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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】照明装置および照明装置の時刻設定方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/16 20200101AFI20240724BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240724BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20240724BHJP
   H05B 45/355 20200101ALI20240724BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20240724BHJP
   H05B 47/17 20200101ALI20240724BHJP
   H05B 45/37 20200101ALI20240724BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/10
H05B45/20
H05B45/355
H05B47/165
H05B47/17
H05B45/37
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023097548
(22)【出願日】2023-06-14
【審査請求日】2023-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩元 和之
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-023339(JP,A)
【文献】特表2020-507912(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/16
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 45/355
H05B 47/165
H05B 47/17
H05B 45/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、
サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、
を備え、
サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードとを有し、
前記制御部は、
記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行い、
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1のモード、または、前記第2のモードに移行し、
前記第1のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始し、前記第2のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第2の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する
照明装置。
【請求項2】
スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、
サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、
を備え、
サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードとを有し、
前記制御部は、
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行い、
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1のモード、または、前記第2のモードに移行し、
前記第1のモードとして、前記第1の時間帯の第1の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定し、または、前記第2のモードとして、前記第2の時間帯の第2の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定し、
前記第1のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行い、または、前記第2のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第2の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う、
明装置。
【請求項3】
前記第1の時刻は、前記第1のモードにおける調整後の時刻であるか若しくは予め設定された初期設定の時刻であり、
前記第2の時刻は、前記第2のモードにおける調整後の時刻であるか若しくは予め設定された初期設定の時刻である、
請求項に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の時刻または前記第2の時刻が変更された場合は、変更された時間に応じた回数で前記光源を点灯させ、かつ、前記第1の時刻または前記第2の時刻を進めたか遅らせたかに応じて、点滅の仕方を変更する、
請求項またはに記載の照明装置。
【請求項5】
タイマー回路、
をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1のモードにおける前記第1の時間帯の開始時間に設定された第1の時刻と、前記第1のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて設定される調整時間との時間差とを、前記タイマー回路上の時刻に反映させ、または、
前記第2のモードにおける前記第2の時間帯の開始時間に設定された第2の時刻と、前記第2のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて設定される調整時間との時間差とを、前記タイマー回路上の時刻に反映させる、
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項6】
前記電源から電力の供給が断たれた状態において、前記タイマー回路に電力を供給する蓄電部、
をさらに備え、
前記電源からの電力の供給が再開した時点において、前記制御部は、前記タイマー回路上の時刻に応じてサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を再開する、
請求項に記載の照明装置。
【請求項7】
調整された前記時刻を初期値にリセットを行うリセットモードを有し、
前記制御部は、前記時刻の調整が設定され、かつ、前記スイッチの所定時間の操作回数が所定回数の場合に前記リセットモードに移行する、
請求項に記載の照明装置。
【請求項8】
前記光源は、寒色系の色の光を出射する第1光源と、暖色系の色の光を出射する第2光源と、を備え、
前記第1光源は、サーカディアンリズムにおける最大色温度より高い色温度の光を出射する、
請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項9】
スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、
サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、
を備える照明装置において、
サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードとを有し、
前記制御部は、
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1のモード、または、前記第2のモードに移行し、
前記第1のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始し、前記第2のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第2の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する、
照明装置の時刻設定方法。
【請求項10】
スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、
サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、
を備える照明装置において、
サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードとを有し、
前記制御部は、
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行
前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1のモード、または、前記第2のモードに移行し、
前記第1のモードとして、前記第1の時間帯の第1の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定し、または、前記第2のモードとして、前記第2の時間帯の第2の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定し、
前記第1のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行い、または、前記第2のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第2の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う、
照明装置の時刻設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置および照明装置の時刻設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明装置の中には、相互に色温度が異なる第1発光装置による光、および、第2発光装置による光の照射割合を、1日のうちの時間帯に応じて変化させる、いわゆるサーカディアンリズムに基づく照明を行うものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置の中には、発光装置から照射される特定の色温度の光量を変更し、かつ、点灯する時間を変更する専用のリモートコントロール装置を設けるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2021-182566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置に、専用のリモートコントロール装置を設ける場合、または、有線による専用の制御システムを導入する場合には、専用の装置が高価であること、または、専門知識を有する作業員が初期設定を行うことにより費用が掛かることに起因して、初期設定費用が高価となり、かつ、照明装置の導入が複雑になる問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置を安価に提供し、かつ、照明装置の導入を簡単にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、を備える。照明装置は、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードとを有する。前記制御部は、前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行い、前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1のモード、または、前記第2のモードに移行し、前記第1のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第1の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始し、前記第2のモードに移行した後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、前記第2の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する。
【0008】
本発明に係る照明装置の一態様によれば、サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置を安価に提供することができると共に、照明装置の導入を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態に係る照明装置を有する照明システムのブロック図である。
図2図2は、視覚の分光感度特性および生体リズムに影響を及ぼす目のセンサーの視覚の分光感度特性に関する、波長と相対値との関係を示すグラフである。
図3図3は、図1に示す照明装置Mが行うサーカディアンリズムに基づく制御の一例を示すグラフである。
図4A図4Aは、制御回路が行う設定処理のフローチャート(1)である。
図4B図4Bは、制御回路が行う設定処理のフローチャート(2)である。
図4C図4Cは、制御回路が行う設定処理のフローチャート(3)である。
図5図5は、朝モード設定を行う際の照明装置内に印加される力率改善回路の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
図6図6は、夜モード設定を行う際の照明装置内に印加される力率改善回路の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
図7図7は、朝モードまたは夜モードの設定直後において、時刻の加算の調整を行う際の照明装置内に印加される力率改善回路の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
図8図8は、朝モードまたは夜モードの設定直後において、時刻の減算の調整を行う際の照明装置内に印加される力率改善回路の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
図9図9は、制御回路が行うリセットモード処理のフローチャートである。
図10図10は、リセットモードにおいて、照明装置内に印加される力率改善回路の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、実施形態に係る照明装置Mを図面に基づいて詳細に説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0011】
[実施形態]
図1は、実施形態に係る照明装置Mを備える照明システム1のブロック図である。実施形態に係る照明システム1は、例えば、交流電源であるACI1と、スイッチI2と、照明装置Mと、を備える。
【0012】
AC(交流電源)I1は、照明装置Mに電力を供給するものであり、スイッチI2に対して電気的に接続される。そして、スイッチI2は、PFC(power factor correction)M1に対して電気的に接続され、かつ、後述するAC電圧検出回路M5に対して電気的に接続される。また、スイッチI2は、例えば、オフィスや学校、病院などの施設の壁に設けられ、押圧操作によって、オンとオフとが切り替わる。そして、スイッチI2をオンすることによって、後述するLEDモジュールM4から光が出射されることで照明装置Mが点灯し、スイッチI2をオフすることによって、LEDモジュールM4からの光の出射が停止されることで照明装置Mが消灯する。
【0013】
照明装置Mは、例えば、上述した施設の天井に設置され、PFC(力率改善回路)M1と、第1DC/DCコンバータM2と、第2DC/DCコンバータM3と、LEDモジュールM4と、を備える。
【0014】
PFC(力率改善回路)M1は、AC(交流電源)I1の力率を1に近づける回路であり、第1DC/DCコンバータM2に対して電気的に接続され、かつ、第2DC/DCコンバータM3に対して電気的に接続される。PFC(力率改善回路)M1は、入力された交流電圧を入力側で直流電圧に整流するとともに出力側でその直流電圧を所定の電圧の直流電圧に変換して出力する。なお、本実施形態に係るPFC(力率改善回路)M1には、絶縁回路が設けられていても良いし非絶縁回路方式であってもよい。
【0015】
第1DC/DCコンバータM2は、PFC(力率改善回路)M1から入力された直流電圧を、複数の第1の光源M41を点灯させるために必要な電圧に変換すると共に所定の電流を光源M41に出力する回路である。第1DC/DCコンバータM2は、第1の光源M41に対して電気的に接続される。
【0016】
第2DC/DCコンバータM3は、PFC(力率改善回路)M1から入力された直流電圧を、複数の第2の光源M42を点灯させるために必要な電圧に変換すると共に所定の電流を光源M42に出力する回路である。第2DC/DCコンバータM3は、第2の光源M42に対して電気的に接続される。
【0017】
LEDモジュールM4は、複数の光源LSを備え、これら複数の光源LSが、例えば、縦方向および横方向の2次元に配列されている。本実施形態に係るLEDモジュールM4の光源LSは、例えば、寒色系の光を照射する複数の第1の光源M41と、暖色系の光を照射する複数の第2の光源M42と、によって構成される。例えば、LEDモジュールM4は、複数の第1の光源M41と、複数の第2の光源M42とが基板に実装されたLEDモジュールである。言い換えると、LEDモジュールM4は、スイッチI2を介してAC(交流電源)I1に対して電気的に接続され、寒色系の光および暖色系の光を出射可能な複数の光源LSを備える。第1の光源M41から出射される寒色系の光は、例えば昼光色6500Kであり、第2の光源M42から出射される暖色系の光は、例えば電球色2700Kである。
【0018】
また、照明装置Mは、AC電圧検出回路M5と、制御回路(制御部)M6と、タイマー回路M7と、蓄電部M8と、を備える。
【0019】
AC電圧検出回路M5は、AC(交流電源)I1を上流側とした場合、スイッチI2の下流側に対して電力が供給された状態であるか、および、スイッチI2の下流側に対して電力の供給が遮断された状態であるか、を検出する回路である。AC電圧検出回路M5は、制御回路M6に対して電気的に接続される。
【0020】
制御回路M6は、本実施形態に係る照明装置Mの各部を統括的に制御する機能を有する。制御回路M6は、第1DC/DCコンバータM2に対して電気的に接続され、第2DC/DCコンバータM3に対して電気的に接続され、タイマー回路M7に対して電気的に接続され、かつ、蓄電部M8に対して電気的に接続される。
【0021】
制御回路M6は、判定制御部21と、モード制御部22と、調整部23と、記憶部24と、駆動制御部25と、を有する。制御回路M6は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。
【0022】
判定制御部21は、朝モード、夜モード、リセットモードをオフ・オン動作の回数に応じて選択する機能を有する。
【0023】
モード制御部22は、上記3モード(朝、夜、リセット)における処理の実行を制御する機能を有する。また、モード制御部22は、後述するリセットモードにおけるモード(サーカディアンモード、色温度固定モード1、2)の選択を制御する機能を有する。さらにモード制御部22は、朝モードまたは夜モードの時刻調整モードが選択された場合は調整部23に対して実行処理を受け渡す。その上、モード制御部22は、リセットモードにおけるサーカディアンモードが選択された場合においても、調整部23に対して実行処理を受け渡す。モード制御部22は、リセットモードの色温度固定モードが選択された場合は、駆動制御部25に固定色温度を出力するように指示する。
【0024】
調整部23は、時刻調整モードにおいて、サーカディアンリズムの時刻のシフト時間を調整する。調整部23は、リセットモードにおけるサーカディアンモードが選択された場合において、サーカディアンリズムの時刻のシフト時間をリセット(初期設定の状態に戻す)する。
【0025】
記憶部24は、各種のデータが格納される。このような記憶部24は、第1記憶部241と、第2記憶部242と、を有する。第1記憶部241には、後述するサーカディアンリズム(circadian rhythm)の24時間(1日)のスケジュールの調光および調色に関するデータ等の各種のデータであるサーカディアンリズム情報が格納される。第2記憶部242には、開始時間に設定された時刻と、調整された時間差(いわゆるシフト時間)に関するデータが格納される。
【0026】
駆動制御部25は、複数の光源LSを駆動する機能を有する。より具体的に説明すると、駆動制御部25は、点灯させる第1の光源M41の電流値と、点灯させる第2の光源M42の電流値との比率を調整することで、色温度の調整(調色)を行う。また、駆動制御部25は、点灯させる第1の光源M41の電流値と、点灯させる第2の光源M42の電流値との総和を調整することで、光量(光束量)の調整(調光)を行う。例えば、駆動制御部25は、所望の色温度となる比率としたうえで、点灯させる第1の光源M41の電流値と、点灯させる第2の光源M42の電流値との総和を調整することで、調色および調光を行うことができる。なお、電流値の調整方法はPWM制御方式や振幅制御方式のいずれであってもかまわない。
【0027】
かかる制御により、制御回路M6は、後述するサーカディアンリズム(circadian rhythm)に基づいて、LEDモジュールM4から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる。具体的には、制御回路M6は、後述するサーカディアンリズム(circadian rhythm)に基づいて、LEDモジュールM4から出射される寒色系の光量および暖色系の光量を経時的に変化させる。より具体的に説明すると、制御回路M6は、時間帯に応じて、LEDモジュールM4から出射する光の色温度を変化させ(つまり、調色を行い)、かつ、LEDモジュールM4から出射する光量を変化させる(つまり、調光を行う)。
【0028】
タイマー回路M7は、例えば、水晶発振子とマイコンとの構成またはRTC(Real Time Clock)素子であり、AC(交流電源)I1からの電力の供給が断たれた状態においても、タイマー回路M7上の時刻を刻み続ける機能を有する。そして、制御回路M6は、後述するように、第1のモード(朝モード)の時間帯の第1の時刻、または第2のモード(夜モード)の時間帯の第2の時刻に設定された時刻と、調整された時間差を記憶し、タイマー回路M7上に反映する。なお、以下の説明において、朝モードは第1のモードの一例であり、夜モードは第2のモードの一例である。
【0029】
蓄電部M8は、例えば、電気二重層コンデンサ(スーパーキャパシタ)であり、AC(交流電源)I1に対して電気的に接続された状態で蓄電することができ、蓄電された後、AC(交流電源)I1からの電力の供給が断たれた状態において、制御回路M6を介してタイマー回路M7に電力を供給することができる。つまり、照明装置Mは、AC(交流電源)I1から電力の供給が断たれた状態において、例えば約10日間継続して、タイマー回路M7に電力を供給する蓄電部M8を備える。タイマー回路M7は、蓄電部M8によって、交流電源I1が一瞬オフしたのちにオンした場合であっても、リセットされない。
【0030】
次に、サーカディアンリズムについて図2図3を用いて説明する。図2は、視覚の分光感度特性および生体リズムに影響を及ぼす目のセンサーの視覚の分光感度特性に関する、波長と相対値との関係を示すグラフである。図3は、図1に示す照明装置Mが行うサーカディアンリズムに基づく制御の一例を示すグラフである。
【0031】
サーカディアンリズムは、生物に存在する約24時間周期のことで、概日リズムとも呼ばれる。人間のサーカディアンリズムは、24時間よりもわずかに長いため、生活リズムが崩れる原因となるが、太陽光または照明装置M等の光によって、人間のサーカディアンリズムが24時間に調整され、人間は、同じリズムで生活することが可能となる。
【0032】
図2において、破線で示すように、視覚の分光感度特性は、およそ555nmがピークである。一方、図2において、実線で示すように、サーカディアンリズムに影響を及ぼす目の分光感度特性は、および480nmがピークである。光による体内時計の同調は、視交叉上核でしかできず、その仕組は眼球の網膜に存在する神経細胞が480nm、数千ルクスの光を浴びると、その信号が視床下部の視交叉上核に運ばれ、この信号によりPer1遺伝子転写の亢進が起こすことによって調節が行われ、主要な体内時計は、視交叉上核で24時間周期を刻んでいる事が知られている。より具体的に説明すると、寒色系のような短い波長の光が、サーカディアンリズムに大きな影響を及ぼすことになるので、朝に寒色系の光が不十分な際には、寒色系の光を浴びることで、効率良く寒色系の光を補うことができる。それらを考慮して、本実施形態に係る照明装置Mは、図3に示すように、朝(第1の時間帯)において、波長の長い暖色系の光よりも、波長の短い寒色系の光をLEDモジュールM4から多く出射し、夜(第2の時間帯)において、波長の短い寒色系の光よりも、波長の長い暖色系の光をLEDモジュールM4から多く出射することで、人間のサーカディアンリズムを24時間に調整する。
【0033】
その上、本実施形態に係る照明装置Mは、図3に示すように、時間帯に応じて色温度を変化させながら、時間帯に応じて、LEDモジュールM4から出射する光量(つまり光束値)を変更する。従って、本実施形態に係るLEDモジュールM4は、色温度(調色)と光量(調光)とを時間帯に応じて変化させることによって、人間のサーカディアンリズムを24時間に調整する。
【0034】
次に、本実施形態に係る照明装置Mが行う、サーカディアンリズムの24時間(1日)のスケジュール例について、図3を用いて説明する。本実施形態に係る照明装置Mは、例えば、6時を起点とした場合を示している。
【0035】
制御回路M6は、6時の時点において、色温度が約2700Kであって、LEDモジュールM4の最大の光量の30%の光量をLEDモジュールM4から出射させる。
【0036】
制御回路M6は、6時から10時までにおいて、色温度が2700Kから5000Kに変化し、LEDモジュールM4の光量は30%から100%の光量に変化する様にLEDモジュールM4から出射させる。
【0037】
制御回路M6は、10時から13時半までにおいて、色温度が5000Kに保持され、LEDモジュールM4から出射する光量が100%を保持するようにLEDモジュールM4から光を出射させる。
【0038】
制御回路M6は、13時半から20時半までにおいて、色温度が5000Kから2700Kに変化する様にLEDモジュールM4から出射させる。そして、制御回路M6は、20時半以降は2700Kの色温度を翌朝6時まで保持する様にLEDモジュールM4から出射させる。
【0039】
制御回路M6は、13時半から14時半までにおいて、LEDモジュールM4から出射する光量が100%を保持するようにLEDモジュールM4から光を出射させる。そして、制御回路M6は、14時半から21時半までにおいて、LEDモジュールM4から出射する光量が100%から30%に変化する様にLEDモジュールM4から出射させる。また、制御回路M6は、21時半以降はLEDモジュールM4から出射する光量が30%を翌朝6時まで保持する様にLEDモジュールM4から出射させる。すなわち、制御回路M6は、21時半以降はLEDモジュールM4から出射する光量を最小になる様にLEDモジュールM4から出射させる。
【0040】
ところで、図3に示すように、照明装置Mがサーカディアンリズムに基づいて、LEDモジュールM4から光を出射した場合、朝は寒色系の光を出射する光源M41が主体的となり、暖色系の光を出射する光源M42に流れる電流時間積が寒色系の光を出射する光源M41と比べて小さくなる。夜は暖色系の光を出射する光源M42が主体的となるが、LEDモジュールM4から出射する光量が朝より小さいので、1日の寒色系の光を出射する光源M41の電流時間積が暖色系の光を出射する光源M42より大きくなる。
【0041】
ここで、電流時間積はLED(つまり、光源LS)の寿命に影響する事が知られている。すなわち、電流時間積が大きいほど、LEDの寿命が早く訪れる。
【0042】
LEDモジュールM4において、寒色系の光を出射する光源M41の数と暖色系の光を出射する光源M42の数が同じで、かつ、サーカディアンリズムにおける最大色温度と寒色系の光を出射する光源M41の色温度の特性が同じである場合、寒色系の光を出射する光源M41が早く寿命に近づくことになり、暖色系の光を出射する光源M42の寿命より前に寒色系の光を出射する光源M41の光束値の低下が発生して照明装置Mはサーカディアンリズムに基づく照明を行う事ができなくなる。
【0043】
そこで、本実施形態のLEDモジュールM4の寒色系の光を出射する光源M41と暖色系の光を出射する光源M42は、それぞれの1日の電流時間積が同じになるように設定されている。
【0044】
具体的には、寒色系の光を出射する光源M41の数と暖色系の光を出射する光源M42の数が同じ場合、寒色系の光を出射する光源M41の色温度の特性がサーカディアンリズムにおける最大色温度より高く設定されている。図3においてサーカディアンリズムにおける最大色温度は5000Kなので、例えば、寒色系の光を出射する光源M41の色温度の特性は、6500Kに設定されている。例えば、6500Kと2700Kの光源を用いて、かつ、LED光源によるが電流比率を65:35(寒色系:暖色系)で調色を行えば5000Kの光を出射することができる。サーカディアンリズムにおける最大色温度より寒色系の光を出射する光源M41の色温度を大きくすることで、サーカディアンリズムに基づいた光をLEDモジュールM4から出射させる際に寒色系の光を出射する光源M41と暖色系の光を出射する光源M42に流れる電流値のバランスを変更することができ、以って、寒色系の光を出射する光源M41と暖色系の光を出射する光源M42の1日の電流時間積を同じに調整することができ、照明装置Mの寿命を延ばすことができる。
【0045】
上述したように、本実施形態に係る照明装置Mは、時間帯に応じて、色温度(調色)、および、光量(調光)を、制御回路M6によって自動的に変更し、太陽光の下で生活しているのに近い光をLEDモジュールM4から出射することによって、人間のサーカディアンリズムを24時間に調整する。
【0046】
次に、制御回路M6が行う設定処理に関して図4A図4Bおよび図4Cを用いて説明する。図4A図4Bおよび図4Cは、制御回路M6が行う設定処理のフローチャートである。
【0047】
先ず、制御回路M6は、例えばスイッチI2の操作が行われたか否かを判定する(ステップS01)。スイッチI2の操作を検知していない場合(ステップS01:No)、制御回路M6は、スイッチI2の操作を検知するまで待機する一方、スイッチI2の操作を検知した場合(ステップS01:Yes)、ステップS02に進む。
【0048】
次に、制御回路M6は、朝モードまたは夜モードの時刻の調整が未設定か否かを判断する(ステップS02)。朝モードまたは夜モードの時刻の調整がされている場合(ステップS02:No)、制御回路M6は、後述するリセットモード処理の判定処理を行う。一方、朝モードまたは夜モードの時刻の調整がされていない場合(ステップS02:Yes)、制御回路M6は、ステップS03に進む。
【0049】
次いで、制御回路M6は、スイッチI2が操作されてモード設定が行われたか否かを判定する(ステップS03)。具体的には、制御回路M6は、スイッチI2の所定時間のオフ・オンの操作回数を検知して、選択されたモード設定が何であるかを判断する。制御回路M6は、所定時間の間のスイッチI2のオフ・オン操作が3回である場合(ステップS03:B)、図4Bに示すステップ11に進む。制御回路M6は、所定時間の間のスイッチI2のオフ・オン操作が4回である場合(ステップS03:C)、図4Cに示すステップS31に進む。制御回路M6は、所定時間の間のスイッチI2のオフ・オン操作が3回でも4回でもない場合(ステップS03:A)、ステップ01に戻る。
【0050】
次に、所定時間の間のスイッチI2のオフ・オン操作が3回であり(ステップS03:B)、朝モードに移行した場合について図4Bを用いて説明する。制御回路M6は、朝モードの設定に進み(ステップS11)、その後、朝モードに設定されたことを示すアンサーバックの表示(寒色系の第1光源M41を30秒点灯)を開始する(ステップS12)。
【0051】
次いで、制御回路M6は、アンサーバックの点灯時間である所定時間(30秒)の間において、スイッチI2のオフ・オンが検出されたか否かを判定する(ステップS13)。制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を検知した場合(ステップS13:Yes)、時刻調整モードに移行し(ステップS14)、アンサーバックの表示を停止する(寒色系の第1光源M41を消灯する)。一方、制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を検知しなかった場合(ステップS13:No)、ステップS23に進む。
【0052】
時刻調整モードに移行すると、制御回路M6は、ストップウォッチをスタートさせて所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する(ステップS15)。制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過である場合(ステップS15:Yes)ステップS16に進む。一方、制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過でない場合、つまり、所定時間が経過した場合(ステップS15:No)には、ステップS23に進む。
【0053】
ストップウォッチで所定時間が未経過である場合、制御回路M6は、オフオンパルス判定を行う(ステップS16)。より具体的に説明すると、制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作が1回された場合、ステップS17に進み、スイッチI2のオフ・オン操作が2回された場合、ステップS20に進む。
【0054】
ステップS17では、制御回路M6は、第1の時間の時刻を1時間遅らせて(ステップS17)、時刻を遅らせたことを示すため、例えば、第2光源M42を2秒間に1回、点灯するアンサーバック表示を行い(ステップS18)、朝モードの第1の時間に関して1時間減算、つまり、1時間遅らせる時刻調整を行う(ステップ19)。その後、制御回路M6は、ステップS15に戻り、所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する。
【0055】
ここで、ステップS16において、スイッチI2のオフ・オン操作が2回された場合、制御回路M6は、第1の時間の時刻を1時間進めて(ステップS20)、時刻が進められたことを示すため、例えば、第1光源M41を3秒間に2回、点灯するアンサーバック表示を行い(ステップS21)、朝モードの第1の時間に関して1時間加算、つまり、1時間進ませる時刻調整を行う(ステップS22)。その後、制御回路M6は、ステップS15に戻り、所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する。
【0056】
ここで、制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が経過すると(ステップS15:No)、朝モードの第1の時間を確定する(ステップS23)。
【0057】
次に、制御回路M6は、開始時間に設定された時刻と、調整された時間差を記憶し、タイマー回路M7上の時刻に反映する時刻調整を行い(ステップS24)、その後、この設定処理を終了する。
【0058】
次に、所定時間の間のスイッチI2のオフ・オン操作が4回であり(ステップS03:C)、夜モードに移行した場合について、図4Cを用いて説明する。制御回路M6は、夜モードの設定に進み(ステップS31)、その後、夜モードに設定されたことを示すアンサーバックの表示(暖色系の第2光源M42を30秒点灯)を開始する(ステップS32)。
【0059】
次いで、制御回路M6は、アンサーバックの点灯時間である所定時間(30秒)の間において、スイッチI2のオフ・オンが検出されたか否かを判定する(ステップS33)。制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を検知した場合(ステップ33:Yes)、時刻調整モードに移行し(ステップS34)、アンサーバックの表示を停止する(暖色系の第2光源M42を消灯する)。一方、制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を検知しなかった場合、ステップS43に進む(ステップS33:No)。
【0060】
時刻調整モードに移行すると、制御回路M6は、ストップウォッチをスタートさせて所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する(ステップS35)。制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過である場合(ステップS35:Yes)ステップS36に進む。一方、制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過でない場合、つまり、所定時間が経過した場合(ステップS35:No)ステップS43に進む。
【0061】
ストップウォッチで所定時間が未経過である場合、制御回路M6は、オフオンパルス判定を行う(ステップS36)。より具体的に説明すると、制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作が1回された場合、ステップS37に進み、スイッチI2のオフ・オン操作が2回された場合、ステップS40に進む。
【0062】
ステップS37では、制御回路M6は、第2の時間の時刻を1時間遅らせて(ステップS37)、時刻を遅らせたことを示すため、例えば、第2光源M42を2秒間に1回、点灯するアンサーバック表示を行い(ステップS38)、夜モードの第2の時間に関して1時間減算、つまり、1時間遅らせる時刻調整を行う(ステップ39)。その後、制御回路M6は、ステップS35に戻り、所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する。
【0063】
ここで、ステップS36において、スイッチI2のオフ・オン操作が2回された場合、制御回路M6は、第2の時間の時刻を1時間進めて(ステップS40)、時刻が進められたことを示すため、例えば、第1光源M41を3秒間に2回、点灯するアンサーバック表示を行い(ステップS41)、夜モードの第2の時間に関して1時間加算、つまり、1時間進ませる時刻調整を行う(ステップS22)。その後、制御回路M6は、ステップS35に戻り、所定時間(例えば3分)が未経過であるか否かを判断する。
【0064】
次に、制御回路M6は、開始時間に設定された時刻と、調整された時間差を記憶し、タイマー回路M7上の時刻に反映する時刻調整を行い(ステップS44)、その後、この設定処理を終了する。
【0065】
次に、照明装置Mにおける、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度、および、光量の制御の時刻設定を行う朝モード、および、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度、および、光量の制御の時刻設定を行う夜モードについて説明する。
【0066】
次いで、制御回路M6が行う、朝モードの設定、および、夜モードの設定について図5図6を用いて説明する。図5は、朝モード設定を行う際の照明装置M内に印加される力率改善回路(PFC)M1の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。図6は、夜モード設定を行う際の照明装置M内に印加される力率改善回路(PFC)M1の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
【0067】
朝モードは、第1の時間帯における第1の時刻を起点として、サーカディアンリズムに基づく色温度、および、光量の制御の時刻設定を行うモードであり、夜モードは、第2の時間帯における第2の時刻を起点として、サーカディアンリズムに基づく色温度、および、光量の制御の時刻設定を行うモードである。そして、本実施形態に係る照明システム1において、第1の時間帯は、例えば8時から20時であり、第2の時間帯は、例えば20時から8時であり、24時間のうちの半分を第1の時間帯として設定し、24時間のうち、残りの半分を第2の時間帯として設定する。もちろん第3のモード、第4のモードを加え24時間を4分割してもよいが、ここでは説明を分かり易くするために、朝モードの時間帯の開始時刻を第1の時刻、夜モードの時間帯の開始時刻を第2の時刻として、朝モードと夜モードで説明を行う。
【0068】
ここで、図5に示す朝モードの設定は、図4AにおけるステップS03:Bの処理に相当し、図6に示す夜モードの設定は、図4AにおけるステップS03:Cの処理に相当する。
【0069】
制御回路M6は初期設定として、予め設定された所定時間T1の間に、予め設定された回数のスイッチI2のオフ・オンがされた場合、少なくとも、朝モード、または、夜モードを設定する。より具体的に説明すると、制御回路M6は、予め設定された短時間にスイッチI2のオフ・オンがされた場合、AC(交流電源)I1からの電力の供給状態および遮断状態が切り替わるため、AC電圧検出回路M5によってスイッチI2のオフ・オン操作を検知し、それに基づいて使用者の入力操作として認識する。本実施形態に係る制御回路M6は、スイッチI2の操作に基づくAC電圧検出回路M5を通じた、AC(交流電源)I1からの電力が供給された期間と、AC(交流電源)I1からの電力の供給が遮断された期間との組み合わせに基づき、使用者からの入力操作として認識する。
【0070】
朝モードは、例えば照明システム1で行う初期設定としての、朝(第1の時間帯)に関する設定であり、夜モードは、例えば照明システム1で行う初期設定としての、夜(第2の時間帯)に関する設定である。
【0071】
制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された状態において、最初にスイッチI2がオフされた場合、オフされた時から予め設定された所定時間T1の間、選択モードに移行する。本実施形態において、選択モードの所定時間T1は例えば5秒である。
【0072】
制御回路M6は、例えば図5に示すように、AC(交流電源)I1から電力が供給された状態において、スイッチI2のオフとオンとが3回繰り返された場合に朝モードに移行する。つまり、制御回路M6は、例えば、交流電源I1から電力が供給された期間と、交流電源I1からの電力の供給が遮断された期間とが3回、交互にあった場合に朝モードに移行する。
【0073】
一方、制御回路M6は、例えば図6に示すように、交流電源I1から電力が供給された状態において、スイッチI2のオフとオンとが4回繰り返された場合に夜モードに移行する。つまり、制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された期間と、AC(交流電源)I1からの電力の供給が遮断された期間とが4回、交互にあった場合に夜モードに移行する。なお、後述するように、交流電源I1から電力が供給された期間と、交流電源I1からの電力の供給が遮断された期間とが5回、交互にあった場合にはリセットモードに移行する。朝モードまたは夜モードへの移行が、初期設定であるのに対して、リセットモードは、それをリセットする操作を行うモードである。
【0074】
そして、制御回路M6は、使用者によるスイッチI2のオフ・オン操作に基づいたモードの設定を認識した場合には、モードに対応した出力(アンサーバック)を、所定の光源LSの点灯によって表示する。
【0075】
例えば、制御回路M6は、使用者のスイッチI2のオフ・オン操作に基づき、朝モードで設定がされた場合には、すべての光源LSを消灯した後、第1の光源M41を点灯し、第1の光源M41から寒色系の光を最大で30秒点灯することで、朝モードが設定されたことを表示する。その後、制御回路M6は、設定された時刻に該当する色温度と光量で光源LSを点灯する。
【0076】
一方、制御回路M6は、使用者のスイッチI2のオフ・オン操作に基づき、夜モードで設定がされた場合には、すべての光源LSを消灯した後、第2の光源M42を点灯し、第2の光源M42から暖色系の光を最大で30秒点灯することで、夜モードが設定されたことを表示する。その後、制御回路M6は、設定された時刻に該当する色温度と光量で光源LSを点灯する。
【0077】
次に、制御回路M6が行う、上述したモード設定直後の時刻の調整について図7図8を用いて説明する。モード設定直後とは、本実施形態に係る照明システム1において、モード設定後の出力(アンサーバック)中の例えば30秒以内である。30秒以内にスイッチI2のオフ・オン操作が一度もされなかった場合は、制御回路M6は、時刻の調整は行われないと判断し、確定される。図7は、朝モードまたは夜モードの設定直後において、時刻の加算の調整を行う際の照明装置M内に印加される力率改善回路(PFC)M1の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。図8は、朝モードまたは夜モード設定直後において、時刻の減算の調整を行う際の照明装置M内に印加される力率改善回路(PFC)M1の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
【0078】
ここで、図7に示すモード設定直後の時刻調整は、図4BにおけるステップS14~S16およびステップS20~S22の処理を2回行ったことに相当する。制御回路M6は、例えば、朝モード設定直後、AC(交流電源)I1から電力が供給された状態において、最初にスイッチI2がオフされた場合、オフされた時から予め設定された所定時間T22の間(本実施形態では3分の間)、時刻調整モードに移行する(図4BにおけるステップS14、S15に相当)。本実施形態において、時刻調整モードの所定時間T22は例えば3分である。
【0079】
その上、制御回路M6は、例えば、朝モード設定直後、最初にスイッチI2がオフされた場合、オフされた時から予め設定された所定時間T21の間、操作受付モード(図4BにおけるステップS16に相当)に移行する。本実施形態において、操作受付モードの所定時間T21は例えば2秒である。
【0080】
タイマー回路M7の現時点の時刻を第1の時刻より1時間進める場合、制御回路M6は、例えば、所定時間T21の間にスイッチI2のオフとオンとが2回繰り返された場合に、第1の時刻に1時間を加算する(図4BにおけるステップS20~S22に相当)。つまり、制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された期間と、AC(交流電源)I1からの電力の供給が遮断された期間とが2回、交互にあった場合に、タイマー回路M7の現時点の時刻が第1の時刻より1時間早くなる。
【0081】
そして、制御回路M6は、使用者によるスイッチI2のオフ・オン操作に基づいた、第1の時刻を1時間、進める操作を認識した場合には、その操作に対応した出力(アンサーバック)を、所定の光源LSの点滅と点灯によって表示する(図4BにおけるステップS21に相当)。
【0082】
例えば、制御回路M6は、使用者のスイッチI2のオフ・オン操作に基づき、第1の時刻を1時間、進める操作を認識した場合には、すべての光源LSを消灯した後、寒色系の光を出射する第1の光源M41を3秒間に2回の点滅を1セットとして、1セットの点灯を行う。
【0083】
そして、使用者は、タイマー回路M7の時刻を、さらに、第1の時刻より1時間進めたい場合には、上記と同様の操作を1回繰り返す。そして、制御回路M6は、上記と同様の操作が行われた場合、第1の時刻より2時間進んだことから、寒色系の光を出射する第1の光源M41を3秒間に2回の点滅を1セットとして、2セットの点灯を行う。
【0084】
そして、これらの操作が行われた場合、タイマー回路M7上の時刻は、第1の時刻が8時だったところ、2時間進めることになって、タイマー回路M7上の時刻は、10時に変更される(図4BにおけるステップS24に相当)。その上、本実施形態の照明装置Mにおいて、制御回路M6は、第1の時刻に設定された時刻と、タイマー回路M7上の現時点の時刻との時間差を記憶する。例えば、現時点である第1の時刻が8時であったところ、上記操作に基づいて、第1の時刻が10時として設定される。そのため、図3に示すサーカディアンリズム制御におけるタイマー回路M7上の時刻は、第1の時刻を2時間加算した時刻となる。このように、制御回路M6は、朝モードを設定した直後のスイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、第1の時刻を変更し、ストップウォッチをスタートしてからの経過時点(所定時間であるT22の経過時点)から調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する。
【0085】
上記の操作により、第2記憶部242には、開始時間に設定された10時と、調整された時間差(いわゆるシフト時間)の2時間が格納され、タイマー回路M7上の時刻は10時に設定される。その結果、現時点の時刻が何であれ、現時点から、図3に示す10時の色温度、光束比率でサーカディアンリズムに基づく制御が始まる。また、朝モードが設定されて、時刻調整が行われなかった場合は、タイマー回路M7の時刻が8時に設定されて、現時点の時刻が何であれ、現時点から、図3に示す8時の色温度、光束比率でサーカディアンリズムに基づく制御が始まる。
【0086】
ここで、図8に示すモード設定直後の時刻調整は、図4CにおけるステップS34~S39の処理を2回行ったことに相当する。制御回路M6は、例えば、図8に示すように、夜モード設定直後、AC(交流電源)I1から電力が供給された状態において、最初にスイッチI2がオフされた場合、オフされた時から予め設定された所定時間T22の間(本実施形態では3分の間)、時刻調整モードに移行する(図4CにおけるステップS34、S35に相当)。本実施形態において、時刻調整モードの所定時間T22は例えば3分である。
【0087】
その上、制御回路M6は、例えば、夜モード設定直後、最初にスイッチI2がオフされた場合、オフされた時から予め設定された所定時間T21の間、操作受付モード(図4CにおけるステップS36に相当)に移行する。本実施形態において、操作受付モードの所定時間T21は例えば2秒である。
【0088】
タイマー回路M7の現時点の時刻を第2の時刻より1時間遅らせる場合、制御回路M6は、例えば、所定時間T21の間にスイッチI2のオフとオンとが1回行われた場合に、第2の時刻から1時間、減算する(図4CにおけるステップS37~S39に相当)。つまり、制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された期間と、AC(交流電源)I1からの電力の供給が遮断された期間とが1回あった場合に、タイマー回路M7の現時点の時刻が第2の時刻より1時間遅くなる。
【0089】
そして、制御回路M6は、使用者によるスイッチI2のオフ・オン操作に基づいた、第2の時刻を1時間、遅らせる操作を認識した場合には、その操作に対応した出力(アンサーバック)を、所定の光源LSの点滅と点灯とによって表示する(図4CにおけるステップS38に相当)。
【0090】
例えば、制御回路M6は、使用者のスイッチI2のオフ・オン操作に基づき、第2の時刻を1時間、遅らせる操作を認識した場合には、すべての光源LSを消灯した後、暖色系の光を出射する第2の光源M42を2秒間に1回の点滅を1セットとして、1セットの点灯を行う。
【0091】
そして、使用者は、タイマー回路M7の時刻を、さらに、第2の時刻より1時間遅らせたい場合には、上記と同様の操作を1回繰り返す。そして、制御回路M6は、上記と同様の操作が行われた場合、第2の時刻より2時間遅らせたことから、暖色系の光を出射する第2の光源M42を2秒間に1回の点滅を1セットとして、2セットの点灯を行う。
【0092】
そして、これらの操作が行われた場合、タイマー回路M7上の時刻は、第2の時刻が20時だったところ、2時間遅らされることになって、タイマー回路M7上の時刻は、18時に変更される(図4CにおけるステップS44に相当)。その上、本実施形態の照明装置Mにおいて、制御回路M6は、第2の時刻に設定された時刻と、タイマー回路M7の現時点の時刻との時間差を記憶する。例えば、現時点である第2の時刻が20時であったところ、上記操作に基づいて、第2の時刻が18時として設定される。そのため、図3に示すサーカディアンリズム制御におけるタイマー回路M7上の時刻は、第2の時刻を2時間減算した時刻となる。このように、制御回路M6は、夜モードを設定した直後のスイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、第2の時刻を変更し、ストップウォッチをスタートしてからの経過時点(所定時間であるT22の経過時点)から調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する。
【0093】
上記の操作により、第2記憶部242には、開始時間に設定された18時と、調整された時間差(いわゆるシフト時間)の2時間が格納され、タイマー回路M7上の時刻は18時に設定される。その結果、現時点の時刻が何であれ、現時点から、図3に示す18時の色温度、光束比率でサーカディアンリズムに基づく制御が始まる。また、夜モードが設定されて、時刻調整が行われなかった場合は、タイマー回路M7の時刻が20時に設定されて、現時点の時刻が何であれ、現時点から、図3に示す20時の色温度、光束比率でサーカディアンリズムに基づく制御が始まる。
【0094】
なお、第1の時刻を遅らせる場合は、図8を用いて説明した第2の時刻を遅らせる場合と同様のスイッチI2の操作が行われ、第2の時刻を進める場合には、図7を用いて説明した第1の時刻を進める場合と同様のスイッチI2の操作が行われる。従って、図7または図8の操作を最大6回行う事で、24時間を1時間単位で時刻の調整ができる。また真の時刻に対しても±30分以内の精度で時刻の調整が可能となる。
【0095】
ここで、上述したように、制御回路M6は、アンサーバックとして、第1の時刻が何時間変更されたかを、寒色系の光を3秒間に2回または2秒間に1回を、1セットとして何セット点灯させるかで示し、第2の時刻が何時間変更されたかを、暖色系の光を3秒間に2回または2秒間に1回を、1セットとして何セット点灯させるかで示す。さらに、制御回路M6は、第1の時刻や第2の時刻が進められた場合の点滅の仕方を3秒間に2回とし、第1の時刻や第2の時刻が遅らされた場合の点滅の仕方を2秒間に1回とする。換言すると、制御回路M6は、進められた場合と遅らされた場合で点滅の仕方を明らかに変える。
【0096】
このように、制御回路M6は、第1の時刻または第2の時刻が変更された場合は、変更された時間に応じた回数で光源LSを点灯させ、かつ、第1の時刻または第2の時刻を進めたか遅らせたかに応じて、3秒間に2回の点滅か、2秒間に1回の点滅なのかを点滅の仕方で示す。つまり、制御回路M6は、変更時間に応じて、点灯回数や点滅の仕方を変更する。
【0097】
ここで、所定時間T22経過することによって時刻調整の設定が確定された後、スイッチI2がオフになって、サーカディアンリズムに基づく光量制御が中断されたとする。この場合、蓄電部M8からの電力供給によりタイマー回路M7は停止することなく動作を継続する。そして、スイッチI2がオンとなって、AC(交流電源)I1からの電力の供給が再開した場合、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を再開することになるが、AC(交流電源)I1からの電力の供給が再開した時点において、制御回路M6は、タイマー回路M7上の時刻に応じてサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を再開する。
【0098】
例えば、21時にオフになって、21時30分にオンになった場合でも、タイマー回路M7が動作しているため、「21時30分」に該当するサーカディアンリズムに基づく色温度と光量で制御を再開する。
【0099】
次に、制御回路M6が行うリセットモード処理に関して図9を用いて説明する。図9は、制御回路M6が行うリセットモード処理のフローチャートである。
【0100】
先ず、制御回路M6は、リセットモードの設定が行われた否かのリセットモード判定を行う(ステップS50)。より具体的に説明すると、制御回路M6は、例えば、スイッチI2のオフ・オン操作が5回されたか否か判定を行う。制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を5回検出していない場合(ステップS50:No)、スイッチI2のオフ・オン操作を5回検出するまで待機する。待機状態では、制御回路M6は、現在設定されているモードに基づいて、光源LSの制御を継続する。
【0101】
一方、制御回路M6は、スイッチI2のオフ・オン操作を5回検出した場合(ステップS50:Yes)、ストップウォッチをスタートし、所定時間(例えば25秒)が未経過であるか否かを判断する(ステップS51)。制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過でない場合、つまり、所定時間が経過した場合(ステップS51:No)ステップS62に進む。
【0102】
一方、制御回路M6は、ストップウォッチで所定時間が未経過である場合(ステップS51:Yes)、モードと時刻の調整値を初期化し(ステップS52)、サーカディアンモードを初期設定の状態に戻す(ステップS53)。
【0103】
次いで、制御回路M6は、初期化されたサーカディアンモードに移行したことを示すため、「光源LSの点滅を行わない」というアンサーバック表示を行い(ステップS54)、スイッチI2のオフ・オンが検出されたか否かを判定する(ステップS55)。
【0104】
ステップS55において、スイッチI2のオフ・オンを検出しない場合(ステップS55:No),制御回路M6は、ステップS51に戻って、25秒が経過したか否かの判定を行う。一方、ステップS55において、スイッチI2のオフ・オンを検出した場合(ステップS55:Yes)、色温度固定モード1に移行する(ステップS56)。そして、制御回路M6は、色温度固定モード1に移行したことを示すため、例えば、光源LSを2秒間に1回点滅させるアンサーバック表示を行い(ステップS57)、スイッチI2のオフ・オンが検出されたか否かを判定する(ステップS58)。
【0105】
ステップS58において、スイッチI2のオフ・オンを検出しない場合(ステップS58:No)、制御回路M6は、ステップS51に戻って、25秒が経過したか否かの判定を行う。一方、ステップS58において、スイッチI2のオフ・オンを検出した場合(ステップS58:Yes)、制御回路M6は、色温度固定モード2に移行し(ステップS59)、色温度固定モード2に移行したことを示すため、例えば、光源LSを3秒間に2回点滅させるアンサーバック表示を行い(ステップS60)、スイッチI2のオフ・オンが検出されたか否かを判定する(ステップS61)。
【0106】
ステップS61において、スイッチI2のオフ・オンを検出した場合(ステップS61:Yes)、制御回路M6は、ステップS53に戻って、色温度固定モード2の設定を解除して、サーカディアンモードを初期設定した状態に戻り、ステップS54以降の処理を継続する。
【0107】
一方、ステップS61において、スイッチI2のオフ・オンを検出しない場合(ステップS61:No)、制御回路M6は、ステップS51に戻って、25秒が経過したか否かの判定を行う。
【0108】
そして、25秒が経過した場合(ステップS51:No)、制御回路M6は、モードの設定された内容を確定し(ステップS62)、このリセットモード処理を終了する。
【0109】
次に、制御回路M6が行うリセットモードについて図10を用いて説明する。図10は、リセットモードにおいて、照明装置M内に印加される力率改善回路(PFC)M1の入力側における整流後の電圧と、時間との関係を示すグラフである。
【0110】
時刻の設定の誤りを訂正する場合、時刻の再設定を行う場合、または、サーカディアンモードを初期設定に戻す場合において、予め設定された所定時間T31の間にスイッチI2のオフとオンとが所定回数、繰り返されると、制御回路M6は、リセットモードに移行する。制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された状態において、スイッチI2のオフとオンとが5回繰り返された場合にリセットモードに移行する。つまり、制御回路M6は、例えば、AC(交流電源)I1から電力が供給された期間と、AC(交流電源)I1からの電力の供給が遮断された期間とが5回、交互にあった場合にリセットモードに移行する。所定時間T31は、図5図6のT1と同じ規定時間の5秒である。
【0111】
リセットモードに移行すると、制御回路M6は、朝モードまたは夜モードの設定と、朝モードまたは夜モードにおいて調整された時刻の調整値をリセットする。すなわち、初期化されたサーカディアンモードに移行する。ここで、図10に示す「T33-T31」が、図9のフローチャートで説明した「25秒」である。所定時間T32は、例えば2秒である。
【0112】
その後、スイッチI2がオンの状態から、スイッチI2がオフされ、所定時間T32の間にオンされると、予め別にプログラムされた色温度固定モード1に移行する。色温度固定モード1では、常時、決まった色温度、例えば4000Kの様に寒色系の光を出射する第1光源M41と暖色系の光を出射する第2光源M42の電流時間積による寿命と、実使用での色温度による作業効率と、のバランスのとれた色温度で設定された光量で点灯する。
【0113】
その後、スイッチI2がオンの状態から、スイッチI2がオフされ、所定時間T32の間にオンされると、予め別にプログラムされた色温度固定モード2に移行する。この色温度固定モード2は、例えば、色温度固定モード1よりさらに光量を変えたモードである。
【0114】
その後、さらなるスイッチI2の操作に応じて、順番に、サーカディアンモード、色温度固定モード1、色温度固定モード2に移行される。各モード切替え時のアンサーバックの設定例は、例えばサーカディアンモードでは点滅なし、色温度固定モード1は2秒間に1回の点滅、色温度固定モード2は3秒間に2回の点滅で表しても良い。そして、リセットモードにおける最初のスイッチI2のオフから、予め所定された所定時間T33が経過した時に設定されたモード(つまり、サーカディアンモード、色温度固定モード1、色温度固定モード2のいずれか)で確定される。所定時間T33は、例えば30秒である。その後、サーカディアンモードにおいてのみ、朝モードまたは夜モードの選択、および、時刻の調整が受付可能となる。
【0115】
上述した実施形態に係る照明装置Mは、24時間に、朝モードと夜モードとの2つのモードを有する例について説明したが、例えば、24時間に、1つのモードを有してもよいし、3つ以上の複数のモードを有してもよい。
【0116】
以上に説明したように、本実施形態に係る照明装置Mは、スイッチI2を介してAC(交流電源)I1に対して電気的に接続された光源LSと、サーカディアンリズムに基づいて、光源LSから出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御回路(制御部)M6と、を備え、制御回路M6は、スイッチISの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行う。そのため、本実施形態に係る照明装置Mは、スイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行うことができるため、専用のリモートコントロール装置を設ける必要がない。その結果、サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置Mを安価に提供することができると共に、照明装置Mの導入を簡単にすることができる。さらに、近年、スマートフォン等の携帯端末で無線を使用して調光・調色が可能な照明装置が販売されているが、当該照明装置においてサーカディアンリズムに基づく調光・調色を行うためには詳細な設定が必要である。さらに、当該照明装置では、照明装置と携帯端末とのペアリングを行う設定が煩雑であり、かつ、登録された携帯端末を用意することも煩雑である。一方、本実施形態に係る照明装置Mは、携帯端末とペアリングを行う必要もなく、かつ、登録された携帯端末も必要としないし、無線により引きおこる電波干渉の問題も生じない。また有線によるリモートコントロールを用いて寒色系LEDと暖色系LEDの光量を、それぞれPWM信号で制御する制御システムや、それぞれ0-10V信号で制御する制御システムや、両方を一度に制御するDALI(登録商標)システムによる制御システムを用いて、サーカディアンリズムを実現する場合、制御システムが高価で、初期設定に専門の知識が必要であり、有線によるリモートコントロールであるがゆえに工事にかかる費用も高額となる。また、本実施形態に係る照明装置Mは、現時点の時刻と関係がなく、朝モードまたは夜モードの開始時間等を変更することができ、時刻設定の操作を簡単に行うことができる。その上、本実施形態に係る照明装置Mは、2つのモードにおけるスイッチ操作を、進めるを6回または遅らせるを6回行うことで、モードを12時間シフトすることができるため、少ない操作回数で時間調整を行うことができる。
【0117】
また、本実施形態に係る照明装置Mは、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御モードとして、第1の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第1のモードと、第2の時間帯におけるサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う第2のモードと、を有し、制御回路M6は、スイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、第1のモード、または、第2のモードに移行する。そのため、本実施形態に係る照明装置Mは、24時間を第1のモードと第2のモードとによって2分割することができるため、時刻設定操作を容易にすることができる。一方、仮に、24時間を分割することなしに、オフ・オン操作で時間設定を可能にした場合には、時間調整を行う操作が煩雑となるか、もしくは、決まった時間にのみ人が時間の同期をさせる操作を行わなくてはならず実用的ではない。
【0118】
また、本実施形態に係る照明装置Mにおいて、制御回路M6は、第1のモードに移行した後のスイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、第1の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始し、第2のモードに移行した後のスイッチの所定時間の操作回数に応じて、第2の時間帯における時刻を調整し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を開始する。
【0119】
また、本実施形態に係る照明装置Mにおいて、制御回路M6は、第1のモードとして、第1の時間帯の第1の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定し、または、第2のモードとして、第2の時間帯の第2の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行うモードを設定する。その上、制御回路M6は、第1のモードを設定した直後のスイッチI2の所定時間の操作回数に応じて、第1の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行い、または、第2のモードを設定した直後の前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、第2の時刻を変更し、調整後の時刻を開始時間とするサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を行う。
【0120】
また、本実施形態に係る照明装置Mにおいて、第1の時刻は、第1のモードにおける調整後の時刻であるか若しくは予め設定された初期設定の時刻であり、第2の時刻は、前記第2のモードにおける調整後の時刻であるか若しくは予め設定された初期設定の時刻である。
【0121】
本実施形態に係る照明装置Mにおいて、制御回路M6は、第1の時刻または第2の時刻が変更された場合は、変更された時間に応じた回数で光源LSを点灯させ、かつ、第1の時刻または第2の時刻を進めたか遅らせたかに応じて、点滅の仕方を変更する。そのため、本実施形態に係る照明装置Mは、光源LSの点滅の仕方とその繰り返し回数によって、使用者が行った操作が適切に照明装置Mに入力されたか否か、使用者が容易に判別することができる。
【0122】
本実施形態に係る照明装置Mは、タイマー回路M7をさらに備える。その上、制御回路M6は、開始時刻に設定された時刻との時間差を記憶し、タイマー回路M7上の時刻に反映する。
【0123】
本実施形態に係る照明装置Mにおいて、AC(交流電源)I1から電力の供給が断たれた状態において、タイマー回路M7に電力を供給する蓄電部M8をさらに備える。その上、AC(交流電源)I1からの電力の供給が再開した時点において、制御回路M6は、タイマー回路M7の時刻に応じてサーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御を再開する。そのため、本実施形態に係る照明装置Mは、AC(交流電源)I1から電力の供給が断たれた後においても、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の照明制御を行うことができる。
【0124】
本実施形態に係る照明装置Mにおいて、制御回路M6は、朝モード、または、夜モードの時刻の調整が設定され、かつ、スイッチI2の操作回数が所定回数の場合にリセットモードに移行する。そのため、本実施形態に係る照明装置Mは、時刻の調整を行った後はリセットモードを経由しない限り、時刻の再調整を行えないようにすることができる。時刻の再調整の為のスイッチI2の操作の複雑度を上げることで、スイッチI2の誤操作による時刻の誤った調整が行われることを回避することができる。
【0125】
また、本実施形態に係る照明装置Mにおいて、光源LSは、寒色系の色の光を出射する第1光源M41と、暖色系の色の光を出射する第2光源M42と、を備え、第1光源M41は、サーカディアンリズムにおける最大色温度より高い色温度の光を出射する。そのため、照明装置Mの期待寿命をのばす事ができる。
【0126】
なお、上述した実施形態に係る照明装置Mにおいて、スイッチI2におけるオフ・オン操作の回数は例示であり、必要に応じて適宜の回数に変更することができる。
【0127】
さらに、上述した実施形態に係る照明装置Mにおいて、光源LSは、寒色系の光を出射する複数の第1光源M41と、暖色系の光を出射する複数の第2光源M42と、を備えるものを説明した。しかし、本実施形態に係る光源LSは、それに限られない。例えば、光源LSは、青色の光を出射する複数の第1光源と、赤色の光を出射する複数の第2光源と、緑色の光を出射する複数の第3光源と、を備えてもよい。もちろん、光源LSは、これらに限られず、光の色温度と光量とを経時的に変化できるものであればよい。
【0128】
以上、本発明に係る照明装置Mの実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0129】
I1 AC(交流電源)、 I2 スイッチ、 LS 光源、 M 照明装置、 M6 制御回路(制御部)


【要約】
【課題】サーカディアンリズムに基づく照明を行う照明装置を安価に提供し、かつ、照明装置の導入を簡単にする。
【解決手段】照明装置は、スイッチを介して電源に対して電気的に接続された光源と、サーカディアンリズムに基づいて、前記光源から出射される光の色温度と光量とを経時的に変化させる制御部と、を備える。前記制御部は、前記スイッチの所定時間の操作回数に応じて、サーカディアンリズムに基づく色温度と光量の制御に関する時刻設定を行う。
【選択図】図4B
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9
図10