(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】ねじ及びロッドを用いた骨の安定化
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240724BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A61B17/70
A61B17/86
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023046376
(22)【出願日】2023-03-23
【審査請求日】2023-03-23
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ケーレン アレン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ベクテル
(72)【発明者】
【氏名】ノア ハンセル
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ラーマース
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド レフ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ペレツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ヤコブ
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-500127(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0015579(US,A1)
【文献】特開2017-38930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0093819(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/68―17/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスであって、
遠位端及び近位端を画定するチューリップであって、
内部空洞を形成するチューリップ本体、
前記本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、
各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び
前記空洞への入口において前記チューリップ本体の遠位端に位置決めされたレッジを形成する、チューリップと、
遠位端及び近位端を画定するサドルであって、前記サドルは、
前記チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、
前記チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝を前記サドル近位端に形成し、
前記ねじヘッドを適合受容するサイズ及び寸法である曲面を前記サドル遠位端に形成する、サドルと、
前記ねじヘッドを係合するためのリングであって、前記リングは、
前記ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記ねじヘッドが前記リングに入れられるときに、前記ねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記チューリップレッジの近位側に位置決めされる、リングと、を含み、
前記ねじヘッドは、前記サドルが前記チューリップレッジに向かって遠位方向に付勢されると、前記チューリップ本体内部空洞内の前記サドルと前記リングとの間の位置で締め付け可能であ
り、
前記サドルは、複数の遠位に延在するアームを更に含み、前記リングは少なくとも2つのセグメントを含み、前記少なくとも2つのセグメントは、前記ねじヘッドが前記少なくとも2つのセグメントの間を通過するときに前記第2の直径を形成するように相互に離れて位置決め可能であり、前記少なくとも2つのセグメントは、前記サドルが遠位方向に付勢されると、前記複数の遠位に延在するアームによって相互に共に付勢されて、前記少なくとも2つのセグメントを前記第1の直径内に位置決めする、デバイス。
【請求項2】
前記サドルは、前記チューリップ本体の遠位端に挿入可能である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
保持リングであって、
前記チューリップレッジの近位側に位置決め可能であり、
前記チューリップレッジの直径よりも大きい直径を有し、
前記チューリップレッジの直径よりも小さい直径を有するリング係合プロファイルを形成する、保持リングを更に含み、
前記リングは、前記サドルが遠位方向に付勢されると、前記プロファイルを押圧し、それによって前記リングが前記空洞から抜け出さないようにする、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記保持リングは、貫通して形成された間隙を有し、前記保持リングは、それによって、前記チューリップレッジを越えて前記保持リングを
ねじ込むことによって、前記チューリップレッジを越えて挿入可能である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記チューリップは、前記空洞の内面に、前記ねじ山の遠位に位置決めされた戻り止め部を更に形成し、前記サドルは、前記チューリップの前記戻り止め部と嵌合可能な戻り止め部を更に形成して、前記チューリップと前記サドルとを解放可能に相互接続する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記チューリップ内部空洞は、チューリップ戻り止め部を含み、前記少なくとも2つのセグメントの各々は、前記少なくとも2つのセグメントを離して解放可能に保持して前記ねじヘッドの挿入を容易にする、前記チューリップ戻り止め部と嵌合可能なクリップ戻り止め部を含む、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記リングはカムローブを有するトーションリングであって、前記トーションリングは、前記ねじヘッドに係合して前記リングをねじり、前記ねじヘッドが前記リングを通過するにつれて前記リングの直径を拡張するように前記カムローブを偏向させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記チューリップレッジは、相対的に異なる直径を有する2つの交差開口部として形成される、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記サドルが回転して、前記ねじヘッドを係合する前記第1の直径を形成した後に、止めねじが前記サドルの回転を阻止する、請求項
1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記リングは、前記ねじヘッドが前記リングを通過するにつれて剪断され、それによって前記リングの直径を拡張する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記リングは、
軸方向に延在するプロファイルの長さに部分的に沿って延在する複数の外周切溝を形成する、軸方向に延在する外周プロファイルを形成し、
前記リングの軸心の周りを半径方向に延在し、前記リングの軸心に向かって内向きに延在するレッジを周方向に形成し、
前記レッジを通って延在し、前記レッジが前記第2の直径を形成することを可能にする複数の切溝を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
保持リングであって、
前記チューリップレッジの近位側に位置決め可能であり、
前記チューリップレッジの前記直径よりも大きい直径を有し、
前記チューリップレッジの前記直径よりも小さい直径を有し、前記リングレッジを受容し、前記リングレッジが前記第2の直径を形成することを阻止する寸法である、リング係合プロファイルを形成する、保持リングを更に含む、請求項1
1に記載のデバイス。
【請求項13】
多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスであって、
遠位端及び近位端を画定するチューリップであって、
内部空洞を形成するチューリップ本体、
前記本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、
各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び
前記空洞への入口において前記チューリップ本体の遠位端に位置決めされたレッジを形成する、チューリップと、
遠位端及び近位端を画定するサドルであって、前記サドルは、
前記チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、
前記チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝を前記サドル近位端に形成し、
前記ねじヘッドを適合受容するサイズ及び寸法である曲面を前記サドル遠位端に形成する、サドルと、
前記ねじヘッドを係合するためのリングであって、前記リングは、
前記ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記ねじヘッドが前記リングに入れられるときに、前記ねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記チューリップレッジの近位側に位置決めされる、リングと、を含み、
前記ねじヘッドは、前記サドルが前記チューリップレッジに向かって遠位方向に付勢されると、前記チューリップ本体内部空洞内の前記サドルと前記リングとの間の位置で締め付け可能であり、
前記チューリップは、
前記ねじ山の遠位に位置決めされた前記戻り止めの遠位にある、前記空洞内の第2の戻り止め部を更に含み、
前記リングは、
軸方向に延在するプロファイルの長さに部分的に沿って延在する複数の外周切溝を形成する、軸方向に延在する外周プロファイルを形成し、
前記リングの軸心の周りを半径方向に延在し、前記リングの軸心に向かって内向きに延在するレッジを周方向に形成し、
前記レッジを通って延在し、前記レッジが前記第1の直径及び前記第2の直径を形成することを可能にする複数の切溝を含み、
前記チューリップの前記第2の戻り止め部と噛合可能である、前記リングの近位端の周りに配設された戻り止めを周方向に形成する、デバイス。
【請求項14】
少なくとも1つの切溝が前記リングの近位面から延出し、前記リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、少なくとも1つの切溝が前記リングの遠位面から延出し、前記リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、前記リングは、それによって近位外周の周りで圧縮可能であり、遠位外周の周りで圧縮可能である、請求項1
3に記載のデバイス。
【請求項15】
前記リングは、ねじヘッドが締め付けられると、前記チューリップ空洞の内面と協働して、前記リングの移動を低減する複数のセレーションを外面に含む、請求項1
3に記載のデバイス。
【請求項16】
前記リングは、軸方向に延在する1つ以上の切溝を形成し、前記1つ以上の切溝は、前記リングの遠位外周端の拡張を可能にし、前
記リングは、内部プロファイルを含み、前記内部プロファイルは、前記リングの前記遠位外周端を含み、前記リングの前記遠位外周端が前記内部プロファイル内に着座すると、前記リングの前記遠位外周端の拡張を阻止するように成形されている、請求項1
3に記載のデバイス。
【請求項17】
多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスであって、
遠位端及び近位端を画定するチューリップであって、
内部空洞を形成するチューリップ本体、
前記本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、
各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び
前記空洞への入口において前記チューリップ本体の遠位端に位置決めされたレッジを形成する、チューリップと、
遠位端及び近位端を画定するサドルであって、前記サドルは、
前記チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、
前記チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝を前記サドル近位端に形成し、
前記ねじヘッドを適合受容するサイズ及び寸法である曲面を前記サドル遠位端に形成する、サドルと、
前記ねじヘッドを係合するためのリングであって、前記リングは、
前記ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記ねじヘッドが前記リングに入れられるときに、前記ねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径を形成するように位置決め可能であり、
前記チューリップレッジの近位側に位置決めされる、リングと、を含み、
前記ねじヘッドは、前記サドルが前記チューリップレッジに向かって遠位方向に付勢されると、前記チューリップ本体内部空洞内の前記サドルと前記リングとの間の位置で締め付け可能であり、
前記チューリップレッジは、相対的に異なる直径を有する2つの交差開口部として形成される、デバイス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本開示は、ねじ及びロッドを用いて骨を安定化することに関し、より具体的には、複数のねじ山を有するねじ、及びねじの挿入後にモジュール式固定ヘッド(「チューリップ」)を取り付けることに関する。
【0002】
〔背景技術〕
多くのタイプの脊椎不規則性は、疼痛を生じさせ、動きの範囲を限定させ、又は脊柱内の神経系を損傷させる。これらの不規則性は、限定されるものではないが、外傷、腫瘍、椎間板変性、及び疾患から生じる場合がある。多くの場合、これらの不規則性は、脊椎の一部を固定することにより処置される。この処置は、典型的には、骨ねじを1つ以上の椎骨に取り付け、骨ねじを、脊椎の部材を安定化させる細長い脊椎ロッドに接続することを伴う。
【0003】
ねじは、ねじを細長い脊椎ロッドに結合するためのチューリップヘッドを有する椎弓根ねじであり得る。ねじの改良された設計、埋め込みのための器具、並びにデバイスの配置及び組み立てのための改善された方法に対する必要性が存在する。
【0004】
〔発明の概要〕
本開示の一実施形態では、多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスは、遠位端及び近位端を画定し、内部空洞を形成するチューリップ本体、本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び空洞への入口においてチューリップ本体の遠位端に位置決めされたレッジを形成するチューリップと、遠位端及び近位端を画定するサドルであって、サドルは、チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝をサドル近位端に形成し、ねじヘッドを適合受容するサイズ及び寸法である曲面をサドル遠位端に形成する、サドルと、ねじヘッドを係合するためのリングであって、リングは、ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を形成するように位置決め可能であり、ねじヘッドがリングに入れられるときにねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径を形成するように位置決め可能であり、チューリップレッジの近位側に位置決めされる、リングと、を含み、ねじヘッドは、サドルがチューリップレッジに向かって遠位方向に付勢されると、チューリップ本体内部空洞内のサドルとリングとの間の位置で締め付け可能である。
【0005】
その変形例では、サドルは、チューリップ本体の遠位端に挿入可能である。
【0006】
その別の変形例では、デバイスは、チューリップレッジの近位側に位置決め可能であり、チューリップレッジの直径よりも大きい直径を有し、チューリップレッジの直径よりも小さい直径を有するリング係合プロファイルを形成する、保持リングを更に含み、リングは、サドルが遠位方向に付勢されると、プロファイルを押圧し、それによってリングが空洞から抜け出さないようにする。
【0007】
その更なる変形例では、保持リングは、貫通して形成された間隙を有し、それによって、保持リングは、チューリップレッジを越えて保持リングを回すことによって、チューリップレッジを越えて挿入可能であり、チューリップは、ねじ山の遠位に位置決めされた戻り止め部を空洞の内面に更に形成し、サドルは、チューリップの戻り止め部と嵌合可能な戻り止め部を更に形成して、チューリップとサドルとを解放可能に相互接続する。
【0008】
その更なる変形例では、サドルは、複数の遠位に延在するアームを更に含み、リングは少なくとも2つのセグメントを含み、これらのセグメントは、ねじヘッドがそれらの間を通過するときに第2の直径を形成するように互いに離れて位置決め可能であり、少なくとも2つのセグメントは、サドルが遠位方向に付勢されると、複数の遠位に延在するアームによって相互に共に付勢されて、少なくとも2つのセグメントを第1の直径内に位置決めする、及び/又はチューリップ内部空洞は、チューリップ戻り止め部を含み、少なくとも2つのセグメントのそれぞれは、少なくとも2つのセグメントを離して解放可能に保持してねじヘッドの挿入を容易にする、チューリップ戻り止め部と嵌合可能なクリップ戻り止め部を含む。
【0009】
その更なる変形例では、リングは、ねじヘッドに係合してリングをねじり、ねじヘッドがリングを通過するにつれてリングの直径を拡張するようにカムローブを偏向させるカムローブを有するトーションリングであり、リングは、サドルと一体的に形成され、サドルは、第2の直径を形成するように回転可能であり、ねじヘッドがサドルに入ることを可能にし、チューリップレッジは、相対的に異なる直径を有する2つの交差開口部として形成され、サドルが回転して第1の直径を形成し、ねじヘッドを係合した後に、止めねじがサドルの回転を阻止する、及び/又は、ねじヘッドがリングを通過するにつれてリングが剪断され、それによってリングの直径が拡張される。
【0010】
その別の変形例では、リングは、軸方向に延在するプロファイルの長さに部分的に沿って延在する複数の外周切溝を形成する軸方向に延在する外周プロファイルを形成し、リングの軸心の周りを半径方向に延在し、リングの軸心に向かって内向きに延在するレッジを周方向に形成し、レッジが第2の直径を形成することを可能にする、レッジを通って延在する複数の切溝を含む。
【0011】
別の変形例では、デバイスは、チューリップレッジの近位側に位置決め可能であり、チューリップレッジの直径よりも大きい直径を有し、チューリップレッジの直径よりも小さい直径を有し、リングレッジを受容し、リングレッジが第2の直径を形成することを阻止する寸法であるリング係合プロファイルを形成する、保持リングを更に含む。
【0012】
更なる変形例では、チューリップは、ねじ山の遠位に位置決めされた戻り止めの遠位にある、空洞内の第2の戻り止め部を含み、リングは、軸方向に延在するプロファイルの長さに部分的に沿って延在する複数の外周切溝を形成する、軸方向に延在する外周プロファイルを形成し、リングの軸心の周りを半径方向に延在し、リングの軸心に向かって内向きに延在するレッジを周方向に形成し、レッジが第1の直径及び第2の直径を形成することを可能にする、レッジを通って延在する複数の切溝を含み、チューリップの第2の戻り止め部と噛合可能である、リングの近位端の周りに配設される戻り止めを周方向に形成する。
【0013】
その他の変形例では、リングは、1つ以上の軸方向に延在する切溝を形成し、チューリップは、少なくとも1つの半径方向に延在するピンを含み、ピンは、リングが軸方向に移動するにつれてリングの切溝内へと延在し、ピンは、それによってリングの移動を誘導し、切溝の軸方向に延在する長さを超えるリングの移動を阻止する、及び/又は少なくとも1つの切溝がリングの近位面から延出し、リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、少なくとも1つの切溝がリングの遠位面から延出し、リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、リングは、それによって近位外周の周りで圧縮可能であり、遠位外周部の周りで圧縮可能である。
【0014】
その更なる変形例では、リングは、ねじヘッドが締め付けられると、チューリップ空洞の内面と協働して、リングの移動を低減させる複数のセレーションを外面に含み、複数のセレーションは、リングの中心軸に対してオフセットした角度で配設され、リングは、半径方向に延在するフランジを含み、チューリップは、半径方向に延在するフランジを含み、リングのフランジ及びチューリップのフランジは、リングが軸方向に移動につれて係合可能であって、リングの軸方向移動の範囲を画定する、及び/又はリングの半径方向に延在するフランジは、各々が自由端にフランジ部を有する、複数の可撓性指部として形成される。
【0015】
その別の変形例では、リングは、軸方向に延在する1つ以上の切溝を形成し、1つ以上の切溝は、リングの遠位外周端の拡張を可能にし、保持リングは、リングの遠位外周端を含み、リングの遠位外周端が内部プロファイル内に着座すると、リングの遠位外周端の拡張を阻止するように成形された、内部プロファイルを含む。リング係合プロファイルは、保持リングがチューリップレッジに位置決めされると、チューリップレッジに対して遠位に配設される。
【0016】
本開示の別の実施形態では、多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスは、遠位端及び近位端を画定し、内部空洞を形成するチューリップ本体、本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び空洞への入口においてチューリップ本体の遠位端に位置決められた傾斜部を形成する、チューリップと、遠位端及び近位端を画定するサドルであって、サドルは、チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝をサドル近位端に形成し、遠位端の外周面に嵌合接続部を形成する、サドルと、ねじヘッドを係合するためのリングであって、リングは、ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を有し、ねじヘッドがリングに入れられるときにねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径に形成可能であり、サドルの嵌合接続部と嵌合可能な嵌合接続部を含み、それによって、リング及びサドルは、解放可能に相互接続可能であり、チューリップの傾斜部と協働する傾斜部を有する、リングと、を含み、ねじヘッドは、サドルがチューリップレッジに向かって遠位方向に付勢され、リングの傾斜部がチューリップの傾斜部に対して摺動すると、チューリップ本体内部空洞内のサドルとリングとの間の位置で締め付け可能である。
【0017】
その変形例では、サドルは、チューリップ本体の遠位端に挿入可能であり、サドル及び接続されたリングは、サドル及びリングが相互に接続されると、チューリップ本体の遠位端に挿入可能でありチューリップは、空洞の内面に、ねじ山の遠位に位置決めされた戻り止め部を更に形成し、サドルは、チューリップの戻り止め部と嵌合可能な戻り止め部を近位端に形成して、チューリップ及びサドルを解放可能に相互接続し、リングは、1つ以上の軸方向に延在する切溝を形成し、1つ以上の軸方向に延在する切溝は、リングを複数のセグメントに分割し、チューリップは、少なくとも1つの半径方向に延在するピンを含み、ピンは、リングが軸方向に移動するにつれてリングの切溝内へと延在し、ピンは、それによってリングの移動を誘導し、切溝の軸方向に延在する長さを超えるリングの移動を阻止する、及び/又は少なくとも1つの切溝がリングの近位面から延出し、リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、少なくとも1つの切溝がリングの遠位面から延出し、リングの軸方向長さよりも短い長さまで軸方向に延在し、リングは、それによって近位外周の周りで圧縮可能であり、遠位外周部の周りで圧縮可能である。
【0018】
その他の変形例では、リングは、ねじヘッドが締め付けられると、チューリップ空洞の内面と協働して、リングの移動を低減させる複数のセレーションを外面に含み、複数のセレーションは、リングの中心軸に対してオフセットした角度で配設され、リングは、半径方向に延在するフランジを含み、チューリップは、半径方向に延在するフランジを含み、リングのフランジ及びチューリップのフランジは、リングが軸方向に移動するにつれて係合可能であって、リングの軸方向移動の範囲を画定し、半径方向に延在する、リングのフランジは、各々が自由端にフランジ部を有する複数の可撓性指部として形成される、及び/又はリングの嵌合接続部は、湾曲近位面を含む。
【0019】
本開示の別の実施形態では、多軸椎弓根ねじのねじヘッドを取り付けるための整形外科用固定デバイスは、遠位端及び近位端を画定し、内部空洞を形成するチューリップ本体、本体の近位端から離れて延在する2つの対向するアーム、各アームの相互に対向する側に配設された協働ねじ山、及び空洞への入口においてチューリップ本体の遠位端に位置決めされたレッジを形成するチューリップと、遠位端及び近位端を画定するサドルであって、サドルは、チューリップ本体に挿入可能であるサイズ及び寸法であり、チューリップアームの間に挿入された椎弓根固定ロッドを受容するサイズのU字溝をサドル近位端に形成し、遠位端の外周面に嵌合接続部を形成する、サドルと、ねじヘッドを係合するためのリングであって、リングは、ねじヘッドの最大径よりも小さい第1の直径を有し、ねじヘッドがリングに入れられるときにねじヘッドの最大径よりも大きい第2の直径に形成可能であり、サドルの嵌合接続部と嵌合可能な嵌合接続部を含み、それによって、リング及びサドルは、解放可能に相互接続可能であり、チューリップレッジの近位側に位置決めされる、リングと、を含み、ねじヘッドは、サドルがチューリップレッジに向かって遠位方向に付勢されると、チューリップ本体内部空洞内のサドルとリングとの間の位置で締め付け可能である。
【0020】
その変形例では、サドルは、チューリップ本体の遠位端に挿入可能であり、サドル及び接続されたリングは、サドル及びリングが相互に接続されると、チューリップ本体の遠位端に挿入可能である、及び/又はチューリップは、空洞の内面に、ねじ山の遠位に位置決めされた戻り止め部を更に形成し、サドルは、チューリップの戻り止め部と嵌合可能な戻り止め部を近位端に形成して、チューリップ及びサドルを解放可能に相互接続する。
【0021】
その別の変形例では、デバイスは、チューリップレッジの近位側に位置決め可能であり、チューリップレッジの直径よりも大きい直径を有し、チューリップレッジの直径よりも小さい直径を有するリング係合プロファイルを形成する、保持リングを更に含み、保持リングは、サドルが遠位方向に付勢されると、プロファイルを押圧し、それによってリングが空洞から抜け出さないようにする。
【0022】
その別の変形例では、保持リングは、貫通して形成された間隙を有し、それによって、保持リングは、チューリップレッジを越えて保持リングを回転させることによって、チューリップレッジを越えて挿入可能である。
【0023】
その更なる変形例では、リングは、軸方向に延在するプロファイルの長さに部分的に沿って延在する複数の外周切溝を形成する軸方向に延在する外周プロファイルを形成し、リングの軸心の周りを半径方向に延在し、リングの軸心に向かって内向きに延在する傾斜部を周方向に形成し、傾斜部が第1の直径及び第2の直径を形成することを可能にする、傾斜部を通って延在する複数の切溝を含む。
【0024】
その他の変形例では、リングは、1つ以上の軸方向に延在する切溝を形成し、チューリップは、少なくとも1つの半径方向に延在するピンを含み、ピンは、リングが軸方向に移動につれてリングの切溝内へと延在し、ピンは、それによってリングの移動を誘導し、切溝の軸方向に延在する長さを超えるリングの移動を阻止する、及び/又は少なくとも1つの切溝がリングの近位面から延出し、リングの軸方向長さよりも小さい長さまで軸方向に延在し、少なくとも1つの切溝がリングの遠位面から延出し、リングの軸方向長さよりも小さい長さまで軸方向に延在し、リングは、それによって近位外周の周りで圧縮可能であり、遠位外周部の周りで圧縮可能である。
【0025】
その更なる変形例では、リングは、ねじヘッドが締め付けられると、チューリップ空洞の内面と協働して、リングの移動を低減させる複数のセレーションを外面に含み、複数のセレーションは、リングの中心軸に対してオフセットした角度で配設され、1つ以上の切溝は、リングの遠位外周端の拡張を可能にし、保持リングは、リングの遠位外周端を含み、リングの遠位外周端が内部プロファイル内に着座すると、リングの遠位外周端の拡張を阻止するように成形された、内部プロファイルを含む、及び/又はリング係合プロファイルは、保持リングがチューリップレッジに位置決めされると、チューリップレッジに対して遠位に配設される。
【0026】
本開示の別の実施形態では、椎弓根ねじは、丸みを帯びた形状を有するヘッドと、ねじを回すための工具を係合するためにヘッドの端部に配設された工具係合部とネック端及び挿入端を有するシャフトであって、ヘッドがネック端に取り付けられている、シャフトと、シャフトの少なくとも一部に沿って延在する第1のねじ山と、第1のねじ山を有するシャフトの少なくとも一部に沿って延在する第2のねじ山であって、第2のねじ山は、第1のねじ山と共に二重リードを形成する、第2のねじ山と、を有する。
【0027】
その変形例では、ねじは、第1のねじ山及び第2のねじ山と共に三重リードを形成する第3のねじ山を更に含み、ねじは、第1のねじ山及び第2のねじ山と共に四重リードを形成する第3のねじ山及び第4のねじ山を更に含み、四重リードの領域における内径は、第1のねじ山のみの領域における内径よりも大きく、第1のねじ山及び第2のねじ山の両方の領域における内径は、第1のねじ山のみの領域における内径よりも大きい、及び/又はシャフトに沿った二重リードの位置は、ねじが挿入される皮質骨の位置及び範囲によって決定される。
【0028】
その他の変形例では、シャフトに沿った二重リードの位置は、ねじが挿入される椎弓根の皮質骨の位置によって決定され、シャフトに沿った二重リードの位置は、ねじが挿入される椎弓根の皮質骨の位置によって決定され、第1のねじ山は、挿入端に沿って延在し、ねじが挿入されると、椎体の海綿骨に入り、挿入端は尖っており、ねじヘッドは溝付きである、及び/又はヘッドは多軸ねじヘッドを形成する。
【0029】
〔図面の簡単な説明〕
本開示のより完全な理解、及びその付随する利点及び特徴は、添付の図面と併せて考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによってより容易に理解されよう。
【0030】
図1は、先行技術のモジュール式ヘッド又はチューリップ、骨固定ロッド、係止キャップ、及びモジュール式ねじを含む整形外科用固定デバイスを示す。
【0031】
図2は、チューリップ、サドル、及びモジュール式ねじを含む、本開示による整形外科用固定デバイスを示す。
【0032】
【0033】
実施形態1-多条ねじ
図4は、複数のねじ山、具体的には、ねじの一部に沿って2つのねじ山を含む、本開示による多軸骨ねじを示す。
【0034】
図5は、
図4の骨ねじであるが、複数のねじ山の領域において拡大された内径を有する骨ねじを示す。
【0035】
図5Aは、椎骨の椎弓根内に展開された、
図5の骨ねじの概略図を示す。
【0036】
【0037】
図7は、複数のねじ山、具体的には、ねじの一部に沿って4つのねじ山を含む、本開示による多軸骨ねじを示す。
【0038】
図8は、
図7の骨ねじであるが、複数のねじ山の領域において拡大された内径を有する骨ねじを示す。
【0039】
【0040】
実施形態2-半クリップ
図10は、チューリップ及びモジュール式ねじと、協働サドル、半クリップ部、及びチューリップレッジを含む骨ねじ保持システムと、チューリップ本体内部空洞内に締め付けられた骨ねじと、を含む、本開示による整形外科用固定デバイスの2等分斜視図を示す。
【0041】
図10Aは、骨ねじがチューリップ本体内部に挿入されている、請求項10に記載のデバイスの2等分断面図を示す。
【0042】
図11は、
図10のデバイスのサドル及び半クリップ部の斜視図を示す。
【0043】
図11Aは、戻り止め部を示し、戻り止め部は、半径方向内向きに並進する半クリップと係合している。
【0044】
図11Bは、戻り止め部を示し、戻り止め部は、係合して半クリップを半径方向外向き位置に保持する。
【0045】
図12は、骨ねじがチューリップ内部に挿入されている、
図10のデバイスの2等分断面図を示す。
【0046】
図13は、骨ねじがサドルと半クリップとの間に締め付けられている、
図10のデバイスの2等分断面図を示す。
【0047】
実施形態3-トーションクリップ
図14は、本開示の実施形態によるトーションクリップリテーナを示す。
【0048】
図15は、チューリップのセグメント内に位置決めされた、
図14のトーションクリップの2等分斜視断面図を示す。
【0049】
図16は、本開示による、チューリップに組み立てられた
図14のトーションリングの2等分断面図を示す。
【0050】
図17は、
図16のアセンブリに挿入されようとしている骨ねじを示す。
【0051】
図18は、
図16のアセンブリ内のトーションリングを通って挿入され、トーションリングをねじる骨ねじを示す。
【0052】
図19は、
図16のアセンブリに完全に挿入された骨ねじを示し、トーションリングは、ねじれていない静止状態に戻って骨ねじが抜け出ることを阻止する。
【0053】
実施形態4-クリップレスヘッド
図20は、別のサドル及びチューリップを含み、チューリップは側方止めねじを有する、本開示による別の整形外科用固定デバイスの斜視図を示す。
【0054】
【0055】
図22は、骨ねじが挿入されている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【0056】
図23は、骨ねじが締め付けられている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【0057】
図24は、骨ねじが締め付けられ、増加したオフセット角度でねじが配設されている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【0058】
【0059】
実施形態5-圧縮クランプ
図26は、別のチューリップ及びサドルを含み、サドルは可撓性圧縮クランプにクリップ留めされ、クランプは非圧縮構成又は収縮構成である、本開示による別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0060】
図27は、クランプが圧縮構成にある、
図26のデバイスを示す。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
図31は、外周の周りに形成されたセレーションを含む、
図26のクランプの斜視図を示す。
【0065】
図32は、外周の周りに形成されたセレーションを含み、セレーションが傾斜して形成された、
図26のクランプの斜視図を示す。
【0066】
実施形態6-止めピン
図33は、チューリップが止めピンを含み、クランプがピン誘導チャネルを含む。本開示による圧縮クランプ及びチューリップを示す。
【0067】
実施形態7-クランプ切溝
図34は、可変幅の間隙によって分離されるセグメントを含み、クランプの一端から延在し、クランプを更なるセグメントに分離しない切溝を含む、本開示による圧縮クランプを示す。
【0068】
図35は、クランプの反対側の端部から延在する更なる切溝を含み、外周止めフランジを更に含む、
図34のクランプを示す。
【0069】
実施形態8-止めフランジ
図36は、
図35でのようにセグメント及び切溝を有するクランプに取り付けられた、
図26のサドルを含み、締め付けられた椎弓根ねじの引き抜きを阻止する止めフランジを更に含む、本開示の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0070】
図37は、締め付けられ、止め位置にある
図36のデバイスを示し、サドルとクランプとの間の別のクリップ構成を更に示す。
【0071】
【0072】
図38Aは、フック形状を含む、別の止め形状を示す。
【0073】
図39は、ねじヘッドがクランプに挿入されると止めフランジを形成するように延出する、複数の可撓性指部を含む、本開示の別のクランプを示す。
【0074】
【0075】
図41は、クランプの外面から延在する複数の止めフランジセグメントを含む、本開示の別のクランプを示す。
【0076】
実施形態9-剪断リング
図42は、別のサドルと協働剪断リングとの間に形成されたクランプ、保持リング、及びチューリップレッジを含む、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
図46は、サドルが組み立てられ、剪断リングが組み立てられている、
図42のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【0081】
図47は、剪断リング及び保持リングが組み立てられた、
図46のチューリップを示す。
【0082】
図48は、椎弓根ねじヘッドが組み立てられ、剪断リングの直径が破壊及び/又は拡張されている。
図47のチューリップを示す。
【0083】
図49は、サドルが押し下げられて、チューリップ本体内で椎弓根ねじを締め付けている、
図48のチューリップを示す。
【0084】
実施形態10-ばねリング
図50は、
図42のサドルと、別の保持クリップと、
図42の剪断リングの代わりとなるばねリングとを含み、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドが通過できるように破断することなく拡張可能である、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0085】
【0086】
【0087】
図53は、サドル及びばねリングが組み立てられ、保持リングが組み立てられている、
図50のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【0088】
図54は、ねじヘッドの挿入中にばねリングの下径を拡張する椎弓根ねじヘッドを有する、
図53のチューリップを示す。
【0089】
図55は、ねじヘッドが挿入され、ばねリングが以前の直径に戻り、保持リング内に落下した、
図54のチューリップを示す。
【0090】
図56は、サドルが押し下げられ、チューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付けている、
図55のチューリップを示す。
【0091】
実施形態11-保持されたばねクリップ
図57は、
図42のサドルと、別の保持クリップと、
図42の剪断リングの代わりとなるばねリングとを含み、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドが通過できるように破断することなく拡張可能であり、ばねリングはサドルに接続可能である、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0092】
【0093】
【0094】
図60は、サドル及びばねリングがクリップ接続によって接続され、チューリップに組み立てられた、
図57のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【0095】
図61は、剪断リングが組み立てられた、
図60のチューリップを示す。
【0096】
図62は、ねじヘッドが挿入され、ばねリング下径を拡張している、
図61のチューリップを示す。
【0097】
図63は、サドル及び接続されたばねリングが押し下げられて、チューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付けている、
図62のチューリップを示す。
【0098】
実施形態12-係止クランプ
図64は、
図26のサドルに類似のサドルを含むが、別の係合傾斜プロファイル、別の保持クリップ、及びサドルに接続可能である拡張可能ばねリングを備え、ばねリングは、成形下プロファイルを含む、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【0099】
【0100】
【0101】
図67は、サドル及びばねリングがクリップ接続部によって接続され、クリップ止めされた結合体及び保持リングがチューリップに組み立てられた、
図64のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【0102】
図68は、椎弓根ねじヘッドがばねリングの成形プロファイルと接触し、それによってばねリングの下径を拡張してねじヘッドを組み立てる、
図67のチューリップを示す。
【0103】
図69は、ねじヘッドがばねリング内に位置決めされ、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドの球状に適合するように縮小した直径を回復している、
図68のチューリップを示す。
【0104】
図70は、サドル及び接続されたばねリングが押し下げられて、バネねじの成形プロファイルを保持リングと係合させ、それによってチューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付ける、
図69のチューリップを示す。
【0105】
〔発明を実施するための形態〕
本明細書は、最良の形態を含む実施形態を開示するために、また、当業者が本発明を作製し、使用することを可能にするために、実施例を使用する。特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の実施例を含み得る。かかる他の実施例は、特許請求の範囲の文言と何ら変わらない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文言とごくわずかに異なる同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。
【0106】
一般的な説明又は実施例において上述の活動の全てが必要とされるわけではなく、特定の活動の一部が必要とされなくてもよく、1つ以上の更なる活動が、説明された活動に加えて実行され得ることに留意されたい。更に、活動が列挙されている順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。
【0107】
前述の明細書では、特定の実施形態を参照して概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解するであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきであり、全てのかかる修正は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0108】
本特許文書を通して使用される特定の単語及び語句の定義を記載することは有利であり得る。「通信する」という用語及びその派生語は、直接通信及び間接通信の両方を包含する。「目立たない(discreet)」という用語及びその派生語は、衣類のスタイルのタイプではなく、衣類のユーザが露出させる皮膚の量を指す。「含む(include)」及び「含む(comprise)」という用語、並びにそれらの派生語は、制限のない包含を意味する。「又は」という用語は包括的であり、及び/又はを意味する。「関連付けられる」という語句及びその派生語は、含む、その中に含まれる、それと相互接続する、含有する、その中に含有される、それに又はそれと接続する、それに又はそれと結合する、それと通信可能である、それと協働する、交互配置する、並置する、それと近接する、それに又はそれと結合される、有する、その特性を有する、それとの関係を有するなどを意味し得る。項目のリストと共に使用される場合、「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、列挙された項目のうちの1つ以上の異なる組み合わせが使用され得、リスト中の1つの項目のみが必要とされ得ることを意味する。例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、以下の組み合わせ、すなわち、A、B、C、A及びB、A及びC、B及びC、並びにA及びB及びCのうちのいずれかを含む。
【0109】
また、「a」又は「an」の使用は、本明細書に記載の要素及び構想要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上のためであり、本発明の範囲の一般的な意味を与えるためである。この記載は、1つ又は少なくとも1つを含むように読まれるべきであり、単数形は、そうではないことを意味することが明らかでない限り、複数形も含む。
【0110】
本出願における説明は、任意の特定の要素、ステップ、又は機能が、特許請求の範囲に含まれなければならない必須の要素又は重要な要素であることを暗示するものとして読まれるべきではない。特許請求された主題の範囲は、許容された特許請求の範囲によってのみ定義される。更に、「~のための手段」又は「~のためのステップ」という的確な単語が特定の請求項において明示的に使用され、その後に機能を特定する分詞句が続かない限り、添付の請求項又は請求項の構成要素のいずれかに関して米国特許法112条(f)を行使しない。
【0111】
利益、他の利点、及び問題に対する解決策が、特定の実施形態に関して上述されている。しかしながら、利益、利点、問題に対する解決策、及び任意の利益、利点又は解決策を生じさせ得るか、又はより顕著にさせ得る任意の特徴は、任意の又は全ての請求項の重要な、必要な、基本的な、又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0112】
本明細書を読んだ後、当業者は、明確にするために、別個の実施形態の文脈で本明細書に記載されている特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせで提供され得ることを理解するであろう。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴が、別々に又は任意の部分組み合わせで提供され得る。更に、範囲で記載された値への言及は、当該範囲内のあらゆる値を含む。
【0113】
本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、明示的に示されているか否かにかかわらず、全ての数値に適用される。これらの用語は、一般に、当業者が列挙された値と等しい(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を指す。多くの場合、これらの用語は、最も近い有効数字に丸められる数を含み得る。本明細書で使用される場合、「実質的な」及び「実質的に」という用語は、様々な部分を互いに比較するとき、比較される部分が等しいか、又は当業者が同じであると考えるほど十分に次元が近いことを意味する。本明細書で使用される「実質的な」及び「実質的に」は、単一の次元に限定されず、具体的には、比較される当該部分の値の範囲を含む。上及び下の両方の値の範囲(例えば、「+/-」、又はより大きい/より小さい(greater/lesser)、又はより大きい/より小さい(larger/smaller))は、言及された部分について妥当な許容範囲であることを当業者が知っている分散を含む。
【0114】
上記の説明は、本発明の原理及び様々な実施形態を例示することを意図している。上記の開示が完全に理解されると、当業者には多数の変形例及び修正が明らかになるであろう。以下の特許請求の範囲は、全てのかかる変形例及び修正を包含すると解釈されることが意図される。
【0115】
見出しは読者の便宜のために提供されており、限定することを決して意図するものではない。
【0116】
本発明の例示的な実施形態の追加の態様、利点、及び/又は他の特徴は、以下の詳細な説明を考慮して明らかになるであろう。本明細書で提供される記載された実施形態は、単に例示的かつ例示的であり、限定的ではないことが当業者には明らかであろう。多数の実施形態又はその修正が、本開示の範囲及びそれに対する均等物に該当するものとして企図される。
【0117】
本開示の実施形態は、概して、整形外科用インプラント、アセンブリ、システム、器具、及び方法を対象とする。具体的には、いくつかの実施形態は、1つ以上の脊椎ロッドを固定するように構成されたモジュール式骨締結具アセンブリ、設置器具、及びナビゲーション方法に関する。モジュール式骨締結具は、ナビゲーション及び/又はロボット支援を伴って、又は伴わずに骨に挿入されるように構成されたモジュール式ねじを含み得る。1つ以上のねじエクステンダ器具は、モジュール式ねじへの確実な取り付け及びモジュール式ねじの改善された操作性を提供し得る。ねじの設置後、モジュール式ヘッドは、ナビゲーション及び/又はロボット支援を伴って、又は伴わずに展開され、モジュール式ねじに取り付けられ得る。処置及び/又はロボットシステムのナビゲーション追跡は、例えば、モジュール式ねじ及び/又はチューリップヘッドの正確な配置、椎体の追跡、モジュール式ねじへのモジュール式ヘッドの組み付け、及び/又は術中フィードバックのために提供され得る。これらのインプラント及び器具は、ナビゲーション又はロボットシステムの支援を伴って、又は伴わずに、後方脊椎に対する切開及び経皮的アプローチにおいて使用され得る。概して脊椎に関して説明してきたが、本明細書に記載のデバイス及びシステムは、他の整形外科的身体部位及び用途(外傷など)に適用できることが理解されるであろう。
【0118】
概要
ここで
図1~
図3を参照すると、一実施形態による、整形外科用デバイス、インプラント、すなわち骨安定化アセンブリ100が示されている。インプラント、すなわち骨安定化アセンブリ100は、チューリップヘッド、すなわちモジュール式ヘッド120と、骨締結具、すなわちモジュール式ねじ140と、脊椎ロッド180をモジュール式ヘッド120内に固定するための係止キャップ160(
図1)と、を含み得る。多軸アセンブリ100の場合、係止キャップ160を締めると、ロッド180がチューリップヘッド120内へと圧迫され、それによって、モジュール式ねじ140の動きが制限され、所望の角度で骨締結具を備える剛性構造体が形成される。モジュール式ねじ140は、モジュール式ヘッド120から独立して展開され得る。例えば、モジュール式ねじ140は、最初に骨内に設置され得、モジュール式ヘッド120は、後に、外科処置中にモジュール式ねじ140上で展開され、組み付けられ得る。あるいは、モジュール式ヘッド120及びねじ140は、設置前に予め組み立てられ得る。
【0119】
チューリップヘッド120は、本体200と、本体200から上向きに延在するアーム220と、を含む。中心ボア240は、チューリップヘッド120を通って延在し得る。対向するアーム220は、ボア240を横断し、ロッド180を受容するサイズであり、ロッド180を受容するように構成された、U字型チャネルを画定し得る。アーム220の各々は、ねじ付き係止キャップ160を係合するためのねじ部260を画定する内面を有する。チューリップヘッド120の外面は、好適な工具を用いてチューリップヘッド120を保持し、操作するために、示される溝など1つ以上の工具係合部216を画定し得る。
【0120】
ロッド180は、係止キャップ160を用いてチューリップヘッド120内に固定され得る。係止キャップ160は、チューリップヘッド120の内側ねじ部260と接合するように構成された外側ねじ部280を画定し得る。係止キャップ160は、係止キャップ160をチューリップヘッド120に挿入して締めることができる駆動器具によって係合されるように構成された駆動凹部300を備える止めねじの形態であり得る。係止キャップ160の底部は、平坦であり得るか、又はロッド180との一貫した接触を確保するように別様に構成され得る。
【0121】
実施形態1-多条ねじ
次に
図4~
図5を参照すると、骨締結具140としては、骨に係合するように構成された骨ねじ、アンカー、クランプなどが挙げられ得る。図示の実施形態では、骨締結具140は、椎弓根ねじなどモジュール式骨ねじ140である。モジュール式ねじ140は、ねじヘッド132を備える近位端から、骨に係合するように構成された遠位端まで延在する。モジュール式ねじ140は、ネック部136によってねじヘッド132に接続されたねじシャフト134を有する。ねじシャフト134は、例えば、特定の用途などに応じて、本明細書に記載のように、リード、ねじ山ピッチ、ねじ山角度、シャフト径対ねじ径、全体的なシャフト形状などいくつかの異なる特徴を有し得ることが理解されよう。本開示のアセンブリ100は、以前から知られており、今後開発されるような、また、本開示に従って詳述されるような多種多様なかかる締結具140と共に使用され得る。
【0122】
ねじシャフト134は、遠位端の先端142で終端し得、この先端は、尖っていないか、尖っているか、又は別様に骨に係合するように構成され得る。ねじヘッド132は、任意の一般的形状を有し得るが、多軸固定具の場合、ねじヘッド132の少なくとも一部が、例えば、本明細書に詳述されるように、又は当技術分野で公知のように、チューリップ頭部120内のクランプに対する骨固定具140の回転運動及び/又は角度調整を可能にするために、曲面、又は丸みを帯びた表面を有し得る。例えば、ねじヘッド132の少なくとも一部は、例えば図示のように、ボール又は球体の一部を形成するように成形され得る。球状ねじヘッド132は、例えば、ねじ駆動器具又は他のデバイスによって係合されて、ねじを回転させ、ねじを身体組織内へと移動させ得る、図示の表面などの1つ以上の駆動部及び/又は係合部138をヘッド132内に画定し得る。一実施形態では、骨ねじヘッド132は、ねじ140を骨の中へと移動させるためのヘクサロビュラ駆動凹部38を画定する。任意の好適な形状の工具駆動係合部138が設けられ得ることが理解されるであろう。ねじヘッド132は、チューリップ内でのねじヘッドの圧縮中のグリップを改善するための溝を含み得る。
【0123】
図4~
図9を更に参照すると、骨ねじ140は、複数のリードねじ山を有する変形例140A~140Dを含む。
図4~
図6では、骨ねじ140A及び140Bは、ねじ山の数が椎弓根ねじの端部にある近位/ヘッド132に向かって2倍になるねじ山付きのねじであり、「二重リード」ねじ、「二条(two start)」ねじ、又は「二条(double thread)」ねじを形成する。第1のねじ山は、遠位端の近くで始まり、第2のねじ山は、遠位端から離れた距離において始まり、第1のねじ山の開始部から180度オフセットした開始部を有し得る。第1のねじ山及び第2のねじ山は共に進んで、ネック136付近で終端する。
【0124】
図5Aは、椎骨424内の位置にある骨ねじ140Bを図式的に示しており、椎弓根の皮質骨内に位置する多条部144を示す。図示のような多条部144は、椎弓根内での展開を最適化するサイズであるが、椎骨以外の骨を含む、本開示の骨ねじが使用され得る様々な解剖学的構造に応じて、多条部144は、ねじの他の部分に延在し得るか、又はねじの全長に沿って延在し得ることを理解されたい。
【0125】
図7及び
図8は、二重リードねじ山の最初の長さの後に四重リードねじ山が開始することを除いて、
図4及び
図5と同様である。複数のねじ山の開始後の断面が
図6及び
図9に示されており、それぞれ
図5及び
図8の実施形態を反映している。
図6には2つのねじ山A及びBが示されており、
図9には4つのねじ山A~Dが示されている。複数のねじ山を設けることは、最も頑丈で高密度の骨構造内により多くのねじ山を位置決めし、係合を改善し、その結果として、強度並びにトグリング及び引き抜きに対する抵抗性を増加させる。三条シャフトは、同様の方法で、又は他の多リードねじ山で形成され得ることを理解されたい。
【0126】
図5及び
図8は、一条領域の小径よりも大きい、多条領域の(ねじ山の基部における)小径を有し、本発明者らは、引き抜き/トグル強度の増加を見出した。
図4及び
図7では、小径は、一条領域及び多条領域の両方を通じて同一のままである。
【0127】
一条領域及び二条領域の全体のピッチは互いの比であるため、ねじ140が回転すると、ねじ山領域全体が同じ速度で身体内へと前進する。多条の場合、ねじ山が追加されるたびにリードが増加するため、挿入速度はねじ山の追加と共に増加する。例えば、
図4~
図5の二条の実施形態は、一条ねじの半分の回転数で挿入され、
図7~
図8の四条の実施形態は、一条ねじの4分の1の回転数で挿入される。
【0128】
多条領域144は、ねじ140A/B/C/Dが設置される/埋め込まれる皮質骨の予定範囲に対応させるためにサイズ指定され、シャフト134に沿って位置する。一条領域は、挿入を容易にするために、及び/又は設置後により脆弱な海綿骨内に配設されるように設けられる。
【0129】
実施形態2-半クリップ
図3を更に参照し、加えて
図10~
図13を参照すると、本開示の骨安定化アセンブリ100は、ねじの設置前又は設置後のいずれかに、ねじ140の組み立てを可能にする。より具体的には、ねじ140は、サドル150がサドル150とクリップ170とを連結する下方位置に展開され、係止キャップ160が締められると、更に締め付けられる。クリップ170は、2つの半クリップ172として形成される。遠位レッジ242は、クリップ170をチューリップ本体200A内で軸方向に保持し、半クリップ172はそれぞれ、チューリップ本体200Aの軸方向中心線に向かって半径方向に並進して縮径を形成し、軸方向中心線から離れて拡径を形成するように移動可能である。サドル150が
図10及び
図13に示される位置にあるとき、縮径が形成される。このようにして、ヘッド132が
図11の半クリップ172の間に押し込まれるにつれて、半クリップ172はヘッド132によって強制的に離されて拡径を形成し、各半クリップ172は、ヘッド132の最も幅広の部分がチューリップ本体200A内に入ることができるように十分に軸方向中心線から離れて軸方向に移動する。
【0130】
脊椎固定ロッド180は、チューリップボア240内に配置されて、サドル150のロッド状部152内で静止し、これにより、係止するための一貫した変形及びロッドとの摩擦接触がもたらされる。サドル150は、ロッドを受容するようにサドル150を整列させ、サドル150の回転を阻止する楕円形凹部内に配設置される。次に、
図13に示すように、係止キャップ160をアーム220に沿ってねじ込んでロッド180を部分152内に移動させ、それによってサドル150を本体に向かって押し下げてロック位置にする。このようにして接続された全ての構成要素が治療上必要とされるように位置決めされた後、キャップ160はしっかりと締められて、その後、構成要素の相互関係を保持する。
【0131】
より具体的には、サドル150は、
図10A及び
図12に示されるように、サドル150内のサドル戻り止め部154Bによって形成された戻り止め154及びチューリップ本体200内に形成されや噛合チューリップ戻り止め部154Aによって、ロック解除位置に維持され得る。戻り止め154は、サドル及びチューリップ本体の外周の一部又は全体の周りに形成される。図では、戻り止め154B(
図10/
図10A)はサドル150の突起部として形成され、チューリップ戻り止め154Aは凹部として形成されるが、これらの要素は逆であり得るか、又は公知のように、別の形態の戻り止め、例えば、ばね荷重ボール又は他の可動部分が設けられ得る。
【0132】
ある実施形態では、戻り止め154は、チューリップ本体200の所望の位置を維持する追加の特徴を設けて、手動調整後に、例えば、手術中にチューリップへの構成要素の組み入れを容易にすることができる。より具体的には、例として
図10及び
図13を参照すると、チューリップ戻り止め部154Aの下に戻り止め傾斜部154Cが設けられ、サドル戻り止め部154Bと協働して圧縮的にサドル戻り止め部154Bに干渉して、サドル戻り止め部154Bをサドル150及び締結具140の係止位置に向かって(図で見て)下方に付勢する。加えられる力の程度、したがってチューリップ本体200と締結具140との間の接続の剛性は、傾斜部154Cとサドル戻り止め部154Bとの間の干渉の程度、及び傾斜部154Cの角度に基づいて調節され得、その各々が、締結具140と係合しているチューリップ本体200の安定性を達成する一方で、チューリップ本体200の容易な手動での移動を可能にするように選択され得る。この特徴は、本明細書に記載の戻り止めを有する他の実施形態でも提供され得る。
【0133】
サドル150には、サドル150がロック位置に移動されたときに半クリップ172とチューリップ本体との間に挟まれた位置に移動する係止プロング158が設けられる。
図10に見られるように、具体的には、プロング158は、レッジ242において停止することができるか、又は示されるように、レッジ242内の間隙426を通って遠位に下降することができる。係止プロング158及び半クリップ172上の嵌合傾斜部又は面取り部174及び176は、それぞれ半クリップを誘導して、チューリップ本体200の中心軸に向かって半径方向内向きに並進させて、ねじヘッド132がチューリップ本体200から離れないようにする。プロング158は、ロック位置にあるときに半クリップ172とチューリップ本体200Aとの間に留まり、ねじヘッド132が解放されないようにする。
【0134】
半クリップ172には、ねじヘッド132と嵌合してそれらの間の接触面積を増大させるように成形された内側ねじヘッド接触面178が各々設けられる。同じ理由で、サドル150のねじヘッド接触部分166は、ねじヘッド132と嵌合するように成形される。
【0135】
半クリップ172の断面図である
図11A~
図11Bを参照すると、半クリップ172には、チューリップ本体200Aの戻り止め部156Cと各々嵌合する、2つの対向する戻り止め部168が各々設けられ、これらの戻り止め部が協働して各半クリップを半径方向外向き位置に保持して、ねじヘッド132の進入を容易にすることが分かる。これらの嵌合面は、半クリップ172が半径方向内向きに並進するにつれて面取り部174及び176が更に確実に整列させる。
図11Aは、半径方向内向きに並進する半クリップ172と係合し、ねじヘッド132が抜け出ることを阻止する戻り止め部156C及び168を示す。
図11Bは、係合して、半クリップを半径方向外向き位置に保持する戻り止め部156C及び168を示す。
【0136】
ねじヘッド132を解放するために、サドル150は、例えば、適切な工具を使用して、ねじヘッド150から離れるように押されるか、又は引っ張られ、半クリップ172が中心軸に対して垂直に再び並進することを可能にし、ねじヘッド132との接触を解除し、拡径を形成して、ねじヘッド132の最も幅広の部分がチューリップ本体200Aから抜け出すために十分なクリアランスを可能にする。
【0137】
実施形態3-トーションクリップ
図14~
図19を参照すると、本開示の一実施形態では、トーションリング320には、カムローブセグメント322上に配設された外周カム面328及び外周位置においてリングを貫通する分割部324が設けられる。リング320は、チューリップ本体200B内で(図で見て)その遠位端、すなわち下端に位置決めされる、リング状チャンバ340内に配設される。チャンバ340は、明確にするために、
図15では分離され、拡大されており、チャンバ340には、カム面342が同様に設けられていることが分かる。面取り部344がチャンバ340の上部に設けられて、カムローブセグメント322の移動のための逃げ空間を提供する。リング320は、十分な強度、可撓性、及び耐久性を有し、高い弾性を有する任意の生体適合性材料から作製され得る。例としては、チタン又はニチノールが挙げられる。
【0138】
リング320の分割部324は、チューリップ本体200Bへのリング320の挿入を容易にするために設けられ得る。より具体的には、分割部324のリング320の一端は、チューリップ本体200Bの内部空洞に入れられ得、続いて、リング320の残部が、内部にねじ込まれ得る/回し入れられ得る。
【0139】
使用時、チューリップ本体200Bは、ねじ140が本体内に設置される前又は後に、ねじ140のヘッド132に押し付けられる(
図17)。チューリップ本体200B及びヘッド132が接合されると、ねじヘッド132は、カム328の(図で見て)遠位側、すなわち下側に接触し、ヘッド132からの圧力によってトーションリング320の歪みを引き起こす(
図18)。歪みは、ねじれ屈曲又はねじれの形態を有し得る。リング320を通ってのヘッド132の挿入は、カム328に隣接する狭まった直径326、及びリング320のために選択された材料の可撓性によって容易になり得る。
【0140】
ねじ140がチューリップ本体200Bに挿入された後、リング320は、ねじヘッド132の挿入前の
図17に示されるようなリング静止形状を回復することができる。一実施形態では、静止状態(
図17)は、上位置(
図18)と下位置(
図19)との間のほぼ中間であり、その中立状態からのリング320の変形を最小限に抑えて、応力を最小限に抑える。更に、静止状態は、ねじヘッド132が挿入されるにつれてより容易に押しのけられる、傾斜接触面をもたらす。次いで、ねじヘッド132は、係止プロング158が不要であることを除いて、上記の実施形態1に関して記載したように、所望の位置に固定されるようになり得る。
【0141】
より具体的には、キャップ160の回転によってサドル150がヘッド132に対して付勢されるにつれて、ヘッド132は、最終的に、カム328の上面に対する圧力を、挿入に対して反対の移動方向に加える。
図19に見られるように、カム328がチャンバカム面342に支えられるとき、リング320は、カム328がチャンバカム面342に接触するまで、挿入中のねじれに対して逆方向、すなわち反対方向にねじられ、それによって、カム328は、ヘッド132とカム面342との間に挟まれ、トーションリング320が更にねじれることは不可能になる。したがって、ねじヘッド132は、チューリップ本体200Bから出る方向にこれ以上移動できなくなる。
【0142】
取り外しは、ねじ140を緩めることによって、ねじヘッド132とカムローブセグメント322との間に工具のスリーブセグメントを挿入することによって、又はリング320及びチャンバカム面132によって加えられる力に打ち勝つのに十分な力でヘッド132に対してチューリップ本体200Bを引くために好適な工具を使用することによって達成され得る。
【0143】
カム328は、追加の柔軟性を提供するために複数のカムローブセグメント322に分離されて示されている。一実施形態では、カム328は、カムローブセグメント322と同じ断面形状を有し、同様に機能するが、狭まった直径326によって分離されたカムローブセグメントに分割されない、連続的に形成された外周カムローブ上に配設される。
【0144】
実施形態4-クリップレスヘッド
図20~
図25を参照すると、骨安定化アセンブリ100Aは、(図で見て)下端又は遠位端244を含み、2つの交差する開口部を備えるチューリップ本体200Cを含む。特に
図21を参照すると、第1の開口部246は、ねじヘッド132がチューリップ本体200Cに入るのに十分に大きく、第2の開口部248は、ねじシャフト134が入り、様々な角度でトグルするのに十分に大きいが、ねじヘッド132が入るには小さすぎる。第1の開口部と第2の開口部との間の交差部は、ねじシャフト134がこれらの間を通過可能であるのに十分な大きさである。
【0145】
このようにして、ねじ140は、ねじ140がチューリップ本体200C内に設置される前又は後に、ねじヘッド132を第1の開口部246に入れ、ねじ140を横方向に並進させてねじヘッドを第2の開口部248の上方に位置付けることによって、本体内に装填され得る。その後、ねじヘッド132は、ブロックされることによって、第1の開口部246を越えて横方向に再び移動できなくなり得、それによって、チューリップ本体200C内にねじヘッド132を係止する。ブロックはサドル150A(
図25)によって行われ、このサドルは、チューリップ本体200C内に螺合可能に保持された止めねじ186と協働する横延伸部184上に位置付けられた横クランプ面182を含む。
【0146】
図22では、サドル150Aが回転させて、サドル150Aのねじヘッド接触部166を、第1の開口部246から離れるように旋回した側部166Aと整列させている。これによりサドル150Aの拡径が形成され、ねじヘッド132の通過を可能にする。これは、挿入中にねじヘッド132をサドル150Aに押し付けることによって、又は事前にサドル150Aを位置決めすることによって達成することができる。ねじ140が横方向に並進されるにつれて、ねじ140は、ねじヘッド接触部166を押し、側部166Aを第1の開口246に向かって下方に回転させて縮径を形成し、また、ねじヘッド132をサドル150A内に完全に着座させる。このように、サドル150Aは、ロッドサドル、並びにその回転位置に応じて拡径及び縮径を有するリング248の両方を含む。
【0147】
加えて、ねじヘッド132は、ねじヘッド132よりも小さい開口部248において外周径を有するチューリップレッジ242に接触する。この結果、サドルクランプ面182は、横方向に接近する止めねじ186と接触するために整列する。止めねじ186が締められるにつれて、サドル150は、ねじヘッド132をレッジ242に対して付勢して、チューリップ本体200内でのねじヘッド132の球状ボールの関節運動を阻止し、また、ねじヘッド132が開口部246に向かって横方向に並進できないようにする。その後、本明細書の他の箇所で詳述するように、キャップ160がねじ込まれてロッド180をサドル150A内に押し込むにつれて、ねじヘッド132はレッジ242に対して更に付勢されて、ねじヘッド132の向きを更に固定する。
【0148】
止めねじは、中心ボア240及び係止キャップねじ山260を避け、医師が切開外科処置において利用可能な作業通路を通って止めねじ186を移動させることができるように、チューリップ中心ボア240(ロッドスロット)の中心軸に対して傾斜して位置決めされる。止めねじフランジ188は、止めねじ186がチューリップ150Aから偶発的に取り外されないようにする。
【0149】
前述の特徴は、(a)本体内にねじ140を設置した後、又は(b)本体内にねじ140を設置する前にねじ140の底部装填を可能にし、それによって、ねじ140は、ボア240を通って装填され、次いで骨内に設置され、その後、ねじヘッド132は、前述のようにチューリップ本体200内に固定されることを理解されたい。
【0150】
図24に示されるように、第1の開口部246は、他の設計で可能であるよりも、ボア240を通る軸に対してより大きな角度でねじ140を配設するための逃げを提供する(超可動性)。より具体的には、ねじシャフト134は、さもなければレッジ242によって阻止されるであろう開口部246の領域を通過することができる。したがって、チューリップ本体200Cは、治療上有益である場合には、この特徴を活用するように位置決めされ得る。
【0151】
骨安定化アセンブリ100Aは、止めねじ186を緩め、ねじ140を開口部246へと横方向に並進させることによって、ねじ140とチューリップ本体200Cとの分離を可能にする。加えて、ねじ140は、止めねじ186又は係止キャップ160のいずれか、又は両方によって定位置に取り付けられ得る。
【0152】
実施形態5-圧縮クランプ
図26~
図44を参照すると、圧縮クランプ350は、サドル150Aと協働して、ねじ140の制御された締め付けをもたらす。クランプ350は、固定デバイスの代替手段を提供する。かかるクランプは、整形外科用固定デバイスの係止効率及び強度を、特に、モジュール式又は事前組立式ねじ及びシャンクアセンブリのヘッドの引き抜き及び剛性に関して改善する。特定の既知の量のトルクを係止キャップに加えて、チューリップとロッドとの相互接続の全態様の位置を確実に係止することができる。係止キャップトルクは、この係止を生じさせるために必要な唯一のエネルギーである。
【0153】
過剰量のトルクがキャップ160に加えられる場合、チューリップアーム220は、歪曲したり、又は外側に広がったりする可能性があり、準最適な性能をもたらし得る。荷重がねじ山260内に半径方向に伝わるにつれて、係止キャップ効率を向上させることはできるが、外側への広がりも大きくなり得る。締め付け効率が改善されると、より低いトルクが係止キャップに加えられ得、歪みを引き起こす可能性のある力が低減する。クランプ350は、ロッド及びねじヘッドの締め付け強度を維持するか、又は改善しつつ、低減された係止キャップトルクを加えることを可能にする。
【0154】
図26~
図27において、サドル150Aは、
図12~
図13と同様の方法で、チューリップ本体200Dとの戻り止め係合を形成する。しかしながら、引用文献に詳述されているように、サドル150Aとクランプ350Aとの間に形成された蟻継ぎ又は実矧ぎ継ぎによって、別個の圧縮クランプ350Aがサドル150Aに移動可能に取り付けられている。クランプが
図26に示す上/係合解除/解放位置にあるとき、ねじヘッド132はクランプ350Aに挿入される。クランプ350Aは、切溝360の拡張によって拡径を形成して、ねじヘッド132がクランプ350Aに入ることができるようにする。クランプ350Aは、係止キャップ160によって加えられる力によって下/係合/締め付け位置に移動し、ロッド180を圧迫し、次にサドル150Aを圧迫し(戻り止め154の抵抗力に打ち勝つため)、次に、図示の実施形態では実矧ぎ継ぎを形成する、サドル/クランプクリップ接続部352を介してクランプ350Aを圧迫する。
【0155】
クランプ350Aがクランプ位置に移動すると、クランプ350Aの傾斜部354は、チューリップ200Dの内周傾斜部356に沿って摺動する。チューリップ傾斜部356は、クランプ350Aの下向き移動の方向に減少する直径を形成し、それによって、クランプ傾斜部354をクランプ350Aの中心軸に向かって内向きに押し、それによって、クランプ350Aの直径の減少、すなわち縮小を引き起こし、ねじヘッド132の圧縮及び固定をもたらす。クランプ350Aの直径は、クランプ350Aの一部が内向きに移動するための空間を提供する切溝360によって低減し得る。
【0156】
より具体的には、
図29~
図30を参照すると、締め付け強度及び信頼性は、少なくとも以下の修正、すなわち、クランプ350Aの内径を下外周部358において拡張して、ねじヘッド132の下で更に延在するようにすること、切溝スプリット360の幅及び内面溝362の直径を低減して、ねじヘッド132との接触を増加させること、傾斜部354を細長くして、チューリップの内周傾斜部356との接触面積を増加させることによって改善される。
【0157】
ここで
図31を参照すると、クランプ350Bは、チューリップ本体200と係合される外面にセレーション364、例えば、外周傾斜部354の周りに配置される、周方向に離間配置されたセレーション364Aを含み得、セレーションは、外周傾斜部354クランプ350とチューリップ内周傾斜部356との間の摺動摩擦を低減する。セレーション364の他の向き、例えば、垂直から傾斜した、
図32の例示的クランプ350A上に示されるようなセレーション364Bが設けられ得る。セレーション364A~Bは、クランプ350Aの下周縁に示されているが、これらは、外周傾斜部354に沿った他の位置に配置され得る。加えて、又は代替的に、セレーション360は、チューリップの内周傾斜部356に形成され得る。セレーション364は、嵌合面の浅い穿孔を形成し、それによって嵌合面間の摺動摩擦を増加させることによって機能し得る。
【0158】
実施形態6-止めピン
図26~
図27及び
図33を参照すると、ピン368は、チューリップ本体200の内面に固定され、そこから延在し得(任意の変形例)、ピン誘導チャネルを形成する切溝スプリット360と整列するように位置決めされ得る。クランプ350が遠位方向、すなわち下方に(図で見て)移動すると、ピン368が切溝スプリット360に入り、その後、クランプ350は、チューリップ本体200に対して半径方向に回転できなくなる。加えて、チューリップ本体200に対するクランプ350の最大限の下向き突起部は、
図27に示されるように、ピン368と垂直に整列した切溝360のセグメントの長さによって画定され得、これによって、締め付け力の程度の制御を増強することができ、垂直移動の限界を画定し、ねじヘッド132及びクランプ350がチューリップ本体200から引き抜かれないようにする。ピン368は、チューリップ200に圧入され得るか、又は例として、ねじ込み、溶接、若しくは接着剤など任意の他の好適な手段によって取り付けられ得る。一実施形態では、ピン368は、幅0.45mm×長さ1.8mmであるが、サイズは、チューリップ200、クランプ350、切溝360のサイズ、及び耐力、並びにそれぞれの構成要素が製作される金属又は他の材料の種類に依存する。
【0159】
図34を参照すると、クランプ350Aを2つの部分に分ける切溝360Aは、サドル/クランプクリップ接続部352の領域付近の狭幅「A」を備え、切溝360Aの残りの部分に沿って広幅「B」を備える。幅「A」は、圧縮中に最初は完全に閉鎖するサイズであり得、それによって、切溝360Aの圧縮の限界を画定し、更に、クランプ350Aの機械的歪み、例えば、湾曲、及びチューリップ本体200の歪みを制限する。
【0160】
実施形態7-クランプ切溝
図34~
図35を参照すると、追加の逃げ、すなわち切溝360Bが、クランプ350の各クランプ半体、例えば図示のようにクランプ350Aに形成されており、これにより、クランプ350の歪み、具体的には湾曲、及び/又はチューリップアーム220の外側への広がりを更に低減することができ、ねじヘッド132へのより良好な適合が可能になる。切溝360Bは、クランプ350の高さ全体には延在せず、それによって、クランプ350を更なるセグメントに分離しない。切溝360Bは、図示の垂直の向き以外の向き、例えば、垂直から傾斜して形成され得、例えば、種々の使用条件下で測定された性能によって決定されるように、より長く又はより短くあり得る。同様に、
図35に見られるように、追加の又はより少ない切溝360Bを形成することができ、これは、上向きに延在する、
図34に示される切溝360Bとは対照的に、クランプ350の上外周から始まり、下向きに延在する追加の切溝360Cを含む。特に、方向が交互に変わる切溝360Bを組み合わせることによって、追加の可撓性がクランプ350に付与され、ねじヘッド132への増大した適合性により、より良好な締め付け強度を可能にする。
【0161】
一実施形態では、複数の切溝360Bのみが存在し、切溝360Cは存在せず、別の実施形態では、複数の切溝360Cのみが存在し、切溝360Bは存在しない。同様に、クランプ350をセグメントに分割する切溝360Aは、
図30に示されるZ状に形成され得るか、又は他の形状を有し得るか、又は直線状であるが、クランプ350の軸方向中心線に対して傾斜して延在し得る。切溝360A~Cは、ねじヘッド132がクランプに入れられるにつれて拡張したクランプ径を形成し、クランプが係合して、ねじヘッド132に対して圧縮されるにつれて縮径を形成することを更に容易にする。
【0162】
実施形態8-止めフランジ
図35を更に参照し、
図36~
図37を更に参照すると、クランプ350Bは、チューリップ本体200E内の嵌合フランジ374を係合する、外周傾斜部354から延在する外周フランジ372を含む。クランプ350Bの全径が外周フランジ372によって拡大又は拡張されると、クランプ350Bは、チューリップ本体200C内への設置及び挿入中に圧縮されて縮径を形成し、その後、非縮径に戻り、それによって、
図37に見られるように、締め付け中の係合のためにフランジ372、374を整列させる。
【0163】
フランジ372及び374が締め付け中に係合されるとき、クランプ350は、チューリップ本体200E内から引き出されることができない。
図35~
図37に示される実施形態では、フランジ372及び374は互いに対して傾斜していないが、平坦な表面上で相互に係合するので、引張り力が増加しても、締め付け力は実質的に増加しない。あるいは、チューリップ本体200F内のフランジ372A(図式的に示す)及びフランジ374Aは、
図38に示されるように、傾斜して更なる圧縮を引き起こし得る。
図38Aでは、フランジ372B及び374Bが概略的に示されており、フランジ372B及び374Bは、
図38の方向とは逆の方向に傾斜しており、それによって、相互に係合するフック、すなわちウェッジを形成する。
図37の平坦な傾斜と同様に、
図38Aの実施形態は、チューリップ本体200Gとの係合から離れる方向に力がねじヘッド132を引っ張るにつれて更なる圧縮を生じさせず、その一方では、引き抜き抵抗のレベルを増加させる。
【0164】
クランプ300の外面及び/又はチューリップ200の内面は、機械的締め付けによる高い解離負荷を依然として維持しつつも、組み立て及び内部移動を容易にするために、陽極酸化処理され得るか、研磨され得るか、又は別様に低摩擦コーティングを提供され得る。同様に、
図37を更に参照すると、クランプクリップ部352Bは、サドルクリップ部352A(
図37)に接線方向に接触する湾曲上面を形成することが分かる。これは、サドル150及びクランプ300の表面間の微小な横方向運動及び角形成からの摩擦を減少させることによって、締め付け中にフランジ352Bを横方向に移動させるのに必要な力を減少させる働きをし得る。更に、クランプクリップ部352Bの湾曲上面は、クランプクリップ部352Bのサドルクリップ部クリップ部352Aへの進入を容易にする傾斜部を形成する。
【0165】
図39~
図40を参照すると、クランプ350Cは、クランプフランジ372Cを形成し、これは、
図35~
図38Aについて説明したように、嵌合チューリップフランジ374と協働する、本明細書に記載のフランジ372の任意の変形例のプロファイルなど任意のプロファイルを有し得る。しかしながら、フランジ372Cは、複数の可撓性指部376の自由端380から形成されており、各指部は、固定端378においてクランプ350Cの本体に取り付けられている。突出部382は、自由端380からクランプ350Cの中心軸に向かって内向きに延在する。ねじヘッド132がクランプ350Cに入ると、ねじヘッド132の外周面が突起部382を押して、自由端380を中心軸から離れるように移動させ、クランプフランジ372Cをチューリップフランジ374(任意の対応する変形例)の上方に、
図35~
図38Aに示されるような位置で突出させる。このように構成された可撓性指部376は、クランプ372Cの外周に分散しており、力を均一に分散させる。
図39~
図40に示されるように、指部376は、クランプ350の材料から切断され得るか、又はそれで形成され得、更なる材料の取り付けを不要にする。
【0166】
図41では、クランプ350は、クランプ外周傾斜部354から延在し、クランプフランジ372Dを集合的に形成する、一連の別個の外周突起部382を備え得る。各々は、本明細書でフランジ372に関して記載したタイプのいずれかのプロファイルを有し、対応する形状のチューリップフランジ374を有するチューリップ本体200で使用され得る。
【0167】
実施形態9-剪断リング
図42~
図49を参照すると、ねじヘッド132は、チューリップ本体200G内で、ねじヘッド132の上部を補完するように成形された内面408を有するサドル150Bと、ねじヘッド132の下部を係合する剪断リング390との間に保持される。保持リング394は剪断リング390を支持し、剪断リング390がチューリップ本体200Gの内側から抜け出ないようにする。
【0168】
剪断リング390は、ねじヘッド132の最大径よりも小さく、チューリップ遠位レッジ242によって形成される開口部の直径よりも小さい直径を有する。一実施形態では、剪断リング390は、ねじヘッド132の下部の形状に対応する先細の内部プロファイル400を有し得る。剪断リング390は、中実であるが、リングの残部よりも容易に破壊される脆弱領域392を有する。
【0169】
保持リング394は、ねじヘッド132の最大径よりも大きい直径を有し、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有する。保持リングは、剪断リング390の下面の形状に対応する内部プロファイル402を有し得る。保持リング394は、チューリップ200に組み立てる前に破断され得る脆弱点396を有し得るか、若しくはその外周に沿って破断部を設けられ得る、又は保持リング394は、分割リング(視覚的に一体リングとして見える螺旋)の形態で設けられ得る。
【0170】
図46~
図49を参照すると、前述の部品を含む骨安定化アセンブリ100は、最初にチューリップ本体200G内にサドル150Bを底部装填し(図で見て)、サドル戻り止め部154Bにおいてサドル150Bを係合することによって組み立てられる。次に、剪断リング390は、遠位レッジ242に通されて、チューリップ200Gの下リングチャンバ398内に位置決めされる。
【0171】
次に、保持リング394は、脆弱領域396を破断して自由端を形成するか、又は別様に保持リング394の破断端若しくは自由端をリングチャンバ398に入れ、次いで保持リング394の残部をリングチャンバ398にねじ込む/回し入れることによって組み立てられ得る。剪断リング390及び保持リング394は、有利には、例えば、ニチノール、コバルトクロム(CoCr)、若しくはチタン/アルミニウム/バナジウム合金(TAV)など形状記憶合金、又は他の十分に耐久性及び生体適合性のある金属から形成される。
【0172】
別の実施形態では、保持リング394は、高密度ポリマー又は高可撓性金属から製造され、上述のように組み立てられるか、あるいは変形されてチューリップ本体200に組み立てられる。
【0173】
保持リング394は、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有し、したがって、チューリップ本体200G内に保持される。組み立て後、剪断リング390は、保持リング内部プロファイル402によって画定される外周内で静止し、それによって、チューリップ本体200G内に同様に保持される。
【0174】
ねじ140を係合するために、
図48を参照して、ねじヘッドは、保持リング394を通過して、破断していない剪断リング390を係合するように、チューリップ本体200Gへと押し込まれる。ねじヘッド132は剪断リング390よりも大きな直径を有するため、剪断リング390に加えられる十分な圧力が脆弱領域392において剪断リング390を破断させ、破断されたリング390が変形して、ねじヘッド132の通過を可能にする。剪断リング390は、チューリップリングチャンバ398の上側プロファイル406によって、ねじヘッド132から離れる方向に移動できなくなる。ねじヘッド132が通過すると、剪断リング390は、ねじヘッド132よりも小さい直径を再形成し、保持リング内部プロファイル402内で静止する。剪断リング390は、記載したように機能するのに十分な耐久性及び可撓性のために選択された材料から形成される。
【0175】
リング内部プロファイル402の垂直壁部404は、剪断リング390を横方向に係合し、本明細書の他の箇所に記載するように、特に、ねじヘッド132が剪断リング390の方向に押し下げられるときに剪断リング390の歪みを阻止し、係止キャップが締め付けられるときに保持リング394(
図49)の歪みを阻止する。剪断リング390がねじヘッド132よりも小さい直径を再形成し、剪断リング390は、保持リング390によって更なる歪みを阻止されるため、ねじヘッド132はチューリップ本体200G内に保持される。
【0176】
実施形態10-ばねリング
図50~
図56を参照すると、ねじヘッド132は、チューリップ本体200H内で、上述し、
図43に示されるサドル150Bと、ねじヘッド132の下部を係合するばねリング410との間に保持される。保持リング394Aは、ばねリング410を支持し、ばねリング410がチューリップ本体200Hの内部から抜け出ないようにする。
【0177】
ばねリング410は、ねじヘッド132の最大径よりも小さい直径を有する下フランジ412を有する。保持リング394Aは、ねじヘッド132の最大径よりも大きい直径を有し得、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有する。保持リング394Aは、ばねリング410の下面の形状に対応する内部プロファイル402を有する。ばねリング410は、ばねリング410の高さの一部に沿って(図で見て)下方に延在する切溝360Cと、上方に延在する切溝360Bと、を含む。
【0178】
図53~
図56を参照すると、前述の部品を含む骨安定化アセンブリ100は、最初にチューリップ本体200H内にサドル150Bを遠位、すなわち底部装填し(図で見て)、サドル戻り止め部154Bにおいてサドル150Bを係合することによって組み立てられる。次に、ばねリング410が遠位レッジ242に通される。最後に、保持リング394Aは、最初に自由端414をチューリップ本体200H内に配置し、続いて残部をねじ込む/回すことによって、チューリップ本体200H内に入れられる(
図53)。保持リング394Aは、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有し、したがって、チューリップ本体200H内に保持される。バネリング410の下端は、内部プロファイル402Aを保持することによって画定される外周内に静止し、それによって、チューリップ本体200H内に同様に保持される。
【0179】
図54では、ねじヘッドは、保持リング394を通過して、ばねリング410を係合するように、チューリップ本体200Hへと押し込まれる。ねじヘッド132は、ばねリング下フランジ412よりも大きい直径を有するため、ばねリング410に圧力が加えられて、切溝360Bを拡張させることによって、下フランジ412においてばねリング410の直径を拡張する。付随して、切溝306Cは収縮し得、ばねリング410の歪みを促進して、ねじヘッド132が、下側フランジ412の上方を通過し、ばねリング410の内部に進入できるようにする(
図55)。
【0180】
ねじヘッド132がばねリング410に入ると、ばねリング410は、以前の非拡径、すなわち縮径を回復し、保持リング内部プロファイル402A内に静止する。ばねリング410は、十分な耐久性、及びねじヘッド132の通過による歪みの後に元の形状を実質的に回復する能力のために選択された材料から形成される。
【0181】
リング内部プロファイル402Aの垂直壁部404は、ばねリング下フランジ412を囲み、本明細書の他の箇所に記載するように、特に、ねじヘッド132がばねリング410の方向に押し下げられると、ばねリング下フランジ412の再拡張を阻止し、係止キャップが締められると、保持リング394A(
図56)の再拡張を阻止する。ばねリング下フランジ412はねじヘッド132よりも小さい直径を有し、ばねリング410の直径はもはや拡張できないので、ねじヘッド132はチューリップ本体200H内に保持される。
【0182】
実施形態11-保持されたばねクリップ
図57~
図63を参照すると、ねじヘッド132は、チューリップ本体200J内で、上述のサドル150Bと、ねじヘッド132の下部を係合するばねリング410Aとの間に保持される。保持リング394Aは、ばねリング410Aを支持し、ばねリング410Aがチューリップ本体200Hの内部から抜け出ないようにする。ばねリング410Aは、リング戻り止め部156A及び第2のチューリップ戻り止め156Bから形成されるリング戻り止め156によって展開位置に維持され、これらは、その他の点では、上記の戻り止め154に関して記載のとおりである。リング戻り止めは、チューリップ本体及びリングの外周の一部又は全体に形成される。
【0183】
より具体的には、その他の点ではばねリング410に関して上述したように機能するばねリング410Aは、戻り止め部156Aと156Bとの間に戻り止め係合を形成し、それによって、ばねリング410Aは、チューリップ本体200Jの内部近位端、すなわち上端(図で見て)の位置に維持され、サドル150Bは、本明細書の他の箇所に記載のように、戻り止め154によって同様に保持される。したがって、ねじヘッド132を挿入するために、開口部が維持され、構成要素が整列される。
【0184】
ばねリング410Aは、ねじヘッド132の最大径よりも小さい直径を有する下フランジ412を有する。保持リング394Bは、ねじヘッド132の最大径よりも大きい直径を有し得、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有する。保持リング394Bは、ばねリング410Aの下面の形状に対応する内部プロファイル402を有する。ばねリング410Aは、ばねリング410の高さの一部に沿って(図で見て)下方に延在する切溝360Cと、上方に延在する切溝360Bと、を含む。
【0185】
図60~
図61を参照すると、前述の部品を含む骨安定化アセンブリ100は、最初にチューリップ本体200J内にサドル150Bを底部装填し(図で見て)、サドル戻り止め部154Bにおいてサドル150Bを係合することによって組み立てられる。次に、ばねリング410Aが遠位レッジ242に通される。内部傾斜部416は、チューリップ本体200Jの内部に形成され、ばねリング戻り止め部156Aがその上で摺動して内側に偏向し、これにより、ばねリング戻り止め部156Aの第2のチューリップ戻り止め部156Bとの係合を促進する。このようにして、サドル150B及びばねリング410Aの正確な整列を使用前に確立することができ、ねじヘッド132の挿入まで確実に保持することができる。
【0186】
最後に、保持リング394Bは、最初に自由端414をチューリップ本体200J内に配置し、続いて残部をねじ込む/回すことによって、チューリップ本体200Jに入れられる。保持リング394Bは、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有し、したがって、チューリップ本体200J内に保持される。ばねリング410Aの下端は、本明細書の他の箇所に記載のように、ばねリング410Bが、キャップ160によるロッド180の係合中に戻り止め156から解放され、その後、ばねリング410Aは、したがって、保持リング394Bによって捕捉され、チューリップ本体200Jの内部から抜け出すことができないときの保持リング内部プロファイル402によって画定される外周内に静止するサイズ及び寸法である。
【0187】
ここで、保持リング394Bは、
図50~
図56の保持リング394Aと対比され得る。より具体的には、保持リング394Aの保持リング垂直壁部404は、保持リング394Bの保持リング垂直壁部404Aよりも高い。これは、遠位レッジ242を超える保持リング394Aの一部を低くすることによって達成される。したがって、保持リング404のプロファイルを選択することによって、チューリップ本体200に対する締結具140の位置は、空間及び他の治療要件を最良に満たすように調節され得る。変形例394、394A、又は394Bは、治療上有益である場合、本明細書中の種々の実施形態において代用され得る。
【0188】
図54に関して上述したように、ねじヘッド132は、保持リング394Bを通過して、ばねリング410Aを係合するように、チューリップ本体200Jへと押し込まれる。チューリップヘッド132は、ばねリング下フランジ412(
図58)よりも大きい直径を有するため、ばねリング410Aに圧力が加えられて、切溝360B、360Cをそれぞれ拡張/収縮させることによって、下フランジ412においてばねリング410Aの直径を拡張する。加えて、下フランジ412の拡張及びばねリング410Aの歪みは、少なくとも部分的な戻り止め156の係合解除を引き起こし、キャップ160を介した締め付けを容易にする。
【0189】
ねじヘッド132がばねリング410Aに入ると、ばねリング410Aは、以前の非拡径、すなわち縮径を回復し、保持リング内部プロファイル402A内に静止する。図から分かるように、ばねリング410及び410Aは、それぞれ保持リング394A、394Bとの整列を容易にする下傾斜面418を有する。図ばねリング410Aは、十分な耐久性と、ねじヘッド132の通過による変形後に元の形状を実質的に回復する能力とのために選択された材料から形成される。
【0190】
リング内部プロファイル402Aの垂直壁部404Aは、ばねリング下フランジ412(
図58)を囲み、本明細書の他の箇所に記載のように、特に、ねじヘッド132がばねリング410Aの方向に押し下げられるときにばねリング下フランジ412の再拡張を阻止し、係止キャップ160が締められるときに保持リング394B(
図63)の再拡張を阻止する。ばねリング下フランジ412はねじヘッド132よりも小さい直径を有し、ばねリング410Aの直径はもはや拡張できないので、ねじヘッド132はチューリップ本体200J内に保持される。
【0191】
実施形態12-係止クランプ
図64~
図70を参照すると、ねじヘッド132は、チューリップ本体200K内で、上述のサドル150Bと、ねじヘッド132の下部を係合するばねリング410Bとの間に保持される。保持リング394Aは、ばねリング410Bを支持し、ばねリング410Bがチューリップ本体200Kの内部から抜け出ないようにする。ばねリング410Bは、サドル/クランプクリップ接続部352によって展開位置に維持される。
【0192】
より具体的には、ばねリング410Bは、上昇及び下降切溝360B及び360Cを含み、ばねリング410及び410Bに対して記載した様式と同様の様式での屈曲を可能にする。更なるばねリング410Bは、
図37のクリップ部分352Bの傾斜上面と同様であり、
図36の傾斜上面とは対照的な傾斜上面を有するクランプクリップ部352Bを形成する。しかしながら、本明細書に記載のクランプクリップ部分352Aの様々なプロファイルが代用され得る。
【0193】
サドル150Aは、クリップ部352Bの傾斜上面と協働してばねリング410Bとサドル150Aとの相互係合を容易にする傾斜下面422を含む。
図64~
図70の実施形態では、傾斜下面422は湾曲しており、
図36の実施形態では、傾斜下面422は平坦である。ただし、これらは代用され得るか、又は別の傾斜プロファイルが提供され得る。
【0194】
ばねリング410Bをサドル150Aと接触した状態に維持することによって、サドルはサドル戻り止め154によって所定の位置に維持され、ねじヘッド132を挿入するために開口部が維持され、構成要素が整列される。
【0195】
ばねリング410Bは、ねじヘッド132の最大径よりも小さい直径を有する、内部に配設された下プロファイル420を有する。保持リング394Aは、ねじヘッド132の最大径よりも大きい直径を有し得、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有する。保持リング394Aは、ばねリング410Bの下面の形状に対応する内部プロファイル402を有する。
【0196】
図67を参照すると、前述の部品を含む骨安定化アセンブリ100は、最初に、サドル/クリップ接続部352を係合することによってばねリング410Bをサドル150Aに組み付け、次いで、この結合体をチューリップ本体200K内に底部装填し(図で見て)、サドル戻り止め部154Bにおいてサドル150Aをチューリップ戻り止め部154Aと係合させることによって組み立てられる。あるいは、サドル150Aは、最初に、底部装填され、サドル戻り止め部154Bにおいて係合され、続いて、ばねリング410Bを底部装填し、次いで、サドル/クリップ接続部342を係合することができる。
【0197】
次に、ばねリング410Bが遠位レッジ242に通され、クランプクリップ部352Bの傾斜上面が、サドル150Aの傾斜下面422に対して摺動し、サドル/クランプクリップ接続部352の係合をもたらす。このようにして、サドル150A及びばねリング410Bの正確な整列を使用前に確立することができ、ねじヘッド132の挿入まで確実に保持することができる。
【0198】
最後に、保持リング394Aは、最初に自由端414をチューリップ本体200K内に配置し、続いて残部をねじ込む/回すことによって、チューリップ本体200Kに入れられる。保持リング394Aは、チューリップ遠位レッジ242よりも大きい直径を有し、したがって、チューリップ本体200K内に保持される。ばねリング410Aの下端は、本明細書の他の箇所に記載のように、サドル150Aが、キャップ160によるロッド180の係合中に、取り付けられたばねリング410Bと共に戻り止め154から解放され、その後、ばねリング410Bが、したがって、保持リング394Aによって捕捉され、チューリップ本体200Kの内側から抜け出すことができないときに、保持リング内部プロファイル402によって画定される外周内に静止するサイズ及び寸法である。
【0199】
図54に関して上述したように、ねじヘッド132は、保持リング394Aを通過して、ばねリング410Bを係合するように、チューリップ本体200Kへと押し込まれる。チューリップヘッド132は、ばねリング下フランジ420よりも大きい直径を有するため、ばねリング410Bに圧力が加えられて、切溝360B、360Cをそれぞれ拡張/収縮させることによって、下内部プロファイル420においてばねリング410Bの直径を拡張する。
【0200】
ねじヘッド132がばねリング410Bに入ると、ばねリング410Bは、以前の非拡径、すなわち縮径を回復し、保持リング内部プロファイル402A内に静止する。ばねリング410Bは、十分な耐久性、及びねじヘッド132の通過による歪みの後に元の形状を実質的に回復する能力のために選択された材料から形成される。
【0201】
リング内部プロファイル402Aの垂直壁部404は、ばねリング410Bの下部を囲み、本明細書の他の箇所に記載するように、特に、ねじヘッド132がばねリング410Bの方向に押し下げられるときにばねリング410Bの再拡張を阻止し、係止キャップ160が締められるときに保持リング394A(
図70)の再拡張を阻止する。ばねリング410Bは、静止時に下プロファイル422においてねじヘッド132よりも小さい直径を有し、下プロファイル422におけるばねリング410Bの直径は、保持リング394Aとの係合によりもはや拡張することができないので、ねじヘッド132は、チューリップ本体200K内に保持される。
【0202】
取り外しは、前述のプロセスを逆にすることによって実行することができる。より具体的には、キャップ160を緩め、続いてチューリップ本体150Kを下向きにねじヘッド132に押しつけることによってサドル200Aをサドル戻り止め154に押し込み、続いて、ばねリング410Bの下端が持ち上がって保持リング394Aから外れたら、ねじヘッド132を引き抜くことができる。
【0203】
本開示の骨安定化アセンブリ100は、椎弓根ねじを身体内に配置した後にモジュール式ヘッドをねじに組み付けることを可能にし、インプラントの突出を低減し、椎間板切除術、椎体間配置、及び骨切り術のための解剖学的構造へのアクセスの容易さを改善する。モジュール式設計はまた、複数タイプのねじヘッドが、種々の機能を備えて多用途性を増加させるねじに組み立てられることを可能にする。
【0204】
本明細書に引用される全ての参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。本開示の多くの異なる特徴が存在し、これらの特徴は合わせて、又は別々に使用され得ることが企図される。反対のことが上述されていない限り、添付の図面の全てが縮尺どおりではないことに留意されたい。したがって、本開示は、特徴の任意の特定の組み合わせ又は本開示の特定の用途に限定されるべきではない。更に、本開示の範囲内の変形及び修正が、本開示が関係する当業者に想起され得ることを理解されたい。したがって、本開示の範囲内にある、本明細書に記載の開示からの、当業者によって容易に達成可能な全ての好都合な修正は、本開示の更なる実施形態として含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【
図1】先行技術のモジュール式ヘッド又はチューリップ、骨固定ロッド、係止キャップ、及びモジュール式ねじを含む整形外科用固定デバイスを示す。
【
図2】チューリップ、サドル、及びモジュール式ねじを含む、本開示による整形外科用固定デバイスを示す。
【
図4】複数のねじ山、具体的には、ねじの一部に沿って2つのねじ山を含む、本開示による多軸骨ねじを示す。
【
図5】
図4の骨ねじであるが、複数のねじ山の領域において拡大された内径を有する骨ねじを示す。
【
図5A】椎骨の椎弓根内に展開された、
図5の骨ねじの概略図を示す。
【
図7】複数のねじ山、具体的には、ねじの一部に沿って4つのねじ山を含む、本開示による多軸骨ねじを示す。
【
図8】
図7の骨ねじであるが、複数のねじ山の領域において拡大された内径を有する骨ねじを示す。
【
図10】チューリップ及びモジュール式ねじと、協働サドル、半クリップ部、及びチューリップレッジを含む骨ねじ保持システムと、チューリップ本体内部空洞内に締め付けられた骨ねじと、を含む、本開示による整形外科用固定デバイスの2等分斜視図を示す。
【
図10A】骨ねじがチューリップ本体内部に挿入されている、請求項10に記載のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図11】
図10のデバイスのサドル及び半クリップ部の斜視図を示す。
【
図11A】戻り止め部を示し、戻り止め部は、半径方向内向きに並進する半クリップと係合している。
【
図11B】戻り止め部を示し、戻り止め部は、係合して半クリップを半径方向外向き位置に保持する。
【
図12】骨ねじがチューリップ内部に挿入されている、
図10のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図13】骨ねじがサドルと半クリップとの間に締め付けられている、
図10のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図14】本開示の実施形態によるトーションクリップリテーナを示す。
【
図15】チューリップのセグメント内に位置決めされた、
図14のトーションクリップの2等分斜視断面図を示す。
【
図16】本開示による、チューリップに組み立てられた
図14のトーションリングの2等分断面図を示す。
【
図17】
図16のアセンブリに挿入されようとしている骨ねじを示す。
【
図18】
図16のアセンブリ内のトーションリングを通って挿入され、トーションリングをねじる骨ねじを示す。
【
図19】
図16のアセンブリに完全に挿入された骨ねじを示し、トーションリングは、ねじれていない静止状態に戻って骨ねじが抜け出ることを阻止する。
【
図20】別のサドル及びチューリップを含み、チューリップは側方止めねじを有する、本開示による別の整形外科用固定デバイスの斜視図を示す。
【
図22】骨ねじが挿入されている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図23】骨ねじが締め付けられている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図24】骨ねじが締め付けられ、増加したオフセット角度でねじが配設されている、
図20のデバイスの2等分断面図を示す。
【
図26】別のチューリップ及びサドルを含み、サドルは可撓性圧縮クランプにクリップ留めされ、クランプは非圧縮構成又は収縮構成である、本開示による別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図27】クランプが圧縮構成にある、
図26のデバイスを示す。
【
図31】外周の周りに形成されたセレーションを含む、
図26のクランプの斜視図を示す。
【
図32】外周の周りに形成されたセレーションを含み、セレーションが傾斜して形成された、
図26のクランプの斜視図を示す。
【
図33】チューリップが止めピンを含み、クランプがピン誘導チャネルを含む。本開示による圧縮クランプ及びチューリップを示す。
【
図34】可変幅の間隙によって分離されるセグメントを含み、クランプの一端から延在し、クランプを更なるセグメントに分離しない切溝を含む、本開示による圧縮クランプを示す。
【
図35】クランプの反対側の端部から延在する更なる切溝を含み、外周止めフランジを更に含む、
図34のクランプを示す。
【
図36】
図35でのようにセグメント及び切溝を有するクランプに取り付けられた、
図26のサドルを含み、締め付けられた椎弓根ねじの引き抜きを阻止する止めフランジを更に含む、本開示の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図37】締め付けられ、止め位置にある
図36のデバイスを示し、サドルとクランプとの間の別のクリップ構成を更に示す。
【
図38A】フック形状を含む、別の止め形状を示す。
【
図39】ねじヘッドがクランプに挿入されると止めフランジを形成するように延出する、複数の可撓性指部を含む、本開示の別のクランプを示す。
【
図41】クランプの外面から延在する複数の止めフランジセグメントを含む、本開示の別のクランプを示す。
【
図42】別のサドルと協働剪断リングとの間に形成されたクランプ、保持リング、及びチューリップレッジを含む、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図46】サドルが組み立てられ、剪断リングが組み立てられている、
図42のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【
図47】剪断リング及び保持リングが組み立てられた、
図46のチューリップを示す。
【
図48】椎弓根ねじヘッドが組み立てられ、剪断リングの直径が破壊及び/又は拡張されている。
図47のチューリップを示す。
【
図49】サドルが押し下げられて、チューリップ本体内で椎弓根ねじを締め付けている、
図48のチューリップを示す。
【
図50】
図42のサドルと、別の保持クリップと、
図42の剪断リングの代わりとなるばねリングとを含み、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドが通過できるように破断することなく拡張可能である、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図53】サドル及びばねリングが組み立てられ、保持リングが組み立てられている、
図50のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【
図54】ねじヘッドの挿入中にばねリングの下径を拡張する椎弓根ねじヘッドを有する、
図53のチューリップを示す。
【
図55】ねじヘッドが挿入され、ばねリングが以前の直径に戻り、保持リング内に落下した、
図54のチューリップを示す。
【
図56】サドルが押し下げられ、チューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付けている、
図55のチューリップを示す。
【
図57】
図42のサドルと、別の保持クリップと、
図42の剪断リングの代わりとなるばねリングとを含み、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドが通過できるように破断することなく拡張可能であり、ばねリングはサドルに接続可能である、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図60】サドル及びばねリングがクリップ接続によって接続され、チューリップに組み立てられた、
図57のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【
図61】剪断リングが組み立てられた、
図60のチューリップを示す。
【
図62】ねじヘッドが挿入され、ばねリング下径を拡張している、
図61のチューリップを示す。
【
図63】サドル及び接続されたばねリングが押し下げられて、チューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付けている、
図62のチューリップを示す。
【
図64】
図26のサドルに類似のサドルを含むが、別の係合傾斜プロファイル、別の保持クリップ、及びサドルに接続可能である拡張可能ばねリングを備え、ばねリングは、成形下プロファイルを含む、本開示の別の整形外科用固定デバイスの2等分断面図を示す。
【
図67】サドル及びばねリングがクリップ接続部によって接続され、クリップ止めされた結合体及び保持リングがチューリップに組み立てられた、
図64のデバイスのチューリップの2等分断面図を示す。
【
図68】椎弓根ねじヘッドがばねリングの成形プロファイルと接触し、それによってばねリングの下径を拡張してねじヘッドを組み立てる、
図67のチューリップを示す。
【
図69】ねじヘッドがばねリング内に位置決めされ、ばねリングは、椎弓根ねじヘッドの球状に適合するように縮小した直径を回復している、
図68のチューリップを示す。
【
図70】サドル及び接続されたばねリングが押し下げられて、バネねじの成形プロファイルを保持リングと係合させ、それによってチューリップ本体内で椎弓根ねじヘッドを締め付ける、
図69のチューリップを示す。