(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】模型玩具の支持体
(51)【国際特許分類】
A63H 3/50 20060101AFI20240724BHJP
A63H 3/36 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
A63H3/50 Z
A63H3/36 Z
(21)【出願番号】P 2023161670
(22)【出願日】2023-09-25
【審査請求日】2024-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中元 悠太
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-100147(JP,A)
【文献】登録実用新案第3154322(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0130902(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1646690(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 3/00- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具の支持体であって、
凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、
前記第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツと
を備え、
前記第1パーツ及び前記第2パーツは、前記第1連結部及び前記第2連結部を回転軸として回転し、
前記第2パーツが前記回転軸を中心に回転することにより、前記第2パーツの一部が前記第1パーツに形成された前記凹部に嵌め込まれて前記支持体の支持部材を形成
し、
前記支持体は、複数の前記支持部材を含み、
各支持部材は、他の支持部材と回転可能に連結されることを特徴とする模型玩具の支持体。
【請求項2】
前記第2パーツの前記一部には、少なくとも1つの挿入部が形成され、
前記第1パーツの前記凹部には、前記少なくとも1つの挿入部を受け容れる少なくとも1つの受け部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具の支持体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの挿入部は、前記第2パーツの回転に対応して、弓形に形成され、
前記少なくとも1つの受け部は、前記少なくとも1つの挿入部の形状に対応して形成されることを特徴とする請求項2に記載の模型玩具の支持体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの挿入部は、前記第2パーツに形成される位置に応じて弓形の曲率が異なることを特徴とする請求項3に記載の模型玩具の支持体。
【請求項5】
前記第1パーツの前記凹部の断面はコの字形状であり、
前記第2パーツの前記一部の断面はI字形状であることを特徴とする請求項
1乃至4の何れか1項に記載の模型玩具の支持体。
【請求項6】
前記支持部材の一方の端部では、前記第1パーツの前記第1連結部と、前記第2パーツの前記第2連結部とが回転可能に連結され、
前記支持部材の他方の端部には、リング形状の連結部が形成され、
前記複数の前記支持部材は、第1支持部材及び第2支持部材を含み、
前記第1支持部材の前記リング形状の連結部に対して、前記第2支持部材の前記一方の端部が回転可能に連結されることを特徴とする請求項1に記載の模型玩具の支持体。
【請求項7】
前記第1支持部材の一方の端部に回転可能に連結される第3連結部を有する第3パーツをさらに備え、
前記第3パーツは、前記模型玩具を接続する第1接続部を備えることを特徴とする請求項
6に記載の模型玩具の支持体。
【請求項8】
前記第2支持部材の他方の端部に回転可能に連結される第4パーツをさらに備え、
前記第4パーツは、台座に接続する第2接続部を備えることを特徴とする請求項
7に記載の模型玩具の支持体。
【請求項9】
前記第1支持部材は前記第2支持部材に対して第1方向と該第1方向とは反対方向の第2方向とに回転可能であり、
前記第1方向に回転する場合と前記第2方向に回転する場合とで、最大の回転幅が異なることを特徴とする請求項
8に記載の模型玩具の支持体。
【請求項10】
前記第1支持部材に回転可能に連結され、前記第3パーツの回転を止めるストッパを更に備え、
前記第3連結部はリング形状で形成され、該リング形状の外周に沿って複数の突起を有し、
前記ストッパは前記複数の突起の間に挿入されることにより、前記第3パーツの回転を止めることを特徴とする請求項
7に記載の模型玩具の支持体。
【請求項11】
前記支持体の各パーツは透明の部材で形成されることを特徴とする請求項
5に記載の模型玩具の支持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具の支持体に関する。
【背景技術】
【0002】
人形体などの模型玩具には種々の関節や可動部が含まれ、それにより、様々な動作やポージングを実現することができる。一方で、模型玩具を固定する台座上においても、様々な動作やポージングを実現することが要望されている。特許文献1には、玩具体の腰部に連結される支持部材によってスタンドに玩具体を連結する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では模型玩具をスタンド(台座)に連結するために支持体を利用している。しかし、支持体に含まれる支持部材は模型玩具とは関係のない部材であるため、模型玩具の外観に影響を与えないように、できる限り目立たないことが望ましい。したがって、支持部材はできる限り細く形成されることが好ましい。一方で、支持部材の幅を小さく形成すると、模型玩具を支持する能力が低下し、より大きな模型玩具を支持することができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、例えば、模型玩具を台座へ取り付ける支持体の新規な仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、例えば、模型玩具の支持体であって、凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、前記第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツとを備え、前記第1パーツ及び前記第2パーツは、前記第1連結部及び前記第2連結部を回転軸として回転し、前記第2パーツが前記回転軸を中心に回転することにより、前記第2パーツの一部が前記第1パーツに形成された前記凹部に嵌め込まれて前記支持体の支持部材を形成することを特徴とする。
また、本発明は、例えば、模型玩具の支持体であって、凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、前記第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツとを備え、前記第1パーツ及び前記第2パーツは、前記第1連結部及び前記第2連結部を回転軸として回転し、前記第2パーツが前記回転軸を中心に回転することにより、前記第2パーツの一部が前記第1パーツに形成された前記凹部に嵌め込まれて前記支持体の支持部材を形成し、前記支持体は、複数の前記支持部材を含み、各支持部材は、他の支持部材と回転可能に連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、例えば模型玩具を台座へ取り付ける支持体の新規な仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に係る模型玩具の支持体の外観斜視の一例を示す図。
【
図2】一実施形態に係る支持体の分解斜視の一例を示す図。
【
図3】一実施形態に係る支持体に含まれる支持部材を構成するパーツを示す図。
【
図4】一実施形態に係る支持部材の組立構成を示す図。
【
図6】一実施形態に係る支持部材の嵌合構成を示す図。
【
図7】一実施形態に係る支持部材の回転方向ごとの回転幅を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<支持体の外観>
図1を参照して、本実施形態に係る模型玩具を支持する支持体の外観構成の一例を説明する。
図1は支持体100の外観斜視を示す。なお、上下、左右、前後の矢印については図における模型玩具の向きを示し、他の図面についても同様である。
【0011】
支持体100は、模型玩具に任意のポージングを行わせた状態で飾り付けるためのアクションベース(登録商標)などと称される飾り台である。支持体100は、支持部材101、102、接続部103、104、105及び台座106を含んで構成される。支持部材101、102は台座106から模型玩具の接続部まで延びる支柱である。具体的には、支持部材102が台座106に接続され、さらに支持部材102と支持部材101とが連結される。台座106への接続部105に対して支持部材102は回転可能に接続され、さらに支持部材101、102は互いに回転可能に連結されている。このように、本実施形態に係る支持体100は、第1支持部材及び第2支持部材を少なくとも含む複数の支持部材が回転可能に連結され、これにより、種々の位置で模型玩具を支持することができ、台座上での模型玩具の多彩なポージングを可能としている。
【0012】
図1に示すように、支持部材101において、一方の端部には支持部材102が連結され、他方の端部には接続部103が回転可能に連結される。接続部103は、模型玩具に接続される。また、接続部104が支持部材101と支持部材102との連結部に連結される。接続部104は2つのアームを備え、当該2つのアームにより模型玩具を挟み込むように支える。これにより、支持体100における模型玩具を支持する能力を向上させることができる。なお、接続部104は本発明において必須の構成ではなく、オプションとして適用可能である。
【0013】
<支持体の構成>
図2を参照して、本実施形態に係る支持体100の構成例について説明する。
図2は支持体100の分解斜視図を示す。なお、
図1に示すパーツから分解されていないパーツは同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0014】
本実施形態に係る支持体100は、接続部103、104及び台座106に加えて、パーツ201~206を含んで構成される。パーツ201、202は第1支持部材である支持部材101を構成する。パーツ203、204は第2支持部材である支持部材102を構成する。このように、支持部材101、102は、それぞれ2つのパーツにより構成され、2つのパーツが組み合わされると、一方の端部にリング形状の連結部を有し、他方の端部に他の支持部材や接続部103との連結部を有する。例えば、支持部材101の一方の端部にはリング形状の連結部が形成され、当該連結部を挟み込むようにパーツ203、204が回転可能に連結される。支持部材101、102の詳細な組立構成については後述する。
【0015】
パーツ205、206は、パーツ203、204を組み合わせた支持部材102のリング形状の連結部を挟み込むように連結され、接続部105を構成する。当該接続部105は下部に形成された円筒部が台座106の穴部に挿入されることにより、台座106へ接続される。したがって、接続部105は、台座106に対して回転可能である。
【0016】
なお、各パーツは透明の部材で形成されてもよい。これにより、模型玩具を支持体100に飾り付けた際に、支持体100を目立たせることなく、模型玩具の外観への影響を低減することができる。
【0017】
<支持部材のパーツ構成>
図3を参照して、本実施形態に係る支持部材のパーツ構成について説明する。
図3(a)はパーツ201を示し、
図3(b)はパーツ202を示す。なお、支持部材102を構成するパーツ203、204は、それぞれパーツ201、202と同様の構成であるため説明を省略する。
【0018】
パーツ201は、支柱部310、及び連結部311、315を含んで形成される。支柱部310には、受け部312、314、及び凹部313が形成される。また、パーツ202は、支柱部320、及び連結部321、325を含んで形成される。支柱部320には、挿入部322、324が形成される。支柱部310、320は、支持部材101のアーム部分を形成している。支柱部310、320をより幅広に形成することにより、支持体100における模型玩具の支持機能を向上させることができる。つまり、より大型の模型玩具を支持することができるようになる。一方であまり幅広に形成すると、模型玩具を支持体へ飾り付けた場合に、模型玩具の外観に影響を与えてしまう。したがって、本実施形態では模型玩具の外観に影響を与えない程度で、より強固な支持部材を提供するために、2つのパーツを組み合わせて1つの支持部材を構成している。
【0019】
具体的には、パーツ201の支柱部310に形成された凹部313に対して、パーツ202の支柱部320が嵌め込まれることにより、パーツ201とパーツ202とが組み合わされる。これにより、支持部材101の支柱部分を2つのパーツで構成し、1つのパーツで構成する場合と比較して強度を上げることができる。したがって、1つのパーツで構成する場合よりも支柱部310、320の幅を小さく形成することが可能となる。
【0020】
また、支柱部310、320には、パーツ201、202を組み合わせた後にばらけることを防止するため、受け部312、314と、受け部に対して挿入される挿入部322、324が形成されている。
図3に示すように、受け部312、314と、対応する挿入部322、324とは、支柱部310、320の長手方向における両端部に形成される。このように両端部に嵌合箇所を設けることにより、少ない箇所での嵌合により2つのパーツにおける嵌合の強度を効率的に向上させることができ、2つのパーツがばらけることを容易に回避することができる。
【0021】
また、パーツ201、202には各種の連結部が形成される。連結部311、321は、それぞれ第1連結部、第2連結部の一例であり、パーツ201、202の長手方向における一方の端部に形成される。連結部311は円筒形状で形成され、連結部321は円筒形状で形成されるとともに、その内部に凹部が形成される。当該凹部には連結部311の円筒形状の部分が挿入され、これによりパーツ201、202が互いに回転可能に連結される。また、連結部315、325はそれぞれ、パーツ201、202の長手方向における他方の端部にリング形状で形成される。パーツ201、202が組み合わされることにより、連結部315、325が重なり、1つのリング形状の連結部を形成する。
【0022】
<支持部材の組立構成>
図4を参照して、本実施形態に係る支持部材の組立構成について説明する。
図4(a)~
図4(b)は支持部材101及び接続部103の組立手順を順に示す側面図である。本実施形態に係る支持部材101は、パーツ201、202を含んで構成されるが、接続部103も連結されるため接続部103の組立手順も含めて説明する。
【0023】
まず
図4(a)に示すように、パーツ202の連結部321に対して接続部103が連結される。具体的には、連結部321の円筒形状の外周を覆うように、接続部103のリング形状の部分が回転可能に連結される。続いて、
図4(b)に示すように、パーツ202の連結部321に形成された円筒形状の凹部に対してパーツ201の連結部311の円筒形状の部分が挿入される。これにより、パーツ201、202、及び接続部103は互いにそれぞれ回転可能に連結されることになる。
【0024】
次に
図4(c)に示すように、連結したパーツ201を矢印方向に回転させる。この回転動作は、パーツ201に形成された凹部313に対して、パーツ202の支柱部320が収まるまで行われる。最後まで回転させた状態を
図4(d)に示す。このように、パーツ201の内部にパーツ202が収まり、パーツ201、202が一体化することにより、支持部材101及び接続部103の組立が完成する。このように、本実施形態によれば、連結部311、321による回転動作を利用してパーツ201、202を容易に組み立てることができる。また、連結部311、321の形状を利用して、接続部103も同じく回転可能に連結することができ、より少ないパーツで可動軸を実現することができる。
【0025】
<断面構成>
図5を参照して、本実施形態に係る支持部材101の断面構成について説明する。
図5に示す断面は、
図4(d)のx-x’線で切断し、矢印方向から見た図を示す。
【0026】
図5に示すように、パーツ201の断面はコの字形状で形成され、内部に凹部313を有する。さらに凹部313には、パーツ202が収められ、パーツ202の断面はI字形状に形成されている。このように、本実施形態によれば2つのパーツを組み合わせて支持部材を形成することにより、幅を小さく形成した場合であっても、1つのパーツにおいて円柱形状で形成される場合よりも強度を向上させることができる。なお、1つのパーツで支持部材を構成する場合は、その幅を大きく形成する必要がある。しかし、1つのパーツで円柱形状を実現する場合は成型時に限度があり、幅を大きく成形することはより難しくなる。また、支持部材の幅を大きくすると、模型玩具を支持体へ飾り付けた際に、模型玩具の外観に影響を与えてしまい好ましくない。一方で、本実施形態に係る支持部材101は、2つのパーツを組み合わせることにより、1つのパーツで形成する場合と比較して、強度を維持しつつ、幅を小さく形成することができる。
【0027】
<挿入部機構>
図6を参照して、本実施形態に係る支持部材の挿入部機構について説明する。上述したように、本実施形態に係る支持部材101は、2つのパーツを組み合わせることにより構成される。
図4を用いて説明したように、組み合わせの際には、連結部311、321を回転軸としてパーツ201、202を回転させることにより、パーツ201の凹部313にパーツ202を収めるように組み合わせるものである。また、
図3を用いて説明したように、支柱部310、320には、パーツ201、202を組み合わせた後にばらけることを防止するため、受け部312、314と、対応する挿入部322、324が形成されている。
【0028】
このように、本実施形態に係る支持部材101では、上記回転軸を中心として2つのパーツを回転させて組み合わせるとともに、上記挿入部等により嵌合させるものである。しかし、回転動作により2つのパーツを組み合わせるため、受け部312、314や挿入部322、324を図中において水平方向に形成すると嵌合しづらいという問題がある。
【0029】
そこで本実施形態では、上記回転動作によって2つのパーツを組み合わせることを考慮して、
図6に示すように挿入部322、324を所定の曲率を有する弓形の形状で形成する。また、受け部312、314は、挿入部322、324の形状に対応して形成される。
図6では、支持部材101の点線領域を拡大した様子を示す。なお、回転軸に近い位置に形成される受け部312と挿入部322は曲率が大きく形成され、回転軸から遠い位置に形成される受け部314と挿入部324は曲率が小さく形成される。これにより、パーツ201、202をスムーズに組み合わせることができる。また、各パーツを成形する際に金型から離型しやすいという特徴も有する。つまり、本実施形態によれば、挿入部や受け部が形成される位置に応じて弓形の曲率が異なるように設計される。
【0030】
<支持体の回転幅>
図7を参照して、本実施形態に係る支持体の回転幅について説明する。
図7(a)は支持部材101を支持部材102に対して前方向(第1方向)に回転させた様子を示す。
図7(b)は支持部材101を支持部材102に対して後ろ方向(第1方向とは反対方向の第2方向)に回転させた様子を示す。
【0031】
図4(d)の701に示すように、支持部材101を構成するパーツ201においては、切り込みが形成される。当該切り込み701は、
図7(b)に示すように、網掛け部分が他の部分と比較して厚みが薄く形成されるものである。なお、不図示であるが切り込み701の裏面も同様の切り込みが形成される。また、
図7(a)に示すように、支持部材102には702に示す点線領域が空洞に形成される。
【0032】
従って、
図7(a)に示すように、支持部材101を前方向に回転させると、空洞領域702に切り込み701が収まる位置まで回転が可能となる。一方、
図7(b)に示すように支持部材101を前方向とは反対方向の後方向に回転させると、切り込み701や空洞領域702が形成されていないため、703に示す位置でパーツ201とパーツ202とが衝突して回転動作が止まる。したがって、
図7(b)の回転方向における最大の回転幅は、
図7(a)の回転方向における最大の回転幅よりも小さくなる。
【0033】
このように、本実施形態に係る支持部材(第1支持部材)101は、支持部材(第2支持部材)102に対して第1方向と、第1方向とは反対方向の第2方向に回転可能であり、それぞれの方向へ回転する場合の最大の回転幅が異なることを特徴とする。これにより、異なる回転幅で支持部材を動作させることができ、接続する模型玩具やそのポージングに合わせて回転幅を選択することができる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態に係る模型玩具の支持体は、凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツとを備える。第1パーツ及び第2パーツは、第1連結部及び第2連結部を回転軸として回転し、第2パーツが回転軸を中心に回転することにより、第2パーツの一部が第1パーツに形成された凹部に嵌め込まれて支持体の支持部材を形成する。このように、本支持体では、そのアームとなる支持部材を2つのパーツを組わせることにより構成する。これにより、支持部材における模型玩具を支持する能力を低下させることなく、支持部材を構成する各パーツの幅を小さくすることができる。また、パーツ幅を小さく設計できれば、成形を容易に行うことができる。よって、本実施形態によれば、模型玩具を台座へ取り付ける支持体の新規な仕組みを提供することができる。
【0035】
<変形例>
本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。例えば、上記実施形態では、接続部103が支持部材101に対して回転可能に連結されることについて説明した。具体的には、パーツ202の連結部321に対して連結されるリング形状の部分を有することについて説明した。このような形状では自由に回転可能であるが、模型玩具を支持する強度を高めるために、当該回転動作を停止するストッパ機能を有してもよい。
【0036】
図8を参照して、ストッパ機能を有する接続部103の変形例を説明する。
図8では、支持部材101の点線領域800を拡大した様子を示す。本変形例では、上記実施形態における接続部103に代えて、接続部801を適用している。接続部801は、拡大図に示すように、当該リング形状の部分の外周に複数の突起811が設けられ、歯車のような形状で形成される。また、支持部材101には、内部にストッパ802が回転可能に取り付けられる。
【0037】
ストッパ802は、挿入部821と、円筒形状の連結部822とを含む。挿入部821は、複数の突起811の突起間に挿入されることにより、接続部801の回転を止めることができる。また、円筒形状の連結部822は、支持部材101に形成された凹部に挿入されることにより、ストッパ802を回転可能に連結させる。したがって、ストッパ802は連結部822を回転軸として支持部材101に対して回転可能である。
【0038】
図8に示す点線領域800の状態では、ストッパ802の挿入部821が接続部801の複数の突起811の突起間に挿入されており、接続部801は回転することができず、固定された状態となる。この状態においては、接続部801が固定されて回転不可能となるため、模型玩具を支持する強度を高めることができる。一方、点線領域810は、点線領域800の状態からストッパ802を矢印方向に回転させ、挿入部821を突起間から抜いた状態を示す。これにより、ストッパ機能が解除され、接続部801は回転可能となる。
【0039】
<実施形態のまとめ>
上記実施形態は以下の模型玩具の支持体を少なくとも開示する。
(1)
模型玩具の支持体であって、
凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、
前記第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツと
を備え、
前記第1パーツ及び前記第2パーツは、前記第1連結部及び前記第2連結部を回転軸として回転し、
前記第2パーツが前記回転軸を中心に回転することにより、前記第2パーツの一部が前記第1パーツに形成された前記凹部に嵌め込まれて前記支持体の支持部材を形成することを特徴とする模型玩具の支持体。
(2)
前記第2パーツの前記一部には、少なくとも1つの挿入部が形成され、
前記第1パーツの前記凹部には、前記少なくとも1つの挿入部を受け容れる少なくとも1つの受け部が形成されることを特徴とする(1)に記載の模型玩具の支持体。
(3)
前記少なくとも1つの挿入部は、前記第2パーツの回転に対応して、弓形に形成され、
前記少なくとも1つの受け部は、前記少なくとも1つの挿入部の形状に対応して形成されることを特徴とする(2)に記載の模型玩具の支持体。
(4)
前記少なくとも1つの挿入部は、前記第2パーツに形成される位置に応じて弓形の曲率が異なることを特徴とする(3)に記載の模型玩具の支持体。
(5)
前記第1パーツの前記凹部の断面はコの字形状であり、
前記第2パーツの前記一部の断面はI字形状であることを特徴とする(1)乃至(4)の何れか1つに記載の模型玩具の支持体。
(6)
前記支持体は、複数の前記支持部材を含み、
各支持部材は、他の支持部材と回転可能に連結されることを特徴とする(1)乃至(5)の何れか1つに記載の模型玩具の支持体。
(7)
前記支持部材の一方の端部では、前記第1パーツの前記第1連結部と、前記第2パーツの前記第2連結部とが回転可能に連結され、
前記支持部材の他方の端部には、リング形状の連結部が形成され、
前記複数の前記支持部材は、第1支持部材及び第2支持部材を含み、
前記第1支持部材の前記リング形状の連結部に対して、前記第2支持部材の前記一方の端部が回転可能に連結されることを特徴とする(6)に記載の模型玩具の支持体。
(8)
前記第1支持部材の一方の端部に回転可能に連結される第3連結部を有する第3パーツをさらに備え、
前記第3パーツは、前記模型玩具を接続する第1接続部を備えることを特徴とする(7)に記載の模型玩具の支持体。
(9)
前記第2支持部材の他方の端部に回転可能に連結される第4パーツをさらに備え、
前記第4パーツは、台座に接続する第2接続部を備えることを特徴とする(8)に記載の模型玩具の支持体。
(10)
前記第1支持部材は前記第2支持部材に対して第1方向と該第1方向とは反対方向の第2方向とに回転可能であり、
前記第1方向に回転する場合と前記第2方向に回転する場合とで、最大の回転幅が異なることを特徴とする(8)又は(9)に記載の模型玩具の支持体。
(11)
前記第1支持部材に回転可能に連結され、前記第3パーツの回転を止めるストッパを更に備え、
前記第3連結部はリング形状で形成され、該リング形状の外周に沿って複数の突起を有し、
前記ストッパは前記複数の突起の間に挿入されることにより、前記第3パーツの回転を止めることを特徴とする(8)乃至(10)の何れか1つに記載の模型玩具の支持体。
(12)
前記支持体の各パーツは透明の部材で形成されることを特徴とする(1)乃至(11)の何れか1つに記載の模型玩具の支持体。
【符号の説明】
【0040】
100:模型玩具の支持体、101、102:支持部材、103~105:接続部、106:台座
【要約】
【課題】本発明は、例えば模型玩具を台座へ取り付ける支持体の新規な仕組みを提供する。
【解決手段】模型玩具の本支持体は、凹部が形成され、第1連結部を有する第1パーツと、第1連結部に回転可能に連結される第2連結部を有する第2パーツとを備える。第1パーツ及び第2パーツは、第1連結部及び第2連結部を回転軸として回転し、第2パーツが回転軸を中心に回転することにより、第2パーツの一部が第1パーツに形成された凹部に嵌め込まれて支持体の支持部材を形成する。
【選択図】
図4