(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】材料搬送車、牽引機器、システム及び材料搬送車の双方向走行の制御方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240724BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20240724BHJP
B65G 1/10 20060101ALI20240724BHJP
B62B 5/04 20060101ALI20240724BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501C
B65G1/10 Z
B62B5/04 Z
(21)【出願番号】P 2023508063
(86)(22)【出願日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2021118061
(87)【国際公開番号】W WO2022089059
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-02-06
(31)【優先権主張番号】202011189222.4
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】シュエ,ニンボー
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジンシン
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-147606(JP,A)
【文献】特開平11-171010(JP,A)
【文献】特開2009-061908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0281178(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111376649(CN,A)
【文献】中国実用新案第211001598(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
B65G 1/10
B62B 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料搬送車であって、
前記材料搬送車は牽引機器によって駆動され、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと
、前記牽引機器とドッキングするための前側牽引インターフェース及び後側牽引インターフェースと、を含み、前記ロック解除コンポーネントと、前記複数の前側キャスターと、前記複数の後側キャスターは、いずれも前記車体の底部と接続し、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、
前記車体は、目標物体を置くために用いられ、
前記ロック解除コンポーネントは、
前記牽引機器の牽引によって前記材料搬送車を駆動して第1方向に沿って走行させるように、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除
して前記複数の前側キャスターを駆動輪とさせるために用いられ
、
前記ロック解除コンポーネントはさらに、
前記牽引機器の牽引によって前記材料搬送車を駆動して第2方向に沿って走行させるように、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除
して前記複数の後側キャスターを駆動輪とさせるために用いられ
、前記第1方向は、前記第2方向と対向する、
材料搬送車。
【請求項2】
前記材料搬送車はさらに、前側ロック装置と、後側ロック装置と、を含み、
前記前側ロック装置は、前記複数の前側キャスターと接続し、前記複数の前側キャスターを水平回転方向でロック状態にさせるように制御するために用いられ、
前記後側ロック装置は、前記複数の後側キャスターと接続し、前記複数の後側キャスターを水平回転方向でロック状態にさせるように制御するために用いられる、
請求項1に記載の材料搬送車。
【請求項3】
前記ロック解除コンポーネントは、前側連接棒装置と、後側連接棒装置と、を含み、
前記前側連接棒装置は、前記前側ロック装置と接続し、前記前側ロック装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、
前記後側連接棒装置は、前記後側ロック装置と接続し、前記後側ロック装置を前に向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられる、
請求項2に記載の材料搬送車。
【請求項4】
前記前側牽引インターフェースは、前記前側連接棒装置と接続し、牽引機器とドッキングし、且つ、前記牽引機器が第1方向に沿って走行しているときに、前記前側連接棒装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、
前記後側牽引インターフェースは、前記後側連接棒装置と接続し、牽引機器とドッキングし、且つ、前記牽引機器が第2方向に沿って走行しているときに、前記後側連接棒装置を前に向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられる、
請求項3に記載の材料搬送車。
【請求項5】
牽引機器であって、少なくとも車体と、牽引コンポーネントと、を含み、前記牽引コンポーネントは、前記車体の頂部と接続し、
前記牽引コンポーネントは、材料搬送車とドッキングした後、前記材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように制御し、又は、前記材料搬送車を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられ、
前記材料搬送車は請求項1ないし4のいずれか1項に記載の材料搬送車である、
牽引機器。
【請求項6】
前記牽引コンポーネントは、前記材料搬送車の前側牽引インターフェースとドッキングした後、前記材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように制御するために用いられ、又は、
前記牽引コンポーネントはさらに、前記材料搬送車の後側牽引インターフェースとドッキングした後、前記材料搬送車を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられる、
請求項5に記載の牽引機器。
【請求項7】
材料搬送車システムであって、少なくとも請求項1ないし4のいずれか1項に記載の材料搬送車と、請求項5ないし6のいずれか1項に記載の牽引機器と、を含み、
前記牽引機器は、前記材料搬送車を牽引して第1方向に沿って走行させるために用いられ、さらに、前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行った後、前記材料搬送車を牽引して第2方向に沿って走行させるために用いられ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する、
材料搬送車システム。
【請求項8】
材料搬送車の双方向走行の制御方法であって、材料搬送車システムに適用され、前記材料搬送車システムは、牽引機器と、材料搬送車と、を含み、前記材料搬送車は、少なくともロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、前記方法は、
前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御するステップと、
前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させるステップであって、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向する、ステップと、を含む、
方法。
【請求項9】
前記目標方向が前記第1方向である場合、前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御するステップは、
前記牽引機器の牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の前側牽引インターフェースとドッキング操作を行うステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御するステップは、
前記ロック解除コンポーネントが前記材料搬送車の前側ロック装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するステップを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させるように前記牽引機器を制御した後、前記方法はさらに、
前記材料搬送車が目標位置に到着したときに、ドッキング解除操作を行うように前記牽引コンポーネントと前記前側牽引インターフェースを制御し、前記前側ロック装置をリリースするように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記複数の前側キャスターをロック状態に回復させるステップを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記前側ロック装置をリリースするように前記ロック解除コンポーネントを制御した後、前記方法はさらに、
前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行うように前記牽引機器を制御するステップと、
前記牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の後側牽引インターフェースとドッキング操作を行い、前記牽引機器を前記第2方向に沿って走行させるように制御するステップと、
前記牽引機器が前記第2方向に沿って走行しているときに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記第2方向に沿って走行させるステップと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータに請求項8ないし12のいずれか1項に記載の方法のステップを実現させる、コンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2020年10月30日に中国特許局に提出された、出願番号が202011189222.4であり、発明の名称が「材料搬送車、牽引機器、システム及び材料搬送車の双方向走行の制御方法」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容の全てが引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、材料の倉庫保管技術の分野に関し、特に、材料搬送車、牽引機器、システム及び材料搬送車の双方向走行の制御方法、並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
材料搬送車(又は材料車)は、短距離で生産用材料を搬送する装置である。物流の自動化に伴い、一般的に、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)を採用して材料搬送車を牽引し、貨物の搬送を行う。現在、AGVは、機能的に単方向走行式と双方向走行式に分けられる。相関技術において、現在、単方向走行式のAGVは、材料搬送車を牽引して単一方向に向かって前進させることしかできず、材料搬送車が双方向に走行する必要がある場面に適用することができない。しかしながら、双方向走行式のAGVは、材料搬送車を牽引して2つの対向方向に沿って前進させることができるが、双方向走行式のAGVはコストが高く、実際に広く使用されていない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、材料搬送車、牽引機器、システム及び材料搬送車の双方向走行の制御方法と記憶媒体を提供する。材料搬送車に対して、ロック解除コンポーネントによって、複数の前側キャスター又は複数の後側キャスターのロック状態を解除することができ、それによって、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
【0005】
本開示の技術的解決策は、以下のように実現される。
第1態様において、本開示の実施例は、材料搬送車を提供し、該材料搬送車は、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、前記ロック解除コンポーネントと、前記複数の前側キャスターと、前記複数の後側キャスターは、いずれも前記車体の底部と接続し、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、
車体は、目標物体を置くために用いられ、
ロック解除コンポーネントは、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の前側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第1方向に沿って走行させ、
ロック解除コンポーネントはさらに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の後側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第2方向に沿って走行させ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0006】
第2態様において、本開示の実施例は、牽引機器を提供し、該牽引機器は、少なくとも車体と、牽引コンポーネントと、を含み、前記牽引コンポーネントは、前記車体の頂部と接続し、
牽引コンポーネントは、材料搬送車とドッキングした後、前記材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように制御し、又は、前記材料搬送車を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられる。
【0007】
第3態様において、本開示の実施例は、材料搬送車システムを提供し、該材料搬送車システムは、少なくとも第1態様に記載の材料搬送車と、第2態様に記載の牽引機器と、を含み、
牽引機器は、前記材料搬送車を牽引して第1方向に沿って走行させるために用いられ、さらに、前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行った後、前記材料搬送車を牽引して第2方向に沿って走行させるために用いられ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0008】
第4態様において、本開示の実施例は、材料搬送車の双方向走行の制御方法を提供し、材料搬送車システムに適用され、前記材料搬送車システムは、牽引機器と、材料搬送車と、を含み、前記材料搬送車は、少なくともロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、該方法は、
前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御するステップと、
前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させるステップであって、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向するステップと、を含む。
【0009】
第5態様において、本開示の実施例は、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムが実行されるときに、第4態様に記載の方法のステップを実現させる、コンピュータ記憶媒体。
【発明の効果】
【0010】
本開示の実施例は、材料搬送車、牽引機器、システム及び材料搬送車の双方向走行の制御方法と記憶媒体を提供する。該材料搬送車は、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、前記ロック解除コンポーネントと、前記複数の前側キャスターと、前記複数の後側キャスターは、いずれも前記車体の底部と接続し、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、前記車体は、目標物体を置くために用いられ、前記ロック解除コンポーネントは、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の前側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第1方向に沿って走行させ、前記ロック解除コンポーネントはさらに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の後側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第2方向に沿って走行させ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。こうすると、ロック解除コンポーネントによって、複数の前側キャスターのロック状態を解除し、複数の前側キャスターを駆動輪に変化させることができる。又は、材料搬送車に対して、ロック解除コンポーネントによって、複数の後側キャスターのロック状態を解除し、複数の後側キャスターを駆動輪に変化させることができる。それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】相関技術的解決策によって提供される低床型AGVの一例の写真概略図である。
【
図1B】相関技術的解決策によって提供される低床型AGVの別の一例の写真概略図である。
【
図1C】相関技術的解決策によって提供される低床型AGVのさらに別の一例の写真概略図である。
【
図1D】相関技術的解決策によって提供される低床型AGVのさらに別の一例の写真概略図である。
【0012】
【
図2】本開示の実施例によって提供される材料搬送車の一例の構造概略図である。
【
図3】本開示の実施例によって提供される材料搬送車の別の一例の構造概略図である。
【
図4】本開示の実施例によって提供される牽引機器の一例の構造概略図である。
【0013】
【
図5】本開示の実施例によって提供される材料搬送車システムの一例の構造概略図である。
【
図6】本開示の実施例によって提供される材料搬送車の双方向走行の制御方法の一例のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例によって提供される材料搬送車システムの応用場面の一例の概略図である。
【0014】
【
図8】本開示の実施例によって提供される材料搬送車システムの応用場面の別の一例の概略図である。
【
図9】本開示の実施例によって提供される制御装置の一例の構造概略図である。
【
図10】本開示の実施例によって提供される制御装置の一例の具体的なハードウェア構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本開示の実施例の図面を参照して、本開示の実施例の技術的解決策をさらに明確、完全に説明する。
自動誘導車、又は、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)又はAGV小車は、電磁又は光学などの自動誘導装置を備え、規定した誘導ルートに沿って走行することができ、安全保護や様々な移積載機能を備える搬送車である。産業の応用において、運転手の必要がない搬送車の動力源は、充電可能の蓄電池である。
【0016】
倉庫保管物流の領域において、生産製造において搬送するために多くの材料搬送車が使用される。しかしながら、業種に応じて材料搬送車のサイズが大きく異なるが、標準サイズのAGVを利用して材料搬送車を牽引し、自動搬送を行うことができる。
図1Aを参照すると、
図1Aは、相関技術的解決策によって提供される低床型AGVの一例の写真概略図を示す。
図1Bを参照すると、
図1Bは、相関技術的解決策によって提供される低床型AGVの別の一例の写真概略図を示す。
図1Cを参照すると、
図1Cは、相関技術的解決策によって提供される低床型AGVのさらに別の一例の写真概略図を示す。
図1Dを参照すると、
図1Dは、相関技術的解決策によって提供される低床型AGVのさらに別の一例の写真概略図を示す。即ち、
図1A~
図1Dのそれぞれは、メーカが違う4種類の低床型AGV小車の例示を示す。
図1A~
図1Dに示すように、低床型AGVの車体が小さく、材料搬送車の底部に潜り込んで材料搬送車を移動させるように牽引することができ、したがって、多数の材料搬送車のサイズに対応することができ、自動化物流において広く応用される。車体が相対的に標準化されているため、AGVの品質、コストは、より優位性があり、客先の生産製造又は機器のバージョンアップの際に、ただ対応する材料搬送車を新たに製造することで、AGVの再利用性を延長することができる。したがって、低床型AGVは、広く応用され、AGVメーカの主力タイプである。
【0017】
相関技術において、低床型AGVは、単方向走行式と双方向走行式に分けられる。単方向走行式のAGVは、材料搬送車を単一方向に向かって前進させるように牽引することしかできず、双方向走行式のAGVは、材料搬送車を2つの対向方向に沿って前進させるように牽引することができる。ここで、
(1)単方向走行式AGVは、コストが低いが、材料搬送車が双方向に走行する必要がある多くの場面には応用されることができない。したがって、単方向走行式AGVは、応用場面の制限がある。
(2)双方向走行式AGVは、材料搬送車を双方向に行進させるように牽引することができ、しかしながら、AGVのフロントとリアには、高価なレーザ、ビジョンなどの安全センサーを装備する必要があり、ひいては、2つの駆動モータをさらに装備する必要がある場合がある。したがって、ハードウェアのコストが高すぎ、客先の投資収益率が低くなる。
(3)AGVの安全レーザ角度の制約によって、牽引される材料搬送車の側面に、ある程度の死角が存在し、材料搬送車を牽引して曲がるときに、安全にリスクがある。
【0018】
上記に基づいて、本開示の実施例は、材料搬送車を提供し、該材料搬送車の基本的な思想は下記の通りである。材料搬送車は、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含むことができ、前記ロック解除コンポーネントと、前記複数の前側キャスターと、前記複数の後側キャスターは、いずれも前記車体の底部と接続し、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、前記車体は、目標物体を置くために用いられ、前記ロック解除コンポーネントは、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の前側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第1方向に沿って走行させ、前記ロック解除コンポーネントはさらに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の後側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第2方向に沿って走行させ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。こうすると、ロック解除コンポーネントによって、複数の前側キャスターのロック状態を解除し、複数の前側キャスターを駆動輪に変化させることができる。又は、ロック解除コンポーネントによって、複数の後側キャスターのロック状態を解除し、複数の後側キャスターを駆動輪に変化させることができる。それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
【0019】
以下では、図面を参照して、本開示の各実施例を詳細に説明する。
本開示の1つの実施例において、
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車10の一例の構造概略図を示す。
図2に示すように、該材料搬送車10は、車体101と、ロック解除コンポーネント102と、複数の前側キャスター103と、複数の後側キャスター104と、を含むことができ、前記ロック解除コンポーネント102と、前記複数の前側キャスター103と、前記複数の後側キャスター104は、いずれも前記車体101と接続し、且つ、前記複数の前側キャスター103と前記複数の後側キャスター104は、いずれもロック状態にあり、
車体101は、目標物体を置くために用いられ、
ロック解除コンポーネント102は、前記複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の前側キャスター103によって前記材料搬送車10を駆動して第1方向に沿って走行させ、
ロック解除コンポーネント102はさらに、前記複数の後側キャスター104の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の後側キャスター104によって前記材料搬送車10を駆動して第2方向に沿って走行させ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0020】
説明すべきこととして、
図2に示すように、材料搬送車10は、4つの部分からなり、それぞれが車体101、ロック解除コンポーネント102、複数の前側キャスター103と複数の後側キャスター104であり、ロック解除コンポーネント102と、複数の前側キャスター103と、複数の後側キャスター104は、いずれも材料搬送車10の底部に設置され、且つ、複数の前側キャスター103と複数の後側キャスター104は、いずれもロック状態にある。ここで、ロック状態は、水平回転を行うことができない状態を表し、即ち、複数の前側キャスター103と複数の後側キャスター104は、前方に又は後方に向かって転がって移動することができるが、自由に水平回転を行うことができない。理解可能なこととして、前側キャスター103と後側キャスター104の具体的な設置される個数は、実際の需要に応じて設定されることができ、一般的に、2つの前側キャスター103と2つの後側キャスター104を設置することができる。本開示の実施例において、“前方”と“後方”はいずれも相対方位であり、具体的に指定された絶対方位ではない。
【0021】
車体101は、目標物体を置くために用いられ、実際の応用場面に応じて、様々なサイズと様々なタイプで設計されることができ、例えば、オープン式、クローズ式、層式棚などが挙げられる。
ロック解除コンポーネント102は、車体101に設置され、複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態が解除された場合、複数の前側キャスター103は、駆動輪に相当し、複数の後側キャスター104は、進行方向固定輪に相当し、それによって、材料搬送車10は、第1方向に沿って走行することができる。
【0022】
ロック解除コンポーネント102はさらに、複数の後側キャスター104の水平回転方向のロック状態を解除することができ、複数の後側キャスター104のロック状態が解除された場合、複数の後側キャスター104は、駆動輪に相当し、複数の前側キャスター103は、進行方向固定輪に相当し、それによって、材料搬送車10は、第2方向に沿って走行することができる。ここで、第1方向は、第2方向と対向する。
【0023】
即ち、複数の前側キャスター103について、初期状態において、ロック状態にあり、水平回転を行うことができない。ロック解除コンポーネント102が複数の前側キャスター103のロック状態を解除した後、複数の前側キャスター103は、水平回転を行うことができ、このときに、複数の前側キャスター103は、駆動輪に相当し、複数の後側キャスター104は、進行方向固定輪に相当し、それによって、材料搬送車10は、前方に(第1方向に相当する)向かって走行することができる。
【0024】
同様に、複数の後側キャスター104について、初期状態において、ロック状態にあり、水平回転を行うことができない。ロック解除コンポーネント102が複数の後側キャスター104のロック状態を解除した後、複数の後側キャスター104は、水平回転を行うことができ、このときに、複数の後側キャスター104は、駆動輪に相当し、複数の前側キャスター103は、進行方向固定輪に相当し、それによって、材料搬送車10は、後方に(第2方向に相当する)向かって走行することができる。
【0025】
こうすると、材料搬送車10は、駆動輪と進行方向固定輪の相対位置を便利に変更することができ、それによって、ユーターンする必要がなく、材料搬送車10が2つの対向する方向に沿って走行できることが実現される。
【0026】
さらに、いくつかの実施例において、
図3を参照すると、
図3は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車の別の一例の構造概略図を示す。
図3に示すように、前記材料搬送車10はさらに、前側ロック装置105と、後側ロック装置106と、を含むことができ、
前側ロック装置105は、前記複数の前側キャスター103と接続し、前記複数の前側キャスター103を水平回転方向でロック状態にさせるように制御するために用いられ、
後側ロック装置106は、前記複数の後側キャスター104と接続し、前記複数の後側キャスター104を水平回転方向でロック状態にさせるように制御するために用いられる。
【0027】
説明すべきこととして、
図3に示すように、材料搬送車10はさらに、前側ロック装置105と、後側ロック装置106と、を含む。前側ロック装置105は、複数の前側キャスター103をロックし、それによって、ロック状態に入るように複数の前側キャスター103を制御するために用いられ、後側ロック装置106は、複数の後側キャスター104をロックし、それによって、ロック状態に入るように複数の後側キャスター104を制御するために用いられ。
【0028】
さらに説明すべきこととして、前側ロック装置105と後側ロック装置106の具体的な様態は、様々な種類を含み、キャスターの水平回転機能をロックすることができれば良い。例えば、キャスターの回転軸の外側のフォークをロックすることによって実現されても良く、キャスターの回転軸をロックすることによって実現されても良い。さらに、前側ロック装置105と後側ロック装置106の形式は、同じでも異なってもよい。
【0029】
さらに、いくつかの実施例において、
図3に示すように、前記ロック解除コンポーネント102は、前側連接棒装置1021と、後側連接棒装置1022と、を含むことができ、
前記前側連接棒装置1021は、前記前側ロック装置105と接続し、前記前側ロック装置105を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、
前記後側連接棒装置1022は、前記後側ロック装置106と接続し、前に向かって移動するように前記後側ロック装置106を制御し、それによって、前記複数の後側キャスター104の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられる。
【0030】
説明すべきこととして、
図3に示すように、ロック解除コンポーネントは、前側連接棒装置1021と、後側連接棒装置1022と、を含むことができる。ここで、前側連接棒装置1021は、前側ロック装置105と接続し、前側ロック装置105を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態を解除することができる。同様に、後側連接棒装置1022は、後側ロック装置106と接続し、前に向かって移動するように後側ロック装置106を制御し、それによって、前記複数の後側キャスター104の水平回転方向のロック状態を解除することができる。
【0031】
さらに説明すべきこととして、材料搬送車10は一般的に、牽引機器と接続する必要があり、それによって、牽引機器の牽引で指定された位置まで走行させる。したがって、いくつかの実施例において、
図3に示すように、前記材料搬送車10はさらに、前側牽引インターフェース107と、後側牽引インターフェース108と、を含むことができ、
前記前側牽引インターフェース107は、前記前側連接棒装置1021と接続し、牽引機器とドッキングし、且つ、前記牽引機器が第1方向に沿って走行しているときに、後ろに向かって移動するように前記前側連接棒装置1021を制御し、それによって、前記複数の前側キャスター103の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、
前記後側牽引インターフェース108は、前記後側連接棒装置1022と接続し、牽引機器とドッキングし、且つ、前記牽引機器が第2方向に沿って走行しているときに、前記後側連接棒装置1022を前に向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の後側キャスター104の水平回転方向のロック状態を解除するために用いられる。
【0032】
説明すべきこととして、牽引機器は、様々な種類の機器であり得、例えば、低床型AGV、牽引トレーラなどが挙げられ、牽引機器の牽引によって、材料搬送車10は、指定された方向に沿って走行することができる。一つの具体的な実施例において、牽引機器の体積は非常に小さく、材料搬送車10の底部空間で回転のユーターン操作を行うことができ、それによって、材料搬送車10を2つの対向する方向に沿って走行させるように牽引することができる。即ち、牽引機器は、材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように牽引した後、牽引機器は、材料搬送車10の底部空間でその場で180度回転し、ユーターン操作を遂行し、それによって、材料搬送車10を第2方向に向かって走行させるように牽引することができる。こうすると、牽引機器は、材料搬送車10の底部空間から出て他の空間を占めてユーターン操作を行う必要がなく、それによって、運輸通路の面積を節約する。
【0033】
牽引接続を遂行するため、牽引機器と材料搬送車10のそれぞれに、牽引接続のために用いられるコンポーネントが設置される必要がある。したがって、材料搬送車10はさらに、前側牽引インターフェース107と、後側牽引インターフェース108と、を含むことができる。
【0034】
前側牽引インターフェース107は、前側連接棒装置1021と接続し、前側牽引インターフェース107が牽引機器と接続するときに、前側連接棒装置1021は、前記複数の前側キャスター103のロック状態を解除し、それによって、材料搬送車10は、第1方向に向かって走行することができる。同様に、後側牽引インターフェース108は、後側連接棒装置1022と接続し、後側牽引インターフェース108が牽引機器と接続するときに、後側連接棒装置1022は、前記複数の後側キャスター104のロック状態を解除し、それによって、材料搬送車10は、第2方向に向かって走行することができる。
【0035】
さらに説明すべきこととして、前側牽引インターフェース107と後側牽引インターフェース108の具体的な実現形式は、様々な種類を含むことができ、例えば、牽引ホール、牽引バックル、牽引ポスト、牽引棒、可撓性部材などが挙げられ、牽引機器と牽引接続を遂行することができれば良い。さらに、前側牽引インターフェース107と後側牽引インターフェース108の具体的な実現形式は、同じでも異なってもよい。
【0036】
即ち、目標位置が材料搬送車10の第1方向に位置するときに、牽引機器は、前側牽引インターフェース107と接続し、牽引機器は、前側牽引インターフェース107によって、力を前側連接棒装置1021に伝え、それによって、前側連接棒装置1021は、前側ロック装置105を後ろに向かって移動させるように制御することができ、それによって、前側ロック装置105は、複数の前側キャスター103から脱離し、それによって、複数の前側キャスター103のロック状態を解除し、複数の前側キャスター103を駆動輪とさせ、複数の後側キャスター104を進行方向固定輪とさせ、そして、牽引機器は、材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように牽引する。
【0037】
目標位置が材料搬送車10の第2方向に位置するときに、牽引機器は、後側牽引インターフェース108と接続し、牽引機器は、後側牽引インターフェース108によって、力を後側連接棒装置1022に伝え、それによって、後側連接棒装置1022は、後側ロック装置106を前に向かって移動させるように制御することができ、それによって、後側ロック装置106は、複数の後側キャスター104から脱離し、それによって、複数の後側キャスター104のロック状態を解除し、複数の後側キャスター104を駆動輪とさせ、複数の前側キャスター103を進行方向固定輪とさせ、そして、牽引機器は、材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように牽引する。
【0038】
本開示の実施例は、材料搬送車を提供し、該材料搬送車は、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、前記ロック解除コンポーネントと、前記複数の前側キャスターと、前記複数の後側キャスターは、いずれも前記車体と接続し、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、前記車体は、目標物体を置くために用いられ、前記ロック解除コンポーネントは、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の前側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第1方向に沿って走行させ、前記ロック解除コンポーネントはさらに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、前記複数の後側キャスターによって前記材料搬送車を駆動して第2方向に沿って走行させ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。こうすると、ロック解除コンポーネントによって、複数の前側キャスターのロック状態を解除し、複数の前側キャスターを駆動輪に変化させることができる。又は、ロック解除コンポーネントによって、複数の後側キャスターのロック状態を解除し、複数の後側キャスターを駆動輪に変化させることができる。それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
【0039】
本開示の別の1つの実施例において、
図4を参照すると、
図4は、本開示の実施例によって提供される牽引機器20の一例の構造概略図を示す。
図4に示すように、前記牽引機器20は、車体202と、牽引コンポーネント201と、を含み、前記牽引コンポーネント201は、前記車体202の頂部と接続する。前記牽引コンポーネント201は、材料搬送車10とドッキングした後、前記材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように制御し、又は、前記材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられる。
【0040】
説明すべきこととして、牽引機器20は、上記構造の材料搬送車10を前進させるように牽引する動力機器である。牽引機器20は、牽引コンポーネント201を含み、牽引コンポーネント201によって、材料搬送車10とドッキングすることができ、そして、材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように制御し、又は、材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように制御する。ここで、牽引コンポーネント201の具体的な実現は、様々な種類があり、例えば、牽引棒、牽引ポスト、牽引ロープなどが挙げられる。
【0041】
さらに、いくつかの実施例において、前記牽引コンポーネント201は、前記材料搬送車10における前側牽引インターフェース107とドッキングした後、前記材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように制御するために用いられ、又は、
前記牽引コンポーネント201はさらに、前記材料搬送車10における後側牽引インターフェース108とドッキングした後、前記材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられる。
【0042】
説明すべきこととして、材料搬送車10は、2つの牽引インターフェースを含み、即ち、前側牽引インターフェース107と後側牽引インターフェース108である。牽引機器20の牽引コンポーネント201が前側牽引インターフェース107とドッキングを行うときに、牽引機器20は、材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように制御する。牽引機器20の牽引コンポーネント201が後側牽引インターフェース108とドッキングを行うときに、牽引機器20は、材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように制御する。
【0043】
本開示の実施例は、牽引機器を提供し、該牽引機器は、少なくとも車体と、牽引コンポーネントと、を含み、前記牽引コンポーネントは、前記車体の頂部と接続し、前記牽引コンポーネントは、材料搬送車とドッキングした後、前記材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように制御し、又は、前記材料搬送車を第2方向に沿って走行させるように制御するために用いられる。こうすると、牽引機器によって、材料搬送車を異なる方向に沿って走行させるように牽引することができる。
【0044】
本開示のさらに別の1つの実施例において、
図5を参照すると、
図5は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車システム30の一例の構造概略図を示す。
図5に示すように、該材料搬送車システムは、上記の材料搬送車10と牽引機器20を含み、
牽引機器20は、前記材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように牽引するために用いられ、さらに、前記材料搬送車10の底部空間で回転ユーターン操作を行った後、前記材料搬送車10を第2方向に沿って走行させるように牽引するために用いられ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0045】
説明すべきこととして、本開示の実施例によって提供される材料搬送車システム30は、材料搬送車10と、牽引機器20と、を含む。材料搬送車10の構造は上記を参照し、ここで繰り返すことはない。牽引機器20の体積は非常に小さく、材料搬送車10の底部空間で回転ユーターン操作を行うことができ、それによって、材料搬送車10を2つの対向する方向に沿って走行させるように牽引することができる。
【0046】
即ち、牽引機器20は、材料搬送車10を第1方向に沿って走行させるように牽引した後、牽引機器20は、材料搬送車10の底部空間でその場で180度回転し、ユーターン操作を遂行し、それによって、材料搬送車10を第2方向に向かって走行させるように牽引することができる。こうすると、牽引機器20は、材料搬送車10の底部空間から出て他の空間を占めてユーターン操作を行う必要がなく、それによって、運輸通路の面積を節約する。
【0047】
本開示の実施例は、材料搬送車システムを提供し、該材料搬送車システムは、上記の材料搬送車と、牽引機器と、を含み、牽引機器は、前記材料搬送車を牽引して第1方向に沿って走行させるために用いられ、さらに、前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行った後、前記材料搬送車を牽引して第2方向に沿って走行させるために用いられ、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。こうすると、牽引機器によって、材料搬送車を異なる方向に沿って走行させるように牽引することができ、そして、牽引機器は、材料搬送車の底部空間でユーターン操作を遂行することができ、他の空間を占める必要がなく、それによって、運輸通路の面積を節約する。
【0048】
上記の材料搬送車システム30の構造の例示に基づいて、
図6を参照すると、
図6は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車の双方向走行の制御方法の一例のフローチャートを示す。
図6に示すように、該方法は下記のステップを含むことができる。
ステップS401において、前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御する。
【0049】
説明すべきこととして、本開示の実施例における材料搬送車の双方向走行の制御方法は、上記の実施例で説明された材料搬送車システムに適用される。ここで、該物料システムにおいて、該牽引機器は、牽引コンポーネントを含み、該牽引コンポーネントによって、牽引機器は、材料搬送車と牽引接続を確立することができ、そして、牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御し、それによって、材料搬送車を走行させるように牽引する。
【0050】
ステップS402において、前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させる。
【0051】
説明すべきこととして、牽引機器が目標方向に向かって走行しているときに、牽引機器の牽引力は、目標キャスターのロック状態を解除するようにロック解除コンポーネントを制御することができ、それによって、目標キャスターを駆動輪とさせ、他のキャスターが進行方向固定輪になり、材料搬送車を目標方向に向かって走行させるように牽引する。
【0052】
さらに説明すべきこととして、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0053】
即ち、牽引機器が第1方向に向かって走行しているときに、牽引機器の牽引力は、複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するようにロック解除コンポーネントを制御することができ、それによって、前側キャスターは、自由に水平回転を行うことができ、駆動輪の役割を果たすことができ、それによって、材料搬送車が第1方向に向かって走行しているときに方向を制御することができる。牽引機器が第2方向に向かって走行しているときに、牽引機器の牽引力は、複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するようにロック解除コンポーネントを制御することができ、それによって、後側キャスターは、自由に水平回転を行うことができ、駆動輪の役割を果たすことができ、材料搬送車が後ろに向かって走行しているときに方向を制御することができる。ここで、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0054】
さらに、前記目標方向が前記第1方向である場合、いくつかの実施例において、前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御するステップは、
前記牽引機器の牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の前側牽引インターフェースとドッキング操作を行うステップを含むことができる。
【0055】
説明すべきこととして、牽引機器は、牽引コンポーネントを含み、材料搬送車は、前側牽引インターフェースを含み、牽引コンポーネントによって前側牽引インターフェースとドッキング操作を行い、それによって、材料搬送車と牽引機器の牽引接続を確立し、そして、牽引機器の牽引力によって複数の前側キャスターのロック解除操作を行い、それによって、牽引機器は、材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように牽引することができる。
【0056】
さらに、いくつかの実施例において、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御するステップは、
前記ロック解除コンポーネントが前記材料搬送車の前側ロック装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するステップを含むことができる。
【0057】
説明すべきこととして、材料搬送車に対して、前側ロック装置が複数の前側キャスターをロックしたため、複数の前側キャスターは、水平回転方向でロック状態にある。牽引機器が前側牽引インターフェースとドッキングした後、牽引機器は、第1方向に向かって走行し、このときに、牽引機器の牽引力は、まず、ロック解除コンポーネントが前側ロック装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除する。
【0058】
さらに、いくつかの実施例において、前記材料搬送車を駆動して目標方向に沿って走行させるように前記牽引機器を制御した後、前記方法はさらに、
前記材料搬送車が目標位置に到着したときに、ドッキング解除操作を行うように前記牽引コンポーネントと前記前側牽引インターフェースを制御し、前記前側ロック装置をリリースするように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記複数の前側キャスターをロック状態に回復させるステップを含むことができる。
【0059】
説明すべきこととして、第1方向に沿って走行して目標位置に到着するように材料搬送車を制御した後、牽引コンポーネントと前側牽引インターフェースの牽引接続を解除し、それによって、前側連接棒装置を反発させ、前側ロック装置をリリースすることによって、前側キャスターを回転ロック状態に回復させ、それによって、次回、材料搬送車が必要な走行方向に基づいて、前側キャスター/後側キャスターにロック解除操作を行うことに有利である。
【0060】
さらに、いくつかの実施例において、前記前側ロック装置をリリースするように前記ロック解除コンポーネントを制御した後、前記方法はさらに、
前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行うように前記牽引機器を制御するステップと、
前記牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の後側牽引インターフェースとドッキング操作を行い、前記牽引機器を前記第2方向に沿って走行させるように制御するステップと、
前記牽引機器が前記第2方向に沿って走行しているときに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記第2方向に沿って走行させるステップと、を含むことができる。
【0061】
説明すべきこととして、材料搬送車はさらに、後側牽引インターフェースを含み、主に牽引機器と牽引接続を確立するために用いられる。したがって、牽引機器が材料搬送車を第1方向に沿って目標位置まで牽引した後、前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行うように牽引機器を制御し、それによって、牽引機器は、後側牽引インターフェースとドッキングし、牽引接続を確立することができ、そして、牽引機器の牽引力によって複数の後側キャスターのロック解除操作を行う。
【0062】
さらに、第2方向に沿って走行して目標位置に到着するように材料搬送車を制御した後、牽引コンポーネントと後側牽引インターフェースの牽引接続を解除し、後側連接棒装置を反発させ、後側ロック装置をリリースし、それによって、後側キャスターを回転ロック状態に回復させる。こうすると、牽引機器が材料搬送車を牽引して第2方向に沿って走行させる必要があるときに、牽引コンポーネントによって後側牽引インターフェースとドッキングし、そして、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御することができ、それによって、前記複数の後側キャスターを駆動輪として、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記第2方向に沿って走行させるように制御する。
【0063】
こうすると、牽引機器の体積は非常に小さいため、材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行うことができ、それによって、材料搬送車を2つの対向する方向に沿って走行させるように牽引することができる。即ち、牽引機器は、材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように牽引した後、牽引機器は、材料搬送車の底部空間でその場で180度回転し、ユーターン操作を遂行し、それによって、材料搬送車を第2方向に向かって走行させるように牽引することができる。こうすると、牽引機器は、材料搬送車の底部空間から出て他の空間を占めてユーターン操作を行う必要がなく、それによって、運輸通路の面積を節約する。
【0064】
本開示の実施例は、材料搬送車の双方向走行の制御方法を提供し、材料搬送車システムに適用され、該材料搬送車システムは、牽引機器と、材料搬送車と、を含み、前記材料搬送車は、少なくともロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にある。前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御し、前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向し、前記目標キャスターによって、前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させるように前記牽引機器を制御する。こうすると、複数の前側キャスターにロック解除操作を行うことによって、複数の前側キャスターを進行方向固定輪から駆動輪に変化させることができ、又は、複数の後側キャスターにロック解除操作を行うことによって、複数の後側キャスターを進行方向固定輪から駆動輪に変化させることができる。したがって、材料搬送車は、駆動輪と進行方向固定輪の位置を変更することができ、それによって、単方向走行式のAGVによって該材料搬送車を牽引して双方向に走行することができ、単方向走行式のAGVの応用場面を拡張する。さらに、牽引機器は、材料搬送車の底部空間から出て他の空間を占めてユーターン操作を行う必要がなく、それによって、運輸通路の面積を節約する。
【0065】
本開示のさらに別の1つの実施例において、
図7を参照すると、
図7は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車システム30の応用場面の一例の概略図を示す。
図7に示すように、該応用場面は、材料搬送車10と、牽引機器20と、を含み、且つ、材料搬送車10と牽引機器20の間に牽引接続されている。ここで、牽引機器20のサイズは小さいが、牽引力が大きくて、即ち、牽引機器20は、高さと回転半径が小さく、材料搬送車10の底部において、回転及び自由な通り抜けが実現されることができる。
図7に示すように、牽引機器20の中心に、牽引コンポーネント201(具体的な実現形式は牽引棒である)が設置され、牽引コンポーネント201は、伸縮可能な構造であり、材料搬送車10を牽引する必要があるときに、牽引機器20は、材料搬送車10の底部に潜り込んで、牽引コンポーネント201は、上昇して材料搬送車10に合わせて設置される牽引インターフェースに挿入し、それによって、材料搬送車10の牽引が実現される。材料搬送車10を指定された位置まで搬送した後、牽引コンポーネント201は、降下して材料搬送車10の牽引インターフェースから脱出し、このときに、牽引機器20は、材料搬送車10と離れ、それによって、牽引機器20は、材料搬送車10の底部から出る。
【0066】
材料搬送車10の底部は、2つの前側キャスター103と、2つの後側キャスター104と、前側ロック装置105と、後側ロック装置106と、前側連接棒装置1021と、後側連接棒装置1022と、前側牽引インターフェース107と、後側牽引インターフェース108と、を含む。ここで、キャスターのフォークに錠口があり、ロック装置は、該錠口に係入することができ、それによって、キャスターが水平回転できないように制御する。ここで、前側ロック装置105/後側ロック装置106は、いずれも2つのサブロック装置を含み、それぞれは、各前側キャスター103/後側キャスター104をロックするために用いられる。即ち、材料搬送車10が単独で放置されるときに、前側ロック装置105/後側ロック装置106におけるサブロック装置は、対応するキャスターに係入し、それによって、材料搬送車10のキャスターは、いずれもロック状態にある。
【0067】
図8を参照すると、
図8は、本開示の実施例によって提供される材料搬送車システム30の応用場面の別の一例の概略図を示す。
図7と
図8に示すように、牽引機器20が材料搬送車10を牽引して前に向かって走行する必要があるときに、牽引コンポーネント201は、上昇して材料搬送車10の前側牽引インターフェース107に挿入し、牽引機器20が材料搬送車10を引っ張って前に向かって走行すると、牽引機器20の牽引力は、前側牽引インターフェース107によって前側連接棒装置1021に伝えられ、それによって、前側連接棒装置1021は、前側ロック装置105を引っ張って後ろに向かって移動し、それによって、前側ロック装置105におけるサブロック装置は、対応する前側キャスター103の錠口から脱離し、それによって、前側キャスター103が水平回転を行うことができる。こうすると、2つの前側キャスター103は、駆動輪になり、2つの後側キャスター104は、進行方向固定輪になり、それによって、牽引機器20は、材料搬送車10を牽引して前に向かって走行させることができる。ここで、前側キャスター103が車体方向との角度がある場合、サブロック装置は、対応する錠口に係入することができず、前側キャスター103が車体方向と一致するように回転するまで待機してから、サブロック装置が、対応する錠口に係入することができ、このときに、複数の前側キャスター103は、再びロック状態にある。
【0068】
同様に、牽引機器20が材料搬送車10を牽引して後に向かって走行する必要がある場合、牽引コンポーネント201は、上昇して材料搬送車10の後側牽引インターフェース108に挿入し、牽引機器20が材料搬送車10を引っ張って後に向かって走行すると、牽引機器20の牽引力は、後側牽引インターフェース108によって後側連接棒装置1022に伝えられ、それによって、後側連接棒装置1022は、後側ロック装置106を引っ張って前に向かって移動し、それによって、後側ロック装置106におけるサブロック装置は、対応する後側キャスター104の錠口から脱離し、それによって、後側キャスター104が水平回転を行うことができる。こうすると、2つの後側キャスター104は、駆動輪になり、2つの前側キャスター103は、進行方向固定輪になり、それによって、牽引機器20は、材料搬送車10を牽引して後に向かって走行させることができる。指定された位置に到着した後、牽引コンポーネント201は、降下して後側牽引インターフェース108から脱出し、それによって、後側ロック装置106におけるサブロック装置は、再び後側キャスター104をロックする。ここで、後側キャスター104が車体方向との角度がある場合、サブロック装置は、対応する錠口に係入することができず、後側キャスター104が車体方向と一致するように回転するまで待機してから、サブロック装置は、対応する錠口に係入することができ、このときに、複数の後側キャスター104は、再びロック状態にある。
【0069】
即ち、材料搬送車10に水平回転できないようにロックされる4つのキャスターが設置され、牽引機器20の牽引力の作用で、連接棒装置によって、キャスターのロック解除が実現されることができ、こうすると、キャスターが自由に水平回転することができ、即ち、完全な自在キャスターの機能を有する。材料搬送車10が単独で放置されるときに、4つのキャスターは、いずれもロック状態にある。無論、材料搬送車10が放置されるときに、手動で片側(前側又は後側)のキャスターのロックを解除することによって、材料搬送車10に手動で自由の方向に動かす機能を持たせる。該材料搬送車10の構成に基づいて、牽引機器20が材料搬送車10を牽引して移動する全体的な動作は、下記の通りである。
【0070】
牽引機器20は、材料搬送車10の牽引ホールの下の相対位置まで行進し、牽引機器20は、牽引棒を伸ばし、牽引ホールとドッキングし、牽引機器20は、牽引棒によって材料搬送車10を牽引して前進し、同時に連接棒機構を引っ張って行進方向のキャスターのロックを解除し、それによって、水平方向に自由回転機能を持たせる。
【0071】
牽引機器20の牽引で、材料搬送車10は、目標位置まで走行し、牽引機器20の牽引棒を引っ込め、同時に連接棒装置は、キャスターの回転ロックをリリースし、このときに、キャスターが材料搬送車10の方向と一致する時しか、ロックされて回転することができなく、キャスターが車体と一定の角度がある場合、キャスターは、まだ水平回転機能を有し、キャスターが車体方向と一致するまで回転した場合、錠口ですぐにキャスターをロックし、このときに、キャスターが進行方向固定輪の機能を有する。該位置の作業が完了した後、牽引機器20は、再び材料搬送車10の底部まで走行し、相違点として、牽引機器20は、材料搬送車10の後端の底部でその場で180度回転し、牽引棒を材料搬送車10の後端の牽引ホール内に伸ばし、そのあとの動作は上記と同じである。こうすると、牽引機器20のユーターンによって、材料搬送車10の双方向走行が実現される。
【0072】
即ち、本開示の実施例におけるキャスターは、下記の特徴を有する。(1)牽引機器20が牽引棒によって牽引インターフェースと接続するときに、同じ側のキャスターは、ロック解除される。(2)牽引機器20が牽引棒をリリースするときに、同じ側のキャスターは、ロックされる。
【0073】
上記の通り、本開示の実施例の肝心な保護点は下記のようである。
(1)キャスターと進行方向固定輪がAGVの牽引力によって自動的に切り替え可能な機械構造及び材料搬送車。
(2)車体サイズが非常に小さいが、牽引力が大きいAGV小車。
(3)単方向AGVによって材料搬送車を牽引して双方向に走行させる方法。
(4)独特な牽引装置を有する材料搬送車及びサイズが小さくて牽引力が大きいAGVが設計され、独特な材料搬送車装置によって、単方向AGVによって材料搬送車を牽引して双方向に走行させることが実現される。
(5)AGVによって材料搬送車を牽引して曲がって走行させるときに、まず、AGVは、先行して一定の角度を曲がって、材料搬送車と一定の角度を形成し、AGVの前方レーザは、材料搬送車の側面安全保護を実現することができ、材料搬送車が曲がっているときの側面の死角を効果的に低減する。
【0074】
本開示の実施例は、材料搬送車システムを提供し、該材料搬送車システムは、上記の材料搬送車と、牽引機器と、を含み、牽引機器によって、材料搬送車における複数の前側キャスターのロック状態を解除し、複数の前側キャスターを駆動輪に変化させることができる。又は、牽引機器によって、材料搬送車における複数の後側キャスターのロック状態を解除し、複数の後側キャスターを駆動輪に変化させることができる。それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
【0075】
本開示のさらに別の1つの実施例において、
図9を参照すると、
図9は、本開示の実施例によって提供される制御装置50の一例の構造概略図を示す。該制御装置50は、材料搬送車システムに適用され、前記材料搬送車システムは、牽引機器と、材料搬送車と、を含み、前記材料搬送車は、少なくともロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、且つ、前記複数の前側キャスターと前記複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にある。
図9に示すように、該制御装置50は、接続ユニット501と、走行ユニット502と、を含むことができ、
【0076】
接続ユニット501は、前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御するように構成され、
走行ユニット502は、前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させるように構成され、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0077】
いくつかの実施例において、前記目標方向が前記第1方向である場合、走行ユニット502はさらに、前記牽引機器の牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の前側牽引インターフェースとドッキング操作を行うように構成される。
【0078】
いくつかの実施例において、走行ユニット502はさらに、前記ロック解除コンポーネントが前記材料搬送車の前側ロック装置を後ろに向かって移動させるように制御し、それによって、前記複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように構成される。
【0079】
いくつかの実施例において、走行ユニット502はさらに、前記材料搬送車が目標位置に到着したときに、ドッキング解除操作を行うように前記牽引コンポーネントと前記前側牽引インターフェースを制御し、前記前側ロック装置をリリースするように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記複数の前側キャスターをロック状態に回復させるように構成される。
【0080】
いくつかの実施例において、走行ユニット502はさらに、前記材料搬送車の底部空間で回転ユーターン操作を行うように前記牽引機器を制御し、前記牽引コンポーネントによって、前記材料搬送車の後側牽引インターフェースとドッキング操作を行い、前記牽引機器を前記第2方向に沿って走行させるように制御し、前記牽引機器が前記第2方向に沿って走行しているときに、前記複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記第2方向に沿って走行させるように構成される。
【0081】
理解可能なこととして、本実施例において、“ユニット”は、部分回路、部分プロセッサ、部分プログラム又はソフトなどであり得、無論、モジュールもあり得、非モジュール化もあり得る。且つ、本実施例における各構成部分は、1つの処理ユニットにすべて統合されてもよく、各ユニットが単独で物理的に存在してもよく、少なくとも2つのユニットが1つのユニットに統合されてもよい。上記統合されたユニットは、ハードウェアの形で、又はソフトウェアの機能モジュールの形で実現されることができる。
【0082】
上記統合されたユニットが、ソフトウェア機能モジュールの形で実現され、独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されることができる。このような理解に基づいて、本実施例の技術的解決策の本質的な部分、又は先行技術に貢献のある部分、又は該技術的解決策の全部又は一部は、ソフトウェア製品の形で具現されることができ、該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(PC、サーバ、又はネットワーク機器などであり得る)又はプロセッサ(processor)に、本実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む。前述した記憶媒体は、USB、モバイルハードディスク、リード・オンリー・メモリ(ROM:Read Only Memory)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなどのプログラムコードを記憶することができる様々な媒体を含む。
【0083】
したがって、本実施例は、コンピュータ記憶媒体を提供し、該コンピュータ記憶媒体は、材料搬送車の双方向走行を制御するプログラムを記憶し、前記材料搬送車の双方向走行を制御するプログラムは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに、上記の実施例のいずれか1項に記載の方法のステップを実現する。
【0084】
上記の制御装置50の構成及びコンピュータ記憶媒体に基づいて、
図10を参照すると、
図10は、本開示の実施例によって提供される制御装置50の一例の具体的なハードウェア構造概略図を示す。
図10に示すように、前記制御装置50は、通信インターフェース601と、メモリ602と、プロセッサ603と、を含むことができ、各コンポーネントは、バスシステム604によってカップリングする。理解可能なこととして、バスシステム604は、各コンポーネント間の接続通信を実現するために用いられる。バスシステム604は、データバス以外、電源バスと、制御バスと、ステータス信号バスと、も含む。しかしながら、明らかに説明するために、
図10において、各種類のバスをバスシステム604として標記する。ここで、通信インターフェース601は、他の外部ネットワーク要素との間に情報の送受信を行う過程に、情報の受信と送信のために用いられ、
メモリ602は、プロセッサ603で実行可能なコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、
プロセッサ603は、前記コンピュータプログラムを実行するときに、下記のステップを実行するために用いられる。
【0085】
前記材料搬送車と牽引接続を確立するように前記牽引機器を制御し、前記牽引機器を目標方向に沿って走行させるように制御し、
前記牽引機器が前記目標方向に沿って走行しているときに、目標キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するように前記ロック解除コンポーネントを制御し、それによって、前記牽引機器が前記材料搬送車を駆動して前記目標方向に沿って走行させ、前記目標方向が第1方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の前側キャスターであり、前記目標方向が第2方向である場合、前記目標キャスターは、前記複数の後側キャスターであり、前記第1方向は、前記第2方向と対向する。
【0086】
理解可能なこととして、本開示の実施例におけるメモリ602は、揮発性メモリであり得、又は不揮発性メモリであり得、又は揮発性メモリと不揮発性メモリの両方を含むことができる。ここで、不揮発性メモリは、リード・オンリー・メモリ(ROM:Read-Only Memory)、プログラマブル・リード・オンリー・メモリ(PROM:Programmable ROM)、消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EPROM:Erasable PROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM:Electrically EPROM)、又はフラッシュ・メモリであり得る。揮発性メモリは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Random Access Memory)であり得、外部高速キャッシュとして用いられる。例示的が限定されない説明によって、多くの形態のRAMが利用されることができ、例えば、スタティック・ランダム・アクセス・メモリ(SRAM:Static RAM)、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM:Dynamic RAM)、同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SDRAM:Synchronous DRAM)、ダブル・データ・レート同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DDRSDRAM:Double Data Rate SDRAM)、エンハンス同期ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(ESDRAM:Enhanced SDRAM)、同期接続ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(SLDRAM:Synchronous Link DRAM)、ダイレクト・ラムバス・ランダム・アクセス・メモリ(DRRAM:Direct Rambus RAM)である。本開示で説明される機器と方法のメモリ602は、上記及び他の任意の適切なタイプのメモリを含むが、これらには限定されないと意図する。
【0087】
プロセッサ603は、集積回路チップであり得、信号処理機能を有する。実現過程において、上記方法の各ステップは、プロセッサ603におけるハードウェアの集積ロジック回路又はソフトウェア形態の命令によって完成させることができる。上記のプロセッサ603は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、アプリケーション専用集積回路(ASIC:APPlication Specific Integrated Circuit)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス、ディスクリート・ゲート又はトランジスタ・ロジック・デバイス、ディスクリート・ハードウェア・コンポーネントであり得る。プロセッサ603は、本開示の実施例に開示される各方法、ステップ及びロジックブロック図を実現する又は実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであり得、又は、該プロセッサは、任意の従来のプロセッサであり得る。本開示の実施例に開示される方法を結合するステップは、ハードウェア復号化プロセッサによって実行されるように直接に体現され、又は復号化プロセッサにおけるハードウェアとソフトウェアのモジュールの組み合わせで実行されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAM、フラッシュ・メモリ、ROM、PROM、EEPROM、レジスタなどの本分野で成熟した記憶媒体に位置することができる。該記憶媒体は、メモリ602に位置し、プロセッサ603は、メモリ602における情報を読み出し、そのハードウェアを結合して上記の方法のステップを遂行する。
【0088】
理解可能なこととして、本開示に説明された実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード又はその組み合わせで実行されることができる。ハードウェア実現に対して、処理ユニットは、1つ又は複数のアプリケーション専用集積回路(ASIC:APPlication Specific Integrated Circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、デジタル信号プロセッサデバイス(DSPD:DSP Device)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD:Programmable Logic Device)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)、汎用プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本開示で説明された機能を実行するために用いられる他の電子ユニット又はその組み合わせに実現されることができる。
【0089】
ソフトウェア実現に対して、本開示で説明された機能を実行するモジュールによって(例えば、プロセス、関数など)、本開示で説明された技術が実現されることができる。ソフトウェアコードは、メモリに記憶され、プロセッサによって実行されることができる。メモリは、プロセッサの中に、又は、プロセッサの外部で実現されることができる。
【0090】
選択可能なこととして、別の1つの実施例として、プロセッサ603はさらに、前記コンピュータプログラムを実行するときに、上記の実施例のいずれか1項に記載の方法のステップを実現するように構成される。
【0091】
本開示の実施例における制御装置50は、牽引機器に統合されることができ、牽引機器によって、複数の前側キャスターのロック状態を解除し、複数の前側キャスターを駆動輪に変化させる。又は、ロック解除コンポーネントによって、複数の後側キャスターのロック状態を解除することができ、複数の後側キャスターを駆動輪に変化させ、それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。
上記は、本開示の最適的な実施例に過ぎなく、本開示の保護範囲を制限するためではない。
【0092】
説明すべきこととして、本開示において、「備える」、「含む」という用語、又はその任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図するので、一連の要素を含む過程、方法、物品又は装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素、又は、そのような過程、方法、物品、又は装置の固有の要素をさらに含む。特に限定されていない場合、「…を含む」という文で定義された要素は、当該要素を含む過程、方法、物品、又は装置に、他の同じ要素があることを排除するものではない。
【0093】
上記の本発明の実施例の番号は、実施例の優劣を表すものではなく、説明の便宜を図るためのものである。
本開示で提供されるいくつかの方法の実施例で開示される方法は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例を取得することができる。
【0094】
本開示で提供されるいくつかの製品の実施例で開示される特徴は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい製品の実施例を取得することができる。
本開示で提供されるいくつかの方法又は機器の実施例で開示される特徴は、競合することなく任意に組み合わせて、新しい方法の実施例又は機器の実施例を取得することができる。
【0095】
上記の内容は、本開示の具体な実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲はこれに限定されない。本開示で開示された技術的な範囲内で、当業者が容易に得る変形又は置換はすべて、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の保護範囲に従うものとするべきである。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本開示の実施例において、該材料搬送車は、車体と、ロック解除コンポーネントと、複数の前側キャスターと、複数の後側キャスターと、を含み、複数の前側キャスターと複数の後側キャスターは、いずれもロック状態にあり、車体は、目標物体を置くために用いられ、ロック解除コンポーネントは、複数の前側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、複数の前側キャスターによって材料搬送車を第1方向に沿って走行させるように制御し、ロック解除コンポーネントはさらに、複数の後側キャスターの水平回転方向のロック状態を解除するために用いられ、複数の後側キャスターによって材料搬送車を第2方向に沿って走行させるように制御し、第1方向は、第2方向と対向する。こうすると、ロック解除コンポーネントによって、複数の前側キャスター又は複数の後側キャスターのロック状態を解除し、それによって、材料搬送車は、駆動輪の位置を変更することができ、ユーターンする必要がないで、双方向に走行することが実現される。