(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】運行スケジュール作成システム、コンピュータ、端末、運行スケジュール作成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240724BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
G08G1/16 F
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2021548043
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037568
(87)【国際公開番号】W WO2021059395
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】324001734
【氏名又は名称】ロジスティード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 公則
(72)【発明者】
【氏名】川島 宏夫
(72)【発明者】
【氏名】根本 憲之
(72)【発明者】
【氏名】服巻 邦英
(72)【発明者】
【氏名】谷口 将仁
【合議体】
【審判長】山本 信平
【審判官】北村 亮
【審判官】青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-223673(JP,A)
【文献】特開2017-164526(JP,A)
【文献】国際公開第2004/106860(WO,A1)
【文献】特開2017-191611(JP,A)
【文献】国際公開第2016/052747(WO,A1)
【文献】特開2018-155559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/16 F
G08G 1/123 A
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバに適した運行スケジュールを作成する運行スケジュール作成システムであって、
前記ドライバの運転前の画像を撮影する第1撮影手段と、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得する第1取得手段と、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、
尿意を催すタイミングとを予測する第1予測手段と、
前記第1予測手段により予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成する作成手段と、
を備え
ることを特徴とする運行スケジュール作成システム。
【請求項2】
前記ドライバの運転中の画像を撮影する第2撮影手段と、
前記ドライバの運転中の画像に基づいて第2生体情報を推定し、前記ドライバの運転中の第2生体情報を取得する第2取得手段と、
取得した前記第2生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、
尿意を催すタイミングとを予測する第2予測手段と、
前記第2予測手段により予測した結果に応じて、作成した前記運行スケジュールを変更する変更手段と、
をさらに備え
ることを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項3】
前記運行スケジュールの仮眠場所と、飲食店と、トイレとを予約する予約手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項4】
前記運行スケジュールの仮眠場所と、飲食店と、トイレとの空き状況を通知する通知手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項5】
前記運行スケジュールの仮眠場所と、飲食店と、トイレとの空き状況に応じて、空いている近隣の仮眠場所、飲食店、トイレに誘導する誘導手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項6】
渋滞情報を取得する第3取得手段と、
をさらに備え、
前記作成手段は、前記渋滞情報を利用して、前記運行スケジュールを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項7】
前記作成手段は、前記ドライバが優先車両を運転する場合、優先車両が利用可能な車線又は道路を輸送経路に含めた運行スケジュールを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の運行スケジュール作成システム。
【請求項8】
ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータであって、
前記ドライバの運転前の画像を取得する画像取得手段と、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得する第1取得手段と、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、
尿意を催すタイミングとを予測する第1予測手段と、
前記第1予測手段により予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータ。
【請求項9】
ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータが実行する運行スケジュール作成方法であって、
前記ドライバの運転前の画像を撮影するステップと、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得するステップと、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、
尿意を催すタイミングとを予測するステップと、
予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成するステップと、
を備え
ることを特徴とする運行スケジュール作成方法。
【請求項10】
ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータに、
前記ドライバの運転前の画像を撮影するステップ、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得するステップ、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、
尿意を催すタイミングとを予測するステップ、
予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバに適した運行スケジュールを作成する運行スケジュール作成システム、コンピュータ、端末、運行スケジュール作成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドライバの過酷な労働環境が社会問題となっており、運転中のドライバが居眠りをして交通事故になるニュースが増加している。そのため、ドライバが快適に運転できる環境を提供する技術が注目されている。
【0003】
このような技術の例として、複数のドライバ候補の其々の基準生体リズム情報に基づいて、運行スケジュール情報が示す運転期間内に生体リズムにおける眠気発生が含まれる度合いの少ないドライバを選定する技術が提供されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ドライバが快適に運転できる環境を提供するには、眠気発生の度合いが少ないドライバを選定するだけでは不十分である。また、特許文献1の技術では、睡眠、空腹、便意を考慮してドライバに適した運行スケジュールを作成することができなかった。
【0006】
本発明は、ドライバの運転前の第1生体情報を解析して、眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングを予測して、予測結果に基づいてドライバに適した運行スケジュールを作成することが可能な運行スケジュール作成システム、コンピュータ、端末、運行スケジュール作成方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
本発明は、ドライバに適した運行スケジュールを作成する運行スケジュール作成システムであって、
前記ドライバの運転前の画像を撮影する第1撮影手段と、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得する第1取得手段と、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、尿意を催すタイミングとを予測する第1予測手段と、
前記第1予測手段により予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とする運行スケジュール作成システムを提供する。
【0009】
本発明によれば、ドライバに適した運行スケジュールを作成する運行スケジュール作成システムは、前記ドライバの運転前の画像を撮影し、前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得し、取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、尿意を催すタイミングとを予測し、前記第1予測手段により予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成する。
【0010】
本発明は、システムのカテゴリであるが、方法及びプログラム等の他のカテゴリにおいても、そのカテゴリに応じた同様の作用・効果を発揮する。
【0011】
また、本発明は、ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータであって、
前記ドライバの運転前の画像を取得する画像取得手段と、
前記ドライバの運転前の画像に基づいて第1生体情報を推定し、前記ドライバの運転前の第1生体情報を取得する第1取得手段と、
取得した前記第1生体情報を解析して、眠くなるタイミングと、空腹になるタイミングと、尿意を催すタイミングとを予測する第1予測手段と、
前記第1予測手段により予測した結果に応じて、前記ドライバに適した運行スケジュールを作成する作成手段と、
を備えることを特徴とするコンピュータを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ドライバの運転前の第1生体情報を解析して、眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングを予測して、予測結果に基づいてドライバに適した運行スケジュールを作成することが可能な運行スケジュール作成システム、コンピュータ、端末、運行スケジュール作成方法及びプログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、運行スケジュール作成システム1の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、運行スケジュール作成システム1の全体構成図である。
【
図3】
図3は、コンピュータ10が実行する運行スケジュール作成処理のフローチャートを示す図である。
【
図4】
図4は、コンピュータ10が実行する運行スケジュール変更処理のフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0016】
[運行スケジュール作成システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である運行スケジュール作成システム1の概要を説明するための図である。運行スケジュール作成システム1は、コンピュータ10から構成され、ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータシステムである。
【0017】
なお、運行スケジュール作成システム1は、ドライバが所持又は装着するドライバ端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末)、施設や設備等の管理者が所持する管理者端末(例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末や、スマートグラス等のヘッドマウントディスプレイやスマートウォッチといったウェアラブル端末)、ドライバの顔や身体の動画や静止画等の画像を撮影する撮影装置、ドライバの生体情報(例えば、心拍、体温、脈拍)を測定する測定装置やセンサ類等の生体情報測定装置、車両端末(例えば、車両に備え付ける端末であって、フロントガラスへ映像を投影可能なヘッドアップディスプレイなど)その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、運行スケジュール作成システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより実行することになる。
【0018】
また、運行スケジュール作成システム1は、例えば、コンピュータ10等の1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0019】
コンピュータ10は、上述したドライバ端末、管理者端末、撮影装置、生体情報測定装置、車両端末、その他の端末や装置類(以下、ドライバ端末等)と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0020】
コンピュータ10は、ドライバの運転前の第1生体情報を取得する。第1生体情報は、例えば、心拍、体温、脈拍、血糖値、膀胱や腸の張り具合、胃の残留量である。コンピュータ10は、このような第1生体情報を、ドライバ端末等が測定した数値や状態又は撮影装置が撮影した画像に基づいて推定した数値や状態から取得する。
【0021】
例えば、ドライバ端末等は、ドライバの運転前の第1生体情報を測定する。ドライバ端末等は、測定した第1生体情報を、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この第1生体情報を受信することにより、ドライバの運転前の第1生体情報を取得することになる。
【0022】
また、例えば、車両の内部や事業所等に設けられた撮影装置は、ドライバが車両の運転前に、このドライバの顔や身体の一部又は全部を画像として撮影する。撮影装置は、この撮影した画像を、コンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この画像を受信し、この画像を画像解析し、特徴点(例えば、形状、輪郭、色相)や特徴量(例えば、画素値の平均、分散、ヒストグラム等の統計的な数値)を抽出する。コンピュータ10は、この抽出した特徴点や特徴量に基づいて、このドライバの運転前の第1生体情報を推定する。コンピュータ10は、第1生体情報を推定することにより、ドライバの運転前の第1生体情報を取得することになる。
【0023】
コンピュータ10は、取得した第1生体情報を解析し、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングの3つのタイミングを予測する。この3つのタイミングは、其々が発生する又は其々を感じる時間であり、第1生体情報取得時点から、何分又は何時間経過後の時間を意図するものである。すなわち、コンピュータ10は、其々のタイミングが発生する時間を予測することになる。
【0024】
例えば、コンピュータ10は、心拍の数値に基づいて、眠くなるタイミングを予測する。また、コンピュータ10は、血糖値の数値に基づいて、空腹になるタイミングを予測する。また、コンピュータ10は、膀胱や腸の張り具合に基づいて、便意を催すタイミングを予測する。
【0025】
コンピュータ10は、予測した結果に応じて、ドライバに適した運行スケジュールを作成する。運行スケジュールは、例えば、このドライバが、いつ何処から荷物を受け取って出発し、いつどこで仮眠、飲食、トイレをして、いつまでにどこに到着して荷物を届けるといったものである。すなわち、運行スケジュールは、この運転手が荷物を出荷地点から着荷地点まで輸送するための運行経路や運行日時等の輸送スケジュールと、予測した眠気、空腹、トイレを解消するための施設や設備等の位置や到着予測日時等の体調管理スケジュールとを合わせたものである。
【0026】
例えば、コンピュータ10は、荷物の出荷情報(例えば、出荷地点、着荷地点、経由地、指定日時、輸送時間、輸送距離)に基づいた設定された輸送スケジュールと、予測した3つのタイミングに基づいた体調管理スケジュールとに基づいて、運行スケジュールを作成する。
【0027】
なお、コンピュータ10は、ドライバの運転中の第2生体情報を取得し、この第2生体情報に基づいて、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングを予測し、ドライバの運転前に作成した運行スケジュールを変更する構成であってもよい。
【0028】
例えば、コンピュータ10は、ドライバの運転中の第2生体情報を定点的、随時又は任意のタイミングで取得する。この第2生体情報は、上述した第1生体情報と同様であり、その取得方法も同様である。コンピュータ10は、取得した第2生体情報に基づいて、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングの3つのタイミングを予測する。この3つのタイミングも、上述したものと同様である。コンピュータ10は、予測した結果に応じて、ドライバの運転前に作成した運行スケジュールを変更する。
【0029】
また、コンピュータ10は、作成した運行スケジュールにおける、仮眠場所、飲食店、トイレを予約する構成であってもよい。例えば、コンピュータ10は、運行スケジュールにおける仮眠場所、飲食店、トイレに該当する各施設や設備に対応する管理者端末や、施設や設備そのものに対して、予約に必要な情報を送受信することにより、各施設や設備を予約する。
【0030】
また、コンピュータ10は、作成した運行スケジュールにおける仮眠場所、飲食店、トイレの空き状況を通知する構成であってもよい。例えば、コンピュータ10は、運行スケジュールにおける仮眠場所、飲食店、トイレに該当する各施設や設備の空き状況の情報を、管理者端末や施設や設備そのものと送受信することにより、各施設や設備の空き状況を取得し、この取得した空き状況を、ドライバ端末等を介して、ドライバに通知する。
【0031】
また、コンピュータ10は、作成した運行スケジュールにおける仮眠場所、飲食店、トイレの空き状況に応じて、空いている近隣の施設や設備に誘導する構成であってもよい。例えば、コンピュータ10は、運行スケジュールにおける仮眠場所、飲食店、トイレに該当する各施設や設備の空き状況の情報を、管理者端末や施設や設備そのものと送受信することにより、各施設や設備の空き状況を取得する。コンピュータ10は、この取得した空き状況に応じて、上述した3つのタイミングの其々における空いている近隣の施設や設備に誘導する。
【0032】
また、コンピュータ10は、渋滞情報を取得し、この渋滞情報を加味して、運行スケジュールを作成する構成であってもよい。例えば、コンピュータ10は、様々な方法により提供される渋滞情報を取得し、輸送スケジュールと体調管理スケジュールと渋滞情報とに基づいて、運行スケジュールを作成する。
【0033】
また、コンピュータ10は、ドライバが優先車両(例えば、インフラ関係の車両、緊急車両、バス等の乗車人数が多い車両)を運転する場合、通常車両(例えば、一般的な車両)よりも有利な運行スケジュールを作成する構成であってもよい。
【0034】
次に、運行スケジュール作成システム1が実行する処理の概要について説明する。
【0035】
はじめに、コンピュータ10は、ドライバの運転前の第1生体情報を取得する(ステップS01)。コンピュータ10は、ドライバ端末等が測定した生体情報や、撮影装置が撮影した画像に基づいて推定した生体情報を、第1生体情報として取得する。
【0036】
コンピュータ10は、取得した第1生体情報を解析し、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングの3つのタイミングを予測する(ステップS02)。コンピュータ10は、心拍の数値に基づいて、眠くなるタイミングを、血糖値の数値に基づいて、空腹になるタイミングを、膀胱や腸の張り具合に基づいて、便意を催すタイミングを其々予測する。
【0037】
コンピュータ10は、予測した結果に応じて、ドライバに適した運行スケジュールを作成する(ステップS03)。コンピュータ10は、出荷情報に基づいた輸送スケジュールと、予測した体調管理スケジュールとに基づいて、運行スケジュールを作成する。
【0038】
以上が、運行スケジュール作成システム1が実行する処理の概要である。
【0039】
[運行スケジュール作成システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である運行スケジュール作成システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である運行スケジュール作成システム1のシステム構成を示す図である。
図2において、運行スケジュール作成システム1は、コンピュータ10から構成され、ドライバに適した運行スケジュールを作成するコンピュータシステムである。
【0040】
コンピュータ10は、ドライバ端末、管理者端末、撮影装置、生体情報測定装置、車両端末、その他の端末や装置類(以下、ドライバ端末等)と、公衆回線網等を介して、データ通信可能に接続されており、必要なデータや情報の送受信を実行する。
【0041】
なお、運行スケジュール作成システム1は、図示していないドライバ端末、管理者端末、撮影装置、生体情報測定装置、車両端末、その他の端末や装置類等が含まれていてもよい。この場合、運行スケジュール作成システム1は、後述する各処理を、コンピュータ10と含まれる端末や装置類等との何れか又は複数の組み合わせにより実行することになる。
【0042】
また、運行スケジュール作成システム1は、例えば、コンピュータ10等の1台のコンピュータで実現されてもよいし、クラウドコンピュータのように、複数のコンピュータで実現されてもよい。
【0043】
コンピュータ10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi―Fi(Wireless―Fidelity)対応デバイス等を備える。また、コンピュータ10は、記録部として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。また、コンピュータ10は、処理部として、各種処理を実行する各種デバイス等を備える。
【0044】
コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、通信部と協働して、生体情報取得モジュール20、渋滞情報取得モジュール21、空き状況情報取得モジュール22、通知モジュール23、予約モジュール24、誘導モジュール25を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、記録部と協働して、記録モジュール30を実現する。また、コンピュータ10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことにより、処理部と協働して、解析モジュール40、予測モジュール41、作成モジュール42、変更モジュール43を実現する。
【0045】
[運行スケジュール作成処理]
図3に基づいて、運行スケジュール作成システム1が実行する運行スケジュール作成処理について説明する。
図3は、コンピュータ10が実行する運行スケジュール作成処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0046】
生体情報取得モジュール20は、ドライバの運転前の第1生体情報を取得する(ステップS10)。ステップS10において、第1生体情報は、上述した通り、心拍、体温、脈拍、血糖値、膀胱や腸の張り具合、胃の残留量等である。生体情報取得モジュール20は、ドライバ端末等が測定したドライバの運転前の生体情報や、撮影装置がこのドライバを撮影した画像に基づいて推定したドライバの運転前の生体情報を、第1生体情報として取得する。このとき、第1生体情報には、このドライバの識別子(例えば、氏名、管理番号、ドライバ番号、車両番号、ドライバ端末等のMACアドレス)が含まれていてもよい。
【0047】
以下の説明において、生体情報取得モジュール20は、第1生体情報として、心拍、血糖値、膀胱や腸の張り具合を取得するものとして説明する。なお、第1生体情報は、上述した例に限らず、その他のものであってもよい。
【0048】
生体情報取得モジュール20が第1生体情報を取得する方法について説明する。
【0049】
ドライバ端末等は、ドライバの運転前の心拍、血糖値、膀胱や腸の張り具合を生体情報として測定する。ドライバ端末等は、この測定した生体情報を、第1生体情報としてコンピュータ10に送信する。生体情報取得モジュール20は、この第1生体情報を受信することにより、ドライバの運転前の第1生体情報を取得することになる。
【0050】
撮影装置は、ドライバの顔や身体の一部又は全部を撮影する。撮影装置は、この撮影した画像を、画像情報としてコンピュータ10に送信する。コンピュータ10は、この画像情報を受信する。コンピュータ10は、この画像情報に基づいて、このドライバの画像を画像解析し、この画像の特徴点や特徴量を抽出する。コンピュータ10は、この抽出した特徴点や特徴量に基づいて、心拍、血糖値、膀胱や腸の張り具合を生体情報として推定する。生体情報取得モジュール20は、この推定した生体情報を、第1生体情報として取得することになる。
【0051】
なお、生体情報取得モジュール20は、上述した例以外の方法により、第1生体情報を取得してもよい。
【0052】
解析モジュール40は、取得した第1生体情報を解析する(ステップS11)。ステップS11において、解析モジュール40は、取得した心拍や血糖値の数値や膀胱や腸の張り具合の状態を解析する。解析モジュール40は、単位時間当たりの心拍の数値等を解析する。解析モジュール40は、現時点における血糖値の数値と、以後の血糖値の数値の推移の予測等を解析する。解析モジュール40は、現時点における膀胱や腸の張り具合と、以後の膀胱や腸の張り具合の推移の予測等を解析する。
【0053】
なお、解析モジュール40は、上述した例以外の方法により、第1生体情報を解析してもよい。
【0054】
予測モジュール41は、解析結果に基づいて、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングの3つのタイミングを予測する(ステップS12)。ステップS12において、この3つのタイミングは、眠気、空腹、便意を其々感じる時間であり、第1生体情報取得時点から、何分又は何時間経過後の時間を意図するものである。すなわち、予測モジュール41は、この3つのタイミングの其々が発生する時間を予測することになる。
【0055】
予測モジュール41は、心拍の数値に基づいて、眠くなるタイミングを予測する。予測モジュール41は、血糖値の数値に基づいて、空腹になるタイミングを予測する。予測モジュール41は、膀胱や腸の張り具合に基づいて、便意を催すタイミングを予測する。
【0056】
なお、予測モジュール41は、他の第1生体情報に基づいて、其々のタイミングを予測する構成であってもよい。また、予測モジュール41は、他の方法により、其々のタイミングを予測する構成であってもよい。
【0057】
渋滞情報取得モジュール21は、渋滞情報を取得する(ステップS13)。ステップS13において、渋滞情報取得モジュール21は、所定のデータベースやウェブサイト等から、高速道路や一般道路等の各地又はこのドライバが輸送を担当する地域等の渋滞情報を取得する。
【0058】
なお、ステップS13の処理は、第1生体情報を取得する前に行われてもよいし、3つのタイミングを予測する前に行われてもよい。
【0059】
作成モジュール42は、このドライバが輸送する荷物の出荷情報と、3つのタイミングを予測した結果と、取得した渋滞情報とに基づいて、このドライバに適した運行スケジュールを作成する(ステップS14)。ステップS14において、出荷情報は、今回輸送する荷物の出荷地点、着荷地点、経由地、指定日時、輸送時間、輸送距離等である。この出荷情報は、予め記録モジュール30が記録したものや、ドライバ端末等から取得するものである。運行スケジュールは、この運転手が荷物を出荷地点から着荷地点まで輸送するための運行経路や運行日時等の輸送スケジュールと、予測した眠気、空腹、トイレを解消するための施設や設備等の位置や到着予測日時等の体調管理スケジュールとを合わせたものである。
【0060】
作成モジュール42が運行スケジュールを作成する処理について説明する。
【0061】
作成モジュール42は、予め記録モジュール30が記録したこのドライバが輸送する荷物の出荷情報と、取得した渋滞情報とに基づいて、この荷物の輸送スケジュールを作成する。作成モジュール42は、この荷物の出荷地点、着荷地点、経由地、指定日時等に基づいて、この荷物を輸送するために必要な輸送経路を作成する。作成モジュール42は、この輸送経路において、渋滞が発生している地点や渋滞が発生するであろうと予測される地点を、迂回する迂回経路等が存在する場合、この迂回経路を、作成した輸送経路に組み込むことになる。作成モジュール42は、この輸送経路を、輸送スケジュールとして作成することになる。
【0062】
なお、作成モジュール42は、出荷情報のみに基づいて、輸送スケジュールを作成する構成であってもよい。また、作成スケジュール42は、予め記録モジュール30が記録した輸送スケジュールを利用する構成であってもよい。
【0063】
作成モジュール42は、予測した3つのタイミングの其々に該当する輸送経路の地点を特定する。作成モジュール42は、この地点から所定の範囲内(例えば、数km内、数百m内)にある3つのタイミングに該当する施設や設備(例えば、仮眠場所、飲食店、トイレ)の地点を特定する。すなわち、作成モジュール42は、眠くなるタイミングに該当する地点から所定の範囲内にある仮眠場所の地点を仮眠場所として特定する。作成モジュール42は、空腹になるタイミングに該当する地点から所定の範囲内にある飲食店の地点を飲食地点場所として特定する。作成モジュール42は、便意を催すタイミングに該当する地点から所定の範囲内にあるトイレの地点をトイレ場所として特定する。作成モジュール42は、特定した其々の場所を、体調管理スケジュールとして作成することになる。
【0064】
作成モジュール42は、該当する地域にこれらの施設や設備が存在しない場合、この3つのタイミングの其々において、予め設定された時間よりも前(例えば、30分前、1時間前)の時点に該当する輸送経路の地点を特定し、この地点から所定の範囲内にある其々のタイミングに該当する施設や設備の地点を施設や設備の場所として特定する。
【0065】
なお、仮眠場所、飲食店、トイレは、其々が別個の施設であってもよいし、何れか又は複数を組み合わせた複合施設であってもよい。
【0066】
作成モジュール42は、このようにして作成した輸送スケジュールと、体調管理スケジュールとに基づいて、運行スケジュールを作成する。作成モジュール42は、輸送経路に対して、3つのタイミングの其々に該当する地点として特定した地点を輸送経路に追加したものを、運行スケジュールとして作成する。このとき、作成モジュール42は、一又は複数の其々の施設や設備を追加し、この運行スケジュールを作成する。この追加の方法としては、これらの施設や設備の地点を、経由地とすることや、地図上の該当する地点を示すといったものである。
【0067】
なお、作成モジュール42は、ドライバが優先車両(例えば、インフラ関係の車両、緊急車両、バス等の乗車人数が多い車両)を運転する場合、通常車両(例えば、一般的な車両)よりも有利な運行スケジュールを作成する構成であってもよい。有利な運行スケジュールは、例えば、路線バス専用レーン等、通常車両が原則走行不可の車線であっても利用可能であると判断したり、本来なら道路を逆走することになる輸送経路であっても、利用可能であると判断したりする、輸送経路を含んだものである。
【0068】
空き状況情報取得モジュール22は、この特定した仮眠場所、飲食店、トイレの空き状況を示す空き状況情報を取得する(ステップS15)。ステップS15において、空き状況情報取得モジュール22は、各施設や設備の管理者端末や各施設や設備そのものから、施設や設備の空き状況を空き状況情報として取得する。管理者端末や各施設や設備は、施設や設備の空き状況を、空き状況情報として、コンピュータ10に送信する。空き状況情報取得モジュール22は、この空き状況情報を受信することにより、各施設や設備の空き状況情報を取得することになる。この空き状況情報は、各施設や設備の名称や位置情報等が含まれていてもよい。
【0069】
なお、作成モジュール42は、取得した空き状況情報に基づいて、作成した運行スケジュールから、空きがない状態の施設や設備を除外する構成であってもよい。作成モジュール42は、空きがない状態の施設や設備を、体調管理スケジュールから除外し、空きがある状態の施設や設備に基づいて、運行スケジュールを作成することになる。
【0070】
通知モジュール23は、この運行スケジュールの仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の空き状況をドライバに通知する(ステップS16)。ステップS16において、通知モジュール23は、取得した空き状況情報を、ドライバ端末等に出力する。ドライバ端末等は、この空き状況情報に基づいて、仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の其々の空き状況を、自身の表示部に表示する又は音声部から放音する等することにより、ドライバに其々の場所の空き状況を通知する。その結果、通知モジュール23は、仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の空き状況をドライバに通知することになる。
【0071】
予約モジュール24は、この運行スケジュールの仮眠場所、飲食場所、トイレ場所を予約する(ステップS17)。ステップS17において、予約モジュール24は、通知した其々の場所の空き状況に対するドライバの応答を取得し、其々の場所を予約する。ドライバ端末等は、ドライバからの入力を受け付け、其々の場所への予約の指示を受け付ける。ドライバ端末等は、受け付けた指示を、コンピュータ10に送信する。予約モジュール24は、この指示を受信することにより、ドライバの応答を取得することになる。予約モジュール24は、この応答に基づいて、ドライバが指定した其々の場所への予約を実行する。このとき、予約モジュール24は、管理者端末や施設や設備と予約に必要な情報やデータの送受信を実行し、施設や設備の予約を実行する。
【0072】
なお、予約モジュール24はドライバの応答に関わらず、其々の場所を予約する構成であってもよい。また、予約モジュール24は、其々の場所の空き状況に関わらず、其々の場所の予約を実行しようとする構成であってもよい。
【0073】
誘導モジュール25は、この予約した仮眠場所、飲食場所、トイレ場所に、ドライバを誘導する(ステップS18)。ステップS18において、誘導モジュール25は、運転前又は運転中のドライバに対して、仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の地点へ誘導する。具体的には、誘導モジュール25は、運行スケジュール及び予約した各場所の位置情報をドライバ端末等に出力することにより、ドライバを誘導することになる。誘導モジュール25は、この運行スケジュール及びこの位置情報を、ドライバ端末等に出力する。ドライバ端末等は、この運行スケジュール及びこの位置情報を受信する。ドライバ端末等は、この運行スケジュールに基づいた輸送経路をナビゲーションアプリ等を介して、出力するとともに、この輸送経路上に、予約した地点を出力する。ドライバ端末等は、予約した地点を目的地又は経由地として経路案内することにより、ドライバを誘導する。その結果、誘導モジュール25は、予約した仮眠場所、飲食場所、トイレ場所に、ドライバを誘導することになる。
【0074】
なお、誘導モジュール25は、予約した場所ではなく、運行スケジュールの仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の空き状況に応じて、空いている近隣の施設や設備に誘導する構成であってもよい。すなわち、誘導モジュール25は、体調管理スケジュールのうち、3つのタイミングの其々の地点において、空いている施設や設備のうち、この其々の地点の近隣の施設や設備にドライバを誘導すればよい。
【0075】
以上が、運行スケジュール作成処理である。
【0076】
[運行スケジュール変更処理]
図4に基づいて、運行スケジュール作成システム1が実行する運行スケジュール変更処理について説明する。
図4は、コンピュータ10が実行する運行スケジュール変更処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0077】
生体情報取得モジュール20は、ドライバの運転中の第2生体情報を定点的、随時又は任意のタイミングで取得する(ステップS20)。ステップS20の処理は、上述したステップS10の処理と同様である。ただし、ステップS20において、生体情報取得モジュール20は、ドライバの運転中の生体情報を、第2生体情報として取得する。
【0078】
解析モジュール40は、取得した第2生体情報を解析する(ステップS21)。ステップS21の処理は、上述したステップS11の処理と同様である。ただし、ステップS21において、解析モジュール40は、第1生体情報ではなく、第2生体情報を解析する。
【0079】
予測モジュール41は、解析結果に基づいて、ドライバの眠くなるタイミング、空腹になるタイミング、便意を催すタイミングの3つのタイミングを予測する(ステップS22)。ステップS22の処理は、上述したステップS12と同様である。
【0080】
渋滞情報取得モジュール21は、渋滞情報を取得する(ステップS23)。ステップS23の処理は、上述したステップS13の処理と同様である。
【0081】
変更モジュール43は、今回予測した3つのタイミングと、取得した渋滞情報とに基づいて、上述したステップS14の処理により作成した運行スケジュールを変更する(ステップS24)。ステップS24において、コンピュータ10は、上述したステップS12の処理により予測した3つのタイミングと、今回予測した3つのタイミングとが一致する場合、本処理を実行せず、処理を終了することになる。
【0082】
変更モジュール43は、作成した輸送スケジュールと、今回取得した渋滞情報とに基づいて、輸送経路において、渋滞が発生している地点や渋滞が発生するであろうと予測される地点を、迂回する迂回経路等が存在する場合、この迂回経路を、作成した輸送経路に組み込むことにより、輸送スケジュールを変更する。
【0083】
なお、変更モジュール43は、渋滞情報に基づいた輸送スケジュールの変更を行わず、後述する体調管理スケジュールのみを変更する構成であってもよい。
【0084】
変更モジュール43は、予測した3つのタイミングの其々に該当する輸送経路の地点を特定する。変更モジュール43は、この地点から所定の範囲内にある3つのタイミングに該当する施設や設備の地点を特定する。変更モジュール43は、作成した体調管理スケジュールにおける其々のタイミングに該当する施設や設備の地点のうち、作成した体調管理スケジュールと異なる地点に対して今回予測した其々のタイミングに該当する地点に変更する。その結果、変更モジュール43は、体調管理スケジュールを変更することになる。
【0085】
変更モジュール43は、該当する地域にこれらの施設や設備が存在しない場合、この3つのタイミングの其々において、予め設定された時間よりも前(例えば、30分前、1時間前)の時点に該当する輸送経路の地点を特定し、この地点から所定の範囲内にある其々のタイミングに該当する施設や設備の地点を施設や設備の場所として特定する。
【0086】
なお、仮眠場所、飲食店、トイレは、其々が別個の施設であってもよいし、何れか又は複数を組み合わせた複合施設であってもよい。
【0087】
変更モジュール43は、このようにして変更した輸送スケジュールと、体調管理スケジュールとに基づいて、運行スケジュールを変更することになる。変更モジュール43は、輸送経路に対して、3つのタイミングの其々に該当する地点として特定した地点を、輸送経路に追加し、変更前の地点を削除する。このとき、変更モジュール43は、一又は複数の其々の施設や設備を追加する。この追加の方法としては、これらの施設や設備の地点を、経由地とすることや、地図上の該当する地点を示すといったものである。その結果、変更モジュール43は、運行スケジュールを変更することになる。
【0088】
なお、変更モジュール43は、ドライバが優先車両(例えば、インフラ関係の車両、緊急車両、バス等の乗車人数が多い車両)を運転する場合、通常車両よりも有利な運行スケジュールに変更する構成であってもよい。有利な運行スケジュールは、例えば、路線バス専用レーン等、通常車両が原則走行不可の車線であっても利用可能であると判断したり、本来なら道路を逆走することになる輸送経路であっても、利用可能であると判断したりする、輸送経路を含んだものである。
【0089】
空き状況情報取得モジュール22は、この特定した仮眠場所、飲食店、トイレの空き状況を示す空き状況情報を取得する(ステップS25)。ステップS25の処理は、上述したステップS15の処理と同様である。
【0090】
なお、変更モジュール43は、取得した空き状況情報に基づいて、変更した運行スケジュールから、空きがない状態の施設や設備を除外する構成であってもよい。変更モジュール43は、空きがない状態の施設や設備を、体調管理スケジュールから除外し、空きがある状態の施設や設備に基づいて、運行スケジュールを変更することになる。
【0091】
通知モジュール23は、この運行スケジュールの仮眠場所、飲食場所、トイレ場所の空き状況をドライバに通知する(ステップS26)。ステップS26の処理は、上述したステップS16の処理と同様である。
【0092】
予約モジュール24は、この運行スケジュールの仮眠場所、飲食場所、トイレ場所を予約する(ステップS27)。ステップS27の処理は、上述したステップS17の処理と同様である。
【0093】
誘導モジュール25は、この予約した仮眠場所、飲食場所、トイレ場所に、ドライバを誘導する(ステップS28)。ステップS28の処理は、上述したステップS18の処理と同様である。
【0094】
以上が、運行スケジュール変更処理である。
【0095】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD-ROMなど)、DVD(DVD-ROM、DVD-RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記録装置又は外部記録装置に転送し記録して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記録装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記録装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0096】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0097】
1 運行スケジュール作成システム、10 コンピュータ