(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】第1のユーザーと第2のユーザーが各感情的状態を継続的に知ることができるようにするための方法とシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240724BHJP
【FI】
G06F3/0481
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022201989
(22)【出願日】2022-12-19
【審査請求日】2022-12-19
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】592081254
【氏名又は名称】スワッチ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ヴェルドン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・ロッシ
(72)【発明者】
【氏名】セリム・サラーム
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-マルク・コレル
(72)【発明者】
【氏名】エドアルド・フランツィ
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0381534(US,A1)
【文献】国際公開第2015/029573(WO,A1)
【文献】特開2016-149158(JP,A)
【文献】特開2005-046305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザーと第2のユーザーが互いの感情的状態を継続的に知ることができるようにする方法であって、
第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計(2a)を第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計(2b)とペアリングするペアリングステップ(102)と、
第2のコネクテッド携行型時計(2b)によって、第1のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信させる受信ステップ(116)と、
第1及び第2の領域を含む第2のコネクテッド携行型時計(2b)の携行型時計の面上において、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域上に現在時刻を表示する表示ステップ(120)と、を含み、
第1の領域は、第2のコネクテッド携行型時計(2b)のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記表示ステップ(120)は、第1の領域においてグラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けることによって、第1の領域におけるグラフィック表現を動的に配置するサブステップ(121)を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ペアリングステップ(102)は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)にそれぞれ接続される、第1のユーザーの第1のモバイルデバイス(3a)と第2のユーザーの第2のモバイルデバイス(3b)の間でやりとりをするサブステップ(103)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペアリングステップ(102)は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)の間でやりとりをするサブステップ(103)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ペアリングステップ(102)は、やりとりをするサブステップ(109)を含み、
このやりとりをするサブステップ(109)は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)の間でショックを検出(111)した後に、第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)の間でペアリング識別子を交換するフェーズ(112)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ペアリングステップ(102)は、やりとりをするサブステップ(109)を含み、
このやりとりをするサブステップ(109)は、さらに、互いに感情的通知を交換することについて第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)を認証する認証フェーズ(114)を含み、
前記認証フェーズ(114)は、
第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)のペアリング識別子どうしを関連づける要求を送信するサブフェーズ(115)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記受信ステップ(116)は、受信させる感情的通知を構成する構成サブステップ(117)を含み、
この構成サブステップ(117)は、前記感情的通知を手動生成させる手動生成フェーズ(118)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受信ステップ(116)は、受信させる感情的通知を構成する構成サブステップ(117)を含み、
この構成サブステップ(117)は、前記感情的通知を自動生成する自動生成フェーズ(119)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
第1のユーザーと第2のユーザーの間で互いの感情的状態を継続的に知ることができるようにするシステム(1)であって、
前記システム(1)は、第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計(2a)、及び第1のユーザーの第1のモバイルデバイス(3a)を含み、
第1のコネクテッド携行型時計(2a)は、
第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計(2b)とペアリングし、
第2のコネクテッド携行型時計(2b)から、第2のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信し、
第1及び第2の領域を含む第1のコネクテッド携行型時計(2a)の携行型時計の面における、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域において現在時刻を表示し、第1の領域においてグラフィック表現を動的配置するように構成しており、
第1の領域は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記動的配置は、第1の領域において前記グラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように行われ、
第1のモバイルデバイス(3a)は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)とサーバーに接続されるように構成しており、
第1のモバイルデバイス(3a)は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)と第2のコネクテッド携行型時計(2b)の間でデータを前記サーバーを介して送信するように構成している
ことを特徴とするシステム(1)。
【請求項9】
第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計(2b)とペアリングし、
第2のコネクテッド携行型時計(2b)から、サーバーに接続される第1のユーザーの第1のモバイルデバイス(3a)を介して、第2のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信し、
第1及び第2の領域を含む第1のコネクテッド携行型時計(2a)の携行型時計の面における、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域において現在時刻を表示し、第1の領域においてグラフィック表現を動的配置する、
ことを第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計(2a)の少なくとも1つのプロセッサーにさせるように構成している、コンピューター命令を記憶する、過渡的なものではない、コンピューターが読み取り可能な媒体であって、
第1の領域は、第1のコネクテッド携行型時計(2a)のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記動的配置は、第1の領域において前記グラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように行う
ことを特徴とするコンピューターが読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、第1のユーザーと第2のユーザーが、それらの各感情的状態を、それらのコネクテッド携行型時計のディスプレーを通して、継続的に知ることができるようにする方法、及びそのような方法を実行する、第1のユーザーと第2のユーザーがそれらの各感情的状態を継続的に知ることができるようにするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩のおかげで、コネクテッド携行型時計(connected watch)は、より機能的になった。このような機能の例としては、データ及び音声の通信、カメラを介した画像や動画の捕捉、録音、スピーカーシステムを介した音楽ファイルの再生、ディスプレー上における画像や動画の表示がある。
【0003】
したがって、このようなコネクテッド携行型時計のおかげで、電話呼、ソーシャルネットワークの更新、電子メール、テキストメッセージのような様々なタイプの通知をユーザーが受信することが可能になる。一般的には、ユーザーは、警報(モバイルデバイスによる音響効果や振動など)を通して特定の事象について通知され、携行型時計(例、腕時計、懐中時計)のプリセット設定に従って警報を識別することができ、あるいは警報をユーザーによってプリセットすることができる。例えば、ユーザーは、テキストメッセージの受信を識別するために1つのタイプの警報を選択することができ、また、電子メールの受信を識別するために別のタイプの警報を選択することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに関連して、本開示の実施形態は、既存の技術を置き換えるものであり、前記の携行型時計の様々な用途を用いて説明する。
【0005】
このために、本開示のいくつかの実施形態は、第1のユーザーと第2のユーザーが互いの感情的状態を継続的に知ることができるようにする方法に関し、
第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計を第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計とペアリングするペアリングステップと、
第2のコネクテッド携行型時計によって、第1のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信させる受信ステップと、
第1及び第2の領域を含む第2のコネクテッド携行型時計の携行型時計の面上において、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域上に現在時刻を表示する表示ステップと、を含み、
第1の領域は、第2のコネクテッド携行型時計のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記表示ステップは、第1の領域においてグラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けることによって、第1の領域におけるグラフィック表現を動的に配置するサブステップを含む。
【0006】
本開示の他の実施形態は、以下の特徴を有する。
- 前記ペアリングステップは、第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計にそれぞれ接続される、第1のユーザーの第1のモバイルデバイスと第2のユーザーの第2のモバイルデバイスの間でやりとりをするサブステップを含む。
- 前記ペアリングステップは、第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計の間でやりとりをするサブステップを含む。
- 前記ペアリングステップは、やりとりをするサブステップを含み、このやりとりをするサブステップは、第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計の間でショックを検出した後に、第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計の間でペアリング識別子を交換するフェーズを含む。
- 前記ペアリングステップは、やりとりをするサブステップを含み、このやりとりをするサブステップは、さらに、互いに感情的通知を交換することについて第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計を認証する認証フェーズを含み、前記認証フェーズは、前記ペアリング識別子どうしを関連づける要求を送信するサブフェーズを含む。
- 前記受信ステップは、受信させる感情的通知を構成する構成サブステップを含み、この構成サブステップは、前記感情的通知を手動生成させる手動生成フェーズを含む。
- 前記受信ステップは、受信させる感情的通知を構成する構成サブステップを含み、この構成サブステップは、前記感情的通知を自動生成する自動生成フェーズを含む。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、
第1のユーザーと第2のユーザーの間で互いの感情的状態を継続的に知ることができるようにするシステムに関し、
前記システムは、第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計、及び第1のユーザーの第1のモバイルデバイスを含み、
第1のコネクテッド携行型時計は、
第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計とペアリングし、
第2のコネクテッド携行型時計から、第2のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信し、
第1及び第2の領域を含む第1のコネクテッド携行型時計の携行型時計の面における、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域において現在時刻を表示し、第1の領域においてグラフィック表現を動的配置するように構成しており、
第1の領域は、第1のコネクテッド携行型時計のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記動的配置は、第1の領域において前記グラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように行われ、
第1のモバイルデバイスは、第1のコネクテッド携行型時計とサーバーに接続されるように構成しており、
第1のモバイルデバイスは、第1のコネクテッド携行型時計と第2のコネクテッド携行型時計の間でデータを前記サーバーを介して送信するように構成している。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態は、
第2のユーザーの第2のコネクテッド携行型時計とペアリングし、
第2のコネクテッド携行型時計から、サーバーに接続される第1のユーザーの第1のモバイルデバイスを介して、第2のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信し、
第1及び第2の領域を含む第1のコネクテッド携行型時計の携行型時計の面における、第1の領域上にグラフィック表現を表示し、第2の領域において現在時刻を表示し、第1の領域においてグラフィック表現を動的配置する、
ことを第1のユーザーの第1のコネクテッド携行型時計の少なくとも1つのプロセッサーにさせるように構成している、コンピューター命令を記憶する、一時的なものではない、コンピューターが読み取り可能な媒体に関し、
第1の領域は、第1のコネクテッド携行型時計のディスプレーの特定の表示領域を占め、
前記動的配置は、第1の領域において前記グラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように行う。
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら本開示の例示的実施形態について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る、第1のユーザーと第2のユーザーが、それらの各感情的状態を、それらのコネクテッド携行型時計のディスプレーを通して、継続的に知ることができるようにするシステムを示している概略図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る、第1のユーザーと第2のユーザーが各感情的状態を継続的に知ることができるようにする方法に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1及び2を参照しながら、第1のユーザーと第2のユーザーが、それらのコネクテッド携行型時計2a、2bのディスプレーを通して、それらの各感情的状態を継続的に知ることができるようにするシステム1と方法について説明する。このシステム1と方法のおかげで、第1及び第2のユーザーが、それらのコネクテッド携行型時計2a、2bのディスプレーを見るだけで、他の行為をしなくても、それらの各感情的状態を知り続けることができる。
【0012】
図1を参照すると、システム1は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと、第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bと、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bの間でデータを送信するための通信環境5と、を備える。
【0013】
このシステム1において、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aが第1のユーザーに関連づけられ、第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bが第2のユーザーに関連づけられ、各ユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bには、携行型時計ケースのような本体と、この本体を第1のユーザー又は第2のユーザーの手首などに固定することを可能にするリストレットのようなアタッチメント要素がある。具体的には、各ユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bは、以下を含む。なお、これらに限定されず、かつ/又はこれらがすべてを網羅しているわけではない。
- ハードウェア及びソフトウェア資源を含む処理ユニット10a、10b(「コントローラー」とも呼ばれる)、特に、メモリー要素と連係する少なくとも1つのプロセッサー
- デジタルディスプレーのような視覚的な情報をブロードキャストするためのインタフェース11a、11b
- スピーカーのような音声情報をブロードキャストするためのインタフェース
- 無線通信インタフェース(例、セルラー、無線LAN、Bluetooth)
- 視覚的な情報をブロードキャストするためのインタフェースなどに含まれるタッチインタフェースのような入力インタフェース12a、12b
- 加速度センサー及び/又は磁気センサー及び/又はGセンサー及び/又はジャイロスコープセンサー及び/又は運動センサーを含むショックセンサー13a、13b
- マイクロフォン
- 着用者の生体情報を測定する生体情報センサー14a、14b
【0014】
各コネクテッド携行型時計2a、2bにおいて、処理ユニット10a、10bは、とりわけ、視覚情報及び音声情報をブロードキャストするためのインタフェース、入力インタフェース、マイクロフォン、無線通信インタフェース、及び生体情報センサー14a、14bに接続される。いくつかの実施形態において、生体情報センサー14a、14bは、コネクテッド携行型時計2a、2bのケース裏部及び/又はアタッチメント要素において配置することができる。
【0015】
前記のように、生体情報センサーは、着用者の生体情報を測定する。この生体情報は、主に、着用者の行動的特徴及び生理学的特徴に関連する様々な感情的因子に関連している。これに関連して、生体情報は、呼吸、発汗量、心拍、ブリーズ、まばたき、眼球運動、注視時間、瞳孔径、血圧、脳波、体動、姿勢、皮膚温度、皮膚電気反応(GSR)、微振動(MV)、筋電図(EMG)、血中酸素飽和度(SPO2)、のようないくつかのカテゴリーの感情的因子を含む。なお、これらに限定されず、これらがすべてを網羅するわけではない。これらの感情因子のカテゴリーは、心臓測定ユニット、EMG測定ユニット、頭部電圧測定ユニット、赤外線画像強度分析、圧力センサー、温度センサー、又は発汗センサーによって測定することができる。いくつかの実施形態において、生体情報センサー14a、14bは、着用者の心拍のような感情的因子を検出することができるように特定の場所において着用者によって支持され、あるいは着用者の皮膚に接触する場所において着用者によって着用されるように構成しており、そのために、抵抗値のようなパラメーターを測定することができる。
【0016】
このシステム1において、通信環境5は、第1のユーザーのモバイルデバイス3aと、第2のユーザーのモバイルデバイス3bと、サーバー4と、を含む。この通信環境5は、さらに、モバイルデバイス3a、3b、コネクテッド携行型時計2a、2b及びサーバー4どうしを接続する無線又は有線のネットワークアーキテクチャーを含む。
【0017】
このシステム1において、サーバー4(例、リモートサーバー)は、データベースを含む。また、このサーバー4は、制御ユニット(例、コントローラー)と通信ユニット(例、コミュニケーター)を含む。このサーバー4において、制御ユニットは、ハードウェア及びソフトウェア資源、特にメモリーコンポーネントと連係する少なくとも1つのプロセッサー、を含む。この制御ユニットは、例えば、以下のことをするように、コンピュータープログラムを実行するための命令を実行することができる。
- サーバー4のデータベースを管理し、モバイルデバイス3a、3b、特に、その処理ユニット6a、6b、から到来する/へと送られる、問い合わせ/命令/データを処理すること
- 少なくとも2つのコネクテッド携行型時計2a、2bの間でペアリング手順を実行すること
- 少なくとも2つのコネクテッド携行型時計2a、2bの間の感情的通知16の交換を管理すること
【0018】
また、第1のユーザーのモバイルデバイス3aは、第1のユーザーに関連づけられ、第2のユーザーのモバイルデバイス3bは、第2のユーザーに関連づけられる。各ユーザーのモバイルデバイス3a、3bは、例えば、コンピューター、スマートフォン、タブレットを含むことができる。各モバイルデバイス3a、3bは、以下を含む。なお、これらに限定されず、かつ/又はこれらがすべてを網羅するわけではない。
- ハードウェア及びソフトウェア資源を含む処理ユニット6a、6b(「コントローラー」とも呼ばれる)、特に、メモリー要素と連係する少なくとも1つのプロセッサー
- 情報データの視覚的表現を表示するスクリーンのような表示モジュール7a、7b
- スピーカーのような音声情報を伝達するためのインタフェース
- 各モバイルデバイス3a、3bが、サーバー4又は各コネクテッド携行型時計2a、2bとの通信接続を確立することを可能にする通信インタフェース
- キーボードやタッチ感応性インタフェースのような選択インタフェース8a、8b
- 少なくとも1つのマイクロフォンを含む少なくとも1つのオーディオストリーム捕捉モジュール
- 少なくとも1つの画像を捕捉/取得するためのモジュール9a、9b、特に、少なくとも1つの画像センサーを含むもの
【0019】
各モバイルデバイス3a、3bにおいて、処理ユニット6a、6bは、とりわけ、ブロードキャストインタフェース、通信インタフェース、取得モジュール、及び選択インタフェースに接続される。各モバイルデバイス3a、3bの通信インタフェースは、セルラー電話ネットワークを介して遠隔でデータを送受信するための通信要素、電話ネットワークを介するIPタイプのデータネットワーク、又はWi-Fiのような中距離ネットワーク又はBluetooth技術を実装する短距離ネットワークを介するIPタイプのデータネットワークを含む。
【0020】
また、この処理ユニット6a、6bは、とりわけ、表示モジュール、送信インタフェース、通信インタフェース、選択インタフェースに接続されている。この処理ユニット6a、6bは、特に、以下から受信される/以下へと送信される問い合わせ/命令/データなどを処理するためのコンピュータープログラム命令を実行する命令を実行することができる。
- サーバー4、特に、その制御ユニット、及び/又は
- 第1のユーザー又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10b
【0021】
また、各モバイルデバイス3a、3bの処理ユニット6a、6bは、アプリケーションやアプリとも呼ばれるコンピュータープログラムを実行することができる。より正確には、これに関連して、このアプリケーションは「感情的状態のアプリケーション」である。このアプリケーションを処理ユニット6a、6bが実行するときに、このアプリケーションは、下記の方法のいくつかのステップの一部の実行に寄与することができる。
【0022】
ここで
図2を参照すると、システム1は、第1のユーザーと第2のユーザーが、それらの各感情的状態を、それらのコネクテッド携行型時計2a、2bのディスプレーを通して、継続的に知ることができるようにする方法を実行することができる。
【0023】
このような方法は、通信環境5との接続を確立するステップ100から始まる。これを行うために、このステップ100は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a及び第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bをそれぞれ、第1のユーザーのモバイルデバイス3aと第2のユーザーのモバイルデバイス3bに接続するサブステップ101を含む。このサブステップ101の間に、各コネクテッド携行型時計2a、2bと各モバイルデバイス3a、3bの処理ユニット10a、10b、6a、6bは、通信インタフェースを用いて、好ましくはBluetooth(商標)プロトコルを用いて、互いに接続される。
【0024】
この接続が確立されると、感情的状態のアプリケーションは、各モバイルデバイス3a、3bにてアクティブになり、各コネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10b、及びサーバー4と、データを交換することができる。すなわち、各モバイルデバイス3a、3bの処理ユニット6a、6bが、各コネクテッド携行型時計2a、2bと各対応するモバイルデバイス3a、3bの間に接続が確立されたことを検出するとすぐに、アプリケーションがアクティブになる。
【0025】
この接続を確立するステップ100の目的は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a及び第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bが、通信環境5を通して、互いにペアリングしていないときに、特にサーバー4と、データを交換することを可能にすることである。
【0026】
そして、本方法は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aを第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bとペアリングするステップ102を含む。このステップ102は、これらのコネクテッド携行型時計2a、2bの間の通信リンクを作って、これらのコネクテッド携行型時計2a、2bが通信環境5を通してデータ(例、感情的メッセージ)を交換することを可能にすることに寄与する。少なくとも2つの実施形態において、携行型時計の間のペアリングをするステップ102を実行することができる。
【0027】
第1の実施形態において、このステップ102は、第1のユーザーのモバイルデバイス3aと第2のユーザーのモバイルデバイス3bの間でやりとりをするサブステップ103を含む。このサブステップ103は、第1のユーザーのモバイルデバイス3aのディスプレーに、マトリックスコードを含むグラフィック表現を表示するフェーズ(段階)104を含む。このマトリックスコードは、二次元又は三次元のバーコードであることができる。このマトリックスコードは、例えば、QRコード(登録商標)やデータマトリックスコードを含むことができる。このマトリックスコードは、符号化/暗号化されたバイナリ情報のシーケンスを含む。このグラフィック表現において、マトリックスコードは、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aに関連するデータ、具体的には第1のユーザーのペアリング識別子、を含むバイナリ情報のシーケンスを含む。そして、サブステップ103は、第2のユーザーのモバイルデバイス3bによって、マトリックスコードを含むグラフィック表現をデジタル化するフェーズ105を含む。このフェーズ105の間に、第2のユーザーのモバイルデバイス3bが第1のユーザーのモバイルデバイス3aのすぐ近くに到来して、その捕捉モジュール9bがこのグラフィック表現に対向するように配置されるとすぐに、前記グラフィック表現が取得される。その後で、このサブステップ103は、ペアリングを実行するための第1のユーザーのペアリング識別子に関連するデータを含むバイナリ情報シーケンスを得るために、マトリックスコードを復号化するフェーズ106を含む。
【0028】
その後で、サブステップ103は、互いに感情的メッセージを交換することについて第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bを認証するフェーズ107を含む。このフェーズ107は、第1のユーザーのペアリング識別子を第2のユーザーのペアリング識別子と関連づけるサブフェーズ108を含む。このサブフェーズ108の間に、アプリケーションを実行する第2のユーザーのモバイルデバイス3bの処理ユニット10bは、第1のユーザーのペアリング識別子と第2のユーザーのペアリング識別子との関連づけを構成させる要求をサーバー4に送信する。通信環境5において、このサーバー4は、感情的通知16の交換を管理する。
【0029】
第2の実施形態において、このステップ102は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bの間でやりとりをするサブステップ109を含む。このサブステップ109は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bのペアリング機能をアクティブ化するフェーズ110を含む。このフェーズ110の間に、各コネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10bは、対応するユーザー(第1又は第2のユーザー)によるタッチインタフェースに対するタッチ入力にリンクされる、ペアリング機能のアクティブ化信号を受信する。その後で、前記サブステップ109は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bの間のショックを検出するフェーズ111を含む。このフェーズ111の間に、第1及び第2のコネクテッド携行型時計2a、2bの各処理ユニット10a、10bは、これら2つのコネクテッド携行型時計2a、2bどうしが当たると、ショックセンサー13a、13bから信号を受信する。そして、サブステップ109は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2aと第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bの間でペアリング識別子を交換するフェーズ112を含む。また、サブステップ109は、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a及び第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bによって受信されたペアリング識別子をそれぞれ、それらが接続された第1のユーザーのモバイルデバイス3a及び第2のユーザーのモバイルデバイス3bへと送信するフェーズ113を含む。
【0030】
そして、サブステップ109は、互いに感情的通知を交換することについて第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a及び第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2bを認証するフェーズ114を含む。このフェーズ114は、第1のユーザーのペアリング識別子を第2のユーザーのペアリング識別子と関連づけるようにペアリング識別子どうしを関連づけることの要求を送信するサブフェーズ115を含む。このサブフェーズ115の間に、アプリケーションを実行する第1及び第2のユーザーのモバイルデバイス3a、3bそれぞれの処理ユニット6a、6bは、第1のユーザーのペアリング識別子と第2のユーザーのペアリング識別子との関連づけを構成させる要求をサーバー4へと送信する。前述のように、通信環境5において、このサーバー4は、感情的通知16の交換を管理する。
【0031】
また、本方法は、第1又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bによって、感情的状態に関連するグラフィック表現を含む感情的通知を受信させるステップ116を含む。すなわち、第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a(又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2b)の処理ユニット10aは、第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2b(又は第1のユーザーのコネクテッド携行型時計2a)の処理ユニット10bから前記感情的通知を受ける。
【0032】
このステップ116は、受信させる感情的通知を構成するサブステップ117を含む。このサブステップ117は、前記感情的通知を手動生成するフェーズ118を含む。このフェーズ118の間に、第1又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10bは、そのタッチインタフェースから、第1又は第2のユーザーの感情的状態に関連するグラフィック表現の選択の信号を受信することができる。実際に、この第1又は第2のユーザーは、そのユーザーの感情的状態に対応するそのユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bのディスプレーに表示されたグラフィック表現を選択することができる。グラフィック表現を選択すると、処理ユニット10a、10bは、このグラフィック表現の送信を予期して通知を生成する。
【0033】
代わりに、このサブステップ117は、この感情的通知を自動生成するフェーズ119を含む。このフェーズ119の間に、第1又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10bは、生体情報センサー14a、14bから、少なくとも1つの生体情報にリンクされた測定データを含む信号を受信することができる。そして、このコネクテッド携行型時計2a、2b又はそれが接続されるモバイルデバイス3a、3bの処理ユニット10a、10b、6a、6bは、第1又は第2のユーザーの感情的状態を判断するためのアルゴリズムを実行することができ、このアルゴリズムが前記測定データに適用される。より正確には、このアルゴリズムを実行する前記処理ユニット10a、10b、6a、6bは、このセンサー14a、14bによって与えられる測定データストリームを監視し、感情的状態に関連する変化を識別することができる。感情的状態が識別されると、処理ユニット10a、10bは、そのメモリー要素から、前記感情的状態に対応するグラフィック表現を選択し、そして、このグラフィック表現の送信を予期して通知を生成することができる。
【0034】
このステップ116は、第1及び第2のコネクテッド携行型時計2a、2bの間の接続が不調であるとき及びすべての接続不調の間に、構成された、受信させるすべての感情的通知を記録するサブステップを含むことができる。このサブステップの間に、各感情的通知が作られる第1又は第2のコネクテッド携行型時計2a、2bは、この通知を、その処理ユニット10a、10bのメモリー要素内に、又は接続されているモバイルデバイス3a、3bの処理ユニット6a、6bのメモリー要素内に、記録することができる。このサブステップの後に、ステップ116は、第1及び第2のコネクテッド携行型時計2a、2bの間の接続が再確立されるときに、構成された最後の感情的通知、又はすべての記録された感情的通知を送信するサブステップを含むことができる。
【0035】
また、本方法は、コネクテッド携行型時計2a、2bのディスプレーの特定の表示領域を占める携行型時計の面の第1の領域に(感情的状態に対応する)グラフィック表現を表示し、第2の領域において現在時刻を表示するステップ120を含む。このコネクテッド携行型時計2a、2bにおいて、この携行型時計の面は、主に/厳密に、これらの第1及び第2の領域によって構成/形成される。なお、これらの2つの領域の面は、それらが含むことがあるグラフィックオブジェクトに応じて、互いに対して動的に変わることができる。このような携行型時計の面は、この携行型時計2a、2bのデジタルディスプレーに表示される表盤のグラフィック表現である。このステップ120は、グラフィック表現と第1の領域における少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように、第1の領域においてグラフィック表現を動的に配置するサブステップ121を含む。この携行型時計の面におけるグラフィックオブジェクトは、例えば、このコネクテッド携行型時計2a、2bの機能のアクティブ化/非アクティブ化に関連するアイコン、グラフィック表現、この携行型時計の面に表示される情報(例、温度、月相、歩数、心拍数)などである。このサブステップ121の間に、第1又は第2のユーザーのコネクテッド携行型時計2a、2bの処理ユニット10a、10bは、以下の基準を考慮して、前記少なくとも1つのグラフィックオブジェクトを検出し、前記第1の領域における前記少なくとも1つのグラフィックオブジェクトに対するグラフィック表現の配置を達成することができるデジタル画像処理アルゴリズムを実行する。すなわち、
- 感情的状態に関連するグラフィック表現のグラフィック的寸法構成
- グラフィック表現が動く場合におけるグラフィック的寸法構成の変化
- 携行型時計の面の少なくとも1つのグラフィックオブジェクトのグラフィック寸法構成
- 携行型時計の面の第1の領域における少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの位置
- 少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの携行型時計の面の第1の領域における位置
- 前記少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの色
などである。
【0036】
このサブステップ121は、第1の領域において前記グラフィック表現と少なくとも1つのグラフィックオブジェクトの間の重なり合いを避けるように、第2の領域の面に対して第1の領域の面の大きさを変えるフェーズを含む。
【0037】
したがって、この表示ステップ120のおかげで、携行型時計の面における感情的状態に関連するグラフィック表現の最適な視認性を、特に、そのグラフィック表現をこの携行型時計の面の前記少なくとも1つのグラフィックオブジェクトから目立たせることによって、確実にすることができる。
【0038】
当業者であれば、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく、本開示に対して様々な改変を行うことができることが明らかである。したがって、本開示は、本開示の実施形態の改変及び変異形態をもカバーすることを意図している。
【符号の説明】
【0039】
1 システム
2a 第1のコネクテッド携行型時計
2b 第2のコネクテッド携行型時計
3a 第1のモバイルデバイス
3b 第2のモバイルデバイス
4 サーバー
5 通信環境
6a、6b、10a、10b 処理ユニット
7a、7b 表示モジュール
8a、8b 選択インタフェース
9a、9b 捕捉モジュール
11a、11b ブロードキャストインタフェース
12a、12b 入力インタフェース
13a、13b ショックセンサー
14a、14b 生体情報センサー