(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】全自動コーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20240724BHJP
【FI】
A47J31/44 100
(21)【出願番号】P 2021576071
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2020070918
(87)【国際公開番号】W WO2021013977
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-03-08
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520514609
【氏名又は名称】ユーラ エレクトロアパラーテ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Jura Elektroapparate AG
【住所又は居所原語表記】Kaffeeweltstrasse 10, 4626 Niederbuchsiten, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ バウア
【審査官】宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第208192933(CN,U)
【文献】実開昭61-188530(JP,U)
【文献】特表2017-510315(JP,A)
【文献】中国実用新案第211324387(CN,U)
【文献】実開昭59-136734(JP,U)
【文献】実開昭55-113135(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全自動コーヒーマシン(1)であって、ベース装置(2)から取外し可能な水タンク(5)を備えており、該水タンク(5)は水出口(8)を有しており、使用中に取水するために、前記水出口(8)は、前記ベース装置(2)に形成された接続開口(9)に接続可能である、全自動コーヒーマシン(1)において、
前記水タンク(5)は
、前記接続開口(9)から離間した位置(10)で磁気によって前記ベース装置(2)に保持されており、前記水タンク(5)は、水容器(35)と、該水容器(35)
に枢着結合された蓋(6)と
、を有しており、該蓋(6)に、前記ベース装置(2)に対する前記水タンク(5)の磁気的な保持部(16)のための、磁気的に作用する連結部材(17
)が配置されて
おり、前記連結部材(17)および/または対応連結部材(20)が、前記水タンク(5)が磁気的に保持されている方向(25)に対して垂直な軸線を中心として回動可能に配置されていることを特徴とする、全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項2】
前記連結部材(17)は、永久磁石(18)および/または磁界に引き込まれる材料であることを特徴とする、請求項1記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項3】
全自動コーヒーマシン(1)であって、ベース装置(2)から取外し可能な水タンク(5)を備えており、該水タンク(5)は水出口(8)を有しており、使用中に取水するために、前記水出口(8)は、前記ベース装置(2)に形成された接続開口(9)に接続可能である、全自動コーヒーマシン(1)において、
前記水タンク(5)は、水容器(35)と蓋(6)とを有しており、該蓋(6)は、前記水容器(35)に、フラップアームのダブルジョイントを介して枢着結合されていることを特徴とする、全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項4】
前記水タンク(5)は
、前記接続開口(9)から離間した位置(10)で磁気によって前記ベース装置(2)に保持されており、前記水タンク(5)に、磁気的な保持部(16)のための、磁気的に作用する連結部材(17)として、永久磁石(18)が配置されていることを特徴とする、請求項1
から3までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項5】
前記磁気的な保持部(16)は、2つの永久磁石(18,21)によって形成されており
、一方の永久磁石(18)は球状に形成されており、かつ/または一方の永久磁石(21)は棒状に形成されている、請求項
4記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項6】
前記水タンク(5)は
、前記接続開口(9)から離間した位置(10)で磁気によって前記ベース装置(2)に保持されており、磁気的な保持部(16)のための、磁気的に作用する対応連結部材(20
)が、前記ベース装置(2)において
、前記接続開口(9)に対して離間して、プラスチック製のカバー(39)の下に配置されていることを特徴とする、請求項1から
5までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項7】
前記水出口(8)は、前記接続開口(9)に差込み接続可能であり
、磁気的な保持部(16)の磁気的な保持力は、差込み接続部(12)の差込み方向(13)に対して横方向に向けられている、請求項1から
6までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項8】
磁気的な保持部(16)のための
、磁気的に作用する連結部材(17
)は、前記水タンク(5)において
、前記水出口(8)よりも充填開口(19)の近くに配置されている、請求項1から
7までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項9】
磁気的な保持部(16)のための
、磁気的に作用する対応連結部材(20
)は、前記ベース装置(2)において
、前記接続開口(9)に対して離間して配置されている、請求項1から
8までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項10】
前記接続開口(9)は、前記対応連結部材(20)の下側に配置されている、請求項
9記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項11】
前記接続開口(9)は、前記水タンク(5)用の支持台(24)に形成されている、請求項1から
10までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項12】
前記水タンク(5)は、少なくとも磁気的に保持されている方向(25)において、その鉛直方向の寸法(27)よりも小さな水平方向の寸法(26,34)を有しており
、該水平方向の寸法(26,34)は、前記鉛直方向の寸法(27)の最大50
%である、請求項1から
11までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項13】
前記水平方向の寸法(26,34)は、前記鉛直方向の寸法(27)の最大20%である、請求項12記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【請求項14】
前記水タンク(5)は、使用位置において前記ベース装置のガイド手段無しの側面(30)
に接触している、請求項1から
13までのいずれか1項記載の全自動コーヒーマシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全自動コーヒーマシンであって、ベース装置から取外し可能な水タンクを備えており、水タンクは水出口を有しており、使用中に取水するために、水出口は、ベース装置に形成された接続開口に接続可能である、全自動コーヒーマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
このような全自動コーヒーマシンは周知であり、水タンクは、充填用にベース装置から取り外される。ベース装置において水タンクを安定的に保持するために、従来は水タンクとベース装置とに、互いに嵌合し合う、水タンクの高さを超えて延在する機械的な形状結合式のガイド・固定手段が形成される。これらの機械的なガイド手段は、全自動コーヒーマシンのデザインにおいて留意せねばならない周辺条件を成すことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底を成す課題は、より自由なデザインを可能にする全自動コーヒーマシンを達成することにある。
【0004】
SuperautoPro:“Jura Impressa S9 One-Touch Video“, Youtube, 2018年1月22日、第2頁等、 https://www.youtube.com/watch?v=b90-AKHyo3Eから、ベース装置から取外し可能な水タンクを備えた全自動コーヒーマシンが知られている。
【0005】
中国実用新案第208192933号明細書から公知の豆乳マシンでは、ベースボディに磁石部材が形成されており、水容器に鉄または鋼製の細長い金属板が形成されている。
【0006】
欧州特許出願公開第3015035号明細書から公知の、自動ドリンクマシン用の水容器ならびに自動ドリンクマシンでは、水容器は、蓋によって覆い隠すことができる充填開口を有しており、この場合、水容器が自動ドリンクマシンに取り付けられた状態で、充填開口の上側に充填領域が規定されており、この場合、蓋は、蓋の、充填領域から少なくとも1つの規定されたまたは規定可能な開放位置への旋回を可能にするガイド装置によってガイド可能であり、これにより、充填領域に少なくとも上方から自由にアプローチすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、請求項1記載の特徴を提案する。つまり、本発明は特に冒頭で述べた形式の全自動コーヒーマシンにおいて、水タンクは磁気によってベース装置に保持されており、水タンクは、水容器と、水容器に好適には枢着結合された蓋とを有しており、蓋に、磁気的な保持部のための、磁気的に作用する連結部材が配置されていることを提案する。つまり、本発明は、所定の位置に機械的なガイド手段が必要とされること無しに、ベース装置に水タンクを取り付けることを可能にする。これは、特にベース装置との接触領域において、水タンクの外面の自由な形状を可能にする。この場合、水タンクは、例えば接続開口から離れた位置に、磁気によって保持されていてよい。
【0008】
蓋における連結部材の配置は、水容器の幾何学形状を単純に保つことができるという利点を有している。これは、水容器の射出成形製造を可能にする。この場合、本発明は、蓋は一般に、付属する容器よりも複雑な形状を既に有しているという知見を利用するため、蓋に連結部材を配置しかつ/または形成することは、製造技術的に、あまり手間がかからない。
【0009】
磁気的に作用する連結部材は、例えば永久磁石および/または磁界に引き込まれる材料であってよい。永久磁石の使用は、比較的小さな所要スペースにおいて、より高い保持力が達成可能であるという利点を有している。磁界に引き込まれる材料、例えば鉄または鉄合金の使用は、廉価な製造が可能になるという利点を有している。
【0010】
水タンクは、例えば開いた容器と蓋とを有していてよい。
【0011】
よって、表側と裏側とが同様に見える、対称的な水タンクが使用可能である。
【0012】
上記課題を解決するために代替的または追加的に、本発明に基づき第2の独立請求項に記載の特徴が設けられていてよい。つまり、特に本発明の第2の態様に基づく、冒頭で述べた形式の全自動コーヒーマシンにおいて、水タンクは、好適には接続開口から離れた位置において磁気によってベース装置に保持されており、磁気的な保持部のための、磁気的に作用する連結部材として、永久磁石が水タンクに配置されていることを提案する。これにより、2つの磁極の間で磁気回路を閉じようとする金属板に生じることが多い、比較的大きなスペースの使用を回避することができる。
【0013】
特に有利なのは、磁気的な連結が、連結部材と対応連結部材との間に形成されている場合であり、この場合、対応連結部材は永久磁石を有しているまたは形成している。この場合に有利なのは、永久磁石と鉄(または鉄合金)との組合せに比べて、より小さなスペースにおいてより大きな保持力が達成可能であるという点である。
【0014】
この場合、連結部材および/または対応連結部材が、特に(それぞれ他方の永久磁石の)磁気的な双極子モーメントに対して横方向の、好適には垂直な軸線を中心として回動可能に配置されていると有利なことがある。つまり、連結部材および/または対応連結部材が適宜に方向付けされていることにより、例えば取付けミスによる、はじき返しにつながる恐れのある誤った向きを回避かつ/または自動修正することができる。
【0015】
この場合、連結部材および/または対応連結部材が球として形成されていると有利である。この場合に有利なのは、特に連結部材および/または対応連結部材が永久磁石として形成されていると、遊びを備えた球がひとりでに正しい向きになり、大きな保持力を発生させるという点である。
【0016】
この場合、それぞれ他方の部材、つまり対応連結部材および/または連結部材は、棒磁石として形成されていてもよい。これは、磁力線の密な出現を可能にし、このことから高い保持力が生じることになる。
【0017】
上記課題を解決するために代替的または追加的に、本発明に基づき第3の独立請求項に記載の特徴が設けられていてよい。つまり、特に本発明の第3の態様に基づく、冒頭で述べた形式の全自動コーヒーマシンにおいて、水タンクは、好適には接続開口から離れた位置において磁気によってベース装置に保持されており、磁気的な保持部のための、磁気的に作用する対応連結部材が、ベース装置において、特に接続開口に対して離間して、プラスチック製のカバーの下に配置されていることを提案する。これにより、ベース装置はより簡単に洗浄可能になり得る。
【0018】
この場合、対応連結部材は、例えば永久磁石および/または磁界に引き込まれる材料であってよい。
【0019】
特に好適なのは、磁気的に連結するための、既述した2つの永久磁石対である。なぜなら、このようにして十分な保持力を、カバーを介して達成することができるからである。
【0020】
この場合、カバーは対応連結部材のカプセルの一部を形成していてよい。これにより、組立てが容易になる。
【0021】
特に有利なのは、既述のように、対応連結部材がカプセル内に-例えば遊びを有して-可動に配置されている場合である。
【0022】
本発明の1つの構成では、水出口は接続開口に差込み接続可能であることが想定されていてよい。この場合に有利なのは、水タンクが簡単に着脱可能であるという点である。さらに有利なのは、水タンクはその下端部において差込み接続により形状結合式に保持可能であるという点である。この場合、磁気的な保持部の磁気的な保持力は、差込み接続の差込み方向に対して横方向に向けられていることが想定されていてよい。これにより、差込み接続により形成された固定点を中心とした水タンクの傾倒を防ぐことができる。
【0023】
本発明の1つの構成では、水タンクに、磁気的に保持するための、磁気的に作用する連結部材が配置されていることが想定されていてよい。これにより、簡単に磁気的な保持力をもたらすことができる。連結部材は、例えば永久磁石として形成されていてよい。連結部材は、例えば代替的または追加的に、磁界に引き込まれる材料として、例えば強磁性の金属から形成されていてよい。この場合、連結部材は、水タンク、特に水容器の壁に組み込まれていてよく、例えば壁の開口に挿入されており、壁に鋳込まれており、かつ/または壁の内面および/または外面に装着されていてよい。
【0024】
連結部材は、代替的または追加的に、蓋に組み込まれていてもよい。これにより、水容器用の射出成形型をより簡単に保持することができる。これは、水容器自体が既に、例えば湾曲部および/または高い側壁による複雑な形状を有している場合に有利である。
【0025】
この場合、連結部材が、水出口よりも充填開口の近くに配置されていることが想定されていてよい。この場合に有利なのは、本発明による水タンクの追加的な保持手段を、少なくとも充填状態において、水タンクの支持台に対して大きく間隔をあけてかつ/または水タンクの重心の上側に形成することができるという点である。これには、水タンクを安定的に保持するために小さな(横方向の)保持力のみを要する。
【0026】
本発明の1つの構成では、ベース装置に、磁気的に保持するための、磁気的に作用する対応連結部材が配置されていることが想定されていてよい。これにより、水タンクに簡単に磁気的な保持力をもたらすことができる。対応連結部材は、例えば永久磁石として形成されていてよい。対応連結部材は、例えば代替的または追加的に、磁界に引き込まれる材料として、例えば強磁性の金属から形成されていてよい。この場合、対応連結部材が接続開口から離間して配置されていることが想定されていてよい。この構成は、接続開口が水容器用の支持台の近くに配置されていることを利用する。これは、この支持台から最大限の間隔をあけて磁気的な保持力を形成することを可能にする。これにより、水タンクをその直立位置に確実に保持するための磁気的な保持力は、ごく小さく形成されてよい。
【0027】
好適には、連結部材と対応連結部材とは、互いに対応し合う位置に配置されている。
【0028】
本発明の1つの構成では、接続開口が対応連結部材の下側に配置されていることが想定されていてよい。この場合に有利なのは、磁気的な保持力を、鉛直方向において好適には水タンクの支持台の上側にもたらすことができる、という点である。これにより、小さな保持力で水タンクの傾倒を防ぐことができる。
【0029】
本発明の1つの構成では、接続開口が水タンク用の支持台に形成されていることが想定されていてよい。これにより、磁気的な保持手段に荷重を加えること無しに、水タンクの重さを簡単に支持することができる。よって、磁気的な保持力を小さく設計することができる。
【0030】
本発明の1つの構成では、水タンクは、少なくとも磁気的に保持されている方向において、その鉛直方向の寸法よりも小さな水平方向の寸法を有していることが想定されていてよい。これにより、例えば底面が側面よりも小さくなっている水タンクが使用可能である。この水タンクの場合、傾倒する危険があることが周知であり、これは、説明した磁気的な保持部によって防ぐことができる。例えば、水平方向の寸法は、鉛直方向の寸法の最大50%、好適には最大20%であることが想定されていてよい。よって、形状の可能性が事実上無制限のタワー形の水タンクが使用可能である。
【0031】
本発明の1つの構成では、水タンクが使用位置において、ベース装置のガイド手段無しの側面に接触していることが想定されていてよい。これは、ベース装置と水タンクとがそれぞれに有する魅力的なデザインを可能にする。例えば、水タンクは側面に面状に接触していることが想定されていてよい。この場合、対応し合う側面は、扁平にまたは互いに適合し合うように湾曲して形成されていてよい。
【0032】
1つの有利な構成では、水タンクが水容器と蓋とを有していることが想定されていてよい。これにより、充填開口を容易に形成することができる。蓋および水容器の製造に、それぞれ異なる工具を使用することもできる。例えば、蓋が水容器に結合されていることが想定されていてよい。これにより、蓋は紛失不能に取付け可能である。好適には、蓋は水容器に、例えばフラップアームのダブルジョイントを介して枢着結合されている。ダブルジョイントの使用は、蓋の取外しに際して保持力を容易に克服するために利用することができる。
【0033】
次に、本発明を1つの実施例に基づきより詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。別の実施例は、個々のまたは複数の保護請求項に記載の特徴を互いにかつ/または実施例の個々のまたは複数の特徴と組み合わせることにより明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明による全自動コーヒーマシンを示す立体斜視図である。
【
図2】
図1に示した水タンクを、蓋が外された状態で示す図である。
【
図4】
図2に示した水タンクの鉛直方向断面図である。
【
図6】
図1に示した全自動コーヒーマシンを水平方向に切断して示す図である。
【
図7】
図6に示した図に関して、水タンクを、隣接するベース装置のケーシングと共に水平方向に切断して示す図である。
【
図8】取り外された、
図1に示した水タンクの裏側を示す図である。
【
図9】蓋が開けられた、
図8に示した水タンクの裏側を示す図である。
【
図10】
図9に示した水タンクの片側を示す図である。
【
図11】
図9に示した水タンクを上から見た図である。
【
図12】
図1に示した全自動コーヒーマシンを水タンクが取り外された状態で示す立体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1には、本発明による全自動コーヒーマシンが立体斜視図で示されている。
【0036】
全自動コーヒーマシン1はベース装置2を有しており、ベース装置2には、ホットドリンクを供給する供給ユニット3と、(内部に設けられた図示しない)ホットドリンク製造手段とが形成されている。ベース装置2はさらに、その時々の所望のドリンクを受け取るためにカップまたはコップを供給ユニット3の下側に周知のように置くことができるカップ置場4を有している。
【0037】
ベース装置2に接して、ドリンク調製用の貯蔵水を保持する水タンク5が配置されている。
【0038】
水タンク5は、水容器35に充填するために取り外すことができる蓋6を有している。水容器35と蓋6とは、実質的に取外し可能な水タンク5を形成している。
【0039】
図2には、取り外された水タンク5が蓋6無しで示されている。
【0040】
水容器35は、その下面7に水出口8を有しており、水出口8を介して貯蔵水をベース装置2に供給することができる。
【0041】
図12には、
図1に示したベース装置が、水タンク5を取り外された状態で示されている。
図12では、水をベース装置2に案内するために水タンクの水出口8に連結可能な接続開口9が看取される。
【0042】
水タンク5は、接続開口上に設置されかつ接続開口から離れた、水タンク5の上部領域11に対応する位置10でより正確に、説明するように磁気によって保持されて使用される。水出口8と接続開口9との接続は、鉛直方向において差込み接続部12に沿って方向付けられた差込み動作によって行われる。位置10における磁気保持力は、この差込み方向13に対して横方向に作用する。これにより、水タンク5の裏側の外面15に接触領域14が生じることになる。
【0043】
磁気保持力は、以下により詳しく説明する保持部16(
図3、
図5および
図7に図示)によって生じる。保持力は、差込み方向13に対して横方向に向けられていると言える。
【0044】
この場合、
図3には
図2の一部の拡大図が示されており、
図5には
図4の右上の角隅部の拡大図が示されている一方で、
図7には
図6に示した立体断面図に対する平面断面図が示されている。
【0045】
水タンク5の両側に、永久磁石18を備えた連結部材17が形成されている。
【0046】
図9~
図11では、連結部材17が蓋6に形成されていることが看取される。連結部材17は、蓋6が閉じられた状態では水容器35の上部領域11にひいては既述した水出口8よりも充填開口19(
図2参照)の近くに配置されている。充填開口19は、蓋6により閉鎖可能である。
【0047】
ベース装置2は、対応する、永久磁石21を備えた対応連結部材20を有している。永久磁石21は、永久磁石18と協働して、方向25に沿って作用する磁気保持力を生じるように方向付けされている。永久磁石21の代わりに、永久磁石18の磁界に引き込まれひいては永久磁石18によって引き付けられる強磁性体が形成されていてもよい。代替的に、永久磁石18がこのような強磁性体によって代替されていてもよい。
【0048】
永久磁石18が蓋6に鋳込まれるかまたは貼り付けられていてよいのに対し、球として形成されていてよい永久磁石21は遊びを有しているため、永久磁石21は、カプセル40内に可動に配置されている。よって、永久磁石21の双極子は、永久磁石18が逆に取り付けられた場合でも、永久磁石18の双極子に対して容易に位置調整することができる。この場合、永久磁石18は棒磁石として形成されている。
【0049】
1つの別の実施例では、永久磁石18は球として形成されており、遊びを有して配置されている。この場合、永久磁石21は球として可動に形成されているか、または不動に配置されていてよい。
【0050】
カプセル40は、連結部材17と対応連結部材20との間の結合線上に配置されたカバー39を有している。切欠き41は、ケーシング23へのねじ固定に用いられる。
【0051】
各図から、2つの同様の保持部16が互いに水平方向に間隔をあけて形成されていることが看取される。
【0052】
連結部材17は、水タンク5の壁22に組み込まれている。対応連結部材20はベース装置2のケーシング23に組み込まれている。
【0053】
接続開口9は、充填された水タンク5の重さを支持する支持台24に組み込まれている。
【0054】
水タンク5は、磁気保持力の方向25において水タンク5の鉛直方向の寸法27よりも小さな水平方向の寸法26を有している。
【0055】
よって、水タンク5の細長い底面28が生じ、底面28は、水タンク5の最大側面よりも小さくなっている。
【0056】
側面29は、底面28の2倍超の大きさである。本発明による水タンク5の場合には全ての側面、つまり側方の側面38もそれぞれ、底面28よりも大幅に大きくなっているということさえ言える。これにより、タワー形の形状の水タンク5が得られる。
【0057】
水タンクの側面29,31,38は、形状結合式の結合を生じさせることができる機械的なガイド手段を備えずに形成されている。同じことが、ベース装置2の側面30にも当てはまる。
【0058】
図8に示した水タンク5の裏側の側面29は、
図1または
図2に示した水タンク5の表側の側面31と実質的に同様に形成されているということが言える。つまり、水タンク5は外見上、対称に形成されている。
【0059】
水容器35の側面29,31,38は、充填レベルを示すために透明に形成されている。側面29,31,38は、水容器35の内部を不明瞭にしか見せない構造を有している。つまり、特に水容器35の内部のフィルタ33を隠すことができる(
図4参照)。
【0060】
図9~
図11ではさらに、蓋が紛失不能に水容器35に取り付けられている。このために蓋6は、フラップアーム36を介して水容器35に枢着結合されている。フラップアーム36は、その端部に各1つのジョイントを形成しているため、蓋6全体を離反旋回させることができ、これにより、充填を容易にすると共に、外方旋回可能な取手37のためのスペースを空けることができる。したがって、全自動コーヒーマシン1において、取外し可能な水タンク5を、磁気保持力によって全自動コーヒーマシン1のベース装置2に保持することを提案する。
【符号の説明】
【0061】
1 全自動コーヒーマシン
2 ベース装置
3 供給ユニット
4 カップ置場
5 水タンク
6 蓋
7 水タンクの下面
8 水出口
9 接続開口
10 位置
11 水タンクの上部領域
12 差込み接続部
13 差込み方向
14 接触領域
15 外面
16 保持部
17 連結部材
18 永久磁石
19 充填開口
20 対応連結部材
21 永久磁石
22 水容器の壁
23 ベース装置のケーシング
24 水容器用の支持台
25 方向
26 水平方向の寸法
27 鉛直方向の寸法
28 水容器の底面
29 水容器の(裏側の)側面
30 ベース装置の側面
31 水容器の(表側の)側面
32 構造体
33 フィルタ
34 水平方向の寸法
35 水容器
36 フラップアーム
37 取手
38 水容器の(側方の)側面
39 21のカバー