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特許7526161太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュール、並びに原料太陽電池セル
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュール、並びに原料太陽電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/18 20060101AFI20240724BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H01L31/04 460
H01L31/04 260
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021507311
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020011154
(87)【国際公開番号】W WO2020189562
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2019048942
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100201455
【弁理士】
【氏名又は名称】横尾 宏治
(72)【発明者】
【氏名】前田 賢吾
(72)【発明者】
【氏名】牧野 司
(72)【発明者】
【氏名】松尾 秀樹
【審査官】桂城 厚
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-060205(JP,A)
【文献】国際公開第2018/084159(WO,A1)
【文献】特開2003-044119(JP,A)
【文献】特開2011-187555(JP,A)
【文献】特開2012-023140(JP,A)
【文献】特開2002-289889(JP,A)
【文献】特開2017-174986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0062002(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル電極層と接続電極を有する複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して電気的に接続された太陽電池モジュールの製造方法であって、
前記接続電極は、前記接続用部材又は他の太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続する電極であり、
一対の電極層と、前記一対の電極層に挟まれた光電変換部と、バスバー電極を有する原料太陽電池セルを製造する原料セル製造工程と、
前記原料太陽電池セルを複数片に分割して前記太陽電池セルを形成するセル分割工程と、を含み、
前記バスバー電極は、前記バスバー電極の一部であって、かつ前記バスバー電極の他の部分に比べて曲げ剛性が低い切断領域を有し、
前記セル分割工程では、前記バスバー電極の前記切断領域を切断して前記接続電極を形成する、太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項2】
前記切断領域には、少なくとも下記(1)~(4)のいずれかが形成されている、請求項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
(1)一又は複数の貫通孔
(2)一又は複数の切欠部
(3)一又は複数の凹部
(4)一又は複数の溝部
【請求項3】
前記セル分割工程は、レーザー加工によって前記原料太陽電池セルに分断用溝を形成するレーザー加工工程と、当該レーザー加工工程の後に前記原料太陽電池セルを前記分断用溝から折割切断する折割工程を含む、請求項又はに記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記原料太陽電池セルは、第一主面と、第二主面を有し、
前記バスバー電極は、前記第一主面側に設けられる第一バスバー電極と、前記第二主面側に設けられる第二バスバー電極を含み、
前記第一バスバー電極の切断領域は、前記折割工程によって分割され、
前記第二バスバー電極の切断領域は、前記レーザー加工工程によって分断される、請求項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項5】
前記原料太陽電池セルは、第一主面と、第二主面を有し、且つ、集電電極が設けられ、
前記集電電極は、前記第一主面側に設けられる第一集電電極と、前記第二主面側に設けられる第二集電電極を含み、
前記第一集電電極は、前記原料太陽電池セルを平面視したとき、前記第二集電電極と同一方向に延びており
前記第一集電電極の50%超過の部分は、前記原料太陽電池セルを平面視したとき、前記第二集電電極と重なっている、請求項1乃至のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項6】
前記セル分割工程よりも前に、前記原料太陽電池セルに外部負荷に接続して前記原料太陽電池セルで光エネルギーを電気エネルギーに変換する工程を含む、請求項1乃至のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールの製造方法。
【請求項7】
複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して電気的に接続されたセル群を有する太陽電池モジュールであって、
前記複数の太陽電池セルは、一対のセル電極層と、前記一対のセル電極層に挟まれた光電変換部と、接続電極とを有し、
前記接続電極は、前記接続用部材又は他の太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続し、所定方向に延伸しており、
前記接続電極は、長手方向の端面を形成する切断面部と、当該切断面部と連続する切断構造痕部を有し、
前記切断構造痕部は、前記接続電極の他の部分に比べて曲げ剛性が低い部分であって切欠部及び/又は薄肉部である、太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記接続電極は、長手方向の中間部に、厚み方向に貫通した貫通孔を有することを特徴とする請求項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項9】
前記セル群は、前記複数の太陽電池セルが直線状に並べられて形成されており、
前記接続電極の長手方向は、平面視したときに、前記複数の太陽電池セルの並列方向と交差する、請求項又はに記載の太陽電池モジュール。
【請求項10】
前記太陽電池セルの側面は、レーザー加工痕が形成されたレーザー加工領域と、折割痕が形成された折割領域を有し、
前記レーザー加工領域は、表面粗さが前記折割領域の表面粗さよりも大きい、請求項乃至のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項11】
前記太陽電池セルは、幅を持って所定方向に延伸し、長手方向の長さが幅方向の長さの5倍より大きく100倍より小さいものであり、
前記太陽電池セルは、集電電極と、補助電極を有し、
前記集電電極は、前記太陽電池セルの長手方向に沿って延びており、
前記補助電極と前記接続電極は、平面視したときに前記太陽電池セルの長手方向と交差する方向に延び、それぞれが前記集電電極と接触しており、
前記接続電極は、前記太陽電池セルの長手方向の一方の端部側に位置し、
前記補助電極は、前記太陽電池セルの長手方向の中央又は中央よりも他方の端部側に位置している、請求項乃至10のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
【請求項12】
バスバー電極を有し、前記バスバー電極を切断して複数の太陽電池セルに分割される原料太陽電池セルであって、
一対の電極層と、前記一対の電極層に挟まれた光電変換部を有し、
前記光電変換部は、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能であり、
前記バスバー電極は、前記電極層と電気的に接続されるものであり、
前記バスバー電極は、前記バスバー電極の一部であって、かつ前記バスバー電極の他の部分に比べて曲げ剛性が低い切断領域を有し、
前記バスバー電極に外部負荷を接続することで、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、変換した前記電気エネルギーを取り出すことが可能である、原料太陽電池セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュール、並びに原料太陽電池セルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低いエネルギー源として太陽電池モジュールが注目されている。
太陽電池モジュールは、一般的に、複数の太陽電池セルをガラス基板とバックシートの間に封止して形成されている。例えば、結晶系シリコン太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池セルをタブ線等の配線部材によって電気的に接続してセル列を形成し、このセル列を内部に封止した構造となっている。
【0003】
この種の太陽電池モジュールで採用される太陽電池セルを製造する際、インゴットから切り出した結晶シリコン基板に各層を製膜して仕掛品を作成し、この仕掛品を複数に分割して太陽電池を製造する手法が知られている。
例えば、特許文献1に開示された手法では、板状の仕掛品の一方の主面側からレーザー光を照射して仕掛品に分割用の溝を形成した後、仕掛品を折り曲げ切断し、結晶シリコン太陽電池を作成している。そして、この結晶シリコン太陽電池に対し、フィンガー電極やバスバー電極等の電極を適宜形成し、太陽電池セルとして使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6360340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した手法では、小型の太陽電池セルをより容易に量産可能とすることで、太陽電池モジュールの製造を容易化するという観点から、改良の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、従来に比べて、容易に製造可能な太陽電池モジュールの製造方法、太陽電池モジュール、並びに原料太陽電池セルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つの様相は、セル電極層と接続電極を有する複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して電気的に接続された太陽電池モジュールの製造方法であって、前記接続電極は、前記接続用部材又は他の太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続する電極であり、一対の電極層と、前記一対の電極層に挟まれた光電変換部と、接続電極形成部を有する原料太陽電池セルを製造する原料セル製造工程と、前記原料太陽電池セルを複数片に分割して前記太陽電池セルを形成するセル分割工程と、を含み、前記セル分割工程では、前記接続電極形成部を切断して前記接続電極を形成する、太陽電池モジュールの製造方法である。
【0008】
本様相によれば、太陽電池セルの接続電極となる接続電極形成部を設けた原料太陽電池セルを製造する原料セル製造工程を含んでいる。そして、本様相によれば、原料太陽電池セルを分割するセル分割工程により、接続電極形成部を切断し、接続電極を有する太陽電池セルを形成する。すなわち、本様相によれば、予め原料太陽電池セルに設けた接続電極形成部を分割して接続電極を形成することで、分割片のそれぞれに接続電極を形成する必要がなく、太陽電池セルの製造が容易である。
【0009】
好ましい様相は、前記接続電極形成部は、他の部分に比べて曲げ剛性が低い切断領域を有し、前記セル分割工程において、前記切断領域を切断することである。
【0010】
より好ましい様相は、前記切断領域には、少なくとも下記(1)~(4)のいずれかが形成されていることである。
(1)一又は複数の貫通孔
(2)一又は複数の切欠部
(3)一又は複数の凹部
(4)一又は複数の溝部
【0011】
より好ましい様相は、前記セル分割工程は、レーザー加工によって前記原料太陽電池セルに分断用溝を形成するレーザー加工工程と、当該レーザー加工工程の後に前記原料太陽電池セルを前記分断用溝から折割切断する折割工程を含むことである。
【0012】
より好ましい様相は、前記原料太陽電池セルは、第一主面と、第二主面を有し、前記接続電極形成部は、前記第一主面側に設けられる第一接続電極形成部と、前記第二主面側に設けられる第二接続電極形成部を含み、前記第一接続電極形成部の切断領域は、前記折割工程によって分割され、前記第二接続電極形成部の切断領域は、前記レーザー加工工程によって分断されることである。
【0013】
好ましい様相は、前記原料太陽電池セルは、第一主面と、第二主面を有し、且つ、集電電極が設けられ、前記集電電極は、前記第一主面側に設けられる第一集電電極と、前記第二主面側に設けられる第二集電電極を含み、前記第一集電電極は、前記原料太陽電池セルを平面視したとき、前記第二集電電極と同一方向に延び、前記第二集電電極と大部分が重なっていることである。
【0014】
ここでいう「大部分」とは、全体の50%超過の部分をいう。
【0015】
好ましい様相は、前記セル分割工程よりも前に、前記原料太陽電池セルに外部負荷に接続して前記原料太陽電池セルで光エネルギーを電気エネルギーに変換する工程を含むことである。
【0016】
ここでいう「外部負荷」とは、回路や装置の出力につながり,それらの供給する電流やエネルギーを消費するものをいい、具体的にはソーラーシミュレーターや、IVカーブトレーサー等のIV測定器などの電力負荷をいう。
【0017】
本発明の一つの様相は、複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して電気的に接続されたセル群を有する太陽電池モジュールであって、前記複数の太陽電池セルは、一対のセル電極層と、前記一対のセル電極層に挟まれた光電変換部と、接続電極とを有し、前記接続電極は、前記接続用部材又は他の太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続し、所定方向に延伸しており、前記接続電極は、長手方向の端面を形成する切断面部と、当該切断面部と連続する切断構造痕部を有し、前記切断構造痕部は、切欠部及び/又は薄肉部である、太陽電池モジュールである。
【0018】
本様相によれば、上記した太陽電池モジュールの製造方法で製造が可能であり、容易に製造できる。
【0019】
好ましい様相は、前記接続電極は、長手方向の中間部に、厚み方向に貫通した貫通孔を有することである。
【0020】
ここでいう「中間部」とは、端部以外に部位をいい、「長手方向の中間部」とは、長手方向の一方の端部と他方の端部の間にある部分をいう。
【0021】
好ましい様相は、前記セル群は、前記複数の太陽電池セルが直線状に並べられて形成されており、前記接続電極の長手方向は、平面視したときに、前記複数の太陽電池セルの並列方向と交差することである。
【0022】
好ましい様相は、前記太陽電池セルの側面は、レーザー加工痕が形成されたレーザー加工領域と、折割痕が形成された折割領域を有し、前記レーザー加工領域は、表面粗さが前記折割領域の表面粗さよりも大きいことである。
【0023】
好ましい様相は、前記太陽電池セルは、幅を持って所定方向に延伸し、長手方向の長さが幅方向の長さの5倍より大きく100倍より小さいものであり、前記太陽電池セルは、集電電極と、補助電極を有し、前記集電電極は、前記太陽電池セルの長手方向に沿って延びており、前記補助電極と前記接続電極は、平面視したときに前記太陽電池セルの長手方向と交差する方向に延び、それぞれが前記集電電極と接触しており、前記接続電極は、前記太陽電池セルの長手方向の一方の端部側に位置し、前記補助電極は、前記太陽電池セルの長手方向の中央又は中央よりも他方の端部側に位置していることである。
【0024】
本発明の一つの様相は、複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して接続されたセル群を有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池セルは、幅を持って所定方向に延伸し、長手方向の長さが幅方向の長さの5倍より大きく100倍より小さいものであり、前記太陽電池セルは、一対のセル電極層と、前記一対のセル電極層に挟まれた光電変換部と、接続電極と、集電電極と、補助電極を有し、前記接続電極は、前記接続用部材又は他の前記太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続しており、前記集電電極は、前記接続電極から前記太陽電池セルの長手方向に延びており、前記補助電極と前記接続電極は、平面視したときに前記太陽電池セルの長手方向と交差する方向に延び、それぞれが前記集電電極と接触しており、前記接続電極は、前記太陽電池セルの長手方向の一方の端部側に位置しており、前記補助電極は、前記太陽電池セルの長手方向の中央又は中央よりも他方の端部側に位置している、太陽電池モジュールである。
【0025】
本様相によれば、上記した太陽電池モジュールの製造方法で製造が可能であり、容易に製造できる。
本様相によれば、接続電極が太陽電池セルの一方の端部に位置しているため、接続しやすい。
本様相によれば、太陽電池セルが長手方向の長さが幅方向の長さよりも長く長尺状であっても、接続電極と反対側に補助電極が設けられているため、抵抗損失を小さくできる。
【0026】
本発明の一つの様相は、複数の太陽電池セルが直接又は接続用部材を介して電気的に接続されたセル群を有する太陽電池モジュールであって、前記太陽電池セルは、一対のセル電極層と、前記一対のセル電極層に挟まれた光電変換部と、接続電極と、集電電極を有し、前記接続電極は、前記接続用部材又は他の太陽電池セルの前記接続電極と、前記セル電極層とを接続しており、前記集電電極は、前記太陽電池セルの長手方向に延びており、前記接続電極は、平面視したときに、幅をもって前記集電電極の延び方向に対して交差するように延伸しており、前記接続電極は、幅が前記集電電極の幅よりも太く、延び方向における端面が切断面によって形成されている、太陽電池モジュールである。
【0027】
本様相によれば、上記した太陽電池モジュールの製造方法で製造が可能であり、製造が容易である。
【0028】
本発明の一つの様相は、接続電極形成部を有し、前記接続電極形成部を切断して複数の太陽電池セルに分割される原料太陽電池セルであって、一対の電極層と、前記一対の電極層に挟まれた光電変換部を有し、前記光電変換部は、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能であり、前記接続電極形成部は、前記電極層と電気的に接続されるものであって、他の部分に比べて曲げ剛性が低い切断領域を有し、前記接続電極形成部に外部負荷を接続することで、光エネルギーを電気エネルギーに変換し、変換した前記電気エネルギーを取り出すことが可能である、原料太陽電池セルである。
【0029】
本様相によれば、上記した太陽電池モジュールの製造方法で使用可能であり、製品たる太陽電池モジュールの製造が容易となる。
本様相によれば、原料太陽電池セルの状態で出力を確認できるので、歩留まりを向上できる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によると、太陽電池モジュールの製造を容易化できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールをマンションの窓部分として使用した様子を示す斜視図である。
図2図1の太陽電池モジュールを示す平面図であり、太陽電池セル及び配線部材を模式的に示す。
図3図2のモジュール本体及び端子ボックスを示す一部分解斜視図であり、モジュール本体はラミネート加工前の状態を分解した様子を示す。
図4図2の太陽電池セルを示す斜視図である。
図5図2の太陽電池セルを示す平面図であり、(a)は厚さ方向の一方側からみた平面図であり、(b)は厚さ方向の他方側からみた平面図である。
図6図4の太陽電池セルのA―A断面を模式的に示す断面図である。
図7図4の太陽電池セルの端部周辺を示す斜視図であり、一部拡大して示す。
図8図4の太陽電池セルの端部周辺を示す平面図である。
図9図2のセル列集合体の周辺を拡大して示す平面図である。
図10】(a)は、図2のセル列の一部を拡大して示す斜視図であり、(b)は、(a)のセル列の一部を模式的に示す側面図である。
図11図2のセル列同士を連結する第二インターコネクタの周辺を拡大して模式的に示す説明図である。
図12】原料太陽電池セルを示す平面図であり、(a)は第一主面側からみた様子を示し、(b)は第二主面側からみた様子を示す。
図13】原料太陽電池セルを模式的に示す図であり、フィンガー電極を省略して示す説明図であって、(a)は第一主面側からみた様子を示し、(b)は第二主面側からみた様子を示す。
図14図12の低剛性部の周辺を拡大して示す説明図であり、一部をさらに拡大して示す。
図15図13の原料太陽電池セルを示す図であり、第一原料部と第二原料部とをドットで示す説明図であって、(a)は第一主面側からみた様子を示し、(b)は第二主面側からみた様子を示す。
図16図13の原料太陽電池セルを示す図であり、セル分割工程における分断ラインの位置を示す説明図であって、(a)は第一主面側からみた様子を示し、(b)は第二主面側からみた様子を示す。
図17】セル分割工程で原料太陽電池セルを分割する様子を模式的に示す説明図であり、図12におけるB-B断面の一部を示す図であって、(a)はレーザー加工工程後の様子を示し、(b)は折割工程後の様子を示す。
図18図12におけるC-C断面の一部を示す図であって、(a)はレーザー加工工程後の様子を示し、(b)は折割工程後の様子を示す。
図19図17(b)の一部を拡大して示す説明図である。
図20】(a)は、図19のレーザー加工領域の表面の一部を拡大して示す図であって、拡大部分の一部をさらに拡大して示す説明図である。(b)は、図19の折割領域の表面の一部を拡大して示す説明図である。
図21】上記した実施形態とは異なる実施形態に係る低剛性部を示す説明図であり、(a)~(c)はそれぞれ異なる低剛性部を示す。
図22】上記した実施形態とは異なる実施形態に係る原料太陽電池セルのバスバー電極を示す説明図であり、(a)、(b)はそれぞれ異なるバスバー電極を示す。
図23】上記した実施形態とは異なる実施形態に係る原料太陽電池セルのバスバー電極を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール1及びその製造方法について、図面を参照しつつ詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、作図の都合上、図面によっては、一部にのみ符号を付し、他への符号を省略する場合がある。
【0033】
本実施形態の太陽電池モジュール1は、シースルー型の太陽電池モジュールであり、図1のように、ビル等の壁面に形成される開口部分に取り付け、窓として使用可能なものである。すなわち、太陽電池モジュール1は、建築物や構造物の少なくとも一部となる壁部分を形成する建材(壁材であり、太陽電池付き建材)として使用可能である。
【0034】
太陽電池モジュール1は、図2のように、モジュール本体3にフレーム部材4と端子ボックス5を取り付けて形成されている。この太陽電池モジュール1は、全体形状が立板状であり、直立姿勢で使用されることを想定している。
【0035】
モジュール本体3は、図3のように、第一透明基板10と第二透明基板11の間に、太陽電池セル12と、タブ線等のインターコネクタである配線部材13(接続用部材)を封止して形成されている。
【0036】
モジュール本体3は、厚さ方向の一方側から順に、第二透明基板11、封止シート15a、太陽電池セル12及び配線部材13、封止シート15b、第一透明基板10を積層し(図3参照)、これらをラミネート加工して形成されている。
なお、2つの封止シート15a,15bは、ラミネート加工時に加熱され、それぞれ溶融流動し、透明基板10,11のそれぞれに接着する一つの封止層(図示しない)を形成する。つまり、モジュール本体3では、透明基板10,11の間に封止シート15a,15bを原料とする封止材(充填材)が充填され、封止層が形成されている。そして、この封止層によって太陽電池セル12及び配線部材13が封止されている。
【0037】
透明基板10,11は、透光性、絶縁性を有する透明絶縁基板であり、ガラス基板、透明樹脂基板等を採用可能である。本実施形態の透明基板10,11は、ガラス基板を採用している。
封止シート15a,15bは、接着性、透光性、絶縁性を有する樹脂シートを採用でき、本実施形態ではEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)シートを採用している。
【0038】
フレーム部材4は、図2のように、モジュール本体3の縁端部分を覆う金属フレームである。本実施形態のフレーム部材4は、内部に、モジュール本体3の縁端部分と端子ボックス5を収納している。
【0039】
端子ボックス5は、図2図3のように、本体箱部5aと、ケーブル5bを備えている。
【0040】
本体箱部5aは、図3のように、モジュール本体3の縁部分に取り付けられている。
ケーブル5bは、太陽電池モジュール1が発電した電力を外部に取り出すものである。ケーブル5bは、一端側が本体箱部5aの内部に引き込まれており、本体箱部5aの内外に亘って延びている。
ここで、本体箱部5aの内部には、配線部材13(具体的には、第一取出配線50、第二取出配線51)が引き込まれている。そして、ケーブル5bの一端側に位置する部分と、これらの配線部材13は、本体箱部5aの内部で電気的に接続されている。
【0041】
太陽電池セル12は、図4のように、概形が短冊状の板状体であり、幅を持って所定方向に延伸し、長手方向の長さが幅方向の長さよりも長い。
太陽電池セル12の平面視形状は、図5のように、対向する位置にある2つの長辺17と、この長辺17と交わる方向に延びる短辺18を備えた形状である。本実施形態の太陽電池セル12は、平面視形状が所定方向に延びた略長方形状であり、2つの長辺17が互いに平行であり、且つ、2つの短辺18が長辺17と直交する。
【0042】
太陽電池セル12は、平面視における長辺17の長さ(長手方向の長さ)が短辺18の長さ(幅方向の長さ)の5倍より大きく100倍より小さいことが好ましい。本実施形態の太陽電池セル12は、長辺17の長さが短辺18の長さの25倍であり、平面視形状が細長く延びている。
【0043】
太陽電池セル12は、図6のように、一対の透明電極層20,21(一対のセル電極層)を有し、一対の透明電極層20,21によって光電変換部22が挟まれている。
光電変換部22は、半導体基板と、当該半導体基板とは逆導電型の半導体層を含んで形成される部分であり、光エネルギーを電気エネルギーに変換することが可能となっている。
【0044】
太陽電池セル12は、図4のように、厚み方向(図4における上下方向)の一端側を構成する第一主面25と、他端側を構成する第二主面26を有している。なお、厚み方向とは、太陽電池セル12の長手方向と、幅方向のそれぞれと直交する方向である。
【0045】
太陽電池セル12は、図5のように、第一主面25上に、第一バスバー電極30a(接続電極)と、複数の第一フィンガー電極31a(第一集電電極)と、複数の第一補助電極32aが設けられている。太陽電池セル12は、第二主面26上に、第二バスバー電極30b(接続電極)と、複数の第二フィンガー電極31b(第二集電電極)と、複数の第二補助電極32bが設けられている。本実施形態の太陽電池セル12は、フィンガー電極31a,31bがそれぞれ4つずつ設けられている。
【0046】
第一フィンガー電極31aは、太陽電池セル12の短手方向(幅方向)で間隔を空けて並列配置されて電極の列(以下、第二電極列ともいう)を形成している。各第一フィンガー電極31aは、太陽電池セル12の長手方向に沿って、長手方向の一端側から他端側まで延びている。
【0047】
第一バスバー電極30aと第一補助電極32aは、第一フィンガー電極31aの長手方向と交わる方向(直交する方向)に延び、各第一フィンガー電極31aと接触している。
第一バスバー電極30aと第一補助電極32aは、いずれも太陽電池セル12の幅方向(短手方向)の一端側から他端側までの間で、複数の第一フィンガー電極31aからなる第二電極列を横切るように延びている。
【0048】
第一バスバー電極30aと各第一補助電極32aは、太陽電池セル12の長手方向で間隔を空けて並列するように配され、電極の列(以下、第一電極列ともいう)を形成している。
第一電極列は、第一フィンガー電極31aで構成された第二電極列と比べて各電極間の間隔が広くなっている。
【0049】
第一バスバー電極30aは、図7のように、大別して、中央本体部35と、端部側部分36に区画される。
【0050】
中央本体部35は、太陽電池セル12の幅方向(第一バスバー電極30aの長手方向)で中心側(中央側)に位置する部分であり、平面視形状が略長方形状の板状(又は箔状、若しくは膜状)となっている。
端部側部分36は、図8のように、太陽電池セル12の幅方向の端部及びその周辺部分を形成する部分であり、バスバー端部を構成する部分である。
端部側部分36は、第一バスバー電極30aのうち、第一バスバー電極30aの長手方向における端部から所定距離L1,L2だけ離れた位置までの間に形成される部分である。所定距離L1,L2は、同一長さであってもよく、異なる長さであってもよい。つまり、一方及び他方の端部側部分36は、同じ大きさ(略同じ大きさ)であってもよく、異なる大きさであってもよい。
【0051】
端部側部分36では、図7のように、第一バスバー電極30aの幅方向端部から中央側に向かって窪む切欠部38(38a,38b)(欠落部)が設けられている。また、第一バスバー電極30aの長手方向端部に位置する面は、凹凸を含んだ面である端部凹凸面部39となっている。さらに、第一バスバー電極30aの長手方向端部からやや中央側に離れた位置には、複数の貫通孔部40(貫通孔)が形成されている。
【0052】
切欠部38は、第一バスバー電極30aの幅方向における端部近傍を欠落させて形成された欠落部分である。本実施形態の切欠部38は、第一バスバー電極30aの幅方向中心側に向かって丸みを帯びて凸となる湾曲面を形成している。
【0053】
端部凹凸面部39は、第一バスバー電極30aの長手方向において、端部側に位置する端面部39a(切断面部、切断面)と、端部側から中心側(中央側)へ窪んだ孔痕部39b(切断構造痕部)とが連続して形成されている。
【0054】
端面部39aは、低剛性部83(図14参照)の一部が切断された部分であり、端面の一部を構成している。本実施形態の太陽電池セル12は、第一バスバー電極30aの幅方向で断続する複数の端面部39aによって端面が構成されており、この複数の端面部39aは、同方向において間隔を空けて並列している。
【0055】
具体的には、端部凹凸面部39は、第一バスバー電極30aの幅方向の一端側から他端側に向かって、端面部39aと孔痕部39bとが交互に並んだ状態となっている。したがって、複数の孔痕部39bは、複数の端面部39aと同様に、第一バスバー電極30aの幅方向で間隔を空けて並列するように配されている。
【0056】
孔痕部39bは、第一バスバー電極30aの長手方向の端部側から中心側(中央側)へ向かって丸み帯びて凸となるように窪んだ部分である。言い換えると、孔痕部39bは、平面視形状が円弧状となるように湾曲した湾曲面を形成する部分であり、原料太陽電池セル70では第一バスバー電極30aを貫通する貫通孔部40の一部を構成していた部分でもある。
【0057】
貫通孔部40は、開口形状が円形であり、第一バスバー電極30a(端部側部分36)を貫通する孔である。
本実施形態の貫通孔部40は、第一バスバー電極30aの幅方向で離れた位置に形成される2つの切欠部38a,38bの間で、間隔を空けて複数並列し、貫通孔列41を形成している。この貫通孔列41は、複数の孔痕部39bが並列配置されて形成される列よりも、第一バスバー電極30aの長手方向で中心側に位置している。
【0058】
続いて、太陽電池セル12の第二主面26側について説明するが、第一主面25側と同様の部分については、詳細な説明を省略する。
【0059】
太陽電池セル12は、図5(b)のように、第二主面26上に、第二バスバー電極30bと、複数(本実施形態では4つ)の第二フィンガー電極31b、複数(本実施形態では2つ)の第二補助電極32bが設けられている。
各第二フィンガー電極31bは、太陽電池セル12の長手方向に沿って延びている。
第二バスバー電極30bと第二補助電極32bは、第二フィンガー電極31bの長手方向と交わる方向(直交する方向)に延びており、各第二フィンガー電極31bと接触している。
【0060】
第二フィンガー電極31bは、図6のように、第一フィンガー電極31aと同数設けられており、第一フィンガー電極31aと同一方向に延びている。そして、各第二フィンガー電極31bは、第一フィンガー電極31aと太陽電池セル12の厚さ方向(図6における上下方向)で重なる。
なお、本実施形態の第二フィンガー電極31bは、第一フィンガー電極31aと幅方向長さが同一(又は略同一)であり、それぞれの幅方向における全域(又は略全域)同士が太陽電池セル12の厚さ方向(平面視)で重なるように形成されている。言い換えると、太陽電池セル12は、第二フィンガー電極31bの少なくとも一部と、第一フィンガー電極31aの少なくとも一部とが平面視で重なるように形成されている。
第二フィンガー電極31bは、平面視において第一フィンガー電極31aと第二フィンガー電極31bと同一方向に延び、第二フィンガー電極31bと大部分が重なっていることが好ましく、第二フィンガー電極31bと80%以上の部分が重なっていることがより好ましく、90%以上の部分が重なっていることが特に好ましい。
【0061】
第一補助電極32aと第二補助電極32bは、図5のように、太陽電池セル12の厚さ方向で重ならないように形成されている。
【0062】
第一補助電極32aは、図5(a)のように、太陽電池セル12の長手方向の中間部に設けられており、具体的には、太陽電池セル12の長手方向の片側端部(図5における左端部)からやや中心側(中央側)に離れた位置と、同長手方向で中心(中央)近傍となる位置にそれぞれ形成されている。
第二補助電極32bは、図5(b)のように、太陽電池セル12の長手方向の中間部に設けられており、具体的には、太陽電池セル12の長手方向の他方端部(図5における右端部)からやや中心側(中央側)に離れた位置と、同長手方向で中心(中央)近傍となる位置から他方端部側に離れた位置にそれぞれ形成されている。
【0063】
第一バスバー電極30aは、太陽電池セル12の長手方向における一端側(図5における右端側)に設けられており、第二バスバー電極30bは、同長手方向における他端側(図5における左端側)に設けられている。
つまり、バスバー電極30a,30bは、いずれも太陽電池セル12の長手方向における端部側(端部よりの位置)に設けられており、同長手方向の中心(中央)及び中心(中央)近傍に形成されない構造となっている。
なお、ここでいう「端部側に設けられている」とは、太陽電池セル12を平面視したとき、第一主面25、第二主面26のそれぞれにおいて、太陽電池セル12の長手方向における端部から所定距離L3まで離れた領域(端部側領域α)に設けられたものをいう。
所定距離L3は、太陽電池セル12の全長(長手方向の長さ)の20パーセント以下であり、15パーセント以下であることがより好ましく、5パーセント以下であることがさらに好ましい。
【0064】
バスバー電極30(30a,30b)は、フィンガー電極31(31a,31b)、補助電極32(32a,32b)よりも幅方向の長さの長い(太い)電極である。
本実施形態の補助電極32は、幅方向の長さがフィンガー電極31の幅方向の長さと同一の長さとなっている。
なお、補助電極32は、フィンガー電極31よりも幅方向の長さが長くなるように(太くなるように)形成してもよく、フィンガー電極31よりも幅方向の長さが短くなるように(細くなるように)形成してもよい。
【0065】
第一主面25及び第二主面26のそれぞれと連続する太陽電池セル12の側面部分のうち、長寸の側面は、図4のように、レーザー加工領域43と、折割領域44を有している。
本実施形態の太陽電池セル12は、第二主面26側となる位置にレーザー加工領域43が形成され、第一主面25側となる位置に折割領域44が形成されている。
【0066】
レーザー加工領域43は、折割領域44に比べて表面粗さが大きい領域である。
ここで、レーザー加工領域43は、第一主面25側に位置する先端側領域43aと、第二主面26側に位置する基端側領域43bを有する。
先端側領域43aは、側面視形状が鋸歯状となっている。つまり、レーザー加工領域43と折割領域44の境界となる部分は、複数回折り返して延びる直線状となっている。したがって、先端側領域43aが位置する部分では、太陽電池セル12の長手方向でレーザー加工領域43となる部分と、折割領域44となる部分とが隣接する。
【0067】
基端側領域43bは、太陽電池セル12の長手方向の全域に亘ってレーザー加工領域43となる。なお、基端側領域43bの太陽電池セル12の厚さ方向における長さL4は、太陽電池セル12の厚み(厚さ方向の長さ)の40パーセント以下となることが好ましい。
【0068】
太陽電池モジュール1は、図2図3のように、配線部材13として、第一取出配線50、第二取出配線51、第一インターコネクタ52、第二インターコネクタ53、連結配線54を備えている。
【0069】
本実施形態の太陽電池モジュール1は、複数(本実施形態では6つ)の太陽電池セル12を直線状に並列させ、隣り合う太陽電池セル12同士を第一インターコネクタ52によって電気的に直列接続し、セル列60を形成している(図2図9参照)。
さらに、太陽電池モジュール1は、複数(本実施形態では3つ)のセル列60を第二インターコネクタ53によって電気的に直列接続し、セル列集合体61(セル群)を形成している(図2図9参照)。
その上で、太陽電池モジュール1は、セル列集合体61の正極及び負極の一方の電極を連結配線54によって第一取出配線50と電気的に接続し、他方の電極を連結配線54によって第二取出配線51と電気的に接続している(図2参照)。
【0070】
第一インターコネクタ52は、上記したように、セル列60に属する太陽電池セル12のうち、隣接する位置に配される2つの太陽電池セル12a,12bを電気的に接続するための部材(タブ線)である。
第一インターコネクタ52は、図10のように、全体形状が略Z状となるように屈曲して延びる板状(又は箔状、若しくは膜状)となっている。
第一インターコネクタ52は、第一覆部52aと、第二覆部52bと、覆部52a,52bを連結する連結部52cとを有する。
【0071】
第一覆部52aは、面状に広がりを有し、一方の太陽電池セル12aの第一主面25の一部を覆う部分である。第一覆部52aは、一方の太陽電池セル12aの第一バスバー電極30aと導電性接着剤65を介して一体に接続されている。
第二覆部52bは、面状に広がりを有し、他方の太陽電池セル12bの第二主面26の一部を覆う部分である。第二覆部52bは、他方の太陽電池セル12bの第二バスバー電極30bと導電性接着剤65を介して一体に接続される部分である。
覆部52a,52bは、いずれも、少なくとも一部が太陽電池セル12a,12bの一部と、太陽電池セル12の厚さ方向で重なるように配されている。
【0072】
連結部52cは、セル列60(図2図9等参照)の並列方向成分と、太陽電池セル12の厚さ方向成分を含む方向に延びる部分であり、一端側が第一覆部52aと連続し、他端側が第二覆部52bと連続している。
【0073】
第二インターコネクタ53は、図2図9図11のように、一のセル列60に属する一の太陽電池セル12cと、他のセル列60に属する一の太陽電池セル12dを電気的に接続するための部材(タブ線)である。そして、この第二インターコネクタ53は、モジュール本体3の厚さ方向を視線方向とした平面視において、略コ字状に延びる板状(又は箔状、若しくは膜状)の部材となっている。
【0074】
具体的には、第二インターコネクタ53は、図11のように、一の太陽電池セル12cの第一主面25の一部を覆う第一覆部53aと、他の太陽電池セル12dの第二主面26の一部を覆う第二覆部53bと、これらを連結する連結部53cとを有する。
第一覆部53a及び第二覆部53bは、太陽電池セル12の長手方向(セル列60の並列方向)と同方向に延伸している。
第一覆部53a及び第二覆部53bは、上記した第一覆部52a及び第二覆部52bと同様に(図10(b)参照)、一方の太陽電池セル12cの第一バスバー電極30aと、他方の太陽電池セル12dの第二バスバー電極30bのそれぞれと導電性接着剤65を介して一体に接続されている。
【0075】
本実施形態の太陽電池モジュール1は、図2のように、第一取出配線50と、第二取出配線51と、第二インターコネクタ53の一部(連結部53cに相当する部分、図11参照)と、連なる連結配線54の一部がフレーム部材4の内側に位置している。
すなわち、太陽電池モジュール1は、これらがモジュール本体3の縁端側の内部に封止され、このモジュール本体3の縁端側部分がフレーム部材4の内側に位置している。
【0076】
太陽電池モジュール1は、モジュール本体3のうち、フレーム部材4の外部に露出する中心側部分3aでは、セル列60が所定方向(図2における上下方向)で間隔を空けて並列した状態となっている。このとき、それぞれのセル列60の長手方向(列の並列方向であり、図2における左右方向)の両端部分には、第二インターコネクタ53の一部、又は、連結配線54の一部が同長手方向に沿って延びている。
【0077】
つまり、太陽電池モジュール1は、中心側部分3aの内部では、セル列60及びその並列方向の両端に位置する配線部材13の一部(第二インターコネクタ53の一部又は連結配線54の一部)により、直線状に延びる構造体が形成されている。そして、この構造体は、セル列60の並列方向(図2の左右方向)で、中心側部分3aの一端側から他端側まで延びている。
また、この構造体は、セル列60の長手方向と交わる方向(本実施形態では同長手方向と直交する方向であり、図2における上下方向)で間隔を空けて並列配置されている。このことから、本実施形態の太陽電池モジュール1を窓として使用した場合、各構造体の間から差し込む光により、あたかもブラインドのような風合いを発現できる。
【0078】
続いて、本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法について説明する。
【0079】
本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法は、まず、原料太陽電池セル70(図12参照)を製造する原料セル製造工程と、原料太陽電池セル70を複数片に分割するセル分割工程を順次実施し、これらの工程によって太陽電池セル12を製造する。
なお、必要に応じてセル分割工程の前に原料太陽電池セル70に外部負荷を接続し、原料太陽電池セル70が正常に光電変換するか確認する確認工程を行ってもよい。こうすることで、原料太陽電池セル70が不良品か確認することができ、歩留まりを向上できる。
【0080】
続いて、製造した複数の太陽電池セル12と、配線部材13とを第一透明基板10と第二透明基板11の間に封止してモジュール本体3を製造する(図3参照)。そして、モジュール本体3に端子ボックス5を取り付け、さらにフレーム部材4を取り付けることで、太陽電池モジュール1を形成する。
以下、本実施形態の特徴の一つである原料セル製造工程とセル分割工程について詳細に説明する。
【0081】
原料セル製造工程は、通常の太陽電池セルとして使用可能な原料太陽電池セル70を製造する工程である。
この原料太陽電池セル70は、通常の太陽電池セルと同様、太陽電池基板の主面に対して導電性ペーストを印刷し、乾燥、焼成させることで各種電極を形成している。
なお、導電性ペーストは、銀粉、銅粉等の導電性の金属粉末に溶剤、樹脂、分散剤等を配合して作成されたものである。
【0082】
原料太陽電池セル70は、図12のように、平面視形状が四隅を欠落させた四角形状の板状体である。つまり、原料太陽電池セル70は、略矩形板状の太陽電池セルである。
この原料太陽電池セル70は、厚み方向の一端側を構成する第一主面75(図12(a)参照)と、他端側を構成する第二主面76(図12(b)参照)を有している。
【0083】
原料太陽電池セル70は、図12のように、第一主面75上に、第一フィンガー電極31a(第一集電電極)と、第一補助電極32aと、第一バスバー電極80a(第一接続電極形成部)と、第一補助バスバー電極81aが設けられている。
原料太陽電池セル70は、第二主面76上に、第二フィンガー電極31b(第二集電電極)と、第二補助電極32bと、第二バスバー電極80b(第二接続電極形成部)と、第二補助バスバー電極81bが設けられている。
【0084】
補助電極32a,32bは、上記したように、フィンガー電極31a,31bよりも太い(幅方向長さの長い)電極となっている。
バスバー電極80a,80bと補助バスバー電極81a,81bは、補助電極32a,32bよりもさらに太い電極となっている。
【0085】
原料太陽電池セル70は、図12(a)のように、複数の第一フィンガー電極31aが所定方向に延伸するように設けられている。
なお、以下の説明において、第一フィンガー電極31aの延伸方向を第一の方向とも称し、第一の方向と交わる(直交する)方向を第二の方向とも称す。
【0086】
各第一フィンガー電極31aは、第二の方向で間隔を空けて並列するように設けられている。この第一フィンガー電極31aによる電極の列は、第一主面75の周縁部分を含む一部を除いた、第一主面75の略全域に亘って形成されている。
【0087】
第一補助電極32aは、第二の方向に延びる電極であり、原料太陽電池セル70の第二の方向における長さよりもやや短い長さとなっている。つまり、第一補助電極32aは、第二の方向における原料太陽電池セル70の片側端部からやや離れた位置から、他方端部からやや離れた位置までの間で延びている。
【0088】
第一バスバー電極80aは、第二の方向に延びる電極であり、原料太陽電池セル70の第二の方向の長さよりもやや短い長さとなっている。
【0089】
ここで、第一補助電極32aと第一バスバー電極80aは、いずれも複数設けられており、第一の方向で間隔を空けて並列している。つまり、これらの電極32a,80aは、互いに平行となるように延びており、第一の方向で間隔を空けて並列配置される電極の列を形成している。そして、この電極の列は、複数の第一フィンガー電極31aによって構成される電極の列と比べ、各電極間の間隔が広くなっている。
【0090】
ここで、第一バスバー電極80aのうち、一の第一バスバー電極80a(以下、製品用バスバー電極85aともいう)には、複数個所に低剛性部83(切断領域)が設けられており、他の第一バスバー電極80a(以下、非製品用バスバー電極86aともいう)には、低剛性部83が設けられていない(図12(a)、図13(a)等参照)。
【0091】
具体的には、製品用バスバー電極85aは、複数の低剛性部83が、製品用バスバー電極85aの長手方向(第二の方向)に沿って間隔を空けて並列するようにそれぞれ設けられており、それぞれの低剛性部83は、他部に比べて剛性が低い部分となっている。
本実施形態の製品用バスバー電極85aは、複数の低剛性部83が並列配置されて形成される低剛性部83の列において、一部に2つの低剛性部83間の間隔が他よりも広くなる部分を有している。しかしながら、この低剛性部83の列では、2つの低剛性部83間の間隔がいずれも等間隔となるように形成してもよい。
【0092】
本実施形態の低剛性部83は、図14のように、製品用バスバー電極85aの所定領域(図中βで示される領域)に、複数の切欠部38と複数の貫通孔部40を設けて形成されている。
【0093】
切欠部38は、製品用バスバー電極85aの幅方向の端部を欠落させて形成される部分であり、同幅方向の中心側に向かって丸みを帯びて凸となるように窪んだ湾曲面を形成する。この切欠部38は、製品用バスバー電極85aを厚さ方向(図14の奥行き方向)で貫通するように、同厚さ方向の一端側から他端側までの間に形成されている。
【0094】
本実施形態の製品用バスバー電極85aは、第一バスバー電極80aの幅方向(図14の上下方向)において、複数(2つ)の切欠部38が間隔を空けて並列している。また、製品用バスバー電極85aは、第一バスバー電極80aの長手方向(図14の左右方向)において、複数(2つ)の切欠部38が間隔を空けて並列している。
【0095】
貫通孔部40は、開口形状が円形であり、第一バスバー電極80aを厚さ方向に貫通する貫通孔である。
製品用バスバー電極85aは、複数の貫通孔部40が製品用バスバー電極85aの幅方向で並列配置されて形成される複数(本実施形態では3つ)の貫通孔列41a,41b,41cを形成しており、これら貫通孔列41a,41b,41cが製品用バスバー電極85aの長手方向で並列している。
第一貫通孔列41aと第二貫通孔列41bは、製品用バスバー電極85aの幅方向(図14の上下方向)両端にそれぞれ位置する2つの切欠部38a,38bの間に形成されている。
製品用バスバー電極85aは、第一貫通孔列41aと第二貫通孔列41bの間に第三貫通孔列41cが設けられている。
【0096】
第三貫通孔列41cは、貫通孔列41a,41bと比べて、列を構成する貫通孔部40の数が多い。第一貫通孔列41a、第二貫通孔列41bに属する貫通孔部40の開口中心P1と、第三貫通孔列41cに属する貫通孔部40の開口中心P2は、製品用バスバー電極85aの幅方向(図14の上下方向)でずれた位置(異なる位置)となっている。
【0097】
第一補助バスバー電極81aは、図13(a)のように、それぞれ離れた位置に形成される第一小電極部90、第二小電極部91、第三小電極部92、第四小電極部93、第五小電極部94、第六小電極部95、第七小電極部96から構成されている。
【0098】
第一小電極部90は、平面視形状が略十字状に延びる部分であり、第一の方向に延びる第一延伸部90aと、第二の方向に延びる第二延伸部90bとが一体となって形成されている。
【0099】
第二小電極部91及び第三小電極部92は、平面視形状が略十字状に延びる部分であり、第一延伸部91a,92aと、第二延伸部91b,92bを有する。これら第一延伸部91a,92aと、第二延伸部91b,92bは、上記した第一小電極部90の第一延伸部90a、第二延伸部90bのそれぞれと同方向に延びている。
【0100】
第四小電極部93、第五小電極部94、第六小電極部95は、それぞれ第一小電極部90、第二小電極部91、第三小電極部92と同形の部分であり、重複する説明を省略する。小電極部93~95は、いずれも第一延伸部93a,94a,95aと、第二延伸部93b,94b,95bを有する。
【0101】
第七小電極部96は、第二の方向に延びる本体部96aと、本体部96aと交わる(直交する)方向に延びる複数(2つ)の連結部96bを有する。
本体部96aは、第一バスバー電極80a(製品用バスバー電極85a)と同一(略同一)の長さとなる部分であり、それぞれの第一バスバー電極80a(製品用バスバー電極85a)から、第一の方向における一方側(図13における下方側)に離れた位置に設けられている。
連結部96bは、第二の方向で離れた位置にそれぞれ形成されており、いずれも本体部96aと第一バスバー電極80a(製品用バスバー電極85a)の間でこれらを連結するように延びている。すなわち、連結部96bは、延伸方向(第一の方向)の一端側が本体部96aと接触し、他端側が第一バスバー電極80a(製品用バスバー電極85a)と接触している。
【0102】
ここで、第一小電極部90、第四小電極部93の第一延伸部90a,93aは、長手方向(第一の方向)の一端側(図13(a)における上側)が一方の第一バスバー電極80a(非製品用バスバー電極86a)と接触している。第三小電極部92、第六小電極部95の第一延伸部92a,95aは、長手方向(第一の方向)の他端側(図13(a)における下側)が他方の第一バスバー電極80a(製品用バスバー電極85a)と接触している。
また、小電極部90~92の第一延伸部90a,91a,92aと、一方の連結部96bは、第一の方向で間隔を空けて直線状に並列配置されている。
同様に、小電極部93~95の第一延伸部93a,94a,95aと、他方の連結部96bは、第一の方向で間隔を空けて直線状に並列配置されている。
小電極部90~92と小電極部93~95は、それぞれ第二の方向で離れた位置に形成されている。
【0103】
続いて、原料太陽電池セル70の第二主面76側について説明するが、第一主面75側と同様の部分については、詳細な説明を省略する。
【0104】
原料太陽電池セル70は、図12(b)のように、第二主面76において、複数の第二フィンガー電極31bが第二主面76の略全域に亘って形成されており、それぞれ第一の方向に延びている。また、第二補助電極32bと第二バスバー電極80bは、それぞれ第二の方向に延びており、原料太陽電池セル70の第二の方向の長さよりもやや短い長さとなっている。
【0105】
図12(b)、図13(b)で示されるように、複数の第二バスバー電極80bのうち、一の第二バスバー電極80b(以下、製品用バスバー電極85bともいう)は、複数個所に低剛性部83が設けられている。この複数の低剛性部83は、製品用バスバー電極85bの長手方向に沿って間隔を空けて並列するようにそれぞれ設けられている。
【0106】
第二補助バスバー電極81bは、図13(b)で示されるように、それぞれ離れた位置に形成される第一小電極部100、第二小電極部101、第三小電極部102、第四小電極部103、第五小電極部104、第六小電極部105から構成されている。
【0107】
第一小電極部100、第四小電極部103は、第一の方向に延びている。
第二小電極部101、第三小電極部102、第五小電極部104、第六小電極部105は、平面視形状が略十字状に延びる部分である。すなわち、それぞれ第一の方向に延びる第一延伸部101a,102a,104a,105aと、第二の方向に延びる第二延伸部101b,102b,104b,105bとが一体となって形成されている。
【0108】
第一小電極部100、第四小電極部103は、長手方向(第一の方向)の一端側(図13における上側)が一方の第二バスバー電極80b(製品用バスバー電極85b)と接触している。
第三小電極部102、第六小電極部105の第一延伸部102a,105aは、長手方向(第一の方向)の他端側(図13における下側)が他方の第二バスバー電極80b(非製品用バスバー電極86b)と接触している。
また、第一小電極部100と、第二小電極部101の第一延伸部101aと、第三小電極部102の第一延伸部102aは、第一の方向で間隔を空けて直線状に並列配置されている。
同様に、第四小電極部103と、第五小電極部104の第一延伸部104aと、第六小電極部105の第一延伸部105aは、第一の方向で間隔を空けて直線状に並列配置されている。
小電極部100~102と、小電極部103~105は、それぞれ第二の方向で離れた位置に形成されている。
【0109】
ここで、第一主面75側の電極と第二主面76側の電極を比較すると、図12で示されるように、それぞれの第一フィンガー電極31aと、それぞれの第二フィンガー電極31bは、平面視(原料太陽電池セル70の厚さ方向)で重なる位置に設けられている。
また、第一補助電極32aは、図12のように、第二補助電極32bのいずれとも太陽電池セル12の厚さ方向で重ならない位置に設けられている。
【0110】
さらに、第一主面75側の第一小電極部90は、図13のように、少なくとも一部が第二主面76側の第一小電極部100と平面視(原料太陽電池セル70の厚さ方向)で重なる位置に設けられている(図15等参照)。そして、小電極部91,92の少なくとも一部は、小電極部101,102のそれぞれと平面視で重なる位置に設けられている。
同様に、第一主面75側の小電極部93~95のそれぞれは、少なくとも一部が第二主面76側の小電極部103~105のそれぞれと平面視で重なる位置に設けられている。
【0111】
第一主面75側のそれぞれの第一バスバー電極80aは、いずれも、第二主面76側のそれぞれの第二バスバー電極80bと、太陽電池セル12の厚さ方向で重ならない位置に設けられている。
【0112】
具体的に説明すると、第一の方向で一方側(図13における上側)に位置する非製品用バスバー電極86aと製品用バスバー電極85bに注目すると、これら2つのバスバー電極86a,85bは、第一の方向でそれぞれ離れた位置に形成されている。
そして、この2つのバスバー電極86a,85bから第一の方向で離れた位置に形成され、第一の方向で他方側(図13における下方側)に位置するバスバー電極85a,86bは、第一の方向でそれぞれ離れた位置に形成されている。
【0113】
本実施形態の原料太陽電池セル70は、原料太陽電池セル70の中央側に位置する第一原料部120と、第二の方向で第一原料部120の外側に位置する2つの第二原料部121a,121bを、太陽電池セル12を製造するために使用している(図15参照)。言い換えると、第一原料部120と第二原料部121a,121bを除いた他の部分は、太陽電池セル12の製造に使用しない残余部分となる。つまり、本実施形態のセル分割工程は、原料太陽電池セル70の一部分のみを太陽電池セル12の製造のために使用する。
【0114】
第一原料部120は、図15で示されるように、4つの分割ラインCL1~CL4によって囲まれた部分である。
ここで、分割ラインCLは、原料太陽電池セル70を複数の小片に分割する際に境界となる部分である。
【0115】
分割ラインCL1,CL2は、いずれも第二の方向に延伸しており、第一の方向で離れた位置にそれぞれが位置している。
分割ラインCL1は、第一の方向で一方端側(図15における上側)に位置する非製品用バスバー電極86aと製品用バスバー電極85bの間で延びている。すなわち、分割ラインCL1は、非製品用バスバー電極86aよりも内側(他方端側)にあって、製品用バスバー電極85bよりも外側(一方端側)に位置する。
【0116】
分割ラインCL2は、第一の方向で他方端側(図15における下側)に位置する製品用バスバー電極85aと、非製品用バスバー電極86bの間で延びている。すなわち、分割ラインCL2は、製品用バスバー電極85aよりも外側(一方端側)にあって、非製品用バスバー電極86bよりも内側(他方端側)に位置する。
また、分割ラインCL2は、第七小電極部96の本体部96aよりも、一方端側(図15における上端側)に位置している。
【0117】
分割ラインCL3,CL4は、いずれも第一の方向に延伸しており、第二の方向に離れた位置にそれぞれが位置している。
【0118】
分割ラインCL3は、第一主面75側において、小電極部90~92のそれぞれよりも第二の方向で原料太陽電池セル70の中心側となる位置で延伸している(図15(a)参照)。また、分割ラインCL3は、第二主面76側において、小電極部100~102よりも第二の方向で原料太陽電池セル70の中心側となる位置で延伸している(図15(b)参照)。
【0119】
分割ラインCL4は、小電極部93~95のそれぞれに近接する位置であり、これらの電極よりも第二の方向で原料太陽電池セル70の中心側となる位置で延伸している。
また、分割ラインCL4は、第二主面76側において、小電極部103~105のそれぞれに近接する位置であり、これら3つの小電極部103~105よりも第二の方向で原料太陽電池セル70の中心側(内側)となる位置で延伸している。
【0120】
以上のことから、第一原料部120は、図15(a)のように、第一主面75側の2つのバスバー電極85a,86aのうち、製品用バスバー電極85aの一部のみが含まれ、非製品用バスバー電極86aが含まれない構造となっている。
また、第一原料部120は、第二主面76側の2つのバスバー電極85b,86bのうち、製品用バスバー電極85bの一部のみが含まれ、非製品用バスバー電極86bが含まれない構造となっている。
【0121】
このとき、第一原料部120に含まれる製品用バスバー電極85a,85bは、いずれも低剛性部83が形成されたバスバー電極80a,80bとなる。そして、第一原料部120は、第一主面75側及び第二主面76側のそれぞれにおいて、補助バスバー電極81が含まれない構造となっている。
【0122】
第二原料部121aは、図15のように、3つの分割ラインCL1,CL2,CL5(又はCL6)によって囲まれた部分であり、第二原料部121bは、3つの分割ラインCL1,CL2,CL6によって囲まれた部分である。
【0123】
分割ラインCL5,CL6は、いずれも第一の方向に延伸しており、第二の方向に離れた位置にそれぞれが位置している。
【0124】
分割ラインCL5は、第一主面75側において、小電極部90~92のそれぞれと隣接する位置で延伸している。詳細には、分割ラインCL5は、第二の方向において、これら3つの小電極部90~92よりも原料太陽電池セル70の外側よりの位置で延伸している。また、分割ラインCL5は、第二主面76側において、小電極部100~102のそれぞれと隣接する位置であり、第二の方向において、これら3つの小電極部100~102よりも原料太陽電池セル70の外側よりの位置で延伸している。
【0125】
分割ラインCL6は、第一主面75側において、小電極部93~小電極部95よりも第二の方向で原料太陽電池セル70の外側よりの位置で延伸している。また、分割ラインCL6は、第二主面76側において、小電極部103~105よりも第二の方向で原料太陽電池セル70の外側よりの位置で延伸している。
【0126】
したがって、第二原料部121a,121bは、第一主面75側の2つのバスバー電極85a,86aのうち、第一の方向における一方側(図15(a)の下側)の製品用バスバー電極85aの一部が含まれ、他方側の非製品用バスバー電極86aが含まれない構造となっている。
第二原料部121a,121bは、第二主面76側の2つのバスバー電極85b,86bのうち、第一の方向における他方側(図15(b)の上側)の製品用バスバー電極85bの一部が含まれ、他方側の非製品用バスバー電極86bが含まれない構造となっている。
第二原料部121a,121bに含まれる製品用バスバー電極85a,86aは、いずれも低剛性部83が形成されたバスバー電極80a,80bとなっている。
第二原料部121a,121bは、第一主面75側及び第二主面76側において、補助バスバー電極81が含まれない構造となっている。
【0127】
セル分割工程では、図16で示されるように、原料部120,121a,121bを各分割ラインCLに沿って短冊状に分割することで、太陽電池セル12を形成する。
【0128】
ここで、原料太陽電池セル70を分割するセル分割工程では、図17図18で示されるように、レーザー加工工程(図17(a)、図18(a)参照)と、折割工程を実施する。
【0129】
レーザー加工工程は、原料太陽電池セル70の第二主面76側からレーザー光を照射し、原料太陽電池セル70に分断用溝128を形成する工程である(図17(a)、図18(a)参照)。
この分断用溝128は、分割ラインCL(図16等参照)に沿って延びる溝であり、深さが原料太陽電池セル70の厚さの40パーセント以下となっている。
この分断用溝128は、光電変換部22の支持基板をなす半導体基板まで至って半導体基板の少なくとも一部を切断していることが好ましい。
このように、レーザー加工によって分断用溝128を形成することで、原料太陽電池セル70の折り曲げ切断が可能となる。
【0130】
折割工程は、原料太陽電池セル70を分断用溝128で折り曲げ、分断用溝128から切断する工程である(図17(b)、図18(b)参照)。
【0131】
原料太陽電池セル70は、図17(a)、図18(a)のように、一対の透明電極層130,131(一対の電極層)を有し、一対の透明電極層130,131によって光電変換部132が挟まれた構造となっている。
原料太陽電池セル70は、第一透明電極層130、第二透明電極層131、光電変換部132がセル分割工程で分割され、太陽電池セル12の第一透明電極層20、第二透明電極層21、光電変換部22となる。
【0132】
本実施形態の第一の方向に延びる分割ラインCLは、図12図16等で示されるように、第一主面75側及び第二主面76側のフィンガー電極31と平面視(原料太陽電池セル70の厚さ方向)で重ならない位置で延びている。
つまり、セル分割工程は、第一の方向に延びる分割ラインCLに沿って原料太陽電池セル70を分割する際、フィンガー電極31を切断しない。
【0133】
本実施形態では、レーザー加工工程で第二主面76側からレーザー光を照射することから、第二主面76側に形成される各電極は、レーザー加工工程で分断される。
すなわち、第二補助電極32b(図17(a)参照)、第二バスバー電極80b(図18(a)参照)は、第一の方向に延びる分割ラインCLに沿って延びる分断用溝128によって切断される。また、第二フィンガー電極31b、第二補助バスバー電極81bは、第二の方向に延びる分割ラインCL(分割ラインCL1,CL2)に沿って延びる分断用溝128によって切断される(図12図16参照)。
【0134】
これに対し、第一主面75側に形成される各電極は、折割工程によって切断される。
第一補助電極32a及び第一バスバー電極80aは、第一の方向に延びる分割ラインCLに沿って分割する際(図12図16参照)に切断される(図17(b)、図18(b)参照)。また、第一フィンガー電極31a及び第一補助バスバー電極81aは、第二の方向に延びる分割ラインCL(分割ラインCL1,CL2)に沿って分割する際に切断される(図12図16参照)。
【0135】
以上のように、レーザー加工工程では、原料太陽電池セル70の本体部分(第一透明電極層130、第二透明電極層131、光電変換部132からなる部分)の一部と、第二バスバー電極80bとが分断される。すなわち、レーザー加工工程は、原料太陽電池セル70の第二バスバー電極80bを含む一部分を切断する(図18(a)参照)。
そして、折割工程では、原料太陽電池セル70の本体部分の一部と、第一バスバー電極80aとが分断される。すなわち、折割工程は、原料太陽電池セル70の第一バスバー電極80aを含む一部分を切断する(図17(a)参照)。
つまり、セル分割工程は、表裏それぞれに形成されるバスバー電極80a,80bごと原料太陽電池セル70を切断する工程である。
【0136】
このことから、太陽電池セル12のバスバー電極30a,30bの延び方向における端面部分(端面部39a、図7等参照)は、いずれも原料太陽電池セル70のバスバー電極80a,80bを切断した切断面となる。
つまり、第一バスバー電極30aの延び方向における端面は、折割工程による折割痕を有する切断面であり、第二バスバー電極30bの延び方向における端面は、レーザー加工工程によるレーザー加工痕を有する切断面である。すなわち、バスバー電極30a,30bの端面の形状が相違している。
【0137】
なお、レーザー加工工程は、第二バスバー電極80bを切断する際に、第二バスバー電極30bの端部に、上記した端部凹凸面部39(図7等参照)が形成されるように切断してもよい。すなわち、レーザー加工工程は、第二バスバー電極30bの端部に、端面部39aと、この端面部39aと連続する孔痕部39bが形成されるように第二バスバー電極80bを切断してもよい。
その一方で、レーザー加工工程は、第二バスバー電極80bを切断する際に、集光径の大きなレーザー等を使用して切断幅を大きくしてもよく、第二バスバー電極80bの第三貫通孔列41c(図14参照)及びその周辺は、レーザーによって溶けた状態となってもよい。この場合、第二バスバー電極30bの端部凹凸面部39は、端面部39aのみによって形成され、孔痕部39bが形成されない構造であってもよい。
【0138】
太陽電池セル12の側面は、セル分割工程によって、図19のように、レーザー光によって溶けたレーザー加工痕が形成されるレーザー加工領域43と、折り割り加工によって形成される折割領域44の境界部分に変曲点Pが形成される。
すなわち、レーザー加工領域43と折割領域44の表面は、図20のように、微視的にみたとき、いずれも山部及び谷部を有する波状の凹凸面が形成されている。なお、レーザー加工領域43の凹凸面は、折割領域44の凹凸面よりも粗い面となっている。
そして、分断用溝128は、図17等のように、第一主面75側に向かうにつれて溝幅が狭くなる溝となっている。
以上のことから、図19のように、レーザー加工領域43の波状の凹凸面(図20(a)参照)と折割領域44の波状の凹凸面(図20(b)参照)とが連続する境界部分には、変曲点Pが形成されることとなる。
【0139】
本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、太陽電池セル12のバスバー電極30を他の電極31,32よりも太いものとし、原料太陽電池セル70のバスバー電極80が切断しにくい太さである場合であっても、バスバー電極80に低剛性部83を形成し、これを切断するので、容易に切断が可能となる。すなわち、本実施形態の製造方法によれば、原料太陽電池セル70のバスバー電極80に意図的に弱い部分を設けて、その弱い部分を切断するので、切断が容易である。
【0140】
本実施形態の原料太陽電池セル70によれば、平面視したときに、第一主面25側の第一フィンガー電極31aと第二主面26側の第二フィンガー電極31bが同一方向に延びて大部分で重なっているので、フィンガー電極31a,31bが形成されていない領域を大きく確保できる。そのため、原料太陽電池セル70の分割時にフィンガー電極31a,31bを避けて切断することが容易であり、セル分割工程の容易化を図ることができる。
【0141】
本実施形態の太陽電池モジュール1によれば、ブラインドのような風合いを発現できる。また、本実施形態の太陽電池モジュール1によれば、バスバー電極30を太陽電池セル12の長手方向における端部側に位置させることで、バスバー電極30によって影になる部分を少なくできるので、発電効率を向上できる。
【0142】
本実施形態の太陽電池モジュール1の製造方法によれば、原料太陽電池セル70の大部分を従来の太陽電池セルの製造装置で作成可能であり、新たに設備を設けたりする必要がなく、製造における初期費用の削減を図ることができる。
【0143】
上記したセル分割工程では、複数の切断位置(それぞれの分割ラインCLに沿う位置)で原料太陽電池セル70を切断するが、切断の順序は適宜変更してもよい。また、セル分割工程では、原料太陽電池セル70を予め複数の小片に分割し、その後に小片をさらに分割してもよい。
例えば、セル分割工程では、原料太陽電池セル70を予め分割ラインCL1~CL6(図15参照)に沿って切断し、その後に第一原料部120や第二原料部121a,121bを短冊状に分割してもよい。また例えば、セル分割工程では、原料太陽電池セル70を第二の方向に延びる分割ラインCL1,CL2に沿って切断した後、第一の方向に延びるそれぞれの分割ラインCLに沿って切断してもよい。
【0144】
また、複数の切断位置のそれぞれで原料太陽電池セル70を切断する際は、所定の切断位置に分断用溝128を形成して折り曲げ切断した後、他の切断位置に分断用溝128を形成して折り曲げ切断するといった手順を繰り返して切断してもよい。
これに対し、先行して全ての(複数の)切断位置に分断用溝128を形成した後、各切断位置で折割工程を実施してもよい。つまり、最終的に全ての切断位置で原料太陽電池セル70が切断されればよい。
【0145】
上記した実施形態では、3つの貫通孔列41を有する低剛性部83(図14参照)の例を示したが、バスバー電極80に形成される低剛性部はこれに限るものではない。
例えば、低剛性部は、図21(a)のように、バスバー電極300の一部となる所定領域に、複数(2つ)の切欠部302(欠落部)を設けて形成される低剛性部301であってもよい。この低剛性部301は、周囲の他の部分よりも細い(バスバー電極300の幅方向長さが短い)部分である。
切欠部302は、バスバー電極300の幅方向における両端部(縁部分)のそれぞれを欠落させて形成される部分であり、平面視形状が略多角形状(略四角形状)であって、同幅方向において端部側から中央部側へ向かって延びている。
【0146】
この他、低剛性部は、図21(b)のように、バスバー電極310の一部となる所定領域に、一の貫通孔部312(貫通孔、溝部分)を設けて形成される低剛性部311であってもよい。
この貫通孔部312は、バスバー電極310の幅方向に延びる長孔であり、バスバー電極310を貫通する貫通孔でもある。また、この貫通孔部312は、線状に延びる溝状の部分でもある。
すなわち、貫通孔部312の開口形状は、上記した円形に限らず、楕円形でもよい。また、貫通孔部312の開口形状は、この他、扇形、多角形状でもよく、これらの図形が一部歪んだり欠落したりした形状であってもよい。
【0147】
また、低剛性部は、図21(c)のように、バスバー電極320の一部となる所定領域を周囲の他の部分より薄肉化した薄肉部322を設けて形成される低剛性部321であってもよい。薄肉部322は、周囲の部分よりも厚さの薄い部分であり、周囲の部分と比べ、バスバー電極320の厚さ方向(原料太陽電池セル70の厚さ方向)の長さが短くなっている。言い換えると、この薄肉部322は、バスバー電極330の厚さ方向に窪んだ凹部であるともいえる。
【0148】
以上のように、低剛性部は、上記した切欠部38,302、貫通孔部40,312、貫通孔列41、薄肉部322からなる構造のいずれかを形成してもよく、これらから選択される複数の構造を組み合わせて形成してもよい。すなわち、切断領域を構成する低剛性部は、以下の(1)~(4)のいずれかが形成されていてもよい。
(1)一又は複数の貫通孔
(2)一又は複数の切欠部
(3)一又は複数の凹部
(4)一又は複数の溝部
また、その際、バスバー電極に形成される孔や溝の形状、溝(長孔)の長さ、凹部の形状等は適宜変更してよい。つまり、低剛性部は、周囲よりも剛性の低い部分であればよい。
また、分断工程にて、このような低剛性部を切断して形成された太陽電池セルは、低剛性部の切断後、切断構造痕部が切欠部及び/又は薄肉部となる。
【0149】
上記した実施形態のレーザー加工工程では、第二主面76側からレーザー光を照射した例について説明したが、本発明はこれに限らず、第一主面75側からレーザー光を照射してもよい。すなわち、レーザー加工工程では、第一主面75側の電極がレーザー加工工程によって分割され、第二主面76側の電極が折割工程によって分割されてもよい。
【0150】
上記した実施形態では、セル列60で隣接配置される2つの太陽電池セル12a,12bを接続する接続用部材として、第一インターコネクタ52を採用した例について示した。しかしながら、本発明の接続用部材は、これに限るものではない。
上記したセル列60に替わって、2つの太陽電池セル12a,12bを接続する際、一方の太陽電池セル12の第一バスバー電極30aと、他方の太陽電池セル12の第二バスバー電極30bとを導電性接着剤を介して重ね、これらを電気的に接続してもよい。このように、隣接する太陽電池セル12,12のバスバー電極30,30同士を張り合わせる場合、導電性接着剤が接続用部材となる。
また、隣接する太陽電池セル12,12のバスバー電極30,30同士を張り合わせる場合、導電性接着剤を使用せず、一方の太陽電池セル12の第一バスバー電極30aと、他方の太陽電池セル12の第二バスバー電極30bとを直接接触するように重ね、超音波接合等で、これらを直接接続してもよい。
【0151】
上記した実施形態では、レーザー加工工程によって原料太陽電池セル70の本体部分の一部と第二バスバー電極80bを分断し、分断用溝128を形成する例を示した。しかしながら、本発明のセル分割工程はこれに限るものではない。
すなわち、上記したレーザー加工工程に替わって、ダイヤモンドワイヤー等の切断用工具、例えば、シリコンウエハをインゴットから切り出す切断用工具を使用して分断用溝128を作成する溝作成工程を実施してもよい。
【0152】
上記した実施形態では、バスバー電極80のうち、セル分割工程における切断位置及びその近傍に低剛性部83を形成する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、バスバー電極80は、図22(a)のように、バスバー電極80の長手方向における全域に亘って複数の貫通孔列441を設けると共に、それぞれの貫通孔列441の間に高剛性部483を設けてもよい。この高剛性部483は、バスバー電極80のうち、幅方向の一端側から他端側までの間に貫通孔部40が形成されない部分である。
【0153】
同様に、バスバー電極80は、図22(b)のように、バスバー電極80の長手方向における全域に亘って複数の薄肉部322が並列するように形成し、それぞれの薄肉部322の間に高剛性部484を形成してもよい。
【0154】
さらに、バスバー電極80は、図23のように、バスバー電極80の全域に貫通孔部40を敷き詰めるように設けた構造としてもよい。すなわち、バスバー電極80は、全体の剛性が通常よりも低くなるように加工を施した構造であってもよい。すなわち、上記した切欠部302(図21(a)参照)や、薄肉部322(図21(c)参照)は、バスバー電極80の長手方向の全域に亘って形成されていてもよい。
【0155】
上記した実施形態では、両主面25,26にそれぞれ4つのフィンガー電極31a,31bが設けられていたが、フィンガー電極31a,31bの数は、限定されるものではない。両主面25,26に一つずつ設けられていてもよいし、二つずつ以上設けられていてもよい。また、フィンガー電極31a,31bの数は、両主面25,26で相違していてもよい。
【0156】
上記した実施形態では、両主面25,26にそれぞれ2つの補助電極32a,32bが設けられていたが、補助電極32a,32bの数は、限定されるものではない。両主面25,26に一つずつ設けられていてもよいし、二つずつ以上設けられていてもよい。また、補助電極32a,32bの数は、両主面25,26で相違していてもよい。
【0157】
上記した実施形態は、本発明の技術的範囲に含まれる限り、各実施形態間で各構成部材を自由に置換や付加できる。
【符号の説明】
【0158】
1 太陽電池モジュール
12 太陽電池セル
13 配線部材(接続用部材)
20 第一透明電極層(セル電極層)
21 第二透明電極層(セル電極層)
22 光電変換部
30,300,310,320 バスバー電極(接続電極)
31 フィンガー電極(集電電極)
31a 第一フィンガー電極(第一集電電極)
31b 第二フィンガー電極(第二集電電極)
32 補助電極
38,302 切欠部(欠落部)
39a 端面部(切断面部、切断面)
39b 孔痕部(切断構造痕部)
40 貫通孔部(貫通孔)
43 レーザー加工領域
44 折割領域
60 セル列(セル群)
70 原料太陽電池セル
75 第一主面
76 第二主面
80 バスバー電極(接続電極形成部)
80a 第一バスバー電極(第一接続電極形成部)
80b 第二バスバー電極(第二接続電極形成部)
83,301,311,321 低剛性部(切断領域)
128 分断用溝
130 第一透明電極層(電極層)
131 第二透明電極層(電極層)
132 光電変換部
312 貫通孔部(貫通孔、溝部分)
322 薄肉部
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