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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】油圧装置および動作方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/17 20060101AFI20240724BHJP
   E21D 9/14 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
F15B11/17
E21D9/14
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022514600
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 GB2020052110
(87)【国際公開番号】W WO2021044148
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-08-18
(31)【優先権主張番号】1912665.5
(32)【優先日】2019-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509066031
【氏名又は名称】アルテミス インテリジェント パワー リミティド
【氏名又は名称原語表記】ARTEMIS INTELLIGENT POWER LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルドウェル,ナイル
(72)【発明者】
【氏名】シュタイン,ウーベ
(72)【発明者】
【氏名】マクファーソン,ジル
(72)【発明者】
【氏名】グリーン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マッケイ,カラン
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-503455(JP,A)
【文献】特開2013-249954(JP,A)
【文献】特開2014-034990(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0009753(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22
F15B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1および第2の油圧回路部分であって、
前記第1の油圧回路部分が、第1の油圧回路部分入力、および前記第1の油圧回路部分入力から、少なくとも2つの油圧アクチュエータの第1のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有し、
前記第2の油圧回路部分が、第2の油圧回路部分入力、および前記第2の油圧回路部分入力から、少なくとも2つの油圧アクチュエータの第2のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有する、第1および第2の油圧回路部分、
原動力、
前記原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ前記回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、前記油圧機械の各作業チャンバが、前記作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および前記作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を備え、前記作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、各ポンプモジュールが、1つ以上の前記作業チャンバのグループ、および前記グループ内の各作業チャンバに共通である高圧マニホールドを備える、油圧機械、
油圧接続回路であって、各々がそれぞれのポンプモジュールの前記高圧マニホールドと流体連通している複数の接続回路入力、前記第1の油圧回路部分入力と流体連通している第1の接続回路出力、および前記第2の油圧回路部分入力と流体連通している第2の接続回路出力を備え、前記油圧接続回路が、各前記接続回路入力を前記接続回路出力に接続するように構成され、かつ前記接続回路入力が接続される前記接続回路出力を変更するためにスイッチ可能である複数の弁を備え、そのため各ポンプモジュールが、一度に1つの油圧回路部分に接続され、かつ前記ポンプモジュールの一部または全部に関して、前記それぞれのポンプモジュールが接続される前記油圧回路部分が変更されてもよい、油圧接続回路、
作業チャンバ体積の各サイクル中に各作業チャンバの正味変位を決定するために前記作業チャンバの少なくとも前記低圧弁を能動的に制御し、かつ前記弁を、前記第1の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの前記作業チャンバの前記正味変位が、前記第1の油圧回路部分の作動流体に対する第1のデマンドに応答して制御され、また前記第2の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの前記作業チャンバの前記正味変位が、前記第2の油圧回路部分の作動流体に対する独立した第2のデマンドに応答して制御されるようにも能動的に制御するように構成されたコントローラ、を備え、
前記装置が、ポンプモジュールが1つの油圧回路部分に接続されることから別の油圧回路部分にスイッチされるときに、前記それぞれのポンプモジュールの前記作業チャンバが非能動サイクルのみを実行するようにされ、一方、前記弁がスイッチされる、かつ/または前記作業チャンバがいかなる能動サイクルも開始させないように構成されている、装置。
【請求項2】
前記第1の油圧回路部分が、第1の弁ブロック部分を備え、かつ前記第2の油圧回路部分が、第2の弁ブロック部分を備え、前記第1の弁ブロック部分および前記第2の弁ブロック部分が、弁がその中に位置する金属ブロックの一部であり、また前記第1および第2の弁ブロック部分の各々が、それぞれ前記第1または第2の油圧回路部分入力として機能するポートを各々備えてもよい、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記弁が、ポンプモジュールの高圧ポートを、前記第1の接続回路出力または前記第2の接続回路出力のいずれかに排他的に接続するように電子的に制御可能である切り替え弁である、請求項1~2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項4】
前記コントローラが、作業チャンバ体積の各サイクルに関して、各作業チャンバが、前記作業チャンバの前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または前記作業チャンバの前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、前記作業チャンバの少なくとも前記低圧弁を制御する、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、1つ以上のさらなる油圧回路部分を備え、各さらなる油圧回路部分が、それぞれの油圧回路部分入力、および1つ以上のさらなる油圧アクチュエータを有し、前記油圧接続回路が、各さらなる油圧回路部分に、前記それぞれの油圧回路部分入力と流体連通しているさらなる接続回路出力をさらに備え、前記油圧接続回路の前記複数の弁が、各それぞれのポンプモジュールの前記高圧マニホールドを前記接続回路出力のうちの1つまたは別のものに一度に接続するようにスイッチ可能である、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記油圧回路部分が、前記油圧回路部分によって受容された作動流体のある割合を1つ以上のアクチュエータに切り替えるように制御可能である少なくとも1つの比例弁を各々含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1および/または第2の油圧回路部分が、作動流体が前記油圧回路部分入力から前記油圧回路部分の比例弁を通らずに前記油圧回路部分の少なくとも1つのアクチュエータに流れるように経路を提供する油圧導管と、前記油圧導管を通る流体の流れを選択的に可能にする制御可能バイパス弁と、をさらに備え、これにより前記少なくとも1つのアクチュエータに、1つ以上の比例弁を介して、または前記油圧導管を通して、および任意選択的にその両方で、前記油圧回路部分入力から作動流体が選択的に提供される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
一部または全部のポンプモジュールの前記高圧マニホールドが、第1の弁を通して前記第1の油圧回路部分に、かつ第2の弁を通して前記第2の油圧回路部分に接続されており、前記コントローラが、前記第1および第2の弁のスイッチングを交互に行って、両方が同時に閉鎖されることを回避し、典型的には、前記第1および第2の弁のうちの一方が常開型弁であり、他方が常閉型弁である、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記油圧接続回路が、導管であって、前記第1および第2の接続回路出力の間に延在し、かつ前記導管の長さに沿って複数の流体合流点を有し、各合流点が、異なる接続回路入力に接続している、導管と、前記導管を選択的に遮断し、それによって、どの接続回路入力がどの接続回路出力に接続されるかを決定するように制御可能な複数の遮断弁と、を備え、任意選択的に、前記導管が、閉ループで、前記第1の接続回路出力から前記第2の接続回路出力へ、そして前記第1の接続回路出力に戻るように延在し、前記合流点および遮断弁が、前記ループの周囲に分散されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記油圧接続回路が、前記第1の接続回路出力へと延在する第1のマニホールド部分と、前記第2の接続回路出力へと延在する第2のマニホールド部分と、1つ以上のアクチュエータの第3のグループを備える第3の油圧回路部分の入力に接続された第3の接続回路出力まで延在する、第3のマニホールド部分へと延在する第3のマニホールド部分と、スイッチングマニホールド部分と、を備え、少なくとも前記第1のマニホールド部分、前記第2のマニホールド部分、および前記スイッチングマニホールド部分が、1つ以上の弁を通して1つ以上の前記接続回路入力に各々選択的に接続可能であり、かつ前記油圧接続回路が、前記スイッチングマニホールド部分を前記第1のマニホールド部分または前記第3のマニホールド部分に接続するように制御可能であるマニホールド切り替え弁をさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
一部または全部のポンプモジュールの前記高圧マニホールドが、第1の弁を通して第1の接続回路出力に、および第2の弁を通して第2の接続回路出力に接続されており、かつ前記コントローラが、前記第1および第2の弁のスイッチングを交互に行って、両方が同時に閉鎖されることを回避する、請求項1~1のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記装置が、ポンプモジュールが1つの接続回路出力に接続されることからスイッチされるときに、前記それぞれのポンプモジュールの前記作業チャンバが非能動サイクルを実行するようにされ、一方、前記弁がスイッチされるように構成されている、請求項1~1のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
装置を動作させる方法であって、前記装置が、
第1および第2の油圧回路部分であって、
前記第1の油圧回路部分が、第1の油圧回路部分入力、および前記第1の油圧回路部分入力から、少なくとも2つの油圧アクチュエータの第1のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有し、
前記第2の油圧回路部分が、第2の油圧回路部分入力、および前記第2の油圧回路部分入力から、少なくとも2つの油圧アクチュエータの第2のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有する、第1および第2の油圧回路部分、
原動力、
前記原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ前記回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、前記油圧機械の各作業チャンバが、前記作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および前記作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を備え、前記作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、各ポンプモジュールが、1つ以上の前記作業チャンバのグループ、および前記グループ内の各作業チャンバに共通である高圧マニホールドを含む、油圧機械、
各々がそれぞれのポンプモジュールの前記高圧マニホールドと流体連通している複数の接続回路入力、前記第1の油圧回路部分入力と流体連通している第1の接続回路出力、および前記第2の油圧回路部分入力と流体連通している第2の接続回路出力を備える油圧接続回路であって、各前記接続回路出力を前記油圧回路部分入力に接続するように構成され、かつ前記油圧回路部分入力が接続される前記接続回路出力を変更するためにスイッチ可能である複数の弁を備え、そのため、各ポンプモジュールが、一度に1つの油圧回路部分に接続され、かつ前記ポンプモジュールの一部または全部に関して、前記それぞれのポンプモジュールが接続される前記油圧回路部分が変更されてもよい、油圧接続回路、を備え、
前記装置が、ポンプモジュールが1つの油圧回路部分に接続されることから別の油圧回路部分にスイッチされるときに、前記それぞれのポンプモジュールの前記作業チャンバが非能動サイクルのみを実行するようにされ、一方、前記弁がスイッチされる、かつ/または前記作業チャンバがいかなる能動サイクルも開始させないように構成されており、
前記方法が、
各作業チャンバが前記作業チャンバの前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または前記作業チャンバの前記低圧マニホールドと前記高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、前記作業チャンバの少なくとも前記低圧弁、および前記弁を能動的に制御することであって、これにより前記第1の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの前記作業チャンバの前記正味変位が、前記第1の油圧回路部分の作動流体に対する第1のデマンドに応答して制御され、かつ前記第2の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの前記作業チャンバの前記正味変位が、前記第2の油圧回路部分の作動流体に対する独立した第2のデマンドに応答して制御される、制御することと、
前記油圧接続回路の1つ以上の前記弁をスイッチングすることによって、ポンプモジュールが接続されている前記油圧回路部分を変更することと、
前記それぞれのポンプモジュールが1つの油圧回路部分に接続されることから別の油圧回路部分にスイッチされるときに、前記それぞれのポンプモジュールの前記作業チャンバが非能動サイクルのみを実行するようにされ、かつ/または前記作業チャンバがいかなる能動サイクルも開始させないようにされることと、を含む、方法。
【請求項14】
デマンド信号が、油圧回路部分および/または接続回路部分に対する作動流体の前記正味変位において、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分および/または接続回路出力の変更に応答する、閾値を超える急激な増加を回避するように調節される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも、それぞれの油圧回路部分、またはそれぞれの接続回路出力と流体連通している前記1つ以上のアクチュエータに関連する、作動流体に対する複数のデマンドが、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分または接続回路出力に接続されているかに関係なく、前記複数のデマンドが同時に満たされることができないようなとき、前記複数のデマンドのうちの一部または全部が、スケールファクタによる乗算によって比例的に低減され、そのため、前記複数のデマンドのうちの一部または全部が、合計で、最大でも、個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができる前記ポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度である、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記スケールファクタが、(a)個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができる前記ポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である前記最大変位速度と、(b)前記複数のデマンドの合計との比率であるか、または最大でその比率である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
それぞれの油圧回路部分のための、またはそれぞれの接続回路出力に接続された1つ以上のアクチュエータのための作動流体に対するn個のデマンドがあり、前記n個のデマンドが、どのポンプモジュールがどの接続回路出力に接続されているかに関係なく、前記n個のデマンドが全て同時に満たされることができないようなとき、前記n個のデマンドのうちの1つが、前記それぞれの油圧回路部分または接続回路出力に接続することができる前記ポンプモジュールの最大変位の(100/n)%を超える場合、前記それぞれの油圧回路部分または接続回路出力が、それに接続された前記最大変位の少なくとも(100/n)%を送達することができるポンプモジュールを有し、任意選択的に、n=2である、請求項13または14に記載の方法。
【請求項18】
前記デマンドのうちの1つが、前記ポンプモジュールの前記最大変位の(100/n)%を下回るが、閾値を上回る場合、各油圧回路部分または接続回路部分が、それに接続された前記最大変位の少なくとも(100/n)%を送達することができるポンプモジュールを有し、任意選択的に、前記デマンドのうちの1つが前記閾値を下回る場合、前記デマンドが、スケールダウンされ、これにより、それらが、最大でも、前記油圧回路部分または接続回路出力のいずれかに接続することができる1つのポンプモジュールを除いた全てによって可能である最大変位速度に合計される、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両(例えば、掘削機)または産業機械(例えば、射出成形機械、ウォータージェット切断機械)などの、油圧機械におけるアクチュエータ回路に作動流体の複数のポンプ輸送される流れを提供する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現時点では、従来の掘削機の油圧アクチュエータは、2つのポンプ(第1および第2のポンプ)を、ポンプが同じ原動力によって駆動されるタンデムにすることによって駆動されることが一般的である。典型的には、第1および第2の油圧回路部分が存在し、各油圧回路部分は、作動流体入力からアクチュエータのグループ(アクチュエータの第1および第2のグループ)まで延在する。第1および第2の油圧回路部分の作動流体入力は、第1および第2のポンプに接続され、かつそれらから流体を受容し(1対1の対応で)、その結果、アクチュエータの第1および第2のグループは、通常動作中に異なるポンプから加圧された作動流体を受容する。各作動流体回路部分は、例えば、直列に接続された比例弁を使用することによって、アクチュエータのそれぞれのグループ内の個々のアクチュエータに作動流体を分配し、これは、アクチュエータへの作動流体の制御可能な量を切り替える。反対方向(例えば、左および右旋回機能)に作動するように流体を受容する2つのポートを有する単一のアクチュエータは、同じ比例弁の異なる出力に接続されてもよい。作動流体回路部分入力における流体の圧力は、例えば、関連するアクチュエータの異なる要件(例えば、流量)に起因して、異なるように制御されてもよい。
【0003】
いくつかの状況下では、アクチュエータの流れの要件が、十分に高くなることが知られており、両方のポンプからの流れを組み合わせて、両方のポンプからの加圧された流体を使用して、アクチュエータの一方または両方のグループを一時的に駆動することが有利であり、この目的のために1つ以上の制御可能弁を提供することが知られている。これは、例えば、米国特許第5940997号(Hitachi)において見ることができ、ここでは、アームアクチュエータへのピークフローのために流れを組み合わせるために、比例弁10および8(「アームI」および「アームII」)をスイッチすることができ、ブームアクチュエータへのピークフローのために組み合わせられた流れに、比例弁7および11(「ブームI」および「ブームII」)をスイッチすることができる。組み合わせ機能を実施するための制御可能弁がないと、ポンプは、それぞれ、最大流量および圧力を提供するためにより高い仕様を必要とすることになり、これは、機械のより低い効率につながることになる。
【0004】
上記のアプローチは、特に異なる油圧回路部分に接続されたアクチュエータのグループが異なる流体供給要件を有する場合、実際にはエネルギー効率が悪いことがわかっている。例えば、第1のグループのアクチュエータが、比較的高圧であるが、比較的低流量の作動流体を必要とし、一方で、第2のグループのアクチュエータが、比較的低圧力かつ比較的高流量の作動流体を必要とする場合、ポンプ出力が合流弁によって組み合わせられるとき、比較的高い流体圧力(必要最高圧力)および比較的高い流量の両方を送達するポンプに対する要件が存在する。これは、スプール弁内の通路などの、オリフィスを通るより低い圧力を必要とする油圧回路部分への流体を絞るための要件に起因する実質的なエネルギー損失につながる。また、このシナリオは、例えば、掘削機が道路を削っており、そして掘削機アームを低圧で迅速に動かし、かつブームを高圧でゆっくりと上げることが要求されるときに、非常に一般的であることがわかっている。したがって、混合弁を用いて流れを組み合わせる既存の戦略は、エネルギーの無駄である可能性があり、また本発明の実施形態は、アクチュエータのそれぞれのグループを有する異なる油圧回路部分への作動流体のより効率的に制御された流れを提供しようとするものである。
【0005】
本発明のいくつかの態様は、作動流体をアクチュエータの1つのグループに導くことから、作動流体をアクチュエータの別のグループに導くことへの移行中のポンプの制御に関する問題に対処する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によると、装置が提供され、装置は、
第1および第2の油圧回路部分であって、
第1の油圧回路部分が、第1の油圧回路部分入力、および第1の油圧回路部分入力から、少なくとも2つ(および典型的には少なくとも3つ)の油圧アクチュエータの第1のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有し、
第2の油圧回路部分が、第2の油圧回路部分入力、および第2の油圧回路部分入力から、少なくとも2つ(および典型的には少なくとも3つ)の油圧アクチュエータの第2のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有する、第1および第2の油圧回路部分、
原動力、
原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、油圧機械の各作業チャンバが、作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を備え、作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、各ポンプモジュールが、1つ以上の作業チャンバのグループ、およびグループ内の各作業チャンバに共通である高圧マニホールドを含む、油圧機械、
油圧接続回路であって、各々がそれぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドと流体連通している複数の接続回路入力、第1の油圧回路部分入力(すなわち、第1の油圧回路部分の)と流体連通している第1の接続回路出力、および第2の油圧回路部分入力(すなわち、第2の油圧回路部分の)と流体連通している第2の接続回路出力を備え、油圧接続回路は、各当該接続回路出力を当該油圧回路部分入力に接続するように構成され、かつ当該油圧回路部分入力が接続される接続回路出力を変更するために(例えば、電子的に)スイッチ可能である(典型的にはコントローラの制御下で)複数の弁を備え、これにより各ポンプモジュールが、一度に1つの油圧回路部分に接続され、かつポンプモジュールの一部または全部に関して、それぞれのポンプモジュールが接続される油圧回路部分が変更され得る、油圧接続回路、
各作業チャンバが作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁(およびいくつかの実施形態では、高圧弁も)を能動的に制御し、また第1の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、第1の油圧回路部分の作動流体に対する第1のデマンドに応答して制御され、第2の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、第2の油圧部分の作動流体に対する独立した第2のデマンドに応答して制御されるように、当該弁も能動的に制御するように構成された、コントローラ、を備える。
【0007】
本発明は、第2の態様において、装置を動作させる方法に及び、装置は、
第1および第2の油圧回路部分であって、
第1の油圧回路部分が、第1の油圧回路部分入力、および第1の油圧回路部分入力から、少なくとも2つ(および典型的には少なくとも3つ)の油圧アクチュエータの第1のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有し、
第2の油圧回路部分が、第2の油圧回路部分入力、および第2の油圧回路部分入力から、少なくとも2つ(および典型的には少なくとも3つ)の油圧アクチュエータの第2のグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された複数の弁を有する、第1および第2の油圧回路部分、
原動力、
原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、油圧機械の各作業チャンバが、作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を含み、作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、各ポンプモジュールが、1つ以上の作業チャンバのグループ、およびグループ内の各作業チャンバに共通である高圧マニホールドを備える、油圧機械、
油圧接続回路であって、各々がそれぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドと流体連通している複数の接続回路入力、第1の油圧回路部分入力(すなわち、第1の油圧回路部分の)と流体連通している第1の接続回路出力、および第2の油圧回路部分入力(すなわち、第2の油圧回路部分の)と流体連通している第2の接続回路出力を含み、油圧接続回路は、各当該接続回路出力を当該油圧回路部分入力に接続するように構成され、かつ当該油圧回路部分入力が接続される接続回路出力を変更するために(例えば、電子的に)スイッチ可能である(典型的にはコントローラの制御下で)複数の弁を備え、これにより各ポンプモジュールが、一度に1つの油圧回路部分に接続され、かつポンプモジュールの一部または全部に関して、それぞれのポンプモジュールが接続される油圧回路部分が変更されてもよい、油圧接続回路、を備え、
方法は、
各作業チャンバが作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁(およびいくつかの実施形態では、高圧弁も)を能動的に制御し(例えば、コントローラによって)、そしてこれにより当該弁がまた、第1の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、第1の油圧回路部分の作動流体に対する第1のデマンドに応答して制御され、第2の油圧回路部分に接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、第2の油圧部分の作動流体に対する独立した第2のデマンドに応答して制御される、ことと、
油圧接続回路の1つ以上の当該弁をスイッチングすることによって、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分を変更することと、を含む。
【0008】
油圧接続回路は、ポンプモジュールからの作動流体を油圧回路部分に割り当てるように機能する。接続されるとは、流体的に接続されることを指す。
【0009】
各ポンプモジュールを構成する作業チャンバは、隣接している必要はない。典型的には、各ポンプモジュールは、グループ内の各作業チャンバが接続される(高圧弁を通して)高圧マニホールドである高圧マニホールドを有する。したがって、ポンプモジュールは、作動流体の変位をそのそれぞれの高圧マニホールドを通して、接続回路入力に、およびしたがって、接続回路出力に(油圧接続回路内の弁の設定に応じて)、およびそれによって、油圧回路部分入力にもたらしてもよく、この変位は、ポンプモジュールとは互いに独立している。
【0010】
典型的には、ポンプモジュールの高圧マニホールドは、少なくとも通常動作中に互いに分離される。(低圧マニホールドは、動作に影響を及ぼさない全ての作業チャンバに共通であってもよい)。典型的には、異なる接続回路出力に接続されたポンプモジュールの作業チャンバは、別個のデマンド信号に基づいて制御される。それゆえに、第1および第2の接続回路出力に接続された作業チャンバは、独立した出力圧力および流量を有するように制御されてもよく、1つ以上のポンプモジュール(およびそれらのそれぞれの作業チャンバ)は、第1の接続回路出力に接続されることと、第2の接続回路出力に接続されることとの間で交換されてもよい。
【0011】
作動流体に対する第1および第2のデマンドは、第1および第2の油圧回路部分による、それらのそれぞれのアクチュエータに流体を提供するための作動流体に対するデマンドを示す信号である。第1および第2のデマンド(および任意の第3またはさらなるデマンド)は、作動流体の圧力または流量に対するデマンドであってもよい。第1および第2の油圧回路部分、ならびに/またはアクチュエータの第1および第2のグループの1つ以上のアクチュエータは、それぞれ、センサ、例えば、圧力もしくは流量センサ、またはアクチュエータの場合、位置、速度もしくは加速度センサを備えてもよい。デマンドは、これらのセンサの出力から計算されてもよい。デマンドは、ユーザ動作可能制御、例えば、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーンコントローラ)からの電気信号(アナログもしくはデジタル)または油圧、あるいはジョイスティックまたはハンドルなどの手動動作された制御から計算されてもよい。デマンドは、比例弁制御信号(本発明に関して、任意選択的に、それぞれの油圧回路部分内に備えられる比例弁を制御するために使用されてもよく(これは従来の制御方法である)、またはそうでなくてもよい)から計算されてもよい。デマンドは、CAN(コントローラエリアネットワーク)などの電気通信ネットワークを通して受信された信号(ユーザから、または電子コントローラからにかかわらず)から計算されてもよい。第1および第2(および任意の第3またはさらなる)デマンドは、第1および第2の油圧回路部、およびそれらに接続されたアクチュエータが、独立して制御されることを可能にするために、互いに独立している。典型的には、第1および/または第2のデマンドは、アクチュエータのそれぞれのグループ内の2つ以上のアクチュエータの要件を考慮に入れて決定される。
【0012】
したがって、第1の油圧回路部分入力における作動流体の圧力および第2の油圧回路部分入力における作動流体の圧力は、独立して変化させることができる。第1の油圧回路部分内への(第1の油圧回路部分入力を通って、アクチュエータの第1のグループへの)作動流体の流量、および第2の油圧回路部分内への(第2の油圧回路部分入力を通って、アクチュエータの第2のグループへの)作動流体の流量は、独立して変動してもよい。さらに、作業チャンバ体積の各サイクルに変更が実施されてもよいため、圧力および流量は、急速に変動する場合がある。しかしながら、個々のポンプモジュールを、第1の油圧回路部分から第2の油圧回路部分に、またはその逆に再配分することができ、必要に応じてより多いまたはより少ない数のそれらを一緒に使用することを可能にする。
【0013】
油圧回路部分に接続されるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、油圧回路部分による作動流体に対するデマンドを満たすように制御される。それぞれの接続回路出力に接続されなくなるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、それぞれの油圧回路部分による作動流体に対するデマンドを満たすように制御されなくなる。それぞれの油圧回路部分に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、油圧回路部分による作動流体に対するデマンドを満たすように組み合わせて制御される。
【0014】
これらの特徴の結果、装置は、第1および第2ポンプモジュールの出力が混合弁と組み合わせられ、かつ第1および第2の油圧回路部の両方の入力に直接供給された場合に生じることになる動力の損失を有することなく効率的に動作する。
【0015】
さらに、装置は、その各々が複数の油圧アクチュエータを有する別個の第1および第2の油圧回路部分入力を伴う、第1および第2の油圧回路部分を有する既存の油圧装置内への追加導入またはその修正によって有用に形成されてもよく、したがって、第1および第2の回路部分およびアクチュエータは、修正される必要がない場合がある。
【0016】
第1および第2の油圧回路部分は、少なくとも2つ(および典型的には少なくとも3つのアクチュエータ)を各々備える。それらは、典型的には、アクチュエータのそれぞれのグループ内の異なるアクチュエータに、受容された作動流体の選択可能部分を導く1つ以上の(典型的には複数の)流れ分岐弁を各々備える。流れ分岐弁は、典型的には、比例弁である。典型的には、各油圧回路部分は、異なるアクチュエータに少なくとも2つ、または典型的には少なくとも3つの独立して制御可能な作動流体の供給部を提供する。
【0017】
第1の油圧回路部分は、第1の弁ブロック部分を備え、第2の油圧回路部分は、第2の弁ブロック部分を備えてもよい。1つの弁ブロック部分または各弁ブロック部分は、内部に弁が位置する金属ブロックの一部であってもよい。第1および第2の弁ブロック部分は、それぞれ第1または第2の油圧回路部分入力として機能するポートを各々備えてもよい。
【0018】
油圧接続回路は、油圧機械に適合された弁ブロック(例えば、スイッチング弁を含むブロック)を備えてもよい。これは、油圧回路部分へのポンプモジュールの簡便な接続を可能にする。
【0019】
当該弁は、ポンプモジュールの高圧ポートを、第1の接続回路出力または第2の接続回路出力のいずれかに排他的に接続するように電子的に制御可能である、切り替え弁であってもよい。弁は、切り替え弁であってもよく、また方法は、ポンプモジュールを、第1の接続回路出力に排他的に接続されることから、第2の接続回路出力に排他的に接続されることに、またはその逆にスイッチするために、当該切り替え弁をスイッチすることを含んでもよい。この構成は、第1および第2のポンプモジュール間の作業チャンバのスイッチングにも関わらず、安全かつ確実に実装することができる。弁における流れを遮断することに起因する油圧がヘッドを失う危険性は、ほとんど回避される。各接続回路入力(ポンプモジュールからの流体のための)は、所与の時点で一方または他方のみが開放されるように制御される、それぞれの第1および第2の弁(油圧接続回路の)を通して、第1または第2の接続回路出力(およびしたがって、第1または第2の油圧回路部分)に接続可能であってもよい。各接続回路入力は、(第1または第2の)接続回路入力が第1の接続回路出力に接続される第1の位置と、(第1または第2の)接続回路入力が第2の接続回路出力に接続される第2の位置との間で動作可能な単一切り替え弁を通して、第1または第2の接続回路出力に接続可能であってもよい。
【0020】
各それぞれのポンプモジュール内の1つ以上の作業チャンバは、一緒に接続される。各ポンプモジュールは、油圧接続回路(の接続回路入力)への作動流体の共通出力を有するポンプモジュールであってもよい。方法は、各ポンプモジュールによる作動流体の正味変位を調節することを含む。典型的には、コントローラは、各ポンプモジュールによる作動流体の正味変位を調節するように動作可能である。典型的には、油圧機械は、複数のポンプモジュールを備え、各ポンプモジュールは、1つ以上の作業チャンバのそれぞれのグループを備え、1つ以上の作業チャンバのそれぞれのグループは、それらが油圧接続回路に接続される共通高圧マニホールドを有する。
【0021】
コントローラは、作業チャンバ体積の各サイクルに関して、各作業チャンバが、作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御してもよい。方法は、作業チャンバ体積の各サイクルに関して、各作業チャンバが、作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれを受けるかを決定するために、作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御することを含んでもよい。少なくともいくつかの状況では(例えば、デマンドが値の少なくとも1つの範囲内に留まるとき)、作業チャンバは、能動および非能動サイクルが散在してもよい(典型的には、コントローラは、作業チャンバに能動および非能動サイクルを散在させる)。
【0022】
各ポンプモジュールの高圧マニホールドは、第1の油圧回路部分または第2の油圧回路部分の入力のみに選択的に接続可能であってもよい(および使用中に選択的に接続される)。したがって、2つの当該油圧回路部分のみが存在してもよい。しかしながら、装置は、1つ以上のさらなる油圧回路部分(第nの油圧回路部分、例えば、第3の油圧回路部分)を備えてもよく、各さらなる油圧回路部分は、それぞれの油圧回路部分入力(第n(例えば第3)の油圧回路部分入力)と、1つ以上のさらなる油圧アクチュエータ(例えば、1つ以上のさらなる油圧アクチュエータのグループ、1つ以上の油圧アクチュエータの第n(例えば、第3)のグループ)と、を有する。1つ以上(または各々)のさらなる油圧回路部分は、それぞれの油圧回路部分入力から1つ以上(任意選択的に少なくとも2つまたは典型的には少なくとも3つ)の油圧アクチュエータのそれぞれのさらなるグループの各々への作動流体の流れを調節するように構成された1つ以上の弁をさらに備えてもよい。
【0023】
コントローラは、それぞれのさらなる(第n、例えば、第3の)油圧回路部分に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が作動流体に対するそれぞれのさらなる(第n、例えば、第3の)デマンドに応答して制御されるように、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御してもよい。方法は、それぞれのさらなる(第n、例えば、第3の)油圧回路部分に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が作動流体に対するそれぞれのさらなる(第n、例えば、第3の)デマンドに応答して制御されるように、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御することを含んでもよい。それぞれの油圧回路部分(第n(例えば、第3)の油圧回路部分)内の作動流体の特性、またはアクチュエータのそれぞれのグループ(第n(例えば、第3)のアクチュエータのグループ)のうちの1つ以上の特性を測定するように構成されたそれぞれのさらなるセンサ(第n(例えば、第3)のセンサ)があってもよく、この測定は、第n(例えば、第3)のデマンドを生成するために使用される。油圧接続回路は、各さらなる油圧回路部分に、それぞれの油圧回路部分入力(第n(例えば、第3)の油圧回路部分入力)と流体連通しているさらなる接続回路出力(第n(例えば、第3)の接続回路出力)をさらに備えてもよく、油圧接続回路の複数の弁は、各それぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドを接続回路出力(第1の接続回路出力、第2の接続回路出力、および1つ以上のさらなる接続回路出力)のうちの1つまたは別のものに一度に接続するように(例えば、電子的に)スイッチ可能である。
【0024】
油圧接続回路は、各ポンプモジュールが1つの油圧回路部分に一度に排他的に接続され得るように構成され、1つ以上のポンプモジュールが、当該さらなる油圧回路部分に接続されてもよい。典型的には、油圧接続回路は、各ポンプモジュールが第1または第2の油圧回路部分に接続可能であり、少なくとも1つのポンプモジュールが各油圧回路部分入力に接続可能であるように構成され、そして典型的には、油圧接続回路は、任意の所与の時点で、各ポンプモジュールが、接続可能である油圧回路部分のうちの1つに排他的に接続されるように構成される。コントローラは、さらなる(第n、例えば、第3の)油圧回路部分に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が作動流体に対するさらなる(第n、例えば、第3の)デマンドに応答して制御されるように、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御してもよい。方法は、さらなる(第n、例えば、第3の)油圧回路部分に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が作動流体に対するさらなる(第n、例えば、第3の)デマンドに応答して制御されるように、当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御することを含んでもよい。
【0025】
油圧接続回路は、さらなる油圧回路部分入力の一部または全部を1つ以上のポンプモジュールの一部のみに接続するように(例えば、電子的に)スイッチ可能であってもよい。しかしながら、典型的には、個々の高圧マニホールドを有するポンプモジュールより少ない独立した入力を有する当該油圧回路部分(第1および第2の油圧回路部分に加えて、任意のさらなる当該油圧回路部分)しかない。
【0026】
上述のように、第1および第2の油圧回路部分は、典型的には、第1および第2の弁ブロックを備える。回路部分(典型的には弁ブロック)は、油圧回路部分によって受容された作動流体の割合を1つ以上のアクチュエータに切り替えるように制御可能である少なくとも1つの比例弁を各々含む。1つ以上の当該さらなる油圧回路について、接続回路は、1つ以上のポンプモジュールの高圧マニホールドを油圧アクチュエータに直接接続するように動作可能であってもよい。1つ以上の当該さらなる油圧回路について、接続回路は、介在する比例流量弁なしで、1つ以上のポンプモジュールの高圧マニホールドを油圧アクチュエータに接続するように動作可能であってもよい。コントローラは、当該油圧アクチュエータの標的位置、移動速度または力に関連するデマンド信号に応答して、当該油圧アクチュエータに接続される作業チャンバの正味変位を選択するように動作可能であってもよい。方法は、当該油圧アクチュエータの標的位置、移動速度または力に関連するデマンド信号に応答して、当該油圧アクチュエータに接続される作業チャンバの正味変位を選択することを含んでもよい。したがって、油圧アクチュエータは、1つ以上のポンプモジュールの変位の変動によって直接制御されてもよいが、一方、接続回路は、代わりに、流体の流れを作業チャンバの1つ以上のグループから第1または第2の油圧回路部分へと切り替えてもよく、典型的には、そこで流体流の一部分が、1つ以上の比例流量弁を通過することになる。
【0027】
第1および/または第2の油圧回路部分は、作動流体が油圧回路部分入力から油圧回路部分の比例弁を通らずに油圧回路部分(典型的には、それぞれの油圧回路部分内に含まれる全てのアクチュエータではない)の少なくとも1つのアクチュエータへと流れるように経路を提供する油圧導管と、当該少なくとも1つのアクチュエータに、1つ以上の複数の比例弁を介して、または油圧導管を通って、および任意選択的にその両方で、油圧回路部分入力から作動流体が選択的に提供されてもよいように、油圧導管を通る流体の流れを選択的に(典型的には、コントローラの制御下で)可能にする電子制御可能バイパス弁と、をさらに備えてもよい。方法は、バイパス弁を動作して、第1および/または第2の油圧回路部分の入力によって受容された流体を、油圧回路部分の比例弁を通る以外の油圧回路部分の少なくとも1つのアクチュエータに流れさせることを含んでもよい。したがって、当該少なくとも1つのアクチュエータは、受容された流体によって直接選択的に駆動されてもよい。これは、当該少なくとも1つのアクチュエータによる高流量要件の時点で、それが比例弁を通るエネルギーの損失を低減もしくは回避し、かつ/または必要なときに少なくとも1つのアクチュエータへのより大流量の作動流体を可能にするため、有利である。バイパス弁を設置する1つの代替案は、搾り損失が最大流量容量に対して顕著ではないように、既存の比例弁をより大きい容量比例弁と交換することであることになる。標準的な掘削機では、アクチュエータへの流れは、2つの比例弁によって供給される場合があるが、本出願による設計では、1つの比例弁のみがこのアクチュエータにサービスする。バイパス弁は、顕著な搾り損失なしで全流を提供するために必要である。バイパス弁は、少なくとも1つのアクチュエータによる、または油圧回路部分による、流体に対するデマンドが、閾値デマンドを超えるときに油圧導管を通る流れを可能にするように開放されてもよく、この閾値デマンドは、典型的には、ポンプモジュールの半分超が満たすことが必要とされる。少なくとも1つの比例弁を通る少なくとも1つのアクチュエータへの流路は、バイパス弁が開放されているときに閉鎖されてもよい。これは、比例弁の位置を、直接アクチュエータを使用して、または比例弁の制御(例えば、パイロット)油圧接続の圧力を調整することによって、閉鎖または移動する(コントローラの制御下で)ことによって達成されてもよい。油圧導管およびバイパス弁は、主弁ブロックとは別個であってもよく、または統合されてもよく、その場合、バイパス弁は、典型的には、少なくとも1つのアクチュエータへの作動流体の流れを別様に調節することになる比例弁よりも開放したときに大きい断面積を有することになる。
【0028】
装置は、ポンプモジュールが、1つの油圧回路部分から、別の油圧回路部分に接続されるようにスイッチされたとき(接続回路入力が1つの接続回路出力から別の接続回路出力にスイッチされたとき)、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが非能動サイクル(のみ)を実行させられ、一方で、弁がスイッチされるように、構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。方法は、ポンプモジュールの作業チャンバに非能動サイクル(のみ)を実行させ、一方で、油圧接続回路の弁がポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされるステップを含んでもよい。ポンプモジュールと関連付けられた弁がスイッチされている間、作業チャンバは、いかなる能動サイクルも開始させない(例えば、それらの低圧弁の閉鎖によって)。方法は、ポンプモジュールの作業チャンバにいかなる能動サイクルも開始させず、一方で、油圧接続回路の弁がポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされるステップを含んでもよい。典型的には、少なくともいくつかの状況では、それらは、能動サイクルを別様に実行していることになる。
【0029】
装置は、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分が変更されたとき、スイッチ可能弁がスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を増加するために、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが追加の能動サイクルを実行させられるように構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。方法は、油圧接続回路の弁がポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を増加させるために、ポンプモジュールの作業チャンバに追加の能動サイクルを実行させることを含んでもよい。
【0030】
一部または全部のポンプモジュールの高圧マニホールドは、第1の弁を通して第1の油圧回路部分に、および第2の弁を通して第2の油圧回路部分に接続されてもよい。コントローラは、同時に両方が閉鎖されるのを回避するために、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行ってもよい。方法は、同時に両方が閉鎖されるのを回避するために、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行うことを含んでもよい。第1および第2の弁のうちの一方は、常開型弁であり、他方は、常閉型弁であってもよい。これらの特徴は、油圧がヘッドを失う危険性を低減する。第1および第2の弁をスイッチングするタイミング、および/または1つ以上の作業チャンバに非能動サイクルを実行させ、一方で、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分を変更するタイミングを制御するとき、常開型弁は、閉鎖するよりも迅速に開放され、常閉型弁の場合は逆であることが考慮されてもよい。
【0031】
油圧接続回路は、導管であって、第1および第2の接続回路出力の間に延在し、かつ導管の長さに沿って複数の流体接合部を有し、各流体接合部が異なる接続回路入力に接続する、導管と、導管を選択的に遮断するために制御可能な(典型的にはコントローラによって)複数の遮断弁と、を備え、それによって、どの接続回路入力がどの接続回路出力に接続されるか(およびそれゆえに、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分に接続されるか)を決定してもよい。方法は、当該遮断弁を制御し、それによって、どの接続回路入力がどの接続回路出力に接続されるかを決定することを含んでもよい。導管は、第1の接続回路出力から第2の接続回路出力まで延在し、かつ当該接合部および遮断弁がループの周囲に分散された閉ループで第1の接続回路出力に戻ってもよい。導管は、油圧機械のエンドプレート内に位置してもよい。接合部は、回転可能なシャフトの回転の軸に平行である油圧機械内の軸方向導管との接合部であってもよい。
【0032】
油圧接続回路は、第1の接続回路出力まで延在する第1のマニホールド部分(第1の割り当てマニホールドまたはその一部であり得る)と、第2の接続回路出力および1つ以上のアクチュエータの第3のグループを含む第3の油圧回路部分の入力に接続された第3の接続回路出力まで延在する第3のマニホールド部分まで延在する第2のマニホールド部分(第2の割り当てマニホールドまたはその一部であってもよい)と、スイッチングマニホールド部分と、を備えてもよく、少なくとも第1のマニホールド部分、第2のマニホールド部分、およびスイッチングマニホールド部分が、1つ以上の弁を通して1つ以上の当該接続回路入力に各々選択的に接続可能であってもよく、油圧接続回路は、スイッチングマニホールド部分を第1のマニホールド部分または第3のマニホールド部分に接続するように制御可能である(典型的にはコントローラによって)マニホールド切り替え弁をさらに備えてもよい。方法は、当該マニホールド切り替え弁をスイッチングして、スイッチングマニホールド部分を第1のマニホールド部分に接続されることから第3のマニホールド部分に接続されることに、またはその逆にスイッチすることを含んでもよい。したがって、一部のポンプモジュールは、弁を通して第1または第2のマニホールド部分のいずれかに接続されてもよく、また1つ以上のポンプモジュールは、切り替え弁を備える弁を通して第1または第3のマニホールド部分のいずれかに接続されてもよい。またさらに、1つ以上のポンプモジュールは、マニホールド切り替え弁の動作によって、第1の接続回路出力もしくは第3の接続回路出力への接続から、またはその逆に、一度に、スイッチされ得る。
【0033】
装置は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に等しく接続するように構成されてもよい(典型的には、コントローラが構成される、例えば、プログラムされる)。方法は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に等しく接続することを含んでもよい(油圧接続回路のスイッチを制御することによって)。装置は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、作業チャンバが、第1および第2の油圧回路部分のうちの所定の一方のデマンドを(正常に)満たすために流体を変位させることを可能にするが、第1および第2の油圧回路部分の他方のデマンドを完全に満たすことができないようにするなどのために、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に接続するように構成されてもよい(典型的には、コントローラが構成される、例えば、プログラムされる)。方法は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、作業チャンバが、第1および第2の油圧回路部分のうちの所定の一方のデマンドを(正常に)満たすために流体を変位させることを可能にするが、第1および第2の油圧回路部分の他方のデマンドを完全に満たすことができないようにするなどのために、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に接続する(油圧接続回路のスイッチを制御することによって)ことを含んでもよい。
【0034】
コントローラは、第1および第2のデマンドに応じて、および/または第1および第2のデマンドの将来値の予測に応じて、どの油圧回路部分に1つ以上のポンプモジュールが接続されるかを変更するために、油圧接続回路の弁を制御するように構成されてもよい(例えば、プログラムされる)。
【0035】
コントローラの機能は、2つ以上の別個の回路および/またはハードウェアプロセッサ間に分散されてもよい。
【0036】
方法は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に等しく接続するように、油圧接続回路の弁を動作させることを含んでもよい。方法は、第1および第2の油圧回路部分の総デマンドが装置の最大容量を超えるときに、作業チャンバが、第1および第2の油圧回路部分のうちの所定の一方のデマンドを(正常に)満たすために流体を変位させることを可能にするが、第1および第2の油圧回路部分の他方のデマンドを完全に満たすことができないようにするなどのために、ポンプモジュールを第1および第2の油圧回路部分に接続するように油圧接続回路の弁を動作させることを含んでもよい。
【0037】
方法は、第1および第2のデマンドに応じて、および/または第1および第2のデマンドの将来値の予測に応じて、どの油圧回路部分に1つ以上のポンプモジュールが接続されるかを変更するために、弁を制御するように油圧接続回路の弁を動作させることを含んでもよい。
【0038】
デマンドは、典型的には、それぞれのセンサからの測定値を考慮して計算されたデマンド信号によって表される。それらは、複数のセンサおよび/または手動で動作可能な制御からの測定をさらに考慮に入れて計算されてもよい。
【0039】
我々が参照するマニホールドの高圧および低圧は、相対圧力である。低圧マニホールドは、ポンプ輸送およびそれによって加圧するための作業チャンバへの供給のための作動流体の貯蔵部として作用するか、またはそれと連通する。高圧マニホールドは、作業チャンバの作用によって加圧された作動流体の導管として作用する。
【0040】
上記に説明された特徴のうちの一部は、ポンプモジュールとアクチュエータとの間の接続が変更される場合がある他のカテゴリの油圧装置に関連しており、第3の態様では、本発明は、装置であって、
複数の油圧アクチュエータ、
原動力、
原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、油圧機械の各作業チャンバが、作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を備え、作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、複数のポンプモジュールの各々が、そのポンプモジュールで共通であるそれぞれの高圧マニホールドを有する、油圧機械、
油圧接続回路であって、各々がそれぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドと流体連通している複数の入力、各々が油圧アクチュエータのうちの異なる1つ以上と流体連通している複数の接続回路出力を備え、油圧接続回路が、各当該接続回路入力を当該接続回路出力に接続するように構成され、かつ当該接続回路入力が接続される接続回路出力を変更するために(典型的には電子的に)スイッチ可能である(典型的にはコントローラの制御下で)複数の弁を備え、これにより各ポンプモジュールが、一度に1つの接続回路出力に接続され、それによって、それぞれの接続回路出力と流体連通している油圧アクチュエータのうちの1つ以上に接続される、油圧接続回路、
作業チャンバ体積の各サイクルにおける各作業チャンバの正味変位を決定するために当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を(および一部の実施形態では高圧弁も)能動的に制御するように構成され、これによりそれぞれの接続回路出力に接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、それぞれの接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するそれぞれのデマンドを満たすように制御される、コントローラ、を備える、装置に、より一般的に関する。
【0041】
装置は、デマンドに応じて、および/またはデマンドの将来値の予測に応じて、どの油圧接続回路出力に、およびどの1つ以上のアクチュエータに、ポンプモジュールが接続されるかを変更するために、油圧接続回路の弁を制御するように構成されてもよい(典型的には、コントローラが構成される、例えば、プログラムされる)。
【0042】
本発明は、第4の態様において、装置を動作させる方法に及び、装置は、
複数の油圧アクチュエータ、
原動力、
原動力と駆動係合している回転可能なシャフトを有し、かつ回転可能なシャフトの回転によって周期的に変化する体積を有する少なくとも3つの作業チャンバを備える、油圧機械であって、油圧機械の各作業チャンバが、作業チャンバと低圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する低圧弁、および作業チャンバと高圧マニホールドとの間の作動流体の流れを調節する高圧弁を備え、作業チャンバが、複数のポンプモジュールを形成し、複数のポンプモジュールの各々が、そのポンプモジュールで共通であるそれぞれの高圧マニホールドを有する、油圧機械、
各々がそれぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドと流体連通している複数の入力、各々が油圧アクチュエータのうちの異なる1つ以上と流体連通している複数の接続回路出力を備える油圧接続回路であって、各当該接続回路入力を接続回路出力に接続するように構成され、かつ当該接続回路入力が接続される接続回路出力を変更するために(典型的には電子的に)スイッチ可能である複数の弁を含み、これにより各ポンプモジュールが、一度に1つの接続回路出力に接続され、それによって、それぞれの接続回路出力と流体連通している油圧アクチュエータのうちの1つ以上に接続される、油圧接続回路、を備え、
方法が、作業チャンバ体積の各サイクルにおける各作業チャンバの正味変位を決定するために当該作業チャンバの少なくとも低圧弁を(およびいくつかの実施形態では、高圧弁も)能動的に制御し、これによりそれぞれのアクチュエータに接続されている各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が、それぞれの接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するそれぞれのデマンドを満たすように制御される、ことと、
油圧接続回路の1つ以上の弁をスイッチングすることによって、ポンプモジュールが接続されている接続回路出力、およびそれによって1つ以上の油圧アクチュエータを変更することと、を含む。
【0043】
したがって、それぞれの接続回路出力に接続されるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、それぞれの接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するデマンドを満たすように制御される。したがって、それぞれの接続回路出力に接続されなくなるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、それぞれの接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータよる作動流体に対するデマンドを満たすように制御されなくなる。2つ以上のポンプモジュールがそれぞれの接続回路出力に接続されている場合、それぞれの接続回路出力に接続された各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するデマンドを満たすために組み合わせて制御される。アクチュエータが接続回路出力と流体連通していることによって、油圧接続回路を通してではなく、接続回路出力に油圧的に接続されていることを意味する。
【0044】
典型的には、各ポンプモジュールは、一度に1つのみの接続回路出力に接続されてもよい(例えば、排他的に)。各接続回路出力は、1つのアクチュエータに接続されてもよい(例えば、排他的に)。これは、各アクチュエータに変位された流体の正確な制御を可能にする。しかしながら、各接続回路出力は、1つ以上のアクチュエータのグループに接続されてもよい。典型的には、各アクチュエータは、1つの接続回路出力に接続される(例えば、排他的に)。複数のポンプモジュールは、同じ接続回路出力に接続されてもよい(例えば、接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータを一緒に駆動するために)。
【0045】
各ポンプモジュールを構成する作業チャンバは、隣接している必要はない。典型的には、各ポンプモジュールは、グループ内の各作業チャンバが接続される(高圧弁を通して)高圧マニホールドである高圧マニホールドを有する。したがって、ポンプモジュールは、それぞれの高圧マニホールドを通した作動流体の変位を、接続回路入力に、およびしたがって、接続回路出力に(油圧接続回路内の弁の設定に応じて)、およびそれによって、接続回路出力(およびその出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータに)にもたらしてもよく、この変位は、ポンプモジュールとは互いに独立している。
【0046】
典型的には、ポンプモジュールの高圧マニホールドは、少なくとも通常動作中に互いに分離される。(低圧マニホールドは、動作に影響を及ぼさない全ての作業チャンバに共通であってもよい)。典型的には、異なる接続回路出力に接続されたポンプモジュールの作業チャンバは、別個のデマンド信号に基づいて制御される。それゆえに、異なる回路出力に接続された作業チャンバは、独立した出力圧力および流量を有するように制御されてもよく、ポンプモジュールは、1つの接続回路出力に接続されることから、異なる接続回路出力に接続されることに交換されてもよい。
【0047】
作動流体に対するデマンドは、接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するデマンドを示す信号である。デマンドは、例えば、作動流体の圧力または流量に対するデマンド、またはアクチュエータの位置に対するデマンド(特定のアクチュエータ位置を達成するために制御される流体流に対するデマンド)であってもよい。アクチュエータまたは接続回路出力間の流体接続は、センサ、例えば、圧力もしくは流量センサ、またはアクチュエータの場合、位置、速度もしくは加速度センサを備える。デマンドは、これらのセンサの出力から計算されてもよい。デマンドは、ユーザ動作可能制御、例えば、ユーザインターフェース(例えば、タッチスクリーンコントローラ)からの電気信号(アナログもしくはデジタル)または油圧、あるいはジョイスティックまたはハンドルなどの手動動作された制御から計算されてもよい。デマンドは、比例弁制御信号(本発明に関して、任意選択的に、それぞれの油圧回路部分内に備えられる比例弁を制御するために使用されてもよく(これは従来の制御方法である)、またはそうでなくてもよい)から計算されてもよい。デマンドは、CAN(コントローラエリアネットワーク)などの電気通信ネットワークを通して受信された信号(ユーザから、または電子コントローラからにかかわらず)から計算されてもよい。デマンドは、異なる接続回路出力に接続されたアクチュエータが、独立して制御されることを可能にするように、互いに独立している。
【0048】
したがって、異なる接続回路出力における(およびそれによって1つ以上のアクチュエータの異なるグループによって受容される)作動流体の圧力を、独立して変動させることができる。典型的には、異なる接続回路出力を通る作動流体の流量は、独立して変動する場合がある。さらに、変更が作業チャンバ体積の各サイクルに実装されてもよいため、圧力および流量は、1つ以上のアクチュエータ(異なる接続回路出力に接続された)の個々のグループについて急速に変動する場合がある。しかしながら、個々のポンプモジュールは、接続回路出力(およびそれゆえにアクチュエータ)の間で再配分することができ、必要な場合、それらのより多いまたはより少ない数を一緒に使用されることを可能にする(特定の1つ以上のアクチュエータに対して)。
【0049】
接続回路出力に接続されるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するデマンドを満たすように制御される。接続回路出力に接続されなくなるようにスイッチされるポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータよる作動流体に対するデマンドを満たすように制御されなくなる。それぞれの接続回路出力に接続される各ポンプモジュールの作業チャンバの正味変位は、接続回路出力と油圧連通している1つ以上のアクチュエータによる作動流体に対するデマンドを満たすように組み合わせて制御される。
【0050】
当該弁は、ポンプモジュールの高圧ポートを、第1の接続回路出力または第2の接続回路出力のいずれかに排他的に接続するように電子的に制御可能である、切り替え弁であってもよい。しかしながら、油圧接続回路は、各接続回路入力、および各ポンプモジュールが、複数の(またはいくつかの実施形態では、各々の)接続回路出力のうちのいずれか1つに接続されることを可能にする複数(例えば、マトリックス)の弁を備えてもよい。方法は、ポンプモジュールを、第1の接続回路出力に接続されることから第2の接続回路出力に接続されることにスイッチするために1つ以上の当該弁を動作させることを含んでもよい。
【0051】
複数のスイッチは、接続回路入力を接続回路出力に並列に接続する2つのスイッチを備えてもよい。方法は、所与の時間に一方のみまたは他方のみが開放されるように、2つのスイッチを動作させることを含んでもよい(またコントローラは動作させるように構成されてもよい)。方法は、各接続回路入力(および、各ポンプモジュール)が常に少なくとも1つの接続回路出力に接続されることを確保することを含んでもよい(およびコントローラが確保するように構成されてもよい)。
【0052】
一部または全部のポンプモジュールの高圧マニホールドは、第1の弁を通して第1の接続回路出力に、また第2の弁を通して第2の接続回路出力に接続されてもよい。コントローラは、同時に両方が閉鎖されるのを回避するために、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行ってもよい。方法は、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行うことを含んでもよい。第1および第2の弁のうちの一方は、常開型弁であり、他方は、常閉型弁であってもよい。これらの特徴は、油圧がヘッドを失う危険性を低減する。第1および第2の弁をスイッチングするタイミング、および/または1つ以上の作業チャンバに非能動サイクルを実行させ、一方で、ポンプモジュールを第1の接続回路出力(および第1のアクチュエータまたは1つ以上のアクチュエータのグループ)から接続解除させ、かつ第2の接続回路出力に(および1つ以上のアクチュエータのグループの第2のアクチュエータに)接続させるタイミングを制御するとき、常開型弁は、閉鎖するよりも迅速に開放され、常閉型弁の場合は逆であることをコントローラは考慮する場合がある。
【0053】
第1および第2の態様と同様に、各それぞれのポンプモジュール内の1つ以上の作業チャンバは、一緒に接続される。各ポンプモジュールは、油圧接続回路(の接続回路入力)への作動流体の共通出力を有するポンプモジュールであってもよい。方法は、各ポンプモジュールによる作動流体の正味変位を調節することを含む。典型的には、コントローラは、各ポンプモジュールによる作動流体の正味変位を調節するように動作可能である。典型的には、油圧機械は、複数のポンプモジュールを備え、各ポンプモジュールは、1つ以上の作業チャンバのそれぞれのグループを備え、1つ以上の作業チャンバのそれぞれのグループは、それらが油圧接続回路に接続される共通高圧マニホールドを有する。
【0054】
コントローラは、作業チャンバ体積の各サイクルに関して、各作業チャンバが、作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御してもよい。方法は、作業チャンバ体積の各サイクルに関して、各作業チャンバが、作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴う能動サイクル、または作業チャンバの低圧マニホールドと高圧マニホールドとの間の作動流体の正味変位を伴わない非能動サイクルのいずれかを受けるかを決定するために、作業チャンバの少なくとも低圧弁を制御することを含んでもよい。少なくともいくつかの状況では(例えば、デマンドが値の少なくとも1つの範囲内に留まるとき)、作業チャンバは、能動および非能動サイクルが散在してもよい(典型的には、コントローラは、作業チャンバに能動および非能動サイクルを散在させる)。
【0055】
動作中に油圧接続回路は、典型的には、介在する比例流量弁なしで、油圧回路出力と流体連通している1つ以上の油圧アクチュエータに1つ以上のポンプモジュールを直接接続してもよい。少なくとも1つの(およびいくつかの実施形態では、各々の)接続回路出力が、単一のアクチュエータに接続されてもよい。コントローラは、当該アクチュエータの標的位置、移動速度または力に関連するデマンド信号に応答して、当該油圧回路出力(および単一アクチュエータ)に接続される作業チャンバの正味変位を選択するように動作可能であってもよい。方法は、当該油圧アクチュエータの標的位置、移動速度または力に関連するデマンド信号に応答して、当該油圧アクチュエータに接続される作業チャンバの正味変位を選択することを含んでもよい。したがって、油圧アクチュエータは、1つ以上のポンプモジュールの変位の変動によって直接制御されてもよい。
【0056】
装置は、ポンプモジュールが、1つの油圧回路出力に(および接続回路出力と連通している1つ以上のアクチュエータに)接続されることからスイッチされたとき、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが非能動サイクルを実行されるようにされ、一方で、弁がスイッチされるように、構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。ポンプモジュールと関連付けられた油圧接続回路弁がスイッチされている間、作業チャンバは、いかなる能動サイクルも開始させなくてもよい(例えば、それらの低圧弁の閉鎖によって)。典型的には、少なくともいくつかの状況では、それらは、能動サイクルを別様に実行していることになる。
【0057】
装置は、ポンプモジュールが、1つ以上の接続回路出力に接続されていることから別の接続回路出力に接続されることにスイッチされたとき、弁がスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を増加するために、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが追加の能動サイクルを実行させるように構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。装置は、ポンプモジュールが、1つのアクチュエータに接続されることから別のアクチュエータに接続されることへとスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を弁がスイッチされる前に増加するために、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが追加の能動サイクルを実行するようにされてもよい。
【0058】
装置は、ポンプモジュールが、1つの油圧回路部分に接続されることから、別の油圧回路部分にスイッチされたとき(接続回路入力が1つの接続回路出力から別の接続回路出力にスイッチされたとき)、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバが非能動サイクル(のみ)を実行させられ、一方で、弁(油圧接続回路の)(がスイッチされるように、構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。方法は、ポンプモジュールの作業チャンバに非能動サイクル(のみ)を実行させ、一方で、油圧接続回路の弁がポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされるステップを含んでもよい。ポンプモジュールと関連付けられた接続回路弁がスイッチされている間、作業チャンバは、いかなる能動サイクルも開始させなくてもよい(例えば、それらの低圧弁の閉鎖によって)。方法は、ポンプモジュールの作業チャンバにいかなる能動サイクルも開始させず、一方で、油圧接続回路の弁はポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされるステップを含んでもよい。典型的には、少なくともいくつかの状況では、それらは、能動サイクルを別様に実行していることになる。
【0059】
装置は、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分が変更されたとき、接続回路弁がスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を増加するために、それぞれのポンプモジュールの作業チャンバに追加の能動サイクルを実行させるように構成されてもよい(例えば、コントローラがプログラムされる)。方法は、油圧接続回路の弁がポンプモジュールを異なる油圧回路部分に接続するようにスイッチされる前に、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を増加させるために、ポンプモジュールの作業チャンバに追加の能動サイクルを実行させることを含んでもよい。
【0060】
一部または全部のポンプモジュールの高圧マニホールドは、第1の弁(油圧接続回路の)を通して第1の油圧回路部分に、および第2の弁(油圧接続回路の)を通して第2の油圧回路部分に接続されてもよい。コントローラは、同時に両方が閉鎖されるのを回避するために、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行ってもよい。方法は、同時に両方が閉鎖されるのを回避するために、第1および第2の弁のスイッチングを交互に行うことを含んでもよい。第1および第2の弁のうちの一方は、常開型弁であり、他方は、常閉型弁であってもよい。これらの特徴は、油圧がヘッドを失う危険性を低減する。第1および第2の弁をスイッチングするタイミング、および/または1つ以上の作業チャンバに非能動サイクルを実行させ、一方で、ポンプモジュールが接続されている油圧回路部分を変更するタイミングを制御するとき、常開型弁は、閉鎖するよりも迅速に開放され、常閉型弁の場合は逆であることが考慮されてもよい。
【0061】
コントローラは、デマンドに応じて、および/またはデマンドの将来値の予測に応じて、どの接続回路出力に1つ以上のポンプモジュールが接続されるかを変更するために、弁(油圧接続回路の)を制御するように構成されてもよい(例えば、プログラムされる)。方法は、デマンドに応じて、および/またはデマンドの将来値の予測に応じて、どの接続回路出力に1つ以上のポンプモジュールが接続されるかを変更するために、弁(油圧接続回路の)を制御することを含んでもよい。
【0062】
コントローラの機能は、2つ以上の別個の回路および/またはハードウェアプロセッサ間に分散されてもよい。
【0063】
油圧接続回路は、各アクチュエータに対する方向制御弁(すなわち、アクチュエータの移動方向を制御する弁、例えば、両側ピストンシリンダの一方側または他方側に流体を切り替える弁)を備えてもよい。
【0064】
本発明の第1および第3の態様の装置では、また本発明の第2および第4の態様の方法では、2つ以上の油圧回路部分の作動流体に対する総デマンド(第1のデマンドおよび独立した第2のデマンドの合計に加えて、いくつかの実施形態では、さらなる油圧回路部分の作動流体に対する1つ以上のさらなるデマンド)が、油圧接続回路によって2つ以上の油圧回路部分に同時に接続され得るポンプモジュールの作業チャンバの最大正味変位の高い分画であるか、またはそれを超えるときに問題が生じる場合がある。これが起こるとき、作動流体に対するデマンドの全てを同時に満たすことができず、かつ2つ以上の油圧回路部分のうちの第1のものに接続されたポンプモジュールの作業チャンバの正味変位が完全に満たされない状況が存在する可能性があるが、その後、デマンドのうちの1つ以上の変更に起因して、1つ以上のポンプモジュールが2つ以上の油圧回路部分のうちの第1のものに接続されるようにスイッチされたとき、2つ以上の油圧回路部分のうちの第1のものへの正味変位は、追加容量に起因して、急激に増加し、ジャダおよび装置の制御の困難につながりる可能性がある。
【0065】
したがって、デマンド信号は、ポンプモジュールが接続される油圧回路部分および/または接続回路出力を変更することに応答して、油圧回路部分(本発明の第1または第2の態様の場合)、および/または接続回路出力(本発明の第3または第4の態様の場合)への作動流体の変位において、急激な増加(例えば、閾値を超える増加)を回避するように調節されてもよい。典型的には、ポンプモジュールが接続される油圧回路部分および/または接続回路出力に関するデマンド信号は、調節されるデマンド信号である。
【0066】
デマンドは、例えば、単位時間当たりまたは作業チャンバ体積のサイクル当たりまたは回転可能な軸の回転当たりの、作動流体のデマンドされる流量(第1もしくは第2の態様の場合にはそれぞれの作動流体回路部分に、または第3もしくは第4の態様の場合にはそれぞれの接続回路出力に接続された1つ以上のアクチュエータに)に比例してもよい。それらは、アナログ信号であってもよく、またはデジタル信号であってもよい。
【0067】
それぞれの油圧回路部分(第1もしくは第2の態様の場合)またはそれぞれの接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータ(第3もしくは第4の態様の場合)に関連する、作動流体に対する複数のデマンドが、同時に満たされることができないようなとき、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分または接続回路出力に接続されているかにかかわらず、複数のデマンドのうちの一部または全部は、スケールファクタによる乗算によって低減されてもよい(典型的には比例して)。スケールファクタは、それら(複数のデマンド)が、合計で、最大で、個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度のような(例えば、計算された)ものであってもよい。典型的には、スケールファクタは、(a)個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度と、(b)複数のデマンドの合計(必要に応じて、個々の油圧回路または接続回路出力の各々に関する作動流体に対する)との比率であるか、または最大でその比率である。
【0068】
これは、典型的には、複数のデマンドの合計が、(a)個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度を超えるときに(および(c)個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールの全てによって同時に可能である最大変位速度を超えるときのみならず)適用することになる。
【0069】
ポンプモジュールは、全て同じ容量を有し、かつ同じ油圧または接続回路出力に全て接続することができてもよい。この場合、(a)/(c)の比率は、(ポンプモジュールの数から1を引いた数)と(ポンプモジュールの数)との比率である。
【0070】
いくつかの実施形態では、デマンドは、第1の油圧回路部分、または第1の接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータのための作動流体に対する第1のデマンド、および第2の油圧回路部分、または第2の接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータのための作動流体に対する第2のデマンドから成る。
【0071】
この場合、少なくとも、第1および第2のデマンドの合計が、第1または第2の油圧回路部分に接続されてもよいポンプモジュール、または第1の接続回路出力と流体連通している1つ以上のアクチュエータの最大変位を超えるとき、第1および/または第2のデマンドは、最大で、(a)第1または第2の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度と、(b)第1および第2のデマンドの合計との比率である、スケールファクタによる乗算によって低減されてもよい。
【0072】
これは、複数のデマンドの合計が(a)第1または第2の個々の油圧回路または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールのうちの1つを除く全てによって同時に可能である最大変位速度を超えるときに適用してもよい。
【0073】
これらのスケール比の使用は、さらなるポンプモジュールを油圧回路部分または接続回路出力(必要に応じて)に接続することが、油圧回路部分または接続回路出力への出力変位の急激なジャンプにつながらないという効果を有する。スケーリングされたデマンドが油圧回路部分または接続回路出力に現在接続されているポンプモジュールの最大出力に達するとき、追加のポンプモジュールは油圧回路部分または接続回路出力に接続されてもよい(必要に応じて)。したがって、低減されたデマンドが油圧回路部分または接続回路出力に現在接続されているポンプモジュールの最大出力を決して超えないように、デマンドは、スケールファクタによる乗算によって低減されてもよい(必要に応じて)。
【0074】
より一般的には、各々が関連付けられたデマンドを有し、したがって、合計n個のデマンドを有する、n個の油圧回路部分があってもよい(本発明の第1または第2の態様の場合)。各々が関連付けられたデマンドを有し、したがって、合計n個のデマンドを有する、n個の接続回路出力があってもよい(本発明の第3のまたはさらなる態様の場合)。いくつかの実施形態では、n=2である。しかしながら、nは、2を超えてもよい。
【0075】
それぞれの油圧回路部分(本発明の第1または第2の態様の場合)のための、またはそれぞれの接続回路出力に接続されたアクチュエータ(本発明の第3または第4の態様の場合)のための作動流体に対するn個のデマンドがあり、またn個のデマンドが、どのポンプモジュールがどの接続回路出力に接続されているかに関係なく、n個のデマンドを全て同時に満たすことができないようなとき、n個のデマンドのうちの1つが、それぞれの油圧回路部分または接続回路出力に接続することができるポンプモジュールの最大変位の(100/n)%を超える場合、それぞれの油圧回路部分または接続回路出力は、それに接続された最大変位の少なくとも(100/n)%を送達することができるポンプモジュールを有してもよい。
【0076】
n個のデマンドの第1のデマンドが、当該最大変位の(100/n)%を超えるが、n個のデマンドの別の第2のデマンドが、当該最大変位の(100/n)%未満であり、それにより、第2のデマンドが、当該最大変位の(100/n)%を送達するために必要とされるよりも少ないポンプモジュールを使用して満たすことができる場合、第2のデマンドを満たすために必要とされない1つ以上のポンプモジュールが、第2のデマンドと関連付けられた油圧回路部分または接続回路出力の代わりに、第1のデマンドと関連付けられた油圧回路部分または接続回路出力に接続され、それにより、第1のデマンドと関連付けられた油圧回路部分または接続回路出力が、最大変位の(100/n)%を超えて(および第1のデマンドと関連付けられた油圧回路部分または接続回路出力に送達される変位が、最大変位の(100/n)%を超えて)送達することができるポンプモジュールに接続されている。
【0077】
デマンドのうちの1つが、ポンプモジュールの最大変位の(100/n)%を下回るが、閾値を上回る場合、各油圧回路部分または接続回路部分が、それに接続された最大変位の(100/n)%を送達することができるポンプモジュールを有し、任意選択的に、デマンドのうちの1つが閾値を下回る場合、デマンドは、それらが、最大でも、油圧回路部分または接続回路出力のいずれかに接続することができる1つのポンプモジュールを除いた全てによって可能である最大変位速度に合計されるように、スケールダウンされてもよい。
【0078】
任意選択的に、n=2である。したがって、第1および第2のデマンド(第1および第2の油圧回路部分、または第1および第2の接続回路部分に接続された1つ以上のアクチュエータへの作動流体に対する)があってもよく、第1および第2のデマンドが、どのポンプモジュールが第1の油圧回路部分または接続回路部分に接続され、どのポンプモジュールが第2の油圧回路部分または接続回路部分に接続されているかに関係なく、第1および第2のデマンドが同時に満たされることができないとき、接続回路出力のそれぞれの油圧回路部分は、それに接続された最大変位の50%を送達することができるポンプモジュールを有する。さらに、デマンドのうちの1つが、ポンプモジュールの最大変位の50%を下回るが、閾値を上回る場合、各油圧回路部分または接続回路部分が、それに接続された最大変位の50%を送達することができるポンプモジュールを有し、任意選択的に、デマンドのうちの1つが閾値を下回る場合、デマンドは、それらが、最大でも、第1または第2の油圧回路部分または接続回路出力に接続することができる1つのポンプモジュールを除いた全てによって可能である最大変位速度に合計されるように、スケールダウンされてもよい。
【0079】
方法は接続することを含むか、またはコントローラは、ポンプモジュールを油圧回路部分(第1もしくは第2の態様の場合)または接続回路出力を接続するためなど油圧接続回路を制御するように構成され、そのため、各油圧回路部分または接続回路出力に接続されたポンプモジュールの数または容量は、当該油圧回路部分(第1もしくは第2の態様の場合)、または接続回路出力に接続された1つ以上のアクチュエータ(第3もしくは第4の態様の場合)についての作動流体に対するデマンドに比例し、典型的には、最も近い整数に丸める。
【0080】
各デマンド信号に最大スルーレートを適用するなどの、変位の急激な増加を回避するためにデマンド信号を調節する他の方法を考慮することができる。
【0081】
上記に説明された特徴は、本発明の4つの態様の各々の任意選択の特徴である。
ここで、本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して例示される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】本発明による油圧装置の概略図である。
図2】いくつかの追加の詳細を有して図1に対応する。
図3】ポンプモジュールおよびエンドプレートの部分分解図である。
図4】ポンプモジュールの概略図である。
図5】コントローラの概略図である。
図6A】低負荷における、ポンプ輸送された合流なしの従来技術の機械(6A)と、高負荷における従来のポンプ輸送された合流を伴う従来技術の機械(6B)と、高負荷における(合流なしの)本発明による機械(6C)と、についての2つの油圧回路部分に対する流量デマンド(x軸)対圧力(y軸)のグラフである。
図6B】低負荷における、ポンプ輸送された合流なしの従来技術の機械(6A)と、高負荷における従来のポンプ輸送された合流を伴う従来技術の機械(6B)と、高負荷における(合流なしの)本発明による機械(6C)と、についての2つの油圧回路部分に対する流量デマンド(x軸)対圧力(y軸)のグラフである。
図6C】低負荷における、ポンプ輸送された合流なしの従来技術の機械(6A)と、高負荷における従来のポンプ輸送された合流を伴う従来技術の機械(6B)と、高負荷における(合流なしの)本発明による機械(6C)と、についての2つの油圧回路部分に対する流量デマンド(x軸)対圧力(y軸)のグラフである。
図7】3つの油圧回路部分を有する油圧装置の概略図である。
図8】切り替え弁配置を示す割り当てブロックの整数部分の概略図である。
図9】ポンプモジュールを油圧回路部分に再配分するための動作手順のフローチャートである。
図10】ポンプモジュールを油圧回路部分2から油圧回路部分1に再配分するプロセス中の、2つの油圧回路部分の各々についての流量デマンド信号および最大流量容量、ならびに切り替え弁の制御信号および位置における時間に伴う変化を例示する。
図11】代替的な切り替え弁配置の概略図である。
図12】代替的な切り替え弁配置の概略図である。
図13】代替的な切り替え弁配置の概略図である。
図14】代替的な接続回路配置の概略図である。
図15A】さらなる代替的な接続回路配置の概略図である。
図15B】さらなる代替的な接続回路配置の概略図である。
図16】さらなる代替的な接続回路配置の概略図である。
図17】圧力解放弁配置の概略図である。
図18A】個々の出力に対するデマンド信号を制限せずに、デマンド流量が直線的に上昇したときの時間(x軸)に対する、接続回路出力を通る最大流量(破線)、および所与のデマンド流量(点線)に対する実際の流量(実線)のy軸上のプロットであり、数字は、油圧回路部分/接続回路出力に接続されているポンプモジュールの数を表す。
図18B】個々の出力に対するデマンド信号を制限している間の図18Aに対応する。
図19】第1のアプローチにおける第1および第2の油圧回路部分/接続回路出力によって満たされる流量の概略図である。
図20A図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
図20B図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
図20C図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
図20D図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
図20E図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
図20F図20A図20B、および図20Cは、第2のアプローチにおける第1および第2の出力に対するデマンドされた流量の概略図であり、x軸は、個々のポンプモジュールの容量の単位でデマンドを表し、第1および第2のデマンドの両方は、最大変位の50%を超えており(図20A)、第2のデマンドは、最大変位の50%弱に低減されており(図20B)、第2のデマンドは、デマンド制限なしでさらに低減されており(図20C)、また図20D図20Eおよび図20Fは、図20A図20Bおよび図20Cに対応するが、デマンドが制限されている。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1を参照すると、掘削機1(油圧装置の一例である)は、複数のポンプモジュール4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、4H(複数のポンプモジュールである)を駆動するエンジン2を備え、複数のポンプモジュールの各々は、共通回転シャフト6を通して原動力によって駆動される、ピストンシリンダユニット、PCUの形態で、いくつかの作業チャンバを備える。所与のポンプモジュール内の作業チャンバは、それぞれの高圧マニホールド8A、8B、8C、8D、8E、8F、8G、8Hを通る作動流体の共通の出力を、各高圧マニホールドから流体を受容するための入力(接続回路入力)と、第1および第2の油圧回路部分20、22への入口16、18(油圧回路部分入口)と接続するか、またはそれらとして機能する出力12、14(接続回路出力)と、を有する、割り当てブロック10に提供するように接続される。圧力センサ17、19は、第1および第2の油圧回路部分への入口における圧力を測定する。第1の油圧回路部分は、第1の弁ブロック24および第1の複数のアクチュエータ(6、28、30)、この例では、ブーム26、バケット28、および右トラック30を有する。ブームバイパス弁32は、第1の弁ブロックを通るのではなく、ブームに直接流れるように、入口から第1の油圧回路部分までの作動流体に対する選択可能な代替経路を提供するように構成される。第2の油圧回路部分は、第2の弁ブロック26および第2の複数のアクチュエータ(34、36、38)、この例では、ディッパー34、旋回機能36、および左トラック38を有する。ディッパーバイパス弁40は、第2の弁ブロックを通るのではなく、ディッパーに直接流れるように、入口から第2の油圧回路部分までの作動流体に対する選択可能な経路を提供するように構成される。第1および第2の油圧回路部分は、流体をタンク42に戻るように出力する。コントローラ50は、説明されるように、各作業チャンバ内の流体の流れを調節する弁と、割り当てブロック内の弁と、を制御する。
【0084】
図2の特徴は、図1の特徴に対応し、図2は、割り当てブロック内で、各ポンプモジュールについて、ポンプモジュールの高圧マニホールド(ポンピング時の出力)を、割り当てブロックを通して第1および第2の弁ブロックのそれぞれの出力12、14および入力16、18(接続回路出力)まで延在する第1または第2の割り当てマニホールド56、58のいずれかに接続するように制御可能である、第1および第2の切り替え弁52、54があることを示す。さらに、圧力解放弁55は、各高圧マニホールドをタンクに接続する。コントローラは、入力49を通してセンサからデマンド信号を受信し、入力47を通して圧力(および他のフィードバック信号)を受信し、信号線89、93を通して作業チャンバ弁に、および制御線51を通して割り当てブロックのスイッチ可能弁に信号を送信する。本発明の特別な特徴は、破線ボックス53内に示され、残りの特徴は、掘削機などの既存の油圧装置から既知である。
【0085】
さらなる詳細は、割り当てブロックの単一整数部分について図8に示される。この例では、各ポンプモジュールに対する第1および第2の切り替え弁は、一方が開放され、他方が閉鎖されるようにタンデムで制御されるポペット弁であり、両方が同時に(または短い遅延で、一方が常に開放されていることを確保して、油圧がヘッドを失う危険性を低減するために)開放および閉鎖の間で、またはその逆でスイッチされる。したがって、それらは、切り替え弁として機能する。いくつかの実施形態では、第1および第2の弁は、単一弁制御信号の制御下で一緒に移動する単一弁部材を用いて形成される。他の実施形態では、それらは、別個であるが、タンデムで制御される。第1および第2の弁の各対について、一方は、典型的には、常開型弁であり、他方は、典型的には、常閉型弁であり、この対はまた、特に制御信号が失われた場合の油圧がヘッドを失う危険性を低減する。これは、図8に示され、ここでは弁52が常開型であり、弁54が常閉型である。しかしながら、それらは、両方が常開型であってもよく、または常閉型であってもよい。
【0086】
逆止弁55、57は、それが接続される油圧回路部分から高圧マニホールドに戻る流れを遮断するために、スイッチ可能弁から離れて開放されるように提供される。これは、高圧マニホールドの互いからの隔離を維持し、より高圧のマニホールドからより低圧のマニホールドに流体が排出されることを回避する。1つ以上のポンプモジュールがまた、油圧回路部分のアクチュエータから戻る作動流体を受容するためのモータとしても機能し得る実施形態では、逆止弁を省略することが可能である(少なくともモータとして機能してもよいポンプモジュールに関して)。この場合、図11または図13の構成を使用する配置が有用であることになる。また、逆止弁を、一対の電磁動作単一遮断弁、もしくはパイロット動作逆止弁で置換すること、または逆止弁の周囲に選択的に開放可能なバイパスを含むことも可能であることになる。
【0087】
圧力解放弁59は、過剰圧力の場合に(例えば、ヘッドを失う事象の間)使用するために、タンクに接続するドレインライン61への出口を提供する。
【0088】
コントローラはまたポンプモジュールにも接続され、制御信号を送信して、ポンプモジュールの変位を調節する。ここで説明するように、これは、ポンプモジュールの作業チャンバ内への、およびそこから外への流体の流れを調節する、電子制御される弁に能動制御信号を送信することによって達成することができる。
【0089】
したがって、コントローラは、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分の入力に接続されかをスイッチすることができ、また以下でさらに説明するように、各個々のポンプモジュールの正味変位を調節することができる。
【0090】
ポンプモジュールは、典型的には、各々が複数の作業チャンバ、例えば、360°/nだけ位相がずらされるn個の作業チャンバを含み、nは、2、3または4などの整数である。分散された位相合わせは、それぞれの高圧マニホールド内への流体の比較的平滑な出力を提供する。ポンプモジュールへの作業チャンバの再配分は、典型的には、固定されているが、導管を通じた同じ高圧マニホールドへのポンプモジュール内の各作業チャンバの出力の接続によって画定される。典型的には、同じポンプモジュール内の各作業チャンバは、同じ共有された高圧マニホールドに固定的に接続される。個々のポンプモジュールを形成する作業チャンバは、他のポンプモジュールを形成する作業チャンバとは別個である必要はなく、例えば、異なるポンプモジュールからの作業チャンバは、シャフトに沿って交互配置されてもよく、これは、例えば、シャフトに沿ってトルクを分散するために有利である場合がある。
【0091】
各ポンプモジュール内の作業チャンバの数は、同じである必要はない。ポンプモジュールを形成するために作業チャンバを接続するための1つのアプローチが図3に示され、これは複数の作業チャンバを有するポンプハウジング68に適合するのに好適なポンプエンドプレート66内に形成されている接続を示す。図3は、部分分解図であり、破線は、マニホールドの中心線を示す。ポンプエンドプレートとポンプハウジングのマニホールドとは嵌合する。マニホールド70A、70B、70C、70Dを有する導管は、ポンプハウジングを通って延在し、複数の作業チャンバの各々の高圧出口に内部接続する。各作業チャンバは、1つの導管に接続されている。例では、第1のポンプモジュールは、ポンプハウジングの3つの隣接する孔74のグループ72内に形成され、これらの作業チャンバは、導管70Aに接続される。導管は、孔のグループからその軸に沿ってハウジングを通って延在し、そして導管のポートがエンドプレート上の合致するポートと直接嵌合する機械ハウジングの面と交差する。エンドプレート内では、個々の導管マニホールド70A、70B、70C、70Dは、第1、第2、および第3のポンプモジュール流体マニホールド76A、76B、76Cに内部接続される。各導管ポートは、1つのポンプモジュール流体ポートに接続されるが、ポンプモジュール流体ポートは、1つ以上の導管ポートに接続されてもよい。ポンプモジュール流体マニホールドは、割り当てブロックの別個の入力マニホールドに接続され、そのため個々のポンプモジュールの高圧マニホールド8A、8B、8Cとして機能する。したがって、ポンプモジュールは、それぞれのポンプモジュールから画定される。この例では、各導管が3つの作業チャンバの出力に接続されているため、各ポンプモジュールは、3の倍数の作業チャンバを有する。
【0092】
図4は、ポンプモジュール4Aを実装する電子整流式油圧機械(ECM)の一部分の概略図である。ECMは、シリンダの内側表面によって画定された作業体積81を有するシリンダ80と、偏心カム84によって回転可能なシャフト83により駆動され、かつシリンダの作業体積を周期的に変化させるためにシリンダ内で往復運動するピストン82と、を有する複数の作業チャンバを備える。回転可能なシャフトは駆動シャフトに強固に連結され、駆動シャフトと共に回転する。シャフト位置および/または速度センサ85は、シャフトの瞬間的な角度位置および/または回転速度を決定し、信号線86を通してこれをコントローラ50に送信し、これは、機械コントローラが、各シリンダのサイクルの瞬間的位相を決定することを可能にする。
【0093】
作業チャンバの各々は、電子作動面シールポペット弁87の形態の低圧弁(LPV)と関連付けられ、LPVは、関連付けられた作業チャンバを有し、かつ1つもしくは数個の作業チャンバ、または実際に、本明細書に示されるようにポンプモジュール内の作業チャンバの全てを、装置の低圧作動流体マニホールドおよびタンク42へと接続してもよい、作業チャンバから低圧作動流体マニホールド88へと延在するチャネルを選択的に封鎖するように動作可能である。LPVは、作業チャンバ内の圧力が低圧作動流体マニホールド内の圧力以下である時、すなわち吸気行程の間、作業チャンバを低圧作動流体マニホールドと流体連通状態にするために受動的に開放するが、LPV制御線89を介したコントローラの能動制御下では、作業チャンバを低圧作動流体マニホールドとの非流体連通状態にするために選択的に閉鎖可能な常開型電磁作動弁である。あるいは弁は、常閉型弁であってもよい。
【0094】
作業チャンバの各々は、各々が圧力作動吐出弁の形式をとるそれぞれの高圧弁(HPV)90にさらに関連付けられる。HPVは、それぞれの作業チャンバから外向きに開放し、各々が、1つまたは数個の作業チャンバ、または実際に、図2に示されるようにそれら全てをポンプモジュールの高圧作動流体マニホールド8Aへと接続してもよい、作業チャンバから高圧作動流体マニホールド91まで延在するそれぞれのチャネルを封鎖するように動作可能である。HPVは、弁の両側の圧力差に起因して受動的に開放する常閉型圧力開放逆止弁として機能し、HPV内のバイアス部材の力を考慮する)。またHPVは、そのHPVが関連する作業チャンバ内の圧力によって開放するとHPV制御線93を介してコントローラが選択的に開放状態を維持し得る、常閉型電磁作動逆止弁としても機能する。典型的には、HPVは、高圧作動流体マニホールド内の圧力に対してコントローラによって開放可能ではない。HPVはさらに、高圧作動流体マニホールド内に圧力があるが作業チャンバ内にはない時にコントローラの制御下で開放可能であってよく、または部分的に開放可能であってよい。
【0095】
ポンピングモードにおいて、コントローラは、典型的には関連する作業チャンバのサイクルにおける最大体積点付近でLPVの1つ以上を能動的に閉鎖し、低圧作動流体マニホールドへの経路を閉鎖し、そしてそれによって後続する収縮行程において作動流体を関連するHPVを通して出すように方向付けることによって、油圧ポンプによる作業チャンバから高圧作動流体マニホールドへの作動流体の正味変位速度を選択する(しかし、能動的にHPVを開放状態に維持しない)。コントローラは、選択された正味変位速度を満たすように流れを生成し、またはシャフトトルクまたは動力を生成するために、LPVの閉鎖およびHPVの開放の数および順序を選択する。コントローラによる上記の「選択」は、周期的または継続的にリフレッシュされる。ポンプモジュールが油圧回路部分の特定の部分に配分されるか、またはその部分から配分解除されるとき、選択は、リフレッシュまたは更新される。
【0096】
いくつかの実施形態は、モータリングし、それによって、例えば、アクチュエータが下がったとき、または制動トルクを加えるためにホイールモータがポンプとして動作したときに、油圧回路部分から戻って受容された作動流体からエネルギーを再生し、それを機械的エネルギーに変換することもできる、ポンプモジュールを含んでもよい。これらの場合、ポンプモジュールの作業チャンバはまた、モータに適合され、この場合、コントローラは、HPVだけでなくLPVも能動的に制御し、動作のモータリングモードを実行することができ、コントローラは、そこで高圧作動流体マニホールドを介して、油圧機械によって変位された作動流体の正味変位速度を選択し、関連する作業チャンバのサイクルにおける最小体積点の少し前でLPVの1つ以上を能動的に閉鎖し、低圧作動流体マニホールドへの経路を閉鎖することによって、作業チャンバ内の作動流体を残りの収縮行程によって圧縮させる。関連するHPVは、そのHPVの両側の圧力が均圧である時に開放し、そして少量の作動流体が、油圧機械コントローラによって開放状態に保持された関連するHPVを通して出るように方向付けられる。その後コントローラは、典型的には関連する作業チャンバのサイクルにおける最大体積の付近まで、関連するHPVを能動的に開放状態に保持し、高圧作動流体マニホールドから作業チャンバへと作動流体を流入させ、回転可能なシャフトにトルクを加える。
【0097】
LPVを閉鎖するか開放状態に保持するかをサイクルごとに決定するだけでなく、コントローラは、変化する作業チャンバ体積に対するHPVの閉鎖の正確な位相合わせを変化させ、それによって高圧作動流体マニホールドから低圧作動流体マニホールドへの、またはその逆の作動流体の正味変位速度を選択するように動作可能である。
【0098】
マニホールド86、92の矢印は、モータリングモードにおける作動流体の流れを示し、ポンピングモードにおいては、流れは逆になる。圧力解放弁94は、油圧機械を損傷から保護する場合がある。
【0099】
実際には、ポンプモジュールの各々の各作業チャンバと関連付けられた弁に制御信号を送信し得る共通シャフトおよび単一コントローラによって接続された、図4に示されるようないくつかのポンプモジュールが存在する。ポンプモジュール内の作業チャンバは、シャフトの周囲に均等に離隔される必要はなく、典型的には、シャフトに沿って負荷を分散するために互いに交互配置される。
【0100】
各ポンプモジュールを構成する作業チャンバは、固定されているが、油圧回路部分に流れを提供するポンプモジュールは、切り替え弁を使用して動的に変更することができる。例えば、一時点で、第1の油圧回路部分に接続された4つのポンプモジュール、および第2の油圧回路部分に接続された4つのポンプモジュールがあってもよい。別の時点では、第1の油圧回路部分に接続された6つのポンプモジュール、および第2の油圧回路部分に接続された2つのポンプモジュールがあってもよい。
【0101】
図5は、コントローラ50の概略図である。コントローラは、ポンプモジュール、およびどの作業チャンバがどのポンプモジュールと固定的に関連付けられているかのデータベース104と、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分に現在接続されているかのデータベース106と、を記憶するメモリ102と電子通信状態にあるプロセッサ回路100を含む。コントローラは、第1および第2の油圧回路部分の各々による作動流体に対するデマンドを示すデマンド信号108、ならびに信号線86を通してシャフト位置および/または速度信号を受信する。デマンド信号108は、単純な圧力信号とすることが可能であるが、代替的な実施形態として、デマンド信号は、電子ジョイスティック位置信号の形式とすることができ、一方で、追加の圧力信号は、コントローラへの入力として提供される。コントローラからの出力は、作業チャンバ弁制御線89、93(LPV、および必要に応じてHPVを制御するための)、および割り当てブロック内で切り替え弁52、54を作動させる弁スイッチング制御線110を含む。
【0102】
デマンド信号は、比較的単純な、例えば、それぞれの油圧回路への油圧入力における圧力の測定であってもよく、またはより複雑な、例えば、それぞれの油圧回路の圧力および流量要件の両方を表す信号であってもよい。コントローラは、個々のアクチュエータによって、または手動制御を通して装置のオペレータからのデマンドを示す信号を受信してもよい。この後者のアプローチは、既存の油圧装置との互換性を可能にする。
【0103】
動作中、コントローラは、デフォルト構成から始まる、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分に接続されているかのデータベースを維持する。コントローラはまた、デマンドされた作動流体の体積と、それぞれの油圧部分に接続されたポンプモジュールによって各油圧回路部分へ送達された作動流体の体積との間の差の累算器112(コントローラ内に記憶された内部変数である)も維持する。回転可能なシャフトが回転するにつれて、決定点が、様々な作業チャンバに対して異なる時間(シャフト位置)で到達される。所与の作業チャンバに対する決定点において、コントローラは、どの油圧回路モジュールが作業チャンバに接続されているかを決定し(これは、ポンプモジュール、およびどの作業チャンバがどのポンプモジュールと固定的に関連付けられているかのデータベース104、およびどのポンプモジュールがどの油圧回路部分に現在接続されているかのデータベース106と、を照会する必要がある)、次いで、コントローラは、作業チャンバが接続されている油圧回路部分の累算器を、その回路部分に対する受信されたデマンドに応じて更新する。次いで、コントローラは、累算器値を閾値と比較し、累算されたデマンドが閾値を超える場合、それはスケジュールを作成し、次いで、弁制御信号を送信して、作業チャンバに、作業チャンバが作動流体の正味変位をもたらし、累算器によって記憶された値から作動流体の正味変位を減算する能動サイクルを実行させる。別の方法では、これは、作業チャンバに、作業チャンバが作業流体の正味変位をもたらさず(例えば、コントローラは、作業チャンバ体積のサイクル全体を通してLPVを開放して保持するために作業チャンバのLPVに信号を送信してもよい)、かつ累算器が修正されない、非能動サイクルを実行させる。このように、コントローラは、作業チャンバが接続されている油圧回路部分からのデマンドに応じて、能動サイクルを実行するか否かに関して、各作業チャンバの決定を行う。累算器およびデマンド信号は、任意の簡便なユニットを使用してもよい。1つの既知の例では、デマンドは、「変位分画」として表され、これは、回転シャフトの一回転当たりの最大可能変位の分画であり、Fと呼ばれる。標的流量は、体積の観点で、Fと回転可能なシャフトの回転速度との積である。
【0104】
時折ではあるが、コントローラは、作動流体に対する変化するデマンドを満たすために、ポンプモジュールを1つの油圧回路モジュールから別の油圧回路モジュールに再配分する要件が存在すると決定することになる。この場合、コントローラは、ポンプモジュールの高圧マニホールドを1つの油圧回路モジュールから別の油圧回路モジュール(2つの油圧回路モジュールを有する実施形態では他方の油圧回路モジュール)にスイッチするために、割り当てモジュールにおける関連値に制御信号を送信し、それは、どのポンプモジュールがどの油圧回路モジュールに現在接続されているかのデータベース106を更新する。したがって、将来、決定点が、1つの油圧回路モジュールへの配分から別の油圧回路モジュールへの配分にスイッチされているポンプモジュールの各作業チャンバに対して到達されるとき、コントローラは、新しい油圧回路モジュールの変位累算器の値、したがって、新しい油圧回路モジュールによる作動流体に対するデマンドを読み取る。
【0105】
ポンプモジュールを再配分するために選択される瞬時点は重要であり、瞬時点は、それらの対応するチャンバから生じる脈動/リップルを最小化するために、1つ以上の作業チャンバのサイクルのタイミングに関連して選択されてもよい。接続された作業チャンバから生じる流れの予測は、特に、再配分を実施する瞬時点を選択するために、この配分プロセス中に使用することができる。再配分は、流量提供、または単にある将来時点のための流量容量を増加させるために実施されてもよい。
【0106】
留意すべきことに、コントローラは、かなり異なる圧力および流量を有する作動流体を各油圧回路部分に同時に送達し得る。単純な例では、油圧回路部分への入力における圧力が測定され、各油圧回路部分のための累算器が、測定された圧力と設定点圧力との間の誤差に比例して時間と共に増分される。誤差はまた、時間積分され、累算器に加算されてもよい。圧力設定点は、各油圧回路部分に対しては異なる場合があり、またアクチュエータ上の負荷、または比例弁位置に応答して急速に変動する場合がある。例えば、圧力設定点の顕著な増加に応答して、各配分された作業チャンバは、改訂された圧力設定点が取得されるまで、能動サイクルを実行してもよい。加えて、アクチュエータが吸収していた流量をアクチュエータが増加させた場合、多くの作業チャンバは、圧力設定点を維持するために能動サイクルを受けることを必要とすることになる。さらに、油圧回路部分は、各油圧回路部分に接続されたポンプモジュールによる作動流体の正味変位が完全に独立しているが、各油圧回路部分に接続された作業チャンバは、同じエンジンによって同じシャフトを通して駆動されるため、非常に異なる体積の作動流体を受容する場合がある。
【0107】
コントローラが単一のプロセッサによって実装されているように本明細書に示されているが、当業者は、コントローラの機能が複数のプロセッサおよび/または回路の間に容易に分散され得ることを理解するであろう。
【0108】
本発明の利点は、図6A図6Cから見ることができる。図6Aは、第1および第2の油圧回路部分をアクチュエータのそれぞれのグループを用いて駆動するタンデムポンプを有する、掘削機などの従来の油圧機械の動作を示し、タンデムポンプからの流れの選択的な組み合わせを可能にする制御弁ブロックを有し、一方、流れは、組み合わせられず、比較的低いデマンドレベルである。x軸は、流量を示し、必要な流量を送達するためのポンプモジュールの数に関して数値化されている。すなわち、3~4のx軸上の必要な流量は、4つ以上の(3つをわずかに上回る必要な流量でさえも)ポンプモジュールを必要とすることになる。この場合、各ポンプモジュールは、各々が同じ容量の同じ数の作業チャンバをn個有し、そのためm個のポンプモジュールは、m×n個の作業チャンバの最大流量出力を送達すると仮定される。Qmax1は、1つのポンプの作業チャンバ(4つのポンプモジュールに相当)を使用して送達することができる最大流量であり、Qmax2は、2つのポンプの作業チャンバ(8つのポンプモジュールに相当)を使用して送達することができる最大流量である。y軸は、圧力を示す。部分112の面積は、出力圧力P1および流量Qdemand1における第1の油圧回路部分に対する動力出力(圧力×流量)を示す。部分114の面積は、P1よりも低い出力圧力P2における第2の油圧部分の動力出力と、Qdemand1よりも高い流量Qdemand2と、を示す。同様の総動力出力は、油圧回路部分に提供されるが、かなり異なる圧力および流量特性を有する。
【0109】
図6Bを参照すると、従来の掘削機回路において、1つの油圧回路部分が1つのポンプで満たすことができる流量(Qmax1)よりも大きい作動流体の流量を必要とするとき、制御弁ブロックは、流量要件を満たすことができるように両方のポンプからの流れを組み合わせるが、これは、動力出力がより高い圧力要件P1と総流量要件との積によって決定されることを意味する。したがって、第1の油圧回路部分112の必要な圧力と流量要件との積、およびまた第2の油圧回路部分114の必要な圧力と流量要件との積にも等しい動力要件の代わりに、部分116によって表される動力が無駄になる。実際には、これは、流体流を絞ることによって分散される。これは、1つの油圧回路部分が高圧低流量を要求し、他方が低圧高流量を要求するとき、従来の掘削機配置が非効率であることを実証する。
【0110】
図6Cは、本発明を使用して達成される場合があるものを示す。この例では、第2の油圧回路部分は、比較的低い圧力P2で、8つの利用可能なポンプモジュールのうちの6つを必要とする流量要件を有し、第1の油圧回路部分は、比較的高い圧力P1にかかわらず、8つの利用可能なポンプモジュールのうちの単一ポンプモジュールによって満たすことができる流量要件を有する。コントローラは、ポンプモジュールのうちの6つを第2の油圧回路部分にスイッチし、第1の油圧回路部分に1つのポンプモジュールのみを配分し、そのため、部分116によって表される無駄なエネルギーを有することなく、適切な流量要件112を第1の油圧回路部分に送達し、適切な流量要件114を第2の油圧回路部分に送達することができる。したがって、本発明は、第1および第2の油圧回路部分の要件を効率的に満たす方法を提供している。
【0111】
コントローラは、それぞれの油圧回路部分に接続されたポンプモジュール(複数可)内の作業チャンバの作動流体の正味変位を決定し、かつまた、いつポンプモジュールを1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分にスイッチするかも決定するために、様々な油圧回路部分からのデマンド信号を使用する。デマンド信号は、変位のフィードバック制御のために使用されてもよい。例えば、デマンド信号は、油圧回路部分内の圧力の測定(油圧回路部分への入力の一部または全部における、アクチュエータへと延在する導管における、または油圧回路部分のタンクへの出力において、例えば、油圧回路部分の出力における絞り(オリフィス)の両側での)、およびまた、ジョイスティック位置信号などの手動制御からの信号も含んでもよく、またはそれらから決定されてもよい。デマンド信号は、フィードフォワード制御のために使用されてもよい。例えば、デマンド信号は、ユーザインターフェース(例えば、ジョイスティック位置などの手動で動作可能な制御)、あるいはコントローラによって計算されたデマンド(例えば、装置の現在または意図された活動に応答して)、または油圧回路部分内のスプール弁コマンド(例えば、パイロット弁圧力)および/もしくは比例弁の位置から導出されたデマンドから決定されてもよい。
【0112】
概ね再設計された適用では、第1および第2の油圧回路部分に配分されたアクチュエータを、必要に応じて選択することができ、例えば、第1の部分は、スイングモータ、ディッパー一次アクチュエータ、ブーム二次アクチュエータ、および移動の一方の側を有してもよく、第2の部分は、ディッパー二次、ブーム一次、バケット、および移動の他方側を有してもよい。
【0113】
本発明が既存の装置に追加導入される、概ね従来の用途では、アクチュエータは、油圧回路部分に既に配分されている。
【0114】
図7は、第3の油圧回路部分120がその中にある代替的なシステムアーキテクチャの概略図である。第3の油圧回路部分は、油圧旋回駆動122(例えば、掘削機内の車体の旋回を制御してもよい)を含む。さらなる割り当てブロック124は、ポンプモジュールのうちの4つ(すなわち、一部のみ)の高圧マニホールド8C、8D、8E、8Fと連通しており、主割り当てブロック10と同様に、ポンプモジュールをそれぞれの油圧回路部分入力126(第3の油圧回路部分への入力)へとスイッチするためにコントローラによって制御可能である弁を含む。この第3の入力は、必要に応じて装置を時計回りまたは反時計回りに旋回させるために流体流を調節する旋回方向弁ブロック128を通して旋回駆動に接続される。さらなる割り当てブロックのスイッチ可能弁は、第3の油圧回路部分に接続可能であるポンプモジュール4C、4D、4E、4Fがいつでも3つの油圧回路部分のうちの1つのみに接続されるように、主割り当てブロック10のスイッチ可能弁と協調してコントローラによって制御される。したがって、ポンプモジュール4A、4B、4G、および4Hの出力は、第1または第2の油圧回路部分に切り替えられてもよく、ポンプモジュール4C、4D、4E、および4Fの出力は、第1、第2、または第3の油圧回路部分に切り替えられてもよい。コントローラは、第3の油圧回路部分のためのデマンド信号を受信し、かつ第3の油圧回路部分のための累算器を維持し、それによって、デマンドを満たすように第3の油圧回路部分への作動流体の変位を適合させる。さらなる割り当てブロックは、主割り当てブロックと統合されてもよい。
【0115】
図1および図2に示されるように、油圧回路部分内で、バイパス弁(典型的には、スプール弁)32および40を、主弁制御ブロック内の比例弁をバイパスして、直接的に特定のアクチュエータ(ブームバイパス弁32の場合はブーム、ディッパーバイパス弁40の場合はディッパー)へと作動流体を選択的に送るために提供することができる。これは、特に高体積流量の作動流体を消費する場合があるアクチュエータ(ブームまたはディッパー機能など)にとって、比例弁は、絞りを通るエネルギーの過度の損失につながる場合がある、または十分な作動流体がこれらの機能に供給されることを防止する場合さえもあるため、有利である。これは、一次スプールが過度に動力を絞り、かつ圧力降下が過大であることになる、既存の掘削機装置に本発明を適合させるときに特に有用である。既存の掘削機装置は、一次および二次スプールを介していくつかのアクチュエータにサービスすることになる。本発明を追加導入するために(例えば、掘削機に)、アクチュエータ用の二次スプールは、遮断されることになる。(本発明が追加導入ではなく製造中に設計されている場合、バイパススプールを必要とせず、1つのより高容量のスプールのみを有することが可能である。
【0116】
それゆえに、図7の実施形態では、旋回回路は、1つ以上のポンプモジュールに、それらの間に任意の比例弁なしで、直接接続することができる(従来の掘削機では一般的であるように)。さらに、旋回アクチュエータに接続されたポンプモジュールは、旋回機能のみに関するデマンド信号に基づいて正確に制御されてもよい。この構成は、エネルギー効率が高く(比例弁を省略し、かつ絞りを低減または回避するため)、またアクチュエータの動きの細かい制御を可能にする(旋回アクチュエータと直接流体連通しているそれぞれのポンプモジュールの作業チャンバが変位制御モードで動作するため)。
【0117】
当業者は、第3の油圧回路部分および任意の他のさらなる油圧回路部分が、ポンプモジュールの任意のサブセット、またはその全てにさえ接続されてもよいことを理解するであろう。しかしながら、全てのポンプモジュールをそのアクチュエータに配分することは、特定のアクチュエータの最大流量要件に起因して意味をなさない場合がある。
【0118】
図1および図2の実施形態では、第1および第2の油圧回路部分へのポンプモジュールの接続の256個の可能な組み合わせが存在するが(そのうちの254個は、少なくともいくつかの流れを両方の油圧回路部分に提供する)、ポンプモジュールが全て同じ容量を有する場合、各油圧回路部分に配分されるポンプモジュールの数について、事実上、9つの異なる選択が存在する。
【0119】
いくつかの実施形態では、ポンプモジュールのうちの1つ以上は、回路部分のうちの1つに固定的に接続され、それぞれの流体流は、割り当て弁を通過しない。固定配分ポンプモジュールの作業チャンバは、同じ回路部分に現在接続されている任意の他のポンプモジュールの作業チャンバと共に、常に制御されて、その回路部分の作動流体に対するデマンドを一緒に満たす。
【0120】
例では、次のように8つのポンプモジュールを接続することができる:
ポンプモジュール1:回路部分1のみ
ポンプモジュール2:回路部分1のみ
ポンプモジュール3:回路部分2のみ
ポンプモジュール4:回路部分2のみ
ポンプモジュール5:回路部分1または2
ポンプモジュール6:回路部分1または2
ポンプモジュール7:回路部分2または3(例えば、スイングまたは旋回回路であってもよい)
ポンプモジュール8:回路部分2または3(例えば、スイングまたは旋回回路であってもよい)
この場合、回路部分1は、最大5つのポンプモジュールの出力を受容してもよく、回路部分2もまた、最大5つのポンプモジュールの出力を受容してもよく、また回路部分3は、最大2つのポンプモジュールの出力を受容してもよい。特定の油圧回路部分に固定的に接続/配分されるいくつかのポンプモジュールの包含は、複雑さおよびコストを低減することができるが、それはまた、柔軟性も低減する。
【0121】
図9は、1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分へのポンプモジュールのスイッチングを調節するためにコントローラによって実行される動作手順のフローチャートである。継続的に、コントローラは、第1の油圧回路部分150Aおよび第2の油圧回路部分150Bによって必要とされる流れを監視する。コントローラは、次いで、必要とされる流体の流れを第1および第2の油圧回路部分に供給するために必要とされる作業チャンバ/PCUの数を定期的に計算する(152A、152B)。次いで、データベース104、106を参照して、コントローラは、各油圧回路部分に現在接続されているポンプモジュールの一部である作業チャンバが、必要な流量を提供するのに十分であるか否か、およびそれらが再分配されるべきか否かを決定する。配分を変更する必要がない場合、手順は、開始から再び継続する。そうでない場合、コントローラは、1つ以上のポンプモジュールが再配分されるべきであると決定し(154)、それは、どのポンプモジュール(複数可)が再配分されるべきかを決定し(156)、次いで、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分に配分されるかのデータベース106を更新し、弁制御信号158を切り替え弁52、54に送信して、変更を実施する。この転換手順の詳細は、以下にさらに説明される。将来において、個々の作業チャンバに能動サイクルを実行させるか否かの決定点に到達したとき、コントローラは、それぞれの作業チャンバが作業チャンバ体積の能動または非能動サイクルを受けるべきか否かを決定するときに、関連する作業チャンバが接続される油圧回路部分に対するデマンドおよびデマンド累算器を自動的に考慮することになる。
【0122】
コントローラはまた、個々のポンプモジュールのトルク、流量または出力の制限も考慮し、これらは、ポンプモジュールがある油圧回路部分から別の油圧回路部分に再配分されるにつれて動的に変動する。
【0123】
全ての油圧回路部分による流体の総デマンドが油圧機械の全体的な容量内である場合、ポンプモジュールを、各油圧回路部分に配分された作業チャンバの総数が、デマンドされた変位を、必要に応じて切り上げて供給するように、油圧回路部分に配分することができる。しかしながら、各油圧回路部分による流体に対する総デマンドが油圧機械の全体的な容量を超える場合、または各ポンプモジュール内の作業チャンバの数を考慮して満たすことができない場合、コントローラは、代替的な戦略を採用する。
【0124】
1つの戦略において、過負荷基準が満たされるとき、コントローラは、第1の油圧回路部分に利用可能な総数の半分、および第2の油圧回路部分に利用可能な総数の半分に等しい作業チャンバを有するポンプモジュールを配分する。あるいは、一方の油圧回路部分が、優先順位付けされ、かつデマンドを満たすのに十分な作業チャンバを配分されてもよく、一方で他方の油圧回路部分は、潜在的な合計変位がデマンドを満たすのに不十分である残りの作業チャンバに配分される。例えば、ステアリングアクチュエータを備える油圧回路部分を優先することが決定されてもよい。可能な所与の即時デマンドがある場合にコントローラが復帰する、油圧回路部分へのポンプモジュールの配分のデフォルト状態があってもよい。
【0125】
例えば、各油圧回路部分は、必要に応じて丸めることなく、現在の、または時間平均された、または予測された総変位デマンドの分画として、その現在の、または時間平均された、または予測された変位デマンドに等しい作業チャンバの割合を配分されてもよい。
【0126】
ポンプモジュールが1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分に再配分されると決定されるとき、再配分されるポンプモジュール(複数可)は、次のうちの1つ以上を考慮して選択されてもよい:
-共通化されることになる特定のポンプモジュールもしくは特定の数のポンプモジュールに対する選好、または
-1つ以上の油圧回路部分に流体を供給することから除外されることになる特定のポンプモジュール(複数可)に対する選好もしくは要件、または
-作動流体の平滑な流れの確保/流れのリップルの低減(それゆえに、特定の油圧回路モジュールに接続された場合、移行中にどのポンプモジュールが最も平滑な流れを与えることになるかを考慮する)、切り替え弁のスイッチング事象の数の最小化(摩耗を最小化するために)、異なるポンプモジュールの中でも、スイッチ可能弁などの使用(およびしたがって摩耗)の分散などの要件。これは、主要件であってもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、ポンプモジュールは、流れまたは変位デマンド(油圧回路部分による)が閾値を超えるとき、再配分される。これは、3つ以上の油圧回路部分がある場合に特に有用である。例えば、デマンド信号が標的流量(「流れ領域」制御)を表すとき、油圧回路部分へのさらなるポンプモジュールの配分は、Qdemand>Qn-1でトリガされてもよい(ここで、Qdemandは、流量デマンドであり、Qは、それぞれの油圧回路部分に配分されたポンプモジュールの数(「n」)と関連付けられた最大流量である)。この制御方法は、過剰な潜在的変位を保持しようとする。例えば、流量デマンドQdemandが毎分65リットル(LPM)であり、n=2である場合(ここで1つのポンプモジュールの最大流量が60LPM)、Qn-1は、60であり、方程式の条件が満たされ、したがって、数nを、増加するべきである。この例では、ポンプモジュールが配分されることになり、それぞれの油圧回路部分に配分されたポンプモジュールの総容量が増加し、方程式の条件は偽であることになる(65<120)。配分、およびnの値は、トリガ条件が再び真になるまで一定のままに保持されることになる。当業者は、方程式が、より保守的にする(例えば、Qdemand>Qn-1.5)、またはあまり保守的でないようにする(Qdemand>Qn-0.5)ために容易に変化させることができることが分かる。後者は、油圧回路部分によってデマンドされた変位が、それぞれの接続回路出力に接続されたポンプモジュールから利用可能なものを経過中に超える場合がある危険性をもたらす。
【0128】
あるいは、流れ領域にトリガを提供する代わりに、デマンドが変位分画(Fd、回転可能なシャフトの回転当たりの最大可能変位の分画)の観点から信号伝達されてもよい。所与の油圧回路部分に対するデマンド変位分画が最大利用可能変位分画に近づくと、別のポンプモジュールが、それぞれの油圧回路部分に配分されるべきである。追加のポンプモジュールの配分をトリガする閾値デマンドは、それぞれの油圧回路部分に現在配分されたポンプモジュールと関連付けられた最大変位の所定の分画であってもよい。例えば、0.9の閾値について、変位デマンドが油圧回路部分に接続されたポンプモジュールの作業チャンバによる最大変位の0.9未満から0.9超に移行するとき、追加のポンプモジュールが配分され、かつグループに加わることになる。これは、油圧回路部分の利用可能な総変位が変化しているため、ポンプモジュールのそれぞれのグループ内の作業チャンバを指令するFdの変化をトリガすることになる。
【0129】
ポンプモジュールのグループは、「プール」として存在してもよく、ここから使用のための配分のためにモジュールが選択される。したがって要件に対して余剰であるポンプモジュールは、選択されない/配分解除される。
【0130】
スイッチ可能弁(油圧接続回路の)の物理的状態は、ポンプモジュールが油圧回路部分に接続されていることを意味してもよく、それぞれの作業チャンバがアイドルモードで動作する場合、加圧された流体は、高圧坑道およびそれぞれの作業チャンバに、またはそれらから伝達されない。したがって、コントローラは、そのようなポンプモジュールを「配分解除された」とみなしてもよく、したがって、それが接続される油圧回路部分のデマンドを満たすことに寄与しない。同じ物理的な弁スイッチング状態では、ポンプモジュールは、「配分」されているとも言える(それぞれの作業チャンバのモードにかかわらず)。
【0131】
1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分へのポンプモジュールの再配分は、現在のデマンド(例えば、流量デマンド)またはデマンドの推定または予測に基づいて決定されてもよい。コントローラは、デマンドの将来の増加または減少を予測してもよく、例えば、それらは、標準または繰り返しのデマンドサイクル(例えば、掘削機の様々なアクチュエータの、が共通のタスク、例えば、物質を掘削する、持ち上げる、回転させる、次いで落下させることを実行している間の移動の共通シーケンス)を検出してもよい。コントローラは、デマンドにおける特定の勾配を測定してもよい。これに応答して、コントローラは、デマンドが発生する前に、予測される将来のデマンドに基づいて、1つ以上のポンプモジュールを1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分に再配分してもよい。コントローラは、デマンド信号の典型的なランプ速度または勾配を考慮することができる。コントローラはまた、センサ(例えば、加速度計、振動センサ、傾斜センサ)からのデータも考慮してもよく、例えば、デバイスが勾配上にあること、または移動していること、または移動していないことが検出されてもよい。
【0132】
いずれの場合も、油圧回路部分に接続されたポンプモジュールの数の間の移行(配分、または配分解除)が不必要にトリガされないことがないように、ヒステリシスが提供されてもよい。不必要な移行の例は、これが(流量または変位)閾値レベルの周囲の変位デマンドの一時的/動的な振動によって引き起こされる場合、振動がより長期的な傾向または定常状態に追従しない場合、であってもよい。追加のポンプモジュールの配分を必要とするための通常のトリガレベルは、このヒステリシスを生成するために別の油圧回路部分に接続するためのポンプモジュールの取り外しを許可するための通常のトリガレベルより高くてもよい。
【0133】
ポンプモジュールが1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分にスイッチされるとき、コントローラが、作業チャンバの能動サイクル配分および累算されたデマンドに関するデータを修正することが必要がある場合がある。上記の例では、累算器は、油圧回路部分による累算された満たされていないデマンドを、絶対単位、例えば、体積流量の単位で記憶するために使用され、作業チャンバが能動サイクルを実行するときに作業チャンバによって変位される流体の体積によってデマンドに比例して増減される。
【0134】
図10は、ポンプモジュールが1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分へと(油圧回路部分2から油圧回路部分1へと)再配分されるときの制御されたスイッチングプロセスを示す。油圧回路部分1および2に対するデマンド信号201、202は、流量に関して表され、また時間によって変動する。この例では、各油圧回路部分は、最初、それに配分された同じ数のポンプモジュールを有し、各々が、同じ数の作業チャンバを有し、その各々が、同じ容量を有し、したがって、油圧回路部分1および2にそれぞれ送達することができる最大流量211、212は、最初、互いに同じである。中間および下部トレースは、油圧回路部分(例えば、部分2)のうちの1つに最初に接続される個々のポンプモジュール(例えば、ポンプモジュール4A)のための常開型弁52および常閉型弁54のそれぞれの弁制御信号220、230および弁位置222、243(開または閉)を例示する。
【0135】
時間「A」において、油圧回路部分(部分1)の他方に対するデマンド信号は、閾値を超え、コントローラは、油圧回路部分1への最大可能流量を増加させるように、1つ以上のポンプモジュールを油圧回路部分2から油圧回路部分1に再配分する決定を行う。(いくつかの実施形態では、閾値を下回るデマンドは、例えば、油圧回路部分間で容量を均等に分散させるように、油圧回路部分からのポンプモジュールの再配置をトリガしてもよく、ポンプモジュールを別の油圧回路部分に再配分させる)。いくつのポンプモジュールが油圧回路1に再配分されるべきかの決定は、デマンド閾値を考慮に入れて、油圧回路2が1つ以上のポンプモジュールなしでそのデマンドを満たすことができることを継続するか否かを考慮してもよく、優先順位付け論理の適用、例えば、ステアリングアクチュエータに供給する油圧回路部分の流量容量を優先順位付けすることを考慮する。
【0136】
一旦、1つ以上のポンプモジュールが油圧回路部分2から部分1へと再配分されるべきであるとコントローラが時間Aで決定すると、時間Bにおいて、コントローラは、切り替え弁52、54にコマンドを送信する(コマンドは、弁を開閉するためにソレノイド電流を開始すること、または常開型弁が開放されること、もしくは常閉型弁が閉鎖されることを可能にするようにソレノイド電流を停止することを含んでもよい)。切り替え弁は、時間Cにおいて、移動し、それらの新しい状態に到達するのに時間がかかる。この時間の間、コントローラは、どのポンプモジュールがどの油圧回路部分に配分されるかについてデータベース106(図示せず)を更新した。したがって、コントローラは、作業チャンバ変位決定を行うときに、油圧回路部分へのポンプモジュール、およびしたがって、作業チャンバの改訂された配分を考慮し始めることになる。
【0137】
それにもかかわらず、いくつかの実施形態では、コマンドを切り替え弁に送信する間の期間中、コントローラは、再配分されているポンプモジュールの作業チャンバに、作動流体の正味変位なしで非能動サイクルのみを開始させる。これは、スイッチングプロセス中の流量を最小化する。コントローラは、一旦、作業チャンバがLPVの閉鎖によって能動サイクルを実行することを引き受けると、シャフトが所定の角度だけ回転するまで停止することができず、切り替え弁のスイッチング中に能動サイクルを実行する任意の作業チャンバを回避することが望ましい場合、作業チャンバが現在進行中の任意の能動サイクルを完了するために最初にある期間が必要であるため、決定が行われたときに、スイッチングしているポンプモジュールの作業チャンバに、時間Aから非能動サイクルのみを実行させてもよい。コントローラは、特定の状態(位相)に到達するようにスイッチされることになるポンプモジュール内の作業チャンバを待機してもよく、または切り替え弁を作動させる前に、ポンプモジュールからの流量が特定の閾値を下回ることを待機してもよい。
【0138】
切り替え弁の移動のタイミングと同期されるLPVの閉鎖のタイミングに対して、切り替え弁が油圧回路部分間に個々の作業チャンバを含むポンプモジュールの再接続を終了するまで、作業チャンバ体積の能動サイクルを遅延させることが可能である。LPV閉鎖が、典型的には、切り替え弁の閉鎖の開放よりもはるかに速いため、典型的には、LPV閉鎖のタイミングが変動する。
【0139】
また、コントローラに対して、例えば、ポンプモジュールが接続されることになる油圧回路部分に割り当てマニホールド/入力の圧力に近いか、またはその圧力で、ポンプモジュールの高圧マニホールド内の圧力を意図的に増加させるために、1つの油圧回路部分から別の油圧回路部分へのポンプモジュールの再配分の前に、作業チャンバ体積の1つ以上の能動サイクルを実行することが可能である。これは、過渡圧力変動を低減することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、切り替え弁のスイッチングは、交互に行われ、すなわち、それは、閉鎖から開放に変更されることになるユニットとしての一対の弁内の弁(図8、11に示される)が、その対の他方の弁が開放されるまで、開放されて保持されてもよく、あるいは、開放から閉鎖に変更されることになる弁は、他方の弁が閉鎖されるまで、開放されて保持されてもよい。これは、油圧がヘッドを失う危険性を低減する。
【0141】
上記の例は、常開型および常閉型ポペット弁を使用するが、他のスイッチング機構を採用することができる。例えば、図8の配置の代わりに、図11の配置は、一対の二重遮断弁を使用する。実際には、図8の別個の逆止弁は、切り替え弁内に組み込まれている。別個の逆止弁は、必要なく、それは、この場合、油圧回路部間でポンプモジュールを交換するときに交互に行われる弁の開放/閉鎖を使用するために特に重要である。
【0142】
図12は、ポペット弁52、54の対の代わりに単一スイッチ可能弁62を用いることを除いて、図8の配置に対応するさらなる切り替え弁の実施形態を示す。スイッチ可能弁は、個々のポンプモジュールの高圧マニホールド8Bが第1の割り当てマニホールド56に、したがって、第1の油圧回路部分に接続される第1の位置、高圧マニホールドが第2の割り当てマニホールド58に、したがって、第2の油圧回路部分に接続される第2の位置、および両方に接続されるが、オリフィスを通る中間部分を有する。スプール弁は、コントローラによって第1および第2の位置の間でスイッチされ、短時間のみ中間位置を通過する。いくつかの実施形態では、中間位置が遮断しているが、油圧がヘッドを失うのを回避するために、高圧マニホールドが、どちらにも接続されてないよりも、割り当てマニホールドの両方に短時間接続されることが好ましい。ばねは、弁を第1の油圧回路部分に常開するように、および第2の油圧回路部分に常閉するように付勢する。このスイッチング配置は、例えば、少なくとも図7図8図11図12、および図13の実施形態に従って、流れを第3の油圧回路部分に切り替えさせるためにも有用になる。
【0143】
また、スプール弁が、弁位置に応じて高圧マニホールドから一方または他方の油圧回路部分への流入を可能にするために開放または閉鎖する油圧作動弁へのパイロット流を制御する、異なる流れ構成に対応する複数の位置を有するスプール弁を使用することも可能であることになる。したがって、ポンプモジュールからの流れは、単一スプール弁を通過する必要はない。
【0144】
図13は、ソレノイドによってパイロット動作または作動され得る、多位置ポペット弁66を用いる代替的な切り替えユニットを示す。図12の弁と同様に、それは、高圧マニホールドが一方または他方の割り当てマニホールド(およびそれによってそれぞれの油圧回路部分)に接続される第1および第2の位置を有する。高圧マニホールドが割り当てマニホールドの両方に接続されているが、絞り(および典型的には、それぞれのポンプモジュールの高圧マニホールドへの逆流を防止するために逆止弁)を通る、第1および第2の位置の間の中間位置が存在する。弁は、コントローラによって第1の位置から第2の位置へ、またはその逆にスイッチされるときに、中間位置を非常に短時間通過する。
【0145】
図14は、マニホールド56、58、250を介して3つの異なる油圧回路部分間のポンプモジュールのスイッチングを可能にする、そして図7の接続回路の代替として使用することができる接続回路の代替的な構成の概略図である。ポンプモジュール4A~4Hの高圧マニホールド8A~8Hは、第1の油圧回路部分と連通している第1の割り当てマニホールド56と、第2の油圧回路部分と連通している第2の割り当てマニホールド58と、上記の形態のいずれかをとってもよく、これもコントローラの制御下にある複数の切り替え弁252、およびさらなる切り替え弁254を有する、第3の油圧回路部分(この例では、図7に従って旋回機能のために使用される)と連通している第3の割り当てマニホールド250との間でスイッチされてもよい。ポンプモジュールのいずれかは、第1の割り当てマニホールドに接続されてもよい。示される位置にあるさらなる切り替え弁254を用いて、ポンプモジュール4C~4Hは、それぞれのポンプモジュールと関連付けられた弁252を位置2へとスイッチングすることによって、さらなる切り替え弁の状態にかかわらず、第2の割り当てマニホールドに常に接続され得る。さらなる切り替えが示される状態にあるとき、それは、スイッチ可能マニホールド部分256を第2の割り当てマニホールド58に接続する。これと組み合わせて、切り替え弁252を通してスイッチ可能マニホールド部分に選択的に接続可能である(位置2で)、ポンプ4Aおよび4Bは、示される位置で、第2の割り当てマニホールドに接続され、そのため第2の油圧回路部分に接続される。さらなる切り替え弁がその代替的な状態(図示せず)にスイッチされるとき、代わりに、スイッチ可能マニホールド部分が第3の割り当て部分に接続される。これと組み合わせて、ポンプ4Aおよび4Bは、位置2まで、切り替え弁252の適切な構成を有する第3の油圧回路部分に接続されることになる(第3の割り当て部分を介して)。それゆえに、ポンプモジュール4Aおよび4Bは、それぞれのさらなる切り替え弁を作動するコントローラによって、第2の油圧回路部分と第3の油圧回路部分との間で同時にスイッチされてもよい。あるいは、ポンプモジュールは、さらなる切り替え弁の位置に応じて、第1の油圧回路部分と、第2または第3の油圧回路部分のいずれかとに、またはそれらから、一度に1つスイッチすることができる。
【0146】
さらなる切り替え弁は、第1または第2の割り当てマニホールドの長さに沿って異なる位置に位置してもよい。例えば、それが位置258に位置する場合、それは、第1および第3の油圧回路部分の間で最大4つのポンプモジュールをスイッチしてもよい。それが位置260に位置した場合、第2の油圧回路部分と第3の油圧回路部分との間で最大7つのポンプモジュールをスイッチしてもよい。
【0147】
図15Aに関して、スイッチ可能弁(油圧接続回路/割り当て弁の)に対する好都合な場所は、油圧機械のエンドプレート66である。この場合、ポンプ4A~4Dの高圧マニホールド8A~8Dとして機能する油圧機械を通る導管は、エンドプレート内のリング導管270に接続される。この構成は、導管がエンドプレートの平面に対して直角に延在するため、形成するのに好都合である。油圧機械から第1および第2の油圧回路部分のそれぞれへの第1および第2の接続回路出力12、14もまた、リング導管の反対側の端から延在する。コントローラの制御下の二重遮断弁272A~272Fは、選択的に閉鎖されてもよい。使用中、二重遮断弁のうちの2つは、任意の時間に閉鎖され、それによって、第1および第2の接続回路出力、したがって、第1および第2の油圧回路部分、ならびに選択されたポンプモジュール高圧マニホールドと連通して第1および第2の割り当てマニホールドを画定する。したがって、ポンプモジュールは、油圧回路部分のうちの1つまたは別のものに選択的に接続されてもよいが、同じ油圧回路部分に接続された複数のポンプモジュールが、リング導管の円周の周囲に隣接していなければならないという制限を有する。部分274、276は、リング導管と第1および第2の接続回路出力との間の接続であるが、油圧機械を通して導管と連通してもよく、油圧機械は、さらなるポンピングモジュールの高圧マニホールドとして機能し、その場合、接続回路出力の各々には恒久的に接続されたポンプモジュールがあるが、残りのポンプモジュールはスイッチされてもよい。
【0148】
図15Bは、リング導管の代わりに、4つの異なるポンプモジュールに接続された導管と連通するC字形導管278がある代替例を例示する。二重遮断弁272A、272B、272Cのいずれか1つは、全ての他の残りの弁が開放されている一方で、閉鎖されて3つの異なる選択肢を与えることができる。第1の選択肢では、272Aが閉鎖された状態で、高圧マニホールド276を有するポンプモジュールは、第2の出力14に接続され、高圧マニホールド8A、8B、および274を有するポンプモジュールは、第1の出力に接続される。第2の選択肢では、272Bが閉鎖された状態で、高圧マニホールド276を有するポンプモジュール、および高圧マニホールド8Aを有するポンプモジュールは、第1のマニホールドに接続され、高圧マニホールド8Bおよび274を有するポンプモジュールは、第1の出力に接続される。第3の選択肢では、272Cが閉鎖された状態で、高圧マニホールド276を有するポンプモジュール、および高圧マニホールド8Aおよび8Bを有するポンプモジュールは、第1のマニホールドに接続され、高圧マニホールド274を有するポンプモジュールは、第1の出力に接続される。コントローラは、ポンプモジュールを再配分するために必要とされる二重遮断弁をスイッチする。
【0149】
図15Aおよび図15Bの実施形態では、第3の油圧回路部分のための第3の接続回路出力は、場所8A、8B、8C、8Dのいずれかで接続されてもよい。
【0150】
図16の実施形態では、第1の出力12および第1の油圧回路部分入力16へと延在する第1の割り当てマニホールド56と、割り当てブロックの第2の出力および第2の油圧回路部分入力18へと延在する第2の割り当てマニホールド58は、直列に接続された8つの遮断弁280を通して一緒に、各遮断弁の間の8つのポンプモジュール4A~4Hの高圧マニホールド8A~8HへのT接合接続によって接続される。コントローラは、閉鎖するために一度に1つの遮断弁を選択し、それによって、選択された遮断弁に応じて第1および第2の油圧回路部分への配分の間でポンプモジュールを分割する。
【0151】
過圧事象の場合、装置は、典型的には、圧力解放弁を備える。ポンプモジュール毎に1つが提供されてもよいが、図17の実施形態では、4つのポンプモジュールの各々の高圧マニホールドは、逆止弁280を通して、単一の圧力解放弁290に並列に接続される。逆止弁は、全て、圧力解放弁の上流にあり、圧力解放弁の後ろ側の圧力が高圧マニホールド圧力より高い場合に流れを逆流防止する機能を果たす。図17の実施形態は、割り当てブロック内に提供されてもよく、または割り当てブロックに分離されてもよい。
【0152】
上記に説明された装置では、ポンプモジュールに対する競合要件に起因して作動流体に対するデマンドを満たすことができなかった後、接続回路出力に(ならびにそれによって油圧回路部分および/または1つ以上のアクチュエータのグループに)接続されたポンプモジュールが結果としてデマンドを満たすことができないとき、および接続回路出力と関連付けられたデマンドのさらなる増加、または他の競合デマンドの減少に起因して、1つ以上の追加のポンプモジュールが同じ接続回路出力に接続されたとき、それによって、接続回路出力への最大変位を増加させる問題が生じる場合がある。この追加の容量が利用可能になるとき、接続回路出力(およびそれによって油圧回路部分および/または1つ以上のアクチュエータのグループ)への実際の変位が急激にジャンプし、振動、ジャダリングまたは機械制御の困難(特に人間のオペレータによる)につながる。
【0153】
これは、同じ容量の最大で8つのポンプモジュールが接続回路出力への接続のために利用可能である配置において、流量に対するデマンド(点線)が時間と共に直線的に増加する際の、接続回路出力への実際の流量(実線)を示す、図18Aを参照して例示される。時間ゼロでは、4つのポンプモジュールが接続回路出力に接続される。この例では、1つ以上の他の接続回路出力への流量に対する十分なデマンドが既にあり、デマンドが4つのポンプモジュールに対する最大容量(破線)を超えるとき、時間t1において、実際の流量は、4つのポンプモジュールの最大容量のままであり、デマンドされた流量の後で低下する。要求された流量が増加すると、時間t2において、デマンドは、他の競合デマンドと比較して、コントローラが第5のポンプモジュールを接続回路入力に接続することを決定するのに十分であり、1つのステップで容量を増加させる。この時点で、最大混合流量を下回って動作する5つのポンプモジュールが正確にデマンドを満たすことが可能になるため、実際の流量を示す実線が急激にジャンプすることがわかる。振動、ジャダリング、および制御の困難を引き起こす可能性があるのは、このジャンプである。図18Aに示されるように、実際の変位は、時間t3で容量によって再び制限され、次いで、第6のポンプモジュールが配分されたときに、時間t4で再びジャンプして上がることになる。
【0154】
第1のアプローチでは、これらの変位のジャンプは、ひとたび総デマンドが閾値を超えると、それらをスケールファクタで乗算することによって、デマンド信号をスケールダウンすることによって回避することができることを見出した。
【0155】
閾値は、デマンドの合計が(a)1つを除くポンプモジュールの全ての最大変位を超える、一度である。
【0156】
スケールファクタは、そのために、デマンドの合計が、(a)1つを除くポンプモジュールの全ての最大変位を超えないようにするものである。これは、(a)1つを除くポンプモジュールの全ての最大変位を(c)ポンプモジュールの全ての最大変位で除算した値に等しい最大可能変位の分画である(ポンプモジュールの全てを、いずれかの出力に接続することができると仮定する)。
【0157】
同じ最大変位を有する8つのポンプモジュールがあるこの例では、これは、デマンドの合計が最大変位の7/8を超える場合に、規模を縮小されたデマンドの合計が最大変位の7/8を超えないという効果を有する。
【0158】
それゆえに、スケールファクタは、(a)1つを除くポンプモジュールの全ての最大変位を(b)デマンドの合計で除算したものである。
【0159】
このように、一旦、デマンドがスケールされると、スケールダウンされたデマンドを示す図18Bに示されるように、スケールされたデマンド信号が利用可能な容量を決して超えることがないだけでなく、追加のポンプモジュールが接続回路出力に接続される際に、変位に急激なジャンプが存在しない。
【0160】
これは、特に、各接続回路出力/油圧回路部分が、その出力/油圧回路部分についての作動流体に対するデマンドに比例する、典型的には最も近い整数に切り上げられる、利用可能なポンプモジュールの分画を配分されるときに適用される。
【0161】
図19を参照すると、当該比率によるスケーリングの効果は、効果的に、ポンプモジュールのうちの1つの容量に等しい変位が決して使用されないことである。この画像では、出力1とラベル付けされた線は、2つの接続回路出力のうちの1つに対する規模を縮小されたデマンド信号であり、出力2とラベル付けされた線は、2つの接続回路出力のうちの他方に配分された規模が縮小されたデマンド信号であり、破線は、1つのポンプモジュールの容量である、機械の未使用容量である。示されている正確な位置では、3つのポンプモジュールが出力1に接続され、5つのポンプモジュールが出力2に接続され、いずれの出力の最大変位も超えない。これは、最大容量を低減するが、変位の不連続性が回避される。
実施例-第1のアプローチ
ポンプは、8つのポンプモジュールにグループ化された24個の作業チャンバを有し、各々が、共通高圧マニホールドを有する3つの作業チャンバで形成される。作業チャンバおよびポンプモジュールのうちの半分は、1つのハウジング内に位置し、半分は、別のハウジング内に位置し、作業チャンバは、共通シャフトを有する。各ポンプモジュールの最大変位は、ポンプの回転可能なシャフトの1回転当たり24ccであり、したがって、機械の総最大変位は、1回転当たり192ccである。8つのポンプモジュールは、接続回路を通して2つの接続回路出力(または油圧回路部分)のうちのいずれかに接続することができる。
【0162】
1つのポンプモジュールの容量は、使用されず、デマンドは、デマンドの合計が7/8×192=168cc/rev(閾値)を超えることができないように、必要に応じて規模が縮小される。これは、デマンドが、ポンプモジュールの1つを除く全ての組み合わせによって出力することができる総変位を超えるものに対するものであるとき、個々のデマンドに168cc/revを乗算し、デマンドの合計で除算することに等しい。
【0163】
動作中の例では、出力に対するデマンドは、出力1について100cc/rev、出力2について150cc/revであり、100および150は、総デマンドの0.4および0.6である。これらのデマンドの合計は、250cc/revであり、これは168cc/revの閾値を超える。したがって、デマンドは、それらの合計が168cc/revになるようにスケールダウンされることになる。
【0164】
利用可能な総ポンプ容量は、各サービス間で比例して分割され、規模が縮小されたデマンドは、それぞれ、0.4×168cc/rev=67.2cc/rev、および0.6×168cc/rev=100.8cc/revである。これは、元のデマンド(100cc/revおよび150cc/rev)に168cc/250cc=0.672を乗算したことに等しい。
【0165】
次に、各出力に接続するために必要なポンプモジュールの数を計算することが、各ポンプモジュールの容量で除算したデマンドを切り上げることによって計算され、したがって、それぞれ、67.2/24cc/rev=2.8は、3つのポンプモジュールに切り上げられ、また100.8/24cc/rev=4.2は、5つのポンプモジュールに切り上げられる。確認として、これらの数値は、ポンプモジュールの総数、8に等しいべきである。
【0166】
このアプローチは、出力への新しいポンプモジュールの接続から生じる変位の急激な増加が決してないことを確保する。スケールされたデマンドは、決して飽和しない。
【0167】
図20A図20Fを参照して例示される上記の方法のさらなる精巧化において、各接続回路出力(油圧回路部分および/または1つ以上のアクチュエータのグループにかかわらず)は、接続回路出力の数の逆数に等しい利用可能なポンプモジュール容量の最小分画(またはそれらが同じ容量を有するときの利用可能なポンプモジュールの最小分画)を配分される。これは、デマンドが十分に高いとき、例えば、総可能変位を超えるとき、または各デマンドが最大可能変位の接続回路出力の数の逆数を超える場合に適用される。典型的には、この第2のアプローチは、第1のアプローチをトリガするよりも高いデマンドのみで適用され、第1のアプローチのみが適用される場合、間にデマンド領域がある可能性があるか、または移行アプローチが存在する。
実施例-第2のアプローチ
次の実施例では、2つの出力および8つのポンプモジュールがあり、ポンプモジュールの各々は24cc/revの容量を有する。
【0168】
図20Aおよび図20Dに例示される第1の例では、第1のデマンド(出力1とラベル付けされている)および第2のデマンド(出力2とラベル付けされている)は、両方とも、利用可能な変位の半分超であり、実際には、第1のデマンドのみが利用可能な変位全体に対するものである。2つの出力の各々は、利用可能な容量の100/2%=50%を配分され、したがって、4つのポンプモジュールが配分され、第1および第2のデマンドは、利用可能な総変位の50%に規模が縮小されている。
【0169】
図20Bおよび図20Eに例示される第2の例では、第1のデマンド(出力1)は、ここでも利用可能な変位の半分超に対するものであるが、ここでは第2のデマンド(出力2)は、利用可能な変位の半分未満に対するものである。第1の出力は、利用可能な容量の100/n=50%に配分され、したがって、8/2=4つのポンプモジュールに配分される。第2の出力は、容量の残りの部分に配分され、したがって、これも4つのポンプモジュールに配分される。図20Eの破線は、少量の損失容量を示す。
【0170】
図20Cおよび図20Fに例示される第3の例では、第1のデマンド(出力1)は、依然として高く、第2のデマンドは、満たされるために8/2=4つのポンプモジュールを必要としないほど十分に低い。この場合、第2の出力は、完全な第2のデマンドを満たすことを可能にするのに十分な数(この場合、2つ)のポンプモジュールを配分され、残り(6つ)は、残りのポンプモジュールを配分される。
【0171】
より詳細には、第3の例における配分は、次のアプローチによって計算することができる。
出力1に対するデマンド=192cc/rev(全ポンプ容量、8つ全てのポンプモジュールを必要とすることになる)
出力2に対するデマンド=36cc/rev(半分のポンプ容量のかなり下、1.5個のポンプモジュールで達成することができる)
デマンド合計=228cc/rev
出力1のデマンドは、次のアルゴリズムを使用して処理される:
IF(36cc/rev<(0.5n-1)*24cc/rev)[ステートメントが真である場合]
出力1の変位配分=MIN(192cc/rev,192cc/rev-24cc/rev-36cc/rev)=132cc/rev
ELSE
出力1の変位配分=MIN(出力1のデマンド、最大出力容量の等分)
出力2のデマンドは、次のように処理される:
IF(192cc/rev<(0.5n-1)*24cc/rev)[ステートメントが真でない場合]
出力2の変位配分=MIN(出力2のデマンド、総ポンプ容量-1-出力1のデマンド)
ELSE
出力2の変位配分=MIN(36cc/rev,96cc/rev)=36cc/rev
したがって、出力1に対するデマンドは、132cc/revにスケールされ、出力1は、6つのポンプモジュールを配分され、出力2に対するデマンドは、維持され、出力2は、2つのポンプモジュールを配分される。
【0172】
これは、各出力が、総変位容量の少なくとも等分に対するデマンドを有するときに、総変位容量の最小限の等分を提供することができるポンプモジュールを配分されており、その他のデマンドが許容する場合、より多く配分されてもよい。
【0173】
第1のアプローチと組み合わせて、この第2の保証された分画アプローチ(2つの出力の場合、半分を保証する)を実装する利点は、ポンプの全容量をより多くの時間使用することができ、より速い動作(より速いデューティサイクル時間)を結果的にもたらすことである。また、接続回路弁から必要とされるスイッチングサイクル数を大幅に低減することにもなり、システムの耐用年数の増加を結果的にもたらす。不利な面は、第1の戦略と比較したときの制御性の幾らかの損失である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A-6C】
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図20C
図20D
図20E
図20F