(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-23
(45)【発行日】2024-07-31
(54)【発明の名称】バッテリーケース構造およびバッテリーケース構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/249 20210101AFI20240724BHJP
H01M 50/262 20210101ALI20240724BHJP
H01M 50/242 20210101ALI20240724BHJP
H01M 50/224 20210101ALI20240724BHJP
H01M 50/298 20210101ALI20240724BHJP
B60K 1/04 20190101ALI20240724BHJP
B62D 25/20 20060101ALI20240724BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240724BHJP
【FI】
H01M50/249
H01M50/262 S
H01M50/242
H01M50/224
H01M50/298
B60K1/04 Z
B62D25/20 G
H01M50/204 101
(21)【出願番号】P 2023523348
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(86)【国際出願番号】 JP2022017662
(87)【国際公開番号】W WO2022249782
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2021086711
(32)【優先日】2021-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591214527
【氏名又は名称】株式会社ジーテクト
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】根岸 匠
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-202887(JP,A)
【文献】特開2019-202747(JP,A)
【文献】国際公開第2021/157648(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
B60K 1/04
B62D 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動車両の床下で駆動用バッテリーを支持するバッテリーケース構造であって、
断面形状が溝状となる第1の鋼板部に第2の鋼板部が重なる状態で接合されて形成された、断面形状が閉じた形状となる第1の閉断面部を有し、かつ前記第1の閉断面部に隣接する断面が溝状の凹部を有する外周フレームと、
上方に向けて開口して前記バッテリーを収容するボックス部とを備え、
前記ボックス部は、前記凹部を塞ぎ、前記第1の閉断面部に隣接する、断面形状が閉じた形状となる第2の閉断面部を形成することを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項2】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
さらに、前記ボックス部の底壁の下面に沿って配置されたカバーを備え、
前記カバーは、前記外周フレームに結合され、
前記カバーと前記外周フレームとは、断面形状が閉じた形状となる第3の閉断面部を形成していることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項3】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
さらに、
前記電動車両は、左右方向の両側で前後方向に延びるサイドシルを有し、
前記外周フレームは、前記サイドシルの下面に沿って前記電動車両の外側に向けて張り出すように形成されかつ前記電動車両の前後方向から見て断面形状が閉じた形状となる第4の閉断面部を有し、
前記ボックス部は、底壁の上面に沿って配置されたクロスメンバを有し、
前記第1の閉断面部は、前記第4の閉断面部より上方に形成されて前記クロスメンバに対峙し、
前記第4の閉断面部と前記第1の閉断面部との間に、前記第1の鋼板部に前記第2の鋼板部が重なる状態で接合された重ね接合部が設けられていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項4】
請求項3記載のバッテリーケース構造において、
さらに、前記ボックス部の下方を覆うカバーを備え、
前記カバーの上面には、この上面に沿う補強部材が配置され、
前記第4の閉断面部は、前記補強部材と対峙していることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項5】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
前記外周フレームは、前記第1の閉断面部を形成する部分と、前記ボックス部に重なる部分とを含む少なくとも3か所に、部材どうしが重なる状態で接合された重ね接合部を有することを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項6】
請求項1記載のバッテリーケース構造に用いる前記外周フレームを製造する方法であって、
前記外周フレームをロールフォーミング成形とプレス成形とによって成形した後、曲げ成形を行い、その後に第1の鋼板部と第2の鋼板部とが重なり合う部分である重ね接合部を溶接することで前記第1の閉断面部を形成することを特徴とするバッテリーケース構造の製造方法。
【請求項7】
請求項1記載のバッテリーケース構造に用いる前記外周フレームを製造する方法であって、
前記外周フレームを、外側部材と内側部材をプレス成形し、これら両者を溶接することによって形成することを特徴とするバッテリーケース構造の製造方法。
【請求項8】
請求項4記載のバッテリーケース構造において、
前記補強部材の断面形状はW字状であることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項9】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
前記外周フレームは、前記ボックス部より引っ張り強度の高い材料によって形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項10】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
前記ボックス部は、前記凹部を塞ぐ上部側壁と、前記上部側壁に接続された箱状の底壁とによって構成され、
前記上部側壁は鋼板によって形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項11】
請求項5記載のバッテリーケース構造において、
前記外周フレームの前記第1の閉断面部を構成する外面に開口が形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項12】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
前記バッテリーを収容する前記ボックス部は、少なくとも底壁と、外縁に沿って周囲の全域に延びる側壁とを有するボックス形状に形成され、
前記底壁の上には、一方向に延びて両端が前記側壁と対峙するクロスメンバが設けられ、
前記クロスメンバは、ブラケットを介して前記側壁に固定され、
前記ブラケットは、平面視で略三角形であり、その頂点となる先端部に前記クロスメンバが嵌入されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項13】
請求項12記載のバッテリーケース構造において、
前記ブラケットは、一対の筋交部とそれらに挟まれる嵌入部とを有し、
前記筋交部は、前記クロスメンバの端部より中央側に位置する本体部を支持することを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項14】
請求項13記載のバッテリーケース構造において、
前記ボックス部はアルミニウム合金によって形成され、
前記クロスメンバは鋼鈑によって形成され、
前記ブラケットの前記嵌入部は鋼鈑によって形成され、
前記ブラケットの前記ボックス部との接合部はアルミニウム合金によって形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項15】
請求項13記載のバッテリーケース構造において、
前記ブラケットは、前記一対の筋交部と前記嵌入部とによって形成されるW字形の断面が前記断面と直交する方向に連続する折り曲げ品であって、前記筋交部と前記嵌入部との間を埋めるように形成された少なくとも1つ以上の断面保持壁を有していることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項16】
請求項15記載のバッテリーケース構造において、
前記ブラケットは、前記筋交部に貫通孔を有し、
前記断面保持壁は、前記貫通孔に係止されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項17】
請求項16記載のバッテリーケース構造において、
前記断面保持壁は、前記ブラケットの上下両端に配置されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項18】
請求項12記載のバッテリーケース構造において、
前記ブラケットは、上下方向に延びる直線上で前記クロスメンバと前記ボックス部の前記側壁とに接合されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項19】
請求項12記載のバッテリーケース構造において、前記ブラケットは、前記バッテリーの端部と前記ボックス部の前記側壁との間に配置されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項20】
請求項12記載のバッテリーケース構造において、
前記外周フレームは、前記電動車両の車体に固定されるもので、前後方向に延びる中空体であり、
前記クロスメンバは、左右方向に延びる中空体であることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項21】
請求項20記載のバッテリーケース構造において、
前記中空体からなる前記外周フレームと前記クロスメンバは、水平に整列されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項22】
請求項3記載のバッテリーケース構造において、
前記ボックス部と前記第4の閉断面部との間には、周辺部品収納空間が形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項23】
請求項1記載のバッテリーケース構造において、
前記外周フレームは、前記バッテリーケース構造の左右方向において前記ボックス部の両側で前記電動車両の前後方向に延びるサイドフレームであり、
前記サイドフレームの前記第1の閉断面部を形成する部分は、前記ボックス部に向けて突出する突形状に形成され、
前記サイドフレームの前端には、左右方向に延びる前クロスメンバが結合され、
前記サイドフレームの後端には、左右方向に延びる後クロスメンバが結合され、
前記前クロスメンバまたは前記後クロスメンバは、
前記バッテリーケース構造の前側に位置する前壁と、前記前壁より前記電動車両の後側に位置する後壁とを有し、
前記前クロスメンバまたは前記後クロスメンバの前記前壁と前記後壁とを有する部分は、前記左右方向から見た断面形状が閉断面となるように形成され、
前記前壁と前記後壁とのうち、前記ボックス部から遠い一方の壁は、前記サイドフレームの外壁の先端に結合され、
前記前壁と前記後壁とのうち、前記ボックス部に近い他方の壁は、前記サイドフレームの前記突形状の部分が入る形状の切欠きを有し、この切欠きに挿入された前記突形状の部分に結合され、
前記前クロスメンバと前記後クロスメンバの各上面と、
前記サイドフレームの前記外壁の上端が水平方向かつボックス側に折り曲げられて形成された上壁とは、前記ボックス部が全周にわたってボックス部の上端フランジが取付けられる取付面を形成していることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項24】
請求項23記載のバッテリーケース構造において、
前記前クロスメンバまたは前記後クロスメンバの前記閉断面となる部分は、前記サイドフレームの前記第2の閉断面部に連続していることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項25】
請求項23記載のバッテリーケース構造において、
さらに、
前記電動車両は、前記左右方向の両側で前後方向に延びるサイドシルを有し、
前記サイドフレームは、前記サイドシルの下面に沿って前記電動車両の外側に向けて張り出すように形成されかつ前記電動車両の前後方向から見た断面の形状が閉断面となる第4の閉断面部を有し、
前記サイドフレームの第4の閉断面部と、前記第1の閉断面部との間の部分は、前記ボックス部に向けて開放されるとともに前記前後方向に延びる溝状の凹み部によって形成されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【請求項26】
請求項25記載のバッテリーケース構造において、
前記凹み部の中の空間には、冷却配管や高圧電線が収容されていることを特徴とするバッテリーケース構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の床下で駆動用バッテリーを支持するバッテリーケース構造およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のバッテリーケース構造としては、例えば特許文献1~3に記載されているように、バッテリーを収容するケースの外周フレームに複数の閉断面構造を採用したものがある。
特許文献1に開示されたバッテリーケース構造の閉断面構造は、複数の板金部材を組み合わせることにより形成されている。特許文献2に開示されたバッテリーケース構造の閉断面構造は、アルミ押し出し材を用いて形成されている。特許文献3に開示されたバッテリーケース構造は、ロールフォーミング成形によって形成されたインナプレートにアウタプレートを重ねて形成された外周フレームを有している。閉断面構造は、インナプレートとアウタプレートとによって形成されている。この外周フレームが底板の上に重ねられてバッテリーケースが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-202747号公報
【文献】特開2019-137354号公報
【文献】特開2019-096385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているように複数の板金部品を組み合わせて閉断面構造を形成する場合は、部品点数が増加して重量が増加してしまう。特許文献2に開示されているようにアルミ押し出し材を使用する場合は、製造コストが高くなってしまう。特許文献3に開示されたバッテリーケース構造は、外周フレームを底板に溶接してバッテリーケースを形成するため、止水用シーラが必須となる。この止水用シーラでシールする部分は、側突や前輪が跳ね上げた小石との衝突(チッピング)によって破壊されたり、はがれやすく、水漏れの恐れがある。ここでいう側突とは、バッテリーケース構造に車両の側方から衝突荷重が加えられる現象である。
【0005】
本発明の目的は、軽量に形成できるとともに製造コストを低く抑えることができ、しかも、水がケース内に浸入することがないバッテリーケース構造およびバッテリーケース構造の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明に係るバッテリーケース構造は、電動車両の床下で駆動用バッテリーを支持するバッテリーケース構造であって、断面形状が溝状となる第1の鋼板部に第2の鋼板部が重なる状態で接合されて形成された、断面形状が閉じた形状となる第1の閉断面部を有し、かつ前記第1の閉断面部に隣接する断面が溝状の凹部を有する外周フレームと、上方に向けて開口して前記バッテリーを収容するボックス部とを備え、前記ボックス部は、前記凹部を塞ぎ、前記第1の閉断面部に隣接する、断面形状が閉じた形状となる第2の閉断面部を形成するものである。
【0007】
本発明に係るバッテリーケース構造の製造方法は、前記バッテリーケース構造に用いる前記外周フレームを製造する方法であって、前記外周フレームをロールフォーミング成形とプレス成形とによって成形した後、曲げ成形を行い、その後に第1の鋼板部と第2の鋼板部とが重なり合う部分である重ね接合部を溶接することで前記第1の閉断面部を形成する方法である。
【0008】
本発明に係るバッテリーケース構造の製造方法は、前記バッテリーケース構造に用いる前記外周フレームを製造する方法であって、前記外周フレームを、外側部材と内側部材をプレス成形し、これら両者を溶接することによって形成する方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るバッテリーケース構造によれば、軽量に形成できるとともに製造コストを低く抑えることができ、しかも、水がケース内に浸入することがないバッテリーケース構造を提供することができる。特に、外周フレームは少なくとも1つの鋼鈑部分をロールフォーミング成形またはプレス成形することで複数の屈曲部を形成し、この屈曲部の近傍で他の鋼鈑部分と接合して重ね接合部を形成するから、第1の閉断面部を容易に形成することができる。この第1の閉断面部に隣接して凹部を形成し、この凹部をボックス部で蓋をして第2の閉断面部を形成できる。このように、外周フレームの第1の閉断面部に隣接する第2の閉断面部をボックス部で蓋をして形成することは、少ない材料(鋼鈑部分)で合理的に形成できることを意味する。このため、この構成を採ることは、車体軽量化に有利である。
【0010】
本発明に係るバッテリーケース構造の製造方法によれば、薄板をロールフォーミング成形して、またはプレス成形品からなる外側部材と内側部材を合わせて溶接して複数の閉断面構造を形成することができるから、外周フレームを軽量かつ安価に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第1実施例のバッテリーケース構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施例のバッテリーケース構造の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、第1実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
【
図5】
図5は、第1実施例のバッテリーケース構造のクロスメンバ部分の左側から見た断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図7A】
図7Aは、第1実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するための断面図である。
【
図7B】
図7Bは、第1実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するための断面図である。
【
図8】
図8は、第2実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【
図9A】
図9Aは、第2実施例のバッテリーケース構造の製造方法を実施するために使用する外側部材の断面図である。
【
図9B】
図9Bは、第2実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するために使用する内側部材の断面図である。
【
図9C】
図9Cは、第2実施例のバッテリーケース構造の製造方法を説明するための断面図である。
【
図10】
図10は、第3実施例のボックス部の変形例を示す断面図である。
【
図11】
図11は、第4実施例のブラケットの構成を説明する断面図である。
【
図12】
図12は、第5実施例のブラケットの使用形態を示す斜視図である。
【
図14】
図14は、第5実施例のブラケットの分解斜視図である。
【
図16】
図16は、第5実施例のブラケットの斜視断面図である。
【
図17】
図17は、第5実施例のボックス部とブラケットの平面図である。
【
図18】
図18は、第6実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
【
図19】
図19は、第7実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
【
図20】
図20は、ポール衝突を説明するための断面図である。
【
図21】
図21は、第7実施例のブラケットの溶接位置を示す断面図である。
【
図24】
図24は、サイドフレームの前端部と前クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図25】
図25は、サイドフレームの前端部と前クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図27】
図27は、サイドフレームの後端部と後クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図28】
図28は、サイドフレームの後端部と後クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図30】
図30は、サイドフレームの前端部と前クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図31】
図31は、サイドフレームの前端部と前クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図32】
図32は、サイドフレームの後端部と後クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図33】
図33は、サイドフレームの後端部と後クロスメンバとの接続部を示す斜視図である。
【
図34A】
図34Aは、サイドフレームの第2の閉断面部が前クロスメンバの閉断面部に連続することを説明するための断面図である。
【
図34B】
図34Bは、サイドフレームの第2の閉断面部が後クロスメンバの閉断面部に連続することを説明するための断面図である。
【
図35】
図35は、サイドフレームの凹み部を示す斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るバッテリーケース構造およびバッテリーケース構造の製造方法の種々の実施の形態を
図1~
図35を参照して詳細に説明する。
(第1実施例)
図1に示すバッテリーケース構造1は、図示していない電動車両の床下で駆動用バッテリー2を支持するためのもので、バッテリー2を収容する箱状のボックス部3(バッテリーケース、またはバッテリトレイとも呼ぶ)に後述する複数の機能部品を取付けて構成されている。
【0013】
バッテリーケース構造1は、
図1において斜め左上側が電動車両の前方を指向する姿勢で車体(図示せず)に取付けられる。以下において、バッテリーケース構造1を構成する部品を説明するに当たって方向を示す場合は、バッテリーケース構造1を車体に取付けた状態の方向で行う。すなわち、
図1において左上側を前側とし、右下側を後側として説明する。また、左下側を左側とし、右上側を右側として説明する。
【0014】
ボックス部3に取付ける複数の機能部品とは、
図2に示すように、ボックス部3の前端部に取付けられる前側フレーム4と、ボックス部3の後端部に取付けられる後側フレーム5と、ボックス部3の左右両側に取付けられる左右一対の外周フレーム6,7と、ボックス部3の下面に取付けられるカバー8と、ボックス部3の内部にブラケット9を介して取付けられる3本のクロスメンバ10と、ボックス部3の開口部分を塞ぐ板状の蓋体(図示せず)などである。
【0015】
ボックス部3は、上方に向けて開口する箱状に形成されている。ボックス部3を形成する材料は、鋼板以外に、例えばアルミニウム合金、炭素繊維で補強・強化された樹脂であるCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)などを使用することができる。
この実施の形態によるボックス部3は、バスタブ形状であって、外縁12に沿って周囲の全域に延びる上端フランジ37と側壁13とを有し、該側壁13は、
図3に示すように、下端が底壁11に連続する。
前側フレーム4と後側フレーム5は、複数の鋼板を組み合わせて形成されている。そのほか、アルミ鋳物、アルミ押出材でもよい。
【0016】
(外周フレームの構成)
外周フレーム6,7は、それぞれ1枚または2枚の鋼板を使用して所定の形状に形成されている。この実施の形態による外周フレーム6,7は、1枚の鋼板14(
図3参照)によって形成されている。この実施の形態による外周フレーム6,7は、ボックス部3より引っ張り強度の高い材料(例えば、ハイテン、高張力鋼鈑)によって形成されている。1枚の鋼板14を所定の形状に形成するに当たっては、ロールフォーミング成形、プレス成形および曲げ成形などによって行っている。外周フレーム6,7を形成する方法は後述する。
左側の外周フレーム6と右側の外周フレーム7とは左右方向に対称となるように形成されている。このため、以下においては、外周フレーム6について説明し、外周フレーム7についての説明は省略する。
【0017】
図3に示すように、外周フレーム6の上部には、第1の閉断面部21と凹部22とが形成されている。
図3は左側の外周フレーム6の断面図である。第1の閉断面部21は、複数の屈曲部23~26と複数の重ね接合部27,28とを用いて断面形状が閉じた形状となるように形成されている。ここでいう「重ね接合部」とは、2枚の板材が重ね合わせて接合された部分のことである。鋼板14の一端部14aには、4箇所の屈曲部23~26が形成されることにより、断面箱状となるように上側横壁31と下側横壁32と上側縦壁33とが形成されている。鋼板の一端部14aは、本発明でいう「第1の鋼板部」に相当する。重ね接合部27,28は、上側横壁31と鋼板14の他端部14bとの重なり部と、下側横壁32と鋼板14の他端部14bとの重なり部とに設けられている。鋼板14の他端部14bは、本発明でいう「第2の鋼板部」に相当する。これらの重ね接合部27,28のうち、上側の重ね接合部27は、上側横壁31の先端から上方に延びる突片34を鋼板14の他端部14bに重ね、この重なり部分をスポット溶接によって溶接して構成されている。下側の重ね接合部28は、下側横壁32の先端から下方に延びる下側縦壁35を鋼板14の他端部14bに重ね、この重なり部分をスポット溶接によって溶接して構成されている。なお、本実施例では上述したように重ね接合部27,28を形成するにあたってスポット溶接を用いたが、溶接方法は適宜変更でき、例えばアーク溶接、レーザー溶接などでもよい。
【0018】
凹部22は、第1の閉断面部21を形成する上側横壁31と、この上側横壁31の重ね接合部27の上方に延びるように形成された断面L字状の上壁36とによって形成されている。この上壁36の上面には、ボックス部3の上端フランジ37が重ねられ、固定用ねじ(図示せず)または溶接によって固定されている。このようにボックス部3が上壁36に取付けられることにより、ボックス部3が凹部22を塞ぎ、第1の閉断面部21の上に隣接して断面形状が閉じた形状となる第2の閉断面部38が形成される。
【0019】
ボックス部3の側壁13は、外周フレーム6の上側縦壁33に重ねられ、スポット溶接によって溶接されて接合されている。なお、側壁13がアルミニウム合金の場合はリベットなど機械的締結が行われる。この部分のスポット溶接は、外周フレーム6の外面6a(
図1参照)に形成された開口39に図示していない溶接用電極を挿入して行われる。開口39は、外周フレーム6の長手方向に所定の間隔をおいて離間する複数の位置に設けられている。
この実施の形態による外周フレーム6においては、上側縦壁33と側壁13との重ね接合部41(
図3参照)と、上述した2カ所の重ね接合部27,28とからなる3箇所の重ね接合部によって、第1の閉断面部21の剛性・強度が高められている。
【0020】
ボックス部3の底壁11を含む底部42には、ボックス部3を下方から覆うカバー8が取付けられている。カバー8は、
図2に示すように、板状のカバー本体43と、カバー本体43の上面に重ねて接着された複数の補強部材44とによって構成されている。カバー本体43は、バッテリーケース構造1の前側フレーム4と、後側フレーム5と、左右の外周フレーム6,7とに下方から接着され、重いバッテリーを支持するバッテリーケース構造1の支持強度を高め、また、路面の突起やタイヤの跳ねた小石などとの衝突からボックス部3を保護している。
【0021】
補強部材44は鋼板を所定の形状に曲げて形成されており、左側の外周フレーム6から右側の外周フレーム7まで延びるように形成されている。この実施の形態による補強部材44は、図示していない取付用ボルト、スポット溶接または機械的締結によってボックス部3の底壁11に固定されている。
カバー8が取付けられたボックス部3を外周フレーム6,7に取付け、
図3に示すように、カバー本体43を外周フレーム6の下面に接着および機械的締結により固定して外周フレーム6に結合することにより、第1の閉断面部21の下方に断面形状が閉じた形状となる第3の閉断面部45が形成される。第3の閉断面部45は、下側横壁32と、ボックス部3の側壁13と、補強部材44を含むカバー8と、外周フレーム6の下側縦壁35とによって形成されている。
【0022】
外周フレーム6の下端部には断面形状が閉じた形状となる第4の閉断面部46が形成されている。第4の閉断面部46は、車体のサイドシル47の下面47a(サイドシル下面)に向けて張り出すように横長の矩形に形成されている。詳述すると、第4の閉断面部46は、サイドシル47の下面に沿って電動車両の外側に向けて張り出すように形成されかつ電動車両の前後方向から見て断面形状が閉じた形状となるように形成されている。
この実施の形態による第4の閉断面部46は、下側縦壁35の下端に接続されて上方に向けて開口する箱状に形成された底壁48と、底壁48の開口部分を塞ぐように左右方向に延びる底側横壁49とによって形成されている。
このため、外周フレーム6には、第4の閉断面部46と、その上方に位置する第1の閉断面部21との二つの閉断面部により略L字状に形成されている。
【0023】
外周フレーム6は、第1の閉断面部21と第4の閉断面部46とが設けられていることにより、前後方向に延びる中空体となる。第1の閉断面部21と第4の閉断面部46との間には、上述した下側の重ね接合部28が設けられている。
図4に示すように、第1の閉断面部21は、ボックス部3の底部42の上面に沿って配置されたクロスメンバ10に対峙している。クロスメンバ10の構成は後述する。また、第4の閉断面部46は、カバー8の上面に沿って配置された補強部材44と対峙している。補強部材44は、
図5に示すように、クロスメンバ10に対して前側と後側に延びるように設けられている。このクロスメンバ10の下方に位置する補強部材44の断面形状は、左右(車幅)方向に延びる略W字状である。
【0024】
(外周フレームの製造方法)
外周フレーム6を1枚の鋼板14によって形成するためには、
図6のフローチャートおよび
図7A、
図7Bに示すように行う。この製造方法は、
図6に示すように、ロールフォーミング成形ステップS1と、溶接ステップS2とにより実施する。例えば、
図7Aに示すように、鋼板14の一端部14aから順次、突片34、上側横壁31、上側縦壁33、下側横壁32、および下側縦壁35と折り曲げるロールフォーミング成形によって所定の形状に形成するとともに、他端側も他端部14bをロールフォーミング成形によって上壁36、底側横壁49、底壁48、と順次折り曲げ、所定の形状に形成する。
【0025】
鋼板14は、ロールフォーミング成形において、底壁48の両端部分となる2箇所を曲げ支点A,Bとして谷折りとなるように曲げることにより、
図7Bに示すように起立するような所定の形状となる。その後、突片34および下側縦壁35を鋼板14の他端部14bにそれぞれアーク溶接またはレーザー溶接、アーク溶接またはレーザー溶接またはスポット溶接によって溶接する。この溶接により2箇所の重ね接合部27,28が形成され、外周フレーム6が完成する。
【0026】
(第2実施例)
一方、外周フレーム6を2枚の鋼板によって形成する場合は、
図8のフローチャートおよび
図9A~
図9Cに示すように行う。
【0027】
この製造方法は、
図8に示すように、プレス成形ステップS11と、曲げ成形ステップS12と、溶接ステップS13とによって実施する。すなわち、
図9A、
図9Bに示すように、外周フレーム6の外側の半部となる外側部材51と、内側の半部となる内側部材52とをそれぞれプレス成形によって所定の形状に形成する。外側部材51には、上壁36から底側横壁49と、重ね部分53とが形成される。内側部材52には、突片34、上側横壁31、上側縦壁33、下側横壁32、下側縦壁35および底壁48と、重ね部分54とが形成される。
そして、
図9Bに示すように、内側部材52の中間部分を曲げ支点Cとして谷折りとなるように曲げる。
【0028】
その後、
図9Cに示すように、外側部材51を内側部材52の上に重ね、重ね部分53と重ね部分54とをスポット溶接によって溶接して重ね接合部55を形成するとともに、内側部材52の一端の突片34と、下側縦壁35とを外側部材51にそれぞれアーク溶接またはレーザー溶接、アーク溶接またはレーザー溶接またはスポット溶接によって溶接して重ね接合部27,28を形成する。このように3箇所の重ね接合部27,28,55が形成されることにより外周フレーム6が完成する。
【0029】
(第3実施例:ボックス部の変形例)
ボックス部は
図10に示すように形成することができる。
図10において、
図1~
図9によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示すボックス部3は、凹部22を塞ぐ上部側壁61と、上部側壁61に接続された箱状の底壁62とによって構成されている。上部側壁61は、ボックス部3の上半部を構成するもので、鋼板によって形成されている。底壁62は、ボックス部3の下半部を構成するもので、例えばプラスチック材料によって、上方に向けて開口する箱状に形成されている。底壁62をプラスチック材料によって形成する場合、底壁62と上部側壁61との結合は、図示してはいないが、例えば接着剤とボルト・ナットとを併用して行うことができる。この場合、上述した側壁13は、上部側壁61と底壁62とによって構成される。
【0030】
(第4実施例)
クロスメンバ10は、左右方向に延びる中空体(
図5参照)として形成され、後述するブラケット9を介してボックス部3の側壁13に固定されている。この実施の形態によるクロスメンバ10は、鋼板を材料としてロールフォーミング成形によって所定の形状に形成されている。
【0031】
鋼板製のクロスメンバ10をアルミニウム合金製のボックス部3に取付ける場合、従来は構造物の合理化のためにマルチマテリアル構造が採用される。しかし、マルチマテリアル構造を採用する場合、組立時のアクセス性、材料の組み合わせなどの理由で必要な接合技術が変化し、検討及び採用する接合技術の種類が増え、コストが増大する。このため、異材接合技術の選定および導入を省略し、廉価なマルチマテリアル構造が要請されている。
この実施の形態によるブラケット9は、このような要請に応えることができるものであり、部材間の接合に異材接合を必要とすることがないように構成されている。
【0032】
この実施の形態によるクロスメンバ10は、
図4に示すように、ボックス部3の底壁11の上に、一方向(左右方向)に延びて両端が側壁13と対峙するように配置されている。このクロスメンバ10の両端は、ブラケット9を介して側壁13に固定されている。
ブラケット9の基本的な構成を
図11に示す。ブラケット9は、平面視で略三角形となるように形成されている。ブラケット9の頂点となる先端部には、クロスメンバ10が嵌入する嵌入部63が形成されている。この嵌入部63の両側には、側壁13に向かうにしたがって次第に前後方向の間隔が長くなるように傾斜した一対の筋交部64が設けられている。筋交部64はクロスメンバ10の端部手前の本体部10aを支持している。
【0033】
(第5実施例)
ブラケット9は、具体的には
図12~
図17に示すように構成されている。この実施の形態によるブラケット9は、
図12および
図13に示すように、ボックス部3の側壁13に溶接されるケース接合部71と、ケース接合部71の中に鋳包まれた芯材72とによって構成されている。ケース接合部71はアルミニウム合金によって形成され、前後方向の両端においてボックス部3の側壁13に溶接されている。この溶接は、アルミニウム材料どうしの溶接である。芯材72は、
図14に示すように、鋼板を所定の形状に折り曲げて形成されており、上述した嵌入部63と筋交部64とを有している。芯材72は、クロスメンバ10が嵌入部63に嵌入した状態でクロスメンバ10に溶接されている。この溶接は、鋼材どうしの溶接である。
【0034】
図12に示すように、ケース接合部71と側壁13との溶接部であるケース側溶接部73は、
図12中に左下がりのハッチングを施した範囲に設けられており、ケース接合部71の上端から下端まで延びている。また、芯材72とクロスメンバ10との溶接部であるクロスメンバ側溶接部74は、
図12中に右下がりのハッチングを施した範囲に設けられており、芯材72の上端から下端まで延びている。すなわち、ブラケット9は、クロスメンバ10およびボックス部3の側壁13と上下方向に延びる直線上に接合されている。
この実施の形態によるブラケット9は、
図4に示すように、中空体からなる外周フレーム6の少なくとも第1の閉断面部21と、中空体からなるクロスメンバ10とをこれらが水平に整列されるように結合している。
【0035】
芯材72は、
図14に示すように、略W字形の断面が上下方向(断面と直交する方向)に連続する折り曲げ品である。この芯材72を覆うケース接合部71には、芯材72のボックス部3に向けて開放される凹部75を埋めるように形成された壁からなる断面保持壁76(
図14~
図16参照)が設けられている。この実施の形態によるブラケット9は、上下方向の両端部と中央部とにそれぞれ断面保持壁76が設けられている。しかし、断面保持壁76は、少なくとも1つ以上設けられていれば同様の効果が得られる。
【0036】
芯材72の筋交部64には複数の貫通孔77が形成されている。断面保持壁76は、貫通孔77に流入した状態で固化されている。このため、断面保持壁76は貫通孔77に係止されている。
図17に示すように、ボックス部3の側壁13とバッテリー2との間にはブラケット配置空間Sが形成されている。ブラケット9は、このブラケット配置空間Sに配置され、バッテリー2の外端部2aとボックス部3の側壁13との間に位置付けられている。
【0037】
このように構成されたバッテリーケース構造1においては、外周フレーム6が側突で破壊したとしても、外周フレーム6とは別体のボックス部3にバッテリー2が収容されているため、外から中に水漏れの恐れがない。外周フレーム6の第1の閉断面部21は、1枚または2枚の鋼板14をロールフォーミング成形またはプレス成形することによって形成されている。第2の閉断面部38は、第1の閉断面部21に接する凹部22とボックス部3とを組み合わせることによって形成されている。このため、複数の閉断面を少ない板材で合理的に得て、軽量化を図りながら強度剛性を高めることができる。
【0038】
したがって、この実施の形態によるバッテリーケース構造1によれば、軽量に形成できるとともに製造コストを低く抑えることができ、しかも、水がケース内に浸入することがないバッテリーケース構造を提供することができる。特に、この実施の形態による外周フレーム6は、ロールフォーミング成形またはプレス成形により所定形状に形成されているため、前後、左右サイズの異なる車両に対して外周フレーム構成部品(鋼鈑)の長さの変更が容易である。
この実施の形態においては、ボックス部3の底部42に沿って配置するカバー8を外周フレーム6に結合することで、第3の閉断面部45が形成されている。このため、外周フレーム6にカバー8と組み合わせることで更に複雑な閉断面を構成できる。
【0039】
この実施の形態において、外周フレーム6に設けられている閉断面部は、サイドシル47の下面47aに向けて張り出す第4の閉断面部46と、第4の閉断面部46の上方にあってボックス部3の底部42の上面に沿って配置されたクロスメンバ10に対峙する第1の閉断面部21である。第1の閉断面部21と第4の閉断面部46との間には重ね接合部28が配置されている。
このため、サイドシル47の下面47aに向けて張り出す第4の閉断面部46によって、バッテリーケース構造1がサイドシル47の下面47aに強固に固定される。また、
図4中に矢印で示すように、サイドシル47から加えられる側突荷重F1は、第1の閉断面部21を介してクロスメンバ10で支持できるようになる。しかも、第4の閉断面部46から加えられる側突荷重F2は、重ね接合部28から第1の閉断面部21に伝達され、第1の閉断面部21を介してクロスメンバ10でさらに支持される。したがって、外周フレーム6を薄板としても十分に側突荷重を支持でき、ボックス部3(バッテリーケース)の変形を抑制できる。
【0040】
この実施の形態による第4の閉断面部46は、カバー8の上面に沿って配置する補強部材44と対峙している。このため、
図4中に矢印で示すように、第4の閉断面部46からの側突荷重F3を補強部材44でさらに支持できる。したがって、外周フレーム6を薄板としても十分に側突荷重を支持でき、ボックス部3(バッテリーケース)の変形を抑制できる。
【0041】
この実施の形態による外周フレーム6は3か所の重ね接合部27,28,41を有している。このため、
図4中に矢印で示すようにサイドシル47から加えられた側突荷重F1,F2,F3をクロスメンバ10および補強部材44で支持できる。したがって、外周フレーム6を薄板としても十分に側突荷重を支持でき、ボックス部3(バッテリーケース)の変形を抑制できる。
【0042】
図6に示すバッテリーケース構造1の製造方法においては、外周フレーム6をロールフォーミング成形によって成形した後、重ね接合部を溶接することで第1の閉断面部21が形成される。
薄板の鋼板14をロールフォーミング成形することで、複数の閉断面構造を構築でき、ボックス部3と組み合わせることで更に複雑な閉断面を構成できる。ロールフォーミング成形により外周フレーム6を形成することによって、前後、左右サイズの異なる車に対して外周フレーム構成部品(鋼鈑)の長さの変更を容易に行うことができる。
【0043】
図7に示すバッテリーケース構造1の製造方法においては、外周フレーム6を、外側部材51と内側部材52をプレス成形し、両者を溶接することによって形成する。このため、薄板の鋼鈑をプレス成形することで、複数の閉断面構造を構築でき、ボックス部3と組み合わせることで更に複雑な閉断面を構成できる。
【0044】
この実施の形態による補強部材44の断面形状は略W字状である。このため、
図4に示すように第4の閉断面部46からの側突荷重F3を補強部材44でさらに強固に支持できる。したがって、外周フレーム6を薄板としても十分に側突荷重を支持でき、バッテリーケース変形を抑制できる。
【0045】
この実施の形態による外周フレーム6はボックス部3より引っ張り強度の高い材料によって形成されている。このため、外周フレーム6はハイテンション鋼などの薄板によって形成して軽量化できる。ボックス部3は強度が低く延性が高いため、深いボックス部3をプレス成形によって容易に形成することができる。
【0046】
図10に示すボックス部3は、部分的に鋼鈑として、外周フレーム6の凹部22を覆い、第2の閉断面部38を形成している。このため、ボックス部3の底壁62をプラスチック材料など軽量な材料に変更可能となり、さらなる軽量化を図ることができる。
【0047】
この実施の形態による外周フレーム6は、外面6aに開口39を有している。このため、この開口39からボックス部3の側壁13と外周フレーム6とをスポット溶接または機械的締結により固定して重ね接合部41を形成できる。
【0048】
この実施の形態によるバッテリー2を収容するボックス部3は、少なくとも底壁11と、外縁12に沿って周囲の全域に延びる側壁13とを有するボックス形状に形成されている。底壁11の上には、一方向に延びて両端が側壁13と対峙するクロスメンバ10が設けられている。クロスメンバ10は、ブラケット9を介して側壁13に固定されている。ブラケット9は、平面視で略三角形であり、その頂点となる先端部にクロスメンバ10が嵌入されている。
このため、平面視で略三角形のブラケット9は前後の筋交部64が補強機能を有するため、ポール衝突のような局所衝突の場合でもクロスメンバ10に荷重を伝達でき、バッテリーケース構造1とバッテリー2との干渉を防止できる。また、筋交部64が変形して衝撃エネルギーを吸収できる。ここでいう「ポール衝突」とは、上下方向に延びる柱状体が側方から電動車両に局所的に衝突するような衝突のことである。
【0049】
この実施の形態によるブラケット9は、一対の筋交部64とそれらに挟まれる嵌入部63とを有している。筋交部64は、クロスメンバ10の端部より中央側に位置する本体部10aを支持している。このため、筋交部64からクロスメンバ10の本体部10aに荷重を伝達できるため、クロスメンバ10が先端を起点として折れ曲がることがない。
【0050】
図3に示すボックス部3はアルミニウム合金によって形成されている。クロスメンバ10は鋼鈑によって形成されている。ブラケット9の嵌入部63は鋼鈑によって形成されている。ブラケット9のボックス部3との接合部(ケース接合部71)はアルミニウム合金によって形成されている。このため、クロスメンバ10をロールフォーミング成形により形成して端部が
図4に示すように垂直となっても、傾斜する側壁13に倣う形状にケース接合部71をアルミニウム合金で鋳造により形成できるため、傾斜する側壁13にクロスメンバ10を容易に結合できる。
【0051】
この実施の形態によるブラケット9は、略W字形の断面が断面方向に連続する折り曲げ品であり、少なくとも1つ以上の断面保持壁76を有している。このため、断面保持壁76により筋交部64の強度を容易に調整できるようになる。
【0052】
この実施の形態によるブラケット9は、筋交部64に貫通孔77を有している。断面保持壁76は、貫通孔77に係止されている。このため、断面保持壁76は筋交部64の中央にも設定できる。
【0053】
この実施の形態による断面保持壁76は上下両端に配置されている。このため、側壁13からの側突荷重をクロスメンバ10に集中できる。
【0054】
この実施の形態によるブラケット9は、クロスメンバ10およびボックス部3の側壁13と上下方向に延びる直線上で接合されている。このため、上下方向の曲げ強度を高めるため、側突荷重のクロスメンバ10への伝達性が向上できる。
【0055】
この実施の形態によるブラケット9は、バッテリー2の外端部2aとケース側壁(ボックス部3の側壁13)との間に配置されている。このため、側突で筋交部64が変形してもバッテリー2と干渉しない。
【0056】
この実施の形態による外周フレーム6は、電動車両の車体に固定されるもので、前後方向に延びる中空体であり、クロスメンバ10は、左右方向に延びる中空体である。このため、左右方向の側突でクロスメンバ10は潰れず、外周フレーム6およびブラケット9が潰れて変形するため、バッテリー2にケース側壁(ボックス部3の側壁13)が干渉することなく、車体側で吸収できなかった、衝撃エネルギーを外周フレーム6およびブラケット9で吸収できる。
【0057】
この実施の形態による中空体からなる外周フレーム6とクロスメンバ10は水平に整列されている。このため、中空体からなる外周フレーム6が容易に潰れて変形する。
なお、重ね接合部27,28を形成するための接合方法は、スポット溶接以外、リベットによる締結、ボルト・ナットによる締結、レーザー溶接、ミグ溶接など、どのような接合方法でも採用可能である。上側縦壁33と側壁13との重ね接合部41を接合する接合方法は、スポット溶接をボルト・ナットによる締結やリベットによる締結に変更して外面の開口39を省くことができる。
【0058】
(第6実施例)
外周フレームとボックス部は、
図18に示すように構成することができる。
図18において、
図1~
図17によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図18は、第6実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
図18に示す外周フレーム81は、ボックス部3の左右の側方に設けられるサイドフレーム82である。サイドフレーム82は、高強度鋼板からなるアウター部83と、高強度鋼板であってアウター部83より薄いインナー部84とによって構成されている。アウター部83とインナー部84とは、それぞれホットスタンプ成形方法によって所定の形状に形成されたものである。
【0059】
アウター部83とインナー部84の形状は、これらが互いに重ね合わせて溶接されることによって第1の閉断面部21と第4の閉断面部46とが形成される形状である。アウター部83とインナー部84との溶接は、スポット溶接とミグ溶接とによって行われている。
図18においては、スポット溶接部を符号W1で示し、ミグ溶接部を符号W2で示す。詳述すると、アウター部83とインナー部84との2箇所の重ね接合部85,86のうち、下側の重ね接合部85は、スポット溶接によって接合されている。上側の重ね接合部86は、最も負荷がかかる部分であるから、連続接合のミグ溶接によって接合されている。ここでいう連続接合とは、溶接部がサイドフレーム82の長手方向(前後方向)に途切れることなく、サイドフレーム82の前端から後端まで連続することを意味する。
【0060】
図18に示すボックス部3は、鋼板をボックス状にプレス成形することによって形成されている。このボックス部3がサイドフレーム82に結合されることにより第2の閉断面部38が形成されている。ボックス部3の側壁13とインナー部84とを接合する重ね合わせ部87は、スポット溶接によって接合されている。このスポット溶接を行う溶接ガン(図示せず)は、アウター部83に形成された開口39を通されてインナー部84に押し付けられる。開口39は、サイドフレーム82の長手方向に所定の間隔をあけてアウター部83に穿設されている。
【0061】
ボックス部3の上端フランジ37とアウター部83の上壁88とは、リベット89などにより機械的に結合されている。
ボックス部3の下端に設けられたカバー8と第4の閉断面部56との接合は、これら両者間がシールされるように接着剤90を使用して行われている。
図18に示すバッテリーケース構造は、サイドフレーム82とボックス部3が全て鋼鈑で構成され、フルスチールのバッテリーケース構造となっている。
【0062】
(第7実施例)
外周フレームとボックス部は、
図19~
図23に示すように構成することができる。
図19~
図23において、
図1~
図18によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図19は、第7実施例のバッテリーケース構造の左側端部の後方から見た断面図である。
図19に示す外周フレーム91は、ボックス部3の左右の側方に設けられるサイドフレーム92である。サイドフレーム92は、1枚の高強度鋼板にロールフォーム成形を施すことによって、第1の閉断面部21と第4の閉断面部46とを有する形状に形成されている。このため、このサイドフレーム92のアウター部93とインナー部94は一体に形成されている。
【0063】
第1の閉断面部21と第4の閉断面部46との間の重ね接合部95と、インナー部94の先端をアウター部93に接合する重ね接合部96は、2枚の鋼板どうしを重ね合わせてレーザー溶接によって接合されている。
図19に示すボックス部3は、軽量化を図るために、アルミニウム合金を材料とするプレス成形品である。
図19においては、レーザー溶接部を符号W3で示す。
ボックス部3の側壁13とインナー部94とを接合する重ね合わせ部97は、セルフピアスリベット98などを使用して機械的に結合されている。
図19に示すバッテリーケース構造は、鋼板からなるサイドフレーム92と、アルミニウム合金からなるボックス部3とを有するマルチマテリアルのバッテリーケース構造となっている。
【0064】
図20に示すように、サイドフレーム92は、第1の閉断面部21と重ね接合部95を介して接続されるとともに外側にオフセット配置されて車体のサイドシル47の下面47aに結合された車幅方向の外側に突出する矩形状の第4の閉断面部46を有している。
図20に示す第4の閉断面部46は、サイドシル47の下面47aに対峙する上方の水平壁が配置されており、結合部材101を介してサイドシル47に結合されている。
このような第4の閉断面部46は、ポール102が側方から衝突すると、
図20中に破線で示すように変形する。詳述すると、第4の閉断面部46は、ポール衝突に対し、第4の閉断面部46は、重ね接合部95を中心に時計方向に回転するように上下の水平壁が断面内に座屈する。
【0065】
したがって、第4の閉断面部46は、自らが座屈することによりボックス部3の底部角部から離れ第1の閉断面部21に向け回転することで、衝突エネルギーを吸収する。この第4の閉断面部46が変形することにより、ポール衝突でバッテリー2が破損することを防ぐことができる。なお、ボックス部3と第4の閉断面部46との間には、冷却配管や電気ケーブルなどを配置する周辺部品収納空間103が形成されている。このため、ポール衝突時などで第4の閉断面部46が車体内側に入るような場合であっても、冷却配管や電気ケーブルなどが損傷することを防ぐことができる。
【0066】
図21および
図22に示すように、ボックス部3の側壁13にはブラケット111を介してクロスメンバ10が固定されている。この
図22に示すブラケット111は、複数の鋼板を組み合わせて形成されており、鋼板製のボックス部3に溶接部116、クロスメンバ10に溶接部115でそれぞれミグ溶接によって溶接されている。
クロスメンバ10の上端は、
図21に示すように、ボックス部3とサイドフレーム92とによって形成された第2の閉断面部38と同じ高さに位置している。クロスメンバ10の下端は、ボックス部3の底面112と同じ高さに位置している。また、このクロスメンバ10は、上端から下端まで上下方向に延びる前壁113(
図22参照)と後壁114とを有している。これらの前壁113と後壁114は、ボックス部3の側壁13にブラケット111を介して前記溶接部115が上下方向に連続的に接合されている
【0067】
クロスメンバ10とブラケット111との溶接部であるクロスメンバ側溶接部115は、前壁113および後壁114とブラケット111との接続部において、前壁113および後壁114の上端から下端まで延びている。
ブラケット111と側壁13との溶接部であるケース側溶接部116は、ブラケット111の上端から下端まで延びている。この溶接は、ミグ溶接によって行われている。
このようにクロスメンバ10がブラケット111を介して側壁13に接合されていることにより、クロスメンバ10の前壁113および後壁114は、側突(ポール衝突)による衝撃を第1、第2、第3の閉断面部21,38,45を介して全面で支持するようになる。
【0068】
図23に示すように、ブラケット111は、平面視において三角形状に形成され、その頂点部分にクロスメンバ10が差し込まれて結合されている。このため、
図23中に4か所の矢印で示すように、ポール衝突による局所荷重が側方からボックス部3の前後方向の全長におけるいずれかの部位に加えられたとしても、この荷重をブラケット111の筋交部64を介しクロスメンバ10に伝達できる。つまり、前後で広い範囲の局所荷重をクロスメンバ10に作用させ、衝突位置に限定されない安全性を保障できる。この性能をロバスト性という。このような現象は、特に、ポール衝突では有用である。
【0069】
(外周フレームの変形例)
バッテリーケース構造の前端部と後端部は
図24~
図35に示すように構成することができる。これらの図において、
図1~
図23によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図24~
図29は、第6実施例のサイドフレーム82の前後端にそれぞれ前クロスメンバ121、後クロスメンバ122を接合する斜視図および断面図である。
サイドフレーム82の前端には、左右方向に延びる前クロスメンバ121が結合されバッテリーケース構造の前端部を形成している。サイドフレーム82の後端には、左右方向に延びる後クロスメンバ122が結合されバッテリーケース構造の後端部を形成している。
【0070】
前クロスメンバ121と後クロスメンバ122は、電動車両の前側に位置する前壁121a,122aと、前壁121a,122aより電動車両の後側に位置する後壁121b,122bとを有している。前クロスメンバ121と後クロスメンバ122の前壁121a,122aと後壁121b,122bとを有する部分は、左右方向から見た断面形状が閉断面となる閉断面部123,124を構成している。
【0071】
前壁121a,122aと後壁121b,122bとのうち、ボックス部3から遠い方の壁(前クロスメンバ121の前壁121a、後クロスメンバ122の後壁122b)は、サイドフレーム82の外壁82aの先端に溶接されて結合されている。
前壁121a,122aと後壁121b,122bとのうち、ボックス部3に近い他方の壁(前クロスメンバ121の後壁121b、後クロスメンバ122の前壁122a)は、サイドフレーム82に嵌まる状態で溶接により結合されている。
【0072】
詳述すると、サイドフレーム82の第1の閉断面部21を形成する部分125は、前記ボックス部に向けて突出する突形状に形成されている。前壁121a,122aと後壁121b,122bとのうちボックス部3に近い他方の壁(前クロスメンバ121の後壁121b、後クロスメンバ122の前壁122a)は、サイドフレーム82の第1の閉断面部21を形成する突形状の部分125が入る形状の切欠き126,127を有し、この切欠き126,127に挿入された突形状の部分125に溶接されて結合されている。
【0073】
この実施の形態による前クロスメンバ121と後クロスメンバ122の各上面と、サイドフレーム82の外壁82aの上端が水平方向に折り曲げられて形成された上面(上壁)とは、ボックス部3の上端フランジ37が全周にわたって取付けられる取付面128を形成している。このため、取付面128にボックス部3が取付けられた状態においては、サイドフレーム82がボックス部3を介して前クロスメンバ121と、後クロスメンバ122とに連結される。したがって、この構成を採ることにより、既存の部品を有効に利用して軽量化を図りながら、ボックス部の開口に沿って、左右のサイドフレームの第2の閉断面38、38が前クロスメンバ・後クロスメンバの閉断面123,124に連続して環状の骨格を形成することでバッテリーケース構造の強度、剛性を向上させることができる。
【0074】
図30~33は、第7実施例のサイドフレーム92の前後端にそれぞれ前クロスメンバ121、後クロスメンバ122を接合する斜視図である。前クロスメンバ121、後クロスメンバ122とサイドフレーム92との接合方法は、
図24~29で示した接合方法と同様である。
図34Aおよび
図34Bは、サイドフレーム92とボックス部3とによって形成された第2の閉断面部38が前クロスメンバ121の閉断面部123と、後クロスメンバ122の閉断面部124とに接続されることを模式的に示す断面図である。
【0075】
前クロスメンバ121の閉断面部123は、前クロスメンバ121がサイドフレーム92に接続されることにより、第1の閉断面部21と、第2の閉断面部38とに接続されるようになる。また、後クロスメンバ122の閉断面部124は、後クロスメンバ122がサイドフレーム92に接続されることにより、第1の閉断面部21と、第2の閉断面部38とに接続されるようになる。このように第1、第2の閉断面部21,38が前クロスメンバ121の閉断面部123に接続されるとともに後クロスメンバ122の閉断面部124に接続されることにより、バッテリーケース構造の強度・剛性が更に高くなる。
【0076】
上述した各実施の形態で示した外周フレーム6,81,91の第4の閉断面部46と第1の閉断面部21との間の部分は、
図35に示すように、溝状の凹み部131を形成するように形成されている。なお、
図35は、第7実施例で示した外周フレーム91(サイドフレーム92)を使用して描いてある。この凹み部131は、ボックス部3に向けて開放されるとともに前後方向に延びている。外周フレーム6,81,91においては、第1の閉断面部21と第4の閉断面部46との間で重ね合わせ接合が行われるために、上下に並ぶ第1の閉断面部21と第4の閉断面部46の間が途切れることになる。しかし、第1の閉断面部21と第4の閉断面部46との間に前後方向へ延びる溝状の凹み部131が形成されていることにより、凹み部131で補強され、バッテリーケース構造の強度・剛性を補完できる。
また、この凹み部131には、
図35に示すように、冷却配管132や高圧電線133などを収容することができる。
【符号の説明】
【0077】
1…バッテリーケース構造、2…バッテリー、2a…外端部、3…ボックス部、6,81,91…外周フレーム、6a…外面、8…カバー、9,111…ブラケット、10…クロスメンバ、10a…本体部、11…底壁、12…外縁、13…側壁、21…第1の閉断面部、22…凹部、23~26…屈曲部、27,28,41…重ね接合部、31…上側横壁、32…下側横壁、33…上側縦壁、34…突片、35…下側縦壁、38…第2の閉断面部、39…開口、42…底部、44…補強部材、45…第3の閉断面部、46…第4の閉断面部、47…サイドシル、47a…下面、51…外側部材、52…内側部材、61…上部側壁、62…底壁、64…筋交部、63…嵌入部、73…ケース側溶接部、74…クロスメンバ側溶接部、76…断面保持壁、77…貫通孔、82…サイドフレーム、92…サイドフレーム、103…変形許容空間、121…前クロスメンバ、122…後クロスメンバ、123,124…閉断面部、125…突形状の部分、126,127…切欠き、131…凹み部、132…冷却配管、133…高圧電線、S1…ロールフォーミング成形ステップ、S11…プレス成形ステップ、S12…曲げ成形ステップ、S2,S13…溶接ステップ。