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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】パリソンの光学検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20240724BHJP
   G01N 21/89 20060101ALI20240724BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240724BHJP
   B29C 49/80 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G01N21/90 A
G01N21/89 H
G06T7/00 610Z
B29C49/80
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021533837
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 IB2019060699
(87)【国際公開番号】W WO2020121239
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】102018000011107
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ライコ,ドナート
(72)【発明者】
【氏名】ニグロ,シモーネ
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-072861(JP,A)
【文献】特表2015-511315(JP,A)
【文献】特開2018-005773(JP,A)
【文献】特開2009-092401(JP,A)
【文献】特表2017-522202(JP,A)
【文献】特開平01-120317(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
G01N 33/44
G01B 11/00 - G01B 11/30
G01J 4/00 - G01J 4/04
B07C 5/342
B29C 49/00 - B29C 49/80
G06N 20/00 - G06N 20/20
G06T 1/00 - G06T 1/40
G06T 3/00 - G06T 3/60
G06T 5/00 - G06T 5/50
G06T 7/00 - G06T 7/90
G06T 9/00 - G06T 9/40
G06V 10/00 - G06V 10/98
G06V 20/00 - G06V 20/90
G06V 30/418
G06V 40/16
G06V 40/20
H04N 5/222- H04N 5/257
H04N 7/18
H04N 23/00
H04N 23/40 - H04N 23/76
H04N 23/90 - H04N 23/959
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PETのパリソンの光学検査装置であって、
検査位置にあるパリソンに向けられた光線を放射するように構成された光源を含む照明器と、
前記検査位置にある前記パリソンの画像をキャプチャするように構成されたカメラを含む検出器と、を備え、前記パリソンが、前記検査位置において、前記照明器と前記検出器との間に動作可能に配置され、
前記照明器は、前記光源によって放射された前記光線を遮断して偏光ビームを生成するように構成された放射偏光フィルタを含み、前記検出器は、前記偏光ビームを受信するように構成された受信偏光フィルタを含み、その結果、前記パリソンは、前記検査位置において、前記放射偏光フィルタと前記受信偏光フィルタとの間に動作可能に配置され、前記検出器によってキャプチャされた画像は、PETのポリマー鎖が受ける応力を表す色パターンを含み、前記光学検査装置は、
自己学習システムと、
処理ユニットと、を備え、前記処理ユニットは、
参照データセットを含むメモリと、
前記パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するために、前記参照データセットに基づいて前記検出器によってキャプチャされた前記画像を処理するようにプログラムされたプロセッサであって、それにより、前記診断上の指標が欠陥のある物体の類型と欠陥のない物体の類型とを区別し、前記処理ユニットは、前記自己学習システムによって、前記欠陥のない類型の物体のサンプルを通じて訓練される、プロセッサと、を含み、
前記処理ユニットは、
複数の画像特徴の値を前記画像から導出するために、前記参照データセットに基づいて前記検出器によってキャプチャされた前記画像を処理して、
前記パリソンの前記欠陥に関する前記診断上の指標を導出するために、前記複数の画像特徴の前記値を処理し、
前記複数の画像特徴の前記値から前記参照データセットに基づいて再構成された画像を生成して、
前記検出器によってキャプチャされた前記画像と前記再構成された画像との比較に応じて、前記パリソンの前記欠陥に関する前記診断上の指標を導出するように構成され、
前記自己学習システムは、前記複数の画像特徴の値を導出するために一連のプーリングステップと交互に行われる一連の畳み込みステップを通じて画像をエンコードするように構成された畳み込みニューラルネットワークを含む、光学検査装置。
【請求項2】
前記自己学習システムは、
対応する複数のパリソンについて前記検出器によってキャプチャされた複数の画像を入力として受信して、
各画像について予め定められた基準に基づいて前記複数の画像特徴の対応する値を導出するために、前記参照データセットに基づいて前記検出器によってキャプチャされた前記複数の画像の各画像を処理して、
前記複数の画像の各画像について、前記複数の画像特徴の対応する導出された値を使用して、前記参照データセットに基づいて、対応する再構成された画像を生成して、
前記複数の画像の各画像について、前記検出器によってキャプチャされた前記画像と前記対応する再構成された画像との間の類似度を表す対応する類似パラメータを導出するために、前記検出器によってキャプチャされた前記複数の画像の各画像を前記対応する再構成された画像と比較して、
前記複数の画像の各画像について、前記類似パラメータおよび前記類似パラメータの予め定められた閾値に応じて、前記参照データセットを更新するように構成されている、請求項1に記載の光学検査装置。
【請求項3】
前記自己学習システムは、前記類似パラメータおよび前記予め定められた閾値に応じて、前記複数の画像特徴を更新するように構成される、請求項2に記載の光学検査装置。
【請求項4】
前記予め定められた基準は、前記複数の画像特徴の最大数の画像特徴を含む、請求項2または3に記載の光学検査装置。
【請求項5】
前記自己学習システムは、変換された画像の次元が縮小されるように、前記一連のプーリングステップを実行するように構成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の光学検査装置。
【請求項6】
前記自己学習システムは、隣接するピクセル間の最大または最小または平均の数学演算によって、前記一連のプーリングステップを介して前記変換された画像の次元を縮小するように構成される、請求項5に記載の光学検査装置。
【請求項7】
パリソンを製造するように構成された成形機を含む、熱可塑性材料の容器を製造するためのラインであって、
請求項1から6のいずれか1項に記載のパリソンの光学検査装置を備え、前記光学検査装置は、前記成形機の下流に動作可能に配置される、ライン。
【請求項8】
パリソンを受け取り、型内の前記パリソンをブロー成形して容器を製造するように構成されたブロー成形機を含む、熱可塑性材料の容器を製造するためのラインであって、
請求項1から3のいずれか1項に記載のパリソンの光学検査装置を備え、前記光学検査装置は、前記ブロー成形機の上流に動作可能に配置される、ライン。
【請求項9】
パリソンの光学検査のための方法であって、
光源を含む照明器を使用して、検査位置にあるパリソンに向けられた光線を放射するステップと、
カメラを含む検出器を使用して、前記検査位置にある前記パリソンの画像をキャプチャするステップであって、前記パリソンは、前記検査位置において、前記照明器と前記検出器との間に動作可能に配置される、ステップと、
前記光源と前記パリソンとの間に配置された放射偏光フィルタ上で前記照明器によって放射された前記光線を遮断することによって偏光ビームを生成するステップと、
前記パリソンと前記カメラとの間に配置された受信偏光フィルタで前記偏光ビームを受信するステップと、を含み、
前記検査位置において、前記パリソンは、前記放射偏光フィルタと前記受信偏光フィルタとの間に動作可能に配置されており、前記方法は、
前記画像を処理するステップを含み、前記処理するステップは、
複数の画像特徴の値を前記画像から導出するために、参照データセットに基づいて前記検出器によってキャプチャされた前記画像を処理するサブステップと、
前記複数の画像特徴の前記値から前記参照データセットに基づいて再構成された画像を生成するサブステップと、
前記検出器によってキャプチャされた前記画像と前記再構成された画像との比較に応じて、前記パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するサブステップと、
前記診断上の指標が欠陥のある物体の類型と欠陥のない物体の類型とを区別するように、自己学習ステップにおいて自己学習システムによって処理ユニットを訓練するサブステップであって、前記処理ユニットは、前記自己学習システムによって、前記欠陥のない類型の物体のサンプルを通じて訓練され、前記自己学習システムは、前記複数の画像特徴の値を導出するために一連のプーリングステップと交互に行われる一連の畳み込みステップを通じて画像をエンコードするように構成された畳み込みニューラルネットワークを含む、サブステップと、を含む、方法。
【請求項10】
前記自己学習ステップは、
対応する複数のパリソンについて複数の画像をキャプチャするサブステップと、
前記複数の画像の各画像から予め定められた基準に応じて複数の画像特徴の対応する値を導出するために、前記参照データセットに基づいて前記複数の画像の各画像を処理するサブステップと、
前記複数の画像の各画像について、前記複数の画像特徴の前記対応する値を使用して前記参照データセットに基づいて、対応する再構成された画像を生成するサブステップと、
前記複数の画像の各画像を前記対応する再構成された画像と比較し、前記検出器によってキャプチャされた前記画像と前記対応する再構成された画像の間の類似度を表す対応する類似パラメータを導出するサブステップと、
前記類似パラメータおよび予め定められた閾値に応じて、前記参照データセットおよび前記複数の画像特徴を更新するサブステップと、を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のパリソンを一度に1つずつ、前記放射偏光フィルタおよび前記受信偏光フィルタに対して予め定められた向きに従って、前記検査位置に供給するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記予め定められた基準は、前記複数の画像特徴の最大数の画像特徴を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記自己学習システムは、前記類似パラメータおよび前記予め定められた閾値に応じて、前記複数の画像特徴を更新するように構成される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記自己学習システムは、変換された画像の次元が縮小されるように、前記一連のプーリングステップを実行するように構成される、請求項10または11に記載の方法。
【請求項15】
前記自己学習システムは、隣接するピクセル間の最大または最小または平均の数学演算によって、前記一連のプーリングステップを介して前記変換された画像の次元を縮小するように構成される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パリソンの光学検査装置に関する。
【0002】
プラスチック容器、特にプラスチックボトルの製造ラインは、通常、PET(ポリエチレンテレフタレート)からパリソンを成形するように構成された成形機と、型内のパリソンをブローして容器を形成するように構成されたブロー成形機と、を備える。一部のプリフォームには、例えば、不規則な厚さ、穴、気泡、または異物などによる欠陥がある場合がある。これらの欠陥は、欠陥のあるパリソンを生産ラインから迅速に取り除くことを目的とした品質チェックによって検出される必要がある。
【背景技術】
【0003】
特許文書EP2976204B1から知られているのは、パリソンがコンベヤによって収集容器に向かって搬送されている間にパリソンをチェックするように構成された、パリソンを光学的にチェックするためのシステムである。このシステムは、カメラと光源を備えており、これらは、光源がパリソンを後ろから照らし、カメラが各パリソンの画像を正面から捉えるように配置されている。
【0004】
その他の検査システムは、特許文書US2017/129157A1、DE102006047150A1、US2018/311883A1に開示されている。
【0005】
従来技術の光学検査システムの1つの制限は、品質チェックを、カメラに見える画像の特徴(例えば、気泡など)に制限するが、PETのポリマー鎖の不規則な残留応力など、材料の内部欠陥を検出できないことである。
【0006】
さらに、従来技術のシステムは、データベースに格納された他の欠陥のあるパリソンの画像との類似度に基づいて欠陥のあるパリソンを検出する。
【0007】
したがって、これらのシステムは、検出される必要のあるすべての起こり得る欠陥を含むデータベースで初期化される必要がある。しかしながら、欠陥は大きく異なり、欠陥のあるパリソンは形成されたパリソンのごく一部にすぎないので、この種の完全で且つ網羅的なデータベースを得ることはまれである。
【0008】
したがって、一般的に言えば、従来技術のシステムでは、欠陥のあるパリソンの識別における信頼性が限られている。
【発明の概要】
【0009】
本開示の目的は、従来技術の上記の欠点を克服するために、パリソンの光学検査装置および方法を提供することである。本開示の別の目的は、従来技術の上記の欠点を克服するために、パリソンの画像を処理するための方法を提供することである。
【0010】
これらの目的は、本開示による、パリソンの光学検査装置、パリソンの光学検査方法、および添付の特許請求の範囲で特徴付けられるようなパリソンの画像を処理するための方法によって完全に達成される。
【0011】
より具体的には、本開示は、パリソン(またはプリフォーム)またはプラスチック材料で作られた他の物体(例えば、キャップまたはカプセルなど)または金属で作られた他の物体(蓋など)の光学検査装置に関する。この点に関して、パリソンに言及してなされるこの明細書の残りの部分は、また、プラスチックまたは金属材料で作られた他の物体に適用可能であることが理解される。「パリソン」という用語は、例えば飲料ボトルなどのプラスチック容器の製造プロセスにおける中間製品を示すために使用される。より具体的には、パリソンは、プラスチック材料を成形(通常、射出成形または圧縮成形)することによって形成され、後の段階で、完成した容器を製造するべくブロー成形によって拡張される。パリソンはプラスチック材料、好ましくはPET(ポリエチレンテレフタレート)でできている。
【0012】
本開示によるパリソンの光学検査装置は、照明器を備える。照明器は、検査位置に配置されたパリソンに向けられた光線を放射するように構成された光源を含む。
【0013】
一実施形態では、装置は、検査位置でパリソンを受け入れるように構成された検査ポケットを含む。別の実施形態では、検査位置でパリソンを受け入れるように構成された検査ポケットは、とりわけ、装置を含むラインの一部である。
【0014】
装置は、検出器を備える。検出器は、カメラを含む。カメラ(つまり、検出器)は、検査位置にあるパリソンの画像をキャプチャするように構成されている。
【0015】
一実施形態では、光源は、光線を連続的に放射するように構成される。一実施形態では、光源はストロボであり、予め定められた放射間隔で光線を放射するように構成される(各放射間隔は、パリソンを検査位置に供給するのにかかる時間に対応する)。
【0016】
一実施形態では、カメラは、予め定められたキャプチャ間隔で画像をキャプチャするように構成される(各キャプチャ間隔は、パリソンを検査位置に供給するのにかかる時間に対応する)。光源がストロボである場合、放射間隔はキャプチャ間隔に対応する(つまり、キャプチャ間隔に等しい)。
【0017】
検査位置では、パリソンは照明器と検出器との間に動作可能に配置されている。このようにして、照明器はパリソンを第1の側から(例えば正面から)照らし、検出器はパリソンの画像を第1の側とは反対側の第2の側から(例えば後ろから)キャプチャする。したがって、検出器は、パリソンの逆光画像をキャプチャする。
【0018】
好ましくは、照明器(または装置)は、放射偏光フィルタ(または第1の偏光フィルタ)を含む。放射偏光フィルタは、光源から放射される光線を遮断するように構成される。放射偏光フィルタは、光源によって放射された光線から対応する偏光ビームを生成するように構成される。
【0019】
好ましくは、検出器(または検査装置)は、受信偏光フィルタ(または第2の偏光フィルタ)を含む。
【0020】
好ましくは、検査位置において、パリソンは、放射偏光フィルタと受信偏光フィルタとの間に動作可能に配置される。
【0021】
受信偏光フィルタは、偏光ビームを受信するように構成される。より具体的には、受信偏光フィルタは、放射偏光フィルタによって偏光され且つパリソンによって屈折された光線を受信し、第2の偏光ビームを生成するように構成される。
【0022】
したがって、カメラは第2の偏光ビームを受信する。
【0023】
パリソンの材料(好ましくはPET)は複屈折性によって特徴付けられるので、その内部のポリマー鎖が配向されて応力を受けると、パリソンに当たる(第1の偏光フィルタからの)偏光は、応力に応じて異なる屈折率に従って屈折する。より具体的には、パリソンに当たる光線は、垂直面で振動する2つの光線に分解され、第2の偏光子は、一部の成分のみを通過させることを可能にし、それらを同じ平面に載せ干渉を生成する。したがって、同じ応力を受ける領域は同じ干渉を持ち、したがって同じ色を持つが、異なる応力を受ける領域は異なる色を持つことになる。したがって、カメラは、パリソン内の応力の内部分布を表す色パターンを示す画像をキャプチャする。
【0024】
第1および第2の偏光フィルタは、平行な平面上に配置される。第1の偏光フィルタ(または放射フィルタ)は、線形偏光フィルタである。特に、第1の偏光フィルタ(または放射フィルタ)は、光を第1の偏光方向に偏光するように構成される。パリソンが検査位置にある場合の軸は、(放射フィルタの)第1の偏光方向に平行に向けられている。ここでは、「パリソンの軸」は、パリソンの中心対称軸を意味し、その周りにパリソンの側壁が延びる。
【0025】
偏光フィルタ(または受信フィルタ)は、線形偏光フィルタである。第2の偏光フィルタ(または受信フィルタ)は、第2の偏光方向に光を偏光するように構成される。好ましくは、第1および第2の偏光フィルタの両方が線形偏光フィルタである。一実施形態では、第1の偏光方向および第2の偏光方向は互いに平行である(この場合、結果として生じる光は白色である)。一実施形態では、第1の偏光方向と第2の偏光方向は互いに異なる。特に、第1および第2の偏光方向は、5°から50°の間に含まれる角度を規定してもよい。例えば、第1および第2の偏光方向は互いに垂直であってもよい(この場合、結果として生じる光は黒である)。
【0026】
さらなる例では、第1および第2の偏光方向は、45°の角度を規定してもよい。さらなる例では、第1および第2の偏光方向は、30°の角度を規定してもよい。さらなる例では、第1および第2の偏光方向は、15°の角度を規定してもよい。
【0027】
他の実施形態では、第1および/または第2の偏光フィルタは、円形偏光フィルタである。
【0028】
他の実施形態では、第1および第2の偏光フィルタは提供されず、したがって、カメラは、パリソンのモノクロの逆光画像(明るい領域および暗い領域を含む)をキャプチャする。
【0029】
パリソンは、検査位置に、単数で、すなわち順々に供給される。例えば、検査装置は、検査経路(検査経路内で、検査位置が規定される)に沿って検査されるパリソンを連続して搬送するように構成されたコンベヤを含む(それ自体が本開示の対象であってもよい)機器の一部である。
【0030】
コンベヤは、複数の開口を規定する吸引ベルトであって、パリソンの上端に接触してパリソンの内部空洞に負圧(すなわち、真空)を作り出すように構成された吸引ベルトを含んでもよい。
【0031】
それらの吸引ベルトは、前記負圧によってパリソンを支持するように構成されている。吸引ベルトは、パリソンを検査経路に沿って移動させ、検査位置に次々に配置するように構成されている。照明器および放射偏光フィルタは、検査経路の(すなわち、吸引ベルトの)第1の側に配置されてもよい。カメラおよび受信偏光フィルタは、第1の側とは反対側である、検査経路の(すなわち、吸引ベルトの)第2の側に配置されてもよい。したがって、吸引ベルトによって支持されたパリソンは、放射偏光フィルタと受信偏光フィルタとの間に配置される。
【0032】
一実施形態では、装置は、処理ユニットを含む。処理ユニットは検出器に接続されている。
【0033】
処理ユニットは、参照データを含むメモリを含む。処理ユニットは、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するために、参照データに基づいて、検出器によってキャプチャされた画像を処理するようにプログラムされたプロセッサを含む。
【0034】
一実施形態では、プロセッサは、メモリに格納された1つまたは複数の閾値に基づいて、欠陥のあるパリソンを識別するための1つまたは複数の基準を含んでもよい。例えば、プロセッサは、カメラによってキャプチャされた画像の輝度が予め定められた閾値を超える場合(事実上、高輝度の画像は非常に薄い壁のパリソンを示す)、および/または画像が特定の閾値を超えるシャープな色遷移を示す場合、欠陥のあるパリソンを識別するように構成されてもよい。
【0035】
好ましい実施形態では、処理ユニットは、キャプチャされた画像から複数の画像特徴の値を導出するために、(参照データに基づいて)検出器によってキャプチャされた画像を処理するように構成される。この処理は、(予め定められたアルゴリズム、または自己学習ステップで処理システムによって導出されたアルゴリズムに従って画像を変換または圧縮することによって)画像コードをエンコードする。したがって、処理ユニットは、複数の画像特徴の各特徴に値を割り当てるように構成される。一実施形態では、画像をエンコードすることは、画像のサイズを縮小することを含む(例えば、複数の画像特徴は、500の特徴を含み得る)。
【0036】
これらの画像特徴は画像を表す。したがって、処理ユニットは、対応する複数の画像特徴に割り当てられた複数の値を画像から抽出し、画像を画像のこれらの代表的な(または重要な)値に縮小するように構成される。
【0037】
一実施形態では、処理ユニットは、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するために、(参照データに基づいて)複数の画像特徴の値を処理するように構成される。
【0038】
一実施形態では、処理ユニットは、複数の画像特徴の値に基づいて画像を分類するように構成される。例えば、各画像特徴について、メモリは、正常な(すなわち、欠陥のない)パリソンの1つまたは複数の典型的な値および欠陥のあるパリソンの1つまたは複数の典型的な値を含んでもよいし、処理ユニットは、画像特徴の少なくとも1つの値が欠陥のあるパリソンの対応する典型的な値にかなり近い(特定の閾値を超える)場合、および/または画像特徴の特定の組み合わせ(例えば、乗算)が欠陥のあるパリソンの典型的な、その組み合わせの参照値にかなり近い(特定の閾値を超える)場合、パリソンを欠陥のあるものとして識別するように構成されてもよい。
【0039】
例えば、画像特徴は、特定の色または色の組み合わせの存在または不在、および/または特定の対称性の存在または不在、および/または特定の点での光強度を含んでもよい。画像が特定の色または色の組み合わせを示す、または特定の対称性を有する(または有しない)、または特定の点での光強度が閾値よりも大きいまたは小さい場合に、処理ユニットは、パリソンを欠陥のあるものとして識別するように構成されてもよい。
【0040】
一実施形態では、処理ユニットは、複数の画像特徴の値から(そして参照データに基づいて)再構成された画像を生成するように構成される。一実施形態では、処理ユニットは、(参照データに基づいて)再構成された画像と検出器によってキャプチャされた画像との比較に応じて、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するように構成される。
【0041】
より具体的には、処理ユニットは、検出器によってキャプチャされた画像を再構成された画像と比較し、検出器によってキャプチャされた画像と再構成された画像との間の類似度を表す類似パラメータを導出するように構成される。処理ユニットは、類似パラメータを予め定められた閾値(それ自体が参照データの一部であり得る)と比較し、予め定められた閾値と類似パラメータとの比較に応じて診断上の指標を導出するように構成される。例えば、処理ユニットは、類似パラメータが特定の類似性閾値を超えている場合に、パリソンを正常であると識別するように構成されてもよい。したがって、処理ユニットは、再構成された画像がカメラによってキャプチャされた開始画像と十分に類似している場合に、パリソンを正常であると識別するように構成される。
【0042】
実際には、処理ユニットは、正常なパリソン、すなわち欠陥がないパリソンに基づいて画像を処理するように(すなわち、それをエンコードし、複数の画像特徴の値を導出し、そこから再構成された画像を生成するように)訓練される。処理ユニットは、以下に説明するように、自己学習システムによって訓練されてもよいし、または市販の事前訓練されたユニットであってもよい。パリソンが正常な場合、処理ユニットはその画像を正しく処理し、元の画像と類似している再構成された画像を生成することができる。一方、パリソンに欠陥がある場合、正常なパリソンで訓練される処理ユニットは、画像を正しく再構成することができず、その結果、元の画像とは大幅に異なる再構成された画像を生成する。
【0043】
したがって、処理ユニットは、単一の類型(例えば、欠陥のない類型)の物体のサンプルで訓練される。その後、処理ユニットは、物体の少なくとも2つの類型(例えば、欠陥のある類型と欠陥のない類型)を区別できるようになる。
【0044】
一実施形態では、装置は、自己学習システムを含む。
【0045】
自己学習システムは、一実施形態では、処理ユニットに統合されている。自己学習システムは、一実施形態では、処理ユニットに接続されている。自己学習システムは、一実施形態では、メモリに接続されている。
【0046】
自己学習システムは、対応する複数のパリソンについて、検出器によってキャプチャされた複数の画像を入力として受け取るように構成される。
【0047】
自己学習システムは、(参照データに基づいて)対応する複数のパリソンについて検出器によってキャプチャされた複数の画像の各画像をエンコードして、複数の画像特徴の対応する値を複数の画像の各画像から導出するように構成される。
【0048】
好ましくは、自己学習システムは、予め定められた基準(それ自体が参照データの一部であり得る)に基づいて画像をエンコードするように構成される。
【0049】
自己学習システムは、複数の画像の各画像について、複数の画像特徴の対応する値から(そして参照データに基づいて)再構成された対応する画像を生成するように構成される。
【0050】
自己学習システムは、各画像について、検出器によってキャプチャされた画像と対応する再構成された画像との間の類似度を表す類似パラメータを導出するために、複数の画像の各画像を対応する再構成された画像と比較するように構成される。
【0051】
自己学習システムは、(類似パラメータが画像間の類似度に正比例する場合に)類似パラメータが予め定められた閾値よりも低くなるように、類似パラメータに応じて参照データを更新するように構成される(そうではなく、類似パラメータが画像間の差に反比例する場合には、予め定められた閾値よりも大きくなるように、類似パラメータに応じて参照データを更新するように構成される)。一実施形態では、予め定められた閾値はそれ自体参照データの一部である。好ましくは、自己学習システムは、複数の画像の各画像について類似パラメータに応じて参照データを(反復的に)更新するように構成される。
【0052】
好ましい実施形態では、自己学習システムは、類似パラメータおよび予め定められた閾値に応じて、複数の画像特徴を(好ましくは参照データと組み合わせて)更新するように構成される。より具体的には、参照データおよび/または複数の画像特徴は、複数の画像の各画像について、類似パラメータが予め定められた閾値よりも大きくなるように更新される(類似パラメータが画像間の類似度に正比例する場合)。
【0053】
他方、類似パラメータが画像間の差に正比例する(すなわち、それらの類似度に反比例する)場合、自己学習システムは、類似パラメータが予め定められた閾値よりも小さくなるように、参照データおよび/または画像特徴を更新するように構成される。
【0054】
好ましい実施形態では、予め定められた基準は、複数の画像特徴の最大数(または予め定められた数)の特徴を含む(またはそれによって規定される)。予め定められた基準は、システムが、パリソンの欠陥と無関係に、キャプチャされた画像を識別する機能を単に実行しないことを保証する。
【0055】
したがって、好ましい実施形態では、自己学習システムは、検出器によってキャプチャされた画像に応じて、画像特徴と参照データの両方を決定するように構成される。
【0056】
このシステムは、キャプチャされた画像が正常なパリソンを表す場合に、特に優れたパフォーマンスを発揮する。このようにして、システムは、正常なパリソンの画像(つまり、エンコードに使用する参照データ、抽出される画像特徴(なぜなら、それらは正常なパリソンを表すため)、および再構成に使用される参照データ)をエンコードおよび再構築する方法を学習する。
【0057】
次に、処理システムが欠陥のあるパリソンをエンコードして再構築する必要がある場合、それは成功せず、開始画像とは大幅に異なる再構成された画像を生成することになる。
【0058】
別の実施形態では、予め定められた基準は、複数の画像特徴(すなわち、値が抽出される特徴)を含む(またはそれによって規定される)。
【0059】
一実施形態では、自己学習システムは分類器を含む。分類器は、例えば、色、色のグラデーション、ピクセル近傍での色の標準偏差、ピクセル近傍での平均色などのパラメータに基づいて、キャプチャされた画像を分類するように構成される。具体的には、分類器は、画像内の色の分布を表すヒストグラムを構築し、前記ヒストグラム内の色の対称性および/または均一性に基づいて画像を分類するようにプログラムされてもよい。一実施形態では、パラメータは、分類器に事前設定されてもよい(すなわち、明示的に規定されてもよい)。例えば、分類器は「ワンクラス(one-class)」タイプである。分類器は、複数の事前設定されたパラメータの中から、検査中に使用される1つまたは複数のパラメータを選択するように構成されてもよい(この選択は、学習ステップ中に分類器によって実行されてもよい)。
【0060】
一実施形態では、分類器は意思決定ブランチである。特に、「one-class」分類器は「ランダムフォレスト」タイプの意思決定ブランチである。これらの分類器は、(もっぱら)欠陥のない物体の画像を使用して訓練されてもよいことが認められる(分類器は「one-class」の類型に属しているため)。
【0061】
好ましい実施形態では、自己学習システムはニューラルネットワークを含む。特に、自己学習システムは畳み込みニューラルネットワークを含んでもよい。
【0062】
「畳み込みニューラルネットワーク」とは、複数の画像特徴の値を導出するために一連のプーリングステップと交互に行われる一連の畳み込みステップを通じて画像をエンコードするように構成されたニューラルネットワークを意味する。畳み込みステップでは、変換された画像を導出するために、畳み込みフィルタ(その値は参照データの一部である)は、画像(つまり、画像の各色を表すピクセルのマトリックス)に適用される。プーリングステップでは、変換された画像の次元は、例えば、隣接するピクセル間の最大または最小または平均の数学演算によって縮小される。したがって、畳み込みおよびプーリングステップは、複数の画像特徴の値を取得するために使用される。
【0063】
一実施形態では、ニューラルネットワークは、複数の画像特徴の値を抽出する(すなわち、導出する)ように事前に訓練されている。一実施形態では、ニューラルネットワークは、(例えば、データセット「ImageNet」に基づいて)画像内の対象を識別するように構成された既知のニューラルネットワーク(またはその一部)を含んでもよい。
【0064】
一実施形態では、畳み込みニューラルネットワークは、(参照データの一部を形成する)参照値と比較して複数の画像特徴の値に基づいて画像を分類するように構成される。一実施形態では、画像は、正常なパリソンまたは欠陥のあるパリソンを表すものとして分類される。別の実施形態では、画像は、正常なパリソンまたは特定の欠陥を有するパリソンを表すものとして分類される。一実施形態では、ニューラルネットワークは、複数の画像特徴の値に基づいて画像を分類するための「異常検出」分類器または「全結合(fully-connected)」ネットワークを含む。例えば、抽出(つまり、画像特徴の値を導出)するには、「ImageNet」のようなデータセットに基づく既知のネットワークの一部(畳み込みおよびプーリングを含むネットワーク(したがって、事前に訓練されたネットワーク))が使用され、画像を分類するために、(好ましくは正常なパリソンの例と欠陥のあるパリソンの例とで)自己学習システムによって訓練され、且つ正常なパリソンを欠陥のあるパリソンから画像特徴の値に基づいて区別できる「全結合」ネットワークが使用される。
【0065】
一実施形態では、学習システムは、「敵対的生成ネットワーク」(GAN)として知られるタイプのニューラルネットワークを含む。敵対的生成ネットワークは、生成器および弁別器を含む。生成器は、(検出器によってキャプチャされた実際の画像から畳み込みステップで得られた)複数の画像特徴の値を使用して、対応する再構成された画像を生成し、それを弁別器に回す。弁別器は、受信した画像が実際のものであるか、つまり検出器によってキャプチャされたものか、または再構成されたものかを区別しようとし、フィードバックを生成器に送信する。弁別器からのフィードバックに基づいて、生成器は、(弁別器がそれらを実際のものと見なすように)実際の画像に可能な限り類似した再構成された画像を生成するように学習する。訓練中、GANは好ましくは正常なパリソンの画像を受け取る。したがって、自己学習システムによって決定された参照データ(および画像特徴)が、パリソンを検査するために処理システムによって使用される場合、弁別器は、欠陥のあるパリソンに関連するもののみを再構成された画像として認識する。
【0066】
好ましい実施形態では、自己学習システムは、「オートエンコーダ」畳み込みニューラルネットワークを含む。一実施形態では、参照データは、第1の参照データセットおよび第2の参照データセットを含む。第1の参照データセットは、一連の畳み込みステップに関連する(例えば、それは、複数の畳み込みフィルタを含む)。第2の参照データセットは、一連のアップサンプリングステップに関連する。特に、第2の参照データセットは、一連のデコンボリューションステップに関連してもよい(例えば、それは、複数のデコンボリューションフィルタを含む)。
【0067】
オートエンコーダニューラルネットワークは、一連の畳み込みステップに関連する第1の参照データセットに基づいて、画像から複数の参照特徴の値を抽出(つまり、導出)して、一連のデコンボリューションステップに関連する第2の参照データセットに基づいて、複数の画像特徴の値を使用して画像を再構成する(つまり、再構成された画像を生成する)ように構成される。
【0068】
オートエンコーダネットワークを含む実施形態では、学習システムは、正常なパリソンの複数の画像を入力として受信して、そこから画像特徴の対応する値を第1の参照データセットに基づいて導出するように構成される。学習システムは、画像特徴の値を使用してデコンボリューションステップに関連する第2の参照データセットに基づいて、複数の再構成された画像を生成するように構成される。最後に、自己学習システムは、複数の再構成された画像を対応する複数の元の画像と比較して、検出器によってキャプチャされた元の画像と対応する再構成された画像との間の差を最小化するべく、参照データ(具体的には、第1の参照データセットまたは第2の参照データセット、あるいは組み合わされた第1の参照データセットおよび第2の参照データセットの両方)を更新するように構成される。より具体的には、一実施形態では、自己学習システムは、各画像について、(例えば、以下の関数、すなわち、norm l1、norm l2、「SSIM」構造類似性指標、「PSNR」ピーク信号対ノイズ比、「HaarPSI」Haarウェーブレットベースの知覚類似性指標の1つで、または2つ以上の組み合わせで計算される)類似パラメータを導出して、類似パラメータが画像間の差に正比例する場合に、類似パラメータを最小化するように(つまり、それを特定の閾値を下回る状態にするように)、反対に、類似パラメータが画像間の類似度に正比例する場合に、それを最大化するように(つまり、それを特定の閾値を超える状態にするように)構成される。オートエンコーダネットワークを含む実施形態では、学習システムは、欠陥のないパリソンの画像を最もよく表す画像特徴を識別するために、且つそれらを導出するための畳み込みステップと、それらの画像特徴を使用して再構成された画像を生成するためのデコンボリューションステップとを連帯して識別するために、第1および第2の参照データセットと組み合わせて、ネットワークのフィルタ(したがって、複数の画像特徴)を更新するように構成される。好ましくは、オートエンコーダネットワークを含む自己学習システムは、画像をエンコードするときに、少なくとも1つの予め定められた基準(すなわち、制約)に制約される。例えば、基準は、画像特徴の最大数であって、その複数の画像特徴の識別され得る画像特徴の最大数を考慮してもよい。したがって、実際には、エンコード工程は画像の圧縮を構成する。
【0069】
したがって、一実施形態では、自己学習システムは、処理システムがパリソンを検査するために使用する参照データおよび画像特徴を学習するように構成される。オートエンコーダネットワークを含む実施形態では、自己学習システムは、正常な(欠陥のない)複数のパリソンで訓練される。したがって、自己学習システムは、正常なパリソンの(すなわち、検出器によってキャプチャされた画像と対応する再構成された画像との間の高レベルの類似度を有する)画像を正しく再構成するために使用される参照データおよび画像特徴を決定する。それらの参照データと画像特徴とを欠陥のあるパリソンに適用すると、再構成された画像は、対応するキャプチャされた画像とは大幅に異なり、処理システムは、それらを比較するとき、パリソンを欠陥のあるものとして識別する。
【0070】
キャプチャされた画像と再構成された画像との比較は、ネットワーク学習(または訓練)中と検査中の両方で実行されることが認められる。訓練に使用される類似パラメータは、検査中に使用されることになる類似パラメータとは異なってもよい。特に、「PSNR」、「HaarPSI」関数は、好ましくは検査中に使用されるが、訓練中では使用されない。例えば、訓練には「SSIM」関数またはnorm l1関数またはnorm l2関数が使用のために提供され、検査には「PSNR」関数または「HaarPSI」関数が使用のために提供される。
【0071】
好ましくは、自己学習システム(または処理システム)は、画像特徴の値を導出するために画像をエンコードすることを担当する第1のニューラル(サブ)ネットワークと、画像を再構築するために画像特徴の値をデコードすることを担当する第2のニューラル(サブ)ネットワークとを含む。第1および第2のニューラル(サブ)ネットワークは一緒に訓練される。第1および第2のニューラル(サブ)ネットワークは、単一のニューラルネットワークの一部であってもよい。
【0072】
この開示はまた、熱可塑性材料から容器を製造するためのラインを提供する。
【0073】
一実施形態では、ラインは、パリソンを形成するように構成された成形機を含む。一実施形態では、成形機は射出成形機である。一実施形態では、成形機は、(回転機であり得る)圧縮成形機である。
【0074】
一実施形態では、ラインは、パリソンを加熱および/または冷却するための熱調整ユニットを含む。説明の便宜上、熱調整ユニットは、本開示の範囲を限定することなく、以下「加熱オーブン」と呼ばれる。加熱オーブンは、成形機から供給されるパリソンを受け入れるように構成されており、パリソンを加熱するための加熱手段を備える。
【0075】
一実施形態では、ラインは、パリソンを受け取り且つ型内のそれらをブロー成形して容器を形成するように構成されたブロー成形機を含む。好ましくは、ブロー成形機は、加熱オーブンで加熱されたパリソンを受け入れるように構成される。オーブンはブロー成形機に組み込まれていてもよい。
【0076】
一実施形態では、ブロー成形機とパリソン成形機は、熱可塑性材料の容器を作るために連携して動作する(別々の工場に設置されてさえいる)異なるラインに配置されてもよい。実際には、成形機は、ブロー成形機を含むラインに供給されるパリソンを形成する。オーブンは、好ましくは、パリソンをブロー成形する前に加熱するべく、ブロー成形機の上流で、ブロー成形機を含むラインに統合されている。
【0077】
一実施形態では、ラインは、パリソンを受け取りそれらを保管するための(自動であり得る)保管ユニットを備える。保管ユニットは、成形機からパリソンを受け取り、ブロー成形機またはオーブンに供給するように構成される。
【0078】
一実施形態では、ラインは、本開示の1つまたは複数の態様による、パリソンの光学検査装置を含む。光学検査装置は、ラインにおいて成形機の下流に配置されている。光学検査装置は、ラインにおいてブロー成形機の上流に配置されている。一実施形態では、光学検査装置は、成形機の下流且つオーブンの上流に配置されている。一実施形態では、光学検査装置は、オーブンの下流且つブロー成形機の上流に配置されている。装置がブロー成形機の上流に配置されているという事実により、その異常な応力プロファイルのためにブロー成形中に破裂する前に、欠陥のあるパリソンを識別することが可能になる。一実施形態では、光学検査装置は、保管ユニット内、または保管ユニットをラインの他の部分に接続するコンベヤ上に配置されてもよい。
【0079】
一実施形態では、光学検査装置は、30から70℃の間(好ましくは50から60℃の間)の温度のパリソンを検査するようにライン上に配置されている。パリソンは、例えば、成形機を出るときに、この温度になっていてもよい。
【0080】
一実施形態では、光学検査装置は、周囲温度(例えば、5から30℃の間)のパリソンを検査するようにライン上に配置されている。成形後に保管または冷却された場合、パリソンは周囲温度になっていてもよい。
【0081】
好ましくは、光学検査装置は、60℃未満(好ましくは50℃未満)の温度のパリソンを検査するようにライン上に配置される。実際、より高温では、パリソンは、応力プロファイルを変更し得る変形を受ける可能性がある。
【0082】
一実施形態では、光学検査装置はオーブンに組み込まれている。光学検査装置がオーブン(好ましくは、ヒータの上流、つまりオーブンの入り口)に組み込まれている場合、単体化され順序付けられた、オーブン内のパリソンの配置を利用することが可能である。
【0083】
他の実施形態では、本開示による光学検査装置は、ラインから離れて配置され、高速レビュー機または低速サンプリング機に統合される。
【0084】
この開示はまた、パリソンの光学検査方法に関する。光学検査方法は、照明器を用いて、検査位置に配置されたパリソンに向けられた光線を放射するステップを含む。光学検査方法は、検出器を用いて、検査位置に配置されたパリソンの画像をキャプチャするステップを含む。検査位置で、パリソンは照明器と検出器との間に動作可能に配置される。したがって、キャプチャされた画像は逆光画像である。
【0085】
一実施形態では、光学検査方法は、照明器とパリソンとの間に配置された放射偏光フィルタ上で照明器によって放射された光線を遮断することによって偏光ビームを生成するステップを含む。
【0086】
一実施形態では、光学検査方法は、受信偏光フィルタ上で偏光ビームを受信するステップを含む。検査位置で、パリソンは、放射偏光フィルタと受信偏光フィルタとの間に動作可能に配置されている。
【0087】
一実施形態では、パリソンは、ポリマー鎖(好ましくはPET)を含む材料でできている。一実施形態では、検出器によってキャプチャされた画像は、PETのポリマー鎖が受ける応力を表す色パターンを含む。
【0088】
一実施形態では、光学検査方法は、(処理システムを使用して)画像を処理するステップを含む。一実施形態では、処理するステップにおいて、検出器によってキャプチャされた画像は、メモリに格納された参照データに基づいて処理される。一実施形態では、処理するステップは、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出することを含む。
【0089】
一実施形態では、処理するステップは、画像から複数の画像特徴の値を導出するために、参照データに基づいて、検出器によってキャプチャされた画像をエンコードするサブステップを含む。
【0090】
一実施形態では、処理するステップは、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するために複数の画像特徴を処理することを含む。より具体的には、一実施形態では、処理するステップは、複数の画像特徴の値から、参照データに基づいて再構成された画像を生成するサブステップを含む。一実施形態では、処理するステップは、検出器によってキャプチャされた画像と再構成された画像との比較に応じて、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するサブステップを含む。
【0091】
一実施形態では、方法は、(処理システムに接続された自己学習システムによって実行される)自己学習のステップを含む。一実施形態では、自己学習のステップは、対応する複数のパリソンについて複数の画像をキャプチャするサブステップを含む。一実施形態では、自己学習のステップは、複数の画像の各画像から、予め定められた基準(複数の画像特徴の最大数の画像特徴に関する制約を含み得る)に従って複数の画像特徴の対応する値を導出することを含む、参照データに基づいて複数の画像の各画像をエンコードするサブステップを含む。一実施形態では、自己学習のステップは、複数の画像の各画像について、複数の画像特徴の対応する値から、参照データに基づいて再構成された対応する画像を生成するサブステップを含む。一実施形態では、自己学習のステップは、複数の画像の各画像を対応する再構成された画像と比較し、検出器によってキャプチャされた画像と対応する再構成された画像との間の類似度を表す対応する類似パラメータを導出するサブステップを含む。一実施形態では、自己学習のステップは、類似パラメータおよび予め定められた閾値に応じて、参照データおよび/または複数の画像特徴を更新するサブステップを含む。より具体的には、参照データおよび複数の画像特徴は、類似パラメータが予め定められた閾値よりも小さい(または大きい)ように更新される。
【0092】
一実施形態では、自己学習のステップ中、カメラによってキャプチャされた複数の画像は、対応する複数の欠陥のないパリソンを表す。欠陥のあるパリソンを見つけるのは難しいので、自己学習システムが欠陥のあるパリソンの画像を入力として受け取る必要がないという事実は、非常に有利である。
【0093】
好ましくは、放射偏光フィルタおよび受信偏光フィルタは、自己学習のステップおよび処理のステップにおいて同じである予め定められた向き(例えば、平行または垂直)に従って、互いに対して向けられる。
【0094】
一実施形態では、方法は、複数のパリソンを一度に1つずつ(連続して)検査位置に供給するステップを含む。一実施形態では、パリソンは、放射偏光フィルタおよび受信偏光フィルタに対して予め定められた向きに従って供給される。その向きは、自己学習のステップと処理するステップとで同じである。複数のパリソンの各パリソンの画像は、パリソンが検査位置にあるときにキャプチャされる。
【0095】
一実施形態では、プロセッサは、無作為に方向付けられるよう画像を処理するように構成される(例えば、それらを回転させて、それらを予め定められた向きに向ける)。したがって、一実施形態では、装置は、パリソンの向きに対して不変である。
【0096】
一実施形態では、処理システムは、パリソンの画像をリアルタイムで(画像がキャプチャされるとすぐに)処理するように構成される。一実施形態では、装置がパリソンを欠陥のあるものとして識別する診断上の指標を提供する場合、ラインは、オペレータが欠陥のあるパリソンを除去できるように停止する、またはそれ自体が欠陥のあるパリソンを除去するように構成される。
【0097】
別の実施形態では、処理システムは、パリソンの画像をキャプチャして後処理モードでそれを処理するように構成される。この場合、システムは、各画像をそれぞれのパリソンと相関させ、パリソンであって、その画像が欠陥のあるパリソンであるという診断上の指標を生成したパリソンを識別できるように構成されている。
【0098】
この開示はまた、パリソンの画像を処理するための方法に関する。一実施形態では、画像処理方法は、複数の画像特徴の値を導出することを含む、画像をエンコードするステップを含む。一実施形態では、画像処理方法は、複数の画像特徴に応じて再構成された画像を生成するステップを含む。一実施形態では、画像処理方法は、カメラによってキャプチャされた画像と再構成された画像との比較に応じて、パリソンの欠陥に関する診断上の指標を導出するステップを含む。
【0099】
一実施形態では、画像処理方法は、(本開示に記載されている1つまたは複数の態様による)自己学習のステップを含む。本開示はまた、(プロセッサによって実行される場合、具体的には、本開示の1つまたは複数の態様による装置の処理ユニットによって実行される場合、)本開示に記載された1つまたは複数の態様による処理方法のステップを実行するように構成された動作命令を含むコンピュータプログラム(ソフトウェア)に関する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
これらおよび他の特徴は、添付の図面に非限定的な例として示されている、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
図1】本開示による光学検査装置を示す。
図2図1の光学検査装置によって画像が受けるプロセスを表す。
図3図1の光学検査装置によって画像に対して実行される自己学習プロセスを表す。
図4A-4C】それぞれ、欠陥のないパリソンについて、カメラによってキャプチャされた画像、再構成された画像、およびキャプチャされた画像と再構成された画像との間の比較を示す。
図5A-5C】それぞれ、欠陥のあるパリソンについて、カメラによってキャプチャされた画像、再構成された画像、およびキャプチャされた画像と再構成された画像との間の比較を示す。
図6図1の装置を含む、熱可塑性材料の容器を形成するためのラインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
添付の図面に関して、数字1は、パリソン2を検査するように構成された光学検査装置を示す。
【0102】
パリソン2は、実質的に円筒形の形状である本体200を含む。パリソン2(または本体200)は、対称軸Aを規定する。したがって、本体200は、対称軸Aに関して円筒対称である。パリソン2は、閉じた底部201を含む。パリソン2は、開口部を規定するネック202を含む。パリソン2は、リング203を含む。
【0103】
装置1は、検査位置10にパリソン2を受け入れるように構成されている。一実施形態では、検査位置は、検査ポケットによって規定される。一実施形態では、検査ポケットは、(好ましくは、リング203を支持することによって)パリソン2を保持するように構成された支持要素11を含む。
【0104】
装置1は、照明器3を含む。照明器3は、光源31を含む。光源31は、パリソン2(すなわち、検査位置10)に向けられた光線を放射するように構成される。照明器3は、放射偏光フィルタ32を含む。一実施形態では、放射偏光フィルタ32は、光源31に接続されている。放射偏光フィルタ32は、光源31によって放射された光線を遮断して偏光するように構成されている。したがって、パリソン2は、放射偏光フィルタ32から偏光ビームを受け取り、それを屈折させる。
【0105】
装置1は、検出器4を含む。検出器4は、カメラ41を含む。検出器は、受信偏光フィルタ42を含む。一実施形態では、受信偏光フィルタ42は、カメラ41に接続されている。受信偏光フィルタ42は、パリソン2によって屈折された光線を受信して、それを偏光するように構成される。したがって、カメラ41は、放射偏光フィルタ32によって偏光され、パリソンによって屈折され、さらに受信偏光フィルタ42によって偏光された光線を受信する。カメラ41は、パリソン2の画像20をキャプチャ(または取得)するように構成される。
【0106】
照明器3は、本体200の第1の側200Aでパリソン2を横方向に照らす。検出器4は、第1の側200Aとは反対側の、本体200の第2の側200Bでパリソン2の横方向の画像をキャプチャする。
【0107】
装置1は、メモリ5を含む。メモリ5は、参照データを含む。より具体的には、メモリ5は、少なくとも第1の参照データセット51および第2の参照データセット52を含む。一実施形態では、第1の参照データセット51および第2の参照データセット52は、互いに異なる。
【0108】
装置1は、プロセッサ6を含む。プロセッサ6はメモリ5に接続されている。プロセッサ6は、パリソン2の欠陥に関する診断上の指標23を導出するために、参照データセット51、52に基づいてカメラ41によってキャプチャされた画像20を処理するようにプログラムされている。より具体的には、プロセッサ6は、複数の画像特徴21の値を導出するために、第1の参照データセット51に応じて画像20をエンコードするステップ61を実行するようにプログラムされている。プロセッサ6はまた、画像特徴21をデコードするステップ62を実行して、したがって、第2の参照データセット52に基づいて、再構成された画像22を生成するように構成される。
【0109】
次に、プロセッサ6は、パリソン2の欠陥に関する診断上の指標23を導出するべく、再構成された画像20をキャプチャされた画像22と比較するステップ63を実行するように構成される。
【0110】
一実施形態では、診断上の指標は、キャプチャされた画像20と再構成された画像22との間の差(またはその逆も同様)によって与えられるエラーマップ25を含む。図面に示される実施形態では、エラーマップ25は、パリソンが正常である場合に均一な陰影を示し、パリソンが欠陥である場合にまだらの(patched)陰影を示す。
【0111】
一実施形態では、診断上の指標23は、類似パラメータ24であって、その値がキャプチャされた画像20と再構成された画像22との間の類似度と相関する類似パラメータ24を含む。一実施形態では、プロセッサ6は、エラーマップ25に基づいて類似パラメータ24を導出するようにプログラムされている。一実施形態では、診断上の指標23は、パリソンが正常であるか欠陥であるかを示すバイナリパラメータ値を含む(バイナリパラメータ値は、例えば、類似パラメータ24を予め定められた閾値と比較することによって計算される)。
【0112】
一実施形態では、装置1(または好ましくは処理システム)は、自己学習システム7を備える。自己学習システム7は、好ましくは、プロセッサ6に統合されている。自己学習システム7は、メモリ5に接続されている。
【0113】
自己学習システム7は、対応する複数のパリソン2について、複数のキャプチャされた画像20を受信するように構成される。自己学習システム7は、好ましくは、受信する各画像20に対して以下のステップを実行するように構成される。すなわち、複数の画像特徴21を導出するために、第1の参照データセット51に基づいて画像20をエンコードするステップ61、第2の参照データセット52に基づいて画像特徴21をデコードして再構成された画像22を生成するステップ62、再構成された画像22をキャプチャされた画像20と比較して、キャプチャされた画像20と再構成された画像22との間の類似度を表す類似パラメータ24を導出するステップ63、その類似パラメータの予め定められた閾値72に対して類似パラメータ24を評価するステップ70、類似パラメータ24が閾値パラメータ72を上回る(または下回る)まで、第1の参照データセット51、第2の参照データセット52、および画像特徴21を(反復的に)更新するステップ、である。
【0114】
したがって、自己学習システム7は、エンコード工程61およびデコード工程62を最適化する問題を解決し、変数は、類似パラメータ24を最小化するために、すなわち、それを特定の閾値より低くする(またはそれを最大化する、すなわち、それを特定の閾値より高くする)ために、第1の参照データセット51および第2の参照データセット52によって(および必要に応じて、画像特徴21のセットによって)規定される。
【0115】
したがって、好ましくは、第1の参照データセット51および第2の参照データセット52は、組み合わせて更新される。
【0116】
自己学習システム7は、正常なパリソン2の画像20を用いてエンコード工程61およびデコード工程62を最適化するので、最適化の結果として決定された参照データセット51、52(および必要に応じて画像特徴21のセット)は、正常なパリソン2に対して、キャプチャされた画像20と再構成された画像22との間の差が最小であるようなものである。他方、これらの工程は欠陥のあるパリソン2に対して最適化されていないので、欠陥のあるパリソンについて再構成された画像22は、キャプチャされた画像20とは著しく異なり、(その違いを認識する)プロセッサ6は、パリソンが欠陥であることを示す診断上の指標23を生成する。
【0117】
好ましくは、エンコードステップ61、デコードステップ62、比較ステップ63、評価ステップ70、および参照データセット51、52(および必要に応じて、画像特徴21)を更新するステップは、自己学習システム7によって画像20毎に連続して反復して実行される(すなわち、類似パラメータ24を最小化または最大化するために必要なすべての反復は、最初に第1のパリソン2に対して実行され、次に第2のパリソン2に対して実行され、以下同様である)。
【0118】
一実施形態では、自己学習システムはまた、全ての画像20に対してエンコードステップ61、デコードステップ62、比較ステップ63、および評価ステップ70を実行する一回目の反復を実行してもよい。次に、全てのパリソン2について取得された類似パラメータ24から開始して、参照データセット51、52(および必要に応じて画像特徴21)を更新して、全ての画像20に対してエンコードステップ61、デコードステップ62、比較ステップ63、評価ステップ70を再度実行する二回めの反復を続行し、以下同様である。
【0119】
この開示はまた、熱可塑性材料の容器、例えば、ボトルを製造するためのライン100に関する。
【0120】
ライン100は、パリソン2を製造する(すなわち、成形する)ように構成された成形機101を備える。一実施形態では、成形機101は回転機である。ライン100はまた、成形されたパリソン2を受け取りそれらを加熱するように構成された加熱オーブン102を備える。ライン100は、容器を製造するためにパリソン2をブロー成形するように構成されたブロー成形機103を備える。一実施形態では、ブロー成形機103は回転機である。
【0121】
好ましくは、ライン100は、パリソン2を成形機101から加熱オーブン102に移送するように構成された第1の移送カルーセル106を含む。好ましくは、ライン100は、パリソン2を加熱オーブン102からブロー成形機103に移送するように構成された第2の移送カルーセル107を含む。一実施形態では、ライン100は、成形されたパリソン2をブロー成形される前に保管するための保管ユニット104を含む。一実施形態では、ライン100は、保管ユニット104を出るおよび/または保管ユニット104に入るパリソン2を方向付けるように構成されたパリソン方向付け装置105を含む。一実施形態では、ライン100は、パリソン2を保管ユニット104に搬送する、および/または保管ユニット104から搬送するように構成されたコンベヤ108を含む。コンベヤ108は、パリソン2を保管ユニット104から加熱オーブン102に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0122】
【文献】EP2976204B1
【文献】US2017/129157A1
【文献】DE102006047150A1
【文献】US2018/311883A1
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6