(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】多層水平NOR型薄膜メモリストリングの形成方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240724BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240724BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240724BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240724BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H01L21/302 105A
(21)【出願番号】P 2021531502
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 US2019064538
(87)【国際公開番号】W WO2020117978
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518109985
【氏名又は名称】サンライズ メモリー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナー、スコット ブラッド
(72)【発明者】
【氏名】チエン、ウー-イー・ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】シュウ、ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ、エリ
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/039654(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0126292(US,A1)
【文献】特開2010-251572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の平面上に形成されるメモリ構造のための高アスペクト比のエッチング方法であって、
前記平面上に、前記平面に実質的に直交する第1の方向に沿って互いに積層された、第1の導電性材料のそれぞれ第1の層および第2の層を含む複数の材料多層を準備するステップと、
前記材料多層を介して前記第1の方向に沿って延在する複数の誘電体ピラーを提供するステップと、
前記誘電体ピラーが提供された後に、前記材料多層を1つのグループをなす多層スタックに分割する1つのセットのトレンチを作製するように、前記第1の方向に沿って前記材料多層をマスクを用いてパターニングおよびエッチングするステップであって、各トレンチが、前記基板の前記平面に実質的に平行な第2の方向に沿って延在し、かつ、前記誘電体ピラーが、2つの隣接する多層スタックに接する
ように、前記1つのセットのトレンチを作製する
、該ステップと含む方法。
【請求項2】
前記第1の導電性材料は、ドープされた半導体材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トレンチを誘電体材料で充填し、かつ、各前記トレンチ内の前記誘電体材料の一部を、前記第1の方向に沿って延在する複数の導電性カラムで置き換えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各前記トレンチ内の前記誘電体材料の一部を置き換えるステップは、
前記トレンチ内の前記誘電体材料をエッチングして、前記第1の方向に沿って延在する複数のシャフトを提供するステップと、
データ蓄積材料を各前記シャフトにコンフォーマルに堆積させるステップと、
前記導電性カラムを形成するために各前記シャフトに第2の導電性材料を充填するステップとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記材料多層を準備する前に、半導体基板の前記平面の上に、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれに実質的に直交する第3の方向に沿って延在する複数の導体を設けるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各前記導体がドープされた半導体または金属を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各前記導電性カラムの前記導体の1つへの電気的な接続を可能にする導電路を提供するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記多層スタックの上に、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれに実質的に直交する第3の方向に沿って延在する複数の導体を設けるステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
各前記導電性カラムの導電体の1つへの電気的な接続を可能にする導電路を提供するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基板に回路素子を提供するステップと、
対応する前記回路素子の上に実質的に位置する前記導電性カラムのうち選択されたものを対応する前記回路素子に電気的に接続するステップとをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記回路素子と前記導電性カラムの間に絶縁層を設けるステップをさらに含み、
前記導電性カラムのうち選択されたものを対応する前記回路素子に電気的に接続するステップは、前記絶縁層を貫通して導電路を形成するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各前記多層スタックの1つ以上の端部に、前記第2の方向に沿って前記多層スタックの層を連続的に拡張する階段構造を作成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記階段構造の上に電気絶縁材料を提供するステップと、
前記階段構造の段の露出した半導体層、または導電層に電気的に接続するために、前記第1の方向に沿ったバイア接続を提供するステップとをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
各前記材料多層は、前記第1の導電性材料の前記第1の層および前記第2の層の間に犠牲層をさらに含み、前記犠牲層の一部を前記第1の導電性材料の第3の層で置き換えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
各前記材料多層が、前記第1の導電性材料の前記第1の層に隣接する犠牲層をさらに含み、前記犠牲層の一部を第3の導電性材料で置き換えるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
第3の導電性材料が金属を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、(i)2018年12月4日に出願された「Methods for Forming Multilayer Horizontal NOR-type Thin-film Memory Strings」と題された米国仮出願(「仮出願I」)第62/775,310号明細書に関連し、その優先権を主張するものである。
【0002】
また、本発明は、(i)2018年7月12日出願に出願された「Fabrication Method for a 3-Dimensional NOR Memory Array」と題された米国仮出願(「仮出願II」)第62/697,085号明細書、(ii)2018年10月29日に出願された「3-Dimensional NOR Memory Array with Very Fine Pitch: Device and Method」と題された米国仮出願(「仮出願III」)第62/752,092号明細書、および(iii)2018年11月27日に出願された「Staircase Structures for Electrically Connecting Multiple Horizontal Conductive Layers of a 3-Dimensional Memory Device」と題された米国仮特許出願(「仮出願IV」)第62/771,922号明細書に関連するものである。
【0003】
また、本願は、2018年6月19日に出願された「3-Dimensional NOR Memory Array Architecture and Methods for Fabrication Thereof」と題された米国非仮特許出願(以下、「非仮出願」)、第16/012,731号に関連する。
【0004】
仮出願I、II、III、IV、および非仮出願の開示内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0005】
(技術分野)
本発明は、3次元メモリ構造の形成に関するものである。特に、本発明は、NOR型薄膜メモリストリングの3次元メモリ構造を、半導体基板の表面に、実質的に平行に形成することに関するものである。
【背景技術】
【0006】
水平NOR型(以下、HNOR)の薄膜メモリストリングを形成する方法は、これまでにも説明されてきた。
【0007】
例えば、上記の参照により組み込まれた仮出願IIに開示されている3次元の水平NOR型メモリストリングを参照されたい。本明細書では、「活性ストリップ(いくつかの場合では、「NINストリップ」または「ビット線ストリップ」とも称する)」という語は、半導体やその他の材料のさまざまな層を含む薄くて細長いストリップを指し、活性ストリップは、その長さに沿って薄膜トランジスタのチャネル、ソース、ドレイン領域が形成またはそれを容易に形成できるようにする。
【0008】
これらの薄膜トランジスタは、共通のソース領域と共通のドレイン領域を共有することで、NOR型メモリストリングとして構成することができる。ある実施形態では、共通ドレイン領域は、NOR型メモリストリングのビット線として機能し、ソース領域は、NOR型メモリストリング内の1つまたは複数のトランジスタを介してアクセスされる場合を除いて、電気的に浮遊している。
【0009】
活性ストリップ内の材料層の集合を、「活性層」と呼ぶ。仮出願IIに記載されているプロセスフローでは、まず複数の活性層を成膜し、続いて複数の活性層を通過してパターニングとエッチングを行うことで、活性ストリップのスタック(「活性スタック」)を形成する。その結果、各スタックの活性ストリップは互いに平行に走り、隣り合う活性スタックは深いトレンチによって互いに分離される。これらの活性スタックは、水平方向に配列されたNOR型メモリストリングの3次元アレイ(「HNORメモリアレイ」)を表すブロックに整理することができる。
【0010】
仮出願IIのプロセスでは、高アスペクト比のエッチングを行う必要がある狭い活性ストリップと背の高い活性スタックの形成能力を向上させることで、大規模かつ低コストのHNORメモリアレイを実現している。そのため、非仮特許出願では、構造的または機械的な安定性を高めるために、各活性スタックの長さに沿って適切な間隔でブレースまたはストラットを使用することを開示している。構造的な不安定さは、隣接する活性ストリップ間の傾斜、蛇行、ねじれ、反り、リボン化、短絡を引き起こす可能性がある。これらの現象は、活性層の数が多く高さのあるスタックにより悪化する。この構造的な不安定さは、各活性ストリップをより短い活性ストリップに分割したり、より多くのブレースをより短い間隔で配置したり、より広い活性ストリップを形成したり、スタックの高さを低くすることで緩和することができる。これらのアプローチはいずれも構造的な剛性の向上に貢献するが、1ビットあたりのシリコン面積が大きくなるため、1ビットあたりのコストが高くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1実施形態による方法は、難易度の高い高アスペクト比の単一のエッチングステップを、難易度の低いアスペクト比の2つ以上のエッチングステップに置き換えることで、上述の制限を実質的に克服するとともに、優れたスケーリングを実現している。
【0012】
本発明の第2実施形態による方法は、誘電体ピラーを使用して、メモリ構造を支持し、高アスペクト比のエッチングステップおよびその後の処理ステップ中に構造安定性を維持する。
【0013】
本発明の第3の実施形態による方法は、複数のマスキングステップを使用して、難易度の低いアスペクト比の2つ以上のエッチングステップを提供する。これは、より広く、より機械的に安定した活性ストリップを含む。
【0014】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な開示を考慮することにより、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図3】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図4】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図5】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図6】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図7】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図8】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図9】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図10】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図11】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図12】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図13】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図14】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図15】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図16】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図17】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図18】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図19】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図20】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図21】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図22】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図23】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図24】本発明の第1実施形態において、HNORメモリアレイの活性スタックを2以上のエッチングステップで形成する様子を示した図である。
【
図25】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図26】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図27】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図28】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図29】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図30】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図31】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図32】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図33】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図34】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図35】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図36】本発明の第2実施形態による、一組の活性層をHNORメモリアレイの活性スタックにエッチングする単一のエッチングステップを用いたHNORメモリアレイの形成を示す図である。
【
図37】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図38】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図39】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図40】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図41】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図42】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図43】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図44】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図45】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図46】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図47】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図48】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図49】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【
図50】本発明の第3実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示す図である。
【0016】
以下の詳細な説明と図との間の要素の相互参照を容易にするために、同様の要素には同様の参照番号が割り当てられる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明では、本発明の様々な実施形態によるプロセスフローを示している。このとき、製造可能性の理由から1つ以上の実施形態が好まれる場合があるが、他の理由から他の実施形態が好まれる場合もある。この詳細な説明で示されるように、必要に応じて、いくつかの実施形態で特定の機能を採用することは、リボン化の防止、構造的な不安定さや層間のずれの防止など、製造上の考慮事項に基づいてトレードオフになることがある。
【0018】
たとえば、
図1~24による実施形態では、複数のエッチングステップで活性スタックを形成することにより、リボン化を回避する。活性スタックを2以上のエッチングステップで形成することにより、各エッチングで達成する必要のあるアスペクト比が減少し、形成される活性ストリップの構造的安定性も向上する。しかしながら、2以上のエッチングステップで活性スタックをエッチングすることにより、同じステップでエッチングされていない活性ストリップ間のアライメントが損なわれる可能性がある。
【0019】
(
図51Aと
図51Bは、微細な長方形の地形の応力による変形であるリボン化の現象を示している。
図51Aは、幅X1、長さY1、高さZ1を意図して作られた微細な長方形の地形(例えば、マスキング材料を現像して作られた特徴)を示している。製造プロセスによっては、アスペクト比Z1/X1が10を超えると、長方形の地形にかかる応力により、長さY1に沿って変形が生じ、結果として、意図した直線から、
図51Bに示すような一連の接続されたS字カーブになるような「リボン化」が生じることがある。リボン化は、幅が小さいほど顕著で、特に幅X1が約45nm以下になると顕著になる。)
【0020】
以下の詳細な説明において、文脈で指示しない限り、または本明細書で特に明記しない限り、本明細書で論じられる異なるプロセスステップは、任意の順序でまたは同時に実行されてもよい。さらに、文脈が指示しない限り、または本明細書で特に明記しない限り、1または複数の追加のステップは、本明細書で論じられる任意のプロセスステップの前または後に、または本明細書で論じられる任意の2つのプロセスステップ間で実行されてもよい。例えば、ある実施形態では、1つ以上の金属層に、他の実施形態では説明していない保護半導体膜バリア層を外装するステップを記載しているが、このような外装ステップは、他の各実施形態と組み合わせて使用されてもよい。
【0021】
図1~24は、本発明の第1の実施形態による、HNORメモリアレイの活性スタックを2つのエッチングステップで形成する様子を示している。
図1に示されるように、メモリ構造10は、ハードマスク層30とエッチング停止層40との間に異なる材料の8つの連続して堆積された活性層(例えば、活性層20)を含む。(
図1は8つの活性層を示しているが、活性層のこの数は、説明のみを目的として提供されている。1、2、4、6、16、32、またはそれ以上の活性層など、任意の適切な数の活性層を提供されてもよい。各活性層(例えば、活性層20)は、(i)第1の半導体層(「ソース層」)50、(ii)第1の犠牲層(「SAC1」)層60、(iii)第2の半導体層(「ドレイン層」)70、(iv)第2の犠牲層(「SAC4」)80、および(v)層間誘電体層(「ILD層」)90を含んでいてもよい。ソース層50およびドレイン層70は、任意の適切な半導体材料(例えば、シリコン、シリコンゲルマニウム、p型半導体ではホウ素やインジウム、n型半導体ではヒ素やリン、アンチモンなどの1つ以上の適切なドーパントでn型またはp型になるようにドーピングされたもの)を含んでいてもよい)。
【0022】
ハードマスク層30、エッチング停止層40、SAC1層60、SAC4層80、およびILD層90は、任意の適切な材料、例えば、SiO2、SiN、SiON、SiC、シリコンゲルマニウム、またはSiCOHを含んでいてもよい。例えば、一実装形態では、SAC1層60はSiO2を含んでいてもよく、SAC4層80はSiNを含んでいてもよく、ILD層90はSiCOHであってもよい。活性層20の各材料層は、低圧化学気相蒸着法(LPCVD)、プラズマCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD、別の形態のCVD)、スパッタリング、または蒸着などの任意の適切な技術を用いて堆積させてもよく、好ましくはPECVDによって堆積させる。
【0023】
マスキング層100は、メモリ構造10の上に堆積されてもよい。マスキング層100は、例えば、炭素系層とフォトレジスト層の両方を含んでいてもよい。
図2は、マスキング層100がパターン化された後の、
図1のメモリ構造10を示している。
図2に示すように、マスキング層100は、それぞれが幅L
2を有し、それぞれが幅L
1のトレンチによって隣接構造から分離されたマスキング構造115にパターニングされ、幅L
2は好ましくは所望の幅L
1の2倍以上である。幅L
1は、形成される活性ストリップ間のトレンチの望ましい幅を画定している。
【0024】
図3は、メモリ構造10にトレンチ110を作成するエッチングステップを示している。
図3のエッチングステップに続いて、
図4に示されるように、マスキング層100が除去される。
【0025】
その後、トレンチ110に露出する各活性層のSAC1層60を選択的にエッチングして、他の層を実質的にエッチングすることなく、所定の深さ(例えば、5~10ナノメートルの間)の凹型キャビティを形成する。選択的エッチングは、任意の適切な技術、例えば、腐食性ガス、湿式化学酸または塩基、好ましくは腐食性ガスによって達成されてもよい。
図4は、SAC1層60のごく一部が、トレンチ110の反対側にあるSAC1層の露出面した表面のそれぞれから選択的エッチングによって除去されることを示している。
【0026】
次に、
図5を参照すると、トレンチ110は、LPCVDまたはALDのような任意の適切な技術を使用して、任意の適切な材料(例えば、p型またはn型のシリコンまたはシリコンゲルマニウムで、その場でドープされてもよい)を含むような半導体層120によって充填される。半導体層120は、トレンチ110が完全に充填できず、狭いトレンチ135を残すような厚さにコンフォーマルに堆積されてもよい。
【0027】
図6は、異方性エッチングと部分的な横方向のエッチングの後、半導体層120がSAC1層60の凹型キャビティを除いてトレンチ110から除去された状態を示している。凹型キャビティに残っている半導体層120は、最終的に、形成される薄膜NORトランジスタのためのp型またはn型チャネル領域として機能する。
【0028】
図7を参照すると、トレンチ110は、次に、ボイドを形成しないように注意しながら、LPCVD、PECVD、またはALDなどの任意の適切な技術を用いて、1つまたは複数の誘電体材料(例えば、SiO
2、SiN、SiON、SiC、多孔質SiO
2、またはSiCOH)で充填される。メモリ構造10の上部に堆積された誘電体材料は、制御されたエッチングまたはCMP(化学機械研磨)によって除去されてもよい。一実施形態では、トレンチ110は、以下2つの層の誘電体材料によって充填されてもよい。(i)コンフォーマルな極薄の壁保護層130(例えば、SiN)と、(ii)壁保護層130の上に堆積される厚めの層140(例えば、SiO
2)である。誘電体層130および140は、トレンチ110を完全に充填する。
【0029】
図8に示すように、既に形成されたトレンチ110と平行している1つのセットの第2のトレンチをエッチングする際に使用するハードマスク構造155を形成するために、ハードマスク層が堆積され、パターニングされる。
図2のマスキング構造115のように、ハードマスク構造155は、それぞれが幅L
2を有し、それぞれが幅L
1のトレンチによって隣接構造から分離されている。ハードマスク構造155は、トレンチ110を完全に保護するように、マスキング構造115の位置に対してそれぞれずれている。また、ハードマスク構造155はそれぞれ、各スタックが幅L
1(すなわち、各活性ストリップの所望の幅)以上重なるように、その直下のトレンチの両側にある活性スタックの上に延びている。実際には、既存のリソグラフィ装置の制限により、多少のずれが生じ、各ハードマスク構造155の下にある左右のスタックに対する重なりが正確には等しくならないことがある。
【0030】
たとえば、ターゲット幅L1が50ナノメートルで、最悪の場合のずれが±5ナノメートルの場合、左側の重なりは55ナノメートルの幅になり、右側の重なりは45ナノメートルの幅になる。このような製造上のばらつきは、チップ設計の中で吸収することができる。例えば、各スタックの左側と右側の薄膜トランジスタを2つの別々のグループとして扱い、各グループには、それぞれのグループ内で構成された専用の基準トランジスタまたは基準メモリストリングが提供される。
【0031】
図9は、1つのセットの第2のトレンチ160を提供するためにエッチングされて、活性スタック170を形成するメモリ構造10を示している。各活性スタックは、マスキング構造155の幅L
2よりもかなり小さい公称幅L
1を有する。マスキング構造155の比較的広い幅L
2は、リボン化を防ぐ。
【0032】
図10を参照すると、SAC4層80は、トレンチ160の露出した側壁から開始される選択的エッチングステップによって除去される(以前にSAC4層80によって占められていた各活性ストリップのスペースは、
図10において参照数字80´で示されている)。このようなエッチングは、任意の適切な技術(例えば、腐食性ガス、湿式化学酸または塩基によるエッチング)を用いて成し遂げることができる。例えば、SAC4層80を実装するのに適したSiN層を、180℃に加熱したリン酸でウェットエッチングして除去してもよい。SAC4層80がトレンチ110内の充填材料130および140まで完全にエッチングされると、エッチングは停止する。誘電体材料層130および140がエッチングされないため、それらの支持により、各活性ストリップの構成SAC4層80が除去され、それにより活性スタック170にキャビティまたは不連続性が生じても、活性スタック170が意図された構造形態(すなわち、全長に沿ってそれぞれ細長く、高さがある)を維持することができる。既存の最先端技術の下で狭い活性スタック170を支持するために、適切な間隔で配置されたブレースは必要ないことに留意されたい。ただし、将来、大規模な3次元HNORメモリアレイでは、幅L
2がさらに狭くなったり、または活性スタックが非常に高くなったりする場合(たとえば、活性ストリップの数が非常に多い場合)、非常に長い活性スタックを適切な間隔で支持することが賢明になるため、このようなブレースが必要になる可能性がある。
【0033】
図11は、トレンチ160の側壁と活性ストリップにおいて選択的にエッチングされたキャビティの両方が金属で充填され、選択的エッチングによって除去されたSAC4層80が金属層175に置き換えられている状態を示す(トレンチ160は完全に充填されていないことが好ましいことに留意されたい)。金属層175は、任意の適切な材料(例えば、TiN、TaN、Ta、W、Mo、またはそれらの任意の組み合わせ)を含んでいてもよい。例えば、
図11は、金属層175が薄いTiN層と比較的厚いタングステン(W)の組み合わせであることを示している。
【0034】
次に、金属層175は、適切なエッチングによってトレンチ160の側壁から除去され、
図12に示されるように、金属層175は、活性ストリップにのみ残される。ある実施形態では、金属層175は、当業者に知られているように、そこに配置される酸化物キャップ層またはシリコンバリアキャップ層を収容するように、トレンチ160の側壁から約6ナノメートルまでを選択的にエッチングすることによって、さらに凹んでいる。酸化物キャップ層またはシリコンバリアキャップ層は、金属層175を、まだ形成されていない電荷トラップ層に直接接触しないように分離する。同様の金属交換スキームは、非仮出願に開示されている。
【0035】
トレンチ160に露出した活性ストリップの側壁は、SAC1層60の表面を含むことに留意されたい。
図13は、SAC1層60の2回目の選択的エッチングの後、SAC1層60の凹部分が、
図4と併せて前述したトレンチ110に面するSAC1層60の凹部分と同様に、各活性ストリップに形成される様子を示す。
【0036】
次に、
図14を参照すると、半導体層180は、トレンチ160およびSAC1層60の凹部を埋めるように堆積される。半導体層180は、トレンチ160を部分的に充填するだけでよい。
図15は、半導体層180のエッチング後、半導体層180が、活性ストリップのSAC1層60の凹部分と、金属層175の任意の凹部分にのみ残されることを示している。
【0037】
その後、
図16に示されるように、トレンチ110の充填に関して上述した方法で、ボイドを形成しないように注意しながら、トレンチ160に誘電体材料130および140を充填する。
【0038】
この段階で、8つの活性層は、狭い活性ストリップのスタックに形成され、各活性ストリップは、ソース層、置換された金属層(すなわちビット線)と接触するドレイン、およびソース層とドレイン層の間の活性ストリップの反対側にあり、ソース層とドレイン層と接触する凹型の半導体ストリップを有する。これらの層は、活性ストリップの両側縁に形成されるトランジスタの共通ソース領域、共通ドレイン領域、チャネル領域をそれぞれ形成するために設けられている(もちろん、片側だけに凹型チャネルを持つ活性ストリップを形成することで、上述のプロセスフローを簡略化してもよい。このような活性ストリップでは、活性ストリップに沿って形成されるトランジスタの数が半分にしかならない)。
【0039】
3次元HNORメモリアレイを完成させるために、次のプロセスステップは、電荷トラップ層、制御ゲートとして機能するローカルワード線、およびメモリ構造10の上下のグローバルワード線を提供して、ローカルワード線を半導体基板の回路に接続する。さらに、HNORメモリアレイ内のメモリストリングのビット線を半導体基板内のCMOSロジックデバイス(たとえば、センスアンプ、デコーダ、制御および入力または出力ロジック装置)と相互接続するための導体には、階段構造が形成される。次に、これらのプロセスステップについて説明する。
【0040】
図17は、トレンチ160内の誘電体層130および140の部分がパターン化およびエッチングされて(例えば、マスキング層(図示せず)を使用して)、メモリ構造10の底部まで延在する1つのセットの第1のシャフト(
図17において、参照番号190で示している)を形成する状態を示す。誘電体層140は、例えば、高出力バイアスプラズマを用いた腐食性ガス異方性エッチング、または別の適切なエッチングを使用して除去されるようなSiO
2を含んでいてもよい。誘電体層130は、例えば、SiNを含んでいてもよく、これは、高出力バイアスプラズマエッチングの間、露出部半導体層(すなわち、ソース層50、ドレイン層70、および堆積した半導体層120および180)を損傷から保護する。続いて、誘電体層130は、半導体層に損傷を与えない湿式化学エッチング(例えば、高温リン酸)を使用して除去されてもよい。別の実施形態では、1つのセットの第2のシャフト190(
図17には示されていない)は、トレンチ110の誘電体層130および140にも同時に形成される。
【0041】
次に、
図18の挿入図を参照すると、トンネル酸化物層200、電荷蓄積層210、およびブロッキング誘電体層220が、トレンチ160のシャフト190に連続的かつコンフォーマルに堆積されている。トンネル酸化物層200はSiO
2を含んでいてよく、電荷蓄積層210はSiNまたはシリコンリッチSiNを含んでいてもよく、ブロッキング誘電体層220はSiO
2、Al
2O
3、HfCk、別の誘電体材料またはこれらの誘電体材料の2つ以上の任意の組み合わせを含んでいてもよい。層200、210、および220は、任意の適切な方法(例えば、CVDまたはALD)を使用して堆積させてもよい。ある実施形態では、これらの層で良好な材料品質を確保するために、それらの堆積後にアニーリングステップを実行してもよい。
【0042】
その後、異方性エッチングにより、トレンチ160内の各シャフトの底部にあるトンネル酸化物層200、電荷蓄積層210およびブロッキング誘電体層、ならびにメモリ構造10の底部とグローバルワード線230(挿入図に示す)または他のランディングパッド(図示せず)との間の絶縁層を貫通するバイアを打ち抜き、メモリ構造10の下方(例えば、半導体基板内)にある回路に接続するように開く。バイアエッチング中に保護するために、まずブロッキング誘電体層220の側壁上にシリコンの薄層(図示せず)を堆積させてもよい。
【0043】
次に、ゲート層240が堆積されて各シャフトを充填し、「ローカルワード線」を形成する。各ローカルワード線は、半導体基板の表面に垂直な方向に沿って延在している。
図18の左の挿入図に示されるように、各ローカルワード線は、メモリ構造10の活性層の堆積の前に形成されたグローバルワード線230の1つと接触する。グローバルワード線230は、ローカルワード線を半導体基板または他の位置の回路に接続する。ゲート層240は、(i)n型またはp型の高濃度にドープされたシリコン、シリコンゲルマニウムまたは別の半導体、または(ii)金属(例えば、TiN、TaN、Ti、Ta、MoまたはW、または2つ以上のそのような金属の任意の組み合わせ)、好ましくは、CVDまたはALDなどの任意の適切な技術を使用して堆積された、高い金属加工機能を有する金属のような、任意の適切な導電性材料を含んでいてもよい。トンネル層200、電荷蓄積層210、ブロッキング誘電体層220、およびゲート層240の上面は、平坦化技術(例えば、CMPまたはエッチングバック)を使用して平坦化されて、基礎となる半導体基板(図示せず)の平面に実質的に平行な表面250を提供してもよい。
【0044】
トレンチ160の誘電体層130、140にシャフト190をパターニングしてエッチングし、層200、210、220を堆積させ、ゲート層240によって残りのシャフトを埋めてローカルワード線を形成し、ローカルワード線をグローバルワード線230に接続する
図17、18のステップを繰り返して、トレンチ160に1つのセットの第2のローカルワード線を形成する(別の実施形態では、同様のシャフトは、トレンチ110およびトレンチ160の両方で同時にエッチングされる。さらに、トレンチ110および160のシャフトは、互いに対してずらされてもよい。)。
【0045】
その後、
図17~19のステップもまた、トレンチ110内で繰り返されて、別の1つのセットのローカルワード線270を形成する。一実施形態では、トレンチ160内のローカルワード線は、トレンチ110内のローカルワード線に対して互い違いに配置されて、隣接する列のローカルワード線間の追加の空間的分離を提供する。一実施形態では、トレンチ110内のこの1つのセットの第2のローカルワード線270は、グローバルワード線230に接続させない(例えば、シャフトの底部でバイアオープンステップをスキップすることによる)。代わりに、1つのセットのローカルワード線270は、形成されるグローバルワード線の別の組み合わせに接続される。
図20は、メモリ構造10の上に形成されたグローバルワード線280を示しており、これらは、半導体基板および他の場所の回路を接続してローカルワード線270を設定するために提供される。
【0046】
非常に細かいピッチでのHNORメモリアレイのローカルワード線の形成も、上記の参照により組み込まれた仮出願IIIに開示されている。
【0047】
いくつかの実施形態では、ダイサイズを考慮して、グローバルワード線230またはグローバルワード線280を介して電気的に接続されている一部の回路(例えば、デコード回路、および一部の読み出し、書き込み、および消去の供給電圧源)を、メモリ構造10の直下にある半導体基板の一部に配置することが有利な場合がある(これらのデコード回路と電圧源は
図20には示されていない)。
【0048】
グローバルワード線230と半導体基板内のこれらの回路との間の電気的接続は容易に行うことができる。半導体基板内のこれらの回路をメモリ構造10上のグローバルワード線280に電気的に接続するには、メモリ構造10の1つまたは複数の側面に提供される垂直コネクタと、グローバルワード線230と半導体基板内の回路との間に配置される水平コネクタの提供を必要とする場合がある。一実施形態では、グローバルワード線280を、高密度に配置されたメモリ構造10および高密度に配置されたグローバルワード線230を介して直接半導体基板内の回路に接続する垂直導体を設けることにより、このような遠回りの経路を回避することができる。これらの垂直導体は、半導体基板内の回路に接続するための導体としても機能するように、ローカルワード線270(
図19)の1つを選択することによって実装することができる。これらの垂直導体を用いて電気経路を確立するためには、半導体基板上の回路の真上または真下の位置に、それぞれの軸の下部にあるバイアホールをパンチスルーするための追加のマスクとエッチングステップが必要になる場合がある。
【0049】
ある実施形態では、ローカルワード線240がすべてメモリ構造10の上に形成されたグローバルワード線280に接続されている場合、メモリ構造10の下にあるグローバルワード線230を形成する必要はない。そのような配置は、シャフト190の底部にバイアを形成するために必要とされるパンチスルーマスキングおよびエッチングステップを不要にする。逆に、ローカルワード線240はすべて、パンチスルーバイアを介して、メモリ構造10の底部にあるグローバルワード線230に接触することができる。いずれの場合も、2つのセットのグローバルワード線のうちの1つを省略することができるが、グローバルワード線がグローバルワード線230またはグローバルワード線280の約1/2のピッチを有することが条件となり、二重露光またはより高度なリソグラフィが必要となる場合がある。
【0050】
ビット線への接続は「階段」方式で行われる。階段構造では、活性スタック内の活性ストリップが連続的に大きく切断され、垂直方向の導体が段差で連続する活性ストリップのドレイン層に接触できるようにしている。そのような方法の例は、例えば、上記の参照により組み込まれた仮出願IVに開示されている。
【0051】
図21は、堆積およびパターン化されたマスキング層300がメモリ構造10上に提供され、その長さに沿って一端または両端で活性層の一部(参照番号310によって示される)が除去された状態を示す(
図21はまた、活性スタック170の上部の活性ストリップを切断することによって形成される段差を示す。
図21のメモリ構造10は、
図20から90°回転させて見ており、活性ストリップの長さに沿った端部のみを示すことに留意されたい。)。例えば、仮出願IVに記載されているフォトレジストリセス技術を用いて、マスキング層300の一端または両端を追加のフォトリソグラフィ工程なしに凹ませ、後続のエッチング工程のために活性層310および320の一部を露出させる。
【0052】
エッチングステップで得られた構造を
図22に示す。フォトレジストのリセッシングおよびエッチングのステップは、最も低い活性層を除くすべての活性層がエッチングされて階段構造を形成するまで繰り返されてもよい。繰り返されたステップから得られた構造を
図23に示す。階段構造は、連続する各活性層のソース層60またはドレイン層70を露出させる。次に、誘電体材料が階段構造上に堆積され、CMPによって平坦化される。
【0053】
図24は、結果として得られた誘電体材料がパターニングされ、バイア開口部のためにエッチングされ、次にそのバイア開口部に導電性材料(例えば、タングステンなどの耐火性金属)400が充填され、階段構造によって露出した各活性層内のソース層60またはドレイン層70(すなわち、ビット線)の端部に接点を設ける様子を示している。このようにして、各ビット線は、半導体基板内の選択回路(例えば、デコーダおよびセンスアンプ)、または別個のコンパニオン集積回路上に接続される。このような集積回路は、当技術分野で知られているフリップウェハー技術(例えば、接続されたウェハー間の多数の小型銅スタッドを介して)を用いて、半導体基板内の回路に接続することができる。
【0054】
本発明の第2の実施形態によれば、
図25~36に示されるように、単一のエッチングステップを使用して、不整合を回避するために、HNORメモリアレイの活性スタックに活性層をエッチングする。機械的サポートを提供するために、活性層をエッチングして活性スタックを作成する前に、誘電体ピラーが形成される。これらのピラーは、構造的安定性を維持することにより、その後に形成される活性スタックをサポートする。フィーチャのアスペクト比を適切に選択することで、高アスペクト比のエッチングステップ中にリボン化が発生するのを防ぐ。
【0055】
図25は、
図1のように、ハードマスク層30とエッチング停止層40との間に8つの活性層(例えば、活性層20)を含むメモリ構造10を示している。各活性層の構成層は、
図1を参照して論じられたそれらの活性層と同じでよい。マスキング構造500は、メモリ構造10がパターニングされ、エッチングされてエッチング停止層40になり、1つのセットのバイア505(図示せず)を提供することを可能にする。マスキング構造500が除去された後、バイア505は誘電体材料で充填され、したがって、
図26に示される誘電体ピラー510を形成する。誘電体ピラー510は、任意の適切な誘電体材料(例えば、SiO
2、SiN、SiON、SiCOH)を含んでもよく、これらは、LPCVD、ALD、または高密度プラズマCVD(「HDP CVD」)などの任意の適切な方法を用いて堆積されてもよい。堆積後、メモリ構造10の上面520上の誘電体材料は、CMPまたはエッチングバックなどの任意の適切な平坦化技術を使用して除去することができる。
【0056】
その後、
図27に示されるように、メモリ構造10は、活性スタック530にパターニングおよびエッチングされ、活性ステップ間のトレンチ540を切断する。エッチングステップは、誘電体ピラー510をそのまま残し、これらのピラーが形成中の活性スタック530に構造的完全性と機械的強度を提供できるようにする。次に、上記のトレンチ110および160内の誘電体層130および140のような誘電体層550および560を、トレンチ540に堆積させて、トレンチ540を充填させてもよい。次に、マスキング層(図示せず)が適用され、パターニングされて、活性スタック530および充填されたトレンチ540の半分が保護される。次に、トレンチ540の露出されたものがエッチングされて、誘電体層550および560が除去されるが、誘電体ピラー510はエッチングされない。この結果の構造は
図29に示されている。
【0057】
図29を参照すると、活性スタック530の各活性層内のSAC4層80は、その後、選択的エッチングによって除去されてもよい。
図30に示すように、金属層570は、掘削されたトレンチ540を部分的に充填し、そして除去されたSAC4層80の代わりに堆積される。次に、
図31を参照すると、金属層570の一部は、トレンチ540からの選択的異方性エッチングによって除去され、各活性ストリップのSAC4層80を置き換えた金属層570の一部が残る。
【0058】
その後、残りの誘電体層550および560は、
図32に示されるように、選択的エッチングによってあらゆる部分が充填されたトレンチ540から除去され、活性スタック530および誘電体ピラー510が残る。次に、
図33を参照すると、各活性ストリップのSAC1層60の一部は、選択的エッチングによって凹まされている。この選択的エッチングはマスキング層を必要としない。さらに、
図34に示すように、各活性層の金属層570の一部もまた、マスキング層なしで選択的エッチングによって凹ませ、各活性ストリップの金属層570を、トレンチ540に凹んだ面を有する細長い金属ストリップに成形する。
【0059】
次に、半導体層580が堆積される。
図35に示すように、半導体層580は、トレンチ540を部分的に充填し、凹型キャビティ580Aおよび580Bを充填し、ここで、各活性ストリップのSAC1層60の一部および金属層570の部分がそれぞれ除去されている。次に、半導体層580の一部は、
図36に示されるように、選択的異方性エッチングによって除去される。半導体層580Aは、形成される薄膜トランジスタのチャネル領域を形成し、半導体層580Bは、金属層570を被覆し、メモリ構造10から形成されるHNORメモリアレイのためのビット線を形成する。半導体層580Bは、後続の構造の金属汚染を最小限に抑え、金属層570と形成される電荷トラップ層との間の直接接触を排除する。
【0060】
図36のメモリ構造10の製造の残りの部分は、誘電体ピラー510を無傷で、上記の
図17から
図24によって示されるのと同じ方法で進めてもよい。
【0061】
本発明の第3の実施形態によれば、
図37~50に示されるように、2つのエッチングステップでHNORメモリアレイの活性スタックを形成する方法が提供されるが、これは、リボン化の可能性を最小限にし、構造安定性を維持する。この第3の実施形態による方法は、異なる特性の3つのマスクを使用して、活性ストリップを形成する。(i)すべての活性ストリップを同時に確定することで、活性ストリップ間の不整合を回避する第1のマスク。(ii)第1のマスクの上に配置され、活性ストリップの前半部分を画定する第2のマスク。(iii)第1および第2のマスクが除去された後に提供される、活性ストリップの残りの半分を画定する第3のマスク。
【0062】
図37に示されるように、メモリ構造10は、ハードマスク層30とエッチング停止層40との間の8つの活性層(例えば、活性層20)から始まる。
図37では、第1のマスキング層が堆積され、活性スタック内の各活性ストリップの所望の幅を表す幅L
1のマスキング構造600をそれぞれ有するようにパターニングされている(例えば、上述の
図9を参照)。その後、
図38に示されるように、マスキング構造610を有する第2のマスキング層が堆積され、マスキング構造600と重なるようにパターニングされ、層間のずれを考慮して、マスキング構造610がマスキング構造600を隔てる1つおきの空間を占有して保護するようになる。第1および第2のマスキング層は、異なるエッチング特性を有し、異なる材料を含んでいてもよい。
【0063】
次に、
図39を参照すると、メモリ構造10を通るトレンチ620がエッチングされている。
図40を参照すると、トレンチ620に露出した各活性層のSAC1層60の一部は、マスク構造600および610をそのままにして、所定の深さ(例えば、5~10ナノメートルの間)まで選択的エッチングによって凹まされる。その後、
図41に示されるように、半導体層630が堆積され、トレンチ620および各活性ストリップ内のSAC1層60の一部を除去した結果から生じる凹型キャビティを、実質的に上記の
図5と併せて論じた半導体層120と同じような方法で部分的に充填する。次に、
図42に示されるように、トレンチ620の側壁に沿った半導体層630の一部が除去され、半導体層630の一部が凹型キャビティに残される。
【0064】
その後、
図43に示されるように、トレンチ620は、上記の
図7に関連して論じられた誘電体層130および140と実質的に同じ方法で、誘電体層640および650で充填され、続いて、第2のマスキングのマスキング構造610がエッチングにより除去される。
図44は、トレンチ625がメモリ構造10にエッチングされる様子を示している。次に、
図45を参照すると、SAC4層80は、トレンチ625の露出表面からの選択的エッチングによって除去され、続いて、
図46に示すように、トレンチ625および各活性ストリップのSAC4層80の除去から生じるキャビティを部分的に充填する金属層660が堆積される。次に、
図47を参照すると、トレンチ625の側壁上の金属層660の一部は、選択的異方性エッチングおよび横方向等方性エッチングによって除去される。
【0065】
図48を参照すると、次に、トレンチ625に露出された各活性層のSAC1層60の一部は、選択的エッチングによって凹まされる。その後、半導体層670が堆積され、
図49に示されるように、各活性層のトレンチ625およびSAC1層60の凹型キャビティを部分的に充填する。次に、メモリ構造10の上の誘電体層620および誘電体層640の一部が、第1のマスキング層のマスキング構造600と共に除去される。次に、トレンチ625の側壁上の半導体層670の一部は、
図50に示されるように、選択的異方性エッチングによって除去され、
図45と併せて上記で論じたのと実質的に同じ方法で、誘電体層640および誘電体層650によって置き換えられる。メモリ構造10の製造の残りの部分は、上記の
図17~24に示されているのと同じ方法で進めることができる。
【0066】
上記で論じたように、2つのエッチングステップで活性スタックを形成する第1の実施形態による方法は、最大約±5ナノメートルのリソグラフィのずれが発生し、隣接する活性スタックの幅に影響を与える。たとえば、このようなずれにより、代替の活性スタックの幅が異なる場合がある(たとえば、1つの活性スタックの幅がL1+5ナノメートルで、隣接する活性ストリップの幅がL1-5ナノメートルの場合がある)。高度にスケーリングされた寸法を除いて、そのようなずれはメモリチップ設計内で容易に対応することができる。他方で、各エッチングステップの幅が広いため、第2の実施形態による方法と組み合わせて使用されるもののように、面積の大きい支持ピラーを所定の間隔で配置する必要がなく、より安定性が高い。
【0067】
本発明によるHNORメモリアレイでは、活性ストリップの典型的な公称最小幅L
1は50ナノメートルであるが、隣接する活性スタックを分離するトレンチ110(
図3)の公称最小幅は80ナノメートルであってもよく、8つの活性層を持つ活性スタックは、約2,000ナノメートル(2ミクロン)であってもよい。50ナノメートル幅の単独の活性スタックのアスペクト比は2000/50、つまり40:1となり、エッチング中に直立状態を維持することはもちろん、歩留まりやコストに悪影響を及ぼす連続したプロセスステップでも、非常に困難となる。しかしながら、本発明の第1または第3の実施形態による方法を使用すると、
図3の各マスキング構造115の幅L
2は50+80+50=180ナノメートルであり、したがってマスキング構造115を使用するエッチングのアスペクト比は2,000/180、すなわち11:1である。
【0068】
第2の実施形態による方法では、活性スタックは1つのエッチングステップで形成され、それにより、活性スタック間で発生する可能性がある+5ナノメートルのずれを回避する。このような方法は、活性スタック形成の前に誘電体ピラーを形成して、その後に形成される活性スタックを支持し、構造的安定性を維持する。しかし、第2実施形態の方法では、エッチング工程での高アスペクト比によるリボン化と、誘電体ピラーが占める領域による有用なメモリアレイ領域の減少の両方が発生する可能性がある。
【0069】
本発明の第3の実施形態による方法では、第1のマスクは、第2および第3のマスクを提供するために使用される材料と比較して第1のマスクに対して選択的である、少なくとも2つの活性スタックエッチングステップに耐えることが必要である。
【0070】
さらに、第1および第2のマスクを提供するために使用されるハードマスク材料は、特定の誘電体堆積(例えば、LPCVD SiO2)と互換性がある必要がある。一部のハードマスク材料(カーボンなど)はSiO2堆積と互換性がなく、酸素を必要とする。このようなハードマスク材料は酸素と反応し、酸素によってエッチングされる。
【0071】
上記の詳細な説明は、本発明の特定の実施形態を説明するために提供されており、限定することを意図するものではない。本発明の範囲内の多数の変形および修正が可能である。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載されている。