(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】1又は2以上の工作機械で用いるためのロード又はアンロード装置及びロード又はアンロードシステム
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/157 20060101AFI20240724BHJP
B23Q 7/10 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B23Q3/157 C
B23Q7/10
(21)【出願番号】P 2022515786
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2020075662
(87)【国際公開番号】W WO2021052914
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】102019214081.5
(32)【優先日】2019-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508268090
【氏名又は名称】デッケル マホ プフロンテン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】DECKEL MAHO Pfronten GmbH
【住所又は居所原語表記】DECKEL-MAHO-Strasse 1, 87459 Pfronten, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】キーンベルガー アクセル
(72)【発明者】
【氏名】トレンクル ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー マティアス
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-259344(JP,A)
【文献】独国実用新案第202019102226(DE,U1)
【文献】特開2019-188588(JP,A)
【文献】特開平09-085563(JP,A)
【文献】特開平01-132457(JP,A)
【文献】特開昭62-259738(JP,A)
【文献】特開昭60-197336(JP,A)
【文献】特開昭60-018918(JP,A)
【文献】特開昭59-192433(JP,A)
【文献】特開昭52-075761(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0232448(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0305076(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109333130(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23C 1/00-9/00
B23Q 3/157
B23Q 7/00-7/18
B23Q 37/00-41/00
B25J 1/00-21/02
G05D 3/00-3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械で用いるためのアンロード又はロード装置であって、
基本領域を自由に移動することができ
、かつ主な進行方向を有する輸送車両(510)と、
前記輸送車両(510)上に配置され、工具(WZ)又は工具及び/若しくはワークピースを保持する工具インターフェイス(WZS)を受容するために一列に配置された複数の保持セクションを有する受容セクション(530)を含む引き渡しユニット(540)と、
前記工作機械(100)上の工具及び/又はワークピースのための供給ユニット(400)の1又は2以上のドッキングセクションとドッキングするために前記輸送車両(510)に配置された1又は2以上のドッキングセクション(523)と、
を備え、
前記輸送車両(510)のドッキングされた状態で、前記引き渡しユニット(540)が、前記受容セクション(530)で受容した工具及び/若しくは工具インターフェイスを前記供給ユニット(400)のロードバー(410)に同時に引き渡すように、並びに/又は前記供給ユニット(400)のロードバー(410)で受容した工具及び/若しくは工具インターフェイスを同時に前記受容セクション(530)内に取り上げるように構成されて
おり、
前記引き渡しユニット(540)がキャリッジ(541、549)を含み、前記キャリッジが、前記輸送車両の前記主な進行方向に、及び/又は前記受容セクション(530)の前記保持セクションの列を横切る方向に、線形に移動させることができるとともに、前記受容セクション(530)を、前記ドッキングされた状態で前記供給ユニットに向かって、及び前記供給ユニットから離れるように移動させるため、前記受容セクションを運搬する、
前記アンロード又はロード装置。
【請求項2】
前記受容セクション(530)の前記保持セクションの列が、前記輸送車両(510)に対して横方向に、又は前記輸送車両の
前記主な進行方向を横切って延伸し、前記保持セクションが、前記横方向に又は前記輸送車両の前記
主な進行方向を横切る方向に一列に互いに隣接して配置されている、
請求項1に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項3】
前記輸送車両(510)が、前記供給ユニットの前記ドッキングセクションにドッキングするため、前記供給ユニットの前記ドッキングセクションに
前記主な進行方向において接近するように構成され、前記保持セクションが前記供給ユニットの前記ドッキングセクションの方を向き、及び/又は前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクションが前記供給ユニットの前記ドッキングセクションの方を向いている、
請求項1又は2に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項4】
前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクション(523)が、前記保持セクションが前記供給ユニットの前記ドッキングセクションに面し、及び/又は前記輸送車両の前記ドッキングセクションが前記供給ユニットの前記ドッキングセクションに面する状態で、前記輸送車両(510)が前記供給ユニットの前記ドッキングセクションに接近しているとき、前記供給ユニットの対応するドッキングセクションとドッキングするように構成されている、
請求項1~3のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項5】
前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクション(523)が、前記輸送車両の前記
主な進行方向において少なくとも1つの移動を遮断する機械的接続部及び/又は停止接点を介して、前記供給ユニットの前記対応するドッキングセクションとドッキングするように構成されている、
請求項4に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項6】
前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクション(523)が、前記輸送車両の前記
主な進行方向を横切る少なくとも1つの水平移動を遮断する機械的接続部を介して、前記供給ユニットの前記対応するドッキングセクションとドッキングするように構成されている、
請求項4又は5に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項7】
前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクション(523)が、前記輸送車両の前記
主な進行方向を横切る1又は2以上の方向に遮断する機械的接続部を介して、前記供給ユニットの前記対応するドッキングセクションとドッキングするように構成されている、
請求項4~6のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項8】
前記輸送車両(510)の前記ドッキングセクション(523)が、ロック解除及びロックすることができる機械的接続部を介して、前記供給ユニットの前記対応するドッキングセクションとドッキングするように構成されている、
請求項4~7のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項9】
前記引き渡しユニット(540)が、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において、前記キャリッジの前記移動を遮断する形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含む、
請求項
1~8のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項10】
前記引き渡しユニット(540)が第1のキャリアセクション(543)を含み、前記第1のキャリアセクションが、直接又は間接的に前記受容セクション(530)を運搬する、
請求項1~
9のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項11】
前記引き渡しユニット(540)が、前記輸送車両の前記ドッキングセクション(523)に対して移動不可能な方法で前記輸送車両に配置又は取り付けられた第2のキャリアセクション(544)を含む、
請求項1~
10のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項12】
第2のキャリアセクション(544)が前記第1のキャリアセクション(543)を運搬し、及び/又は
前記第1のキャリアセクション(543)が、少なくとも1つの水平方向に移動することができるように、浮動方式で搭載されるように、前記第2のキャリアセクション(544)に搭載されている、
請求項
10に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項13】
前記第1のキャリアセクション(543)が、少なくとも前記輸送車両の
前記主な進行方向において、移動可能に浮動する及び/又は移動可能な方式で前記第2のキャリアセクション(544)に搭載されている、
請求項
12に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項14】
前記引き渡しユニット(540)が、ロックされた輸送状態において前記輸送車両の前記
主な進行方向において前記第2のキャリアセクション(544)に対する前記第1のキャリアセクション(543)の前記移動を遮断する形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含む、
請求項
13に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項15】
前記第1のキャリアセクション(543)が、前記輸送車両の
前記主な進行方向に対して少なくとも横方向に移動可能であるように前記第2のキャリアセクション(544)に浮動方式で搭載されている、
請求項
12~
14のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項16】
前記引き渡しユニット(540)が、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において前記輸送車両の前記
主な進行方向に水平かつ垂直な前記第2のキャリアセクションに対する前記第1のキャリアセクションの前記移動を遮断する形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含む、
請求項
15に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項17】
前記引き渡しユニット(540)が、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において前記第2のキャリアセクション(544)に対して前記第1のキャリアセクション(543)を付勢する、又は前記自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態をもたらす前記第2のキャリアセクション(544)の位置に向かって前記第2のキャリアセクション(544)に作用する力を及ぼす付勢機構(543a)を含む、
請求項
14又は
16に記載のアンロード又はロード装置。
【請求項18】
前記輸送車両が無人輸送車両(510)として構成されている、請求項1~
17のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項19】
前記輸送車両(510)が、少なくとも並進駆動される、請求項1~
18のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項20】
前記輸送車両(510)が自動操舵支援及び/又は操舵制御を有する、請求項1~
19のいずれかに記載のアンロード又はロード装置。
【請求項21】
工作機械(100)用の工具及び/又はワークピースマガジン(200)で用いるための供給ユニット(400)と、請求項1~
20のいずれかに記載のアンロード又はロード装置(500)とを備える、システム。
【請求項22】
前記アンロード又はロード装置の前記輸送車両(510)が、前記供給ユニット(400)のロードバー(410)にロード又はアンロードするために前記供給ユニット(400)の1又は2以上のドッキングセクション(590、593)とドッキングするように構成されている、
請求項
21に記載のシステム。
【請求項23】
前記供給ユニット(400)が、ロード位置へともたらすことができ、一列のワークピース及び/又は工具レセプタクル(411)を含むロードバー(410)を含み、
前記アンロード又はロード装置の前記引き渡しユニット(540)が、ドッキングされた状態において、前記ロード位置で前記ロードバー(410)の前記ワークピース及び/又は工具レセプタクル上のワークピース及び/若しくは工具を引き渡し若しくは挿入及び/又は受領若しくは取り上げるように構成されている、
請求項
21又は
22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1又は2以上の工作機械で用いるためのアンロード若しくはロード装置又はアンロード若しくはロードシステムに関する。特に、本発明は、工具及び/又はワークピースを備えた工作機械の工具及び/又はワークピースマガジンをロード又はアンロードするためのアンロード又はロード装置、並びに/或いは工具及び/又はワークピースを備えた工作機械の工具及び/又はワークピースマガジンをロード又はアンロードするためのアンロード又はロードシステムに関する。さらに、本発明は、工作機械、工作機械の工具及び/若しくはワークピース交換装置、供給ユニット並びに/又は工具若しくはワークピースマガジンを含むシステムに関し、好ましくはシステムのこのようなアンロード又はロード装置を含む。
【背景技術】
【0002】
工作機械上のマガジンから自動的に交換すること、又は工作機械からマガジンへ移送することができるように、工具及び/又はワークピースが保持又は提供される工具又はワークピースマガジンを備えた工作機械が、先行技術において知られている。
【0003】
例えば、工作機械の工具マガジン上の一般的な工具交換装置を記載している欧州特許第2750828(B1)号明細書を参照する。欧州特許第2750828(B1)号明細書は、水平に位置を合わせたワークスピンドルを備えた工作機械で用いるための工具交換装置を示し、工具は、1又は2以上の工具マガジンホイール(いわゆるホイールマガジン)を有する工具マガジン上のマニピュレータによって除去することができ、ワークスピンドルで用いることができ、又はワークスピンドルで用いる工具と交換することができる。
【0004】
しかしながら、欧州特許第2750828(B1)号明細書によれば、工具又はワークピースマガジンを手動でロードすることが依然として計画されていた。ドイツ特許出願公開第102018201426(A1)号明細書は工作機械の工具マガジン用の供給ユニットを開示し、この供給ユニットにより、工具又はワークピースマガジンを、例えば欧州特許第2750828(B1)号明細書による半自動化された方法でロードすることが可能になる。ここで、追加の工具バーが設けられ、これはオペレータによって手動でロードすることができる。工具交換装置のマニピュレータが、引き渡し位置に配置された工具バーから工具を自動的に除去することができ、それをマガジンで、又は工作機械で供給することができるように、手動でロードされた工具を備えた工具バーを次いで持ち上げ、オペレータによってアクセス可能なロード位置から供給ユニットの持ち上げ及び回転装置を介して引き渡し位置へ回転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許第2750828(B1)号明細書
【文献】ドイツ特許出願公開第102018201426(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばドイツ特許出願公開第102018201426(A1)号明細書による、上述の先行技術から進んで、特に、特に好都合にはロード又はアンロードプロセスの自動化をさらに改善又は拡張した、又は特に好ましくは完全に自動化された構成の工作機械に対するワークピース又は工具の改善された、より効率的な、及び/又はより正確なロードを可能にすることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上の目的を達成するため、請求項1に記載の工作機械で用いるためのアンロード又はロード装置が本発明にしたがって提案される。さらに、このようなアンロード又はロード装置を含む工作機械並びに/又は工具若しくはワークピースマガジンを有するシステムが本発明にしたがって提案される。従属請求項は本発明の好ましい実施形態に関する。
【0008】
一態様によれば、工作機械で用いるためのアンロード又はロード装置が提案され、領域内で自由に移動することができ、特に好ましくは動力を供給される輸送車両を含む。
【0009】
好都合な例示的な実施形態において、アンロード又はロード装置は、輸送車両(の好ましくは前部又は側部)に配置され、特に工具及び/又はワークピースを受容するための受容セクションを有する引き渡しユニットを有することができる。
【0010】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両は、少なくとも1つの受容ユニット(例えば、フォークのような)を含む(無軌道の)産業用トラック(例えば、電気ドライブを備えたリフトトラックのような)とすることができ、引き渡しユニットは、直接又は1又は2以上の中間要素を介して受容装置に載り、及び/又は受容ユニット若しくは中間要素に取り外し可能に接続されている。
【0011】
好都合な例示的な実施形態において、受容セクションは、工具又は工具及び/若しくはワークピースを保持する工具インターフェイスを受容するための、好ましくは一列に配置された複数の保持セクションを含むことができる。
【0012】
好都合な例示的な実施形態において、受容セクションは、複数の保持セクション列(すなわち、一列に配置された保持セクションの複数の列)を含むこともでき、保持セクション列は好ましくは受容セクションの側部に配置されている。
【0013】
好都合な例示的な実施形態において、アンロード又はロード装置は、工作機械上の工具及び/又はワークピースのための供給ユニット、特に工作機械の工具及び/又はワークピースマガジンのための供給ユニットの1又は2以上のドッキングセクションにドッキングするために輸送車両(の好ましくは前部又は側部)に配置された1又は2以上のドッキングセクションを含むことができる。
【0014】
好都合な例示的な実施形態において、受容セクションの保持セクションの列は、輸送車両に対して横方向に、又は輸送車両の進行方向を横切って延伸することができる。保持セクションは好ましくは、横方向に又は輸送車両の進行方向を横切る方向に一列に互いに隣接して配置されている。
【0015】
さらなる一実施形態において、引き渡しユニットは、鉛直方向回転軸を有する回転装置(好ましくは水平に搭載された、及び/又は引き渡しユニットの中央に配置された)を含むことができ、これは好ましくは受容セクションを運搬し、事前決定可能な(水平)回転角だけ保持セクションを回転させることができる。アンロード又はロード装置は好ましくは、多数の保持セクションを含む引き渡しユニットの受容セクションを含むこともでき、個々の保持セクションは引き渡しユニットの回転装置によって一緒に回転させることができ、保持セクション(又は保持セクションの列)の回転によって、複数の工具除去及びロードプロセスを実行することができる。
【0016】
好都合な例示的な実施形態において、受容セクションの保持セクションは好ましくは、少なくとも鉛直方向回転軸を中心に回転することができ、少なくとも線形に(特に輸送車両の進行方向を横切って)移動させることができる。特に、保持セクションの回転及び移動は好ましくは、自動化された、又は少なくとも部分的に自動化された方法で実行することができる。加えて、受容セクションは、複数の保持セクションを回転及び移動させることによって、連続して実行可能な複数の工具除去及び引き渡しプロセスを受容セクションで実行することができるように構成することができる。
【0017】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両は、特に受容セクションの保持セクションの列をこれに対して横方向に配向することができる、進行方向において供給ユニットのドッキングセクションにドッキングするため、保持セクションが供給ユニットのドッキングセクションに面し、及び/又は輸送車両のドッキングセクションが供給ユニットのドッキングセクションに面する状態で、供給ユニットのドッキングセクションに接近するように構成することができる。
【0018】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両のドッキングセクションは、特に好ましくは、保持セクションが供給ユニットのドッキングセクションに面し、及び/又は輸送車両のドッキングセクションが供給ユニットのドッキングセクションに面する状態で、輸送車両が供給ユニットのドッキングセクションに接近するとき、供給ユニットの対応するドッキングセクションにドッキングするように構成することができる。
【0019】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両のドッキングセクションは、特に輸送車両の進行方向に形状嵌め的に遮断する方法で、少なくとも進行方向における移動を遮断する機械的接続部及び/又は停止接点を介して、供給ユニットの対応するドッキングセクションとドッキングするように構成することができ、特に好ましくは、ドッキングされた状態において、輸送車両の進行方向における、及び/又はこれを横切る引き渡しユニットの位置合わせを確立することができる。
【0020】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両のドッキングセクションは、特に輸送車両の進行方向に対して水平に横に又は横方向に形状嵌め的に遮断する方法で、少なくとも進行方向を横切る水平移動を遮断する機械的接続部を介して、供給ユニットの対応するドッキングセクションにドッキングするように構成することができ、特に好ましくは、ドッキングされた状態において、輸送車両の進行方向を横切る引き渡しユニットの横位置合わせを確立することができる。
【0021】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両のドッキングセクションは、特に輸送車両の進行方向に対して横方向に形状嵌め的に遮断する方法で、進行方向を横切る1又は2以上の方向に遮断する機械的接続部を介して、供給ユニットの対応するドッキングセクションとドッキングするように構成することができ、特に好ましくは、ドッキングされた状態において、輸送車両の進行方向を横切る1又は2以上の方向における引き渡しユニットの位置合わせを確立することができる。
【0022】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両のドッキングセクションは、特に進行方向に対して横方向に形状嵌め的に遮断する方法で、ロック解除可能又はロック可能機械的接続部を介して、供給ユニットの対応するドッキングセクションとドッキングするように構成することができ、特に好ましくは、ドッキングされた状態において、引き渡しユニット及び/又は引き渡しユニットに接続された要素の位置ロックを確立することができる。
【0023】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、輸送車両の進行方向に、及び/又は受容セクションの保持セクションの列を横切る方向に、線形に移動させることができるキャリッジを含むことができ、前記キャリッジは好ましくは、特に好ましくは受容セクションをドッキングされた状態で供給ユニットに向かって、又はこれから離れるように移動させるため、受容セクションを運搬する。
【0024】
好都合な例示的な実施形態において、線形に移動可能なキャリッジは、輸送車両の進行方向とは反対にも配向され、及び/又は好ましくは、引き渡しユニット全体又はその上に載る引き渡しユニットによって用いられる要素を運ぶことができる。
【0025】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、ストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素、特に形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含むことができ、これらは好ましくは、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において輸送車両の進行方向とは反対の方向にキャリッジの移動を遮断する。
【0026】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは第1のキャリアセクションを含むことができ、これは好ましくは、特に好ましくは第1のキャリアセクションによって運搬される、及び/又は受容セクションを運搬する可動キャリッジを介して、直接又は間接的に受容セクションを運搬する。
【0027】
好都合な例示的な実施形態において、第1のキャリアセクションは、好ましくは(好ましくは中央に配置された)回転装置を介して、特に制御可能な(そして好ましくは水平に配向された)ターンテーブル、回転ユニット、又は回転機構を介して、引き渡しユニットを運ぶことができ、回転装置は、引き渡しユニット及び第1のキャリアセクションの両方に接続することができ、引き渡しユニットは、少なくとも水平面に回転可能に搭載することができる。好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、好ましくは輸送車両のドッキングセクションに対して静止した方法で輸送車両に配置又は取り付けることができる第2のキャリアセクションを含むことができる。
【0028】
好都合な例示的な実施形態において、第2のキャリアセクションは第1のキャリアセクションを運搬することができ、及び/又は第1のキャリアセクションは、少なくとも1つの水平方向に移動させることができるように、浮動方式で第2のキャリアセクションに搭載すること、及び/又は少なくとも1つの水平方向に変位させる(誘導する)ことができるように搭載することができる。
【0029】
好都合な例示的な実施形態において、第2のキャリアセクションは、好ましくは特に第1のキャリアセクションの進行方向に平行に配向されたガイド装置によって移動可能に搭載することもでき、第1及び第2のキャリアセクションの移動は好ましくは平行に実行することができる。第1及び第2のキャリアセクションを移動させるための変位装置は好ましくは、キャリアセクションの一方の移動を引き渡しユニットの迅速な調整及び移動に用いることができ、他方のキャリアセクションの移動を正確な微調整及び移動に用いることができるように構成することができる。好都合な例示的な実施形態において、ドッキングセクションは、好ましくは輸送車両の進行方向に対して横に及び/又は横方向に第2のキャリアセクションに取り付けることができ、第2のキャリアセクションのガイド装置によって第2のキャリアセクションを移動させることによって、供給ユニットのドッキングセクションまで移動させる、又は後者から離れるように移動させることができる。
【0030】
好都合な例示的な実施形態において、第1のキャリアセクションは、少なくとも輸送車両の進行方向に移動及び/又は変位させる(誘導する)ことができるように、浮動方式で第2のキャリアセクションに搭載することができる。
【0031】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、ストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素、特に形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含むことができ、これらは好ましくは、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において輸送車両の進行方向において第2のキャリアセクションに対する第1のキャリアセクションの移動を遮断することができる。
【0032】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、ストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素、特に形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含むことができ、これらは好ましくは、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において、輸送車両の進行方向において、又はこれに対して横方向に、第1のキャリアセクションに対する第2のキャリアセクションの移動を遮断することができる。
【0033】
好都合な例示的な実施形態において、第1のキャリアセクションは、好ましくは輸送車両の進行方向に対して少なくとも横方向に、浮動方式で第2のキャリアセクションに搭載することができる。
【0034】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、ストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素、特に形状嵌め式で接続するストッパセクション、ガイドセクション及び/又はドッキング要素を含むことができ、これらは好ましくは、自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において、好ましくは輸送車両の進行方向を横切る、第2のキャリアセクションに対する第1のキャリアセクションの移動を遮断することができる。
【0035】
好都合な例示的な実施形態において、引き渡しユニットは、好ましくは自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態において第2のキャリアセクションに対して第1のキャリアセクションを付勢する、又は自己センタリング及び/又はロックされた輸送状態を確立する第2のキャリアセクションの位置に向かって第2のキャリアセクションに作用する力を及ぼすことができる付勢機構を含むことができる。
【0036】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両は無人輸送車両として構成することができ、輸送車両は特に好ましくは、輸送車両の無人制御のための外部制御ユニットへの無線接続のための制御ユニット及び/又は通信ユニットを含む。
【0037】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両は、特に好ましくは輸送車両の並進移動のためのドライブによって、少なくとも並進のために駆動することができる。
【0038】
好都合な例示的な実施形態において、輸送車両は自動操舵支援及び/又は操舵制御を有することができる。
【0039】
さらなる一態様において、工作機械用の工具及び/又はワークピースマガジンで用いるための供給ユニット、並びに/或いは上の態様の1つ又は以下に説明する例示的な実施形態の個々の特徴にもよるアンロード又はロード装置を含むシステムが提案される。
【0040】
このシステムは、工作機械(又は複数の工作機械)、工具又はワークピース交換装置並びに/又は工具及び/若しくはワークピースマガジンを含むこともできる。加えて、類似して構成された供給ユニットを含むことができる、輸送車両用のアンロード又はロードステーションを設けることができる。
【0041】
好都合な例示的な実施形態において、アンロード又はロード装置の輸送車両は、特に好ましくは部分的又は完全に自動化された方法で、供給ユニットのロードバーにロード又はアンロードするために供給ユニットの1又は2以上のドッキングセクションにドッキングするように構成することができる。
【0042】
好都合な例示的な実施形態において、供給ユニットは、ロード位置へともたらすことができ、一列のワークピース及び/又は工具レセプタクルを含むロードバーを含むことができる。
【0043】
アンロード又はロード装置の引き渡しユニットは好ましくは、ドッキングされた状態において、特に部分的又は完全に自動化された方法で、ロード位置でロードバーのワークピース及び/又は工具レセプタクルでワークピース及び/又は工具を引き渡し又は挿入及び/又は取り上げ又は除去するように構成することができる。
【0044】
さらなる態様及びその利点並びに上述の態様及び特徴の利点及びより具体的な実装選択肢を、次の説明並びに添付の図及び対応する例示的な実施形態及び実施形態の例示的な変形例の説明に記載するが、これらはいかなる方法においても制限的として理解されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1B】本発明の例示的な一実施形態によるアンロード及びロード装置を備えた工作機械の工具マガジンを示す例示的な斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による工作機械の工具マガジンの供給ユニットの引き渡し位置での工具バー(ロードバー)を示す例示的な斜視図である。
【
図3】本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両のさらなる例示的な一実施形態を示す例示的な斜視図である。
【
図4B】本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両のさらなる例示的な一実施形態を示す例示的な斜視図である。
【
図5B】本発明の例示的な一実施形態による工作機械の工具マガジンの供給ユニットの工具バー(ロードバー)を示す例示的な詳細な斜視図である。
【
図6F】
図4A及び4Bによるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両の供給ユニット又は引き渡しユニットを示す例示的な斜視図である。
【
図7L】例示的なロードプロセスを説明する
図4A及び4Bによる供給トロリー又は輸送車両を示す例示的な斜視図である。
【
図8J】例示的なアンロードプロセスを説明する
図4A及び4Bによる供給トロリー又は輸送車両を示す例示的な斜視図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるそれぞれのアンロード及びロード装置を備えた複数の工作機械及び無人輸送システム(AGV)を含む生産システムを示す例示的な斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるそれぞれのアンロード及びロード装置を備えた無人輸送システム(DTS,driverless transport system)を備えた生産システムの供給ステーションを示す例示的な斜視図である。
【
図11】本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両のさらなる例示的な一実施形態を示す例示的な斜視図である。
【
図12】本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両のさらなる例示的な一実施形態を示す例示的な斜視図である。
【
図13D】本発明の例示的な実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両のさらなる例示的な一実施形態を示す例示的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
次において、本発明の例又は例示的な実施形態を、添付の図を参照して詳細に説明する。図中の同一又は同様の要素を同じ参照記号によって、しかし時にはまた異なる参照記号によって示すことができる。
【0047】
本発明は、以下に説明する例示的な実施形態及びその実装特徴に決して限定又は制限されず、例示的な実施形態の修正例、特に記載の例の特徴を修正することによって、又は記載の例の特徴の1又は2以上の組み合わせによって独立請求項の範囲内に含まれるものも含むということが留意されるべきである。
【0048】
加えて、次において、工具マガジンから/工具マガジンへの工具のアンロード又はロードに関連する工作機械で用いるためのアンロード又はロード装置の例示的な実施形態を単に例として説明するということが留意されるべきである。
【0049】
しかしながら、本発明は、工作機械の工具及び/又はワークピースマガジンで工具及び/又はワークピースをロード及びアンロードするためのアンロード又はロード装置に関する。したがって、次の例示的な実施形態に類似して、ワークピースマガジンから/ワークピースマガジンへのワークピースのアンロード及びロードに関連する工作機械で用いるためのアンロード及びロード装置が提供される、さらなる例示的な実施形態を提供することができる。加えて、本発明は、ワークピース又はコンポーネントマガジンを工作機械に対してロード又はアンロードするために、又は工具及びワークピース/コンポーネントを保持するハイブリッドマガジンをロード又はアンロードするために用いることもできる。
【0050】
図1A及び1Bは、本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置500を含む工作機械(図示せず)の工具マガジン200の例示的な斜視図を示す。
【0051】
工具マガジン200は、例えば、マガジントレイ220に配置され、例えば、2つのマガジンホイール231及び232を回転可能に保持するマガジンフレーム210を含む。工具マガジン200はこのように、一例として、ホイールマガジンとして構成されている。
【0052】
マガジンホイール231及び232のそれぞれは、例えば、それぞれの工具を受け入れるために周方向に配置されたワークピースレセプタクルを含む。このように、第1のマガジンホイール231は、例えば、周方向に配置された工具レセプタクル231a~331cを含み、第2のマガジンホイール232は、例えば、周方向に配置された工具レセプタクル232a~232eを含む。各工具レセプタクルは、特に、例えば、それぞれのマガジンホイール231又は232に対して径方向の受け入れ方向で、それぞれの工具又は工具を保持する工具インターフェイスを受け入れるように構成されている。工具は、したがって、それぞれの工具レセプタクルでそれぞれのマガジンホイールに対して径方向に、すなわち径方向に位置を合わせた工具軸で配向され、それぞれ径方向に除去することができる。
【0053】
例えば、工具マガジン200は、マガジンホイール231及び232が鉛直方向に互いに平行に位置を合わせられるように構成され、マガジンホイール231及び232は、特に共通の回転軸を中心に、好ましくは互いに独立して、特に、例えば後述する工具交換装置300のマニピュレータ310による工具の除去のために工具レセプタクルの位置を合わせるために回転させることができる。
【0054】
しかしながら、本発明はこのようなホイールマガジンに限定されない。むしろ、1つのマガジンホイールを備えた工具マガジン、又は3又は4以上のマガジンホイールを備えた工具マガジンを設けることもできる、例えば欧州特許第2750828(B1)号明細書参照。さらに、本発明は、ホイールマガジンとして構成された工具マガジンに限定されず、チェーンマガジン又はシェルフマガジンのような、他のマガジンにロード又はアンロードするためにも用いることができる。
【0055】
例えば、
図1A及び1Bにおいて工具交換装置300を示す。工具交換装置300は、工具マガジン200から(好ましくは自動的に又はプログラム制御下で)工具を除去し、それを工作機械(図示せず)若しくは工作機械のワークスピンドルに挿入する、又は工作機械から除去された工具を工具マガジン200へ供給するように構成されている。
【0056】
工具交換装置300は、例えば、工具又は工具を保持する工具インターフェイス、例えば中空シャンクテーパ(HSK,hollow shank taper)、又はスティープテーパ若しくはモールステーパインターフェイスとして構成された工具インターフェイスを把持するための交換可能なグリッパ311を備えたマニピュレータ310を含む。交換可能なグリッパ311は、例えば、対向するグリッパセクション311a及び311bを備えた枢動可能なダブルグリッパとして構成されている。
【0057】
交換可能なグリッパ311は、例えば、持ち上げ/枢動軸312を介してマニピュレータハウジング313(マニピュレータ本体)に保持されている。マニピュレータハウジング313は、マニピュレータハウジング313から離れる、又はこれに向かう(例えば、持ち上げ/枢動軸312の長手方向範囲に対して軸方向の)交換可能なグリッパ311の水平持ち上げ移動を駆動するために、そして持ち上げ/枢動軸312と軸方向に延伸する枢動軸を中心とする交換可能なグリッパ311の枢動移動のために、持ち上げ/枢動軸312用のドライブを含む。
【0058】
また、マニピュレータハウジング313は、例えば、ガイドフレーム316に水平に配置された線形ガイド315に変位可能に配置された線形変位可能なキャリッジ314に、例えば、配置されている。キャリッジ314に配置されたマニピュレータ310又はマニピュレータハウジング313を、例えば、水平に、そして工具マガジン200のマガジンホイール231及び232の回転軸に平行に変位させることができるように、線形ガイド315は、例えば、水平に、特に、工具マガジン200のマガジンホイール231及び232の回転軸に平行に配置されている。
【0059】
マガジンホイール231又は232の工具レセプタクルから工具又は工具を保持している工具インターフェイスを除去するため、マニピュレータ310は、例えば、マガジンホイール231及び232の回転軸のレベルに配置された工具レセプタクルで工具又は工具を保持する工具インターフェイスを把持し、それをマニピュレータハウジング313に向かう持ち上げ/枢動軸312の持ち上げ移動で、対応する工具レセプタクルから除去するため、交換可能なグリッパ311がマガジンホイール231及び232の回転軸のレベルで、対応するマガジンホイール231又は232へ水平に移動する。
【0060】
マニピュレータ310は、工具が除去された状態で、交換可能なグリッパ311の枢動移動及びマニピュレータハウジング313から離れる持ち上げ移動によって工作機械のワークスピンドルに工具を挿入するため、次いで工作機械の側部(例えば
図1Aにおいて右側)へ、例えば
図1A又は1Bによる位置(工具交換位置とも呼ばれる)へ移動することができる。
【0061】
類似して、交換可能なグリッパ311の対応する枢動移動の後、交換可能なグリッパ311のマニピュレータハウジング313に向かう持ち上げ移動によって工作機械のワークスピンドルから除去された工具を、線形ガイド315上で水平にキャリッジ314によって対応するマガジンホイール及び工具へマニピュレータ310を移動させること、又はマニピュレータハウジング313から離れる持ち上げ移動を介して対応するマガジンホイールの空いている工具レセプタクルに工具又は工具を保持する工具インターフェイスを置く又は挿入することによって、工具マガジン200のマガジンホイール上の工具レセプタクル上に戻すことができる。
【0062】
工具マガジン200に工具を供給又はロードするため、
図1A及び1Bによれば、本発明の一実施形態による供給ユニット400が設けられている。供給ユニット400は、例えば、工具マガジン200の、工作機械の作業領域とは反対側に配置されている。
【0063】
供給ユニット400は、例えば、ロードバー410を含み、これは、工具がロードバー410に保持される、この例示的な実施形態において、工具バーと呼ぶこともできる。しかしながら、ワークピース若しくはコンポーネントを保持するロードバー又は工具及びワークピース若しくはコンポーネントを保持するロードバーも考えられる、又は好都合である。
【0064】
ロードバー410は、例えば、それぞれの工具又は工具を保持するそれぞれの工具インターフェイスを受け入れるための複数のレセプタクル411、
図1Aの本例においては4つの工具レセプタクル411を含む。ここで、工具レセプタクル411は、例えば、ロードバー410の上側で長手方向に延伸する一列(例えば、直線に延伸する)に配置されている。
【0065】
さらなる例示的な実施形態において、ロードバーは、4つより少ない、又は好ましくは多い工具レセプタクル411を含むこともできる。加えて、工具レセプタクルは、2又は3以上の列(好ましくは平行に延伸する)に配置することもできる。
【0066】
図1Aにおいて、例として、ロードバー410は、ロード位置でロードバー410の工具レセプタクル411に工具を挿入することによって工具をロードバー410にロードすることができるロード位置に配置されている。ロードバー410は、ロード位置でロードバー410の工具レセプタクル411から工具を除去することによってロード位置でアンロードされてもよい。
【0067】
ここで、ロード位置にあるロードバー410は、例えば、水平に配向されている。加えて、ロード位置にあるロードバー410は、例えば、マガジンホイールの平面に平行に、又はマガジンホイールの回転軸に垂直に、工具マガジンの最も外側のマガジンホイール231に隣接して延伸する。
【0068】
例示的な実施形態において、工作機械又は工具マガジンは機械又はマガジンハウジングを含むことができ、このときロードバー410は、例えばハウジングの開いた側又は部分的に開いた側にロード位置を配置することによって、少なくともロード位置でアクセス可能であることが好ましい。
【0069】
特に好都合な例示的な実施形態において、ロード位置は、好ましくは自動化された、又はさらには完全に自動化された開/閉機構によって開閉することができる、機械又はマガジンハウジングのドア(好ましくは引き戸として構成された)に配置されている。
【0070】
例として、供給ユニット400は、例えば、マガジンフレーム210に取り付けられたガイドフレーム430をさらに含み、例えば、線形ガイド431及び432がガイドフレーム430上で鉛直方向に延伸する。線形ガイド431及び432上で、例えば、持ち上げユニット420(持ち上げ/回転ユニット)が、鉛直方向に変位させることができるように保持又は誘導される。
【0071】
例えば、持ち上げユニット420は、ロードバー410を保持又は運搬し、持ち上げユニット420は、例えば、特に供給ユニットの引き渡し位置(例えば、
図2参照)に向かって、線形ガイド431及び432上で鉛直方向にロードバー410を移動させることによって、これを
図1Aに示すロード位置から上方へ移動させるように構成されている。
【0072】
加えて、持ち上げユニット420は、例えば、例えばロード位置において水平に配向されている、ロードバー410が、引き渡し位置において水平の配向に対して回転するように、特に好ましくはロードバー410が引き渡し位置において鉛直方向に配向される(例えば、
図2参照)ように、水平回転軸を中心にロードバー410を回転させるように構成されている。
【0073】
例えば、持ち上げユニット420がロードバー410を回転させることができる水平回転軸は、鉛直方向に延伸する線形ガイド431及び432によって広がる平面に対して垂直に配置され、前記平面は、マガジンホイールの平面に対して平行に、又は工具マガジンのマガジンホイールの回転軸に垂直に配向されている。
【0074】
図2は、本発明の一実施形態による引き渡し位置での工具バー又はロードバー410の例示的な斜視図を示す。ここで、ロードバー410は、
図1Aとは異なって構成され、以下でさらに説明する例示的な実施形態によれば、例えば、8つの工具レセプタクル411が設けられ、例えば、工具レセプタクル411は一列に互いに隣接して配置されている。
【0075】
以下でさらに説明する例示的な実施形態の動作モードのため、
図2におけるロードバー410は、例えば、
図1Aによる例示的な実施形態には要求されない、追加のドッキング要素593及び追加の配置要素594を含む。しかしながら、引き渡し位置での引き渡しの原理は例示的な実施形態において同一である、又は類似している。
【0076】
また、
図2において、マガジンホイール231上の工具レセプタクル231a~231fも一例として示され、例えば、マニピュレータ310が、交換可能なグリッパ311とともに、衝突することなく工具レセプタクル231aと231dとの間の間隙を通して、引き渡し位置に配置されたロードバー410へ移動することを可能にするため、工具レセプタクル231aと231dとの間のマガジンホイール231上に工具レセプタクルが設けられていない間隙(いわゆる自由空間)がある。少なくとも1つのこのような間隙又は自由空間が、好ましくは各マガジンホイールに設けられている。
【0077】
ロードバー410は、例えば、引き渡し位置において鉛直方向に配向され、工具レセプタクル411は、ロードバー410の引き渡し位置においてマニピュレータ310又は工具交換装置300に面する工具マガジン200の側に配置される。マニピュレータ310は、ロードバー410の工具レセプタクル411に工具又は工具を保持している工具インターフェイスを除去又は挿入するため、線形ガイド315上で引き渡し位置へ移動することができる。
【0078】
マニピュレータ310は、引き渡し位置と工具交換位置との間で前後に移動することができ、その間のすべてのマガジンホイールに到達することもできるので、マニピュレータ310は、工作機械の加工システム内へ工具を導入するため、ロードバー410から各マガジンホイールへ、また工具交換のために直接工作機械のワークスピンドルへ工具を運ぶことができ、マニピュレータ310は、工作機械の加工システムから工具を抽出するため、ワークスピンドルから、並びに各マガジンホイールから工具を取り出し、それを引き渡し位置におけるロードバー410へ運ぶこともできる。
【0079】
この例示的な実施形態(及びまた他の例示的な実施形態)によれば、マニピュレータ310は、例えば、マガジンホイールの回転軸のレベルで移動し、したがってロードバー410が引き渡し位置(例えば、
図2による)にあるとき、マガジンホイールの回転軸のレベルに配置された工具レセプタクル411又は前記工具レセプタクル411に保持された工具にアクセスすることができる。
【0080】
マニピュレータ310がロードバー410の他の工具レセプタクル411又は前記他の工具レセプタクル411に保持された工具にアクセスすることを可能にするため、ロードバー410は、引き渡し位置で鉛直方向の配向に留めながら、マガジンホイールの回転軸のレベルでの位置に所望の工具レセプタクル411を合わせるため、持ち上げユニット420の単なる持ち上げ移動によって上方又は下方へ移動させることができる。
【0081】
持ち上げユニット420は好ましくは、ロードバー410の持ち上げ及び回転移動を互いに独立して実行するように構成されている。持ち上げユニット420は好ましくは、ロードバー410の持ち上げ及び回転移動を次々に又は同時に実行するように構成されている。特に、持ち上げユニット420は好ましくは、回転移動なしに引き渡し位置でロードバー410の持ち上げ移動を実行するように構成されている。例示的な実施形態において、持ち上げ移動を駆動する持ち上げ軸と、回転又は枢動移動を駆動する回転又は枢動軸とを、結合しても分離してもよい。
【0082】
この例示的な実施形態において、ロードバー410は、例えば、持ち上げユニット420(持ち上げユニット又は持ち上げ/回転若しくは持ち上げ/枢動ユニット)に取り付けられ、例えば、恒久的に設置されている。さらなる例示的な実施形態において、持ち上げユニット420は、係合装置(例えば、ドイツ特許出願公開第102018201426(A1)号明細書の実施形態による)によってロードバー410を把持するように構成することもできる。
【0083】
以前は手動でロードバー410にロード位置で装備又はロードすることが要求されていた。この目的のため、オペレータが手動でロードバー410の工具レセプタクル411に工具を個別に挿入せねばならず、重いワークピースが外部クレーンシステムによっておそらく支持される。これは高価で空間を浪費する。特にさらなる自動化の選択肢を提供する、より効率的で、より速く、より正確でより安全なロードの選択肢が提供されるので、次の例示的な実施形態によりこの状況が顕著に改善される。
【0084】
したがって、本発明によれば、先行技術とは対照的に、すなわち、例えば、ドイツ特許出願公開第102018201426(A1)号明細書とは対照的に、ロードバー410にオペレータによってロード位置において手動でロードすることが要求されず、ロード及びアンロードには、部分的又は完全に自動化されたアンロード又はロード装置500を設けることによって追加の自動化が提供される。
【0085】
アンロード又はロード装置500は、例えば、輸送車両510を含む。
図1A及び1Bによる例示的な実施形態において、輸送車両510は無人輸送車両510(省略形:FTF,driverless transport vehicle)の一例として構成されている。英語圏において、このような車両は「Automated Guided Vehicle(自動化誘導車)」又は「Automatic Guided Vehicle(自動誘導車)」又は略してAGVと呼ばれることもある。
【0086】
例えば、無線、WLANなどを介して中央コンピュータ及び/又は制御ユニットと連絡する無人輸送車両を用いることによって、生産プロセスをよりいっそう効果的に制御及び自動化することができる。これは、輸送車両のルートの最適化、工作機械/製造センターでのスケジューリングなども含む。
【0087】
これは輸送車両510の好ましい実施形態であり、無人輸送車両又は無人輸送システムのAGVとして構成又は実装されている。しかしながら、無人輸送システムを必ずしも用いる必要はなく、任意の他の車両を輸送車両として用いることもできる。例えば、輸送車両は、、例えば、
図3に参照されるように、手動で操舵、又は手動で誘導される(しかし好ましくは動力を供給される)輸送車両として構成することもできる。
【0088】
基本領域(例えば、ホールフロア)を自由に(すなわち特に、例えば、レールなどに縛られずに)移動させることができる無人輸送車両510は、例えば従動ホイール511及びホイール用の内部ドライブを含む。加えて、無人輸送車両510は好ましくは、無人輸送車両510を制御するためのセンサ及び制御システムを内部に含む。
【0089】
ホイール511は、駆動列(図示せず)を介して中央駆動モータに接続することができるが、それぞれ独自の駆動モータ(例えば1又は2以上の電気モータ)を有することもでき、これらは、例えば、内部センサ及び制御システムの内部制御によって個別に制御することができる。
【0090】
さらに、無人輸送車両510の非常に柔軟な駆動スタイル及び配置(例えばその場で回転すること、横向きに駆動することなど)が可能になるように、ホイール511は好ましい例示的な実施形態において個別に連結することができる。しかしながら、ホイール511は、無人車両510の配置を達成するために反対方向に移動することによって無人車両510を回転させることもできる。
【0091】
代替的には、ホイール511の代わりに、無人輸送車両510の可動性又は柔軟性をさらに高めるため、チェーン、クローラシャーシ、又はホイールとチェーン/クローラシャーシの組み合わせを用いることもできる。
【0092】
ホイール511の特に好ましい一実施形態はいわゆるメカナムホイールである。各ホイール511の回転方向を単に制御することによって、輸送装置510のその場での回転移動、輸送装置510の長手方向(前方、後方)及び横方向(横向きの移動)の両方、並びに長手方向又は横方向に対して45°の角度での輸送装置510の並進移動が可能になる。
【0093】
メカナムホイールを用いることによって、ホイール511のための操舵機構を有利に完全に排除することができ、輸送装置510の対応する配置移動を内部制御のみで得ることができる。
【0094】
さらに、例示的な実施形態において、情報又は信号を直接、互いに交換するため、輸送車両510が工作機械又は、例えば、工作機械の数値機械コントロール(又は他の具体的な宛先)と連絡する(例えば無線、ブルートゥース、WLANなどを介して)ことが有利に可能であり得る。これは、輸送車両510及び工作機械又は工作機械の数値機械コントロールと連絡しているコンピュータ又は制御ユニットを介して実行することもできる。
【0095】
また、無人輸送車両510は内部エネルギー貯蔵器を含むこともでき、この目的のため、1又は2以上の、好ましくは再充電可能な電池のような電気エネルギー貯蔵器が用いられる。しかしながら、内部エネルギー貯蔵器は電気エネルギーに限定されず、必要であれば、例えば、加圧流体又は変形エネルギー(例えば弾性要素)の形で機械的エネルギーも貯蔵することができる。例えば、油圧又は空気圧のためのさらなるエネルギー貯蔵器も車両510のシャーシに収容することができる。
【0096】
図1Aによる無人輸送車両510は、例えば、車両の頂部に、例示的なドッキング要素521及び522と、例えば、一列に配置された複数の工具WZ又は一列に配置された複数の工具WZを保持する工具インターフェイスが保持される工具保持セクション530(受容セクション)を備えた、前方に配向された(すなわち、例えば、主な進行方向を指す)ドッキングセクション523を含むアンロード及びロード装置520(例えば、取外し可能なアンロード及びロードモジュール)を含む。他の例示的な実施形態において、保持セクション530(受容セクション)にワークピース又はワークピースを保持するワークピースクランプ手段も保持することができる。
【0097】
工具WZ又は工具インターフェイスは、例えば、水平に配向された列に配置され、工具保持セクション530に保持される。工具WZは、例えば、鉛直方向に位置を合わせた工具軸で、工具インターフェイスが、例えば工具の主な進行方向に垂直に、又はドッキングセクションの前向きドッキング面に平行に配置された列において下方を指す状態で保持されるように、工具保持セクション530に配置される。
【0098】
図1Aにおいて、工具インターフェイスは、例えば、中空シャンクテーパ(HSK)として構成されている。工具保持セクション530はしたがって、例えば、中空シャンクテーパ工具インターフェイスを受容又は保持するための保持セクションを含む。しかしながら、さらなる例示的な実施形態において、工具保持セクション530は、例えば、スティープテーパ又はモールステーパのような他の工具インターフェイスを保持又は受容するように構成することができる。
【0099】
この例示的な実施形態において、ロード装置500は、例えば、供給ユニット400のロード位置でドッキングユニットを含み、前記ドッキングユニットには、アンロード及びロード装置520の対応するドッキングセクション523とドッキングするためのドッキングセクション590が設けられている。
【0100】
無人輸送車両510は、ドッキングセクション590に接近し、ロード及びアンロード装置520のドッキングセクション523とドッキングするように構成されている。
【0101】
この場合、無人輸送車両510上のロード及びアンロード装置520のドッキングセクション523は、例えば、データインターフェイス又はI/Oリンクとして構成された中央ドッキング要素521を含み、これは、ドッキング中にドッキングセクション590の対応する中央ドッキング要素591に接続されるように構成されている。
【0102】
このとき接続されたドッキング要素591及び521のデータインターフェイス又はI/Oリンクを介して、例えば、対応する工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)に直接又は間接的に関連するデータ、例えばロード又はアンロードされるべき工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)に関連付けられた工具データ(又はワークピース及び/又はコンポーネントデータ)を交換することができる。
【0103】
これは、例えば、このとき接続されたドッキング要素591及び521のデータインターフェイス又はI/Oリンクを介して、工作機械にロードされるべき工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)を輸送車両510が運ぶとき、機械コントロール又はコンピュータ実装工作機械動作ユニットに運ばれる工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)に関する工具データ(又はワークピース及び/又はコンポーネントデータ)を無人輸送車両510の制御ユニットが送信するということを意味することができ、データは、工具識別番号、工具タイプ、工具サイズ、工具モデルデータ、工具形状、工具特性又は工具摩耗状態などに関する情報のような、持ち込まれた工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)についての情報(又は持ち込まれたワークピース及び/又はコンポーネントに関する対応するデータ)を示す。
【0104】
無人輸送車両510が工作機械から工具(又はワークピース及び/又はコンポーネント)をアンロード又は取り上げる場合、機械コントロール又はコンピュータ実装工作機械動作ユニットは、このとき接続されたドッキング要素591及び521のデータインターフェイス又はI/Oリンクを介して、対応する工具データ(又はワークピースデータ及び/又はコンポーネントデータ)を無人輸送車両510の制御ユニットに送信することができる。
【0105】
加えて、このとき接続されたドッキング要素591及び521のインターフェイスは有利には、信号の非接触伝送用のユニットを有することができる。非接触信号伝送用のこのユニットは、例えば、信号の非接触伝送用の送信機/受信機コイルとして、又はI/Oリンクとの誘導結合器として構成することができる。加えて、又は代替として、光信号伝送が考えられる。
【0106】
ここで、このユニットは、このとき接続されたドッキング要素591及び521のインターフェイスで任意の点に、又はこのとき接続されたドッキング要素591及び521のインターフェイスの外側にも設けることができ、非接触信号伝送用のユニットは有利には、このとき接続されたドッキング要素591及び521のインターフェイスの中央/中間に設けられる。
【0107】
例えば、無人輸送車両510上のアンロード及びロード装置520のドッキングセクション523はさらなるドッキング要素522(例えば、クランプコーンとして構成された)を含み、これは、ドッキング中にドッキングセクション590の対応するドッキング要素592に接続又はドッキングされるように構成されている。
【0108】
有利には、この結果、無人輸送車両510が事前定義されたロード位置に配置されているドッキングセクション590とのドッキングされた状態又はドッキングの状態に無人車両510が正確に配置される。
【0109】
例示的な実施形態において、ドッキング要素522は、例えば、ドッキングされたドッキングセクションの機械的ロックを提供することができるように、それぞれのドッキング要素592に固定又はロックすることができる。
【0110】
この目的のため、例えば、無人輸送車両510上の対応するアンロード及びロード装置520を供給ユニット400に対して位置合わせ及び好ましくはまた固定するためのドッキング要素522又は592として円錐形状セクションを設けることができる。このような位置合わせ及び同時固定のため、例えば、工作機械におけるパレット用のレセプタクルから既に知られているようなクランプコーンを例示的な実施形態において有利に用いることができる。
【0111】
ドッキング要素522及び/又は592は、機械的エネルギー(例えば対応するドッキング要素上の接続要素の従動回転)並びに/又は電気、油圧及び/若しくは空気圧エネルギーの伝達用の1又は2以上のインターフェイスも含むことができる。
【0112】
電気エネルギーの伝達は、例えば、無人輸送車両510の電池を充電するために用いることもできる。さらに、例えば、冷却潤滑剤のような動作手段も供給することができる。電気及び/又は流体を伝導する適切な固定手段及び接続部(固定手段及び接続部)を例えば、この目的のために設けることができる。
【0113】
図1Bは、例として、ロード位置でドッキングされた状態にある無人輸送車両510を示す。この場合、無人輸送車両510のドッキングセクション523は、
図1Aにおいてはまだ明確に見えるが、ロード位置でドッキングセクション590にドッキングされている。
【0114】
ロードバー410は、例えば、持ち上げユニット420によって
図1Bにおいて下向きに移動し、この状態において、無人輸送車両510の工具保持セクション530の高さより低いレベルに配置されている。ドッキングされた状態における無人輸送車両510の正確な配置のため、工具保持セクション530の保持セクションの列は、ロードバー410の受容セクション411の列の真上にある。
【0115】
特に、
図1A及び1Bにおける工具保持セクション530は例として4つのみの保持セクションを含む。例として(正確に4つに制限されることなく)、工具保持セクション530の保持セクションの数はしたがって、ロードバー410の工具レセプタクル411の数と同じであり、加えて、工具保持セクション530の保持セクションは、ロードバー410の工具レセプタクル411間の距離と同じ距離で、互いに隣接して一列に配置されている。
【0116】
例示的な実施形態において、工具保持セクション530の保持セクションの数は好ましくは、ロードバー410の工具レセプタクル411の数以下であり、ロードバー410の工具レセプタクル411の数は特に好ましくは、工具保持セクション530の保持セクションの数の整数倍である。
【0117】
図1Bによれば、工具保持セクション530の保持セクションに保持された工具WZ又は工具インターフェイスがロードバー410の工具レセプタクル411に受け取り又は挿入されるまで、ロードバー410は次に持ち上げユニット420によって持ち上げることができる。
【0118】
工具又は工具インターフェイスを工具保持セクション530の保持セクションから解放することができ、ロードバー410を引き渡し位置へ持ち上げることができるように、次いでドッキングされた状態を終了することができ、無人輸送車両510をロード位置から離して後方に移動させることができる。これにより例示的な完全自動化ロードプロセスが終了する。
【0119】
さらに、アンロードプロセスを実行することができ、工具がロードされたロードバー410をロード位置へ移動させ、輸送車両510がドッキングセクション590に接近してドッキングし、輸送車両510がドッキングされると、工具保持セクション530の保持セクションは工具WZまで移動し、ロードバー410によって保持された工具の工具インターフェイスのグリッパ溝に係合する。ロードバー410を次いで下向きに移動させ、ロードバー410のレセプタクル411が、工具保持セクション530の保持セクションに保持された工具を解放することができる。
【0120】
ドッキングされた状態を次いで終了することができ、工具又は工具インターフェイスが工具保持セクション530の保持セクションに保持された状態で、無人輸送車両510をロード位置から離して後方に移動させることができる。これにより例示的な完全自動化アンロードプロセスが完了する。
【0121】
ロード位置でのロードバー410の移動は、工作機械の機械コントロール又は供給ユニットの制御ユニットによって、データインターフェイス、接続されたI/Oリンクを介して、及び/又はドッキング要素のロックを介してドッキング状態を検出することによって、ドッキングプロセスと同期させることができる。加えて、車両510の接近は、モーションセンサ及び/又は非接触通信リンクを介して監視することができる。
【0122】
この結果、工作機械に対する工具(又はワークピース又はコンポーネント)のロード及びアンロードが完全に自動化される。工作機械の後続の部分的又は完全に自動化されたロードのため、アンロード若しくはロード装置500又は無人輸送車両510にドッキングステーションで(ドッキングセクション590及びストレージマガジン上の可能な供給ユニットを含むドッキングステーションと同様に)部分的又は完全に自動的にロードすることができるように、類似したドッキングステーションを保管領域に設けることができるということが留意されるべきである。
【0123】
車両510は好ましくは、工作機械上のロード位置と工具及び/又はコンポーネント倉庫上のロード位置又はドッキングステーションとの間で完全に自動的に移動する。
【0124】
しかしながら、さらなる実施形態において、車両510が手動で制御又は操舵されるが、おそらく動力が供給される、又は駆動及び/又は操舵支援を有する、簡略化された構成を提供することが可能である、
図3参照。
【0125】
図3は、本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置500の供給トロリー又は輸送車両510のさらなる例示的な一実施形態の例示的な斜視図を示す。
【0126】
図3における輸送車両510は、
図1Aにおける無人輸送車両510と同様に、車両の頂部にアンロード及びロード装置520(例えば取外し可能なアンロード及びロードモジュール)を含み、例えばドッキングセクション523が前方を指し(すなわち、例えば、主な進行方向において、又は、他の例示的な実施形態において、主な進行方向を横切って指し)、例示的なドッキング要素521及び522、及び、例えば、一列の若しくは複数の工具WZ又は工具WZを保持する工具インターフェイスが保持される工具保持セクション530を含む。これは
図1A及び1Bの上の説明に類似している。
【0127】
しかしながら、
図1A及び1Bの実施形態とは対照的に、
図3における輸送車両510はハンドルセクションGを装備し、これによってオペレータBが、もしかすると運転支援を伴って、車両を把持し、これを押す及び/又は操舵することができる。
【0128】
図3における輸送車両510は、ドッキングセクション590まで駆動する、又はオペレータによってそこまで駆動されるように、そして
図1Aによるアンロード及びロード装置520のドッキングセクション523とドッキングするように構成されている。
【0129】
例えば、輸送車両510上のアンロード及びロード装置520のドッキングセクション523は次にさらなるドッキング要素521(例えば、クランプコーンとして構成された)を含み、これは、ドッキング中にドッキングセクション590の対応するドッキング要素592に接続又はドッキングされるように構成することができる。次に有利にはこの結果、ドッキングされた状態又はドッキングセクション590にドッキングされた状態に無人車両510が正確に配置され、無人輸送車両510は事前定義されたロード位置に配置される。
【0130】
図1Bに類似したドッキングされた状態において、工具保持セクション530の保持セクションに保持された工具WZ又は工具インターフェイスがロードバー410の工具レセプタクル411に受け取り又は挿入されるまで、ロードバー410は持ち上げユニット420によって持ち上げることができる。次いで、工具又は工具インターフェイスを工具保持セクション530の保持セクションから解放することができ、ロードバー410を引き渡し位置へ持ち上げることができるように、ドッキングされた状態を終了することができ、輸送車両510をオペレータBによってロード位置から離して後方に駆動することができる。これにより例示的な部分的自動化ロードプロセスが終了する。
【0131】
さらに、アンロードプロセスを実行することができ、工具がロードされたロードバー410をロード位置へ移動させ、輸送車両510がオペレータBによってドッキングセクション590まで駆動されてドッキングし、輸送車両510がドッキングされると、工具保持セクション530の保持セクションは工具WZまで運ばれ、ロードバー410に保持された工具の工具インターフェイスのグリッパ溝に係合する。
【0132】
ロードバー410を次いで下向きに移動させ、ロードバー410のレセプタクル411が、工具保持セクション530の保持セクションに保持された工具を解放することができる。ドッキングされた状態を次いで終了することができ、工具又は工具インターフェイスが工具保持セクション530の保持セクションに保持された状態で、オペレータBによって輸送車両510をロード位置から離れるように後方へ駆動することができる。これにより例示的な部分的アンロードプロセスが完了する。
【0133】
ロード位置でのロードバー410の移動は、工作機械の機械コントロール又は供給ユニットの制御ユニットによって、データインターフェイス、接続されたI/Oリンクを介して、及び/又はドッキング要素のロックを介してドッキング状態を検出することによって、ドッキングプロセスと同期させることができる。加えて、車両510の接近は、モーションセンサ及び/又は非接触通信リンクを介して監視することができる。
【0134】
この結果、工作機械に対する工具(又はワークピース又はコンポーネント)のロード又はアンロードが部分的に自動化される。工作機械の後続の部分的又は完全に自動化されたロードのため、アンロード若しくはロード装置500又はオペレータBによって誘導される輸送車両510にドッキングステーション(ドッキングセクション590及びストレージマガジンでの可能な供給ユニットを含むドッキングステーションに類似した)で部分的又は完全に自動的にロードすることができるように、類似のドッキングステーションを保管領域に設けることができるということが留意されるべきである。
【0135】
図4A及び4Bは、本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置500の供給トロリー又は輸送車両510のさらなる例示的な一実施形態の例示的な斜視図を示す。
【0136】
図1A及び1Bによる実施形態と同様に、輸送車両は、例えば、無人輸送車両510として構成されている。台枠及び内部において、無人輸送車両510は
図1A及び1Bによる無人輸送車両510と同様に構成することができ、そのため無人輸送車両の上の説明をすべて適用することができる。
【0137】
しかしながら、
図4A及び4Bによる無人輸送車両510は、無人輸送車両510に配置されたアンロード又はロード装置520の構成が異なる。
【0138】
図4A及び4Bによる無人輸送車両510は、それぞれの工具又は工具インターフェイスを保持することができる保持セクションを備えた工具保持セクション530が再び前又は端側の頂部に設けられているアンロード又はロード装置520を含む。
図4A及び4Bにおいて、例として工具なしの工具インターフェイスWZSのみが示されているが、これは、
図1Aと同様にそれぞれの工具を保持することができる。
【0139】
例えば、アンロード又はロード装置520は、キャリッジ541を線形に移動させることができるように配置した線形ガイド542を備えた引き渡しユニット540を含む。キャリッジ541は、例えば、工具インターフェイスWZSを保持する保持セクションを備えた、例えば、工具保持セクション530を運搬する。これは、ロードバー410のロード位置で無人輸送車両510のドッキングされた状態においてロードバーに向かって工具保持セクション530を移動させることができるという利点を有する。
【0140】
ドッキング状態では、アンロード又はロード装置520は、それぞれのドッキング要素524を備えたドッキングセクション523を含む。これにより、無人輸送車両510がドッキングされた状態(ドッキング状態)にあり、したがって正確に配置されているとき、工具を除去又は挿入するためのロードバー410に対する工具保持セクション530の変位(これは、
図1A及び1Cにおける輸送車両を移動させることによって行われる)を有利に実行することができる、部分的又は完全に自動化されたロード又はアンロードプロセスが可能になる。これにより、ロード及びアンロード動作の精度及び効率が向上する。
【0141】
加えて、それぞれのドッキング要素524を備えたドッキングセクション523はドッキング要素593と直接ドッキングすることができ、これはロードバー410に直接取り付けることができるが(例えば、
図2参照)、例えば、ドッキング要素524及び593のロックが意図されないことがある。ドッキングはこのとき、ドッキング要素524及び593の非ロック接触によって実現される。
【0142】
図5A及び5Bは、本発明の一実施形態による工作機械の工具マガジンの供給ユニットの工具バー(ロードバー)の例示的な詳細な斜視図を示す。
【0143】
ロードバー410は
図2と同様に構成され、
図1A~2の説明と同様に持ち上げユニット420によって
図5Aに示すロード位置から引き渡し位置へガイド431及び432に沿って持ち上げて回転させることができる。
【0144】
一例として、工作機械100の機械ハウジング110が
図5Aに示され、供給ユニット400、工具マガジン200、工具交換装置300、ワークスピンドル及び作業空間を配置することができる。加えて、アンロード又はロードプロセスが実行されていないとき、供給ユニット400又はロードバー410のロード位置を外側から封鎖するために自動的に閉じることができる自動制御可能な引き戸120(例示的に開状態における)が示されている。
【0145】
供給ユニット400の操作装置440が、例えば、機械ハウジング壁上のロード位置の側に配置されている。ここで、例えば、特にアンロード及び/又はロードプロセス中の動作のため、オペレータが、例えば操作装置440上のタッチスクリーンを介して、又は、他の例示的な実施形態において、ボタン、回転式コントロール、キーボード又は他の入力装置のような操作ユニットを介して、供給ユニット400を制御することができる。
【0146】
これは、ドア120を自動的に開く及び/又は閉じること、例えば、ロード位置へ及び/又は引き渡し位置へロードバー410を自動的に移動させること、ロードバー410のオペレータ制御された位置合わせ、ロードバー410のオペレータ制御された鉛直方向移動及び/又はロードバー410のオペレータ制御された回転を含む、オペレータ制御された方法でロードバー410を移動させること、ロード位置でロードバー410のすべて又は個々の工具又は工具インターフェイスレセプタクル411をロック及び/又はロック解除すること、マガジン200からアンロードされるべき工具及び/又はワークピースを選択すること、及び他の動作機能のような、1又は2以上の動作可能な機能又は動作機能を含むことができる。
【0147】
加えて、必要であれば、ロードされるべき工具及び/又はワークピース/コンポーネントについてのさらなる工具データを、オペレータによって入力する、又はデータインターフェイスを介して(例えば、ブルートゥース、WLAN、RFID、USBなどを用いるデータインターフェイスを介して)送信することができる。アンロードされるべき工具又はワークピースについての情報をモニタ又はタッチスクリーンを介してオペレータに表示することもでき、又はアンロードされるべき工具及び/又はワークピースについてのデータをこのようなデータインターフェイスを介して出力することができる。
【0148】
例として既に
図2に示したように、ロードバー410は、
図5A及び、詳細には、
図5Bに参照されるように、外側に配置されたドッキング要素593を含む。。
【0149】
加えて、ロードバー410は配置要素594を含み、これは、工具レセプタクルのレベルでの、
図4A及び4Bによる輸送車両510のドッキングに関連して以下に例として説明する。
【0150】
例示的な実施形態による例示的な(任意選択の)詳細な特徴を以下で議論する。
【0151】
図6A~6Fは、
図4A及び4Bによるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両510の供給ユニット又は引き渡しユニット540の例示的な斜視図を示す。
【0152】
引き渡しユニット540は、例えば、線形変位可能なキャリッジ541が線形変位可能であるように配置された線形ガイド542を含む。キャリッジ541は、例えば、工具インターフェイスWZSを保持する保持セクションを備えた、例えば、工具保持セクション530を運搬する。これは、ロードバー410のロード位置で無人輸送車両510のドッキングされた状態においてロードバーに向かって工具保持セクション530を移動させることができるという利点を有する。
【0153】
ドッキング状態では、アンロード又はロード装置520は、それぞれのドッキング要素524を備えたドッキングセクション523を含む。これにより、無人輸送車両510がドッキングされた状態(ドッキング状態)にあり、したがって正確に配置されているとき、工具を除去又は挿入するためのロードバー410に対する工具保持セクション530の変位(これは、
図1A及び1Cにおける輸送車両を移動させることによって行われる)を実行することができる、部分的又は完全に自動化されたロード又はアンロードプロセスが可能になる。これにより、ロード及びアンロード動作の精度及び効率が向上する。
【0154】
加えて、それぞれのドッキング要素524を備えたドッキングセクション523はドッキング要素593と直接ドッキングすることができ、これはロードバー410に直接取り付けることができるが(例えば、
図2、5A及び5B参照)、例えば、ドッキング要素524及び593のロックが意図されないことがある。ドッキングはこのとき、ドッキング要素524及び593の非ロック接触によって実現される。
【0155】
例えば、工具保持セクション530の前部セクションはレーキ形状であり、隣接するタインセクションの対の間、特に、例えば、それらのグリッパ溝で、工具インターフェイスが(好ましくは工具が上方を指して)保持される又はされ得る。これは、例えば、一連の工具グリッパセクション(すなわち、特にそのグリッパ溝で、それぞれ1つの工具インターフェイスを受け入れるためのレーキ形状セクションのタインセクション間に形成されたグリッパセクション)を有するバーであるので、グリッパと呼ぶこともできる。
【0156】
レーキ形状の構成により、工具又は工具を保持する工具インターフェイスをそれぞれ受け入れるための保持セクションの水平に配置された列の簡素な形成が可能になる。例として、
図6A~6Fにおける工具保持セクション530は4つの保持位置又は4つの保持セクション(5つのタインセクションとタインセクション間の4つの保持間隙)を含む。しかしながら、他の例示的な実施形態において、より多い又はより少ない保持セクションを形成することもできる。
【0157】
同じくレーキの形状で形成され、また、例えば、輸送車両510の横方向に、すなわち特に工具保持セクション530の保持セクションの列の方向に保持されている、任意選択のロック要素531が、例えば、工具保持セクション530に配置されている。レーキ形状ロック要素531は、特に、工具保持セクション530のレーキ形状セクションに平行に延伸する。
【0158】
工具保持セクション530の保持セクションの列の方向にロック要素531を移動させることによって、保持された工具又は工具インターフェイスWZSをロック又はロック解除するため、工具保持セクション530のレーキ形状セクションにおける間隙と多かれ少なかれ重なるようにレーキ形状ロック要素531における間隙をシフトさせることができる。これは好ましくは、ばね付勢又は電磁付勢機構によって提供され、及び/又は、例えば電磁、電子、空気圧及び/又は油圧アクチュエータを介して自動的に制御することができる。
【0159】
例えば、工具保持セクション530の外側タインセクション530aは、前部に向かって先細りし、例えば、外側タインセクション530aの下側が斜めに延伸するように構成されている。
【0160】
これは、工具保持セクション530を前方に、又はロード位置にあるロードバー410に向かって移動させるとき、好ましくは空の工具保持セクション530をロードバー410まで移動させるアンロードプロセスにおいて、外側タインセクション530aが配置要素594(
図5A及び5B参照)上の斜めの下側と相互作用することができるという点において、ロードバー410とドッキングするときの正確な高さ配置のための任意選択の又は例示的な構成である。
【0161】
例えば、この目的のため、配置要素594は、特にロード位置にあるロードバー410のレセプタクル411にアンロードされるべき工具インターフェイスでのグリッパ溝との正確な高さの位置合わせのため、工具保持セクション530を前方に、又はロード位置にあるロードバー410に向かって移動させるとき、外側タインセクション530aの斜めの下側を転がって工具保持セクション530を上方に押す又は誘導するローラ又はローラ要素を含むことができる。
【0162】
工具保持セクション530は、例えば、中空シリンダの形に構成され、シリンダの形に構成されたキャリッジ541の鉛直方向ガイド541cに鉛直方向に変位可能な方法で保持された、例えば、鉛直方向配向ガイドセクション530bも含む。これにより、工具保持セクション530の例示的な高さの位置合わせが、特に簡素でコンパクトな方法で可能になる。
【0163】
例として、例えば、横方向に、又は工具保持セクション530の保持セクションの列に平行な方向に、互いに隣接して配置されている、2つのガイドセクション530b又は2つの鉛直方向ガイド541cが設けられている。これにより、ロード位置にあるロードバー410の水平方向に位置を合わせた長手方向又はその工具レセプタクルの列に対して、工具保持セクション530の水平方向の位置合わせが安定する。
【0164】
さらなる例示的な実施形態において、特に水平面における工具保持セクション530の水平方向の位置合わせをさらに安定させるため、さらなるガイドセクション530b又は鉛直方向ガイド541cを設けることができる。
【0165】
引き渡しユニット540のキャリッジ541は、例えば、特に任意選択で鉛直方向ガイド541cによって高さ調整可能な方法で、工具保持セクション530を運搬する。キャリッジ541自体は、第1のキャリアセクション543(上部キャリアプレート)に配置された線形ガイド542上のガイド要素541aで線形変位可能な方法で誘導される。
【0166】
線形ガイド542は、例えば、水平に配向され、前方に(すなわち特に輸送車両510の主な進行方向に)又は工具保持セクション530の保持セクションの列に垂直に延伸する。
【0167】
キャリッジ541は、線形ガイド542上で前方に(すなわちドッキングされた状態のロードバー410に向かって)及び後方に(すなわちドッキングされた状態のロードバー410から離れるように)移動させることができる。これは、例えば、駆動制御され、例えば、第1のキャリアセクション543に保持されたドライブ550(一例として歯付きベルトトランスミッションによって示す)及びドライブ550によって駆動される(例えばねじ又はボールねじ駆動を介して)駆動シャフト550aによって駆動することができる。
【0168】
線形ガイド542上でキャリッジ541を移動させることによって、ドッキングされた状態でキャリッジ541に保持された工具保持セクション530は、ロードバー410に向かって(輸送車両510の主な進行方向に対して前方に)又はこれから離れるように(輸送車両510の主な進行方向に対して後方に)水平に移動させることができる。
【0169】
ドライブ550を担持してガイド542を含む第1のキャリアセクション543は、第2のキャリアセクション544(下部キャリアプレート)に保持されている。例えば、第1のキャリアセクション543は、第2のキャリアセクション544に浮動方式で保持又は搭載され、浮動搭載により特に好ましくは、水平面内の(すなわち両方の直交する水平方向における)又は輸送車両510の主な進行方向の若しくはキャリッジ541の進行方向の方向に少なくとも水平に第1のキャリアセクション543の移動が可能になる。
【0170】
例えば、第1のキャリアセクション543は、第2のキャリアセクション544の固定セクション544bに保持されたばねによって前方に(すなわちドッキングされた状態のロードバー410に向かって)付勢されている。1又は2以上のばね要素のようなばね機構に加えて、他の、例えば機械的弾性及び/又は電磁的な、力を発揮する付勢機構も他の例示的な実施形態において可能である。
【0171】
キャリッジ541の後部側(すなわち特に、例えば、工具保持セクション530又はドッキング状態のロードバー410とは反対側)には、例えば、ストッパセクション541bが配置され、又は、この例示的な実施形態において、ストッパ要素としてキャリッジ541に取り付けられている。
【0172】
ストッパセクション541bは、第2の(下部)キャリアセクション544の後部側(すなわち、特に、例えば、工具保持セクション530又はドッキング状態のロードバー410とは反対側)に配置されている、又は、この例示的な実施形態において、例えば、例えば第2の(下部)キャリアセクション544の上側で、ストッパ要素として第2の(下部)キャリアセクション544に取り付けられているストッパセクション544aと係合又は接触させることができる。
【0173】
キャリッジ541を完全に後方に(すなわち工具保持セクション530又は、ドッキング状態において、ロードストリップ410とは反対側の方向に)移動させた状態において、引き渡しユニット540は、例えば、ロック状態又は遮断状態(自己センタリング及びロックされた輸送状態)にあり、これは一例として2つの形状嵌めロック機構によって実現される。これにより、輸送のために、すなわち、例えば工作機械へ若しくはそこからの、異なる工作機械間の、又は工作機械と工具若しくはワークピース供給ステーションとの間の輸送車両510の駆動動作のために装置が固定される。
【0174】
図6A~6Fにおいて、引き渡しユニット540を例としてロック状態(自己センタリング及びロックされた輸送状態)で示す。ここで、キャリッジは後部位置へ移動させ、キャリッジ541上のストッパセクション541bは、第2の(下部)キャリアセクション544上のストッパセクション544aと係合又は(特に、例えば、形状嵌め)接触させる。
【0175】
特に、
図6E及び6Fを参照すると、ストッパセクション544aに任意選択で取り付け又は配置されたボタン形状の形状嵌め要素Kが、例えば、キャリッジ541のストッパセクション541bの下側にある実質的にV形状の形状嵌めセクションVに係合し、本質的にV形状の形状嵌めセクションVに先細り端部で形状嵌め的に当接することが明らかである。このように、キャリッジ541の後方へのさらなる移動が、例えば、形状嵌め式で遮断される。
【0176】
加えて、水平の横の移動(すなわちガイド542に垂直の)は、実質的にV形状の形状嵌めセクションVの先細り端部によってこの位置で形状嵌め的に遮断される。この位置において、キャリッジ541の前方への従動移動のみが可能であり、水平面内の他のすべての進行方向の(後方及び側方への)、特に、任意選択で第2の(下部)キャリアセクションに浮動方式で取り付けられているが、形状嵌め的に遮断されたキャリッジ541を運搬している、第1の(上部)キャリアセクション543の移動も遮断される。
【0177】
キャリッジ541の後部位置において、ストッパセクション544aの形状嵌め要素Kは、例えば、キャリッジ541のストッパセクション541bの下側にある本質的にV形状の形状嵌めセクションVに係合し、実質的にV形状の形状嵌めセクションVの先細り端部で形状嵌め式で当接し、例えば、形状嵌めストップを形成する。
【0178】
第1の(上部)キャリアセクション543の水平方向に前方への、又はストッパセクション544aから離れる移動は、第2の例示的な形状嵌めロック機構によって遮断される。
【0179】
この目的のため、ボタン形状の形状嵌め要素K2が、第2の(下部)キャリアセクション544(例えば
図6D及び6F参照)の上側に取り付け又は形成され、前記ボタン形状の形状嵌め要素K2は、第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uに係合し、特に、例えば、第1の(上部)キャリアセクション543に前方付勢力を及ぼすばね543aの付勢のため、ロック又は遮断状態で開口Uの後部側で当接している。
【0180】
後部に向かって先細りする、第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uの後部側にある第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の形状嵌め接続は、例えば、任意選択で第2の(下部)キャリアセクション544に水平浮動方式で搭載することができる第1の(上部)キャリアセクション543の移動が第2の(下部)キャリアセクション544に対して形状嵌め的に遮断されるように構成される。
【0181】
特に、引き渡しユニット540のロック状態又は遮断状態において、第2の(下部)キャリアセクション544上の第1の(上部)キャリアセクション543の水平前方移動(すなわち、ばね543aの付勢力の方向における)は、第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uの後部側にある第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の接触によって形状嵌め式で遮断される。
【0182】
加えて、第2の(下部)キャリアセクション544上の第1の(上部)キャリアセクション543の(水平)横移動(すなわち横方向における)が、第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uの後部側にある第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の接触の結果として形状嵌め式で遮断される。
【0183】
図6A~6Fによる引き渡しユニット540のロック状態又は遮断状態において、工具受容セクション530を備えたキャリッジ541は、完全に後方へ、又はドッキングセクション523とは反対側へ移動してこの位置にロックされ、又は1又は2以上の水平方向、又は特に水平面での可動性は遮断される。
【0184】
ここで、ロック状態は、形状嵌めロック又は形状嵌めストップによって、特にストッパセクション544a及び541bにおける形状嵌め要素Kの第1の形状嵌めロック又は形状嵌めストップ及び第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uの後部側にある第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の第2の形状嵌めロック又は形状嵌めストップのため、任意選択で例としてのみ達成又は実現される。
【0185】
これは、輸送車両510上の工具受容セクション530の安全な、ロックされた、及び引き込まれた輸送位置(自己センタリング及びロックされた輸送状態)を任意選択で提供するための例示的な一実施形態である。
【0186】
加えて、この例示的な実施形態におけるストッパセクション(特にセクションV及び/又はU)でのセンタリング輪郭は、引き渡しユニットをロックされた輸送位置(遮断状態又はロック状態又は自己センタリング及びロックされた輸送状態)に引き込むことにより、輸送が確保されるだけでなく、引き渡しユニット540自体がセンタリングされ、又はロックされた輸送位置へ引き込まれるたびに自己センタリング状態になるというさらなる利点を有する。このように、供給ユニットでドッキングするとき、位置合わせプロセスが累積的に過度に大きなセンタリングエラーにつながる可能性を有利に回避することができる。
【0187】
構造全体の任意選択の遮断状態又はロック状態をさらに確保するため、又は第2の(下部)キャリアセクション544に対する第1の(上部)キャリアセクション543の水平浮動搭載を提供するため、この例示的な実施形態によれば、第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の上端に任意選択の締結バーLもある、例えば、
図6A及び6D参照。
【0188】
ロード及びアンロードプロセスでは、特に以下に例として説明するように、遮断又はロック状態を解放せねばならない。
【0189】
ロック状態又は遮断状態の解放は、キャリッジ541の前方への、又はストッパセクション544aから離れる、又はドッキングセクション523に向かう従動移動によって実行することができる。キャリッジ541又は工具受容セクション530は、キャリッジ541を従動方式で前方へ移動させることによって、第1のロック(例えばストッパセクション544a及び541bにおける形状嵌め要素Kの第1の形状嵌めロック又は形状嵌めストップ)から解放することができる。
【0190】
次に前部又は端側ドッキングセクション523が障害物と接触し(例えばロード位置にあるロードバー410のドッキング要素593でのドッキングセクション523のドッキングプロセス中)、したがって第1の(上部)キャリアセクション543に取り付け又は配置されたドッキングセクション523に対して、後部に、又は工具保持セクション530とは反対側に向かって力を加えるまで前方に輸送車両510を移動させるとき、第2のロック(例えば第1の(上部)キャリアセクション543の開口Uの後部側にある第2の(下部)キャリアセクション544の形状嵌め要素K2の第2の形状嵌めロック又は形状嵌めストップ)を解放することができるように、ばね544bの付勢力に抗して第2の(下部)キャリアセクション544に対して第1の(上部)キャリアセクション543を押すことができる。
【0191】
図7A~7Lは、特に
図6A~6Fによる引き渡しユニット540を備えた一例として、例示的なロードプロセスを説明するために
図4A及び4Bによる供給トロリー又は輸送車両の例示的な斜視図を示す。
【0192】
図7Aにおいて、無人輸送車両510は、例えば、工作機械100の側部にあるドア120に接近する。一例として、工作機械100にアンロードされるべき、又は工作機械100にロードされるべき、4つの工具インターフェイスWZSが、車両520に配置されたアンロード及びロード装置520の引き渡しユニット540の工具保持セクション530に保持されている。
【0193】
(任意選択の)ドア120は開くことができ、
図7Bに参照されるように、ドア120が開いているとき、供給ユニット又は供給ユニット400のロード位置に配置されたロードバー410のロード位置はアクセス可能である。
【0194】
加えて、例えば、工具保持セクション530の第1のロックを解放し、又は引き渡しユニット540のキャリッジ541を前方に又はロードバー541に向かって移動させる、例えば、
図7C参照。ここで、ストッパセクション544a上の形状嵌め要素Kは、例えば、キャリッジ541のストッパセクション541bとの係合又は接触から解放される。
【0195】
加えて、
図7Cは、例として、ロード位置に配置された水平に配向されたロードバー410の4つの右側工具レセプタクル411が空であり、引き渡しユニット540の工具保持セクション530に保持された4つの工具インターフェイスWZSは、供給ユニット400によって工具マガジン200に次いでロードすることができるように、これらの工具レセプタクル411に配置又は挿入されることを示す。
【0196】
輸送車両510は次に、例えば
図7D及び7E参照されるように、前部又は端側ドッキングセクション523に配置されたドッキング要素524を、ロードバー410の前部又は端側にあるドッキング要素593とドッキングさせること、又は接触させることによって、ドッキング状態へ移動させることができる。
【0197】
一方、ドッキング要素524は、ロードストリップ410の前部又は端側でドッキング要素593とドッキングし、他方、第2のロックは結果として(例えばばね543aを圧縮することによって、
図7Dと7E参照、ばねは
図7Eにおいて例として圧縮されている)解放することができる。
【0198】
ここで、例として
図7Fの詳細な表示においてより詳細にドッキングプロセスを示す。そのドッキング要素424(
図6A参照)を備えたドッキングセクション423が、ドッキング要素593の下側とドッキング、又は接触するように、供給ユニットの持ち上げユニット420によってロードバー410をわずかに上方に移動させる。
【0199】
例えば、前部に開いた鉛直方向に延伸するガイドチャネルとして構成されている、前部又は端側輪郭セクション593aが、例えば、ドッキング要素593(
図5B参照)での輪郭セクションに向かって上向きに先細る下部ガイドセクション593bとともに形成されている。まず、ドッキングセクション423は、そのドッキング要素424で、輪郭セクション593aに向かって上向きに先細る、ドッキング要素593のガイドセクション593bと接触する。一方、これにより引き渡しユニット540を深さに関してロードバー410と位置を合わせ、他方、互いに対応する複数の対のドッキング要素524及び593の接触により、あらゆる角度誤差が補正され、又は引き渡しユニット540がロードバー410に対して正確な角度で位置を合わせる。
【0200】
ドッキング要素593の輪郭セクション593a内へ上向きに先細る、ドッキング要素593のガイドセクション593b内でドッキングセクション423のドッキング要素424が誘導されるように、ロードバー410を次いで下向きに移動させることができる。これにより、例えば、特に好ましくはこのときロック解除されている第2の(下部)キャリアセクション544に対する第1の(上部)キャリアセクション443の任意選択の横方向水平浮動搭載によって、工具保持セクション430の横方向位置合わせも達成される。
【0201】
図7Gは、下向きに移動させたロードバー410のロード位置の一例を示し、ドッキングセクション423のドッキング要素424がドッキング要素593のそれぞれの輪郭セクション593aに挿入及びドッキングされている。
図7Hに参照されるように、工具保持セクション530に保持された工具インターフェイスWZSがロードバー410の空の工具レセプタクル411上に配置されるように、工具保持セクション530を備えたキャリッジ541を次にロードバー410へ前向きに移動させることができる。
【0202】
図7Iに参照されるように、ロードバー410を次に上向きに移動させると、工具保持セクション530に保持された工具インターフェイスWZSは、下に配置されたロードバー410の空の工具レセプタクル411に挿入又は受容され、必要であれば、工具保持セクション730上のロック要素431を介してロック解除される。
【0203】
ここで(特に好ましくはロック解除の前)、例えばロードバー410が工具保持セクション530の下側と接触することによって(又は、例えば、前側に配置された配置要素594を介して)、そして、必要であれば、鉛直方向上向きに変位又は移動させることができるようにガイドセクション541cで保持されている工具保持セクション530を、ロードバー410の残りの鉛直方向移動によって同伴することによって、高さ補償又は高さ位置合わせを行うことができる。
【0204】
これは引き渡しユニット540上のセンサシステムを介して検出することができ、自動制御を介してロック要素431のロック解除を起こすことができる。さらなる例示的な実施形態において、機械的にロック要素431のロック解除を引き起こすため、ガイドセクション541c上の工具保持セクション530の移動によって機械的付勢機構を作動させることができる。
【0205】
工具インターフェイスWZSがロードバー410の以前から空の工具レセプタクル411に挿入又は受容された後、このとき空の工具保持セクション530を備えた引き渡しユニット540のキャリッジ541を後方に、又は線形ガイド542上のロード位置にあるロードレール410から離れるように移動させることができる、
図7J参照。
【0206】
工具マガジン200にロードするため、供給ユニット400又はその持ち上げユニット420によってロード位置からロードバー410を持ち上げて、おそらく引き渡し位置へ移動させることができる。輸送車両510は、
図7K及び7Lに参照されるように、内部ドライブを介して、又は従動ホイール511によって、ロードバー410から離れるように後方へ駆動することができる。
【0207】
図8A~8Jは、特に
図6A~6Fによる引き渡しユニット540を備えた一例として、例示的なアンロードプロセスを説明するために
図4A及び4Bによる供給トロリー又は輸送車両の例示的な斜視図を示す。
【0208】
ここで、輸送車両510は、
図8Aに参照されるように、空の工具受容セクション430を備えたロードバー410のロード位置に移動する。ドッキングプロセスは、、
図8A~8Cに参照されるように、例えば、
図7A~7Fと同様に、ロードプロセスで実行することができる。
【0209】
下から延伸された工具保持セクション430まで移動するためにロードプロセスにおいて実際の移送レベルの下方の位置へロードバー410を移動させる間(
図7H及び7I参照)、ロードバー410は、
図8Dに参照されるように、アンロードプロセスにおいて、工具保持セクション430がまだ延伸されていない、又はまだ完全に延伸されていない状態で、実際の移送レベルに配置された位置へ直接移動させる。
【0210】
キャリッジ541をロードバー410に向かって移動させることによって、工具保持セクション430を次にロードバー410の工具レセプタクル411まで又はその近くへ移動させることができる。この例示的な実施形態において、配置要素594は、正確な鉛直方向の位置合わせのため、工具レセプタクル411のレベルでロードバー410の上部前縁に設けられ、その(おそらくローラによって実装される)上側で、前部に向かって先細りしている工具保持セクション530のタインセクション530aは、キャリッジ541をロードバー410に向かって移動させることによってロードバー410の工具レセプタクル411に向かって、又はその上で工具保持セクション430を移動させるとき、摺動又は転動する、
図8D及び8E参照。
【0211】
ガイドセクション541c上の工具保持セクション530の例示的な鉛直方向の可動性のため、引き渡し高さ又はロードレール410の工具レセプタクル411の高さ位置に対する工具保持セクション530の正確な相対的高さ配置を提供することができる。
【0212】
図8Eは、工具保持セクション530が完全にロードバー410の工具レセプタクル411上を移動し、工具保持セクション530の保持セクションが、例えば、アンロードされるべき工具インターフェイスWZSのグリッパ溝に係合している(
図7Iにおけるロードプロセスにおける状況と同様の)状態の一例を示す。
【0213】
ロックされていれば、工具インターフェイスWZSが、ロードバー411を下向きに移動させることによって工具レセプタクル411から解放され、工具保持セクション530に保持されたままになる、又は保持されるように、工具保持セクション530上及び/又は工具レセプタクル411上の工具インターフェイスWZSを次にロック解除することができる、
図8F参照。
【0214】
図8Gにおいて、例として、必要又は所望であればロードバー410を上に戻すことができるようにキャリッジ541を移動させることによって、
図8G及び8Hに参照されるように、工具保持セクション530をロードバー410から引き離す。加えて、
図8I及び8Jに参照されるように、輸送車両510をロード位置から離れるように後方へ駆動する、又はドッキング状態から解放することができる。
【0215】
例示的な実施形態において、引き渡しユニット540は輸送車両510に恒久的に取り付けることができる。しかしながら、さらなる例示的な実施形態において、通常設けられる輸送車両が、モジュールアタッチメントを受け入れるための1又は2以上のインターフェイスを有し、引き渡しユニット540は、輸送車両のインターフェイスで引き渡しモジュールとして(取り外し可能に)配置又は取り付けられる、輸送システム又は好ましくは無人輸送システムのモジュラーアタッチメントとして引き渡しユニットを提供することが特に好都合に可能である。ワークピース又は工具ハンドリング又は他の機能のための追加のモジュールをここで設けることができる。
【0216】
図9は、例えば、本発明の例示的な一実施形態による、複数の工作機械100、及びそれぞれのアンロード若しくはロード装置又は無人輸送車両510を備えた無人輸送システム(DTS)を含む生産システムの例示的な斜視図を示す。
【0217】
特に、
図9は、工作機械100-1~100-4の例示的な列を含む例示的な生産システムを示す。例として、生産システムは、工作機械100-5のような、工作機械の第2の列を含む。工作機械100-1~100-5の列の間に、例えば、複数の無人輸送車両510-1~510-3を含む無人輸送システム(DTS)のための移動領域又は輸送領域が形成されている。
【0218】
この例示的な実施形態において、無人輸送車両510-1~510-3は
図1A及び1Bによる輸送車両510と同様に構成されている。したがって、輸送車両510-1~510-3はそれぞれの工具受容セクション530-1~530-3を含む。さらなる実施形態において、例えば、この本開示の他の実施形態による、他の輸送車両を加えて、又は代替的に用いることができる。したがって、この本開示の他の例示的な実施形態による引き渡しユニット540を用いることができる。
【0219】
例えば、
図9において、無人輸送車両510-2は、例えば輸送車両510-2の引き渡しユニットの工具受容セクション530-2で受容されている工具WZを工作機械100-4の供給ユニット400-4のロードバー410-4に引き渡すため、工作機械100-4の供給ユニット400-4のロード位置で現在ドッキングされ(例えば
図1Bによるドッキング状態に類似している)、前記工具WZは次いで工作機械100-4の工具マガジン200-4にロードすることができる。
【0220】
例として、
図9による工作機械100-1~100-5はそれぞれの工具マガジン200-1~200-5を含み、例えば、4つのマガジンホイールをそれぞれ有するホイールマガジンが用いられる。加えて、
図9による工作機械100-1~100-5は、輸送車両510-1~510-3及び対応する交換装置300-1~300-5についての対応するロード位置でアクセス可能なそれぞれの供給ユニット400-1~400-5を含む。交換装置300-5において、可動マニピュレータ310-5は
図9においてはっきりと見える。
【0221】
ここで、複数の工作機械100-1~100-5、及び工作機械100-1~100-5に工具(及び/又はワークピース又はコンポーネント)を自動でロード及びアンロードするための無人輸送車両510-1~510-3のための無人輸送システムを備えた関連する自動ロード又はアンロードシステムを含む自動生産システムを提供することが有利に可能になる。
【0222】
ここで、生産システムの工作機械100-1~100-5にロード又はアンロードされる工具及び/又はワークピース又はコンポーネントは、例えば
図10に参照されるように、無人輸送車両510-1~510-3にアクセス可能な1又は2以上のロードステーション又は供給ステーションで受け取る又は置くことができる。
【0223】
図10は、本発明の例示的な一実施形態によるそれぞれのアンロード又はロード装置を備えた無人輸送システム(DTS)を含む生産システムの供給ステーション580の例示的な斜視図を示す。
【0224】
供給ステーション580は、例えば、工具を保管するためのシェルフマガジン581を含む。さらなる例示的な実施形態において、例えばチェーンマガジン、ホイールマガジン、タワーマガジン、ハイブリッドマガジンなど、他のマガジンタイプも用いることができる。加えて、又は代替として、コンポーネントマガジン又はワークピースパレットマガジンを設けることができる。
【0225】
供給ステーション580は、例えば、無人輸送システム(DTS)のそれぞれの輸送車両がドッキングすることができるドッキングセクション590-1~590-4を含む。例として、輸送車両510-1及び510-2は、供給ステーション580のドッキングセクション590-4及び590-2とドッキングしている(例えば、
図1Bによるドッキング状態と類似)。
【0226】
この例示的な実施形態において、無人輸送車両510-1及び510-2は、
図1A及び1Bによる輸送車両510と同様に構成されている。したがって、輸送車両510-1及び510-2はそれぞれの前部ドッキングセクションを含む。さらなる実施形態において、例えば、この本開示の他の実施形態による、他の輸送車両を加えて、又は代替的に用いることができる。したがって、この本開示の他の例示的な実施形態によるドッキングセクション523を備えた引き渡しユニット540を用いることができる。
【0227】
例えば、供給ステーション580は、マガジン581から工具(及び/又はワークピース)を除去して、ドッキングセクション590-1~590-2でドッキングされた輸送車両510-1及び510-2の受容セクションに置く又は挿入するように構成されたハンドリングロボット582を含む。さらに、ハンドリングロボット582は、加えて、又は代替的には、ドッキングセクション590-1~590-2でドッキングされた輸送車両510-1及び510-2の受容セクション上の工具及び/又はワークピースを受け取ってマガジン581に置くように構成することができる。
【0228】
例えば、供給ステーション580は、レセプタクル583a及び測定器583bを備えた測定ユニット583を含む。好ましい例示的な実施形態において、例えば、マガジン581において、又はドッキングされた輸送車両の受容セクションにおいて受け取られた工具(及び/又はワークピース)をレセプタクル583に挿入するように、又はそれをレセプタクル583aで受け取って、マガジン581に、又はドッキングされた輸送車両の受容セクションに置くようにロボット582を構成することが可能であり得る。
【0229】
例えば、供給ステーション580の測定ユニット583は、測定器583bで、例えばレーザ測定ユニット及び/又はカメラを光学的に用いて、レセプタクル583aに保持された工具WZ1(又はワークピース)を測定するように構成されている。さらに、レセプタクル583aは、回転軸を中心に(例えば回転対称のドリリング及び/又はミリング工具の工具軸を中心に)レセプタクル583aに保持された工具WZ1(又はワークピース)を回転させ、おそらく工具WZ1又は工具輪郭を測定するように構成することができる。
【0230】
さらに、測定ユニット583は、測定プロセスのため、レセプタクル583aを測定器583bに対して、又は測定器583aをレセプタクル583aに対して、1つ、2つ又は3つの空間方向に移動及び/又は回転又は枢動させるように構成することができる。この場合、測定ユニット583は、工具プリセット装置の全範囲の機能を装備することができる。しかしながら、輸送車両が接近することができる独立した測定ユニット又はプリセットユニットステーションを設けることも可能である。
【0231】
ここで、ドッキングされた輸送車両(例えばドッキングされた状態での接続されたデータインターフェイスを介して、又は、例えばRFID、WLAN、ブルートゥース又は無線を介して無線信号伝送を介しても)が、測定ユニット583で測定された情報を工具及び/又はワークピースデータとして読み取ることができる、有利な例示的な実施形態を提供することができるということも言及されるべきである。例えば、
図4における輸送車両510-1が、測定ユニット583で測定された工具WZ1についての工具データをドッキングセクション590-4のデータインターフェイスを介して読み取ることが可能である。輸送車両が接近することができる独立した測定ユニット又はプリセットユニットステーションについても、このようなデータ読み出し機能を可能にすることができる。
【0232】
図11は、本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給車両又は輸送車両510のさらなる例示的な一実施形態の例示的な斜視図を示す。ここで、
図11による輸送車両510は、例えば、追加の持ち上げ軸を備えた無人フォークリフトトラックとして構成することができる。
【0233】
図11による輸送車両510は、例えば、
図6Aから6Fに類似した引き渡しユニット540を含む。しかしながら、ここで、
図6A~6Fとは対照的に、8つのレセプタクルを有するロードバーを1回のロード又はアンロードプロセスでロード又はアンロードすることができるように、受容セクション530は、工具(及び/又はワークピース)用の8つの(4つの代わりに)保持セクションで構成されている。
【0234】
例として、例えば、キャリアセクション544が、引き渡しユニット540を供給ユニットのロード位置へ、又は特にドッキング方向に、又はキャリッジ541の直線軸に平行に移動させるさらなるキャリッジ549を有することによって、
図11における引き渡しユニット540はさらなる(任意選択の)水平直線軸を含む(特にドッキング方向又はキャリッジ541の直線軸に平行に)。これは、輸送中、引き渡しユニット540を覆う保護キャビンが追加で設けられるとき、特に有利である(例えば、
図12参照)。
【0235】
例えば、
図11による輸送車両510上のアンロード及びロード装置520は、鉛直方向に移動させることができるように持ち上げキャリッジ545が搭載される鉛直方向ガイド546a及び546bを前側に有する持ち上げセクション546を含む。
【0236】
持ち上げキャリッジ545は、例えば、ドッキングセクション523が前方を指している状態で引き渡しユニット540を(例えば持ち上げフォーク又は他の形態のキャリアで)運搬する。特に、持ち上げキャリッジ545は引き渡しユニット540のキャリアセクション544を運搬する。キャリアセクション544は、持ち上げキャリッジ545に取り外し可能に取り付けることができ、又は固定された方法で取り付けることもできる。
【0237】
追加の持ち上げ軸は、異なる高さで配置された対応する供給ユニット400のロード位置で異なる工作機械にロード及びアンロードすることができるという特別な利点を有する。
【0238】
輸送車両を全体として上下させることができる、ホイール511に設けられた持ち上げ機構によって、他の例示的な実施形態において(例えば、
図1A及び1Cによる輸送車両又は
図4A及び4Bによる輸送車両において)受容セクション530を鉛直方向に移動させるための鉛直方向持ち上げ軸も設けることができるということが留意されるべきである。
【0239】
図12は、本発明の例示的な一実施形態によるアンロード又はロード装置の供給トロリー又は輸送車両510のさらなる例示的な一実施形態の例示的な斜視図を示す。
【0240】
例として、
図12における輸送車両510は
図11に類似して設けられ、輸送車両510は、例えば、
図11による引き渡しユニット540を受容又は収容する追加の保護ハウジング547(保護キャビン)を含む。開閉可能なローラドア548が開いている、又は輸送後に開かれると、引き渡しユニット540は、おそらくキャリアセクション545をロード位置に向かって移動させた後(例えば
図11によるキャリッジ549の水平直線軸によって)、供給ユニットのロード位置でドッキングセクションとドッキングさせることができる。
【0241】
上の例示的な実施形態において、引き渡しユニット又はそのドッキングセクションはそれぞれ、輸送車両の前側に配置され(特に輸送車両の主な進行方向に対して)、又は前方を向いて配向されている。しかしながら、さらなる例示的な実施形態において、引き渡しユニット又はそのドッキングセクションを輸送車両の側部に配置すること、又は側部に向けて配向させることが可能である。このような例示的な実施形態において、輸送車両は次いで、例えば、側部からロード位置に接近することができる。ロード位置への最後のドッキング移動を次いでおそらく、輸送車両の主な進行方向に対して横方向に側部に向かって実行することができる。しかしながら、ロード位置で横向きにドッキングセクションとドッキングするドッキングセクションを設けることも可能である。
【0242】
図13A~13Dは、本発明のアンロード又はロード装置500の供給トロリー又は輸送車両510のさらなる例示的な一実施形態の例示的な斜視図を示す。
【0243】
図1A及び1Bによる例示的な実施形態に類似して、輸送車両は、無人輸送車両510の一例として構成され、この場合、
図11の例示的な実施形態と同様に、その基本構造は、電子的に制御されるべきフォークリフト又はリフトトラックのような無軌道の産業用トラックによって定義される。
【0244】
図13A~13Dによる輸送車両510は、例えば、輸送車両510の後部に配置されたシャーシ556を含み、例えば、電子制御システム、レギュレータ及び駆動モータを配置し、いかなる外部の影響からも最適に保護することができる。加えて、シャーシ556は、鉛直方向に配向されたフレームワーク557を介して、例えば、制御装置552に接続され、これによって、
図4A及び4Bによる例示的な実施形態に類似して、輸送車両510だけでなく、供給ユニットでの工具交換プロセス全体の自動制御又は自動化を、無線又はネットワーク接続によって実現することができる。
【0245】
輸送車両510のシャーシ556の前部には、例えば、前部に向かって、又は進行方向に配向されている2つのフォーク551(例えば、ホイール511が統合された)も取り付けられ、これに対して引き渡しユニット540を直接、又は接触板を介して、好ましくは取り外し可能に、又は恒久的に輸送車両510に接続することができる。例として、引き渡しユニット540が少なくともフォーク551の移動を介して鉛直方向に変位可能であるように搭載されるように、フォーク551は、
図11による例示的な実施形態に類似して、追加の鉛直方向持ち上げ軸を備えて構成することもできる。
【0246】
フォーク551の配向を横切って、2つの水平線形ガイド542が、例えば、フォーク551又はフォーク551上に載っている接触板に取り付けられ、前記線形ガイド551により、第2の支持セクション544上に横に配置された2つのガイドキャリッジ541を介して、引き渡しユニット540を横に、好ましくは両側に向かって均等に移動させることが可能になる(
図13A及び13Dの比較を参照)。例えば、この線形ガイドによる引き渡しユニット540の移動は、特にそれぞれの供給ユニットへの引き渡しユニット540の迅速な接近のために用いることができる。
【0247】
線形ガイド542によって輸送車両510に接続されている第2のキャリアセクション544には、第1のキャリアセクション543も、例えば、前述の線形ガイド542に平行に配向されたさらなるガイドレール558を介して独立して移動することができるように配置され、最初に述べた線形ガイド542を介して第2のキャリアセクション544及びここに記載のガイドレール558を介して第1のキャリアセクションの両方を同時に移動させることができるようになっている。第1及び第2のキャリアセクション543、544を平行に移動させることによって、これに接続された引き渡しユニット540を有利に供給ユニットに近づけることができる。特に、2つのキャリアセクション543、544の移動は、第2の、より低いキャリアセクション544を用いて、例えば強力なキャリッジドライブ550によって、引き渡しユニット540に迅速かつ広く接近することができ、そしてその上に載っている第1のキャリアセクション543を用いて、例えば線形ガイドレール558に組み込まれた精巧なドライブの助けを借りて、引き渡しユニット540を微調整することができるように構成することができる。
【0248】
例えば、引き渡しユニット540のより正確な配置のため、第1のキャリアセクション543は、スナップイン要素555を含み、これは、フォーク551又はスナップインホルダフレーム553上の接触板の前部及び後部に配置されたスナップインホルダ554と同一平面に封入することができ、したがって少なくとも第1のキャリアセクション543の移動を完全に固定することができる。これらのスナップインホルダ554は好ましくは、線形ガイドレール558に平行に移動可能でもある。輸送車両510又はフォーク551の前部のスナップインホルダフレーム553は、例えば、光バリア又は誘導制御距離計のような、光学、機械又は電気センサのようなセンサも含み、これは、スナップイン要素555とスナップインホルダ554との間の距離を測定し、これを正確な配置のためにガイドレール558又は線形ガイド542のそれぞれのドライブに転送することができる。
【0249】
加えて、この例示的な実施形態において、アンロード及びロード装置500のドッキングセクション523は、例えば、第1のキャリアセクション543に横に取り付けられ、輸送車両510を側部から供給ユニットまで移動させることによって、そしてガイドレール558及び線形ガイド542によって第1及び第2のキャリアセクション543、544を移動させることによって、ロード及びアンロード装置500のドッキングセクション523が供給ユニットのドッキングセクションに適切にドッキングすることができるようになっている。
【0250】
例えば、アンロード及びロード装置510のドッキングセクション523と供給ユニットの接続は、
図1Aによる例示的な実施形態に類似して、工具データ又は情報のデータ送信のため、及び特に進行方向に、すなわち好ましくは前方へ、フォーク551の配向に平行にロード及びアンロード装置510を固定するために用いることができる。
【0251】
例えば、第1及び第2のキャリアセクション543、544を移動させることによって引き渡しユニット540も移動させ、したがって供給ユニットの方向に配置することができるように、引き渡しユニット540は第1のキャリアセクション543に中央に及び取り外し可能に又は恒久的に取り付けられている。この例示的な実施形態において、引き渡しユニット540は、特に、受容セクション530を含み、これは、互いに対向して配向された2列の保持セクションを備え、グリッパバーを含み、回転装置又は回転ベアリングを介して水平面内で任意の所望の回転角だけ回転させることができる(それぞれの回転角が0°、45°及び90°の
図13A~13C参照)。この回転移動は、とりわけ、工具の柔軟な引き渡しを実行することができ、より多数の工具を受容することができる、又はより多数の保持セクションを引き渡しユニット540の受容セクション530内へ導入することができ、そして単に保持セクション列を回転させることによって、アンロード及びロード装置500に保管された工具の引き渡し、並びに、例えば、供給ユニットで提供される工具の取り上げの両方を、単一のロード及びアンロード装置500によって実行することができるという利点を有する。
【0252】
例として、工具は、
図1Aによる例示的な実施形態に類似して、受容セクション530の保持セクションに鉛直方向に配向され、工具インターフェイスWZSに搭載されている。加えて、受容セクション530は、回転角(好ましくは180°より大きく、特に好ましくは360°より大きい)のため、保持セクションの2つの対向する列に限定されず、全種類の可能な保持セクションの配置及び形状を有することができる。
【0253】
また、引き渡しユニット540の回転ベアリングには、例えば、それ自体の持ち上げ機構が設けられ、
図7A~7J又は
図8A~8Jによる工具交換プロセスに類似して、引き渡しユニット540が、グリッパバーによって封入された工具を持ち上げることによって供給ユニットから工具を取り上げる、又は供給ユニットの保持セクション内へ下げることによってそれぞれの供給ユニットに工具を引き渡すことができるようになっている。第2のキャリアセクション544の線形ガイド542及び第1のキャリアセクション543のガイドレール558は、
図5A及び5Bに例示的に示すガイド432、431に類似して、保持セクションの移動を引き継ぐ。
【0254】
上の例示的な実施形態において、引き渡しユニット又はそのドッキングセクションはそれぞれ、輸送車両の前側に配置される(特に輸送車両の主な進行方向に関して)、又は前方を指して配向される。しかしながら、さらなる例示的な実施形態において、引き渡しユニット又はそのドッキングセクションを輸送車両の側部に配置すること、又は側部を指して配向させることが可能である。このような例示的な実施形態において、輸送車両は次いで、例えば、側部からロード位置に接近することができる。最後のドッキング移動を次いでおそらく、輸送車両の主な進行方向に対して横方向にロード位置に向かって側部へ実行することができる。しかしながら、ロード位置で横向きにドッキングセクションとドッキングするドッキングセクションを設けることも可能である。
【0255】
上の例示的な実施形態において、高速で、正確かつ効率的で部分的又は完全に自動化されている工作機械に対するワークピース及び/又は工具のロードを提供することができる。加えて、任意選択の実施形態において、引き渡しユニットの工具保持セクションのロードバーに対する正確な位置合わせを可能にする機構を、特に、
例えば引き渡しユニットのドッキング要素と、ロードバーのドッキング要素又はロードバーの前のドッキングセクションの当接による、深さにおける、又はロードバーに向かう方向における任意選択の好ましい位置合わせ、
例えばドッキング要素を形状嵌めさせる又はロックすること、及び/又は引き渡しユニットのドッキングセクション523のドッキング要素524を、ロードバー側のドッキング要素又はドッキングストップの鉛直方向に延伸する輪郭セクションにおいて誘導することによる、横の、又は引き渡しユニットの横方向(又はロードバーの長手方向)における任意選択の好ましい横位置合わせ、及び/又は
例えば、高さにおいて移動可能であるように搭載されている、引き渡しユニットの工具保持セクションのドッキング要素及び/又はガイドセクションをロードバー上の配置要素に形状嵌めさせる又はロックすることによる任意選択の好ましい高さにおける位置合わせ、
に関して設けることができる。
【0256】
本発明の例又は例示的な実施形態並びにその修正例及び利点を、添付の図を参照して上で詳細に説明してきた。本発明は、上述の例示的な実施形態及びその設計上の特徴に決して限定又は制限されず、例示的な実施形態の修正例も含むこと、特に記載された例の特徴を修正することによって、又は記載された例の特徴の個々又は複数を組み合わせることによって得られるものは独立請求項の範囲内に含まれるということが再度強調されるべきである。
【0257】
要約すると、本発明の態様又は特徴、特に、決定的にではないが、記載された例示的な実施形態の態様又は特徴により、特に、特に好都合にはロード又はアンロードプロセスの自動化をさらに改善又は拡張した、又は特に好ましくは完全に自動化された無人輸送車両の使用を通して完全に自動化された構成の工作機械に対するワークピース又は工具の改善された、より効率的な及び/又はより正確なロードを提供することが可能になる。