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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】押し出された材料を造粒するための装置
(51)【国際特許分類】
   B29B 9/06 20060101AFI20240724BHJP
   B29C 48/345 20190101ALI20240724BHJP
【FI】
B29B9/06
B29C48/345
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021559879
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 AT2020060142
(87)【国際公開番号】W WO2020206476
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】A50329/2019
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】503433958
【氏名又は名称】エレマ エンジニアリング リサイクリング マシネン ウント アンラーゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】アイグナー ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】フーバー ローラント
(72)【発明者】
【氏名】フェイヒティンゲル クラウス
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02052825(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29B 9/02
B29B 9/06
B29C 48/345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可塑化された、又は少なくとも部分的に軟化された、又は少なくとも部分的に溶融された材料を造粒するための装置であって、矩形断面を有する気体供給ライン(2)と、前記気体供給ライン(2)とは反対側に接続され、矩形断面を有する気体排出ライン(3)とを有するハウジング(1)と、前記ハウジング(1)内に少なくとも部分的に位置し、前記ハウジング(1)内に供給又は開口する、供給又は可塑化ユニット(27)の有孔板(4)を有する造粒ユニットと、前記有孔板(4)の穴部(5)を通って出てくる材料を破砕又は分離するスクレーパ(6)とを備える装置であって、
前記有孔板(4)の平面及び/又は前記ハウジング(1)の前壁(17)に平行に延びる断面(E-E)に対して垂直である、前記気体排出ライン(3)の2つの横壁面(7)が、互いに対して角度α2をなし、当該平面に垂直である、前記気体供給ライン(2)の2つの横壁面(8)が、角度α1をなし、前記2つの角度α1及びα2は、前記ハウジング(1)に向かって開き、前記角度α1は、前記角度α2よりも大きいことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記可塑化された、又は少なくとも部分的に軟化された、又は少なくとも部分的に溶融された材料は、ポリマー材料であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記断面(E-E)に対して垂直である、前記ハウジング(1)の側壁(9)の下流側端部領域における間隔と、前記側壁(9)に隣接し、同様に前記断面(E-E)に対して垂直である、前記気体排出ライン(3)の横壁面(7)の相互間隔とが、10*d≧b≧4*dを満たす値bを有し、dの値は、前記有孔板(4)に存在する全ての前記穴部(5)について共通の面重心(FS)を決定し、各穴部(5)について、共通の面重心(FS)からのそれぞれの穴部(5)の面重心(S)の間隔を決定し、存在する前記穴部(5)について決定された間隔値(A)を算術平均し、この算術平均の値の2倍を値dとすることによって計算されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジング(1)の側壁(9)の下流側端部領域における間隔と、前記気体排出ライン(3)の横壁面(7)の相互間隔とが、8*d≧b≧5*dを満たす値bを有ることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記値bが、前記ハウジング(1)の側壁(9)の下流側端部領域間、及び前記気体排出ライン(3)の横壁面(7)の上流側端部領域間の最大相互間隔に相当することを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記断面(E-E)又は前記有孔板(4)の平面に対して平行である、前記気体排出ライン(3)の2つの側壁面(10)が、それぞれ互いに対して角度β2をなし、前記断面(E-Eに対して垂直な平面に対して垂直に延びる、又は前記有孔板(4)に対して垂直な平面に対して垂直に延びる、前記気体供給ライン(2)の側壁(11)が、それぞれ互いに対して角度β1をなし、前記2つの角度β1、β2は、前記ハウジング(1)から離れる方向に開き、前記角度β1は、前記角度β2よりも大きいことを特徴とする、請求項1又は請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線、及び/又は存在する全ての前記穴部(5)それぞれの共通の面重心(FS)、前記面重心(FS)を通る前記有孔板(4)の中心線(12)が、前記ハウジング(1)の側壁(9)に対して中心に位置し、及び/又は、前記有孔板(4)の平面に垂直で、前記ハウジング(1)の中心線(13)を含む、前記気体供給ライン(2)及び/又は前記気体排出ライン(3)及び/又は前記ハウジング(1)の対称面に位置することを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線、及び/又は存在する全ての前記穴部(5)それぞれの共通の面重心(FS)、前記共通の面重心(FS)を通る前記有孔板(4)の中心線(12)が、前記ハウジング(1)の中心線(13)に対して、及び/又は前記有孔板(4)の平面に垂直で、当該中心線(13)を含む、前記気体供給ライン(2)及び/又は前記気体排出ライン(3)の対称面に対して、及び/又は前記ハウジング(1)の側面(9)の間の中心に対して、横方向にオフセットしており、前記横方向のオフセットは、前記スクレーパ(6)の回転方向と気体流の方向(14)とが同じ方向である前記ハウジング(1)の領域において、c≦2.5*dを満たす値cだけオフセットしていることを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線、及び/又は存在する全ての前記穴部(5)それぞれの共通の面重心(FS)、前記共通の面重心(FS)を通る前記有孔板(4)の中心線(12)が、前記ハウジング(1)の、流れ方向に見て、広がったハウジングの側壁(9)が相互間隔bを取る点又は断面領域に対向して、間隔aで上流に配置され、a≦1.1*dであることを特徴とする、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記供給又は可塑化ユニット(27)は、押出機であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記ハウジング(1)から前記気体排出ライン(3)への移行領域(15)において、前記ハウジング(1)及び前記気体排出ライン(3)は、同じ矩形の断面積(16)を有し、当該矩形の長辺の長さは値bを有することを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記気体排出ライン(3)への移行領域における前記ハウジング(1)の断面積は、前記気体排出ライン(3)の前記ハウジングから離れた端部領域における断面積よりも、5~20%だけ大きく、及び/又は、
前記有孔板(4)の高さにおける前記ハウジング(1)の断面積は、前記気体供給ライン(2)の上流端又はファン(30)への接続部における断面積よりも、25~35%大きく、及び/又は、
前記ハウジング(1)の断面積は、前記有孔板(4)の高さから前記気体排出ライン(3)への移行領域まで10~20%増加して、ディフューザを形成することを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記気体排出ライン(3)への移行領域における前記ハウジング(1)の断面積は、前記気体排出ライン(3)の前記ハウジングから離れた端部領域における断面積よりも、10~15%だけ大きいことを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記断面(E-E)に関して、前記ハウジング(1)の対向する側壁面(9)は、少なくともその長手方向の範囲の部分領域にわたって、前記ハウジング(1)の内部から見て、前記気体供給ライン(2)から前記気体排出ライン(3)に向かって広がる凸状に湾曲した経路を有することを特徴とする、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記凸状に湾曲した経路は、連続した経路であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジング(1)の前壁(17)及び後壁(18)は、互いに平行に、及び/又は前記有孔板(4)の平面に平行に位置合わせされることを特徴とする、請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記スクレーパ(6)が、前記ハウジング(1)内において、前記ハウジング(1)の後壁(18)から、前記ハウジング(1)の前壁(17)の領域に位置し、前記供給又は可塑化ユニット(27)の端部領域を構成する前記有孔板(4)まで延びる駆動軸を有することを特徴とする、請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記気体排出ライン(3)に、移行部分(20)が接続され、前記移行部分(20)を経て、前記気体排出ライン(3)の矩形の断面が、円形又は湾曲した外周を有する断面へと移行し、前記移行部分(20)は、下流に向かって先細になる壁部分(21、22)を有し、当該壁部分(21、22)は、前記気体排出ライン(3)の横壁面(7)又は側壁面(10)に対して傾斜して接続される、又はこれらを三角形の形態で延長することを特徴とする、請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記当該壁部分(21、22)は、前記気体排出ライン(3)の横壁面(7)又は側壁面(10)に対して、同じ角度α2又は同じ角度β2で傾斜して接続されることを特徴する請求項18に記載の装置
【請求項20】
前記角度α1、α2及び/又は角度β1、β2の頂点(S)が、前記気体供給ライン(2)、前記ハウジング(1)、及び前記気体排出ライン(3)の中心線(13)、又は長手方向の対称面上にあることを特徴とする、請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記角度α2が、前記角度α1の0.25倍~0.75倍であることを特徴とする、請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記角度α2が、前記角度α1の0.4倍~0.6倍であることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記角度α1は、180°未満であり、及び/又は、
前記角度α2は、180°未満であることを特徴とする、請求項1から請求項22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
前記角度α1は、15°~110°の範囲にあるか、又は、20°~60°の鋭角であり、及び/又は、
前記角度α2は、鋭角であるか、又は3.0°~82.5°若しくは6°~36°の範囲にあることを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記角度β2が、前記角度β1の0.12倍~0.45倍であることを特徴とする、請求項又は20に記載の装置。
【請求項26】
前記角度β2が、前記角度β1の0.2倍~0.3倍であることを特徴とする、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記角度β1は、180°未満であり、及び/又は、
前記角度β2は、180°未満であることを特徴とする、請求項6、20又は25に記載の装置。
【請求項28】
前記角度β1は、18°~80°の範囲、又は20°~50°の範囲にある鋭角であり、及び/又は、
前記角度β2は、8°~40°の範囲、又は4°~15°の範囲にある鋭角であることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記気体供給ライン(2)、前記ハウジング(1)、及び前記気体排出ライン(3)は、垂直方向に上下に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記有孔板(4)の中心線(12)と、前記供給又は可塑化ユニット(27)の中心軸線とが、一致することを特徴とする、請求項1から請求項29のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、可塑化された、又は少なくとも部分的に軟化された、又は少なくとも部分的に溶融された、好ましくは押し出された材料を造粒するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような装置は、例えば、欧州特許出願公開第2052825号から公知である。この装置では、押出機から到達する造粒粒子の分離及び排出が、最適な状態ではなく、搬送経路において堆積も生じる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の課題は、可塑化された材料、すなわち軟化、部分的に軟化、部分的に溶融、又は溶融された、熱可塑性又は部分的に熱可塑性の粒子、好ましくはポリマーの造粒を改善することである。
【0004】
その目的は、主に、分離された粒子を可能な限り迅速に凝固させ、それによって、粒子の相互衝突、及び粒子とハウジングの内壁又は粒子を運ぶさらなる導管との衝突の両方を防止することである。
【0005】
この課題は、請求項1に記載した特徴的な構成によって解決される。本発明によれば、有孔板の平面及び/又はハウジングの前壁に対して平行に延びる断面E-Eに対して垂直な気体排出ラインの横壁面は、互いに対して角度α2をなし、この平面に対して垂直な気体供給ラインの2つの横壁面は、角度α1をなし、2つの角度はハウジングに向かって開き、角度α1は角度α2よりも大きい。
【0006】
本発明に係る装置の特定の幾何学的形状及び寸法に従うと、所望の効果を達成できることが示された。これにより、粒子が気体流によって、安全にかつ相互作用なしに確実に運ばれ得ることになる。
【0007】
供給又は可塑化ユニットから送られて、有孔板を出てくる材料の成形ストランドは、実際の動作において、スクレーパ、例えばナイフ、シェーバなどを用いて粒状に切断される。スクレーパは、例えば、ナイフキャリアに取り付けられ、本発明による場合のように、ハウジングの外部に位置する駆動装置、例えば電気モータによって駆動される、1つ以上の回転ナイフを有する装置とすることができる。
【0008】
切断分離の際、材料のストランド又は切断分離された粒子は、特別な形状に形成されたハウジング内に圧入され、気体流は、このハウジングに一方の側から、好ましくは下から導入される。この気体流は、ファンによって生成される。ハウジングを通って案内される気体流は、空気、好ましくは乾燥及び/又は冷却及び/又は調整された空気からなるものとすることができ、したがって、この気体流は、希ガス又は反応性気体又は任意の種類の気体混合物からなることができる。
【0009】
ハウジングには、気体排出ラインが接続されており、この気体排出ラインは、形成された粒状物を迅速に完全に取り出すことと、形成された粒状物を分離して互いに接触しないように保つこととの両方を、確実にするように特別な形状に形成されている。気体流は、気体供給ラインを用いて有孔板の開口部の一方の側からハウジング内に供給され、ハウジングの反対側の領域に通じる気体排出ラインを用いて、気体が排出される、すなわち粒子が取り出される。さらに、造粒粒子の減速及び/又は堆積を防止するために、造粒粒子とハウジングの壁、すなわちハウジングの内壁との接触が大幅に防止又は最小化される。形成された造粒粒子の壁への付着も回避される。しかしながら、とりわけ、本発明によれば、造粒粒子同士の付着が可能な限り防止される点が、極めて重要である。
【0010】
押し出された材料は、本発明に係る装置を通る媒体、特に気体によって搬送される。この気体としては、任意の気体又は気体混合物であってよく、特に空気が使用される。使用される気体流は、粒子をハウジングの外に運び、それによって、これらの材料粒子又は粒状物又はソーセージ状物などは、気体流の助けを借りて、例えば熱的影響、冷却によって、又は気体によって開始又は誘発される反応によって、冷却、及び/又は凝固、及び/又は化学的に反応する。
【0011】
造粒される材料、例えばポリマーは、繊維で強化されていてもよく、及び/又は部分的に架橋されていてもよい。これらは、ポリエステル、ポリオレフィン、又はポリアミドをベースとすることができる。原則的に、少なくとも部分的に可塑化可能な、好ましくは押出可能な全て全ての材料を、それらが軟化又は溶融され、それに応じて粒子に変換されるか又は凝固され得るならば、本発明による装置を用いて排出点から搬送し、それらを物理的又は化学的に処理するか、又は搬送中に反応又は凝固させることが可能である。本発明による装置は、ストランドを粒状物に形成することが可能な全ての材料に使用することができる。これらの材料には、練り生地状物、セラミック塊、ゴム、熱可塑性ポリウレタン、シリコーンなどが含まれる。
【0012】
基本的に、使用される気体、特に空気によって材料の凝固を達成することが可能であるべきである。粒子に形成される押出材料の凝固が、媒体の蒸発によって達成され得る場合、水などの蒸発媒体も使用され得る。蒸発はまた、著しい凝縮及び液相が優勢にならない場合には特に、プロセスにおいて生じる冷却を利用し得る。
【0013】
従属請求項に記載した限定事項は、特定の技術的効果を有する本装置の好ましい更なる展開を表す。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、上記有孔板の平面又は上記断面に対して垂直なハウジングの側壁の下流側端部領域における間隔と、これらの側壁に隣接し、同様にこの平面E-Eに垂直な気体排出ラインの横壁面の相互間隔とが、10*d≧b≧4*d、好ましくは、8*d≧b≧5*dを満たす値bを有する場合に、造粒が大幅に改善される。ここで、dの値は、有孔板に存在する全ての穴部の共通の面重心を決定し、各穴部について共通の面重心からのそれぞれの穴部の面重心の間隔を決定し、存在する穴部について決定された間隔を算術平均し、その算術平均の値の2倍を値dとして固定することによって計算される。
【0015】
これに関連して、値bが、ハウジングの側壁の下流側端部領域間、及び気体排出ラインの横壁面の上流側端部領域間の最大相互間隔に相当することが、特に好ましい。
【0016】
流れに有利な好ましい実施形態では、断面E-Eに対して垂直な平面又は有孔板の平面に対して垂直な平面に対して垂直な、すなわち断面E-E又は有孔板の平面に対して平行な気体排出ラインの2つの側壁面が、それぞれ互いに対して角度β2をなし、平面E-Eに対して垂直な平面又は有孔板に対して垂直な平面に対して垂直に延びる気体供給ラインの側壁面が、それぞれ互いに対して角度β1をなし、2つの角度β1、β2は、ハウジングから離れる方向に開き、角度β1は、角度β2よりも大きい。
【0017】
供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出機の中心軸線、及び/又は存在する全ての穴部の共通の面重心、若しくは面重心を通る有孔板の重心線が、ハウジングの側壁に対して中心に位置し、及び/又は有孔板の平面に垂直で、ハウジングの中心線を含む、気体供給ライン及び/又は気体排出ライン及び/又はハウジングの対称面に位置することが、さらに好ましい。ハウジングに対する有孔板の位置は、本装置の搬送挙動において重要な役割を果たす。
【0018】
造粒される材料が通る穴部を有する有孔板、又は有孔板の穴部の面重心を通る有孔板の垂直中心線は、ハウジングの中心に位置するか、又はハウジングの中心を通って延びることができる。この中心は、ハウジングの側壁の間の中心に位置するか、又は、有孔板の平面に垂直であり、かつ流れの方向にハウジングを通って延び、ハウジングの中心線を含む対称面上に位置する。しかしながら、この中心は、ハウジングの前壁及び後壁のそれぞれの表面対角線の交点によって決定することもできる。
【0019】
多くの用途に対して、特に粘着性材料に対して、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出機の中心軸線、及び/又は全ての穴部の共通面重心、もしくはその共通面重心を通る有孔板の中心線が、ハウジングの中心線及び/又は有孔板の平面に垂直でハウジングの中心線を含む気体供給ライン及び/又は気体排出ラインの対称面に対して、及び/又はハウジングの側面間の中心に対して横方向にオフセットされている場合に有用であることが、分かった。ここで、横方向のオフセットは、スクレーパの回転方向と気体流の方向とが同じ方向であるハウジングの領域において、c≦2.5*dである値cの分のオフセットである。したがって、有孔板又はその中心は、ハウジングの中心又はハウジングの中心線に対してオフセットされる。したがって、オフセットは、ハウジングの前面から有孔板からの材料の出口に向かって見て、スクレーパの回転ツール、すなわちブレードが主空気流に逆らって移動する領域において、より大きな壁間隔が存在するようなものである。切断された粒子は、搬送方向と反対の運動量を得るので、空気の搬送方向と反対に移動するにつれて遅くなる。このような手段によって、このような粒子がハウジングの壁に衝突する危険性は、低減される。
【0020】
特に粘着性の高い材料とは、造粒粒子が分離された後に、実際に使用される気体流中での冷却時間が、これらの造粒粒子が粘着する傾向を著しく減少させるのに十分でない材料である。これは、衝突した造粒粒子が互いに付着する、又はハウジングの内壁上に蓄積する危険性をかなり増大させる。したがって、このような場合、有孔板はハウジングの中心に配置されず、有孔板はハウジングの長手方向の中心線又は長手方向の中心対称軸線に対してオフセットされ、したがって、スクレーパの回転ブレードが、気体流の方向と反対に移動する領域において、より大きな壁間隔を形成する。
【0021】
特に粘着性材料の場合、供給及び可塑化ユニット、好ましくは押出機の中心軸線、及び/又は存在する全ての穴部の共通の面重心、もしくはそれを通って延びる有孔板の中心線が、ハウジングの、流れ方向に見て、広がったハウジングの側壁が相互間隔bを取る点又は断面領域に対向して、間隔aで上流に配置され、a≦1.1*dである場合も好ましくあり得る。実際には、ハウジングは固定され、供給又は可塑化ユニットの軸線が、ハウジングに対して移動することになる。有孔板は、ハウジングに対して流れ方向に変位される。
【0022】
ハウジングから気体排出ラインへの移行領域において、ハウジングと気体排出ラインが、同じ矩形の断面積を有し、矩形の長辺の長さが、値bを有する場合が好ましいことが分かっている。これにより、ハウジングから気体排出ラインへ、渦の無い移行がもたらされる。これに関連して、気体排出ラインへの移行領域におけるハウジングの断面積が、ハウジングから離れた端部領域における気体排出ラインの断面積よりも5~20%だけ、好ましくは10~15%だけ大きい場合も好ましい。さらに、有孔板の高さにおけるハウジングの断面積を、気体供給ラインの上流端又はファンへの接続部における気体供給ラインの断面積よりも25~35%大きくなるように設計することが好ましい。これにより、ハウジングでのノズル効果により本装置全体にわたって、ほぼ渦の無い搬送を得ることができる。ハウジングの断面積が、有孔板の高さから気体排出ラインの移行領域まで10~20%増加して、ディフューザを形成することが好ましい。
【0023】
造粒粒子の相互接触を減少させるために、有孔板に平行な平面において、ハウジングの対向する側壁面が、少なくともその長手方向の範囲の部分領域にわたって、ハウジングの内部から見て、気体供給ラインから気体排出ラインへと広がる凸状に湾曲した、特に連続した経路を有することが好ましい。個々の部分間の移行部は、好ましくは、丸みを帯びた弧状要素の形態で形成されるが、セグメント化された設計で実現することもできる。セグメント化の場合には、セグメント移行部における角度が小さい場合であっても、角部及び縁部におけるダスト及び材料の蓄積に関する問題が生じ得る。さらに、このような領域では、望ましくない乱流が生じ得るので、空気流の質が低下する。
【0024】
ハウジングの前壁及び後壁は、互いに平行に、及び/又は有孔板の平面に平行に位置合わせされることが望ましい。ハウジング内において気体が流れる平行な壁部分は、気体排出ラインの方向への分離された粒子の取り出し、すなわちノズル効果を改善する。
【0025】
スクレーパが、ハウジング内においてハウジングの後壁から、ハウジングの前壁の領域に位置し、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出機の端部領域となる有孔板まで延びる駆動軸を有する場合に、本発明の適用例における簡単な構造を得ることができる。造粒粒子をさらに処理するための各部への流れに好都合な接続は、気体排出ラインの矩形断面を、円形又は湾曲した外周を有する断面に変化させる移行部分が、気体排出ラインに接続され、移行部分が、下流部分に向かって先細になる壁部分を有し、壁部分が、特に、気体排出ラインの横壁面又は側壁面に同じ角度α2又は角度β2で接続され、すなわち特に三角形の形態で延びる場合に得ることができる。角度α1、α2及び/又はβ1、β2の頂点が、気体供給ライン、ハウジング、及び気体排出ラインの中心線、又は長手方向の対称面上にある場合に、粒子の搬送及び粒子同士の付着防止に関する本装置の好ましい構造を得ることができる。
【0026】
角度α2が、角度α1の0.25倍~0.75倍、好ましくは0.4倍~0.6倍である場合に、粒子の搬送に好ましいことが分かった。角度α1が、180°未満、好ましくは15°~110°の範囲内、特に20°~60°の鋭角である場合、及び/又は角度α2が180°未満、特に鋭角、好ましくは3.0°~82.5°、特に6°~36°の範囲内である場合に、粒子同士の付着が減少する。
【0027】
角度β2が、角度β1の0.12倍~0.45倍、好ましくは0.2倍~0.3倍であることが、粒子搬送にとっては、さらに好ましい。
【0028】
粒子同士の付着をさらに低減させるために、角度β1が、180°未満、特に鋭角、好ましくは18°~80°、特に20°~50°の範囲、及び/又は角度β2が180°未満、特に鋭角、好ましくは8°~40°、特に4°~15°の範囲であることが好ましい。
【0029】
気体供給ライン、ハウジング、及び気体排出ラインが、垂直方向に上下に配置されていると、省スペースであり、産業用途には好ましい。
【0030】
以下、本発明を好ましい実施例により例示的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明に係る装置の斜視図を示しており、図の右側部分は、本装置の、供給又は可塑化ユニット、好ましくは押出機に接続された接続部分を示し、左側に示された本装置のファン部分が、この接続部分に旋回可能に取り付けられている。
図2図2は、本装置に接続された押出機の方向から見た、本装置の、図3におけるE-E断面図を示す。
図3図3は、図2における断面B-Bを示す。
図4図4は、押出機の押出軸又は有孔板に対する本装置の位置に関する実施形態を示す。
図5図5は、押出機の押出軸又は有孔板に対する本装置の位置に関する、図4とは異なる実施形態を示す。
図6図6は、図解を示す。
図7図7は、別の図解を示す。
図8図8は、値bを決定するための略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明による装置は、任意の供給又は可塑化ユニット27、好ましくは押出機の下流に配置されるか、又は接続され、供給又は可塑化ユニット27は、その端部領域、すなわち端部のみが図3に示される。図1に示されるように、端部領域は、ハウジング1の箱型支持部23に収容又は接続され、ハウジング1内に開口する材料出口用の有孔板4で閉じられる。供給又は可塑化ユニット27の搬送方向は、矢印19で概略的に示されている。このような供給又は可塑化ユニットは、可塑化及び/又は溶融材料を搬送する圧力ラインによって形成することもできる。
【0033】
図1に示すように、気体供給ライン2と気体排出ライン3との間に、ハウジング1が位置し、ハウジング1の前壁17及び後壁18は、互いに平行に延びている。有孔板4は、ハウジング1内に開口しており、スクレーパ6の駆動軸が、ハウジング1内に突出している。スクレーパ6の駆動軸は、モータ28によって駆動される。
【0034】
図1に示されるように、支持部24は、所望形状にしてよいピボット軸受25によって、支持部23に揺動可能に取り付けられ、モータ28と、駆動軸を介してモータ28によって駆動されるスクレーパ6とを支持する。スクレーパ6は、支持部24を支持部23上に旋回させると、有孔板4と接触し、有孔板4を通って出る材料を掻き取る。このようにして、造粒粒子が、ハウジング1内で形成されると同時に、気体流によって搬送される。
【0035】
支持部材23、24のためのピボット軸受25は、ハウジング1内の保守作業を容易にし、スクレーパ6及び有孔板4へアクセスするために設けられている。
【0036】
支持部23は、その上部領域に、流れ方向に延びる4つの縁、すなわち矩形の断面領域を有する先細の管、すなわち先細の通路の形態をした気体排出ライン3を担持し、気体排出ライン3は、先端が丸い断面をなす壁部分21、22と、移行部分20によって接続する。壁部分21及び22は、それぞれ、気体排出ライン3の側壁面7又は10と同じ傾斜を有する。
【0037】
支持部24を閉じ方向に旋回させると、支持部24に配置されたハウジング1は、その上部開口断面29が、この開口断面に適合した気体排出ライン3の断面領域の下になり、その結果、気体は、ファン30によって気体供給ライン2を介して下からハウジング1内に流入し、ハウジング1を介して気体排出ライン3に導かれることが可能になり、気体は、有孔板4及びスクレーパ6を通過して流れる。有孔板4は、ハウジング1の前壁17の開口部31の直前で、又は開口部31の中で、開口している。有孔板4は、ハウジング1内に突出していてもよい。このようにして、有孔板4を出た材料ストランドを、スクレーパ6から分離させ、気体流によって直接運ばせることができる。
【0038】
ハウジング1に通じる気体供給ライン2は、ファン30に接続される。図2から分かるように、気体供給ライン2の横壁面8同士は、有孔板4の平面、断面E-E又はハウジング1の前壁17及び後壁18に対して垂直に延び、互いに対して角度α1で傾斜しており、この角度α1の頂点Sは、これら2つの壁面8の間の中心線上、又はハウジング1の中心線13上、又はハウジング1の長手方向の対称軸線上に位置する。角度α1の頂点Sは、ファン30のロータの軸線の高さにあってもよい。
【0039】
2つの横壁面8には、ハウジング1の側壁9が隣接しており、側壁9同士は、下流に向かって広がっており、内側から見ると、好ましくは、少なくとも部分領域にわたってわずかに凸状に湾曲している。ハウジング1の下流側の端部領域において、ハウジング1は、側壁9間の延在範囲、すなわち間隔bを有する。気体排出ライン3は、ハウジング1のこの端部領域に隣接し、その横壁面7同士は、互いに対して角度α2をなし、その頂点は、ハウジング1の下流にある。角度α1は、角度α2よりも大きいことがわかる。
【0040】
図3は、ファン30に隣接する気体供給ライン2において、断面E-E又は有孔板4の平面に垂直な平面に垂直な2つの側壁面11が、同じくこの平面E-Eに垂直な気体排出ライン3の2つの側壁面10によって形成される角度β2よりも大きい角度β1をなすことを示す。角度β1の頂点は、気体供給ライン2の下流、好ましくはハウジング1内に位置する。角度β2の頂点は、気体排出ライン3の上流、好ましくはハウジング1の上流、特に気体供給ライン2内又は気体供給ライン2の上流にある。
【0041】
運転中、ファン30は、ファンモータ28によって駆動され、気体供給ライン2を介してハウジング1内に気体流を運び、この気体流は、有孔板4上でスクレーパ6によって分離された造粒粒子をハウジング1から取り出し、気体排出ライン3に搬送する。粒状物、ソーセージ状物又は不規則形状物の形態した、これらの粒子は、気体流によって凝固させることができる。この凝固は、熱的影響、例えば気体流の冷却又は乾燥効果によって起こり得、気体流自体によって誘発される化学反応によっても起こり得る。
【0042】
気体供給ライン2及び気体排出ライン3のそれぞれの壁面間の角度α1、α2、好ましい実施形態では、さらに角度β1、β2も、粒子の安全で迅速な、可能であれば衝突及び堆積のない搬送にとって重要である。値b及び値d、ならびに有孔板4から下流側へのハウジング1の拡張又は広がりも、堆積なく粒子を凝集させるのに好ましい。
【0043】
ハウジング1の下流側の端部領域におけるハウジング1の断面、すなわち断面積は、横壁面9間の間隔bを示しており、この間隔bは、有孔板4に特有の値dに関連している。この値dは、造粒される材料の断面を決定する穴部5の位置、形状、及び数によって決定される。異なる材料に対して実際に使用される有孔板4は、不規則な分布及び/又は不均一な大きさ及び/又は不均一な形状及び/又は異なる数の穴部5を有し得るので、値dは次の方法で決定される。すなわち、存在する全ての穴部5に対する共通の面重心FSが決定される。さらに、共通の面重心FSからのそれぞれの穴部5の面重心Sの間隔Aが、各穴部5について決定される。存在する全ての穴部5について決定された間隔Aの値は、算術平均される。この算術平均の2倍の値が、値dに相当する。図8は、値dを決定するためのこの手順を、より詳細に説明する。有孔板4には、4つの穴部5が配置されており、これらの穴部5はそれぞれ仮想の長方形の角点に位置している。穴部は円形であるため、これらの穴部の各々は、その中心として面重心Sを有する。4つの穴部5の共通の面重心は、これら4つの穴部5の中心にあり、FSで示されている。この共通の面重心FSと個々の穴部5との間の間隔は、Aで示されている。間隔Aは4つの穴部5の各々に対して同じであるので、算術平均のために計算される和は、4*Aである。値Aを有する算術平均を決定した後、結果として得られる値は、d=2*Aである。この決定方法は、楕円形の断面を有する穴部5又は円形の配置の穴部5に対しても、さらなる手間をかけることなく、使用することができる。不規則な形状の穴部5、又は異なる形状を有する穴部の場合、各穴部の面重心Sを決定しなければならず、共通の面重心FSは、個々の面重心Sの合計から決定され得る。
【0044】
図4及び図5は、穴部5が正方形の角に配置された有孔板4を示し、さらなる穴部5が、この正方形の対角線の交点にある。したがって、値dは、円形の穴部5の中心又は面重心がそれぞれの角に位置するこの正方形の対角線の長さである。図8の下の図は、穴部5のこの配置をより明確に示す。
【0045】
図1及び図2に示す実施形態では、供給又は可塑化ユニット27の端部の軸線又は押出機の軸線と、共通の面重心FSを通り、かつ有孔板4の平面に垂直な有孔板4の中心線12とが、長手方向に延びるハウジング1の中心線13と交差する。しかしながら、粘着性材料に関しては、有孔板4又はその中心線12を、この中心線13に対して、又はこの中心線13に対して横方向に、偏心オフセットさせることが好ましい。特に、粘着性の高い材料の場合には、分離した粒子が、互いに衝突したりハウジング1の内壁面に接触したりして、互いに付着したり、ハウジング1上に蓄積して、流路を塞ぐ恐れがある。
【0046】
図4及び図5に示されるように、有孔板4の中心線12あるいは供給又は可塑化ユニット27の軸線あるいは有孔板4の面重心FSが、ハウジング1の中心線13に対して、量cだけ横方向にオフセットされると好ましいことが分かった。このオフセットは、有孔板4に対して平行な平面内で水平方向に又は流れ方向に対して横方向に設定され、必要に応じて、垂直方向に、又は流れ方向に沿って、又は流れ方向と反対方向に設定することもできる。
【0047】
最大の横方向オフセットcはdの値に依存し、cがc≦2.5*dであると、実用面では極めて好ましいことが分かっている。cの値は、材料及び粒径に応じて選択され、調整可能である。
【0048】
上流側又は垂直下流側では、値a≦2.2*dによるオフセットが可能である。これは、図5に見られるように、例えば長手方向の中心線13に対して角度γで傾斜したオフセットベクトルをもたらす。
【0049】
横方向のオフセットは、好ましくは、スクレーパ6の回転方向と、ハウジング1を通る気体流の流れ方向とが同じである方向に設定される。
【0050】
好ましくは、供給又は可塑化ユニット27の軸線と有孔板4の中心線12とは一致する。共通の面重心FSは、好ましくは、有孔板4のこの軸線又は中心線12上にある。
【0051】
図6は、有孔板4を通って出て、スクレーパ6によって分離された造粒粒子のハウジング1内及び気体排出ライン3内における経路を示している。粒子は、直ちに下流側に搬送されるか、又はスクレーパによりかなり短い距離を移動した後、気体流の流れの方向と反対の方向に運ばれることが分かる。また、ほとんどの粒子経路が途切れずに、すなわちハウジングの内壁又は気体ラインの内壁に衝突することなく、延びていることが分かる。特に、有孔板4上の造粒粒子の出口に直接隣接し、粒子の乾燥に重要な領域では、粒子の衝突はほとんど検出できない。個々の分離された造粒粒子は、独立した軌道を辿り、他の造粒粒子とはほとんど衝突しない。
【0052】
図7は、有孔板4に平行なハウジング1及び気体排出ライン3の長手方向の断面領域にわたる速度プロファイルを示す。粒子の速度プロファイルは、外側から内側に向かって急激に増加し、特に気体流の中央領域では、周辺領域と比較して、著しく高い流速であることが分かる。これは、特に図6に鑑みると、気体流の周辺領域では、かなり少ない粒子が搬送されるか、又は全く粒子が搬送されず、気体流の中央領域でのみ粒子が搬送されることを意味する。したがって、粒子と壁との衝突が、大幅に回避される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8