、ロールブラシ24と、ブラシキャップ26を備えている。ロールブラシ24は、左右方向に延びる略円柱形状のブラシシャフト24aと、ブラシシャフト24aの表面に植毛されたブラシ毛24bを備えている。後方メインブラシ22は、ロールブラシ28と、ブラシキャップ30を備えている。ロールブラシ28は、左右方向に延びる略円柱形状のブラシシャフト28aと、ブラシシャフト28aの表面に植毛されたブラシ毛28bを備えている。なお、添付の図面においては、図示の明瞭化のため、ブラシ毛24b、28bについては、それぞれのブラシ毛24b、28bの先端の包絡面の形状のみを図示しており、詳細な図示を省略している。前方メインブラシ20では、ブラシ毛24bは、ブラシシャフト24aの中央より右側では、ブラシシャフト24aの右端から中央に向かって反時計回りに進む螺旋状に植毛されており、ブラシシャフト24a中央より左側では、ブラシシャフト24aの左端から中央に向かって時計回りに進む螺旋状に植毛されている。後方メインブラシ22では、ブラシ毛28bは、ブラシシャフト28aの中央より右側では、ブラシシャフト28aの右端から中央に向かって時計回りに進む螺旋状に植毛されており、ブラシシャフト28aの中央より左側では、ブラシシャフト28aの左端から中央に向かって反時計回りに進む螺旋状に植毛されている。
【0037】
ブラシシャフト24aの右端には、略円柱形状の円柱溝24cと、円柱溝24cから延びる係合溝24dが形成されている。係合溝24dは、径方向に延びる直線状の溝形状を有している。本実施例では、係合溝24dは、-字状の溝形状を有している。
図5に示すように、ブラシシャフト24aの左端には、略円柱形状の円柱溝24eと、円柱溝24eから延びる係合溝24fが形成されている。係合溝24fは、それぞれが径方向に延びており、互いに直交する複数の直線状の溝形状を有している。本実施例では、係合溝24fは、+字状の溝形状を有している。係合溝24fの溝幅は、係合溝24dの溝幅よりも小さい。ブラシシャフト28aの左端には、略円柱形状の円柱溝28cと、円柱溝28cから延びる係合溝28dが形成されている。係合溝28dは、径方向に延びる直線状の溝形状を有している。本実施例では、係合溝28dは、-字状の溝形状を有している。
図4に示すように、ブラシシャフト28aの右端には、略円柱形状の円柱溝28eと、円柱溝28eから延びる係合溝28fが形成されている。係合溝28fは、それぞれが径方向に延びており、互いに直交する複数の直線状の溝形状を有している。本実施例では、係合溝28fは、+字状の溝形状を有している。係合溝28fの溝幅は、係合溝28dの溝幅よりも小さい。
【0038】
ブラシキャップ26は、ブラシシャフト24aの左端を覆うキャップ部26aと、キャップ部26aの外面に形成された保持溝26b(
図5参照)と、キャップ部26aの内面から突出する略円筒形状の円筒部26cと、円筒部26cの側面から延びる係合部26dを備えている。係合部26dは、径方向に延びる直線状のリブ形状を有している。本実施例では、係合部26dは、-字状のリブ形状を有している。円筒部26cの直径は、ブラシシャフト24aの円柱溝24c、24eの直径よりもわずかに小さい。係合部26dのリブ幅は、ブラシシャフト24aの係合溝24dの溝幅よりも小さく、係合溝24fの溝幅よりも小さい。このため、ブラシキャップ26をブラシシャフト24aの左端に取り付けると、円筒部26cが円柱溝24eに入り込むとともに、係合部26dが係合溝24fに入り込む。ブラシキャップ30は、ブラシシャフト28aの左端を覆うキャップ部30aと、キャップ部30aの外面に形成された保持溝30b(
図5参照)と、キャップ部30aの内面から突出する略円筒形状の円筒部30cと、円筒部30cの側面から係合部30dを備えている。係合部30dは、径方向に延びる直線状のリブ形状を有している。本実施例では、係合部30dは、-字状のリブ形状を有している。円筒部30cの直径は、ブラシシャフト28aの円柱溝28c、28eの直径よりもわずかに小さい。係合部30dのリブ幅は、ブラシシャフト28aの係合溝28dの溝幅よりも小さく、係合溝28fの溝幅よりも小さい。このため、ブラシキャップ30をブラシシャフト28aの左端に取り付けると、円筒部30cが円柱溝28cに入り込むとともに、係合部30dが係合溝28dに入り込む。
【0039】
ロールブラシ28は、左右をひっくり返した時に、ロールブラシ24と同一の形状および構成を有している。このため、ロールブラシ24とロールブラシ28には共通の部品を使用することができる。また、ブラシキャップ26は、ブラシキャップ30と同一の形状および構成を有している。このため、ブラシキャップ26とブラシキャップ30には共通の部品を使用することができる。
【0040】
前方メインブラシ20は、右端がメインブラシユニット23の右前ブラシ取付部32(
図6参照)に取り付けられ、左端がメインブラシユニット23の左前ブラシ取付部34(
図7参照)に取り付けられる。後方メインブラシ22は、右端がメインブラシユニット23の右後ブラシ取付部36(
図6参照)に取り付けられ、左端がメインブラシユニット23の左後ブラシ取付部38(
図7参照)に取り付けられる。
図6に示すように、右前ブラシ取付部32と右後ブラシ取付部36は、本体ユニット4の右下部に配置されている。
図7に示すように、左前ブラシ取付部34と左後ブラシ取付部38は、本体ユニット4の左下部に配置されている。
【0041】
図6に示すように、右前ブラシ取付部32は、従動シャフト40と、ホルダ42を備えている。ホルダ42は、従動シャフト40を左右方向を回転軸として回転可能に保持している。従動シャフト40は、略円筒形状に突出する円筒部40aと、円筒部40aから延びる係合部40bを備えている。係合部40bは、径方向に延びる直線状のリブ形状を有している。本実施例では、係合部40bは、-字状のリブ形状を有している。円筒部40aの直径は、前方メインブラシ20のブラシシャフト24aの円柱溝24cの直径よりもわずかに小さい。係合部40bのリブ幅は、前方メインブラシ20のブラシシャフト24aの係合溝24dの溝幅よりもわずかに小さく、後方メインブラシ22のブラシシャフト28aの係合溝24fの溝幅よりも大きい。このため、従動シャフト40には、前方メインブラシ20の右端を取り付けることができるが、後方メインブラシ22の右端を取り付けることはできない。このような構成とすることによって、右前ブラシ取付部32に後方メインブラシ22が誤って取り付けられてしまうことを抑制することができる。
【0042】
右後ブラシ取付部36は、従動シャフト44と、ホルダ46を備えている。ホルダ46は、従動シャフト44を左右方向を回転軸として回転可能に保持している。従動シャフト44は、略円筒形状に突出する円筒部44aと、円筒部44aから延びる係合部44bを備えている。係合部44bは、それぞれが径方向に延びており、互いに直交する複数の直線状のリブ形状を有している。本実施例では、係合部44bは、+字状のリブ形状を有している。円筒部44aの直径は、後方メインブラシ22のブラシシャフト28aの円柱溝28eの直径よりもわずかに小さい。係合部44bのリブ幅は、後方メインブラシ22のブラシシャフト28aの係合溝28fの溝幅よりもわずかに小さい。このため、従動シャフト44には、後方メインブラシ22の右端を取り付けることができるが、前方メインブラシ20の右端を取り付けることはできない。このような構成とすることによって、右後ブラシ取付部36に前方メインブラシ20が誤って取り付けられてしまうことを抑制することができる。
【0043】
図7に示すように、左前ブラシ取付部34は、プランジャピン48と、ホルダ50と、圧縮バネ52(
図8参照)を備えている。
図8に示すように、ホルダ50は、プランジャピン48を左右方向に移動可能かつ左右方向を回転軸として回転可能に保持している。圧縮バネ52は、ホルダ50の内部に収容されており、プランジャピン48をホルダ50に対して右方に向けて付勢している。プランジャピン48の先端は、略半球形状を有している。
図7に示すように、左後ブラシ取付部38は、プランジャピン54と、ホルダ56と、圧縮バネ58(
図8参照)を備えている。
図8に示すように、ホルダ56は、プランジャピン54を左右方向に移動可能かつ左右方向を回転軸として回転可能に保持している。圧縮バネ58は、ホルダ56の内部に収容されており、プランジャピン54をホルダ56に対して右方に向けて付勢している。プランジャピン54の先端は、略半球形状を有している。
【0044】
前方メインブラシ20を本体ユニット4に取り付ける際には、まず、
図8に示すように、ブラシキャップ26の保持溝26bに左前ブラシ取付部34のプランジャピン48を入り込ませて、前方メインブラシ20を左前ブラシ取付部34に向けて押し込む。これによって、プランジャピン48が圧縮バネ52の付勢力に抗して左方に向けて移動し、前方メインブラシ20の右端が右前ブラシ取付部32より左方に配置される。この状態から、前方メインブラシ20の右端の円柱溝24c(
図4参照)に右前ブラシ取付部32の円筒部40a(
図6参照)を入り込ませるとともに、前方メインブラシ20の右端の係合溝24d(
図4参照)に右前ブラシ取付部32の係合部40b(
図6参照)を入り込ませる。これによって、前方メインブラシ20が右前ブラシ取付部32と左前ブラシ取付部34に取り付けられる。この状態では、圧縮バネ52の付勢力によって、左前ブラシ取付部34のプランジャピン48が前方メインブラシ20のブラシキャップ26に押し付けられているとともに、前方メインブラシ20のブラシシャフト24a(
図4参照)が右前ブラシ取付部32の従動シャフト40(
図6参照)に押し付けられている。このため、前方メインブラシ20が、右前ブラシ取付部32や左前ブラシ取付部34から不意に脱落してしまうことを抑制することができる。なお、前方メインブラシ20を本体ユニット4から取り外す際には、前方メインブラシ20を、圧縮バネ52の付勢力に抗して左前ブラシ取付部34に向けて押し込む。これによって、前方メインブラシ20の右端の円柱溝24cから右前ブラシ取付部32の円筒部40aが抜け出るとともに、前方メインブラシ20の右端の係合溝24dから右前ブラシ取付部32の係合部40bが抜け出る。その後、前方メインブラシ20を右下方に向けて移動させることで、ブラシキャップ26の保持溝26bから左前ブラシ取付部34のプランジャピン48が抜け出す。これによって、前方メインブラシ20が右前ブラシ取付部32と左前ブラシ取付部34から取り外される。
【0045】
同様に、後方メインブラシ22を本体ユニット4に取り付ける際には、まず、
図8に示すように、ブラシキャップ30の保持溝30bに左後ブラシ取付部38のプランジャピン54を入り込ませて、後方メインブラシ22を左後ブラシ取付部38に向けて押し込む。これによって、プランジャピン54が圧縮バネ58の付勢力に抗して左方に向けて移動し、後方メインブラシ22の右端が右後ブラシ取付部36より左方に配置される。この状態から、後方メインブラシ22の右端の円柱溝28e(
図4参照)に右後ブラシ取付部36の円筒部44a(
図6参照)を入り込ませるとともに、後方メインブラシ22の右端の係合溝28f(
図4参照)に右後ブラシ取付部36の係合部44b(
図6参照)を入り込ませる。これによって、後方メインブラシ22が右後ブラシ取付部36と左後ブラシ取付部38に取り付けられる。この状態では、圧縮バネ58の付勢力によって、左後ブラシ取付部38のプランジャピン54が後方メインブラシ22のブラシキャップ30に押し付けられているとともに、後方メインブラシ22のブラシシャフト28a(
図4参照)が右後ブラシ取付部36の従動シャフト44(
図6参照)に押し付けられている。このため、後方メインブラシ22が、右後ブラシ取付部36や左後ブラシ取付部38から不意に脱落してしまうことを抑制することができる。なお、後方メインブラシ22を本体ユニット4から取り外す際には、後方メインブラシ22を、圧縮バネ58の付勢力に抗して左後ブラシ取付部38に向けて押し込む。これによって、後方メインブラシ22の右端の円柱溝28eから右後ブラシ取付部36の円筒部44aが抜け出るとともに、後方メインブラシ22の右端の係合溝28fから右後ブラシ取付部36の係合部44bが抜け出る。その後、後方メインブラシ22を右下方に向けて移動させることで、ブラシキャップ30の保持溝30bから左後ブラシ取付部38のプランジャピン54が抜け出す。これによって、後方メインブラシ22が右後ブラシ取付部36と左後ブラシ取付部38から取り外される。
【0046】
(メインブラシユニット23)
図9に示すように、右前ブラシ取付部32と右後ブラシ取付部36は、右ブラシプレート60に支持されており、左前ブラシ取付部34と左後ブラシ取付部38は、左ブラシプレート62に支持されている。右前ブラシ取付部32のホルダ42(
図6参照)と、右後ブラシ取付部36のホルダ46(
図6参照)は、それぞれ、右ブラシプレート60を左方から右方に貫通した状態で、右ブラシプレート60に固定されている。右前ブラシ取付部32の従動シャフト40と、右後ブラシ取付部36の従動シャフト44は、それぞれ、右ブラシプレート60よりも右方まで突出している。左前ブラシ取付部34のホルダ50と、左後ブラシ取付部38のホルダ56は、それぞれ、左ブラシプレート62を右方から左方に貫通した状態で、左ブラシプレート62に固定されている。右ブラシプレート60と左ブラシプレート62は、リンク部材64によって連結されている。リンク部材64は、左右方向に長手方向を有するC字型のチャネル材である。リンク部材64の右端は右ブラシプレート60の前上部に固定されており、リンク部材64の左端は左ブラシプレート62の前上部に固定されている。以下では、右ブラシプレート60と、左ブラシプレート62と、リンク部材64を総称して、メインブラシ支持部材63ともいう。
【0047】
図6に示すように、右ブラシプレート60は、車台14よりも右方に配置されている。右前ブラシ取付部32のホルダ42は、車台14に形成された右前開口66を右方から左方に向けて貫通しており、右後ブラシ取付部36のホルダ46は、車台14に形成された右後開口68を右方から左方に向けて貫通している。右前ブラシ取付部32のホルダ42は、略円筒形状の円筒部42aを有している。円筒部42aの軸は、従動シャフト40の軸と略一致している。車台14の右前開口66は、円筒部42aの側面形状に対応する上縁66aと下縁66bを備えている。ホルダ46の円筒部42aは車台14の右前開口66の上縁66aと下縁66bに回動可能に支持されており、これによって、右ブラシプレート60は車台14に回動可能に支持されている。
【0048】
図7に示すように、左ブラシプレート62は、車台14よりも左方に配置されている。左前ブラシ取付部34のホルダ50は、車台14に形成された左前開口70を左方から右方に向けて貫通しており、左後ブラシ取付部38のホルダ56は、車台14に形成された左後開口72を右方から左方に向けて貫通している。左前ブラシ取付部34のホルダ50は、略円筒形状の円筒部50aを有している。円筒部50aの軸は、プランジャピン48の軸と略一致している。車台14の左前開口70は、円筒部50aの側面形状に対応する上縁70aと下縁70bを備えている。ホルダ50の円筒部50aは車台14の左前開口70の上縁70aと下縁70bに回動可能に支持されており、これによって、左ブラシプレート62は車台14に回動可能に支持されている。
【0049】
図9に示すように、右ブラシプレート60の上部には、ブラシ用モータ74と、減速機構76が取り付けられている。ブラシ用モータ74の出力軸は左右方向に沿っている。ブラシ用モータ74は、減速機構76に支持されている。減速機構76は、例えば遊星歯車減速機構である。減速機構76は、右ブラシプレート60を左方から右方に貫通した状態で、右ブラシプレート60に固定されている。減速機構76は、右ブラシプレート60よりも右方まで突出する駆動シャフト77に連結している。減速機構76は、ブラシ用モータ74の出力軸の回転を、減速して駆動シャフト77に伝達する。
【0050】
右ブラシプレート60の右側には、駆動プーリ78と、ガイドプーリ80と、前方従動プーリ82と、後方従動プーリ84と、テンショナプーリ86が設けられている。駆動プーリ78は、駆動シャフト77に固定されている。ガイドプーリ80は、右ブラシプレート60の前下部で、右ブラシプレート60に回転可能に支持されている。前方従動プーリ82は、右前ブラシ取付部32の従動シャフト40に固定されている。後方従動プーリ84は、右後ブラシ取付部36の従動シャフト44に固定されている。テンショナプーリ86は、テンショナプレート88に回転可能に支持されている。テンショナプレート88は、右ブラシプレート60に回動軸88a周りに回動可能に支持されている。また、テンショナプレート88は、引張バネ90を介して、右ブラシプレート60に連結されている。引張バネ90によって、テンショナプレート88は右ブラシプレート60に対して、テンショナプーリ86が後方から前方へ向かう回動方向に付勢されている。駆動プーリ78と、ガイドプーリ80と、前方従動プーリ82と、後方従動プーリ84と、テンショナプーリ86には、メイン駆動ベルト92が架け渡されている。メイン駆動ベルト92は、駆動プーリ78の前方からガイドプーリ80の前方へ架け渡され、ガイドプーリ80の後方から前方従動プーリ82の前方へ架け渡され、前方従動プーリ82の上方から後方従動プーリ84の下方へ架け渡され、後方従動プーリ84の上方からテンショナプーリ86の下方へ架け渡され、テンショナプーリ86の前方から駆動プーリ78の後方へ架け渡されている。これによって、右ブラシプレート60を右方から見た時に、駆動プーリ78が反時計回りに回転すると、前方従動プーリ82が時計回りに回転するとともに、後方従動プーリ84が反時計回りに回転する。すなわち、右ブラシプレート60を右方から見た時に、ブラシ用モータ74の駆動によって駆動シャフト77が反時計回りに回転すると、右前ブラシ取付部32の従動シャフト40が時計回りに回転して前方メインブラシ20が時計回りに回転するとともに、右後ブラシ取付部36の従動シャフト44が反時計回りに回転して後方メインブラシ22が反時計回りに回転する。以下では、駆動プーリ78と、前方従動プーリ82と、メイン駆動ベルト92を総称して前方メインブラシ回転伝達機構81ともいい、駆動プーリ78と、後方従動プーリ84と、メイン駆動ベルト92を総称して後方メインブラシ回転伝達機構83ともいう。また、前方メインブラシ回転伝達機構81と後方メインブラシ回転伝達機構83を合わせて、メインブラシ回転伝達機構85ともいう。なお、引張バネ90の付勢力によって、テンショナプーリ86がメイン駆動ベルト92に押し付けられていることで、メイン駆動ベルト92が弛んでしまうことが抑制されている。
【0051】
右ブラシプレート60の後上部には、後方上方に向けて延びるカム片60aが形成されている。カム片60aには、長孔60bが形成されている。長孔60bの長軸は、従動シャフト40の回転軸(すなわち、右ブラシプレート60が車台14に対して回動する際の回動軸)と長孔60bの中心を通る直線に沿っている。
【0052】
右ブラシプレート60の近傍には、メインブラシ昇降レバー94が設けられている。メインブラシ昇降レバー94は、上下方向に延びる操作アーム94aと、操作アーム94aの上端に設けられたグリップ94bと、操作アーム94aのグリップ94bよりも下方に形成されたシャッタ支持部94cと、操作アーム94aのシャッタ支持部94cよりも下方に形成されたピン支持部94dと、操作アーム94aのピン支持部94dよりも下方に形成されたバネ支持部94eと、操作アーム94aの下端から屈曲して前方下方に延びる駆動アーム94fと、駆動アーム94fの下端近傍から右方に突出するカム突起94gを備えている。メインブラシ昇降レバー94は、操作アーム94aと駆動アーム94fの接続箇所において、右ハンドルプレート96にボルト98を介して取り付けられている。右ハンドルプレート96は、車台14に固定されている。メインブラシ昇降レバー94は、ボルト98を介して左右方向に延びる回動軸周りに回動可能に右ハンドルプレート96に支持されている。また、メインブラシ昇降レバー94は、ボルト98を支点として、右ハンドルプレート96に対して左右方向にわずかに傾動可能である。メインブラシ昇降レバー94のカム突起94gは、右ブラシプレート60の長孔60bに入り込んでいる。このため、メインブラシ昇降レバー94が右ハンドルプレート96に対して前後方向に回動すると、カム突起94gが長孔60bの縁を押圧することで、右ブラシプレート60も車台14に対して前後方向に回動する。以下では、右ブラシプレート60のカム片60aとメインブラシ昇降レバー94のカム突起94gを総称してメインブラシ回動機構95ともいい、メインブラシ昇降レバー94と右ハンドルプレート96を総称してメインブラシ操作部97ともいう。
【0053】
図10に示すように、メインブラシ昇降レバー94が後方に引き起こされた状態では、右ブラシプレート60は車台14に対して、右前ブラシ取付部32の従動シャフト40の上下方向の位置と右後ブラシ取付部36の従動シャフト44の上下方向の位置が略一致する回動角度となる。この場合、前方メインブラシ20の下端と後方メインブラシ22の下端の上下方向の位置は、前輪8の下端や、右後輪10の下端、左後輪12の下端の上下方向の位置と略一致する。
【0054】
図11に示すように、メインブラシ昇降レバー94が前方に押し倒されると、右ブラシプレート60は車台14に対して、右後ブラシ取付部36の従動シャフト44が下方へ移動する方向に回動する。
図11に示す状態では、右後ブラシ取付部36の従動シャフト44は、右前ブラシ取付部32の従動シャフト40よりも下方に位置する。この場合、前方メインブラシ20の下端の上下方向の位置は、
図10に示す状態と同様であるが、後方メインブラシ22の下端は、前輪8の下端や、右後輪10の下端、左後輪12の下端よりも下方に位置する。このため、後方メインブラシ22のブラシ毛28bを作業面に対して強く押し付けることができる。
【0055】
図9に示すように、右ハンドルプレート96には、複数の位置決め孔96aと、円弧状の長孔96bが形成されている。複数の位置決め孔96aは、メインブラシ昇降レバー94のピン支持部94dに対応して配置されている。長孔96bは、メインブラシ昇降レバー94のバネ支持部94eに対応して配置されている。
【0056】
図12に示すように、メインブラシ昇降レバー94のピン支持部94dには、位置決めピン100が取り付けられている。位置決めピン100が、右ハンドルプレート96の複数の位置決め孔96aのうちの1つに入り込んだ状態では、メインブラシ昇降レバー94の右ハンドルプレート96に対する回動が規制される。メインブラシ昇降レバー94のバネ支持部94eは、右ハンドルプレート96の長孔96bを右方から左方に貫通している。バネ支持部94eには、バネ支持部94eの左端に固定された第1ワッシャ102と、右ハンドルプレート96の左面と当接する第2ワッシャ104と、第1ワッシャ102を第2ワッシャ104に対して左方に向けて付勢する圧縮バネ106が取り付けられている。ユーザがメインブラシ昇降レバー94を操作していない状態では、圧縮バネ106の付勢力によって、メインブラシ昇降レバー94は右ハンドルプレート96に対して左方に傾動しており、位置決めピン100は、複数の位置決め孔96aのうちの1つに入り込んでいる。ユーザが、圧縮バネ106の付勢力に抗してメインブラシ昇降レバー94を右方に傾動させて、位置決めピン100を位置決め孔96aから抜け出させると、メインブラシ昇降レバー94の右ハンドルプレート96に対する回動が許容される。この状態で、ユーザは、メインブラシ昇降レバー94を前後方向に回動させることで、後方メインブラシ22を所望の上下方向の位置に調整することができる。後方メインブラシ22の上下方向の位置を調整した後、ユーザが、メインブラシ昇降レバー94から手を離すと、圧縮バネ106の付勢力によって、メインブラシ昇降レバー94は右ハンドルプレート96に対して左方に傾動し、位置決めピン100が、複数の位置決め孔96aのうちの対応する1つに入り込む。このような構成とすることによって、後方メインブラシ22の上下方向の位置を複数の段階で調整することができる。
【0057】
図13に示すように、メインブラシ昇降レバー94の操作アーム94aは、車台14の上方を覆うボディカバー108のレバー用開口108aを下方から上方に貫通しており、メインブラシ昇降レバー94のグリップ94bは、ボディカバー108の外部に配置されている。ユーザからレバー用開口108aを介して本体ユニット4の内部が視認できないように、メインブラシ昇降レバー94にはシャッタ部材110が取り付けられている。
【0058】
図9に示すように、シャッタ部材110は、略長方形状の板材を前後に湾曲させた形状を有している。シャッタ部材110は、長孔110aを有している。シャッタ部材110は、メインブラシ昇降レバー94の操作アーム94aが長孔110aを貫通した状態で、メインブラシ昇降レバー94のシャッタ支持部94cに載置されている。シャッタ支持部94cは、シャッタ部材110に対応して、長方形を前後に湾曲させた形状を有している。シャッタ部材110は、シャッタ支持部94cに摺動可能に支持されている。シャッタ支持部94cは、操作アーム94aが長孔110a内のどのような位置にある場合であっても、長孔110aを閉塞する寸法および形状を有している。また、
図13に示すように、シャッタ部材110は、操作アーム94aが長孔110a内でどのような位置にある場合であっても、かつ、操作アーム94aがレバー用開口108a内でどのような位置にある場合であっても、シャッタ支持部94cとともに、レバー用開口108aを閉塞する寸法および形状を有している。このような構成とすることによって、ユーザがレバー用開口108aを介して本体ユニット4の内部を視認することを抑制することができる。
【0059】
(ダストコンテナ13)
図3に示すように、前方メインブラシ20と後方メインブラシ22によって掻き上げられたごみは、車台14の下面に沿って前方から後方へ移動し、車台14の後方のダストコンテナ13へ送られる。
【0060】
図14に示すように、ダストコンテナ13は、前方上方を向いた開口13aを有している。ダストコンテナ13の内部には、前方から後方に向かうにつれて上方から下方へ向かうように傾斜した仕切り部13bが設けられている。ダストコンテナ13の内部は、仕切り部13bによって、下収容室13cと、上収容室13dに区画されている。仕切り部13bの前縁には、切り欠き13eが形成されている。本体ユニット4からダストコンテナ13に送られたごみのうち、大きなごみは下収容室13cに収容され、小さなごみは上収容室13dに収容される。このような構成とすることによって、仕切り部13bが無い場合に比べて、より多くのごみを収容することができる。また、仕切り部13bに切り欠き13eを形成することで、ごみが上収容室13dに移動しやすくすることができる。ダストコンテナ13の下面の前端近傍には、左右方向に延びる係合溝13fが形成されている。また、ダストコンテナ13の上面の前端近傍には、ラッチ13gが設けられている。
【0061】
図15に示すように、本体ユニット4の後下部には、係合シャフト112が設けられている。係合シャフト112の右端は、右後輪プレート16に固定されており、係合シャフト112の左端は、左後輪プレート18に固定されている。また、本体ユニット4の後上部には、車台14に固定されたダクト114が設けられている。車台14の後端とダクト114の後端は、後方下方を向く開口116を形成している。車台14の後端とダクト114の後端には、開口116の上方、右方および左方を取り囲むゴム製のシール部材118が取り付けられている。ダクト114の上面の後端近傍には、ラッチ受け114aが形成されている。
【0062】
図3に示すように、ダストコンテナ13を本体ユニット4に取り付ける際には、まずダストコンテナ13を後方に倒した状態でダストコンテナ13の係合溝13fに本体ユニット4の係合シャフト112に係合させ、その後にダストコンテナ13を前方に起こしてダストコンテナ13のラッチ13gを本体ユニット4のラッチ受け114aに係合させる。ダストコンテナ13を本体ユニット4に取り付けた状態では、シール部材118が、車台14とダストコンテナ13の間、およびダクト114とダストコンテナ13の間の隙間を封止するので、本体ユニット4からダストコンテナ13へ送られるごみが外部に漏れ出ることを抑制することができる。ダストコンテナ13を本体ユニット4から取り外す際には、まずダストコンテナ13のラッチ13gを本体ユニット4のラッチ受け114aから係合解除させ、その後にダストコンテナ13を後方に倒してダストコンテナ13を本体ユニット4の後方に移動させる。これによって、ダストコンテナ13の係合溝13fから本体ユニット4の係合シャフト112が抜け出して、ダストコンテナ13を本体ユニット4から取り外すことができる。ダストコンテナ13を本体ユニット4から取り外す際に、ダストコンテナ13はまず後方に倒した状態とされるので、ダストコンテナ13内に収容されたごみがダストコンテナ13からこぼれ出てしまうことを抑制することができる。
【0063】
(フィルタユニット120およびファンユニット122)
図16に示すように、ダクト114には、フィルタユニット120と、ファンユニット122が取り付けられている。清掃装置2では、ファンユニット122がダクト114とフィルタユニット120を介して空気を吸引することで、車台14の下方からダストコンテナ13へ向かう空気の流れを生じさせる。これによって、前方メインブラシ20と後方メインブラシ22によって掻き上げられたごみのダストコンテナ13への移動が促進される。
【0064】
図17に示すように、フィルタユニット120は、フィルタホルダ124と、メインフィルタ126と、スポンジフィルタ128と、プレフィルタ130を備えている。フィルタホルダ124は、複数の通気孔124aと、内側上フィルタ保持部124bと、内側下フィルタ保持部124cと、内側右案内リブ124dと、内側左案内リブ124eと、外側右フィルタ保持部124fと、外側左フィルタ保持部124gと、モータ保持部124h(
図18参照)と、シール保持部124iを備えている。内側上フィルタ保持部124bと、内側下フィルタ保持部124cと、内側右案内リブ124dと、内側左案内リブ124eと、外側右フィルタ保持部124fと、外側左フィルタ保持部124gは、フィルタホルダ124の後面側に形成されている。モータ保持部124h(
図18参照)は、フィルタホルダ124の前面側に形成されている。シール保持部124iは、フィルタホルダ124の外周面に形成されている。
【0065】
メインフィルタ126は、いわゆるHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタである。メインフィルタ126は、フィルタホルダ124に着脱可能に取り付けられている。メインフィルタ126は、フィルタ本体126aと、フィルタ本体126aを保持するフィルタフレーム126bを備えている。フィルタフレーム126bには、内側上フィルタ保持部124bに係合可能な上係合部126cと、内側下フィルタ保持部124cに係合可能な下係合部126dが形成されている。メインフィルタ126は、下係合部126dを内側下フィルタ保持部124cに差し込んだ状態で、フィルタフレーム126bを内側右案内リブ124dと内側左案内リブ124eの間でフィルタホルダ124の後面に当接させて、上係合部126cを内側上フィルタ保持部124bに係合させることで、フィルタホルダ124に取り付けられる。メインフィルタ126をフィルタホルダ124に取り付けた状態では、メインフィルタ126のフィルタ本体126aがフィルタホルダ124の複数の通気孔124aの後方側を覆っている。スポンジフィルタ128は、プレフィルタ130の内部に収容されている。スポンジフィルタ128とプレフィルタ130をフィルタホルダ124に取り付けた状態では、スポンジフィルタ128はメインフィルタ126のフィルタ本体126aの後方側を覆っている。プレフィルタ130は、フィルタホルダ124に着脱可能に取り付けられている。プレフィルタ130は、布フィルタ130aと、布フィルタ130aを保持するフィルタフレーム130bを備えている。フィルタフレーム130bには、外側右フィルタ保持部124fに係合可能な右係合部130cと、外側左フィルタ保持部124gに係合可能な左係合部130dが形成されている。プレフィルタ130は、左係合部130dを外側左フィルタ保持部124gに差し込んだ状態で、フィルタフレーム130bをフィルタホルダ124の後面に当接させて、右係合部130cを外側右フィルタ保持部124fに係合させることで、フィルタホルダ124に取り付けられる。プレフィルタ130をフィルタホルダ124に取り付けた状態では、布フィルタ130aがスポンジフィルタ128を後方側から覆っている。
【0066】
図18に示すように、フィルタホルダ124のモータ保持部124hには、フィルタ用モータ132が取り付けられている。フィルタ用モータ132は、例えば直流ブラシ付きモータである。なお、フィルタ用モータ132は、直流ブラシレスモータであってもよいし、交流モータであってもよい。フィルタ用モータ132は、上方に突出する上出力軸132aと、下方に突出する下出力軸132bを備えている。上出力軸132aには、上偏心おもり134が固定されている。下出力軸132bには、下偏心おもり136が固定されている。フィルタ用モータ132と、上偏心おもり134と、下偏心おもり136は、モータカバー138(
図16参照)によって前方を覆われている。モータカバー138は、フィルタホルダ124に固定されている。
【0067】
図16に示すように、シール保持部124iには、シール部材140が取り付けられている。シール部材140は、略正方形状の断面形状を有しており、全体が円環形状であるゴム製部材であって、フィルタホルダ124の外側面を取り囲んでいる。ダクト114には、後方に向けて開口した流入口114bが形成されている。ダクト114の流入口114bの縁には、フィルタユニット120を取付可能なフィルタユニット取付部114cが形成されている。フィルタユニット120は、シール部材140を介して、フィルタユニット取付部114cに取り付けられている。
【0068】
ファンユニット122が空気を吸引すると、プレフィルタ130の布フィルタ130aの後面には、粉塵が付着する。布フィルタ130aに多くの粉塵が付着すると、ファンユニット122による空気の吸引がスムーズに行われなくなる。フィルタ用モータ132が駆動すると、上偏心おもり134(
図18参照)と下偏心おもり136(
図18参照)の回転によってフィルタ用モータ132が振動し、それによって、フィルタホルダ124と、メインフィルタ126と、スポンジフィルタ128と、プレフィルタ130が、ダクト114に対して振動する。これによって、布フィルタ130aの後面に付着した粉塵が振り落とされて、ダストコンテナ13に収容される。なお、フィルタホルダ124とダクト114の間にシール部材140が介在しているので、フィルタ用モータ132の振動によってフィルタホルダ124を振動しやすくすることができる。
【0069】
ダクト114は、フィルタユニット120を通過した空気が右方から左方に向けて流れる空気流路114dを備えている。空気流路114dの左端近傍には、ダクト114から空気が流出する流出口114eが形成されている。流出口114eは、前方に向けて開口している。
【0070】
ファンユニット122は、電動ファン142と、消音ボックス144を備えている。電動ファン142は、ダクト114の流出口114eに対向して配置されている。電動ファン142は、ファン用モータ146と、遠心ファン148を備えている。ファン用モータ146は、例えばインナロータ型の直流ブラシレスモータである。なお、ファン用モータ146は、アウタロータ型のモータであってもよいし、直流ブラシ付きモータであってもよいし、交流モータであってもよい。ファン用モータ146の出力軸146aは、前後方向に延びている。遠心ファン148は、出力軸146aに固定されている。ファン用モータ146が駆動すると、遠心ファン148が回転することで、ダクト114の空気が流出口114eを介して吸い出される。
【0071】
図19に示すように、消音ボックス144は、ファン収容室144aと、第1拡張室144bと、第2拡張室144cを備えている。ファン収容室144aには、電動ファン142が収容されている。ファン収容室144aと第1拡張室144bは、第1仕切り壁144dによって区画されている。第1仕切り壁144dは、上下方向に関して、消音ボックス144の上内面から下内面まで延びている。また、
図16に示すように、第1仕切り壁144dは、左右方向に関して、消音ボックス144の右内面から左方に延びている。第1仕切り壁144dの左端と消音ボックス144の左内面の間には、空隙が設けられている。
図19に示すように、第1拡張室144bと第2拡張室144cは、第2仕切り壁144eによって区画されている。
図16に示すように、第2仕切り壁144eは、左右方向に関して、消音ボックス144の右内面から左内面まで延びている。また、
図19に示すように、第2仕切り壁144eは、上下方向に関して、消音ボックス144の上内面から下方に延びている。第2仕切り壁144eの下端と消音ボックス144の下内面の間には、空隙が設けられている。第2拡張室144cの前端は、本体ユニット4の車台14とボディカバー108の間の空間で開口している。電動ファン142によってダクト114から吸い出された空気は、ファン収容室144a、第1拡張室144b、第2拡張室144cを順に通過した後、本体ユニット4の内部に流れ出る。本体ユニット4の内部に流れ出た空気は、車台14とボディカバー108の継ぎ目から、本体ユニット4の外部に流出する。上記のように、消音ボックス144に第1拡張室144bや第2拡張室144cを設けることで、電動ファン142の駆動によって発生する騒音を減衰させることができ、本体ユニット4の外部に大きな騒音が到達することを抑制することができる。
【0072】
(サイドブラシ150)
図1に示すように、本体ユニット4の右前部には、サイドブラシ150が配置されている。清掃装置2では、サイドブラシ150を作業面上で回転させて、例えば壁際にあるごみを前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に向けて送ることができる。
【0073】
図20に示すように、サイドブラシ150は、ベベル型のブラシであって、ブラシカップ150aと、ブラシ毛150bを備えている。ブラシカップ150aは、略円盤形状の基部150cと、基部150cの径方向外側端部近傍から下方に突出する支持部150dを備えている。支持部150dは、基部150cの中心を通る軸線に対して斜めに傾斜したベベル面150eを備えている。ブラシ毛150bは、ブラシカップ150aのベベル面150eに植毛されている。基部150cには、係合孔150fと、係合孔150fを挟んで配置された一対の貫通孔150gが形成されている。係合孔150fは、例えば六角形の形状を有する。例えば、一対の貫通孔150gの一方は、係合孔150fの1つの辺に対向して配置されており、一対の貫通孔150gの他方は、係合孔150fの前記1つの辺に向かい合う辺に対向して配置されている。
図21に示すように、基部150cには、係合孔150fの縁から下方に突出する外側係合筒150hと、外側係合筒150hの下端から径方向外側に屈曲しており、上方に向けて延びる一対の操作片150iが形成されている。外側係合筒150hは、例えば断面が六角形状の角筒形状を有する。一対の操作片150iは、一対の貫通孔150gを下方から上方に貫通している。
図20に示すように、一対の操作片150iのそれぞれの上端には、係合爪150jが形成されている。サイドブラシ150は、本体ユニット4の右前部に設けられたサイドブラシユニット152(
図22参照)に取り付けられる。
【0074】
図22に示すように、サイドブラシユニット152は、ブラシホルダ154と、ブラシプーリ156と、可動シャフト158を備えている。
図23に示すように、ブラシホルダ154は、略円盤形状の底板部154aと、底板部154aの径方向外側端部から上方に延びる略円筒形状の側板部154bを備えている。側板部154bの上端には、径方向外側に向けて突出する複数のクラッチ爪154cが形成されている。複数のクラッチ爪154cは、周方向に所定の角度間隔(例えば45度間隔)で配置されている。
図22に示すように、底板部154aには、下方に向けて突出する内側係合筒154dと、内側係合筒154dの周囲を囲むように配置された複数の係合孔154eが形成されている。内側係合筒154dは、内面が例えば円形の断面形状を有しており、外面が例えば六角形の断面形状を有している。内側係合筒154dの外面の断面形状は、サイドブラシ150の係合孔150fの形状に対応している。複数の係合孔154eは、所定の角度間隔(例えば60度間隔)で周方向に並んで配置されている。例えば、複数の係合孔154eのそれぞれは、内側係合筒154dの外面のそれぞれの辺に対向して配置されている。複数の係合孔154eのそれぞれには、サイドブラシ150の一対の操作片150iのうちの1つの係合爪150jが係合可能である。以下では、サイドブラシ150の係合爪150jとブラシホルダ154の複数の係合孔154eを総称して、サイドブラシ係合機構151ともいい、サイドブラシ150の外側係合筒150hとブラシホルダ154の内側係合筒154dを総称して、サイドブラシ嵌合機構153ともいう。
【0075】
図24に示すように、サイドブラシ150をブラシホルダ154に取り付ける際には、ユーザは、サイドブラシ150を把持してブラシホルダ154に対して位置合わせをし、ブラシホルダ154の内側係合筒154dをサイドブラシ150の係合孔150fに入り込ませる。この状態から、サイドブラシ150をブラシホルダ154に対して上方に移動させると、一対の操作片150iのそれぞれの係合爪150jが、複数の係合孔154eのうちの対応するものに係合して、サイドブラシ150がブラシホルダ154に固定される。本実施例では、係合孔150fと内側係合筒154dが六角形状を有しているので、内側係合筒154dを係合孔150fに入り込ませることで、一対の操作片150iを複数の係合孔154eに対して位置合わせすることができる。この状態から、単にサイドブラシ150をブラシホルダ154に対して上方に移動させるだけで、一対の操作片150iを複数の係合孔154eのうちの対応するものに係合させることができる。また、係合孔150fと内側係合筒154dが六角形状を有しているので、サイドブラシ150をブラシホルダ154に対して最大でも60度回転させることで、係合孔150fと内側係合筒154dを位置合わせすることができる。サイドブラシ150をブラシホルダ154に対してそれほど大きく回転させることなく、係合孔150fと内側係合筒154dを位置合わせすることができるので、ユーザがブラシホルダ154を下方から視認できない状況であっても、係合孔150fと内側係合筒154dを容易に位置合わせすることができる。
【0076】
サイドブラシ150をブラシホルダ154に取り付けた状態では、サイドブラシ150の外側係合筒150hの内面がブラシホルダ154の内側係合筒154dの外面全体と係合する。このような構成とすることによって、ブラシホルダ154がサイドブラシ150に回転を伝達する際に応力集中が生じることを抑制することができる。
【0077】
サイドブラシ150をブラシホルダ154から取り外す際には、ユーザは、サイドブラシ150の基部150cよりも下方で、一対の操作片150iのそれぞれを径方向外側から内側に押し込む。これによって、一対の操作片150iの係合爪150jが係合孔154eから係合解除される。この状態で、ユーザがサイドブラシ150をブラシホルダ154に対して下方に移動させることで、内側係合筒154dが係合孔150fから抜け出て、サイドブラシ150をブラシホルダ154から取り外すことができる。
【0078】
(サイドブラシユニット152)
図25に示すように、ブラシプーリ156は、略円筒形状の内壁部156aと、内壁部156aの周囲を取り囲んでおり、内壁部156aと同軸上に配置された略円筒形状の外壁部156bと、内壁部156aの上端と外壁部156bの上端を連結する連結部156cと、外壁部156bの下端から径方向外側に突出するドラム部156dを備えている。外壁部156bの外面とドラム部156dの上面の間には、複数の補強リブ156eが形成されている。外壁部156bの内面には、径方向内側に向けて突出する複数のクラッチリブ156fが形成されている。複数のクラッチリブ156fは、外壁部156bの下端から上方に向けて延びている。複数のクラッチリブ156fは、ブラシホルダ154の複数のクラッチ爪154c(
図23参照)に対応して配置されており、周方向に所定の角度間隔(例えば45度間隔)で配置されている。
【0079】
図26に示すように、ブラシプーリ156は、車台14に固定されたブラシベース160に取り付けられている。
図27に示すように、ブラシベース160は、略半円筒形状の第1内壁部160aと、略半円筒形状の第2内壁部160bと、第1内壁部160aおよび第2内壁部160bの周囲を取り囲んでいる略円筒形状の外壁部160cを備えている。第1内壁部160aと第2内壁部160bは、左右が反転している点を除いて、略同一の形状を有している。また、第1内壁部160aと、第2内壁部160bと、外壁部160cは、同軸上に配置されている。第1内壁部160aと外壁部160cの間、および、第2内壁部160bと外壁部160cの間には、複数の補強リブ160dが形成されている。
【0080】
図26に示すようにブラシプーリ156の内壁部156aは、ブラシベース160の外壁部160cに回転可能に支持されている。また、ブラシホルダ154の側板部154bは、ブラシプーリ156の下方から、ブラシプーリ156の内壁部156aと外壁部156bの間に入り込んでいる。
【0081】
図9に示すように、ブラシベース160には、第1ガイドプーリ162と、第2ガイドプーリ164が設けられている。第1ガイドプーリ162と第2ガイドプーリ164は、それぞれ、ブラシベース160に回転可能に支持されている。また、右前ブラシ取付部32の従動シャフト40には、中継プーリ166が固定されている。ブラシプーリ156のドラム部156dと、第1ガイドプーリ162と、第2ガイドプーリ164と、中継プーリ166には、サブ駆動ベルト168が架け渡されている。サブ駆動ベルト168は、中継プーリ166の上方から第1ガイドプーリ162の上方へ架け渡され、第1ガイドプーリ162の上方からドラム部156dの右方に架け渡され、ドラム部156dの後方から第2ガイドプーリ164の前方に架け渡され、第2ガイドプーリ164の右方から中継プーリ166の下方に架け渡されている。ブラシ用モータ74の駆動によって、右ブラシプレート60を右方から見た時に、中継プーリ166が時計回りに回転すると、ブラシベース160を上方から見た時に、ブラシプーリ156は反時計回りに回転する。以下では、駆動プーリ78と、前方従動プーリ82と、メイン駆動ベルト92と、従動シャフト40と、中継プーリ166と、ブラシプーリ156と、サブ駆動ベルト168を総称して、サイドブラシ回転伝達機構163ともいう。
【0082】
図26に示すように、可動シャフト158は、略円柱形状を有している。可動シャフト158の下端近傍は、ブラシホルダ154の内側係合筒154dの内側を貫通しており、ブラシホルダ154の内側係合筒154dに回転可能に支持されている。また、可動シャフト158は、ブラシベース160の下方から第1内壁部160a(
図27参照)と第2内壁部160bの間に入り込んでおり、第1内壁部160aと第2内壁部160bによって摺動可能に支持されている。可動シャフト158の上端には、接続ピン170を介して、シャフトケーブル172の先端が接続されている。シャフトケーブル172は、ガイドプーリ174に架け渡されている。シャフトケーブル172の後端には、ケーブルコネクタ172aが設けられている。ガイドプーリ174は、ブラシベース160に回転可能に支持されている。また、可動シャフト158には、圧縮バネ176が取り付けられている。圧縮バネ176は、ブラシベース160の複数の補強リブ160dに対して、ブラシホルダ154を下方に向けて付勢している。以下では、可動シャフト158と、シャフトケーブル172と、ケーブルコネクタ172aと、ガイドプーリ174を総称して、サイドブラシ移動機構173ともいう。
【0083】
図26に示すように、シャフトケーブル172の後端が後方に向けて引っ張られている状態では、可動シャフト158とブラシホルダ154が、圧縮バネ176の付勢力に抗して上方に引き上げられている。この場合、サイドブラシ150のブラシ毛150bの先端は、前輪8の下端よりも上方に位置しており、サイドブラシ150は作業面よりも上方に配置される。また、この場合、ブラシホルダ154のクラッチ爪154cがブラシプーリ156のクラッチリブ156fよりも上方に位置するので、クラッチ爪154cとクラッチリブ156fが係合していない。このため、ブラシ用モータ74の駆動によってブラシプーリ156が回転しても、ブラシホルダ154とサイドブラシ150は回転しない。なお、
図26に示すブラシホルダ154の位置を、離反位置ともいう。
【0084】
図28に示すように、シャフトケーブル172の後端が前方に向けて押し出されている状態では、可動シャフト158とブラシホルダ154が、圧縮バネ176の付勢力によって下方に押し下げられている。この場合、サイドブラシ150のブラシ毛150bの先端は、前輪8の下端よりも下方に位置しており、サイドブラシ150は作業面に押し付けられている。また、この場合、ブラシホルダ154のクラッチ爪154cとブラシプーリ156のクラッチリブ156fが上下方向に略同じ位置となるので、クラッチ爪154cとクラッチリブ156fが係合する。このため、ブラシ用モータ74の駆動によってブラシプーリ156が回転すると、ブラシホルダ154とサイドブラシ150も回転する。なお、
図28に示すブラシホルダ154の位置を、近接位置ともいう。以下では、ブラシホルダ154のクラッチ爪154cとブラシプーリ156のクラッチリブ156fを総称して、クラッチ機構155ともいう。
【0085】
なお、車台14に、ブラシホルダ154が離反位置にあるときのブラシ毛150bの回転軌道と干渉し、ブラシホルダ154が近接位置にあるときのブラシ毛150bの回転軌道とは干渉しない、突出部(図示せず)を設けてもよい。サイドブラシ150が回転している状態で、ブラシホルダ154を近接位置から離反位置に移動させた場合、クラッチ機構155のクラッチ爪154cとクラッチリブ156fが係合解除された後も、サイドブラシ150は慣性によりしばらく回転し続ける。ブラシホルダ154が離反位置に移動したにも関わらず、サイドブラシ150が回転し続けると、クラッチ機構155が機能していないとユーザが誤認するおそれがある。上記のような突出部を車台14に設けた場合、サイドブラシ150が回転している状態で、ブラシホルダ154を近接位置から離反位置に移動すると、クラッチ機構155のクラッチ爪154cとクラッチリブ156fが係合解除された後、ブラシ毛150bが突出部と衝突を繰り返すことで、サイドブラシ150の慣性による回転を速やかに停止させることができる。クラッチ機構155が機能していないとユーザが誤認することを抑制することができる。また、柔軟なブラシ毛150bを突出部と繰り返し衝突させる構成とすることで、車台14やサイドブラシ150が衝突により損傷することを抑制することができる。なお、上記のような突出部は、例えば、サイドブラシ150がかき集めたごみを前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に向けてガイドする形状に形成してもよい。
【0086】
図9に示すように、ブラシベース160には、ブラシ操作ケーブル178の前端が取り付けられている。ブラシ操作ケーブル178は、アウタケーブル178aと、アウタケーブル178aの内部に収容されており、アウタケーブル178aに対して進退可能なインナケーブル178bを備えている。アウタケーブル178aの前端は、ブラシベース160に固定されている。インナケーブル178bの前端は、シャフトケーブル172の後端のケーブルコネクタ172aに接続されている。ブラシ操作ケーブル178の後端は、ハンドルユニット6に設けられたサイドブラシ操作部180(
図1参照)まで延びている。
【0087】
図29に示すように、サイドブラシ操作部180は、ケース182と、サイドブラシ昇降レバー184と、ロックオフスイッチ186と、ケーブルホルダ188と、調整ボルト190を備えている。
図30に示すように、サイドブラシ昇降レバー184は、ケース182の外部に配置されたレバー本体184aと、レバー本体184aの上部に形成されたスイッチ支持部184bと、レバー本体184aの左下部から左方に延びており、ケース182を外側から内側に貫通する回動シャフト184cを備えている。レバー本体184aは、回動シャフト184cを介して、左右方向を回動軸として回動可能に、ケース182に支持されている。ロックオフスイッチ186は、ロックオフスイッチ186の上端近傍で、左右方向を回動軸として回動可能にスイッチ支持部184bに支持されている。
図29に示すように、ロックオフスイッチ186は、レバー本体184aの内部に配置された圧縮バネ192によって、レバー本体184aに対して後方に向けて付勢されている。ロックオフスイッチ186の下部には、係合爪186aが形成されている。ケース182の外面には、係合爪186aに対応する係合溝182aが形成されている。サイドブラシ昇降レバー184が最も手前まで引き起こされた時に、ロックオフスイッチ186の係合爪186aが係合溝182aに係合する。この状態では、サイドブラシ昇降レバー184を前方に押し倒すことが規制される。ユーザがロックオフスイッチ186を押し込み操作すると、ロックオフスイッチ186の係合爪186aが係合溝182aから係合解除されて、サイドブラシ昇降レバー184を前方に押し倒すことが許容される。
【0088】
ケーブルホルダ188は、ケース182の内部に収容されている。
図30に示すように、ケーブルホルダ188は、サイドブラシ昇降レバー184の回動シャフト184cに固定されている。ケーブルホルダ188は、ブラシ操作ケーブル178のインナケーブル178bの後端を回転可能に支持する支持部188aと、インナケーブル178bをガイドするガイド溝188bと、ストッパ部188cを備えている。
図29に示すように、ブラシ操作ケーブル178のアウタケーブル178aの後端は、ケース182の内部に配置されており、ケース182に固定されている。
【0089】
調整ボルト190は、ボルト190aと、ボルト190aの頭部に固定された調整ノブ190bを備えている。ボルト190aは、ケース182を外側から内側に貫通しており、ケース182の内部に配置されたナット194に螺合している。ナット194はケース182に固定されている。
図31に示すように、ボルト190aの先端は、サイドブラシ昇降レバー184が押し倒された時に、ケーブルホルダ188のストッパ部188cと当接することで、サイドブラシ昇降レバー184の押し倒しを規制する。ユーザは、調整ノブ190bを回転させてボルト190aの先端の位置を調整することで、サイドブラシ昇降レバー184を押し倒し可能な範囲を調整することができる。
【0090】
図29に示すように、サイドブラシ昇降レバー184が後方に引き起こされた状態では、ケーブルホルダ188がインナケーブル178bの後端を引っ張っているので、インナケーブル178bはアウタケーブル178aに対して相対的に引き出されている。この場合、
図26に示すように、シャフトケーブル172の後端が後方に向けて引っ張られているので、サイドブラシ150は圧縮バネ176の付勢力に抗して上方に引き上げられている。なお、
図29に示すサイドブラシ昇降レバー184の位置を、離反操作位置ともいう。
【0091】
図31に示すように、サイドブラシ昇降レバー184が前方に押し倒された状態では、ケーブルホルダ188がインナケーブル178bの後端を引っ張っていないので、インナケーブル178bはアウタケーブル178aに対して相対的に押し込まれている。この場合、
図28に示すように、シャフトケーブル172の後端が後方に向けて引っ張られておらず、サイドブラシ150は圧縮バネ176の付勢力によって下方に押し下げられている。なお、
図31に示すサイドブラシ昇降レバー184の位置を、近接操作位置ともいう。
【0092】
図9に示すように、ブラシベース160の右前上部には、ローラ196が配置されている。ローラ196は、上下方向に沿った回転軸周りに回転可能に、ブラシベース160に支持されている。
図1に示すように、ローラ196の右前部は、ボディカバー108のローラ用開口108bを介してボディカバー108の外部に突出している。このため、壁際にあるごみをサイドブラシ150によって前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に送る際に、誤って本体ユニット4が前方や右方にある壁に衝突してしまう場合であっても、ボディカバー108よりも先にローラ196が壁に衝突する。このような構成とすることによって、壁やボディカバー108が損傷してしまうことを抑制することができる。
【0093】
(バッテリボックス198およびECU204)
図3に示すように、車台14の上面には、バッテリボックス198が固定されている。
図16に示すように、バッテリボックス198には、複数のバッテリ取り付け部200が設けられている。複数のバッテリ取り付け部200のそれぞれには、複数のバッテリパック202のそれぞれが着脱可能に取り付けられている。複数のバッテリパック202のそれぞれは、例えばリチウムイオン電池セルなどの二次電池セル(図示せず)を備えている。
【0094】
図3に示すように、車台14の上面には、ECU(Electronic Control Unit)204が固定されている。ECU204は、制御回路基板206と、制御回路基板206を収容するケース208を備えている。制御回路基板206は、マイクロコントローラや複数のスイッチング素子等を備えており、複数のバッテリパック202から前照灯9、ブラシ用モータ74、フィルタ用モータ132、ファン用モータ146に供給される電力を制御することによって、前照灯9、ブラシ用モータ74、フィルタ用モータ132、ファン用モータ146の動作を制御する。
【0095】
(ハンドルユニット6)
図1に示すように、ハンドルユニット6は、後方上方に延びる略U字形状のハンドルフレーム210を備えている。ハンドルフレーム210は、略円形の断面形状のパイプ材を折り曲げることで形成されている。ハンドルフレーム210は、本体ユニット4の右後上部から後方上方に向けて延びる右直線部210aと、本体ユニット4の左後上部から後方上方に向けて延びる左直線部210bと、右直線部210aの上端および左直線部210bの上端よりも前方上方で左右方向に延びる上直線部210cと、右直線部210aの上端と上直線部210cの右端を連結する右連結部210dと、左直線部210bの上端と上直線部210cの左端を連結する左連結部210eを備えている。サイドブラシ操作部180は、ハンドルフレーム210の右直線部210aの上端近傍に配置されている。
【0096】
ハンドルフレーム210の上直線部210cには、スイッチ操作部212が取り付けられている。
図32に示すように、スイッチ操作部212は、主電源スイッチ214と、ロックオフボタン216と、ブラシ回転速度切換ボタン218と、ブラシ回転速度インジケータ220と、ファン風量切換ボタン222と、ファン風量インジケータ224と、照明ボタン226と、照明表示灯228と、塵落としボタン230と、塵落とし表示灯232と、バッテリ残量表示ボタン234と、バッテリ残量インジケータ236を備えている。
【0097】
主電源スイッチ214は、清掃装置2の主電源をオンにするオン位置と、清掃装置2の主電源をオフにするオフ位置の間で回動可能なダイヤル式スイッチである。主電源スイッチ214は、略円盤形状の基部214aと、基部214aから突出した略直方体形状のつまみ部214bを備えている。つまみ部214bは、基部214aに直交する方向から見た時に、つまみ部214bの長辺の中央近傍で内側に窪んだ窪み部214cを備えている。ロックオフボタン216は、主電源スイッチ214の窪み部214cに配置されている。ロックオフボタン216は、つまみ部214bから外側に突出したロック位置と、ロック位置よりもつまみ部214bの内側に向けて移動した解除位置の間で移動可能に、主電源スイッチ214に支持されている。ロックオフボタン216は、図示しない圧縮バネによって解除位置からロック位置に向けて付勢されている。ロックオフボタン216がロック位置にある場合、ロックオフボタン216は、主電源スイッチ214がオフ位置からオン位置に回動することを規制する。ロックオフボタン216が解除位置にある場合、ロックオフボタン216は主電源スイッチ214がオフ位置からオン位置に回動することを許容する。主電源スイッチ214がオフ位置からオン位置に回動すると、その後に主電源スイッチ214がオン位置からオフ位置に回動するまで、ロックオフボタン216は解除位置のまま保持される。このような構成とすることによって、ユーザが意図せずに主電源スイッチ214がオフ位置からオン位置に回動してしまい、清掃装置2の主電源がオンとなってしまうことを抑制することができる。
【0098】
ブラシ回転速度切換ボタン218は、前方メインブラシ20、後方メインブラシ22およびサイドブラシ150の回転速度を切換操作するためのボタンである。清掃装置2では、回転速度を多段階で(例えば2段階で)切換可能である。ECU204は、ブラシ回転速度切換ボタン218で設定された回転速度に応じて、ブラシ用モータ74を駆動する際のブラシ用モータ74の回転速度を制御する。ブラシ回転速度インジケータ220は、ブラシ回転速度切換ボタン218によって設定された回転速度に応じて、点灯する窓の個数を変化させる。
【0099】
ファン風量切換ボタン222は、電動ファン142のオン/オフおよび電動ファン142の風量を切換操作するためのボタンである。清掃装置2では、電動ファン142の風量を多段階で(例えば2段階で)切換可能である。ECU204は、ファン風量切換ボタン222で設定された風量に応じて、ファン用モータ146を駆動する際のファン用モータ146の回転速度を制御する。ファン風量インジケータ224は、ファン風量切換ボタン222によって設定された電動ファン142の風量に応じて、点灯する窓の個数を変化させる。
【0100】
照明ボタン226は、前照灯9のオン/オフを切換操作するためのボタンである。照明表示灯228は、前照灯9がオンの場合に点灯し、前照灯9がオフの場合に消灯する。塵落としボタン230は、フィルタ用モータ132のオン/オフを切換操作するためのボタンである。塵落とし表示灯232は、フィルタ用モータ132がオンの場合に点灯し、フィルタ用モータ132がオフの場合に消灯する。バッテリ残量表示ボタン234は、バッテリ残量インジケータ236のオン/オフを切換操作するためのボタンである。バッテリ残量インジケータ236は、オンの場合に、複数のバッテリパック202のそれぞれの電池残量に応じた個数の窓を点灯し、オフの場合に、全ての窓を消灯する。
【0101】
図33に示すように、ハンドルフレーム210の右直線部210aの下端は、右ハンドル取付部238を介して、本体ユニット4の右ハンドルプレート96に連結されている。ハンドルフレーム210の左直線部210bの下端は、左ハンドル取付部240を介して、本体ユニット4の左ハンドルプレート242に連結されている。左ハンドルプレート242は、車台14に固定されている。
【0102】
図34に示すように、右ハンドル取付部238は、本体側カム部材244と、ハンドル側カム部材246と、カバー部材248を備えている。本体側カム部材244は、右ハンドルプレート96に固定されている。本体側カム部材244は、左右方向に延びる略円筒形状の内側円筒部244aと、内側円筒部244aの左端から外側に向けて屈曲したカム部244bを備えている。カム部244bには、右方を向いており、複数の歯が突出する歯面244cが形成されている。ハンドル側カム部材246とカバー部材248は、ハンドルフレーム210の右直線部210aに固定されている。ハンドル側カム部材246は、右直線部210aの左方に配置されている。ハンドル側カム部材246は、右直線部210aを支持するハンドル支持部246aと、ハンドル支持部246aの下端に接続しており、左右方向に延びる略円筒形状の外側円筒部246bを備えている。外側円筒部246bの内径は、内側円筒部244aの外径よりも僅かに大きい。内側円筒部244aは、外側円筒部246bに左方から右方に向かって挿入されている。内側円筒部244aは、外側円筒部246bを回動可能に支持している。ハンドル支持部246aには、左方を向いており、複数の歯が突出する歯面246cが形成されている。歯面246cは、本体側カム部材244の歯面244cと噛み合うように形成されている。カバー部材248は、右直線部210aの右方に配置されている。カバー部材248は、右直線部210aを支持するハンドル支持部248aと、連結シャフト250を支持するシャフト支持部248bを備えている。連結シャフト250の右端は、シャフト支持部248bの外側に配置されたナット252に螺合している。連結シャフト250は、内側円筒部244aの内部を通過し、右ハンドルプレート96を貫通して、左方に向かって延びている。連結シャフト250は、ダクト114の上面に支持された連結パイプ254の内部を通過して、左ハンドル取付部240まで延びている。
【0103】
図35に示すように、左ハンドル取付部240は、本体側カム部材256と、ハンドル側カム部材258と、カバー部材260と、レバー部材262を備えている。本体側カム部材256は、左ハンドルプレート242に固定されている。本体側カム部材256は、左右方向に延びる略円筒形状の内側円筒部256aと、内側円筒部256aの右端から外側に向けて屈曲したカム部256bを備えている。カム部256bには、左方を向いており、複数の歯が突出する歯面256cが形成されている。ハンドル側カム部材258とカバー部材260は、ハンドルフレーム210の左直線部210bに固定されている。ハンドル側カム部材258は、左直線部210bの右方に配置されている。ハンドル側カム部材258は、左直線部210bを支持するハンドル支持部258aと、ハンドル支持部258aの下端に接続しており、左右方向に延びる略円筒形状の外側円筒部258bを備えている。外側円筒部258bの内径は、内側円筒部256aの外径よりも僅かに大きい。内側円筒部256aは、外側円筒部258bに右方から左方に向かって挿入されている。内側円筒部256aは、外側円筒部258bを回動可能に支持している。ハンドル支持部258aには、右方を向いており、複数の歯が突出する歯面258cが形成されている。歯面258cは、本体側カム部材256の歯面256cと噛み合うように形成されている。カバー部材260は、左直線部210bの左方に配置されている。カバー部材260は、左直線部210bを支持するハンドル支持部260aと、レバー部材262が配置されるレバー受け部260bを備えている。
図33に示すように、レバー受け部260bは、左方に向けて突出する一対のガイドリブ260cと、一対のガイドリブ260cの間に配置されており、左方を向いたカム面260dを備えている。
図35に示すように、連結シャフト250は、左ハンドルプレート242を貫通しており、内側円筒部256aの内部を通過している。連結シャフト250の左端は、カバー部材260のレバー受け部260bを貫通してカバー部材260の外側に突出している。連結シャフト250の左端には、円環状の係止部250aが形成されている。レバー部材262は、カバー部材260の左方に配置されている。レバー部材262は、ユーザが操作する操作部262aと、操作部262aの下端に接続されたシャフト支持部262bを備えている。シャフト支持部262bは、連結シャフト250の係止部250aを支持する支持ピン262cを備えている。
図33に示すように、レバー部材262のシャフト支持部262bは、一対のガイドリブ260cの間に配置されている。レバー部材262はカバー部材260に対して、支持ピン262cを回動軸として、一対のガイドリブ260cによって規定される方向に回動可能である。操作部262aには、レバー部材262が左直線部210bに沿うように引き起こされた時に、左直線部210bに係合する係合部262dが形成されている。
図35に示すように、シャフト支持部262bは、レバー部材262が左直線部210bに沿うように引き起こされた時にカバー部材260のカム面260dに当接する第1カム面262eと、レバー部材262が左直線部210bから離れるように押し倒された時にカバー部材260のカム面260dに当接する第2カム面262fを有する。支持ピン262cから第1カム面262eまでの距離は、支持ピン262cから第2カム面262fまでの距離よりも大きい。
【0104】
レバー部材262が左直線部210bに沿うように引き起こされている場合には、レバー部材262の第1カム面262eがカバー部材260のカム面260dに当接することで、支持ピン262cが連結シャフト250の左端を左方へ引っ張っている。この場合、左ハンドル取付部240では、カバー部材260がレバー部材262によって右方へ押圧される。これによって、歯面258cが歯面256cに噛み合った状態で、ハンドル側カム部材258が本体側カム部材256に固定される。また、
図34に示す右ハンドル取付部238では、カバー部材248がナット252によって左方へ押圧される。これによって、歯面246cが歯面244cに噛み合った状態で、ハンドル側カム部材246が本体側カム部材244に固定される。この状態では、ハンドルユニット6の本体ユニット4に対する取付角度が固定される。
【0105】
図35に示す左ハンドル取付部240において、レバー部材262が左直線部210bから離れるように押し倒されると、レバー部材262の第2カム面262fがカバー部材260のカム面260dに当接することで、支持ピン262cによる連結シャフト250の引っ張りが解除される。この場合、左ハンドル取付部240では、歯面258cと歯面256cの噛み合いが解除されて、ハンドル側カム部材258は本体側カム部材256に対して回動可能となる。また、
図34に示す右ハンドル取付部238では、歯面246cと歯面244cの噛み合いが解除されて、ハンドル側カム部材246は本体側カム部材244に対して回動可能となる。この状態では、ハンドルユニット6の本体ユニット4に対する取付角度を自由に調整することができる。ハンドルユニット6の本体ユニット4に対する取付角度を調整した後、レバー部材262を左直線部210bに沿うように引き起こすことで、ハンドルユニット6の本体ユニット4に対する取付角度が再び固定される。
【0106】
(バッテリカバー264)
図36に示すように、ボディカバー108には、バッテリボックス198に対応してバッテリ用開口108cが形成されている。バッテリ用開口108cには、バッテリカバー264が設けられている。バッテリカバー264は、バッテリカバー264の前端近傍で左右方向に延びる回動軸周りに回動可能に、ボディカバー108に支持されている。バッテリカバー264が開いた状態では、複数のバッテリパック202のそれぞれは、複数のバッテリ取り付け部200のそれぞれに対して上下方向にスライドさせることで、複数のバッテリ取り付け部200のそれぞれに着脱することができる。バッテリカバー264が閉じた状態では、バッテリカバー264はバッテリ用開口108cの全体を覆っている。
【0107】
バッテリ用開口108cにおいて、バッテリボックス198の上端は、ボディカバー108の上面よりも上方に突出している。バッテリカバー264の内面には、防水リブ264aが形成されている。防水リブ264aは、バッテリカバー264を閉じた時に、バッテリボックス198の周囲を取り囲む形状を有している。また、バッテリカバー264を閉じた場合に、防水リブ264aの下端は、バッテリボックス198の上端よりも下方の位置で、ボディカバー108の上面に当接する。このため、バッテリカバー264を閉じた状態では、防水リブ264aとバッテリボックス198によってラビリンス構造が形成されるので、バッテリカバー264の内部に水が入り込むことを抑制することができる。
【0108】
バッテリカバー264の後端の左右方向の中央には、永久磁石264bが取り付けられている。永久磁石264bは、ボディカバー108を車台14に固定するための金属製のねじ108dに対応して配置されている。バッテリカバー264が閉じた状態では、永久磁石264bとねじ108dの間に作用する磁力が、バッテリカバー264を閉じる方向に作用する。このため、バッテリカバー264が不意に開いてしまうことを抑制することができる。また、
図3に示すように、バッテリカバー264が閉じた状態では、バッテリカバー264に作用する重力が、バッテリカバー264を閉じる方向に作用する。このため、バッテリカバー264が不意に開いてしまうことを抑制することができる。
【0109】
図37に示すように、清掃装置2を使用せずに保管しておく際には、ハンドルユニット6を本体ユニット4に対して折りたたんで、ダストコンテナ13の後面が作業面に当接するようにして、清掃装置2を載置することができる。これによって、清掃装置2の保管に要するスペースを小さくすることができる。なお、
図37に示すように清掃装置2を載置した場合でも、バッテリカバー264に作用する重力は、バッテリカバー264を閉じる方向に作用する。このため、バッテリカバー264が不意に開いてしまうことを抑制することができる。なお、
図37に示すように、ハンドルユニット6を本体ユニット4に対して折りたたんだ状態では、ユーザは、車台14の前端に形成されたグリップ266を把持して、清掃装置2を持ち運ぶことができる。
【0110】
(変形例)
上記の実施例では、清掃装置2が、ブラシ用モータ74と減速機構76を備えており、ブラシ用モータ74によって駆動シャフト77を回転させて、前方メインブラシ20、後方メインブラシ22およびサイドブラシ150を回転させる構成について説明した。これとは異なり、清掃装置2は、ブラシ用モータ74と減速機構76を備えていない構成としてもよい。この場合、例えば右後輪10および左後輪12の回転を、駆動シャフト77に伝達させる回転伝達機構(図示せず)を設けることによって、ユーザが清掃装置2を移動させる際の右後輪10および左後輪12の回転を利用して、前方メインブラシ20、後方メインブラシ22およびサイドブラシ150を回転させることができる。
【0111】
上記の実施例では、清掃装置2は、右後輪10および左後輪12を回転させる駆動源を備えていない構成について説明した。これとは異なり、清掃装置2は、右後輪10および左後輪12を回転させるための車輪用モータ(図示せず)を備えていてもよい。この場合、ECU204が、複数のバッテリパック202から車輪用モータに供給される電力を制御することで、ECU204が車輪用モータの動作を制御してもよい。この場合、ハンドルユニット6のスイッチ操作部212に、車輪用モータのオン/オフをユーザが切換操作するためのボタンを設けてもよい。あるいは、この場合、清掃装置2は、ハンドルユニット6を備えていない自走式の清掃装置として構成してもよい。
【0112】
上記の実施例では、清掃装置2が、前輪8と、右後輪10と、左後輪12を備えており、ユーザがハンドルユニット6を把持して後方から押し進める、いわゆるスイーパ型の清掃装置である構成について説明した。清掃装置2は、スクラバ、ポリッシャ等であってもよい。あるいは、清掃装置2は、ハンドルユニット6を備えていない、集塵機、ロボット掃除機等であってもよい。あるいは、清掃装置2は、前輪8、右後輪10、左後輪12を備えていない、例えば、ハンディクリーナ、モップ等の、手持ち式の清掃装置であってもよい。
【0113】
上記の実施例では、メインブラシ支持部材63が車台14に対して回動する際の回動軸が、前方メインブラシ20が車台14に対して回転する際の回転軸と略同軸であって、メインブラシ昇降レバー94への操作に応じて後方メインブラシ22のみが車台14に対して上下方向に移動する構成について説明した。これとは異なり、メインブラシ支持部材63が車台14に対して回動する際の回動軸を、前方メインブラシ20が車台14に対して回転する際の回転軸とは異なる位置に配置して、メインブラシ昇降レバー94への操作に応じて前方メインブラシ20と後方メインブラシ22の両方が車台14に対して上下方向に移動する構成としてもよい。
【0114】
上記の実施例において、前方メインブラシ20、後方メインブラシ22、および/またはサイドブラシ150は、上記とは異なる種類のブラシであってもよい。
【0115】
以上のように、1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置2は、左右方向に延びるブラシシャフト24a(第1ブラシシャフトの例)と、ブラシシャフト24aに保持されたブラシ毛24b(第1ブラシ体の例)を備える前方メインブラシ20(第1ブラシの例)と、左右方向に延びるブラシシャフト28a(第2ブラシシャフトの例)と、ブラシシャフト28aに保持されたブラシ毛28b(第2ブラシ体の例)を備える後方メインブラシ22(第2ブラシの例)と、ブラシシャフト24aの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第1形状を有する従動シャフト40(第1ブラシ取付部材の例)と、ブラシシャフト28aの一方の端部が着脱可能に取り付けられており、第2形状を有する従動シャフト44(第2ブラシ取付部材の例)を備えている。ブラシシャフト24aの前記一方の端部は、第1形状に対応する第1対応形状を有している。ブラシシャフト28aの前記一方の端部は、第2形状に対応する第2対応形状を有している。ブラシシャフト24aの他方の端部は、第2対応形状を有している。
【0116】
上記の構成によれば、前方メインブラシ20のロールブラシ24は、ブラシシャフト24aの一方の端部を従動シャフト40に取り付けて使用することができるとともに、左右方向を反転させて、ブラシシャフト24aの他方の端部を従動シャフト44に取り付けて、後方メインブラシ22として使用することもできる。前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に共通のロールブラシ24を使用可能とすることができる。
【0117】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1形状および第1対応形状の一方は、第1凸形状(例えば係合部40bの形状)を備えている。第1形状および第1対応形状の他方は、第1凸形状が嵌合する第1凹形状(例えば係合溝24dの形状)を備えている。第2形状および第2対応形状の一方は、第2凸形状(例えば係合部44bの形状)を備えている。第2形状および第2対応形状の他方は、第2凸形状が嵌合する第2凹形状(例えば係合溝24f、係合溝28fの形状)を備えている。
【0118】
上記の構成によれば、第1凸形状が第1凹形状に嵌合することで、従動シャフト40と前方メインブラシ20の間でトルクを伝達することができる。また、第2凸形状が第2凹形状に嵌合することで、従動シャフト44と後方メインブラシ22の間でトルクを伝達することができる。
【0119】
1つまたはそれ以上の実施形態において、従動シャフト40の第1形状は、第1凸形状(例えば係合部40bの形状)を備えている。ブラシシャフト24aの前記一方の端部の第1対応形状は、第1凹形状(例えば係合溝24dの形状)を備えている。従動シャフト44の第2形状は、第2凸形状(例えば係合部44bの形状)を備えている。ブラシシャフト28aの前記一方の端部、およびブラシシャフト24aの前記他方の端部の第2対応形状は、第2凹形状(例えば係合溝24f、係合溝28fの形状)を備えている。
【0120】
上記の構成によれば、従動シャフト40への前方メインブラシ20の位置合わせを容易に行うことができるとともに、従動シャフト44への後方メインブラシ22の位置合わせを容易に行うことができる。
【0121】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1凸形状(例えば係合部40bの形状)は、径方向に沿って延びる直線状の第1リブ形状を有している。第2凸形状(例えば係合部44bの形状)は、それぞれ径方向に沿って延びており、互いに傾斜した複数の直線状の第2リブ形状を有している。
【0122】
上記の構成によれば、簡素な構成によって、第1凸形状と第2凸形状を実現することができる。
【0123】
1つまたはそれ以上の実施形態において、第1リブ形状のリブ幅は、第2リブ形状のリブ幅よりも大きい。
【0124】
仮に、第1リブ形状のリブ幅が、第2リブ形状のリブ幅よりも小さい場合、第2リブ形状が嵌合する第2凹形状に、第1リブ形状も嵌合可能となってしまう。この場合、従動シャフト40に、誤ってブラシシャフト28aの一方の端部が取り付けられてしまうおそれがある。上記の構成によれば、第1リブ形状のリブ幅が、第2リブ形状のリブ幅よりも大きいので、第2リブ形状が嵌合する第2凹形状に、第1リブ形状が嵌合することができない。このような構成とすることによって、従動シャフト40に、誤ってブラシシャフト28aの一方の端部が取り付けられてしまうことを抑制することができる。
【0125】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前方メインブラシ20は、ブラシシャフト24aの前記他方の端部を覆うブラシキャップ26(第1ブラシキャップの例)をさらに備えている。
【0126】
上記の構成によれば、ブラシシャフト24aの他方の端部の第2対応形状が、ブラシキャップ26によって覆われる。ブラシキャップ26を、前方メインブラシ20の他方の端部の取付箇所の形状に対応した形状とすることで、前方メインブラシ20を安定して取り付けることができる。
【0127】
1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置2は、ブラシシャフト24aの前記他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能なプランジャピン48(第1プランジャの例)と、ブラシシャフト28aの他方の端部が取り付けられており、左右方向に移動可能なプランジャピン54(第2プランジャの例)をさらに備えている。
【0128】
上記の構成によれば、前方メインブラシ20および後方メインブラシ22の着脱作業を、より容易なものとすることができる。
【0129】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ブラシ毛24b(第1ブラシ毛の例)は、ブラシシャフト24aの前記一方の端部から中央に向かって第1方向に回転する螺旋状にブラシシャフト24aの表面に植毛されており、ブラシシャフト24aの前記他方の端部から中央に向かって第1方向とは反対方向である第2方向に回転する螺旋状にブラシシャフト24aの表面に植毛されている。ブラシ毛28b(第2ブラシ毛の例)は、ブラシシャフト28aの前記一方の端部から中央に向かって第2方向に回転する螺旋状にブラシシャフト28aの表面に植毛されており、ブラシシャフト28aの前記他方の端部から中央に向かって第1方向に回転する螺旋状にブラシシャフト28aの表面に植毛されている。
【0130】
上記の構成によれば、前方メインブラシ20と後方メインブラシ22が、それぞれ、いわゆるV字型の植毛パターンを有する場合であっても、前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に共通のロールブラシ24を使用することができる。
【0131】
1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置2は、駆動シャフト77と、駆動シャフト77の回転を従動シャフト40に伝達する前方メインブラシ回転伝達機構81(第1回転伝達機構の例)と、駆動シャフト77の回転を従動シャフト44に伝達する後方メインブラシ回転伝達機構83(第2回転伝達機構の例)を備えている。駆動シャフト77が回転した時に、従動シャフト40と従動シャフト44は互いに反対方向に回転する。
【0132】
上記の構成によれば、前方メインブラシ20と後方メインブラシ22が反対方向に回転するので、作業面のごみやほこりを効果的に掃き上げることができる。
【0133】
1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置2は、前輪8、右後輪10および左後輪12(車輪の例)と、前輪8、右後輪10および左後輪12に支持された車台14を備えている。
【0134】
上記の構成によれば、作業面上を前輪8、右後輪10および左後輪12で移動しながら清掃を行う清掃装置2において、前方メインブラシ20と後方メインブラシ22に共通のロールブラシ24を使用可能とすることができる。
【0135】
1つまたはそれ以上の実施形態において、清掃装置2は、車台14から後方上方に延びており、ユーザが把持可能なハンドルユニット6(ハンドルの例)をさらに備えている。
【0136】
上記の構成によれば、ユーザがハンドルユニット6を把持して操作する清掃装置2において、前方メインブラシ20および後方メインブラシ22に共通のロールブラシ24を使用可能とすることができる。
【符号の説明】
【0137】
2 :清掃装置
4 :本体ユニット
6 :ハンドルユニット
8 :前輪
8a :車輪
8b :支持具
9 :前照灯
10 :右後輪
12 :左後輪
13 :ダストコンテナ
13a :開口
13b :仕切り部
13c :下収容室
13d :上収容室
13e :切り欠き
13f :係合溝
13g :ラッチ
14 :車台
16 :右後輪プレート
18 :左後輪プレート
20 :前方メインブラシ
22 :後方メインブラシ
23 :メインブラシユニット
24 :ロールブラシ
24a :ブラシシャフト
24b :ブラシ毛
24c :円柱溝
24d :係合溝
24e :円柱溝
24f :係合溝
26 :ブラシキャップ
26a :キャップ部
26b :摺動溝
26c :円筒部
26d :係合部
28 :ロールブラシ
28a :ブラシシャフト
28b :ブラシ毛
28c :円柱溝
28d :係合溝
28e :円柱溝
28f :係合溝
30 :ブラシキャップ
30a :キャップ部
30b :摺動溝
30c :円筒部
30d :係合部
32 :右前ブラシ取付部
34 :左前ブラシ取付部
36 :右後ブラシ取付部
38 :左後ブラシ取付部
40 :従動シャフト
40a :円筒部
40b :係合部
42 :ホルダ
42a :円筒部
44 :従動シャフト
44a :円筒部
44b :係合部
46 :ホルダ
48 :プランジャピン
50 :ホルダ
50a :円筒部
52 :圧縮バネ
54 :プランジャピン
56 :ホルダ
58 :圧縮バネ
60 :右ブラシプレート
60a :カム片
60b :長孔
62 :左ブラシプレート
63 :メインブラシ支持部材
64 :リンク部材
66 :右前開口
66a :上縁
66b :下縁
68 :右後開口
70 :左前開口
70a :上縁
70b :下縁
72 :左後開口
74 :ブラシ用モータ
76 :減速機構
77 :駆動シャフト
78 :駆動プーリ
80 :ガイドプーリ
81 :前方メインブラシ回転伝達機構
82 :前方従動プーリ
83 :後方メインブラシ回転伝達機構
84 :後方従動プーリ
85 :メインブラシ回転伝達機構
86 :テンショナプーリ
88 :テンショナプレート
88a :回動軸
90 :引張バネ
92 :メイン駆動ベルト
94 :メインブラシ昇降レバー
94a :操作アーム
94b :グリップ
94c :シャッタ支持部
94d :ピン支持部
94e :バネ支持部
94f :駆動アーム
94g :カム突起
95 :メインブラシ回動機構
96 :右ハンドルプレート
96a :位置決め孔
96b :長孔
97 :メインブラシ操作部
98 :ボルト
100 :位置決めピン
102 :第1ワッシャ
104 :第2ワッシャ
106 :圧縮バネ
108 :ボディカバー
108a :レバー用開口
108b :ローラ用開口
108c :バッテリ用開口
108d :ねじ
110 :シャッタ部材
110a :長孔
112 :係合シャフト
114 :ダクト
114a :ラッチ受け
114b :流入口
114c :フィルタユニット取付部
114d :空気流路
114e :流出口
116 :開口
118 :シール部材
120 :フィルタユニット
122 :ファンユニット
124 :フィルタホルダ
124a :通気孔
124b :内側上フィルタ保持部
124c :内側下フィルタ保持部
124d :内側右案内リブ
124e :内側左案内リブ
124f :外側右フィルタ保持部
124g :外側左フィルタ保持部
124h :モータ保持部
124i :シール保持部
126 :メインフィルタ
126a :フィルタ本体
126b :フィルタフレーム
126c :上係合部
126d :下係合部
128 :スポンジフィルタ
130 :プレフィルタ
130a :布フィルタ
130b :フィルタフレーム
130c :右係合部
130d :左係合部
132 :フィルタ用モータ
132a :上出力軸
132b :下出力軸
138 :モータカバー
140 :シール部材
142 :吸引ファン
144 :消音ボックス
144a :ファン収容室
144b :第1拡張室
144c :第2拡張室
144d :第1仕切り壁
144e :第2仕切り壁
146 :ファン用モータ
146a :出力軸
148 :プレートファン
150 :サイドブラシ
150a :ブラシカップ
150b :ブラシ毛
150c :基部
150d :支持部
150e :ベベル面
150f :係合孔
150g :貫通孔
150h :外側係合筒
150i :操作片
150j :係合爪
151 :サイドブラシ係合機構
152 :サイドブラシユニット
153 :サイドブラシ嵌合機構
154 :ブラシホルダ
154a :底板部
154b :側板部
154c :クラッチ爪
154d :内側係合筒
154e :係合孔
155 :クラッチ機構
156 :ブラシプーリ
156a :内壁部
156b :外壁部
156c :連結部
156d :ドラム部
156e :補強リブ
156f :クラッチリブ
158 :可動シャフト
160 :ブラシベース
160a :第1内壁部
160b :第2内壁部
160c :外壁部
160d :補強リブ
162 :第1ガイドプーリ
163 :サイドブラシ回転伝達機構
164 :第2ガイドプーリ
166 :中継プーリ
168 :サブ駆動ベルト
170 :接続ピン
172 :シャフトケーブル
172a :ケーブルコネクタ
173 :サイドブラシ移動機構
174 :ガイドプーリ
176 :圧縮バネ
178 :ブラシ操作ケーブル
178a :アウタケーブル
178b :インナケーブル
180 :サイドブラシ操作部
182 :ケース
182a :係合溝
184 :サイドブラシ昇降レバー
184a :レバー本体
184b :スイッチ支持部
184c :回動シャフト
186 :ロックオフスイッチ
186a :係合爪
188 :ケーブルホルダ
188a :支持部
188b :ガイド溝
188c :ストッパ部
190 :調整ボルト
190a :ボルト
190b :調整ノブ
192 :圧縮バネ
194 :ナット
196 :ローラ
198 :バッテリボックス
200 :バッテリ取り付け部
202 :バッテリパック
204 :ECU
206 :制御回路基板
208 :ケース
210 :ハンドルフレーム
210a :右直線部
210b :左直線部
210c :上直線部
210d :右連結部
210e :左連結部
212 :スイッチ操作部
214 :主電源スイッチ
214a :基部
214b :つまみ部
214c :窪み部
216 :ロックオフボタン
218 :ブラシ回転速度切換ボタン
220 :ブラシ回転速度インジケータ
222 :ファン風量切換ボタン
224 :ファン風量インジケータ
226 :照明ボタン
228 :照明表示灯
230 :塵落としボタン
232 :塵落とし表示灯
234 :バッテリ残量表示ボタン
236 :バッテリ残量インジケータ
238 :右ハンドル取付部
240 :左ハンドル取付部
242 :左ハンドルプレート
244 :本体側カム部材
244a :内側円筒部
244b :カム部
244c :歯面
246 :ハンドル側カム部材
246a :ハンドル支持部
246b :外側円筒部
246c :歯面
248 :カバー部材
248a :ハンドル支持部
248b :シャフト支持部
250 :連結シャフト
250a :係止部
252 :ナット
254 :連結パイプ
256 :本体側カム部材
256a :内側円筒部
256b :カム部
256c :歯面
258 :ハンドル側カム部材
258a :ハンドル支持部
258b :外側円筒部
258c :歯面
260 :カバー部材
260a :ハンドル支持部
260b :レバー受け部
260c :ガイドリブ
260d :カム面
262 :レバー部材
262a :操作部
262b :シャフト支持部
262c :支持ピン
262d :係合部
262e :第1カム面
262f :第2カム面
264 :バッテリカバー
264a :防水リブ
264b :永久磁石
266 :グリップ