(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】施設管理システム
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240724BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
H04Q9/00 301C
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2023206297
(22)【出願日】2023-12-06
【審査請求日】2023-12-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和4年12月15日 学校法人三浦学苑 三浦学苑高等学校への設置にて公開 令和5年3月22日 横須賀市立野比中学校への設置にて公開 令和5年4月4日 横須賀市立大塚台小学校への設置にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 高章
(72)【発明者】
【氏名】廣野 耕之助
(72)【発明者】
【氏名】武田 直也
(72)【発明者】
【氏名】石井 健郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】朴 信喜
【審査官】前田 健人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0277529(US,A1)
【文献】特開2005-175816(JP,A)
【文献】特開2019-074471(JP,A)
【文献】特開2013-090141(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0264940(US,A1)
【文献】特開2020-202435(JP,A)
【文献】特開2019-133245(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027043(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113029228(CN,A)
【文献】特開2002-300668(JP,A)
【文献】国際公開第2019/082328(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113900391(CN,A)
【文献】特表2020-522156(JP,A)
【文献】特開2017-195550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0224910(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0006552(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報をそれぞれ取得する複数のセンサと、
前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を受信する受信部と、
前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の作動条件を記憶する記憶部と、
前記受信部が受信した環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報と、前記設備機器の作動条件とに基づいて、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の動作を制御する制御部と、
前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を表示部に表示する操作端末と、
を備え、
前記複数の領域は、学校における複数の教室、職員室、美術室、音楽室の少なくともいずれか2つを含む校舎内の領域であって、
前記設備機器には、窓の施錠状態を検出する施錠状態検出機器が含まれ、
前記受信部が、予め設定された時間帯に、前記施錠状態検出機器による前記校舎内の領域の窓の施錠完了信号を受信していない場合には、前記操作端末は、当該校舎内の領域における窓が施錠されていないことを示す警告表示を前記表示部に表示する、
施設管理システム。
【請求項2】
複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報をそれぞれ取得する複数のセンサと、
前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を受信する受信部と、
前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の作動条件を記憶する記憶部と、
前記受信部が受信した環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報と、前記設備機器の作動条件とに基づいて、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の動作を制御する制御部と、
前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を表示部に表示する操作端末と、
を備え、
前記複数の領域は、学校における複数の教室、職員室、美術室、音楽室の少なくともいずれか2つを含む校舎内の領域であって、
前記設備機器には、照明機器が含まれ、
前記複数のセンサには、照度センサと人感センサが含まれ、
前記受信部が、予め設定された時間帯に、前記照度センサによる前記校舎内の領域における前記照明機器の点灯と、前記人感センサにより当該校舎内の領域が空室状況にあることを受信した場合には、前記制御部は、当該校舎内の領域における前記照明機器を消灯するよう制御する、
施設管理システム。
【請求項3】
前記操作端末は、前記設備機器の作動条件を設定して前記記憶部に記憶させる設定部を更に備える、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項4】
前記制御部が前記設備機器を操作するための操作情報を前記設備機器に送信する送信部を更に備える、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項5】
前記設備機器
には
、空調機器
がさらに含まれ、
前記複数のセンサには、温度センサが含まれ、
前記作動条件には、前記校舎内の領域において前記空調機器を一括稼働させずに、前記校舎内の領域の前記空調機器を複数回に分けて稼働させるようにする作動条件が含まれ、
前記制御部は、一度に流れる電流の容量が大きくなって過電流となってしまうことを抑制するために、前記校舎内の領域における前記空調機器を複数回に分けて稼働させる、
請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項6】
前記複数のセンサは、それぞれ、環境情報又は設備機器の作動状況に関する情報を取得可能な電池を必要としない電池レスセンサである、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項7】
前記複数のセンサは、温度センサ、湿度センサ、二酸化炭素濃度センサ、照度センサ、及び人感センサの少なくともいずれか2つを含む、請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項8】
前記受信部は、前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を無線通信回線を介して受信する、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項9】
前記受信部、前記記憶部、及び前記制御部は、サーバ上に構成されている、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項10】
前記操作端末は、前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報が、予め設定された範囲内にない場合、予め設定された範囲内にないことを示す警告表示を表示部に表示する、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【請求項11】
前記操作端末は、前記受信部が受信した前記複数の領域における設備機器の作動状況に関する情報が、予め設定された状況にない場合、予め設定された状況にないことを示す警告表示を前記表示部に表示する、請求項1
又は2に記載の施設管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、施設管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、1以上のセンサの情報を収集して、収集した情報から家電操作の内容を決定するためのルールに基づいて家電操作の内容を実行する家電操作システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、ユーザは、複数の領域のそれぞれに設置されたセンサで取得した情報を把握できない。また、複数の領域のそれぞれに設置された設備機器毎に操作する操作装置が必要であり、複数の領域に設置された設備機器を一元操作するものでもない。
【0005】
本開示は、複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様の施設管理システムは、複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報をそれぞれ取得する複数のセンサと、前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を受信する受信部と、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の作動条件を記憶する記憶部と、前記受信部が受信した環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報と、前記設備機器の作動条件とに基づいて、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の動作を制御する制御部と、前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を表示部に表示する操作端末と、を備える。
【0007】
第1態様の施設管理システムでは、複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。
【0008】
本開示の第2態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記操作端末は、前記設備機器の作動条件を設定して前記記憶部に記憶させる設定部を更に備える。
【0009】
第2態様の施設管理システムでは、1つの操作端末により、複数の領域における設備機器の作動条件を設定できる。
【0010】
本開示の第3態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記制御部が前記設備機器を操作するための操作情報を前記設備機器に送信する送信部を更に備える。
【0011】
第3態様の施設管理システムでは、1つの操作端末により、複数の領域における設備機器を操作できる。
【0012】
本開示の第4態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記複数の領域は、学校における複数の教室、職員室、美術室、音楽室の少なくともいずれか2つを含む校舎内の領域である。
【0013】
第4態様の施設管理システムでは、学校の複数の教室、職員室、美術室、音楽室の少なくともいずれか2つを含む校舎内の領域において、センサで取得した情報と、複数の教室に設置された設備機器の操作を一元管理できる。また、授業に集中できる環境を提供することができる。また、教員等の見回り等の業務工程を削減できる。
【0014】
本開示の第5態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記設備機器は、前記複数の領域における窓の施錠状態を検出する施錠状態検出機器、空調機器、及び照明機器の少なくともいずれか1つを含む。
【0015】
第5態様の施設管理システムでは、複数の領域に設置された窓の施錠状態、空調機器又は照明機器の作動状況を、一元管理することができる。また、複数の領域にそれぞれ設置された空調機器又は照明機器を1つの操作端末により一元操作することができる。
【0016】
本開示の第6態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記複数のセンサは、それぞれ、環境情報又は設備機器の作動状況に関する情報を取得可能な電池を必要としない電池レスセンサである。
【0017】
第6態様の施設管理システムでは、電池を不要とすることができる。
【0018】
本開示の第7態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記複数のセンサは、温度センサ、湿度センサ、二酸化炭素濃度センサ、照度センサ、及び人感センサの少なくともいずれか2つを含む。
【0019】
第7態様の施設管理システムでは、複数の領域において温度センサ、湿度センサ、二酸化炭素濃度センサ、照度センサ、及び人感センサの少なくともいずれか2つから取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。
【0020】
本開示の第8態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記受信部は、前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を無線通信回線を介して受信する。
【0021】
第8態様の施設管理システムでは、複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を一元管理することができる。
【0022】
本開示の第9態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記受信部、前記記憶部、及び前記制御部は、サーバ上に構成されている。
【0023】
第9態様の施設管理システムでは、複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を一元管理することができる。
【0024】
本開示の第10態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記操作端末は、前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報が、予め設定された範囲内にない場合、予め設定された範囲内にないことを示す警告表示を表示部に表示する。
【0025】
第10態様の施設管理システムでは、警告表示をしない場合と比較して、特定の領域における環境情報が、予め設定された範囲内にないことを、ユーザに容易に気づかせることができる。
【0026】
本開示の第11態様の施設管理システムは、第1態様の施設管理システムにおいて、前記操作端末は、前記受信部が受信した前記複数の領域における設備機器の作動状況に関する情報が、予め設定された状況にない場合、予め設定された状況にないことを示す警告表示を前記表示部に表示する。
【0027】
第11態様の施設管理システムでは、警告表示をしない場合と比較して、特定の領域の設備機器の作動状況に関する情報が、予め設定された状況にないことを、ユーザに容易に気づかせることができる。
【0028】
本開示の第12態様の施設管理システムは、第4態様の施設管理システムにおいて、前記設備機器は、窓の施錠状態を検出する施錠状態検出機器を含み、前記受信部が、予め設定された時間帯に、前記施錠状態検出機器による教室内の窓の施錠完了信号を受信していない場合には、前記操作端末は、当該教室内における窓が施錠されていないことを示す警告表示を前記表示部に表示する。
【0029】
第12態様の施設管理システムでは、本開示における施設管理システムを用いていない場合と比較して、複数の教室における戸締り確認作業が容易となり、教員等の見回り等の業務工程を削減できる。
【0030】
本開示の第13態様の施設管理システムは、第4態様の施設管理システムにおいて、前記複数のセンサは、照度センサと人感センサを含み、前記受信部が、予め設定された時間帯に、前記照度センサによる教室における照明機器の点灯と、前記人感センサにより当該教室が空室状況にあることを受信した場合には、前記制御部は、当該教室における前記照明機器を消灯するよう制御する。
【0031】
第13態様の施設管理システムでは、本開示における施設管理システムを用いていない場合と比較して、電力消費量を抑えることができる。また、教員等の見回り等の業務工程を削減できる。
【発明の効果】
【0032】
本開示によれば、複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本開示の一実施形態の施設管理システム100の構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態におけるサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態におけるサーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態における操作端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態における操作端末20の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態における操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態における操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態におけるサーバ10の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図9】本開示の一実施形態における操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態における操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態における操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図12】本開示の第2実施形態における施設管理システム200の構成を示す図である。
【
図13】本開示の第3実施形態における施設管理システム300の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は本開示の一実施形態の施設管理システム100の構成を示す図である。
【0036】
施設管理システム100は、施設の一例である学校において複数の教室のそれぞれに設置されたスマートリモコン1、空調機器2、照明機器3、施錠状態検出機器4、温湿度センサ5、二酸化炭素(以下、CO2)濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8、及び送受信機9と、サーバ10と、操作端末20と、を含む。各教室に設置された送受信機9と、サーバ10と、はインターネット30を介して相互に接続されている。また、サーバ10と、操作端末20と、はインターネット30を介して相互に接続されている。
【0037】
ここで、空調機器2、照明機器3、施錠状態検出機器4は、本開示で用いられる設備機器の一例である。また、温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8は、各教室における温度、湿度、CO2濃度等の環境情報又は設備機器の作動状況に関する情報をそれぞれ取得するセンサの一例である。施錠状態検出機器4、温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8は、それぞれ光、振動、温度差等の環境エネルギーの利用により環境情報又は設備機器の作動状況に関する情報を取得可能な無線通信の電池を必要としない電池レスセンサ(エネルギーハーベスティング型センサ)である。すなわち、各教室において、施錠状態検出機器4と、温湿度センサ5と、CO2濃度センサ6と、人感センサ7と、照度センサ8と、がそれぞれ送受信機9に無線通信回線により接続されている。
【0038】
スマートリモコン1は、送受信機9から受信した操作情報に基づいて、空調機器2、照明機器3の作動状況を制御する遠隔制御装置の一例である。本実施形態におけるスマートリモコン1は、赤外線等の近距離無線通信によって空調機器2及び照明機器3を制御する。
【0039】
空調機器2は、例えばエアコンであって、スマートリモコン1からの操作情報を近距離無線通信によって受信し、受信した操作情報に基づいて空調機器2の作動状況が制御される。空調機器2の作動状況には、例えば動作モード、風量、設定温度、風向き、及び電源のオンオフ等が含まれる。また、空調機器2の動作モードには、例えば冷房、暖房、除湿等のモードが含まれる。
【0040】
照明機器3は、スマートリモコン1からの操作情報を近距離無線通信によって受信し、受信した操作情報に基づいて照明機器3の作動状況が制御される。照明機器3の作動状況には、例えば電源のオンオフ等が含まれる。
【0041】
施錠状態検出機器4は、教室の各窓に設置され、各窓の施錠状態を検出する。施錠状態検出機器4は、窓のノブが施錠位置へ移動されたときに施錠完了信号を発信して、送受信機9へ送信する。すなわち、施錠状態検出機器4は、窓の施錠状態を検出した場合には、即時に施錠完了信号を送受信機9へ送信する。また、施錠状態検出機器4は、施錠完了信号を例えば5分おきに検出して、検出結果を送受信機9へ送信する。
【0042】
温湿度センサ5は、各教室に設置され、教室内の温度と湿度を例えば5分おきに検出して、検出結果を送受信機9へ送信する。なお、温湿度センサ5として、温度センサと湿度センサであって、それぞれ別のセンサを用いてもよい。
【0043】
CO2濃度センサ6は、各教室に設置され、教室内のCO2濃度を例えば5分おきに検出して、検出結果を送受信機9へ送信する。
【0044】
人感センサ7は、各教室に設置され、教室内で人に反応して検出したときに、送受信機9へ送信する。すなわち、人感センサ7は、教室内で人を検出した場合には、即時に検出結果を送受信機9へ送信する。また、人感センサ7は、教室内の空室状況を例えば3分おきに検出して、検出結果を送受信機9へ送信する。
【0045】
照度センサ8は、各教室の照明機器3に設置される。照度センサ8は、教室内の照明機器3の電源のオンオフを例えば5分おきに検出して、検出結果を送受信機9へ送信する。
【0046】
すなわち、送受信機9は、温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8、及び施錠状態検出機器4による検出結果を、それぞれ予め設定された間隔又は予め設定されたタイミングで受信して、インターネット30を介してサーバ10へ送信する。
【0047】
また、送受信機9は、サーバ10から操作情報を受信して、受信した操作情報をスマートリモコン1へ送信する。
【0048】
サーバ10は、各教室に設置された温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8により取得された温度、湿度、CO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照明機器3の作動状況に関する情報、教室の空室状況に関する情報、及び、施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報を各教室の送受信機9からそれぞれ受信して記憶し、一元管理する施設管理装置である。
【0049】
操作端末20は、ユーザである管理者が操作する情報機器の一例であり、例えばタブレット端末、PC端末、携帯端末等を用いることができる。管理者は、操作端末20に表示された情報を確認し、インターネット30を介してサーバ10により、空調機器2及び照明機器3に対する指示である操作情報を、全ての教室のスマートリモコン1又はある特定の教室のスマートリモコン1に送信することができる。また、管理者は、操作端末20により、全ての教室又は特定の教室の空調機器2及び照明機器3の作動条件を設定して、インターネット30を介してサーバ10に記憶させることができる。
【0050】
先ず、本実施形態のサーバ10のハードウェア構成を
図2に示す。
【0051】
サーバ10は、
図2に示されるように、CPU11、メモリ12、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶部としての記憶装置13、通信インタフェース(IF)14と、を有する。これらの構成要素は、制御バス15を介して互いに接続されている。通信IF14は、インターネット30及び各教室の送受信機9を介して、各教室に設置された空調機器2、照明機器3、施錠状態検出機器4、温湿度センサ5、CO
2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8等との間でデータの送信及び受信を行うように構成されている。また、通信IF14は、操作端末20との間でデータの送信及び受信を行うように構成されている。
【0052】
CPU11は、メモリ12又は記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、サーバ10の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12又は記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD(Compact Disc)-ROM及びDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信IF14に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0053】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現されるサーバ10の機能構成を示すブロック図である。
【0054】
本実施形態のサーバ10は、
図3に示されるように、制御部21と、データ送受信部22と、データ記憶部23とを備えている。すなわち、制御部21、データ送受信部22、及びデータ記憶部23は、サーバ10上に構成されている。
【0055】
データ送受信部22は、インターネット30を介して操作端末20又は各教室内に設置された送受信機9との間でデータの送信及び受信を行う。なお、送受信機9は、各教室内に設置する場合に限らず、廊下や、フロア等の、各教室に設置された空調機器2、照明機器3、施錠状態検出機器4、温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8等との間でデータの送受信可能な範囲に設置することができる。
【0056】
データ送受信部22は、各教室に設置された温湿度センサ5、CO2濃度センサ6、人感センサ7、照度センサ8により取得された温度、湿度、CO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照明機器3の作動状況に関する情報、教室の空室状況に関する情報、及び、施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報を、送受信機9を介して無線通信回線により受信する受信部として用いられる。また、データ送受信部22は、操作端末20から操作端末20において設定された設備機器の操作情報又は作動条件に関する情報を受信する。
【0057】
データ記憶部23は、取得情報記憶部34、作動条件記憶部35及び操作情報記憶部36を備えている。
【0058】
取得情報記憶部34には、複数の教室にそれぞれ設置された温湿度センサ5により取得された温度と湿度、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照度センサ8により取得された照明機器3の作動状況に関する情報、人感センサ7により取得された教室の空室状況に関する情報、及び施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報が、それぞれの教室に対応づけて記憶される。
【0059】
作動条件記憶部35には、複数の教室にそれぞれ設置された空調機器2、照明機器3、施錠状態検出機器4の作動条件が、それぞれの教室に対応づけて記憶されている。具体的には、各教室における温度設定範囲、湿度設定範囲、CO2濃度の設定範囲、空調機器2、照明機器3及び施錠状態検出機器4の制御設定時間等が記憶されている。
【0060】
例えば、作動条件記憶部35には、温度に応じた空調機器2の制御の作動条件が記憶されている。すなわち、作動条件記憶部35には、冷房モードにおいて、温湿度センサ5により取得された温度が設定範囲を超えた場合に、冷房を起動し、設定範囲を下回った場合に冷房を停止にする設定や、暖房モードにおいて、取得された温度が設定範囲を下回った場合に、暖房を起動し、設定範囲を超えた場合に暖房を停止する設定が記憶されている。
【0061】
また、作動条件記憶部35には、温湿度センサ5により取得された温度と湿度、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照度センサ8により取得された照明機器3の作動状況に関する情報、人感センサ7により取得された教室の空室状況に関する情報、及び施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報に応じた表示設定が記憶されている。
【0062】
また、作動条件記憶部35には、各教室の空室状況による空調機器2や照明機器3の制御設定が記憶されている。また、作動条件記憶部35には、過電流を抑制するために、複数の教室において空調機器2を一括稼働させないで、複数の教室の空調機器2を複数回に分けて稼働させるようにする作動条件が記憶されている。
【0063】
操作情報記憶部36には、複数の教室にそれぞれ設置された空調機器2、照明機器3等を操作するための操作情報が記憶される。
【0064】
制御部21は、サーバ10の動作を制御していて、判定部31、操作情報決定部32及び表示制御部33を備えている。
【0065】
判定部31は、取得情報記憶部34に記憶された複数の教室にそれぞれ設置された温湿度センサ5により取得された温度と湿度、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照度センサ8により取得された照明機器3の作動状況に関する情報、人感センサ7により取得された教室の空室状況に関する情報、及び施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報と、作動条件記憶部35に記憶された空調機器2、照明機器3及び施錠状態検出機器4の作動条件と、を比較する。そして、判定部31は、各教室に設置された温度と湿度、CO2濃度等の環境情報が、予め設定された範囲内か否か、空調機器2と照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況が、予め設定された状況か否かを判定する。
【0066】
そして、判定部31は、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度が予め設定された範囲内にない、又は受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、又は窓の施錠状況が予め設定された状況にないと判定された場合には、制御する設備機器があるか否かを判定する。
【0067】
操作情報決定部32は、判定部31により、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度が予め設定された範囲内にない、又は受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、又は窓の施錠状況が予め設定された状況にないと判定された場合であって、制御する設備機器がある場合には、取得情報記憶部34に記憶された温度、湿度、CO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照明機器3の作動状況に関する情報、教室の空室状況に関する情報、又は窓の施錠状況に関する情報と、作動条件記憶部35に記憶された空調機器2又は照明機器3の作動条件と、に基づいて、制御する空調機器2又は照明機器3の操作情報を決定し、操作情報記憶部36に記憶されている操作情報を、決定された操作情報に更新する。
【0068】
表示制御部33は、操作端末20において表示される画面の制御を行う。
【0069】
例えば、表示制御部33は、判定部31により、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度が予め設定された範囲内にある、又は受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、又は窓の施錠状況が予め設定された状況にあると判定された場合には、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度、受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況を、そのまま操作端末20に表示(以下、通常表示と記す)するように制御する。
【0070】
また、表示制御部33は、判定部31により、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度が予め設定された範囲内にない、又は受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況が予め設定された状況にないと判定された場合には、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度、受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況を、操作端末20に警告表示するように制御する。
【0071】
ここで、警告表示とは、通常表示と異なる表示を言い、通常表示と異なる色の表示や、点滅表示を含む。また、例えば、予め設定された範囲を超えている場合には赤、予め設定された範囲を下回っている場合には青で表示する等の、予め設定された範囲を超えている場合と、下回っている場合と、で異なる色を用いて表示するようにしてもよい。これにより、操作端末20の操作画面により、予め設定された範囲を超えているのか、下回っているのかを管理者に容易に気づかせることができる。
【0072】
すなわち、表示制御部33は、受信した教室の温度、湿度又はCO2濃度、受信した教室の空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況が、予め設定された範囲にない又は予め設定された状況にないことを、管理者が認識可能なように操作端末20に表示するように制御する。
【0073】
具体的には、表示制御部33は、特定の教室における温度、湿度又はCO2濃度が、予め設定された範囲内にない場合、予め設定された範囲内にないことを示す警告表示を操作端末20に表示するように制御する。例えば、教室内のCO2濃度が予め設定された範囲を超えて高い場合に、教室内のCO2濃度が高いことを示す警告表示を操作端末20に表示するように制御する。このようにして、教室内の換気を促すことにより、生徒の集中力の低下を抑制することができる。
【0074】
また、表示制御部33は、データ送受信部22により、予め設定された時間帯に、施錠状態検出機器4による窓の施錠完了信号を受信していない場合には、当該窓が施錠されていないことを示す警告表示を操作端末20に表示するように制御する。このとき、表示制御部33は、教室内の窓の位置を特定可能なように表示するようにしてもよい。
【0075】
また、操作情報決定部32は、データ送受信部22により、予め設定された時間帯に、照度センサ8により教室内の照明機器3の点灯を検出したことを受信し、人感センサ7により当該教室内が空室状況にあることを受信した場合には、当該教室における照明機器3を消灯する操作情報を決定して、操作情報記憶部36に記憶させて操作情報を更新する。
【0076】
また、データ送受信部22は、操作情報記憶部36に記憶された空調機器2及び照明機器3を制御するための操作情報を、インターネット30を介して送受信機9に送信する送信部として用いられる。
【0077】
次に、本実施形態の操作端末20のハードウェア構成を
図4に示す。
【0078】
操作端末20は、
図4に示されるように、CPU41、メモリ42、HDD等の記憶装置43、表示部としての表示装置44、通信IF45を有する。これらの構成要素は、制御バス46を介して互いに接続されている。通信IF45は、インターネット30を介してサーバ10や他の外部の装置等との間でデータの送受信を行う。
【0079】
CPU41は、メモリ42又は記憶装置43に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、操作端末20の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU41は、メモリ42又は記憶装置43内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明したが、これに限定されるものではない。この制御プログラムをコンピュータ読取可能な記録媒体に記録した形態で提供してもよい。例えば、このプログラムをCD-ROM及びDVD-ROM等の光ディスクに記録した形態、若しくはUSBメモリ及びメモリカード等の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。また、この制御プログラムを、通信IF45に接続された通信回線を介して外部装置から取得するようにしてもよい。
【0080】
図5は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される操作端末20の機能構成を示すブロック図である。
【0081】
本実施形態の操作端末20は、
図5に示されるように、制御部51と、データ送受信部52と、データ記憶部53とを備えている。
【0082】
データ送受信部52は、サーバ10や他の外部の装置等との間でデータの送受信を行う。具体的には、データ送受信部52は、サーバ10から、取得情報記憶部34に記憶された情報を受信する。すなわち、各教室における温度、湿度、CO2濃度、空調機器2及び照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況に関する情報を受信する。
【0083】
データ記憶部53には、各種情報が記憶されている。
【0084】
制御部51は、操作端末20の動作を制御していて、操作情報設定部61、作動条件設定部62及び表示制御部63を備えている。
【0085】
表示制御部63は、サーバ10の表示制御部33により制御される。表示制御部63は、各教室における温度、湿度、CO2濃度、空調機器2及び照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況に関する情報等の各種情報を表示するように制御する。
【0086】
操作情報設定部61は、各教室に設置された空調機器2、照明機器3等の設備機器の操作情報を設定する。
【0087】
作動条件設定部62は、各教室に設置された空調機器2及び照明機器3の作動条件を設定する。具体的には、管理者は、作動条件設定部62により、空調機器2及び照明機器3の自動制御を実行する時間帯を設定したり、人感センサ7による在席空室検知による制御設定をすることができる。また、管理者は、作動条件設定部62により、受信した温度に応じた空調機器2の制御の作動条件を設定することができる。すなわち、管理者は、作動条件設定部62により、冷房モードにおいて、受信した温度が設定範囲を超えた場合に、冷房を起動し、設定範囲を下回った場合に冷房を停止にする設定や、暖房モードにおいて、受信した温度が設定範囲を下回った場合に、暖房を起動し、設定範囲を超えた場合に暖房を停止する設定をすることができる。
【0088】
そして、データ送受信部52は、操作情報設定部61又は作動条件設定部62により空調機器2又は照明機器3の操作情報又は作動条件が設定された場合には、設定された空調機器2又は照明機器3の、操作情報又は作動条件に関する情報をサーバ10へ送信する。
【0089】
図6及び
図7は、操作端末20に表示される表示画面の一例を示す図である。
図6は、1年1組の環境情報表示画面を示す。
図7は、1年1組の空調制御設定画面を示す。環境情報表示画面と空調制御設定画面とは、操作画面におけるタブ64又はタブ65をタップ(押下ともいう)することによって切り換えることができる。また、複数の教室のうち、特定の教室をタップして選択することによって、選択された教室の環境情報表示画面又は空調制御設定画面を表示させることができる。
【0090】
図6に示されるように、操作端末20の環境情報表示画面には、1年1組の教室内の温度と湿度、CO
2濃度、1時間当たりの電力量、CO
2排出量、電気代等が表示される。また、教室内のイラストに、空調機器2と照明機器3の作動状況、空室状況、各窓の施錠状況が重ねて表示される。すなわち、管理者は、環境情報表示画面において教室内の環境情報や設備機器の作動状況を一目で確認することができる。
【0091】
図7に示されるように、操作端末20の空調制御設定画面には、1年1組の教室の空調機器2の操作画面が表示される。具体的には、空調制御設定画面において、1年1組の空調機器2の電源のオンオフ、運転切替、温度設定、風量設定等を行うことができる。また、空調機器2の自動制御を行う時間帯や、人感センサ7による空調機器2の電源のオンオフ等を設定することができる。また、空調制御設定画面と同様に、照明制御設定画面において、照明機器3の電源のオンオフ、照明機器3の自動制御を行う時間帯、人感センサ7による照明機器3の電源のオンオフ等を設定することができる。
【0092】
また、全教室を選択して、空調制御設定画面において、学校内の全教室における空調機器2の電源のオンオフ、運転切替、温度設定、風量設定等を行うことができる。また、空調機器2の自動制御を行う時間帯や、人感センサ7による空調機器2の電源のオンオフを設定することができる。また、照明制御設定画面において、照明機器3の電源のオンオフ、照明機器3の自動制御を行う時間帯、人感センサ7による照明機器3の電源のオンオフ等を設定することができる。
【0093】
すなわち、管理者は、操作端末20により、複数の教室における各種情報を確認し、複数の教室における空調機器2又は照明機器3の操作情報又は作動条件をそれぞれ設定し、操作することができる。つまり、管理者は、操作端末20により、複数の教室における各種情報を確認し、複数の教室における空調機器2又は照明機器3の操作情報を一括設定し、一括操作することができる。また、管理者は、操作端末20により、複数の教室において空調機器2又は照明機器3を一括稼働させないで、複数回に分けて稼働させる設定をすることができる。これにより、一度に流れる電流の容量が大きくなって過電流となってしまうことを抑制することができる。すなわち、電線の劣化を抑制することができる。
【0094】
次に、本実施形態のサーバ10の動作の一例について
図8~
図10を用いて説明する。
図8は、サーバ10の動作を示すフローチャートである。
図9は、全教室の環境情報等を表示する環境モード表示画面の一例を示す図である。
図10は、全教室の窓の施錠状況等を表示する施錠モード表示画面の一例を示す図である。環境モード表示画面と施錠モード表示画面とは、操作端末20の操作画面におけるタブ66又はタブ67をタップすることによって切り換えることができる。
【0095】
まず、ステップS101において、制御部21は、複数の教室にそれぞれ設置された温湿度センサ5により取得された温度と湿度、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度等の環境情報、空調機器2の作動状況に関する情報、照度センサ8により取得された照明機器3の作動状況に関する情報、人感センサ7により取得された教室の空室状況に関する情報、及び施錠状態検出機器4により取得された窓の施錠状況に関する情報等の設備機器の作動状況に関する情報を、送受信機9からデータ送受信部22により受信して、取得情報記憶部34に記憶させる。
【0096】
次に、ステップS102において、制御部21は、判定部31により、受信した温度、湿度、CO2濃度等の環境情報が予め設定された範囲内か否か、受信した空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況が、予め設定された状況か否かを、作動条件記憶部35に記憶された空調機器2、照明機器3及び施錠状態検出機器4の作動条件に基づいて判定する。
【0097】
そして、ステップS102において、制御部21は、判定部31により、受信した温度、湿度、CO
2濃度等の環境情報が予め設定された範囲内である、又は受信した空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況が、予め設定された状況であると判定された場合には、ステップS103において、
図9及び
図10に示されるように、取得情報記憶部34に記憶された温度、湿度、CO
2濃度等の環境情報と、空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況を、操作端末20の表示装置44に通常表示するように制御する。
【0098】
また、ステップS102において、制御部21は、判定部31により、受信した温度、湿度、CO
2濃度等の環境情報が予め設定された範囲内にない、又は受信した空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況が、予め設定された状況にないと判定された場合には、ステップS104において、
図9及び
図10に示されるように、取得情報記憶部34に記憶された温度、湿度、CO
2濃度等の環境情報と、空調機器2の作動状況、照明機器3の作動状況、教室の空室状況、窓の施錠状況等の設備機器の作動状況を、操作端末20の表示装置44に警告表示するように制御する。また、
図11に示されるように、操作画面の最前面にポップアップして警告表示するように制御してもよい。
【0099】
具体的には、例えば、温湿度センサ5により取得された温度や湿度が設定範囲を超えている場合や設定範囲を下回っている場合、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度が設定範囲を超えている場合や下回っている場合に、温湿度センサ5により取得された温度や湿度、CO2濃度センサ6により取得されたCO2濃度を赤字で警告表示するように制御する。
【0100】
また、条件設定による制御を8時から15時に設定した場合に、15時以降、翌朝8時までに人感センサ7により人が検出された場合には、教室の空室状況が予め設定された状況にないものと判定される。また、15時以降、翌朝8時までに空調機器2や照明機器3の電源がオフとなっていない場合には、空調機器2や照明機器3の作動状況が予め設定された状況にないものと判定される。また、15時以降翌朝8時までに施錠状態検出機器4により施錠完了信号が受信されていない窓がある場合には、窓の施錠状況が予め設定された状況にないものと判定される。つまり、予め設定された時間帯に、施錠状態検出機器4により施錠完了信号を受信していない場合に、窓の施錠状況が予め設定された状況にないものと判定されて、施錠されていない窓があることを、
図11に示されるように、表示画面の最前面にポップアップして警告表示するように制御してもよい。
【0101】
次に、ステップS105において、制御部21は、判定部31により、制御する設備機器があるか否かを判定する。
【0102】
そして、ステップS105において、制御する設備機器がないと判定された場合には、処理を終了する。
【0103】
また、ステップS105において、制御する設備機器があると判定された場合には、ステップS106に進む。ステップS106において、制御部21は、操作情報決定部32により、取得情報記憶部34に記憶された温度、湿度、CO2濃度、空調機器2の作動状況に関する情報、照明機器3の作動状況に関する情報、教室の空室状況に関する情報、又は窓の施錠状況に関する情報と、作動条件記憶部35に記憶された空調機器2又は照明機器3の作動条件と、に基づいて、制御する空調機器2又は照明機器3の操作情報を決定し、操作情報記憶部36に記憶されている操作情報を、決定された操作情報に更新する。そして、更新された操作情報を、インターネット30を介して対応する教室の送受信機9に送信する。
【0104】
そして、送受信機9は、スマートリモコン1を介して操作情報記憶部36に記憶された操作情報に基づいて空調機器2及び照明機器3の動作を制御する。
【0105】
なお、操作端末20では、操作情報設定部61により操作情報を設定することができる。また、操作端末20では、作動条件設定部62により作動条件を設定することができる。具体的には、例えばステップS104において、操作画面に警告表示がされた場合に、操作情報設定部61により操作情報を設定してもよい。これにより、設定された操作情報をサーバ10へ送信してサーバ10の操作情報記憶部36に記憶された操作情報を更新することができる。
【0106】
また、操作端末20では、学校内の全教室又は教室ごとの空調機器2の稼働状況である、空調機器2の稼働時間、電力使用量による電気料金、消費電力の計算値等を時間毎、日毎、月毎、年毎に切り換えて表示させることができる。これにより、教員等の意識改善を行わせることができる。
【0107】
図12は、本開示の第2実施形態における施設管理システム200の構成を示す図である。
【0108】
施設管理システム200では、スマートリモコン1を用いていない。すなわち、サーバ10から、各教室に設置された送受信機9を介して直接、無線通信回線により空調機器2又は照明機器3等の設備機器に操作情報を送信するよう構成されている。
【0109】
施設管理システム200においても、上述した実施形態の場合と同様に、複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。施設管理システム200においては、さらにスマートリモコン1を備える必要がなくなる。
【0110】
図13は、本開示の第3実施形態における施設管理システム300の構成を示す図である。
【0111】
施設管理システム300では、温湿度センサ5、人感センサ7等のセンサが備えられたセンサ付き空調機器71、照度センサ8、人感センサ7等のセンサが備えられたセンサ付き照明機器72を用いる。
【0112】
施設管理システム300においても、上述した実施形態の場合と同様に、複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。施設管理システム300では、さらに各教室内に設置するセンサの数を減らすことができる。
【0113】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0114】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0115】
以上のとおり本開示は、上記に記載していない様々な実施の形態等を含むとともに、本開示の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0116】
[変形例]
上記実施形態では、学校における複数の教室においてセンサで取得した情報と、複数の教室に設置された設備機器の操作を一元管理する場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、職員室、美術室、音楽室等の校舎内の各領域においてセンサで取得した情報と、校舎内の各領域における設備機器の操作を一元管理することができるものである。
【0117】
また、上記実施形態では、学校で用いる場合を用いて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、病院や、老人ホームや、オフィスビル等の施設においても本開示を同様に適用することができるものである。
【符号の説明】
【0118】
1 スマートリモコン
2 空調機器
3 照明機器
4 施錠状態検出機器
5 温湿度センサ
6 CO2濃度センサ
7 人感センサ
8 照度センサ
9 送受信機
10 サーバ
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース(IF)
15 制御バス
20 操作端末
21 制御部
22 データ送受信部
23 データ記憶部
30 インターネット
31 判定部
32 操作情報決定部
33 表示制御部
34 取得情報記憶部
35 作動条件記憶部
36 操作情報記憶部
41 CPU
42 メモリ
43 記憶装置
44 表示装置
45 通信IF
46 制御バス
51 制御部
52 データ送受信部
53 データ記憶部
61 操作情報設定部
62 作動条件設定部
63 表示制御部
64、65、66、67 タブ
71 センサ付き空調機器
72 センサ付き照明機器
100、200、300 施設管理システム
【要約】
【課題】複数の領域においてセンサで取得した情報と、複数の領域に設置された設備機器の操作を一元管理できる。
【解決手段】施設管理システムは、複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報をそれぞれ取得する複数のセンサと、前記複数のセンサにより取得された環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を受信する受信部と、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の作動条件を記憶する記憶部と、前記受信部が受信した環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報と、前記設備機器の作動条件とに基づいて、前記複数の領域にそれぞれ設置された設備機器の動作を制御する制御部と、前記受信部が受信した前記複数の領域における環境情報及び設備機器の作動状況に関する情報を表示部に表示する操作端末と、を備える。
【選択図】
図1