(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】熱処理プラント及び熱処理プラントの運転方法
(51)【国際特許分類】
A23L 3/24 20060101AFI20240724BHJP
A23C 3/037 20060101ALN20240724BHJP
【FI】
A23L3/24
A23C3/037
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037601
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2019534357の分割
【原出願日】2017-12-20
【審査請求日】2023-04-07
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(73)【特許権者】
【識別番号】517027033
【氏名又は名称】エスピーエックス フロウ テクノロジー デンマーク アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ポールセン オレ
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公開第00789767(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 3/00-3/54
A23C 1/00-23/00
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性食品を熱処理するためのプラントであって、
熱処理装置(1)と、
フラッシュ容器(10)と、
を備え、
前記熱処理装置(1)は、
その頂部に配置された流動性食品入口と、
その底部に配置された流動性食品出口と、
その頂部に配置された第1蒸気入口と、
を有しており、
前記流動性食品は、生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給することによって、熱処理に曝され、
前記生蒸気は、前記第1蒸気入口に接続された生蒸気導管(3)によって、前記熱処理装置(1)内に供給され、
前記フラッシュ容器(10)は、その頂部に流動性食品入口を有すると共に、その底部に流動性食品出口を有しており、
前記熱処理装置(1)の前記流動性食品出口は、導管(9)及びポンプ(6)によって、前記フラッシュ容器(10)の前記流動性食品入口に接続されており、
前記フラッシュ容器(10)の前記流動性食品出口は、前記フラッシュ容器(10)から流動性食品を排出するための導管(12)及びポンプ(13)に接続されており、
前記フラッシュ容器(10)は、その頂部に配置されたフラッシュ蒸気出口を含み、
前記フラッシュ蒸気出口は、第1フラッシュ蒸気導管(8)に接続されており、
前記第1フラッシュ蒸気導管(8)は、圧縮装置(16)の入口に接続されており、
前記第1フラッシュ蒸気導管(8)は、フラッシュ蒸気を前記圧縮装置(16)に供給するようになっており、当該圧縮装置(16)において前記フラッシュ蒸気が圧縮されるようになっており、
第2フラッシュ蒸気導管(14)が、前記圧縮装置(16)の出口に接続されており、
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記熱処理装置(1)への移送前に前記生蒸気及び前記圧縮されたフラッシュ蒸気が混合されるように前記生蒸気導管(3)に接続されているか、あるいは、前記熱処理装置(1)の前記頂部に配置された第2蒸気入口に接続されており、
選択的な熱蒸気再圧縮機器(20)が、前記圧縮されたフラッシュ蒸気が前記熱処理装置(1)に移送される前の前記第2フラッシュ蒸気導管(14)に接続されている
ことを特徴とするプラント。
【請求項2】
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記生蒸気導管(3)に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項3】
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記熱処理装置(1)の前記頂部に配置された前記第2蒸気入口に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
【請求項4】
前記熱蒸気再圧縮機器(20)は、前記第2フラッシュ蒸気導管(14)と前記生蒸気導管(3)とに接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラント。
【請求項5】
前記圧縮装置(16)は、少なくとも1つの圧縮機器(16a、16b)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラント。
【請求項6】
前記圧縮装置(16)は、直列に接続された2つの圧縮機器(16a、16b)を含んでいる
ことを特徴とする請求項5に記載のプラント。
【請求項7】
前記圧縮機器(16a、16b)は、スチームコンプレッサを含んでいる
ことを特徴とする請求項5または6に記載のプラント。
【請求項8】
前記圧縮機器(16a、16b)は、ヒートポンプを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のプラント。
【請求項9】
前記圧縮機器(16a、16b)は、タービンを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のプラント。
【請求項10】
前記圧縮機器(16a、16b)は、ターボチャージャを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載のプラント。
【請求項11】
前記生蒸気は、スチームボイラ(18)によって生成される
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のプラント。
【請求項12】
前記圧縮機器(16a、16b)は、ターボチャージャを含んでおり、
前記生蒸気は、スチームボイラ(18)によって生成され、
前記スチームボイラ(18)は、前記ターボチャージャに蒸気を供給するようになっている
ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載のプラント。
【請求項13】
前記導管(12)及びポンプ(13)は、前記流動性食品を無菌ホモジナイザー(17)に移送するようになっている
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のプラント。
【請求項14】
前記流動性食品は、感熱性である
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のプラント。
【請求項15】
当該プラントは、前記フラッシュ容器(10)の出口に接続された凝縮器(15)を含んでいない
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のプラント。
【請求項16】
前記熱処理装置(1)は、蒸気注入室を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のプラント。
【請求項17】
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記熱処理装置(1)への移送前に前記生蒸気及び前記圧縮されたフラッシュ蒸気が混合されるように前記生蒸気導管(3)に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のプラント。
【請求項18】
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記熱処理装置(1)の前記頂部に配置された前記第2蒸気入口に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のプラント。
【請求項19】
前記熱処理装置(1)の前記底部は、冷却される
ことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のプラント。
【請求項20】
生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気によって流動性食品が熱処理に曝される熱処理装置(1)を備えた超高温処理プラントの運転方法であって、
前記熱処理装置(1)内に前記流動性食品を供給する工程、
前記熱処理装置(1)内に生蒸気を供給する工程、
前記熱処理装置(1)から前記流動性食品を取り出す工程、
フラッシュ容器(10)内に前記流動性食品を供給する工程、
前記フラッシュ容器(10)から前記流動性食品を取り出す工程、
前記フラッシュ容器(10)からフラッシュ蒸気を取り出す工程、
前記フラッシュ蒸気を圧縮装置(16)内で圧縮して圧縮されたフラッシュ蒸気を生成する工程、
前記圧縮装置(16)内で前記フラッシュ蒸気を圧縮した後であって前記フラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給する前に、前記圧縮装置(16)を出るときの前記フラッシュ蒸気が5バール未満の圧力を有する場合には、前記フラッシュ蒸気を熱蒸気再圧縮機器(20)に選択的に通す工程、及び、
前記圧縮されたフラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給する工程、
を備え、
前記熱処理装置(1)に入る前に前記圧縮されたフラッシュ蒸気が前記生蒸気と混合されるか、あるいは、前記圧縮されたフラッシュ蒸気が前記生蒸気とは別個に前記熱処理装置(1)に供給される
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
前記圧縮装置(16)は、直列に配置された2つの圧縮機器(16a、16b)を含んでおり、
前記フラッシュ蒸気は、前記圧縮機器(16a、16b)によって漸増的に圧縮される
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記工程の少なくとも2つが、同時に実行される
ことを特徴とする請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記圧縮装置(16)内で前記フラッシュ蒸気を圧縮した後であって前記フラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給する前に、前記圧縮装置(16)を出るときの前記フラッシュ蒸気が5バール未満の圧力を有する場合には、前記フラッシュ蒸気を前記熱蒸気再圧縮機器(20)に通して、前記フラッシュ蒸気を5バールにまで圧縮する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項20乃至22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記熱処理装置(1)は、蒸気注入室または蒸気噴射機器を含んでいる
ことを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記熱処理装置(1)に入る前に前記圧縮されたフラッシュ蒸気が前記生蒸気と混合される
ことを特徴とする請求項20乃至24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記圧縮されたフラッシュ蒸気が前記生蒸気とは別個に前記熱処理装置(1)に供給される
ことを特徴とする請求項20乃至24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記熱処理装置(1)の底部を冷却する工程
を更に備えたことを特徴とする請求項20乃至26のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、牛乳ベースの製品、離乳食、栄養飲料、等の流動性食品の超高温処理をするためのプラントであって、流動体が水蒸気の供給によって熱処理される直接的な熱処理装置を含むプラント、に関する。本開示は更に、そのようなプラントを運転する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UHTプラント(超高温プラント)では、流動性食品が約140℃の温度に加熱されるように、注入室内の流動性食品内へと、蒸気が例えば噴霧される。続いて、流動性食品は、いわゆる保持室に供給され、そこで、流動性食品は、加熱された状態で、所定の期間(約2~15秒)保持される。その後、流動性食品は、フラッシュ容器に移送され、そこで、フラッシュ容器を出る流動性食品の固形分が、熱処理に曝される前に注入室内に供給されたものと同じになるように、蒸気から由来する水分が除去される。フラッシュ容器で処理された後、流動性食品は、通常はホモジナイザーに移送され、次いで冷却処理及び包装処理に曝される。
【0003】
欧州特許第0794706号は、乳清タンパク質濃縮物及びチーズミルクなどの流動性食品の高温処理用の注入プラントを開示している。当該プラントは、注入室を有しており、そこで、当該注入室に供給される蒸気によって、流動性食品が熱処理に曝される。流動性食品は、個別的で主に下方に向けられたジェット(噴射)の束として、注入室の頂部に導入される。注入室の下方部分は、食品を集めるように機能し、且つ、冷却ジャケットが設けられた冷却壁を有している。注入室の出口開口部は、注入室の底部に配置され、当該出口開口部は、容積式ポンプの入口に接続されている。当該容積式ポンプの出口は、蒸気注入中に添加された水分を流動性食品から除去するように機能する真空室の入口に接続されている。
【0004】
米国特許第4,419,301号は、流体を滅菌温度にまで加熱する処理を開示している。流体は、非常に薄く自由落下するフィルムの形態である間、あるいは、落下する流れ(ストリーム)を継続する間、蒸気との直接接触によって加熱される。当該滅菌処理の後、添加された蒸気は、フラッシュ容器内で除去され、当該生成された蒸気は、凝縮物へと凝縮されて廃棄される。
【0005】
注入プラントは、微生物を殺すために、短時間の高温を利用する。この技術は、微生物が増殖するにつれて製品がその栄養価、風味及び外観を失う可能性がある乳製品業界で、広く使用されている。これらの微生物(有機体)は、ある所定温度で繁殖するが、それらが製品内に存在していなければ、当該製品は冷蔵の必要無しで何ヶ月もの間保存され得る。蒸気注入法は、他のUHT処理と比較して、最小限の熱劣化でこの目的を達成する。それは、ビタミンなどの本質的な成分を保護することを助け、優れた品質の新鮮なテイスティング製品に帰結する。それは、商業的な無菌性に必要な殺傷率を提供し、ミルク、プリン、アイスクリーム、離乳食、コンデンスミルク、プロセスチーズ、ソース及びクリームからローションまでの流動体をカバーする幅広い製品の粘度範囲を取り扱うことができる。
【0006】
従来技術よりも費用効率及びエネルギー効率が高くて環境にも優しい処理を達成するために、注入プラントなどの熱処理プラントの設計及び機能を改善するための継続的なニーズが存在している。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、改善された内部熱回収のために従来技術よりも費用効率が高くて環境に優しい、流動性食品の超高温処理のための注入プラントを提供することである。
【0008】
当該目的は、本発明の第1の態様に従って、以下のようなプラントを提供することによって、達成される。牛乳、牛乳ベースの製品、離乳食、離乳食用液体濃縮物、栄養飲料、等の流動性食品を熱処理するためのプラントであって、熱処理装置と、フラッシュ容器と、を備え、前記熱処理装置は、その頂部に配置された流動性食品入口と、その底部に配置された流動性食品出口と、その頂部に配置された第1蒸気入口と、を有しており、前記流動性食品は、生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を前記熱処理装置内に供給することによって、熱処理に曝され、前記生蒸気は、前記第1蒸気入口に接続された生蒸気導管によって、前記熱処理装置内に供給され、前記フラッシュ容器は、その頂部に流動性食品入口を有すると共に、その底部に流動性食品出口を有しており、前記熱処理装置の前記流動性食品出口は、導管及びポンプによって、前記フラッシュ容器の前記流動性食品入口に接続されており、前記フラッシュ容器の前記流動性食品出口は、前記フラッシュ容器から流動性食品を排出するための導管及びポンプに接続されており、前記フラッシュ容器は、その頂部に配置されたフラッシュ蒸気出口を含み、前記フラッシュ蒸気出口は、第1フラッシュ蒸気導管に接続されており、前記第1フラッシュ蒸気導管は、圧縮装置の入口に接続されており、前記第1フラッシュ蒸気導管は、フラッシュ蒸気を前記圧縮装置に供給するようになっており、当該圧縮装置において前記フラッシュ蒸気が圧縮され、第2フラッシュ蒸気導管が、前記圧縮装置の出口に接続されており、前記第2フラッシュ蒸気導管は、前記フラッシュ蒸気を前記熱処理装置に移送するようになっていることを特徴とするプラント。
【0009】
本発明は、UHTプラントの低圧廃棄フラッシュ蒸気が、単に大気中に放出される代わりに再利用されることを許容する。水蒸気が凝縮する時、その熱の約25%が熱処理された流動性食品内に残る。本発明のようにフラッシュ蒸気回収システムを用いれば、この熱の約半分を回収して再利用することができる。
【0010】
第1の態様の第1の可能性ある実施形態では、第2フラッシュ蒸気導管は生蒸気導管に接続され、熱処理装置が唯一の蒸気入口を有することを許容する。
【0011】
第1の態様の第2の可能性ある実施形態では、第2フラッシュ蒸気導管は熱処理装置の頂部に配置された第2蒸気入口に接続されており、生蒸気とフラッシュ蒸気との注入を互いに独立して調整(制御)可能な解決策を提供する。
【0012】
第1の態様の第3の可能性ある実施形態では、熱蒸気再圧縮機器が第2フラッシュ蒸気導管に接続されており、必要に応じてフラッシュ蒸気を更に圧縮する。
【0013】
第1の態様の第4の可能性ある実施形態では、圧縮装置は少なくとも1つの圧縮機器を含んでおり、フラッシュ蒸気が再利用され得るように当該フラッシュ蒸気をより高い圧力に機械的に圧縮することを容易にする。
【0014】
第1の態様の第5の可能性ある実施形態では、圧縮装置は直列に接続された2つの圧縮機器を含んでおり、適切に大きなステップで蒸気圧が減少されることを許容する。
【0015】
第1の態様の第6の可能性ある実施形態では、圧縮機器はスチームコンプレッサを含んでいる。
【0016】
第1の態様の第7の可能性ある実施形態では、圧縮機器はヒートポンプを含んでいる。
【0017】
第1の態様の第8の可能性ある実施形態では、圧縮機器はタービンを含んでおり、多量の蒸気量の移動を容易にする。
【0018】
第1の態様の第9の可能性ある実施形態では、圧縮機器はターボチャージャを含んでおり、プラントを運転するために必要とされるエネルギー量を更に減少させる。
【0019】
第1の態様の第10の可能性ある実施形態では、生蒸気はスチームボイラによって生成され、これは単純で信頼性のある解決策である。
【0020】
第1の態様の第11の可能性ある実施形態では、スチームボイラはターボチャージャに蒸気を供給するようになっており、ターボチャージャに別々に動力を供給する必要性を排除する。
【0021】
第1の態様の第12の可能性ある実施形態では、導管及びポンプは、流動性食品を無菌ホモジナイザーに移送するようになっている。
【0022】
第1の態様の第13の可能性ある実施形態では、流動性食品は、感熱性である。
【0023】
第1の態様の第14の可能性ある実施形態では、当該プラントは、フラッシュ容器の出口に接続された凝縮器を含んでいない。
【0024】
第1の態様の第15の可能性ある実施形態では、熱処理装置は、蒸気注入室を含んでいる。
【0025】
第1の態様の第16の可能性ある実施形態では、熱処理装置は、蒸気噴射機器を含んでいる。
【0026】
また、前記目的は、本発明の第2の態様に従って、以下のような方法によって、達成される。生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気によって流動性食品が熱処理に曝される熱処理装置を備えた超高温処理プラントの運転方法であって、前記熱処理装置内に前記流動性食品を供給する工程、前記熱処理装置内に生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を供給する工程、前記熱処理装置から前記流動性食品を取り出す工程、フラッシュ容器内に前記流動性食品を供給する工程、前記フラッシュ容器から前記流動性食品を取り出す工程、前記フラッシュ容器からフラッシュ蒸気を取り出す工程、圧縮機装置に前記フラッシュ蒸気を供給する工程、及び、前記圧縮装置が前記フラッシュ蒸気を圧縮し、その後、前記フラッシュ蒸気が前記熱処理装置内に供給される工程、を備えたことを特徴とする方法。本方法は、UHTプラントの低圧廃棄フラッシュ蒸気が、単に大気中に放出される代わりに再利用されることを許容する。水蒸気が凝縮する時、その熱の約25%が熱処理された流動性食品内に残る。本発明のようにフラッシュ蒸気回収システムを用いれば、この熱の約半分を回収して再利用することができる。
【0027】
第2の態様の第1の可能性ある実施形態では、圧縮装置は、直列に配置された2つの圧縮機器を含んでおり、フラッシュ蒸気は、当該圧縮機器によって漸増的に圧縮される。そのような解決策は、フラッシュ蒸気の段階的な機械的圧縮を容易にする。
【0028】
第2の態様の第2の可能性ある実施形態では、前記工程の少なくとも2つが、同時に実行される。
【0029】
第2の態様の第3の可能性ある実施形態では、当該方法は、圧縮装置内でフラッシュ蒸気を圧縮した後であってフラッシュ蒸気を熱処理装置内に供給する前に、フラッシュ蒸気を熱蒸気再圧縮機器に通す工程を更に備える。
【0030】
第2の態様の第4の可能性ある実施形態では、熱処理装置は、蒸気注入室を含んでいる。
【0031】
第2の態様の第5の可能性ある実施形態では、熱処理装置は、蒸気噴射機器を含んでいる。
【0032】
前述の目的及び他の目的が、独立請求項の特徴によって達成される。更なる実施形態が、従属請求項、発明の詳細な説明及び添付の図面から明らかである。
【0033】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に説明される図及び実施形態から明らかとなるろう。
【0034】
本開示の以下の詳細な説明部分において、本発明は、添付の図面に示された例示的な実施形態を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】超高温処理プラントの一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、液体食品の超高温処理プラントを示している。液体食品は、液体形態のいずれの食品であってもよいが、開示されるプラントは、それらの風味、粘稠度及び栄養価を維持するべくバクテリアを殺菌するために短時間加熱されるべき温度感受性の高い食品にとって、特に有用である。そのような液体食品の例は、牛乳、牛乳ベースの製品、離乳食、離乳食用液体濃縮物または栄養飲料である。液体食品は、高い乾物含有量(40%以上)及び/または高いタンパク質含有量(6%以上)を有し得る。
【0037】
流動性食品は、最初はタンク22に貯蔵されている。タンク22は、食品が殺菌される殺菌ループ23に接続されている。流動性食品は、導管2及びポンプ24、25によって、タンク22から熱処理装置1に移送される。途中で、導管2は、流動性食品を約5℃から約75℃にまで予熱するためのプレート式熱交換器26に接続されている。
【0038】
流動性食品は、熱処理装置1、例えば蒸気注入室に入る。流動性食品は、蒸気注入室1の頂部のノズル内の複数の開口を介して、個別的な液体食品のジェット(噴射)7の束として入る。高温蒸気(ホットスチーム)が、蒸気入口、例えば周方向の容器分配室を介して、蒸気注入室1内に注入される。蒸気注入室1内において、液体食品は高温蒸気と衝突し、それによって当該食品が加熱されると共に蒸気を吸収する。
【0039】
一実施形態では、熱処理装置1は、蒸気注入室の代わりに蒸気注入機器を有する。蒸気注入機器は、当該蒸気注入機器内において導管2からの食品を導管14及び/または導管3からの蒸気と混合することによって、食品を加熱する。もっとも、以下の説明は、簡単化のために、蒸気注入室のみに言及する。
【0040】
蒸気注入室1は、好ましくは、本質的に鉛直軸回りに回転対称である。蒸気注入室1の上部は、中空の円筒部と、切頭円錐形に類似した形状の頂部と、を有している。底部が、清掃作業及び/またはメンテナンス作業のための蒸気注入室1の内部へのアクセスを許容するべく、フランジ接続によって前記上部に解放可能に接続されている。前記底部は、一実施形態では、切頭円錐形に類似した形状を有している。
【0041】
更に、蒸気注入室1は、蒸気注入室1の底部を冷却するための液体、例えば水、を供給及び除去するために使用される導管4及び5に接続されている。導管4、5に接続された冷却ジャケットが、底部の周りに設けられ得る。冷却ジャケットは、底部を冷たく維持して、当該底部の内壁と接触する液体食品が腐敗したり(foul)燃焼したり(burn-on)することを防止または最小化する。冷却ジャケットは、底部の周囲に、冷却水または他の冷却媒体のマントル(覆い)を提供する。当該マントルは、底部回りに螺旋パターンで冷却水を案内する螺旋状トラバース壁で仕切られる。冷却媒体入口は、ポンプハウジングを通過して、マントルの一部内に至っている。マントルも、ポンプハウジング内に延びている。冷却媒体の螺旋経路は、ポンプハウジングの内部部分から、冷却ジャケットの頂部で且つ底部の頂部近傍で導管5に接続された冷却媒体出口に向かって、上向きに螺旋状に継続する。
【0042】
液体食品のジェットは、底部の漏斗形内壁で終わる。底部は、液体食品のジェットから液体食品を収集し、それを蒸気注入室1の下端の出口開口部に案内する。当該出口開口部は、底部の下端部でもあり、また、ポンプ6の入口でもある。
【0043】
底部の下方部分が、蒸気注入室1の出口開口部を形成している。これは、一実施形態では、ポンプ6の入口にシームレスに接続し、別の実施形態では、ポンプ6に単に接続されている。これは、一実施形態では、底部の下端が鋼板、好ましくはステンレス鋼、から製造され、溶接によってポンプハウジングに接続されることによって、達成される。一実施形態では、ポンプハウジングには、底部の下端への当該ポンプハウジングの溶接を容易にする円形の隆起部または円形の直立フランジが設けられる。溶接後に、溶接部によって形成された底部とポンプハウジング/ポンプ入口との間の移行部が、機械加工されて、洗浄またはすすぎ(rinse)が困難であり得る亀裂の無い完全に滑らかな表面を提供する。
【0044】
ポンプ6は、遠心ポンプであっても容積式ポンプであってもよい。ポンプ6は、従来から知られているタイプのものであり、例えば、ギヤポンプまたはローブポンプであり、蒸気注入室1の出口に接続されている。ポンプ6のハウジングには、隣接する表面が例えばギヤホイールの歯やロータのローブによる焦げ付き無し(clean of burnings)に保たれる位置に、温度センサが設けられている。これにより、プラントの信頼性ある制御を保証することが可能である。他の実施形態では、温度センサは、導管9の始点でポンプ6の直後に配置されたピンプローブセンサである。
【0045】
ポンプ6の出口は、導管9によって、従来公知のタイプのフラッシュ容器10、例えば真空室、の入口に接続されている。一実施形態では、導管9は、フラッシュ容器10の直前において、当該導管9の端部にバルブを含む。
【0046】
フラッシュ容器10は、蒸気注入室1内での熱処理中に流動性食品に添加された水を除去するようになっている。熱処理中に蒸気によって加えられた過剰の水は、蒸気導管8を通して除去される。濃縮された(concentrated)流動性食品は、従来から知られている方法で導管12及びポンプ13を介して排出され、好ましくは無菌ホモジナイザー17に移送される。その後、均質化された流動性食品は、1または複数のプレート式熱交換器21によって約75℃から約20℃にまで冷却され、貯蔵ユニット19または包装工程に移送される。
【0047】
プレート式熱交換器21及び26は、温水器27と共に、連続の加熱/冷却ループで接続されている。温水器27は、予熱器26に入る直前に加熱水を加熱する。
【0048】
従来技術では、フラッシュ蒸気などの低圧蒸気は、通常、大気に放出されるかまたは冷却塔内で凝縮される。これに代わって、低圧の廃蒸気が、機械的に高圧に圧縮され得て再利用され得る。蒸気表は、蒸気が凝縮すると、その熱の約25%が凝縮物内に残る、すなわち、濃縮された流動性食品に残る、ということを示している。
図1に示されるようなフラッシュ蒸気回収システムでは、この熱の約半分がフラッシュ蒸気として回収され得る。もっとも、UHTプロセスは、食品と直接接触するフラッシュ蒸気が、食品品質であることを要求する。
【0049】
蒸気注入室1は、当該蒸気注入室1の頂部に配置された流動性食品入口と、当該蒸気注入室1の底部に配置された流動性食品出口と、同じく当該蒸気注入室の頂部に配置された第1蒸気入口と、を有している。蒸気注入室が本質的に鉛直方向に延びるように配置されるときに理解される通り、「頂部」とは、蒸気注入室の上方部を意味し、「底部」とは、蒸気注入室の下方部を意味する。
【0050】
感熱性の流動性食品が、導管2によって流動性食品入口に供給され、生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を蒸気注入室1内に供給することによって当該蒸気注入室1内で熱処理に曝される。「生蒸気」とは、例えばスチームボイラによって生成される蒸気を意味する。「フラッシュ蒸気」とは、フラッシュ容器から回収される蒸気を意味する。生蒸気は、生蒸気導管3によって、第1蒸気入口を通して、蒸気注入室1内に供給される。生蒸気導管3の他端がスチームボイラに接続されている。スチームボイラは、約7~15バールの蒸気を生成する。蒸気注入室1内に供給される蒸気は、約5バールの圧力を有する。従って、蒸気の量を絞り込んで約7~15バールから約5バールまでの圧力降下を生じさせるために、制御バルブが利用され得る。好ましい実施形態では、ターボチャージャが、当該ターボチャージャを駆動する動力としてこの圧力降下を再利用する。
【0051】
フラッシュ容器10は、当該フラッシュ容器10の頂部に流動性食品入口を有し、当該フラッシュ容器10の底部に流動性食品出口を有する。フラッシュ容器が本質的に鉛直方向に延びるように配置されるときに理解される通り、「頂部」とは、フラッシュ容器の上方部を意味し、「底部」とは、フラッシュ容器の下方部を意味する。
【0052】
蒸気注入室1の流動性食品出口は、導管9及びポンプ6によって、フラッシュ容器10の流動性食品入口に接続されている。フラッシュ容器10の流動性食品出口は、フラッシュ容器10から流動性食品を排出するための導管12及びポンプ13に接続されている。
【0053】
フラッシュ容器10は、フラッシュ容器10の頂部に配置されたフラッシュ蒸気出口を有している。フラッシュ蒸気出口は、第1フラッシュ蒸気導管8に接続されている。フラッシュ蒸気がフラッシュ容器10を出るとき、それは、約70℃の温度及び約0.3バールの絶対圧力を有する。
【0054】
第1フラッシュ蒸気導管8は、圧縮装置16の入口に接続されており、フラッシュ容器10から圧縮装置16へフラッシュ蒸気を供給するために使用される。フラッシュ蒸気は、その後、圧縮装置内で約5~7バール及び約150℃の温度に圧縮される。
【0055】
圧縮装置16の出口は、フラッシュ蒸気を蒸気注入室1に移送するために使用される第2フラッシュ蒸気導管14に接続されている。一実施形態では、第2フラッシュ蒸気導管14は、第1蒸気入口を通って蒸気注入室1に入る前に生蒸気とフラッシュ蒸気とが混合されるように、生蒸気導管3に接続されている。別の実施形態では、第2フラッシュ蒸気導管14は、蒸気注入室1の頂部に配置された第2蒸気入口に直接接続されている。当該実施形態では、生蒸気が第1蒸気入口を通って蒸気注入室1内に供給され、フラッシュ蒸気が第2蒸気入口を通って蒸気注入室1内に供給される。これら両方の実施形態が組み合わされてもよい。
【0056】
更に、第2フラッシュ蒸気導管14は、TVRとしても知られる熱蒸気再圧縮用機器20に接続され得る。圧縮装置16を出るときに、フラッシュ蒸気が5バール未満の圧力、例えば4バールの圧力、を有する場合には、フラッシュ蒸気を更に5バールにまで圧縮するために熱蒸気再圧縮が利用され得る。熱蒸気再圧縮機器20は、第2フラッシュ蒸気導管14と生蒸気導管3とに接続されている。熱蒸気再圧縮機器20は、フラッシュ蒸気を最大1バールだけ圧縮する。
【0057】
圧縮装置16は、1つの圧縮機器16a、または、直列に接続された2つの圧縮機器16a、16bを有している。直列に接続される時、フラッシュ蒸気導管8が第1圧縮機器16aの入口に接続され、第2フラッシュ蒸気導管14が第2圧縮機器16bの出口に接続される。そうでない時は、フラッシュ蒸気導管8が圧縮機器16aの入口に接続され、第2フラッシュ蒸気導管14が同じ圧縮機器16aの出口に接続される。
【0058】
圧縮機器16a、16bは、スチームコンプレッサ、ヒートポンプ、または、タービンを含み得る。タービンは、多量の移送においてより効率的であり得る。圧縮機器16a、16bはまた、ターボチャージャを有し得て、当該ターボチャージャは、前述の制御バルブ/スチームボイラによって供給される蒸気によって動力を提供される。ターボチャージャを駆動するために使用されるエネルギーが「無料(free)」であるので、当該ターボチャージャは、更にエネルギー節約を増大させ得る。スチームボイラからの蒸気圧は、前述のように、蒸気注入室1内で必要とされるものよりはるかに高い。今日の先行技術は、ボイラと蒸気注入室との間に蒸気絞り弁が設けられている。この絞り弁(スロットルバルブ)は、蒸気圧を7~15バールから4バールにまで下げ、高圧エネルギーの全てがスロットル内の摩擦エネルギーとして失われる。絞り弁(スロットルバルブ)の代わりにターボチャージャを使用する場合、高圧蒸気はターボチャージャの駆動タービンを通って導かれ、これにより、ターボチャージャを駆動するためのほぼ無料の動力が提供される。
【0059】
圧縮装置16は、2つのスチームコンプレッサなどの、2つの同一種類の圧縮機器を含み得て、あるいは、スチームコンプレッサ及びタービンなどの、2つの異なる種類の圧縮機器、を含み得る。
【0060】
従来技術では、第1フラッシュ蒸気導管8は、圧縮機器16a、16bの代わりに、凝縮器導管11に接続されていた。凝縮器導管11は、凝縮器15に接続されていて、フラッシュ蒸気を当該凝縮器15に供給していた。フラッシュ蒸気は当該凝縮器内で冷却され、続いて大気中に放出されていた。
【0061】
当該UHTプラントは、以下の方法によって運転される。当該方法は、連続ループで実行される幾つかの工程を含む。ただし、これらのステップのうち少なくとも2つは同時に実行される。
【0062】
流動性食品が蒸気注入室1内に供給される。同時に、生蒸気が第1蒸気入口を通って蒸気注入室1内に供給され、フラッシュ蒸気が第1蒸気入口または第2蒸気入口を通って供給され、これによって流動性食品が生蒸気及びフラッシュ蒸気によって熱処理される。熱処理後、流動性食品が蒸気注入室1から取り出され、フラッシュ容器10に供給される。処理後、濃縮された流動性食品が、フラッシュ容器10の下部から取り出される。同時に、フラッシュ蒸気がフラッシュ容器10の上部から取り出される。フラッシュ蒸気は、その後、圧縮機装置16に供給される。圧縮装置16は、フラッシュ蒸気を約-0.7バールから約5バールにまで圧縮する。フラッシュ蒸気は、直列に接続された2つの圧縮機器16a、16bによって漸増的に(増分的に)圧縮されることが好ましい。
【0063】
圧縮後、フラッシュ蒸気が蒸気注入室1内に供給される。もっとも、一実施形態では、当該方法は、圧縮装置16内でフラッシュ蒸気を圧縮した後であって蒸気注入室1内にフラッシュ蒸気を供給する前に、熱蒸気再圧縮機器20を通してフラッシュ蒸気を供給する工程を更に含む。
【0064】
本発明は、本明細書内で様々な実施形態と共に説明されてきた。但し、図面、明細書及び添付の特許請求の範囲の検討に基づいて、請求された発明を実施する際に、開示された実施形態に対する他の変形が、当業者によって理解され達成され得る。請求項において、「備える」という用語は、他の要素または工程を排除せず、不定冠「a」または「an」は複数を排除しない。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないということを示すものではない。請求項内で使用される参照符号は、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
なお、本願出願時の請求項は、以下の通りである。
<請求項1>
牛乳、牛乳ベースの製品、離乳食、離乳食用液体濃縮物、栄養飲料、等の流動性食品を熱処理するためのプラントであって、
熱処理装置(1)と、
フラッシュ容器(10)と、
を備え、
前記熱処理装置(1)は、
その頂部に配置された流動性食品入口と、
その底部に配置された流動性食品出口と、
その頂部に配置された第1蒸気入口と、
を有しており、
前記流動性食品は、生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給することによって、熱処理に曝され、
前記生蒸気は、前記第1蒸気入口に接続された生蒸気導管(3)によって、前記熱処理装置(1)内に供給され、
前記フラッシュ容器(10)は、その頂部に流動性食品入口を有すると共に、その底部に流動性食品出口を有しており、
前記熱処理装置(1)の前記流動性食品出口は、導管(9)及びポンプ(6)によって、前記フラッシュ容器(10)の前記流動性食品入口に接続されており、
前記フラッシュ容器(10)の前記流動性食品出口は、前記フラッシュ容器(10)から流動性食品を排出するための導管(12)及びポンプ(13)に接続されており、
前記フラッシュ容器(10)は、その頂部に配置されたフラッシュ蒸気出口を含み、
前記フラッシュ蒸気出口は、第1フラッシュ蒸気導管(8)に接続されており、
前記第1フラッシュ蒸気導管(8)は、圧縮装置(16)の入口に接続されており、
前記第1フラッシュ蒸気導管(8)は、フラッシュ蒸気を前記圧縮装置(16)に供給するようになっており、当該圧縮装置(16)において前記フラッシュ蒸気が圧縮され、
第2フラッシュ蒸気導管(14)が、前記圧縮装置(16)の出口に接続されており、
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記フラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)に移送するようになっている
ことを特徴とするプラント。
<請求項2>
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記生蒸気導管(3)に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
<請求項3>
前記第2フラッシュ蒸気導管(14)は、前記熱処理装置(1)の頂部に配置された第2蒸気入口に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載のプラント。
<請求項4>
熱蒸気再圧縮機器(20)が、前記第2フラッシュ蒸気導管(14)に接続されている
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラント。
<請求項5>
前記圧縮装置(16)は、少なくとも1つの圧縮機器(16a、16b)を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラント。
<請求項6>
前記圧縮装置(16)は、直列に接続された2つの圧縮機器(16a、16b)を含んでいる
ことを特徴とする請求項5に記載のプラント。
<請求項7>
前記圧縮機器(16a、16b)は、スチームコンプレッサを含んでいる
ことを特徴とする請求項5または6に記載のプラント。
<請求項8>
前記圧縮機器(16a、16b)は、ヒートポンプを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載のプラント。
<請求項9>
前記圧縮機器(16a、16b)は、タービンを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載のプラント。
<請求項10>
前記圧縮機器(16a、16b)は、ターボチャージャを含んでいる
ことを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載のプラント。
<請求項11>
前記生蒸気は、スチームボイラ(18)によって生成される
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のプラント。
<請求項12>
前記スチームボイラ(18)は、前記ターボチャージャに蒸気を供給するようになっている
ことを特徴とする請求項10及び11に記載のプラント。
<請求項13>
前記導管(12)及びポンプ(13)は、前記流動性食品を無菌ホモジナイザー(17)に移送するようになっている
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のプラント。
<請求項14>
前記流動性食品は、感熱性である
ことを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のプラント。
<請求項15>
当該プラントは、前記フラッシュ容器(10)の出口に接続された凝縮器(15)を含んでいない
ことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のプラント。
<請求項16>
前記熱処理装置(1)は、蒸気注入室を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のプラント。
<請求項17>
前記熱処理装置(1)は、蒸気噴射機器を含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のプラント。
<請求項18>
生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気によって流動性食品が熱処理に曝される熱処理装置(1)を備えた超高温処理プラントの運転方法であって、
前記熱処理装置(1)内に前記流動性食品を供給する工程、
前記熱処理装置(1)内に生蒸気及び/またはフラッシュ蒸気を供給する工程、
前記熱処理装置(1)から前記流動性食品を取り出す工程、
フラッシュ容器(10)内に前記流動性食品を供給する工程、
前記フラッシュ容器(10)から前記流動性食品を取り出す工程、
前記フラッシュ容器(10)からフラッシュ蒸気を取り出す工程、
圧縮機装置(16)に前記フラッシュ蒸気を供給する工程、及び、
前記圧縮装置(16)が前記フラッシュ蒸気を圧縮し、その後、前記フラッシュ蒸気が前記熱処理装置(1)内に供給される工程、
を備えたことを特徴とする方法。
<請求項19>
前記圧縮装置(16)は、直列に配置された2つの圧縮機器(16a、16b)を含んでおり、
前記フラッシュ蒸気は、前記圧縮機器(16a、16b)によって漸増的に圧縮される
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
<請求項20>
前記工程の少なくとも2つが、同時に実行される
ことを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
<請求項21>
前記圧縮装置(16)内で前記フラッシュ蒸気を圧縮した後であって前記フラッシュ蒸気を前記熱処理装置(1)内に供給する前に、前記フラッシュ蒸気を熱蒸気再圧縮機器(20)に通す工程
を更に備えたことを特徴とする請求項18乃至20のいずれかに記載の方法。
<請求項22>
前記熱処理装置(1)は、蒸気注入室を含んでいる
ことを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。
<請求項23>
前記熱処理装置(1)は、蒸気噴射機器を含んでいる
ことを特徴とする請求項18乃至21のいずれかに記載の方法。